JP2005532092A - クッション用弾性マット - Google Patents

Abstract

【課題】 ソフトな坐り心地の弾性マットを提供すること。
【解決手段】 弾性マット（１０）、特にあらゆるタイプのシート、ベッドあるいは椅子のクッション用の弾性マットに係り、このマットは第一の方向に相互に配列されるばね要素（１２）を具備し、これらばね要素は作用結合できるよう第一の方向に対して直交方向に相互に結合され、それにより、所望のソフトな坐り心地印象を特に提供することを特徴とする。

Description

関連出願の参照

ここに提出される出願は２００２年５月１５日提出のドイツ実用新案出願２０２０７６０５．９を優先権主張するものであり、これでもって明確にその公開内容を本提出の出願の対象にしている。

本発明は、請求項１の上位概念に示唆されるように、弾性マット、特にシートおよびこれに類似したもののクッショニング用の弾性マットに関するものである。

本特許出願の請求項１の上位概念に示唆される着座家具用のばね床部ないしばねシート部（Federboden）はドイツ特許出願31762Cにより公知である。針金製の一枠に予付勢をもって平行に相互に懸架される個々のばね要素はばね帯鋼から成形される。この予付勢は、そしてばね要素と支持要素の間の分離も、ばね床部（Federboden）の全高を高めるのみではない。個々のばねは、また一列の中でさえも一緒に懸架されていないので、坐る際に個々のばねを感じさせる変位が生じる。この効果はここで要求されるばね要素の予付勢によってなお高められる。ばね要素の個々の型形成はドイツ特許出願10023466A1で既知である。

フランス特許出願906564Aにより着座家具用のばね床部（Federboden）が公知である。個々のばね要素はばね帯鋼から成形される。ここでばね要素を有する個々のばね部品は、その高さが荷重負荷下で残りのばね要素からは何の影響も受けないで低減するように配列される。ばね要素はクッション体の中に発泡成形されることができる。曲げ半径のために相当な全高を要する。ばね要素自体は支持枠（Tragrahmen）に平行に相互に懸架される。ここのばねは長手方向に直交して相互に機能的結合（Wirkverbindung）していないので、所望のソフトな坐り心地の効果は得られない。

ドイツ特許出願2400992A1およびドイツ特許出願2400993A1は伸縮性のない材料から成るクッション体を示し、これはばね架橋断面（Federbrueckenabschnitte）に関し弾力性を有する。平面における弾性はそれでもって可能となるが、個々の要素は伸縮性がないので所望の支持点的な弾性は生じない。密に整列すればクッション体の型成形が制限される。

ドイツ特許出願650903Cからは平坦なばね要素を有し飛行機に要求されるばね床部（Federboden）が公知である。この飛行機に要求されるばね要素を介しては、これにより支持点的な弾力性のある荷重の吸収が妨害されるので、心地良くない硬い印象が生じる。さらには、補助枠が必要となるので、平面的構成ができない。

弾性要素は時折また座席、ベッドあるいは利用者がソフトな坐り心地の印象を呼び起こすという課題を有する類似の製品のクッション体を介して形成される（DD20471）。その際これはPCT出願WO93/03652Aまたはドイツ特許出願19828254C2に見られるようにばね要素でもってクッショニングされることができる。空間を節約するために全高を低減することは構成要素に関する多くの理由で不可能である。ばね要素の構成がフランス特許出願1074160Aやフランス特許出願1268632Aに見られるように三次元へ展開されるならば、このプラスティック製のばね要素の個々のループ（Schlaufen）はそれ自身弾性を有さず、枠を介しての補助の弾性手段が必要となる。

ドイツ特許出願19902464A1からは車両用座席への弾性マットの利用が公知となる。ここでは、要求に応じてばねを装備したウェブ（Stege）でもって結合された平面的支持範囲が多数呈示される。全構成がフレームの中に張り渡されなくてはならない。類似の構成はフランス特許出願2759649A１やドイツ特許出願883678Cで公知である。弾性は、張力が下部範囲（unteren Bereich）において感じ取られないように、平面上にのみ可能である。したがって、平面に対して直交方向へのばね手段がなく、また支持点として機能するばね手段もないので、ソフトな坐り心地の印象は保証されない（さらなる比較としてドイツ特許出願1916968U、図の呈示はないがヨーロッパ特許出願388542A1）。

