JP2005528399A - 分岐ポリアミンステロイド誘導体 - Google Patents

分岐ポリアミンステロイド誘導体 Download PDF

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Abstract

分岐ポリアミンを結合したステロイド骨格を有する式I
【化1】
Figure 2005528399

で示される新規化合物を提供する。本発明の化合物は抗微生物活性を示し、感染症、特に細菌感染症の処置および予防に使用しうる。

Description

本発明は、広域スペクトルの抗微生物活性を持つ新規化合物、すなわち分岐ポリアミン側鎖を持つステロイド類に関する。また本発明は、感染症の処置における前記化合物の抗微生物剤としての使用に関する。
抗生物質の分野において、薬剤耐性は増加の一途をたどる問題であり、公衆衛生に重大な脅威を与えている。感染性疾患は現在の豊富な抗細菌薬によって管理することができると長年にわたって一般に考えられてきたため、より有効な新薬の開発は少なくなっていた。しかし、近年、病原性細菌に多剤耐性が広く出現するに至って、新しい抗生物質の発見に新たな関心が寄せられるようになった。β−ラクタム類、マクロライド類、テトラサイクリン類およびアミノグリコシド類などの多くの抗生物質に対する耐性と、耐性の急速な蔓延は、古くから認識されていたが、グリコペプチド類やフルオロキノロン類のような予備薬があるので、大半の感染症は十分に抑制できると考えられていた。しかし、1980年代の末期から1990年代の初期にかけて、バンコマイシン耐性、多剤耐性、および異なる種間での耐性遺伝子の伝達の例を示す驚くべき報告が数多くなされたことにより、薬剤耐性の問題は保健当局および医薬産業の注目を集めるようになった。抗微生物活性を持つ新規化合物の同定は、今なお重要な課題である。
ステロイドは生物に遍在する一群の化合物で、その主要例はホルモンである。全てのステロイドは、3つの六員環と1つの五員環とを含む共通の骨格または核を持っている。したがってステロイドはシクロペンタノンペルヒドロフェナントレンと呼ぶこともできる。ステロイドは中心的な生物学的重要性を持っている。ステロイドは、タンパク質、糖質および脂質などのあらゆる主要生化学化合物の同化および異化に、決定的な影響を及ぼす。また、ステロイドのそのような作用は、前記生化学化合物のレベルを制御する酵素の合成を誘導することによって発揮される。ホルモンはエストロゲン、アンドロゲン、プロゲスチン、ミネラルコルチコイドおよびグルココルチコイドに分類することができる。これらは、例えば骨および筋の増強と維持、血圧、血糖値、および性徴の発達など、あらゆる生物学的活性の重要な側面を調節している。このように数多くの生物学的作用を持つステロイドは、ホルモンとして、または化学的に近縁な誘導体として、様々な疾患に対する薬剤候補にもなる。ステロイドは一般に、ステロイドの産生が不十分な患者の補充療法に使用されている。また、抗炎症剤および免疫抑制剤として、高レベルのグルココルチコイドが、全身投与および局所投与の両方で使用されている。エストロゲンステロイドおよびプロゲステロンステロイドは、生殖系の機能不全を処置するために使用されており、またより多くは、避妊薬として使用されている。
抗生物質作用を示すステロイドの数は限られているが、その一例がフシジン酸である。フシジウム・コキネウム(Fusidium coccineum)の発酵産物であるフシジン酸は、1960年代の初期から知られていた(米国特許第3,072,531号)。フシジン酸(例えば Fucidin(登録商標)、LEO Pharmaceutical Products Ltd、デンマーク)はブドウ球菌感染症などの感染性疾患の処置に臨床使用されており、その投与は局所的にも全身的にも行われる(Kuchers ら, 1997 とその引用文献、Duvold ら, 2001 とその引用文献、Christiansen, 1999 とその引用文献)。通常、フシジン酸は、ペニシリン類、エリスロマイシン類またはクリンダマイシンなどの一般的な抗生物質と組み合わせて投与される。
さらに最近になって、アブラツノザメ(Squalus acanthias)の胃からステロイド抗生物質が単離された(Mooreら, 1993、Raoら, 2000)。直鎖ポリアミンと硫酸官能基とを含むステロイド骨格に基づくこの化合物は、スクアラミンと名付けられ、グラム陽性細菌およびグラム陰性細菌、真菌類ならびに原虫類に対して広域スペクトル抗生物質性を持つことが見いだされた。抗微生物剤としての天然スクアラミンの使用は米国特許第5,192,756号に開示されている。スクアラミンは化学合成によっても製造されているが、その手順はかなり面倒であることがわかっている。WO 00/09137には、多くのスクアラミン模倣体と、抗生物質としてのそれらの使用が開示されている。
他にも、ポリアミン側鎖を持つスクアラミン模倣体は、WO 02/14342や B. Ding ら, J. Med. Chem. 45, 2002, pp. 663-669に開示されている。
分岐ポリアミンが抗生物質作用を発揮することは報告されていない。
本発明者は、驚くべきことに、分岐ポリアミンに結合したステロイド骨格を持つステロイド誘導体が、広い抗微生物活性、特に広い抗細菌活性を持つ化合物を構成することを見いだした。分岐ポリアミン部分は非抗微生物ステロイドに抗微生物活性を付与すると共に、それ自体が抗微生物活性を発揮しているステロイドの抗微生物活性を向上させる。
したがって本発明は、以下の式Iの化合物および薬学的に許容できるその塩またはエステルに関する。
Figure 2005528399
[式中、
縮合環A、B、CおよびDは、独立して、飽和または完全不飽和もしくは部分不飽和である。
C-17とC-20の間の結合は、この結合が単結合でも二重結合でもよいことを示すために、実線と点線とで表している。
R1は、水素、ハロゲン、親油性基、-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2である(式中、nは0または1であり、pは1〜5の整数である。各Zは独立して直鎖または分枝鎖炭化水素二価基を表し、適宜、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、C1−6アミノアルコキシ、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルC3−8シクロアルキルまたはC1−6アルキルヘテロアリールで置換されていてもよい。各Rは独立して、水素を表すか、またはC1−6アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシもしくはC1−6アミノアルキルアミノカルボニル(これらはすべて、適宜、アルキルまたはC1−6アミノアルキルで置換されていてもよい)を表す。ただし、少なくとも1つのZはC1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、C1−6アミノアルコキシ、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルC3−8シクロアルキルもしくはC1−6アルキルヘテロアリールで置換されているか、または少なくとも1つのRは水素ではないものとする。)。
R2は、ハロゲン、C1−4アルキル(適宜、COOHで置換されていてもよい)、C1−4アルコキシ、-COOH、-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2を表す。
R3は、水素、ハロゲンまたはO-R19、式中、R19は水素、-SO3、C1−6アルキル、C1−6アシルまたは-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2
R4、R7、R8、R10、R11、R12、R13、R16およびR17はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−OSO3、-O-アシル、-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2を表す。
