JP2005534634A - 治療方法 - Google Patents

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Abstract

患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する方法であって、患者に、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、および、抗原またはその誘導体を投与することを含む方法。

Description

本発明は、治療方法および使用に関する。特に、患者に抗原に対する寛容性を誘発するための方法に関する。
抗原に対する生物の免疫は、先ず抗原と遭遇し、その後、その抗原に選択的に結合することが可能な免疫グロブリン分子、例えば、抗体の生産の結果生じる。さらに、免疫反応は、抗原特異的な可能性もあるT細胞によって制御される。免疫は、通常炎症反応を刺激することによって、外来抗原の処分を可能とする細胞の急速な招集を可能とする。ある状況下では、免疫系は、「寛容性」と呼ばれるメカニズムによって抗原に対して免疫反応を起こさない。例えば、免疫系は、正常時、外来の抗原と、生物体そのものの構成成分とを識別することが可能である。これは、生物体そのものの構成成分(「自己抗原」)に対して抗体を生産する可能性のあるB型リンパ球を全て成育時に破壊し、そうすることによって自己抗原に向けられる抗体を生産する生体の能力を除去するメカニズムがあるためである。
寛容性は積極的な作用であると考えられる。このことは、末梢性寛容は、抗原が、特定の寛容性付与環境(例えば、IL−10が高レベルで、IL−12が低レベル)でT細胞に提示された場合に獲得されることを意味する。次に、このT細胞は循環し、その特定の抗原に再び出会っても、免疫反応を惹起しないか(アネルギーT細胞)、または、破壊反応を惹起する(調整T細胞)。従来から、調整T細胞の役割は寛容性にあることが提起されていた。調整T細胞は、抗原提示細胞の環境によって、その認識抗原に対して、「調整低下」サイトカインを放出するようにプログラムされている。このような調整細胞として初めて報告された細胞はIL−10によって誘発されたものである(Groux等、1997、Nature389:737−742)。
寛容性が破れると、生物体は、その生物体の正常な構成成分に対して、細胞性免疫反応(細胞傷害性T細胞を含む)を起こして、「自己免疫疾患」を生ずる。自己免疫疾患としては、全身エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症(MS)および橋本病が挙げられる。
いくつかの状況では、外来抗原に対する免疫系の正常反応は有害な結果をもたらすことがある。例えば、移植組織片または移植器官片、または、臓器移植がそれであって、この場合、組織または器官のレシピエントの免疫系は、この移植組織片また器官片または臓器移植を外来性のものと認識し、これを拒絶するように作動する。
しかしながら、免疫性または炎症性病態または疾患に対する既存の治療方法の欠点の一つは、選択の範囲が限られており、その治療に不十分な点が見られることである。例えば、炎症性呼吸器疾患を治療するための糖質コルチコステロイドは、多くの患者に有毒作用をもたらし、代替治療薬、例えば、シクロスポリンAまたはインターフェロンγは、危険度が高く、高価で、かつ、一般に効力は不十分である。
思いがけず、本発明者は、プロスタグランジンとホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤との間には、免疫系細胞からのインターロイキン−10(IL−10)放出において協調作用のあることを見出した。さらに、本発明者は、プロスタグランジンおよびPDE阻害剤を併用すると、免疫系細胞において著明なIL−10刺激とインターロイキン−12(IL−12)の抑制があることを見出した。PDE阻害剤の存在下では、PGEと19−ヒドロキシPGE共同作用によるIL−10刺激作用は目覚しく上昇し、これが寛容性を付与する環境をもたらした。
ロリプラムのようなPDE阻害剤は、細菌被膜産物リポ多糖類によって刺激された単球/マクロファージにおいてcAMPおよびIL−10のレベルを上昇させることが知られている(Strassmann等 1994J.Exp.Med.180:2365−70、クラーン等(Kraan et al.)1995、J.Exp.Med.181:775−9、Kambayashi等 1995J.Immunol.155:4909−16)。
本発明者はまた、PGEおよび19−ヒドロキシPGEの両剤投与後PDE活性の増加を示した。これは、刺激の効果を低下させる、直接のネガティブフィードバックである。PGEとPDE阻害剤の使用は、PDEメッセージをさらに増加させるが、次には、その合成されたホスホジエステラーゼは、阻害剤の存在によって打ち消される。
異常なまたは有害な免疫反応によってもたらされる疾患では、IL−10の欠乏および/またはIL−12の増加の存在することがよくある。このIL−10の不均衡は、有用なTヘルパー細胞、特にTヘルパー細胞の発達にとって有害な可能性がある。自己免疫疾患では、2型Tヘルパー細胞よりも1型Tヘルパー細胞の方が優勢であることが特徴的と考えられている。従って、IL−10生産の促進とIL−12の抑制は、T細胞活性化において寛容性付加環境をもたらすものと考えられている。さらに、IL−10高レベル・IL−12低レベル環境は、抗原提示細胞(典型的には樹状細胞)に作用して、調整T細胞形成を確保させ、このために、提示された抗原に対して特異的な調整T細胞が形成される。
本発明者は今、患者の中に所望の抗原に対する寛容性を誘発するに際し、PDE阻害剤をプロスタグランジンまたはそのアゴニストと組み合わせて用い、患者の中に寛容性付与環境を誘発し、また、患者に対してその所望の抗原またはその誘導体を投与することによって所望の抗原に対する寛容性を誘導することを提案する。
本発明者はさらに、PDE阻害剤、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および、抗原またはその誘導体の併用は、有用な程度の治療効果を達成するのに必要とされる、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、または、PDE阻害剤の量を低減させ、および/または、プロスタグランジンまたはそのアゴニストの副作用を低減させるという好ましい効果をもたらすと考える。
本発明者の知る限り、プロスタグランジンまたはそのアゴニストと、PDE阻害剤の併用を、IL−10生産増進のために使用が可能であることを示唆したものはこれまで無かったし、また、IL−10を刺激するこの併用を用いた治療方法を示唆したものも無かった。さらに、この併用が、IL−12生産を抑制すること、または、T細胞活性化において寛容性付与環境を誘発すること、または、患者の中に抗原に対する寛容性を誘発するのに使用が可能であることを示唆したものも全く無かった。さらにまた、患者に対する、抗原またはその誘導体、プロスタグランジン、および、PDE阻害剤の投与は、患者の中にその抗原に対する寛容性を誘発するのに使用が可能であることを示唆したものも全く無かった。
プロスタグランジンE2(PGE2)に対する主要受容体は、EP2およびEP4サブタイプである。もっとも、他の受容体サブタイプも存在する(すなわちEP1とEP3)。EP2とEP4受容体はアデニルシクラーゼと結合して、上昇したcAMPをメッセンジャーシステムとして利用する。組織におけるcAMPレベルは、合成と、PDEによる分解の両方によって支配される。PDEは、特異的抑制因子によって阻止することが可能である。本発明者が考えるのに、と言ってどのような理論にも縛られるものではないが、PDE阻害剤の投与は、患者に対して投与された、所望の特異的抗原に対する寛容性誘発におけるプロスタグランジンまたはそのアゴニストの作用を強化する。従って、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト(例えばPGE)の、そのEP2およびEP4に対する作用はcAMPを刺激することであり、PDE阻害剤の添加は、単球およびマクロファージに対して協調作用を及ぼし、これが、同量のプロスタグランジンまたはそのアゴニスト、または、PDE阻害剤をそれぞれ単独投与して得られる作用の合計よりも大きな、免疫および/または炎症反応減少をもたらすものと本発明者は考えるが、ただし、と言っていかなる理論にも縛られるものではない。
本発明の第一の局面は、患者において抗原に対する寛容性を誘発する方法を提供することであり、この方法は、患者に対して、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体を投与することを含む。
投与される抗原またはその誘導体は、典型的には、それに対して寛容性を誘発することが望まれる抗原、または、その誘導体である。
抗原に対する寛容性を誘発するとは、患者の免疫系が、以前は非寛容的であった抗原に対して寛容的となること、あるいは、免疫系が、その抗原に対して減少反応を呈すること、または、まったく無反応(すなわち、検出不能反応)を呈することという意味を含める。
抗原に対して寛容性を誘発するためには、抗原それ自体ではなく、抗原の誘導体を患者に投与することが評価されている。抗原の「誘導体」とは、例えば、抗原提示細胞(APC)上のクラスIまたはクラスIIMHC分子によって発現が可能であって、抗原そのものに対して寛容性を誘発することが可能な、抗原の全ての部分を含む。典型的には、抗原の誘導体は、T細胞によっても、例えば、T細胞受容体を介して提示された場合認識が可能である。
抗原が蛋白質である場合、抗原の誘導体は、典型的には、その抗原のペプチド断片であり、これは、MHC結合の可能な、抗原のアミノ酸連続配列から成る。好ましくは、この断片は、その長さが6から100アミノ酸長である。さらに好ましくは、この断片の長さは、6から50アミノ酸長である。もっとも好ましくは、断片の長さは、6、または7、または8、または9、または10、または11、または12、または13、または14、または15、または16、または17、または18、または19、または20、または21、または22、または23、または24、または25アミノ酸長である。
抗原の誘導体は、抗原と他の化合物との融合体、または、抗原の断片と他の化合物との融合体であって、提示された場合、クラスIまたはクラスIIMHC分子のいずれかによって認識が可能で、その抗原そのものに対する寛容性を誘発する融合体を含む。典型的には、その融合体は、その抗原そのものに対する寛容性を誘発することが可能な一部分となるように、APCによって処理されることが可能である。
文脈から別ものと指示されない限り、「抗原」という用語が、投与された抗原という文脈で使用されている場合は必ず、本明細書で定義された通りの誘導体も含まれる。
本発明は、患者の免疫反応または炎症反応を抑制することを含む。「抑制する」とは、免疫系または炎症反応が、炎症反応の場合には、刺激に対する炎症反応が低下させられる、または、その反応が検出不能となる程度にまで炎症反応が回避されるよう変更されるという意味を含める。
