JP2005530785A - 化合物、組成物、及び方法 - Google Patents

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Abstract

KSPの活性をモジュレートすることにより細胞増殖性疾患及び障害を治療するのに有用な化合物を開示する。

Description

本発明は、有糸分裂キネシンKSPの阻害剤でありかつ細胞増殖性疾患、たとえば、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、真菌性障害、及び炎症の治療に有用である化合物に関する。
癌の治療に用いられる治療剤の中には、タキサン及びビンカアルカロイドがある。これらは、微小管に作用する。微小管は、有糸分裂紡錘体の主要な構造要素である。有糸分裂紡錘体は、細胞分裂の結果として生じる2つの娘細胞のそれぞれにゲノムの複製コピーを分配する役割を担う。これらの薬剤により有糸分裂紡錘体が破壊されることにより、癌細胞分裂が阻害され、癌細胞死が誘発されると推測される。しかしながら、微小管は、神経突起中の細胞内輸送用通路をはじめといる他のタイプの細胞構造体を形成する。これらの作用剤は有糸分裂紡錘体を特異的に標的にするわけではないので、副作用を有しており、それらの有用性は制限される。
これらの作用剤の投与に伴う副作用を低減させることができれば、治療上の利点が得られるので、癌の治療に用いられる作用剤の特異性を向上させることに、かなりの関心が払われている。伝統的には、癌の治療の劇的な改善は、新規な機序で作用する治療剤の同定に関連づけられる。この例には、タキサンだけでなくカンプトテシン類のトポイソメラーゼI阻害剤も包含される。これらのいずれの観点からみても、有糸分裂キネシンは、新しい抗癌剤の魅力的な標的である。
有糸分裂キネシンは、有糸分裂紡錘体の集合及び機能に不可欠な酵素であるが、一般的には、神経突起などにみられるような他の微小管構造体の一部分になることはない。有糸分裂キネシンは、すべての有糸分裂期で本質的な役割を果たす。この酵素は、ATPの加水分解により放出されるエネルギーを、微小管に沿った細胞カーゴの指向性運動を駆動する機械的な力に変換する「分子モーター」である。この作業を行うのに十分な触媒ドメインは、約340個のアミノ酸よりなるコンパクト構造体である。有糸分裂時、キネシンは、有糸分裂紡錘体である二極構造体の形に微小管を組織化する。キネシンは、紡錘体微小管に沿った染色体の運動を媒介するとともに、特定の有糸分裂期に関連づけられる有糸分裂紡錘体の構造変化をも媒介する。有糸分裂キネシンの機能を実験的に撹乱すると、有糸分裂紡錘体の形成異常又は機能不全が誘発され、多くの場合、細胞周期停止及び細胞死が起こる。
同定された有糸分裂キネシンには、KSPが包含される。KSPは、逆平行ホモダイマーよりなる双極ホモテトラマーの形に集合するプラス末端指向性微小管モーターの進化的保存キネシンサブファミリーに属する。有糸分裂時、KSPは、有糸分裂紡錘体の微小管に会合する。KSPに対する抗体をヒト細胞中にマイクロインジェクションすると、前中期に紡錘体極の分離が防止され、その結果、単極紡錘体が生成され、有糸分裂の停止及びプログラム細胞死の誘発が起こる。KSP及び他の非ヒト生物の関連キネシンは、逆平行微小管を束ねて互いに摺動させることにより、2つの紡錘体極を分離させる。KSPはまた、後期Bにおける紡錘体の伸長及び紡錘体極への微小管の集束を媒介しうる。
ヒトKSP(HsEg5とも呼ばれる)については、(Blangy, et al., Cell, 83:1159-69 (1995); Whitehead, et al., Arthritis Rheum. , 39:1635-42 (1996); Galgio et al., J. Cell Biol., 135:339-414 (1996); Blangy, et al., J Biol. Chem., 272:19418-24 (1997); Blangy, et al., Cell Motil Cytoskeleton, 40:174-82 (1998); Whitehead and Rattner, J. Cell Sci., 111:2551-61 (1998); Kaiser, et al., JBC 274:18925-31 (1999); GenBank accession numbers: X85137, NM004523 and U37426)に記載されており、そしてKSP遺伝子の断片(TRIP5)については、(Lee, et al., Mol Endocrinol., 9:243-54 (1995); GenBank accession number L40372)に記載されている。Xenopus KSP相同体も(Eg5)及びDrosophila KLP61 F/KRP1 30についても報告されている。
KSPを含めて、有糸分裂キネシンは、新規な抗有糸分裂化学療法剤の探索及び開発の魅力的な標的である。したがって、本発明の目的は、KSPの阻害に有用な化合物、組成物、及び方法を提供することである。
以上に概説した目的に従って、本発明は、細胞増殖性疾患を治療するために使用することのできる化合物を提供する。化合物は、KSP阻害剤、特に、ヒトKSP阻害剤である。本発明はまた、そのような化合物を含む組成物、及び細胞増殖性疾患を治療するために使用することのできるそのような化合物又は組成物を利用する方法を提供する。一態様において、本発明は、細胞増殖性疾患を治療する方法、及びKSPの活性を阻害することにより障害を治療する方法、に関する。本方法では、式Ia又はIb:
Figure 2005530785
〔式中、
R1は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択され;
R2及びR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか;又はR2及びR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3〜7員環を形成し;
R5、R6、R7、及びR8は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル-、ニトロ、シアノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル-、アルキルスルホンアミド、アルキルチオ、カルボキシアルキル-、カルボキサミド、アミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアリールオキシ、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアリールオキシから選択され;
R9は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択され;そして
R10、R10'、R11、及びR11'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、又は場合により置換されていてもよいアラルキル-である。
(ただし、式Ia又はIbには、単一の立体異性体、及び立体異性体の混合物も包含されるものとする)〕
で表される化合物;
式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される塩;
式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される溶媒和物;ならびに
式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される塩の製薬上許容される溶媒和物、
を利用する。
一態様において、本発明は、治療上有効な量の式Ia又はIbで示される化合物;式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される塩;式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される溶媒和物;あるいは式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される塩の製薬上許容される溶媒和物を投与することによって、細胞増殖性疾患及びKSPの阻害により治療しうる他の障害を治療する方法に関する。そのような疾患及び障害としては、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、真菌性障害、及び炎症が挙げられる。
他の態様において、本発明は、KSPキネシンを阻害するのに有用な化合物に関する。化合物は、先に式Ia又はIbに示した構造体;式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される塩;式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される溶媒和物;あるいは式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される塩の製薬上許容される溶媒和物を有する。本発明はまた、治療上有効な量の式Ia又はIbで示される化合物;式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される塩;式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される溶媒和物;あるいは式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される塩の製薬上許容される溶媒和物と;1種以上の医薬賦形剤と、を含む医薬組成物に関する。他の態様において、組成物は、本発明の化合物以外の化学療法剤をさらに含む。
このほかの態様では、本発明は、KSPキネシンに結合する化合物(たとえば、本発明の化合物に代わって結合したり、本発明の化合物と競合して結合したりする化合物)をスクリーニングする方法を提供する。本方法は、本発明の標識化合物と、KSPキネシンと、少なくとも1種の候補作用剤と、を組み合わせて、KSPキネシンへの候補作用剤の結合を測定することを含む。
さらなる態様において、本発明は、KSPキネシン活性のモジュレーターをスクリーニングする方法を提供する。本方法は、本発明の化合物と、KSPキネシンと、少なくとも1種の候補作用剤と、を組み合わせて、KSPキネシン活性に及ぼす候補作用剤の影響を測定することを含む。
定義
本明細書で使用する場合、以下の語句は、文脈上他の意味に解釈される場合を除いて、一般的には、以下に明記された意味を有するものとする。以下の略号及び用語は、全体を通して、明示された意味を有する:
Ac=アセチル
Boc=t-ブチルオキシカルボニル
Bu=ブチル
c-=シクロ
CBZ=カルボベンゾキシ=ベンジルオキシカルボニル
DCM=ジクロロメタン=メチレンクロリド=CH2Cl2
DIEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMF=N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
Et=エチル
Fmoc=9-フルオレニルメトキシカルボニル
GC=ガスクロマトグラフィー
HOAc=酢酸
Me=メチル
メシル=メタンスルホニル
PEG=ポリエチレングリコール
Ph=フェニル
PhOH=フェノール
Pht=フタリル
Py=ピリジン
rt又はRT=室温
sat'd=飽和
s-=第二級
t-=第三級
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
トシル=p-トルエンスルホニル
アルキルは、線状、分枝状、又は環状の脂肪族炭化水素構造及びそれらの組合せを包含するものとし、その構造は飽和であっても不飽和であってもよい。低級アルキルは、1〜5個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子のアルキル基を意味する。低級アルキル基の例としては、メチル-、エチル-、プロピル-、イソプロピル-、ブチル-、s-及びt-ブチル-などが挙げられる。好ましいアルキル基は、C20以下のものである。より好ましいアルキル基は、C13以下のものである。シクロアルキルは、アルキルのサブセットであり、3〜13個の炭素原子の環式脂肪族炭化水素基を包含する。シクロアルキル基の例としては、c-プロピル-、c-ブチル-、c-ペンチル-、ノルボルニル-、アダマンチル-などが挙げられる。シクロアルキル-アルキル-は、アルキルの他のサブセットであり、非環状アルキル-を介して親構造に結合されたシクロアルキルを意味する。シクロアルキル-アルキル-の例としては、シクロヘキシルメチル-、シクロプロピルメチル-、シクロヘキシルプロピル-などが挙げられる。本出願において、アルキルは、アルカニル-、アルケニル-、及びアルキニル-残基を包含し;ビニル-、アリル-、イソプレニル-などを包含するものとする。特定の数の炭素を有するアルキル残基が指定された場合、その数の炭素を有する幾何異性体がすべて包含されるものとし;したがって、たとえば、「ブチル」は、n-ブチル-、sec-ブチル-、イソブチル-、及びt-ブチル-を包含するものとし;「プロピル」は、n-プロピル-、イソプロピル-及びc-プロピル-を包含する。
アルキレン-、アルケニレン-、及びアルキニレン-は、アルキル-の他のサブセットであり、アルキル-と同一の残基を含むが、化学構造内に2つの結合点を有する。アルキレンの例としては、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、ジメチルプロピレン(-CH2C(CH3)2CH2-)、及びシクロヘキシルプロピレン(-CH2CH2CH(C6H13)-)が挙げられる。同様に、アルケニレンの例としては、エテニレン(-CH=CH-)、プロペニレン(-CH=CH-CH2-)、及びシクロヘキシルプロペニレン(-CH=CHCH(C6H13)-)が挙げられる。アルキニレンの例としては、エチニレン(-C≡C-)及びプロピニレン(-CH≡CH-CH2-)が挙げられる。
シクロアルケニルは、アルキルのサブセットであり、3〜13個の炭素原子の不飽和環状炭化水素基を包含する。シクロアルケニル基の例としては、c-ヘキセニル、c-ペンテニル-などが挙げられる。
アルコキシ又はアルコキシルは、酸素を介して親構造に結合された直線状、分枝状、もしくは環状の立体配置又はそれらの組合せの好ましくは1〜8個の炭素原子を含むアルキル基を意味する(すなわち、アルキル-O-基)。例としては、メトキシ-、エトキシ-、プロポキシ-、イソプロポキシ-、シクロプロピルオキシ-、シクロヘキシルオキシ-などが挙げられる。低級アルコキシは、1〜4個の炭素を含有するアルコキシ基を意味する。
アシルは、カルボニル官能基を介して親構造に結合された直線状、分枝状、もしくは環状の立体配置又はそれらの組合せの1〜8個の炭素原子の基を意味する。そのような基は、飽和であっても不飽和であってもよく、脂肪族であっても芳香族であってもよい。親への結合点がカルボニルに残存するかぎり、アシル残基中の1個以上の炭素が、酸素、窒素(たとえば、カルボキサミド)、又は硫黄と置き換わってもよい。例としては、アセチル-、ベンゾイル-、プロピオニル-、イソブチリル-、オキサリル-、t-ブトキシカルボニル-、ベンジルオキシカルボニル-、モルホリニルカルボニル-などが挙げられる。低級アシルは、1〜4個の炭素を含有するアシル基を意味する。
アミノは、基NH2を意味する。「置換されたアミノ」という用語は、基NHR又はNRR〔式中、各Rは、次の基:場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、場合により置換されていてもよいアミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロシクリル-、アシル-、アルコキシカルボニル-、スルファニル-、スルフィニル-、及びスルホニル-、たとえば、ジエチルアミノ、メチルスルホニルアミノ、フラニル-オキシ-スルホンアミノから独立して選択される〕を意味する。
アミノカルボニル-は、基-NRcCORb、-NRcCO2Ra、又はNRcCONRbRc〔式中、
Raは、場合により置換されていてもよいC1〜C6アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、又はヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり;
Rbは、H、又は場合により置換されていてもよいC1〜C6アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、もしくはヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり;そして
Rcは、水素又はC1〜C4アルキル-であり;さらに
場合により置換されていてもよいRb基は、それぞれ独立して、無置換であるか、又はC1〜C4アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、ヘテロアリール-C1〜C4アルキル-、C1〜C4ハロアルキル、-OC1〜C4アルキル-、-OC1〜C4アルキルフェニル-、-C1〜C4アルキル-OH、-OC1〜C4-ハロアルキル-、ハロゲン、-OH、-NH2、-C1〜C4アルキル-NH2、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-NH(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキルフェニル)、-NH(C1〜C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールに対する置換基として)、-CO2H、-C(O)OC1〜C4アルキル-、-CON(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-CONH(C1〜C4アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1〜C4アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1〜C4アルキル-、-C(O)C1〜C4フェニル-、-C(O)C1〜C4ハロアルキル-、-OC(O)C1〜C4アルキル-、-SO2(C1〜C4アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1〜C4ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1〜C4アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1〜C4アルキル)、-NHSO2(フェニル)、及びNHSO2(C1〜C4ハロアルキル)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている〕を意味する。
抗有糸分裂剤は、たとえば、中期停止を引き起こすことにより、有糸分裂を阻害又は防止する薬剤を意味する。いくつかの抗腫瘍薬は、増殖を阻止するので、抗有糸分裂剤であるみなされる。
アリール及びヘテロアリールは、O、N、もしくはSからそれぞれ選択される0個もしくは1〜4個のヘテロ原子を含有する5もしくは6員の芳香環もしくは複素芳香環;O、N、もしくはSからそれぞれ選択される0個もしくは1〜4個(もしくはそれ以上)のヘテロ原子を含有する二環式の9もしくは10員の芳香環系もしくは複素芳香環系;又はO、N、もしくはSからそれぞれ選択される0個もしくは1〜4個(もしくはそれ以上)のヘテロ原子を含有する三環式の12もしくは14員の芳香環系もしくは複素芳香環系を意味する。芳香族の6〜14員のカルボサイクリック環としては、たとえば、フェニル-、ナフチル-、インダニル-、テトラリニル-、及びフルオレニル-が挙げられる。また5〜10員の芳香族ヘテロサイクリック環としては、たとえば、イミダゾリル-、ピリジニル-、インドリル-、チエニル-、ベンゾピラノニル-、チアゾリル-、フラニル-、ベンゾイミダゾリル-、キノリニル-、イソキノリニル-、キノキサリニル-、ピリミジニル-、ピラジニル-、テトラゾリル-、及びピラゾリル-が挙げられる。
アラルキル-は、アリール部分がアルキル残基を介して親構造に結合された残基を意味する。例としては、ベンジル-、フェネチル-、フェニルビニル-、フェニルアリル-などが挙げられる。ヘテロアラルキル-は、ヘテロアリール部分がアルキル残基を介して親構造に結合された残基を意味する。例としては、フラニルメチル-、ピリジニルメチル-、ピリミジニルエチル-などが挙げられる。
アラルコキシ-は、基-O-アラルキルを意味する。同様に、ヘテロアラルコキシ-は、基-O-ヘテロアラルキル-を意味し;アリールオキシ-は、基-O-アリール-を意味し;アシルオキシ-は、基-O-アシル-を意味し;ヘテロアリールオキシ-は、基-O-ヘテロアリール-を意味し;そしてヘテロシクリルオキシ-は、基-O-ヘテロシクリルを意味する(すなわち、アラルキル-、ヘテロアラルキル-、アリール-、アシル―、ヘテロシクリル-、又はヘテロアリールが、酸素を介して親構造に結合されている)。
カルボキシアルキル-は、基-アルキル-COOHを意味する。
カルボキサミドは、基-CONRbRc〔式中、
Rbは、H、又は場合により置換されていてもよいC1〜C6アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、もしくはヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり;そして
Rcは、水素又はC1〜C4アルキル-であり;さらに
場合により置換されていてもよいRb基は、それぞれ独立して、無置換であるか、又はC1〜C4アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、ヘテロアリール-C1〜C4アルキル-、C1〜C4ハロアルキル、-OC1〜C4アルキル-、-OC1〜C4アルキルフェニル-、-C1〜C4アルキル-OH、-OC1〜C4-ハロアルキル-、ハロゲン、-OH、-NH2、-C1〜C4アルキル-NH2、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-NH(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキルフェニル)、-NH(C1〜C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールに対する置換基として)、-CO2H、-C(O)OC1〜C4アルキル-、-CON(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-CONH(C1〜C4アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1〜C4アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1〜C4アルキル-、-C(O)C1〜C4フェニル-、-C(O)C1〜C4ハロアルキル-、-OC(O)C1〜C4アルキル-、-SO2(C1〜C4アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1〜C4ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1〜C4アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1〜C4アルキル)、-NHSO2(フェニル)、及びNHSO2(C1〜C4ハロアルキル)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている〕を意味する。カルボキサミドは、カルバモイル-;低級アルキルカルバモイル-;ベンジルカルバモイル-;フェニルカルバモイル-;メトキシメチル-カルバモイル-;などを包含するものとする。
ハロゲン又はハロは、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。フッ素、塩素、及び臭素が好ましい。ジハロアリール-、ジハロアルキル-、トリハロアリール-などは、指定数の複数個のハロゲン(ここでは、それぞれ、2、2、及び3個)で置換されたアリール及びアルキルを意味するが、必ずしも、複数個の同一のハロゲンで置換する必要はないので;4-クロロ-3-フルオロフェニル-は、ジハロアリール-の範囲に包含される。
ヘテロシクリルとは、1〜4個の炭素が酸素、窒素、又は硫黄のようなヘテロ原子で置き換えられたシクロアルキル又はアリール残基を意味する。本発明の範囲内に包含されるヘテロサイクルの例としては、アゼチジニル-、イミダゾリニル-、ピロリジニル-、ピラゾリル-、ピロリル-、インドリル-、キノリニル-、イソキノリニル-、テトラヒドロイソキノリニル-、ベンゾフラニル-、ベンゾジオキサニル-、ベンゾジオキシル-(置換基として存在する場合、一般に、メチレンジオキシフェニル-と呼ばれる)、テトラゾリル-、モルホリニル-、チアゾリル-、ピリジニル-、ピリダジニル-、ピペリジニル-、ピリミジニル-、チエニル-、フラニル-、オキサゾリル-、オキサゾリニル-、イソオキサゾリル-、ジオキサニル-、テトラヒドロフラニル-などが挙げられる。「N-ヘテロシクリル」は、窒素含有ヘテロサイクルを意味する。ヘテロシクリルという用語は、ヘテロシクリル-のサブセットであるヘテロアリール-を包含する。N-ヘテロシクリル残基の例としては、アゼチジニル-、4-モルホリニル-、4-チオモルホリニル-、1-ピペリジニル-、1-ピロリジニル-、3-チアゾリジニル-、ピペラジニル-、及び4-(3,4-ジヒドロベンゾオキサジニル)が挙げられる。置換されたヘテロシクリルの例としては、4-メチル-1-ピペラジニル-及び4-ベンジル-1-ピペリジニル-が挙げられる。
