JP2005526720A - 5−ht2b受容体アンタゴニスト - Google Patents

5−ht2b受容体アンタゴニスト Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)の化合物:
【化1】
Figure 2005526720

[式中、R1は、H、ならびに所望により置換されていてもよいC1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキルおよびフェニル-C1-4アルキルよりなる群から選ばれる;R2およびR3は、(i)独立して、H、R、R'、SO2R、C(=O)R、(CH2)nNR5R6(ここで、nは1〜4であり、R5およびR6は、独立して、HおよびRから選ばれ、ここで、Rは、所望により置換されていてもよいC1-4アルキル基であり、R'は、所望により置換されていてもよいフェニル-C1-4アルキル基である)から選ばれるか、または(ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、所望により置換されていてもよいC5-7複素環基を形成している;
R4は、所望により置換されていてもよいC9-14アリール基である]、および医薬、特に、5-HT2B受容体の拮抗作用により軽減される症状の治療のための医薬としてのその使用に関する。

Description

本発明は5-HT2B受容体アンタゴニスト、そのような化合物を含む医薬組成物、ならびに種々の疾患を治療するためのそのような化合物および組成物の使用に関する。
セロトニンは、5-ヒドロキシトリプタミン(5-HT)とも称され、多様かつ複雑な薬理学的特性を有する神経伝達物質である。5-HTは、いくつかの別々の5-HT受容体を介して作用する。現在、14個のセロトニン受容体サブタイプが確認されており、5-HT1〜5-HT7の7つのファミリーに分けられる。5-HT2ファミリーにおいては、5-HT2A、5-HT2Bおよび5-HT2Cサブタイプが存在することが公知である。5-HT受容体の命名および分類はMartinおよびHumphrey, Neuropharm., 33, 261-273 (1994)ならびにHoyerら, Pharm. Rev., 46, 157-203 (1994)に概説されている。
多数の医学的障害における5-HT2B受容体の役割を示唆する証拠が存在するため、5-HT2B受容体アンタゴニストは、これらの障害に罹患した患者に対して有益な効果をもたらすと考えられる。それらには、消化管の障害、特に、運動性の変化を伴う障害、特に過敏性腸管症候群(WO 01/08668);胃運動性の障害、消化不良、GERD、タキガストリア;片頭痛/神経性疼痛(WO 97/44326);疼痛(米国特許第5 958 934号);不安(WO 97/44326);抑うつ(WO 97/44326);良性前立腺肥大(米国特許第5 952 331号);睡眠障害(WO 97/44326);パニック障害、強迫性障害、アルコール中毒、高血圧、神経性食欲不振および持続勃起症(WO 97/44326);喘息および閉塞性気道疾患(米国特許第5 952 331号);失禁および膀胱機能不全(WO 96/24351);失禁および膀胱機能不全(WO 96/24351);子宮の障害、例えば月経障害、早産、産後リモデリング、子宮内膜症および線維症;肺高血圧(Launay, J.M.ら, Nature Medicine, 8(10), 1129-1135 (2002))が含まれるが、これらに限定されるものではない。
WO 97/44326は、アリールピリミジン誘導体および選択的5-HT2Bアンタゴニストとしてのその使用を記載している。しかし、この出願は多数の化合物を開示しているが、好ましくは5-HT2Aおよび5-HT2C受容体に対して選択的である5-HT2Bアンタゴニストとして作用する更なるクラスの化合物を見出すことが望ましい。
本発明の第1の態様は、5-HT2B受容体の拮抗作用により軽減される症状の治療のための医薬の製造における式Iの化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する:
Figure 2005526720
[式中、
R1は、H、ならびに所望により置換されていてもよいC1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキルおよびフェニル-C1-4アルキルよりなる群から選ばれる;
R2およびR3は、
(i)独立して、H、R、R'、SO2R、C(=O)R、(CH2)nNR5R6(ここで、nは1〜4であり、R5およびR6は、独立して、HおよびRから選ばれ、ここで、Rは、所望により置換されていてもよいC1-4アルキル基であり、R'は、所望により置換されていてもよいフェニル-C1-4アルキル基である)から選ばれるか、または
(ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、所望により置換されていてもよいC5-7複素環基を形成している;
R4は、所望により置換されていてもよいC9-14アリール基である;
但し、R1 がHであるとき、R4の融合された環の少なくとも2つは芳香族か、炭素環原子のみを含む]。
5-HT2B受容体の拮抗作用により軽減される症状は上述したとおり、特に消化管障害を含む。
本発明の第2の態様は、治療方法において使用するための式Iの化合物またはその医薬上許容される塩を提供する:
Figure 2005526720
[式中、
R1は、H、ならびに所望により置換されていてもよいC1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキルおよびフェニル-C1-4アルキルよりなる群から選ばれる;
R2およびR3は、
(i)独立して、H、R、R'、SO2R、C(=O)R、(CH2)nNR5R6(ここで、nは1〜4であり、R5およびR6は、独立して、HおよびRから選ばれ、ここで、Rは、所望によりヒドロキシ、アルコキシ、およびアミドで置換されていてもよいC1-4アルキル基であり、R'は、所望により置換されていてもよいフェニル-C1-4アルキル基である)から選ばれるか、または
(ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、所望により置換されていてもよいC5-7複素環基を形成している;
R4は、所望により置換されていてもよいC9-14アリール基である;
但し、R1 がHであるとき、R2およびRは独立してHおよびRから選ばれ、R4は所望により置換されていてもよいナフト-1-イルである]。
本発明の第3の態様は、第1の態様において定義された式Iの化合物またはその医薬上許容される塩と製薬上許容される担体または希釈剤とを含んでなる医薬組成物を提供する。
本発明の第4の態様は、式Iの化合物またはその塩、溶媒和物および化学的に保護された形態を提供する:
Figure 2005526720
[式中、
R1は、所望により置換されていてもよいC1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキルおよびフェニル-C1-4アルキルよりなる群から選ばれる;
R2およびR3は、
(i)独立して、H、R、R'、SO2R、C(=O)R、(CH2)nNR5R6(ここで、nは1〜4であり、R5およびR6は、独立して、HおよびRから選ばれ、ここで、Rは、所望によりヒドロキシ、アルコキシ、およびアミドで置換されていてもよいC1-4アルキル基であり、R'は、所望により置換されていてもよいフェニル-C1-4アルキル基である)から選ばれるか、または
(ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、所望により置換されていてもよいC5-7複素環基を形成している;
R4は、所望により置換されていてもよいC9-14アリール基である]。
本発明のもう1つの態様は、本発明の第1の態様において記載した式Iの化合物またはその医薬上許容される塩の有効量を、治療を要する患者に投与することを含んでなる、5-HT2B受容体の拮抗作用により軽減しうる症状の治療方法を提供する。