従って、本発明は、患者の中に抗原に対する寛容性を誘発し、それによって、患者の中の異常なまたは有害な免疫または炎症反応を治療することを含む。これは、有害な炎症反応または免疫反応が見られる疾患または病態の治療に特に有用である可能性がある。従って、本発明は、患者における免疫反応または炎症反応を抑制する方法であって、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体を患者に投与することを含む方法を含む。
「異常なまたは有害な免疫反応または炎症反応」とは、ある個体または患者の組織中に、目視が可能な、または、測定可能な炎症の存在を誘発する疾患または病態を含む。例えば、外来移植片の一部を形成する組織、または、外来移植片を受容した宿主の組織、あるいは、MSを持つ個体の中枢神経系、あるいは、1型糖尿病患者のインスリン炎、あるいは、関節リューマチ患者の腫脹関節である。
本発明は、患者において抗原に対する寛容性を誘発し、それによって、例えば、臓器移植拒絶に関連する反応のような、患者の中の異常なまたは有害な免疫または炎症反応を抑制する方法を含む。
本発明は、患者において、移植拒絶反応、または、移植拒絶と関連する疾患または病態を克服する方法を含む。その方法は、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、それに対して寛容性を誘発することが望ましいとされる抗原、または、その誘導体を、その患者に対して投与することを含む。移植拒絶と関連する疾患または病態は、宿主に対する移植片の疾患、すなわち、典型的には、抗原は宿主の抗原であってもよい。別に、移植拒絶と関連する疾患または病態は、移植片に対する宿主の疾患、すなわち、典型的には、抗原は、移植された臓器または材料の上に存在する抗原であってもよい。このような場合、移植における抗原特異的T調整細胞の増加に関連する免疫または炎症反応の抑制・沈静が必要とされる。好ましくは、この抗原はクラスIMHC分子である。もっとも好ましくは、このMHC分子はHLA−A2である。
異常なまたは有害な免疫または炎症反応である疾患または病態は、有害な反応がアレルギー反応であるアレルギー症も含む。このような病態または疾患では、それに対して寛容性が誘発される抗原はアレルゲンであると考えられる。
以上から、本発明の方法は、有害なアレルギー性炎症または免疫反応の見られる、アレルギー性病態または疾患の治療には特に有用である可能性がある。
本発明は、患者におけるアレルギー反応を治療、予防または抑制する方法であって、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、それに対して寛容性を誘発するのが好ましいとされる抗原またはその誘導体を患者に投与することを含む方法を含む。典型的には、アレルギー病態または疾患において、それに対して寛容性を誘発するのが好ましいとされる抗原はアレルゲンと考えられる。
一つの好ましい実施態様では、アレルギー病態または疾患はアレルギー性喘息である。好ましくは、抗原および/またはPGおよび/またはPDE阻害剤は、エロゾルを介して肺または気管支に投与される。もっとも好ましくは、抗原およびプロスタグランジンおよびPDEはエロゾルを介して投与される。この実施態様は特に好ましいと考えられる。なぜなら、米国特許第4,127,612号に記述されるように、いくつかの19−ヒドロキシプロスタグランジンは、気管支拡張剤として機能することが報告されているからである。なお、この特許を引用することにより本明細書に含める。プロスタグランジンが、喘息治療に広く使用されない理由は、プロスタグランジンが患者に咳を引き起こすためである。PDE阻害剤を投与すれば、これはプロスタグランジンの低濃度投与を可能とするから、副作用を極小とする一方で治療効果を挙げることが可能となる。
従って、本発明は、19−ヒドロキシPGE、ホスホジエステラーゼ阻害剤、および、それに対して寛容性を誘発するのが好ましいとされるアレルゲンまたはその誘導体を、アレルギー性喘息の吸入治療のために使用する使用を含む。
一つの好ましい実施態様では、疾患または病態が、アレルギー性疾患または病態、例えば、アレルギー性喘息である場合、抗原は、ダニ・アレルゲン、埃アレルゲン、哺乳類アレルゲン、例えば、ネコ、イヌ、または、ウマ・アレルゲン、好ましくはネコ・アレルゲンであってもよい。
他の実施態様では、抗原(アレルゲン)は、下記の内のどれか一つである。すなわち、Fel d1(飼養ネコFelis domesticusの皮膚・唾液腺アレルゲンで、そのアミノ酸配列はWO91/06571に開示されている)、Der pI、Der pII、Der fI、または、Der fII(家埃ダニdermatophagoidesから生じる主要蛋白アレルゲンで、そのアミノ酸配列はWO94/24281に開示されている),および、下記のいずれかに存在するアレルゲン、すなわち、草、木および雑草(ブタクサを含む)の花粉;キノコ類およびカビ類;食物例えば魚;貝類;蟹・海老;ピーナッツ;ナッツ類;小麦グルテン;卵とミルク;刺す昆虫、例えば、蜂、黄蜂と熊蜂、および、蚋類(刺さない蚋);蜘蛛・ダニ、家埃ダニを含む;哺乳類、例えば、猫、犬、牛、豚、羊、馬、兎、鼠、モルモット、マウス、および、ジャービル等の頭・皮膚垢(ふけ・あか)、尿、唾液、血液、または、その他の体液の中に見られるアレルゲン;空中に浮遊する一般の粒子;ラテックス、および、洗剤の蛋白添加剤である。
抗原(アレルゲン)はまた、下記を含む昆虫グループから選ばれる昆虫抗原であってもよい。すなわち、家蝿、ショウジョウバエ、羊クロバエ、蝿蛆虫、穀ゾウムシ、蚕、蜜蜂、刺さない蚋の幼虫、蜂蜜蛾幼虫、ミルワーム、ゴキブリ、および、ゴミムシダマシ(Tenibrio molitor)の幼虫である。
別の実施態様では、本発明は、患者の自己免疫疾患の治療方法であって、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、それに対して寛容性を誘発するのが好ましいとされる抗原またはその誘導体を患者に投与することを含む方法を含む。典型的には、抗原は、それに対して有害な免疫反応が生じる自己抗原である。
好ましくは、疾患または病態が悪性貧血ならば、抗原はビタミンB12であってもよい。
好ましくは、疾患または病態がアディソン病ならば、抗原は副腎抗原であってもよい。
好ましくは、疾患または病態がインスリン依存性糖尿病ならば、抗原は、グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)、インスリン、または、IA−2(蛋白チロシンフォスファターゼ様分子)であってもよい。
好ましくは、疾患または病態がグッドパスチャー症候群または腎臓脈管炎ならば、抗原は腎臓抗原または内皮抗原であってもよい。
好ましくは、疾患または病態が重症筋無力症ならば、抗原はアセチルコリン受容体であってもよい。
好ましくは、疾患または病態が交感性眼炎ならば、抗原は眼球抗原であってもよい。
好ましくは、疾患または病態がMSならば、抗原は、MBP(ミエリン塩基性蛋白)、PLP(プロテオリピド蛋白)、または、MOG(ミエリン・オリゴデンドロサイト糖蛋白)であってもよい。
好ましくは、疾患または病態が自己免疫性溶血性貧血ならば、抗原は赤血球抗原であってもよい。
好ましくは、疾患または病態が本態性白血球減少症ならば、抗原は白血球抗原であってもよい。
好ましくは、疾患または病態が潰瘍性大腸炎ならば、抗原は、食物抗原またはウィルス抗原であってもよい。
好ましくは、疾患または病態が皮膚筋炎ならば、抗原は平滑筋抗原であってもよい。
好ましくは、疾患または病態が強皮症ならば、抗原は結合組織抗原であってもよい。
好ましくは、疾患または病態が混合結合組織病ならば、抗原は結合組織抗原であってもよい。
好ましくは、疾患または病態が過敏性腸症候群ならば、抗原は食物抗原であってもよい。
好ましくは、疾患または病態がSLEならば、抗原は、ヒストン蛋白または免疫グロブリン重鎖であってもよい。
好ましくは、疾患または病態が、橋本病、一次粘液水腫または甲状腺中毒症ならば、抗原は甲状腺抗原であってもよい。
好ましくは、疾患または病態が、甲状腺自己免疫疾患または甲状腺炎ならば、抗原は、サイログロブリンのような甲状腺ホルモンであってもよい。
好ましくは、疾患または病態がベーチェット病ならば、抗原は、Sag(眼球由来のS抗原)、HLA−B44、B51またはHSP65であってもよい。
好ましくは、疾患または病態が、セリアック病/疱疹状皮膚炎ならば、抗原はグリアジンであってもよい。グリアジン全部を使用するよりは、グリアジン特異的T細胞の増殖を下方調整することが可能なグリアジン分画を使用する方が有用である可能性がある。適当な分画は、Maurano等 (2001) Scand.J.Immunol.53、290−295に開示されるα分画であってもよい。この文献を引用することにより本明細書に含める。
好ましくは、疾患または病態が関節リューマチならば、抗原は、II型コラーゲンまたはHSP(熱ショック蛋白)であってもよい。
好ましくは、疾患または病態が脱髄疾患ならば、抗原はミエリンであってもよい。
本発明の方法は、患者に対し、ある抗原に対する寛容性を再度付与するのに使用することが可能である。例えば、ウィルス感染の結果である自己免疫疾患または病態では、抗原は、ウィルスHSP類似の自己HSPである可能性がある。
本治療方法は、T細胞を炎症前段階防衛機能から逸らせることによって症状を治療するばかりでなく、有害な自己免疫反応を克服するものと考えられている。
本発明者が考えるのに、と言っていかなる理論にも縛られるものではないが、本発明の方法は、T細胞のプログラミングに影響を及ぼし、それらの細胞を、炎症前段階防衛性T細胞にではなく、調整的または抑制的T細胞となるように仕向ける。T細胞は、プロスタグランジンおよびPDE阻害剤の存在下に抗原と遭遇すると、IL−10のような抑制性サイトカインを放出するが、IL−12のような炎症性サイトカインは放出しない。従って、プロスタグランジンおよびPDE阻害剤による治療は、その抗原に対する炎症反応が生ずるのを阻止する、または、極小化すると考えられる。上記から、プロスタグランジン、PDE阻害剤、および、抗原、例えば、自己抗原、またはその誘導体による治療は、予防的にも使用が可能であるし、あるいは、例えば、自己免疫疾患の最初の兆候が現れたら直ちに使用することも可能である。
さらに、T細胞は全身に渡って存在するのであるから、それらの細胞は、最終的な活動部位から遠く離れた部位でプログラムされる、あるいは、成熟すると考えられる。従って、本発明の一つの実施態様では、プロスタグランジン、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体の内のいずれか一つ、または、全てを、疾患部位から離れた部位に投与してもよい。
同様に、ある種の自己免疫疾患に対する他の形態の治療と違って、本法は、免疫反応を、それが始まる前に予防するのに役立つ可能性がある。従って、本法は、例えば、年齢や遺伝的素因によって、自己免疫疾患にかかり易い素質を持つ患者を、炎症症状が現れる前に治療するのに有用である可能性がある。
本発明はまた、患者における免疫反応または炎症反応を抑制または沈静するために、患者において抗原に対する寛容性を誘発することを含む。「抑制または沈静」とは、Th2反応の増加、Th1反応の減少、または、T調整細胞の増加を招く、IL−10レベルの増加、および/または、IL−12レベルの減少を含める。
