JP2005529617A - 抗オキサリプラチン耐性剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、オキサリプラチンで処理された、または処理が可能か、もしくは処理されるべきガン細胞のミトコンドリアアポトーシスの測定から成ることを特徴とする、オキサリプラチンでの処理に対するガン細胞の耐性をインビトロで検出する方法に関するものである。

Description

本発明は、オキサリプラチンに対する耐性を示す患者におけるガン治療に関するものである。
本発明はとくに、抗悪性腫瘍薬「オキサリプラチン」(この製品の国際的一般名であり、その商用名はエロキサチンである)に対する結腸直腸ガンの耐性の診断に関するものである。
本発明はまた、(オキサリプラチンと組み合わせた、あるいは第二の意図として、オキサリプラチンに対する耐性が生じた後の)オキサリプラチンを基にした治療の効果を向上させる「抗耐性」剤を用いる適切な治療によって、この耐性を減らすことにも関係する。
結腸直腸ガンの化学療法処理は、オキサリプラチンなどの活性抗腫瘍分子が利用できるにもかかわらず、単独でまたは組み合わせて使用された医薬品の細胞毒性効果に対する腫瘍細胞の耐性が頻繁に生じることによって、その有効性がきわめて制限されてしまう。
したがって、この耐性を減らすことが、健康および医薬品産業にとって大きな課題である。投与によってガン細胞を破壊する抗ガン物質であるオキサリプラチンでの処理は、とくに文献米国特許第5716968号明細書および欧州特許第0943331号明細書に記載されている。
オキサリプラチンなどの抗腫瘍薬に関連する「抗耐性」治療を生み出すことに帰着する、この目的を達成するには、腫瘍細胞内部の耐性の出現を支配する、今まで解明されていない、分子機構の識別が必要である。
オキサリプラチンに対するガンの、とくに結腸直腸ガンの耐性については今日まで知られていないこの機構の識別は、したがって、主として二つの用途分野、すなわち
・耐性の早期診断:毒性のリスクおよび大きな費用を伴う化学療法に、全く治療の恩恵がなくなることを回避すること、
・耐性機構を阻害するかそれを回避する医薬品による処理
を対象とする。
ここで重要なのは、先行技術には、オキサリプラチンによる処理に対する耐性の早期試験が全く記載されていないということに留意することである。
オキサリプラチンに対する耐性、すなわちオキサリプラチンは、シスプラチンやカルボプラチンなどの従来の白金塩よりもはるかに広い抗腫瘍活性スペクトルを有する白金塩である。シスプラチンに対する耐性の機構はその大部分が解明されているが、オキサリプラチンに対する耐性は明らかにされていない。より詳細には、シスプラチンに対する耐性に関連するMMRまたはNER修復システムの脱制御は、オキサリプラチンに対する耐性を付与しない。オキサリプラチンに対する耐性は、本発明に到るまで解明されていなかった。オキサリプラチン(CgH、4N204Pt、[(1R、2R)−1、2−シクロヘキサンジアミン−N、N’][オキサラト(2−)−O、O’白金]は、DNAを損傷することで知られているジアミノシクロヘキサンである。本発明は、オキサリプラチンに対する耐性、ならびに場合によっては同様に耐性を生じさせるオキサリプラチン誘導体に対する耐性を対象とする。
卵巣ガンの同一の細胞モデル(ATCC A2780株)に対して実施された二つの研究は、このタイプのガンのオキサリプラチン耐性のエフェクターである可能性がある機構を識別している。すなわち、細胞内のグルタチオンの増加、ならびに白金とDNA−白金錯体の細胞内蓄積の減少が、オキサリプラチンに対する耐性に関連する。しかし、これらの研究は、これらの識別での機能的実証をもたらすものではない。グルタチオンが関与するという仮説は、文献でも強調されている。すなわち、Cancer Lett.1996 Jul.19,105(1):5−14,Altered glutathione metabolism in oxaliplatin resistant ovarian carcinoma cells(El−akawi Z,Abu−hadid M,Perez R,Glavy J,Zdanowicz J,Creaven PJ,Pendyala L.),Department of Investigational Therapeutics,Roswell Park Cancer Institute,Buffalo,NY 14263,USA。
DNA修復機構が介入するという仮説が、文献に紹介されている。すなわち、Cellular and Molecular Pharmacology of Oxaliplatin,Vol. 1,227−235,January 2002,Molecular Cancer Therapeutic,(Eric Raymond,Sandrine Faivre,Stephen Chaney,Jan Woynarowski and Esteban Cvitkovic)。
しかしながら、これらの研究では観察された耐性機構を確実に説明することはできない。
米国特許第5716968号明細書 欧州特許第0943331号明細書
したがって本発明は、先行技術の不都合を解決すること、そしてより詳細には、ガン、とくにオキサリプラチンに対する結腸直腸ガンの耐性機構を解明することにより、治療の過程で耐性の早期診断の実施を可能にし、これらの機構に対しより的を絞った「抗耐性」治療の開発に到ることができるような合理的な薬理学的アプローチを考案できるようにすることを目的とする。
逆に言えば、耐性の早期診断試験の実現は、少なくとも、(例えば、治療計画の中に他の医薬品を導入することによって)治療の方向を変える必要があることをガン専門医に知らせることを可能にすることとなる。その利点は、副作用の減少および無駄な医療費の制限となる。くわえて、明らかにされた機構(ミトコンドリアアポトーシス)のレベルで、耐性を阻害または回避する特殊な治療(医薬品、遺伝子治療など)が利用可能になれば、オキサリプラチンの有効性が回復する。その利点はもちろん医学的なものであるが、経済的でもある。すなわち有効性が向上するので、オキサリプラチン使用の維持および延長が正当であるとみなされる。
発明者らは、いくつかの技術的課題、とくに信頼できる実験モデルの設定(基準となる株からのオキサリプラチン耐性細胞株の選択および解析)およびこのモデルの精査(オキサリプラチンに固有な耐性マーカーとしてのミトコンドリアアポトーシスの変性の識別)を解決しなければならなかった。
発明者らは、オキサリプラチンに対する耐性がミトコンドリアアポトーシス遺伝子の異常発現に関連することを実証するのに成功した。先行技術には、ミトコンドリアレベルに直接および特異的に働くアポトーシス誘導化合物が記載されている。しかしながら、ミトコンドリアアポトーシス(MA)とオキサリプラチン耐性の機構の間の関係は、先行技術にはいっさい記載も示唆もされていない。
したがって発明者らは、適切ないっさいの手段、すなわち免疫検出のような生化学的な、シーケンシングまたは転写物の定量などの遺伝学的な手段によって、腫瘍細胞におけるミトコンドリアアポトーシスの変性のマーカーを明らかにすることに基づく、オキサリプラチン耐性の診断方法を開発した。
例えば第一の態様によれば、本発明は、オキサリプラチンで処理された、あるいは処理が可能か、または処理されるべきガン細胞のミトコンドリアアポトーシスの測定から成る、オキサリプラチンでの処理に対するガン細胞の耐性を、インビトロまたはインビボで検出する方法に関するものである。オキサリプラチンで処理されたガン細胞の耐性とは、十分なレベルでそれらを破壊することができないことから、この処理が完全には満足できるものにならないように、患者由来の、または培養されたガン細胞が、オキサリプラチンでの処理に対する耐性を示すことを意味する。
この検出方法は、とくに結腸直腸ガンに関するものである。しかしながら、その治療にオキサリプラチン投与が含まれるようなその他のガン、とくに卵巣、生殖細胞、肺、消化管、前立腺、膵臓、小腸、胃の一部のガンも、本発明の対象である。
