JP2005533035A - インターフェロン−β皮下投与によるアジア人集団のC型肝炎治療 - Google Patents

インターフェロン−β皮下投与によるアジア人集団のC型肝炎治療 Download PDF

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Abstract

本明細書では、インターフェロン−αによる先行治療に反応しなかったアジア人種患者への皮下投与によってCV感染を治療する薬剤を作製するための、組換えIFN−βの使用を報告する。本発明の好ましい実施形態によると、この治療は改良することができ、さらに、IFN−βによる初回治療から4週間後にHCV−RNAクリアランスを示す患者に焦点をあてることができる。

Description

本発明は、インターフェロン−αによる先行治療に反応しなかったアジア人種患者への皮下投与によりHCV感染を治療する薬剤を作製するための、組換えIFN−βの使用に関する。
C型肝炎ウイルス(HCV)は、急性感染した個人ほとんど全員を、慢性感染の状態にする。慢性HCV感染(CHC)患者の約20%は、肝硬変を発症し、肝不全、門脈圧亢進、腹水、脳症、及び出血傷害を伴う(Alter M.,1992)。長期追跡調査は、これらの推定値が保存的であるかもしれないこと(Davis GL,1990)、さらに、慢性HCV感染が、肝細胞癌と強く関係していること(Tabor E.ら,1992)を示唆している。
インターフェロン(IFN)は、ウイルス感染に反応して身体が産生する糖タンパク質である。インターフェロンは、保護された細胞内でウイルスの増殖を阻害する。IFNは、低分子量のタンパク質からなり、その作用は著しく非特異的である。すなわち、1種のウイルスによって誘導されたIFNは、広範囲の他のウイルスに対して効果を発揮する。しかし、IFNは種特異的である。すなわち、1つの種によって産生されたIFNは、同種又は近縁種の細胞内でのみ、抗ウイルス活性を刺激する。IFNは、抗腫瘍活性及び抗ウイルス活性の可能性を求めて開発されたサイトカインの最初のグループであった。
3つの主要なIFNは、IFN−α、IFN−β及びIFN−γと呼ばれる。これら主要な種類のIFNは、最初は、その起源細胞(白血球、線維芽細胞、T細胞)に従って分類されていた。しかし、1個の細胞が数種を産生する可能性があることが明らかになってきたため、現在、白血球IFNはIFN−α、線維芽細胞IFNはIFN−β、T細胞IFNはIFN−γと呼ばれている。また、「Namalwa」細胞系(バーキットリンパ腫由来)で産生される第4の型のIFN、リンパ芽球腫IFNもある。「Namalwa」細胞系は、白血球IFNと線維芽細胞IFNの両方を産生するようである。
特に、ヒト線維芽細胞インターフェロン(IFN−β)は、抗ウイルス活性を有し、腫瘍細胞に対して、ナチュラルキラー細胞を刺激することもできる。IFN−βは、ウイルス及び二本鎖RNAによって誘導される約20,000Daのポリペプチドである。Derynkら(Derynk R.ら,Nature 285,542−547,1980)は、組換えDNA技術でクローニングした線維芽細胞インターフェロンに対応する遺伝子のヌクレオチド配列から、そのタンパク質の完全なアミノ酸配列を推定した。その長さは、166アミノ酸である。
Shepardら(Shepard H.M.ら,Nature,294,563−565,1981)は、抗ウイルス活性を消滅させる、塩基842での突然変異(141位で、Cys→Tyr)、及びヌクレオチド1119〜1121が欠失した変異クローンについて述べている。
Markら(Mark D.F.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,81(18)5662−5666,1984)は、塩基469の(T)を(A)に置換して人工的な突然変異を挿入し、17位でCys→Serというアミノ酸変換を起こさせた。その結果生じるIFN−βには、「天然」IFN−βと同程度の活性があり、長期貯蔵中(−70℃)、安定であったことが報告されている。
Rebif(登録商標)(組換えヒトインターフェロン−β−1a)は、多発性硬化症(MS)のインターフェロン療法における、最も新しく開発されたものであり、治療の顕著な発展を表している。Rebif(登録商標)は、哺乳類動物細胞系から産生されるインターフェロン(IFN)−β−1aである。
IFNが効果を発揮する機序は、完全にはわかっていない。しかし、ほとんどの場合、IFNは、ある遺伝子の誘導又は転写に影響し、したがって免疫系に影響することで、作用する。in vitroの研究で、IFNには約20個の遺伝子産物を誘導又は抑制する能力があることがわかっている。
CHCに対する完全に効果的な治療法はない。普遍的に推奨できる治療法ではないが、インターフェロン−αで、最善の結果が得られている。HCV感染の自然歴が不明確であるため、及びインターフェロン−αに関連する毒性のため、多くの臨床医は、CHC患者をただ観察するだけである。
ほとんどのCHC患者は、インターフェロン−αによる治療に完全な反応を示さない。インターフェロン−αを6カ月間投与した対照比較試験では、投与終了時に40〜50%の患者で、血清ALTの正常化がみられた。しかし、この反応が持続したのは、15〜25%だけであった(Hoofnagle JHら,1997)。
投与量の増加及び治療期間の延長によって、持続的な反応は少し増加したが、そのかわり費用が増え、毒性も増加した(Poynard T.ら,1996)。さらに、増量の効果は一時的であることが多く、治療を中断した後の再発は一般的である(Lindsay KLら,1996)。
インターフェロン−αに反応しない患者35人を対象とした試験の報告によると、治療期間を6カ月から12カ月に延長しても、インターフェロン−αの投与量を増加しても、治療法を組換えインターフェロンからリンパ芽球腫インターフェロンに替えても、又はステロイドを使用しても、効果はみられなかった(Piccinino Fら,1993)。
インターフェロン−αに対し無反応後のHCV感染の自然歴は適切には研究されていない。しかし、患者28人を治療後少なくとも2年間追跡調査した1つの研究では、1例だけが、16カ月目に、最終的寛解(ALTの正常化とHCV−RNAの消失)を示したことがわかっている(Takeda Tら,1993)。
いくつかの要因が、インターフェロン−αに対して長期持続的に反応する確率の上昇に関係していることが判明した。すなわち、非1型遺伝子型、低い血清HCV−RNA濃度、短い感染期間、低体重、肝生検での弱い活性、硬変の欠如、並びに低レベルの血清フェリチン、鉄分、トランスフェリン飽和度、及び肝臓鉄分濃度である(Schvarcz Rら,1989,Bacon BRら,1995,Conjeevaram HSら,1995,Bonkovsky HLら,1997)。
インターフェロン−α治療の後に持続的反応が得られないCHC患者は、より攻撃的な疾患経過を有すると考えられる。それは、おそらく耐性遺伝子型を選択するためであろうが、インターフェロン−αに対する中和抗体の発生もその要因かもしれない。CHC、B型肝炎(HBV)感染のどちらにおいても、インターフェロン−α−2aに対する中和抗体の発生と、臨床的効果がないことの間には、強い相関関係があるようである(Douglas DDら,1993,Milella MMら,1993,Lok ASFら,1990)。事実、インターフェロン−αの、1つの組換え型に対する抗体の発生によって、他のインターフェロン−αサブタイプが中和されることがある(Brand CMら,1993)。
HCV感染におけるインターフェロン−βの経験は比較的少ない。急性HCV感染のインターフェロン−β治療では、非常に有望な結果が報告されている。1年目でALTの持続的正常化を達成したのは、11人中7人であり、それに比較して、対照では、14人中1人だけであった(Omata Mら,1991)。患者11人を、平均IV用量52MUの線維芽細胞由来の「天然(native)」インターフェロン−βで、平均30日間で治療した。注目すべきことに、著しい毒性は報告されなかった。
今日、日本では、一般に、慢性C型肝炎の治療に天然IFN−βを使用し、推奨される投与法は、1日量3〜6MIUを6〜8週間静脈投与することである(Habersetzerら,Liver,2000,20,438,4行目参照)。
非アジア人種のHCV患者では、IFN−βの筋肉内投与(3MU、週3回)は、非常に低い臨床効果しか示していない(Perez R.ら,J.Virol.Hepat.1995,2(2),103−6)。
非アジア人種(白人)HCV患者では、組換えIFN−βの皮下投与(9MU、又は12MU)は、少なくとも1群の患者で、常に効果を示している(Habersetzerら,Liver,2000,20 437−441)。
Kishiaraら(Fukukoka Acta Med.,86(4),113−20,1995)は、IFN−αに反応しないHCV患者に対して、投与量6MIUで静脈内投与する天然IFN−βによる治療を開示している。
HBV及びHCVにおける、インターフェロン−αとインターフェロン−βの予備的比較試験において、応答率は、インターフェロン−αで81%、インターフェロン−βで86%であった。6カ月の時点で、同様の応答率が維持された(インターフェロン−αで72%、インターフェロン−βで79%)(Tundo L,1993)。注目すべきことに、副作用によって治療が中断されたのは、インターフェロン−α群は24%、インターフェロン−β群は0%であった。
IFN−β−1aの良好な安全性及び忍容性プロファイルと、本出願者が実行したいくつかの先行研究での、期待の持てる初期結果によって、IFN−αによる治療に失敗した慢性C型肝炎患者における、より長い治療期間の、より高度で強力な投与方法を探る試験のデザインが導き出された。
台湾センターの治験責任医師が、良好な有効性の結果を自発報告したため、センターによって、人口統計学的特徴による探索的分析が行われ、その分析によって、アジア系患者と非アジア系患者の間の差が確認されることになった。したがって、上記試験の解析計画を、これら2集団の完全な評価を含むよう修正した。
本発明の主な目的は、インターフェロン−αによる先行治療に反応しなかったアジア人種患者への、皮下投与によるHCV感染治療用の薬剤を作製するための組換えIFN−βの使用である。
したがって、本発明の別の目的は、IFN−αによる先行治療に反応しなかったアジア人種患者に、薬学的に許容される賦形剤とともに、有効量のIFN−βを皮下投与することを含む、HCV感染の治療方法である。
「有効量」とは、そうした病理の減少や寛解に導く、疾患の経過と重症度に影響するのに充分な、活性成分の量のことである。有効量は、投与の経路と患者の状態に依存する。
「薬学的に許容される」とは、上記活性成分の生物学的活性の有効性に干渉せず、投与される宿主に対して毒性をもたない、いずれの担体をも包括することを意味する。例えば、非経口投与のために、上記活性成分を、食塩水、ブドウ糖溶液、血清アルブミン、リンガー溶液などの溶媒に溶かして、注射用の単位剤形に、製剤することができる。
本発明の組成物はまた、薬学的に許容される担体の他に、安定剤、賦形剤、緩衝剤、防腐剤などの添加物を微量含有してもよい。
本発明で使用する「組換えインターフェロン−β(IFN−β)」という語は、原核細胞又は真核細胞の宿主細胞からDNA組換え技術によって得られた、ヒト線維芽インターフェロン、並びにその塩、官能誘導体、変異体、類似体、及び断片を含むことを意図する。
本明細書で使用する「官能誘導体」という語は、当業界に既知の手段で、残基又はN末端基、若しくはC末端基上に側鎖として存在する官能基から調製される誘導体を包括し、それらの誘導体は、薬学的に許容される限り、すなわち、上述のようにタンパク質の生物学的活性(すなわち、対応する受容体を結合させ、受容体シグナル伝達を開始させる能力)を破壊せず、かつそれを含有する組成物に毒性を与えない限り、本発明に含まれる。そうした誘導体が、そのタンパク質の生物学的活性を保持し、薬学的に許容される状態であれば、誘導体は、炭水化物又はリン酸塩残基などの化学的部分を有してもよい。
例えば、誘導体には、カルボキシル基の脂肪族エステル類、アンモニアとの反応又は第1若しくは第2アミンとの反応で生じるカルボキシル基のアミド類、アシル部分(例えば、アルカノイル又は炭素環式アロイル基)によって形成されるアミノ酸残基のN−アシル誘導体又は遊離アミノ基、又は、アシル部分によって形成される遊離ヒドロキシル基(例えば、セリル、又はスレオニル残基のヒドロキシル基)のO−アシル誘導体が含まれる。そのような誘導体にはまた、例えば、ポリエチレングリコール側鎖(抗原部位をマスクし、体液内での、その分子の滞在時間を延長する)が含まれる。
特に重要なのは、長時間作用させるために誘導体化したタンパク質、又は錯化剤と結合したタンパク質である。例えば、ペグ化したもの、又は体内で長時間活性を示すように遺伝子操作したタンパク質を、本発明に従って使用することができる。インターフェロン−β−1aのペグ化したものは、WO99/55377に記述されており、本発明によるインターフェロン−βの定義に含まれると考えられる。
「誘導体」という語は、20種類の一般的な天然アミノ酸の1つのアミノ酸を別のアミノ酸に変換してはいない誘導体だけを含むことを意図している。
本明細書における「塩」という語は、カルボキシル基の塩、及び上述したタンパク質又はその類似体のアミノ基の酸付加塩の両方を意味する。カルボキシル基の塩は、当業界に既知の手段で形成することができ、無機塩、例えば、ナトリウム、カルシウム、アンモニア、第二鉄、又は亜鉛塩など及び有機塩基との塩、例えば、トリエタノールアミンなどのアミン、アルギニン又はリジン、ピペリジン、プロカインなどと形成される塩が含まれる。酸付加塩には、例えば、鉱酸、例えば、塩酸、硫酸などとの塩及び有機酸、例えば、酢酸、シュウ酸などとの塩が含まれる。もちろん、そのような塩はいずれも、本発明に関連するタンパク質の生物学的活性、すなわち、対応する受容体と結合し、受容体シグナル伝達を開始させる能力を保持しなければならない。
本発明による「断片」は、所望の生物学的活性を保持する、分子のいずれものサブセット、すなわち、より短いペプチドを意味する。断片は、その分子のどちらか一端からアミノ酸を除去し、得られたものを受容体作用物質としての特性についてテストすることによって、容易に調製することができる。ポリペプチドのN末端とC末端のどちらかから、一度に1個のアミノ酸を取り除くプロテアーゼが知られており、所望の生物学的活性を保持している断片をそのようにして決定することには、通常の実験のみが含まれる。
本発明による「変異体」は、上述のように定義したタンパク質全体又はその断片のいずれかと実質的に類似した分子を意味する。変異体ペプチドは、当業界に周知の方法を使用し、変異体ペプチドの直接的化学合成によって、利便よく調製することができる。もちろん、そのような変異体は、対応する天然発生タンパク質と類似の受容体結合及びシグナル伝達開始活性を有することになる。
