JP2005532825A - ベネズエラウマ脳炎ウイルスに対するヒト化抗体 - Google Patents

ベネズエラウマ脳炎ウイルスに対するヒト化抗体 Download PDF

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Abstract

ヒト化抗VEEV抗体は、ウイルス感染を防御および/または中和するために使用され得る。本発明によって提供されるのは、ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合するヒト化抗体であって、該ヒト化抗体は、非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域およびヒト抗体由来の少なくとも1つのフレームワーク領域を含む、ヒト化抗体である。ベネズエラウマ脳炎ウイルスの主要糖タンパク質E2のE2エピトープに結合するヒト化抗体であって、該ヒト化抗体が、ハイブリドーマ細胞3B4C−4によって産生されるマウス抗体由来のCDR3とヒト抗体由来の少なくとも1つのフレームワーク領域とを含む、ヒト化抗体もまた提供される。

Description

(関連出願)
本出願は、2002年5月13日に出願された米国仮出願番号60/379,994ぶに対して優先権主張し、その全内容は、本明細書中に参考として援用される。
(政府契約)
本発明に開示される研究はCDCとの2つのSBIR契約(SBIR契約番号第200−1999−00034号および第200−2000−10032号)に基づき資金援助を得て行われたものである。
(背景)
(技術分野)
本開示は、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)感染の診断試薬またはVEEV感染の作用に対抗する抗ウイルス化合物に関する。さらに詳細には、本開示に従って作製されたヒト化抗VEEVモノクローナル抗体は、VEEV主要糖タンパク質(E2)のE2エピトープに結合し、ウイルス感染を予防および/または中和することができる。
(関連分野の背景)
ベネズエラウマ脳炎(VEE)ウイルスは、南アメリカ北部、トリニダード、中央アメリカ、メキシコ、およびフロリダ地方に特有の、節足動物媒介ウイルスのアルファウイルスの一種である(Smithら、1997年、およびPhillpotts、2002年)。VEEV複合体に属する血清学的に異なる8種のウイルスがヒト疾患に関連付けられており、これらの病原体のうち最も重要な2つはサブタイプIの改変体A/BおよびCと称される。これらの病原体はウマ、ラバ、バーロウ(小型のロバ)、およびロバにも重篤な疾患を引き起こす。家畜流行性の細胞株(血清グループ1A/Bおよび1C)がウマに広がると致死的脳炎につながる重度のウイルス血症を引き起こし、さらに接触によりヒトへと広がる。
ヒトが宿主である場合には、一般的に、VEEVの普遍的標的器官はリンパ系および(嗅神経系への直接的感染を通して)中枢神経系であるようである(Smithら、1997年)。感染すると急性熱性症候群、場合によっては重篤な脳炎を発症する。このように、ウマにおける流行性感染がヒト脳炎の数千に及ぶ発症および数百の死亡を含む爆発的な自然流行を引き起こす可能性がある。VEEV感染は、通常、蚊刺咬により媒介されるが、このウイルスはエアゾールによっても高い感染力を示す(Smithら、1997年)。自然発生による大流行に加え、VEEウイルスは、他のアルボウイルスに比較して、より多くの研究所内の感染疾患を引き起こした。このウイルスの最初の分離以来、少なくとも150例の研究所内獲得感染による疾患が報告されている。
アルファウイルスのインビトロおよびインビボにおける総合的特徴によりこれらは兵器として非常に適している。すなわち、(1)安価での大量生産が容易であり、(2)ヒトに対する強い感染力を安定に保ちつつエアゾールとすることが可能であり、しかも(3)感染により無能力化または致死感染のいずれかを生じる株が入手可能である。VEEVは米国生物戦攻撃計画が中止される以前の1950年代および1960年代の米国において兵器として使用された。他の国々においてもこの病原体を兵器として使用していたか、または使用したことが疑われている。このウイルスは理論上、湿潤状態または乾燥状態のいずれでも産生することが可能であり、兵器としての安定化も可能であると思われる。エアゾールとしてウイルスを散布する生物戦攻撃では、ほとんどの場合、先ず、ヒトに対し疾患を引き起こす。
弱毒化TC−83生ワクチンおよびホルマリン不活化C−84ワクチンなどのVEEVに対するワクチンは存在するが、これらのワクチンはそれぞれ欠点を有している(Smithら、1997年)。TC−83はウマにおいては確実に防御効果を示し、その安全性も高いが、20%までのヒトにおいて反応性(reactogenic)であり、40%までにおいては防御免疫の誘導に失敗する可能性がある(Phillpottsら、2002年)。さらに、これは、糖尿病誘発および催奇形の可能性がある。不活化VEEVワクチンC−84は、残存性ウイルスを含む調製物を生じ、ワクチン投与者の4%に疾患を引き起こした(Smithら、1997年)。また、C−84ワクチンを投与したハムスターは、皮下チャレンジから防御されたが、エアゾール曝露からは防御されないという観察から、危険性のある研究者は、このワクチンでは十分に保護できないという懸念が生じた。したがって、VEEV特異的なヒトモノクローナル抗体またはヒト化マウスモノクローナル抗体による抗ウイルス治療は、VEEVへの危険に曝されている人々、またはVEEV曝露が既知の人々に対する代替治療を提供し得る。
マウス中和抗体は、トリニダード・ロバ親ウイルスの病原性サブタイプ1Aおよびそのワクチン誘導体TC−83の研究の中で見出された(Mathews、1985年、Roehrig、1988年)。2つのウイルスエンベロープ糖タンパク質E1およびE2には抗原性エピトープが決定されている。大きな糖タンパク質であるE2には8つの、小さな糖タンパク質であるE1には4つのエピトープが存在する。赤血球凝集および中和といった生物学的作用は主としてE2および4つのE2エピトープ(E2、E2、E2、E2)上に存在し、これらは、重要な中和ドメインにマップされる。これらのエピトープを標的とするマウス抗体の受動伝達により、動物をウイルスの致死的チャレンジから防御してきた。インビトロの研究において、感受性ベロ細胞またはヒト胚肺細胞へのウイルスの付着を最も効率的に阻止したモノクローナル抗体は、E2エピトープに空間的に近位のエピトープを規定する抗体であった。このE2モノクローナル抗体はウイルス付着後の中和においても最も効率的であった。
マウス抗体3B4C−4(Hy−4)(Mathews、1985年)はE2エピトープに結合し、IgG1アイソタイプを有し、付着後の中和を補体以外のFcエフェクター機能を介して行うのと同様に、ビリオン上の重要な部位において2価結合により中和を仲介することができる。
残念ながら、多くの事例において、ヒト免疫系はモノクローナル抗体をヒト体内には通常存在しない外来物質として認識する。これはヒトにおける免疫原性あるいは抗原性と称されている。このため、非ヒト起源の抗体をヒトに投与すると、非ヒト抗体に対する抗体が産生され、このことは、この非ヒト抗体の体内のクリアランスを増強し、従ってモノクローナル抗体の治療上または診断上の効果が低減または完全に阻害されてしまう。また、過敏反応を引き起こす可能性もある。
ベネズエラウマ脳炎ウイルスの感染を防御および/もしくは中和するために使用できる、ならびに/またはベネズエラウマ脳炎ウイルス診断の目的で使用することのできる、最適結合プロフィールを保持しながら、元の種由来の抗体に基づく、低下した免疫原性を示す操作抗体が提供されるべきである。
(要旨)
VEEV主要糖タンパク質(E2)のE2エピトープに結合し、ウイルス感染を予防および/または中和するために使用し得る、ヒト化抗体および機能性抗体フラグメントが本明細書中に開示される。ヒト化抗体および機能性抗体フラグメントはハイブリドーマ細胞3B4C−4により産生されるマウス抗体由来の相補性決定領域(特に、CDR3)を含む。本発明の抗体を産生する方法は、マウスCDR3をヒトのフレームワーク領域に結合させて、ヒト化抗体または機能性抗体フラグメントを提供する工程を含んでいる。
VEEウイルスに結合および/または中和するヒト化抗体について本明細書中に記載する。このヒト化抗体は、VEEウイルス自体に結合するか、またはVEEV感染に関与するレセプターに結合するかのいずれかである。特に有用な実施形態では、本明細書中に記載されるヒト化抗体および機能性抗体フラグメントは、VEEV主要糖タンパク質(E2)のE2エピトープに結合し、ウイルス感染を予防および/または中和するために用いられ得る。ヒト化抗体および機能性抗体フラグメントは、好ましくは、ハイブリドーマ細胞3B4C−4により産生されるマウス抗体由来の相補性決定領域(特に、CDR3)を含む。
本明細書中で使用される専門用語および科学用語は、本明細書中で別に定義されない限り、本教示が関与する技術分野における当業者が一般的に理解する意味を表す。当業者に公知の種々の方法論が本明細書中で参照される。そのような既知の方法論を記載している、参照した刊行物および他の資料は、全体を記載したかのように、その全体が本明細書中に参考として援用される。本明細書中で説明される方法の実施は、他に示されない限り、当該技術分野の範囲内にある、化学、分子生物学、微生物学、組換えDNA、および免疫学の従来技術を用いる。このような従来技術は、文献に充分に説明されている。例えば、Sambrook,Fritsch,およびManiatis,Molecular Cloning;Laboratory Manual 第2版(1989);DNA Cloning,第I巻および第11巻(D.N.Glover編、1985);Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait編、1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.Haines & S.J.Higgins編、1984);Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.)シリーズ、特に第154巻および第155巻(WuおよびGrossman編);PCR−A Practical Approach(McPherson,Quirke,およびTaylor編、1991);Immunology,第2版,1989,Roittら、C.V.Mosby Company,and New York;Advanced Immunology,第2版,1991,Maleら、Grower Medical Publishing,New York;DNA Cloning:A Practical Approach,第1巻および第11巻,1985(D.N.Glover編);Oligonucleotide Synthesis,1984,(M.L.Gait編);Transcription and Translation,1984(HarnesおよびHiggins編);Animal Cell Culture,1986(R.I.Freshney編);Immobilized Cells and Enzymes,1986(IRL Press);Perbal,1984,A Practical Guide to Molecular Cloning;ならびにGene Transfer Vectors for Mammalian Cells,1987(J.H.MillerおよびM.P.Calos編,Cold Spring Harbor Laboratory);WO97/083220号;米国特許第5,427,908号;同第5,885,793号;同第5,969,108号;同第5,565,332号;同第5,837,500号;同第5,223,409号;同第5,403,484号;同第5,643,756号;同第5,723,287号;同第5,952,474号;Knappikら、2000,J.Mol.Biol.296:57−86;Barbasら、1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7978−7982;Schaffitzelら、1999,J.Immunol.Meth.10:119−135;Kitamura,1998,Int.J.Hematol.,67:351−359;Georgiouら、1997,Nat.Biotechnol.15:29−34;Littleら、1995,J.Biotech.41:187−195;Chauthaiwaleら、1992,Microbiol.Rev.,56:577−591;Aruffo,1991,Curr.Opon.Biotechnot.2:735−741;McCafferty(編者)ら、1996,Antibody Engineering:A Practical Approachを参照のこと。これらの内容は、本明細書中に参考として援用される。