5-HT2B受容体の拮抗作用により軽減しうる症状は前記のとおりであり、特に、消化管の障害を含む。
前記化合物は5-HT2Aおよび5-HT2C受容体に対して選択的であることが好ましい。
定義
C1-6 アルキル基: 本明細書中で用いる「C1-6アルキル」なる語は、飽和または不飽和でありうる、1〜6個の炭素原子を有する非環状炭化水素化合物の炭素原子から水素原子を除去することにより得られる一価部分を意味する。
飽和C1-6アルキル基の具体例には、メチル (C1);エチル (C2);直鎖状(n-プロピル)または分枝状(iso-プロピル)でありうるプロピル (C3);直鎖状(n-ブチル)または分枝状(iso-ブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチル)でありうるブチル (C4);直鎖状(n-ペンチル、アミル)または分枝状(iso-ペンチル、neo-ペンチル)でありうるペンチル (C5);直鎖状(n-ヘキシル)または分枝状でありうるヘキシル (C6)が含まれる。
C1-6アルケニル(それが二重結合を含む場合)またはC1-6アルキニル(それが三重結合を含む場合)基と称されうる不飽和C1-6アルキル基の具体例には、エテニル(ビニル、-CH=CH2)、エチニル(-C≡CH)、1-プロペニル(-CH=CH-CH3)、2-プロペニル(アリル、-CH-CH=CH2)、2-プロピニル(プロパルギル、-CH2-C≡CH)、イソプロペニル(-C(CH3)=CH2)、ブテニル (C4)、ペンテニル (C5) およびヘキセニル (C6) が含まれる。
C3-7シクロアルキル: 本明細書中で用いる「C3-7シクロアルキル」なる語は、環状基でもあるアルキル基、すなわち、環状炭化水素(炭素環式)化合物の脂環式環原子から水素原子を除去することにより得られる、3〜7個の環原子を有する一価部分を意味する。
飽和シクロアルキル基の具体例には、シクロプロパン (C3)、シクロブタン (C4)、シクロペンタン (C5)、シクロヘキサン (C6)およびシクロヘプタン (C7)に由来する飽和シクロアルキル基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
不飽和シクロアルキル基の具体例には、シクロブテン (C4)、シクロペンテン (C5)、シクロヘキセン (C6)およびシクロヘプテン (C7)に由来する不飽和シクロアルキル基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル: 本明細書中で用いる「C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル」なる語は、飽和または不飽和でありうる、1〜4個の炭素原子を有する非環状炭化水素化合物の炭素原子から水素原子を除去することにより得られる一価部分(C1-4アルキル)であって、それ自体がC3-7シクロアルキル基により置換されているものを意味する。
C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル基の具体例には、シクロヘキシルエタン (C6-C2) およびシクロペンチルプロペン (C5-C3) に由来するものが含まれるが、これらに限定されるものではない。
フェニル-C1-4アルキル:本明細書中で用いる「フェニル-C1-4アルキル」なる語は、飽和または不飽和でありうる、1〜4個の炭素原子を有する非環状炭化水素化合物の炭素原子から水素原子を除去することにより得られる一価部分(C1-4アルキル)であって、それ自体がフェニル基(C6H5-)により置換されているものを意味する。
フェニル-C1-4アルキル基の具体例には、ベンジル (フェニル-CH2-)、ならびにフェニルエタン (フェニル-C2) およびフェニルプロペン (フェニル-C3) 基に由来するものが含まれるが、これらに限定されるものではない。
C5-7 ヘテロシクリル: 本明細書中で用いる「C5-7ヘテロシクリル」なる語は、複素環式化合物の環原子から水素原子を除去することにより得られる、5〜7個の環原子を有しそのうちの1〜4個が環へテロ原子である一価部分を意味する。特に、R2およびR3が、それらが結合している窒素原子と一緒になってC5-7複素環を形成している場合には、少なくとも1つの環原子は窒素である。
少なくとも1つの窒素原子を有するC5-7ヘテロシクリル基の具体例には、以下のものに由来するものが含まれるが、これらに限定されるものではない:
N1:ピロリジン(テトラヒドロピロール)(C5)、ピロリン(例えば、3-ピロリン、2,5-ジヒドロピロール) (C5)、2H-ピロールまたは3H-ピロール(イソピロール、イソアゾール) (C5)、ピペリジン (C6)、ジヒドロピリジン (C6)、テトラヒドロピリジン (C6)、アゼピン (C7);
N2:イミダゾリジン (C5)、ピラゾリジン(ジアゾリジン) (C5)、イミダゾリン (C5)、ピラゾリン(ジヒドロピラゾール) (C5)、ピペラジン (C6);
N1O1:テトラヒドロオキサゾール (C5)、ジヒドロオキサゾール (C5)、テトラヒドロイソオキサゾール (C5)、ジヒドロイソオキサゾール (C5)、モルホリン (C6)、テトラヒドロオキサジン (C6)、ジヒドロオキサジン (C6)、オキサジン (C6);
N1S1:チアゾリン (C5)、チアゾリジン (C5)、チオモルホリン (C6);
N2O1:オキサジアジン (C6);
N1O1S1:オキサチアジン (C6)。
C9-14アリール:本明細書中で用いる「C9-14アリール」なる語は、少なくとも2つの縮合環を有する芳香族化合物の芳香環原子から水素原子を除去することにより得られる、9〜14個の環原子を有する一価部分を意味する。
該環原子はすべて、「カルボアリール基」(例えば、C9-14カルボアリール)の場合のように炭素原子でありうる。
カルボアリール基の具体例には、ナフタレン (C10)、アズレン (C10)、アントラセン (C14) およびフェナントレン (C14)に由来するカルボアリール基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
縮合環を含みそのうちの少なくとも1つが芳香環であるアリール基の具体例には、インデン (C9)、イソインデン (C9)、テトラリン (C10) およびフルオレン (C13)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
あるいは、該環原子は、「ヘテロアリール基」(例えば、C9-14ヘテロアリール)の場合のように1以上のヘテロ原子を含みうる。
ヘテロアリール基の具体例には、以下のものが含まれるが、それらに限定されるものではない:
ベンゾフラン (O1)、イソベンゾフラン(O1)、インドール (N1)、イソインドール (N1)、インドリジン (N1)、インドリン (N1)、イソインドリン (N1)、プリン (N4) (例えば、アデニン、グアニン)、ベンゾイミダゾール (N2)、インダゾール (N2)、ベンゾオキサゾール (N1O1)、ベンゾイソオキサゾール (N1O1)、ベンゾジオキソール (O2)、ベンゾフラザン (N2O1)、ベンゾトリアゾール (N3)、ベンゾチオフェン (S1)、ベンゾチアゾール (N1S1)、ベンゾチアジアゾール (N2S) に由来するC9ヘテロアリール基(2個の縮合環を有するもの);
クロメン (O1)、イソクロメン (O1)、クロマン (O1)、イソクロマン (O1)、ベンゾジオキサン (O2)、キノリン (N1)、イソキノリン (N1)、キノリジン (N1)、ベンゾオキサジン (N1O1)、ベンゾジアジン (N2)、ピリドピリジン (N2)、キノキサリン (N2)、キナゾリン (N2)、シンノリン (N2)、フタラジン (N2)、ナフチリジン (N2)、プテリジン (N4) に由来するC10ヘテロアリール基(2個の縮合環を有するもの);
ベンゾアゼピン (N1)、5-オキサ-9-アザ-ベンゾシクロヘプテン (N1O1) に由来するC11ヘテロアリール基(2個の縮合環を有するもの);
カルバゾール (N1)、ジベンゾフラン (O1)、ジベンゾチオフェン (S1)、カルボリン (N2)、ペリミジン (N2)、ピリドインドール (N2) に由来するC13ヘテロアリール基(3個の縮合環を有するもの);および
