JP2005532407A - 若白髪に関与する染色体3、5、11の遺伝子 - Google Patents
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Abstract
Description
その遺伝学的な観点からの白髪の探求は色素脱失の深いメカニズムに灯りをともす。これは、白髪に関与する遺伝子を同定することを意味する。この同定はヘアケアの分野で、化粧品、治療又は診断の双方に対しての広い応用範囲への扉を開く。
遺伝子連鎖分析による白髪の原因となるゲノム領域を調べることは全く新規である;過去の研究では白髪の生化学を解読する試みをしている。
逆遺伝学的方法を実施する際の第二の障害は表現型の正確な定義に関する。研究下の表現型の完全な定義があることは極めて重要である。この種の遺伝子同定の成功の絶好の機会を確保するために、表現型の起因に対する厳格なプロトコルを使用して家族を選択して、本発明で使用される試料の選択と組成化を行った。25歳前で幾分か白髪があり、30歳で頭髪の半分がグレイの個体だけが「若白髪」の表現型に起因していた。
治療及び化粧品の分野では、本発明は、本発明の染色体領域に含まれている遺伝子から取り出されるポリヌクレオチドの使用、その遺伝子に備わる機能を改変可能な薬剤の使用、上記発現産物の使用及び上記発現産物の機能を改変可能な薬剤の使用に逐一関する。先の生成物の少なくとも二種の併用又は組み合わせ使用が、特に治療分野において賢明である。
本発明はまた本発明の染色体領域に含まれる遺伝子の対立遺伝子変動に基づく若白髪を診断するための方法に関する。診断に関しては、本発明の染色体ゾーンの異なった遺伝子から取り出した情報を組み合わせることが特に適切でありうる。
本発明において使用される用語は次の意味を持つ。
「ポリヌクレオチド断片」という用語は少なくとも2つのヌクレオチドの線形鎖状体形成から生じる任意の分子を意味し、該分子はモノ鎖状体(monocatenary)、ジ鎖状体(bicatenary)又はトリ鎖状体(tricatenary)でありうる。よって、それは二本鎖DNA分子、一本鎖DNA分子、RNA分子、一本鎖DNA-RNA二重鎖又は任意の他の組み合わせでありうる。ポリヌクレオチド断片は天然の単離体、組換え体又は合成分子でありうる。ポリヌクレオチド断片は相補鎖を含む場合、相補性は必ずしも完全ではないが、異なった鎖間の親和性は、二本鎖間にワトソン-クリック型の安定結合を樹立するのに十分である。
分子の配列Sは、Sの塩基の鎖状体形成が次の方法:
1− 同一性による、又は
2− チミンの一部又は全てをウラシルに変える他は、同一性による、又は
3− 相補性による、又は
4− チミンの一部又は全てをウラシルに変える他は、相補性による
方法の一つを用いて与えられたDNA分子のものから推定できるならば、与えられたDNA分子の配列に「対応する」と考えられる。
この定義は、2分子が、特にその骨格に関して同じ性質を持っているとは仮定していない。それはその配列の対応にのみ関係している。
例を挙げると、2つの同一のDNA配列は互いに「対応する」。同様に、その2つの配列が実質的に同一ならば、つまり90%を越えて同一ならば、それらは対応する。任意のDNA分子の翻訳から得られるRNA配列はそのDNA分子の配列に「対応する」。同様に、例えばDNA-RNAハイブリッドのような合成配列はDNA配列に対応しうる。同じことが、DNA配列とその配列を標的として持つアンチセンスRNA配列の間でも言える。
DNA断片の「発現産物」という用語は、該断片が保有する遺伝子情報を翻訳するあらゆる分子を包含する。全成熟段階でのDNA断片の転写に対応するRNAはよって発現産物であり、これはRNAの翻訳から生じる成熟の全段階のポリペプチドの場合も同じである。アドレスシグナルの切断のようなポリペプチド内に切断が生じる場合、生じるポリペプチドの全てがまた最初のDNA断片の発現産物であると考えられる。
他の機能がDNA断片について考えうる。特に、遺伝子中のその単純な存在は組換えを容易にし得る。同様に、本発明に係る一機能は短鎖重合体の機能であり縮重の重要性でありうる。上記DNA機能に起因する他の特定の機能は生物学者にはよく知られている。
一般的なマーカーの2つの主な分類が特定できる。すなわちマイクロサテライトマーカーとSNP(一塩基多型)である。
マイクロサテライトは比較的簡単なモチーフ、通常はジ、トリ又はテトラヌクレオチドによって構成された反復DNA配列である。反復数は個体に応じて与えられたモチーフによって変化し、数ユニット(ジヌクレオチドに対して最小12)から百を超えるまで変わり得る。その配列は殆ど無作為な形でゲノム全体に分散しているが、個体毎に同一の位置に分散している。それらは非常に豊富であり(10000ヌクレオチド毎に約一つ=10kb)、非常に多形性である。タンデム反復の長さ変動がマーカーを構成する。上記マイクロサテライト配列はよって遺伝子マーカーとして広く使用されている。
染色体における特定のDNA配列の局在化を定める種々の方法が存在する。測定の物理的単位は塩基対の数である。しかし、センチモルガンがしばしば使用され、組換えであり、よって物理的測定値よりむしろ遺伝的測定値である。同じ染色体の2つの特定の配列は、減数分裂の間に百回に一度再結合すれば一センチモルガン分離している。センチモルガンはおよそ106塩基対に等価である。
染色体領域の2マーカー間という用語はその2マーカー間の全配列で限界のものも含むものを意味し、よってマーカー配列が含まれる。
表現型とマーカーの同時伝達は表現型の起因の遺伝子とマーカーは染色体上で互いに物理的に近いことを示唆している。連鎖は、それを持つ家族の遺伝子とマーカーの伝達モデルを分析することにより決定される。
連鎖解析の結果はマーカーと疾患の遺伝子座の間の連鎖度合いに明確に依存している。5センチモルガン(5cM)は診断のための最小の連鎖であると考えられる。5cM連鎖とは、正しい結論に到達するのに95%の機会があり、マーカーと疾患の遺伝子座の間に生じる組換えに20中1だけの機会があることを意味する。
本発明者等は若白髪に関与する染色体3、5及び11に属する3種の区別される染色体領域を同定した。これらの3領域はそれぞれ本発明の染色体領域又はゾーンである。より詳細には、本発明者等は本発明の遺伝子と称されるこれらの染色体領域に属するある種の遺伝子の意味を決定した。
本発明によって考えうるものに従えば、白髪又は若白髪に関与し、上述の要件を満たす配列を持つ断片は治療に使用することができる。
本発明の好適な変形例では、その長さが30から5000ヌクレオチドの範囲、好ましくは50から3000ヌクレオチドの範囲、例えば100から2000ヌクレオチドの範囲、又は200から1000ヌクレオチドの範囲の断片が参照される。
本発明者等が特定した遺伝子について、本発明は先ず化粧品分野での用途に関する。「化粧品」という用語は美的観点のみを改変し治療的性質を持たない用途を意味する。
化粧品分野における本発明の用途の全てに関し、本発明の生成物は、単独で又は他の薬剤と組み合わせてさまざまな適切な形態に包装できる。特に、好適な形態は局所的用途の意図しており、クリーム、ローション、ゲル、エマルション、ポマード及びシャンプーの形態である。他の形態、特に経口投与の丸薬もまた本発明の用途に対して考えられる。
特に、本発明は白髪の進行を防ぎ、及び/又は制限し、及び/又は抑止するために本発明の少なくとも一の生成物を使用することを目的とする。
本発明はまた頭及び/又は身体のグレイの毛髪の自然の色素沈着を促進するための本発明の少なくとも一の生成物の使用を包含する。
本発明はまた、本発明の少なくとも一の生成物を含有する組成物を処置すべき領域に適用することを特徴とする頭及び/又は身体のグレイの髪又は白髪の自然の色素沈着を促進する美容処理方法に関する。
処置される領域の非限定的な例は頭皮、眉、口髭及び/又は顎鬚である。
白髪に抗し及び/又はグレイ又は白髪の頭髪及び/又は体毛の自然な色素形成を刺激する処置方法は、例えば組成物を夜に毛髪及び頭皮に適用し、組成物を一晩接触させたままにした後、場合によっては朝に洗髪するか上記組成物で毛髪を洗浄し、洗い流す前に数分間接触させたままにすることからなる。本発明の組成物は、洗い流すことができるヘアーローションの形態、又はシャンプーの形態とさえして適用される場合が特に好適であることが分かった。
皮膚のものであろうと皮膚付属器のものであろうと、色素形成系に影響を及ぼす疾患は、患者の健康に深刻な結果をもたらす場合がある。皮膚の色素沈着は光の攻撃に対する障壁として作用し、特に白皮症に罹っているヒトは、彼らに大きな危険となっている日光に対しての保護がなくなってしまっている。色素沈着に関与する他の疾患もまた本発明に包含される。
色素沈着の特徴を改変しうる治療的及び美容的用途の場合、我々は好ましくは皮膚の色素沈着を意味する。本発明によって認識される他の場合では、改変される色素沈着のタイプは皮膚付属器、特に爪又は体毛の色素沈着に関する。
あらゆる治療的用途に対して、医薬組成物中の活性な生成物は好ましくは製薬的に許容可能な賦形剤を伴っている。許容できると考えられる任意の投与経路が本発明の場合には使用することができ、特に皮内、静脈内、筋肉内、経口、経耳、経鼻又は眼内である。製剤は好ましくは選択された投与経路に適合化される。
治療用途の場合に使用される様々な生成物を組み合わせ、単一の医薬の組成の一部とすることができ、あるいは様々な医薬の製造に使用することができる。特に、それらが別個の医薬の組成の一部を構成する場合、それらは異なった頻度で投与されうる。
本発明の用途に使用される生成物の好適な特徴及びバリエーションは美容術(化粧品学)での使用の場合と医薬の製造における同生成物の使用の場合とで同一でありうる。
双方の場合、本発明の生成物の使用には、その生成物を体液中、体組織中又は細胞中に導入することが必要である。細胞中への導入では、生成物が細胞の細胞質又は細胞の核中で活性であることが必要である。
このポリヌクレオチド断片の化学的性質に関していうと、一本鎖又は二本鎖、環状又は直鎖状DNA分子、RNA分子、又は上述のポリヌクレオチド断片の定義から考えられる任意の他の分子でありうる。
その環境に関していうと、上記断片はプラスミド、ウイルスゲノム又はベクターの他のタイプであり又はその一部を形成しうる。他の場合には、それは細胞のゲノムの一部を形成しうるか、又はそのゲノム中にその断片を含むように遺伝子改変された細胞の一部を形成しうる。それはまた単離された分子でもありうる。