ひとつの実施態様によれば、検出方法には、少なくとも一つのミトコンドリアアポトーシス遺伝子の発現の測定が含まれる。「少なくとも一つのミトコンドリアアポトーシス遺伝子の発現」は、ミトコンドリアアポトーシスの少なくとも一つのエフェクター遺伝子またはマーカー遺伝子の発現レベルを意味するものとする。エフェクター遺伝子は、ミトコンドリアアポトーシスの少なくとも一部に関与する遺伝子を意味し、この発現はとくに、産生したmRNAの量、これらの遺伝子によってコードされたタンパク質の量、これらのタンパク質の活性レベルによって表されることができる。例えば、低いアポトーシスレベルは、タンパク質の量は正常であるがその生物活性がより低いので、配列が非耐性患者のそれとは異なるアポトーシスタンパク質の合成による可能性がある。マーカー遺伝子とは、ミトコンドリアアポトーシスの機構に必ずしも関与しないが、その発現レベルがアポトーシスレベルと相関している遺伝子を意味するものとする。
発明者らがすでに研究した遺伝子(とりわけBax遺伝子)にくわえて、ミトコンドリアアポトーシスのエフェクター遺伝子またはマーカー遺伝子の中で、とくに米国特許第6268398号明細書に記載のミトコンドリアアポトーシスの機構に関与することがわかっている遺伝子を分析することができる。すなわち、
−アポトーシスカスケードおよび/またはプロアテーゼであるカスパーゼを活性化させるまたは活性を刺激する因子(Thornberry and Lazebnik,Science 281:1312−1316,1998)、例えば、酸化的ストレスを受けると遊離するシトクロムc;
−Murphy,Drug Dev.Res.46:18−25,1999に記載の「アポトーシス誘導因子」;
−アポトーシスに先立つクロマチンの凝縮を誘発する因子(Marchetti et al.,Cancer Res.56:2033−38,1996);
−とりわけシトクロムcの遊離とカスパーゼ3の活性化を阻止して(Yang et al.,Science 275:1129−1132,1997;Kluck et al.,Science 275:1132−1136,1997)酸化的ストレスから膜を保護する(Korsmeyer et al.,Biochim.Biophys.Act.1271:63,1995;Nguyen et al.,J.Biol.Chem.269:16521−24,1994)、ミトコンドリア外膜内にある、抗アポトーシス活性で知られているBcl−2タンパク質(Monaghan et al.,J.Histochem.Cytochem.40:1819−25,1992)。
当業者は、遺伝子発現を測定する多数の適切な技術を利用することができる。例えば、
−RT−PCR法、ノーザンブロット、cDNAライブラリーとのハイブリダイゼーション(Sambrook et al.,Molecular Cloning−A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press,New York (1989))、ディファレンシャルディスプレイ法(Liang et al.,1995,Curr.Op.Immunol.7:274−280;欧州特許第534858号明細書)、cDNAチップまたはオリゴヌクレオチドを用いる技術(Eisen, M.B.and P.O.Brown,Methods Enzymol,303:179−205(1999);Brown,P.O.and D.Botstein,Nat Genet,21(1 Suppl):33−7(1999);Cheung,V.G.,et al.,Nat Genet,21(1 Suppl):15−9(1999))によるmRNAおよびcDNAの測定;
−免疫組織化学的なウェスタンブロット分析によるタンパク質測定。
例えば、シトクロムcの定量は、免疫化学的な分光測光法を用いることができる。ミトコンドリアからのシトクロムcの遊離は、例えば、SELDIシステム(Ciphergen,Palo Alto,USA)の(とりわけアポシトクロムcおよびホロシトクロムcに対する)親和性による捕捉とに組み合わされたMALDI−TOF分光測光の、免疫学的方法によって追跡できる。
カスパーゼの活性測定は、UI−70kDaおよびDNA−PKcsなどの核タンパク質(Rosen and Casciola−Rosen,1997,J.Cell,Biochem.64:50;Cohen,1997,Biochem.J. 326:1)の、Zがベンゾイルカルボニル基でAFCが7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリンである、標識した合成ペプチドZ−Tyr−Val−Ala−Asp−AFCなどのカスパーゼの基質に対する試験(Ellerby et al.,1997 J Neurosci.17:6165)を用いることができる。
ミトコンドリアアポトーシスの異常に低いレベルが複数の遺伝子によるものであり得るという限りにおいて、検出には複数のアポトーシス遺伝子の発現レベルの測定を伴う可能性がある:このようにして耐性と診断された患者と非耐性患者の間で比較した複数の遺伝子の発現プロフィールを求めることができる。十分正確な発現プロフィールを求めることによって、臨床医は耐性の表現型を検出するだけでなく、治療の至適化のために耐性を予測することもできるようになる。
ミトコンドリアアポトーシス遺伝子は、ミトコンドリアDNAまたは核DNAの一部であることができる。
一つの実施態様によれば、検出方法は、ガン細胞内のBaxタンパク質の量の測定、Baxタンパク質をコードするmRNAの測定から成る。
一つの実施態様によれば、検出方法は、
a)オキサリプラチン治療を行った患者から採取したガン細胞の、ミトコンドリアアポトーシスのレベルおよび/または少なくとも一つのミトコンドリアアポトーシス遺伝子の発現レベルの測定、
b)オキサリプラチン非耐性患者の対照標本とのミトコンドリアアポトーシスのレベルの比較
から成る。
低いミトコンドリアアポトーシスレベルは、耐性があることを意味する。ミトコンドリアアポトーシスを刺激するエフェクター遺伝子の発現レベルが低いことは、耐性があることを意味し、ミトコンドリアアポトーシスを阻害するエフェクター遺伝子の発現レベルが高いことは、耐性があることを意味する。
十分な数の患者について分析した発現レベルの偏差は、見られた有意の量的偏差は関与する遺伝子によって小さかったり、大きかったりするので、耐性のリスクおよび程度を決定することを可能にする。
異なる時期にガンにかかった個体の、例えば生検による標本を用いることができる。例えば、第一の標本は診断時に対応し、第二の標本は抗耐性剤を含む組成物で患者を治療した後の第二の時点で採取される。診断は、例えば、ミトコンドリアアポトーシスタンパク質をコードする核酸配列の転写の後のミトコンドリアアポトーシスのレベルを評価するために、遺伝子治療に続いて実施することもできる。
本発明は、オキサリプラチンに対する耐性ガンを有する細胞の検出のための方法にも関するものであって、該方法は、検査した生体標本を、アポトーシスタンパク質またはこのタンパク質の生物学的活性断片を認識できる少なくとも一つの抗体と接触させること、および抗原抗体複合体が形成された場合にはそれを解明することから成る。
この方法を実施するために、下記のものを含むキットを用いることができるようになる。
a)例えば、モノクローナル抗体あるいはポリクローナル抗体であって、前記抗体は、アポトーシスタンパク質またはこのタンパク質の生物学的活性断片を認識できる、
b)場合によっては、免疫反応に適した媒質を構成するための試薬、
c)場合によっては、免疫反応によって生成した抗原抗体複合体を明らかにすることができる試薬。
このように、発現下のアポトーシスタンパク質を検出するために抗体を用いることができる。好適には、所与のアポトーシスタンパク質について、抗体は、他のタンパク質の中には存在しない、そのタンパク質のエピトープを認識する。
アポトーシスタンパク質、とくにBaxタンパク質の一つまたは複数のエピトープを特異的に認識するための抗体は、とりわけモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、Fab断片、Fab’2断片、Fab発現ライブラリーによって産生された断片、抗イディオタイプ抗体とすることができる。