脱離基又は脱離原子は、反応条件下で、出発物質から切断されて指定の部位における反応を促進する任意の基又は原子である。そのような基の好適な例は、別段の記載がないかぎり、ハロゲン原子、メシルオキシ、p-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、及びトシルオキシ基である。
場合により存在していてもよい、又は場合により、とは、続いて記載される事象又は状況が起こっても起こらなくてもよく、この記述には、該事象又は状況が起こる場合と起こらない場合が包含される。たとえば、「場合により置換されていてもよいアルキル」には、本明細書に定義されている「アルキル」及び「置換されたアルキル」が包含される。当業者には当然のことであろうが、1つ以上の置換基を含有する任意の基に関して、立体的に非現実的及び/又は合成的に実行不可能及び/又は本質的に不安定であるいかなる置換も置換パターンも、そのような基に導入されることはないものとする。
置換されたアルコキシとは、アルキル構成成分が置換されているアルコキシを意味する(すなわち、-O-(置換されたアルキル))。好適な置換されたアルコキシ基の1つは、「ポリアルコキシ」又はO-(場合により置換されていてもよいアルキレン)-(場合により置換されていてもよいアルコキシ)であり、-OCH2CH2OCH3、及びグリコールエーテル(たとえば、ポリエチレングリコール)の残基、及びO(CH2CH2O)xCH3〔式中、xは、約2〜20、好ましくは約2〜10、より好ましくは約2〜5の整数である〕のような基が包含される。他の好適な置換されたアルコキシ基は、ヒドロキシアルコキシ又はOCH2(CH2)yOH〔式中、yは、約1〜10、好ましくは約1〜4の整数である〕である。
置換されたアルキル-、アリール-、及びヘテロアリール-とは、それぞれ、1個以上(約5個まで、好ましくは約3まで)の水素原子が、次の基:-Ra、-ORb、-O(C1〜C2アルキル)O-(アリール置換基として)、-SRb、-NRbRc、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-CORb、-CO2Rb、-CONRbRc、-OCORb、-OCO2Ra、-OCONRbRc、-NRcCORb、-NRcCO2Ra、-NRcCONRbRc、-CO2Rb、-CONRbRc、-NRcCORb、-SORa、-SO2Ra、-SO2NRbRc、及びNRcSO2Ra
〔式中、
Raは、場合により置換されていてもよいC1〜C6アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、又はヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり;
Rbは、H、又は場合により置換されていてもよいC1〜C6アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、もしくはヘテロアリール-C1〜C4アルキル-基であり;そして
Rcは、水素又はC1〜C4アルキル-であり;さらに
場合により置換されていてもよいRa基及びRb基は、それぞれ独立して、無置換であるか、又はC1〜C4アルキル-、アリール-、ヘテロアリール-、アリール-C1〜C4アルキル-、ヘテロアリール-C1〜C4アルキル-、C1〜C4ハロアルキル、-OC1〜C4アルキル-、-OC1〜C4アルキルフェニル-、-C1〜C4アルキル-OH、-OC1〜C4-ハロアルキル-、ハロゲン、-OH、-NH2、-C1〜C4アルキル-NH2、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-NH(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキルフェニル)、-NH(C1〜C4アルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールに対する置換基として)、-CO2H、-C(O)OC1〜C4アルキル-、-CON(C1〜C4アルキル)(C1〜C4アルキル)、-CONH(C1〜C4アルキル)、-CONH2、-NHC(O)(C1〜C4アルキル)、-NHC(O)(フェニル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(C1〜C4アルキル)、-N(C1〜C4アルキル)C(O)(フェニル)、-C(O)C1〜C4アルキル-、-C(O)C1〜C4フェニル-、-C(O)C1〜C4ハロアルキル-、-OC(O)C1〜C4アルキル-、-SO2(C1〜C4アルキル)、-SO2(フェニル)、-SO2(C1〜C4ハロアルキル)、-SO2NH2、-SO2NH(C1〜C4アルキル)、-SO2NH(フェニル)、-NHSO2(C1〜C4アルキル)、-NHSO2(フェニル)、及びNHSO2(C1〜C4ハロアルキル)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されている〕
から独立して選択される置換基で置き換えられている、アルキル-、アリール-、及びヘテロアリールを意味する。
スルファニルとは、次の基:-S-(場合により置換されていてもよいアルキル)、-S-(場合により置換されていてもよいアリール)、-S-(場合により置換されていてもよいヘテロアリール)、及びS-(場合により置換されていてもよいヘテロシクリル)を意味する。
スルフィニルとは、次の基:-S(O)-H及びS(O)-(場合により置換されていてもよいアルキル、-S(O)-場合により置換されていてもよいアリール)、-S(O)-(場合により置換されていてもよいヘテロアリール及びS(O)-(場合により置換されていてもよいヘテロシクリル;及びS(O)-(場合により置換されていてもよいアミノ)を意味する。
スルホニルとは、次の基:-S(O2)-H、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいアルキル)、-S(O2)-場合により置換されていてもよいアリール)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいヘテロアリール)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいヘテロシクリル)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいアルコキシ)、-S(O2)-場合により置換されていてもよいアリールオキシ)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいヘテロアリールオキシ)、-S(O2)-(場合により置換されていてもよいヘテロシクリルオキシ);及びS(O2)-(場合により置換されていてもよいアミノ)を意味する。
製薬上許容される塩とは、好適な酸又は塩基を用いて生成される塩(遊離化合物の生物学的有効性を保持し、かつ製薬的使用上、生物学的に不要でも不適当でもない塩)を意味し、製薬上許容される酸付加塩及び塩基付加塩が包含される。
製薬上許容される酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸から誘導される塩、及び酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などのような有機酸から誘導される塩が挙げられる。
製薬上許容される塩基付加塩としては、無機塩基から誘導される塩、たとえば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などが挙げられる。特定の実施形態は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウムの塩である。塩基付加塩としては、このほかに、製薬上許容される有機の無毒な塩基から誘導される塩、たとえば、第一級、第二級、及び第三級アミン、置換されたアミン(天然に存在する置換されたアミンも包含される)、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂、具体的には、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びエタノールアミンの塩が挙げられる。
保護基は、有機合成において慣例的にそれに関連づけられる意味を有する。すなわち、多官能性化合物中の1つ以上の反応部位を選択的にブロッキングして、他の無保護反応部位で化学反応を選択的に行えるようにする基であり、しかもその基は、選択的反応が終了した後で容易に除去しうるものでなければならない。たとえば、T.H. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, Third Edition, John Wiley & Sons, New York (1999)に、さまざまな保護基が開示されている。この文献は、その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする。たとえば、ヒドロキシ保護形は、化合物中に存在するヒドロキシル基の少なくとも1つがヒドロキシ保護基で保護された状態である。同じようにして、アミン及び他の反応性基を同様に保護しうる。
溶媒和物とは、溶媒と、式IaもしくはIbで示される化合物又はその塩と、の相互作用により形成された化合物を意味する。式IaもしくはIbで示される化合物又はその塩の好適な溶媒和物は、製薬上許容される溶媒和物であり、水和物が包含される。
本明細書に記載の化合物の多くは、1つ以上の不斉中心(たとえば、R2がR2'と異なるとき、R2及びR2'が結合されている炭素)を含んでいるので、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び絶対立体化学により(R)-又は(S)-として定義しうる他の立体異性形を生じる可能性がある。本発明には、ラセミ混合物、光学的純粋形、及び中間的混合物を含めて、そのような考えうる異性体がすべて包含されるものとする。光学活性な(R)-及び(S)-異性体は、キラルなシントンもしくはキラルな試薬を用いて調製しうるか、又は従来技術を用いて分割しうる。本明細書に記載の化合物がオレフィン性二重結合又は他の幾何不斉中心を含んでいる場合、別段の記載がないかぎり、化合物にはE及びZ幾何異性体の両方が包含されるものとする。同様に、互変異性形や回転異性体もすべて包含されるものとする。
所望により、当業者に公知の方法により、たとえば、結晶化などにより分離しうるジアステレオマー塩又は錯体を形成することにより;結晶化、ガス-液体又は液体クロマトグラフィーなどにより分離しうるジアステレオマー誘導体を形成することにより;一方のエナンチオマーとエナンチオマー特異的試薬との選択的反応(たとえば、酵素的酸化又は還元)を行ってから改変されたエナンチオマーと未改変のエナンチオマーとを分離することにより;又はキラルな環境で、たとえば、キラルな配位子が結合されたシリカのようなキラルな担体を用いて、又はキラルな溶媒の存在下で、ガス-液体又は液体クロマトグラフィーを行うことにより;R及びS異性体を分割しうる。
当然のことながら、先に記載した分離手順のうちの1つにより、所望のエナンチオマーを他の化学物質に変換する場合、エナンチオマー形を放出させるさらなる工程が必要になることもある。他の選択肢として、光学活性な試薬、基質、触媒、もしくは溶媒を用いて不斉合成を行うにより、又は不斉変換を用いて一方のエナンチオマーを他方のエナンチオマーに変換することにより、特定のエナンチオマーを合成しうる。
本発明の化合物
本発明は、1種以上の有糸分裂キネシンの阻害剤である新規な化合物類(キナゾリノン誘導体として記述することができる)に関する。他のキネシン(たとえば、輸送キネシン)を阻害することなく有糸分裂キネシンを阻害することにより、細胞増殖の特異的阻害が達成される。なんら理論により拘束しようとするものではないが、本発明では、有糸分裂キネシンの機能を撹乱させると、有糸分裂紡錘体の形成異常又は機能不全を生じ、その結果、多くの場合、細胞周期停止及び細胞死が起こるという知見を利用する。本発明の一実施形態によれば、本明細書に記載の化合物は、有糸分裂キネシンKSP、特にヒトKSPを阻害する。他の実施形態では、化合物は、有糸分裂キネシンKSPを阻害するとともに、HSET(米国特許第6,361,993号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);MCAK(米国特許第6,331,424号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);CENP-E(PCT公開WO 99/13061号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);Kif4(米国特許第6,440,684号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);MKLP1(米国特許第6,448,025号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);Kif15(米国特許第6,355,466号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);Kid(米国特許第6,387,644号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);Mpp1、CMKrp、KinI-3(米国特許第6,461,855号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);Kip3a(PCT公開WO 01/96593号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);Kip3d(米国特許第6,492,151号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい);及びRabK6よりなる群から選択される1種以上のヒト有糸分裂キネシンをモジュレートする。
有糸分裂キネシンを阻害する本方法は、本発明の阻害剤を、キネシン、特にヒトキネシン、より特定的にはヒトKSP又はその断片及び変異体に、接触させることを含む。阻害は、KSPキネシンのATP加水分解活性及び/又は有糸分裂紡錘体形成活性の阻害でありうる。この場合、有糸分裂紡錘体が破壊される。減数分裂紡錘体を破壊することも可能である。
本発明は、細胞増殖に関連づけられる障害を治療するために、有糸分裂キネシン、特にKSP、とりわけヒトKSP、の阻害剤を提供する。当該化合物、組成物、及び方法は、細胞増殖の疾患、たとえば、限定されるものではないが、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、真菌性障害、及び炎症、を治療するために使用される。
したがって、本発明は、式Ia又はIb:
Figure 2005530785
〔式中、
R1は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択され;
R2及びR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか;又はR2及びR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3〜7員環を形成し;
R5、R6、R7、及びR8は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル-、ニトロ、シアノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル-、アルキルスルホンアミド、アルキルチオ、カルボキシアルキル-、カルボキサミド、アミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアリールオキシ、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアリールオキシから選択され;
R9は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択され;そして
R10、R10'、R11、及びR11'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、又は場合により置換されていてもよいアラルキル-である。
ただし、この化合物には、単一の立体異性体、及び立体異性体の混合物も包含されるものとする。〕
で表される化合物;
式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される塩;
式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される溶媒和物;ならびに
式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される塩の製薬上許容される溶媒和物、
を利用する方法に関する。特定の実施形態では、R2及びR2'が結合されているステレオジェン中心は、R配置である。
命名法
式Ia又はIbで示される化合物は、以下に記載されているように命名及び番号付けを行うことができる(たとえば、ChemDraw又はISIS-DRAWでAutoNom version 2.1を用いて)。たとえば、化合物:
Figure 2005530785
すなわち、R1がベンジル-であり、R2がプロピル-(又はi-プロピル-)であり、R2'が水素であり;R5、R6、R7、R8、R10、及びR11が、水素であり;かつR9がメチル-である、式Iaで示される化合物は、3-ベンジル-2-[2-メチル1-(2-メチル-イミダゾール-1-イル)-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン)と命名することができる。
下記の構造を有する化合物
Figure 2005530785
すなわち、R1がベンジル-であり、R2がプロピル-(又はi-プロピル-)であり、R2'が水素であり;R5、R6、R7、R8、R9、R11、及びR11'が、水素であり;かつR10及びR10'がメチル-である、式Ibで示される化合物は、3-ベンジル-2-[1-(4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オンと命名することができる。
合成反応パラメーター
式Ia又はIbで示される化合物は、以下の反応スキームを参照して記述された手順に従って、調製することができる。
別段の記載がないかぎり、「溶媒」、「不活性有機溶媒」、又は「不活性溶媒」という用語は、それと関連して記述された反応条件下で不活性である溶媒を意味する[たとえば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(「THF」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム、メチレンクロリド(すなわちジクロロメタン)、ジエチルエーテル、メタノール、ピリジンなどが挙げられる]。相反する記載がないかぎり、本発明の反応に使用される溶媒は、不活性有機溶媒である。
「q.s.」という用語は、指定の機能を達成するのに、たとえば、溶液を所望の体積(すなわち、100%)にするのに、十分な量を添加することを意味する。
一般的には、カルボン酸のエステルは、従来のエステル化手順により調製しうる。たとえば、アルキルエステルは、一般的には酸性条件下において、所要のカルボン酸を適切なアルカノールで処理することにより、調製しうる。同様に、アミドは、従来のアミド化手順を用いて、調製しうる。たとえば、アミドは、活性化カルボン酸を適切なアミンで処理することにより、調製しうる。他の選択肢として、Tetrahedron Lett. 48, 4171-4173, (1977)に記載の手順に従って、場合によりトリメチルアルミニウムの存在下で、酸のメチルエステルのような低級アルキルエステルをアミンで処理することにより、所要のアミドを提供しうる。カルボキシル基は、アルキルエステルとして、たとえば、メチルエステルとして、保護しうる。このエステルは、従来の手順を用いて調製し除去しうる。カルボメトキシをカルボキシルに変換する便利な方法の1つは、水性水酸化リチウムを用いる方法である。
本明細書中に挙げられた化合物の塩及び溶媒和物は、所要により、当技術分野で慣用される方法により生成させうる。たとえば、本発明の化合物が酸である場合、遊離酸を、無機又は有機の塩基で、たとえば、アミン(第一級、第二級、又は第三級);アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;などで、処理することにより、所望の塩基付加塩を調製することができる。好適な塩の実例としては、アミノ酸、たとえば、グリシン及びアルギニン;アンモニア;第一級、第二級、及び第三級アミン;たとえば、エチレンジアミン、及び環状アミン、たとえば、シクロヘキシルアミン、ピペリジン、モルホリン、及びピペラジン、から誘導される有機塩;ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、及びリチウムから誘導される無機塩が挙げられる。
化合物が塩基である場合、当技術分野で公知の任意の好適な方法により、たとえば、遊離塩基を、無機酸で、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などで、又は有機酸で、たとえば、酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸、たとえば、グルクロン酸又はガラクツロン酸、アルファ-ヒドロキシ酸、たとえば、クエン酸又は酒石酸、アミノ酸、たとえば、アスパラギン酸又はグルタミン酸、芳香族酸、たとえば、安息香酸又はケイ皮酸、スルホン酸、たとえば、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などで、処理することにより、所望の酸付加塩を調製しうる。
所望により、任意の好適な分離又は精製手順により、たとえば、濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、もしくは厚層クロマトグラフィー、又はこれらの手順の組合せにより、本明細書に記載の化合物及び中間体の単離及び精製を行うことができる。これ以降の実施例を参照することにより、好適な分離及び単離手順の具体的な説明を行うことができる。しかしながら、もちろん、他の等価な分離又は単離手順を使用することもできる。
式Ia及びIbで示される化合物の合成
式Ia及びIbで示される化合物は、PCT特許出願US03/04713号;PCT特許WO 01/98278号及びWO 01/30768号(実際上、参照により本明細書に組み入れられるものとする)に記載されている手順に従って、及び以下の反応スキームを参照して、調製することができる
反応スキームの簡単な説明
反応スキーム1は、式Ia及びIbで示される化合物の合成で中間体として有用である式107で示される化合物の合成を示している。
反応スキーム2及び3は、式107で示される化合物からの式Iaで示される化合物の合成を示している。
反応スキーム4及び5は、式107で示される化合物からの式Ibで示される化合物の合成を示している。
反応スキーム6は、式603で示される化合物の合成を示している。
反応スキーム7は、式107で示される化合物からの式Ibで示される化合物の合成を示している。
反応スキーム8は、式Ia及びIbで示される化合物の合成で中間体として有用である式107で示される化合物の合成を示している。
反応スキーム9は、式Ia及びIbで示される化合物の合成で中間体として有用である式809で示される化合物の合成を示している。
反応スキーム10は、式Ia及びIbで示される化合物の合成で中間体として有用である式107で示される化合物の合成を示している。
出発物質
式101で示される場合により置換されていてもよい安息香酸及び他の試薬は、たとえば、Aldrich Chemical Company, Milwaukee, WIから市販されているか、又は当業者であれば、広く利用されている合成方法を用いて容易に調製しうる。
Figure 2005530785
Figure 2005530785
式103の調製
反応スキーム1の工程1について説明する。重炭酸ナトリウム及び脱水剤(Na2SO4のような)の存在下で不活性有機溶媒(THFのような)中に溶解された場合により置換されていてもよい安息香酸(式101で示される化合物)に、ほぼ室温を保持しながら、わずかにモル過剰の場合により置換されていてもよい酸クロリド(式102で示される化合物)を添加した。TLCなどにより、反応の終了をチェックする。次に、無水酢酸を反応混合物に添加して、反応の終了をチェックしながら(たとえば、TLCにより)、約90〜100℃に加熱し、続いて、真空下、約80〜100℃で、無水酢酸を除去する。反応混合物を冷却し、対応する場合により置換されていてもよいベンゾ[d][1,3]オキサジン-4-オン(式103で示される化合物)を単離し、精製する。