三次元の弾性マットはイギリス特許出願1042112で公知である。ここではマットはプラスティックから単体として製造される。この全体が平面的な結合のためこのマットは所望の任意の輪郭に適合しない。さらにばね要素は自身では変形不可である。イギリス特許出願2055173Aにおいては、これに反し、弾性マットは幅広い平面的なばね要素を装備しているので、三次元構造にもかかわらず、ばね要素に直交する方向の弾力性に欠ける。（比較としてオーストラリア特許出願405481B、ドイツ特許出願19505028A1、ドイツ特許出願9200114U）

ベッド分野においては、寝床面に対して直交方向に立てられたばね要素をマットやベッド用格子に整列することが公知である（イギリス特許出願614272、フランス特許出願1580446A）。ドイツ特許出願2046445Aからは、格子の周りにのみ相互に結合された個々のばね横梁材(Federbalken)が並べて整列されているのが公知となる。これは、ソフトな平面的な印象への所望の効果がなくなるように、補助的な自由度およびたわみを操作する。この分野では、すくなくとも支持点的に弾力性のないばね要素でもって高く構成した解決策が、例えばドイツ特許出願7929543U、ドイツ特許出願846158C、ヨーロッパ特許出願972470A1、フランス特許出願955776A、PCT出願WO96」39906A、ドイツ特許出願132171C、ドイツ特許出願132558C、ドイツ特許出願1975358U、ドイツ特許出願2015659C、ドイツ特許出願344247C、ドイツ特許出願357703C、ドイツ特許出願475144C、イギリス特許出願614133C、イギリス特許出願917563C、イギリス特許出願934658C、フランス特許出願1012674A、PCT出願WO00/11989Aで公知である。

この技術水準を前提として、本提出の発明はそれに代わり所望のソフトな坐り心地印象をスペースを節約して提供することを根底的な課題とする。

本課題は請求項１記載の特徴を有する弾性マットによって解決される。

弾性マットは弾力性のあるばね要素から成り、このばね要素は一方向に所望の間隔で並んで配列されると共に、この方向に対し直交方向に相互に結合される。これにより補助手段を追加することなくソフトな坐り心地印象を作り出せる。またクッションのように、適切なばね心地良さを有し、平面での弾力性のある要素を提供することも目的としている。三次元のばね弾性的な要素が要望される場合には、このマットは第三次方向へも延在することが可能である。さらにこの要素はシートの他の構成部品とは独立して使用されることができ、特にシートの使用寿命が尽きた後で車両の再利用時に利用できるという利点がある。

金属製のばね帯鋼を利用し、これを並べて配列すると共に横結合手段ないし横結合部材（Querstrebe）あるいは平面的結合手段によって直交して相互に結合される。このとき平面的な力伝達が保証される。同時に全高は明らかに低減される。

従属クレームにより更なる長所が明らかとなる。

以下、本発明を実施例として添付した図面に則して詳細に説明する。従って本実施態様はあくまで実施例に過ぎなく、本発明の主旨に如何なる制限をも加えるものではない。

第２図は弾性マット１０の平面図であり、これは特にシート、特に車両用シートのクッショニングに利用されるものである。この弾性マットの利用は、事務用椅子、シート要素、ソファあるいは車両用ならびに飛行機用シートのようなあらゆる種類の台座設備の座部および背もたれ部に限定されるものではなく、更には例えば、ベッドや自転車用サドルにも応用可能である。基本的にはこの弾性マットは、平面上で弾力性に富み圧力作用点のないクッショニングを必要とするあらゆる種類のものに適用される。

この弾性マットでは、ばね要素１２，１５は相互に並べて配列され、その長手方向に対し、すなわち相互に機能的結合するよう第一の方向に対し直交する方向に相互に結合されている。この第一の方向は、利用者が利用する台座設備、ベッドあるいはこれに類似したものの平面に対し平行に延伸している。このばね要素１２，１５は特に金属製であり、そのため後に問題なく再利用が可能である。このマットは、特に金属製で構成される場合、表皮材料のため、いずれにせよほぼ非発炎性であり不燃性であり、このことはとりわけ車両や飛行機において重要である。しかしもちろん、所望の弾力性に富んだ性質を得ることを目的とした場合、他の材料も応用できる。所望のばね心地良さ、すなわちシートへのソフトな坐り心地印象を目的とした相応な力伝達が保証される限りにおいて、ばね要素は基本的に所望に応じた間隔で並べて配列されることができる。第２図から明確なように、特にばね要素１２，１５は本質的には相互に平行に配列されてる。

