JP2005527118A - 低温共焼成セラミックltccテープを含んでなるハイブリッド電子デバイス - Google Patents

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Abstract

低温共焼成セラミック(LTCC)テープおよび強磁性デバイスを含んでなり、該デバイスが強磁性材料から形成されてなり、該強磁性材料が強磁性酸化物および焼結剤材料を含んでなり、該焼結剤材料がZn4B6O13(亜鉛ボラリス)を含んでなる、ハイブリッド電子回路構造。

Description

発明の分野
本発明は、一般的に低温共焼成セラミックLTCCテープ、より詳しくは、強磁性デバイス、例えばドロップ−イン部品、変圧器、低域フィルターおよび減結合ユニットにおけるコイルを組み込んだ共焼成LTCCテープ、を含んでなるハイブリッド電子デバイスに関する。
電子実装(packaging)業界における主な傾向の一つは、従来のプレートスルー−ホール(PTH)技術の代わりに、表面実装技術(SMT)を使用することである。SMTには、PTH技術に対して、実装密度が大きいこと、短い相互接続長さでリードカウントが高いこと、および自動化が簡単なこと、を包含する幾つかの明らかな優位性がある。SMTでは、電子デバイスおよび部品をプリント回路基板の表面上に取り付ける必要があるので、コンデンサー、抵抗およびインダクタを包含する伝統的なリード線を有する部品の材料および構造を再設計し、短い、薄い、軽い、および小形の電子デバイスの必要条件に適合させなければならない。表面実装受動部品の過去30年間の開発で、インダクタは、巻線を有し、磁気特性を落とさずに小型化するのが困難なので、最も成功していないものの一つである。磁気遮へいも、特に高実装密度には重要であり、従って、インダクタは、磁束の漏れおよびインダクタ間の漏話を阻止するためにボックスに収容する必要がある。上記の必要条件を満たすために、多層チップインダクタ(MLCI)が開発されている。
ハイブリッド超小形回路を製造するための手法の一つは、共焼成セラミック製法である。この技術は、主成分としてアルミナを有するシートに形成された誘電材料を使用する。テープの個々のシートに金属被覆および他の回路パターンを印刷し、相互に積み重ね、予め決められた温度および圧力で一つに積層し、次いで材料が融解するか、または焼結する所望の高温で焼成する。
アルミナが一般的に絶縁材料として使用される場合、典型的にはタングステン、モリブデンまたはモリマンガン(molymanganese)を金属被覆に使用し、その部品を、水素を含む還元性雰囲気中で約1600℃に焼成する。
処理温度が過度に高く、水素雰囲気が必要であり、さらに重要なことに、耐火性金属の電気的性能のために、低温共焼成セラミックLTCCテープが開発されている。
低温加工により、磁気セラミック層を、低焼成誘電体およびガラスセラミックならびに貴金属厚膜導体、例えば金、銀、またはそれらの合金とともに共焼成することができる。
厚膜製法で使用するために、強磁性組成物が過去に開発されている。これらの組成物を他のペースト層と共に基材上にスクリーン印刷し、インダクタ用のコアまたはエンハンサー、磁気遮へい面、および他の強磁性デバイスを形成することができる。しかし、これらの組成物は、LTCCテープと異なった収縮プロファイルを有するので、LTCC製法には使用できない。このために、焼成の際にLTCCテープ構造の歪みまたは曲がりを引き起こす。
この理由から、変圧器を包含する磁性部品、ならびに非磁性部品、例えばヒートシンクおよびバリスタ、は、これまでは別に製作し、LTCC構造の表面上に取り付けている。これは、ハイブリッド超小形電子集積回路チップおよび相互接続部の取り付けに使用すべきである構造表面上の空間が大幅に制限されるので、不利である。
米国特許第5312674A1号は、共焼成した強磁性デバイス、ドロップ−イン部品および多層変圧器を包含する低温共焼成セラミックLTCCテープ構造を開示しているが、そこではインクまたはテープ形態にある強磁性材料が、低温共焼成LTCCテープと同じ焼成プロファイルを使用して焼成可能であり、低温共焼成LTCCテープとほぼ同じ熱収縮特性を有し、低温共焼成LTCCテープと化学的に反応しない。強磁性材料は、3種類の主成分、すなわち強磁性酸化物粉末、ガラス粉末または「フリット」および有機結合剤またはビヒクルを含む。