上述のように定義したタンパク質のアミノ酸配列変異体は、合成誘導体をコードするDNA内の突然変異によって調製することができる。そうした変異体には、例えば、アミノ酸配列内の残基の欠失、又はアミノ酸配列内残基の挿入若しくは置換が含まれる。最終構築体が所望の活性を有するのであれば、欠失、挿入、及び置換のいかなる組合せを行って最終構築体に到達してもよい。明らかに、変異体ペプチドをコードするDNA内で行う突然変異は、リーディングフレームを変えてはならず、mRNA二次構造を作る可能性のある相補的領域を作り出さないことが好ましい。
遺伝子レベルでは、これらの変異体は、通常、そのペプチド分子をコードするDNAのヌクレオチドの部位特異的突然変異誘発を行い、それによって、変異体をコードするDNAを作製し、その後、組換え細胞培養物中でそのDNAを発現させることによって調製する。その変異体は、典型的には、非変異体ペプチドと同質の生物学的活性を示す。
本発明によれば、上記のように定義したタンパク質の「類似体」は、非天然の分子を意味し、分子全体又はその活性断片のどちらかと本質的に同等である。そのような類似体は、対応する天然発生タンパク質と同じ活性を示す。
本発明による、インターフェロン−βに対して行うことができる置換の型は、異なる種の相同タンパク質間におけるアミノ酸変化の頻度の分析に基づくことができる。本明細書では、こうした分析に基づいて、保存的置換は、次の5群のうちの1群内での変換であると定義することができる。
I. 小さい脂肪族の非極性又は僅かに極性の残基:
Ala、Ser、Thr、Pro、Gly
II. 極性で負電荷の残基及びそのアミド:
Asp、Asn、Glu、Gln
III.極性で正電荷の残基:
His、Arg、Lys
IV. 大きい脂肪族の非極性残基:
Met、Leu、Ile、Val、Cys
V. 大きい芳香族の残基:
Phe、Tyr、Trp
上記諸群のうちで、次の置換は、「高度に保存的」であると考えられる。
Asp/Glu
His/Arg/Lys
Phe/Tyr/Trp
Met/Leu/Ile/Val
半保存的な置換は、上記(I)〜(IV)群のうちの2群間での変換と定義されるが、これは、上記(I)、(II)及び(III)を含むスーパーグループ(A)又は上記(IV)及び(V)を含むスーパーグループ(B)に限定される。置換は、遺伝的にコードされたアミノ酸に限定されず、天然発生のアミノ酸にさえも限定されない。エピトープをペプチド合成によって調製する際、所望のアミノ酸を直接使用してもよい。或いは、遺伝的にコードされたアミノ酸を、選択された側鎖又は末端残基と反応できる有機誘導化剤と反応させることで、修飾してもよい。
システイニル残基は最も一般的に、クロロ酢酸又はクロロアセトアミドなどのアルファ−ハロアセテート類(及びそれに対応するアミン類)と反応させて、カルボキシルメチル誘導体又はカルボキシアミドメチル誘導体を得る。システイニル残基も、ブロモトリフルオロアセトン、α−ブロモ−β(5−イミダゾイル)プロピオン酸、リン酸クロロアセチル、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピリジル二硫化物、メチル−2−ピリジル二硫化物、p−クロロメルクリベンゾアート、2−クロロメルクリ−4−ニトロフェノール、又はクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾールとの反応によって誘導化される。
ヒスチジル残基は、pH5.5〜7.0でプロ炭酸ジエチルと反応させて誘導化する。この物質は、ヒスチジル側鎖に対して比較的特異的だからである。パラブロモフェナシルブロミドもまた有用である。その反応は、pH6.0で0.1Mカコジル酸ナトリウム中で行うのが好ましい。
リシニル残基及びアミノ末端残基は、コハク酸無水物又は他のカルボン酸無水物と反応させる。これらの物質による誘導体化には、リシニル残基の電荷を反転させる作用がある。α−アミノ酸含有残基を誘導体化するのに適した他の試薬には、メチルピコリンイミダートなどのイミドエステル、ピリドキサールリン酸、ピリドキサール、クロロボロヒドリド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O−メチルイオスリア(O−methyliosurea)、2,4−ペンタンジオン及びアミノ基転移酵素に触媒されたグリオキシラートとの反応などが含まれる。
アルギニル残基は、1種又は数種の従来の試薬との反応によって修飾する。その試薬には、フェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン及びニンヒドリンがある。アルギニン残基の誘導体化は、グアニジン官能基のpKaが高いため、アルカリ性条件で反応を行う必要がある。さらに、これらの試薬は、リジンの基と同様、アルギニンイプシロンアミノ基とも反応することができる。
チロシル残基自体の特異的修飾は、芳香ジアゾニウム化合物又はテトラニトロメタンと反応させて、チロシル残基にスペクトルラベルを導入することに、特に関心を向けて、広く研究されてきた。最も一般的には、それぞれ、N−アセチルイミダゾール及びテトラニトロメタンを使用して、O−アセチルチロシル種及び、ε−ニトロ誘導体を形成する。
カルボキシル側基(アスパルチル又はグルタミル)は、1−シクロヘキシル−3−[2−モルホリニル−(4−エチル)]カルボジイミド又は1−エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミドなどのカルボジイミド類(R’N−C−N−R’)との反応によって、選択的に修飾される。さらに、アスパルチル残基及びグルタミル残基はアンモニウムイオンと反応してアスパラギニル残基、及びグルタミニル残基に変わる。
グルタミニル残基及びアスパラギニル残基は、しばしば脱アミド化されて、対応するグルタミル残基、及びアスパルチル残基になる。或いは、これらの残基は、弱酸性条件下で、脱アミド化される。これらの残基は、どちらの形態でも、本発明の範囲内に入る。
本発明で使用する類似体を得るために使用可能なタンパク質内における、アミノ酸置換作製の実施例は、米国特許RE33,653;4,959,314、4,588,585、及び4,737,462(Markほか)、5,116,943(Kothsほか)、4,965,195(Namenほか)、並びに5,017,691(Leeほか)、並びに米国特許4,904,584(Shawほか)で提示されているリジン置換タンパク質など、既知の方法ステップすべてを含む。
上述のように定義した変異体又は類似体は、コア配列を有するのが好ましい。その配列は、「天然」配列又は生物学的活性を有するその断片の配列と同じであり、その断片は、上記天然アミノ酸配列に対して少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつその生物学的活性を保持する。より好ましくは、そうした配列が上記天然配列と少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性を有し、又最も好ましくは、少なくとも95%の同一性を有する。
本明細書で使用する「配列同一性」という語は、次のように配列を比較することを意味する。配列は、ジェネティックス・コンピュータ・グループ(Genetic Computing Group)社のGAP(global alignment program)バージョン9を使用し、デフォルト(BLOSUM62)マトリックス(値−4〜+11)を、gap open penalty:−12(gapの最初のnullのため)及びgap extension penalty:−4(gap内の追加の連続null毎に)で使用して、アライメントした。アライメント後、マッチの数を、提示された配列内にあるアミノ酸数のパーセンテージとして表すことで、パーセンテージ同一性を算出した。
本発明による類似体や変異体はまた、次の手順に従って決定することもできる。天然配列のDNAは、従来技術に知られており、文献に載っている。非常にストリンジェントな条件下、又は中程度にストリンジェントな条件下で、天然DNA又はRNAの補体とハイブリッド形成する、DNAやRNAなどの核酸によってコードされるポリペプチドもまた、そのポリペプチドが天然配列の生物学的活性を維持する限り、本発明の範囲内にあると考えられる。
ストリンジェンシー条件は、ハイブリダイゼーション実験で使用する温度、ハイブリダイゼーション溶液中の1価陽イオンのモル濃度及びホルムアミドのパーセンテージの関数である。所与の条件セットに必要なストリンジェンシーの程度を決定するには、まず、100%同一なハイブリッドの安定性(DNA−DNAハイブリッドの溶解温度Tmとして表される)を決定するためのMeinkothらの方程式(1984)を使用する:Tm=81.5℃+16.6(LogM)+0.41(%GC)−0.61(%form)−500/L[Mは1価陽イオンのモル濃度、%GCはDNA内のGヌクレオチド及びCヌクレオチドのパーセンテージ、%formはハイブリダイゼーション溶液内のホルムアミドのパーセンテージ、並びにLは塩基対のハイブリッドの長さ、を表す]。100%同一ハイブリッドでの算出Tmから1℃減少するごとに、許容されるミスマッチの量は約1%増加する。よって、特定の塩濃度及びホルムアミド濃度で行われる所与のハイブリダイゼーション実験いずれにおいても、使われるTmがMeinkothの方程式に従って100%ハイブリッドで算出したTmより10℃低い場合は、約10%までミスマッチがあったとしても、ハイブリダイゼーションは起こる。
本明細書で使用されるように、非常にストリンジェントな条件は、配列相違約15%まで寛容な条件であり、中程度にストリンジェントな条件は、配列相違約20%まで寛容な条件である。制限することなく、非常にストリンジェントな条件(そのハイブリッドの算出Tmより12〜15℃低い)の例及び中程度にストリンジェントな条件(そのハイブリッドの算出Tmより15〜20℃低い)の例では、そのハイブリッドの算出Tmより低い適度な温度で、2xSSC(標準クエン酸添加生理食塩水)と、0.5%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)の洗浄溶液を使用する。条件の究極的なストリンジェンシーは、主に洗浄条件により、特に、使用するハイブリダイゼーション条件が、安定したハイブリッドと安定性の低いハイブリッドが一緒に形成されるような条件の場合である。洗浄条件のストリンジェントが高ければ、安定性の低いハイブリッドは除去される。上述の、非常にストリンジェントから中程度にストリンジェントな洗浄条件で使用する、通常のハイブリダイゼーション条件は、Tmより約20〜25℃低い温度で、6xSSC(又は6xSSPE)、5xデンハート試薬、0.5%SDS、変性したサケ精子DNA断片100μg/mlの溶液内におけるハイブリダイゼーションである。混合プローブを使用する場合は、SSCの替わりに、塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)を使うのが好ましい(Ausubel,1987−1998)。
本発明は、上記のように定義した誘導体を作製するための組換え方法を提供するが、これらの誘導体はまた、当業者に周知の、従来のタンパク質合成法によって作製してもよい。
本発明によると、「人種(race)」は、種(例えば、ヒト種)の中の、特定のサブグループとして区別可能な集団である。人種は、特有で、区別可能な、遺伝子の組合せを有し、その遺伝子の組合せによって作られる特徴(精神的、肉体的とも)によって同定される。同じ人種のメンバーは、共通の遺伝的祖先を共有し、その結果、類似の遺伝子組合せを共有するため、はっきり区別できる遺伝的特徴を共有している。
Luigi Cavalli Sforzaらによる核DNA研究に基づいて、少なくとも6つの人種/集団を定義することができる。すなわち、コーカソイド(ヨーロッパ及びインドの集団を含む)、アフリカ人、アジア人、極地人(the Arctic)、アメリカンインディアン及び太平洋人である。(L.Cavalli−Sforza,Scientific American,72−78,Nov.1991)。
本発明によると、「アジア人」とは、中国、モンゴル、台湾、シンガポール、朝鮮、日本、ヴェトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、マレイシア、インドネシア、及びフィリピン出身の人々のいずれかを起源に持つ人という意味である。
本明細書でいう「非アジア人種」は、上記のように定義した「アジア人種」に該当しない、他のすべての人種/集団を示すことを意図している。
患者は通常、自分で「人種」を特定するよう求められる。又は医師が、患者の身体的特徴、及び/又は出身国に基づいて人種を指定する。
本発明によると、「IFN−αによる先行治療に反応しなかった患者」とは、いずれかの型(複数可)のインターフェロン−αによる先行治療を受け(少なくとも3MIUの用量で週3回、少なくとも12週間の治療)、次の結果のうちの1つを得た、HCV患者である:(a)血清ALTが正常化されない、又は(b)血清ALTが正常化した後、治療終了前に急上昇(ALT増進)する。投与量と投与法は、医師が、疾患の重症度、患者の年齢、及び性別によって、選択することができる。本発明の出願によると、次の4つの投与法、及び投与量が使用された。
投与法A:12MIU(44mcg)の組換えIFN−β−1aを週3回、
投与法B:12MIU(44mcg)の組換えIFN−β−1aを毎日、
投与法C:24MIU(88mcg)の組換えIFN−β−1aを週3回、又は
投与法D:24MIU(88mcg)の組換えIFN−β−1aを毎日
本発明の好ましい実施形態によると、IFN−βによる治療は、4週間の治療後にHCV−RNAクリアランスを示した患者のサブグループにのみ実行されるべきである。事実、この患者サブグループでは、48週間の治療後に治療が成功する確率は非常に高く、100%に近いことがわかっている。「HCV−RNAクリアランス」とは、治療された患者の血清中でHCV−RNAが検出されないという意味である。
換言すると、本発明の治療には、先に「試験期」があると有利でありえ、そこで、患者はIFN−βによる同じ治療を4週間受け、この「試験期」終了時にHCV−RNAクリアランスを示す患者には、優先的に、さらに数週間治療を続行することを奨励する。