本明細書中に記載される方法の実施において、当業者に公知の適切なあらゆる材料および/または方法を利用可能であるが、好ましい材料および/または方法について説明する。後述する説明および実施例において参照され得る材料、試薬等は、特に説明しない限り、商業的供給源から入手され得る。用語「含んでいる(including)」、「含まれる(included)」、「含む(includes)」、「含む(include)」とはその最も広い意味で用いられる、すなわち、これらは非限定(オープンエンド;open−ended)であり、そして例えば、「を含んでいるがこれらに限定されない」、「に含まれるがこれらに限定されない」。「を含むがこれらに限定されない」、および「を含むがこれらに限定されない」を意味することが理解されるべきである。
本明細書中に記載される技術に供され得る抗体(Ab)は、モノクローナル抗体、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、scFvなどの抗体フラグメント、ダイアボディ(diabody)、抗体軽鎖、抗体重鎖、および/またはファージディスプレイ技術もしくはファージミドディスプレイ技術由来の抗体フラグメントを包含する。機能性抗体フラグメントとは、完全抗体に通常見出される領域を欠損しているにもかかわらず抗原に結合することのできる抗体フラグメントである。単鎖抗体(scFv)は機能性抗体フラグメントに含まれる。
本明細書中に記載される抗体または機能性抗体フラグメントは、非ヒト抗体の配列および構造を操作してこれらをよりヒト抗体様にし、したがって、ヒトにおける免疫原性を低減または除去するように調製される。
いくつかのヒト化ストラテジーが当業者に公知であり、そして本発明のヒト化抗体の作製に使用され得る。通常、最初の工程は、VEEウイルスに結合するかおよび/またはVEEウイルスを中和することが知られている開始非ヒト抗体を取得することである。モノクローナル抗体を作製するための技術およびクローニングする技術は当業者に周知である。2つ以上の所望の抗体を取得した後、各抗体の配列を決定する。すなわち、可変領域(VHおよびVL)は、CDRの任意の可能な定義(例えば、Kabat単独、Chothia単独、組み合わせたKabatおよびChothia、および当業者に公知の任意のたのもの)を使用して、構成要素部分(すなわち、フレームワーク領域(FR)、CDR、バーニア(Vernier)ゾーン領域、およびVH/VL相互作用領域)により同定してもよく、そしてこのようにして同定され得る。
本発明の方法によれば、高発現、VEEウイルスもしくはVEEV感染に関与するレセプターに対する高親和性、特異性、および/または活性の中の1つ以上を含む、多数の基準に基づいて1つ以上の特異的非ヒト抗体を選択する。標的に対して高親和性またはより高い親和性を示す抗体を単離するためのスクリーニング法は、当該分野で周知である。例えば、糸状バクテリオファージの表面に融合したポリペプチドの発現は、多数のクローンの組合せから特定の配列を回収するための強力な方法を提供する(Smithら,Science,228:1315−1517,1985)。ペプチドまたはタンパク質に結合する抗体は、比較的簡単なパンニング法により大きなライブラリーから選択されている(例えば、Scottら、Science,249:386−290,1990;Devlinら、Science,249:404−406,1990;Cwirlaら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,87:6378−6382,1990;McCaffertyら、Nature,348:552−554,1990;Lowmanら、Biochemistry,30:10832−10838,1992;およびKangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:4363−4366,1991)。ファージディスプレイ、ファージミドディスプレイ、リボソームディスプレイ、および細胞表面ディスプレイを含め、種々の技術が、抗体ライブラリーのディスプレイに関して公知である。抗体をスクリーニングするために有用なパンニング法では、標的リガンドを、例えば、プレート、磁性粒子、セファロースなどのビーズ、カラムに用いられるビーズなどに固定し得る。特定の実施形態では、標的リガンドは、例えば、ビオチン、2−蛍光色素(例えば、FACS選別用)を用いてタグ化され得る。
抗体を発現するファージまたはファージミドのライブラリーのスクリーニングでは、ファージコートタンパク質をコードする遺伝子に抗体が融合している、ファージベクターおよびファージミドベクターを利用する。標的リガンドを製造者の指示書に従って磁性ビーズに結合させる。ビーズおよび他の未反応基への非特異的結合をブロックするために、ビーズを過剰量のBSAとともにインキュベートしてもよい。次いで、ビーズをPBS−0.05% Tween20に懸濁し、プラスチックチューブの側面に沿って強磁石を用いて回収することを多数回行うことによって、ビーズを洗浄する。次いで、ビーズは必要になるまで冷蔵保存する。スクリーニング実験では、ライブラリーのアリコートを、再懸濁したビーズ試料に混合し得る。チューブの内容物を低温(例えば、4〜5℃)で十分な時間(例えば、1〜2時間)回転させる。その後、強磁石を使って磁性ビーズを回収し、液を吸引除去する。次いで、PBS−0.05% Tween20を加え、試験管を数回倒置してビーズを懸濁させ、さらに磁石を用いてビーズをチューブの壁に引き寄せることにより、ビーズを洗浄する。次いで、内容物を除去し、さらに5〜10回の洗浄を繰り返す。50mMグリシン−HCl(pH2.2)、100μg/mlのBSA溶液を、この洗浄したビーズに加え、タンパク質を変性させ、そして結合したファージを遊離させる。インキュベーションを短時間行った後、ビーズを強磁石でチューブの壁に引き寄せ、液体内容物をきれいなチューブへ移す。1MのTris−HCl(pH7.5)または1MのNaHPO(pH7)をこのチューブに加えて、ファージ試料のpHを中和する。次いで、ファージを、(例えば、10−3〜10−6に)希釈し、アリコートを大腸菌細胞とともにプレーティングして、試料のプラーク形成単位数を決定する。特定の場合には、プレーティングはプラークを色で識別するために(すなわち、lacZ+プラークは青、lacZ−プラークは白)、XGalおよびIPTGの存在下で行われる。投入した試料の力価も比較のために決定する(希釈は一般に、10−6〜10−9である)。
あるいは、抗体を発現するファージライブラリーのスクリーニングを、例えば、以下の通りに、マイクロタイタープレートを用いて達成し得る。標的リガンドを、例えば、100mMのNaHCO、pH8.5で希釈し、少ないアリコートのリガンド溶液を(例えば、4℃で一晩のインキュベートにより)マイクロタイタープレートウェル上に吸着させる。BSA溶液(1mg/ml、100mM NaHCO、pH8.5中)のアリコートを加え、プレートを室温で1時間インキュベートする。マイクロタイタープレートの内容物を除去し、ウェルをPBS−0.05% Tween20で慎重に洗浄する。プレートを繰り返し洗浄して、未結合の標的を除去する。少量のアリコートのファージ溶液を各ウェルに入れ、室温で1〜2時間インキュベートする。マイクロタイタープレートの内容物を除去後、プレートを繰り返し洗浄する。プレートを各ウェル中に洗浄溶液を入れた状態で20分間、室温でインキュベートし、高い解離定数の結合したファージを遊離させる。次いで、ウェルを複数回(例えば、5回)洗浄し、未結合ファージを全て除去する。ウェルに結合したファージを回収するために、pHの変更を用い得る。50mMのグリシン−HCl(pH2.2)、100μ/mlのBSA溶液のアリコートを洗浄後のウェルに加えてタンパク質を変性させ、結合したファージを遊離させる。5〜10分後、次いで、内容物をきれいなチューブに移し、1MのTris−HCl(pH7.5)または1MのNaHPO(pH7)の少量のアリコートをファージ試料に加え、pHを中和する。次いで、ファージを、(例えば、10−3〜10−6に)希釈し、アリコートを大腸菌細胞とともにプレーティングして、試料のプラーク形成単位数を決定する。特定の場合には、プレーティングはプラークを色で識別するために(すなわち、lacZ+プラークは青、lacZ−プラークは白)、XGalおよびIPTGの存在下で行われる。投入した試料の力価も比較のために決定する(希釈は一般に、10−6〜10−9である)。
別の代替方法によれば、抗体ライブラリーのスクリーニングは、第一の「濃縮」工程および第二のフィルターリフト工程を含む方法を用いて、以下の通りに達成され得る。(例えば、ファージ中の)発現されたコンビナトリアルライブラリー由来の、所定のリガンドに結合し得る(陽性)抗体を、最初に、アフィニティクロマトグラフィーに1回または2回かけて濃縮する。マイクロタイターウェルを、選り抜きのリガンド(例えば、100μl中約10μg)を用いて受動被覆する。次いで、ウェルをBSA溶液でブロックして、プラスチック表面への抗体の非特異的付着を防止する。次いで、抗体を発現する粒子約1011個をウェルに添加し、数時間インキュベートする。プレートの洗浄を繰り返し、結合しなかった抗体を除去した後、特異的に結合した抗体を酸性グリシン−HCl溶液または他の溶出用緩衝液を用いて溶出する。溶出した抗体ファージ溶液をアルカリにより中和し、そして例えば、大腸菌に感染させて、寒天中にブロスを含む大きなペトリ皿にプレーティングすることにより、増幅させる。次いで、抗体を発現している増幅培養物の力価を測定し、そしてこのプロセスを繰り返す。あるいは、市販の活性化ビーズ試薬を用いてリガンドをアガロースビーズまたはアクリルアミドビーズに共有結合させることもできる。次いで、抗体溶液を、結合したビーズマトリックスを含む小さなカラムに単に通した後、このカラムを十分に洗浄し、そして酸または他の溶離液により溶出する。どちらの場合も、陽性物を約1/10より高い頻度まで濃縮することを目的としている。濃縮後、フィルターリフトアッセイを行う。例えば、抗体がファージ中に発現されている場合、約1〜2×10個のファージを500μlの対数増殖期の大腸菌に添加し、ブロス中に0.7%アガロースを含む大きなLB−アガロースプレート上にプレーティングする。アガロースを凝固させ、アガロース表面にニトロセルロースフィルター(例えば、0.45μ)を置く。一連の位置決めのマークを滅菌針で付けて、下記に示すような発色後のフィルターおよびプレートの置き直しを可能にする。ファージのプラークを、37℃で一晩インキュベートすることにより発色させる(フィルターがあってもこのプロセスの妨げにはならない)。次いで、プレートからフィルターを取り除くと、それぞれの個々のプラークからのファージは、もとの位置と同じ位置に付着している。次いで、フィルターをBSAまたはその他のブロッキング剤の溶液に1〜2時間曝露して、リガンド(または「プローブ」)の非特異的結合を防止する。プローブ自体を、例えば、ビオチン化(市販のNHS−ビオチンを使用)によるかまたは例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリフォスファターゼでの直接酵素標識によるかのいずれかで、標識する。この様式で標識されたプローブは無期限に安定であり、数回の再使用が可能である。ブロックされたフィルターをプローブ溶液に数時間曝露して、プローブに対して顕著な親和性を示すペプチドを提示するフィルター上のファージにプローブを元の位置で結合させる。次いで、フィルターを洗浄して未結合のプローブを除去し、次いで、フィルターを、(直接標識されたプローブの場合は)酵素基質溶液に曝露することにより、または(ビオチン化プローブの場合には)酵素標識アビジン溶液にさらに曝露することにより、発色させる。陽性ファージプラークは、元のプレート上のプラークに対応する、フィルター上の着色した酵素切断産物の局所沈着により同定される。発色したフィルターは、位置決めマークを用いてプレートと簡便に再度並べられ、そして「陽性」プラークをアガロースからくりぬいて、ファージを回収する。元のプレート上のプラークは高密度であるので、一回でプレートから単一のプラークを単離することは通常不可能である。したがって、初回のコアから回収したファージを低密度で再度プレーティングし、そしてこのプロセスを繰り返してそれぞれのプラークの単離、それゆえ、ファージのシングルクローンの単離を可能にする。
