JP2005534483A

JP2005534483A - 平行化学実験、特に結晶化実験を行うための組立体及び方法

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Publication number: JP2005534483A
Application number: JP2004525873A
Authority: JP
Inventors: ブロムスマ，エルヴィン; ランジェヴェルデ，アドリアーンヤンヴァン; ディルクピーテルウィレムスタム，ダニー
Original assignee: アーヴァンティウムインターナショナルベスローテンフェンノートシャップ
Priority date: 2002-08-02
Filing date: 2002-08-02
Publication date: 2005-11-17
Anticipated expiration: 2022-08-02
Also published as: NO20051116L; DE60221052T2; US7608222B2; CA2491908C; EP1525049A1; EP1525049B1; WO2004012857A1; DE60221052D1; JP4624102B2; US20060153743A1; CA2491908A1; ES2289125T3; AU2002319970A1; ATE366137T1

Abstract

組立体は本体を有し、この本体は互いに反対の側に第１及び第２の面を有している。多数の穴が、前記第１および第２の面の間に前記本体を通して延在している。複数の管状ライナーはそれぞれ、その両端部に開口部が設けられており、それぞれのライナーは本体の穴に取外し可能に装着されている。第１の閉鎖手段は本体の第１の面にあるライナーの開口部を閉鎖する。第２の閉鎖手段は、本体の第２の面にあるライナーの開口部を閉鎖する。第１及び第２の閉鎖手段は前記本体に固定可能であることにより、実験室がそれぞれのライナー内に規定される。

Description

本発明は、平行化学実験、特に結晶化実験を行うための組立体に関する。本発明はまた、組立体とその組立体が使用される方法とを含むシステムに関する。

平行結晶化実験を行うためのシステムに加えて組立体及びその方法が、ＷＯ０２／０６８０２号（特許文献１）に開示されている。この組立体には、上部に開口部を有する多数のマイクロウエルを備えたマイクロプレートが設けられている。ウエルの密封は、それぞれのウエルの上部の周囲をＯリングシールで密閉することにより達成され、このＯリングシールは、マイクロプレートとカバープレートの間に挿入される。

この組立体は、高速大量処理実験のような大量の平行実験を行う際には、十分に実用的ではない。特にこの組立体は、平行結晶化実験を行うには十分ではない。

ＷＯ０２／０６８０２号

本発明の目的は、改良された実験用組立体、特に結晶化実験に使用される組立体を提供することである。

本発明は平行化学実験、特に結晶化実験を行うための組立体を提供し、この組立体は、本体を有し、この本体は互いに反対の側に第１及び第２の面を有するとともに、第１及び第２の面の間に前記本体を通して延在する多数の穴を有しており、また両端部に開口部を有する管状のライナーを有し、それぞれのライナーは本体の穴に取外し可能に装着されており、さらに、本体の第１の面にあるライナーの開口部を閉鎖するための第１の閉鎖手段と、本体の第２の面にあるライナーの開口部を閉鎖するための第２の閉鎖手段とを有しており、前記第１及び第２の閉鎖手段は前記本体に取付け可能であることにより、実験室がそれぞれのライナー内に規定される。

本発明による組立体においては、製造が簡単で、実験の前、後の少なくとも一方において容易に洗浄ができ、あるいは使用後に簡単に廃棄できる管状のライナーを使用することが可能である。また本体においては、穴の洗浄が効果的にできるが、これは汚染が実験結果に影響を与えると思われる結晶化実験の分野においては、特に適切なことである。

本発明はまた、本発明の組立体とその組立体を使用する方法を含むシステムに関する。

本発明による組立体あるいはシステムは、例えば、塩スクリーニング（salt screening）、結晶多型スクリーニング（polymorph screening）、鏡像異性体分離スクリーニング（enantiomer separation screening）といった分子の固体スクリーニング、特に活性製薬成分（active pharmaceutical ingredients）の固体スクリーニングにおいて有効に使用することができる。

本発明及びその好ましい実施例を、図面を参照しながら請求項及び下記説明に記載する。

図１において、平行化学実験、特に結晶化実験を行うための実験組立体１の一部が示されている。

組立体１は本体２を有しており、この本体２は互いに反対の側に第１の面３及び第２の面４を有するとともに、前記第１の面３及び前記第２の面４の間に前記本体２を介して延在する多数の穴５が設けられている。