本発明のさらに好ましい実施形態によると、IFN−βによる治療を、別の抗ウイルス薬による併用治療と組み合わせることができる。HCVの治療で、最も一般的に使用される抗ウイルス薬はリバビリン(ヌクレオシド類似体)である。しかし、他の薬剤もこの治療でいくらかの可能性を示しており、最近の総説(T Wilkinson,Curr.Op.Invst.Drug,2(11),1516−22,2002)にリストされている。それには、セリンプロテアーゼ阻害剤、RNA依存RNAポリメラーゼ(RdRp)阻害剤、及びヘリカーゼ阻害剤が含まれる。これらの薬剤は、組換えIFN−βと組み合わせるときは、同時に投与、別々に投与、又は連続して投与することができる。
本発明について、特定の実施形態に関連して、記述してきた。しかし、記述の内容は、すべての修飾及び置換を含み、それらは、特許請求項の意味と目的を越えることなく、当業者によって行うことができる。
これから、次の実施例によって、本発明を記述する。その実施例は、どのようなかたちでも、本発明を限定するように解釈されるべきではない。実施例は、次の図に言及する。
Figure 2005533035

Figure 2005533035
試験対象集団の選定
約250人の患者(200人は肝硬変なし、50人は、次のセクションで定義するような代償性肝硬変あり)の登録するよう計画した。登録の資格があるのは、試験第1日前の28日以内に、下記の基準をすべて満たした患者であった。試験第1日とは、IFN−β−1aによる治療の最初の日と定義された。いかなる例外も、登録時、試験責任医師が承認しなければならなかった。
組入基準
1.C型肝炎感染。HCV−RNAの血清陽性によって立証(RT−PCRによる)。
2.いずれかの型(複数可)のインターフェロン−αによる先行治療(少なくとも3MIUの用量で週3回、少なくとも12週間の治療)を受け、下記の結果のうちの1つを得た:
i.血清ALTが正常化されない、又は、
ii.ALTが正常化した後、治療終了前に急上昇(ALTが上昇)する。
3.IFN−αによる治療中、血清ALT正常化を達成したが、治療中断後に再発した患者は適格ではなかった。
4.他の肝疾患の根拠がない場合、試験第1日前3カ月以内、及びインターフェロン−αによる治療終了後に行う肝生検における慢性肝炎の組織学的特徴。肝生検は、中心的検査のために必須。
5.センターごとに、4人又はそれ以上の患者(合計、約50人まで):次の組織学的基準、及び臨床的基準によって定義される、代償性肝硬変:
i.肝生検に基づいて、肝硬変の可能性、又は明確な肝硬変と診断[肝生検には、修正したKnodell組織学的活性指標(Ishak Kら,1995)、又は、Metavirアルゴリズム(Bedossa Pら,1996)を使用]、及び
ii.肝性脳症、又は腹水症の根拠なしで、最大チャイルドピュースコア(McIntyre Nら,1996)6点。
6.試験第1日より少なくとも3カ月前に、インターフェロン−α治療を中断。
7.異常な血清ALT濃度。インターフェロン−α治療中断後の3カ月の間に少なくとも4週間の間をおいて2回測定(これは、本試験のためのスクリーニング中に取った測定値も含む)。ALTは、試験治療の開始まで異常のままでなければならなかった。
8.治療前の検査値が、下記の範囲にある:
a.WBC ≧3.0x10/l
b.好中球 ≧1.5x10/l
c.血小板 ≧120x10/l
d.ヘモグロビン ≧6.8mmol/l(≧11g/dl)
e.血清アルブミン ≧35g/l
f.総ビリルビン ≦27.4mcmol/l(1.6mg/dl、患者がジルベール症候群を有することが判明していない場合)
g.プロトロンビン時間 ≦対照+2秒(又は、INR<1.4)
h.血清クレアチニン ≦正常値の上限
9.年齢は18才〜65才の間、性別は不問。
10.女性患者は、妊娠中、又は授乳中であってはならず、閉経後、若しくは手術による不妊であるか、又は、試験期間中、ホルモン性避妊薬、子宮内器具、殺精子ダイアフラム、若しくは殺精子コンドームを使用しなければならなかった。
11.患者が妊娠していないことは、試験第1日前28日間に実行した陰性血清hCG妊娠検査によって立証し、確認しなければならなかった。これは、閉経後の患者、又は不妊手術を受けた患者には必要ない。
12.試験を目的としたいかなる手続きの前にも、書面によるインフォームドコンセントが得られること、そして、試験期間中、プロトコールを遵守する能力があること。
除外基準
次の基準のいずれかを満たした場合、患者は除外された。
・CHCのために、インターフェロン−βによる先行治療、又は、インターフェロン−αでないいずれかの全身性の抗ウイルス剤による先行治療を受けた。
・CHCの先行治療を受けていない、又は、完全反応の後、いずれかの種類のインターフェロン−αによる再治療を受けている。
・急性、又は慢性B型肝炎感染の血清学的根拠(HBsAg、又はIgM抗HBcで陽性)。B型肝炎感染病歴のある患者は、血清学的プロファイルがHBVの治癒を示す場合(antiHBsAg、及びantiHBe陽性)だけ、適格である。
・HIV血清検査陽性(動的検査(active testing)が好ましいが、IEC、又はIRBが反対する場合は必要ない)。
・ウイルソン病、α−抗トリプシン欠乏(非Z表現型は許容された)、又はヘモクロマトーシスを含む、他の慢性肝疾患の病歴、生化学的根拠、又は形態学的根拠。
・自己免疫肝炎、原発性胆汁性肝硬変症、原発性硬化性胆管炎、又は他の自己免疫疾患の、血清学的又は形態学的な根拠。
・肝細胞毒性薬剤服用後の、急性又は慢性肝疾患の病歴。
・アルコール性肝疾患(試験前肝生検の評価に基づく)。
・肝臓癌の疑い、又は根拠。
・肝不全、静脈瘤出血、腹水症、肝性脳症、若しくは肝腎症候群の病歴、又は現在の根拠。
・悪性腫瘍の病歴、(頸部の原位置にある癌、又は適切に治療をうけている皮膚の基底細胞癌は例外とする)。
・本試験と両立しない、他の重篤な併発性全身疾患(責任医師の裁量にゆだねる)。
・現在、静脈投与薬剤、又はアルコールを乱用している。試験中のアルコール摂取は、1日10gを越えないこととされた。
患者治療又は評価の打ち切り
患者には、その医療に対して先入観を持たず、いつでも、試験を中止する権利があり、又、その理由を述べる義務はないことを知らせた。試験責任医師が、患者の利益になると判断した場合、いつでも、患者について中止させることができた。
インターフェロン−β−1aに関連するとみられる、生命にかかわるグレード4の毒性を示した場合、又は妊娠した場合、患者の打ち切りの必要があった。また、プロトコール違反、重篤な併発症、若しくは重篤な有害事象があった場合、又は管理上の理由で、患者の打ち切りを行うこともできた。
患者が、終了前に試験を中止した、又は中止させられた場合、中止の主な理由を患者の症例報告書(CRF)に記録し、追跡評価を実施した。理由が何であれ、中止した、又は中止させられた患者の入れ替えは行わなかった。
治療
投与した治療
患者は、次の4つの治療投与法のうちの1つを受けた。
投与法A:12MIU(44mcg)のIFN−β−1aを週3回、
投与法B:12MIU(44mcg)のIFN−β−1aを毎日、
投与法C:24MIU(88mcg)のIFN−β−1aを週3回、又は
投与法D:24MIU(88mcg)のIFN−β−1aを毎日
治療は、48週間にわたって皮下投与された。患者は、薬剤を自己投与し、患者日誌に投与の詳細を記録した。注射部位は、頻繁に変えることとした。治療に使用したIFN−β−1aはRebif(登録商標)(Serono)である。
治験薬の同定
IFN−β−1aは、ガラス瓶(バイアル)入りの無菌凍結乾燥粉末として供給された。それぞれ、12MIU(44mcg)のIFN−β−1aに加え、賦形剤及び安定剤(ヒト血清アルブミン、マンニトール、及び酢酸ナトリウム)を含有する。被験薬の瓶にはそれぞれ、希釈剤として使うための0.9%塩化ナトリウム溶液が添付された。再構成法の指示は、患者の情報小冊子及び試験プロトコールで提供した。凍結乾燥した被験薬は、安全な場所に2℃〜8℃の温度で、凍結しないように貯蔵した。上記薬剤は、抗菌防腐剤を含まないので、再構成した薬剤は、直ちに投与しなければならない。ラベルと包装は、地域の法的要求に合うようにした。
本試験では盲検化は行わなかった。
試験の用量の選択
この試験で使用した用量は、天然、及び組換えIFN−βの先行試験の結果に基づいて、選択した。
患者は、被験薬を自己投与し、それぞれの投与の詳細を日誌に記録した。日誌は、既使用、及び未使用の薬瓶とともに、試験員担当者に返却した。患者には、未使用の薬剤をセンターに返却するよう要求した(元の包装のままが好ましい)。
患者は、IFN−αによって、慢性C型肝炎の先行治療を受けている必要があった。プロトコールでは、インターフェロン−βによる、若しくはインターフェロン−α以外の抗ウイルス薬による、CHCの先行治療を受けたことのある患者、又は、完全反応の後、インターフェロン−αによる再治療を受けた患者は除外した。静脈投与薬剤、又はアルコールを乱用する患者も除外した。
本試験の期間中、患者は、発熱、筋痛又はインフルエンザ様症状などの全身症状を軽減するために、必要であれば、パラセタモール(アセトアミノフェン)を服用することができた(1日の総投与量は、3000mgを越えてはならなかった)。パラセタモールは、責任医師の裁量で、予防的に与えることもできた。継続投与によって、インターフェロンに対するタキフィラキシーという副作用が発生する可能性があること、及び、就寝時に被験薬を投与すると、そうした副作用の知覚を軽減することができることを、患者に知らせるよう指示した。
患者は、本試験期間中、他の免疫療法、化学療法、放射線治療、又はコルチコステロイドを受けることは許されなかった。但し、局所又は吸入コルチコステロイド、及びホルモン性避妊薬は例外とした。
患者の福利のために必要とみなされ、かつ本試験に干渉しない併用治療であれば、いずれも、責任医師の裁量によって、受けることができた。すべての併用治療投与を、患者のCRFに記録した。
HCV−RNAの分析
HCV−RNAの分析は、HCVの検出、定量化、及び遺伝子タイピングに経験のある試験所が中心となって行った。その試験所は、それ以前に、現在使用されている診断検査の確認段階に参加した試験所であった。
試料は、試験プロトコールで提供されたガイドラインに従って、収集、調製した。HCV−RNAの定性検査は、ロシュ・コバス(Roche COBAS)アンプリコアHCV検査(バージョン2.0)を用いて行った。HCV−RNAの定量化は、分岐DNAアッセイ(Quantiplex HCV RNA 2.0−Chiron/Bayer)を、使用して行った。定量化は、アッセイ間変動を最小化するために、患者系(patient series)の、適した集団(batches)で、行った。
遺伝子タイピングは、スクリーニング期間に収集した、治療前の血清試料で行った。HCV遺伝子型は、HCVゲノム配列の5’末端非コード領域を、RT−nested PCRによって増幅後、Innolipaラインプローブアッセイ(Innogenetics)を使用して決定した。
肝組織検査
CHCの抗ウイルス治療試験で採用される、古典的な3つのエンドポイント(すなわち、ALT、HCV−RNA、肝組織検査)の中で肝生検標本の組織学的評価が、肝臓に関連した疾病状態と致死性の「真の」エンドポイントに最も近いとみられる代理エンドポイントを表す。さらに、それはまた、最も困難な制限とバイアス源を伴うエンドポイントでもある。組織学的改善を評価する基準はまだ標準化されておらず、そして、現在の実施法は地域によって異なる可能性がある。これらの制限は、本試験では、次のように提示された。
・他の肝疾患の根拠を示さず、慢性肝炎の特徴を表す、治療前肝生検が、試験対象となる患者全員に必要であった。治療前肝生検は、インターフェロン−αによる先行治療終了後、試験第1日前12カ月以内に行われなければならなかった(最初のプロトコール修正で、その間隔を、試験第1日前3カ月と短縮した)。治療後生検は、48週治療終了後1週間以内に行った。すべての肝生検が、中心的所見のために必須であった。
・試料は、正常な検査施設手順を用いて得られ、少なくとも5つの、評価用門脈部位が含まれていなければならなかった。それぞれの生検試料から、3つのスライドを調製した:1つは未染色、1つはヘマトキシリンとエオシン(H&E)で染色し、1つはトリクロームで染色した(トリクロームが利用できない場合は、少なくとも1つの未染色スライドとH & E染色スライドを提出すべきであった)。
・生検標本は、肝組織検査に広い経験を有する、1人の病理学者が、中心的に解析した。その病理学者には、患者の個人情報、治療目的、試験センターを知らせなかった。生検標本は、生物学的ペア(同時に解読される1人の患者の、治療前スライドと治療後スライドの)として、試料取得の順序を知らされずに、解析した。
組織学的評価では、半定量的なKnodell組織学的活性指標(HAI)のIshakらによる修正バージョンを、構造上の変化(すなわち、線維形成と硬変)を評価するステージグシステムとともに、使用した。
Figure 2005533035
4つの組織学的パラメータ−−門脈周辺、又は中隔周辺領域の肝炎(巣状壊死);融合性壊死;局所性(点在型)溶解壊死、アポトーシス、及び局所性炎症;並びに門脈炎症−−はそれぞれ、スコアリングシステム上で、連続した整数を使用して、個々に等級分けされる。それぞれ別々の構成要素で発生したスコアの間で、比較が行われる。
ほとんどのCHC患者は、肝臓壊死炎症の、低い、又は中程度の等級を有する。HAI半定量的数値スコアリングシステムを使用した場合、HAI構成要素いずれかの等級づけ(すなわち、壊死炎症)における、少なくとも2ポイントの減数は、概して、医学的に重要な組織学的改善と一致していると考えられる。同様に、等級づけにおける、少なくとも2ポイント以上の増加は、医学的に重要な組織学的悪化を示す。
方法論的に誤っている(Scheuer PJ,1996)にもかかわらず、等級づけ構成要素を合計して得られる、HAI等級づけスコアの合計が、しばしば報告される。個々のスコアの合計は、壊死炎症スコアの合計である。それは、0〜18の範囲であり、スコアが高いほど、肝疾患が進行していた。合計HAI等級づけスコアは、他の公表試験との比較のためだけに算出される。
連続する整数(0の線維形成なし、から、6の肝硬変の可能性又は明白な肝硬変まで)を使用するスコアリングシステム上で、ステージングによって、構造上の変化(線維形成と肝硬変)を評価した。(線維形成、肝硬変の)ステージングにおいて、改善及び/又は悪化を定義する現在の方法には、議論がある。1ポイントの変化で充分であると考える人たちがいる一方、より保守的なアプローチは、改善、又は悪化を、少なくとも2ポイントの変化に基づいて定義する。
臨床検査評価
以下のパラメータは、標準の方法を使用して測定した:
血液検査:ヘモグロビン、赤血球数、ヘマトクリット、血小板数、白血球数、及び白血球ディファレンシャル(×10/l)
生化学的検査:ナトリウム、カリウム、総カルシウム、尿素(BUN)、クレアチニン、アルブミン、総タンパク、(総及び直接)ビリルビン、ALT、アルカリホスファターゼ、ブドウ糖、及びトリグリセリド。トリグリセリド測定では、絶食試料か非絶食試料かを確認しなければならなかった;結果に異常がある場合、絶食試料を使用して測定を繰り返さなければならなかった。