そのようなフリットは、通常、ガラス形成化合物、例えば酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、から構成され、ほとんどの場合、ガラス変性剤、例えば酸化鉛、酸化ビスマス、アルカリ土類酸化物または三元化合物、例えばホウ酸塩またはケイ酸塩、と組み合わされている。焼結剤として広く使用されているホウ酸塩または酸化ホウ素が、多くの低融点組成物を形成するので、特に有用である。
セラミック粉末を薄いホイルの形状に変換するために、粉末粒子は、液体中に分散させてスラリーを形成する必要がある。このスラリーを、有機添加剤、および主成分として有機結合剤と混合し、ホイルキャスティングに好適なセラミックスリップを形成する。結合剤は、次の加工工程(例えば乾燥、電極印刷、積重、積層、焼結)の際にその形状を維持できるように、ホイルに強度を与える。
しかし、一般的に使用されるホウ素含有化合物、例えばアルカリ土類ホウ酸塩またはホウケイ酸塩ガラス、は、水性PVA結合剤系との組合せで、焼結添加剤として使用することはできない。加工の際にホウ素含有添加剤から水性懸濁液中に溶解するホウ酸塩イオンは、痕跡量でも、PVAと不可逆的な共重合を起こす。この共重合反応により、結合剤がゲル化するために、ホイルのキャスティングが最早不可能になる。
この理由から、有機溶剤、例えば塩化エチレンまたはトルエン、を使用してセラミック粉末をホウ素含有焼結添加剤と共に分散させ、続いてアクリル系結合剤系でスリップ製造する。しかし、セラミックホイルを乾燥させる際に、大量の生態学的に有害な有機溶剤を除去する必要があるために、ホウ素含有焼結添加剤でセラミックホイルを製造するには、水性PVA結合剤系が非常に好ましい。
上記の環境および技術上の問題のために、低温で焼結できる未焼成セラミックテープの製造には、PVAと相容性があるホウ素化合物を、セラミック粉末および水性結合剤系との組合せで使用するのが非常に好ましい。ホウ素化合物は、下記の特性、すなわち
−非常に細かい粉末でも、水に不溶であること、
−融点がかなり低いこと、
−融解した時の焼結特性が良好であること(液相の低粘度、セラミック粒子の良好な濡れ性、セラミックの溶解および再沈殿)
を有するべきである。
発明の概要
従って、本発明の目的は、低温共焼成セラミック(LTCC)テープおよび強磁性デバイスを含んでなり、該デバイスが強磁性材料から形成されてなり、該強磁性材料が強磁性酸化物および低温で高密度に焼結し得る焼結剤材料を含んでなる、ハイブリッド電子回路構造を提供することである。
この目的は、低温共焼成セラミック(LTCC)テープおよび強磁性デバイスを含んでなるハイブリッド電子回路構造であって、該デバイスが強磁性材料から形成されてなり、該強磁性材料が強磁性酸化物および焼結剤材料を含んでなり、該焼結剤材料がZn13(亜鉛ボラリス)を含んでなるハイブリッド電子回路構造により達成される。
発明の具体的説明
結晶性ホウ酸塩材料亜鉛ボラリスは、式Zn13を有する無水立方晶系メタホウ酸亜鉛である。この材料は、高度に対称的なソーダライト構造型で結晶化し、水に不溶であり、融点が約980℃である。
そのような低焼成強磁性組成物は、温度800〜1000℃で60分間以内に95%まで緻密化する。
良く知られている高周波数強磁性Z−フェロクスプレーナ(Ferroxplana)材料BaMnFe2441の焼結温度は、焼結剤として複酸化物化合物4Zn・3Bを使用することにより、1300℃から1000℃に下げることができる。そのような低焼成Z−フェロクスプレーナ材料の磁気特性は、2GHzまでのマイクロ波周波数でも好適である。この材料は、窒素雰囲気中で焼成でき、従って、Ag/PdおよびCu電極で、他の低焼成誘電体およびガラスセラミック材料と共にLTCC基材中で共焼成するための好適な候補である。
焼結温度を下げる(すなわち1000℃未満に)ことにより、強磁性デバイスおよび関連する機能をLTCC(低温共焼成セラミック)半導体基材中に集積化できる可能性が高まり、基材に一体化された相互接続およびマイクロ波磁気機能を備えた、より小形の、高度に集積化された、性能が優れたチップモジュールが得られる。特に、良く知られている高周波強磁性Z−フェロクスプレーナ材料BaMnFe2441の焼結温度が、焼結剤として亜鉛ボラリスを使用することにより、1300℃から約1000℃に低下している。そのような低焼成Z−フェロクスプレーナ材料の磁気特性は、2GHzまでのマイクロ波周波数でも好適である。この材料は、窒素雰囲気中で焼成でき、従って、Ag/PdおよびCu電極を、他の低焼成誘電体およびガラスセラミック材料と共にLTCC基材中で共焼成するための好適な候補である。