R5、R6、R9、R14、R15およびR18はそれぞれ独立して水素もしくはメチルを表すか、またはそれぞれ独立して、縮合環A、B、CおよびDの1つが不飽和である場合にその位置にある炭素原子の原子価が満たされるように、存在しない。
ただし、R1、R2、R4、R7、R8、R10、R11、R12、R13、R16およびR17のうち少なくとも1つかつ3つ以下は、-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2であるものとする。]。
本化合物の正確な作用機序は現在のところ不明である。特定の仮説に限定されることは望まないが、本化合物は細胞膜に孔を開け、膜溶解が孔形成によって起こりうると考えられる。そのため、本化合物は、他のいくつかの抗生物質にとっては問題となる2つの主要な薬剤耐性機序(すなわち細胞内での酵素分解と排出経路)(Sadownik ら, 1995、Savage および Li, 2000、ならびにその引用文献)を回避する能力を持ちうる。
もう一つの側面として、本発明は、式Iの化合物を薬学的に許容できる賦形剤または希釈剤と共に含む医薬組成物に関する。
さらにもう一つの側面として、本発明は、感染症を予防または処置するための医薬の製造における式Iの化合物の使用に関する。
さらにもう一つの側面として、本発明は、感染症を予防または処置する方法であって、その必要がある患者に、有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法に関する。
定義
本明細書において「炭化水素」という用語は、炭素と水素だけを含み、炭素原子が直鎖骨格または分枝鎖骨格を形成している化合物を指す。
「アルキル」という用語は、任意の炭素原子から水素を除去することによって直鎖アルカンまたは分枝鎖アルカンから誘導される一価の基を示すものとする。この用語は、下位区分として1級アルキル、2級アルキルおよび3級アルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキシルおよびイソヘキシルなどを包含する。
「アルケニル」という用語は、任意の炭素原子から水素原子を除去することによって直鎖アルケンまたは分枝鎖アルケンから誘導される一価の基を指す。この用語は、下位区分として1級アルケニル、2級アルケニルおよび3級アルケニル、例えばビニル、1-プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、tert-ブテニル、ペンテニルおよびヘキセニルなどを包含する。
「アルキニル」という用語は、任意の炭素原子から水素原子を除去することによって直鎖アルキンまたは分枝鎖アルキンから誘導される一価の基を指す。この用語は、エチニル、プロピニル、イソプロピニル、tert-ブチニル、ペンチニルおよびヘキシニルを包含する。
「アルコキシ」という用語は、式OR'の基(式中、R'は上に定義した炭化水素基である)、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどを示すものとする。
「アルコキシカルボニル」という用語は、式-COOR'の基(式中、R'は上に定義した炭化水素基である)、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルなどを示すものとする。
「シクロアルキル」という用語は、飽和シクロアルカン基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルなどを示すものとする。同様に、「シクロアルケニル」という用語は、シクロアルケン基、例えばシクロペロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニルなどを示すものとする。
「アリール」という用語は、炭素環式芳香環(縮合二環式環でもよい)の基、例えばフェニルまたはナフチルなどを包含するものとする。「ヘテロアリール」という用語は、複素環式芳香環(特にO、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を持つ5員環もしくは6員環、または1〜4個のヘテロ原子を持つ縮合二環式環でもよい)の基、例えばピリジル、テトラゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チエニル、ピラジニル、イソチアゾリル、ベンゾイミダゾリルおよびベンゾフラニルなどを包含するものとする。
「アシル」という用語は、式-CO-R'の基(式中、R'は上述の炭化水素基である)を指す。
「アラルキル」という用語は、アルキル側鎖を持つ芳香環、例えばベンジルなどを示すものとする。
「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを示すものとする。
「アミノ」という用語は、式-NR"2の基(式中、各R"は独立して水素または炭化水素基を表す)を示すものとする。
「アミノアルコキシ」という用語は、式-OR'-NR"2の基(式中、R'は炭化水素二価基であり、各R"は独立して水素または炭化水素基を表す)を指す。
「アミノアルキル」という用語は、式-R'-NR"2の基(式中、R'は炭化水素二価基であり、各R"は独立して水素または炭化水素基を表す)を指す。
「アミノアルキルアミノカルボニル」という用語は、式-C(O)-NR"-R'-NR"2の基(式中、R'は炭化水素二価基であり、各R"は独立して水素または炭化水素基を表す)を指す。
「分岐ポリアミン」という用語は、式NHR-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2の化合物(式中、nおよびpならびに各Rおよび各Zは独立して先に定義したとおりであり、少なくともRは水素ではなく、少なくとも1つのZはC1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシ、C1−6アミノアルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルC3−8シクロアルキルまたはC1−6アルキルヘテロアリールで置換されている)を示すものとする。
「薬学的に許容できる塩」という用語は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩またはカルシウム塩など、および銀塩、およびアンモニアまたは適当な無毒性アミンなどの塩基との塩、例えば、トリエチルアミンなどの低級アルキルアミン、2-ヒドロキシエチルアミンまたはビス-(2-ヒドロキシエチル)アミンなどのヒドロキシ低級アルキルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどのシクロアルキルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンおよびジベンジルアミンなどのベンジルアミンなどとの塩、ならびに適当な有機酸または無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、乳酸、マレイン酸、フタル酸、クエン酸、プロピオン酸、安息香酸、グルタル酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、スルファミン酸またはフマル酸などとの塩を示すものとする。