尿検査:ブドウ糖、ケトン、タンパク質、血液、及びpH。
凝固検査:プロトロンビン時間。
甲状腺検査:甲状腺刺激ホルモン(結果に異常がある場合、甲状腺ミクロソーム抗体の検査、及びチログロブリン抗体の検査が行われる)。
インターフェロン−βに対する抗体の検出
被験薬に対する潜在的な抗体を検出するための試料は、治療開始時、12週、24週、48週の治療終了後、及び4週の観察終了後に収集した。試料の調製、及び取り扱いのガイドラインは、試験プロトコールで提供された。試料は、まず、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を使用して、抗体結合の検査をした。検査試料、又は精度管理試料(1/10に希釈)を、マイクロタイターのウェル上にコートした抗原(IFN−β−1a)とともにインキュベートした。ペルオキシダーゼで標識したポリクローナル抗体(ヒト免疫グロブリンに対する)による洗浄、及びインキュベーション、並びに色素生産性溶液によるインキュベーションの後、その結果生じる着色溶液の光学濃度(OD)を測定した:ODは、試料内にある抗IFN−β−1a抗体の濃度と比例する。負の対照として正常ヒト血清試料が、それぞれの検定に使用された。平均OD値にその平均の標準偏差(std)2つをプラスした値を、検査試料の抗体状態を評価するための「カットオフ」値として使用した:カットオフ値より下のOD値を示す試料はすべて、陰性とみなされた。カットオフより上の値を示す試料はすべて、吸着検定法を使用して、さらに検査した。この半定量的な検定法によって、非特異的結合抗体と、IFN−β−1aと特異的に結合する抗体が区別され、抗体力価が提供された。スクリーニングELISAにおいて陽性の試料は、液相抗原(IFN−β−1a)でプレインキュベートした。そして、ある希釈範囲内の非吸着試料を用いた同じ分析(ELISAのために上述したように実行)において、適切な対照群と直接比較した。ELISAのときに述べたように「カットオフ」値を計算し、非吸着試料のOD値を、吸着試料のOD値と比較した。吸着OD値と非吸着OD値で差を示した試料は、陽性であるとみなした。そして、力価は、検定法「カットオフ」より大きなOD値を与える、最低の希釈度から算出した。吸着OD値と非吸着OD値で差を示さなかった試料は、その結合が非特異的であることを示したので、陰性であるとみなした。
陽性の試料は、その後さらに、ヒトIFN−βによるin vitro処置に起因する、水疱性口内炎ウイルス(VSV)の細胞変性作用抑制に基づく検定法を用いて、中和活性の検査を行った。ヒト羊膜WISH細胞(患者の血清、及び固定濃度IFN−βの混合物とともに、96ウェルマイクロタイタープレート内の単分子層にプレートされる)を、VSVに感染させた。24時間後に感染を生きぬいた細胞数を、クリスタルバイオレット染色によって評価した:生存細胞の数は、592nmでELISAマイクロプレートリーダーを使用した光学濃度に比例する。評価される血清内のIFN−β中和抗体の量(力価)が大きいほど、VSVに誘発された細胞変性効果からのWISH細胞の保護レベルは低くなり、したがって、染色された単分子層の光学濃度も低くなる。中和抗体の量は、ミリリットルごとの中和単位(NU)に換算して、(WHOに従って)標準化する。1NU/mlは、抗ウイルス活性を、10試験所単位(LU)/ミリリットルから1LU/mlに(すなわち、細胞損傷を、IFN−βがない状態でウイルスが誘発する細胞変性効果の50%に制限するIFN−βの量に)に減少させる中和抗体の量、と定義される。本試験においては、なんらかの中和活性を示す試料はすべて、NAb陽性とみなした。
主要及び副次的有効性エンドポイント
本試験の主要エンドポイントは、持続的なウイルス学的応答率[治療終了時(48週目)、及び24週の観察終了時とも、血清中に検出可能なHCV−RNAが存在しないことと定義される]である。
副次的エンドポイントは、
・治療48週目における血清中HCV−RNAの有無、
・血清ALT正常化、及び期間全体にわたるALT値、
・ウイルス量に及ぼす治療効果
・結合エンドポイントとしての、HCV−RNA除去、及びALTの正常化、並びに
・治療終了時の肝組織検査における改善。
統計計画と分析計画
試験対象集団
本試験では、肝硬変患者と非肝硬変患者の両方を登録した。非肝硬変患者の集団は、IFN−β−1aによる治療における主要な目標集団であると予想されたため、主要な関心対象と考えられた。
次のセクションで概説する安全性及び有効性の分析は、肝硬変集団、及び非肝硬変集団に対して、別々に行った。これら2集団の間で行われる比較はいずれも、性質上、記述的になる。
台湾センターの治験責任医師が、良好な有効性結果を自発報告したため、センターによって、人口統計学的特徴による探索的分析が行われ、その分析によって、アジア系出身患者と非アジア系出身患者の間の差が確認されることになった。したがって、上記試験の分析計画をこれら2集団の完全評価を含むよう修正した。
治療群比較可能性の評価
基礎値の特徴は、治療群による要約統計を使用し、視覚的比較のために図表化する。これには、人口統計、病歴、併用薬剤、血清HCV−RNA及びALTレベル、肝組織検査、並びに他の疾患特徴が含まれる。
有効性の評価
データの分析では、2度の中間分析と、1度の最終分析を行わなければならなかった。1度目の中間分析は、48週間の治療完了後に行い、2度目の中間分析は、1度目の中間分析を受けた患者が24週間の観察を完了した後に行う。
それぞれの中間分析で、信頼区間(95%)を使用しなければならなかった。最終分析では、1変量検定に加えて、オブライエン(O’Brien PC,1984)が提案したアプローチを使用する:これは、本質的に、代替え法(その中では、少なくとも1つの治療が、総じて、他の治療より良い)に対する検出力を用いて、治療差がないという仮説を検証するノンパラメトリック順位和検定である。エンドポイントは、分析の前に、先を見越してグループ化される。中間分析の結果は、内部的立案のために使用し、本試験のコース又は手順を変えるためには使用しない。
最終分析は、全ての患者が48週の治療と24週の観察を完了したときに、行われる。
有効性分析の対象集団
非肝硬変集団の有効性分析は、2つの分析対象集団を使って行う。
・全患者(Intent−to−treat集団)
・重大なプロトコール違反がなく、問題の試験期間を完了した患者(プロトコール適合集団)
Intent−to−treat分析は、2つの方法で行われる:(a)全脱落者を治療失敗と考える(主要分析方法)、及び(b)脱落の詳細な原因を調査する。感度分析を行い、異なる仮定のもとで結果の強固さを評価するために、2つのアプローチで得られる結果を比較する。
こうした詳細な分析は、最終被験者数がそのような分析を可能にしない限り、肝硬変の集団に対しては実行しない。
統計的比較
要約統計は、治療群によって、それぞれのエンドポイントに提供される。
治療群に対して行う分析に加えて、エンドポイントは次のように比較される:
1)用量レベルは、投与法に関わりなく、88mcg受ける患者の反応と44mcg受ける患者の反応を比較して調査する。
2)投与法は、用量レベルに関わりなく、週3回(TIW)治療を受ける患者の反応と毎日治療を受ける患者の反応を比較して調査する。
3)用量反応関係は毎週の計画投与量を使用して調査する。重大な遵守違反がある場合は、実際に受けた毎週の投与量も調査する。
主要有効性エンドポイント
本試験の主要エンドポイントは、持続性ウイルス学的応答率であった。48週間の治療終了後と、24週間の観察終了後両方において、血清中に検出可能なHCV−RNAが存在しないことと定義された。HCV−RNA陽性は、無反応であると考えられた。反応者のパーセンテージ(応答率)は、下記で概説するように、治療群ごとに算出し、比較する。
副次的有効性エンドポイント
副次的有効性エンドポイントは、下記に列挙した。副次的エンドポイントは、特に明記しない限り、治療48週目及び観察24週目に分析される。
・治療48週目における血清中HCV−RNAの有無。
・ALT正常化、及び期間全体にわたるALT値。
・ウイルス量に及ぼす治療効果(血清HCV−RNAの変化、及び血清HCV−RNA濃度のパーセント変化を含む)。
・HCV−RNAの除去、及び結合エンドポイントとしてのALTの正常化。
・治療前生検と比較しての、治療終了時の肝組織検査(等級と病期)における改善。組織学的等級は、半定量的なKnodell組織学的活性指標(HAI)(Ishakに従って修正)に基づく。修正HAIスコアリングシステムには、壊死炎症活性を等級づけするための、4つの別々の構成要素が含まれる。それぞれ別々の構成要素で発生するスコアの間で、比較が行われる。方法論的に誤っている(Sheuer PJ,1996)にもかかわらず、等級づけ構成要素を合計して得られる、HAI等級づけスコアの合計が、しばしば報告される。合計HAI等級づけスコアは、他の公表試験との比較のためだけに算出される。構造上の変化(線維形成と、肝硬変)を評価する組織学的ステージングは、Ishakらによって公表されたように、別のステージングスケールに基づく。
統計学的方法
本発明のエンドポイントには、2値の結果(binary outcome)、2レベルを超えるカテゴリ的結果(categorial outcome)、持続的結果(continuous outcome)、が含まれる。したがって、次の方法が使われる。センターによる層別は、センター毎に登録された患者数が充分である場合に行う。センターごとの肝硬変患者の数が少ないため、センターは肝硬変集団の分析を必ずしも行わなくてよい。しかし、肝硬変患者の数が多ければ、同じ方法を、肝硬変集団と非肝硬変集団に使用する。
・2値のエンドポイント(HCV−RNAの除去など)は、フィッシャーの正確確率検定を、有意レベル0.05で使用して治療群間で比較し、可能な場合はセンターによる層別を行う。
・共変量の効果を調査する探索的分析は、ロジスティック回帰を使用し、可能な場合、センターのためのターム(term)を含む。したがって、これらの分析の結果は、漸近的であり、正確ではない。
・カテゴリ化エンドポイント(等級づけ、ステージングなど)に基づく応答率は、マンテル−ヘンツェル検定(row mean scores)を使用して、治療群間で比較し、可能な場合は、センターによる層別を行う。
・期間中、繰り返し評価される持続的測定(HCV−RNA及びALT)の個人プロファイルは、どの測定が、全患者の反応を要約するのに適しているか判断するために、プロットする。
・持続的有効性エンドポイント(HCV−RNAにおける変化など)は、分散分析(ANOVA;主要効果モデル、治療の諸因子、センターを含む)を使用して分析する。用量反応関係は、傾向検査(Cuzick J,1985)と同様、実際に受けた投与量と計画した投与量の差を、使用して調査する。
・持続的安全性エンドポイント(臨床検査値など)は、ウィルコクソン符号順位和検定(基礎値からの重要な変化を検証するため)、クラスカル−ワリス検定(治療の不均質性を検証するため)を使用して分析するが、センターの因子は含まない。
・主要エンドポイントと副次的エンドポイントの相関関係は、記述的及び説明的目的(aim)で、分析する。別々のプロットを、投与量レベルと投与法にそれぞれ与える。
・異なる時期(治療48週目、観察24週目など)に測定したエンドポイントの結果は、それに応じて表示する。
被験者数の決定
治療群ごとに非肝硬変患者50人の被験者数は、臨床的考慮に基づいて選択した。結果と治療の表において、被験者数が少なく、対応する期待セル頻度が小さいため、反応者(HCV−RNA非検出患者)のパーセンテージを比較するために、フィッシャーの正確確率検定を使用した。2群用の方程式で推定した検出力及び被験者数、同等集団の連続性修正X検定(カイ2乗検定)が、フィッシャーの正確確率検定とともに使用するのに適している。4つの治療群に無作為化され、センター間で平等に分布される、肝硬変患者約50人の登録には条件があった。合計人数約50人を保証するため、センターごとに登録する肝硬変患者の数を制限した。所望の非肝硬変患者数の登録に基づいて、試験登録を中止した。
試験の実施又は計画した分析に関する変更
台湾センターの治験責任医師が、良好な有効性結果を自発報告したため、主要有効性エンドポイントの、センター(台湾及び他の)による、及び人口統計学的特徴(アジア人種と非アジア人種)による、準備的な探索的分析が、データベースロック(database lock)の前に、行われた。試験の分析計画は、これら準備的分析の結果と第1中間分析の結果(ごく少数の患者で48週目に完全なウイルス学的反応を示し、肝硬変患者と非肝硬変患者の差がほとんどないことを示した)に基づいて更新した。分析計画原案の変更には次のものが含まれる。
・有効性は、最大の解析対象集団(被験薬を受けた無作為化患者全員を含む、Intent−to−treat集団)だけを使って評価する。
・主要有効性変数(持続性ウイルス学的反応の比率)に対して統計的仮説検定は行わない。
・有効性分析は、主として記述的である(適切な場合には、95%信頼区間を推定する)。
・アジア人種集団及び非アジア人種集団のサブグループ分析は、基礎値の特徴で、並びに有効性及び安全性エンドポイントで行う。
・主要有効性エンドポイントの主要な分析は、持続性ウイルス学的反応を示している患者のパーセンテージの信頼区間を推定する必要がある:観察される反応の数が非常に少ないため、仮説検定はあまり意味がない。治療効果、肝硬変の状態、アジア人出身であること、及びHCV−RNA基礎値はまた、主に記述的方法を使用して調査する。そして、年齢、性別、治療曝露を含む他の共変量の効果を調査する。
・副次的有効性エンドポイントに対する、95%信頼区間を算出する。2値の変数には、正確な二項分布を使用する。正常性の仮定にマッチしなかった連続変数には、中央値のノンパラメトリック信頼区間を算出する(信頼区間は、名目上95%になる)。
・治療48週目における血清内HCV−RNAの有無は、「ウイルス学的クリアランス率」(HCV−RNA検出のない患者数を、無作為化され、かつ治療を受けた患者数によって割ったもの)によって要約する。
・ALT正常化は「正常化率」(ALT正常患者数を、無作為化され、かつ治療を受けた患者数によって割ったもの)によって要約する。期間全体にわたるALT値は、記述的統計を使用して要約する。
・ウイルス量への治療効果は、測定値の記述的統計、並びに血清HCV−RNA濃度の、絶対的変化、及びパーセント変化の評価を使用して調査する。
・結合エンドポイントとしてのALT正常化及びHCV−RNA除去は、治療48週目と観察24週目で、HCV−RNAクリアランスとALT正常化両方を示す患者数、及びパーセンテージを調査して評価する。
