JP2005532927A - 射出成形装置の整合装置 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明の目的は、成形型の一方とフレームおよび・または成形型の開放または型閉じのための作動手段と成形型との間に設けられる非剛性の整合機構を提供することにある。
【解決手段】 垂直型射出成形装置は、成形型部（３３，３４）を相対的に整合させる相互に移動可能な整合手段（１５）を有する。これらの整合手段は互いに積み重ねられた３枚のプレート（５６−５８）を有する。外側のプレート（５８，５６）は成形型部（３３）および射出成形装置上に設けられた移動手段のフレームに固定される。中間のプレート（５７）はリブ（１６，１７；５９，６０）を介して外側のプレート（５６，５８）に結合され、これらのリブは移動成形型部（３３）の移動方向に関して半径方向に伸びて形成されている。これらのリブ（１６，１７；５９，６０）は互いに交差する方向に配置され、外型のプレート（５６，５８）の相互間の調整動作が可能となる。

Description

本発明は射出成形装置に関する。

このような整合装置は二つの射出成形装置に用いることができる。その一つは成形型が常に固定されている場合であって、この場合は実際の成形時に位置整合が常に必要である。他の一つは型締め時に成形型が固定されていない場合であって、成形型が互いに整合するように横に動いて中心合わせ動作が行われる。これらの二つの場合において、成形型部の成形装置に対する位置決めはあまり重要ではなく、変更可能であり、従って、その維持は比較的に簡単に行うことができる。型締めが行われているときに、最終的に、成形型の中心が互いに一致される。成形型が固定されていない場合には、フレームとこれに関連する構成部品とは比較的に簡単な構成とすることができる。その結果、製造コストは低下する。更に、現在では、この動作が移動成形型部の型締め動作とともに行われるように構成することが容易になっている。これにより、異なる製品のために成形型を交換するような場合（その受け型との間で中心合わせをする場合）や、射出成形後に製品を取り出すような場合に好都合である。水平方向に型締めを行う射出成形装置と異なり、二つの成形型の間の中心合わせはフレームに対してこれらの成形型を相互に動かすことによって行われる。このフレームを非剛性の部材として形成することができるので、その機構を比較的軽量で小型とすることができる。しかしながらこのことは、フレームと成形型との間に用いられる整合装置に対する要求が大きくなることを意味する。

作動手段と移動成形型部との間の非剛性結合部はこの技術分野で知られているどのような結合部でもよい。この結合部は型締め方向にのみ剛性を有する必要がある。その一例としては球形ベアリングがある。例えば、成形型部と作動手段の双方の間に二重の軸受けを設けてボールを挿入したシステムとして形成することができる。このようにしてダブルスラストベアリングが形成され、水平面内で（型締め動作の際に）摩擦が殆ど無い状態での移動成形型部の傾斜と僅かな横移動が可能となる。

この発明の目的は、成形型の一方とフレームおよび・または成形型の開放または型閉じのための作動手段との間に設けられる非剛性の結合機構を提供することである。この結合機構は構成が簡単であり、かつスラストベアリングと同様に、金属表面間が摩擦によって固定されて相互に移動しないように構成される。

この目的は、射出成形装置の上部または下部でその垂直軸方向には移動不可の第１の成形型部に沿って設けられたフレームと、射出成形装置の上部または下部でその垂直軸方向に移動可能である第２の成形型部と、フレームと第２の成形型部との間に設けられ射出成形動作を行うために第２の成形型部を第１の成形型部に対して進退する方向に動かす移動手段と、フレームと成形型との間に配置され第１成形型部の自由端面を第２成形型部の自由端面に対して平行に移動させる整合手段とを有し、前記整合手段は、垂直軸に対して互いに直交し放射方向に伸びた直線状の少なくとも二つのリブを有し、このリブは一方では成形型に結合され、他方ではフレームまたは移動手段に結合されるとともに中心穴で終端される、射出成形装置によって達成される。ヒンジとして機能するリブの使用により、高い負荷容量を持つ低摩擦機構が実現でき、互いに接近する二つの成形型の表面が精密に正しい位置に設定されるようになる。