細菌細胞の外表面上に抗体を発現しているプラスミドベクターのライブラリーのスクリーニングは、下記の通り、磁性ビーズを用いて達成され得る。本質的に、ファージベクターのスクリーニングについて上記で記載した通りに、標的リガンドを磁性ビーズに結合させる。細菌細胞の表面に発現された複数の抗体を発現している組換えプラスミドベクターを含有する細菌細胞試料を、再懸濁させた少量のアリコートのビーズと混合する。チューブの内容物を4℃で1〜2時間、混転させる。次いで、磁性粒子を強磁石を使用して回収し、液体を吸引により除去する。次いで、例えば、1mlのPBS−0.05%Tween20を添加し、チューブを数回倒置してビーズを再懸濁させ、再度、磁石でビーズをチューブの壁に引き寄せ、液体内容物を除去することにより、ビーズを線状する。ビーズを、さらに5〜10回繰り返し洗浄する。次いで、ビーズを培養培地(例えば、LB+アンピシリン)の試料を含む培養フラスコに移す。結合した細胞は、富栄養培地中で細胞分裂し、娘細胞が固定化標的から離れる。細胞が対数増殖期にある場合には、培養物に再度誘導物質を添加して、さらに多くの抗体を産生させる。次いで、これらの細胞を遠心分離により集め、再スクリーニングを行う。スクリーニングを複数回(例えば、一連のスクリーニングを何ラウンドも)用いて、成功裏のスクリーニング実験を最適に実施する。次いで、回収した細胞を低密度でプレーティングして、個々の分析用の単離されたコロニーが得られる。個々のコロニーを選択し、これを用いて、アンピシリン含有LB培養培地に接種する。37℃で一晩培養した後、培養物を遠心分離によりスピンダウンする。次いで、個々の細胞アリコートを、ビーズに結合した標的リガンドへの結合について再試験する。無関連のリガンドが結合した他のビーズへの結合は、陰性コントロールとして使用され得る。
あるいは、細菌細胞の表面に抗体を発現しているプラスミドベクターのライブラリーのスクリーニングを、下記の通りに達成し得る。標的リガンドを、ファージベクターのスクリーニングについて上記に記載した通りに、マイクロタイタープレートに吸着させる。ウェルを未結合の標的リガンドがなくなるまで洗浄した後、細菌細胞試料を少量の体積の培養培地に添加し、マイクロタイターウェル中に入れる。十分にインキュベートした後、未結合の細菌を含まないようにプレートを繰り返し洗浄する。大量の体積の、約100mlのLB+アンピシリンを各ウェルに添加し、プレートを37℃で2時間インキュベートする。結合した細胞は富栄養培地中で細胞分裂し、娘細胞は、固定された標的から離れる。次いで、ウェル中の内容物を、約10mlのLB+アンピシリンを含む培養フラスコに移す。細胞が対数増殖期にある場合には、培養物に再度誘導物質を添加して、さらに多くの抗体を産生させる。次いで、これらの細胞を遠心分離により集め、再スクリーニングを行う。スクリーニングは、磁性ビーズを使用するスクリーニングに関して上記の通りの一連のスクリーニングを何ラウンドも用いて行うことができる。
別の実施形態によれば、ベクターまたは宿主細胞(例えば、ファージまたは細菌細胞)の表面タンパク質として抗体を発現しているライブラリーを、固相マトリックス(例えば、セファロース、シリカなど)上にリガンドを固定したカラムにライブラリーの溶液を通し、十分な洗浄および溶出の後、カラムに結合しているファージを回収することにより、スクリーニングし得る。
ライブラリーのスクリーニングの1つの重要な局面は、溶出の局面である。説明を明確にするために、以下ではファージによる抗体の発現について論考する。しかしながら、そのような論考は抗体が表面の融合分子上に発現されるあらゆる系に応用可能であることは容易に理解できる。ファージの回収の際にペプチド−標的の相互作用を破壊する条件は、ファージ上に発現された複数のタンパク質由来のあらゆる所定のペプチド配列に特異的であると考えられる。例えば、ある相互作用は酸性pHにより破壊されるが、塩基性pHでは破壊されなくてもよく、逆も同様である。したがって、種々の溶出条件(例えば、pH2〜3、pH12〜13、競合における過剰の標的、界面活性剤、穏やかなタンパク質変性剤、尿素、種々の反応温度、光、金属イオンの存否、キレート剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない)を試験して、各セットの条件下で回収されたファージ上に発現された抗体の一次構造を比較し、リガンド/抗体の各組み合わせにとって適切な溶出条件を決定するべきである。これらの溶出条件のいくつかは、ファージの感染と不適合であり得る。なぜなら、これらは、殺細菌性であり、透析により除去される必要があるからである。異なる発現タンパク質が異なる条件下で溶出される能力は、標的への結合に関わる特定のペプチド領域の変性だけでなく、隣接領域におけるコンホメーションの変化によっても起因し得る。これらの隣接配列は、実際の結合配列との組み合わせで変性され得る;これらの隣接領域はまた、溶出条件下(すなわち、pH2〜3、pH12〜13、競合における過剰の標的、界面活性剤、穏やかなタンパク質変性剤、尿素、熱、冷却、光、金属イオンの存否、キレート剤など)への曝露に応じてその2次構造または3次構造が変化し、この変化は次に、標的への結合を担うペプチドのコンホメーションの変形をもたらす。
所望の特徴(例えば、良好な発現およびVEEV感染に対する所望の効果)を示す抗体の回収に適切なあらゆるパンニング法が適切であることを理解すべきである。回収およびどの抗体が所望の特徴を備えているかを決定した後、これら抗体の配列を決定し、抗体をヒト化について選択する。
配列を決定した後、ヒト化の最初の段階として、この配列と、既知のヒト抗体配列に関する1つ以上のデータベース(例えば、生殖系列、再配列、あるいは両者)との間の比較を行う。この比較は、この配列をデータベース中の配列と整列し、比較している配列間の相同性の程度を決めることにより行われる。整列検索のためのコンピュータープログラム(例えば、BLASTなど)は、当該分野で周知である。例えば、ヒトアミノ酸配列またはヒト遺伝子配列の情報源は、Genbank、NCBIタンパク質データバンク(http://ncbi.nlm.nih.gov/BLAST)、ヒト抗体遺伝子のデータベースであるVBASE(http://www.mrc−cpe..cam.ac.uk/imt−doc)(生殖系列配列)、および免疫グロブリンに関するKabatデータベース(http://www.immuno.bme.nwu.edu)(再配列された配列)などの任意の適切な参照データベースまたはこれらの翻訳産物により適切に見いだすことができる。整列をヌクレオチド配列に基づいて行った場合、選択された遺伝子を分析して、そのサブセットのどの遺伝子が、本明細書中に記載される通りの元の種の抗体に相同性が最も高いアミノ酸を有するかを決定すべきである。データベース中の他の配列に比較して、より高い程度の相同性に近づくアミノ酸配列または遺伝子配列は、本明細書中に記載の手順に従って利用可能および操作可能であることが予期される。特定の実施形態では、相同性の許容可能な範囲は、約50%よりも高い。もちろん、より高い相同性が要求され得る。いずれの場合でも、選択された非ヒト抗体配列と比較して最も高い相同性を有するヒト配列を同定する。選択されたヒト配列は、少なくとも、本開示に従って作製されるヒト化抗体のフレームワーク領域を提供する。少なくとも1つの非ヒトCDR(好ましくは、非ヒトCDR3)は、これらのヒトフレームワーク領域の間に配置されて、本開示に従ったヒト化抗体が作製される。
さらに、1より多くのヒト配列を選択して、本開示に従ってヒト化抗体の異なる部分を提供し得ることも予期される。1つの特に有用な実施形態では、本発明のヒト化抗体の一部がヒト生殖系列配列由来であり、本発明のヒト化抗体の他の部分が再配列されたヒト抗体配列由来である。
ヒト化抗体または機能性抗体フラグメントを構築するための次の工程は、先に選択したヒト配列のフレームワーク領域に組み込むべきCDRを選択することを含む。選択されたCDRは、1つ以上の供給源に由来し得る。CDR3に関しては、相同性決定に使用される特定の非ヒト抗体由来のCDR3が選択される。上記したように、CDR3が選択される特定の非ヒト抗体は、VEEウイルスまたはVEEV感染に関与するレセプターに関する発現効率、親和性、特異性、および活性を含むがこれらに限定されない多数の因子に基づいて、有利に選択され得る。これらの因子のそれぞれを評価するための技術は、当業者の技術範囲内である。
CDR1およびCDR2に関しては、以下の1以上の供給源からの選択が行われる。CDR1および/またはCDR2は、相同性決定に使用される特定の非ヒト抗体から選択することができる。あるいは、CDR1および/またはCDR2は、VEEウイルスあるいはVEEV感染に関与するレセプターに結合する複数の抗体配列の配列由来であるコンセンサス配列から選択することもできる。さらに別の代替として、CDR1および/またはCDR2は、非ヒト抗体配列との比較により同定されたヒト配列から選択することができる。
特定の位置を除いて、フレームワーク残基は一般にアクセプター種として配列が割り当てられる。例えば、VH/VL界面またはバーニアゾーン位置のいずれかでの非相同アミノ酸残基は、ドナー配列とアクセプター配列との間での選択肢として保持される。ヒト化抗体の起こり得る免疫原性をさらに回避するためには、通常、ヒト抗体由来のアクセプターフレームワークの表面残基を保持することが望ましい。しかしながら、表面に出る残基の中には、VH/VL界面またはバーニアゾーンと指定されるものもいくつか存在する。そのような場合には、ドナー由来またはアクセプター由来のいずれかのフレームワーク配列を選択することになる。
CDRの選択およびアクセプターフレームワーク領域へのCDRの割り当てをした後、ヒト化抗体または機能性抗体フラグメントの組立てを当業者に公知の従来方法により達成し得る。例えば、本明細書中で説明する改変された可変ドメインをコードするDNA配列がオリゴヌクレオチド合成により作製され得る。続いて、本明細書中で説明する改変された可変ドメインをコードする核酸が、プライマー指向性のオリゴヌクレオチド部位特異的変異誘発(すなわち、所望の変異をコードするオリゴヌクレオチドを、変異させるべき領域を含む一本鎖核酸にハイブリダイズさせ、その一本鎖をオリゴヌクレオチドの伸長のテンプレートとして使用し、変異を含む鎖を作製すること)により構築されてもよい。部位特異的変異誘発に使用されたオリゴヌクレオチドは、オリゴクヌレオチド合成によって調製されてもいいし、または、適切な制限酵素を用いて標的種のフレームワークをコードする核酸から単離してもよい。