ここに記載のポリヌクレオチド断片はその天然形態であるか、又は合成的性質のものであり得、あるいはそれが特に、異なった由来の二本鎖から構成された「二重鎖」分子である場合、一部が一方で、一部が他方でありうる。本発明によって考えられる種々の場合で、ポリヌクレオチド断片は単離することができる;それは精製工程にかけられることもある。それはまた組換え断片、例えば他の生物中で合成されたものでありうる。好適な例では、それは、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)で増幅された後、精製されたDNA断片である。
本発明のこの第一の用途の場合に用いられるポリヌクレオチド断片はハイブリダイゼーション試験、シークエンシング試験、ミクロシークエンシング試験又は誤対合検出試験において使用することができる。
更なる特定の場合には、断片は上述の遺伝子の一つのcDNA又はRNAでありうる。それは遺伝子の一つの一又は複数のエキソンに対応し、染色体3、5及び11上の特定された遺伝子の一つの調節配列に対応しうる。
上記第一の用途の場合、上述のポリヌクレオチド断片の数は限定されるものではなく、必ずしも単一の断片には制限されない。
本発明のこの第一の用途は好ましくは化粧品の分野である。
上記用途により色素形成分野での治療的作用を奏する医薬の製造がまた可能になる。
特定の場合では、記載した第一の用途は、記載されたヌクレオチド断片によって誘導されるか否かを問わず、遺伝子改変を含む。
色素形成の原因となっている遺伝子が、突然変異した場合のように欠陥を持つ場合、本発明の上記第一の用途は、欠陥のある内因性(endogenic)遺伝子の新しい野生型コピーを表すポリヌクレオチド断片を導入することによってその遺伝子の機能を回復させることができる。
遺伝子活性化が色素脱失の原因である場合、本発明の上記第一の用途は、遺伝子の翻訳を阻止するアンチセンスRNAを導入することによって遺伝子の機能を破壊しうる。
本発明の上記薬剤は、その配列の一部が本発明者等が特定した遺伝子の一つに対応する外因性DNA断片の機能を調節し得、又は本発明によって特定された遺伝子の一つに含まれる内因性配列の機能を調節し得る。好ましくは、本発明に係るこの第二用途において作用する薬剤は記載の外因性DNA断片の機能を調節するばかりでなく、対応する内因性DNA断片のものもまた調節する。
「DNA断片の機能」の意味に関する定義セクションにおける上記の説明は本発明の第二の用途に対応する用途の全てを考慮する際に適用可能である。
DNA断片が調節配列の一部である場合、その機能の調節はエンハンサー又はインヒビターの結合を阻害することからなりうる。これに対して、それは結合を促進し又は他の転写因子の結合を促進することからなりうる。これはまたRNAポリメラーゼによって用いられる配列の場合である。
しかしながら、この第二用途の場合、使用される種々の薬剤は、本発明の同じ染色体領域に配列が属するか、又はそれに少なくとも部分的に対応するDNA断片の機能を全て調節するという点で共通点がある。本発明の第一の側面では、上記領域は本発明者等によって同定されたヒト染色体3上のものである。本発明の第二及び第三の側面では、問題の染色体領域はそれぞれ染色体5及び11上に本発明者等が同定したものである。様々な薬剤は、本発明の領域の一つにおける同じ遺伝子又は同じ領域の異なった遺伝子を調節しうる。
本発明の薬剤の例は、本発明の遺伝子の一つの定まった小領域に結合して三重螺旋体を形成可能な一本鎖DNA分子である。上記条件下で、本発明の薬剤はそれらがハイブリダイズする小領域の機能を破壊する。
本発明の薬剤の第一の範疇は、DNAに沿って正確な領域と相互作用してそのコンフォメーションを変化させることができる分子に関する。更なる範疇は、インヒビター又はエンハンサーと相互作用してその機能を改変する分子に関し、インヒビター又はエンハンサーは本発明において同定された遺伝子の一つに属するDNA断片の発現を改変する初期機能を有している。
本発明の上記第二用途に従って使用される薬剤は、上述の遺伝子の一つの18の連続塩基に対応するDNA断片の機能を特に調節することができる。
特定の場合、この第二用途は記載されたDNA断片の機能を調節する薬剤によって誘導されるか否かを問わず、遺伝子改変を含む。
遺伝子活性化が色素脱失の原因である場合、本発明の上記第二用途は、例えばそのプロモーター領域に結合することによって上記遺伝子の翻訳を阻止する薬剤を導入することによって上記遺伝子の機能を破壊することができる。
遺伝子の不活性化が色素脱失の原因である場合、本発明の上記第二用途は、例えばそのプロモーター領域に結合することによって、又はその遺伝子の不活性化を停止するインヒビターに結合することによって、遺伝子転写を活性化する薬剤を導入することによって上記遺伝子の機能を回復することができる。
特に、本発明のかかる薬剤は、染色体3上の本発明の5つの遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応するDNA断片から転写物の機能を調節する。他の場合では、本発明の薬剤は述べられた転写物の一つの翻訳から誘導されるポリペプチドの機能を調節する。あるいは、その発現産物の機能が調節されるDNA断片は染色体5上の本発明の遺伝子の一つ又は染色体11上の本発明の遺伝子に少なくとも部分的に対応しうる。
ポリペプチドの機能は様々な形で調節され得る。特に、その活性、収量、特異性、抗体に対する結合活性が増加又は減少され得、その基質が酵素に対して改変され得、その転換度が変更され得る。
本発明の他の好適な薬剤はポリペプチドクラスに属する。特に、本発明は上記転写物に結合し、もってその翻訳を調節しうるタンパク質に関する。ポリペプチドクラスのそのような薬剤は天然又は合成由来(化学的な又は生物工学的な合成)でありうる。特に、それは抗体でありうる。上述したように、上記調節は、上記転写物の翻訳を促進し、防止し、遅延させ、加速し、又はそれにエラーを導入することになりうる。特に、ポリペプチドと上記転写物の間の相互作用は正常なリボソーム結合への障害となりうる。
本発明において好適な薬剤は上に挙げたものに限定されるものではない。
上記第三の用途の場合、上述の発現産物の機能を調節する薬剤の数は制限されず、必ずしも単一の薬剤に限定されるものではない。
本発明の第三の用途は好ましくは化粧品の分野である。
この用途はまた色素形成分野での治療作用のための医薬の製造を可能にし得る。
特定の場合、記載された第三の用途はここに記載されたDNA断片の発現産物の機能を調節する薬剤によって誘導されるか否かを問わず、遺伝子改変を含む。
遺伝子活性化が色素脱失の原因である場合、本発明の上記第三用途は、RNA-タンパク質通過を防ぐことによって上記遺伝子の翻訳を阻止する薬剤を導入することによって上記遺伝子の機能を破壊することができる。更に好適な状況は上記遺伝子の翻訳から生じするタンパク質へ結合可能な抗体を薬剤として選択することからなる。
特に、上記発現産物は、転写物の如何なる成熟段階でも、染色体3上の本発明の5つの遺伝子の一つ又は染色体5上の本発明の遺伝子の一つ又は染色体11上の本発明の18の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応するDNA断片から誘導されたRNA転写物である。スプライシングの場合、転写物はよってそれが誘導されるDNA断片より小さい。好適には発現産物がRNA分子である場合、少なくとも18のヌクレオチドを含む。
本発明の発現産物はゲノムDNAの転写又は翻訳の工程から必ずしも得られるものではない。特に、本発明に従って使用される発現産物は本発明の遺伝子の一つの一部にその配列の少なくとも一部が対応する外因性DNAからの発現産物でありうる。
本発明はまた本発明の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応する外因性又は内因性DNA断片の発現産物に類似の完全な合成の薬剤の使用も考慮している。
本発明の他の好適な薬剤はポリペプチドクラスに属する。特に、本発明は、それらが活性である細胞の機能に変化を導入することができるタンパク質に関する。
本発明のこの用途の場合、その配列が本発明の遺伝子の一つに属するか又は少なくとも一部が対応するDNA断片の発現産物の数は制限されず、一を越えうる。
本発明のこの第四用途は好ましくは化粧品分野におけるものである。
この用途により、色素形成分野において治療作用を持つ医薬の製造が可能になる。
特定の考えられる場合では、記載された第四用途は、それが記載されたDNA断片の発現産物によって誘導されようとされまいと、遺伝子改変を含む。
遺伝子の不活性化が色素脱失の原因である場合、本発明の上記第四用途は、遺伝子によってコードされるタンパク質の合成を可能にするRNA、又は遺伝子によってコードされるタンパク質を細胞又は分子中に導入することによって上記遺伝子の機能を回復することができる。
本発明における上述の4種の用途では、化粧品用途は好ましくは色素形成分野におけるものである。
上述の4種の用途では、本発明の生成物は化粧品又は製薬組成物中に導入できる。
組成物は皮膚(体の任意の皮膚領域)及び/又は頭皮又は毛髪に適用されるか又は経口的に投与され得る。
経口投与では、組成物は、風味がついていてもよい、水溶液又は水性アルコール溶液のような食品品質液の溶液中に本発明の生成物を含みうる。それらはまた固形摂取可能な賦形剤中に導入することができ、例えば顆粒、丸薬、錠剤又は糖衣錠の形態でありうる。それらはまた摂取可能なカプセルについで包装されうる食品品質液の溶液に取り上げることもできる。
本発明の好適な組成物は頭皮及び/又は皮膚への局所適用に適合した化粧品組成物である。
局所適用に対して、使用することができる組成物は、特に、水溶液、水性アルコール又は油性溶液又はローション又はセラム(漿液)タイプのディスパージョンの形態、あるいは水相中に油相を分散させるか(O/W)又は逆(W/O)によって得られた液体又は半液体の濃度のミルクタイプのエマルションとして、又はソフトなクリーム状の濃度のエマルション又は懸濁液又は水性又は無水ゲル、又はマイクロカプセル又はミクロ粒子、又は小胞イオン性及び/又は非イオン性分散液の形態でありうる。それらは、軟膏、チンキ剤、クリーム、ポマード、パウダー、パッチ、含浸パッド、溶液、エマルション又は小胞分散液、ローション、ゲル、スプレー、懸濁液、シャンプー、エアゾール又はフォームの形態であり得る。それらは無水又は水性でありうる。それらはまた石鹸又はクレンジングバーを構成する固形調製物からなりうる。
特に、組成物はヘアケア組成物、特にシャンプー、セット用ローション、トリートメントローション、スタイリングクリーム又はゲル、カラーリングシャンプーの形態であってもよい着色用組成物(特に酸化染料)、毛髪再構成用ローション又はマスクでありうる。