「薬学的に許容できるエステル」という用語は、易加水分解性エステル、例えば、アルカノイルオキシアルキル、アラルカノイルオキシアルキル、アロイルオキシアルキル、例えばアセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、ベンゾイルオキシメチルエステルおよび対応する1'-オキシエチル誘導体、またはアルコキシカルボニルオキシアルキルエステル、例えばメトキシカルボニルオキシメチルエステルおよびエトキシカルボニルオキシメチルエステル、ならびに対応する1'-オキシエチル誘導体、またはラクトニルエステル、例えばフタリジルエステルなど、またはジアルキルアミノアルキルエステル、例えばジメチルアミノエチルエステルなどを指すものとする。易加水分解性エステルには、式Iの化合物の生体内加水分解性エステルが包含される。そのようなエステルは、当業者に知られている従来の方法によって、例えば参照により本明細書に組み込まれる英国特許第1 490 852号に記載の方法などによって製造することができる。
「抗生物質」および「抗微生物剤」という用語は可換的に使用され、同じ意味を持つものとする。
好ましい一態様では、R2、R7、R11および/またはR16が、-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2を表す。
R19の具体例はC1−6アルキルおよびC1−6アシルである。
R7、R11およびR16の具体例は-OHである。R11がO-SO3またはO-アシルである式Iの化合物も、特に好ましいと考えられる。
本発明の好ましい一態様は、以下の一般式IaまたはIbの化合物に関する。
Figure 2005528399
Figure 2005528399
[式中、R1、R2、R3、R4、R7、R8、R10、R11、R12、R13、R16およびR17は先に定義したとおりである]。
本発明化合物の具体例は、R2が-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2である式IaまたはIbの化合物であって、特にR7およびR11がどちらもヒドロキシであるか、R11およびR16がどちらもヒドロキシであるか、またはR3が-OR19(式中、R19はC1−6アルキルまたはC1−6アシルである)である化合物である。
本発明化合物のさらなる具体例は、R11が-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2である式IaまたはIbの化合物であって、特にR2が、C1−4アルキル(適宜、COOHで置換されていてもよい)、C1−4アルコキシまたは-COOHであるか、またはR3が-OR19(式中、R19はC1−6アルキルまたはC1−6アシルである)である化合物である。
式Iの化合物において、より具体的には式IaまたはIbの化合物において、R1は親油性基、すなわち概ね非極性の基であることが好ましい。R1位の非極性基は、細胞膜(これも親油性である)に留まるという本発明化合物の能力にとって、重要であると考えられる。そのような親油性基の例は、C1−10アルキル、アリール、C3−8シクロアルキル、アルキル部分に1〜10個の炭素原子を持つアラルキル、C1−10アルキルアリール、C1−10アルキル-C3−8シクロアルキル、C1−10アルコキシおよびヘテロアリールである。R1は、好ましくは、直鎖状または分枝鎖状の飽和または不飽和C1−10炭化水素、例えば式II
Figure 2005528399
[式中、「*」で示した炭素−炭素結合は、単結合または二重結合である]
で表される部分などである。
本発明の好ましい態様では、R2および/またはR11が、以下に示す式VIII、IX、X、XI、XIIまたはXIIIの部分を表す。
Figure 2005528399
Figure 2005528399
Figure 2005528399
特に好ましい態様では、式Iの化合物は、以下の化合物からなる群より選択される:
21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物101)、
21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-11-デスオキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物102)、
21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-16-デスアセトキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物103)、
21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-13(17)-エン-17,20,24,25-テトラヒドロフシダン-21-カルボキサミド(化合物104)、
21-N-{2'-ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-3β-デスアセトキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物105)、
21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-9(11)-エン-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物106)、
24-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-3α-ヒドロキシ-5β-コラン-24-アミド(化合物107)、
22-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-23,24-ビスノル-5-コレン酸-22-アミド(化合物108)、
21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-フシダ-21-アミド(化合物109)、
21-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-フシダ-21-アミド(化合物110)、
21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-3-OSO3-11-デスオキシ-17,20,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物111)、
21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-11-デスオキシ-16-デスアセトキシ-17S,20,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物112)、
21-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物113)、
22-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-23,24-ビスノル-5-コレン酸-22-アミド(化合物114)、
21-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-}-3-OAc-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物115)、
21-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-}-3-OSO3-11-デスオキシ-17,20,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物116)、
21-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-}-11-デスオキシ-16-デスアセトキシ-17S,20,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物117)、
3-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-フシジン酸(化合物118)、
21-N-{3'-[(3'-アミノプロピル)(メチル)アミノ]プロピル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物119)、