図１では、１つの穴５のみ見えるようになっている。実際の穴の数は、仕様に応じて変化する。組立体１は少なくとも４つの穴を有することが好ましい。

それぞれの穴５には、取外し可能な管状のライナー６が設けられている。それぞれのライナー６は、その両端部に開口部７、８を有している。ライナー６はそれぞれ、本体２の対応する穴５に、取外し可能に装着されている。

組立体１は更に、本体２の第１の面３にあるライナー６の開口部７を閉鎖するための、第１の閉鎖部材１０を有している。また組立体は、本体２の第２の面４にあるライナー６の開口部８を閉鎖するための、第２の閉鎖部材１５を有している。

前記第１及び第２の閉鎖部材１０、１５は、ボルト２３のような適切な締付手段を用いて前記本体２に固定されていることにより、実験室２０は各ライナー５の内部に規定される。その端部の閉鎖については、以下に記載する。

第１の閉鎖手段１０は、ここに示されている実施例では、穴５の数に応じて、複数の可撓性のある第１のシール部材１１と、全ての穴５の上まで延びる第１のカバープレート１２を有し、前記第１のシール部材１１は管状のライナー６の端部と第１のカバープレート１２の間に挿入されている。

第２の封鎖手段１５は、ここに示されている実施例では、複数の可撓性のある第２のシール部材１６と第２のカバープレート１７を有し、前記第２のシール部材１６は管状のライナー６の端部と第２のカバープレート１７との間に挿入される。

第１及び第２のシール部材１１、１６は、ここでは具体的にシールディスクあるいはディスク状の隔壁として例示されており、これらは中空針で穴をあけることが可能である。

第１及び第２のカバープレート１１、１７には、本体２の穴５、とりわけライナー６の穴に沿って延在している穴１３、１８がそれぞれ設けられている。第１及び第２のシール部材１１、１６は穴あけ可能であるため、例えば、下記に記載する目的で、針をそれぞれの実験室２０に挿入することが可能である。

管状ライナー６には、その端部に周方向支持フランジ９という形で、外側に向いた支持突起が設けられている。本体２の第１の面３には、シール部材１１同様、前記支持フランジ９を受ける環状のくぼみが設けられている。

図示されていないが、第１、第２のシール部材１１、１６の少なくとも一方は、実験室の内容物を除去する際に、その内容物をろ過するためのフィルタを有している。実際の実施例では、図２に示されているように、第１、は第２のシール部材の少なくとも一方は、Ｏリングのような環状シール２０と、前記シール２０の中央開口部を横切って延在する、メッシュあるいはシート状のフィルタ２１を有している。

本体２は、例えばステンレススチール、真鋳、超合金のような固体ブロックが望ましい。

また本体２は、例えば金属のような熱伝導性材料で出来ていることが好ましく、ライナー６は、実質的にその外側全面が本体と接触しているため、最適な熱伝達が得られる。

実験室２０の容積は、せいぜい１ｍｌ（ミリリットル）が好ましい。

図３は、例えば図１による発明の実験組立体と共に使用される、ろ過装置３０の一部を示している。

ろ過装置３０は、実験組立体１の本体２に設けられている穴５に対応する入口３２を備えたチャンネル３１と、各チャンネル３１に設けられたフィルタ３３とを有している。

ろ過装置３０及び組立体1は、以下のように使用されることが好ましい。

水平の位置にある時には、実験組立体１の一番上のカバープレートを除去し、それに関連するシール部材も除去した後、前記ろ過装置３０を本体２の上面に置き、その後、前記システムを反転させて、実験室２０の内容物がろ過装置３０のチャンネル３１に入り、フィルタ３３によってろ過される。

ろ過装置３０のチャンネル３２は出口３４を有している。もしこのシステムが、例えば図４に示されているような、収集装置４０を有し、この収集装置がろ過装置３０の出口に対応する入口を備えた収集室４１を有するならば、実験室のろ過された内容物は前記収集室４１に入ることができる。

組立体１は、実験組立体のライナーに対応する多数の押圧部材を有する押圧装置を使用することができ、この押圧部材は、本体２の穴５へ押し込む、穴５の外側へ押し出すというように、前記ライナー６を押圧する。

上述のように、組立体１は、例えば加熱手段と組み合わせて使用されることが好ましく、加熱することにより、実験室２０の液体の内容物を蒸発させることが可能になったり、あるいは固体を液体にして、冷却した際に結晶を生成することも可能になる。