アクリジン (N1)、キサンテン (O1)、チオキサンテン (S1)、オキサントレン (O2)、フェノキサチイン (O1S1)、フェナジン (N2)、フェノキサジン (N1O1)、フェノチアジン (N1S1)、チアントレン (S2)、フェナントリジン (N1)、フェナントロリン (N2)、フェナジン (N2) に由来するC14ヘテロアリール基(3個の縮合環を有するもの)。
前記のC9-14アリール基には、可能な芳香環原子のいずれかから水素原子を除去することにより形成される基が含まれる。この除去により形成される基は、2以上の可能性がある場合には、水素が除去された環原子の数により表されうる。例えばナフタレン (C10) に由来するカルボアリール基はナフト1-イルまたはナフト-2-イルでありうる。アズレン (C10) に由来するカルボアリール基はアズル-1-イル、アズル-2-イル、アズル-4-イル、アズル-5-イルおよびアズル-6-イルでありうる。例えばイソキノリンに由来するヘテロアリール基はイソキノール-x-イル(x-イソキノリル)(ここで、xは1、3、4、5、6、7または8でありうる)でありうる。
本明細書中で用いる「所望により置換されていてもよい」なる表現は、前記の親基が非置換であっても、あるいは以下の置換基の1つにより置換されていてもよいことを意味する:
C1-20アルキル基: 本明細書中で用いる「C1-20アルキル」なる語は、脂肪族または脂環式でありうる、また、飽和、部分不飽和または完全不飽和でありうる、(特に示されていない限り)1〜20個の炭素原子を有する炭化水素化合物の炭素原子から水素原子を除去することにより得られる一価部分を意味する。したがって、「アルキル」なる語は、後記のアルケニル、アルキニルおよびシクロアルキルのサブクラスを含む。
この場合、接頭語(例えば、C1-4、C1-7、C1-20、C2-7、C3-7など)は炭素原子の数または炭素原子の数の範囲を示す。例えば、本明細書中で用いる「C1-4アルキル」なる語は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。アルキル基の具体例には、C1-4アルキル(「低級アルキル」)、C1-7アルキルおよびC1-20アルキルが含まれる。
飽和アルキル基の具体例には、メチル (C1)、エチル (C2)、プロピル (C3)、ブチル (C4)、ペンチル (C5)、ヘキシル (C6)、ヘプチル (C7)、オクチル (C8)、ノニル (C9)、デシル (C10)、n-ウンデシル (C11)、ドデシル (C12)、トリデシル (C13)、テトラデシル (C14)、ペンタデシル (C15) およびエイコデシル (C20) が含まれるが、これらに限定されるものではない。
飽和直鎖状アルキル基の具体例には、メチル (C1)、エチル (C2)、n-プロピル (C3)、n-ブチル (C4)、n-ペンチル(アミル) (C5)、n-ヘキシル (C6) およびn-ヘプチル (C7) が含まれるが、これらに限定されるものではない。
飽和分枝状アルキル基の具体例には、iso-プロピル (C3)、iso-ブチル (C4)、sec-ブチル (C4)、tert-ブチル (C4)、iso-ペンチル (C5) およびneo-ペンチル (C5) が含まれる。
シクロアルキル: 本明細書中で用いる「シクロアルキル」なる語は、環状基でもあるアルキル基、すなわち、環状炭化水素(炭素環式)化合物の脂環式環原子から水素原子を除去することにより得られる、(特に示さない限り)3〜20個の環原子を有する一価部分を意味する。好ましくは、各環は3〜7個の環原子を有する。
飽和シクロアルキル基の具体例には、シクロプロパン (C3)、シクロブタン (C4)、シクロペンタン (C5)、シクロヘキサン (C6)、シクロヘプタン (C7)、ノルボルナン (C7)、ノルピナン (C7)、ノルカラン (C7)、アダマンタン (C10) およびデカリン(デカヒドロナフタレン) (C10) に由来する飽和シクロアルキル基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中で「アルキル-シクロアルキル」基とも称される飽和シクロアルキル基の具体例には、メチルシクロプロピル、ジメチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、ジメチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシルおよびジメチルシクロヘキシル、メタン、ツジャン、カラン、ピナン、ボルナン、ノルカランおよびカンフェンが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中で「アルキル-シクロアルケニル」基とも称される不飽和環状アルケニル基の具体例には、メチルシクロプロペニル、ジメチルシクロプロペニル、メチルシクロブテニル、ジメチルシクロブテニル、メチルシクロペンテニル、ジメチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニルおよびジメチルシクロヘキセニルが含まれるが、これらに限定されるものではない。
他の親シクロアルキル基に縮合した1以上の他の環を有するシクロアルキル基の具体例には、インデン (C9)、インダン(例えば、2,3-ジヒドロ-1H-インデン) (C9)、テトラリン(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン)、アセナフテン (C12)、フルオレン (C13)、フェナレン (C13)、アセフェナントレン (C15)、アセアントレン (C16) に由来するものが含まれるがこれらに限定されるものではない。例えば、2H-インデン-2-イルは、縮合した置換基(フェニル)を有するC5シクロアルキル基である。
アルケニル: 本明細書中で用いる「アルケニル」なる語は、1以上の炭素-炭素二重結合を有するアルキル基を意味する。アルケニル基の具体例には、C2-4アルケニル、C2-7アルケニル、C2-20アルケニルが含まれる。
不飽和アルケニル基の具体例には、エテニル(ビニル、-CH=CH2)、1-プロペニル(-CH=CH-CH3)、2-プロペニル(アリル、-CH-CH=CH2)、イソプロペニル(-C(CH3)=CH2)、ブテニル (C4)、ペンテニル (C5) およびヘキセニル (C6) が含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中で「シクロアルケニル」基とも称される不飽和環状アルケニル基の具体例には、シクロプロペニル (C3)、シクロブテニル (C4)、シクロペンテニル (C5) およびシクロヘキセニル (C6) が含まれるが、これらに限定されるものではない。
アルキニル: 本明細書中で用いる「アルキニル」なる語は、1以上の炭素-炭素三重結合を有するアルキル基を意味する。アルキニル基の具体例には、C2-4アルキニル、C2-7アルキニル、C2-20アルキニルが含まれる。
不飽和アルキニル基の具体例には、エチニル(-C≡CH)および2-プロピニル(プロパルギル, -CH2-C≡CH)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
C3-20ヘテロシクリル基: 本明細書中で用いる「C3-20ヘテロシクリル」なる語は、複素環式化合物の環原子から水素原子を除去することにより得られる、(特に示さない限り)3〜20個の環原子を有しそのうちの1〜10個が環へテロ原子である一価部分を意味する。好ましくは、各環は3〜7個の環原子を有し、そのうちの1〜4個は環へテロ原子である。
この場合、接頭語(例えば、C3-20、C3-7、C5-6など)は、炭素原子であるかヘテロ原子であるかには無関係に環原子の数または環原子の数の範囲を示す。例えば、本明細書中で用いる「C5-6ヘテロシクリル」なる語は、5または6個の環原子を有するヘテロシクリル基を意味する。ヘテロシクリル基の具体例には、C3-20ヘテロシクリル、C3-7ヘテロシクリル、C5-7ヘテロシクリルが含まれる。
単環式ヘテロシクリル基の具体例には、以下のものに由来するものが含まれるが、それらに限定されるものではない:
N1: アジリジン (C3)、アゼチジン (C4)、ピロリジン(テトラヒドロピロール) (C5)、ピロリン(例えば、3-ピロリン、2,5-ジヒドロピロール)(C5)、2H-ピロールまたは3H-ピロール(イソピロール、イソアゾール)(C5)、ピペリジン (C6)、ジヒドロピリジン (C6)、テトラヒドロピリジン (C6)、アゼピン (C7);
O1: オキシラン (C3)、オキセタン (C4)、オキソラン(テトラヒドロフラン) (C5)、オキソール(ジヒドロフラン) (C5)、オキサン(テトラヒドロピラン) (C6)、ジヒドロピラン (C6)、ピラン (C6)、オキセピン (C7);
S1: チイラン (C3)、チエタン (C4)、チオラン(テトラヒドロチオフェン) (C5)、チアン(テトラヒドロチオピラン) (C6)、チエパン (C7);
O2: ジオキソラン (C5)、ジオキサン (C6) およびジオキセパン (C7);
O3: トリオキサン (C6);
N2: イミダゾリジン (C5)、ピラゾリジン(ジアゾリジン) (C5)、イミダゾリン (C5)、ピラゾリン(ジヒドロピラゾール) (C5)、ピペラジン (C6);
N1O1: テトラヒドロオキサゾール (C5)、ジヒドロオキサゾール (C5)、テトラヒドロイソオキサゾール (C5)、ジヒドロイソオキサゾール (C5)、モルホリン (C6)、テトラヒドロオキサジン (C6)、ジヒドロオキサジン (C6)、オキサジン (C6);
N1S1: チアゾリン (C5)、チアゾリジン (C5)、チオモルホリン (C6);
N2O1: オキサジアジン (C6);
O1S1: オキサチオール (C5) およびオキサチアン(チオキサン) (C6);ならびに
N1O1S1: オキサチアジン (C6)。
ハロ: -F、-Cl、-Brおよび-I
ヒドロキシ: -OH
エーテル: -OR、ここで、Rは、エーテル置換基、例えばC1-7アルキル基(後記のとおり、C1-7アルコキシ基とも称される)、C3-20ヘテロシクリル基(C3-20ヘテロシクリルオキシ基とも称される)またはC5-20アリール基(C5-20アリールオキシ基とも称される)、好ましくはC1-7アルキル基である。
C1-7アルコキシ: RがC1-7アルキル基である-OR、C1-7アルコキシ基の具体例には、-Ome(メトキシ)、-Oet(エトキシ)、-O(nPr)(n-プロポキシ)、-O(iPr)(イソプロポキシ)、-O(nBu)(n-ブトキシ)、-O(sBu)(sec-ブトキシ)、-O(iBu)(イソブトキシ)および-O(tBu)(tert-ブトキシ)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
オキソ(ケト、-オン): =O
チオン(チオケトン): =S
イミノ(イミン): =NR、ここで、Rはイミノ置換基、例えば水素、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくは水素またはC1-7アルキル基である。イミノ基の具体例には、=NH、=NMe、=NEtおよび=NPhが含まれるが、これらに限定されるものではない。
ホルミル(カルボアルデヒド、カルボキサアルデヒド): -C(=O)H
アシル(ケト): -C(=O)R、ここで、Rはアシル置換基、例えばC1-7アルキル基(C1-7アルキルアシルまたはC1-7アルカノイルとも称される)、C3-20ヘテロシクリル基(C3-20ヘテロシクリルアシルとも称される)またはC5-20アリール基(C5-20アリールアシルとも称される)、好ましくはC1-7アルキル基である。アシル基の具体例には、-C(=O)CH3(アセチル)、-C(=O)CH2CH3(プロピオニル)、-C(=O)C(CH3)3 (t-ブチル)および-C(=O)Ph(ベンゾイル、フェノン)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
カルボキシ(カルボン酸): -C(=O)OH
チオカルボキシ(チオカルボン酸): -C(=S)SH
チオロカルボキシ(チオロカルボン酸): -C(=O)SH
チオノカルボキシ(チオノカルボン酸): -C(=S)OH
イミド酸: -C(=NH)OH
ヒドロキサム酸: -C(=NOH)OH
エステル(カルボキシラート、カルボン酸エステル、オキシカルボニル): -C(=O)OR、ここで、Rはエステル置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。エステル基の具体例には、-C(=O)OCH3、-C(=O)OCH2CH3、-C(=O)OC(CH3)3および-C(=O)Ophが含まれる。
アシルオキシ(逆エステル): -OC(=O)R、ここで、Rはアシルオキシ置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。アシルオキシ基の具体例には、-OC(=O)CH3(アセトキシ)、-OC(=O)CH2CH3、-OC(=O)C(CH3)3、-OC(=O)Phおよび-OC(=O)CH2Phが含まれるが、これらに限定されるものではない。
オキシカルボイルオキシ: -OC(=O)OR、ここでRはエステル置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。エステル基の具体例には、-OC(=O)OCH3、-OC(=O)OCH2CH3、-OC(=O)OC(CH3)3 および-OC(=O)OPhが含まれるが、これらに限定されるものではない。
アミド(カルバモイル、カルバミル、アミノカルボニル、カルボキサミド): -C(=O)NR1R2、ここで、R1およびR2は、独立して、アミノ基に関して定義されたアミノ置換基である。アミド基の具体例には、-C(=O)NH2、-C(=O)NHCH3、-C(=O)N(CH3)2、-C(=O)NHCH2CH3 および-C(=O)N(CH2CH3)2、ならびにR1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、例えばピペリジノカルボニル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニルおよびピペラジノカルボニルにおける複素環構造を形成しているアミド基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
アシルアミド(アシルアミノ): -NR1C(=O)R2、ここで、R1はアミド置換基、例えば水素、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくは水素またはC1-7アルキル基であり、R2はアシル置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくは水素またはC1-7アルキル基である。アシルアミド基の具体例には、-NHC(=O)CH3、-NHC(=O)CH2CH3および-NHC(=O)Phが含まれるが、これらに限定されるものではない。R1とR2とは一緒になって、例えばスクシンイミジル、マレイミジルおよびフタルイミジルにおける環構造を形成していてもよい。
Figure 2005526720
チオアミド(チオカルバミル): -C(=S)NR1R2、ここで、R1およびR2は、独立して、アミノ基に関して定義されたアミノ置換基である。チオアミド基の具体例には、-C(=S)NH2、-C(=S)NHCH3、-C(=S)N(CH3)2 および-C(=S)NHCH2CH3が含まれるが、これらに限定されるものではない。
ウレイド: -N(R1)CONR2R3、ここで、R2およびR3は、独立して、アミノ基に関して定義されたアミノ置換基であり、R1はウレイド置換基、例えば水素、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくは水素またはC1-7アルキル基である。ウレイド基の具体例には、-NHCONH2、-NHCONHMe、-NHCONHEt、-NHCONMe2、-NHCONEt2、-NMeCONH2、-NMeCONHMe、-NMeCONHEt、-NMeCONMe2 および-NMeCONEt2が含まれるが、これらに限定されるものではない。
グアニジノ: -NH-C(=NH)NH2