・肝組織検査での改善は、Ishakらに従って修正したKnodell組織学的活性指標(HAI)を使用して評価する。壊死炎症活性を等級分けするための4つの構成要素、及び線維形成/肝硬変のステージングを行うための1つのスコアが評価される。変化は、48週目のスコアから基礎値スコアを引き、改善を示す陰性の結果とともに評価する。それぞれの構成要素に対するスコア及び変更は、頻度計算を使用して要約する。合計HAI等級分けスコアは、各々の患者で、4つの構成要素のスコアを合計することで得られ、記述統計(合計スコアを連続変数と考える)を使用して要約する。ステージング構成要素における改善は、人口学的特徴、及び基礎値特徴の効果を調査するために、ロジスティック回帰(又は、被験者数が少なすぎる場合は、コクラン・マンテル・ヘンツエル検定)を使用して分析する。そして、オッズ比の信頼区間を計算する。
特に、アジア人と非アジア人の差に関連して、仮説を設定する探索的方法に、推測分析(フィッシャーの正確確率検定及びロジスティック回帰)を使用した。アジア人種患者と非アジア人種患者の数に非常に大きな不均衡があったことに留意すべきである。したがって、推測分析の結果を解釈する際、注意が必要である。
フィッシャーの正確確率検定を、HCV−RNAクリアランス(治療48週目と観察24週目で)、持続性HCV−RNAクリアランス、12週目のALT正常化、24週目のALT正常化、及び持続性ALT正常化を達成しているアジア人種患者と非アジア人種患者の比率を比較するために使用した。その比率の95%信頼区間は、アーミテージとベリー(Armitage P,1990)の正確法を使用して算出した。アジア人種集団と非アジア人種集団の未調整オッズ比を、95%信頼区間ともに、算出した。
主要有効性エンドポイント(持続性HCV−RNAクリアランス、完全HCV−RNAクリアランス(48週目で)、及び持続性ALT正常化)に対する、選択された潜在的説明変数の影響を評価するため、ロジスティック回帰(SAS Proc Logistic)を使用した。説明変数は、エンドポイント変数(例えば、HCV−RNA基礎値)、年齢、性別、硬変状態、人種(アジア人種と非アジア人種)、治療の投与法(4群)、投与頻度(TIWとQD)、投与強度(44mcgと88mcg)、及び曝露量(総投与量と投与量/キログラム)の基礎値であった。モデル内の変数を算入するために、変数増加法を使用した。調整オッズ比及び未調整オッズ比を算出した。
患者の内訳
このセクションに含まれる分析は、5つの患者集団に対して行った。すなわち、全集団、肝硬変サブグループ及び非肝硬変サブグループ並びにアジア人種サブグループ及び非アジア人種サブグループである。合計270人の患者が登録され、19のセンターで無作為化された。これらの患者のうち、43人が肝硬変患者として無作為化され、270人が非肝硬変患者として無作為化された。270人の患者のうち24人(8.9%)は、4つのセンターで登録されたが、アジア系バックグラウンドを有していた。アジア人種患者のうちの2人は、肝硬変患者として無作為化された。他は、非肝硬変患者として無作為化された。
合計65人の患者が44mcg TIWに無作為化され、68人が88mcgTIWに無作為化され、72人が44mcg QDに無作為化され、そして、65人が88mcg QDに無作為化された。アジア人種サブグループの中で、6人の患者がそれぞれのTIW治療群に無作為化され、5人が44mcg QDに無作為化され、そして、7人が88mcg QDに無作為化された。
3人の無作為化患者は、治療を受けず、以下の表すべてから除外された。これらの患者3人はすべて、非アジア人種であった。
1人の患者を有効性分析から除外した。PCRによるHCV−RNA基礎値の中心的評価が、彼がHCV陰性であることを示したためである。この患者は、地域の試験所が実行したHCV−RNA検査(陽性であった)に基づいて本試験に入れられたものである。中央試験所の結果が陰性であったため、この患者は本試験から除外されなければならなかった。しかし、彼が治療を受けるまで、この結果を入手することができなかったため、彼を事前調査と安全性分析に参加させると決定したものである。
全体として、267人の無作為化患者のうち198人(74.2%)は48週の治療を完了した。そして、183人(68.5%)は治療期間と診察期間を両方完了した。
56人の患者は、治療期間を完了する前に脱落した。初期中止のパターンは明らかに、投与法に関連した患者のコンプライアンスと忍容性の限界を示した。56人の脱落者のうちの43人は、毎日治療投与を受けていた。
肝硬変患者43人のうち32人は、治療を完了し(74.4%)、そのうち31人が、観察期間を完了した(集団の72.1%)。治療期から脱落した9人の肝硬変患者のうち5人は、毎日投薬を受けていた。
24人のアジア人種患者のうちの21人は48週の治療を完了した(87.5%)。そして、これらの患者全員は続けて観察期間を完了した。この集団内の脱落者は、投与量又は投与頻度に対して明確な関係を示さなかった。しかし、2人だけ脱落者がいた。
アジア人種患者の完了率は、非アジア人種の完了率より明らかに高かった。アジア人種患者は87.5%が治療期間を完了した。それに対して、非アジア人種は72.8%(243人中177人)であった。そして、アジア人種患者は87.5%が治療と追跡調査をともに完了し、非アジア人種は66.7%(243人中162人)であった。
図1〜3は、本発明の試験目的に従って、患者の内訳を示す。
有効性の評価
分析したデータセット
有効性分析は、被験薬を少なくとも1度服用した無作為化患者全員からなる最大の解析対象集団(Intent−to−treat)を使用して実行した。しかし、1人の患者(非硬化性及びアジア人種)は、PCRによるHCV−RNA基礎値の中心的評価がHCV陰性であることを示したので、有効性分析から除外された(地域の試験所が実行したHCV−RNA検査は、彼がHCV−RNA陽性であることを示していた)。この患者は、中央試験所の結果に基づく試験から除外すべきであった。しかし、彼が治療を受けるまで、この結果を入手することができなかったため、彼を事前調査と安全性分析に参加させると決定したものである。
このセクションに含まれる分析はすべて、5つの患者集団に対して行われた。すなわち、全集団、肝硬変サブグループ、及び非肝硬変サブグループ、並びに、アジア人種サブグループ、及び非アジア人種サブグループである。比較表もまた、アジア人種と非アジア人種サブグループ両方の結果を提示して作製した。結果は、全集団、アジア人種サブグループ、アジア人種と非アジア人種サブグループの比較に焦点を当てている。人口学的統計及び他の基礎値の特徴
試験治療開始前に、何回か測定が行われたところでは、試験第1日の、薬剤投与前の測定値が、基礎値として採択された。試験第1日の測定値が入手できない場合は、試験第1日に最も近い時期に取られた事前調査測定値が使われた。
人口学的統計
表2は、さまざまな集団の人口学的統計的特徴を示す。全体として、試験対象集団は、主に、白人(81.3%)で、男性(74.9%)であった。これらの比率は、治療群の間でも、又、肝硬変集団と非肝硬変集団の間でも、これといって異ならなかった。アジア人種サブグループで、男性の比率がいくぶん低かった(66.7%)。
年齢、身長、体重、肥満度指数(BMI)は、全集団内の治療群全体にわたって、概ね類似していた。肝硬変サブグループ内で、44mcg TIW患者が、他の治療群の患者よりわずかに年齢が高く、体重及びBMIがわずかに低かった。アジア人種サブグループ内では、年齢、身長、体重、及びBMIにおける、治療間の差は、より明確であった。
アジア人種患者は、非アジア人種より、背が低く、体重が少なかった。しかし、年齢はこれらの2つのサブグループ間で、類似していた。肝硬変患者は、非肝硬変患者より、わずかに高齢で、体重が多かった。
Figure 2005533035
感染の持続期間及び様式
全体として、感染期間は、7カ月から374カ月の範囲であった。平均(±std)は63(±57)カ月で、中央値は46.5カ月であった。当然のことであるが、疾患持続期間の平均及び中央値は、非肝硬変患者より肝硬変患者の方が長かった。感染期間は、非アジア人種よりアジア人種の方が短かった。アジア人種の平均(±std)と中央値は41.3(±19.7)と34カ月で、非アジア人種は64.8(±58.7)と47.5カ月であった。この差は統計的有意ではなかった(p=0.077)。
報告された、最も多い伝染様式は、IV薬物乱用であり(267人の患者のうちの109人;40.8%)、続いて、「わからない」、輸血であった。肝硬変患者の間では、IV薬物乱用が最も多く、その後に輸血と「わからない」が続いた。アジア人種では、報告された伝播の様式は、輸血(1人の患者)と「わからない」(23人の患者)だけであった。
IFN−α先行治療
患者の3分の2近くは、試験参加前に、最近のインターフェロン−α治療法として、IFN−α−2bを受けた。IFN−α−2aは、2番目に多く処方された治療法であった。最も多い投与法は、週3回3MIU皮下投与であった。治療法の選択は、全体、肝硬変、非肝硬変、及び非アジア人種集団において、治療群全体で一致していた。アジア人種の中では、同じ数の患者が、IFN−α−2a、及びIFN−α−2bを受けていた。しかし、この集団で最も多い投与法もまた、週3回3MIU皮下投与であった。
IFN−α先行治療の平均治療持続期間は、アジア人種を除く全ての集団で約6カ月であり、アジア人種の平均持続期間は約5カ月であった。3カ月未満の治療継続期間は、本試験に適用されたデータ収集規約のため、ほとんど「アーチファクト(artefacts)」のようである。その規約によると、投与量又は注射の頻度の変更が、新しい治療コースの始まりとみなされた。全体としては、22.8%の患者が、試験参加前に複数のインターフェロン−α治療を受けていた。この割合は、集団全体で概ね一致していた。
予想されたように、IFN−α治療終了時のALT血清中濃度は、1人を除く全ての患者で異常と報告された。そして、2人の患者だけがHCV−RNAクリアランスを示した(HCV−RNA結果は、140人の患者分のみが入手できた)。
全体として、HCV−RNAレベルは、0.2〜127.8×10mEq/mlの範囲であった。平均値(±std)と中央値は、それぞれ、12.4(±15.4)と7.4×10mEq/mlであった。HCV−RNAレベルは、肝硬変患者の方が非肝硬変患者よりいくぶん低かった。平均(±std)と中央値は、肝硬変患者が10.2(±15.8)と4.7×10mEq/mlで、非肝硬変患者が12.8(±15.3)と8.5×10mEq/mlであった。
アジア人種は非アジア人種より低いHCV−RNAレベルを示した。平均値(±std)と中央値は、アジア人種が5(±6.2)と2.6 × 10 mEq/mlで、非アジア人種が13.1(±15.8)と8.7×10mEq/mlであった。この差は、統計学的に有意であった(p<0.001)。アジア人種の最大値はわずか、23.2 × 10 mEq/mlであった。
HCV遺伝子タイピング
C型肝炎ウイルスの主な遺伝子型は現在6種認められている。その多くに、より近縁の変異体、いわゆるサブタイプが含まれる。サブタイプ1a、2a、2bなど、いくつかのHCV遺伝子型は、世界的な幅広い分布を示す。一方、5a、6など、他の型は、特定の地域だけで見つかる。西ヨーロッパ及び米国では、遺伝子型1a、1b、2a、2b、3aが、CHC患者で、しばしば観察される。遺伝子型3と6は、インド及び東南アジアで、広範囲に拡がっている。
C型肝炎ウイルス遺伝子型1は、インターフェロンに基づく治療に期待される反応の、ネガティブな予後因子と考えられる(McHutchison JGら,1998;Poynard Tら,1998)。本試験には、インターフェロン−αに反応しなかった患者集団が含まれていたため、通常のHCV感染集団より、遺伝子型1を示す患者が高いパーセンテージを占めると期待するのが合理的であった。しかし、本試験の場合は、そうではなかった。非アジア人種集団における、さまざまなC型肝炎ウイルス遺伝子型(81.5%は、遺伝子型1)の罹患率は、米国(Alter MJ ら,1999;Zein NNら,1996)及びヨーロッパ(McOmish Fら,2000)で報告された実際の遺伝子型罹患率と一致していた。1型はアジア、特に日本と中国で、優勢な遺伝子型である。遺伝子型6は主に香港で見られる。遺伝子型3型は、東南アジアのいくつかの地域で特にタイで見られ、オーストラリアやニュージーランド(McCaughan GW,2000)でも見られる。
予想されたように、遺伝子型の分布はアジア人種集団と非アジア人種集団で異なっていた。アジア人種集団では、遺伝子型1が24人の患者のうち12人(50%)で見つかった。10人の患者(43.5%)がHCV遺伝子型2に感染し、1人の患者(4.3%)が遺伝子型6に感染していた。
非アジア人種集団では、243人の患者のうち198人が遺伝子型1、1a、1a/b、1bを示した(81.5%)。観察された非1遺伝子型は、2、3、3a、4、4c/d、5であった。
治療群の間では遺伝子型の分布は実質的に異ならなかった。
有効性の結果
有効性のデータを解釈するとき、特に投与量との関係に関しては、4つの治療群全体にわたって早期中止パターン(セクション0で議論した)を覚えておかなければならない。TIW投与での低い中断率とQD群での高い中断率は、明らかに、患者のコンプライアンスと忍容性が限界に達していることを示していた。QD投与群で脱落者率が増加したため、これらの群に対して出るどんな結論も、選択された(そして偏向しているかもしれない)小さな患者集団にあてはまる。
概して、肝硬変集団と非肝硬変集団の間で差はほとんど観察されなかった。しかし、アジア人種と非アジア人種の差は顕著であることが多かった。肝硬変サブグループとアジア人種サブグループの被験者数(n=43とn=24)を考慮しなければならない。この数が、結果の一般化を制限することがあるからである。
主要エンドポイント:持続性ウイルス学的応答率
持続性ウイルス学的反応は、治療終了時(48週目)及び24週の観察終了時における、検出可能な血清中HCV−RNAの非存在と定義した。これら2回の間には、HCV−RNA測定はなかった。
表3に示すのは、持続性ウイルス学的クリアランスの患者数とその比率(及びその比率の信頼区間)である。持続性ウイルス学的応答率は全体的に低かった。合計9例で持続性反応が認められ、全集団で3.4%の応答率を示した。肝硬変サブグループでは、44mcg TIWを受けているアジア人種患者において、1例のみで持続性反応が認められた(応答率2.3%)。
しかし、アジア人種サブグループでは、持続性応答率は、全集団及び非アジア人種集団における応答率より著しく高かった。9例の持続性反応のうち5例は、アジア人種患者に発生した。アジア人種の応答率は、21.7%(患者23人中5人)であり、それに対して非アジア人種は1.6%だけであった。信頼区間は重ならず、有意差の根拠を示した。関係する患者の数が非常に少なかったにもかかわらず、アジア人種患者での、治療群別の応答率は、16.7%から28.6%までの範囲であり、投与量及び投与頻度との関係を示しているようであった。