選択ディスプレイシステムのいずれも、本開示によるライブラリーと共に使用できる。大型ライブラリーから所望のメンバーを単離するための選択プロトコールは、ファージディスプレイ技術に代表されるように、当該分野で公知である。そのようなシステムでは、多様なペプチド配列が糸状バクテリオファージの表面上に提示され[ScottおよびSmith(1990)Science,249:386]、インビトロ選択のための抗体フラグメント(およびそれらをコードするヌクレオチド配列)のライブラリー作製および標的抗原に結合する特異抗体フラグメントを増幅する上で有用であることが証明されている。V領域をコードするヌクレオチド配列およびV領域をコードするヌクレオチド配列は、大腸菌の細胞周辺腔へそれら領域を誘導するリーダーシグナルをコードする遺伝子フラグメントに連結され、結果として、得られた抗体フラグメントはバクテリオファージの表面上に(代表的には、バクテリオファージコートタンパク質(例えば、pIIIまたはpVIII)への融合物として)提示される。あるいは、抗体フラグメントはλファージのキャプシド(ファージ体)上外面に提示される。ファージまたはファージミドに基づくディスプレイシステムの利点は、抗体タンパク質がそれをコードする遺伝子に連結している生物学的システムであるから、選択されたライブラリーメンバーを含有するファージを細菌細胞中で増殖させることにより、選択されたライブラリーメンバーを簡単に増幅することができる点である。さらに、ポリペプチドライブラリーメンバーをコードするヌクレオチド配列はファージまたはファージミドベクターに含まれるので、配列決定、発現、それに続く遺伝子操作が比較的簡単である。バクテリオファージ抗体ディスプレイライブラリーおよびλファージ発現ライブラリーの構築方法は、当該分野で周知である(McCaffertyら(1990)Nature,348:552;Kangら(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,88:4363;Clacksonら(1991)Nature,352:624;Lowmanら(1991)Biochemistry,30:10832;Burtonら(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,88:10134;Hoogenboomら(1991)Nucleic Acids Res.,19:4133;Changら(1991)J.Immunol.,147:3610;Breitlingら(1991)Gene,104:147;Marksら(1991)J.Mol.Biol.,222:581;Barbasら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4457;HawkinsおよびWinter(1992)J.Immunol.,22:867;Marksら(1992)J.Biol.Chem.,267:16007;Lernerら(1992)Science,258:1313;これらの各々は、本明細書中に参考として援用される)。
一つの特に有利なアプローチは、scFvファージライブラリーの使用である(Hustonら(1988),Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,85:5879−5883;Chaudharyら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,87:1066−1070;McCaffertyら(1990)前出;Clacksonら(1991)前出;Marksら(1991)前出;Chiswellら(1992)Trends Biotech.,10:80;Marksら(1992)J.Biol.Chem.,267:16007)。バクテリオファージコートタンパク質上に提示されるscFvライブラリーに関する多くの実施形態が記載されている。ファージディスプレイアプローチの改良についても公知であり、例えば、WO96/06213号およびWO92/01047号(Medical Research Councilら)ならびにWO97/08320号(Morphosys)に記載されており、これらは本明細書中に参考として援用される。Fabライブラリーの提示もまた公知であり、例えば、WO92/01047号(CAT/MRC)およびWO91/17271号(Affymax)に記載される通りである。
抗体またはポリヌクレオチドのライブラリーを作製するための他のシステムは、ライブラリーのメンバーをインビトロ合成するための無細胞酵素機構の使用を含む。1つの方法においては、標的リガンドに対する選択とPCR増幅とを交互に繰り返すことにより、RNA分子を選択する(TuerkおよびGold(1990)Science,249:505;EllingtonおよびSzostak(1990)Nature,346:818)。所定のヒト転写因子を結合するDNA配列を同定するために同様の技術を使用することができる(ThiesenおよびBach(1990)Nucleic Acids Res.,18:3203;BeaudryおよびJoyce(1992)Science,257:635;WO92/05258号およびWO92/14843号)。同様に、大型ライブラリーを作製するための方法として、インビトロ翻訳を、抗体分子の合成のために用い得る。一般に安定化ポリソーム複合体を含むこれらの方法は、以下にさらに記載されている:WO88/08453号、WO90/05785号、WO90/07003号、WO91/02076号、WO91/05058号、およびWO92/02536号。例えばWO95/22625号およびWO95/11922号(Affymax)に開示されているシステムのような、ファージに基づかない代替のディスプレイシステムは、選択用の抗体分子の提示にポリソームを使用する。これらの文献および前述の文献の全てはまた、本明細書中に参考として援用される。
抗体はファージまたはファージミド粒子表面上に存在するので、ディスプレイベクター中にクローン化されたヒト化抗体および機能性抗体フラグメントは、良好な結合活性を保持している改変体を同定するために、適切な抗原に対して選択され得る。例えば、Barbas IIIら(2001)Phage Display,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New Yorkを参照のこと。この内容は、本明細書中に参考として援用される。あらゆるファージディスプレイベクターまたはファージミドディスプレイベクターも使用できるが、本方法論においてはfdtetDOG、pHEN1、pCANTAB5E、pRL4またはpRL5(これらは、国際出願WO02/46436A2に記載されている)のようなベクターが有用である。例えば、Fabフラグメントの場合、軽鎖および重鎖のFd産物はlacプロモーターにより制御されており、各鎖は、細菌宿主の周辺腔へと誘導するための、これに融合されたリーダーシグナルを有する。抗体フラグメントが適切に組立られ得るのは、この周辺腔においてである。重鎖フラグメントはファージコートタンパク質ドメインとの融合物として発現され、これにより組み立てられた抗体フラグメントは、新たに作製されたファージまたはファージミド粒子のコートに組み込まれる。新たなファージミド粒子の産生には必要なファージ遺伝子の全てを含有するヘルパーファージの添加が必要である。いったん抗体フラグメントのライブラリーをファージまたはファージミド表面に形成した後にパンニングを行う。ある実施形態においては、上記したように、i)ファージ粒子またはファージミド粒子の表面上に提示された抗体を所望の抗原に結合させ、ii)非結合のものを洗い流し、iii)結合した粒子を抗原から溶出させ、iv)溶出させた粒子を新しい細菌宿主に曝露し、さらなる回の選択用の濃縮プールを得る。通常、抗体クローンを特異的結合に関してスクリーニングをする前に、パンニングを3〜4回実施する。このようにして、ファージ/ファージミド粒子により、結合している表現型(抗体)を遺伝子型(DNA)に関連付けることができ、抗体提示技術を非常に首尾よくに利用できる。しかし、他のベクター形式を、このヒト化プロセス(例えば、抗体フラグメントライブラリーを、選択および/またはスクリーニング用の溶菌ファージベクター(改変T7またはλ−Zapシステム)中にクローニングすること)に使用することも可能である。
所望のヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントを選択した後、当業者に公知の任意の技術(例えば、インビトロ合成、組換えDNA生産等)によってこれらが大量に生産され得ることが意図される。例えば、ヒト化抗体をコードする発現ベクターを構築する従来技術を用いて、ヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントを産生することができる。適切な宿主中で抗体を発現させるために適切な、適切な制御配列を当業者は容易に推定し得る。
次いで、従来技術により、発現ベクターを適切な宿主細胞に移入し、ヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントの発現用のトランスフェクションされた宿主細胞を作製する。次いで、このトランスフェクションされた宿主細胞を当業者に公知の任意の適切な技術により培養し、ヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントを作製する。
ある実施形態においては、宿主細胞を2つの発現ベクターと共に同時トランスフェクションしてもよく、ここで、第1のベクターは、重鎖由来のポリペプチドをコードしているオペロンを含み、第2のベクターは、軽鎖由来のポリペプチドをコードするオペロンを含む。これら2つのベクターは異なる選択マーカーを有していてもよいが、重鎖コード配列および軽鎖コード配列以外は、同一であることが好ましい。この手順により、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの等しい発現が提供される。あるいは、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの両者をコードしている単一ベクターを使用することも可能である。重鎖コード配列および軽鎖コード配列は、cDNAもしくはゲノムDNA、またはその両者を有していてもよい。
ある実施形態においては、ヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントの発現に使用する宿主細胞として、大腸菌のような細菌細胞または真核生物細胞のいずれも使用可能であるが、真核生物細胞の方がより好ましい。好ましくは、チャイニーズハムスター卵巣細胞、CLS細胞、293EBNAなどの哺乳動物細胞が使用され得る。発現ベクターの選択は宿主細胞の選択に依存し、選択された宿主細胞中での所望の発現および調節特性を有するように選択され得る。
一旦産生されると、ヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントは、クロスフローろ過、硫酸アンモニウム沈殿、アフィニティクロマトグラフィー、ゲル電気泳動などの、当該分野で標準的な手順により精製することができる。
本開示による抗体の作製にとって好ましい技術には、標的抗原またはその抗原性フラグメントにより免疫した動物から得た抗体ドメインのインビトロ単離技術、およびそのようなドメインを用いて構築された合成ライブラリーから抗体を選択する技術が含まれる。
RNAは、免疫したマウスの脾臓または骨髄細胞から、例えば、Tri試薬(Molecular research center,Cincinnati,Ohio,USA)を用いて入手され得る。代替方法は当該分野で公知であり、そしてまた用いられ得、このような方法の例としては、例えば、グアニジンチオシアネートで処理した後に塩化セシウム密度勾配遠心による単離(Chirgwin,J.M.ら、Biochemistry,18:5294−5299,1979)、およびバナジウム化合物などのリボヌクレアーゼ阻害剤の存在下にて界面活性剤で処理した後のフェノール処理(Berger,S.L.ら、Biochemistry,18:5143−5149,1979)が挙げられる。
RNAから一本鎖DNAを取得するために、そのRNAをテンプレートとして使用し、その3’末端のポリA鎖に相補的なオリゴ(dT)をプライマーとして使用して逆転写酵素で処理することにより、そのRNAに相補的な一本鎖DNA(cDNA)を合成し得る(Larrik,J.W.ら、Bio/Technology,7:934−938,1989)。さらに、1つ以上の抗体(例えば、IgG1定常領域)に特異的な配列に結合するオリゴヌクレオチドと一緒に遺伝子特異的プライマーを使用することもできる。cDNA合成キットは、当該分野で広く入手可能である。