特定の抗原に対する抗体の均質な群であるモノクローナル抗体は、当業者には周知の技術、例えば、KohlerとMilsteinのハイブリドーマ法(Nature 256:495−497,1975 および米国特許第4376110号明細書)、ヒトB細胞ハイブリドーマ法(Kosbor et al.,Immunology Today 4:72,1983;Cole et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:2026−2030,1983)、EBVハイブリドーマ法(Cole et al.,゛Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy゛,Alan R.Liss,Inc.pp.77−96,1985)によって得られる。PharmaciaまたはStratageneによって市販されているファージ・ディスプレイのライブラリーキットを用いてモノクローナル抗体を調製することもできる。
キメラ抗体は、Morrisonらの技術に従って得られる(Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 81:6851−6855)。Fab発現ライブラリーは、Huseらの技術に従って構築される(Science 246:1275−1281,1989)。抗イディオタイプ抗体は、GreenspanとBonaの技術によって得られる(FASEB J.7:437−444,1993)。
別の態様によれば、本発明は、オキサリプラチンでの処理の場合のガン細胞の欠陥のあるアポトーシスを示す少なくとも一つの変異をインビトロまたはインビボで検出することから成る、オキサリプラチンに対するガンの耐性の検出方法に関するものである。このような変異を識別することで早期診断が可能になり、該早期診断によって、処理のねらいをよりよく定め、不適切な処理を回避することができる。耐性が早期診断された患者と耐性患者の間のアポトーシス遺伝子の比較されたシーケンシングを用いることができる。したがって、検出方法は、例えば、連続した8つのデオキシグアニンを含むBax遺伝子領域内における変異の検出から成ることができる。
本発明は、例えば、GenBankにある配列を用いて適切な構築技術によって得られた、Bax遺伝子などのミトコンドリアアポトーシス遺伝子の少なくとも一つのプライマー配列または特殊プローブ配列を利用する、オキサリプラチンに対し耐性を示すガン細胞の検出方法にも関するものである。
したがって、本発明は、
a)検査する生体標本からミトコンドリアDNAを単離、あるいは生体標本のRNAからのcDNAもしくはゲノムDNAの取得、
b)ミトコンドリアアポトーシス遺伝子の、とくにBax遺伝子の少なくとも一つの増幅プライマーを用いたa)のDNAの特異的増幅
から成る方法にも関するものである。
このようにして、ガン細胞のミトコンドリアDNAの抽出手段、例えば、Bax遺伝子のミトコンドリアアポトーシス遺伝子のmRNAの、あるいはゲノムDNAの検出または増幅手段から成る、オキサリプラチンに対する耐性の診断キットを用いることができる。
本発明はまた、
a)Bax遺伝子などのミトコンドリアアポトーシス遺伝子のヌクレオチドプローブと分析した生体標本との接触であり、標本の核酸は、必要に応じて、プローブと標本の核酸とのハイブリダイゼーションを可能にする条件で、予めハイブリダイゼーションしやすくしておく、
b)ハイブリッドが形成された場合、その解明、
から成る方法にも関するものである。
オキサリプラチンに対する耐性の診断キットを用いることができ、該キットは、
a)Bax遺伝子などのミトコンドリアアポトーシス遺伝子のプライマーまたはプローブを入れるのに適し、必要に応じてそれ入れた少なくとも一つの室、
b)場合によっては、ハイブリダイゼーション反応の実施に必要な試薬、
c)場合によっては、DNAの増幅反応に必要な少なくとも一つのプライマーおよび試薬から成る。
別の態様によれば、本発明は、オキサリプラチンでの治療を継続すべきか、および/または補足すべきかを決定するための方法に関するものであり、該方法は、
a)オキサリプラチンでの治療の過程で患者から採取したガン細胞を含む、少なくとも二つの標本の獲得、
b)標本内における、例えば、Baxタンパク質の発現測定を用いた、ミトコンドリアアポトーシスレベルの測定、
c)治療の際にアポトーシスレベルが低下しないときの治療の継続
から成ることを特徴とする。
別の態様によれば、本発明は、抗耐性化合物と呼ばれる、オキサリプラチンに対する耐性を阻害する化合物を選択する方法に関するものであり、該方法は、オキサリプラチン耐性患者のガン細胞に候補化合物を添加する前、ついでその後の、少なくとも一つのミトコンドリアアポトーシス遺伝子の発現を測定することから成る。
インビトロの該方法は、オキサリプラチン耐性患者から採取したガン細胞への少なくとも一つの候補化合物の添加、化合物があるときとないときのミトコンドリアアポトーシスレベルおよび/またはアポトーシス遺伝子の発現レベルの比較、化合物の添加後のアポトーシスレベルが高いときの抗耐性効果の推定から成ることができる。抗耐性の効果は、化合物の添加後の発現レベルが、遺伝子がアポトーシスレベルを刺激する遺伝子であるときに高く、遺伝子がミトコンドリアアポトーシス阻害遺伝子であるときに低いときにも、同様に推定される。
インビボの選択方法は、オキサリプラチンでの治療を受け、オキサリプラチンに対する耐性を示す患者において、
a)まず最初に、患者のガン細胞を含む第一の標本の獲得、
b)候補化合物の患者への投与、
c)第二に、同じ患者のガン細胞を含む第二の標本の獲得、
d)ミトコンドリアアポトーシスレベル、および/または第一と第二の標本におけるBax遺伝子などの少なくとも一つのミトコンドリアアポトーシス遺伝子の発現レベルの測定、
e)第二の標本においてアポトーシスレベルが高いときに、化合物のオキサリプラチンに対する抗耐性効果の推定
から成ることができる。
抗耐性の効果は、第二の標本における発現レベルが、遺伝子がアポトーシスを刺激する遺伝子であるときに高いときと、遺伝子がミトコンドリアアポトーシス阻害進遺伝子であるときに低いときにも、同様に推定される。かかるインビボの方法は、好適には抗耐性としてすでに識別された化合物から誘導された化合物に関するものである。
抗耐性剤とは、オキサリプラチンに対する患者の耐性を減らすか、好適には完全にうめあわせることのできる化合物を意味する。これらの抗耐性剤は、直接に、あるいはこれらの遺伝子発現の制御分子の活性化または阻害によって間接的に、少なくとも一つのミトコンドリアアポトーシス遺伝子の発現の正常なレベルを回復することを目的としている。抗耐性剤は例えば、タンパク質の転写、翻訳、あるいは活性のレベルにおいて、アポトーシス遺伝子の活性を異常に阻害する化合物の活性を阻止することができるようになる。
小さな分子、ポリペプチド(例えば、オリゴペプチド、抗体、抗体の断片)、核酸の中からとくに候補化合物を求めることができる。抗オキサリプラチン耐性剤のスクリーニング方法は、生物学的物質(とりわけタンパク質)のライブラリー、合成物質のライブラリーなどの当業者には周知の分子ライブラリーを典型的に介入させる。
化合物のライブラリーは、溶液の形態(例えば、Houghten,1992,Biotechniques 13:412−421)で、粒子(Lam,1991,Nature 354:82−84)上、チップ(Fodor,1993,Nature 364:555−556)上にあることができる。文献米国特許第5292646号明細書および米国特許第5270281号明細書に記載のライブラリーを使用することもできる。
ミトコンドリアアポトーシスを刺激する因子として当業者に既知の化合物、TNF(腫瘍壊死因子)、FasL、グルタミン酸塩、ハービマイシン A(Mancini et al.,J.Cell.Biol.138:449−469,1997)、パラコート(Costantini et al.,Toxicology 99:1−2,1995)、プロテインキナーゼ阻害剤、例えば、スタウロスポリン、カルフォスチン C、d−エリトロ−スフィンゴシンの誘導体、ケレリスリンの塩化物、MAPキナーゼの誘導因子、例えば、アニソマイシン、Baxタンパク質が属するクラスであるMPTの誘導因子(Jurgenmeier et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.95:4997−5002,1998)の効果をとくに研究できるようになる。