アジア人種サブグループで見られるような、用量反応関係はまた、全集団でも存在しているようであった。全集団では、治療群別の応答率は、1.5%から6.3%までの範囲であった。しかし、持続性応答率の信頼区間はお互いに重なり、観察された関係が統計学的に有意でないことを示した。
Figure 2005533035
持続性ウイルス学的反応を達成した患者の、持続性反応までにかかった時間を、治療開始から最初に観察されたHCV−RNAクリアランスまでの時間という定義を使用して調査した(表4)。持続性クリアランスは、1週間から48週間の治療後に達成された。アジア人種患者は、非アジア人種患者より早くHCV−RNAクリアランスを示した。アジア人種患者は1週間から4週間の治療後、それに対して非アジア人種は11週間から48週間後であった。
Figure 2005533035
この観察は、HCV患者がIFN−βによる治療を受ける「試験期」を設定するために使用することができる。1週間から4週間の治療の後に、HCV−RNAクリアランスを示す患者は、治療終了時、持続性反応を達成する確率が非常に高い(100%近い)。
副次的エンドポイント
48週目の完全HCV−RNA反応
プロトコールで定義した「48週目の血清中HCV−RNAの有無」のエンドポイントは、血清からのHCV−RNAの完全なクリアランス(完全なHCV−RNA反応)を調べた。
表5は、さまざまな集団の完全HCV−RNA応答率を、信頼区間とともに示す。合計22人の患者が、48週目で完全なHCV−RNA反応を示した(全集団の8.3%)。完全応答率は、肝硬変、非肝硬変、及び非アジア人種集団で類似していた(それぞれ7.0%、8.5%、6.6%)。反応は、全集団、非肝硬変集団、及び非アジア人種集団において、投与量に関連しているようであった。全集団で、4.6%〜14.3%、非肝硬変集団で、1.8%〜17.0%、非アジア人種集団で、1.7%〜12.5%であった。
アジア人種は、48週目の完全反応22例のうち6例を占め、26.1%の完全応答率を示した。それに対して、非アジア人種は6.6%であった。アジア人種集団では、投与量との関係を確立することができなかった。おそらく患者数が少なかったためである。最も高い応答率は、最も低い投与量を受けている群で発生した(44mcg TIW;6人中2人、すなわち33.3%)。
Figure 2005533035
全集団において、クリアランスを示す患者のパーセンテージのピークは、12週目で起こった(HCV−RNAクリアランスを示す患者の13.9%)。これ以後、パーセンテージは減少した。
肝硬変集団は、4週目でHCV−RNAクリアランス患者の最大パーセンテージを示したが、個々の治療群におけるパターンは異なっていた(44mcg TIW群は4週目で、44mcg QD群は12週目と24週目で増加を示し、他の群では反応数が少なすぎてパターンを示さなかった)。
アジア人種集団では、ピークは4週目に起こった。肝硬変集団では、異なる治療群は、異なるパターンを示した。44mcg TIWの24週目、88mcg TIWの2週目、44mcg QDの12週目、及び88mcg QDの4週目で、増加が認められた。
全集団では、56人の患者が、少なくとも1回、HCV−RNAのクリアランスを示した(21.1%)。肝硬変患者では、18.6%が少なくとも1回クリアランスを示した。それに対して、非肝硬変の患者は21.5%であった。アジア人種患者の間では、13人が少なくとも1回のHCV−RNAクリアランスを示した(非アジア人種の17.7%に対して、56.5%。信頼区間は重ならず、有意差の根拠を示した)。少なくとも1回のクリアランスを示している患者のパーセンテージは、肝硬変サブグループを除く全ての集団で、投与量及び投与頻度とともに増加した。肝硬変サブグループでは、パターンは明白ではなかった。
治療終了時の血清ALTの正常化
試験第1日のALT値は、アジア人種患者が、非アジア人種より高かったことに留意すべきである。アジア人種の平均(±std)と中央値は、200.6(±145.4)と150IU/lであった。それに対して、非アジア人種は、137.3(±88.4)と106.5IU/lであった。この差は、統計学的に有意であった(p=0.023)。
表6は、治療終了時、血清ALT正常化を示している患者の数、及びパーセンテージを、信頼区間とともに示す。全集団で、46人の患者が、48週目でALT正常化を示した(17.3%)。48週目のALT正常化率は、肝硬変患者は、非肝硬変患者と比較して、わずかに低かった(18.4%に対して、11.6%)、そして、アジア人種は非アジア人種より明らかに良好であった(16.5%に対して、26.1%)。ALT反応と、投与量又は投与頻度と間に、明白な関係はなかった。
Figure 2005533035
全集団で、37人の患者が、観察期間終了時に、正常な血清ALT値を示した(13.9%;治療終了時の17.3%から減少)。正常血清ALT患者の最高パーセンテージは、88mcg QD群で見られた(20.6%)。他の治療群のパーセンテージは、10.8%から13.4%の範囲であった。
肝硬変患者では、4.7%だけが、観察終了時、正常ALTを示した(2人の患者。1人は44mcg TIW、もう1人は44mcg QDであった)。それに対して、非肝硬変患者は、15.7%であった。治療終了時の対応するパーセンテージは、肝硬変患者11.6%、及び非肝硬変患者18.4%であった。
非アジア人種では、9.9%が、観察24週目で、正常ALTを示した。それに対して、治療終了後は16.5%であった。しかし、実際、アジア人種の正常化率は、治療終了時26.1%から、観察終了時56.5%に増加していた。
観察24週目における、アジア人種と非アジア人種の差は、信頼区間が重ならないことで示されるように、有意であった。アジア人種集団では、より高い投与量で、反応はより良好のように見えた。しかし、信頼区間は重なった(表7を参照)。
Figure 2005533035
持続性正常化は、48週目と観察24週目における正常範囲内のALT値(これら2回の測定の間に異常な結果を示さず)、と定義した。持続性正常化は、全集団で、14人の患者だけにみられた(5.3%)。はっきりした投与効果はなかったが、関係する患者の数は少なかった。
1人の肝硬変患者(44mcg QDに配属)だけが、継続性ALT正常化を達成した(2.3%、それに対して非肝硬変患者は5.8%)。
持続性ALT正常化を示している14人の患者のうち4人はアジア人種であった。アジア人種の正常化率は17.4%、非アジア人種は4.1%であった。4人のアジア人種反応者のうち2人は、44mcg QDを受けており、他は88mcg TIWを受けていた。
ウイルス量への治療効果
ウイルス量の考察は、来院(visit)毎のHCV−RNA値及び異なる患者群の基礎値からの変化に関する。「基礎値」は、入手できる場合は、試験第1日の治療前に測定される値であり、入手できなければ、開始日に最も近い時期に測定された試験値である、と定義した。
全集団で、ウイルス量の基礎値は、試験第1日に、0.2から127.8×10mEq/mlの範囲で、広く変動した。基礎値の中央値は、治療群の間でわずかに変化した(開始日に、6.0から10.2×10mEq/mlまで)。ウイルス量の減少は、3日目という早い時期に明白になった(最初の治療中(on−treatment)の測定)。そして、4週目までに最小値に達した。88mcg(TIW又はQDのどちらか)を受けている患者において、ウイルス量の減少が一貫してより大きかったが、明白な用量効果はなかった。4週目の後、HCV−RNAは徐々に増加し、観察24週目までに、全ての治療群において、基礎値に近いレベルに達した。
ウイルス量基礎値は、肝硬変患者で非肝硬変患者よりいくらか低かった。中央値は、開始日で肝硬変患者4.7×10mEq/ml、非肝硬変患者12.8×10mEq/mlであった。基礎値での治療群間の変動は、非肝硬変患者より肝硬変患者で顕著であった。第1日の中央値は、肝硬変患者で1.6〜10.2×10mEq/mlの範囲であった。それに対して、非肝硬変患者では、10.9〜15.2×10mEq/mlであった。この所見は主に肝硬変患者数の少なさに起因するようである。肝硬変患者における基礎値からの変化は、全集団で見られる同じ一般的パターンに従った。すなわち、4週目〜12週目に最大に達し、その後、徐々に基礎値に戻る、迅速な減少である。88mcgを受けている患者の減少はまた大きかったが、反応と投与量に明白な関係はなかった。
注目すべきことに、基礎値のウイルス量中央値は、アジア人種で非アジア人種より低かった(開始日に2.6×10mEq/ml。それに対して、非アジア人種は8.7×10mEq/ml)。基礎値の範囲もまた、アジア人種の方が小さかった(開始日で、0.2〜23.2×10mEq/ml。非アジア人種は、0.2〜127.8×10mEq/ml)。この差は、統計学的に有意であった(p<0.001)。治療群間における、基礎値の変動は、アジア人種集団の方が、非アジア人種集団より、いくらか大きかった(開始日の中央値は、アジア人種で、0.6〜5.7×10mEq/ml、非アジア人種で、6.1〜10.5×10mEq/mlの範囲であった)。これは、おそらく、アジア人種集団の人数が少ないためであろう。他の集団で見られるように、アジア人種集団でも、ウイルス量は迅速に減少し、4週目から12週目の間で最大に達し、観察24週目までに基礎値に戻った。反応と投与量の間に明白な関係はなかった。
持続性反応者では、基礎値の範囲は、集団全体より、小さく、低かった(全集団において、持続性反応者は、開始日で0.2〜17.7×10mEq/ml、それに対して全患者は、0.2〜127.8×10mEq/ml)
全集団で観察されたように、早期(3日目)に減少が見られ、概して、治療2〜12週間後に、最大値(持続性反応者の場合は、完全HCV−RNAクリアランス)に達した。
肝硬変集団では、1人だけ、持続性反応者がいた。この患者の基礎値は、0.2×10mEq/mlで、治療2週間後にゼロまで減少し、その後そのままの状態であった。
9例の持続性反応のうち5例が、アジア人種集団で発生した。アジア人種及び非アジア人種持続性反応者の両方において、基礎値の中央値は治療群間で変動した。アジア人種で、開始日0.2〜7.8×10mEq/ml(中央値は、88 mcg QDを除く全治療群において、1×10mEq/ml以下)。非アジア人種は、開始日1.9〜17.7×10mEq/ml。開始日における全体の中央値は、アジア人種の持続性反応者で、1×10mEq/ml、非アジア人種で、3×10mEq/mlであった。5人のアジア人種持続性反応者のうち4人は、2週目で、ウイルス量を検出しなかった。残りの患者は、4週目までにクリアランスを達成した。非アジア人種の持続性反応者では、HCV−RNAの減少は、早期(3日目)に起こったが、完全クリアランスは、11週目(1人の患者)又は48週目(3人の患者)まで達成されなかった。
HCV−RNAの除去及びALTの正常化(結合エンドポイントとしての)
表8は、治療期間終了時に、HCV−RNAクリアランスとALT正常化両方を示す患者の数及びパーセンテージを、信頼区間とともに表す。全集団で、10人の患者だけが、48週目に、HCV−RNAクリアランスとALT正常化両方を示した(3.8%)。これらの患者は、88mcg TIW、44mcg QD、88mcg QD群に等しく分布していた。肝硬変患者は1人も、両方のエンドポイントを達成しなかった。この複合反応者のうち2人が、アジア人種であった。複合応答率は、アジア人種で8.7%、非アジア人種で3.3%であった。
Figure 2005533035
表9は、HCV−RNAクリアランス(48週目と観察24週目両方におけるクリアランス)、及び観察24週目におけるALT正常化の両方を示す患者の数及びパーセンテージを、信頼区間とともに表す。全集団で、8人の患者だけが両方のエンドポイントを達成した(3.0%)。これらの患者のうち2人は88mcg TIWを受けており、2人が44mcg QD、4人が88mcg QDを受けていた。複合反応者のうち1人も肝硬変ではなかった。注目すべきことに、複合反応者のうち4人は、アジア人種であった。複合応答率は、アジア人種が17.4%、非アジア人種が1.6%であった。
興味深いことに、観察24週目で複合反応を示す(観察24週での正常ALT、及び持続性HCV−RNAクリアランスで定義される)アジア人種患者のパーセンテージは、48週目の治療終了時に複合反応を示すパーセンテージより、高かった。一方、複合反応を示す非アジア人種のパーセンテージは、48週目より、観察24週目の方が低かった。
Figure 2005533035
探索的分析の結果
特に、アジア人種患者と非アジア人種患者の差に関連して、仮説を設定する探索的方法に、推測分析(フィッシャーの正確確率検定及びロジスティック回帰)を使用した。アジア人種患者と非アジア人種患者の数に非常に大きな不均衡があったことに留意すべきである。したがって、推測分析の結果を解釈する際、注意が必要である。
フィッシャーの正確確率検定
フィッシャーの正確確率検定を、HCV−RNAクリアランス(治療48週目と観察24週目で)、持続性HCV−RNAクリアランス、12週目のALT正常化、24週目のALT正常化、及び持続性ALT正常化を達成しているアジア人種患者と非アジア人種患者の比率を比較するために使用した。その比率の95%信頼区間は、アーミテージとベリーの正確法を使用して算出した。アジア人種集団と非アジア人種集団の未調整オッズ比を、95%信頼区間ともに、算出した。アジア人種と非アジア人種患者の間における、主要有効性結果の比較は、図4にHCV−RNAクリアランスに関するエンドポイントを示し、図5にALT正常化に関するエンドポイントを示した。それぞれの図において、ドットは、各集団でエンドポイントを達成した患者のパーセンテージを表し、水平線は、これらパーセンテージの信頼区間を表す。未調整オッズ比(OR)と、そのオッズ比の信頼区間(CI)も示される。
アジア人種患者数が相対的に小さかったにもかかわらず、アジア人種は非アジア人種より、かなり、完全HCV−RNAクリアランスを達成しやすかった。治療48週目(未調整OR5.0;オッズ比のCI[1.7〜14.5];p=0.006)、観察24週目(未調整OR8.2;オッズ比のCI[2.4〜27.5];p=0.003)、及び両時期(持続性ウイルス学的反応、本試験の主要有効性エンドポイント:未調整OR16.6;オッズ比のCI[4.1〜67.3];p<0.001)。
アジア人種はまた、非アジア人種より、正常血清ALTを有する可能性が高かった。その差は、治療48週目では、統計学的に有意ではなかった(未調整OR1.8;オッズ比のCI[0.7〜4.8];p=0.251)。しかし、観察24週目の、アジア人種と非アジア人種の未調整オッズ比は、11.9(オッズ比のCI[4.7〜29.9];p<0.001)であり、持続性ALT正常化における、アジア人種と非アジア人種の未調整オッズ比は、4.9(オッズ比のCI[1.4〜17.1];p=0.024)であった。