本発明が化粧品への応用のための用途にある場合、組成物は好ましくはクリーム、毛髪用ローション、シャンプー又はコンディショナーである。
組成物の様々な構成成分の量は当該分野で常套的に使用されているものである。
組成物が油性溶液又はゲルである場合、油性相はより多くを占めうる。
変形例では、組成物は、本発明の生成物が、例えばミクロスフィア、ナノスフィア、オレオゾーム(oleosomes)又はナノカプセルのような封入体に封入されているようなものであり、封入体は本発明の生成物の化学的性質に応じて選択される。
ナノスフィアは水性懸濁液の形態であり得、仏国特許出願公開第0015686号及び仏国特許出願公開第0101438号に記載された方法を使用して調製することができる。
オレオゾームは水相に分散したラメラ液晶エンベロープを有する油球によって形成された水中油エマルションからなる(欧州特許出願公開第0641557号及び欧州特許出願公開第0705593号を参照のこと)。
本発明の生成物はそのサイズに拘わらず油性カチオン球の表面に複合化(complexed)されてもよい(欧州特許出願公開第1010413号、同第1010414号、同第1010415号、同第1010416号、同第1013338号、同第1016453号、同第1018363号、同第1020219号、同第1025898号、同第1020101号、同第1120102号、同第1129684号、同第1160005号及び同第1172077号参照)。
特に、本発明の生成物が10μm以下の直径を持つエンベロープを有する組成物が好適である。
既知のようにして、組成物はまた化粧品分野の通常のアジュバント、例えば親水性又は親油性ゲル化剤、親水性又は親油性添加剤、保存料、抗酸化剤、溶媒、香料、遮蔽剤、臭気吸収剤及び着色物質を含みうる。様々なアジュバントの量は化粧品の分野で常套的に使用される量、例えば全組成物重量の0.01%から10%である。その性質に応じて、上記アジュバントは油相中、水相中、及び/又は脂質小球中に導入され得る。
挙げることができる好適な乳化剤はステアリン酸グリセロール、ポリソルベート60及びガッテフォセ社からテフォース(Tefose(登録商標))63の商品名で販売されているPEG-6/PEG-32/ステアリン酸グリコール混合物である。
挙げることができる使用可能な好適な溶媒は低級アルコール、特にエタノール及びイソプロパノール及びプロピレングリコールである。
・皮膚の細胞の分化及び/又は増殖及び/又は色素沈着を調節する薬剤、例えばレチノールとそのエステル、ビタミンDとその誘導体、エストロゲン、例えばエストラジオール、AMPcモジュレーター、例えばPOMC誘導体、アデノシン又はフォルスコリン(forskoline)とその誘導体、プロスタグラジンとその誘導体、トリヨードトリオニン(triiodotrionine)とその誘導体;
・植物抽出物、例えばIridicaeae又は大豆で、イソフラボン類を含んでいても含んでいなくてもよいもの;
・微生物抽出物;
・フリーラジカルスカベンジャー、例えばα-トコフェロール又はそのエステル、スーパーオキシドジスムターゼ又はその模倣体、ある種の金属キレート剤又はアスコルビン酸とそのエステル;
・抗脂漏剤、例えばある種の硫黄含有アミノ酸、13-シス-レチノイン酸、酢酸シプロテロン;
・頭皮の落屑状態に抗する他の薬剤、例えばジンクピリチオン、二硫化セレン、クリムバゾール(climbazole)、ウンデシレン酸、ケトコナゾール、ピロクトンオラミン(オクトピロックス)又はシクロピロクトン(シクロピロックス):
特に、それらは再生を刺激し及び/又は抜け毛を抑制することができる活性剤でありうる;その特定の非限定的な例は次の通りである:
・ニコチン酸エステル、特にニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジル及びニコチン酸C1-C6アルキル、例えばニコチン酸メチル又はヘキシル;
・ピリミジン誘導体、例えば米国特許第4139619号及び同第4596812号に記載された2,4-ジアミノ-6-ピペリジノピリミジン3-オキシド又は「ミノキシジル」;
・毛髪再生を促進するリポキシゲナーゼ阻害剤又はシクロオキシダーゼインデューサー、例えば本出願人の欧州特許出願公開第0648488号に記載のもの;
・抗菌剤、例えばマクロライド類、ピラノシド類及びテトラサイクリン類、特にエリスロマイシン;
・カルシウムアンタゴニスト剤、シンナリジン、ニモジピン(nimodipine)及びニフェジピン;
・ホルモン類、例えばエストリオール又はその類似体、又は甲状腺ホルモンとその塩;
・抗アンドロゲン剤、例えばオクセンドロン(oxendolone)、スピロノラクトン又はフルタミド;
・5-α-レダクターゼのステロイド系又は非ステロイド系インヒビター、例えば本出願人の欧州特許出願公開第0964852号及び同第1068858号に記載のもの、又はフィナステライド(finasteride);
・ATP依存性カリウムチャンネルのアゴニスト、例えばクロマカリム(cromakalim)又はニコランジル(nicorandil)。
若白髪は本発明者等によってとりわけ人生の早期、好ましくは約18歳に最初の白髪が現れることによって特徴づけられるとして定義された表現型である。この表現型は次の世代に伝えられるので、親又は親戚が影響を受けている個体にとって徴候が現れる前に彼らが影響を受けるか否かを決定することは重要であることが分かるであろう。本発明の診断方法は18歳以下の個体に完全に適している。
本発明の方法のおかげで、環境因子が「若白髪」におけるように「白髪」の表現型において所定の役割をおそらくは担っているので、我々はそのような表現型を生じる危険性、つまり若白髪の素因を決定することができる。
本発明の方法の第一の側面によれば、選択されたマーカー又はマーカー群はKIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3及びAL133097遺伝子を含むヒト染色体3上の領域に属する。好ましくは、選択マーカーは上記遺伝子の一つの配列に属する。
本発明の方法の第二の側面によれば、選択されたマーカー又はマーカー群はKLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1からPCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10及びFLJ117151遺伝子を含むヒト染色体5上の領域に属する。好ましくは、選択マーカーは上記遺伝子の一つの配列に属する。
本発明の方法の実施における次の工程は、選択されたマーカー又はマーカー群に対して、診断検査を受ける個体からの遺伝子材料試料中に存在するアレルを決定することにある。二種の染色体が有する二種の異なったアレルを特定することができる。
分子生物学者によく知られた常套的な方法を用いて、選択されたマーカー又はマーカー群に対するアレルを決定することができる;特にハイブリダイゼーション試験はこの種の工程に特に適している。
本発明の第一工程のために選択することができるマーカーには、特によく知られているSNPsが含まれる。マーカーを選択する場合、マーカー多型の情報的価値に基礎を置くことは非常に重要である。特に有利な一状況はそのある種のアレル変異体は若白髪の素因に翻訳される一方、他の変異体の全てが上記素因の欠如を反映するマーカーを選択することからなる。多くの状況では、マーカーは上記条件を完全には満たさない;つまり、ある種のアレルが白髪の素因のある個体に優先的に存在しているが排他的に存在してはいない。これらの状況下で、できるかぎり信頼性のある診断検査法を確立するために数種のマーカーを選択することは賢明であろう。
本発明の方法の第一の側面によれば、第一工程に対して選択されるマーカー又はマーカー群は実施例2のまとめの表中に記載した染色体3上のSNPsから選択することができよう。
本発明の方法の第二の側面によれば、第一工程に対して選択されるマーカー又はマーカー群は実施例2のまとめの表中に記載した染色体5上のSNPsから選択することができよう。
本発明の方法の第二の側面によれば、第一工程に対して選択されるマーカー又はマーカー群は実施例2のまとめの表中に記載した染色体11上のSNPsから選択することができよう。
特に、本発明の方法は、選択されたマーカー又はマーカー群のアレル型を他の個体のマーカー又はマーカー群のアレル型と比較する追加の工程を含みうる。この追加の比較工程は診断を確立するために必要であろう。この場合、顕著に若白髪になった個体のマーカー又はマーカー群の型と、更には場合によっては明らかに上記素因がない個体のマーカー又はマーカー群の型と比較することは有用であろう。
若白髪がおそらくは多重遺伝子疾患であれば、素因の原因は多岐にわたり、それらの全てを余すところなく検討することは困難であろう。これに対して、何人かが早期に白髪になった一家族内では、罹患の原因が独特である可能性が高い。このため、本発明の方法において任意の第三工程として述べた比較工程では、特に情報に富む比較は、表現型が知られている家族内の人物に対する同じマーカーのアレルで検査を受けている個体に対するマーカーのアレルの比較である。数個のマーカーが選択された場合には、この操作は好ましくは全てのマーカーに対して繰り返されるべきである。
「本発明の第二用途」は本発明の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応するDNA断片の機能を調節する薬剤の使用である。本スクリーニング法はそのような薬剤を同定することを可能にする。
本発明の同定方法は上述の工程に限定されるものではない;他の先の工程又は後の工程を適用することができる。
本発明はまた本発明のポリヌクレオチド断片の発現産物の機能を調節可能な分子をスクリーニングする方法にも関する。本発明の第一の側面によれば、その機能が調節されることになる発現産物は、ヒト染色体3上の本発明の5つの遺伝子の全て又は一部に属する、及び/又は対応するDNA断片のものである。本発明の第二の側面によれば、その機能が調節されることになる発現産物は、ヒト染色体5上の本発明の遺伝子の全て又は一部に属する、及び/又は対応するDNA断片のものである。本発明の第三の側面によれば、その機能が調節されることになる発現産物は、ヒト染色体11上の本発明の18の遺伝子の全て又は一部に属する、及び/又は対応するDNA断片のものである。好ましくは、DNA断片は少なくとも18の連続ヌクレオチドを含む。