元の種の抗体可変領域遺伝子の特異的増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの増幅技術を用いて、上記のcDNAから行うことができる。プライマー(例えば、Barbas IIIら(2001)Phage Display,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New YorkまたはJones,S.T.ら、Bio/Technology,9,88−89,1991に記載されているプライマー)を、元の種の抗体可変領域遺伝子の増幅に使用することができる。PCRは遺伝子特異的プライマーを用いても実施され得る。単一プライマーによる増幅(例えば、その開示全体が本明細書中に参考として援用される、2001年12月10日出願の米国出願第10/014,012号および2001年9月19日出願の同第60/323,455号に記載されているプロセス)も用いられ得る。可変領域遺伝子をファージもしくはファージミドまたは他の適切な選択システムにクローン化し、標的に対する選択用ライブラリーを提供し得る。ライブラリーの構築およびパンニングの技術は、当該分野で周知である。
ヒト定常ドメインγ(例えば、γ1、γ2、γ3またはγ4、好ましくはγ1またはγ4)に融合したヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントの重鎖可変ドメインをコードしている挿入物を含む組換え核酸は、当業者によって、本開示に従って構築することができる。ヒト定常ドメインκまたはλ(好ましくはκ)に融合したヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントの軽鎖をコードしている挿入物を含む同様の組換え核酸もまた、構築することができる。さらに、重鎖可変ドメインと軽鎖可変ドメインがスペーサ基を介して連結されている組換えポリペプチドをコードする組換え核酸を構築することも可能である。核酸は、宿主細胞中での抗体のプロセシングを促進するシグナル配列、ならびに/または抗体の精製を促進するペプチドおよび/もしくは切断部位および/もしくはペプチドスペーサーおよび/もしくはエフェクター分子をコードする核酸を含有してもよい。エフェクター分子をコードする核酸は、診断または治療適用において有用であり得る。したがって、毒素または酵素(特にプロドラッグの活性化を触媒することができる酵素)であるエフェクター分子が特に示され得る。そのようなエフェクター分子をコードしている核酸は、自然に存在する酵素もしくは毒素またはそれらの変異体の配列を有しており、当該分野で周知の方法によって調製することができる。
選択されたCDRは、例えば、適切なオリゴヌクレオチドを用いて、PCRによりヒト配列に変異を起こすことにより、選択されたフレームワークに組み込まれる。同時に、変異がフレームワークおよび/またはCDR配列に導入され得る。例えば、結合部位のコンホメーションに影響を与えることが知られているFRまたはCDR残基を変化させてもよい。露出していることが知られている残基を、好ましくは、公知のヒト配列またはコンセンサスヒト配列に一致するように変異させる。特に好ましい特性を有する抗体は、そのようなライブラリーから、例えば、上述した選択手順を用いて、選択してもよい。
ヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントを、ヒトモノクローナル抗体またはヒト化モノクローナル抗体などの他の抗体(またはそれらの一部分)と共にまたは他の抗体に結合させて使用してもよい。これらの他の抗体は、触媒抗体でもよく、および/または抗体が指向される疾患に特徴的な他のマーカー(エピトープ)に反応性であってもよく、あるいは標的種分子または細胞(例えば、レセプター、標的タンパク質、疾患細胞など)を補充するために選択された異なる特異性を有していてもよい。別々に投与される組成物、あるいは2つの薬剤が従来の化学的または分子生物学的方法により連結された単一の組成物として、抗体(またはその一部分)をそのような抗体(またはその一部分)と共に投与してもよい。さらに、(インビトロまたはインビボでの)検出可能なシグナルを産生する標識または治療特性を有する標識で抗体を標識することによって、ヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントの診断上および治療上の価値を上げることができる。いくつかの標識(例えば、放射性核種)は、検出可能なシグナルを生成し得、そして治療特性をも有し得る。放射性核種標識の例としては、125I、131I、14Cが挙げられる。他の検出可能な標識の例としては、蛍光顕微鏡検査に用いる緑色蛍光タンパク質、フルオレセイン、フィコビリンタンパク質またはテトラエチルローダミンなどの蛍光色素(chromosphere)、蛍光、吸光度、可視の着色もしくは凝集(これは、電子顕微鏡検査による実証用の高電子密度産物を産生する)による検出用の蛍光産物もしくは着色産物を産生する酵素;または直接もしくは間接の電子顕微鏡検査の可視化用のフェリチン、ペルオキシダーゼ、または金ビーズなどの高電子密度分子が挙げられる。
本明細書中のヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントは、典型的には、薬学的キャリアを含有する組成物中で患者に投与され得る。薬学的キャリアは、患者へのモノクローナル抗体の送達に適している任意の非毒性物質であれば良く、滅菌水、アルコール、脂質、ロウおよび不活性物質がキャリア中に含まれ得る。薬学的に受け入れられた補助剤(緩衝剤、分散剤)を薬学的組成物に組み込んでもよい。これらの組成物は完全ヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントを含有し得ることを理解すべきである。
ヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントの組成物は、種々の方法により患者に投与することができる。好ましくは、薬学的組成物は非経口的(例えば、皮下、筋肉、硬膜外、または静脈内)に投与され得る。したがって、非経口投与用組成物としては、受容可能なキャリア(好ましくは、水性キャリア)に溶解した、ヒト化抗体および/もしくは機能性抗体フラグメントの溶液、またはこれらのカクテルが挙げられ得る。水、緩衝化した水、0.4%生理食塩水、0.3%グリシンなどの多種多様な水性キャリアが使用可能である。これらの溶液は無菌であり、通常、粒状物質を含有しない。これらの組成物は、従来周知の滅菌技術により滅菌されてもよい。これらの組成物は、pH調整および緩衝剤、毒性調整剤などの、生理的状態に近づけるために必要な薬学的に受容可能な補助物質(例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなど)を含有してもよい。これらの処方物におけるヒト化抗体および/または機能性抗体フラグメントの濃度は、広い範囲で(例えば、約0.5重量%以下、通常は少なくとも約1重量%程度から15重量%または20重量%程度まで)変化し得、選択した特定の投与形態に従って、流体の体積、粘度等に第一に基づいて選択される。
非経口的に投与され得る組成物の実際の調製方法および被験体への投与に必要な調整は、当業者にとって公知または明白であり、例えば、本明細書中に参考として援用される、Remington’s Pharmaceutical Science,第17版,Mack Publishing Company,Easton,Pa(1985)により詳細に記載されている。
(ハイブリドーマ抗体遺伝子のクローニング)
ハイブリドーマ細胞3B4C−4(Hy−4と称することもある)を収集し、TRI試薬(Molecular Research Center,MRC)に加えた。試料を、総RNA単離についてのMRC使用説明書に従って処理した。次いで、RNAを、オリゴdTプライムcDNA作製用のBoehringer Manheim Biochemical Fist Strand cDNA キットとともに用いた。Taqポリメラーゼ(Perkin Elmer)を用いる100μlのPCR反応に1μlのcDNA反応を用いた。正方向プライマーを、3つまたは4つの混合物にプールし、次いで、κ鎖遺伝子または重鎖遺伝子のいずれかについての単一の逆方向プライマーとともに使用した。使用したマウスκ鎖PCRプライマーおよび重鎖PCRプライマーの一覧表については、図1Aおよび1Bを参照のこと。PCRプログラムは、94℃で30秒間;94℃で15秒、56℃で30秒、72℃で1.5分を30サイクル;72℃で10分行った後;4℃で保持であった。各プライマープールの組み合わせ中の10μlの試料を、2%アガロースゲル泳動に供して、反応が進んでいるかどうかを決定した。産物を生じたPCR反応物をプールし、エタノール沈殿させた(κ鎖産物と重鎖産物とは別々にプールした)。ゲル精製後、軽鎖産物を消化し、Sac I/Xba IによりpRL5中にクローニングし、続いて重鎖産物のXho I/Spe I挿入を行った。本質的に以前(Radarら,Proc.Natl.Acad.Sci,USA,(1998)95:8910−8915を参照)に記載された通りに、pRL5中のマウス軽鎖および重鎖についてTC−83抗原に対するファージディスプレイ選択を2回行い、適切な軽鎖および重鎖(ハイブリドーマ細胞中では、無関係な軽鎖が産生される)の同定を簡易化した。
それぞれのクローンを、TC83抗原への結合についてELISAにより試験した。200ngのTC−83抗原を0.1M NaHCO(pH8.6)コーティング緩衝液25μlに希釈し、2分の1の領域のCostar High Bindマイクロタイターウェルに添加した。4℃で一晩後、過剰の抗原を洗い流し、ウェルをBSAで1時間ブロッキングした。次いで、細菌上清を37℃で1時間加えた後、10×PBS/0.05%Tweenで洗浄した。抗HAタグ抗体12CA5を加え37℃で1時間インキュベートした。ウェルを上記と同様に洗浄した後、抗マウスIgG−アルカリホスファターゼ結合体を37℃で1時間加えた。ウェルを再び上記と同様に洗浄した後、水でリンスし、次いでSigma104基質を添加した。発色を、405でモニタリングした。陽性のクローン由来のミニプレップDNAを配列分析に使用した。クローン番号78をマウスHy−4抗体配列として選択した。図2を参照のこと。
(軽鎖のヒト化)
マウス軽鎖CDR3を、再配列したヒトκ軽鎖ライブラリーにグラフト化した。ヒト骨髄単核細胞としては、既にTRI試薬(Molecular Research Center,MRC)により処理されたものをPoietic Technologiesから入手した。上記と同様に、RNAを分離し、第一鎖cDNAを作製した。第一のPCR反応はヒトκ可変領域正方向プライマー(FR1特異的)およびFR3末端にアニーリングする逆方向プライマーを用いて設定した。逆方向プライマーは、Hy−4のCDR3配列の非アニーリングテイルを有していた。プライマー配列については、図3を参照のこと。産物は、Hy−4特異的CDR3の一部を含む、ヒト化軽鎖ライブラリーの前半部であった。ヒト化軽鎖ライブラリーの後半部を、ヒトκ定常領域逆方向プライマーと組み合わせて、(Hy−4のCDR3の非−アニーリングテイルを含む)FR4正方向プライマーを使って作製した。融合PCRを、これら2つの半分づつの軽鎖ライブラリーを用いて設定した。CDR3領域は重複部分を提供し、上記したようにRSC−F(5’GAG GAG GAG GAG GAG GAG GCG GGG CCC AGG CGG CCG AGC TC3’−配列番号1)およびCK1dXを用いる同じプロトコールを使用した。融合PCR産物をSac I/Xba Iにより消化し、既にHY−4キメラ重鎖(下記参照)を保有しているベクターpRL5に連結した。
キメラ重鎖を、図4に示したプライマーを使って産生した。マウス可変領域を、マウス正方向プライマー(MHyVH1)およびマウスFR4にアニーリングしてヒトCH1テイルを有するキメラ重鎖逆方向プライマーを使用してマウスFabクローン番号78のベクターDNAからPCRにより回収した。ヒトCH1ドメインを、図4に示した正方向プライマーおよび逆方向プライマーを用いてヒトFabクローンから誘導した。マウスVHドメインとヒトCH1ドメインを、上記と同様にMHy−VH1およびCG1z−sfiを用いてPCRにより融合させた。融合産物をゲル精製し、XhoI/SpeIにより消化し、pRL−5中にクローニングした。