図4は、HCV−RNAクリアランスに関するエンドポイント要約を示す(アジア人種集団と非アジア人種集団)。
図5は、ALT正常化に関するエンドポイント要約を示す(アジア人種集団と非アジア人種集団)。
有効性の要約
CHCの抗ウイルス治療試験で採用される、古典的な3つのエンドポイントは、ALT正常化、HCV−RNAクリアランス、肝組織検査における改善である。血清内HCV−RNAを検出する検査技術の改良によって、HCVクリアランスが、HCV感染に対する抗ウイルス治療の効果を評価する、最も正確なエンドポイントとして確立されている。他方、ALT正常化は、はるかに不正確である。しかし、単純で安価な測定法であるため、ALT測定は、通常行われる全ての生化学的評価法の一部になっている。この理由及び歴史的理由のため、ALT正常化は、少なくとも副次的有効性エンドポイントとしてその役割を維持している。肝組織検査(第3の古典的エンドポイント)は、肝臓関連の罹患率と死亡率の「真の」エンドポイントに最も近いと考えられる、代用エンドポイントを表す。これらの3つの測定はすべて、本試験において評価される。
HCV−RNAレベル(ウイルス学的反応)への治療の影響
全集団において、ウイルス量基礎値は大きく変動した。治療に入ると、ウイルス量の減少は、早くも3日目で明白となり(最初のon−treatment測定)、4週目までに最小値に達した。4週目の後、HCV−RNAは徐々に増加し、観察24週目までに、全ての治療群で、基礎値に近いレベルになった。ウイルス量の基礎値は、肝硬変患者の方が非肝硬変患者よりいくらか低く、基礎値での治療群間変動は、肝硬変患者の方が非肝硬変患者より明確であった。この所見は、肝硬変患者の数が少なかったためのようである。肝硬変患者における基礎値からの変化は、全集団で見られる同じ一般的パターンに従った。すなわち、4週目〜12週目に最大に達し、その後、徐々に基礎値に戻る、迅速な減少である。ウイルス量の基礎値は、アジア人種の方が非アジア人種より、かなり低かった。他の集団で見られるように、アジア人種集団でも、ウイルス量は迅速に減少し、4週目から12週目の間で最大に達し、観察24週目までに基礎値に戻った。反応と投与量の間に明白な関係はなかった。
48週目の治療終了時に、血清からのHCV−RNA完全クリアランスを示す患者は、完全HCV−RNA反応者と定義された。22人の患者が、48週目に完全HCV−RNA反応を示した(全集団の8.3%)。完全応答率は、肝硬変患者及び非肝硬変患者において、類似していた。しかし、アジア人種集団では、完全応答率は、明らかに、全集団より高かった。アジア人種は、48週目の完全反応22例のうち6例を占め、26.1%の完全応答率を示した。それに対して、非アジア人種は6.6%であった。この差は、統計学的に有意であった。全集団では、反応は、投与量と関係しているようであったが、アジア人種集団では、投与量との関係を確立することができなかった。おそらく患者数が少なかったためである。アジア人種で、最も高い応答率は、最も低い投与量を受けている群で発生した(44mcg TIW;6人中2人、すなわち33.3%)。
全集団では、56人の患者(21.1%)が、試験期間中、少なくとも1回、HCV−RNAクリアランスを示した。少なくとも1回クリアランスを示す患者の比率は、肝硬変及び非肝硬変集団の間で類似していた。しかし、アジア人種患者の24人のうち13人が、少なくとも1回、HCV−RNAクリアランスを示した(56.5%、それに対して非アジア人種は17.7%)。少なくとも1回のクリアランスを示している患者の比率は、肝硬変サブグループを除く全ての集団で、投与量及び投与頻度とともに増加した。肝硬変サブグループでは、パターンは明白ではなかった。
本試験の主要エンドポイントは、持続性ウイルス学的反応であり、それは、治療終了時(48週目)及び24週の観察終了時の両方における、検出可能な血清中HCV−RNAの非存在であると定義された。持続性ウイルス学的反応の比率は、低かった。全集団で、9例の持続性反応だけが認められ、3.4%の応答率を示した。肝硬変サブグループで、1例の持続性反応だけが認められた。再び、アジア人種サブグループは、全集団より、かなり高い、持続性応答率を示した。持続性反応9例のうち5例は、アジア人種患者で発生した。アジア人種の応答率は21.7%、非アジア人種では1.6%のみであった(p<0.001)。アジア人種では、治療群別の応答率は、16.7%〜28.6%の範囲であり、関係する患者の数が非常に少ないにもかかわらず、投与量及び投与頻度と関係を示しているようであった。アジア人種集団で見られるような、用量反応関係はまた、全集団でも存在しているようであった。全集団では、治療群別の応答率は1.5%〜6.3%の範囲であった。
持続性ウイルス学的反応を達成した患者では、ウイルス量の基礎値は、全集団より低かった。全集団で観察されたように、早期(3日目)に減少が見られ、概して、治療2〜12週間後に、最大値(持続性反応者の場合は、完全HCV−RNAクリアランス)に達した。アジア人種の持続性反応者5人のうち4人は、2週目までにウイルス量が検知されなくなった(最も初期のクリアランスは1週目で認められた)。残りのアジア人種患者は、4週目までにクリアランスを達成した。非アジア人種の持続性反応者では、HCV−RNAの減少は早期(3日目)に起こったが、完全なクリアランスは11週目(1人の患者)又は48週目(3人の患者)まで達成されなかった。
ALTレベルへの治療の影響(生化学的反応)
ALTレベルの基礎値は、アジア人種が非アジア人種よりかなり高かった。試験第1日で、アジア人種の平均(±std)と中央値は、200.6(±145.4)と150IU/l、それに対して、非アジア人種では、137.3(±88.4)と106.5IU/l(p=0.023)。
全集団において、46人の患者が、48週目の治療終了日にALT正常化を示した(17.3%)。48週目にALT正常化を示す患者のパーセンテージは、肝硬変患者(11.6%)が、非硬変患者(18.4%)よりわずかに低かった。また、アジア人種は非アジア人種より、明らかに良好であった(26.1%と16.5%)。48週目のALT反応と、投与量又は投与頻度の間に、明白な関係はなかった。
合計37人の患者が、観察終了後(24週目)、ALT正常化を示した:全集団の13.9%(治療終了時の17.3%から減少)。正常ALT患者の最高パーセンテージは、88mcg QD群で見られた(20.6%)。他の治療群でのパーセンテージは、10.8%から13.4%の範囲であった。肝硬変患者は、2人(4.7%)だけが、観察終了後、正常ALTを有しており、非肝硬変患者は15.7%であった。非アジア人種では、9.9%だけが、観察24週目に正常ALT値を有しており、治療終了後は、16.5%であった。しかし、アジア人種では、正常化率は、26.1%から56.5%まで実際に増加した。反応は、アジア人種集団で、より高い投与量で、より良好のようであったが、関係する患者の数は非常に少なかった。
持続性ALT正常化は、治療48日目と観察24週目で正常範囲内のALTを測定し、これらの2回の測定の間で異常な結果がない場合、と定義した。持続性正常化は、全集団で、14人の患者だけに認められた(5.3%)。肝硬変患者では、1人(44mcg QDに配属)だけが、継続性ALT正常化を達成した(2.3%、それに対して非肝硬変患者は5.8%)。4人のアジア人種患者が、持続性ALT正常化を示した(17.4%、それに対して、非アジア人種は4.1%)。そのうち2人は、44mcg QDを受けており、他は88mcg TIWを受けていた。明白な投与量の影響はなかったが、関係する患者の数は非常に少なかった。
本試験はまた、結合エンドポイントとしてHCV−RNAの除去及びALTの正常化を評価した。10人の患者だけが、48週目の治療終了時HCV−RNAクリアランス及びALT正常化の両方を示した(全集団の3.8%):これらの患者は、88mcg TIW、44mcg QD、及び88mcg QD群に等しく分布していた。両方のエンドポイントを達成した肝硬変患者はいなかった。この複合反応者のうち2人が、アジア人種であった。複合応答率は、アジア人種で8.7%、非アジア人種で3.3%であった。8人の患者だけが、観察24週目で、正常ALTと結合ともに、継続性HCV−RNAクリアランスを達成した(全集団の3.0%)。これらの患者のうち2人は、88mcg TIWを受けており、2人が、44mcg QD、4人が、88mcg QDを受けていた。複合反応者は、1人も肝硬変ではなかった。注目すべきことに、複合反応者のうち4人は、アジア人種であった。複合応答率は、アジア人種が17.4%、非アジア人種が1.6%であった。
肝組織検査への治療の影響(組織学的反応)
肝生検は、48週間の治療の前後に行われた。評価方法が、治療前と治療後生検の比較に基づくため、両方の標本が入手でき、評価可能であった患者のみ、変化を評価することができた(全集団で176人の患者)。評価したほとんどの項目に関しては、肝組織検査の変化は、肝硬変患者と非硬変患者の間で、概ね、類似していた。他のエンドポイントと対照的に、肝組織検査の変化は、アジア人種と非アジア人種集団の間で、大きく異ならなかった。しかし、治療前と治療後の結果両方を有する患者の数は少なく、特にアジア人種で少なかった(10人のアジア人種と、166人の非アジア人種)。
等級づけ構成要素を合計して得られる、HAI等級づけスコアの合計は、方法論的に誤っている(Sheuer PJ,1996)と認められているが、他の公表試験との比較のために算出する。HAIスコアの基礎値は、5.9から6.4の範囲であり、中等度の疾患を示し、概して、治療群間で類似していた。治療前及び治療後生検を有する患者では、HAIスコアは、全ての治療群において基礎値から減少した。44mcg QD及び88mcg QD群で最大の減少が起こり、全体的減少は−0.8であった。肝硬変患者では、−1.1の全体的減少が観察された。投与量との関係は、明白でなかったが、それは、おそらく患者数が少ないためである。アジア人種患者では、HAIスコアは、2つのTIW投与群で減少したが、QD投与群では増加し、−0.2の全体的変化を示した。生検が入手できる患者の数が非常に少ないため、これらの結果の解釈には、注意が必要である。
門脈周辺及び中隔周辺領域の活性は、以降の肝硬変発現を予示する可能性がある。全集団において、巣状壊死は、27.3%の患者で1ポイント改善し、全体の16.5%が2ポイント以上改善した。33.5%の患者は、変化を示さなかった。肝硬変患者及びアジア人種集団で、改善を示した患者、及び変化を示さなかった患者のパーセンテージは、全集団のパーセンテージと類似していた。このパラメータで、投与量関係の根拠はなかったが、患者の数は少なかった。どの生検標本も、融合性壊死の徴候を示さなかった。それは、主に最も重篤な例で観察される、C型肝炎における稀な組織病理学的所見である。評価したHAI構成要素のうち、局所性溶解壊死、アポトーシス、及び局所性炎症が、最少の改善を示した。全集団の25.0%が、1ポイント改善、5.7%だけが2ポイント以上改善し、50.6%は変化を示さなかった。
改善を示している肝硬変患者と非硬変患者のパーセンテージは類似していた。しかし、2ポイント以上改善のパーセンテージは、肝硬変患者の方が少なかった。アジア人種患者では、2人だけが改善を示した。
門脈炎症は、全集団の33.0%で1ポイント改善し、11.9%が2ポイント以上改善、30.7%が変化を示さなかった。肝硬変患者は、2ポイント以上の改善を示す可能性がわずかに低かった。肝硬変及びアジア人種の患者は両方とも、変化を示す可能性がより低かった。しかし、これらの集団の患者数は、少なかった。全体的に、32.2%の患者が、肝臓構造(線維形成と肝硬変)において、少なくとも1ポイントの改善を示し、7.9%だけが2ポイント以上改善した。3分の1を少し越える患者(34.5%)は、治療終了まで基礎値からの変化を示さなかった。
探索的分析
本試験における、最も目覚しく、驚くべき調査結果は、間違いなく、アジア人種と非アジア人種患者集団との間における、有効性結果の差であった。文献に、そのような種類の報告はない。したがって、推測分析(フィッシャーの正確確率検定とロジスティック回帰)が、特にアジア人種と非アジア人種患者の差に関連して、仮説を発生する探索的方法に採用された。アジア人種患者と非アジア人種患者の数に、非常に大きな不均衡があった点に留意する必要がある。したがって、推測分析の結果の解釈には、注意が必要である。
フィッシャーの正確確率検定によって、アジア人種は非アジア人種より、かなり、完全HCV−RNAクリアランスを達成しやすかったことが示された。治療48週目(未調整OR5.0;オッズ比のCI[1.7〜14.5];p=0.006)、観察24週目(未調整OR8.2;オッズ比のCI[2.4〜27.5];p=0.003)、及び両時期(持続性ウイルス学的反応、本試験の主要有効性エンドポイント:未調整OR16.6;オッズ比のCI[4.1〜67.3];p<0.001)。アジア人種はまた、非アジア人種より正常血清ALTを有する可能性が高かった。その差は、治療48週目では統計学的に有意ではなかった(未調整OR1.8;オッズ比のCI[0.7〜4.8];p=0.251)。しかし、観察24週目のアジア人種と非アジア人種の未調整オッズ比は、11.9(オッズ比のCI[4.7〜29.9];p<0.001)であり、持続性ALT正常化における、アジア人種と非アジア人種の未調整オッズ比は、4.9(オッズ比のCI[1.4〜17.1];p=0.024)であった。
ロジスティック回帰分析は、年齢、性別、肝硬変状態、投与頻度、及び投与強度が、持続性HCV−RNAクリアランスの有意な予測因子でないことを示した。HCV−RNA基礎値と人種がともに有意であることが判明し、選択されたメインモデルは、HCV基礎値と人種を含んだ。HCV−RNA基礎値が低い患者は、基礎値が高い患者より、持続性ウイルス学的反応を達成しやすかった(調整OR1.07;オッズ比のCI[0.95〜1.20])。HCV基礎値の調整後、アジア人種は、非アジア人種より、持続性ウイルス学的反応を体験しやすいままであった(調整OR12.36;オッズ比のCI[2.93〜52.14])。年齢、性別、肝硬変状態、HCV−RNA基礎値、投与法、及び投与強度は、48週目治療終了時HCV−RNAクリアランスの有意な予測因子ではなかった。しかし、人種は、非常に有意であった(p=0.0065)。アジア人種は非アジア人種より治療終了後HCV−RNAクリアランスを達成しやすかった。(未調整OR5.0;オッズ比のCI[1.7〜14.5])。人種が、持続性ALT正常化に対する、唯一の有意な説明変数であった(p=0.0247)。アジア人種は非アジア人種より持続性ALT正常化を体験しやすかった(未調整OR 4.9;オッズ比のCI「1.4〜17.1])。