本発明の一実施態様では、該強磁性酸化物は、マグネトプランバイトおよびガーネットを包含するスピネルからなる群から選択することができる。
本発明の別の実施態様では、該強磁性酸化物は、Z−、M−、Y−、U−およびX−六方晶構造を有するフェロクスプレーナ酸化物の群から選択されたフェロクスプレーナ酸化物である。
焼結剤材料は、ZnO、CuO、Bi、CaCO、SrCO、BaCO、TiO、ZnSiTiOおよびGeOおよびそれらの混合物からなる群から選択された酸化物添加剤をさらに含んでなることができる。
立方晶系メタホウ酸亜鉛との組合せて、これらの酸化物で幾つかの低融点組成物を得ることができる。そのような混合物は、良く知られている焼結添加剤のB、BaB、またはPbBと類似の特性、例えばエレクトロニクス工業で使用される様々なセラミック粉末材料の低融点、液相の低粘度、良好な濡れ性および溶解/再沈殿を示す。
本発明は、強磁性酸化物および焼結剤材料を含んでなり、該焼結剤材料がZn13(亜鉛ボラリス)である強磁性材料にも関する。
本発明のこれらの、および他の特徴および利点は、当業者には、下記の詳細な説明から明らかである。
本発明は、低温共焼成セラミック(LTCC)テープおよび強磁性デバイスを含んでなり、該デバイスが強磁性材料から形成され、該強磁性材料が、強磁性酸化物、焼結剤材料および有機結合剤を含んでなり、該焼結剤材料がZn13(亜鉛ボラリス)である、ハイブリッド電子回路構造に関する。
LTCCテープと共に共焼成できることが確認されている強磁性デバイスの好ましい実施態様の例は、磁気インダクタおよび変圧器コア、磁気遮へい物および他の用途、例えば基材に一体化された相互接続およびマイクロ波磁気機能を有するチップモジュール、EMI吸収体、マイクロ波フィルターおよびスイッチ、ジャイレータおよびアクチュエータである。しかし、無論、これらの特定の例は本発明の範囲を制限するものではない。
強磁性酸化物は、所望の特性に応じて、3つの主要なフェライト群、すなわちスピネル、ガーネットおよびマグネトプランバイト、から選択することができる。スピネルは、一般式MOFe、MFeまたはMFeを有し、ここでMは、典型的にはニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、リチウム(Li)、銅(Cu)、コバルト(Co)または他の元素である。ガーネットは、一般式3M3.5FeまたはMFe12を有し、ここでMは最も一般的にはイットリウム(Y)であるか、または希土類イオンの一種である。マグネトプランバイトは、一般式MFe1219またはMO.6Feを有し、ここでMは典型的にはバリウム(Ba)、ガリウム(Ga)、クロム(Cr)またはマンガン(Mn)である。これらの強磁性酸化物は、特定の用途に応じて様々に組み合わせることもできる。
強磁性酸化物は、文献で良く知られているZ、M、y、UまたはX六方晶構造を有する高周波数フェロクスプレーナ材料からも選択することができる。
これらの材料は、Y構造を有する(Ba1−xSr)MeFe11、W構造を有する(Ba1−xSr)MeFe1627、Z構造を有する(Ba1−xSrMeFe2441、U構造を有する(Ba1−xSrFe1830およびX構造を有する(Ba1−xSr)MeFe1423のような材料を含んでなり、ここで0≦x≦1であり、Meは、Mn(II)、Fe(II)、Co(II)、Ni(II)、Cu(II)、Zn(II)およびMg(II)の群から選択された2価の金属イオンである。
これらの材料は、高周波数(すなわちGHz領域)まで高い透過性を示す。これらの材料は、非常に重要なRFおよびマイクロ波特性を示し、アクチュエータ、ジャイレータ、マイクロ波フィルターおよびスイッチ、EMI吸収体、等のデバイスに使用できる。
焼結剤は、ホウ酸亜鉛Zn13(ボラリス)を含んでなる。ホウ酸亜鉛の結晶格子は、連結したBO−四面体のB12ホスト格子を含んでなり、その際、6個のホウ素原子は歪んだ八面体の角に位置する。13番目の酸素原子は、B12ホスト格子に組み込まれていない。