ある特定の患者が、治療による効果を期待できるか否かは医師によって判定が可能である。
患者を、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体によって治療した場合に得られる効果は、その抗原に対する寛容性の促進または改善である。抗原は、その患者にとって外来のもの、例えば、過敏性腸症候群に関わる抗原であってもよい。
プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体を投与することによって患者においてある抗原に対する寛容性を誘発することは、抗原特異的免疫抑制をもたらす可能性があることが考えられる。従って、本発明は、患者において抗原に対する寛容性を誘発し、その患者の中に抗原特異的免疫抑制を形成する方法を含み、その方法は、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体を、患者に投与することである。この抗原特異的免疫抑制は、特異的抗原に対する細胞性免疫反応の閾値を高めるという特徴を持つ。
上記から、本発明はまた、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体の組み合わせを、その抗原に対する免疫抑制剤として使用するという使用も提供する。
プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体は、どのような順序で投与してもよい。好ましくはこれらは共同投与される。しかしながら、それらの成分は、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよび抗原の投与前に、PDE阻害剤が補助細胞中に効果を現すことが可能となるように投与されてもよい。プロスタグランジンおよびそのアゴニスト、および、PDE阻害剤は、実質的に同時に、例えば、同じ組成物において投与され、抗原は別に投与されてもよい。抗原またはその誘導体は、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよびPDE阻害剤の前に、後に、または、実質的に同時に投与されてよい。投与の順序とタイミングは、抗原、プロスタグランジンおよびPDE阻害剤の性質に関する知識を用いて医師によって決められてよい。例えば、プロスタグランジン(例えばミソプロストール)は、投与後4時間活性を保つことがある。PDE阻害剤は、投与後効き目を現すまで30分の桁の時間を要することがある。従って、投与の適切なタイミングは、この情報から簡単に工夫することが可能である。
抗原に対する寛容性が、特定の器官に、例えば、皮膚、または、気管支および肺に局在することが望ましい場合、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、抗原またはその誘導体は、その病態部位に局所的に投与されると好都合である。プロスタグランジンまたはそのアゴニストは、ゲルまたはクリームまたは蒸気またはスプレーとして、あるいは、病態が皮膚に局在している場合には「パッチ」として、あるいは、病態部位が肺または気管支である場合には吸入蒸気またはスプレーとして投与してもよい。
プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、抗原またはその誘導体は、全身的に、例えば、経口的に投与してもよい。例えば、粘膜性免疫系に対して局所的に、例えば、坐剤を介して提示される抗原は、投与部位から離れた粘膜部位で作用することが予想される。
本発明は、プロスタグランジン、ホスホジエステラーゼ阻害剤、および、抗原またはその誘導体を、炎症部位から離れた粘膜部位に投与することを含む、例えば、関節炎の場合に、これらの成分を坐剤として投与することも可能である。この実施態様は、消化管の病的変化は、筋骨格系(AlghafeerおよびSigal,Bulletin on the Rheumatic Diseases、51(2): http://www.arthritis.org/research/bulletin/vol51no2/51_2_printable.asp、この文献を引用することにより本明細書に含める)を含む多数の器官の臨床的問題と関連する可能性があるので、特に効果的である。ある種の反応性関節炎は炎症性腸炎によって引き起こされ、腸疾患性関節炎では、腸管粘膜からの白血球が関節組織に移動することが報告されている(サルミとヤーカネン(Salmi & Jalkanen(2001)JImmunol.,166(7):4650−7、この文献を引用することにより本明細書に含める)。
従って、抗原またはその誘導体は、様々の手段を通じて患者に投与することが可能と考えられる。例えば、抗原またはその誘導体は、患者の粘膜表面、例えば、直腸粘膜表面を通じて、例えば、坐剤として投与することが可能であり、膣を通じて、例えば、ペッサリーとして投与してもよいし、皮膚を通じて、例えば、ゲルまたはクリームまたはパッチとして投与してもよいし、肺に、例えば、エロゾルとして(通常、肺の障害に対して)投与してもよいし、または、経口的に、例えば、錠剤またはカプセルとして(通常、腸管における徐放のために)投与してもよい。
理論によって縛られるものではないが、抗原またはその誘導体は、リンパ組織、例えば、リンパ系のリンパ節、または、小腸粘膜下のパイヤー斑に輸送されると考えられる。従って、上記の組織に対してあらゆる輸送形態が考えられる。抗原またはその誘導体は、プロスタグランジンおよびPDE阻害剤によって形成された、IL−10上昇・IL−12下降の寛容性付与環境において、APCによって循環するT細胞に提示される。さらに、プロスタグランジンとPDE阻害剤の投与は、循環性T細胞が調整T細胞となる確率を増大させる。
PDE阻害剤は、適当ないずれのルートを通じて投与してもよい。PDE阻害剤は、PDE阻害の所望の部位に−それは典型的には、本発明に関しては白血球であるが−様々の投与ルートを用いて到達することが可能である。典型的には、一つの実施態様では、PDE阻害剤は全身的に投与される。全身投与の適切な形態は、経口、経皮、または、坐剤によるルートを含む。PDE阻害剤の多くのものが経口として市販されているから、PDE阻害剤は経口的に投与するのが好都合かも知れない。
また、PDE阻害剤は局所的に投与するのも好都合である。上記から、PDE阻害剤は、皮膚上のような局所的に、例えば、プロスタグランジンまたはそのアゴニストの投与に関連して前述したように、ゲルまたはクリームまたは蒸気またはスプレーを用いて、あるいは「パッチ」として搬送してもよい。同様に、気管支または肺投与の場合には、スプレーまたは蒸気として投与してもよい。
本発明の好ましい実施態様では、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体は、同時輸送のために、同一処方の中に組み合わせて用いてもよい。上記から、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および、PDE阻害剤は、ゲルまたはクリームまたは蒸気またはスプレーまたは「パッチ」または坐剤の中で組み合わされて、一緒に患者に投与されてもよい。
好ましくは、坐剤は、pHが上昇した時にのみ腸内に活性剤を放出する腸溶性コーティングを有する。従来からこの種の調剤は、グルココルチコイドを効果的に腸管に搬送した(エントコートCRのデータシート)。
別態様として、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体は、カプセルまたは、その他の適当な嚥下される形態の下に投与されてもよい。カプセルまたは、その他の適当な剤形は、pH感受性を持つ腸溶性コーティングを持ち、そのために、消化管における所望の地点、典型的には、回腸遠位部または結腸における放出を実現する。
別態様として、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体は、例えば、Egaletで生産されるもののような非溶解性チューブまたはパイプシステムを用いて、結腸または回腸遠位部に直接投与してもよい。
プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原は、同じまたは異なる部位に、かつ、同じまたは異なる投与方式によって投与してよい。
プロスタグランジンまたはそのアゴニストは、適当なものであれば、いずれのプロスタグランジンまたはそのアゴニストであってもよい。「プロスタグランジンまたはアゴニスト」とは、プロスタグランジン受容体にプロスタグランジンアゴニストとして作用する全ての化合物を意味する。プロスタグランジンアゴニストはプロスタノイドである必要はない。典型的には、アゴニストは、EP2またはEP4受容体に結合するものである。プロスタグランジンまたはそのアゴニストは、マクロファージにおいてcAMP生産を刺激可能であることが好ましい。プロスタグランジンはPGEまたはPGIであることが好ましい。好ましくは、プロスタグランジンは、PGEまたはそのアゴニストではない。プロスタグランジンまたはそのアゴニストは、PGEか、または、その合成類似体であることが好ましい。合成類似体としては、15または16位においてメチル基を添加して修飾したもの、または、ヒドロキシルが、15位から16位に転位したものが挙げられる。プロスタグランジン類似体の好ましい例としては、ブタプロスト(EP2受容体アゴニスト)および11−デオキシPGE1(EP4受容体アゴニスト)が挙げられる。疑問を避けるために、「プロスタグランジン」という用語は、天然に見られるプロスタグランジン類と同様、合成プロスタグランジン類似体も含む。
適切なプロスタグランジンまたはそのアゴニストとしては、ジノプロストン(プロペスの名前で、ヨーロッパではFerringによって、米国ではForestによって販売され、また、プロスティンE2の名前でPharmaciaで販売されている)、ゲメプロスト(Farillonによって販売)、ミソプロストール(サイトテックの名前でSearleとPharmaciaによって販売)、アルプロスタジル(カベルジェクトの名前でPharmaciaによって、ビリダルの名前でSchwarzによって、かつ、ムセの名前でアストラゼネカによって販売されている)、および、リマプロストが挙げられる。
ミソプロストールは、EP2およびEP3アゴニスト作用を有するPGE類似体である。その化学構造は、(±)メチル11α,16−ジヒドロキシ−16−メチル−9−オキソプロスト−13−エノアートである。
プロスタグランジンアゴニストとして作用する非プロスタノイド化合物の一つの例としてAH23848がある。これはEP4受容体アゴニストである。
本発明を実施するに当たって有用と考えられるEP2アゴニストはAH13205を含む。
好適なプロスタグランジンはまた、19−ヒドロキシPGE1および19−ヒドロキシPGE2を含む。プロスタグランジンアゴニストは、欧州特許第1 097 922号および1 114 816号に記述される。これらの特許を引用することにより本明細書に含める。
好適なプロスタグランジンまたはアゴニストはまた、米国特許第4,127,612号に記述される全ての19−ヒドロキシプロスタグランジン類似体を含む。