本願において上述したように、「DNA断片の発現産物」という用語は、任意の成熟段階において断片の転写から誘導されるRNA分子と、任意の成熟段階における翻訳からのポリペプチドの双方を意味する。RNA分子の場合、異なった成熟段階は例えばキャップ、ポリアデニル化テールがあるかないかによって表される。「ポリペプチドの様々な成熟段階」という用語には、とりわけ、折りたたみの前後、様々なアドレシングシグナルの開裂の前後、グリコシル化を伴うか伴わないポリペプチド及びジスルフィド架橋を伴うか伴わないポリペプチドを含む。
DNA断片の発現産物によって達成される機能は非常に多く、問題の発現産物の性質に依存する。例は本願に既に記載した。
上記発現産物の性質に応じて、当業者であれば、変動のモニターが容易なパラメーターを決定することができよう。
本発明の同定方法は上述の工程に限定されるものではない;他の先の工程又は後の工程を適用することができる。
本発明はまた本発明の染色体ゾーン内において皮膚、毛髪及び皮膚付属器の色素沈着に関与する遺伝子に光を与えることを可能にする。よって、本発明によって考えられる一つの特定の用途は、より正確には色素沈着に関与する遺伝子、より特定的には皮膚又は皮膚付属器の色素沈着の進行性又は突然の中断に関与するものを局在化させる目的で対象の染色体領域の各々におけるSNPマーカーを使用することからなる。
しかし、上述したように、発明者等は多くの遺伝子が色素沈着現象及びその色素沈着の調節と休止に関連したものに関連していることを疑った。
このために、特に好適な用途は、本発明の3種の染色体ゾーンに対して得られた結果の組み合わせから導き出されるものである。
更に、同出願人が同日に出願した他の特許出願では、本発明者等は類似の方法を使用して、染色体6(マーカーD6S1629とD6S257の間)及び9(D9S290マーカーとテロメア領域の間)上の色素沈着又は色素脱失現象にまた関与する他の遺伝子を同定した。この遺伝子の基礎により発明者等は上述したものと類似の治療及び化粧品用途、並びに上述のものと類似の診断方法を考えることができた。
断片は少なくとも18の連続ヌクレオチドを含み、上記18ヌクレオチドは本発明の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応しなければならない配列を形成する。断片の一つは本発明の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含む。
少なくとも二つのポリヌクレオチド断片が使用される場合、該二つの断片は好ましくは別の分子に担持される。また上記二つの断片は例えば同じベクターの一部を形成することも考えられる。好適な場合では、異なった断片は同じ化学的性質であり、例えば全ての断片がDNAである。
治療的用途の場合、ポリヌクレオチド断片は医薬の製造に使用される。
好適な使用は染色体6及び9で得られた結果から導かれる。よって、少なくとも一つが染色体3、5及び11上の上述の遺伝子の全て又は一部に属する及び/又は対応する断片から選択されるDNA断片の機能を調節し、他方の薬剤又は薬剤群が本発明の遺伝子の全て又は一部又はHLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459, NT_007592.457, FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4及びQ96MA6遺伝子から選択される遺伝子に属する及び/又は対応する断片から選択されるDNA断片の機能をそれぞれ調節する二又はそれ以上の薬剤を用いるのが有利である。好適な遺伝子はDDX31及びGTF3C4遺伝子である。
その機能が本発明に従って調節されるDNAの断片は好ましくは少なくとも18の連続ヌクレオチドを含み、上記18のヌクレオチドが述べた遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応しなければならない配列を形成する。断片の一つは本発明の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含む。
上記薬剤の好適な用途の全てを本発明の第二用途を記載するセクションにおいて既に詳細に説明した。
治療的用途に対しては、薬剤は医薬の製造に使用される。
好適な使用は染色体6及び9で得られた結果から導かれる。よって、少なくとも一つが染色体3、5及び11上の上述の遺伝子の全て又は一部に属する及び/又は対応する断片から選択されるDNA断片の発現産物の機能を調節し、他方の薬剤又は薬剤群が本発明の遺伝子の全て又は一部又はHLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459, NT_007592.457, FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4及びQ96MA6遺伝子から選択される遺伝子に属する及び/又は対応する断片から選択されるDNA断片の発現産物の機能をそれぞれ調節する二又はそれ以上の薬剤を用いるのが有利である。好適な遺伝子はDDX31及びGTF3C4遺伝子である。
その発現産物の機能が本発明に従って調節されるDNAの断片は好ましくは少なくとも18の連続ヌクレオチドを含み、上記18のヌクレオチドが述べた遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応しなければならない配列を形成する。断片の一つは本発明の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含む。
上記薬剤の好適な用途の全てを本発明の第一用途を記載するセクションにおいて既に詳細に説明した。
治療的用途に対しては、薬剤は医薬の製造に使用される。
好適な使用は染色体6及び9で得られた結果から導かれる。よって、少なくとも一つが本発明の遺伝子の全て又は一部に属する及び/又は対応する断片から選択されるDNA断片の発現産物であり、他方又は他方の群がそれぞれ本発明の遺伝子の全て又は一部又はHLAG, NT_007592.445, NT_007592.446, NT_007592.506, NT_007592.507, NT_007592.508, HSPA1B, G8, NEU1, NG22, BAT8, HLA-DMB, HLA-DMA, BRD2, HLA-DQA1, HLA-DQA2, NT_007592.588, GRM4, RNF23, FLJ22638, NT_007592.459, NT_007592.457, FREQ, NT_030046.18, NT_030046.17, GTF3C5, CEL, CELL, FS, ABO, BARHL1, DDX31, GTF3C4及びQ96MA6遺伝子から選択される遺伝子に属する及び/又は対応する断片から選択されるDNA断片の発現産物である二又はそれ以上の発現産物を用いるのが有利である。好適な遺伝子はDDX31及びGTF3C4遺伝子である。
その発現産物の機能が本発明に従って調節されるDNAの断片は好ましくは少なくとも18の連続ヌクレオチドを含み、上記18のヌクレオチドが述べた遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応しなければならない配列を形成する。断片の一つは本発明の遺伝子の一つに少なくとも部分的に対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含む。
上記薬剤の好適な用途の全てを本発明の第四用途を記載するセクションにおいて既に詳細に説明した。
治療的用途に対しては、ポリヌクレオチド断片は医薬の製造に使用される。
本発明によって考えられる多くの組み合わせのうち、非常に有利な組み合わせはヒト染色体9上のDDX31又はGTF3C4遺伝子の全て又は一部に対応する配列の発現産物又は少なくとも一つのポリヌクレオチド断片を含む。
これらの染色体ゾーンの組み合わせの利益を得るために、本発明はまた併用方法に関する。該方法は若白髪に対するあらゆる素因を決定するために用いられる。
好ましくは、選択されたマーカーのうち、少なくとも二つは本発明の同じ染色体領域及び本発明の同じ遺伝子には属さない。
上記方法を実施するための条件は診断方法に関するパートにおいて既に説明した。
上述した4種の組み合わせ用途に対して、本発明の組み合わせは上述した化粧品又は製薬組成物中に導入することができる。
本発明の併用方法は二つのマーカーの使用に限定されるものではなく、また記載した二つの工程に限定されるものでもない;それらは既に記載した二つの工程に先行する又は後に続く他の工程を含んでもよい。
本発明において既に述べた診断方法については、一つの特に有利な状況は、選択されたマーカーのアレルを、診断される個体と同じ家族の他の個体の同じマーカーと比較することにある。
最後に、本発明は、ヒト染色体3上の本発明の5つの遺伝子の一つ、又はヒト染色体5上の本発明の遺伝子の一つ、又はヒト染色体11上の本発明の18の遺伝子の一つの全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含むものから選択される少なくとも二つのポリヌクレオチド断片の組み合わせを含むキットに関する。
研究のまとめ
若白髪 (PC)の遺伝子又は遺伝子群を局在化するために分離解析(segregation analysis) (遺伝連鎖)プログラムを、この形質が世代を超えて伝達されている家族で実施した。 サンプルと表現型の確認の統計的力に基づいての一連の事前の選別の終わりに、12組の家族を残して連鎖研究に参加させ、有益な個体(形質を持つ者と持たない者)のそれぞれからの末梢血試料からDNAを準備した。研究は二つの主要なアプローチ法を用いて実施され、解析は候補領域を標的とし、22の常染色体及びX染色体についての全ゲノム研究を行った。
PC形質を伝達するパラメータを固定するか又は固定しないで実施した一連の解析から、3つの潜在的な遺伝子座が、染色体6及び9上に同定されたものに加えて、染色体11、5及び3上に認められた。その3つの遺伝子座(染色体11q14-q22, 5q31-q32, 3p14.1-p12.3) はPCへの連鎖を示唆するサインを示した。
この研究、特にパラメトリック/ノンパラメトリック解析で得られたスコア間の不一致は、若白髪が主な効果を持つ少数の遺伝子によって引き起こされているのではなく、むしろ数個の素因遺伝子の作用を含む多因子性システムによって支配されていることを示唆する。
若白髪(PC) 又は人生の早い時期における白髪の出現の遺伝的性質は、ある人々の場合に起こる毛髪の早期の白髪化という家系的性質のためとの長年抱き続けられてきている仮説である。