式104の調製
反応スキーム1の工程2について説明する。不活性有機溶媒(たとえば、トルエン)中、約1.5モル当量の第一級アミン(たとえば、R1NH2)及び1モル当量の式103で示される化合物を、加熱して還流させる。1〜5時間かけて反応を行う。水を除去した後、エチレングリコール及び水酸化ナトリウムを反応混合物に添加し、温度を110〜120℃まで上昇させる。TLCなどにより、反応の終了をチェックする。対応する場合により置換されていてもよいキナゾリノン(式104で示される化合物)を単離し精製する。
式105の調製
反応スキーム1の工程3について説明する。酢酸中に溶解された式104で示される化合物を、酢酸ナトリウムの存在下で、約30℃に加熱し、続いて、酢酸中、わずかにモル過剰の臭素を2.5時間かけて添加する(攪拌しながら)。TLCなどにより、終了をチェックする。出発物質が依然として存在する場合、終了するまで、温度を約50℃に上昇させる。対応する式105で示される場合により置換されていてもよいキナゾリノンを単離し精製する。
式106の調製
反応スキーム1の工程4について説明する。不活性有機溶媒(たとえば、DMF)中、1.5モル当量のアジ化ナトリウムを、1モル当量の式105で示される化合物に、徐々に添加する。場所、攪拌しながら約40℃の温度で3〜10時間かけて反応を行う。TLCなどにより、終了をチェックする。対応する式106で示される場合により置換されていてもよいキナゾリノンアジ化物を単離し精製する。
式107の調製
反応スキーム1の工程5について説明する。不活性有機溶媒(たとえば、THF)中に溶解されたトリフェニルホスフィンの溶液に、式106で示されるアジドを、15分間かけて少しずつ添加する。攪拌して温度を20℃に保持しながら5分間〜1時間かけて反応を行う。反応混合物を酸性化し、溶媒を除去し、続いて、従来の方法で後処理して、対応する式107で示される場合により置換されていてもよいキナゾリノンの塩酸塩を取得し、これを通常の方法で単離し精製する。
式107aの調製
本発明の特定の化合物では、たとえば、(R)異性体のように、R2置換基に関して特定の立体配置が好ましいこともある。こうした化合物は、反応スキーム1の場合により存在していてもよい工程5aに示されるように取得可能である。式107で示されるアミンを不活性有機溶媒(たとえば、IPA)に溶解させ、60℃に加温する。別の容器中で、分割剤(たとえば、ジベンゾイル-D-酒石酸)を、好ましくは同一の加温された溶媒に、溶解させ、次に、加温されたアミン溶液に迅速に添加する(攪拌しながら)。攪拌を継続させた状態で16時間かけて室温に冷却させることにより、反応混合物を結晶化させる。所望の異性体、たとえば、式107aとして示される(R)異性体を、通常の方法で単離し精製する。
式Ia又はIbで示される化合物の合成の残りの説明では、簡潔にするために、当然のことではあるが、対応する生成物を得るべく、単一の異性体又は異性体の混合物のいずれかを利用しうるものとする。
Figure 2005530785
式203の調製
反応スキーム2の工程1について説明する。塩基(たとえば、炭酸カリウム)の存在下で極性非プロトン性溶媒(たとえば、DMF)に溶解させた場合により置換されていてもよい式107で示される化合物に、ハロゲン置換基を有する場合により置換されていてもよい好適に保護されたアルデヒド(1当量)を添加する。反応の終了をチェックしながら(たとえば、TLCにより)、溶液を還流状態で加熱する。反応混合物を冷却し、対応する式203で示される場合により置換されていてもよいキナゾリノンを単離し精製する。
式205の調製
反応スキーム2の工程2について説明する。約1.5モル当量のアミン塩基(たとえば、トリエチルアミン)の存在下、不活性溶媒(たとえば、ジクロロメタン)中、場合により置換されていてもよい式203で示される化合物に、約1.5モル当量のR9酸クロリド(ここで、R9は先に記載した通りである)を添加する。攪拌しながら室温で4〜24時間かけて反応を行う。TLCなどにより、終了をチェックする。対応する式205で示される化合物を単離し精製する。
式207の調製
反応スキーム2の工程3について説明する。酢酸中、式205で示される化合物と過剰の酢酸アンモニウムとの溶液を、還流状態で1〜4時間加熱する。TLCなどにより、終了をチェックする。対応する式207で示される化合物を単離し精製する。
Figure 2005530785
Figure 2005530785
式303の調製
反応スキーム3の工程1について説明する。極性非プロトン性溶媒(たとえば、DMF)中、式107で示される化合物と、式R10(CO)CH2X〔式中、Xは、脱離基、好ましくはハリドである〕で示されるアルファ-ハロケトン試薬と、1当量の塩基(たとえば、炭酸カリウム)との懸濁液を、室温で攪拌する。反応系を水で希釈し、得られた固体をさらなる精製を行うことなく後続の工程で使用する。
式305の調製
反応スキーム3の工程2について説明する。有機溶媒(たとえば、メチレンクロリド)中、前の工程で得られた化合物と、約1当量のアミン塩基(たとえば、トリエチルアミン)と、約1当量の酸クロリド(たとえば、p-トルオイルクロリド)との溶液を、室温で数時間攪拌する。TLCなどにより、終了をチェックする。対応する式305で示される化合物を単離し精製する。
式307の調製
反応スキーム3の工程3について説明する。ディーン・スタークトラップ及びコンデンサーを用いて、酢酸中、式305で示される化合物と過剰の酢酸アンモニウムとの溶液を、還流状態で加熱する。TLCなどにより、終了をチェックする。対応する式307で示される化合物を単離し精製する。
式309の調製
場合により、基R10が、保護基を保有する官能基を備えているときは、保護基を除去する。したがって、R10が、Pht基を保有するアミンをさらに備えている場合、反応スキーム3の工程4に示されるように、保護基を除去する。極性プロトン性溶媒(たとえば、エタノール)中、式307で示される化合物と過剰の無水ヒドラジンとの溶液を還流状態で加熱する。反応系を約5℃に冷却し、沈殿があればそれを濾別する。濾液を真空中で濃縮し、精製し、式309で示される化合物を得る。
Figure 2005530785
Figure 2005530785
式403の調製
反応スキーム4の工程1について説明する。場合により置換されていてもよいアルデヒド含有カルバミン酸エステル(Seki et. al. Chem. Pharm. Bull. 1996, 44, 2061)を用いて式107で示されるアミン(WO 0130768に記載されているように調製した)の還元的アミノ化を行うことにより、ウレタン中間体を生成させる。Boc保護基を除去して式405で示されるアミンを得る。
より具体的には、ジクロロメタン中、式107で示される化合物と1当量の好適に保護されたアルデヒド(Seki et. al. Chem. Pharm. Bull. 1996, 44, 2061)を含む溶液に、わずかに過剰の還元剤(たとえば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)を添加する。得られた濁った混合物を周囲温度に保持する。TLCなどにより、終了をチェックする。対応する式403で示される化合物を単離し、精製することなく後続の工程で使用する。
式405の調製
反応スキーム4の工程2について説明する。次に、アミン保護基(PG)を除去する。たとえば、PGがBocである場合、極性非プロトン性溶媒(たとえば、ジクロロメタン)中の式403で示される化合物の溶液に、トリフルオロ酢酸のような強酸を添加する。得られた溶液を周囲温度で一晩保持し、減圧下で濃縮する。残渣を単離し、精製し、式405で示される化合物を取得し、精製することなく後続の工程で使用する。
式407の調製
反応スキーム4の工程3について説明する。極性非プロトン性溶媒(たとえば、ジクロロメタン)中の式405で示される化合物の溶液に、過剰の、好ましくは約2当量のアミン塩基(たとえば、トリエチルアミン)を添加し、続いて、約1当量又はわずかに過剰の酸クロリドを添加する。得られた溶液を周囲温度で約3時間攪拌する。TLCなどにより、終了をチェックする。対応する式407で示される化合物を単離し精製する。
式409の調製
反応スキーム4の工程4について説明する。過剰のオキシ塩化リン中、式407で示される化合物の溶液を還流状態で加熱する。8時間後、反応混合物を周囲温度に冷却させ、減圧下で濃縮する。対応する式409で示される化合物を単離し精製する。
Figure 2005530785
式409の調製
反応スキーム4の工程3及び4の代わりに、中間体アミドを単離することなく、式405で示される第一級アミンのアシル化及び続いて酢酸媒介環化を行うことにより、式409で示される目標化合物を提供することができる。この経路を反応スキーム5に示す。
より具体的には、極性非プロトン性溶媒(たとえば、ジクロロメタン)中の式405で示される化合物の溶液に、過剰の、好ましくは約2当量のアミン塩基(たとえば、トリエチルアミン)を添加し、続いて、約1当量の酸クロリドを添加する。得られた溶液を周囲温度で2時間攪拌し、次に、減圧下で蒸発させる。得られた固体を氷酢酸で処理し、次に、得られた懸濁液を還流状態で約48時間加熱する。反応系を周囲温度に冷却し、減圧下で蒸発させる。対応する式409で示される化合物を単離し精製する。
Figure 2005530785
式603で示される化合物の調製
反応スキーム6について説明する。非極性非プロトン性溶媒(たとえば、DMF)中、式601で示される化合物の溶液に、塩基(たとえば、トリエチルアミン)及び過剰(好ましくは約1.5当量)のイミダゾールを添加し、続いて、約1当量のヨウ化テトラブチルアンモニウムを添加する。得られた溶液を約90℃に加熱し、約18時間攪拌し、室温に冷却させる。生成物(式603で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2005530785
Figure 2005530785
式703で示される化合物の調製
反応スキーム7の工程1について説明する。非極性非プロトン性溶媒(たとえば、CH2Cl2)中、式107で示される化合物と、過剰の場合により置換されていてもよいアルデヒド含有カルバミン酸エステル(たとえば、(S)-4-ベンジルオキシカルボニルアミノ-1-ホルミル-ブチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル)を含む溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加する。混合物を一晩攪拌する。生成物(式703で示される化合物)を単離し精製する。
式705で示される化合物の調製
反応スキーム7の工程2について説明する。非極性非プロトン性溶媒(たとえば、トルエン)中、式703で示される化合物の溶液に、塩基(たとえば、トリエチルアミン)を添加し、続いて、過剰の式R9-COClで示される酸クロリドを滴下する。反応混合物を約80℃に約18時間加熱し、次に、還流状態で約4時間加熱する。生成物(式705で示される化合物)を単離し精製する。
式707で示される化合物の調製
反応スキーム7の工程3について説明する。CH2Cl2/TFA(好ましくは約4:1 CH2Cl2/TFA)のような溶媒中、式705で示される化合物の溶液を室温で攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣は、非極性非プロトン性溶媒(たとえば、CH2Cl2)で希釈し、水性塩基で洗浄する。水性層をCH2Cl2のような非極性非プロトン性溶媒で抽出し、合わせた抽出物を乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮する。残渣を、非極性非プロトン性溶媒(たとえば、THF)及び水性塩基(好ましくは飽和NaHCO3水溶液)で希釈する。混合物を室温で10日間攪拌する。生成物(式707で示される化合物)を単離し精製する。
Figure 2005530785
Figure 2005530785
式803で示される化合物の調製
反応スキーム8の工程1について説明する。式801で示される化合物(N保護されたキラルな天然の又は置換されたアミノ酸、たとえば、バリン;好ましくはN-Boc-D-バリン)を、対応する式803で示される化合物に変換する。任意の天然に存在するアミノ酸及び置換されたアミノ酸を式801で示される化合物として利用することができる。たとえば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルグリシン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、トリプトファン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギネート、グルタメート、リシン、アルギニン、ヒスチジン、及び2-アミノ酪酸;好ましくは、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルグリシン、又は2-アミノ酪酸を利用することができる。Boc、CBZ、フタリド、alloc、及びteocをはじめとする当技術分野で認められたN-保護基を、式801で示される化合物で利用することができる。
式801で示される化合物を、1〜2モル当量の塩基(たとえば、N-メチルモルホリン)の存在下で、有機溶媒(たとえば、THF)に溶解させ、0℃に冷却する。約1〜2モル当量のイソブチルクロロホルメートを、好ましくは攪拌しながら、徐々に添加する。混合物を0℃に保持し、1〜2時間(好ましくは1.5時間)攪拌し、対応する混合無水物(図示せず)を得る。等モル量の式802で示される場合により置換されていてもよいアントラニル酸を一度に添加し、続いて、第2の等モル量の塩基(たとえば、N-メチルモルホリン)を添加することにより、単離も精製も行うことなく、混合無水物を利用する。0℃で1〜5時間かけて反応を行い、対応する式803で示される化合物を得る(これもまた、単離も精製も行うことなく利用することができる)。
式805で示される化合物の調製
反応スキーム8の工程2について説明する。式803で示される化合物を対応する式805で示される化合物に変換する。1〜2モル当量の塩基(たとえば、N-メチルモルホリン)の添加と併行して、追加の1〜2モル当量のイソブチルクロロホルメートを式803で示される化合物に添加する。0℃で1〜3時間かけて反応を行い、対応する式805で示される化合物を得る(これもまた、単離も精製も行うことなく利用することができる)。
式807及び809で示される化合物の調製
反応スキーム1の工程3について説明する。式805で示される化合物を、対応する式807及び809で示される化合物に変換する。1〜3モル当量の式R1NH2で示されるアミンを、連続的に攪拌しながら、式805で示される化合物に添加する。0℃で反応系を行い、対応する式807及び式809で示される化合物を得る。これらはいずれも、単離し精製することができる。
式809で示される化合物の調製
反応スキーム1の工程4について説明する。式807で示される化合物を、式809で示される対応するキナゾリノンに変換する。式807で示される化合物を、有機溶媒(たとえば、1,4-ジオキサン/エチレングリコール2:1又はジメトキシエタン)に溶解させ、わずかに過剰又は2倍モル過剰の脱水環化試薬(たとえば、水酸化リチウム一水和物、HMDS、オキシ塩化リン、塩化オキサリル、チオニルクロリド、バージェス試薬、Ph3P/I2、又はフィルスマイヤー試薬(オキシ塩化リンを加えたDMF、又はチオニルクロリドを加えたDMF)、好ましくはHMDS)に接触させ、加熱して還流する。還流状態で3〜36時間かけて反応を行い、続いて、冷却し、場合により、混合物を酸性化し、式809で示される対応するキナゾリノンの懸濁液を得る。次に、これを従来の手順により単離し精製する。反応時間及び後処理は、利用される脱水環化試薬に依存するであろう。
式107で示される化合物の調製
反応スキーム8の工程7について説明する。式809で示される化合物のアミノ保護基を除去する。たとえば、極性非プロトン性溶媒(たとえば、ジクロロメタン)中、式809〔式中、アミノ保護基PGはBocである〕で示される化合物の溶液に、温度を約0℃に保持しながら、トリフルオロ酢酸を添加する。次に、得られた溶液を室温で1時間攪拌し、真空中で濃縮する。生成物(式107で示される化合物)を単離し、さらなる精製を行うことなく次の工程で使用する。当業者であれば、当技術分野で公知の条件を用いて他の保護基の除去を達成しうることは容易にわかるであろう。たとえば、Greene, et al. supra.を参照されたい。
Figure 2005530785
式903で示される化合物の調製
反応スキーム9の工程1について説明する。式805で示される化合物を、式903で示される対応するカルバミドに変換する。ガス状アンモニアを、式805で示される化合物の溶液に通してバブリングする。攪拌しながら0℃で1〜3時間かけて反応を行い、従来の手順により単離及び精製を行う。
式905で示される化合物の調製
反応スキーム9の工程2について説明する。式903で示される化合物を、式905で示される対応するキナゾリノンに変換する。式903で示される化合物を有機溶媒(好ましくはTHF)に溶解させ、わずかにモル過剰の強塩基(好ましくは水酸化リチウム一水和物)に接触させ、対応する式905で示される化合物を得る。還流状態で約30分間〜2時間かけて反応を行い、続いて、系は冷却し、そして混合物の酸性化し、懸濁液を得る。次に、これを従来の手順により単離し精製する。
式809で示される化合物の調製
反応スキーム9の工程3について説明する。式905で示される化合物を、式809で示される対応する3-N-置換キナゾリノンに変換する。式807で示される化合物を有機溶媒(たとえば、DMF)に溶解させ、そしてアルカリ金属炭酸塩又は水素化物の存在下で式R1X〔式中、Xは、脱離基(好ましくはハリド又はトシレート)である〕で示される化合物に接触させることによりN-置換する。室温で10〜20時間かけて反応を行い、対応する式809で示される化合物を取得し、これを単離し精製する。
Figure 2005530785
式1001で示される化合物の調製
反応スキーム10の工程1について説明する。式805で示される化合物をメタノールで開環し、対応する式1001で示されるエステルに変換する。式1001で示される化合物を単離し、場合により精製する。
式1003で示される化合物の調製
反応スキーム10の工程2について説明する。式1001で示されるエステルを、式1003で示される対応するアミジンに変換する。
式107で示される化合物の調製
反応スキーム10の工程3について説明する。式1003で示されるアミジンを環化し、対応する式107で示される化合物を得る。
好ましいプロセス及び最終工程
場合により、式Ia又はIbで示される化合物を、製薬上許容される酸又は塩基に接触させることにより、対応する酸付加塩又は塩基付加塩を形成する。
場合により、式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される酸付加塩を、塩基に接触させることにより、対応する式Ia又はIbで示される遊離塩基を形成する。
場合により、式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される塩基付加塩を、酸に接触させることにより、対応する式Ia又はIbで示される遊離酸を形成する。
本発明の化合物の特定の実施形態
式Ia又はIbで示される化合物について考える場合、一実施形態では、R1は、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-(より好ましくは、場合により置換されていてもよいアリール-及び場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-)から選択される。より特定的な実施形態では、R1は、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-、場合により置換されていてもよいフェニル-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいナフタレニルメチル-、場合により置換されていてもよいフェニル-、及びナフチル-から選択される。さらにより特定的には、R1は、場合により置換されたフェニル-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、又はナフタレニルメチル-である。さらにより特定的には、R1は、ベンジル-、シアノベンジル-、メトキシベンジル-、又はナフタレニルメチル-である。最も特定的には、R1はベンジル-である。
R2及びR2'
式Ia又はIbで示される化合物について考える場合、当業者であればわかるであろうが、本明細書に記載の化合物は、R2及びR2'が結合されている炭素にキラル中心をもつ可能性がある。R2及びR2'基は、同一であっても異なっていてもよく;異なっている場合、化合物はキラルである(すなわち、ステレオジェン中心を有する)。R2及びR2'が異なる場合、特定の実施形態では、R2'は水素であり、R2は水素以外である。本発明では、純粋なエナンチオマー及びエナンチオマーの混合物(ラセミ混合物が包含される)の使用が対象となるが、一般的には、実質的に光学的に純粋なエナンチオマーの使用が好ましい。「実質的に純粋」という用語は、少なくとも約95%の化学純度を有することを意味し、単一の不純物が約1%を超えることはない。「実質的に光学的に純粋」又は「エナンチオマー的に純粋」という用語は、少なくとも約97.5%のエナンチオマー過剰率を有することを意味する。特定の実施形態では、R2及びR2'が結合されているステレオジェン中心は、R配置である。
式Ia又はIbで示される化合物について考える場合、R2及びR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択される。
一実施形態では、R2及びR2'は、一緒になって、3〜7員環を形成する。この環は、場合により、次の基:ヒドロキシル、ハロゲン(特に、クロロ及びフルオロ)、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-(特に、メチル-)、C1〜C4アルコキシ(特に、メトキシ)、シアノ置換アミノ、又はカルバミル-のうちの1つ以上で置換されていてもよい。
一実施形態では、R2は、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-であり、R2'は、水素又は場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である。より好適には、R2'は、水素であり、R2は、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である。最も特定的な実施形態では、R2は、メチル-、エチル-、プロピル-(特にc-プロピル-又はi-プロピル-)、ブチル-(特に、t-ブチル-)、メチルチオエチル-、メチルチオメチル-、アミノブチル-、(CBZ)アミノブチル-、シクロヘキシルメチル-、ベンジルオキシメチル-、メチルスルファニルエチル-、メチルスルファニルメチル-、及びヒドロキシメチル-から選択され、R2'は、水素である。特に選択された実施形態は、R2'が水素であり、かつR2がエチル-又はプロピル-(特に、c-プロピル-又はi-プロピル-)である場合である。さらにより特定的には、R2はi-プロピル-である。さらにより特定的には、R2及びR2'が結合されているステレオジェン中心は、R配置である。
一実施形態では、R2又はR'2のいずれか一方が水素である場合、他方は水素ではない。他の実施形態では、R2及びR2'の両方が水素である。
R5、R6、R7、及びR8
他の実施形態では、R5、R6、R7、及びR8は、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン(特に、クロロ及びフルオロ)、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-(特に、メチル-)、C1〜C4アルコキシ(特に、メトキシ)、シアノ置換アミノ、又はカルバミル-から選択される。より特定的には、R5、R6、R7、及びR8は、メトキシ、水素、又はハロである。それぞれの特定の置換基に関して、R5は、水素又はハロであり;R6は、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-(特に、メチル-)、又はハロであり;R7は、水素、ハロ、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-(特に、メチル-又はトリフルオロメチル-)、C1〜C4アルコキシ(特に、メトキシ)、シアノ、置換されたアミノ、又はカルバミル-であり;そしてR8は、水素、C1〜C4アルキル-(特に、メチル-)、C1〜C4アルコキシ(特にメトキシ)、ヒドロキシ、又はハロである。さらにより特定的には、R5、R6、R7、及びR8のうちの1つ(特にR7)だけが水素でない化合物である。他の特定の実施形態としては、R7及びR8が水素ではない化合物が挙げられる。
R9
特定の実施形態では、R9は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択されている。
より特定的には、R9は、水素;
場合により置換されていてもよい低級アルキル-(特に、メチルオキシメチル-、アミノエチル-、メチル-、エチル-、又はプロピル-);