この種の弾性マットはたいていの場合面状（二次元）の形状を呈示する。しかし三次元のばね弾性要素が所望される場合には、このマットは第三次元方向へも延在構成することが可能である。この場合異なったばね要素間の結合も第三次元方向へ形成される。

第１図乃至第７図の実施態様におけるばね要素１２は幅ｕを有するばね帯鋼から成る。より良いばね効果を得るために、ばね帯鋼は高さｖのうねうねした（ないしループ状）形状に曲げ成形される。弾性マットの高さｖまたはｘは、所望の坐り心地あるいは寝心地を損なうことなく１０ｍｍ以下まで全高を低減させることができる。すなわち所望の全高に、とりわけ８乃至２０ｍｍの全高に、特に１０ｍｍに設定可能である。機能的結合を目的として、このばね要素１２は、平面的な結合手段１３によって相互に結合されることができる（第３図）。この結合手段はばね要素に接着されることができる。これはばね要素１２を有する弾性マット１０の一面あるいは両面へ配列されることができる。基本的にはまた例えば中央（mittig）の結合手段が両側でばね要素と機能的結合に形成されることもできる。結合手段１３は例えばネット材、層状（被覆）材、マットあるいはフォイルの形状で形成されることができる。更にはばね要素や結合手段の適切な配列によって、（マットの表面を）三次元に構成することも可能である。

また更には、ばね要素は特に弾力性のある横結合手段ないし横結合部材（Querstrebe）１４によっても結合可能である。横結合手段１４による結合は特にばね帯鋼をばね要素１２として使用する際に適する。異なった材料強度を使用することでばね特性を座面に対し種々の硬さや柔かさに設定することもできる。換言すれば異なったばね帯鋼を並べて配列することができる。第１図に示されるばね帯鋼は、第４図のばね帯鋼とは異なった曲げ径を有する。またこれによって弾性マットの弾力性へも影響を及ぼす。

第１図乃至第７図に示す実施態様において、ばね要素１２としての弾性マットは所望の幅および長さを有する多数の帯状体を備える。金属製のばね要素に比べて長所があるならば、ばね鋼の代わりにプラスティックあるいは他の弾性材料も利用できる。個々の帯状体は種々の方法で結合手段１３，１４によって結合される。ばね要素１２と結合手段１４との結合は例えばパンチリベッドやレーザー溶接で可能である。ばね要素１２はまた例えばプラスティック射出成形部品として一体成形加工されることもできる。該当する実施態様は第８図乃至第１０図に示される。ばね要素１５は基準面（ないし基底面）１６から立ち起して成形される。該当部分は射出成形加工される、あるいはプラスティック部材から−あるいは金属製部材から−プラスティックの塑性変形を利用して深絞り成形加工される。

双方の場合、密接に置かれた多数の支持点により、従来の弾性マットとは対照的に、圧力点を感ずることなく、“坐っている”平面部の方向への全く平面的な坐り心地が得られる。このマットは、負荷を受けた際、個々の要素の集合作用により、水ベッドのように各人の体格に順応する。

ばね要素１２および場合によっては結合手段１３，１４から成る弾性マット１０は、シート、特に車両用シートへの利用に供される結合材料（ないし複合結合材料；Verbundwerkstoff）として構成されることができる。この結合材料はそれ自身例えばクッションの張替え部材のように車両用シートの部品（複数）を再び包含できる。またこの結合材料は車両用シートの、あるいは車両用シートの部品の完全な構成要素としても成り立つ。

弾性マットは、あらゆる大きさや、例えば正方形、長方形、楕円形、円形、三角形等のあらゆる形へ製作（形成）されることができる。このマットは、所望の支持点を得るためにばね要素あるいはその形状を適切に選択する必要があり、これにより、所望の支持点で指定の陥没深さや硬さを有するよう製造できる。このマットはたいへん柔軟性に富み、各利用分野に応じてあらゆる基本形状に順応できる。更にこのマットは、例えば面取り加工、曲げ加工あるいはそれに類似した加工のような追加の塑性変形加工を必要としない。このマットは所望の基本輪郭に従う。追加の取り付け具とか成形した枠を利用することができるが、これらは必ずしも必要ではない。マットは圧力負荷を受けた場合でも、個々のばね要素の形状が圧力を吸収するので、その外輪郭形状を失わない。