21-N-{3'-[(3'-アミノプロピル)(メチル)アミノ]プロピル}-11-デスオキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物120)、
21-N-{3'-[(3'-アミノプロピル)(メチル)アミノ]プロピル}-16-デスアセトキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物121)、
24-N-{3'-[(3'-アミノプロピル)(メチル)アミノ]プロピル-3α-ヒドロキシ-5β-コラン-24-アミド(化合物122)、
21-N-{3'-[(3'-アミノプロピル)(メチル)アミノ]プロピル}-11-デスオキシ-16-デスアセトキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物123)、
3-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-}-フシジン酸(化合物124)、
3-N-{3'-[(3'-アミノプロピル)(メチル)アミノ]プロピル}-フシジン酸(化合物125)、
21-N-{3-({4'-[(3'-アミノ-プロピル)-メチル-アミノ]-ブチル}-メチル-アミノ)-プロピル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物126)、
21-N-{3'-({3'-[(3'-アミノ-プロピル)-エチル-アミノ]-プロピル}-エチル-アミノ)-プロピル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物127)、
21-N-{3-({4'-[(3'-アミノ-プロピル)-エチル-アミノ]-ブチル}-エチル-アミノ)-プロピル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物128)、
21-N-{3-({3'-[(3'-アミノ-プロピル)-エチル-アミノ]-プロピル}-エチル-アミノ)-プロピル}-11-デスオキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物129)、
21-N-{3'-({4'-[(3'-アミノ-プロピル)-シクロプロピルメチル-アミノ]-ブチル}-シクロプロピルメチル-アミノ)-プロピル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物130)、
21-N-{3'-[(3'-アミノ-プロピル)-(3'-ジメチルアミノプロピル)-アミノ]-プロピル}-11-デスオキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド(化合物131)、
および薬学的に許容できるその塩およびエステル。
上に挙げた化合物の命名は、分岐ポリアミン側鎖についてはIUPACに、またステロイド部分についてはフシダン(fusidane)およびステロイドの慣用に基づいている。命名の支援に http://www2.acdlabs.com/ilab/ で利用できるプログラムを使った。
式Iは不斉中心および炭素−炭素二重結合を持つので、立体異性体および幾何異性体が見込まれる。本発明は、純粋な形の、およびその混合物としての、式Iが包含する全ての異性体および互変異性体に関すると理解すべきである。
医薬組成物
本発明の組成物は、活性成分として、少なくとも1つの式Iの化合物(以下、活性成分という)(薬学的に許容できるその塩およびエステルを含む)を、少なくとも1つの薬学的に許容できる賦形剤および/または希釈剤と共に含む。
前記の組成物において、賦形剤に対する活性成分の割合は0.5wt%〜100wt%、特に約0.1wt%〜約50wt%の範囲で変化しうる。本組成物は、一般に認められている医薬製剤の原理、例えば「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」第20版, Mack Publishing Company, 2000に記載されているものなどに従って、顆粒剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、坐剤、カプセル剤、徐放性錠剤、懸濁剤、注射剤などの様々な医薬製剤として製造することができ、ビンもしくはチューブまたは類似の容器に充填することができる。経口投与、経腸投与、非経口投与または局所投与に適していて、薬学的に許容できる、固体状または液体状の有機または無機担体および/または希釈剤を使って、本化合物を含有する組成物を構成させることができる。例えば、水、ゼラチン、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物性および動物性の油脂、ベンジルアルコール、ゴム、ポリアルキレングリコール、ワセリン、カカオ脂、ラノリン、および他の乳化剤、浸透圧を変化させるための塩類、または組成物の適切なpH値を確保するための緩衝剤を、補助剤として使用することができる。
さらに本組成物は、感染性疾患の処置に際して本発明の化合物と一緒に適切に投与することができる他の治療活性成分、例えば他の適切な抗生物質、特に活性を強化しかつ/または耐性の発達を防止しうるような抗生物質なども含みうる。そのような抗生物質には、ペニシリン類、セファロスポリン類、テトラサイクリン類、リファマイシン類、エリスロマイシン類、リンコマイシン、クリダマイシンおよびフルオロキノロン類などがある。本発明の化合物と組み合わせると有利になりうる他の化合物として、特に局所調製物の場合には、例えば、ヒドロコルチゾンまたはトリアムシノロンなどのコルチコステロイドが挙げられる。また、このような他の治療活性成分は、本発明の組成物と併用投与(同時投与または逐次投与)投与してもよい。
顆粒剤、錠剤、カプセル剤または糖衣錠の場合、本発明の医薬組成物は、本発明の活性成分を25%〜98%含むとよく、経口懸濁剤では、対応する量が2%〜20%の活性成分であるとよい。
活性成分を薬学的に許容できる無毒性の酸または塩基との塩の形で投与する場合、好ましい塩は、特定の適切な吸収速度が得られるように、例えば易水溶性であるか、または水にやや溶けにくい塩である。
上記のように、式Iの化合物およびその塩は、懸濁剤、軟膏およびクリーム剤などの医薬製剤に含めることができる。経口投与用の医薬調製物も、活性成分そのままや、水にやや溶けにくい薬学的に許容できる塩の形の活性成分の懸濁液であってよく、この場合、調製物は賦形剤1mlあたり20〜100mgを含有する。局所処置用の医薬調製物は、調製物の0.5〜50%に相当する量の活性成分を含有する軟膏またはクリーム剤の形をとりうる。本化合物は日光に対して安定であると共に比較的親油性であることから、局所調製物は好ましい。
本発明の化合物の用量は、所期の活性が重大な有害作用を伴わずに達成されうるように、適切に選択することができる。ヒトの全身的処置の場合、本化合物およびその塩は、式Iの化合物に換算して50mg以上1000mgまで、好ましくは200〜750mgを含む投薬単位で(成人に)投与すると好都合である。
「投薬単位」という用語は、活性成分を単独で、または1つ以上の固体状または液体状の医薬希釈剤または医薬賦形剤との混合物として含む物理的および化学的に安定な1回量の形を保った状態で、容易に取り扱いおよび包装を行うことができ、患者に投与することができる、単位量(すなわち単回量)を意味する。
本化合物は、投薬単位の形で、適当な間隔で1日に1回以上投与することができる。ただし、どんな場合でも、投与は患者の状態に依存し、医師が作成した処方箋に従って行われる。
例えば全身的処置の場合、1日量は、好ましくは、活性成分0.5〜3gの量になるだろう。
局所使用に関して「使用単位」という用語は、患部面積1平方センチメートルにつき0.1mg〜10mg、好ましくは0.2mg〜1mgの当該活性成分を適用する際に、患者に局所投与することができる単位量(すなわち単回量)を意味する。