次いで、ヒト化軽鎖ライブラリーを、TC−83抗原に対するファージディスプレイ選択に4回供した。電気穿孔法、ファージ増幅、およびパンニングを、本質的に以前(Radarら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,(1998)95:8910−8915を参照)に記載される通りに行った。
個々のクローンを、TC−83への結合についてELISAにより試験した後、4回目のパンニングを行った。3つのヒト化軽鎖クローン(Hy4−11、Hy4−14、およびHy4−43)を陽性と同定した。これらのクローンを配列決定した。図5を参照のこと。
(重鎖のヒト化)
マウス重鎖遺伝子を、VBaseデータベースを用いて最も近似するヒト生殖系列と比較した。重鎖の前方部(CDR3の前のアミノ酸)は、ヒト生殖系列可変遺伝子DP−3に最も近似していた。フレームワーク4領域(CDR3の後ろのアミノ酸)は、ヒト生殖系列J遺伝子JH3aに最も近似していた。
ヒト生殖系列アミノ酸を、以下の場合を除く全ての位置で使用した:(1)CDR3がマウスアミノ酸配列であった場合、(2)マウスまたはヒトのCDR1およびCDR2を選択した場合、または(3)選択したフレームワーク部位(バーニアゾーンまたはVH/VL界面)においてヒトアミノ酸配列とマウスアミノ酸配列とで相違があった場合。これらの場合には、2つのアミノ酸の間で選択される。これらの縮重部分を、図6において「dp」と示す。CDR3の前の最後の位置(バーニアゾーン位置であるアミノ酸番号94)はその唯一の例外であり、ここでは、ヒト配列はThrであり、マウス配列はArgであった。しかし、再配列されたヒト抗体配列ではArgが優勢であるので、Argを用いた。さらに、ヌクレオチド配列を細菌の好ましいコードを用いるために修正した。
ヒト化重鎖ライブラリーを、オリゴヌクレオチド連結アセンブリーを使用して構築し、V遺伝子の前半部と後半部(後半部はApaIクローニング部位を組み込むためにCH1領域のごく一部を有している)を別々に作製した。まず、Hy4−LL−1、Hy4−LL−5、Hy4−LL−9、およびHy4−LL−13以外の全てのオリゴヌクレオチドの5’末端をリン酸化した。オリゴ配列については図7を参照のこと。そこから、下記のオリゴヌクレオチドの組み合わせを作製した。
Figure 2005532825
これらのオリゴヌクレオチドの組み合わせを、1×連結緩衝液およびAmpligase Thermostable DNA Ligase(Epicentre Technologies;Madison,WI)を含有する反応混合物に別々に加えた。オリゴヌクレオチド連結反応物を、次のインキュベーション条件下でサーモサイクイングした:95℃で30秒間、60℃で30秒間、および65℃で15分間(1サイクル毎に1分間ずつ短縮)を15サイクル;95℃で30秒間、60℃で30秒間、および65℃で1分間を15サイクル;そして最後に、最後の1回の65℃で15分間のインキュベーション。オリゴヌクレオチド連結試料を1.5%のアガロースゲルでゲル精製した。次いで、これらのDNA試料を下記のPCRアセンブリー反応と組み合わせて4セットのヒト化Hy4重鎖挿入物を作製した。
Figure 2005532825
PCR反応混合物は、1×PCR緩衝液、dNTP、グリセロール、MgCl、およびAmplitaq Gold(Applied Biosystems;Foster City,CA)を含んでいた。このPCR混合物をまた、5’−gatccgctcgaggtgcagctggt−3’配列(配列番号104)を有するHy4−F正方向プライマーおよび5’−gaccgatgggcccttggtgga−3’配列(配列番号105)を有するHy4−R逆方向プライマーを使用した。このPCR反応物について、93℃で30秒間、60℃で30秒間、および72℃で30秒間を35サイクル、続いて72℃で7.0分間の最後のインキュベーションのサーモサイクリングを行った。PCR反応終了後、PCR試料を1.5%アガロースゲルで電気泳動し、Hy4−HC DNAのバンドをゲルから切り出し、電気溶出手順により精製した。
重鎖フラグメントを、上記の通りに同定された3つのHy−4ヒト化LCクローン(クローンHy4−11、Hy4−14、およびHy4−43)を含有するpRL5ベクターに、Xho I/Apa Iによりクローニングした。ファージディスプレイライブラリーを作製し、TC−83抗原に対してパンニングを行った。次いで、ELISAによるスクリーニングおよび配列分析の後、クローンHy4−26(Hy4−14の軽鎖を有する)を選択した。図8を参照のこと。
(ヒト化軽鎖Hy−4−14の更なる改変)
ヒト化Fabの親和性および機能をさらに向上させるために、マウスCDR1およびCDR2をヒト化軽鎖クローンHy−4−14に組み入れた。前もって選択したヒト化軽鎖の生殖系列分析の結果により、これらが全て、ヒト生殖系列DPK9(これは、元のマウス配列に最も近似しているヒト生殖系列である)由来であることが判明したので、これを行った。クローンHy−4−14は、生殖系列のアミノ酸配列に最も高い相同性を有しており、更なる改変のために選択した。
細菌の好ましいコドンを有するヒト生殖系列配列、マウスCDR1およびCDR2、ならびにバーニアゾーンおよびVH/VL界面におけるヒト生殖系列アミノ酸配列とマウスアミノ酸配列とで異なっている2つの縮重位置(Kabat番号4および43、図9を参照のこと)を組み込んだ、FR1からFR3の始めまでのDNAカセットを作製した(Aptagen,Inc.,Herndon,Virginiaによる)。この選り抜きの2つの部位により、合計4つのカセットが存在することになった。
このカセットを、Sac I/PpuM Iにより、Hy4−26軽鎖中にクローニングした。4つの異なるバージョンを、Hy4−26A、Hy4−26B、Hy4−26C、およびHy4−26Dと命名した(図9)。各FabのHisタグ精製調製物を、Ni−NTAスピンキット(QIAGEN,Valencia,California)を用いて作製した。Fabを、ELISAによりTC−83抗原への結合について試験した。
(Hy4−26Aの競合)
Hy4−26A Fabのエピトープ特異性を調べるために、競合ELISA実験において、Hy4−26A Fabを元のマウスHy4 Fabと比較した。この手順を、標準的ELISAアッセイ系において、Hy4−26A FabおよびmHy4 Fabの力価測定で開始した。この実験で使用したFabの濃度は、40ng/μlから0.0024ng/μlの範囲であり、最終濃度0.0024ng/μlになるまで8つのマイクロプレートウェルのストリップについて4倍減少した。また、用いた一次検出抗体は、12CA5(抗HAタグ)であり、一方、二次抗体は、抗マウスIgG Fc特異的アルカリフォスファターゼ結合体(Sigma;St.Louis,MI)を使用した。力価測定ELISAは、約2分の1時間での発色を可能にし、この時点で、これをELISAプレートリーダーにおいて測定した。
力価測定ELISA実験によるデータのグラフ解析により、最大結合の約80%が生じたHy4−26A FabおよびmHy4 Fabの濃度を選択した。これは、この値を競合ELISAで使用した各それぞれのFabの特定の濃度であった。この実験における特異的競合相手としてHA免疫タグを欠いた改変マウスHy4を使用した。Hy4−26A(およびHAタグ化マウスHy4)を、最初に決定した濃度で保持し、そしてHAタグを欠いたマウスHy4を漸増量で添加するように、この実験を設定した。競合物mHy4の実際の量を、0.0096ng/μlから開始し、最高濃度40ng/μlまで一連の7つのウェルにおいて4倍ずつ濃度を上げた。HAタグを保有するマウスHy4 Fabを、自己競合コントロールとして組み込み、そして最大シグナルレベルについてのチェックとして、競合マウスHy4(HAタグを欠くマウスHy4)を欠くウェルを用いた。競合ELISAを、力価滴定ELISAと同様の様式により検出および発色させた。
図10は、ヒト化抗体についての競合曲線が、マウスHy4自体の競合曲線と本質的に同じであることを示し、Hy4−26AがTC−83上の同じエピトープを認識していることを表している。
IgG発現ベクターへのFabの変換:完全IgGへの抗体クローンの変換のために、重鎖および軽鎖の両方またはそれらのフラグメントをコードしている領域を、細菌ベクターから哺乳動物ベクターへ別々にクローン化することが可能である。同一プラスミドに軽鎖カセットおよび重鎖カセットの両者をクローン化するために、単一ベクター系を使用することができる。あるいは、重鎖と軽鎖とを別々のプラスミドで作製する二重発現ベクターを使用することも可能である。適切な発現ベクターは、当業者によって容易に同定され得る。哺乳動物のシグナル配列は、最終ベクターに既に存在するか、または重鎖DNA挿入物および軽鎖DNA挿入物の5’末端に付加される必要がある。これは、適切な哺乳動物リーダー配列を含むシャトルベクターにこれらを最初に移入することによって達成され得る。制限酵素消化に続いて、軽鎖領域および重鎖領域またはそれらのフラグメントをイントロンが存在するかまたは存在しない、残りのIgG1についての定常領域が提供されている最終ベクターに導入する。イントロンが用いられるいくつかの場合、pRL5から軽鎖可変領域および重鎖可変領域をPCR増幅するためのプライマー設計は、哺乳動物細胞中での抗体の適切なスプライシングおよび産生を得るために、エキソンスプライスドナー部位を含める必要があるかもしれない。
いずれかのベクター発現系(単一プラスミドまたは二重プラスミド)を用いて、CMVプロモーター、SV40プロモーター、またはIgGプロモーターが挙げられるがこれらに限定されない、哺乳動物細胞中で作動するプロモーターによって、抗体の軽鎖および重鎖の産生が駆動され得る。更に、ベクターは、細菌増殖についての選択マーカー(例えば、アンピシリン耐性、クロラムフェニコール耐性、カナマイシン耐性、またはゼオシン耐性であるがこれらに限定されない)を含む。哺乳動物細胞における選択マーカー(例えば、DHFR耐性、GS耐性、gpt耐性、ネオマイシン耐性、またはハイグロマイシン耐性であるがこれらに限定されない)はまた、IgGベクターに存在してもよく、またはコトランスフェクションにより異なるプラスミドに提供されてもよい。
ヒト化Hy4−26A FabおよびHy4−26C Fabを、完全IgG1/κのそれぞれの発現が可能である単一ベクター発現系に別々にクローン化した。2工程のプロセス(概略を図11に示す)は、Xba IおよびXho Iを用いてFabクローンから重鎖の細菌性制御エレメント(リボソーム結合部位およびリーダーシグナル)を最初に除去することを包含した。(LCのポリAシグナル、HC発現をもたらすCMVプロモーター、およびHCリーダーシグナルを含有する)哺乳動物性の制御エレメントカセットをその箇所に結合させた。Xba IおよびNhe Iにより消化されたDNAは、一緒に連結可能ではあるが、その後はどちらの制限酵素によっても再切断することのできない、適合性のDNA突出部を有している。哺乳動物性の制御カセットの配列を図12に示す。得られたハイブリッドFabクローンは、LCの前に細菌性の制御エレメントを、Fd重鎖フラグメントの前に哺乳動物性の制御エレメントを有しており、したがって、これは発現目的ではなく、中間体構築物であった。次いで、ハイブリッドFabクローンをSfi IおよびAge Iにより消化し、CH1ドメインのもともとのAgeI部位までに(細菌性の制御エレメントを有していない)LC、ポリAシグナル、CMVプロモーター、HCリーダーシグナル、およびHCフラグメントを含有するカセットを遊離させた。このカセットを、LC発現用の別のCMVプロモーターおよびリーダーシグナル、ならびにIgG1定常ドメインの残りの部分を含むElm2 IgG pAPEX(その配列(配列番号103)を図15A〜図15Iに示す)に配置した。DNAを配列決定して、所望のHy4−26A−IgGプラスミドまたはHy4−26C−IgGプラスミドの構築を確認した。図13A、図13B、および図13Cを参照のこと。