遺伝的観点から白髪を探求するために、DNA分離研究を、白髪が人生の非常に早い時期に現れた家族に対して実施した。この遺伝子追跡が最も高い確率で成功するようにするために、研究のためのサンプルの構成は表現型の属性決定及び家族の選択のために厳格なプロトコールを用いて決定した。PC表現型は、白髪を有する25歳未満の個体で30歳で頭髪の半分がグレイである個体のみの属性であった。その家族を分離解析でのその統計的成績に基づいて研究のために残した。
A-期間1: 研究の有望性の決定。最も有益な家族の最初の選択は連鎖解析シミュレーションによって実施した。
B-期間2: 予め選択された家族の表現型を医学的に確認し血液試料を収集する。この検証キャンペーンにより、研究のための候補家族の新規リストを作成した。新しい連鎖シミュレーションによって訂正されたサンプルの有望性を推定することができた。
C-期間3: PCに対しての候補染色体領域を用いた遺伝的解析。PC遺伝子を含みうる染色体領域に対するDNA解析の第一相。
D-期間4: ヒトゲノム全体に対するPCについての全遺伝子解析。PC形質に連鎖する領域を検出するための22の常染色体及びX染色体からのDNAについての家族分離解。
各期間に対して得られた結果は、まとめの表にまとめの形で又は詳細な表により詳細に、表及び図の形で示す。
A-期間1:バインディング解析シミュレーションを用いた家族の選択
遺伝子局在化のための有益性基準を使用して若白髪の家族を選択する試みの最後に、29の家族が遺伝連鎖解析シミュレーションを受けた。個体全員の利用性に基づいて、このプロジェクトは、19家系(つまり255の個体)が残ったので、非常に成功の可能性が高いように思われた。この結論は、表現型が確認され、被験者の大半が研究に参加することに同意した場合にのみ妥当であった。この選択では、個々がZ=4.00のロッドスコア(つまり、Z=3.00であるロッドスコアに対する有意性の下限より大)を達成するかこれを越えうる7組の非常に有益な家族が存在した。成功の確率を最大にするためには、PC診断を厳格に行うことが非常に重要であった。
この研究の結果により、臨床評価の強い性質のため、次に遺伝研究のために収集された家族を決定することが可能になった。
65組から29組の家族が、シミュレーション解析のための構造的基準(個体の全数、罹患し、利用可能な個体数)を用いて残った。
シミュレーションプロセスにおいて:
a)ソフトウェアは、シミュレートされた遺伝子型をあてがうことによって一連のファイルコード反復を発生させた。各家族に対して得られたファイルは各個体において数種のアレル組み合わせ(遺伝子型)を探索した;
b)ついでソフトウェアは各反復を解析して、各家族における遺伝連鎖解析のための可能なロッドスコア (Z)を推定した。最小、平均及び最大ロッドスコアの形の結果から、この種の研究における各家族の有望性を評価することが可能になった。
遺伝連鎖解析のためにコード化されたファイル(プレプリンク(preplink)ファイル)をまた作成した家系編集ソフトウェアを使用して系統樹を描き直した。各個体に対して生まれ、性別、表現型及びSLINKシミュレーションソフトウェアによって補填された遺伝子型を示すコードに加えて、利用能コード(cd) (表1)を属性化した。それはまた0から3のコードを使用して研究における各個体の有益な情報に重きを置いた。
各個体の表現型をGenormaxレポートの記述的な表及び家系の情報を使用して属性化した。しかし、ある個体では、表2に示した基準を用いて表現型を変更した。(数だけで特定された)最初の家系中に存在する個体は表現型が未知であり、利用不能(cd=3)と考えられた。
シミュレーションの間、考慮された個体は次のものだけであった(表1):
・遺伝研究のためのDNAを準備するために血液と取ることがGenormax研究に従って可能であった(年齢、フランス/海外/外国の住所、承諾、先験的(a priori));
・若白髪の表現型が明らかに形成されていた(表2)。
誤差の危険性を回避するために、30歳以下の個体において年齢の関数として表現型を割り当てるために次の基準を定義した。しかし、最終の臨床試験の間は、表現型の定義は更に定量的であることが望ましかった。
c.他のパラメータ
Can65家族(試験100, 200, 300, 500反復)において最大ロッドスコアの変動を調べた後、反復の数(アレルの組み合わせの生成)を最終的に200に固定した。
形質の頻度を1%に固定した。遺伝子型に対する可能なアレルの数をそれぞれに等価な頻度で6に固定した。
a- スコアに応じた家族の分類
表3は達成された最大ロッドスコア(Zmax)の関数としてGENORMAX家族の有望性の指標を与える(グループA-E)。図5は各家族に対してシミュレートしたロッドスコアを示す。
遺伝子連鎖解析で、有意であるためには、ロッドスコアは3の値に達するか又はそれを越えなければならない (結果は1000/1)。
正しくない診断に起因する影響を、1、2又は3の個体の表現型を変えることにより家族Can 46についてシミュレーションすることにより、(遺伝子座に対する連鎖の場合)解析の結果について試験した (表4)。
このシミュレーション研究は、29組の前もって選択された家族を最大の潜在的なロッドスコアに従って5グループにすることを可能にした。Z=3.00のロッドスコアが達成されるやいなや連鎖が有意になったところ、発明者等は、最大のシミュレーションロッドスコアが非常に希にしか到達されなかったことから、この基準を用いて2グループを区別することが好ましいと考えた。よって、グループB (3 ≦ Zmax < 4)の家族に対する実際のロッドスコアの確率はかなり低かった。
グループAの家族は若白髪のための遺伝子/遺伝子群の局在化のための遺伝連鎖解析に対して有望であった。このため、表現型に関しては不確定性が無かった。疑わしい場合には、その個体又は家族さえも研究から除外されることが推奨された。
グループBの家族は、個体的には多くの場合に有意なロッドスコアには達しえなくともサンプルを拡張することが可能であるので、それ自体が非常に興味深い。しかし、グループとしては、特に形質が遺伝的に不均一(僅かに)でもあったことが分かった場合、それらはロッドスコアを統合しうる。
グループCの家族はまた遺伝連鎖結果の反復の研究に用いることができた。
グループD及びE(Zmax < 2)の家族は遺伝連鎖解析のためにはあまり有益ではなかった。
期間1からの結果を基にして、遺伝連鎖解析のためにその家系がサンプリングされる基礎を形成するために残した19組の家族(グループA, B及びC)に接触して、PC診断結果を確認し、一群の罹患個体及び非罹患個体を獲得した。
この医学的表現型検証キャンペーンによって多数のPC診断者を確認することが可能になったが、予定した全員ではなかった。少しの重要な個体(PCあり)のプロジェクトへの参加の拒否、何人かの死去及び表現型の一部の再調整は、ある数の家族を残すことができず、幾組かの他の家族の潜在的な情報を減じたことを意味した。
表現型検証後の研究の有望性を再推定するために、本発明者等はなお有望であろう8組の家族に対して連鎖解析シミュレーションを行った。表5は、遺伝的不均一性の3つの状況においてこの8組の家族群で得られた結果を示す (0%、すなわち、全家族が同じ遺伝子座に連鎖、50%又は半分のみの家族が同じ遺伝子座に連鎖、70%又はおよそ三分の一のみの家族が連鎖)。
連鎖解析のためのサンプルを最適化する努力を継続して、4組の追加の家族を同定し(表6;2家族−can65B及びcan46B−は家族can65及びcan46の傍系枝であった)、表現型を再び検証した。
1- 仮説
領域3p14.1-p12.3は、形質が関連している(クライン)ワールデンブルグ症候群(IIA型)疾患の若白髪に関連しているので、「候補領域」(CR)と命名した。
2- 最終の家族構成
方法を最適にする目的で、12家族から92の罹患個体及び非罹患個体のサンプルを残した(図1参照)。この選択は、各個体の潜在的な情報性の関数として行い、新しい連鎖シミュレーションによって確認された。数名の個体の付加により潜在的なロッドスコアが僅かに増加し(完全な均一性を使用して8.91から9.04)、よってサンプルの力が増加した(表10)。
染色体3上の候補領域にわたるマーカーの分布を図2に示す。
4- 連鎖解析
幾つかのタイプの連鎖解析を実施して、染色体領域とPCの間の存在する連鎖を観察する確率を増加させた。
この解析に対しては、次の二つのアプローチがとられた:
・2点(一時点で取られた形質とマーカー間の反復解析);
・複数点(それぞれの距離の関数として配されたマーカー地図を使用しての各染色体の解析)。
2/ 形質伝達モードの独立解析、ノンパラメトリック(NPL): ランダム伝達と比較した(同祖遺伝子を用いての各家族における)各対の罹患個体のための共有されたアレルの割合の偏差解析。複数点解析において、全ての罹患対(全対, スコアZ-all=p-値のlog10, 及びp-値)を考慮した。2-点法において、同胞対を研究した(罹患同胞対, p-値)。
この研究は染色体 3p14-p12上の若白髪に対する素因を強く示唆している遺伝子座をまた明らかにする(マーカーD3S2409及びD3S1766に対して; 位置12での複数点NPL=2.58 及び位置 24でのHLod:=1.55)。
この結果は若白髪に関して染色体領域3p14-p12に関係する連関仮定を確実に立証している。
一つの家族(CAN35)はこの染色体領域に対して比較的高い連鎖を示したことに留意されたい。
全ゲノム解析により、全ての染色体に訪れて (全プローブ)、関与する領域とおそらくは若白髪を支配しているであろう主要な遺伝子座を見いだすことができた。この主要解析により、PCの遺伝的不均一性度を推定することも可能になった。
1- 家族の内容
これらは候補領域相(期間3)において研究したものと同じ家族であったが、その内容に関してある種の調整をした(表12を参照)。幾人かの情報性が少ないメンバーを、最近になって採用した、又は後で診断がなされた他のメンバーと置き換えた。
サンプル中の変化の恩恵を確認するために、新しい連鎖解析シミュレーションを、異なった遺伝的不均一状況に対して実施した(表13及び図11A、11B、11C及び11D中の表)。ロッドスコアは好ましい変化を示した。可能な平均ロッドスコアを考えると、20%(つまり、遺伝子座に連鎖していない家族の1/5)に達する不均一性の有意な結果(Z≧3.0)を得ることができた。実際、これらの結果は非常に控えめであり、遙かに不均一なサンプルで有意性に達することができた(つまり、0.7の平均ヘテロ接合体を示すマイクロサテライトマーカーを使用して50−70%)。