テトラゾリル: 4個の窒素原子と1個の炭素原子とを有する5員芳香環。
Figure 2005526720
アミノ: -NR1R2、ここで、R1およびR2は、独立して、アミノ置換基、例えば水素、C1-7アルキル基(C1-7アルキルアミノまたはジC1-7アルキルアミノとも称される)、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはHまたはC1-7アルキル基、あるいは「環状」アミノ基の場合には、R1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4〜8個の環原子を有する複素環を形成している。アミノ基は第1級(-NH2)、第2級(-NHR1)または第3級(-NHR1R2)であることが可能であり、陽イオン形態においては第4級(-+NR1R2R3)となりうる。アミノ基の具体例には、-NH2、-NHCH3、-NHC(CH3)2、-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2および-NHPhが含まれるが、これらに限定されるものではない。環状アミノ基の具体例には、アジリジノ、アゼチジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノおよびチオモルホリノが含まれるが、これらに限定されるものではない。
アミジン(アミジノ): -C(=NR)NR2、ここで、各Rはアミジン置換基、例えば水素、C1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはHまたはC1-7アルキル基である。アミジン基の具体例には、-C(=NH)NH2、-C(=NH)NMe2 および-C(=NMe)NMe2が含まれるが、これらに限定されるものではない。
ニトロ: -NO2
ニトロソ: -NO
シアノ(ニトリル、カルボニトリル): -CN
スルフヒドリル(チオール、メルカプト): -SH
チオエーテル(スルフィド): -SR、ここで、Rはチオエーテル置換基、例えばC1-7アルキル基(C1-7アルキルチオ基とも称される)、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。C1-7アルキルチオ基の具体例には、-SCH3 および-SCH2CH3が含まれるが、これらに限定されるものではない。
ジスルフィド: -SS-R、ここで、Rはジスルフィド置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基(本明細書中ではC1-7アルキルジスルフィドとも称される)である。C1-7アルキルジスルフィド基の具体例には、-SSCH3 および-SSCH2CH3が含まれるが、これらに限定されるものではない。
スルフィン(スルフィニル、スルホキシド): -S(=O)R、ここで、Rはスルフィン置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルフィン基の具体例には、-S(=O)CH3 および-S(=O)CH2CH3が含まれるが、これらに限定されるものではない。
スルホン(スルホニル): -S(=O)2R、ここで、Rはスルホン置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくは、例えばフッ素化または過フッ素化C1-7アルキル基を含むC1-7アルキル基である。スルホン基の具体例には、-S(=O)2CH3(メタンスルホニル、メシル)、-S(=O)2CF3(トリフリル)、-S(=O)2CH2CH3(エシル)、-S(=O)2C4F9(ノナフリル)、-S(=O)2CH2CF3(トレシル)、-S(=O)2CH2CH2NH2(タウリル)、-S(=O)2Ph(フェニルスルホニル、ベシル)、4-メチルフェニルスルホニル(トシル)、4-クロロフェニルスルホニル(クロシル)、4-ブロモフェニルスルホニル(ブロシル)、4-ニトロフェニル(ノシル)、2-ナフタレンスルホナート(ナプシル)および5-ジメチルアミノ-ナフタレン-1-イルスルホナート(ダンシル)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
スルフィン酸(スルフィノ): -S(=O)OH、-SO2H
スルホン酸(スルホ): -S(=O)2OH、-SO3H
スルフィナート(スルフィン酸エステル): -S(=O)OR、ここで、Rはスルフィナート置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルフィナート基の具体例には、-S(=O)OCH3(メトキシスルフィニル;メチルスルフィナート)および-S(=O)OCH2CH3 (エトキシスルフィニル;エチルスルフィナート)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
スルホナート(スルホン酸エステル): -S(=O)2OR、ここで、Rはスルホナート置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルホナート基の具体例には、-S(=O)2OCH3(メトキシスルホニル;メチルスルホナート)および-S(=O)2OCH2CH3(エトキシスルホニル;エチルスルホナート)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
スルフィニルオキシ: -OS(=O)R、ここで、Rはスルフィニルオキシ置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルフィニルオキシ基の具体例には、-OS(=O)CH3 および-OS(=O)CH2CH3が含まれるが、これらに限定されるものではない。
スルホニルオキシ: -OS(=O)2R、ここで、Rはスルホニルオキシ置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルホニルオキシ基の具体例には、-OS(=O)2CH3(メシラート)および-OS(=O)2CH2CH3(エシラート)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
スルファート: -OS(=O)2OR、ここで、Rはスルファート置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルファート基の具体例には、-OS(=O)2OCH3 および-SO(=O)2OCH2CH3が含まれるが、これらに限定されるものではない。
スルファミル(スルファモイル;スルフィン酸アミド;スルフィンアミド): -S(=O)NR1R2、ここで、R1およびR2は、独立して、アミノ基に関して定義されたアミノ置換基である。スルファミル基の具体例には、-S(=O)NH2、-S(=O)NH(CH3)、-S(=O)N(CH3)2、-S(=O)NH(CH2CH3)、-S(=O)N(CH2CH3)2 および-S(=O)NHPhが含まれるが、これらに限定されるものではない。
スルホンアミド(スルフィナモイル;スルホン酸アミド;スルホンアミド): -S(=O)2NR1R2、ここで、R1およびR2は、独立して、アミノ基に関して定義されたアミノ置換基である。スルホンアミド基の具体例には、-S(=O)2NH2、-S(=O)2NH(CH3)、-S(=O)2N(CH3)2、-S(=O)2NH(CH2CH3)、-S(=O)2N(CH2CH3)2および-S(=O)2NHPhが含まれるが、これらに限定されるものではない。
スルファミノ: -NR1S(=O)2OH、ここで、R1は、アミノ基に関して定義されたアミノ置換基である。スルファミノ基の具体例には、-NHS(=O)2OHおよび-N(CH3)S(=O)2OHが含まれるが、これらに限定されるものではない。
スルホンアミノ: -NR1S(=O)2R、ここで、R1は、アミノ基に関して定義されたアミノ置換基であり、Rはスルホンアミノ置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルホンアミノ基の具体例には、-NHS(=O)2CH3 および-N(CH3)S(=O)2C6H5が含まれるが、これらに限定されるものではない。