ミトコンドリアアポトーシスレベルの測定を可能にする試験では、ミトコンドリア複合体ETC I、II、III、IVおよびATPシンセターゼの酵素活性測定、ミトコンドリアの酸素消費の測定(Miller et al.,J. Neurochem.,67:1897,1996)、540nmでのミトコンドリアシトクロムcの酸化状態の測定、抗耐性剤のあるときとないときの酸化的ストレスの測定を挙げることができる。
別の態様によれば、本発明は、オキサリプラチンに対する耐性を示すか、示す可能性のある患者における医薬品の調製のための、ミトコンドリアアポトーシスを刺激する少なくとも一つの抗耐性剤の使用に関するものである。耐性患者とは、オキサリプラチンに対し耐性を示すガン細胞を有する患者を意味する。治療効果を高めるために、オキサリプラチンでの治療に対して部分的寛解を示す患者に、かかる抗耐性剤を用いることができる。
一つの実施態様によれば、抗耐性化合物は、先に述べたような選択方法で得られたものである。当業者は、これらの化合物を選択するために出願において十分に記載された試験を利用することができる。したがって、本発明は化合物の正確な化学構造が完全に識別されていなくても、これらの化合物の使用も含んでいる。すなわち、試験された化合物が選択基準を満たすとき(とくにアポトーシスの刺激、少なくとも一つのアポトーシス刺激遺伝子の発現の増加、少なくとも一つのアポトーシス阻害遺伝子の発現の減少)、当業者は、その化学構造を必ずしも知る必要なしに、抗オキサリプラチン耐性薬の調製のために、それを使用することができるようになる。
処理は、オキサリプラチンに対する耐性を獲得したガン細胞をとくに標的とするようになる。処理は、耐性ガン細胞がより活発にこの過程に再び関与するのに十分なミトコンドリアアポトーシスに関わる遺伝子の発現または活性レベルを回復することをねらいとする。非耐性ガン細胞のそれに類似の正常なアポトーシス、あるいは少なくとも臨床症候を減じるのに十分なミトコンドリアアポトーシスの増加が求められることとなる。
患者の治療は、同時に起こり、分離されまたは時間的に分散した投与による、オキサリプラチンと少なくとも一つの抗耐性剤との組み合わせを典型的に処置することとなる。患者に投与する抗耐性剤の量は、オキサリプラチンに対する耐性を少なくとも部分的に減じるための、治療効果が出るのに十分な量でなければならない。耐性患者における、オキサリプラチンと少なくとも一つの抗オキサリプラチン耐性剤を組み合わせる治療は、有利には、非耐性患者におけるオキサリプラチンでの治療と少なくとも等しい治療効果を得ることをねらいとしている。
本発明は、少なくとも一つのミトコンドリアアポトーシス刺激化合物の投与を含む、オキサリプラチンに対する耐性患者またはオキサリプラチンに対する耐性を示す可能性のある患者の治療法にも関するものである。
本発明は、かかる抗耐性治療を必要とする患者に、ガン細胞のミトコンドリアアポトーシスを選択的に刺激することのできる化合物を投与することから成る、ヒトにおいてオキサリプラチンに対する耐性を阻害するための方法にも関するものである。
抗耐性剤の毒性および治療効果は、細胞の培養物または実験用動物に対する標準的な実験技術によって決定することができる。これらのデータを持つヒトの患者における置き換えは、適切な方法を用いて行われる。
本発明による製剤は、典型的には1から約10mg/ml、好適には1から5mg/ml、さらに好適には2から5mg/mlの量でオキサリプラチンを含んでいる。耐性患者に投与されたオキサリプラチンの用量は、典型的には10mg/m2/日から250mg/m2/日程度、好適には20mg/m2/日から200mg/m2/日、好適には50から150mg/m2/日であることとなる。
投与は、1から5週間の間隔を置いた1から5日のサイクルで繰り返すことができる。より強い耐性を示す患者について、臨床医は、適切なオキサリプラチンの用量、抗耐性剤の用量および治療期間を決定することとなる。
必要な場合、オキサリプラチンの効果および/または安定性を強化するために、当業者には周知の少なくとも一つの化合物をオキサリプラチンと抗耐性剤に組み合わせることができる;かかる薬剤は、文献欧州特許第0943331号明細書および国際公開第01/66102号パンフレットに記載されている。
オキサリプラチンは、適切な溶剤などの、薬剤として許容できる基材に組み合わされることとなる。基材は、一般的には水、または一つもしくは複数の溶剤、または水と適切な一つもしくは複数の溶剤との混合物となる。注射には無菌純水が望ましく、溶剤では、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、エタノール、1−ビニルー2−ピロリドンポリマー、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンノース、マンニトール、シクロデキストリンなどの医薬品として許容できる糖の溶液が望ましいこととなる。オキサリプラチン溶液の製剤のpHは、典型的には2から5、好適には3から4.5である。
本発明の製剤は、適切な通常の経路、典型的には非経口(例えば、静脈内、腹腔内、など)で患者に投与されることとなる。静脈内投与は、例えば、12時間で5日間の期間で行われることとなる。オキサリプラチンおよび少なくとも一つの耐性剤を含む、本発明による混合配合物内の活性化合物の百分率は、とくに用量およびオキサリプラチンに対する耐性の程度に応じて適合される。特定の患者に適した用量は、選択された投与タイプ、治療期間、患者の身長、年齢、健康状態、オキサリプラチンに対する耐性の程度、組成物に対する患者の反応に応じてとくに決定されることとなる。
オキサリプラチン組成物内への抗耐性剤の混和は、適切な技術によって行われる。
トローチ、粉末、顆粒等による経口投与について、ラクトース、塩化ナトリウム、スクロース、グルコース、尿素、澱粉、カルシウム、カオリン、結晶セルロース、サリチル酸、メチルセルロース、グリセロール、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、などの賦形剤を用いることができるようになる。グルコース溶液、澱粉溶液、ゼラチン溶液などの通常の結合剤を用いることができるようになる。澱粉、アルギン酸ナトリウム、寒天粉末、炭酸カルシウムなどの崩壊剤を用いることができるようになる。吸収剤では、澱粉、ラクトース、カオリン、ベントナイトを用いることができるようになる。滑剤では、精製滑石、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコールを用いることができるようになる。
製剤については、化合物の沈殿の問題などの、オキサリプラチンと抗耐性剤の組み合わせによって生じることのある問題を回避するように留意する。
オキサリプラチン治療組成物は、典型的には0.005%から95%の、好適には0.5%から50%のオキサリプラチンおよび抗耐性剤を含む。
作用機構の面で、一つの実施態様によれば、抗耐性剤は少なくとも一つのミトコンドリアアポトーシス遺伝子の発現の刺激剤である。