本組成物を注射しようとする場合は、投薬単位として、非経口的に許容できる滅菌した水性または油性の注射可能な活性成分溶液または活性成分分散液が入っている密封されたアンプル、バイアルまたは類似の容器を、用意することができる。
非経口調製物は、処置に対する迅速な応答が望ましい状態の処置には特に有用である。感染性疾患を患っている患者の継続治療では、薬物を経口投与した場合、特に徐放性錠剤の形で経口投与した場合に、長期間持続する作用が得られるので、錠剤またはカプセル剤が医薬調製物の適切な形態になりうる。
感染性疾患の処置において、このような錠剤は、上述した他の活性成分を含むと有利な場合がある。
感染性疾患を患っている患者を処置する方法では、式Iの化合物または等価な量のその塩またはエステルを、1〜3回に分けて1日あたり0.03g〜0.7g/kg体重の用量で、好ましくは1日あたり0.5g〜3gの用量で、患者に投与すると好適でありうる。好ましくは、活性成分を上述した投薬単位の形で投与する。
本発明の処置を受けうるまたは本発明の処置を施しうる患者には、哺乳動物などの動物、特にヒトが含まれる。動物には、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、家禽、魚、ネコ、イヌおよび動物園動物などの家畜も含まれる。
感染性疾患の処置では、しばしば、その疾患が当該処置に対して耐性または不応性であるかどうかを、処置を実際に開始する前に決定することが行われうる。例えば、感染性微生物を含む試料、例えば血液または尿などを患者から採取し、その試料を培養し、当該処置にさらして、その感染性生物が当該処置に応答するかどうかをみることができる。したがって本発明は、抗微生物作用を持つ化合物を同定する方法であって、微生物を式Iの化合物と、要すれば他の治療活性剤と共に接触させ、その化合物または化合物の混合物が問題の微生物に対して毒性または抑制的作用を持つかどうかを決定することを含む方法も提供する。
本発明の組成物は医薬品に限定されるわけではなく、微生物の成長を抑制する目的で非治療的に使用することもできる。例えば、抗微生物剤に選択性があれば、その抗微生物剤は、多種混合培養物において特定微生物(例えば非病原性微生物)の成長を他の微生物を犠牲にして増進するのに役立つ。
以下の製造例および実施例で本発明をさらに詳しく説明するが、以下の製造例および実施例は決して特許請求の範囲に記載する本発明の範囲を限定するものではない。
製造例および実施例
本発明の化合物を製造する方法
ステロイド出発物質
出発カルボン酸置換ステロイド類似体は市販されているか、文献記載の方法によって製造することができる。フシジン酸に関係するステロイドは、天然フシダン類、例えばフシジン酸、ヘルボル酸、ビリドミン酸(viridominic acid)類およびセファロスポリンPファミリーの化合物などから出発して、様々な文献法によって製造するか(例えば、参照により本明細書に組み込まれる Godtfredsen および Vangedal, 1962、Arigoni ら, 1964、Godtfredsen ら, 1965 および1965、Godtfredsen ら, 1966、Diassi ら, 1966、von Daehne ら, 1979、ならびにその引用文献を参照されたい)、または上述したフシダン類の簡単な化学修飾、例えば当業者によく知られている二重結合の水素化、脱水反応、硫酸化および酸化などによって製造することができる。
ヒドロキシ基の硫酸化
1個または数個の遊離ヒドロキシ基を持つ本発明の化合物はいずれも、化学量論量または過剰量の三酸化硫黄−ピリジン錯体を使って、それぞれ文献(Kinneyら, 2000)に報告されているとおりに、1個のヒドロキシ基を選択的に硫酸化するか、または数個のヒドロキシ基を硫酸化することができる。硫酸化はカップリング反応A、BおよびCに先立って行われる。
ヒドロキシ基のアシル化
ステロイド誘導体の遊離ヒドロキシ基のアシル化は、無水条件下、室温で、ピリジン中の過剰の酢酸無水物を使って行われる。
二重結合の還元
ステロイド誘導体の二重結合の還元は、パラジウム炭素を触媒とし、酢酸、MeOH、EtOHまたは酢酸エチルを溶媒とする接触水素添加によって行われる。反応系を室温で6〜20時間振とうする。
ヒドロキシ基の脱水
フシジン酸誘導体の11-OHの脱水は、無水条件下、0℃にて、ピリジンおよびジクロロメタン中の過剰の塩化チオニルでフシジン酸誘導体を処理することによって達成される。
16-アセトキシ基の除去
フシジン酸誘導体の16-アセトキシ基を除去するために、該メチルエステルを、無水条件下、過剰のマグネシウム削片の存在下に、還流している無水メタノール中で反応させることができる。次に、水酸化ナトリウム水溶液中で1時間還流することによって、メチルエステルを除去する。
ヒドロキシ基の酸化
ケト官能基またはアルデヒド官能基を持つステロイドは、当業者に周知の様々な酸化法によって、対応するアルコールから得ることができる。
分岐ポリアミン出発物質
分岐ポリアミンは一般的には市販品、例えばアベイラブル・ケミカルズ・ディレクトリ(Available Chemicals Directory:ACD)データベースに見いだされるものなどから選択されるが、文献で知られている方法によって合成することもできる(参考文献の例:参照により本明細書に組み込まれる Goodnow ら, 1990、Bergeron ら, 1994、Stroemgaard ら, 1999、Gaell および Blagbrough, 2000、Kuksa ら, 2000 とその引用文献、Karigiannis および Papaioannou, 2000 とその引用文献)。
アミド結合を介して連結された分岐ポリアミン部分を持つステロイドの合成(方法A、反応式1)
分岐ポリアミン部分がアミド結合を介してステロイド核に連結されている本発明の化合物は、カルボン酸を含有する様々なステロイド、例えば反応式1のテトラヒドロフシジン酸などと、数多くの分岐ポリアミン化合物とから製造することができる。ステロイド誘導体のカルボン酸基をエステル化して、反応性エステルを製造する。例えば、無水THF中、ジシクロカルボジイミド(DCC)の存在下で、カルボン酸基をN-ヒドロキシスクシンイミドと反応させることにより、スクシンイミドエステルを製造する。次に、過剰の分岐ポリアミンを無水クロロホルムにアルゴン下で溶解し、それを、上記活性エステルを含むクロロホルム溶液にゆっくり添加することにより、上記スクシンイミドエステルを分岐ポリアミンと反応させることができる。この反応は室温で行われ、6〜24時間で完了する。次に、水を使った後処理を行わずに反応混合物を濃縮し、トリフルオロ酢酸で緩衝化したアセトニトリルと水との混合液を溶離液とする逆相HPLCか、またはジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合液を溶離液とするシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって、直接精製することができる。
この方法は反応式1に記載の例によって例示される。反応式1では、ステロイド核の代表例としてテトラヒドロフシジン酸を挙げている。まず、テトラヒドロフシジン酸を、無水THF中、ジシクロカルボジイミドの存在下で、N-ヒドロキシスクシンイミドとの反応によって、対応するN-スクシンイミドエステルに変換する。次に、アルゴン下で過剰(3当量)のN,N-ビス(2-アミノエチル)エタン-1,2-ジアミンを無水クロロホルムに溶解し、それを、上記活性エステルを含むクロロホルム溶液にゆっくり(30分かけて)添加することによって、上記テトラヒドロフシジン酸エステルをN,N-ビス(2-アミノエチル)エタン-1,2-ジアミンと反応させる。溶媒を減圧下で留去し、得られた粗製油状物を、ジクロロメタン、メタノールおよび25%アンモニア水の混合液を溶離液として、シリカゲルで精製する。精製された生成物の凍結乾燥により、白色粉末が得られる(化合物101)。
方法A
Figure 2005528399
アミド結合を介して連結された分岐ポリアミン部分を持つステロイドの合成(方法B、反応式2)