加熱手段は、本体２、カバープレート１２、１８の少なくとも一方の内部に設けるか、あるいは本体２、カバープレート１２、１８の少なくとも一方に接触するように設けてもよい。

もし、実験室２０の内容物の一部が蒸発したほうが望ましい場合には、システムはさらに、図５に示すような蒸気排出組立体５０を備えることが好ましい。

組立体５０は多数の中空針部材５１を有しており、それらはそれぞれ、シール部材１１、１６を突き通るように設けられているため、蒸気は前記中空針５１を通じて排出される。

図５に示すように、針５１は上方向を向いて、水平に配されている実験組立体５０の底面を密封するシール部材１６を突き通るように設けられることが好ましい。これにより、管状針の先端が、実験室２０の液面よりも上に出て、前記針５１を通して蒸気を抜くことができる。

組立体５０はまた、実験室から液体の内容物を一部排出するために使用可能であることが明らかである。

その他の実施例では、実験室２０に材料を供給するための供給組立体が設けられ、この供給組立体は、シール部材を突き通る少なくとも１本の中空針部材を有している。したがって、実験室２０へは、上から、あるいは下からでも注入することが可能である。

結晶化実験の分野においては、例えば、このような供給組立体によって、実験室へ溶剤を注入することも可能である。

図１は、本発明による実験組立体の一部断面図である。図２は、図１の組立体の第１、第２のシール部材の少なくとも一方の実施例を示している。図３は、本発明の実験組立体と共に使用されるろ過装置の一部を示している。図４は、収集装置を示している。図５は、蒸気排出組立体を示している。