望ましい実施形態によれば、互いに直交する二つの方向への動きが可能であり、このために二組のリブがその間に中間プレートを挟んで互いに直交するように伸びて形成される。

射出成形装置の軸に直交する半径方向のリブの断面積は一定であってよい。しかしながら、この発明の望ましい実施形態によれば、このリブは成形型の半径の外側に向かって収束するように形成される。この収束はテーパ状に形成されることが望ましい。リブの外側の端縁部はできるだけ応力が生じないように連続した線を有するように形成する。特に、この線は円シリンダの一部として形成される。

リブをその断面積が半径の外側に向けて収束するように形成することにより、比較的に高負荷用で且つ剛性を持たない機構とすることができる。もしリブがその全長に亘って同じ断面積を有するように形成されると、同じ負荷容量に対してより剛性の大きいものとなる。

上述した整合手段は成形型の移動方向に伸びた複数の柱と組み合わせて用いることができる。これらの柱は作動手段と移動成形型との間に配置される。これらの柱はその長手方向、即ち移動方向に剛性（高圧縮耐力）を有するが横方向には弱い剛性を有する。この横方向に弱い剛性は柱に溝のような窪みを形成することで得られる。複数の柱を互いに平行に並置することで、底部結合面を上部結合面に対して移動させることが可能となる。この柱の存在はこの移動が完全に平行に行われることを意味し、従って、平行四辺形構造が形成されていることを意味する。多くの柱を用いることにより、構成された機構の横への「弱さ」、すなわち、その移動方向に直交する方向へより移動し易くなることが分かった。柱の数は実用上は４本でよいが、この数は自由に設定できる。

上述した整合手段は垂直型の射出成形装置および水平型の射出成形装置のいずれにも用いることができる。

しかしながら、この発明は上述の整合装置以外の整合装置と共に用いることができることは勿論である。

図１においてこの発明の射出成形装置は全体が参照符号１で示されている。この装置は、上部フレーム２を有し、これは比較的弱い連結方法で３本乃至４本の柱３を介して基板４に結合されている。ここに示された例ではこの射出成形装置は垂直に配置され、成形型は相対的に垂直方向に移動される。

移動成形型の作動手段はクランクシャフト５を有し、これはモータと制御ユニットとにより駆動されるが、ここでは詳細は示されていない。クランクシャフト５のクランクは、ドライブロッド６に連結され、その自由端の近傍にはピボット９が形成され、このピボット９には補助ロッド７、８が回転自在に取り付けられる。補助ロッド７はピストン１４のピボット１０に結合され、一方、補助ロッド８はピストン装置１３のプランジャーロッドの一端に形成されたピボット１１に係合される。ピストン装置１３のプランジャーロッドが図１に示された位置にあるときは、成形型の空隙は完全に閉じることができ、成形型はクランクシャフト５の動きによって完全に一体で移動可能となる。

移動成形型部３３は整合機構１５を介してピストン１４または他の往復駆動部に連結される。この整合機構は成形型３４に対向する成形型部３３の終端面がこの成形型３４の終端面と確実に平行になるように用いられるもので、プレート５４を有し、図１に示すようにピストン１４に連結されている。プレート５８は成形型３３を支持するように用いられる。

高い圧縮耐性を有する複数の柱（ここでは４本）５５がプレート５４上に配置される。これらの柱は水平方向の溝６１，６２を有する。その結果、これらの柱は図面においてその溝を横切る方向には比較的弱い。これらの柱はプレート５６に結合されている。このような構成によりプレート５４からプレート５６には高い圧縮力を伝達できる。さらに、プレート５６は（図面上で）プレート５４に対して横方向に移動可能である。この場合、プレート５４，５６が平行に配置されている状態では、横方向の動きに際しては常に平行な状態が維持される。この柱５５の本数を更に増やすことにより、数十ミリの横方向の調整ができる。