別法として、式Vで表される本発明の化合物は、出発物質としてスクシンイミドエステルを用いる方法Aについて説明した反応条件と同じ反応条件を使用して、ステロイド酸の無水物、例えば反応式2に示すフシジン酸無水物を、過剰の分岐ポリアミン、例えばN,N-ビス(2-アミノエチル)エタン-1,2-ジアミンなどと反応させることによって、製造することができる。(反応式2)
Figure 2005528399
アミド結合の還元
反応式1および反応式2にそれぞれ記載する分岐ポリアミンとスクシンイミドエステルまたはカルボン酸無水物との反応によって生じるアミド結合(例えば式IVおよび式Vの化合物)を対応するアミンに還元するために、当該アミドを還流THF中で10倍過剰のジボランと5〜10時間反応させることができる。次に、反応混合物を4N塩酸水溶液でpH1に酸性化し、2〜4時間にわたって激しく撹拌する。次に、反応混合物を凍結乾燥し、得られた白色粉末を、ジクロロメタン、メタノールおよび25%アンモニア水の混合液を溶離液とするシリカゲルで精製する。精製された生成物の凍結乾燥により、白色粉末が得られる。
Figure 2005528399
反応式3.式IVのC-21ポリアミン化フシジン酸類似体の製造(式中、Wは式-(Z)n-(NR-Z)p-NR2の基を表す)
ケトンの還元的アミノ化による分岐ポリアミンの導入(方法C、反応式4)
分岐ポリアミン部分がステロイド核の様々な位置に連結されている本発明の化合物は、分岐ポリアミンによる置換を所望する位置にケト官能基またはアルデヒド官能基を持つステロイド類似体から製造することができる。適切なステロイドは市販されているか、または当業者に知られている様々な方法(例えば種々の酸化法、カルボン酸エステルの還元など)によって合成することができる。カルボニル官能基を持つステロイドは、合成スクアラミン類の製造に関して報告された方法(Pechulis ら, 1995、Weis ら, 1999、Kinney ら, 2000)を使った還元的アミノ化により、保護されていないポリアミン構成単位と直接反応させることができる。別法として、C-3位がスペルミジン鎖で置換されているスクアラミン等価物の製造に関して文献に記載されている還元的アミノ化(Hon-Seok Kimら, 2000)によって、アミノ基を持つステロイドを、アルデヒド官能基を持つ適当なBoc-保護ポリアミンフラグメントと反応させることもできる。最後に、Boc-保護基をトリフルオロ酢酸で切断して、上述のように精製することができる。
この方法は反応式4に記載の例によって例示される。反応式4では、ステロイド核の代表例として3-ケトフシジン酸を挙げている。3-ケト-フシジン酸(1当量)のメタノール溶液に、N,N-ビス(2-アミノエチル)エタン-1,2-ジアミン(3当量)、酢酸およびNaBH(OAc)3(3当量)を逐次添加し、得られた反応混合物を6〜16時間撹拌した後、メタノールを減圧下で留去して、淡黄色油状物を得る。ジクロロメタン、メタノールおよび25%アンモニア水の混合液を溶離液とするシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、純粋な化合物118を得る。精製された生成物を凍結乾燥することにより、70〜85%の範囲の収率で、純粋な化合物118の白色粉末が得られる。
方法C
Figure 2005528399
反応式4.NaBH(OAc)3を還元剤とする還元的アミノ化により、カルボニル官能基を持つステロイド核に分岐ポリアミンフラグメントを導入する方法の代表例(Abdel-Magid, 1996)
本発明化合物の精製
得られた本発明の化合物は、ジクロロメタン、メタノールおよびアンモニア水の混合液を溶離液とするシリカゲル60(E. Merck)230〜400メッシュでのカラムクロマトグラフィーによって精製することができる。別法として、本発明の化合物は、トリフルオロ酢酸または酢酸で緩衝化したアセトニトリルを溶離液とする逆相分取用高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製することもできる。
一般方法A、BおよびCによって製造される本発明の例
Figure 2005528399
Figure 2005528399
Figure 2005528399
Figure 2005528399
Figure 2005528399
Figure 2005528399
Figure 2005528399
Figure 2005528399
Figure 2005528399
抗微生物活性
インビトロ研究により、本発明の化合物は、グラム陽性株およびグラム陰性株(ブドウ球菌、レンサ球菌、コリネバクテリア、マイコバクテリア、プロテウス、プロピオン酸菌、シュードモナス、ナイセリア、大腸菌)ならびに真菌株(カンジダおよびアスペルギルス)を含む多数の菌に対して、有意な効力を持つことが明らかになった。生物学的試験により、本発明化合物の活性は、いくつかの天然スクアラミン類似体(WO 00/09137)について報告されている活性よりも優れていることが明らかになった。本発明化合物の抗菌活性はまた、文献に報告されている関連化合物の活性(Moore ら, 1993、Kikuchi ら, 1997、Rao ら, 2000)およびアンピシリンなどの既知広域スペクトル抗生物質の活性(Kikuchi ら, 1997)に匹敵する。また、PAEの研究から、本発明の化合物は強い殺菌作用を持つことが示唆される。
表1に、多くの細菌株および真菌株に対する本発明化合物のMIC(Minimum Inhibitory Concentration:最小発育阻止濃度)値を示す。最小発育阻止濃度は寒天カップ測定法を使って測定した。細菌株はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)から入手するか、または本発明者自身の臨床分離株収集物から得た。新鮮な終夜培養物のコロニーを、108CFU/mlに相当するマクファーランド0.5になるように、食塩水に再懸濁した。48℃のミュラー・ヒントン寒天(Oxoid)200mlに、106CFU/mlの濃度で接種し、正方形ペトリ皿(245×245mm)に注ぎ込んだ。接種した平板に穴を開けて、200μlの被験化合物をそれぞれの穴に配置した。化合物の希釈系列には0.25〜125μg/mlの6種類の希釈液を含めた。レンサ球菌の場合は、ミュラー・ヒントン寒天に5%ヒツジ血を添加した。平板を適切にインキュベートし、電子キャリパを使って発育阻止帯直径を測定した。発育阻止帯直径と試料濃度のlog2との間の線形回帰曲線を使って、MICを算出した。微生物学的測定法の設定は欧州薬局方第3版(1997)に従う。阻止帯は、使用した化合物濃度の関数である。フシジン酸(FA)、ムピロシンおよびリネゾリドを含む既知の抗生物質を、参考化合物として使用した。
Figure 2005528399
Figure 2005528399
化合物102の最小殺菌濃度(MBC)
それぞれ約2×MIC、1×MIC、0.5×MICおよび0×MICの化合物102(MICは試験対象株に対するもの)を含んでいる3mlの成長培地(黄色ブドウ球菌−LBブロス、化膿レンサ球菌−THブロス)に、106個の細菌を接種した。黄色ブドウ球菌株は好気的に培養し、化膿レンサ球菌は高二酸化炭素濃度培養器で嫌気的に培養した。試料を希釈し、LA平板(黄色ブドウ球菌)または血液寒天平板(化膿レンサ球菌)に接種した後、37℃で24時間インキュベートしてから、コロニーを評価した。
化合物102は、ブドウ球菌種およびレンサ球菌種に対して強い殺菌効果を持ち、図1および図2に示すように、MICの2倍の濃度で強い殺菌を示した。
表1に記載のデータから、本発明の化合物は一般に、試験した生物に対して広域スペクトル活性を示すことがわかる。また、フシジン酸、リファンピシンおよびペニシリンなどの一般抗生物質に耐性な株に対する活性も示す。交叉耐性の欠如は、本発明の化合物が既知の抗生物質とは異なる機序によってその抗微生物活性を発揮するという仮説を裏付けている。抗生物質に対する耐性に関してますます増加しつつある問題を克服するには、新しい作用機序を持つ新しい抗生物質を同定することが極めて重要である。