アリール-(特に、フェニル-);
置換されたアリール-(特に、次の基:の1つ以上で置換されたフェニル-、場合により置換されていてもよい低級アルキル-(特に、メチル-、エチル-、メトキシメチル-、又はトリフルオロメチル-)、低級アルコキシ(特にメトキシ又はメチレンジオキシ-)、ハロ、アミノカルボニル-、又はシアノ);
アラルキル-(特に、ベンジル-又はフェニルビニル-);
ヘテロアリール-(特に、フリル-、チオフェニル-、ピリジニル-、イソオキサゾリル-、又はキノキサリニル-;
置換されたヘテロアリール-(特に、次の場合により置換されていてもよい低級アルキル-(特に、メチル-、メトキシメチル-、もしくはトリフルオロメチル-)、ハロ、低級アルコキシ、又はシアノのうちの1つ以上で置換されたフリル-、チオフェニル-、ピリジニル-、キノキサリニル-、又はイソオキサゾリル-);又は
置換されたアラルキル-(特に、置換されたベンジル-又は置換されたスチレニル-)、
である。さらにより特定的には、R9は水素;メチル-;エチル-;プロピル-;フェニル-;トリル-;エチルフェニル-;ハロフェニル-;アセチルアミノフェニル-;シアノフェニル-;ハロメチルフェニル-;ポリハロフェニル-;メトキシメチル-;メトキシエチル-;メトキシフェニル-;ジメトキシフェニル-;メチレンジオキシフェニル-;トリフルオロメチルフェニル-;フリル-;チオフェニル-;ピリジニル-;ハロメチルピリジニル-;イソオキサゾリル-;メチルイソオキサゾリル-;ジメチルアミノフェニル-;ジエチルアミノフェニル-;イソプロピルフェニル-;又はキノキサリニル-である。
R10、R10'、R11、及びR11'
式Ia又はIbで示される化合物について考える場合、特定の実施形態では、R10、R10'、R11、及びR11'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、及び場合により置換されていてもよいアラルキル-よりなる群から選択される。
より特定的には、R10及びR10'は、独立して、水素;ヒドロキシメチル-;アミノメチル-;アセチルアミノメチル-;(カルボキシルメチル-アミノ)-メチル-;アミノエチル-;アセチルアミノエチル-;(カルボキシルメチル-アミノ)-エチル-;ヒドロキシエチル-;アミノプロピル-;アセチルアミノプロピル-;(カルボキシルメチル-アミノ)-プロピル-;ヒドロキシプロピル-;メチル-;エチル-;及びプロピル-よりなる群から選択される。
特定の実施形態では、R11及びR11'は、独立して、水素及び場合により置換されていてもよい低級アルキル-よりなる群から選択される。より特定的には、R11及びR11'は、水素である。
特定の部類
式Iaで示される特定の部類では、R1は、ベンジル-、ハロベンジル-、メトキシベンジル-、シアノベンジル-、又はナフチルメチル-であり;R2は、エチル-及びプロピル-から選択され;R2'は水素であり;R5は水素であり;R6は水素であり;R7はハロであり;R8は水素であり;かつR9は、置換されたフェニル-であり;R10は、メチル-、水素、又はアミノ低級アルキル-(アミノメチル-、アミノエチル-、アミノプロピル-)であり;そしてR11は水素である。
式Ibで示される特定の部類では、R1は、ベンジル-、ハロベンジル-、メトキシベンジル-、シアノベンジル-、又はナフチルメチル-であり;R2は、エチル-及びプロピル-から選択され;R2'は水素であり;R5は水素であり;R6は水素であり;R7はハロであり;R8は水素であり;かつR9は、置換されたフェニル-であり;R10及びR10'は、メチル-、水素、又はアミノ低級アルキル-(アミノメチル-、アミノエチル-、アミノプロピル-)であり;そしてR11及びR11'は水素である。
式Iaで示される特定の部類では、R1は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-から選択され;
R2及びR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-から選択されるか;又はR2及びR2'は一緒になって、場合により置換されていてもよい3〜7員環を形成し;
R5、R6、R7、及びR8は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよい、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル-、ニトロ、シアノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル-、アルキルスルホンアミド、アルキルチオ、カルボキシアルキル-、カルボキサミド、アミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアリールオキシ、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、また場合により置換されていてもよいヘテロアリールオキシから選択され;
R9は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択され;
そしてR10、R10'、R11、及びR11'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、又は場合により置換されていてもよいアラルキルであり、
ただし、R2がメチルでありかつR2'が水素である場合、R1は、置換されたフェニルではない。
特定の化合物
特定の化合物としては、以下の化合物が挙げられる:
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(4-クロロ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-2-{1-[2-(4-ブロモ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(4-メトキシ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[4,4-ジメチル-2-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[1-(4,4-ジメチル-2-チオフェン-2-イル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[1-(2-フラン-2-イル-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[1-(2-メトキシメチル-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[1-(4,4-ジメチル-2-m-トリル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3-クロロ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
ベンジル-7-クロロ-2-[(R)-1-(4,4-ジメチル-2-p-トリル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(4-フルオロ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[1-(4,4-ジメチル-2-フェニル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン トリフルオロアセテート;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
2-[1-(2-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン;
3-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル}-ベンゾニトリル;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(2-クロロ-6-メチル-ピリジン-4-イル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[4,4-ジメチル-2-(5-メチル-イソオキサゾール-3-イル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(4-フルオロ-3-メチル-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3,5-ジメトキシ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3-ジメチルアミノ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(4-ジメチルアミノ-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(4-イソプロピル-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3-クロロ-4-メチル-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-2-{1-[2-(3-ブロモ-4-メチル-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
4-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル}-ベンゾニトリル;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[1-(4,4-ジメチル-2-(2-トリル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[1-(4,4-ジメチル-2-ピリジン-3-イル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[1-(4,4-ジメチル-2-ピリジン-4-イル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3-フルオロ-4-メチル-フェニル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-2-{1-[2-(4-ブロモ-フェニル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[(S)-2-(3-フルオロ-4-メチル-フェニル)-4-メチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[2-メチル-1-((S)-4-メチル-2-p-トリル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(2-メトキシ-エチル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[1-(2-イソプロピル-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[1-(4,4-ジメチル-2-キノキサリン-2-イル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(4-エチル-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[(R)-2-メチル-1-(2-p-トリル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル)-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
N-(4-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル}-フェニル)-アセトアミド;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3-フルオロ-4-メチル-フェニル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-2-{1-[2-(4-ブロモ-フェニル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{(R)-1-[2-(3-フルオロ-4-メチル-フェニル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[2-メチル-1-(2-フェニル-イミダゾール-1-イル)-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[2-メチル-1-(2-p-トリル-イミダゾール-1-イル)-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(4-フルオロ-フェニル)-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
4-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-1H-イミダゾール-2-イル}-ベンゾニトリル;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(4-クロロ-フェニル)-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3-フルオロ-4-メチル-フェニル)-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
2-{1-[4-(2-アミノ-エチル)-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3-フルオロ-4-メチル-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(メトキシメチル)-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン;
2-(2-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イル}-エチル)-イソインドール-1,3-ジオン;
2-{1-[4-(2-アミノ-エチル)-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン;
(2-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イル}-エチルアミノ)-酢酸tert-ブチルエステル;
(2-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イル}-エチルアミノ)-酢酸;
2-{1-[4-(3-アミノ-プロピル)-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-(1-イミダゾール-1-イル-2-メチル-プロピル)-3H-キナゾリン-4-オン;
2-[(R)-1-(4-アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン;
2-{(R)-1-[4-アミノメチル-2-(3-フルオロ-4-メチル-ベンゾイル)-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン;
N-{1-[(R)-1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イルメチル}-アセトアミド;
2-{(R)-1-[4-(N,N-ジカルボキシメチル)アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン;
2-{(R)-1-[4-(N-カルボキシメチル)アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン;
3-ベンジル-7-クロロ-2-[(R)-1-(4-ヒドロキシメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン;
(3-{(S)-1-[(R)-1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル}-プロピル)-カルバミン酸ベンジルエステル;及び
2-{(R)-1-[(S)-4-(3-アミノ-プロピル)-2-p-トリル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン。
有用性、試験、及び投与
一般的有用性
調製後、本発明の化合物は、有糸分裂の改変を必要とするさまざまな用途に使用することができる。当業者であればわかるであろうが、有糸分裂はさまざまな方法で改変しうる;すなわち、有糸分裂経路の成分の活性を増大させたり又は低下させたりすることにより、有糸分裂に影響を及ぼすことができる。別の言い方をすれば、特定の成分を阻害したり又は活性化させたりして平衡を撹乱することにより、有糸分裂に影響を及ぼしうる(たとえば、破壊しうる)。同じような手法は、減数分裂の改変にも使用しうる。
特定の実施形態では、本発明の化合物を用いて有糸分裂紡錘体の形成を阻害することにより、有糸分裂状態で長期細胞周期停止を引き起こす。これに関連して、「阻害」とは、有糸分裂紡錘体形成の低減もしくは妨害又は有糸分裂紡錘体機能不全の誘発を意味する。「有糸分裂紡錘体形成」とは、本明細書中では、有糸分裂キネシンにより双極構造体の形に微小管を組織化することを意味する。「有糸分裂紡錘体機能不全」とは、本明細書中では、有糸分裂停止及び単極紡錘体形成を意味する。
本発明の化合物は、有糸分裂キネシンKSPへの結合及び/又はその活性の阻害を行うのに有益である。一実施形態では、KSPはヒトKSPであるが、他の生物に由来するKSPキネシンへの結合及び/又はその活性の阻害を行うべく、化合物を使用しうる。これに関連して、「阻害」とは、紡錘体極分離の増大もしくは低減、有糸分裂紡錘体極の形成異常(すなわち、開張)の誘発、又はそれ以外に有糸分裂紡錘体の形態学的撹乱の誘発を意味する。これらの目的で、KSPの定義には、KSPの変異体及び/又は断片もまた、包含される。米国特許第6,437,115号(その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい。本発明の化合物はKSPに対する特異性を有することが判明した。しかしながら、本発明には、他の有糸分裂キネシンに結合させたり又はそれをモジュレートしたりすべく化合物を使用することが包含される。
本発明の化合物は、細胞増殖疾患を治療するために使用される。本明細書に提供されている化合物、組成物、及び方法により治療することのできる疾患状態としては、癌(以下でさらに論述する)、自己免疫疾患、真菌性障害、関節炎、移植片拒絶、炎症性腸疾患、医療処置(たとえば、手術、血管形成術など)の後で誘導された細胞増殖が挙げられるが、これらに限定されるものではない。治療には、細胞増殖を阻害することが包含される。いくつかの場合には、細胞は異常な状態にないかもしれないが、依然として治療が必要であることがわかる。したがって、一実施形態では、本発明は、これらの障害又は状態のうちの任意の1つに罹患しているか又は今にも罹患しそうな細胞又は個体に適用することが包含される。
本明細書に提供されている化合物、組成物、及び方法は、皮膚癌、乳癌、脳癌、頚部癌、精巣癌などのような充実性腫瘍を含めて癌の治療に特に有用であると考えられる。より特定的には、本発明の化合物、組成物、及び方法により治療しうる癌としては、次の癌が挙げられるが、これらに限定されるものではない:心臓:肉腫(血管肉腫、繊維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、繊維腫、脂肪腫、及び奇形腫;肺:気管支原性癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫性過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(膵管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経繊維腫、繊維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、繊維腫、繊維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、繊維肉腫、悪性繊維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網細胞肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液繊維腫、類骨骨腫及び巨細胞腫;神経系:頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄神経繊維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科系:子宮(子宮内膜癌)、頸部(頚部癌、前腫瘍性子宮頚部形成異常)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、ムチン性嚢胞腺癌、未分類癌腫)、顆粒膜-卵胞膜細胞腫瘍、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、繊維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファロピウス管(癌腫);血液学系:血液(骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫);皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、奇胎、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚繊維腫、ケロイド、乾癬;ならびに副腎:神経芽細胞腫。したがって、本明細書に提供される「癌細胞」という用語には、以上で特定した症状のうちのいずれか1つに罹患した細胞が包含される。
試験
KSPモジュレーション活性のアッセイでは、一般的には、KSP又は本発明に係る化合物のいずれか一方は、独立したサンプル受容領域を有する不溶性担体(たとえば、マイクロタイタープレート、アレイなど)に拡散不能に結合される。不溶性担体は、サンプルを結合させることのできる任意の組成物で作製可能であり、可溶性物質から容易に分離され、しかもそれ以外にスクリーニング方法全体に適合する。そのような担体の表面は、中実性であっても多孔性であってもよく、任意の便利な形状をとりうる。好適な不溶性担体の例としては、マイクロタイタープレート、アレイ、メンブレン、及びビーズが挙げられる。これらは、典型的には、ガラス、プラスチック(たとえば、ポリスチレン)、多糖、ナイロン又はニトロセルロース、テフロンTMなどで作製される。マイクロタイタープレート及びアレイは、少量の試薬及びサンプルを用いて多数のアッセイを同時に行うことができるので、特に便利である。特定のサンプル結合方式が本発明の試薬及び方法全体に適合し、サンプルの活性を保持し、かつ非拡散性であるかぎり、その特定の方式が決定的要因になることはない。特定の結合方法には、抗体(この抗体は、タンパク質を担体に結合させたとき、リガンド結合部位と活性化シーケンスのいずれをも立体的にブロッキングすることはない)の使用、「粘着性」又はイオン性の担体への直接的結合、化学架橋、表面上でのタンパク質又は作用剤の合成などが含まれる。サンプルを結合させた後、過剰の未結合物質を洗浄により除去する。次に、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、又は他の無害のタンパク質もしくは他の部分と共にインキュベートすることにより、サンプル受容領域をブロッキングすることが可能である。
本発明の化合物は、有糸分裂キネシン(特に、KSP)の活性を阻害すべく単独で使用することが可能である。一実施形態では、本発明の化合物をKSPと組み合わせて、KSPの活性をアッセイする。キネシン(たとえば、KSP)の活性については、当技術分野で公知であり、1つ以上のキネシン活性が包含される。キネシン活性としては、ATP加水分解への影響力;微小管結合;滑走及び重合/解重合(微小管動力学への影響);紡錘体の他のタンパク質への結合;細胞周期制御に関与するタンパク質への結合;キナーゼ又はプロテアーゼのような他の酵素に対する基質としての作用;及び紡錘体極分離のような特定のキネシン細胞活性が挙げられる。
運動性アッセイを行う方法については、当業者に周知である。(たとえば、次の文献を参照されたい:Hall, et al. (1996), Biophys. J. , 71: 3467-3476, Turner et al., 1996, AnaL Biochem. 242 (1):20-5; Gittes et al., 1996, Biophys. J. 70(l): 418-29; Shirakawa et al., 1995, J. Exp. BioL 198: 1809-15; Winkelmann et al., 1995,Biophys. J. 68: 2444-53; Winkelmann et al., 1995, Biophys. J. 68: 72S.)