スルフィンアミノ: -NR1S(=O)R。ここで、R1は、アミノ基に関して定義されたアミノ置換基であり、Rはスルフィンアミノ置換基、例えばC1-7アルキル基、C3-20ヘテロシクリル基またはC5-20アリール基、好ましくはC1-7アルキル基である。スルフィンアミノ基の具体例には、-NHS(=O)CH3 および-N(CH3)S(=O)C6H5が含まれるが、これらに限定されるものではない。
前記の置換基自体は、それら自体の1以上により更に置換されていてもよい。
他の形態の包含
特に示さない限り、前記のものには、これらの置換基のよく知られたイオン形態、塩形態、溶媒和形態および保護形態が含まれる。例えば、カルボン酸(-COOH)に対する言及は、陰イオン(カルボキシラート)形態(-COO-)、その塩または溶媒和物、および通常の保護形態をも含む。同様に、アミノ基に対する言及は、プロトン化形態(-N+HR1R2)、該アミノ基の塩または溶媒和物、例えば塩酸塩、およびアミノ基の通常の保護形態を含む。同様に、ヒドロキシル基に対する言及は、陰イオン形態(-O-)、その塩または溶媒和物、およびヒドロキシル基の通常の保護形態をも含む。
異性体、塩、溶媒和物および保護形態
ある化合物は、1以上の特定の幾何異性体、光学異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、エピマー、立体異性体、互変異性体、配座異性体またはアノマーとして存在しうる。それらには、シスおよびトランス型;EおよびZ型;c、tおよびr型;エンドおよびエキソ型;R、Sおよびメソ型;DおよびL型;dおよびl型;(+)および(-)型;ケト、エノールおよびエノラート型;シンおよびアンチ型;シンクリナルおよびアンチクリナル型;αおよびβ型;アキシアルおよびエクアトリアル型;舟、椅子、ねじれ、封筒および半椅子(halfchair)型;ならびにこれらの組合せが含まれ、以下、それらを「異性体」(または「異性型」)と総称することとする。
後記のとおり互変異性体を除き、本明細書中で用いる「異性体」なる語からは、構造異性体(すなわち、空間における原子の位置だけではなく原子間の結合において異なる異性体)は特に除外されることに注目すべきである。例えば、メトキシ基-OCH3に対する言及は、その構造異性体であるヒドロキシメチル基-CH2OHに対する言及であると解釈されるべきではない。同様に、オルト-クロロフェニルに対する言及は、その構造異性体であるメタ-クロロフェニルに対する言及であると解釈されるべきではない。しかし、構造体のクラスに対する言及は、そのクラスに含まれる構造異性体を含むのはもっともなことである(例えば、C1-7アルキルはn-プロピルおよびiso-プロピルを含み、ブチルはn-、iso-、sec-およびtert-ブチルを含み、メトキシフェニルはオルソ-、メタ-およびパラ-メトキシフェニルを含む)。
前記の除外は、互変異性体、例えば以下の互変異性体のペアにおける例えばケト、エノールおよびエノラート型には該当しない:ケト/エノール(以下に示すとおり)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、N-ニトロソ/ヒドロキシアゾ、およびニトロ/アシニトロ。
Figure 2005526720
「異性体」なる語には、1以上の同位体置換を有する化合物が特に含まれることに注目すべきである。例えば、Hは、1H、2H (D) および3Hを含む任意の同位体形態でありうる。Cは、12C、13C および14Cを含む任意の同位体形態でありうる。Oは、16O および18Oを含む任意の同位体形態でありうる、などである。
特に示さない限り、個々の化合物に対する言及はすべて、そのラセミ混合物および他の混合物を(全体的または部分的に)含むそのような異性体形態を含む。そのような異性体の製造方法(例えば、不斉合成)および分離方法(例えば、分別晶出およびクロマトグラフィー法)は当技術分野で公知であるか、または本明細書中に教示されている方法もしくは公知方法を公知の様態で応用することにより容易に得られる。
特に示さない限り、個々の化合物に対する言及は、例えば後記のとおりの、そのイオン形態、塩形態、溶媒和形態および保護形態をも含む。
活性化合物の対応塩、例えば医薬上許容される塩を製造し、精製し、および/または取り扱うことが簡便または望ましいかもしれない。医薬上許容される塩の具体例は、Bergeら, 1977, “Pharmaceutically Acceptable Salts," J. Pharm. Sci., Vol. 66, pp. 1-19に記載されており、これは参照として本明細書に組み入れる。
例えば、該化合物が陰イオン性である場合または陰イオン性となりうる官能基(例えば、-COOHは-COO-となりうる)を有する場合には、適当な陽イオンと共に塩が形成されうる。適当な無機陽イオンの具体例には、Na+ およびK+のようなアルカリ金属イオン、Ca2+およびMg2+のようなアルカリ土類陽イオン、ならびにAl+3のような他の陽イオンが含まれるが、これらに限定されるものではない。適当な有機陽イオンの具体例には、アンモニウムイオン(すなわち、NH4 +)および置換アンモニウムイオン(例えば、NH3R+、NH2R2 +、NHR3 +、NR4 +)が含まれるが、これらに限定されるものではない。いくつかの適当な置換アンモニウムイオンの具体例としては、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミンおよびトロメタミン、ならびにリシンおよびアルギニンのようなアミノ酸に由来するものが挙げられる。一般的な第4級アンモニウムイオンの一例としては、N(CH3)4 +が挙げられる。
該化合物が陽イオン性である場合又は陽イオン性となりうる官能基(例えば、-NH2は-NH3 +となりうる)を有する場合には、適当な陰イオンと共に塩が形成されうる。適当な無機陰イオンの具体例には、以下の無機酸:塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸およびリンに由来するものが含まれるが、これらに限定されるものではない。
適当な有機陰イオンの具体例には、以下の有機酸:2-アセチルオキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸および吉草酸に由来するものが含まれるが、これらに限定されるものではない。適当な高分子有機陰イオンの具体例には、以下の高分子酸:タンニン酸、カルボキシメチルセルロースに由来するものが含まれるが、これらに限定されるものではない。
該活性化合物の対応溶媒和物を製造し、精製し、および/または取り扱うことが簡便または望ましいかもしれない。「溶媒和物」なる語は、本明細書中では、溶質(例えば、活性化合物、活性化合物の塩)と溶媒との複合体を意味する通常の意味で用いられている。溶媒が水である場合には、該溶媒和物は水和物、例えば一水和物、二水和物、三水和物などと簡便に称されうる。
該活性化合物を、化学的に保護された形態として製造し、精製し、および/または取り扱うことが簡便または望ましいかもしれない。「化学的に保護された形態」なる語は、本明細書中では通常の化学上の意味で用いられており、特定された条件(例えば、pH、温度、照射、溶媒など)下の望ましくない化学反応から1以上の反応性官能基が保護された化合物を意味する。実際には、よく知られた化学的方法を用いて、特定された条件下、不活性化しなければ反応性となる官能基を可逆的に不活性化する。化学的に保護された形態においては、1以上の反応性官能基が、保護された又は保護する基(マスクされた若しくはマスクする基または遮蔽された若しくは遮蔽する基としても公知である)の形態となっている。反応性官能基を保護することにより、保護された基に影響が及ぶことなく、他の未保護反応性官能基が関わる反応が生じうる。保護基は通常、該分子の残部に実質的に影響を及ぼすことなく後続の工程で除去されうる。例えば、Protective Groups in Organic Synthesis(T. GreenおよびP. Wuts; 3rd Edition; John Wiley および Sons, 1999)参照、これは参照として本明細書中に組み入れる。