型締めの最初の位置において角度位置に不整合が存在する場合には、プレート５６、５８の間にプレート５７を配置することができる。このプレート５７はプレート５６，５８の間に所定の距離をおいて配置され、中央開口１９に対して放射状に伸びるリブ５９，６０を介して結合されている。これらのリブを互いに直交方向に配置することにより、二つの直交方向（ｘ−ｙ）における傾斜運動が可能となる。このような構成の推力軸受け機構の代わりに、スラストベアリングまたは他のスラストベアリング機構を用いることができることは勿論である。更に、複数の柱だけを用いることもでき、あるいはプレート５６，５７，５８のうちの互いに傾斜できる２枚のプレートのみを用いることもできる。

ここで示された実施形態において、プレート５６，５７及びプレート５７，５８間に配置されたリブ５９，６０はそれぞれ（中心軸７に関して）半径方向に同じ寸法を有する。プレート５８には成形型６３への固定手段が設けられている。

図３はリブの他の形態を示している。説明を簡単にするために、図中ではプレートを参照番号５６−５８で示し、リブを１６，１７で示しており、これらのリブは中心開口２９に向けて延長されている。

図３に示されているように、リブ１６，１７の断面積はプレート５６−５８の中心から半径方向外側に向かって減少している。これらのリブに隣接して部分的に円柱状の穴が形成されている。

リブ１６，１７にこのようにテーパを形成することにより、整合機構の動作時にその周辺部より中心部により大きい応力が発生することになるから、変形時のリブの素材に均一な応力分布が形成されることになる。

このように構成することにより、同じ剛性において、図２に示した断面積が一定のリブの場合より高い負荷容量を得ることができる。負荷容量の増加は４０％或いはそれ以上であることが明らかとなった。

この負荷容量を更に増加させるために、リブ１６，１７の側壁面をできるだけ平滑にすることが望ましい。これはたとえば研磨により実現できる。また、リブに隣接する円柱形の穴の直径はこの穴に段差が形成されないように形成されることが望ましい。

以上にこの発明の望ましい実施形態を説明したが、この発明の範囲を逸脱しない範囲で多くの変形が可能であることが明らかである。例えば、図１には垂直型の射出成形装置が示されたが、特許請求の範囲に示された範囲を越えないで全く異なる形態で実施することもできる。

作動手段が成形位置にあるときのこの発明の射出成形装置の断面を示す図である。 図１に示した整合手段を詳細に示す図である。 図２に示した整合手段の他の例を一部切り欠いて示す図である。

Claims (9)

1. 射出成形装置の上部または下部でその垂直軸（７）方向には移動不可の第１の成形型部（３４）に沿って設けられたフレームと、射出成形装置の上部または下部でその垂直軸（７）方向に移動可能である第２の成形型部（３３）と、フレームと第２の成形型部との間に設けられ射出成形動作を行うために第２の成形型部を第１の成形型部に対して進退する方向に動かす移動手段（５−１１）と、フレームと成形型との間に配置され第１成形型部の自由端面を第２成形型部の自由端面に対して平行に移動させる整合手段（１５）とを有し、前記整合手段は、垂直軸（７）に対して互いに直交し半径方向に伸びた直線状の少なくとも二つのリブ（１６，１７；５９，６０）を有し、このリブは一方では成形型（３３）に結合され、他方ではフレームまたは移動手段に結合されるとともに中心穴（１９；２９）で終端される、射出成形装置。
2. 互いに直交しかつ補助プレート（５７）に結合された二組のリブ（１６，１７；５９，６０）を具備する請求項１に記載の射出成形装置。
3. 前記リブ（１５，１６）は前記垂直軸（７）に垂直な断面が前記半径方向の外側に向かって収束する請求項１または２のいずれか１項に記載の射出成形装置。
4. 前記リブはテーパ状に形成される請求項３に記載の射出成形装置。
5. 前記リブ（１６，１７）の放射軸（１８）に垂直な断面の端縁部が連続した線である請求項１乃至４のいずれか１項に記載の射出成形装置。
6. 前記連続した線は部分円である請求項５に記載の射出成形装置。
7. 前記リブの両側面は円形シリンダ形状によって境界付けされている請求項５または６に記載の射出成形装置。
8. 垂直に伸びたフレームを有する垂直型の射出成形装置である請求項１乃至７のいずれか１項に記載の射出成形装置。
9. 請求項１乃至８のいずれか１項に記載の整合手段（１５）を具備する成形型部（３３）。

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