ATPアーゼ加水分解活性を測定するための当技術分野で公知の方法を使用することもできる。好適には、溶液系アッセイを利用する。米国特許第6,410,254号(その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする)には、そのようなアッセイが記載されている。他の選択肢としては、従来の方法を使用する。たとえば、キネシンからのPi放出を定量化することができる。一実施形態では、0.3M PCA(過塩素酸)及びマラカイトグリーン試薬(8.27mMモリブデン酸ナトリウムII、0.33mMマラカイトグリーンシュウ酸塩、及び0.8mM Triton X-1 00)をATPアーゼ加水分解活性アッセイに利用する。アッセイを行うために、10Lの反応混合物を90Lの低温の0.3M PCAでクエンチングする。データをmM単位の無機リン酸放出量に変換できるように、リン酸標準を使用する。反応系及び標準系がすべてPCAでクエンチングされた時点で、マイクロタイタープレートなどの該当するウェル中に100Lのマラカイトグリーン試薬を添加する。10〜15分間かけて混合物を発色させ、650nmにおけるプレートの吸光度を読み取る。リン酸標準を使用した場合、吸光度の読取り値をmM単位のPi値に変換して、時間に対してプロットすることができる。このほかに、当技術分野で公知のATPアーゼアッセイとしては、ルシフェラーゼアッセイが挙げられる。
また、キネシンモータードメインのATPアーゼ活性を用いて作用剤の影響をモニターすることができる。これについては、当業者に周知である。一実施形態では、微小管の不存在下でキネシンのATPアーゼアッセイを行う。他の実施形態では、微小管の存在下でATPアーゼアッセイを行う。さまざまなタイプの作用剤を上記のアッセイで検出することができる。一実施形態では、作用剤の影響は、微小管やATPの濃度に依存しない。他の実施形態では、キネシンATPアーゼに及ぼす作用剤の影響は、ATPの濃度、微小管の濃度、又はその両方を増大させることによりを減少しうる。さらに他の実施形態では、作用剤の影響は、ATP、微小管、又はその両方の濃度を増大させることにより増大する。
次に、in vitroでKSPの生化学的活性を阻害する化合物をin vivoでスクリーニングすることが可能である。in vivoスクリーニング方法としては、細胞周期分布、細胞生存能力、又は有糸分裂紡錘体の存在、形態学、活性、分布、もしくは数のアッセイが挙げられる。フローサイトメトリーなどにより細胞集団の細胞周期分布をモニターする方法については、細胞生存能力の測定方法の場合と同じように、当業者に周知である。たとえば、米国特許第6,437,115号(その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい。紡錘体の形成及び形成異常をモニターするための顕微鏡法については、当業者に周知である(たとえば、Whitehead and Rattner (1998), J. Cell Sci. 111:2551-61; Galgio et al, (1996) J. Cell Biol., 135:399-414(それぞれその全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする)を参照されたい)。
本発明の化合物は、KSPキネシンを阻害する。阻害の尺度の1つは、KSPの活性が対照に対して50パーセント低下する化合物の濃度として定義されるIC50である。好ましい化合物は、約1mM未満のIC50を有し、好ましい実施形態では約100μM未満のIC50を有し、より好ましい実施形態では約10μM未満のIC50を有し、とりわけ好ましい実施形態では約1μM未満のIC50を有し、特に好ましい実施形態では約100nM未満のIC50を有し、最も好ましい実施形態では約10nM未満のIC50を有する。IC50の測定は、本明細書に記載されているようなATPアーゼアッセイを用いて行われる。
阻害を表す他の尺度は、Kiである。1μM未満のIC50を有する化合物の場合、Ki又はKdは、本明細書に記載の化合物とKSPとの相互作用の解離速度定数として定義される。好ましい化合物は、約100μM未満のKiを有し、好ましい実施形態では約10μM未満のKiを有し、とりわけ好ましい実施形態では約1μM未満のKiを有し、特に好ましい実施形態では約100nM未満のKiを有し、最も好ましい実施形態では約10nM未満のKiを有する。
化合物のKiは、3つの仮定及びミカエリス・メンテンの式に基づいてIC50から決定される。第1に、酵素に1個の化合物分子だけが結合し、協同性は存在しない。第2に、活性酵素及び試験化合物の濃度は既知である(すなわち、調製物中に有意量の不純物や不活性形は存在しない)。第3に、酵素-阻害剤複合体の酵素的比率は、ゼロである。比率(すなわち、化合物濃度)のデータは、次式:
Figure 2005530785
にあてはめられる。上記式中、Vは観察された比率であり、Vmaxは遊離酵素の比率であり、I0は阻害剤濃度であり、E0は酵素濃度であり、そしてKdは酵素-阻害剤複合体の解離定数である。
阻害を表す他の尺度は、細胞増殖率を50パーセント減少させる化合物の濃度として定義されるGI50である。好ましい化合物は、約1mM未満のGI50を有し;約20μM未満のGI50を有する化合物は、より好ましく;約10μM未満のGI50を有する化合物は、さらに好ましく;約1μM未満のGI50を有する化合物は、さらに好ましく;約100nM未満のGI50を有する化合物は、さらに好ましく;約10nM未満のGI50を有する化合物は、さらにもっと好ましい。GI50の測定は、本明細書に記載されているような細胞増殖アッセイを用いて行われる。この類の化合物は細胞増殖を阻害することが判明した。
小分子阻害剤のin vitro効力は、たとえば、ヒト卵巣癌細胞(SKOV3)を9点希釈系列の化合物に72時間暴露した後の生存能力をアッセイすることにより決定される。細胞生存能力は、市販の試薬MTS/PMSの生物還元により形成される生成物であるホルマザン(formazon)の吸光度を測定することにより決定される。用量-応答曲線上の各点は、バックグラウンド吸収(完全な細胞死滅)を差し引いて72時間における未処理対照細胞を基準にしたパーセントとして計算される。
診療所で癌の治療にうまく適用された抗増殖性化合物(癌化学療法剤)は、大きく変化するGI50を有する。たとえば、A549細胞において、パクリタキセルのGI50は4nMであり、ドキソルビシンでは63nMであり、5-フルオロウラシルでは1μMであり、ヒドロキシウレアでは500μMである(National Cancer Institute, Developmental Therapeutic Program, http://dtp.nci.nih.gov/により提供されたデータ)。したがって、阻害を示す濃度のいかんにかかわらず、細胞増殖を阻害する化合物は、臨床的有用性を有する可能性がある。
KSPキネシンに結合する化合物をスクリーニングする方法で本発明の化合物を利用するために、KSPを担体に結合させ、本発明の化合物をアッセイ系に添加する。他の選択肢として、本発明の化合物を担体に結合させ、KSPを添加する。新規な結合剤が探索される可能性のある化合物類としては、特異的抗体、化学ライブラリーのスクリーン中に同定される非天然結合剤、ペプチド類似体などが挙げられる。特に興味深いのは、ヒト細胞に対して低毒性を有する候補作用剤のスクリーニングアッセイである。この目的のために多種多様なアッセイを使用することが可能であり、たとえば、標識化in vitroタンパク質-タンパク質結合アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、タンパク質結合のイムノアッセイ、機能アッセイ(リン酸化アッセイなど)などが挙げられる。
KSPへの本発明の化合物の結合の測定は、いくつかの方法で行うことが可能である。一実施形態では、たとえば蛍光性部分又は放射性部分を用いて化合物を標識化し、結合を直接測定する。たとえば、KSPの全部又は一部分を固体担体に結合させ、標識化試験化合物(たとえば、少なくとも1個の原子が検出可能なアイソトープで置き換えられた本発明の化合物)を添加し、過剰の試薬を洗浄除去し、そして固体担体上に存在する標識の量を測定することにより、これを行うことが可能である。
「標識化」とは、本明細書中では、検出可能なシグナルを提供する標識(たとえば、ラジオアイソトープ、蛍光性タグ、酵素、抗体、磁性粒子のような粒子、化学発光性タグ、又は特異的結合性分子など)により、直接的又は間接的のいずれかで化合物を標識化することを意味する。特異的結合性分子としては、ビオチンとストレプトアビジン、ジゴキシンとアンチジゴキシンなどのようなペアが挙げられる。特異的結合性メンバーの場合、以上に概説したように、既知の手順に従って、通常、検出を可能にする分子で相補的メンバーが標識化されるであろう。標識により、検出可能なシグナルを直接的又は間接的に提供することができる。
いくつかの実施形態では、成分のうちの1つだけを標識化する。たとえば、125Iを用いて、又は発蛍光団により、キネシンタンパク質のチロシン位置を標識化しうる。他の選択肢として、異なる標識により;たとえば、タンパク質に対して125Iを使用し、抗有糸分裂剤に対して発蛍光団を使用して、2つ以上の成分を標識化しうる。
本発明の化合物はまた、さらなる薬剤候補をスクリーニングするためのコンペティターとして使用することも可能である。「候補作用剤」もしくは「薬剤候補」又は本明細書中で使用される文法的に等価な表現は、生物活性の試験などの対象になる任意の分子、たとえば、タンパク質、オリゴペプチド、小有機分子、多糖、ポリヌクレオチドなどを表す。それらは、細胞増殖の表現型又は細胞増殖配列(核酸配列とタンパク質配列の両方が包含される)の発現を直接的又は間接的に改変することができると思われるものである。他の場合には、細胞増殖タンパク質の結合及び/又は活性の改変をスクリーニングする。タンパク質の結合又は活性をスクリーニングする場合、特定の実施形態では、その特定のタンパク質に結合することがすでに知られている分子、たとえば、微小管のようなポリマー構造体及びATPのようなエネルギー源は、除外される。ここで、アッセイの特定の実施形態では、内因性天然状態の細胞増殖タンパク質に結合しない候補作用剤が含まれる。本明細書中では、それを「外因性」作用剤と称する。他の実施形態では、外因性作用剤は、KSPに対する抗体をさらに除外したものである。
候補作用剤には、多くの化学物質類が包含されうるが、典型的には、それらは、100ダルトンより大きくかつ約2,500ダルトン未満の分子量を有する小有機化合物である。候補作用剤は、タンパク質との構造的相互作用(特に、水素結合及び親油性結合)に必要な官能基を有しており、典型的には、少なくともアミン、カルボニル-、ヒドロキシル-、エーテル、又はカルボキシル基を含み、多くの場合、少なくとも2つの官能性化学基を含む。候補作用剤は、多くの場合、1つ以上の上記の官能基で置換された環状炭素構造体もしくはヘテロサイクリック構造体及び/又は芳香族構造体もしくはポリ芳香族構造体を含む。候補作用剤はまた、生体分子、たとえば、ペプチド、サッカリド、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、それらの誘導体、構造類似体、又は組合せの中にも見いだされる。
候補作用剤は、合成又は天然の化合物のライブラリーを含めて多種多様な供給源から得られる。たとえば、多種多様な有機化合物及び生体分子のランダム合成及び指令合成を行うために、ランダム化オリゴヌクレオチドの発現をはじめとする多くの手段が利用可能である。他の選択肢として、細菌性、真菌性、植物性、及び動物性の抽出物の形態の天然化合物のライブラリーが、利用可能であるか又は容易に作製される。このほか、天然の又は合成的に生成されたライブラリー及び化合物は、従来の化学的、物理的、及び生化学的な手段を介して容易に改変される。既知の薬理剤を指令化学修飾又はランダム化学修飾(たとえば、アシル化、アルキル化、エステル化、及び/又はアミド化)に付して、構造類似体を生成させることも可能である。
競合スクリーニングアッセイは、次のように行うことが可能である。まず、第1のサンプル中でKSPと薬剤候補とを組み合わせる。第2のサンプルには、本発明の化合物と、KSPと、薬剤候補と、を組み込む。これは、微小管の存在下又は不存在下のいずれかで行うことが可能である。両方のサンプルについて薬剤候補の結合を測定し、2つのサンプル間で結合の変化又は差異があれば、KSPに結合することのできる及びその活性を阻害する可能性のある薬剤候補の存在が示唆される。すなわち、薬剤候補の結合が第1のサンプルと第2のサンプルとで異なる場合、薬剤候補は、KSPに結合可能である。特定の実施形態では、KSPへの候補作用剤の結合は、競合結合アッセイを用いて測定される。この実施形態では、コンペティターは、抗体、ペプチド、結合性パートナー、リガンドなどのようにKSPに結合することが知られている結合性部分である。特定の状況下では、候補作用剤と結合性部分との間で結合の競合が起こり、結合性部分が候補作用剤と置き換わる可能性がある。
一実施形態では、候補作用剤を標識化する。結合が存在するのであれば、結合を生じさせるのに十分な時間で、最初に、候補作用剤もしくはコンペティターのいずれか一方又は両方をKSPに添加する。インキュベーションは、最適の活性が容易に得られる任意の温度(典型的には、4〜40℃)で行いうる。
インキュベーション時間は、最適な活性が得られるように選択されるが、迅速ハイスループットスクリーニングが容易に行えるように最適化することも可能である。典型的には、0.1〜1時間で十分であろう。過剰の試薬は、一般的には、除去されるか又は洗い流される。次に、第2の成分を添加し、標識化成分の存在又は不存在に応じて、結合の有無を示す。
他の実施形態では、コンペティターを最初に添加し、続いて、候補作用剤を添加する。コンペティターの置き換えが起これば、候補作用剤がKSPに結合していること、すなわち、KSPに結合してその活性を阻害できる可能性があることが示唆される。この実施形態では、いずれかの成分を標識化しうる。したがって、たとえば、コンペティターを標識化した場合、洗浄溶液中に標識が存在するのであれば、作用剤による置き換えが示唆される。他の選択肢として、候補作用剤を標識化した場合、担体中に標識が存在するのであれば、置き換えが示唆される。
他の実施形態では、候補作用剤を最初に添加し、インキュベーション及び洗浄を行い、次に、コンペティターを添加する。コンペティターによる結合の不存在により、候補作用剤がより高い親和性でKSPに結合されることを示唆しうる。したがって、候補作用剤を標識化した場合、担体上の標識の存在(コンペティター結合の欠如と結びつけられる)により、候補作用剤がKSPに結合可能であることを示唆しうる。
阻害は、KSPの活性を阻害することのできる候補作用剤をスクリーニングすることにより試験される。この試験には、上述したようにKSPと候補作用剤とを組み合わせる工程と、KSPの生物活性の改変を測定する工程と、が含まれる。したがって、この実施形態では、候補作用剤は、KSPに結合し(これは必要でない可能性もあるが)、本明細書に定義されているその生物学的活性又は生化学的活性を改変するはずである。本方法には、以上に一般的に概説したように、細胞周期分布、細胞生存能力、又は有糸分裂紡錘体の存在、形態学、活性、分布、もしくは量の改変に関する細胞のin vitroスクリーニング方法及びin vivoスクリーニング方法の両方が包含される。他の選択肢として、示差的スクリーニングを用いて、天然のKSPには結合するが改変されたKSPには結合できない薬剤候補を同定することが可能である。
正の対照及び負の対照をアッセイに使用することが可能である。好適には、統計的に有意な結果が得られるように、すべての対照及び試験サンプルを少なくとも三重反復試験方式で処理する。作用剤をタンパク質に結合させるのに十分な時間をかけて、すべてのサンプルのインキュベーションを行う。インキュベーション後、すべてのサンプルを洗浄して非特異的に結合された物質を除去し、結合された(一般的には、標識化された)作用剤の量を測定する。たとえば、放射性標識を利用した場合、シンチレーション計数管でサンプルの計数を行うことにより、結合された化合物の量を決定することが可能である。
さまざまな他の試薬をスクリーニングアッセイに組み込むことが可能である。これらの試薬としては、最適のタンパク質-タンパク質結合が得られるように及び/又は非特異的なもしくはバックグラウンドの相互作用が低減されるように使用しうる塩、中性タンパク質(たとえば、アルブミン)、界面活性剤などのような試薬が挙げられる。また、プロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、抗微生物剤などのようにそれ以外にアッセイの効率を向上させる試薬を使用することも可能である。必要な結合を提供する成分の混合物は、任意の順序で添加可能である。
投与
したがって、本発明の化合物は、細胞へ投与される。「投与」とは、本明細書中では、細胞培養物の細胞又は患者の細胞のいずれかの細胞に治療上有効な用量の本発明の化合物を投与することを意味する。「治療上有効な用量」とは、本明細書中では、投与の目的とする効果を生じる用量を意味する。正確な用量は、治療の目的に依存し、当業者であれば既知の方法を用いて確認可能であろう。当技術分野で公知のごとく、全身送達と局所送達との調整、年齢、体重、健康状態、性別、治療食、投与の時間、薬剤相互作用、及び症状の重症度が必要になる可能性があり、当業者であれば通常の実験で確認可能であろう。「細胞」とは、本明細書中では、有糸分裂又は減数分裂を改変させうる任意の細胞を意味する。
本発明の目的では、「患者」には、ヒトと他の動物(特に、哺乳動物)の両方、さらには他の生物が包含される。したがって、本方法は、ヒト治療用途と獣医学的用途の両方に適用可能である。好ましい実施形態では、患者は哺乳動物であり、最も好ましい実施形態では、患者はヒトである。
所望の薬理活性を有する本発明の化合物は、好ましくは、医薬賦形剤を含む製薬上許容される組成物として、本明細書に記載されているような患者に投与することが可能である。導入方式に応じて、以下で論じられているようなさまざまな方法で化合物を製剤化することが可能である。製剤中の治療上有効な化合物の濃度は、約0.1〜100重量%の範囲で変化させうる。
作用剤は、単独で投与することも可能であるし、あるいは他の治療(すなわち、放射線)又は他の化学療法剤(たとえば、微小管形成に作用するようにみえるタキサン類の作用剤、もしくはカンプトテシン類のトポイソメラーゼI阻害剤)との組合せで投与することも可能である。使用する場合、他の化学療法剤は、本発明の化合物の投与前、投与と同時、又は投与後に投与することが可能である。本発明の一態様において、本発明の化合物は、1種以上の他の化学療法剤と共投与される。「共投与」とは、同時投与を含めて実際に化合物がいつ投与されたかにかかわらず、本発明の化合物及び共投与された化合物が患者の血流中に見いだされるように、本発明の化合物を患者に投与することを意味する。
本発明の化合物及び組成物の投与は、さまざまな方法で行うことができる。たとえば、経口的に、皮下に、静脈内に、鼻腔内に、経皮的に、腹腔内に、筋肉内に、肺内に、経膣的に、直腸内に、又は眼内に投与することができるが、これらに限定されるものではない。いくつかの場合には、たとえば、創傷及び炎症を治療する場合には、化合物又は組成物を溶液剤又はスプレー剤として直接適用することが可能である。
医薬剤形は、式Ia又はIbで示される化合物、又はその製薬上許容される塩、溶媒和物、もしくは塩の溶媒和物と、1種以上の医薬賦形剤と、を含有する。当技術分野で公知のごとく、医薬賦形剤は、さまざまな剤形(たとえば:錠剤、カプセル剤、及び液剤のような経口形態;経皮、経眼(opthalmic)、及び経耳形態のような局所形態;坐剤;注射剤;呼吸形態など)の薬剤又は医薬の送達を可能にしたり又は増強させたりする働きをする二次成分である。医薬賦形剤としては、不活発(inert)もしくは不活性な成分、共力剤、又は活性成分の薬効に実質的に寄与する化学物質が挙げられる。たとえば、医薬賦形剤は、流動特性、製品均一性、安定性、風味、もしくは外観を改良したり、取扱い及び用量投与を容易にしたり、使用上の便宜を図ったり、又は生物学的利用能を制御したりするように機能しうる。医薬賦形剤は一般に不活発(inert)又は不活性であるとして記述されるが、医薬賦形剤の特性とそれらを含有する剤形との間に関連性があることが当技術分野で認識されている。
担体又は希釈剤として使用するのに好適な医薬賦形剤は、当技術分野で周知であり、さまざまな製剤で使用可能である。たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, A. R. Gennaro, Editor, Mack Publishing Company (1990); Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, A. R. Gennaro, Editor, Lippincott Williams & Wilkins (2000); Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition, A. H. Kibbe, Editor, American Pharmaceutical Association, and Pharmaceutical Press (2000); and Handbook of Pharmaceutical Additives, compiled by Michael and Irene Ash,Gower (1995)を参照されたい。これらの文献はそれぞれ、実際上、参照により本明細書に組み入れられるものとする。
錠剤のような経口固体剤形は、典型的には、1種以上の医薬賦形剤を含有するであろう。これらの賦形剤は、たとえば、満足すべき加工特性及び圧縮特性を付与したり又はさらなる望ましい物理的特性を錠剤に提供したりするのに役立ちうる。そのような医薬賦形剤は、希釈剤、結合剤、滑沢剤、滑沢剤、崩壊剤、着色、香味剤、甘味剤、ポリマー、ワックス、又は他の溶解遅延物質から選択されうる。
静脈内投与に供される組成物は、一般的には、経静脈輸液(すなわち、循環系により容易に運ばれて同化されうる糖、アミノ酸、又は電解質のような単純化学物質の滅菌溶液)を含有するであろう。そのような液は、注射用水USPを用いて調製される。静脈内(IV)用途で一般に使用される液は、Remington, the Science and Practice of Pharmacy [full citation previously provided]に開示されており、次の物質を含有する:
アルコール(たとえば、デキストロース及び水(「D/W」)[たとえば、5%デキストロース]中、又は通常生理食塩溶液(「NSS」)中、デキストロース及び水[たとえば、5%デキストロース]中;たとえば、5%アルコール);
Aminosyn、FreAmine、Travasolのような合成アミノ酸、たとえば、それぞれ、3.5又は7;8.5;3.5、5.5、又は8.5%;
塩化アンモニウム、たとえば、2.14%;
デキストラン40、NSS中、たとえば、10%、又はD5/W中、たとえば、10%;
デキストラン70、NSS中、たとえば、6%、又はD5/W中、たとえば、6%;
デキストロース(グルコース、D5/W)、たとえば、2.5〜50%;
デキストロース及び塩化ナトリウム、たとえば、5〜20%デキストロース及び0.22〜0.9% NaCl;
乳酸加リンゲル液(ハートマン液)、たとえば、NaCl 0.6%、KCl 0.03%(CaCl2 0.02%);
ラクテート0.3%;
マンニトール、たとえば、5%、場合により、デキストロース、たとえば、10%、又はNaCl、たとえば、15もしくは20%と併用;
電解質、デキストロース、フルクトース、転化糖、リンゲル液、たとえば、NaCl 0.86%、KCl 0.03%、CaCl2 0.033%を、種々の組合せで有する多電解質溶液;
重炭酸ナトリウム、たとえば、5%;
塩化ナトリウム、たとえば、0.45、0.9、3、又は5%;
乳酸ナトリウム、たとえば、1/6M;及び
注射用滅菌水。
そのような液のpHは、種々の値をとりうるが、典型的には、当技術分野で公知のごとく、3.5〜8であろう。
以下の実施例は、上記の発明の使用方法をより完全に説明するとともに本発明の種々の態様の実施目的に合った最良の形態を明示するうえで、役に立つ。当然のことながら、これらの実施例は、なんら本発明の真の範囲を限定する役割を果たすものではなく、例示を目的として提示されたものである。本明細書に引用されているすべての刊行物、たとえば、限定されるものではないが、特許及び特許出願は、あたかも個々の刊行物が具体的かつ個別的に表記されて完全に明記されたがごとく参照により本明細書に組み入れられているように、参照により本明細書に組み入れられるものとする。
無水溶媒はすべて、SureSeal(登録商標)容器に入った状態でAldrich Chemical Companyから購入したものである。
実施例1
Figure 2005530785
3-ベンジル-7-クロロ-2-[2-メチル-1-(2-フェニル-イミダゾール-1-イル)-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン
a) 3-ベンジル-7-クロロ-2-[1-(2,2-ジメトキシ-エチルアミノ)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン
DMF(30mL)中、2-(1-アミノ-2-メチル-プロピル)-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン (1.87g, 5.48mmol)に、ブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(2.78g, 16.44mmol)及び炭酸カリウム(2.27g, 16.44mmol)を添加し、得られた懸濁液を135℃で18時間加熱した。冷却された反応系(reaction)を真空中で濃縮させ、メチレンクロリドで摩砕して固形分をすべて除去し、濾液を真空中で濃縮させた。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル; 2:1ヘキサン:エチルアセテート)により残渣を精製し、淡黄色の油(1.38g, 59%)として標題化合物を得た。MS(ES+) m/e 430 [M+H]+
b) N-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-N-(2,2-ジメトキシ-エチル)-ベンズアミド
メチレンクロリド(10mL)中、3-ベンジル-7-クロロ-2-[1-(2,2-ジメトキシ-エチルアミノ)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン(505mg, 1.17mmol)、ベンゾイルクロリド(247mg, 1.76mmol)、及びトリエチルアミン(179mg, 1.76mmol)の溶液を、室温で18時間攪拌した。0.5N HCl、水、5% NaHCO3、水、及びブラインで逐次的に、反応系を洗浄した。有機層を脱水し(Na2SO4)、濃縮させ、橙色の油(338mg, 54%)として標題化合物を得た。MS(ES+) m/e 534 [M+H]+
c) -ベンジル-7-クロロ-2-[2-メチル-1-(2-フェニル-イミダゾール-1-イル)-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン
酢酸(4.0mL)中、N-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-N-(2,2-ジメトキシ-エチル)-ベンズアミド(288mg, 0.539mmol)及び酢酸アンモニウム(374mg, 4.85mmol)の溶液を、2.0時間還流させた。反応系を真空中で濃縮させ、残渣をエチルアセテートに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム、水、及びブラインで逐次的に洗浄した。有機層を脱水し(Na2SO4)、真空中で濃縮させ、エタノールから再結晶し、黄褐色の結晶(57.1mg, 23%)として標題化合物を得た。MS(ES+) m/e 469 [M+H]+
実施例2
3-ベンジル-7-クロロ-2-[2-メチル-1-(2-p-トリル-イミダゾール-1-イル)-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン
Figure 2005530785
ベンゾイルクロリドの代わりにp-トルオイルクロリドを用いたこと以外は実施例1のときと同じようにして、白色の結晶性固体(22%)として標題化合物を調製した。MS(ES+) m/e 483 [M+H]+
実施例3
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(4-フルオロ-フェニル)-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン
Figure 2005530785
ベンゾイルクロリドの代わりに4-フルオロベンゾイルクロリドを用いたこと以外は実施例1のときと同じようにして、黄褐色の結晶(17%)として標題化合物を調製した。MS(ES+) m/e 487 [M+H]。
実施例4
4-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-1H-イミダゾール-2-イル}-ベンゾニトリル
Figure 2005530785
ベンゾイルクロリドの代わりに4-シアノベンゾイルクロリドを、メチレンクロリドの代わりにピリジンを用いたこと以外は実施例1のときと同じようにして、黄褐色の結晶(18%)として標題化合物を調製した。MS(ES+) m/e 494 [M+H]+
実施例5
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(4-クロロ-フェニル)-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン
Figure 2005530785
ベンゾイルクロリドの代わりに4-クロロベンゾイルクロリドを用いたこと以外は実施例1のときと同じようにして、白色の固体(24%)として標題化合物を調製した。MS(ES+) m/e 503 [M+H]+
実施例6
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3-フルオロ-4-メチル-フェニル)-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン
Figure 2005530785
ベンゾイルクロリドの代わりに3-フルオロ-4-メチルベンゾイルクロリドを用いたこと以外は実施例1のときと同じようにして、黄褐色の結晶(26%)として標題化合物を調製した。MS(ES+) m/e 501 [M+H]+
実施例7
Figure 2005530785
2-{1-[4-(2-アミノ-エチル)-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
a) 2-{4-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピルアミノ]-3-オキソ-ブチル}-イソインドール-1,3-ジオン
DMF(14mL)中、2-(1-アミノ-2-メチル-プロピル)-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(1.0g, 2.93mmol)、2-(4-ブロモ-3-オキソ-ブチル)-イソインドール-1,3-ジオン(867mg., 2.93mmol, WO 89/10360に記載されているように調製した)、及び炭酸カリウム(405mg, 2.93mmol)の懸濁液を、室温で80分間攪拌した。反応系を水で希釈し、得られた白色の固体(1.6g.)をさらなる精製を行うことなく後続の工程で使用した。
b) N-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]- N-[4-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-2-オキソ-ブチル]-4-メチル-ベンズアミド
メチレンクロリド(10mL)中、2-{4-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピルアミノ]-3-オキソ-ブチル}-イソインドール-1,3-ジオン(1.5g, 前の工程から得た)、トリエチルアミン(245mg, 2.42mmol)、及びp-トルオイルクロリド(374mg, 2,42mmol)の溶液を、室温で2.0時間攪拌した。0.5N HCl、水、5% NaHCO3、水、及びブラインで逐次的に、反応系を洗浄し、そして脱水した(Na2SO4)。濾液を真空中で濃縮させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル 3:2ヘキサン:EtOAcを溶出液として)により精製し、白色の固体(0.7g, 35%, 2工程)として標題化合物を得た。MS(ES+) m/e 675 [M+H]+
c) 2-(2-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イル}-エチル)-イソインドール-1,3-ジオン
酢酸(30mL)中、N-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-N-[4-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-2-オキソ-ブチル]-4-メチル-ベンズアミド(641mg, 0.948mmol)及び酢酸アンモニウム(3.65g, 47.4mmol)の溶液を、ディーン・スタークトラップ及びコンデンサーを用いて6.0時間還流させた。反応系を真空中で濃縮させ、残渣を水で摩砕し、ブフナー漏斗中で乾燥させ、エタノールから再結晶し、白色の固体(320mg, 51%)として標題化合物を得た。MS(ES+) m/e 656 [M+H]+
d) 2-{1-[4-(2-アミノ-エチル)-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
EtOH(12mL)中、2-(2-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イル}-エチル)-イソインドール-1,3-ジオン(278mg, 0.423mmol)及び無水ヒドラジン(98mg, 3.06mmol)の溶液を、3.0時間還流させた。反応系を5℃まで冷却させ、白色沈殿を濾別した。濾液を真空中で濃縮させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 90:9:1メチレンクロリド:メタノール:水酸化アンモニウムを溶出液として)により精製し、白色の固体(98.2mg, 45%)として標題化合物を得た。MS(ES+) m/e 526 [M+H]+
実施例8
Figure 2005530785
(±)-3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3-フルオロ-4-メチル-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン
a) (±)-{2-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピルアミノ]-1,1-ジメチル-エチル}-カルバミン酸tert-ブチルエステル
ジクロロメタン(80mL)中、2-(1-アミノ-2-メチル-プロピル)-3-ベンジル-7-クロロ-3 H-キナゾリン-4-オン(1.09g, 3.19mmol)及び(1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(Seki et. al. Chem. Pharm. Bull. 1996, 44, 2061)(0.59g, 3.19mmol)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.01g, 4.79mmol)を添加した。得られた濁った混合物を周囲温度で4時間保持した時点でブライン(75mL)でクエンチングし、そして激しく10分間攪拌した。水性層をジクロロメタン(50mL)で抽出し、合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮させ、黄色の固体として(±)-{2-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピルアミノ]-1,1-ジメチル-エチル}-カルバミン酸tert-ブチルエステル(1.62g, 99%)を取得し、精製することなく後続の工程で使用した。
b) (±)-2-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピルアミノ)-2-メチル-プロピル]-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
ジクロロメタン(40mL)中、(±)-{2-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピルアミノ]-1,1-ジメチル-エチル}-カルバミン酸tert-ブチルエステル(1.62g, 3.16mmol)の溶液にトリフルオロ酢酸(10mL)を添加した。得られた溶液を周囲温度で一晩保持し、そして減圧下で濃縮させた。残渣をジクロロメタン(50mL)に溶解させ、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(40mL)で洗浄した。水性層をジクロロメタン(50mL)で抽出し、合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮させ、黄色の固体として(±)-2-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピルアミノ)-2-メチル-プロピル]-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(1.29g, 99%)を取得し、精製することなく後続の工程で使用した。
方法A:
c) (±)-N-{2-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピルアミノ]-1,1-ジメチル-エチル}-3-フルオロ-4-メチル-ベンズアミド
ジクロロメタン(3mL)中、(±)-2-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピルアミノ)-2-メチル-プロピル]-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(133mg, 0.32mmol)の溶液に、トリエチルアミン(90L、0.64mmol)を添加し、続いて、3-フルオロ-4-メチルベンゾイルクロリド(51L、0.35mmol)を添加した。得られた溶液を周囲温度で3時間攪拌し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)でクエンチングし、そしてジクロロメタン(5mL)で希釈した。水性層をジクロロメタン(5mL)で抽出し、合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィー(10〜20%エチルアセテート/ヘキサン)により残渣を精製し、白色の固体として(±)-N-{2-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピルアミノ]-1,1-ジメチル-エチル}-3-フルオロ-4-メチル-ベンズアミドを得た。
d) (±)-3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3-フルオロ-4-メチル-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン
オキシ塩化リン(2mL)中、(±)-N-{2-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピルアミノ]-1,1-ジメチル-エチル}-3-フルオロ-4-メチル-ベンズアミド(120mg, 0.219mmol)の溶液を還流状態で加熱した。8時間後、反応混合物を周囲温度まで冷却させ、そして減圧下で濃縮させた。残渣をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、10mLずつに分けた飽和重炭酸ナトリウム(sodium bicarbonte)水溶液で2回洗浄した。合わせた水性層をジクロロメタンで抽出し、抽出物を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィー(3%メタノール/ジクロロメタン)により残渣を精製して白色の固体として(±)-3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(3-フルオロ-4-メチル-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン(64mg, 55%)を得た:LCMS 531 (M+ + H)
実施例9
Figure 2005530785
方法B:
a) (±)-3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(4-フルオロ-3-メチル-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン
ジクロロメタン(10mL)中、(±)-2-[1-(2-アミノ-2-メチル-プロピルアミノ)-2-メチル-プロピル]-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(250mg, 0.61mmol)の溶液に、トリエチルアミン(295L、2.12mmol)を添加し、続いて、4-フルオロ-3-メチルベンゾイルクロリド(105mg, 0.61mmol)を添加した。得られた溶液を周囲温度で2時間攪拌し、次に、減圧下で蒸発させ、粗製の白色の固体を与えた。得られた固体を氷酢酸(10mL)で処理し、次に、得られた懸濁液(suspention)を還流状態で48時間加熱した。反応系を周囲温度まで冷却し、次に、減圧下で蒸発させ、粗製油を与えた。油を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mL)及びブライン(5mL)でクエンチングした。水性層をジクロロメタン(2×5mL)で抽出し、合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、そして減圧下で濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィー(5〜10%エチルアセテート/ヘキサン)により残渣を精製し、白色の固体として(±)-3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(4-フルオロ-3-メチル-フェニル)-4,4-ジメチル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン(138mg, 43%)を得た:LCMS 531 (M+ + H)。
実施例10
以上に記載した手順に従って、以下の化合物を調製した:
Figure 2005530785
Figure 2005530785
Figure 2005530785
実施例11
3-ベンジル-7-クロロ-2-{1-[2-(メトキシメチル)-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3H-キナゾリン-4-オン
Figure 2005530785
ベンゾイルクロリドの代わりにメトキシアセチルクロリドを用いたこと以外は実施例1のときと同じようにして、黄褐色の結晶(15%)として標題化合物を調製した。MS(ES+) m/e 437 [M+H]+
実施例12
Figure 2005530785
2-(2-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イル}-エチル)-イソインドール-1,3-ジオン
a) 2-{4-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピルアミノ]-3-オキソ-ブチル}-イソインドール-1,3-ジオン
DMF(14mL)中、2-(1-アミノ-2-メチル-プロピル)-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(1.0g, 2.93mmol)、2-(4-ブロモ-3-オキソ-ブチル)-イソインドール-1,3-ジオン(867mg., 2.93mmol, WO 89/10360に記載されているように調製した)、及び炭酸カリウム(405mg, 2.93mmol)の懸濁液を、室温で80分間攪拌した。反応系を水で希釈し、得られた白色の固体(1.6g)をさらなる精製を行うことなく後続の工程で使用した。
b) N-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-N-[4-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-2-オキソ-ブチル]-4-メチル-ベンズアミド
メチレンクロリド(10mL)中で、2-{4-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピルアミノ]-3-オキソ-ブチル}-イソインドール-1,3-ジオン(1.5g, 前の工程から得た)、トリエチルアミン(245mg, 2.42mmol)、及びp-トルオイルクロリド(374mg, 2,42mmol)の溶液を、室温で2.0時間攪拌した。0.5N HCl、水、5% NaHCO3、水、及びブラインで逐次的に、反応系を洗浄し、そして脱水した(Na2SO4)。濾液を真空中で濃縮させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル 3:2ヘキサン:EtOAcを溶出液として)により精製し、白色の固体(0.7g, 35%, 2工程)として標題化合物を得た。MS(ES+) m/e 675 [M+H]+
c) 2-(2-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イル}-エチル)-イソインドール-1,3-ジオン
酢酸(30mL)中、N-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-N-[4-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-2-オキソ-ブチル]-4-メチル-ベンズアミド(641mg, 0.948mmol)及び酢酸アンモニウム(3.65g, 47.4mmol)の溶液を、ディーン・スタークトラップ及びコンデンサーを用いて6.0時間還流させた。反応系を真空中で濃縮させ、残渣を水で摩砕し、ブフナー漏斗中で乾燥させ、エタノールから再結晶し、白色の固体(320mg, 51%)として標題化合物を得た。MS(ES+) m/e 656 [M+H]+
実施例13
Figure 2005530785
2-{1-[4-(2-アミノ-エチル)-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
EtOH(12mL)中、2-(2-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イル}-エチル)-イソインドール-1,3-ジオン(278mg, 0.423mmol)及び無水ヒドラジン(98mg, 3.06mmol)の溶液を、3.0時間還流させた。反応系を5℃まで冷却させ、白色沈殿を濾別した。濾液を真空中で濃縮させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, 90:9:1メチレンクロリド:メタノール:水酸化アンモニウムを溶出液として)により精製し、白色の固体(98.2mg, 45%)として標題化合物を得た。MS(ES+) m/e 526 [M+H]+
実施例14
Figure 2005530785
(2-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イル}-エチルアミノ)-酢酸tert-ブチルエステル
DMF(2.0mL)中、2-{1-[4-(2-アミノ-エチル)-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(181mg, 0.343mmol)、炭酸カリウム(47mg., 0.343mmol)、及びtert-ブチルブロモアセテート(67mg., 0.343mmol)の溶液を、室温で4.5時間攪拌した。反応系を水で希釈し、得られた白色沈殿を濾過し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル 95:5メチレンクロリド:メタノール)により精製し、白色の固体(109mg., 50%)として標題化合物を得た。MS(ES+) m/e 640 [M+H]+
実施例15
Figure 2005530785
(2-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イル}-エチルアミノ)-酢酸
メチレンクロリド(4mL)中、(2-{1-[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イル}-エチルアミノ)-酢酸tert-ブチルエステル(99.6mg., 0.155mmol) 及びトリフルオロ酢酸(8mL)の溶液を、室温で3.0時間攪拌した。反応系を真空中で濃縮させ、残渣をジエチルエーテルで摩砕し、乾燥させ、白色の固体(67 mg., 53%)として標題化合物を得た。MS(ES+) m/e 584 [M+H]+
実施例16
Figure 2005530785
2-{1-[4-(3-アミノ-プロピル)-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
2-(4-ブロモ-3-オキソ-ブチル)-イソインドール-1,3-ジオン(J. Med. Chem. 35, 3239 (1992)に記載されている)の代わりに2-(5-ブロモ-4-オキソ-ペンチル)-イソインドール-1,3-ジオンを用いたこと以外は実施例12及び13のときと同じようにして、白色の固体(61%)として標題化合物を調製した。MS(ES+) m/e 540 [M+H]+