多種多様なそのような「保護」、「遮蔽」または「マスク」方法が有機合成において広く用いられており、よく知られている。例えば、特定された条件下で共に反応性となる2つの非同等な反応性官能基を有する化合物を、該官能基の1つが「保護」され従ってその特定された条件下で未反応性となるように誘導体化することができる。そのように保護された化合物は、有効に一方のみの反応性官能基を有する反応物として使用することができる。(その一方の官能基が関わる)所望の反応が完了した後、該保護基は「脱保護」されて、その元の官能基に戻ることが可能である。
例えば、ヒドロキシ基は、エーテル(-OR)またはエステル(-OC(=O)R)として、例えばt-ブチルエーテル;ベンジル、ベンズヒドリル(ジフェニルメチル)またはトリチル(トリフェニルメチル)エーテル;トリメチルシリルまたはt-ブチルジメチルシリルエーテル;あるいはアセチルエステル(-OC(=O)CH3, -OAc)として保護されうる。
例えば、アルデヒドまたはケトン基は、それぞれアセタール(R-CH(OR)2)またはケタール(R2C(OR)2)として保護されることが可能であり、この場合、カルボニル基(>C=O)は例えば第1級アルコールとの反応によりジエーテル(>C(OR)2)に変換される。該アルデヒドまたはケトン基は、酸の存在下に大過剰の水を使用する加水分解により容易に再生される。
例えば、アミン基は、例えばアミド(-NRCO-R)またはウレタン(-NRCO-OR)として、例えばメチルアミド(-NHCO-CH3);ベンジルオキシアミド(-NHCO-OCH2C6H5, -NH-Cbz);t-ブトキシアミド(-NHCO-OC(CH3)3, -NH-Boc);2-ビフェニル-2-プロポキシアミド(-NHCO-OC(CH3)2C6H4C6H5, -NH-Bpoc)、9-フルオレニルメトキシアミド(-NH-Fmoc)、6-ニトロベラトリルオキシアミド(-NH-Nvoc)、2-トリメチルシリルエチルオキシアミド(-NH-Teoc)、2,2,2-トリクロロエチルオキシアミド(-NH-Troc)、アリルオキシアミド(-NH-Alloc)、2 (-フェニルスルホニル)エチルオキシアミド(-NH-Psec)として、あるいは適当な場合(例えば、環状アミン)にはニトロオキシドラジカル(>N-O・)として保護されうる。
例えば、カルボン酸基は、エステルとして、例えばC1-7アルキルエステル(例えば、メチルエステル;t-ブチルエステル)、C1-7ハロアルキルエステル(例えば、C1-7トリハロアルキルエステル)、トリC1-7アルキルシリル-C1-7アルキルエステルまたはC5-20アリール-C1-7アルキエステル(例えば、ベンジルエステル;ニトロベンジルエステル)として、あるいはアミド、例えばメチルアミドとして保護されうる。
例えば、チオール基は、チオエーテル(-SR)として、例えばベンジルチオエーテル、アセトアミドメチルエーテル(-S-CH2NHC(=O)CH3)として保護されうる。
症状を治療するという文脈で本明細書中で用いる「治療」なる語は、一般には、例えば該症状の進行の抑制、進行速度の減少、進行速度の停止、該症状の改善および該症状の治癒を含む幾つかの望ましい治療効果が達成される、ヒトまたは動物(例えば、獣医学的適用におけるもの)の治療および療法を意味する。予防的手段(すなわち、予防)としての治療も含まれる。
本明細書中で用いる「治療的に有効な量」なる語は、所望の治療計画に従い投与された場合に、合理的な治療効果、合理的な利益/危険比に相応した何らかの所望の治療効果をもたらすのに有効である、活性化合物または活性化合物を含む物質、組成物もしくは剤形の量を意味する。適当な用量範囲は、典型的には0.01〜20mg/kg/日、好ましくは、0.1〜10mg/kg/日である。
組成物およびその投与
組成物は、任意の適当な投与経路および投与手段に適するように製剤化することができる。製薬上許容される担体または希釈剤には、経口、直腸、鼻腔、局所(頬側および舌下を含む)、膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、鞘内および硬膜外)投与に適した製剤に用いられるものが含まれる。該製剤は単位投与形として簡便に提供され、薬学分野でよく知られた方法のいずれかにより製造されうる。そのような方法は、1以上の補助成分を構成する担体と有効成分とを合する工程を含む。一般には、該製剤は、有効成分を液体担体または微細化固体担体またはそれらの両方と均一かつ十分に合し、ついで必要に応じて該産物を成型することにより製造される。
固体製剤用の通常の無毒性固体担体には、例えば、薬品等級のマンニトール、ラクトース、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどが含まれる。前記の活性化合物は、例えばポリアルキレングリコール、アセチル化トリグリセリドなどを担体として使用して坐剤として製剤化することができる。薬学的に投与されうる液体組成物は、例えば、前記の活性化合物および場合によっては医薬佐剤を担体、例えば水、食塩水、水溶性デキストロース、グリセロール、エタノールなどに溶解、分散などさせて溶液または懸濁液を形成させることにより製造することができる。所望により、投与する医薬組成物は、少量の無毒性補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝化剤など、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウラート、トリエタノールアミンナトリウムアセタート、ソルビタンモノラウラート、トリエタノールアミンオレアートなどをも含有しうる。そのような剤形を製造するための実際の方法は公知であるか、当業者に明らかである。Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania, 15th Edition, 1975を参照されたい。投与する組成物または製剤は、いずれの場合にも、治療対象の症状を軽減するのに有効な量の活性化合物を含有する。
0.25〜95%の範囲の活性成分をバランス量の無毒性担体とともに含有する剤形または組成物を製造することが可能である。
経口投与用の医薬上許容される無毒性組成物は、通常使用される賦形剤、例えば薬品等級のマンニトール、ラクトース、セルロース、セルロース誘導体、クロスカルメロースナトリウム、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどのいずれかを含有させることにより形成させる。そのような組成物は、水剤(溶液)、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、徐放製剤などの形態をとる。そのような組成物は1%〜95%、より好ましくは2〜50%、最も好ましくは5〜8%の有効成分を含有しうる。
非経口投与は、一般には、皮下、筋肉内または静脈内の注射により特徴づけられる。注射剤は、液体の溶液もしくは懸濁液、注射前に液体中に溶解もしくは懸濁するのに適した固体形態または乳濁液としての通常の形態で製造することができる。適当な賦形剤としては、例えば水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどが挙げられる。また、所望により、投与する医薬組成物は、少量の無毒性補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝化剤など、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウラート、トリエタノールアミンオレアート、トリエタノールアミンナトリウムアセタートなどをも含有しうる。
そのような親組成物中に含有される活性化合物の比率は、その具体的な性質ならびに該化合物の活性および投与対象の要求性に大きく左右される。しかし、溶液中で0.1%〜10%の有効成分比率を用いることが可能であり、該組成物が、後で前記比率に希釈される固体である場合には、該比率はそれより高くなるであろう。好ましくは、該組成物は溶液中に0.2〜2%の活性剤を含む。
略語