一つの実施態様によれば、抗耐性剤は、ミトコンドリアアポトーシス阻害遺伝子の発現を阻害することのできる分子である。アポトーシスエフェクター遺伝子の発現を阻害する分子をコードするmRNAに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いることができるようになる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、かかる阻害分子のmRNAに特異的に結合して翻訳を阻害することとなる。相補性は、阻害分子のmRNAとのハイブリダゼーションにより安定したハイブリドが形成されるのに十分でなければならないことになる。典型的には、長さが6と50ヌクレオチドの間に含まれ、典型的には少なくとも10から20ヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖を用いることとなる。アンチセンス鎖は、アンチセンス鎖/センス鎖の二重鎖の安定性を向上させるために修飾されたヌクレオチドを用いて、当業者には周知の方法によって合成できる。例えば、つぎの修飾ヌクレオチドを用いることができる。すなわち、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチルー2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルケオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチルー2−チオウラシル、β−D−マンノシルケオシン、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、5−メチルー2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、2,6−ジアミノプリンである。アンチセンス鎖は、その中でアンチセンス鎖をアンチセンス方向にサブクローニングした発現ベクターを用いて、生物学的に生成することもできる。
必要ならば、アンチセンス鎖を、標的作用部位レベルへのその転移および該レベルでのその活性を容易にするペプチド分子と結合することができる。アンチセンスを、標的細胞の表面に発現した受容体と特異的に関与することができるペプチドまたは抗体などの分子に結合されることができ、それにより、アンチセンス鎖の分子を組織の標的領域に直接注入することができる。
アンチセンス鎖の投与は、これらの分子がミトコンドリア内で十分なレベルで作用できるようなものとすることとなる。
別の態様によれば、本発明は、オキサリプラチンと、ミトコンドリアアポトーシス遺伝子の発現を刺激して、あるいは耐性の原因となるエフェクターを阻止して、ミトコンドリアアポトーシスを刺激することのできる少なくとも一つの抗耐性剤とを含む、医薬品組成物に関するものである。
一つの実施態様によれば、抗耐性剤は、Bax遺伝子の発現の制御−刺激剤、および/または耐性エフェクターの阻止剤である。
ミトコンドリアアポトーシス遺伝子の発現は、ミトコンドリアに適した転移技術を用いて、アポトーシス遺伝子のコード配列および/または制御配列を含む核酸を転移することによって増大させることができる。これらの配列は、例えばプラスミドを用いて、発現ベクターに結合し、細胞内に転移することができる。ベクター内に挿入された核酸は、アポトーシスタンパク質の完全な配列、または完全なアポトーシスタンパク質の活性の好適には少なくとも50、70、90、95%の活性を有する生物学的活性断片を、コードすることができる。
発現ベクターで使用できる核酸は、それらの発現を刺激するプロモーター配列あるいはエンハンサー配列などの制御配列に、操作的に結合させることができる。これらの制御配列は、アポトーシスタンパク質をコードする遺伝子と当然に関連するものとすることができる。
当業者には、とりわけプラスミドベクターによって細胞内に核酸を転移させるための、多数の適切な技術、例えば、リポソーム・ポリブレン技術、DEAEデキストラントランスフェクション(Felgner et al.,Proc.Natl.Acad.,Sci.USA,84:7413,1987;Ono et al.,Nuerosci.Lett.117:259,1990;Brigham et al.,Am.J.Med.Sci.298:278,1989)、エレクトロポレーション(Neumann et al.,EMBO J.,7:841,1980)、リン酸カルシウム沈殿(Graham et al.,Virology,52:456,1973;Wigler et al.,Cell.,14:725,1978;Felgner et al.,supra)、マイクロインジェクション(Wolff et al.,Science,247:1465,1990)、バイオリスティック技術が周知である。好適には、ミトコンドリアレベルでの遺伝子転移に適したベクター、例えばHBVウィルス(B型肝炎ウィルス)、文献米国特許第6100068号明細書に記載の転移が使用されることとなる。
したがって、オキサリプラチンに対する耐性の処理は、新しい治療法の使用に基づくものであり、より詳細には、結腸直腸ガンの腫瘍細胞内でオキサリプラチンによって通常引き起こされるミトコンドリアアポトーシスの活性化を回復することによって耐性を減じることができる化学物質および/または遺伝子治療を用いることに基づく。
本発明はまた、フランス、パリのパスツール研究所のCollection Nationale de Cultures de Microorganismes(CNCM)に、番号:I−3051で2003年6月16日に寄託されたものである、細胞HCT116/Sも対象とする。
HCT116/Sと命名された株は、(これらの細胞のクローン性を確認するための)ATCCのHCT116野生株のサブクローニングに由来するものである。このHCT116系列は、ブダペスト条約の枠内で、フランス、パリのパスツール研究所のCollection Nationale de Cultures de Microorganismes(CNCM)に、番号:I−3051で2003年6月16日に寄託された。
本発明は、抗ガン治療に対する、好適には結腸直腸のガン細胞の耐性と、ミトコンドリアアポトーシス遺伝子の発現および/または活性との間の相関を研究するために、番号:I−3051で2003年6月16日にCNCMに寄託されたHCT116/S細胞、またはこのHCT116/S細胞から派生するいっさいの細胞を使用することも対象とする。
番号:I−3051で2003年6月16日にCNCMに寄託されたこのHCT116/S細胞から派生した細胞とは、とくに本明細書では、このHCT116/S株に由来するいっさいの娘細胞、またはオキサリプラチンのような抗ガン化合物などの化合物に対する耐性を好適には獲得した、あるいはかかる化合物に対する感受性を回復したこのHCT116/S株に由来するいっさいの変異細胞(参照:例えば、下記の「実験モデルの実施」の節に記載のHCT116/S株に由来する細胞株)を意味するものとする。
番号:I−3051で2003年6月16日にCNCMに寄託された、このHCT116/S細胞、またはそれらから派生した細胞も、その発現が抗ガン治療、とくにオキサリプラチンでの治療に対する、好適には結腸直腸のガン細胞の耐性に関与する、ミトコンドリアアポトーシス遺伝子を明らかにし、識別するために使用できることとなる。
番号:I−3051で2003年6月16日にCNCMに寄託された、このHCT116/S細胞、またはそれらから派生した細胞を、ガン細胞のミトコンドリアアポトーシスを刺激することができる化合物の選択にも使用できるようになり、前記化合物は前記ガン細胞が耐性を示す抗ガン剤に組み合わされるためのものであり、好適には前記ガン細胞が耐性を示す前記抗ガン剤はオキサリプラチンであり、場合によっては、前記細胞は結腸直腸ガン細胞である。
かかる方法は、とりわけ、前記試験化合物および前記ガン細胞が耐性を示す抗ガン剤を、前記HCT116/S細胞、またはそれらから派生した細胞の存在の下に置く過程と、ついでBaxおよび/もしくはBakの活性などのミトコンドリアアポトーシス遺伝子の活性、あるいはさらに上述のようなミトコンドリアアポトーシスに関与する遺伝子の活性をとりわけ研究しながら、これらの細胞の耐性を観察することとを含んでいる。
本発明のその他の目的および利点は、付属の図面を参照して、下記の詳細な説明を読むことによって明らかになるだろう。
−図1は、オキサリプラチンに対する耐性を示すHCT116R株がBaxタンパク質を発現しないことを表しており、
−図2Aから図2Dは、HCT116原株およびSW620原株でオキサリプラチンによって引き起こされたようなアポトーシス誘導に、HCT116R株およびSW620R株が耐性を示すことを表しており、
−図3Aおよび図3Bは、砒素剤およびロニダミン剤の効果の下で得ることができる、直接的なミトコンドリアアポトーシス誘導にも、HCT116R株およびSW620R株が耐性を示すことを表しており、
−図4Aから図4Cは、オキサリプラチン感受性がBaxの活性化の程度にも関連することを表しており、