本明細書は、従属クレームに記載されたものの均等の範囲内で変動可能な種々の修正、変更および適応を包括していることは、言うまでもないことである。

一実施態様における弾性マットの断面図。 第１図の弾性マットの平面図。 結合材料としての弾性マットの断面図。 ばね要素の断面図。 別の実施態様における特に金属製の弾性マットの断面図。 第５図の弾性マットの平面図。 第５図の弾性マットの斜視図。 更なる別の実施態様における特にプラスチック製の弾性マットの断面図。 第８図の弾性マットの平面図。 第８図の弾性マットの斜視図。

Claims (22)

1. 特にあらゆるタイプのシート、ベッドあるいは椅子のクッション用の弾性マット（１０）であって、該マットは第一の方向に相互に配列されるばね要素（１１，１１',１２,１５）を具備し、該ばね要素は機能的結合するよう第一の方向に対し直交方向に相互に結合されていることを特徴とする弾性マット。
2. 前記第一の方向は、利用者が利用する面に平行に延伸することを特徴とする請求項１に記載の弾性マット。
3. 前記ばね要素（１１，１１'，１２）は金属製であることを特徴とする請求項１又は２に記載の弾性マット。
4. 前記ばね要素（１１，１１'，１２，１５）は本質的に相互に平行に配列されていることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の弾性マット。
5. 前記ばね要素（１１）は少なくとも初期状態において螺旋状ばねであることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一に記載の弾性マット。
6. 前記螺旋状ばね（１１，１１'，１２）の螺旋は機能的結合するよう相互に絡むように巻かれていることを特徴とする請求項５に記載の弾性マット。
7. 前記螺旋状ばね（１１）は、接触面が増加するよう該弾性マット（１０）の載置面に対し直交方向に塑性変形されることを特徴とする請求項５又は６に記載の弾性マット。
8. 前記ばね要素（１２）はばね帯鋼から成るか、又は少なくともばね帯鋼を含むことを特徴とする請求項１〜７のいずれか一に記載の弾性マット。
9. 前記ばね要素は平面的な結合手段（１３，１６）によって相互に結合されていることを特徴とする請求項１〜８のいずれか一に記載の弾性マット。
10. 前記結合手段（１３）はばね要素（１１，１１'，１２）に接着されているか、又は他の方法で結合されていることを特徴とする請求項９に記載の弾性マット。
11. 前記結合手段（１３）は該弾性マット（１０）の少なくとも一の側でばね要素（１１，１１'，１２）と結合されていることを特徴とする請求項９又は１０に記載の弾性マット。
12. 前記結合手段（１３）はネット状材、層状材、マットあるいはフォイルで構成されていることを特徴とする請求項９〜１１のいずれか一に記載の弾性マット。
13. 前記ばね要素（１２）はとくに弾力性のある横結合手段（１４）によって相互に結合されていることを特徴とする請求項１〜１１のいずれか一に記載の弾性マット。
14. 該弾性マットは射出成形または深絞り成形によってプラスチック材から形成されていることを特徴とする請求項１〜１３のいずれか一に記載の弾性マット。
15. 前記ばね要素（１５）と該ばね要素を結合している部材は一部材であることを特徴とする請求項１〜１４のいずれか一に記載の弾性マット。
16. 該弾性マット（１０）は少なくとも前記ばね要素（１１，１１'，１２）又は前記ばね要素および前記結合手段（１３，１４）から構成され、シート、特に車両用シートへ利用するために結合材料（Verbundmaterial）を装備することを特徴とする請求項１〜１５のいずれか一に記載の弾性マット。
17. 前記結合材料は前記車両用シートの他の部品を含むことを特徴とする請求項１４に記載の弾性マット。
18. 前記結合材料は前記車両用シート又は前記車両用シートの部品の一体の構成部分であることを特徴とする請求項１４又は１５に記載の弾性マット。
19. 前記ばね要素（１１，１１',１２）は、平面部に対する印象が支持点の数から結論付けされるよう、相互に蜜接に配置されることを特徴とする請求項１〜１８のいずれか一に記載の弾性マット。
20. 該弾性マットは８乃至２０ｍｍ、特に１０ｍｍの全高を有することを特徴とする請求項１〜１９のいずれか一に記載の弾性マット。
21. 該弾性マットは別の結合手段によって三次元形状を有することを特徴とする請求項１〜２０のいずれか一に記載の弾性マット。
22. 請求項１〜２１のいずれか一に記載の弾性マットを装備する車両用シート。
    

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