プロスタグランジンは、プロスタグランジンE(PGE)であることが好ましい。PGE2を含む、プロスタグランジンおよびそのアゴニストは市販されており、例えば、PharmaciaおよびUpjohnからプロスチンE2の名前で市販されている。
PDE阻害剤は、適当なものであればいずれのPDE阻害剤であってもよい。好ましくは、PDE阻害剤は、cAMP分解に活性を示すPDEを抑制するものである。cAMP分解に活性を示すことが知られるPDEは、IV、VIIおよびVIII型のものである。好ましくは、PDE阻害剤は、IVまたはVIIまたはVIII型に対して選択的である。
もっとも好ましくは、PDE阻害剤は、IV型PDEに対して選択的である。「選択的」とは、その阻害剤が、それに対して選択的なPDE阻害剤の特定の型を、別の型に対するよりも強力に抑制することを意味する。好ましくは、IV型選択的阻害剤は、他のPDE型に対してよりも、IV型PDEに対して少なくとも2倍強力な抑制剤である。より好ましくは、IV型選択的阻害剤は、他のPDE型に対してより、IV型PDEに対して、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、200倍、500倍、または、1000倍強力な阻害剤である。
典型的には、選択的阻害剤は、他のPDE型に対してより、選択されたPDE型に対して、約5から50倍強力な阻害剤である。典型的には、選択的阻害剤は、非選択的とされる阻害剤、例えば、テオフィリンよりも、選択されたPDE型に対して5から50倍強力な阻害剤である。上記から、テオフィリンは、ロリプラムよりも30倍効力が低いことになる。
好ましくは、選択的抑制は、IC50レベルの比較によって確定される(ドゥーサ(Dousa)(1999)Kidney International55:29−62)。
非特異的PDE阻害剤としては、カフェイン、テオフィリン、3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)、および、ペントキシフィリン(3,7−ジヒドロ−3,7−ジメチル−1−(5−オキソヘキシル)−1H−プリン−2,6−ジオン)が挙げられる。もっともカフェインは、他のものほど活性はないので好ましくないのであるが。IBMXのIC50値は2−50μMである。
引用することにより本明細書に含める米国特許第6,127,378号は、選択的PDE阻害剤(主にIV型の)と記述される、6位の置換されたフェナンスリジンを開示する。このものは、本発明の方法で用いるのに好適である可能性がある。
IV型特異的(または選択的)PDE阻害剤としては、ロリプラム(4−[3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル]−2−ピロリジノン)、および、Ro−20−1724 (4−[3−ブトキシ−4−メトキシベンジル]−2−イミダゾリジノン)が挙げられる。ロリプラムのIC50は800nMであり、Ro−20−1724のIC50は2μMである。
もう一つの好適なIV型選択的PDE阻害剤は、デンブフィリン(1,3−ジ−n−ブチル−7−(2−オキソプロピル)-キサンチン)である。
CP80 633(ハニフィン等(Hanifin et al.)(1996)J.Invest.Dermatol.107、51−56)、CP102 995およびCP76 593は皆強力なIV型阻害剤である(中央研究部、Pfizer社、Groton、コネティカット州から市販されている)。
その他の、高親和性の、IV型選択的阻害剤としては、CPD 840、RP73401およびRS33793(Dousa、1999)が挙げられる。高親和性IV型選択的PDE阻害剤は約1nMのKを有し、一方、低親和性阻害剤は約1μMのKを有する。
IV型PDE選択的阻害剤に関する、ドゥーサ(Dousa(1999))、ミュラー等(Mueller et al.)1996、Trends Pharmacol.Sci.17:294−298、パルフライマンおよびスーネス(Palfreyman & Souness)1996、Prog Med Chem 33:1−52、スタッフォードおよびフェルドマン(Stafford & Feldman)1996、「医化学年報(Annual Reports in Medical Chemistry)」、31巻、71−80頁、ブリストル(Bristol)編、Academic Press、ニューヨーク、米国、および、テイキシエラ等(Teixeira et al.)1997、Trends Pharmacol.Sci.18:164−171)の開示を、引用することにより本明細書に含める。
典型的には、IV型PDE選択的阻害剤を経口投与する場合、約1から30mgが使用される。従って、ロリプラムまたはデンブフィリンの典型的経口用量は、1mgまたは5mgまたは10mgまたは30mgである。非選択的PDE阻害剤、例えばテオフィリンを用い、しかも経口投与する場合は、用量は5と50mgの間、例えば、5または10または20または30または40または50mgである。
一つの実施態様では、プロスタグランジンまたはそのアゴニストは経口投与される。特に、このプロスタグランジンまたはそのアゴニストは、その分解性を低減するように修飾され、かつ、経口的に利用可能な(例えばミソプロストール)プロスタグランジン類似体である。
PDE阻害剤は、適当なものであれば、いずれの手段、いずれのルートを通じて投与することも可能であるが、プロスタグランジンまたはそのアゴニストが経口投与される場合には、PDE阻害剤も経口投与されるのが好ましい。プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および、PDE阻害剤は、同時に、例えば、同じ組成物において投与されるのは好ましい。さらに好ましくは、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および抗原は、同時に、例えば、同じ組成物において投与される。
上記から、一つの好ましい実施態様では、本発明の方法は、その分解性を低減するように修飾され、かつ、経口的に利用可能な(例えばミソプロストール)プロスタグランジン類似体の経口投与、および、PDE阻害剤、例えば、ロリプラムの経口投与を利用する。経口投与の利点は、他の投与方式と比べると一般に適応性が優れていることである。
本発明者は、PDE阻害剤を、経口投与可能なプロスタグランジンまたはそのアゴニストと併用することは、PDE阻害剤を用いない場合よりも、プロスタグランジンの経口用量が低減されることになると考える。これは、プロスタグランジンまたはそのアゴニストの経口投与によって引き起こされる副作用、例えば、筋痙攣を低減させるという利点を持つと本発明者は考える。
付属の図面や実施例に記述されるデータは、典型的には、PGEと同等の効果を挙げるには、19−ヒドロキシPGEの場合、より高い濃度が必要とされることを示す。しかしながら、19ヒドロキシPGEは、より速やかに分解されるという利点を持つ。
従って、好ましくは、PDE阻害剤およびプロスタグランジンまたはそのアゴニストの組み合わせは、IV型選択的PDE阻害剤と19−ヒドロキシPGEを含む。典型的には、5ml生理食塩水に溶解させた0.1−100μgの19ヒドロキシPGEと1−250μgのロリプラムの投与が考えられる。
典型的には、100から800μgのミソプロストールが、1から30mgのロリプラムまたはデンブフィリンと一緒に毎日経口投与される。
前述のように、プロスタグランジンまたはそのアゴニストは、経口的には、PDE阻害剤と組み合わせた方が、PDE阻害剤無添加の場合よりも、より低い用量で使用が可能である。
典型的には、PDE阻害剤の用量は前述の通りであり、プロスタグランジンは、例えば、ミソプロストールは、100から400μgの用量で投与される。
典型的には、抗原またはその誘導体は、約100ngと約100mgの間、より典型的には約100μgの用量で投与される。
本発明の第2局面は、患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する医薬の製造のための、プロスタグランジンおよびそのアゴニストの使用であって、患者にPDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体を投与することを特徴とする使用を提供する。従って、患者は、プロスタグランジンまたはそのアゴニストの投与前に、PDE阻害剤および抗原またはその誘導体を投与されてもよく、あるいは、プロスタグランジンまたはそのアゴニストと同時に、PDE阻害剤および抗原またはその誘導体を投与され、あるいは、プロスタグランジンまたはそのアゴニストの投与後に、PDE阻害剤および抗原またはその誘導体を投与されることになる。
本発明の第3局面は、患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する医薬の製造における、PDE阻害剤の使用であって、患者にプロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および、抗原またはその誘導体を投与することを特徴とする使用を提供する。従って、患者は、PDE阻害剤の投与前に、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよび抗原またはその誘導体を投与されてもよく、あるいは、PDE阻害剤と同時に、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよび抗原またはその誘導体を投与され、あるいは、PDE阻害剤の投与後に、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよび抗原またはその誘導体を投与されることになる。
本発明の第4局面は、患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する医薬の製造における、抗原またはその誘導体の使用であって、患者にプロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および、PDE阻害剤を投与することを特徴とする使用を提供する。従って、患者は、抗原またはその誘導体の投与前に、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよびPDE阻害剤を投与されてもよく、あるいは、抗原またはその誘導体と同時に、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよびPDE阻害剤を投与され、あるいは、抗原またはその誘導体の投与後に、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよびPDE阻害剤を投与されることになる。