−図5から図5Eは、オキサリプラチン感受性がBakの活性化の程度にも関連することを表している。
実験モデルの実施:
作業は、米国(ATCC)で管理される国際的な蒐集物から得られ、実験室でリクローニングされた結腸直腸ガン(CRC)細胞株に対してインビトロで行った。これらの株は、とくに米国国立ガン研究所(NCI/NIH)によって、抗腫瘍剤薬理評価の基準として示されている。
オキサリプラチンの細胞毒性効果に感受性のあるこれらの株から、発明者らは、耐性獲得に適した方式で、オキサリプラチンの逓増濃度にこれらの細胞を曝露することによって、(シスプラチンやイリノテカンなどの他の薬品ではなく)オキサリプラチンに特異的に耐性を示すことができる派生株を単離した。本出願に示した結果は、HCT116原株およびSW620原株、ならびに、それぞれ原株の70および20倍の耐性を示す、その派生株HCT116R(以下に、HCT116/Rと称す)およびSW620R(以下に、SW620/Rと称す)に関するものである。
ATCC HCT116と示される株に関して、以下の実施例1では二つの株が記載される:
−実施例2ではHCT116/Sと称する、HCT116と命名された株は、(これらの細胞のクローン性を確認するための)ATCCのHCT116野生株のサブクローニングにより得られたものである。このHCT116/S株は、ブダペスト条約に従い、規則6.1にかなう形で、フランス、パリのパスツール研究所のCollection Nationale de Cultures de Microorganismes(CNCM)に番号:I−3051で2003年6月16日に寄託された;
−実施例2ではHCT116/R2と称する、HCT116RまたはHCT116/Rと命名された株は、オキサリプラチン耐性の獲得、およびクローニングの後に、HCT116株から派生する(感受性のある参照HCT116/S株の70倍の耐性があるクローンに対応する)。
実施例2において、他の三つの細胞変種が記載されている。すなわち、
−オキサリプラチンに対する耐性の獲得およびクローニングの後に、HCT116株から派生したHCT116/R1株(感受性のある参照HCT116/S株の30倍の耐性を示すクローンに対応する)、
−6箇月間オキサリプラチンなしで培養した後、HCT116/R1株から派生したHCT116/Rev1変種。この変種は、感受性が初期のレベルへ回帰することを特徴とする(HCT116/Sに類似のオキサリプラチン感受性)、
−15箇月間オキサリプラチンなしで培養した後、HCT116/R2株から派生したHCT116/Rev2変種。この変種は、オキサリプラチンに対する耐性の一部だけを喪失したことを特徴とする(HCT116/Rev2変種は、HCT116/S株の16倍の耐性を示す)。
HCT116/R1株およびRev1株は、(コドン38から41を含む領域のシーケンシングによって制御された)HCT116/R2で識別されたBax遺伝子のホモ接合変異を持たない。Bax遺伝子発現レベルはHCT116/S、R1およびRev1.については同等である。HCT116/Rev2変種は、HCT116/R2で識別されたホモ接合変異、ならびにこの変異の特徴であるBax遺伝子発現の不存在を保存している。
CCR HCT116株およびSW620株から派生したHCT116R株およびSW620R株のオキサリプラチンに対する耐性、およびその結果
Figure 2005529617
表1は、HCT116R株およびSW620R株が、それらの派生原株よりもオキサリプラチンに対する耐性がおよそ70倍および20倍高いことを示している。それらはシスプラチンやイリノテカンに対する交差耐性を、ほとんど、あるいは全く示さない。その耐性は、したがってオキサリプラチンに対して特異的である。
研究を、異なる遺伝子的背景の二つの細胞モデルについても平行して実施することによって、観察された結果が示したことを裏付けることができる。例えば、SW620株は転移により生じ、変異した制御タンパク質p53を有するものであり、他方でHCT116株はマイクロサテライト不安定性の初期腫瘍に由来し、野生型p53タンパク質を有するものである。異なる二つの細胞環境における耐性を示す表現型(後述)に関連するミトコンドリアアポトーシスの変性の観察は、結果を一般化し、したがってその医学的影響の大きな可能性をもたらすことを可能にする。
実験モデルの開発
本発明の全体的な特徴を裏付けるような仕方で、これら二つの別個の株に必須の実証を行った。いくつかの補足研究は、HCT116株およびその派生株HCT116Rに限定した。
CCR細胞のオキサリプラチンに対する耐性の分子機構は不明なので、発明者らはHCT116モデル内の感受性および耐性を示す表現型の遺伝子発現を比較研究した(トランスクリプトーム分析)。発明者らは、アポトーシスに関与する特定の遺伝子、とくに「ミトコンドリアアポトーシス」(MA)と呼ばれる経路に関与するBax遺伝子のメッセンジャーRNA率の目立った低下を識別するのに成功した。
これらの観察は、生物化学分析(免疫ブロットはBaxタンパク質の発現消失の標識になる)によって、またBax遺伝子のシーケンシング(HCT116R株では、Bax遺伝子のホモ接合変異がその発現を抑制する)によって裏付けを行った。
図1:
図1は、オキサリプラチンでの処理の有無にかかわらず、HCT116R株がBaxタンパク質を発現せず、一方、HCT116原株は処理のないときにそれを発現し、オキサリプラチンによる処理後にそれを過剰発現することを示している。シーケンシングは、HCT116R株が、連続した8つのデオキシグアノシン(コドン38から41)を含むBax遺伝子の領域内でホモ接合変異(デオキシグアノシンの欠失)であることを示しており、そのことがリーディングフレームをずらしてその発現を禁止する。HCT116原株は、G8/G7ヘテロ接合であり、したがって、通常はBax遺伝子を発現する。
図1の説明:HCT116モデルにおける、オキサリプラチンでの処理のないとき、またはその影響の下での、ウェスタンブロッティングによるBaxの検出。細胞は、無処理か、あるいは細胞溶解物の調製の前に48時間15μM(あるいは24時間50μM)の割合でオキサリプラチンで処理した。同等のタンパク沈殿の対照として、チュブリンの発現を用いた。
発明者らは、オキサリプラチンに対する耐性と関連して、この経路の機能的研究についての作業に重点的に取り組んだ。得られた主な結果は、以下である。
−最初に、発明者らは、HCT116R株およびSW620R株が、原株と比較して、オキサリプラチンによるアポトーシス誘導に耐性を示すことを証明した。発明者らは、HCT116R株が作用機構が異なる別の抗CCR薬(イリノテカン)によるアポトーシス誘導には感受性を保つことから、このアポトーシスに対する耐性がオキサリプラチンに対して特異的に発生することもHCT116モデルで確認した。
図2Aから図2Dは、HCT116R株およびSW620R株がオキサリプラチンによるアポトーシス誘導に耐性を示すことを表している。この耐性は、オキサリプラチンに対して特異的に発生したものであり、すなわちHCT116R株は、作用形態が異なる抗CCR薬、つまりイリノテカンによって引き起こされたアポトーシス誘導には耐性を示さない(参照 図2A、2B、2D)。アネクシンVによる標識の後の顕微蛍光測定によって観察された、オキサリプラチンによるアポトーシス誘導に対する耐性は、カスパーゼ3の活性化がないことで確認された(図2C)。
図2Aから図2Dの説明:HCT116細胞(およびR)とSW620細胞(およびR)をアポトーシスの程度を測定する前の48時間の間、オキサリプラチンによって処理した(図2Aおよび図2B)、あるいは細胞HCT116およびHCT116Rについては別の抗CCR薬である、イリノテカンで処理した(図2D)。対照(Co)は、医薬品といっさい接触することなく実現された。このときアポトーシスの程度は、アネクシンVによる標識を用いて顕微蛍光測定によって求めた。これとは別に、顕微蛍光測定によって観察されたような細胞がアポトーシスに入ることを確認するために、オキサリプラチンで24時間処理した後の細胞HCT116およびHCT116Rで、アポトーシスエフェクタータンパク質カスパーゼ3の活性化を評価した(図2C)。