選択された12家族に属する96の個体からのDNAは、9.2cM(密度)の平均マーカー間間隔を用いて22の常染色体及びX染色体(表15)に対して分布させられた400の多形性マーカーに対して遺伝子型を決めた。これらはGenethonコレクション(Evry, France)からのジヌクレオチド(CA)n タイプタンデムリピートから構成されるDNAマイクロサテライトである。
この全体アプローチ法に対して、本発明者等はゲノムの領域とPCの間に連鎖を見いだすその性能を最適化するために幾つかのタイプの分析を実施した。より強力であったパラメトリック解析は、形質の伝達モードを考慮に入れており、一遺伝子性形質の場合には最も適している。ノンパラメトリック解析は、たとえ仮定された伝達モードが誤りであっても連鎖を同定することができ、また多重遺伝子形質の場合により強固である。
これらの解析のそれぞれに対して、本発明者等は上述の方法、2-点方法 (形質と各マーカー間の反復解析) 及び複数点方法(マーカー地図を用いた各染色体についての全体解析)を使用した。
・伝達モード(優性),
・形質頻度(1%),
・全マーカーのアレルのアレル等頻度,
・定義済み浸透度(90%変異体ヘテロ接合体−100%変異体ホモ接合体),
・2-点及び複数点法,
・次のように表される連鎖確率スコア:
・ロッドスコアZ (均一なサンプル);
・ロッドスコアZH (不均一なサンプル)及び不均一度α(この遺伝子座に連鎖していない家族の割合)。
これは、アレル (同祖遺伝子)のランダムな伝達と比較した場合の罹患個体対によって共有されるアレルの割合の偏差解析である。本発明者等は複数点解析のために全ての罹患個体対を、2-点解析のために同胞対を考慮した。
連鎖確率スコアは次のように表した:
・全ての罹患個体対に対しての複数点方法のためのNPL又は Z-all (p値のlog10);
・罹患同胞対に対しての2-点法のための「p」値。
図3は染色体3、5、11、6及び9についてのノンパラメトリック連鎖解析で得られたNPLスコアを示している。
a- 詳細な結果
表16(最良の2-点解析結果)及び17(最良の複数点解析結果)は残された染色体に対して得られた最良の結果を報告している。
a- ロッドスコア(2P) ZH=2.007が染色体5の長腕 (上方テロメアから164.2 cMの位置)上、つまり5q31-q32 バンド上の3/4の位置に得られた。
b- 中間のロッドスコア(1.5<ZH<2.0)
- 染色体 11q14-q22, 位置106 (MP-ZH=1.53)
c- 興味あるロッドスコア(1.0<ZH<1.5)
- 染色体 5q31-q32, 位置 168 (MP-ZH=1.11)
- 染色体 6p21-p12, 位置 61 (MP-ZH=1.43)
- 染色体 6q13-q14, 位置 90 (2P-ZH=1.46)
我々は、アレル共有偏差研究、同祖遺伝子(IBD)に対して、全ての罹患対(複数点Z-all研究スコア)に対して、並びに罹患同胞対に対するp値(罹患同胞対, 2-点研究スコア, p-値)に対してlog10 スコアを区別した。
最良のスコアは有意性限界と比較したランクとして示される:
- Z-all>3, 2.5<Z-all<3, 2.0<Z-all<2.5
- p<10-5 及び 10-5<p<10-4
a- Z-all>3.0 スコア
染色体6p21-p12上で、全ゲノムマーカーを用いて得たスコアは位置71においてZ-all=3.52であった(マーカーD6S1610及びD6S257間)。しかし、遺伝子座の精度は、観察された平均間隔 (26.11 cM)よりも更に大きい全ゲノムコレクションのこれら2マーカー間の大きな距離によっておそらくは影響を受けている。
第二の最良のスコアが染色体9q31-q32, 位置151 (Z-all=3.37)で達成された。
b- 2.5<Z-all<3.0 スコア
- 染色体3p14-p13, 位置 72 (Z-all=2.62)
- 染色体11q21-q22, 位置106 (Z-all=2.61)
c- 2.0<Z-all<2.5スコア
- 染色体 9q31-q32, 位置131 (Z-all=2.13)
- 染色体 3q21, 位置101 (Z-all=2.15)
及び p-値<10-5 及び10-4。
d- p<1x10-4
- 染色体6q31.3-q33, 位置154 (p=0.000012)
形質が一遺伝子的であるか又は多因子的(Lander及びKruglyak, 1995)であると考えられるかどうかに応じて有意か又は有意性の境界にあった二つのスコアが染色体6p21-p12 (NPL MP Z-all=3.59) 及び9q31-q32 (NPL MP Z-all=3.37)に対して観察された。
これら2つの遺伝子座に対して、最も強固なものはMP-PLロッドスコアによって補強6p21-p12のものであり、それは平均であるが、ZH=1.42で最大化されている。
更なる遺伝子座がまたかなり興味深く思われ、位置 106 (Z-all 2.61, PL 1.52)で最大になったPL及びNPLスコアとして染色体 11q14-q22上に位置していた。NPLスコアは一遺伝子の場合、又は多重遺伝子の場合に示唆性範囲にあった(示唆性:一遺伝子2<Z-all<3; 多重遺伝子2.2<Z-all<3.6)。
最後に、最良のPLロッドスコア(2P) (ZH=2.00)の遺伝子座5q31-q32はまた示唆性値内に位置していた (一遺伝子)。
p値列はまた示唆性範囲内にあった同胞罹患解析に対して付加されなければならなかった (染色体s 6q31.3-q33)。これらの遺伝子座もまた考慮する。
様々な解析期間の後、数種の染色体領域が同定され又は示唆された。
遺伝子座 11q14-q22, 5q31-q32, 3p14.1-p12.3の有効性
a- 染色体11q14-q22
本発明者等は位置 100及び115の間(D11S898とD11S925の間)の領域を特定した (図4A)。
b- 染色体5q31-q32
この領域はD5S422マーカーから 再結合フラクション(シータ) 0.14 (約14 cM)に位置したこれらの解析に対して同じPL及び2点の結果を有していた。マップ(位置149)の頂上に向けてのD5S422からのこの距離に自身を配することによって、我々は染色体5に対して最良のNPL複数点スコアを有する遺伝子座の近傍に到達する(マーカーD5S436に向かってZ-all=1.70)。 ある種のコンセンサスがまたこの遺伝子座に対して明らかになった(図4B)。
c- 染色体3p14.1-p12.3
これは位置60と87の間(D3s1277とD3s1285の間)のおよそ30cMの領域である (図4C)。
実施例1に提供した研究に続いて、発明者等は、若白髪に関与する遺伝子に光を与えるために、染色体3、5及び11の領域の解析を続けた。
若白髪の形質が分離する家族のゲノムの全体の解析により、表現型と連鎖した5つの染色体領域が明らかになった。有意なロッドスコアによって識別される遺伝子座6p21-p12 (A)及び9q31-q32 (B)を越えて(それぞれ、ノンパラメトリックロッドスコアNPL=3.59及びNPL=3.36)、他の領域は、一を越える解析において示唆的連鎖スコアのために興味深かった。
染色体3上の領域(3p14.1-p12.3)は、候補遺伝子及び全ゲノム遺伝子の研究で同時に得られた等価な大きさの結果を示した(候補領域, 複数点ノンパラメトリックロッドスコア, CR-MP-NPL=2.58, 候補領域, 2-点パラメトリックロッドスコア, CR-2P-PL=1.55, 全ゲノム, 複数点ノンパラメトリックロッドスコア, GG-MP-NPL=2.62)。
染色体5上の領域(5q31-q32)は、有意なロッドスコアを達成したPL-2点解析での単一遺伝子座のため、残された (GG-2P-PL=2.00)。
染色体11上の領域(11q14-q22)は、そのスコアがNPL及びPLにおいて5つのうち最も高いので、残された (GG-MP-NPL=2.61及びGG-2P-PL=1.52)。
CR: 候補領域
GG: 全ゲノム
MP: 複数点
2P: 2-点解析
NPL: ノンパラメトリックロッドスコア
PL: パラメトリックロッドスコア
SNP(一塩基多型)はヒトゲノムを通じて特に広範で非常に安定である多型の形態を表す。SNPの数は1000ヌクレオチド当たり約0.8SNP(コード化及び非コード化配列併せて)であると推定され、これにより、SNPを使用してヒトゲノムの真の地図を樹立することが可能になる。SNPは、特にそれらがコード化領域、調節領域、又はゲノムの他の非コード化領域にあるかどうか、多型性がコード化アミノ酸を修飾するかどうか等々に応じて、しばしば異なったカテゴリーに分類される。
異なった方法を開発して、しばしば点変異体を検出するために使用される方法(RFLP-PCR, 特異的アレルオリゴマーでのハイブリダーゼーション、ミニ-シークエンシング、直接シークエンシング等々)に基づいて、異なった個体間のこれらの多形性を明らかにした。
本出願において、本発明者等は候補SNPの異なったアレルを検出するためにMALDI-TOF法(マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法) を使用した。当業者はこの方法の更なる詳細を有しており、それらは多くの (Stoerker J等, Nat Biotechnol 2000, Nov;18(11): 1213-6及びTang K等, Proc Natl Acad Sci USA 1999 Aug, 96, 10016-20)に記載されている。
第一段階において、発明者等はSNPを使用して解析される染色体3、5及び11の領域を非常に正確に定義した。第二工程において、上記領域に属する3848のSNPをある基準(コンピュータでの候補SNP)に基づいて予め選択し、次の実験的確証工程に従って3227を残した。次の工程において、発明者等は若白髪の異なった個体及び「コントロール」個体からDNAを集めて異なったグループにした後、3227から選択された1264のSNPを使用してこれらのグループの遺伝子型を決めた。
1- SNPによる解析される領域の定義
第一段階において、本発明者等は、12組の選択された家族に対してマイクロサテライトマーカーでの解析から得られた結果(実施例1参照)から染色体3、5及び11上に対象領域をより正確に定義した(表6参照)。
領域Cと記された染色体3の領域は、その染色体位置と次の工程のためにこの領域を定める最適な精度と安全性の3つの他のタイプの座標によって定義された。同じことが、領域Dと記された染色体5上の領域と領域Eと記された染色体11上の領域について言える。