投与量(合計投与量とキログラムごとの投与量の両方)における曝露の程度がまた、有効性の有意な予想因子であることがわかった。しかし、曝露の程度が、治療コンプライアンス、有効性、及び忍容性によって影響を受けること、したがって、これらの結果はバイアスを受けやすく、注意して解釈しなければならないことに留意すべきである。
投与量及び投与頻度の影響
投与量と投与頻度の影響は、HCV−RNAクリアランスで、最も明瞭であった。治療終了時、及び観察終了時両方でのHCV−RNAクリアランスは、44mcg TIWから88mcg QDへと、比率が増加しており、投与量と関連があるようであった。しかし、一見ありそうな、投与量との関連傾向は、統計学的に有意ではなかった(ロジスティック回帰分析の結果を参照)。ALT正常化と投与量又は投与頻度の間に明白な関係はなかった。特に、持続性ALT正常化は、投与量効果を示さなかった。しかし、関係する患者の数は、少なかった。HCV−RNA除去とALT正常化の結合エンドポイントに対しても、肝組織検査における変化に対しても、投与量効果は認められなかった。
考察と全般的結論
本試験の目的は、インターフェロン−αに対して耐性を有する慢性C型肝炎患者の治療に使用するため、インターフェロン−β−1a皮下投与の、最適な投与量及び投与法を選択することであった。試験をデザインする時点で、耐性のあるHCV遺伝子型が発生するために反応を示さない場合、又は他のなんらかの理由でより高い投与量が必要である場合、抗ウイルス効果又は免疫調節効果をもたらすため、IFN−αで可能な投与量より高い投与量が必要であろうと考えられた。IFN−βはIFN−αより忍容性があるため、IFN−β−1aはより高いSC投与量で投与することができ、相対的にほとんど毒性を伴わないだろうと考えられた。
本試験の調査用投与量は、CHCにおける、天然、及び組換え型IFN−βによる先行試験の結果に基づいて選択した。その試験では、3カ月から6カ月の間、3MIU(11mcg)から18MIU(66mcg)を週3回与えるという投与量を試験した。これらの試験で、明白な用量反応効果が現れた。しかし、反応は持続せず、そのことは、持続性反応には、より高い投与量及び/又はより長い治療が必要であることを示唆した。したがって、44mcg TIWを、調査の最小有効量に選択した。ウイルス動態試験で、HCVの半減期が短いこと(rapid turnover half−life)がわかり、そのことは、週3回より毎日の投与の方が、適切にウイルスの複製を抑制するために、必要であることを示唆した。したがって、従来の週3回のスケジュールに加え、毎日の投与を評価した。本出願人が進行癌患者において実施した第I相試験は、18MIU/mまでの投与量で、IFN−β−1aを毎日投与しても、かなり忍容されることが示した。しかし、24MIU/mで、用量制限毒性が発生した。したがって、この投与量は、大部分の患者が忍容すると予想されたため、本試験において、24MIU(88mcg)の毎日投与を調査することを決定した。長期SC投与の有効性及び必要性は、他のインターフェロンによる先行試験が支持している。1997年、米国国立衛生試験所コンセンサス委員会は、6カ月よりも、12カ月のIFN−α投与法の使用を推薦した(社説、1997年)。したがって、12カ月のIFN−β−1a投与に対する反応を調査することは、合理的であると考えられた。
CHCの抗ウイルス治療試験において採用される古典的な3つの結果は、ALT正常化、HCV−RNAクリアランス、肝組織検査における改善である。本試験では、この3つの結果すべてを評価した。
しかし、本試験の、最も目覚しく、驚くべき調査結果は、アジア人種患者集団と非アジア人種患者集団との間における、有効性結果の差であった。文献に、そのような報告はない。
治療に入ると、ウイルス量の減少は、早くも3日目で明白となり(最初の治療中の測定)、4週目までに最小値に達した。全集団で、21.1%の患者が、試験期間中、少なくとも1回、HCV−RNA未検出を示した。肝硬変患者では、18.6%が少なくとも1回、HCV−RNAクリアランスを示した。それに対して、非肝硬変の患者では21.5%であった。アジア人種サブグループは、治療に反応する患者の割合が非常に高いことで、際立っている(56.5%が、少なくとも1回、血清HCV−RNA未検出を示した)。48週目の治療終了後、合計22人の患者が、完全なHCV−RNAクリアランスを示した(全集団の8.3%)。
完全応答率は、肝硬変、及び非肝硬変集団で類似していた(それぞれ7.0%、8.5%)。しかし、アジア人種集団の完全応答率は、全集団の応答率より明らかに高かった。アジア人種は、48週目の完全反応22例のうち6例を占め、26.1%の完全応答率を示した。それに対して、非アジア人種は6.6%であった。本試験の主要エンドポイントは、持続性ウイルス学的応答率であった。試験対象集団全体において、持続性ウイルス学的応答率は低かった。合計9例の持続性反応が認められ、全集団で、3.4%の応答率を示した。肝硬変サブグループでは、44mcg TIWを受けているアジア人種患者1人で、1例のみで持続性反応が認められた(2.3%の応答率)。再び、アジア人種サブグループは全集団よりかなり高い持続性応答率を示した。持続性反応9例のうち5例は、アジア人種患者で発生し、アジア人種の応答率は21.7%であった。それに対して非アジア人種は1.6%だけであった。アジア人種では治療群別の応答率は16.7%〜28.6%の範囲であり、関係する患者の数が非常に少ないにもかかわらず、投与量及び投与頻度と関係を示しているようであった。アジア人種集団で見られるような、用量反応関係はまた、全集団でも見られた。全集団では、治療群別の応答率は、1.5%〜6.3%の範囲であった。しかし、これらの傾向は、統計学的に有意ではなかった。持続性ウイルス学的反応を達成した非アジア人種患者では、11週間の治療後、持続性反応を達成した患者もいれば、全48週間の治療が必要とした患者もいた。アジア人種患者は、非アジア人種患者より早くHCV−RNAクリアランスを示した。治療開始後1週間という早い時期にHCVクリアランスを達成した(治療1〜4週間の範囲)。
副次的エンドポイントとして、ALTレベルを分析した。48週の治療終了後、全集団で46人の患者がALT正常化を示した(17.3%)。48週目のALT正常化率は、肝硬変患者が、非硬変患者よりわずかに低かった(11.6%対18.4%)。アジア人種はまた、非アジア人種より、明らかに良好であった(26.1%対16.5%)。ALT反応と、投与量又は投与頻度の間に、明白な関係はなかった。全集団では、37人の患者が観察終了時にALT正常化を示した(13.9%;治療終了時の17.3%から減少)。肝硬変患者では、4.7%だけが観察終了時に正常ALTを示した。非アジア人種では、9.9%だけが観察24週目に正常ALTを示した。治療終了後には16.5%であった。しかし、アジア人種では、正常化率は26.1%から56.5%まで実際に増加した。持続性ALT正常化は全集団で、14人の患者だけに認められた(5.3%)。肝硬変患者では、1人だけが継続性ALT正常化を達成した(2.3%、それに対して非肝硬変患者は5.8%)。持続性ALT正常化を示した患者14人のうち、4人がアジア人種であり、アジア人種の正常化率は17.4%であるのに対して、非アジア人種では4.1%であった。全集団では10人の患者だけが48週目の治療終了時にHCV−RNAクリアランス及びALT正常化の両方を示した(3.8%)。両方のエンドポイントを達成した肝硬変患者はいなかった。この複合反応者のうち2人がアジア人種であった。複合応答率は、アジア人種が8.7%、非アジア人種が3.3%であった。観察24週目での、正常化ALTと結合した持続性HCV−RNAクリアランスは、全集団で、8人の患者だけが達成した(3.0%)。複合反応者はいずれも肝硬変ではなかった。注目すべきことに、複合反応者の4人はアジア人種であった。そして、複合応答率は、アジア人種が17.4%、非アジア人種が1.6%であった。
評価したほとんどのパラメータについては、肝組織検査における変化は、肝硬変患者と非硬変集団の間で、実質的に異ならなかった。しかし、他のエンドポイントと対照的に、肝組織検査での変化は、アジア人種と非アジア人種集団の間では、特には異ならなかった。このことは、治療後の結果を有するアジア人種患者の数が少ないことに関係があるかもしれない(アジア人種は10人、それに対して非アジア人種は166人)。
推測分析(フィッシャーの正確確率検定とロジスティック回帰)が、特にアジア人種と非アジア人種患者の差に関連して、仮説を生み出す探索的方法に採用された。アジア人種は、非アジア人種より、治療48週目、観察24週目、及び両方の時点で、完全HCV−RNAクリアランスを達成する可能性がかなり高いということがわかった。アジア人種はまた、非アジア人種より、正常血清ALTを有する可能性が高かった。
投与量及び投与頻度の影響は、HCV−RNAクリアランスで、最も明らかであった。しかし、観察された用量関連の傾向は、統計学的に有意ではなかった。ALTレベルへの投与量及び投与頻度の影響は、より不明瞭であった。
中断率がTIW投与法で低いことと、QD群で非常に高いことは明らかに、患者のコンプライアンスと忍容性が限度に達していたことを示した。QD投与量群での脱落率増加のため、これらの群に対して出されるどんな結論も、選択された(そして、おそらくバイアスのかかった)小さい患者集団にあてはまることが強調されなければならない。しかし、このことに注意しつつも、本試験には高投与量と強頻度が採用されたにもかかわらず、頻繁に報告された事象のほとんどが、インターフェロンと適用部位疾患に関係があることがわかっている全身症状のカテゴリに入ること、そして、ほとんどが中軽度の症状であったことにも、留意しなければならない。
Figure 2005533035
Figure 2005533035
全集団の、本試験期間全体にわたる患者の内訳を示す図である。267人の無作為化患者のうち198人が48週の治療を完了し(74.2%)、183人が治療期間と観察期間の両方を完了した(68.5%)。56人の患者が治療期間を完了する前に脱落した。 アジア人種集団に限定して、本試験期間全体にわたる患者の内訳を示す図である。アジア人種患者24人のうち21人が48週間の治療を完了し(87.5%)、これらの患者は全員観察期間を完了した。 期間全体にわたる患者の内訳において、アジア人種と非アジア人種の比較を表す図である。図から、アジア人種患者の完了率は、明らかに非アジア人種の完了率より高いことがわかる。アジア人種は、87.5%が治療期間を完了し、それに対して、非アジア人種は72.8%(243人のうち177人)であった。そして、アジア人種は、87.5%が治療と追跡調査とも完了した。それに対して、非アジア人種は66.7%(243人のうち162人)であった。 HCV−RNAクリアランスに関連したエンドポイントについて、アジア人種患者と非アジア人種患者の間で主要有効性結果の比較を示す図である。ドットは、それぞれの集団において、エンドポイントを達成した患者のパーセンテージを表し、水平線は、これらパーセンテージの信頼区間を表す。未調整オッズ比(OR)と、これらのオッズ比に対する信頼区間(CI)も示してある。アジア人種患者の数が相対的に小さいにもかかわらず、アジア人種は、非アジア人種より、著しく、完全HCV−RNAクリアランスを達成しやすかった。治療48週目(未調整OR5.0;オッズ比のCI[1.7〜14.5];p=0.006)、観察24週目(未調整OR8.2;オッズ比のCI[2.4〜27.5];p=0.003)、両時点(持続的ウイルス学的反応、本試験の主要有効性エンドポイント:未調整OR比16.6;オッズ比のCI[4.1〜67.3];p<0.001) ALT正常化に関係するエンドポイントについて、アジア人種患者と非アジア人種患者の間で、主要有効性結果の比較を示す図である。ドットは、それぞれの集団で、最終目標を達成した患者のパーセンテージを表し、水平線は、これらパーセンテージの信頼区間を表す。未調整オッズ比(OR)と、これらのオッズ比に対する信頼区間(CI)も示す。アジア人種はまた、非アジア人種より、正常血清ALTを有する可能性が高かった。治療48週目では、その差は統計学的に有意ではなかった(未調整OR1.8;オッズ比のCI[0.7〜4.8];p=0.251)。しかし、観察24週目では、アジア人種と非アジア人種の未調整オッズ比は11.9であった(オッズ比のCI[4.7〜29.9];p<0.001)。持続性ALT正常化に対する、アジア人種と非アジア人種の未調整オッズ比は、4.9であった(オッズ比のCI[1.4〜17.1];p=0.024)。

Claims (7)

  1. インターフェロン−αによる先行治療に反応しなかったアジア人種の患者への皮下投与によりHCV感染を治療する薬剤の製造のための組換えIFN−βの使用。
  2. インターフェロン−αによる先行治療に反応せず、かつIFN−βによる4週間の初回治療後にHCV−RNAクリアランスを示すアジア人種の患者への皮下投与によりHCV感染を治療する薬剤の製造のための組換えIFN−βの使用。
  3. 前記組換えIFN−βが組換えIFN−β−1aである、請求項1又は2に記載の使用。
  4. インターフェロン−αによる先行治療に反応しなかった前記患者が、少なくとも3MIUの用量で週3回のインターフェロン−αによる治療を少なくとも12週間受け、次の転帰:
    (a)血清ALTが正常化されない、又は
    (b)ALTが正常化した後、治療終了前に急上昇(ALTが上昇)する、
    の1つを得た患者である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記治療の投与量及び投与法が、
    12MIU(44mcg)の組換えIFN−β−1aを週3回、
    12MIU(44mcg)の組換えIFN−β−1aを毎日、
    24MIU(88mcg)の組換えIFN−β−1aを週3回、及び
    24MIU(88mcg)の組換えIFN−β−1aを毎日、
    からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
  6. インターフェロン−αによる先行治療に反応しなかったアジア人種の患者に、医薬として許容される賦形剤とともに、有効量のIFN−βを皮下投与することを含む、HCV感染の治療方法。
  7. IFN−αによる先行治療に反応せず、かつIFN−βによる4週間の初回治療後にHCV−RNAクリアランスを示すアジア人種の患者に、医薬として許容される賦形剤とともに、有効量のIFN−βを皮下投与することを含む、HCV感染の治療方法。
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