第二に、発明者らは、HCT116R株およびSW620R株のオキサリプラチンによって誘導されたアポトーシスに対する耐性が、MAの直接アクチベーターであることが周知の二つの薬品(三酸化砒素とロニダミン)によるアポトーシス誘導に対する耐性を伴うことを示した。
図3Aおよび図3B:
図3Aおよび図3Bは、HCT116R株およびSW620R株が砒素とロニダミンであるMA直接活性剤の作用の下でアポトーシス誘導に対する耐性を示すことを表している。
図3Aおよび図3Bの説明:HCT116細胞(およびR)とSW620細胞(およびR)を、アポトーシスの程度を測定する前の24時間の間、三酸化砒素(As)とロニダミン(LND)によって処理をし、あるいは処理をしないでおいた(対照、Co)。このときアポトーシスの程度は、アポトーシス細胞と無傷の細胞とでは(ミトコンドリアの健全性との関連において)蛍光がことなる着色剤「Mitocapture(登録商標)」による標識の後の顕微蛍光測定によって求めた。
このように、発明者らは、アポトーシスの、遺伝子的、生物化学的および機能的変化がオキサリプラチン耐性に関与することを示した。該変化は、オキサリプラチンに対して特異的な耐性について別個に選択された二つのCCR細胞株に関するものである。この選択の正当性は、以下の特性によって確認された:
−オキサリプラチンに対する耐性の獲得は、シスプラチン(類似しており、きわめて頻繁にオキサリプラチンに交差耐性を示す分子)、またはイリノテカン(オキサリプラチンの代わりに、あるいは組み合わせてCCRの治療に処方される別の分子)に対する耐性の獲得を伴わないので、特異的である。
−オキサリプラチンに対する耐性、ならびに機能的変性(アポトーシスに対する耐性)を、治療途中であるヒトにおける血漿中のピークと等しいオキサリプラチン濃度について観察した。
発明者らは、アポトーシスに対する耐性がミトコンドリアレベルで行われることを示した。これは、とりわけMAの直接誘導因子での試験で示された。したがって、これらの変性は、オキサリプラチンに対する結腸直腸ガンの耐性の診断マーカーになる。くわえて、MAの経路の薬理的変化が、オキサリプラチンに対するCCRの感受性を完全に、または部分的に回復させる可能性がある。というのも、発明者らは、派生細胞株の数箇月間の調査研究によって、耐性の表現型が薬理的圧力のないとき(=オキサリプラチンのない細胞培養のとき)、自然に可逆的になることを確認したからである。場合によって完全であったり部分的であったりするこの可逆性は、MAの際に耐性の機構に阻害または回避する物質の影響の下での可逆を想定することを可能にする。
発明者らはさらに、感受性および耐性を示す株からのミトコンドリアの精製法を開発したことによって、耐性の推定エフェクター(PTPCなど)、ならびにこれらのエフェクターの阻止剤(アンチセンスRNA、MAのレベルで生理機構を阻止することで知られる物質など)を単離し、試験する。本発明は、オキサリプラチン感受性表現型の回復遺伝子の転移と、標的としてのエフェクターおよび源としての化学物質ライブラリーからの、耐性に阻害または回避を可能にする新規化学物質のスクリーニング方法とを実施することも対象とする。
BaxおよびBakの活性化
Baxの活性化
Baxは、二つの形、すなわち潜在形(非活性)およびアポトーシス過程に参加する活性形で、細胞内に存在する。
Bax発現の全体的なレベルは、HCT116/S株、HCT116/R1株およびHCT116/Rev1株について同等である。オキサリプラチンに対する曝露は、Baxの過剰発現を誘導する。この過剰発現は、これらの株全体について同じようなものなので、発明者らは、Baxの活性化の程度でオキサリプラチンに対する細胞の反応を説明できるか、あるいは最終的に、単離したBaxが必ずしもオキサリプラチンに対する感受性に関与しないか、ということについて知ろうとした。
図4Aから図4Cの説明:活性型Baxの特異的抗体によるBax活性化の検出、およびフローサイトメトリーによる細胞内分析。細胞は固定され、透過化され、ついで活性型Baxの特異的抗体とともにインキュベートされる。最後に、FITCと結合した二次抗体のインキュベートによって解明する。処理されていない細胞の標識は、細い黒の曲線で表される。処理細胞の標識(オキサリプラチン15uMで12、24または48時間)は、太い黒の曲線で表される。強く標識した細胞の出現(右にずれた太い黒の曲線)は、Baxが活性化したことを示している。実験を三回繰り返し、類似した結果が得ることができた。
発明者らは、オキサリプラチンに対する細胞の耐性または感受性の状態が、Bax活性化の程度と密接に相関していることを、図4Aから図4Cを用いて明らかにした。活性化は、HCT116/S感受性株(図4A)に対してHCT116/R1耐性株(図4B)で低下し、遅延した。HCT116/Rev1復帰突然変異株(図4C)の感受状態への復帰は、Baxの早期活性化への復帰を伴う。
Bakの活性化
プロアポトーシス分子であるBakは、ミトコンドリア透過化によって仲介されるアポトーシスにおいて、Baxと同様に主導的な役割を演じる。これら二つの分子は、非常に類似した、ときには無駄な機能を持つと思われる。したがって発明者らは、Bax上で変異したHCT116/R2株およびRev2株を含む株全体について、Bakの活性化レベルとオキサリプラチンに対する反応との間に関係があるかを知ろうとした。
図5Aから図5E:Bakの活性化の程度に関連したオキサリプラチンに対する感受性
図5Aから図5Eの説明:活性型Bakの特異的抗体によるBak活性化の検出およびフローサイトメトリーによる細胞内分析。細胞は固定され、透過化にされ、ついで活性型Bakの特異的抗体とともにインキュベートされる。最後に、FITCと結合した二次抗体のインキュベートによって解明する。処理されていない細胞の標識は、細い黒の曲線で表される。処理細胞の標識(オキサリプラチン15uMで12、24または48時間)は、太い黒の曲線で表される。強く標識した細胞の出現(右にずれた太い黒の曲線)は、Bakが活性化したことを示している。実験を二回繰り返した。
発明者らは、オキサリプラチンによる処理に応じたBakの活性化が、HCT116/R1耐性株(図5B)およびHCT116/R2(図5C)で遅延することを明らかにした。Rev1復帰突然変異株(図5D)およびRev2(図5E)は、HCT116/S感受性株(図5A)のBakの活性化レベルを回復する。Baxと同様に、Bakの活性化は、オキサリプラチンに対する細胞の反応と密接に相関している。
結論として、BaxおよびBakの同時活性化を、オキサリプラチンに対応して観察することが出来た。BaxおよびBakの早期活性化は、オキサリプラチンに対する細胞の感受性の状態に関与する。
HCT116モデルにおける、オキサリプラチンでの処理のないとき、またはその影響の下での、ウェスタンブロッティングによるBaxの検出を示した図。 HCT116R株のオキサリプラチンによるアポトーシス誘導に対する耐性についてのグラフ。 SW620R株のオキサリプラチンによるアポトーシス誘導に対する耐性についてのグラフ。 アネクシンVによる標識の後の顕微蛍光測定によって観察された、オキサリプラチンによるアポトーシス誘導に対する耐性を示した図。 HCT116R株のオキサリプラチンによるアポトーシス誘導に対する耐性についてのグラフ。 HCT116R株およびSW620R株の、砒素の作用の下でのアポトーシス誘導に対する耐性についてのグラフ。 HCT116R株およびSW620R株の、ロニダミンの作用の下でのアポトーシス誘導に対する耐性についてのグラフ。 活性型Baxの特異的抗体によるBax活性化の検出、およびフローサイトメトリーによる細胞内分析を示したグラフ。 活性型Baxの特異的抗体によるBax活性化の検出、およびフローサイトメトリーによる細胞内分析を示したグラフ。 活性型Baxの特異的抗体によるBax活性化の検出、およびフローサイトメトリーによる細胞内分析を示したグラフ。 活性型Bakの特異的抗体によるBak活性化の検出およびフローサイトメトリーによる細胞内分析を示したグラフ。 活性型Bakの特異的抗体によるBak活性化の検出およびフローサイトメトリーによる細胞内分析を示したグラフ。 活性型Bakの特異的抗体によるBak活性化の検出およびフローサイトメトリーによる細胞内分析を示したグラフ。 活性型Bakの特異的抗体によるBak活性化の検出およびフローサイトメトリーによる細胞内分析を示したグラフ。 活性型Bakの特異的抗体によるBak活性化の検出およびフローサイトメトリーによる細胞内分析を示したグラフ。