以下の表は領域C、D及びEの様々な地図上の特性(Mb及びKbでのコード及び領域サイズ、これらの領域の境になるマイクロサテライトマーカー数、ゲノム配列上の位置、SNP数)を記録している。ゲノム上の位置に対する二つのカラムは使用されたデータベース(2002年4月及び2002年6月のNCBI UCSCリーズ)のバージョンに応じて異なる。
2002年11月 (NCBI 構築31)
2002年6月 (NCBI 構築30)
2002年4月 (NCBI 構築29)
2001年12月 (NCBI 構築28)
上述の領域C, D及びEから出発して、第二工程は、これらの領域に属するSNPのコレクションを決定し3つの領域に対するマーカー地図を得ることから構成されていた。これらのマーカーはまたそれらが77Mbp(3つの領域の全長)を均一にかつ等距離に覆うように形成された。異なったSNP間の距離は平均50kbに固定された。この操作はこれらの基準を満たす3848のSNPを選択することによって実施した(インシリコSNP候補)。
第一工程の間に考えられた3848のうち、3332のSNPを、14kb未満によって分離されているSNPを除去することによって、予め選択した。選択された3332のSNPを、92のコントロール個体(Centre d’Etude du Polymorphisme Humainからの個体−ヒト多形性研究センター)に対して解析し、各SNPに対して少なくとも2のアレルの存在を確証した(多形性確証)。
遺伝子型同定能力を増大させるために、プール化方策を異なったDNAについて実施した。この方法の力は様々な刊行物(特にWerner等, Hum Mutat 2002 Jul; 20(1):57-64, Bansal等, Proc Natl Acad Sci USA 2002, Dec 24;99(26): 16871-4)に記録されている。
プール化を実施するために「若白髪」形質(PC)の様々な個体及びコントロール個体からDNAを構築した。プール化は、個体が結果に優勢な影響を持たないことを保証するために、DNA試料の各々が等モルの形で表されるようにして実施された。このために、各DNA試料の正確な濃度を、個体からの様々な試料での「ピコグリーン」法を使用して測定した。
グループは、次のように各個体に帰す「白髪強度の表現型スコア」を考慮して構成した。
一次基準は2つあった(それぞれに対してスコア値=2), つまり:(i) 18歳以下で最初に白髪; (ii) 30歳でかなりの白髪混じりである。
3つの二次基準があった(それぞれに対してスコア値=1), つまり:(i) 25歳以下で最初に白髪;(ii) 30歳で黒い白髪混じり; (iii) 若白髪の家族概念。
各々の診断基準を用いて各個体のスコアを加えることは、若白髪に対する強度スコアを各個体にあてがうことができることを意味する。
表現型に応じて幾つかの異なったグループを定義することもまたできる。罹患個体のなかで、72の個体が4又は5のスコアを有しており、132の個体が2以上の表現型スコアを有していた。
グループAII: このグループは2、3、4又は5の表現型スコアを持つ132のPC個体からのDNAによって構成された。
グループBI及びBII: これらのグループはPC個体のものに近い地理的起源のコントロール個体からのDNAによって構成した。これらのコントロール個体に対しては、選択基準は、(i) 40歳以上の年齢; (ii) コントロール個体に白髪の徴候なし; (iii) 白髪の家族概念なしであった。グループAI又はAIIからの個体との対形成の基準は、18歳の同一の地理的起源、同性及び同一の毛髪色であった。
このようにして、PC表現型による罹患対非罹患対に加えて、グループAIからの各PC個体は近い又は同一の地理的起源のグループBI中のコントロール個体によって表された。これは、グループAIIの各個体に対して同じであった。
異なったグループの構成は図13に模式的に示している。
罹患及びコントロール被験者の臨床的診断のためのこれらの厳格な方法の使用により、表現型データの質の信頼性が保証された。
更に、本発明者等によって決められた規則を使用した対形成の厳格さは、プールにグループ化されるか個々に比較されるかかかわらず、これら個体からのゲノムデータを比較する統計的解析の妥当性の保証であった。
SNPの異なったグループは次のように構成した:
グループ1, 2, 3及び4の定義:
・グループ1: 下位のアレル > 10%, 標準偏差 < 0.025
・グループ2: 下位のアレル > 10%, 標準偏差 > 0.025
・グループ3: 下位のアレル < 10%, 標準偏差 < 0.025
・グループ4: 下位のアレル < 10%, 標準偏差 > 0.025
この方法を使用して、3227のSNPをついで確認した。
3227の確認されたSNPのうち、1264を新しい選択工程の間に選択した。
この新しい選択は次の基準に基づいていた:
・遺伝子領域に近いか遺伝子内;
・30から50Kbの範囲の平均SNP間遺伝子内間隔。
SNPの大半は最も高い信頼性を表したグループ1から選択された。
工程4の間に残った1264のSNPに対して、次の工程は、表現型の深刻度及び早期性の程度に依存してプールしたDNAの4つのグループに対して、その対立形質、つまり、アレルの各々の頻度を決定することであった(工程3の4つのグループの定義及び図13を参照のこと)。
二つのアレルのアレル頻度を、4グループのSNPの各々に対して決定した。
しかし、実験は個々のDNAについてよりむしろプールについて実施したので、対立形質のみを遺伝子型よりむしろこの方法を使用して決定した。
グループAI及びBI又はAII及びBII間のアレル頻度の差異の統計的有意さを、有意さを表す「p」値によって推定した。p値が低くなればなるほど、距離がいっそう統計的に有意になった。
実験は3回繰り返した(3 PCR)。3回のPCRの各々をMALDI-TOFを使用して5回試験し、信頼性のある平均値を得た。
72のPCのグループとそのコントロールに対する結果だけを考慮し、これらはより均一であるようである(グループAII-BIIの比較は二三の陽性の結果だけをもたらし、擬陰性の存在に関する疑いが生じた)。
SNPのそれぞれに対する二つのアレルの頻度を異なったグループのDNAに対して計算した。しかし、遺伝子型はこの研究によってこのタイプでは決定されず、その結果、異なったグループ間のその頻度は入手できないであろう。
グループ間のアレル頻度距離の統計的有意性は「p」の値によって推定される。0.05(%)未満のp値のSNPのみを残した。
次表は表の形で得られた結果を例示する。
欄の定義:
・ CHROM: 染色体の数;
・ CHROMPOS: 染色体上の位置 (NCBI 構築30);
・ SNP ID: 使用されたSNPの識別子;
・ AI_A2はアレル2 (プールAIのMALDI-TOF中のより大なる質量のアレル)の頻度である;
・ BI_A2はアレル2 (プールBIのMALDI-TOF中のより大なる質量のアレル)の頻度である;
・ DAI-BI はプールAIとプールBIの間のアレル2の頻度の差;
・ P-value_IはプールAIとBIの頻度を比較するために計算されたp-値である;
・ P<0.05: p-値が> 0.05であるとき、値=0;p-値が< 0.05であるとき値は1である;
・ Code: コード(ind, dbs, 2, 3)は、結果の性質(コード表参照)に依存して、個々であるか二重スポット又は2、3又はそれ以上のクラスターとして分散しているのは陽性SNPであることを示している;
連鎖不平衡は2遺伝子(アレル)がそれらの個体頻度の積だけ予想頻度よりも高い頻度で一緒に分離する状況である。これは、統計的に考えられるよりもより頻繁に一緒に分離するので、二つの遺伝子が独立ではないことを意味しており、よって同じ染色体上に互いに近接して位置するアレル間に非依存欠乏がある。更に、これは距離を考慮し、よって110−110Kbs以上距離があるSNPが除去されるれる。
この連鎖不平衡により、アレルの同時分離が単一の無作為事象によって支配される同時分離から逸れている幾つかのマーカーによってマークされるDNAのブロックを形成することができる。この状況はこのブロックでの再結合の不在又は不足によってつくられる。連鎖不平衡を持つ領域のサイズは染色体領域と共に変わり、10kbから200kbにわたって延びるように思われる。
ゾーンがこの欄で黒くされている場合、連関は有意である。グレイの場合、連関値は僅かに許容できる。
5%未満のp-値を持つSNPのみが表に示されるが、但し、二つの陽性のSNPの間に陰性のSNPが位置し、二重スポットと興味あるクラスターを囲むものを決定する。
・スポット:
・単離された陽性SNP
・二重スポット中の陽性のSNP (例: 1つの陰性SNPによって分離した2つの陽性SNP)
・クラスター:
・2の陽性の連続SNPs
・3を越える陽性の連続SNP
・連鎖不平衡/頻度
i- 領域C
領域Cは比較的多数の単離された陽性SNPによって特徴付けられる。これに対して、二重スポット又はクラスター数は比較的低い。LD(連鎖不均衡) 解析及び混合アレル頻度は興味ある3領域を明らかにした。これらの3領域のうち、2つの遺伝子座(位置41527287-41677819及び55638663-56042041)が<1%のp-値によって特徴付けられた。
これら3領域 (C1, C2, C3)の遺伝子内容は以下に展開する:
Cl (41527287-41677819):
-仮想タンパク質KlAA1042
-CCK: ガストリン/コレシストキニンb型レセプター(cck-bレセプター)
C2: (52846896-52913941):
-CACNA1D: 電位依存性1型カルシウムチャンネルα-1dサブユニット
C3: (55638663-56042041) :
-ARHGEF3 rhoグアニンヌクレオチド交換因子3; rhogefタンパク質; 59.8 kdaタンパク質; 血小板及び白血病及びニューロン組織に見出される交換因子xpln。
-仮想タンパク質AL133097
領域Dは相対クラスター密度によって特徴付けられ、LD解析及び頻度解析は興味深い幾つかの領域を示した。7つのゾーン(D1, D2, D3, D4, D5, D6, D7)がそのクラスター配置、そのLD潜在性及びアレル頻度の配置に対して明らかになった。7ゾーンのうち、5つ(太字; D2, D3, D5, D6, D7)が少なくともひとつのSNPとの比較の有意性のためより有望であった。
これらの7ゾーンの遺伝子内容は以下の通りである:
DI (136479801-137007868):
-KLHL3 : kelch-様タンパク質3
-HNRP A0 : 異種核リボ核タンパクa0 (hnmp a0).