該13番目の酸素原子は、4個の亜鉛原子により四面体状に取り囲まれている。その結果、化合物Zn13は、OZn(B12)としても表すことができる。ホウ酸亜鉛Zn13は、酸化ホウ素Bと酸化亜鉛ZnOをモル比6:4で混合し、該混合物を950℃で2時間焼成することにより製造される。ホウ酸亜鉛への完全な転化は、X線写真検査により確認する。焼成したホウ酸亜鉛を平均粒子径d50<0.5μに粉砕し、続いて洗浄する。
焼結剤は、CaO、CuO、SiO、CaSiO、ZnOおよびZnSiTiOから形成される群から選択された化合物をさらに含んでなることができる。
CaO、CuO、CaSiO、ZnOおよびZnSiTiOから形成される群の化合物の平均粒子径は、好ましくはd50<0.5μmである。SiO2は、好ましくは含水ゲルとして使用する。
表1に幾つかの焼結活性混合物の例を示す。
Figure 2005527118
LTCCテープに使用する電極用に選択できる材料には、特に制限は無いので、通常使用される金属または2種類以上の金属の組合せを使用することができる。電極は、白金、パラジウムおよび金から選択された貴金属で構成することができる。あるいは、電極は、卑金属のクロム、ジルコニウム、バナジウム、亜鉛、スズ、鉛、マンガン、モリブデン、タングステン、チタン、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルトおよびそれらの合金から選択された卑金属を含むことができる。好ましくは、電極は、銀、銅およびそれらの合金から形成される群から選択された電極金属で製造する。
磁気セラミック組成物の製造には、粉末製造に通常使用されている方法、例えば混合酸化物法、共沈殿、噴霧乾燥、ゾル−ゲル法、水熱法またはアルコキシド法、を使用することができる。好ましくは、混合酸化物法を使用し、出発酸化物または熱的に分解し得る化合物、例えば炭酸塩、水酸化物、シュウ酸塩または酢酸塩、を混合し、粉砕する。続いて、出発粉末を温度1000℃〜1400℃でか焼する。
該か焼した粉末を成形し、未焼成物体を形成するには、すべての通常の方法を使用できる。セラミック多層コンデンサーの場合、先ずか焼した粉末から懸濁液を製造するが、該懸濁液は、該粉末に加えて、さらなる成分として溶剤、結合剤および所望により軟化剤および分散剤を含んでなる。溶剤は、例えば水、アルコール、トルエン、キシレンまたはトリクロロエチレンでよい。結合剤には、有機重合体、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールまたはポリメチルメタクリレート、を通常使用する。軟化剤には、グリセロール、ポリエチレンオキシドまたはフタレートを使用することができる。さらに、分散剤、例えばアルキルアリールポリエーテルアルコール、ポリエチレングリコールエチルエーテルまたはオクチルフェノキシエタノール、を懸濁液に加えることができる。
本発明の別の実施態様では、該有機結合剤は、水溶性有機結合剤を含んでなる。PVA系の有機結合剤が水溶性有機結合剤として好ましい。
PVA系の有機結合剤は、官能性有機化合物の混合物である。ポリビニルアルコールは、粉末粒子を一つに結合し、セラミックホイルの形態にする主成分である。PVAは、高い凝集強度を有し、従って、良好なフィルム形成剤である。通常、PVAは10重量%水溶液として使用する。PVAのガラス転移点は約85℃であるので、純粋な重合体は室温で非常に脆く、純粋な状態で結合剤として使用すると、乾燥後に脆いセラミックホイルになり、取り扱いできなくなる。この理由から、トリエチレングリコールのような可塑剤を使用し、PVA結合剤のガラス転移点を下げる。さらに、少量の消泡剤を加え、溶解した空気を除去し易くする。湿潤剤および剥離剤のような他の薬剤をセラミック懸濁液に加え、ホイルキャスティング工程を容易にすることもできる。