PCR反応:約10.0ngのベクターDNAをテンプレートとし、1.0ng/μlの正方向プライマーおよび逆方向プライマー(MWG Biotech)、1.25UのTaqゴールド(Applied Biosystem)、1×PCR緩衝液(各PCRチューブ中の50μlの総容量において2.0mMのMgClおよび7.5%のグリセロールを含む)とともに使用した。PCR反応物を、93℃で30秒間、60℃で30秒間、および72℃で30秒間を30サイクル増幅した。プレインキュベーションは93℃で10分間であり、最後のインキュベーションは72℃で5分間であった。続いて行う制限酵素による消化およびクローニングに用いるに十分なPCR産物を産生するために、合わせて500μlの体積で、10連のPCR反応を実施した。次の工程であるクローニングプロセスに移る前に、QiagenPCR精製キットを用いて、この試料を「クリーンアップ(cleaned−up)」した。
制限酵素消化:組換えDNAのクローニングのために、総体積400μl中のDNA30μgを、適切な1×制限消化緩衝液(New England Biolabs)、1.0μg/mlのBSA、および少なくとも3倍過剰の所望の制限酵素を用いて消化した。インキュベーションを、その酵素についての特定の温度で約2〜3時間続けた。クローニングした試料の診断分析のため、1×制限酵素(RE)緩衝液、1.0μg/ml BSAおよび1.0μlの各制限酵素に、5.0μlのQiagenミニ−プレップ精製DNAを添加した。試料を約1〜2時間インキュベートし、そして1.5%アガロース/EtBrゲルにローディングし、DNAバンドを可視化した。
DNAフラグメントの単離および精製:400μlの制限酵素消化試料にローディング色素を添加し、1.5%アガロース/EtBrゲルの複数のウェルにローディングした。ゲルを、約2.0時間電気泳動し、所望のDNAバンドのを分離させた。ゲルフラグメントをゲルから切り出し、透析膜封入体に合わせて入れ、アガロースゲルボックスに戻した。アガロースゲル片からDNAフラグメントを「電気溶出」するために透析膜に電圧を印加した。アガロースゲル片の周囲の緩衝液を透析膜から取り除き、そしてスピンフィルターを通して試料からあらゆる外因性アガロースゲル片を除去した。最後に、DNAフラグメントを50%のイソプロパノールで沈殿させ、Picogreen DNA定量キット(Molecular Probes)を用いて定量した。
連結反応および細菌形質転換:連結反応を、DNAフラグメントの長さおよびDNA濃度を考慮して、挿入物:ベクターの割合をモル比3:1として設計した。連結反応物は、140ngのDNAベクター(約5.0kbのベクターについて)、1×T4 DNAリガーゼ緩衝液、2UのT4 DNA リガーゼ(Invitrogen)、およびDNA挿入物を含んでいた。連結反応物を混合後、これらを室温で少なくとも3時間インキュベートし、電気受容性TOP10F’大腸菌にエレクトロポレーションした。形質転換体は、選択寒天プレートにプレーティングし、37℃のインキュベーター中で一晩増殖させた。個々のコロニーを拾い、3.0mlのSB培地中で一晩成長させた。次の日、Qiagenミニ−プレップ キットを用いてプラスミドDNAを細菌ペレットから作製した。
DNA配列決定:クローニングプロセスの終点で組換えクローンが診断用アガロースゲルにおいて予想のDNAバンドパターンを示した場合には、このクローンを大規模細菌培養で増殖させ、Qiagen Hi−Speedマキシ−プレップ キットを用いてマキシ−プレップ プラスミドDNAを作製した。次いで、精製DNAをPicogreen試薬を用いて定量した。この後、DNAを、DNA配列解析および適切なクローニング結果の確認のために、適切なプライマー(MWG Biotech)と一緒にRetrogen(San Diego,CA)またはMWG Biotech(High Point,NC)のいずれかに送った。
Hy4−26A−IgGまたはHy4−26C−IgGを発現する安定な細胞系の作製:293 EBNA細胞に、Effectene試薬(Qiagen;Valencia,CA)を用いてIgG発現ベクターHy426A−IgGまたはHy426C−IgGをトランスフェクションした。トランスフェクション後3日目に、細胞を、約1×10個/ディッシュおよび約4×10個/ディッシュの2つの異なる細胞密度で、15cmのTCディッシュに分け、5.0mg/mlまたは20.0mg/mlの2つの異なるピューロマイシン濃度に供した。その時点から、1週間に2回、新鮮培地ならびに適量のピューロマイシンおよびG418を細胞に供給した。15cmのTCディッシュにプレーティングして2週間後に、これらを、適切な大きさで、かつクローン集団を確実にするために少なくとも1.0cm以上離れている細胞コロニーの存在について調べた。コロニーを共焦点顕微鏡下にてP200ピペッターを用いて拾い、24ウェルプレートにさらなる新鮮培地と共に入れた。20.0μg/mlのピューロマイシンにて選択されたコロニーを、10.0μg/mlまで希釈した。ウェルがコンフルエントになってきたら、安定細胞クローンを12ウェルプレートに移し、さらにT50フラスコに移し、最終的にT175フラスコに移した。一旦、T175フラスコ中の細胞がコンフルエントになってきたら、5つの凍結バイアル(95%FBSおよび10%DMSOの1ml中に1×10細胞)中で凍結した。
安定細胞クローンのELISAスクリーニング:Hy426A−IgGおよびHy426C安定細胞系の候補(各々10クローンまで)についてIgGの機能的発現についてスクリーニングした。各安定細胞系について1バイアルを解凍し、別々のT75フラスコに移し、細胞を一晩付着させた。次の朝、培地を低IgG FBS(Hyclone;Logan,UT)で作製した新鮮培地に交換した。細胞を更に2日間増殖させ、この時点でこれらは大部分がコンフルエントであった。次いで、馴化組織培養培地のアリコートを各安定細胞クローンから得た。この培地を、TC83特異抗原およびBSAバックグラウンドコントロールで一晩コーティングしたプレートについてELISAアッセイにおいて調べた。ELISAプレート中での組織培養培地のインキュベーション後、ヒトLCに特異的なAP結合体抗体(Peirce;Rockford,IL)を用いて、結合したIgGを検出し、そしてアルカリフォスファターゼ基質(Sigma;St.Louis,MO)を用いて発色させた。得られたデータをグラフにした(図14)。SDS−PAGEゲルを行い、続いてウェスタンブロット分析を行って、予想された大きさの抗体軽鎖および抗体重鎖の発現を確認した。安定細胞クローンHy426A−7、Hy426A−2、Hy426C−2、およびHy426C−6は、それぞれのIgGの大規模発現の最良の候補と考えられた。
Hy4−26A−IgGおよびHy4−26C−IgGの発現と精製:ELISA発現分析による選択された安定細胞クローンを、適量のピューロマイシン選択および500μg/ml G418を用いてT75フラスコからT175フラスコに直ちに移した。このフラスコを、完全にコンフルエントになるまで2日間増殖させ、次いで選択培地を用いて1:9で継代した。約4日後、これらの9つのフラスコのそれぞれを再度、1:9に分け、合計81個のフラスコを得た。これらのフラスコ中の細胞がおおよそ90%コンフルエンシーに到達した時点で、培地を、選択試薬を含まない新たな低IgG FBS培地に交換した。2日間のタンパク質発現の後、これらのフラスコを、20%のグルコースおよび0.5MのHEPESからなる20×「TC Sugar Rush」試薬(HarlowおよびLane,1988)でスパイクした。次いで、細胞を更に3日間インキュベートした後、細胞上清を採取した。これらの81個のフラスコから採取した組織培養(TC)培地の量は、馴化TC培地の合計でほぼ2.0リットルであった。この培地を、遠心分離期中で5000rpmで最初に遠心分離して、培地からあらゆる細胞破片をペレット化した。この後、Pelicon濃縮デバイス(Millipore;Billerica,MA)を用いて培地を16倍濃縮して約125mlとし、最後にFPLC精製用に0.2μmフィルターを通してこれを調製した。濃縮した培地上清を抗ヒトFabカラムを用いて精製した。0.2Mのグリシン(pH=2.2)によりIgGをカラムから溶出し、1.5mlのフラクションとして採取し、2.0MのTris−Cl(pH=9.0)溶液で中和した。各FPLCフラクションを、クマシー染色したタンパク質ゲルにおいて別々に分析した。大量のIgGを含有するフラクションを集め、Centriprep YM30(Millipore;Billerica,MA)を用いて回転透析した。最後の遠心分離は、IgG含有試料を、より取り扱いが容易な、2〜3mlの体積とする濃縮工程からなっていた。IgG試料を別々の0.5mlフラクションに等分する前に、IgG試料を、IgG標準と共にBioRadタンパク質定量キット(Hercules,CA)を用いて定量した。さらに、精製抗体を、抗体濃度が5.0μg/mlから0.005μg/mlの範囲であるTC83力価測定ELISAアッセイにおいて、比活性についてチェックした。精製抗体調製物は、概して、0.05μg/mlまで良好なELISAシグナルを示した。精製IgGアリコートを、さらなる使用まで、−20℃で凍結した。
上記の説明は本発明の好ましい実施形態および実施例を示す。本明細書中には具体的に記載されないが、添付され得る特許請求の範囲の精神および範囲に依然として含まれる、実施形態および実施例の改変物が、当業者によって想定されることは理解されるべきである。
図1Aおよび1Bは、ハイブリドーマ抗体遺伝子をクローニングする際に使用されるマウスκ鎖PCRプライマーおよびマウス重鎖PCRプライマーの一覧表を示す。 図1Aおよび1Bは、ハイブリドーマ抗体遺伝子をクローニングする際に使用されるマウスκ鎖PCRプライマーおよびマウス重鎖PCRプライマーの一覧表を示す。 図2は、3B4C−4ハイブリドーマ配列を示す。 図3は、マウス軽鎖CDR3を再配列ヒトκ軽鎖のライブラリーにグラフト化する際に使用されるプライマー配列を示す。 図4は、キメラ重鎖を産生する際に使用されるプライマーを示す。 図5は、TC−83に結合する3種のヒト化軽鎖クローンの配列を示す。 図6は、重鎖のヒト化のストラテジーを示す。 図7は、ヒト化重鎖ライブラリーの構築に使用されるオリゴ配列を示す。 図8AおよびBは、ヒト化クローンHy4−26の配列を示す。 図8AおよびBは、ヒト化クローンHy4−26の配列を示す。 図9Aは、ヒト化重鎖の配列を示す。 図9B〜図9Eは異なる4種のヒト化軽鎖の配列を示す。 図9B〜図9Eは異なる4種のヒト化軽鎖の配列を示す。 図9B〜図9Eは異なる4種のヒト化軽鎖の配列を示す。 図10は、ヒト化抗体の競合曲線およびマウスHy4自体の競合曲線を示す。 図11は、それぞれ完全なIgG1/κの発現を可能にした単一ベクター発現系にヒト化Hy4−26A FabおよびHy4−26C Fabをクローニングするために用いられる2段階のプロセスを概略的に示している。 図12は、重鎖の細菌制御エレメント(リボソーム結合部位およびリーダーシグナル)をFabクローンから取り除いた際に形成された位置に連結された哺乳動物制御カセットの配列を示す。 図13Aは、プラスミドHy4−26AおよびHy4−26Cの完全IgGヒト化重鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示す。 図13Bは、プラスミドHy4−26Aの完全IgGヒト化軽鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示す。 図13Cは、プラスミドHy4−26Cの完全IgGヒト化軽鎖の核酸配列およびアミノ酸配列を示す。 図14は、IgGの機能的発現に関しての、Hy426A−IgGおよびHy426C安定細胞株候補のELISAスクリーニングの結果を示す。 図15A〜図15Iは、Elm2 IgG pAPEXベクターの核酸配列を示す。 図15A〜図15Iは、Elm2 IgG pAPEXベクターの核酸配列を示す。 図15A〜図15Iは、Elm2 IgG pAPEXベクターの核酸配列を示す。 図15A〜図15Iは、Elm2 IgG pAPEXベクターの核酸配列を示す。 図15A〜図15Iは、Elm2 IgG pAPEXベクターの核酸配列を示す。 図15A〜図15Iは、Elm2 IgG pAPEXベクターの核酸配列を示す。 図15A〜図15Iは、Elm2 IgG pAPEXベクターの核酸配列を示す。 図15A〜図15Iは、Elm2 IgG pAPEXベクターの核酸配列を示す。 図15A〜図15Iは、Elm2 IgG pAPEXベクターの核酸配列を示す。