実施例17
Figure 2005530785
(±)-3-ベンジル-7-クロロ-2-(1-イミダゾール-1-イル-2-メチル-プロピル)-3H-キナゾリン-4-オン
DMF(3mL)中、(±)-3-ベンジル-2-(1-ブロモ-2-メチル-プロピル)-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(式105で示される化合物, 250mg, 0.616mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.130mL, 0.924mmol)及びイミダゾール(63.0mg, 0.924mmol)を添加し、続いて、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(228mg, 0.616mmol)を添加した。得られた溶液を90℃に加熱し、18時間攪拌し、室温まで冷却させた。反応混合物を水(3mL)でクエンチングし、エーテル(10mL)で希釈した。水性層をエーテル(10mL)で抽出し、合わせた抽出物をMgSO4で脱水し、濾過し、そして減圧下で濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィー(1:1ヘキサン:エチルアセテート)により残渣を精製し、黄色の固体として38mg(16%)の標題化合物を得た。MS(ES+) m/e 393.0 [M + H]+
実施例18
Figure 2005530785
2-[(R)-1-(4-アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
a) 2-[(R)-1-(3-フタルイミド-2-オキソ-プロピルアミノ)-2-メチル-プロピル]-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
DMF(50mL)中、2-((R)-1-アミノ-2-メチル-プロピル)-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(5.0g, 14.6mMol)及びK2CO3(2.1g, 15.2mMol)に、N-(3-ブロモ-2-オキソプロピル)-フタルイミド(4.5g, 14.8mMol)(Nair et al.; J. Org. Chem.; 40; 1975; 1745)を添加した。反応系を室温(RT)で3時間攪拌し、真空下で濃縮させ、EtOAcに溶解させ、水、ブラインで洗浄し、脱水し(Na2SO4)、蒸発させ、灰白色の固体として標題化合物(7.94g, 14.6mMol)を得た:MS (ES) m/e 543.2 (M + H)+
b) 2-{(R)-1-[N-トルオイル-(3-フタルイミド-2-オキソ-プロピル)アミノ]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
CH2Cl2(50mL)中、2-[(R)-1-(3-フタルイミド-2-オキソ-プロピルアミノ)-2-メチル-プロピル]-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(7.22g, 13.3mMol)に、Et3N(2.0mL, 14.3mMol)及びトルオイルクロリド(1.9mL, 14.4mMol)を添加した。反応系をRTで18時間攪拌し、真空下で濃縮させ、EtOAcに溶解させ、1N HCl、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO4)、そして蒸発乾固させた。シリカゲル(1% MeOH/CH2Cl2)を用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、続いて、(1:1)Et2O/石油エーテルで摩砕し、濾過し、真空下で乾燥させ、白色の固体として標題化合物(6.41g, 73%)を得た。大部分が生成物である副画分(1.20g)も得られた:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.23 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 7.69 - 7.78 (m, 5 H), 7.45 - 7.49 (m, 3 H), 7.34 (t, 2 H), 7.25 - 7.29 (m, 3 H), 7.15 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 6.19 (d, J = 15.9 Hz, 1 H), 5.82 (d, J = 10.6 Hz, 1 H), 5.12 (d, J = 15.9 Hz, 1 H), 4.56 (d, J = 18.8 Hz, 1 H), 4.26 (d, J = 18.8 Hz, 1 H), 4.09 (d, J = 17.6 Hz, 1 H), 3.90 (d, J = 17.6 Hz, 1 H), 2.62 (m, 1 H), 2.42 (s, 3 H), 0.93 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 0.32 (d, J = 6.4 Hz, 3 H); MS (ES) m/e 661.2 (M + H)+
c) N-{1-[(R)-1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イルメチル}-アセトアミド (SB-767470) 及び N-{1-[(R)-1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イルメチル}-フタルイミド
2-{(R)-1-[N-トルオイル-(3-フタルイミド-2-オキソ-プロピル)アミノ]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(6.0g, 9.1mMol)及びNH4OAc(35g, 450mMol)に、HOAc(100mL)を添加した。反応系を攪拌し、加熱して6時間還流させた(155℃油浴)。RTまで冷却させた後、反応系を真空下で濃縮させ、氷水(500mL)中に注いた。生成した微細な白色沈殿を濾別し(遅い!)、水ですすぎ、真空下で乾燥させた。(1:1)Et2O/石油エーテルで摩砕し、濾過し、真空下で乾燥させた後、シリカゲル(5% MeOH/EtOAc→EtOAc→50% EtOAc/ヘキサン)を用いフラッシュクロマトグラフィーによる精製し、白色の固体としての標題化合物N-{1-[(R)-1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イルメチル}-フタルイミド(3.77g, 65%)を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.23 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 7.87 (m, 2 H), 7.72 (m, 2 H), 7.68 (d, J = 1.7 Hz, 1 H), 7.61 (s, 1 H), 7.46 - 7.50 (m, 3 H), 7.40 (d, J = 7.9 Hz, 2 H), 7.15 - 7.22 (m, 3 H), 6.47 (d, J = 7.0 Hz, 2 H), 5.75 (d, J = 16.3 Hz, 1 H), 4.89 (m, 3 H), 3.79 (d, J = 16.3 Hz, 1 H), 2.93 (m, 1 H), 2.52 (s, 3 H), 0.89 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 0.25 (d, J = 6.8 Hz, 3 H); MS (ES) m/e 642.2 (M + H)+
d) 2-[(R)-1-(4-アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
EtOH(100mL)中、N-{1-[(R)-1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イルメチル}-フタルイミド(3.50g, 5.5mMol)に、ヒドラジン一水和物(1.1mL, 22.7mMol)を添加した。反応系をRTで72時間攪拌し、セライト(登録商標)のパッドに通して濾過して不溶性沈殿を除去し、EtOHですすぎ、そして蒸発乾固させた。シリカゲル[5 - 10% (5% NH4OH in MeOH)/CH2Cl2]を用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色の固体として標題化合物(2.71g, 96%)を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.24 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 7.80 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 7.40 - 7.51 (m, 6 H), 7.15 - 7.22 (m, 3 H), 6.43 (d, J = 7.1 Hz, 2 H), 5.78 (d, J = 16.3 Hz, 1 H), 4.84 (d, J = 10.5 Hz, 1 H), 3.87 (d, J = 16.3 Hz, 1 H), 3.83 (2d, 2H), 3.00 (m, 1 H), 2.60 (br s, 2 H), 2.54 (s, 3 H), 0.90 (d, J = 6.7 Hz, 3 H), 0.31 (d, J = 6.7 Hz, 3 H); MS (ES) m/e 512.2 (M + H)+
実施例19
Figure 2005530785
2-{(R)-1-[4-アミノメチル-2-(3-フルオロ-4-メチル-ベンゾイル)-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
実施例18の手順に従って、灰白色の固体として標題化合物(191mg, 61%)を調製した:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ8.24 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 7.81 (d, J = 1.9 Hz, 1 H), 7.49 (m, 2 H), 7.41 (app t, 1 H), 7.19 - 7.32 (m, 5 H), 6.48 (d, J = 6.7 Hz, 2 H), 5.81 (d, J = 16.4 Hz, 1 H), 4.88 (d, J = 10.5 Hz, 1 H), 3.90 (d, J = 16.4 Hz, 1 H), 3.85 (2d, 2H), 3.02 (m, 1 H), 2.82 (br s, 2 H), 2.46 (s, 3 H), 0.90 (d, J = 6.7 Hz, 3 H), 0.37 (d, J = 6.7 Hz, 3 H) ;MS (ES) m/e 530.2 (M + H)+
実施例20
Figure 2005530785
N-{1-[(R)-1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イルメチル}-アセトアミド
実施例18cのクロマトグラフィー精製時に第2の生成物を単離し、それをEt2Oで摩砕し、濾過し、真空下で乾燥させ、白色の固体として標題化合物N-{1-[(R)-1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-1H-イミダゾール-4-イルメチル}-アセトアミド(0.87g, 17%)を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.24 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 7.80 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 7.49 - 7.51 (m, 4 H), 7.43 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.16 - 7.23 (m, 3 H), 6.43 (d, J = 7.1 Hz, 2 H), 6.30 (br s, 1 H), 5.80 (d, J = 16.3 Hz, 1 H), 4.87 (d, J = 10.6 Hz, 1 H), 4.40 (d, 1 H), 4.36 (d, 1 H), 3.84 (d, J = 16.3 Hz, 1 H), 3.00 (m, 1 H), 2.56 (s, 3 H), 1.98 (s, 3 H), 0.90 (d, J = 6.8 Hz, 3 H), 0.30 (d, J = 6.6 Hz, 3 H); MS (ES) m/e 554.2 (M + H)+
実施例21
Figure 2005530785
2-{(R)-1-[4-(N,N-ジカルボキシメチル)アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
a) 2-{(R)-1-[4-(N,N-Di-t-ブトキシカルボニルメチル)アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン 及び 2-{(R)-1-[4-(N-t-ブトキシカルボニルメチル)アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
DMF(10mL)中、2-[(R)-1-(4-アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(0.35g, 0.68mMol)(実施例18dから得た)及びK2CO3(100mg, 0.72 mMol)に、t-ブチルブロモアセテート(103μL, 0.68 mMol)を添加した。反応系をRTで18時間攪拌し、真空下で濃縮させ、冷水で摩砕し、濾過し、真空下で乾燥させた。シリカゲル(1-5%(MeOH中、5% NH4OH)/(CH2Cl2中、20% EtOAc)を用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色の固体として標題化合物2-{(R)-1-[4-(N,N-di-t-ブトキシカルボニルメチル)アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(0.23g, 46%)を得た:MS (ES) m/e 740.2 (M + H)+
b) 2-{(R)-1-[4-(N,N-ジカルボキシメチル)アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
2-{(R)-1-[4-(N,N-di-t-ブトキシカルボニルメチル)アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(0.23g, 0.31mMol)に、TFA(20mL)を添加した。反応系をRTで4時間攪拌し、そして真空下で蒸発乾固させた。(1:1)Et2O/石油エーテルで摩砕し、濾過し、真空下で乾燥させ、白色の固体として標題化合物2-{(R)-1-[4-(N,N-ジカルボキシメチル)アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(203mg, 77%)を得た:1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ8.19 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 8.14 (s, 1 H), 7.91 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 7.68 (dd, 1 H), 7.52 - 7.55 (m, 4 H), 7.21 - 7.25 (m, 3 H), 6.50 (d, J = 5.9 Hz, 2 H), 5.59 (d, J = 16.7 Hz, 1 H), 4.88 (d, J = 10.1 Hz, 1 H), 4.13 (d, J = 14.6 Hz, 1 H), 4.05 (d, J = 14.6 Hz, 1 H), 4.00 (d, J = 16.8 Hz, 1 H), 3.68 (s, 4 H), 2.78 (m, 1 H), 0.80 (d, J = 6.7 Hz, 3 H), 0.26 (d, J = 6.5 Hz, 3 H)。
実施例22
Figure 2005530785
2-{(R)-1-[4-(N-カルボキシメチル)アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
実施例21aのクロマトグラフィー精製時に、第2の化合物2-{(R)-1-[4-(N-t-ブトキシカルボニルメチル)アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(0.10g, 24%)を白色の固体として得た:MS (ES) m/e 626.2 (M + H)+。実施例20bの手順に従って、2-{(R)-1-[4-(N-t-ブトキシカルボニルメチル)アミノメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(0.10g, 0.16mMol)を、白色の固体として標題化合物(102mg, 80%)に変換した:1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 8.18 (d, J = 8.5 Hz, 1 H), 7.88 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 7.86 (s, 1 H), 7.67 (dd, 1 H), 7.41 - 7.57 (m, 4 H), 7.22 - 7.27 (m, 3 H), 6.46 (d, J = 7.5 Hz, 2 H), 5.56 (d, J = 16.7 Hz, 1 H), 4.84 (d, J = 10.3 Hz, 1 H), 4.15 (d, J = 13.7 Hz, 1 H), 4.10 (d, J = 13.8 Hz, 1 H), 4.02 (d, J = 16.6 Hz, 1 H), 3.89 (s, 2 H), 2.85 (m, 1 H), 0.80 (d, J = 6.7 Hz, 3 H), 0.34 (d, J = 6.7 Hz, 3 H)。
実施例23
Figure 2005530785
3-ベンジル-7-クロロ-2-[(R)-1-(4-ヒドロキシメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン
a) 2-[(R)-1-(3-トルオイルオキシ-2-オキソ-プロピルアミノ)-2-メチル-プロピル]-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
DMF(10mL)中、2-((R)-1-アミノ-2-メチル-プロピル)-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(1.0g, 2.9mMol)に、DIEA(0.6mL, 3.4mMol)及び1-トルオイルオキシ-3-ブロモプロパン-2-オン(1.0g, 3.7mMol)を添加した(ベンゾイルクロリドの代わりにトルオイルクロリドを用いた以外はF. C. Hartman, Biochemistry, 9, 1776 (1970)の手順を用いて調製した)。反応系をRTで18時間攪拌し、真空下で濃縮させ、EtOAcに溶解させ、1N Na2CO3で洗浄し、脱水し(Na2SO4)、そして蒸発乾固させた。ジオキサン(20mL)中、4N HClで処理し、真空下で濃縮させることにより、生成物をその塩酸塩に変換した。(1:1)Et2O/石油エーテルで摩砕し、濾過し、真空下で乾燥させ、ベージュ色の固体として標題化合物(1.87g, 100%, 純度88%)を得た:MS (ES) m/e 532.2 (M + H)+
b) 2-{(R)-1-[N-トルオイル-(3-トルオイルオキシ-2-オキソ-プロピル)アミノ]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
CH2Cl2(30mL)中、2-[(R)-1-(3-トルオイルオキシ-2-オキソ-プロピルアミノ)-2-メチル-プロピル]-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(1.87g, 2.9mMol)に、Et3N(1mL, 7.1mMol)及びトルオイルクロリド(0.44mL, 3.3mMol)を添加した。反応系をRTで18時間攪拌し、真空下で濃縮させ、EtOAcに溶解させ、1N HCl、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO4)、そして蒸発乾固させた。シリカゲル(20% EtOAc/ヘキサン)を用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色の固体として標題化合物(1.76g, 93%)を得た:MS (ES) m/e 650.4 (M + H)+
c) 3-ベンジル-7-クロロ-2-[(R)-1-(4-ヒドロキシメチル-2-p-トリル-イミダゾール-1-イル)-2-メチル-プロピル]-3H-キナゾリン-4-オン (SB-792813)
2-{(R)-1-[N-トルオイル-(3-トルオイルオキシ-2-オキソ-プロピル)アミノ]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(1.50g, 2.3mMol)とNH4OAc(8.9g, 115mMol)との混合物に、HOAc(30mL)を添加した。反応系を加熱して還流させ(155℃油浴)、2.5時間攪拌した。RTまで冷却させた後、反応系を真空下で濃縮させ、EtOAcに溶解させ、水、1N Na2CO3、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO4)、蒸発乾固させた。アルコールと、トルオイルエステルと、アセチルエステルとからなるこの粗製混合物に、MeOH(20mL)及び1N NaOH(5mL)を添加した。反応系をRTで18時間攪拌し、1N HCl(5mL)で中和し、真空下で蒸発させた。残留する固体をEtOAcに溶解させ、水、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO4)、蒸発乾固させた。シリカゲル(80-100% EtOAc/ヘキサン)を用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、灰白色の固体として標題化合物(0.95g, 81%)を得た:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.25 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 7.78 (d, J = 1.8 Hz, 1 H), 7.48 - 7.54 (m, 4 H), 7.43 (d, J = 7.9 Hz, 2 H), 7.16 - 7.23 (m, 3 H), 6.43 (d, J = 7.2 Hz, 2 H), 5.78 (d, J = 16.3 Hz, 1 H), 4.88 (d, J = 10.5 Hz, 1 H), 4.64 (d, J = 12.9 Hz, 1 H), 4.60 (d, J = 12.9 Hz, 1 H), 3.84 (d, J = 16.3 Hz, 1 H), 3.01 (m, 1 H), 2.75 (br s, 1 H), 2.55 (s, 3 H), 0.90 (d, J = 6.7 Hz, 3 H), 0.32 (d, J = 6.7 Hz, 3 H); MS (ES) m/e 513.2 (M + H)+
実施例24
Figure 2005530785
(3-{(S)-1-[(R)-1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル}-プロピル)-カルバミン酸ベンジルエステル
a) ((S)-1-{[(R)-1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピルアミノ]-メチル}-4-ベンジルオキシカルボニルアミノ-ブチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