本発明の第5局面は、患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する医薬の製造のための、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および、PDE阻害剤の使用であって、患者に抗原またはその誘導体を投与することを特徴とする使用を提供する。従って、患者は、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよびPDE阻害剤の投与前に、抗原またはその誘導体を投与されてもよく、あるいは、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよびPDE阻害剤と同時に、抗原またはその誘導体を投与され、あるいは、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよびPDE阻害剤の投与後に、抗原またはその誘導体を投与されることになる。
本発明の第6局面は、患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する医薬の製造のための、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体の使用であって、患者にプロスタグランジンまたはそのアゴニストを投与することを特徴とする使用を提供する。従って、患者は、PDE阻害剤および抗原またはその誘導体の投与前に、プロスタグランジンまたはそのアゴニストを投与されてもよく、あるいは、PDE阻害剤および抗原またはその誘導体と同時に、プロスタグランジンまたはそのアゴニストを投与され、あるいは、PDE阻害剤および抗原またはその誘導体の投与後に、プロスタグランジンまたはそのアゴニストを投与されることになる。
本発明の第7局面は、患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する医薬の製造のための、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および、抗原またはその誘導体の使用であって、患者にPDE阻害剤を投与することを特徴とする使用。従って、患者は、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよび抗原またはその誘導体の投与前に、PDE阻害剤を投与されてもよく、あるいは、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよび抗原またはその誘導体と同時に、PDE阻害剤を投与され、あるいは、プロスタグランジンまたはそのアゴニストおよび抗原またはその誘導体の投与後に、PDE阻害剤を投与されることになる。
本発明の第8局面は、患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する医薬の製造のための、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体を組み合わせる組み合わせの使用を提供する。従って、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体は、患者に投与する前に、同じ薬剤の中で結合されてもよい。
好ましくは、第2、3および4、5、6、7および8局面による使用は、患者における異常な、または、有害な免疫または炎症反応の治療に関する。
プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、抗原、投与ルート、用量等に関する好みは、本発明の第2、3、4、5、6、7および8局面においても、本発明の第1局面と同様である。
本発明の第9局面は、抗原に対する寛容性を誘発する治療システムであって、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体を含むことを特徴とする治療システムを提供する。この治療システムは「部品から成るキット」と呼んでもよい。
好ましくは、この治療システムは、本発明の第1局面に定義される通りの、好ましいプロスタグランジンまたはそのアゴニストを含む。さらに好ましくは、治療システムは、本発明の第1局面に定義される通りの、好ましいPDE阻害剤を含む。さらに好ましくは、治療システムは、本発明の第1局面に定義される通りの、好ましい抗原またはその誘導体を含む。この治療システムまたは部品から成るキットは、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体を、同時投与か、または、時間的に別々の投与か、そのいずれかの投与において併用するのに都合の良い処方で包装・提示されたものを好適に含む。従って、例えば、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体が、皮膚に対する同時局所投与用である場合の実施態様では、治療システムは、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体の併合を含む、ゲルまたはクリームまたはスプレーまたはベーパーまたは「パッチ」を含んでもよい。それとは別に、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体が、特定の治療処方において個別投与用とされる実施態様では、それらの成分は個別に包装または処方される。例えば、プロスタグランジンまたはそのアゴニストは、クリームまたはゲルまたはスプレーまたは蒸気または「パッチ」を用いた局所投与用に処方され、PDE阻害剤および抗原またはその誘導体は、経口投与のような全身投与用に包装または処方されてもよい。
プロスタグランジンまたはそのアゴニスト単独、または、PDE阻害剤単独、または、抗原またはその誘導体単独、または、それらのどのような組み合わせであれ、全ての処方は、好都合にも、単位剤形で提示することが可能であるし、また、製薬学の従来技術で既知の方法のどれを用いて調製してもよい。このような方法は、本発明で使用される活性成分を、1種以上の補助成分を構成する担体と関連させる工程を含む。一般に、処方は、活性成分を、液性の担体または微細に分割した固相担体、またはその両方に、均一にかつ緊密に関連させ、かつ、要すれば、その産物を成形することによって調製される。
経口投与に好適な、本発明による処方は(例えば、PDE阻害剤の、または、適当なプロスタグランジンまたはそのアゴニストまたは抗原の)、それぞれが所定の量の活性成分を含む、カプセル、カシェ剤または錠剤のようなバラバラの単位として提示されてもよいし、散剤または顆粒として、水性液体または非水性液体に溶解させた溶液または懸濁液として、あるいは、水中油滴の液体乳剤または油中水滴の液体乳剤として提示されてもよい。活性成分はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして提示されてもよい。
錠剤は、要すれば随意に1種以上の補助成分を加えて、圧縮または成形によって製造されてよい。圧縮錠剤は、粉末または顆粒状の流動形の活性成分を、要すれば随意に結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性な希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、グリコール酸澱粉ナトリウム、架橋結合ポビドン、架橋結合カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性または分散剤と混合し、適当な装置で圧縮することによって調製することが可能である。成形錠剤は、不活性な液性希釈剤によって湿らした粉末状化合物の混合体を適当な装置で成形することによって製造が可能である。錠剤は要すれば随意にコート被覆し、または、評点をつけ、所望の放出プロフィールが得られるように、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な比率で用いて、活性成分の、緩徐な、または、調整的な放出を実現するように処方されてもよい。
好ましい単位剤形処方は、活性成分の、1日用量または単位、1日のサブ用量またはその適当な分画量を含むものである。
特に前述した成分の他に、本発明の処方は、問題の処方タイプに関して従来技術で常習的なその他の因子を含んでもよい、例えば、経口投与に適した処方であれば芳香剤を含んでもよいということを理解しなければならない。
皮膚に対する局所投与のためには、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体を、分散剤または、経皮的または経粘膜的移送または浸透を可能とする薬剤、例えば、ジメチルスルフォキシド(DMSO)等と組み合わせて処方するのは好都合である。適当な薬剤とは、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤と適合するもの(例えば、その溶媒)である。
本発明の第10局面は、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、患者においてそれに対して寛容性を誘発するのが望ましいとされる抗原またはその誘導体を含む組成物を提供する。本発明以前には、組成物の中に、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、患者においてそれに対して寛容性を誘発するのが望ましいとされる抗原またはその誘導体を併合する理由は認められていなかった。好ましくは、プロスタグランジンまたはそのアゴニストは、本発明の第1局面において好適とされるものである。また好ましくは、PDE阻害剤は、本発明の第1局面において好適とされるものである。また好ましくは、抗原またはその誘導体は、本発明の第1局面において好適とされるものである。
この組成物は、本発明の第1局面のいくつかの実施態様の実行に使用されてもよい。従って、本発明の第11局面は、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、患者においてそれに対して寛容性を誘発するのが望ましいとされる抗原またはその誘導体を、医学用に含む組成物を提供する。従って、本組成物は、医学用に包装・提示される。本組成物は、ヒトまたは獣医学において使用されてよいが、好ましくは、ヒト医学に使用される。
典型的には、組成物はさらに、製薬学的に受容可能な担体を含む。従って、本発明の第12局面は、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、患者においてそれに対して寛容性を誘発するのが望ましいとされる抗原またはその誘導体、および、製薬学的に受容可能な担体を含む製薬組成(または処方と呼んでもよい)を提供する。担体(単数または複数)は、本発明の組成物と適合的であり、かつ、そのレシピエントに対して有害でないという意味で「受容可能」でなければならない。典型的には、担体は、無菌的で、発熱物質非含有の水または生理食塩水である。
本法または薬剤が使用される患者は、哺乳動物、例えば、猫、犬、馬、牛、羊、馬、豚等いずれの哺乳動物であってもよいが、好ましくはヒトである。
本法または薬剤は、抗原に対する寛容性を誘発する必要性を示す兆候が、治療される患者に明らかになる前に使用されてもよく、またそれとは別に、または、それに加えて、本法または薬剤は、症状または兆候が明白になってから使用されてもよいことが理解されよう。従って、臓器移植または組織移植を受ける予定の患者の場合、移植手術を開始する前に、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体を投与することは有利であろう。さらに、置換または移植手術の最中にまたは完了後にも投与を続行することは有利であろう。必要な用量は、要求される寛容性の程度に応じて医師によって決められてよい。