Claims (51)

  1. ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合するヒト化抗体であって、該ヒト化抗体は、非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域およびヒト抗体由来の少なくとも1つのフレームワーク領域を含む、ヒト化抗体。
  2. ベネズエラウマ脳炎ウイルスの主要糖タンパク質E2のE2エピトープに結合する、請求項1に記載のヒト化抗体。
  3. マウス抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域を含む、請求項1に記載のヒト化抗体。
  4. マウス抗体由来のCDR3を含む、請求項1に記載のヒト化抗体。
  5. ハイブリドーマ細胞3B4C−4によって産生されるマウス抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域を含む、請求項1に記載のヒト化抗体。
  6. ハイブリドーマ細胞3B4C−4によって産生されるマウス抗体由来のCDR3を含む、請求項1に記載のヒト化抗体。
  7. ベネズエラウマ脳炎ウイルスに結合するかまたはベネズエラウマ脳炎ウイルス感染に関与する抗体の複数配列に由来するコンセンサス配列である少なくとも1つの相補性決定領域を含む、請求項1に記載のヒト化抗体。
  8. 前記少なくとも1つの相補性決定領域が由来する非ヒト抗体に対して少なくとも50%の相同性を有するヒト抗体由来の少なくとも1つのフレームワーク領域を含む、請求項1に記載のヒト化抗体。
  9. ヒト生殖系列抗体由来の少なくとも1つのフレームワーク領域を含む、請求項1に記載のヒト化抗体。
  10. ヒト生殖系列抗体由来の第一のフレームワーク領域とヒト再配列抗体由来の第二のフレームワーク領域とを含む、請求項1に記載のヒト化抗体。
  11. ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合する抗体フラグメントであって、該抗体フラグメントは、非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域とヒト抗体由来の少なくとも1つのフレームワーク領域とを含む、抗体フラグメント。
  12. ベネズエラウマ脳炎ウイルスの主要糖タンパク質E2のE2エピトープに結合する、請求項11に記載の抗体フラグメント。
  13. マウス抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域を含む、請求項1に記載の抗体フラグメント。
  14. マウス抗体由来のCDR3を含む、請求項11に記載の抗体フラグメント。
  15. ハイブリドーマ細胞3B4C−4によって産生されるマウス抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域を含む、請求項11に記載の抗体フラグメント。
  16. ハイブリドーマ細胞3B4C−4によって産生されるマウス抗体由来のCDR3を含む、請求項11に記載の抗体フラグメント。
  17. ベネズエラウマ脳炎ウイルスに結合するかまたはベネズエラウマ脳炎ウイルス感染に関与する抗体の複数配列に由来するコンセンサス配列である少なくとも1つの相補性決定領域を有する、請求項11に記載の抗体フラグメント。
  18. 前記少なくとも1つの相補性決定領域が由来する非ヒト抗体に対して少なくとも50%の相同性を有するヒト抗体由来の少なくとも1つのフレームワーク領域を含む、請求項11に記載の抗体フラグメント。
  19. ヒト生殖系列抗体由来の少なくとも1つのフレームワーク領域を含む、請求項11に記載の抗体フラグメント。
  20. ヒト生殖系列抗体由来の第一のフレームワーク領域とヒト再配列抗体由来の第二のフレームワーク領域とを有する、請求項11に記載の抗体フラグメント。
  21. ベネズエラウマ脳炎ウイルスの主要糖タンパク質E2のE2エピトープに結合するヒト化抗体であって、該ヒト化抗体が、ハイブリドーマ細胞3B4C−4によって産生されるマウス抗体由来のCDR3とヒト抗体由来の少なくとも1つのフレームワーク領域とを含む、ヒト化抗体。
  22. ベネズエラウマ脳炎ウイルスの主要糖タンパク質E2のE2エピトープに結合する抗体フラグメントであって、該ヒト化抗体が、ハイブリドーマ細胞3B4C−4によって産生されるマウス抗体由来のCDR3とヒト抗体由来の少なくとも1つのフレームワーク領域とを含む、抗体フラグメント。
  23. 配列番号98の重鎖配列を含む、抗体。
  24. 配列番号100の軽鎖配列を含む、抗体。
  25. 配列番号102の軽鎖配列を含む、抗体。
  26. 請求項1から請求項24のいずれかに記載の抗体または抗体フラグメントをコードする、核酸。
  27. 請求項1から請求項24のいずれかに記載の抗体または抗体フラグメントをコードする核酸を含む、発現ベクター。
  28. 請求項1から請求項24のいずれかに記載の抗体または抗体フラグメントをコードする核酸を含む発現ベクターによりトランスフェクションされた、宿主細胞。
  29. 請求項1から請求項24のいずれかに記載の抗体または抗体フラグメントと薬学的に受容可能なキャリアとを含む、薬学的組成物。
  30. 請求項1から請求項24のいずれかに記載の抗体または抗体フラグメントを被験体に投与する工程を包含する、方法。
  31. 方法であって、
    ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合する、非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域を選択する工程;および
    前記少なくとも1つの非ヒト相補性決定領域をヒト抗体由来の少なくとも1つのフレームワーク領域に結合させてヒト化抗体を提供する工程、
    を包含する、方法。
  32. ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合する、前記非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域が、ベネズエラウマ脳炎ウイルスの主要糖タンパク質E2のE2エピトープに結合する、請求項30に記載の方法。
  33. ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合する、前記非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域が、マウス抗体由来である、請求項30に記載の方法。
  34. ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合する、前記非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域が、マウス抗体由来のCDR3である、請求項30に記載の方法。
  35. ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合する、前記非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域が、ハイブリドーマ細胞3B4C−4によって産生されるマウス抗体由来である、請求項30に記載の方法。
  36. ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合する、前記非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域が、ハイブリドーマ細胞3B4C−4によって産生されるマウス抗体由来のCDR3である、請求項30に記載の方法。
  37. 前記少なくとも1つのフレームワーク領域が、前記少なくとも1つの相補性決定領域が由来する非ヒト抗体に対して少なくとも50%の相同性を有するヒト抗体由来である、請求項30に記載の方法。
  38. 前記少なくとも1つのフレームワーク領域がヒト生殖系列抗体由来である、請求項30に記載の方法。
  39. 方法であって、
    ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合する非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域をコードする核酸を同定する工程;および
    少なくとも1つの非ヒト相補性決定領域をコードする該核酸を、ヒト抗体由来の少なくとも1つのフレームワーク領域をコードする核酸に連結させる工程、
    を包含する、方法。
  40. ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合する非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域をコードする前記核酸が、ベネズエラウマ脳炎ウイルスの主要糖タンパク質E2のE2エピトープに結合する非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域をコードする核酸である、請求項38に記載の方法。
  41. ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合する非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域をコードする前記核酸が、マウス供給源由来である、請求項38に記載の方法。
  42. ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合する非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域をコードする前記核酸が、マウス抗体由来のCDR3をコードする、請求項38に記載の方法。
  43. ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合する非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域をコードする前記核酸が、ハイブリドーマ細胞3B4C−4によって産生されるマウス抗体由来の相補性決定領域をコードする、請求項38に記載の方法。
  44. ベネズエラウマ脳炎ウイルスのエンベロープ糖タンパク質上のエピトープに結合する非ヒト抗体由来の少なくとも1つの相補性決定領域をコードする前記核酸が、ハイブリドーマ細胞3B4C−4によって産生されるマウス抗体由来のCDR3をコードする、請求項38に記載の方法。
  45. 少なくとも1つのフレームワーク領域をコードする前記核酸が、前記少なくとも1つの相補性決定領域が由来する非ヒト抗体に対して少なくとも50%の相同性を有するヒト抗体をコードする、請求項38に記載の方法。
  46. 少なくとも1つのフレームワーク領域をコードする前記核酸が、ヒト生殖系列抗体由来の少なくとも1つのフレームワーク領域をコードする、請求項38に記載の方法。
  47. 前記連結された核酸が、ヒト化抗体フラグメントをコードする、請求項38に記載の方法。
  48. 前記連結された核酸が、ヒト化完全抗体をコードする、請求項38に記載の方法。
  49. 前記連結された核酸を発現ベクターに連結する工程をさらに包含する、請求項38に記載の方法。
  50. 宿主細胞を前記発現ベクターでトランスフェクションする工程をさらに包含する、請求項48に記載の方法。
  51. 請求項1から請求項24のいずれかに記載の抗体または抗体フラグメントを発現する、細胞株。
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