Figure 2005528399
Figure 2005528399
黄色ブドウ球菌(S. aureus)に関する化合物102の最小殺菌濃度(MBC)を表す図である。 化膿レンサ球菌(S. pyogenes)に関する化合物102の最小殺菌濃度(MBC)を表す図である。

Claims (36)

  1. 式I
    Figure 2005528399
    [式中、
    縮合環A、B、CおよびDは、独立して、飽和または完全不飽和もしくは部分不飽和である。
    C-17とC-20の間の結合は、この結合が単結合でも二重結合でもよいことを示すために、実線と点線とで表している。
    R1は、水素、ハロゲン、親油性基、-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2である(式中、nは0または1であり、pは1〜5の整数である。各Zは独立して直鎖または分枝鎖炭化水素二価基を表し、適宜、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、C1−6アミノアルコキシ、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルC3−8シクロアルキルまたはC1−6アルキルヘテロアリールで置換されていてもよい。各Rは独立して、水素を表すか、またはC1−6アルキル、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルコキシもしくはC1−6アミノアルキルアミノカルボニル(これらはすべて、適宜、アルキルまたはC1−6アミノアルキルで置換されていてもよい)を表す。ただし、少なくとも1つのZはC1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、C1−6アミノアルコキシ、C1−6アミノアルキル、C1−6アミノアルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルC3−8シクロアルキルもしくはC1−6アルキルヘテロアリールで置換されているか、または少なくとも1つのRは水素ではないものとする。)。
    R2は、ハロゲン、C1−4アルキル(適宜、COOHで置換されていてもよい)、C1−4アルコキシ、-COOH、-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2を表す。
    R3は、水素、ハロゲンまたはO-R19、式中、R19は水素、-SO3、C1−6アルキル、C1−6アシルまたは-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2
    R4、R7、R8、R10、R11、R12、R13、R16およびR17はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、−OSO3、-O-アシル、-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2を表す。
    R5、R6、R9、R14、R15およびR18はそれぞれ独立して水素もしくはメチルを表すか、またはそれぞれ独立して、縮合環A、B、CおよびDの1つが不飽和である場合にその位置にある炭素原子の原子価が満たされるように、存在しない。
    ただし、R1、R2、R4、R7、R8、R10、R11、R12、R13、R16およびR17のうち少なくとも1つかつ3つ以下は-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2であるものとする。]
    で表される化合物および薬学的に許容できるその塩またはエステル。
  2. R2が-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2を表す、請求項1に記載の化合物。
  3. R7、R11および/またはR16が-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2を表す、請求項1に記載の化合物。
  4. R1が親油性基を表す、請求項1に記載の化合物。
  5. R1が、直鎖状または分枝鎖状の飽和または不飽和C1−10アルキル、アリール、C3−8シクロアルキル、アルキル部分に1〜10個の炭素原子を持つアラルキル、C1−10アルキルアリール、C1−10アルキル-C3−8シクロアルキル、C1−10アルコキシおよびヘテロアリールからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
  6. R19がC1−6アルキルまたはC1−6アシルを表す、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  7. R7、R11および/またはR16がOHを表す、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
  8. R11が-OSO3を表す、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  9. R11が-O-アシルを表す、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  10. 一般式Ia
    Figure 2005528399
    で表される、請求項1に記載の化合物。
  11. 一般式Ib
    Figure 2005528399
    で表される、請求項1に記載の化合物。
  12. R2が-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2を表す、請求項10または11に記載の化合物。
  13. R7およびR11がどちらもヒドロキシである、請求項12に記載の化合物。
  14. R11およびR16がどちらもヒドロキシである、請求項12に記載の化合物。
  15. R3が-OR19(式中、R19はC1−6アルキルまたはC1−6アシルである)である、請求項12に記載の化合物。
  16. R1が親油性基である、請求項12に記載の化合物。
  17. R1が直鎖状または分枝鎖状の飽和または不飽和C1−10炭化水素である、請求項12に記載の化合物。
  18. R1が式II
    Figure 2005528399
    [式中、「*」で示した炭素−炭素結合は、単結合または二重結合である]
    で表される部分である、請求項12に記載の化合物。
  19. R11が-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2またはC(O)-(Z)n-(NR-Z)p-N(R)2を表す、請求項10または11に記載の化合物。
  20. R2がC1−4アルキル(適宜、COOHで置換されていてもよい)、C1−4アルコキシまたはCOOHである、請求項19に記載の化合物。
  21. R3が-OR19(式中、R19はC1−6アルキルまたはC1−6アシルを表す)である、請求項19に記載の化合物。
  22. R1が親油性基である、請求項19に記載の化合物。
  23. R1が直鎖状または分枝鎖状の飽和または不飽和C1−10炭化水素である、請求項19に記載の化合物。
  24. R1が式II
    Figure 2005528399
    [式中、「*」で示した炭素−炭素結合は、単結合または二重結合である]
    で表される部分である、請求項19に記載の化合物。
  25. R2および/またはR11が、式VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XVI、XVII、XVIII、XIX、XX、XXI、XXII、XXIII
    Figure 2005528399
    Figure 2005528399
    Figure 2005528399