さらに、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体は、それぞれ、同じ治療効果を挙げるのに、単一用量として、または、複数回の、より少量の用量として投与されてもよいことが理解されよう。投与頻度は、用量を投与する医師または患者の都合によって変動させてもよい。
それに対して寛容性を誘発するのが望ましいとされる抗原以外の抗原に対する、患者の暴露を最小限とするのが好ましいことが理解される。ある場合、このことは、免疫抑制処置患者に対して行われる従来技術で既知の、隔離「バブル」の中に患者を閉じ込めることを含む。
1種を越える抗原に対する寛容性を持たせることが望ましいことがあることが理解される。従って、それに対して寛容性を誘発することが望ましいとされる一つの抗原を含む、複数の方法、使用、および、組成物を参照するならば、それは、それに対して寛容性を誘発することが望ましいとされる2種または3種または4種または5種またはそれ以上の抗原を含むことになる。
妊娠は、本発明に対して不適応であるようである。事実、妊娠は、ミソプロストールを含む数種類のプロスタグランジンに対して不適応である。サイトテック(ミソプロストール)は低血圧を起こさないが、低血圧は、本発明の方法において考えられるリスクである。
ここで、本発明を、下記の図面と実施例を参照しながらさらに詳細に説明する。
PGEおよびロリプラム併用の、U−937細胞(単球前駆細胞)によるIL−10およびIL−12生産に及ぼす作用。
U937細胞(ヒト単球細胞系統)を、10%牛胎児血清(PAA Laboratories)を添加したRPMI培養液(PAA Laboratories)で育成した。細胞を、プロスタグランジンE2、10−6モル、または、インターフェロン-γ10ng/mlで24時間処理した。ロリプラム1μg/mlおよびインドメタシン10μMを全てのウェルに入れた。細胞をペレットにし、Tri試薬(Sigma, Poole、英国)によってmRNAを抽出した。クロロフォルム添加と、それに続くイソプロパノール沈殿により全体RNAが得られた。RNAを、逆転写酵素(Applied Biosystems)およびランダム6マー(Applied Biosystems)により逆転写した。IL−10およびIL−12(p35)用プローブおよびプライマーを、Primer Express (Applied Biosystems)を用いて下記の通りに設計した。
IL−12p35プライマー
CCACTCCAGACCCAGGAATG
TGTCTGGCCTTCTGGAGCAT
IL−12プローブ
TCCCATGCCTTCACCACTCCCAA
IL−10プライマー
CTACGGCGCTGTCATCGAT
TGGAGCTTATTAAAGGCATTCTTCA
IL−10プローブ
CTTCCCTGTGAAAACAAGAGCAAGGCC
Taqman 7700装置により、プローブにFAM/TAMRA染料を用いて、鋳型を40サイクル増幅した。Applied Biosystemsキットを用いて、対照としてリボソーム(18S)RNAを増幅・検出した。40サイクル後、FAMと18S(VIC)に対するCt(信号が出現するサイクル数に関連する)を記録し、式2−ΔΔCtを用いて絶対的相対定量を行った。
この実験の結果は、図1の説明に記載される。結果は、免疫系細胞からのIL−10放出に対してプロスタグランジン(PGE2)とPDE阻害剤(ロリプラム)の間には協調作用のあること、また、プロスタグランジン(PGE2)とPDE阻害剤(ロリプラム)が併用されると、免疫系の細胞においてIL−10の著明な刺激およびIL−12の著明な抑制が見られることを示す。
IL−10生産の刺激を、LPSの存在下または不存在下で実施する。
U937細胞を、10%牛胎児血清(PAA Laboratories)を添加したRPMI培養液(PAA Laboratories)で育成した。フラスコ当たり2x10個の細胞を、プロスタグランジンE2、10−6モル、または、ロリプラム(4x10−6)で24時間処理した。20時間で培養液を除去し、ELISAで分析した。捕捉用抗体(Pharmingen)を96ウェルプレートにコートし、培養液を各ウェルに加えた。組み換えIL−10蛋白によって標準曲線を作成した。インキュベーション・洗浄後、ビオチン標識モノクロナール抗体(Pharmingen)を加え、インキュベーション・洗浄後、ペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジンを加えた。洗浄後、テトラメチルベンジジン基質を加えると、原料サンプル/標準中のIL−10に比例して発色した。色をプレートフォトメータ(Labsystems, Multiskan)を用いて読み出した。リポ多糖(LPS)無添加の場合の対照における平均濃度(N=3)は、38.2pg/mlであったが、LPS存在下では(100nM)、43.9プロスタグランジン/mlであった。
インキュベーション後(20時間)、細胞をペレットにし、Tri試薬(Sigma, Poole、英国)によってmRNAを抽出した。クロロフォルム添加と、それに続くイソプロパノール沈殿により全体RNAが得られた。RNAを、逆転写酵素(Applied Biosystems)およびランダム6マー(Applied Biosystems)により逆転写した。IL−10およびIL−12(p35)用プローブおよびプライマーを、Primer Express (Applied Biosystems)を用いて下記の通りに設計した。
IL−12p35プライマー
CCACTCCAGACCCAGGAATG
TGTCTGGCCTTCTGGAGCAT
IL−12プローブ
TCCCATGCCTTCACCACTCCCAA
IL−10プライマー
CTACGGCGCTGTCATCGAT
TGGAGCTTATTAAAGGCATTCTTCA
IL−10プローブ
CTTCCCTGTGAAAACAAGAGCAAGGCC
Taqman 7700装置により、プローブにFAM/TAMRA染料を用いて、鋳型を40サイクル増幅した。Applied Biosystemsキットを用いて、内部対照として、同じ反応管においてリボソーム(18S)RNAを(VIC/TAMRA染料を用いて)増幅・検出した。40サイクル後、FAMと18S(VIC)に対するCt(信号が出現するサイクル数に関連する)を記録し、式2−ΔΔCtを用いて絶対的相対定量を行った。前式において、Δは、各試行に含まれる標準比較基準に関連するFAMおよびVIC信号間の差を指す。
ロリプラムの存在下、および、非存在下における、PGE1、PGE2、19ヒドロキシPGE1、および、19ヒドロキシPGE2のIL−10刺激作用を、実施例2で記述したやり方で調べた。IL−10レベルは、ELISAアッセー(R&D社、オックスフォード)を用いて測定した。測定は、メーカーの指示に従って行った。結果を図3と4に示す。
ホスホジエステラーゼIV−bに対するmRNAを、前述の実施例2に記述する通りに測定した。4時間のインキュベーション後にmRNAを抽出した。PGEの濃度は1x10−6であり、19−ヒドロキシPGEの濃度は5x10−6であった。PDEIVbmRNAの定量化には下記のプライマーとTaqmanプローブを用いた。
前進方向
CCTTCAGTAGCACCGGAATCA
逆方向
CAAACAAACACACAGGCATGTAGTT
プローブ
AGCCTGCAGCCGCTCCAGCC
結果を図5に示す。PGEと19−ヒドロキシPGE投与後、いずれの場合も、PDE活性に増加が見られた。これは、刺激作用を低減するための直接的ネガティブフィードバックのように思われる。PGEとIV型選択的PDE阻害剤の併用は、PDEメッセージのレベルをさらに増加させるが、しかし、この時この合成されたホスホジエステラーゼは、阻害剤の存在によって打ち消される。
脱髄疾患の治療
脱髄疾患を患う患者に、毎日ミエリンと一緒に、800μgのミソプロストールと25mgのロリプラムを経口投与する。
関節リューマチの治療
関節リューマチを患う患者に、毎日II型コラーゲンと一緒に、800μgのミソプロストールと25mgのロリプラムを経口投与する。
脱髄疾患の治療
脱髄疾患を患う患者に、毎日200μgのミエリンと一緒に、200μgのミソプロストールと5mgのロリプラムを坐剤によって投与する。
関節リューマチの治療
関節リューマチを患う患者に、毎日200μgのII型コラーゲンと一緒に、200μgのミソプロストールと5mgのロリプラムを坐剤によって投与する。
IL−12サブユニットp35に対するmRNA発現を示す。実験は、ロリプラム1μg/ml=4μMおよびインドメタシン10μMの存在下にU937細胞(単球前駆細胞)に対して行った。インドメタシンは細胞由来のプロスタグランジン合成を阻止する。PGE+ロリプラムの作用は、未刺激の細胞においてもIFNγ刺激細胞においても、IL−12を抑制することに注意されたい。垂直方向スケールは、リアルタイム定量PCR(Taqman)で測定した場合の、対照標本に対するmRNA相対値である。 サイトカインIL−10に対するmRNA発現を示す。実験は、ロリプラム1μg/ml=4μMおよびインドメタシン10μMの存在下にU937細胞(単球前駆細胞)に対して行った。インドメタシンは細胞由来のプロスタグランジン合成を阻止する。PGE+ロリプラムの作用は、未刺激の細胞においてもIFNγ刺激細胞においても、IL−10を著明に刺激することに注意されたい。垂直方向スケールは、リアルタイム定量PCR(Taqman)で測定した場合の、対照標本に対するmRNA相対値である。 PGEおよびロリプラムの併用が、U937細胞におけるIL−10mRNA生産に及ぼす作用を示すグラフである。 LPS、PGEおよびロリプラムの併用が、U937細胞におけるIL−10mRNA生産に及ぼす作用を示すグラフである。 LPS、PGEおよびロリプラムの併用が、U937細胞によるIL−10放出に及ぼす作用を示すグラフである。 PGEおよびロリプラムの併用が、U937細胞によるIL−10放出に及ぼす作用を示すグラフである。 ロリプラム存在下、および、非存在下における、19ヒドロキシPGE1および19ヒドロキシPGE2の、IL−10刺激作用を示すグラフである。 ロリプラム存在下、および、非存在下における、PGE1およびPGE2の、IL−10刺激作用を示すグラフである。 ロリプラム存在下、および、非存在下における、PGEおよび19ヒドロキシPGEの、ホスホジエステラーゼIVbmRNAの生産に及ぼす作用を示すグラフである。

Claims (86)

  1. 患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する方法であって、患者に、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、および、抗原またはその誘導体を投与することを含む方法。