D2(137542040-137771805)
-CDC25C: マップ/微小管親和性調節キナーゼ3(ec 2.7.1.27)
-EGRI : 早期成長応答プロテイン1(egr-l) (krox-24プロテイン)
-C5orf6 : 予測
-C5orf7 : 予測
-LOC51308 : 予測
-ETF1 : 真核生物ペプチド鎖終結因子サブユニット1(erfl)
-HSP A9B : ストレス- 70プロテイン, ミトコンドリア前駆体
D3(139931847-140118601)
-PCDHA1からPCDHA13 :プロトカドヘリン.α1前駆体からプロトカドヘリンα1前駆体
D4(149518721-149586774)
-CSFIR : マクロファージコロニー刺激因子Iレセプター前駆体
-RPL7: 60sリボソームタンパク17
-PDGFRB : β血小板由来成長因子レセプター前駆体(ec 2.7.1.112)
D5(149793126-149995886)
-TCOF1 : Treacle タンパク質(Treacher Collins Syndrome Protein)。
-AL133039 : 予測
-CD74 : hla クラスii組織適合性抗原, γ鎖
-RPS14 : 40s リボソームタンパクs14
-NDST1 : ヘパラン硫酸N-デアセチラーゼ/N-スルホトランスフェラーゼ (Ec 2.8.2.8)
D6(151235618-151373121)
-G3BP : ras-gtpase-活性化タンパク結合タンパク2
-GLRAI : グリシンレセプターα-1鎖前駆体
D7(153463449-153854650)
-C5orf3: 予測
-MFAP3 : ミクロフィブリル関連糖タンパク3前駆体
-GALNTI0 : 推定udp-galnac:ポリペプチドn-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ
-FLJ11715 : 予測
領域Eはまた相対クラスター密度によって特徴づけられており、LD解析及び頻度解析は興味深い6の領域ゾーンを示している(E1, E2, E3, E4, E5, E6)。太字の3つのゾーン E2, E5, E6はサンプル間の比較の有意性のためより有望であった。
これら6ゾーンの遺伝子内容は以下の通りである:
EI (108893187-108944206)
-GUCYIA2 : 可溶型グアニル酸シクラーゼ, α-2鎖 (ec 4.6.1.2)
E2 (110056711-110546142)
-CUL5: バソプレッシン活性化カルシウム動員レセプター(vacm-l) (クリンホモログ5)
-ACATI : アセチル-coaアセチルトランスフェラーゼ, ミトコンドリア前駆体(ec 2.3.1.9)
- NPAT :核タンパク質, 血管拡張性失調症遺伝子座; e 14遺伝子;
-ATM : セリン-プロテインキナーゼatm (ec 2.7.1.37)(変異した毛細血管拡張性運動失調)
-AF035326 : 予測
-AF035327 : 予測
-AF035328 : 予測
-BC029536 : 予測
E3 (115527211-115745012)
-FLJ20535
-DRD2 : d(2) ドーパミンレセプター
-ENS303941 : 予測
E4 (117397672-117752160):
IGSF4 : 免疫グロブリンスーパーファミリー、メンバー4;ネクチン様タンパク質2
E5 (118532530-118685957)
既知の遺伝子なし
E6 (119417270-119469358)
-LOC51092: 予測
-BC010946 : 予測
-TAGLN: transgelin (平滑筋タンパク質22-α) (sm22-α) (ws3-10) (22 kdaアクチン結合タンパク質)。
-PCSK7 : プロタンパク質コンバーターゼサブチリシン/kexin7型前駆体(ec 3.4.21.-)
-ENS300650 :予測
組成物の実施例
-毛髪用ローション
マーカーD3S1277及びD3S1285間に含まれる染色体領域からの 0.5 g
DNA断片
プロピレングリコール 20 g
95°エタノール 30 g
水 100 gにする量
このローションを、少なくとも10日、好ましくは1から2ヶ月間、処置すべき領域、好ましくは頭皮全体に毎日適用した。
白髪又はグレイの髪の出現の減少とグレイの髪の再色素形成が観察された。
D5S2115及びD5S422マーカー間に含まれる染色体ゾーンからの 1.5 g
DNA断片
ポリグリセリル-3-ヒドロキシルアリールエーテル 26 g
ハーキュレスからクリューセル(Klucell)Gとして市販のヒドロキシ 2 g
プロピルセルロース
保存料 適量
95°エタノール 50 g
水 100 gにする量
このシャンプーは各洗浄時に使用し、約一分間毛髪上に残した。2ヶ月のオーダーの長い期間使用した結果、グレイの髪に次第に再色素形成が見られた。このシャンプーは毛髪の白髪化を予防的に遅らせるために使用できる。
D11S898及びD11S925マーカー間に含まれる染色体ゾーンから 0.75 g
のDNA断片
ユーカリ精油 1 g
エコノゾール 0.2 g
ラウリル-ポリグリセリル6-セテアリールグリコエーテル 1.9 g
保存料 適量
BFグッドリッチ社市販のカルボポール934P 0.3 g
中和剤 pH 7にする量
水 100 gにする量
このゲルを毎日2回(朝と晩)処置領域に塗布し、仕上げのマッサージを行った。3ヶ月の適用後、処置された領域に髪の再色素形成が観測された。
・E Lander及びL Kruglyak: Genetic dissociation of complex traits: guidelines for interpreting and reporting linkage results. Nat. Genet. 11 (3): 241-247, 1995。
Claims (36)
- 色素沈着分野での美容目的のための、KIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3及びAL133097遺伝子から選択されるヒト染色体3の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる少なくとも一のポリヌクレオチド断片であって、30から5000ヌクレオチドの長さ範囲にある断片の使用。
- 色素沈着分野での治療用の医薬の製造における、KIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3及びAL133097遺伝子から選択されるヒト染色体3の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる少なくとも一のポリヌクレオチド断片であって、30から5000ヌクレオチドの長さ範囲にある断片の使用。
- 上記断片の長さが50から3000ヌクレオチドの範囲にある請求項1又は2に記載の使用。
- 上記色素沈着が毛髪の色素沈着であることを特徴とする請求項1又は2に記載の使用。
- 白髪の予防又は処置に関するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の使用。
- 上記白髪が若白髪であることを特徴とする請求項5に記載の使用。
- 上記断片に蛍光、放射性又は酵素プローブが結合していることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリヌクレオチド断片の使用。
- 個体の若白髪に対する素因を診断する方法において、
i)KIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3及びAL133097遺伝子から選択されるヒト染色体3の遺伝子に属するマーカーを選択し、
ii)上記個体からの遺伝的材料の試料中に存在する選択されたマーカーのアレルを決定する、工程を含んでなる方法。 - iii)マーカーのアレルを他の個体のアレルと比較して、診断を行う工程を更に含む、請求項8に記載の方法。
- 他の個体が、診断される個体と同じ家族の構成員であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 色素沈着の分野での美容目的のための、KLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1からPCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10及びFLJ117151遺伝子から選択されるヒト染色体5の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる少なくとも一のポリヌクレオチド断片であって、長さが30から5000ヌクレオチドの範囲にある断片の使用。
- 色素沈着の分野での治療用医薬の製造における、KLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1からPCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10及びFLJ117151遺伝子から選択されるヒト染色体5の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる少なくとも一のポリヌクレオチド断片であって、長さが30から5000ヌクレオチドの範囲にある断片の使用。
- 上記断片の長さが50から3000ヌクレオチドの範囲にある請求項11又は12に記載の使用。
- 上記色素沈着が毛髪の色素沈着であることを特徴とする請求項11又は12に記載の使用。
- 白髪の予防又は処置に関するものであることを特徴とする請求項11又は12に記載の使用。
- 上記白髪が若白髪であることを特徴とする請求項15に記載の使用。
- 上記断片に蛍光、放射性又は酵素プローブが結合していることを特徴とする請求項11又は12に記載のポリヌクレオチド断片の使用。
- 個体の若白髪に対する素因を診断する方法において、
i)KLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1からPCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10及びFLJ117151遺伝子から選択されるヒト染色体5の遺伝子に属するマーカーを選択し、
ii)上記個体からの遺伝的材料の試料中に存在する選択されたマーカーのアレルを決定する、工程を含んでなる方法。 - iii)マーカーのアレルを他の個体のアレルと比較して、診断を行う工程を更に含む、請求項18に記載の方法。
- 他の個体が、診断される個体と同じ家族の構成員であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
- 色素沈着の分野での美容目的のための、GUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7及びENS300650遺伝子から選択されるヒト染色体11の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる少なくとも一のポリヌクレオチド断片であって、30から5000ヌクレオチドの長さ範囲にある断片の使用。
- 色素沈着分野での治療用の医薬の製造における、GUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7及びENS300650遺伝子遺伝子から選択されるヒト染色体11の遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなる少なくとも一のポリヌクレオチド断片の使用であって30から5000ヌクレオチドの長さ範囲にある断片の使用。
- 上記断片の長さが50から3000ヌクレオチドの範囲にあることを特徴とする請求項21又は22に記載の使用。
- 上記色素沈着が毛髪の色素沈着であることを特徴とする請求項21又は22に記載の使用。
- 白髪の予防又は処置に関するものであることを特徴とする請求項21又は22に記載の使用。
- 上記白髪が若白髪であることを特徴とする請求項25に記載の使用。
- 上記断片に蛍光、放射性又は酵素プローブが結合していることを特徴とする請求項21又は22に記載のポリヌクレオチド断片の使用。
- 個体の若白髪に対する素因を診断する方法において、
i)GUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7及びENS300650遺伝子から選択されるヒト染色体11の遺伝子に属するマーカーを選択し、
ii)上記個体からの遺伝的材料の試料中に存在する選択されたマーカーのアレルを決定する、工程を含んでなる方法。 - iii)マーカーのアレルを他の個体のアレルと比較して、診断を行う工程を更に含む、請求項28に記載の方法。
- 他の個体が、診断される個体と同じ家族の構成員であることを特徴とする請求項29に記載の方法。
- − KIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3及びAL133097遺伝子から選択されるヒト染色体3からの遺伝子の全て又は一部に対応する配列、
− KLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1からPCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10及びFLJ117151遺伝子から選択されるヒト染色体5からの遺伝子の全て又は一部に対応する配列、及び
− GUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7及び ENS300650遺伝子から選択されるヒト染色体11からの遺伝子の全て又は一部に対応する配列
から配列が選択される少なくとも18の連続ヌクレオチドをそれぞれが含んでなる少なくとも二のポリヌクレオチド断片の組み合わせの、色素沈着分野での美容目的のための使用であって、上記断片の長さが30から5000ヌクレオチドの範囲にある断片の使用。 - − KIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3及びAL133097遺伝子から選択されるヒト染色体3からの遺伝子の全て又は一部に対応する配列、
− KLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1からPCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10及びFLJ117151遺伝子から選択されるヒト染色体5からの遺伝子の全て又は一部に対応する配列、及び
− GUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7及び ENS300650遺伝子から選択されるヒト染色体11からの遺伝子の全て又は一部に対応する配列
から配列が選択される少なくとも18の連続ヌクレオチドをそれぞれが含んでなる少なくとも二のポリヌクレオチド断片の組み合わせの、色素沈着分野での治療用の医薬の製造における使用であって、上記断片の長さが30から5000ヌクレオチドの範囲にある使用。 - 個体の若白髪に対する素因を診断する方法において、
i)・KIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3及びAL133097遺伝子から選択されるヒト染色体3の遺伝子に属するマーカー;
・KLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1からPCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10及びFLJ117151遺伝子から選択されるヒト染色体5の遺伝子に属するマーカー;
・GUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7及びENS300650遺伝子から選択されるヒト染色体11の遺伝子に属するマーカー
から選択される少なくとも二のマーカーの組み合わせを選択し、
ii)上記個体からの遺伝的材料の試料中に存在する選択されたマーカーのアレルを決定する、工程を含んでなる方法。 - iii)マーカーのアレルを他の個体のアレルと比較して、診断を行う更なる工程を含む、請求項33に記載の方法。
- 他の個体が、診断される個体と同じ家族の構成員であることを特徴とする請求項34に記載の方法。
- KIAA1042, CCK, CACNA1D, ARHGEF3及びAL133097遺伝子から選択されるヒト染色体3からの遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなるもの、KLHL3, HNRPA0, CDC25C, EGR1, C5orf6, C5orf7, LOC51308, ETF1, HSPA9B, PCDHA1からPCDHA13, CSF1R, RPL7, PDGFRB, TCOF1, AL133039, CD74, RPS14, NDST1, G3BP, GLRA1, C5orf3, MFAP3, GALNT10及びFLJ117151遺伝子から選択されるヒト染色体5からの遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなるもの、及びGUCY1A2, CUL5, ACAT1, NPAT, ATM, AF035326, AF035327, AF035328, BC029536, FLJ20535, DRD2, ENS303941, IGSF4, LOC51092, BC010946, TAGLN, PCSK7及び ENS300650遺伝子から選択されるヒト染色体11からの遺伝子の全て又は一部に配列が対応する少なくとも18の連続ヌクレオチドを含んでなるものから選択される少なくとも二のポリヌクレオチド断片の組み合わせを含んでなるキットであって、上記断片の長さが30から5000ヌクレオチドの範囲にあるキット。
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