好ましい方法により、フィルムキャスティング製法を使用し、この懸濁液から未焼成セラミックホイルを製造する。該フィルムキャスティング製法では、移動しているキャリヤー表面の上に懸濁液を注ぐ。溶剤を蒸発させた後、多少なりともたわみ性のフィルムが残るが、そのたわみ性は結合剤系に応じて異なる。そのフィルムを切断し、スクリーン印刷を使用し、内側電極のパターンに従って金属ペーストで印刷し、張り合わせる。このラミネートから、個別の多層テープを切断する。これらの個別多層テープを先ず僅かに還元性の雰囲気中、温度970℃〜1050℃で焼結させ、その後、僅かに酸化性の雰囲気中、温度600℃〜800℃で焼き戻しする。僅かに還元性の雰囲気には、水蒸気で飽和させた窒素に0.5〜2体積%の水素を加えたものを使用することができ、僅かに酸化性の雰囲気には、5ppm〜100ppmの酸素を含む窒素を使用することができる。
焼結セラミックは、粒子径が5μm未満の均質な微小構造を有する。
外側接点電極を形成するには、例えばニッケルを含む金属ペーストをコンデンサー末端面に塗布し、焼成工程にかける。あるいは、外側20接点は、例えば金の金属層の蒸着により形成することができる。
強磁性材料をLTCCテープシートの表面に塗布し、所望のデバイス、例えばインダクタおよび変圧器のコアおよび磁気遮へい物、を形成する。強磁性垂直相互接続部(バイアス)は、テープシートを通して穴を開け、それらの穴を強磁性インクで充填することにより、形成することができる。テープシートおよび強磁性デバイスを一つに張り合わせ、共焼成して集積構造を形成する。
強磁性デバイスを含む低温共焼成セラミックLTCC構造は、強磁性分散物またはテープから形成することができる。この分散物は、他のLTCC分散物またはペーストと同じ様式で使用し、LTCCシートの表面上に所望のパターンでスクリーン印刷し、平らな層を形成するか、または穴の中に充填し、垂直相互接続部(バイアス)を形成する。このテープを所望の形状に切断し、LTCCテープのシート表面上に配置する。
次いで、テープシートおよび強磁性デバイスをサンドイッチ状に重ね、張り合わせ、予備焼成して有機ビヒクル材料を除去し、LTCCテープおよび強磁性材料が焼結する温度(典型的には850℃)で共焼成し、一体的な共焼成セラミックテープ構造を形成する。従来のLTCC加工技術を、修正なしに応用し、本発明の構造を製造することができる。
強磁性材料は、LTCCテープと化学的に非反応性であり、LTCCテープの機械的および熱的特性にできるだけ近い特性を有するように処方する。共焼成可能であるためには、強磁性材料は、LTCC焼成プロファイルを使用して焼成できなければならない。強磁性材料は、焼成中の曲がりを阻止するために、LTCCテープとほぼ同じ収縮率(10〜15%)および収縮速度を含む熱収縮特性を有することも必要である。
本強磁性テープは、LTCCテープと同じ技術を使用して製造することができる。
例1 セラミックスラリーの製造
セラミック粉末、例えば組成Z−BaMnFe2441の磁性材料、を2〜5重量%(セラミック粉末に対して)の、立方晶系メタホウ酸亜鉛Zn132.5モル%、CuO18モル%、SiO36モル%およびZnSiTiO35モル%の混合物と脱イオン水中で混合する。スラリーの固体含有量は65重量%にすべきである。さらに、高分子電解質、最も好ましくはポリアクリル酸のアンモニウム塩0.5重量%を加え、懸濁液を安定化させ、粉末粒子の再凝集を阻止する。イットリアで安定化させたジルコニアボールで12時間ボールミル加工することにより、スラリーを均質化する。
例2 セラミックスリップの製造
以下、物質の濃度はセラミックスラリーの固体含有量に対する重量%で記載する。
セラミックスラリーをトリエチレングリコール5重量%と攪拌しながら混合する。30分後、PVA6重量%を10重量%水溶液として徐々に加える。PVAの4重量%水溶液の粘度は、20〜56cPsになるべきである。PVAの加水分解度は、88〜98%になるべきである。アルキルアミノポリエトキシポリプロポキシプロパノールのような消泡剤0.1重量%も加える。好ましくない空気を除去するために、セラミックスリップを真空中で攪拌しながら脱気する。
例3 セラミックテープのキャスティング
セラミックテープをキャスティングするために、スリップをキャスティングベルト上に薄い層として塗布する。層の厚さはキャスティングベルトの速度により調整する。続いてスリップ層を60℃で乾燥させる。乾燥後、テープをベルトから剥離し、しわを生じないようにリール上に保存する。
例4 セラミックテープの積重および焼成