  2. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体は、寛容性の必要とされる部位に局所的に投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体は、全身的に投与される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体は経口的に投与される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体は、坐剤またはカプセルとして投与される、請求項3に記載の方法。
  6. 前記坐剤またはカプセルは、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体の、患者の腸内での放出のための腸溶性コーティングを有する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体の内の任意の二つが同時に投与される、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体が同時に投与される、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニストは、プロスタグランジンE、例えば、プロスタグランジンEまたはその類似体、ジノプロストン、ゲメプロスト、ミソプロストール、アルプロスタジル、リマプロスト、ブタプロスト、11−デオキシPGE1、AH23848、AH13205、19−ヒドロキシPGE1、または、19−ヒドロキシPGE2の任意の一つである、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記プロスタグランジンは19−ヒドロキシPGEである、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記PDE阻害剤は、IV、VIIまたはVIII型PDEのいずれかに対して選択的である、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記PDE阻害剤は、3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)、ペントキシフィリン(3,7−ジヒドロ−3,7−ジメチル−1−(5−オキソヘキシル)−1H-プリン−2,6−ジオン)、ロリプラム(4−[3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル]−2−ピロリジノン)、CP80 633、CP102 995、CP76 593、Ro−20−1724 (4−[3−ブトキシ−4−メトキシベンジル]−2−イミダゾリジノン)、テオフィリン、または、デンブフィリン(1,3−ジ−n−ブチル−7−(2−オキソプロピル)−キサンチン)の任意の一つである、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記PDE阻害剤がIV型PDEに対して選択的である、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の方法。
  14. IV型PDEに対して選択的な前記PDE阻害剤は、ロリプラム(4−[3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル]−2−ピロリジノン)、CP80 633、CP102 995、CP76 593、Ro−20−1724(4−[3−ブトキシ−4−メトキシベンジル]−2−イミダゾリジノン)、デンブフィリン(1,3−ジ−n−ブチル−7−(2−オキソプロピル)-キサンチン)、または、CDP840、RP73401またはRS33793の任意の一つである、請求項13に記載の方法。
  15. 移植拒絶反応と関連する疾患または病態を克服するための、請求項1ないし14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 移植拒絶反応と関連する前記疾患または病態は、移植片対宿主疾患、または、宿主対移植片疾患を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体は、移植前に投与される、請求項15または16に記載の方法。
  18. 前記抗原はHLA−A2である、請求項15ないし17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 自己免疫疾患または病態を治療するための、請求項1ないし14のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記抗原が自己抗原である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記自己免疫疾患が悪性貧血であるならば抗原はビタミンB12であり、前記疾患がアディソン病ならば抗原は副腎抗原であり、疾患がIDDMならば抗原はグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)、インスリンまたはIA−2であり、疾患がグッドパスチャー症候群または腎脈管炎ならば抗原は腎臓抗原または内皮抗原であり、疾患が重症筋無力症ならば抗原はアセチルコリン受容体であり、疾患が交感性眼炎ならば抗原は眼球抗原であり、疾患が多発性硬化症(MS)ならば抗原はミエリン塩基性蛋白(MBP)、プロテオリピド蛋白(PLP)またはミエリン・オリゴデンドロサイト糖蛋白(MOG)であり、疾患が自己免疫性溶血性貧血ならば抗原は赤血球抗原であり、疾患が本態性白血球減少症ならば抗原は白血球抗原であり、疾患が潰瘍性大腸炎ならば抗原は食物抗原またはウィルス抗原であり、疾患が皮膚筋炎ならば抗原は平滑筋抗原であり、疾患が強皮症ならば抗原は結合組織抗原であり、疾患が混合結合組織病ならば抗原は結合組織抗原であり、疾患が過敏性腸症候群ならば抗原は食物抗原であり、疾患が全身性エリスマトーデス(SLE)ならば抗原はヒストン蛋白または免疫グロブリン重鎖であり、疾患が橋本病、一次粘液水腫または甲状腺中毒症ならば抗原は甲状腺抗原であり、疾患が関節リューマチならば抗原はII型コラーゲンまたは熱ショック蛋白(HSP)であり、疾患が甲状腺炎ならば抗原はサイログロブリンであり、疾患がベーチェット病ならば抗原はSag、HLA−B44、B51またはHSP65であり、疾患がセリアック病/疱疹状皮膚炎ならば抗原はグリアジンまたはそのα分画であり、かつ、疾患が脱髄疾患ならば抗原はミエリンである、請求項19または20に記載の方法。
  22. 患者のアレルギー疾患または病態を治療するための、請求項1ないし14のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記アレルギー疾患または病態はアレルギー性喘息である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記抗原は、ダニ・アレルゲン、埃アレルゲン、ネコ・アレルゲン、イヌ・アレルゲン、または、ウマ・アレルゲンである、請求項22または23に記載の方法。
  25. 抗原に対する前記寛容性は、抗原に対する患者の異常な、または望まれない免疫または炎症反応を治療することである、請求項1ないし24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記異常な、または望まれない免疫または炎症反応は、IL−10生産の欠乏および/またはIL−12生産の増大を含む、請求項25に記載の方法。
  27. 患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する医薬の製造におけるプロスタグランジンおよびそのアゴニストの使用であって、患者にはPDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体が投与される使用。
  28. 患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する薬剤製造におけるPDE阻害剤の使用であって、患者にはプロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および、抗原またはその誘導体が投与される使用。
  29. 患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する薬剤製造における、抗原またはその誘導体の使用であって、患者にはプロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および、PDE阻害剤が投与される使用。
  30. 患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する薬剤製造における、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および、PDE阻害剤の組み合わせの使用であって、患者には抗原またはその誘導体が投与される使用。
  31. 患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する薬剤製造における、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および、抗原またはその誘導体の組み合わせの使用であって、患者にはPDE阻害剤が投与される使用。
  32. 患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する薬剤製造のための、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体の組み合わせの使用であって、患者にはプロスタグランジンまたはそのアゴニストが投与される使用。
  33. 患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する薬剤製造における、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体の組み合わせの使用。
  34. 前記PDE阻害剤は、IV、VIIまたはVIII型PDEのいずれかに対して選択的である、請求項27ないし33のいずれか一項に記載の使用。
  35. 前記PDE阻害剤は、IBMX、ペントキシフィリン、CP80 633、CP102
    995、CP76 593、ロリプラム、Ro−20−1724、テオフィリン、カフェイン、または、デンブフィリンの任意の一つである、請求項27ないし34のいずれか一項に記載の使用。
  36. 前記PDE阻害剤はIV型PDEに対して選択的である、請求項27ないし35のいずれか一項に記載の使用。
  37. IV型PDEに対して選択的な前記PDE阻害剤は、ロリプラム、CP80 633、CP102 995、CP76 593、Ro−20−1724、デンブフィリン、CDP840、RP73401、または、7S33793の任意の一つである、請求項36に記載の使用。
  38. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニストは、プロスタグランジンE、例えば、プロスタグランジンEまたはその類似体、カルボプロスト、ジノプロストン、ゲメプロスト、ミソプロストール、アルプロスタジル、リマプロスト、ブタプロスト、11−デオキシPGE1、AH23848、AH13205、19−ヒドロキシPGE1、または、19−ヒドロキシPGE2またはそのアゴニストの任意の一つである、請求項27ないし37のいずれか一項に記載の使用。