Claims (23)

  1. オキサリプラチンで処理された、または処理が可能か、もしくは処理されるべきガン細胞のミトコンドリアアポトーシスの測定から成ることを特徴とする、オキサリプラチンでの処理に対するガン細胞の耐性をインビトロで検出する方法。
  2. ガンが、オキサリプラチンで処理されるガン、とくに結腸直腸ガン、卵巣ガン、生殖細胞ガン、肺ガン、消化管のガン、前立腺ガン、膵臓ガン、小腸のガン、胃ガンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも一つのミトコンドリアアポトーシス遺伝子の発現の測定から成ることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. Baxタンパク質、Bcl−2、シトクロムcをコードする少なくとも一つの遺伝子の発現の測定から成ることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の方法。
  5. ミトコンドリアアポトーシス遺伝子から転写されたmRNAの測定から成ることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の方法。
  6. ガン細胞内のミトコンドリアアポトーシスタンパク質の量および/または活性の測定から成ることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の方法。
  7. オキサリプラチンでの処理の場合の、欠陥ミトコンドリアアポトーシスを示す少なくとも一つの変異の、とりわけ連続した8つのデオキシグアニンを含むBax遺伝子領域内における変異の検出から成ることを特徴とする、オキサリプラチンでの処理に対するガン細胞の耐性のインビトロでの検出方法。
  8. a)患者から採取したガン細胞のミトコンドリアアポトーシスレベルおよび/または少なくとも一つのミトコンドリアアポトーシス遺伝子の発現レベルの測定、
    b)測定したレベルとオキサリプラチン非耐性細胞の対照標本との比較
    から成ることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の方法。
  9. ガン細胞を、ミトコンドリアアポトーシスタンパク質または生物学的活性断片を認識できる抗体と接触させること、および抗原抗体複合体が形成された場合にはそれを解明することから成ることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  10. ミトコンドリアアポトーシス遺伝子のプライマー配列または特殊プローブ配列を用いることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の方法。
  11. a)場合によっては、検査する生体標本からのミトコンドリアDNAの単離、あるいは生体標本のRNAからのcDNAもしくはゲノムDNAの取得、
    b)ミトコンドリアアポトーシス遺伝子の少なくとも一つの増幅プライマーを用いたa)からのDNAの特異的増幅
    から成ることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. a)アポトーシス遺伝子のヌクレオチドプローブと分析した生体標本との接触であり、標本の核酸は必要に応じて、プローブと標本の核酸とのハイブリダイゼーションを可能にする条件で、予めハイブリダイゼーションしやすくしておく、
    b)ハイブリッドが形成された場合、その解明
    から成ることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  13. a)オキサリプラチンに対する耐性を有するガン細胞への少なくとも一つの候補化合物の添加、
    b)化合物があるときとないときのミトコンドリアアポトーシスレベルおよび/または少なくとも一つのアポトーシス遺伝子の発現レベルの比較、
    c)化合物の添加後のミトコンドリアアポトーシスレベルが高いとき、あるいは遺伝子がミトコンドリアアポトーシスレベル刺激遺伝子である場合に発現レベルが高いとき、あるいは遺伝子がミトコンドリアアポトーシス阻害遺伝子である場合に発現レベルが低いときの抗耐性効果の推定
    から成ることを特徴とする、オキサリプラチンに対するガン細胞の耐性の阻害化合物を選択する方法。
  14. オキサリプラチンに対する耐性を示すか、示す可能性のある患者における医薬品の調製のための、とりわけ、TNF、FasL、グルタミン酸塩、ハービマイシンA、パラコート、プロテインキナーゼ阻害剤、例えば、スタウロスポリン、カルフォスチンC、d−エリトロスフィンゴシンの誘導体、ケレリスリンの塩化物、MAPキナーゼの誘導因子、例えば、アニソマイシン、MPTの誘導因子の中から選択された、ミトコンドリアアポトーシスを刺激する少なくとも一つの物質の使用。
  15. 結腸直腸ガン、卵巣ガン、生殖細胞ガン、肺ガン、消化管のガン、前立腺ガン、膵臓ガン、小腸のガン、胃ガンに対する医薬品の調製のための、請求項14に記載の使用。
  16. 結腸直腸ガンに対する医薬品の調製のための、請求項14に記載の使用。
  17. 抗ガン剤として同時、分離または時間的に分散した使用のための組み合わせ製品としての、オキサリプラチンと、とりわけ、TNF、FasL、グルタミン酸塩、ハービマイシン A、パラコート、プロテインキナーゼ阻害剤、例えば、スタウロスポリン、カルフォスチン C、d−エリトロ−スフィンゴシンの誘導体、ケレリスリンの塩化物、MAPキナーゼの誘導因子、例えば、アニソマイシン、MPTの誘導因子の中から選択された、ミトコンドリアアポトーシスを刺激する物質とを含む製品。
  18. オキサリプラチンと、とりわけTNF、FasL、グルタミン酸塩、ハービマイシン A、パラコート、プロテインキナーゼ阻害剤、例えば、スタウロスポリン、カルフォスチン C、d−エリトロ−スフィンゴシンの誘導体、ケレリスリンの塩化物、MAPキナーゼの誘導因子、例えば、アニソマイシン、MPTの誘導因子の中から選択された、ミトコンドリアアポトーシスを刺激することができる少なくとも一つの抗耐性剤とを含む組成物。
  19. a)プローブを入れるのに適した少なくとも一つの室、
    b)場合によっては、ハイブリダイゼーション反応の実施に必要な試薬、
    c)場合によっては、DNAの増幅反応に必要な少なくとも一つのプライマーおよび試薬
    から成ることを特徴とする、オキサリプラチンに対するガンの耐性診断キット。
  20. フランス、パリのパスツール研究所のCollection Nationale de Cultures de Microorganismes(CNCM)に、番号:I−3051で2003年6月16日に寄託された細胞HCT116/S。
  21. 抗ガン治療に対する、好適には結腸直腸のガン細胞の耐性と、ミトコンドリアアポトーシス遺伝子の発現との間の相関を研究するための、請求項20に記載のHCT116/S細胞、またはこのHCT116/S細胞から派生するいっさいの細胞の使用。
  22. 発現が抗ガン治療に対する、好適には結腸直腸のガン細胞の耐性に関与する、ミトコンドリアアポトーシス遺伝子を明らかにし、識別するための、請求項20に記載のHCT116/S細胞、またはこのHCT116/S細胞から派生するいっさいの細胞の使用。
  23. 化合物が、ガン細胞が耐性を示す抗ガン剤に組み合わされるためのものであり、好適には前記ガン細胞が耐性を示す前記抗ガン剤がオキサリプラチンであり、場合によっては、前記細胞が結腸直腸ガン細胞である、ガン細胞のミトコンドリアアポトーシスを刺激することができる化合物の選択のための、請求項20に記載のHCT116/S細胞、またはこのHCT116/S細胞から派生するいっさいの細胞の使用。

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