未焼成セラミックテープを所望の形状に切断し、次いでスクリーン印刷によりAg/Pd(5%Pd)金属電極を取り付けることができる。次いで、圧力および熱を加えて張り合わせることにより、セラミックテープの積重構造を製造することができる。焼成工程は2段階で行う、すなわち先ず有機物質を400℃で2時間燃焼、除去し、次いで積重構造またはセラミックテープを、セラミック材料の密度が理論密度の>98%になるまで、950℃〜1000℃で1時間焼成する。
試験
本発明の強磁性材料の特性を試験するために、MeとしてMnを含むZ構造粉末を1〜4重量%の様々な量のZn13(Znボラリス)相と混合する。この混合物をすり潰し、細かい均質な粉末(すなわち約1〜2mの粒子)を得る。すり潰した後、スラリーを乾燥させ、有機結合剤を使用して造粒した。そのようにして得た顆粒から、バー(線膨脹測定用)、環状体(toroids)(磁性測定用)および平らなディスク(誘電率測定用)をプレス加工し、様々な温度で焼結させた。
大気中で焼結させる際の試料の緻密化挙動をジラトメーターで測定した。
Z−Ba3Mn2Fe24O41フェロクスプレーナは、1300℃で焼成する必要がある典型的な高焼成材料である。焼結剤として亜鉛ボラリスを添加することにより、低温における緻密化が劇的に強化される。例えば、純粋なBa3Mn2Fe24O41Z構造磁性材料の1000℃における収縮は、2%に過ぎない。この収縮は、1重量%の亜鉛ボラリスを添加した後では12%になり、4ZnO.3B2O3を3重量%添加した後では17%になる。窒素雰囲気中での焼結実験は、Z−フェロクスプレーナ材料BaMeFe2441も、亜鉛ボラリス焼結剤を使用することにより、低温で焼結し得ることを示している。磁気、誘電および絶縁特性は、空気焼成した材料の特性と類似している。下記の表に、亜鉛ボラリスを様々な量で加え、様々な温度で焼結させた試料に対する磁気および誘電特性を示す。
Figure 2005527118
表2から分かるように、特にZnボラリス2.5重量%を加えて950〜1050℃で焼成したZ−フェロクスプレーナ材料は、1.8GHzまでの高周波数領域で優れた磁気特性を与える。
また、Znボラリスを添加し、空気中、950〜1050℃で焼結させたZ−フェロクスプレーナの誘電特性も興味深い。
表3から分かるように、フェロクスプレーナ材料は、100MHz〜1.8GHzの周波数領域でε約20〜25およびtanδ=0.03〜0.04を示す誘電材料としても使用できる。
Figure 2005527118
特に亜鉛ボラリス2.5重量%を含むZ−フェロクスプレーナ材料は、いわゆるLTCC基材中で他の低焼成誘電体およびガラスセラミック材料と共焼成できる、機能的磁性セラミック層を製造するための有望な候補である。低焼成磁性材料は、例えば低域フィルターおよび減結合ユニットにおけるコイルのような、インダクタンス(inductivities)用機能的基材として好適である。1.8GHzの周波数まで成功裏に試験を行った。従って、Z−フェロクスプレーナ材料は、高周波数通信分野での使用に特に重要である。

Claims (5)

  1. 低温共焼成セラミック(LTCC)テープおよび強磁性デバイスを含んでなるハイブリッド電子回路構造であって、前記デバイスが強磁性材料から形成されてなり、前記強磁性材料が強磁性酸化物および焼結剤材料を含んでなり、前記焼結剤材料がZn13(亜鉛ボラリス)を含んでなる、ハイブリッド電子回路構造。
  2. 前記強磁性酸化物が、マグネトプランバイトおよびガーネットを包含するスピネルからなる群から選択される、請求項1に記載の構造。
  3. 前記強磁性酸化物が、Z−、M−、Y−、U−およびX−六方晶構造を有するフェロクスプレーナ酸化物の群から選択されたフェロクスプレーナである、請求項1に記載の構造。
  4. 前記焼結剤材料が、ZnO、CuO、Bi、CaCO、SrCO、BaCO、TiO、ZnSiTiOおよびGeOおよびそれらの混合物からなる群から選択された酸化物添加剤をさらに含んでなる、請求項1に記載の構造。
  5. 強磁性酸化物および焼結剤材料を含んでなり、前記焼結剤材料がZn13(亜鉛ボラリス)である、強磁性材料。
JP2004508360A 2002-05-24 2003-05-19 低温共焼成セラミックltccテープを含んでなるハイブリッド電子デバイス Withdrawn JP2005527118A (ja)

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