  39. 前記プロスタグランジンは19−ヒドロキシPGEである、請求項27ないし38のいずれか一項に記載の使用。
  40. 前記薬剤は、寛容性の必要とされる部位に局所的に投与される、請求項27ないし39のいずれか一項に記載の使用。
  41. 前記薬剤は、全身的に投与されるよう処方されている、請求項27ないし40のいずれか一項に記載の使用。
  42. 前記薬剤は、経口的に投与されるよう処方されている、請求項41に記載の使用。
  43. 前記薬剤は、坐剤またはカプセルとして投与されるよう処方されている、請求項41に記載の使用。
  44. 前記坐剤またはカプセルは、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体が、患者の腸内で放出されるように腸溶性コーティングを有する、請求項43に記載の使用。
  45. 移植拒絶反応と関連する疾患または病態を克服するための、請求項27ないし44のいずれか一項に記載の使用。
  46. 移植拒絶反応と関連する前記疾患または病態は、移植片対宿主疾患、または、宿主対移植片疾患を含む、請求項45に記載の使用。
  47. 前記薬剤は、臓器移植前に投与される、請求項45または46に記載の使用。
  48. 前記抗原はHLA−A2である、請求項45ないし47のいずれか一項に記載の使用。
  49. 自己免疫疾患または病態を治療するための、請求項27ないし44のいずれか一項に記載の使用。
  50. 前記抗原が自己抗原である、請求項49に記載の使用。
  51. 前記自己免疫疾患が悪性貧血であるならば抗原はビタミンB12であり、前記疾患がアディソン病ならば抗原は副腎抗原であり、疾患がIDDMならば抗原はGAD、インスリンまたはIA−2であり、疾患がグッドパスチャー症候群または腎脈管炎ならば抗原は腎臓抗原または内皮抗原であり、疾患が重症筋無力症ならば抗原はアセチルコリン受容体であり、疾患が交感性眼炎ならば抗原は眼球抗原であり、疾患がMSならば抗原はMBP、PLP、または、MOGであり、疾患が自己免疫性溶血性貧血ならば抗原は赤血球抗原であり、疾患が本態性白血球減少症ならば抗原は白血球抗原であり、疾患が潰瘍性大腸炎ならば抗原は食物抗原またはウィルス抗原であり、疾患が皮膚筋炎ならば抗原は平滑筋抗原であり、疾患が強皮症ならば抗原は結合組織抗原であり、疾患が混合結合組織病ならば抗原は結合組織抗原であり、疾患が過敏性腸症候群ならば抗原は食物抗原であり、疾患がSLEならば抗原はヒストン蛋白または免疫グロブリン重鎖であり、疾患が橋本病、一次粘液水腫または甲状腺中毒症ならば抗原は甲状腺抗原であり、疾患が関節リューマチならば抗原はII型コラーゲンまたはHSPであり、疾患が甲状腺炎ならば抗原はサイログロブリンであり、疾患がベーチェット病ならば抗原はSag、HLA−B44、B51またはHSP65であり、疾患がセリアック病/疱疹状皮膚炎ならば抗原はグリアジンまたはそのα分画であり、かつ、疾患が脱髄疾患ならば抗原はミエリンである、請求項49または50に記載の使用。
  52. 患者のアレルギー疾患または病態を治療するための、請求項27ないし44のいずれか一項に記載の使用。
  53. 前記アレルギー疾患または病態はアレルギー性喘息である、請求項52に記載の使用。
  54. 前記抗原は、ダニ・アレルゲン、埃アレルゲン、ネコ・アレルゲン、イヌ・アレルゲン、または、ウマ・アレルゲンである、請求項52または53に記載の使用。
  55. 抗原に対する前記寛容性は、抗原に対する患者の異常な、または望まれない免疫または炎症反応を治療することである、請求項27ないし54のいずれか一項に記載の使用。
  56. 前記異常な、または望まれない免疫または炎症反応は、IL−10生産の欠乏および/またはIL−12生産の増大を含む、請求項55に記載の使用。
  57. 患者に対し抗原に対する寛容性を誘発する治療システムであって、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、抗原またはその誘導体を含む治療システム。
  58. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体は、寛容性の必要とされる部位に局所的に投与される調剤中に存在する、請求項57に記載の治療システム。
  59. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体は、全身投与用調剤中に存在する、請求項57または58に記載の治療システム。
  60. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体は、経口投与用調剤中に存在する、請求項59に記載の治療システム。
  61. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体は、坐剤またはカプセルとして処方される、請求項59に記載の治療システム。
  62. 前記坐剤またはカプセルは、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体の、患者の腸内での放出のための腸溶性コーティングを有する、請求項61に記載の治療システム。
  63. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニストは、プロスタグランジンE、例えば、プロスタグランジンEまたはその類似体、ジノプロストン、ゲメプロスト、ミソプロストール、アルプロスタジル、リマプロスト、ブタプロスト、11−デオキシPGE1、AH23848、AH13205、19−ヒドロキシPGE1、または、19−ヒドロキシPGE2の任意の一つである、請求項57ないし62のいずれか一項に記載の治療システム。
  64. 前記プロスタグランジンは19−ヒドロキシPGEである、請求項57ないし63のいずれか一項に記載の治療システム。
  65. 前記PDE阻害剤は、IV、VIIまたはVIII型PDEのいずれかに対して選択的である、請求項57ないし64のいずれか一項に記載の治療システム。
  66. 前記PDE阻害剤は、IBMX、ペントキシフィリン、ロリプラム、CP80 633、CP102 995、CP76 593、Ro−20−1724、テオフィリン、または、デンブフィリンの任意の一つである、請求項57ないし65のいずれか一項に記載の治療システム。
  67. 前記PDE阻害剤がIV型PDEに対して選択的である、請求項57ないし66のいずれか一項に記載の治療システム。
  68. IV型PDEに対して選択的な前記PDE阻害剤は、ロリプラム、CP80 633、CP102 995、CP76 593、Ro−20−1724、デンブフィリン、CDP840、RP73401、または、RS33793の任意の一つである、請求項67に記載の治療システム。
  69. 移植拒絶反応と関連する疾患または病態を克服するための、請求項57ないし68のいずれか一項に記載の治療システム。
  70. 移植拒絶反応と関連する前記疾患または病態は、移植片対宿主疾患、または、宿主対移植片疾患を含む、請求項69に記載の治療システム。
  71. 前記プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、および/または、PDE阻害剤、および/または、抗原またはその誘導体は、臓器移植前投与用である、請求項69または70に記載の治療システム。
  72. 前記抗原はHLA−A2である、請求項69ないし71のいずれか一項に記載の治療システム。
  73. 自己免疫疾患または病態を治療するための、請求項57ないし68のいずれか一項に記載の治療システム。
  74. 前記抗原が自己抗原である、請求項73に記載の治療システム。
  75. 前記自己免疫疾患が悪性貧血であるならば抗原はビタミンB12であり、前記疾患がアディソン病ならば抗原は副腎抗原であり、疾患がIDDMならば抗原はグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)、インスリンまたはIA−2であり、疾患がグッドパスチャー症候群または腎脈管炎ならば抗原は腎臓抗原または内皮抗原であり、疾患が重症筋無力症ならば抗原はアセチルコリン受容体であり、疾患が交感性眼炎ならば抗原は眼球抗原であり、疾患が多発性硬化症(MS)ならば抗原はミエリン塩基性蛋白(MBP)、プロテオリピド蛋白(PLP)またはミエリン・オリゴデンドロサイト糖蛋白(MOG)であり、疾患が自己免疫性溶血性貧血ならば抗原は赤血球抗原であり、疾患が本態性白血球減少症ならば抗原は白血球抗原であり、疾患が潰瘍性大腸炎ならば抗原は食物抗原またはウィルス抗原であり、疾患が皮膚筋炎ならば抗原は平滑筋抗原であり、疾患が強皮症ならば抗原は結合組織抗原であり、疾患が混合結合組織病ならば抗原は結合組織抗原であり、疾患が過敏性腸症候群ならば抗原は食物抗原であり、疾患が全身性エリスマトーデス(SLE)ならば抗原はヒストン蛋白または免疫グロブリン重鎖であり、疾患が橋本病、一次粘液水腫または甲状腺中毒症ならば抗原は甲状腺抗原であり、疾患が関節リューマチならば抗原はII型コラーゲンまたは熱ショック蛋白(HSP)であり、疾患が甲状腺炎ならば抗原はサイログロブリンであり、疾患がベーチェット病ならば抗原はSag、HLA−B44、B51またはHSP65であり、疾患がセリアック病/疱疹状皮膚炎ならば抗原はグリアジンまたはそのα分画であり、かつ、疾患が脱髄疾患ならば抗原はミエリンである、請求項73または74に記載の治療システム。
  76. 患者のアレルギー疾患または病態を治療するための、請求項57ないし68のいずれか一項に記載の治療システム。
  77. 前記アレルギー疾患または病態はアレルギー性喘息である、請求項76に記載の治療システム。
  78. 前記抗原は、ダニ・アレルゲン、埃アレルゲン、ネコ・アレルゲン、イヌ・アレルゲン、または、ウマ・アレルゲンである、請求項76または77に記載の治療システム。
  79. 抗原に対する前記寛容性は、抗原に対する患者の異常な、または望まれない免疫または炎症反応を治療することである、請求項57ないし78のいずれか一項に記載の治療システム。
  80. 前記異常な、または望まれない免疫または炎症反応は、IL−10生産の欠乏および/またはIL−12生産の増大を含む、請求項79に記載の治療システム。
  81. 患者に対し、ある抗原に対する寛容性を誘発する組成物であって、プロスタグランジンまたはそのアゴニスト、PDE阻害剤、および、前記抗原またはその誘導体を含有する組成物。
  82. 前記PDE阻害剤はIV型選択的PDE阻害剤である、請求項81に記載の組成物。
  83. 前記プロスタグランジンは19ヒドロキシPGEである、請求項81または82に記載の組成物。
  84. 医薬品に使用される、請求項81ないし83のいずれか一項に記載の組成物。
  85. 請求項81ないし83のいずれか一項の組成物と、製薬的に受容可能な担体を含有する製薬組成物。
  86. 患者に抗原に対する寛容性を誘発する、本明細書に記載される全ての新規方法。
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