CH2Cl2(25mL)中、2-((R)-1-アミノ-2-メチル-プロピル)-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン(式107で示される化合物, 366mg, 1.07mmol)及び((S)-4-ベンジルオキシカルボニルアミノ-1-ホルミル-ブチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(先に述べたように調製した: Hamada, Y.; Shioro, T. Chem. Pharm. Bull. 1982, 30, 1921)(452mg, 1.29mmol)の溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(341mg, 1.61mmol)を添加した。得られた濁った混合物を一晩攪拌し、飽和ブライン(50mL)でクエンチングした。水性層をCH2Cl2(20mL)で抽出し、合わせた抽出物をMgSO4で脱水し、濾過し、そして減圧下で濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィー(2:1ヘキサン:エチルアセテート)により残渣を精製し、黄色の油として標題化合物の550mg(76%)を得た。MS(ES+) m/e 676.4 [M + H]+
b) (1-{[[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-(1-p-トリル-メタノイル)-アミノ]-メチル}-4-ベンジルオキシカルボニルアミノ-ブチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル
トルエン(4mL)中、((S)-1-{[(R)-1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピルアミノ]-メチル}-4-ベンジルオキシカルボニルアミノ-ブチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(250mg, 0.37mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.10mL, 0.74mmol)を添加し、続いて、p-トルオイルクロリド(0.049mL, 0.37mmol)を滴下した。反応混合物を80℃に18時間加熱し、次に、4時間還流させた。反応混合物を室温まで冷却させ、飽和NaHCO3水溶液(10mL)でクエンチングし、CH2Cl2(10mL)で希釈した。抽出物をMgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィー(3:1ヘキサン:エチルアセテート)により残渣を精製し、淡黄色粉末として標題化合物の235mg(79%)を得た。MS(ES+) m/e 794.2 [M + H]+
c) (3-{(S)-1-[(R)-1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p-トリル- 4,5-ジヒドロ-1H -イミダゾール-4-イル}-プロピル)-カルバミン酸ベンジルエステル
CH2Cl2/TFA(4:1、5mL)中、(1-{[[1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-(1-p-トリル-メタノイル)-アミノ]-メチル}-4-ベンジルオキシカルボニルアミノ-ブチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル(235mg, 0.37mmol)の溶液を、室温で一晩攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮させ、残渣をCH2Cl2(10mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(10mL)で洗浄した。水性層をCH2Cl2で抽出し、合わせた抽出物をMgSO4で脱水し、濾過し、そして減圧下で濃縮させた。残渣をTHF(10mL)及び飽和NaHCO3水溶液(1mL)で希釈した。混合物を室温で10日間攪拌し、エーテル(20mL)で希釈し、そしてブラインで洗浄した。10mLずつに分けたEtOAcで水性層を2回抽出し、合わせた抽出物をMgSO4で脱水し、濾過し、そして減圧下で濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィー(19:1 CH2Cl2:MeOH)により残渣を精製し、淡白色の粉末として標題化合物の81mg(40%)を得た。MS(ES+) m/e 675.6 [M + H]+
実施例25
Figure 2005530785
2-{(R)-1-[(S)-4-(3-アミノ-プロピル)-2-p-トリル-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-イル]-2-メチル-プロピル}-3-ベンジル-7-クロロ-3H-キナゾリン-4-オン
(3-{(S)-1-[(R)-1-(3-ベンジル-7-クロロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-キナゾリン-2-イル)-2-メチル-プロピル]-2-p -トリル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-4-イル}-プロピル)-カルバミン酸ベンジルエステル(65.0mg, 0.096mmol)を、AcOH(30重量%, 5mL)中、HBrの溶液に溶解させた。45分後、反応混合物を減圧下で濃縮させた。残渣をトルエン(2mL)で希釈し、減圧下で濃縮させた。次に、残渣はCH2Cl2(10mL)で希釈し、1N NaOH(10mL)で洗浄した。水性層をCH2Cl2(3×10mL)で抽出し、合わせた抽出物をMgSO4で脱水し、濾過し、そして減圧下で濃縮させた。シリカゲルクロマトグラフィー(92:7:1 CH2Cl2:MeOH:NH4OH)により残渣を精製し、灰白色の粉末として標題化合物の30.0mg(57%)を得た。MS(ES+) m/e 542.2 [M + H]+
実施例26
KSP阻害剤で処理した腫瘍細胞系における細胞の生存能力の阻害
材料及び溶液:
細胞:SKOV3, 卵巣癌(ヒト)
培地:フェノールレッド非含有RPMI+5%ウシ胎仔血清+2mM L-グルタミン
細胞生存能力を測定するための比色剤:Promega MTSテトラゾリウム化合物
最大細胞死滅を得るための対照化合物:トポテカン, 1M
手順:1日目 - 細胞プレーティング:
付着SKOV3細胞を10mLのPBSで洗浄し、続いて、2mLの0.25%トリプシンを添加し、37℃で5分間インキュベートする。8mLの培地(フェノールレッド非含有RPMI+5% FBS)を用いて細胞をフラスコからすすぎ落とし、新しいフラスコに移す。コールターカウンターを用いて細胞濃度を測定し、1000細胞/100μLが得られる細胞の適切な体積を計算する。100μLの培地細胞懸濁液(1000細胞/100μLに調整済み)を96ウェルプレートのすべてのウェルに添加し、続いて、37℃、湿度100%、及び5% CO2で18〜24時間インキュベートし、細胞をプレートに付着させる。
手順:2日目 - 化合物添加:
オートクレーブ処理されたアッセイブロックの1列のウェルに400X最大所望濃度で初期量2.5μLの試験化合物を添加する。1.25μLの400X(400μM)トポテカンを他のウェルに添加する(これらのウェルの光学濃度は、死滅細胞及び媒体のバックグラウンド吸光度を差し引くために使用される)。DMSOを含まない培地500μLを試験化合物の入ったウェルに添加し、250μLをトポテカンウェルに添加する。250μLの培地+0.5% DMSOを、すべての残りのウェルに添加し、その中に試験化合物を逐次希釈する。行単位で、化合物含有培地をアッセイブロックから対応する細胞プレートにレプリカプレーティングする(2重反復試験方式で)。37℃、湿度100%、及び5% CO2で、細胞プレートを72時間インキュベートする。
手順:4日目 - MTS添加及びOD読取り:
プレートをインキュベーターから取り出し、40μlのMTS/PMSをそれぞれのウェルに添加する。次に、37℃、湿度100%、5% CO2で、プレートを120分間インキュベートし、続いて、96ウェル分光光度計中で5秒間の振盪サイクルを行った後、490nmでODを読み取る。
データ解析
対照の規格化%(吸光度 - バックグラウンド)を計算し、XLfitを用いて用量-応答曲線を作成する。この曲線から、生存能力を50%阻害するのに必要な化合物濃度を求める。本発明の化合物は、この方法により試験したとき、上述したような活性を示す。
実施例27
エナンチオマー分離
一般的には、先に記載の手順を用いれば、適切なR-又はS-配置の出発アミノ酸を選択することにより、実質的に純粋な又は濃縮(enriched)R-又はS-エナンチオマーを調製することができる。本発明のより好ましい化合物は、R2が結合されているステレオジェン中心がR-配置をもつものである。R:S混合物は、当業者に周知の方法により、その構成成分の純粋エナンチオマーに分離することができる。これらには、ジベンゾイル酒石酸のような光学的に純粋な酸との反応により形成されるようなジアステレオマー誘導体の形成及び分離が包含される。他の選択肢として、たとえば、下記条件を用いて、キラルなクロマトグラフィーにより、分離を達成することができる:
カラム:Chiralcel OD 20 x 250 mm;
サンプル充填量 約100mg mL-1、0.01%イソプロピルアミンを含有する1:2エタノール:ヘキサン中;
クロマトグラフィー条件:0.01%イソプロピルアミンを含有する1:2エタノール:ヘキサンを用いて15mL min-1の流量でアイソクラティック溶出;
254nmでUV検出。
たとえば、濃縮(enriched)3:1 R:Sエナンチオマー混合物は、次の条件を有するキラルクロマトグラフィーにより、その純粋なエナンチオマーに分離された:Chiralpak AD, 250 x 4.6 mm (Diacel Inc.)。サンプル - 22.5mg/ml、1:1 i-PrOH:ヘキサン中。条件 - アイソクラティック条件(50% i-PrOH、ヘキサン中)で40分間、(S)-エナンチオマーは18.35分で溶出し、(R)-エナンチオマーは26.87分で溶出する。(R)-エナンチオマーは、(S)-エナンチオマーよりもかなり効力が高かった。
実施例28
KSP阻害剤適用後の単極紡錘体形成
ヒト腫瘍細胞Skov-3(卵巣)を1ウェルあたり4,000細胞の密度で96ウェルプレートにプレーティングし、24時間かけて付着させ、種々の濃度のピリミジノン(pyridmidinone)誘導体で処理した。4%ホルムアルデヒドで細胞を固定し、抗チューブリン抗体(続いて、蛍光標識化二次抗体を用いて識別した)及びHoechst染料(これはDNAを染色する)で染色した。目視検査により、化合物が有糸分裂の前中期に細胞周期停止を引き起こすことが明らかになった。DNAは濃縮され、紡錘体形成は開始されたが、停止細胞が一様に単極紡錘体を示したことから、紡錘体極体分離の阻害が示唆される。抗KSP抗体のマイクロインジェクションによっても、有糸分裂停止が引き起こされ、停止細胞は単極紡錘体を呈する。
実施例29
KSP阻害剤で処理した腫瘍細胞系における細胞増殖の阻害
1000〜2500細胞/ウェル(96ウェルプレート)の密度で細胞を96ウェルプレートにプレーティングし、24時間かけて付着/増殖させた。次に、それらを種々の濃度の薬剤で48時間処理した。化合物を添加した時間をT0とみなす。試薬3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム(MTS)(特許第5,185,450号)(Promega製品カタログ#G3580, CeIlTiter 96- AQueous One Solution Cell Proliferation Assayを参照されたい)を用いるテトラゾリウムに基づいくアッセイを利用して、T0における生細胞の数、及び化合物暴露の48時間後に残存する細胞の数を求めた。48時間後に残存する細胞の数を薬剤添加時の生細胞の数と比較することにより、増殖阻害の計算を行うことができる。
媒体(0.25% DMSO)のみで処理された対照ウェルにおける48時間にわたる細胞増殖を100%増殖とみなし、化合物を有するウェルにおける細胞の増殖をこれと比較する。
μM単位の化合物濃度vs処理ウェルにおける細胞増殖パーセントにより、Gi50を計算した。化合物に対して計算されたGi50は、対照と比較して増殖が50%阻害される推定濃度である。すなわち、以下の式が成立するときの濃度である:
100 x [(Treated48 - T0) / (Control48 - T0)] = 50
式中、Treated48は、処理された細胞に対する48時間における値であり、Control48は、対照集団に対する48時間における値である。
化合物の濃度はすべて、2重反復試験方式で試験され、対照は、12ウェルにわたり平均される。非常によく似た96ウェルプレートレイアウト及びGi50計算スキームが、National Cancer Institute (Monks, et al., J. NatI. Cancer Inst. 83:757-766 (1991)を参照されたい)で使用されている。しかしながら、National Cancer Instituteで用いられている細胞数の定量方法では、MTSは使用されておらず、それ代わる代替法が利用されている。
以上の実施例の化合物は、ヒト卵巣腫瘍細胞系(SKOV-3)で細胞増殖を阻害した。
実施例30
IC50の計算:
KSP活性に対する化合物のIC50の測定では、ATPアーゼアッセイを使用する。以下の溶液を使用する:溶液1は、3mMホスホエノールピルビン酸カリウム塩(Sigma P-7127)、2mM ATP(Sigma A-3377)、1mM IDTT(Sigma D-9779)、5Mパクリタキセル(Sigma T-7402)、10ppm消泡剤289(Sigma A-8436)、25mM Pipes/KOH pH6.8(Sigma P6757)、2mM MgC12(VWR JT400301)、及び1mM EGTA(Sigma E3889)よりなる。溶液2は、1mM NADH(Sigma N8129)、0.2mg/ml BSA(Sigma A7906)、ピルビン酸キナーゼ7U/ml、L-乳酸デヒドロゲナーゼ10 U/ml(Sigma P0294)、100nM KSPモータードメイン、50g/ml微小管、1mM DTT(Sigma D9779)、5Mパクリタキセル(Sigma T-7402)、10ppmの消泡剤(Sigma A-8436)、25mM Pipes/KOH pH6.8(Sigma P6757)289、2mM MgC12(VWR JT4003-01)、及び1mM EGTA(Sigma E3889)よりなる。化合物の逐次希釈(8〜12回の二倍希釈)は、溶液1を用いて、96ウェルマイクロタイタープレート(Corning Costar 3695)で行われる。逐次希釈の後、各ウェルは、50μlの溶液1を有する。反応は、50μlの溶液2を各ウェル添加することにより開始される。これは、手動により又は自動化液体ハンドリング装置により多チャンネルピペッターを用いて行いうる。次に、マイクロタイタープレートをマイクロプレート吸光度リーダーに移し、340nmにおける複数の吸光度を動力学的モードで各ウェルについて読み取る。次に、観測された変化率(これはATPアーゼの比率に比例する)を化合物濃度の関数としてプロットする。標準的なIC50測定では、非線形あてはめプログラム(たとえば、Grafit 4)を用いて、以下の4パラメーター式により、取得データのあてはめを行う:
Figure 2005530785
式中、yは、観測された比率であり、xは、化合物濃度である。

Claims (32)

  1. 下記構造
    Figure 2005530785
    〔式中、
    R1は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択され;
    R2及びR2'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアラルキル-から選択されるか;又はR2及びR2'は、一緒になって、場合により置換されていてもよい3〜7員環を形成し;
    R5、R6、R7、及びR8は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル-、ニトロ、シアノ、ジアルキルアミノ、アルキルスルホニル-、アルキルスルホンアミド、アルキルチオ、カルボキシアルキル-、カルボキサミド、アミノカルボニル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアリールオキシ、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアリールオキシから選択され;
    R9は、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいアラルキル-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-から選択され;そして
    R10、R10'、R11、及びR11'は、独立して、水素、場合により置換されていてもよいアルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、又は場合により置換されていてもよいアラルキル-である。
    ただし、この化合物には、単一の立体異性体、及び立体異性体の混合物も包含されるものとする。〕
    を有する化合物群;
    式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される塩;
    式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される溶媒和物;ならびに
    式Ia又はIbで示される化合物の製薬上許容される塩の製薬上許容される溶媒和物、
    から選択される化合物。
  2. R1が、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C8アルキル-、場合により置換されていてもよいアリール-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-、場合により置換されていてもよいアリール-C1〜C4-アルキル-、及び場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-から選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. R1が、水素、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-、場合により置換されていてもよいフェニル-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいナフタレニルメチル-、場合により置換されていてもよいフェニル-、及びナフチル-から選択される、請求項2に記載の化合物。
  4. R1が、場合により置換されていてもよいフェニル-C1〜C4-アルキル-、場合により置換されていてもよいヘテロアリール-C1〜C4-アルキル-、又はナフタレニルメチル-である、請求項3に記載の化合物。
  5. R1がベンジル-である、請求項4に記載の化合物。
  6. R2'が水素であり、かつR2が、場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-である、請求項1に記載の化合物。
  7. R2が、メチル-、エチル-、プロピル-、ブチル-、メチルチオエチル-、メチルチオメチル-、アミノブチル-、(CBZ)アミノブチル-、シクロヘキシルメチル-、ベンジルオキシメチル-、メチルスルファニルエチル-、メチルスルファニルメチル-、及びヒドロキシメチル-から選択され、かつR2'が水素である、請求項6に記載の化合物。
  8. R2'が水素であり、かつR2がエチル-又はプロピル-である、請求項7に記載の化合物。
  9. R2がi-プロピル-である、請求項8に記載の化合物。
  10. R5、R6、R7、及びR8が、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜C4アルキル-、C1〜C4アルコキシ、及びシアノから選択される、請求項1に記載の化合物。
  11. R5、R6、R7、及びR8が、メトキシ、水素、又はハロである、請求項10に記載の化合物。
  12. R5、R6、R7、及びR8のうちの1つだけが水素ではない、請求項11に記載の化合物。
  13. R9が、水素;C1〜C4アルキル;置換されたC1〜C4アルキル-;アリール-;置換されたアリール-;アリール-C1〜C4-アルキル-;ヘテロアリール-;置換されたヘテロアリール-;又は置換されたアリール-C1〜C4-アルキル-である、請求項1に記載の化合物。
  14. R9が、水素;メチル-;エチル-;プロピル-;フェニル-;トリル-;エチルフェニル-;ハロフェニル-;アセチルアミノフェニル-;シアノフェニル-;ハロメチルフェニル-;ポリハロフェニル-;メトキシメチル-;メトキシエチル-;メトキシフェニル-;ジメトキシフェニル-;メチレンジオキシフェニル-;トリフルオロメチルフェニル-;フリル-;チオフェニル-;ピリジニル-;ハロメチルピリジニル-;イソオキサゾリル-;メチルイソオキサゾリル-;ジメチルアミノフェニル-;ジエチルアミノフェニル-;イソプロピルフェニル-;又はキノキサリニル-である、請求項13に記載の化合物。
  15. R10及びR10'が、独立して、水素;ヒドロキシメチル-;アミノメチル-;アセチルアミノメチル-;(カルボキシルメチル-アミノ)-メチル-;アミノエチル-;アセチルアミノエチル-;(カルボキシルメチル-アミノ)-エチル-;ヒドロキシエチル-;アミノプロピル-;アセチルアミノプロピル-;(カルボキシルメチル-アミノ)-プロピル-;ヒドロキシプロピル-;メチル-;エチル-;及びプロピル-から選択される、請求項1に記載の化合物。
  16. R11及びR11'が、独立して、水素及び場合により置換されていてもよいC1〜C4アルキル-よりなる群から選択される、請求項18に記載の化合物。
  17. R11及びR11'が水素である、請求項16に記載の化合物。
  18. R1が、ベンジル-、ハロベンジル-、メトキシベンジル-、シアノベンジル-、又はナフチルメチル-であり;R2が、エチル-及びプロピル-から選択され;R2'が水素であり;R5が水素であり;R6が水素であり;R7がハロゲンであり;R8が水素であり;かつR9が、置換されたフェニル-であり;R9'が水素であり;R10が、メチル-、水素、又はアミノ低級アルキル-であり;しかもR11が水素である、請求項1に記載の式Iaで示される化合物。
  19. R1が、ベンジル-、ハロベンジル-、メトキシベンジル-、シアノベンジル-、又はナフチルメチル-であり;R2が、エチル-及びプロピル-から選択され;R2'が水素であり;R5が水素であり;R6が水素であり;R7がハロゲンであり;R8が水素であり;かつR9が、置換されたフェニル-であり;R9'が水素であり;R10及びR10'が、メチル-、水素、又はアミノ低級アルキル-であり;しかもR11及びR11'が水素である、請求項1に記載の式Ibで示される化合物。
  20. R2及びR2'が、それぞれ、R配置を有するステレオジェン中心に結合されている、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物。
  21. 医薬賦形剤と、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物と、を含む、組成物。
  22. 請求項1に記載の化合物以外の化学療法剤をさらに含む、請求項21に記載の組成物。
  23. タキサンをさらに含む、請求項22に記載の組成物。
  24. ビンカアルカロイドをさらに含む、請求項22に記載の組成物。
  25. トポイソメラーゼI阻害剤をさらに含む、請求項22に記載の組成物。
  26. KSPキネシン活性をモジュレートする方法であって、該キネシンを、有効量の請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物に接触させることを含む、上記方法。
  27. KSPを阻害する方法であって、該キネシンを、有効量の請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物に接触させることを含む、上記方法。
  28. 細胞増殖性疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む、上記方法。
  29. 細胞増殖性疾患を治療する方法であって、それを必要とする対象に、請求項21〜25のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含む、上記方法。
  30. 前記疾患が、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害、及び炎症よりなる群から選択される、請求項28又は請求項29に記載の方法。
  31. 細胞増殖性疾患を治療するための医薬の製造における、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化合物の使用。
  32. KSPキネシン活性に関連づけられる障害を治療するための医薬を製造するための、請求項31に規定されている化合物の使用。
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