    で表される部分を表す、請求項1、10または11のいずれかに記載の化合物。
  26. 21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-11-デスオキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-16-デスアセトキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-13(17)-エン-17,20,24,25-テトラヒドロフシダン-21-カルボキサミド、
    21-N-{2'-ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-3β-デスアセトキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-9(11)-エン-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    24-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-3α-ヒドロキシ-5β-コラン-24-アミド、
    22-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-23,24-ビスノル-5-コレン酸-22-アミド、
    21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-フシダ-21-アミド、
    21-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-フシダ-21-アミド、
    21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-3-OSO3-11-デスオキシ-17,20,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-11-デスオキシ-16-デスアセトキシ-17S,20,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    22-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-23,24-ビスノル-5-コレン酸-22-アミド、
    21-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-}-3-OAc-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-}-3-OSO3-11-デスオキシ-17,20,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-}-11-デスオキシ-16-デスアセトキシ-17S,20,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    3-N-{2'-[ビス(2'-アミノエチル)アミノ]エチル}-フシジン酸、
    21-N-{3'-[(3'-アミノプロピル)(メチル)アミノ]プロピル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{3'-[(3'-アミノプロピル)(メチル)アミノ]プロピル}-11-デスオキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{3'-[(3'-アミノプロピル)(メチル)アミノ]プロピル}-16-デスアセトキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    24-N-{3'-[(3'-アミノプロピル)(メチル)アミノ]プロピル-3α-ヒドロキシ-5β-コラン-24-アミド、
    21-N-{3'-[(3'-アミノプロピル)(メチル)アミノ]プロピル}-11-デスオキシ-16-デスアセトキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    3-N-{3'-[ビス(3'-アミノプロピル)アミノ]プロピル}-}-フシジン酸、
    3-N-{3'-[(3'-アミノプロピル)(メチル)アミノ]プロピル}-フシジン酸、
    21-N-{3-({4'-[(3'-アミノ-プロピル)-メチル-アミノ]-ブチル}-メチル-アミノ)-プロピル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{3-({3'-[(3'-アミノ-プロピル)-エチル-アミノ]-プロピル}-エチル-アミノ)-プロピル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{3-({4'-[(3'-アミノ-プロピル)-エチル-アミノ]-ブチル}-エチル-アミノ)-プロピル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{3-({3'-[(3'-アミノ-プロピル)-エチル-アミノ]-プロピル}-エチル-アミノ)-プロピル}-11-デスオキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、
    21-N-{3'-({4'-[(3'-アミノ-プロピル)-シクロプロピルメチル-アミノ]-ブチル}-シクロプロピルメチル-アミノ)-プロピル}-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド、および
    21-N-{3'-[(3'-アミノ-プロピル)-(3'-ジメチルアミノプロピル)-アミノ]-プロピル}-11-デスオキシ-17R,20S,24,25-テトラヒドロフシダ-21-アミド
    からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
  27. 請求項1〜26のいずれかに記載の化合物を薬学的に許容できる添加剤または賦形剤と共に含む医薬組成物。
  28. ペニシリン類、セファロスポリン類、テトラサイクリン類、リファマイシン類、エリスロマイシン類、リンコマイシン、クリンダマイシン、フルオロキノロン類、コルチコステロイド類、ヒドロコルチゾンおよびトリアムシノロンからなる群より選択されるもう1つの治療活性成分を含む、請求項27に記載の組成物。
  29. 感染症を処置または予防するための医薬の製造における請求項1〜26のいずれかに記載の化合物の使用。
  30. 上記感染症が細菌感染症である、請求項29に記載の使用。
  31. 上記化合物が1つ以上の他の治療活性成分と組み合わされる、請求項29に記載の使用。
  32. 上記治療活性成分が、ペニシリン類、セファロスポリン類、テトラサイクリン類、リファマイシン類、エリスロマイシン類、リンコマイシン、クリンダマイシン、フルオロキノロン類、コルチコステロイド類、ヒドロコルチゾンおよびトリアムシノロンからなる群より選択される、請求項31に記載の使用。
  33. 感染症を予防または処置する方法であって、その必要がある患者に、有効量の、請求項1〜27のいずれかに記載の化合物を投与することを含む方法。
  34. 上記感染症が細菌感染症である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記化合物が1つ以上の他の治療活性成分と同時にまたは逐次的に投与される、請求項33に記載の方法。
  36. 上記他の治療活性成分が、ペニシリン類、セファロスポリン類、テトラサイクリン類、リファマイシン類、エリスロマイシン類、リンコマイシン、クリンダマイシン、フルオロキノロン類、コルチコステロイド類、ヒドロコルチゾンおよびトリアムシノロンからなる群より選択される、請求項35に記載の方法。
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