Claims

平行化学実験、特に結晶化実験を行うための組立体（１）であって、
前記組立体は：
本体（２）を有し、この本体は互いに反対の側に第１の面（３）及び第２の面（４）を有するとともに、第１及び第２の面の間に前記本体を通して延在する多数の穴（５）を有しており、
両端部に開口部（７、８）を有する管状のライナー（６）を有し、それぞれのライナーは本体の穴に取外し可能に装着されており、
さらに、本体の第１の面にあるライナーの開口部を閉鎖するための第１の閉鎖手段（１０）と、
本体の第２の面にあるライナーの開口部を閉鎖するための第２の閉鎖手段（１５）とを有しており、
前記第１及び第２の閉鎖手段（１５、１６）は前記本体に取付け可能であることにより、実験室（２０）がそれぞれのライナー（６）内に規定されることを特徴する組立体。
請求項１による組立体において、前記第１の閉鎖手段は、１つ以上の可撓性のある第１のシール部材と第１のカバープレートを有し、前記第１のシール部材は、管状のライナーの端部と第１のカバープレートとの間に挿入されることを特徴とする組立体。
請求項１あるいは２による組立体において、前記第２の閉鎖手段は１つ以上の可撓性のある第２のシール部材と第２のカバープレートを有し、前記第２のシール部材は、管状のライナーの端部と第２のカバープレートとの間に挿入されることを特徴とする組立体。
請求項１による組立体において、それぞれの管状のライナーには、少なくとも１つの外側に向いた支持突起が設けられており、本体の穴にはそれぞれ対応する支持突起を受ける窪みが設けられていることを特徴とする組立体。
請求項４による組立体において、外側に向いた支持突起は管状ライナーの一端部に設けられた周方向支持フランジであり、本体の穴はそれぞれ前記支持フランジを受けるための環状の窪みを形成していることを特徴とする組立体。
請求項２による組立体において、前記第１の閉鎖手段は多数の第１のシール部材を有し、第１のシール部材はそれぞれライナーの端面と係合していることを特徴とする組立体。
請求項６による組立体において、本体の第１の面、第１のカバープレートの少なくとも一方には第１のシール部材を受けるために、ライナーの端部の位置に窪みが設けられていることを特徴とする組立体。
請求項３による組立体において、前記第２の閉鎖手段は多数の第２のシール部材を有し、第２のシール部材はそれぞれライナーの端面と係合することを特徴とする組立体。
請求項８による組立体において、本体の第２の面、第２のカバープレートの少なくとも一方には第２のシール部材を受けるために、ライナーの端部の位置に窪みが設けられていることを特徴とする組立体。
請求項２あるいは３による組立体において、第１、第２のカバープレートの少なくとも一方には本体の穴に沿って延在する穴が設けられており、第１、第２のシール部材の少なくとも一方は突き通し可能であり、例えば、針を各実験室に挿入することが可能であることを特徴とする組立体。
請求項６あるいは８による組立体において、第１、第２のシール部材の少なくとも一方がシールディスクであることを特徴とする組立体。
請求項２あるいは３による組立体において、第１、第２のシール部材の少なくとも一方は、実験室の内容物を除去する際に、その内容物をろ過するためのフィルタを有していることを特徴とする組立体。
請求項１２による組立体において、第１、第２のシール部材の少なくとも一方は環状シールと、前記シールの中央開口部を横切って延在するフィルタを有していることを特徴とする組立体。
平行化学実験、特に結晶化実験を行うためのシステムであって、
前記システムは：
請求項１〜１３のいずれかに記載の平行化学実験を行うためのシステムによる実験組立体と、
実験組立体の本体に設けられている穴に対応する入口を備えたチャンネルを持つろ過装置とを有し、これにより、水平の位置にある時には実験組立体の一番上のカバープレートとそれに関連するシール部材を除去した後、前記ろ過装置を本体の上面に置き、その後、前記システムを反転させて、実験室の内容物がろ過装置の前記チャンネルに入り、ろ過されることを特徴とするシステム。
請求項１４によるシステムにおいて、前記ろ過装置の前記チャンネルは出口を有し、前記システムは更に、ろ過装置の出口に対応する入口を備えた収集室が設けられた収集装置を有し、実験室のろ過された内容物は前記収集室へ入ることが可能であることを特徴とするシステム。
平行化学実験、特に結晶化実験を行うためのシステムであって、
前記システムは：
請求項１〜１３のいずれかに記載の実験組立体と、
押圧装置を有し、この押圧装置は実験組立体のライナーに対応する多数の押圧部材を有し、前記ライナーを本体の内側、外側の少なくとも一方へ押圧することを特徴とするシステム。
平行化学実験、特に結晶化実験を行うためのシステムであって、
前記システムは：
請求項１〜１３のいずれかに記載の実験組立体と、
実験室の内容物を加熱する加熱装置を有し、その加熱装置は溶剤を蒸発させ、あるいは固体を溶液に変化させ、次の冷却作業によって結晶化を達成することを特徴とするシステム。
請求項１７によるシステムにおいて、前記本体は熱伝導性材料、好ましくは金属から成る固体であって、前記加熱装置は前記本体、カバープレートの少なくとも一方の内部に設けられるか、あるいは前記本体またはカバープレートに接触するように設けられていることを特徴とするシステム。
請求項１８によるシステムにおいて、システムは更に、蒸気排出組立体を有し、前記組立体は多数の中空針部材を有し、中空針部材はそれぞれシール部材を突き通るように設けられているため、前記中空針を通して蒸気が排出されることを特徴とするシステム。
請求項１９によるシステムにおいて、前記針は上方向を向いて、水平に配されている実験組立体の底面をシールするシール部材１６を突き通るように設けられることを特徴とするシステム。
請求項１０によるシステムにおいて、システムは更に実験室に材料を供給するための供給組立体を有し、前記供給組立体はシール部材を突き通るように設けられている少なくとも１本の中空針部材を有していることを特徴とするシステム。
請求項２１によるシステムにおいて、前記供給組立体は実験室に逆溶剤を注入することが可能であることを特徴とするシステム。
平行化学実験、特に結晶化実験を行うための方法において、請求項１〜２２のいずれかに記載の組立体あるいはシステムを使用することを特徴とする方法。
請求項１４に記載のシステム、特に結晶化実験による組立体あるいはシステムを使用し、実験室における結晶化を達成するステップを含む平行化学実験、特に結晶化実験を行うための方法において、水平の位置にある時には実験組立体の一番上のカバープレートと関連するシール部材を除去した後、前記ろ過装置を本体の上面に置き、その後、前記システムを反転させて、実験室の内容物がろ過装置の前記チャンネルに入り、ろ過されることを特徴とする方法。
塩スクリーニング、結晶多型スクリーニング、鏡像異性体分離スクリーニング、特に活性製薬成分の固体スクリーニングといった分子の固体スクリーニングのために用いられる、請求項１〜２４のいずれかに記載の組立体あるいはシステムの使用方法。