便宜上、多数の化学式の一部は周知の略語を使用して表されており、それには以下のものが含まれる(限定されるものではない):メチル (Me)、エチル (Et)、n-プロピル (nPr)、iso-プロピル (iPr)、n-ブチル (nBu)、sec-ブチル (sBu)、iso-ブチル (iBu)、tert-ブチル (tBu)、n-ヘキシル (nHex)、シクロヘキシル (cHex)、フェニル (Ph)、ビフェニル (biPh)、ベンジル (Bn)、ナフチル (naph)、メトキシ (MeO)、エトキシ (EtO)、ベンゾイル (Bz)、およびアセチル (Ac)。
便宜上、多数の化合物は、周知の略語を使用して表されており、それには以下のものが含まれる(限定されるものではない):メタノール (MeOH)、エタノール (EtOH)、iso-プロパノール (i-PrOH)、メチルエチルケトン (MEK)、エーテルまたはジエチルエーテル (Et2O)、酢酸 (AcOH)、ジクロロメタン (塩化メチレン, DCM)、アセトニトリル (ACN)、トリフルオロ酢酸 (TFA)、ジメチルホルムアミド (DMF)、テトラヒドロフラン (THF)、およびジメチルスルホキシド (DMSO)。
一般的合成方法
本発明の化合物は、以下の経路に従い合成することができる。
Figure 2005526720
この方法においては、適当なα-ブロモシケトンと適当に置換されたチオウレアとの縮合により2-アミノチアゾールを得る。この反応は有機溶媒中で行う。
該チアゾール環上の5-置換基は、必要に応じて親アルキルアリールケトンから入手可能なα-ブロモアルキルアリールケトンのアルキル鎖として出発物質中に存在する。
この経路のための出発ケトンは市販されているか、あるいは例えば対応ニトリル上のグリニャール反応または置換アリールのフリーデル・クラフツ反応により入手可能である。
本発明の式Iの化合物を製造するためのもう1つの方法は、2-アミノ-4-置換チアゾールとアリール ホウ酸(boronic acid)またはその誘導体とのパラジウムに触媒されるカップリング反応によるものである。該チアゾール環上の4-置換基は典型的にはハロゲン、例えばブロモ、ヨードもしくはクロロ、またはトリフルオロメタンスルホナートもしくはホスファートエステルのような基でありうる。また、該アリールホウ酸は或るマグネシウム、スズまたは亜鉛含有有機金属試薬により置換されうる。例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)のようなパラジウム触媒および炭酸ナトリウムのような無機塩基を含有する水性溶媒、例えばエタノール、水およびジメトキシエタンの混合物中、2-アミノ-4-ブロモ-チアゾールをアリールホウ酸誘導体と反応させることができる。該反応は、約80〜90℃で数時間加熱することにより行う。
Figure 2005526720
あるいは、該ホウ酸残基または等価体は該チアゾール環の4位に、該ハロゲンまたは等価体は該アリール基上に存在しうる。
前記経路のいずれにおいても、アリール基上のいずれかの置換基は、好ましくは、関連出発物質中に存在するが、必要に応じて、該分子中に存在する他の官能基を適当に保護して、該置換基を該反応スキームにおいて後で導入することが可能であろう。
好ましい形態
以下の好ましい形態は互いに組合わされることが可能であり、本発明の各態様ごとに異なりうる。
R1、R2、R3およびR4の、所望により存在していてもよい置換基は、好ましくは、独立して、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ(より好ましくはC1-4アルコキシ)、アミノ(より好ましくはNH2、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ)およびアミド(より好ましくはCONH2、C1-4アルキルアミド、C1-4ジアルキルアミド)から選ばれる。R1は、所望により置換されていてもよいC9-14アリール基であることが好ましい。
第1の態様
R1は、好ましくは、Hならびに所望により置換されていてもよいC1-6アルキルおよびC3-7シクロアルキル、より好ましくは、Hおよび所望により置換されていてもよいC1-6アルキルから選ばれる。特に好ましいのはHおよびC1-4アルキル(例えば、メチル、iso-プロピル)である。いくつかの実施形態においては、R1は置換されていなくてもよいが、R1が置換されている場合、その好ましい置換基には、ハロ、ヒドロキシおよびアミノが含まれる。
いくつかの実施形態においては、R2およびR3が共に置換されていることが好ましく、他の実施形態においては、R2およびR3の一方のみが置換されている又はそれらのいずれもが置換されていないことが好ましい。R2およびR3のそれぞれは、好ましくは、独立して、H、R、R'(ここで、RおよびR'は前記と同意義である)から選ばれ、より好ましくは、HおよびRから選ばれる。Rは、好ましくは、所望により置換されていてもよいC1-4アルキル基である。RおよびR'の好ましい置換基には、ハロ、ヒドロキシ、およびアミノが含まれる。
R4の融合された環の全てが芳香族であるか、炭素環原子のみを含むことが好ましい。
R4は、好ましくは、所望により置換されていてもよいC9-14カルボアリール、例えばナフト-1-イル(naphth-1-yl)、ナフト-2-イル、アントラセン-1-イル、アントラセン-2-イル、アントラセン-9-イル、フェナントレン-1-イル、フェナントレン-2-イル、フェナントレン-3-イルおよびフェナントレン-4-イル、フェナントレン-9-イルである。これらのうち、ナフト-1-イルおよびナフト-2-イルが好ましく、ナフト-1-イルが最も好ましい。R4の好ましい置換基には、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アミドおよびC1-4アルキルが含まれる。
特に好ましい化合物には以下のものが含まれる: 2-アミノ-5-メチル-4-(ナフト-1-イル)チアゾール (1), 2-アミノ-5-イソプロピル-4-(ナフト-1-イル)チアゾール (2); 2-アミノ-4-(ナフト-1-イル)チアゾール (3)、および 2-アミノ-4-(ナフト-2-イル)チアゾール (4)。
第2の態様
R1 は好ましくは、Hおよび所望により置換されていてもよいC1-6 アルキルおよびC3-7 シクロアルキル、より好ましくはHおよび所望により置換されていてもよいC1-6 アルキルである。特に好ましいものは、H、および C1-4 アルキル (例えば、メチル、イソプロピル)である。いくつかの実施形態では、R1 は置換されていなくてもよいが、R1が置換されている場合、その好ましい置換基は、ハロ、ヒドロキシ、およびアミノを含む。
R2 および R3 の両方が置換されている実施形態もあれば、R2 および R3 のどちらか、あるいは両方が置換されていない実施形態もある。
R2 および R3において、Rは、好ましくは、所望により置換されていてもよいC1-4 アルキル基である。R および R’の好ましい置換基には、ハロ、ヒドロキシ、およびアミノが含まれる。
R4の好ましい置換基には、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アミド、およびC1-4 アルキルが含まれる。
R1がHではない場合、R2 および R3は、好ましくは、それぞれ独立してH、R、R’から選択され(ここで、R および R’は上記で定義したとおりである)、より好ましくは、H および Rから選択される。
R1 がHではない場合、R4 は、好ましくは、所望により置換されていてもよいC9-14 カルボアリール基、例えば、ナフト-1-イル、ナフト-2-イル、アントラセン-1-イル、アントラセン-2-イル、アントラセン-9-イル、フェナントレン-1-イル、フェナントレン-2-イル、フェナントレン-3-イル および フェナントレン-4-イル、フェナントレン-9-イルである。 これらのうち、ナフト-1-イル および ナフト-2-イルがより好ましく、ナフト-1-イル が最も好ましい。
特に好ましい化合物には以下のものが含まれる: 2-アミノ-5-メチル-4-(ナフト-1-イル)チアゾール (1)、2-アミノ-5-イソプロピル-4-(ナフト-1-イル)チアゾール (2) および 2-アミノ-4-(ナフト-1-イル)チアゾール (3).
第4の態様
R1 は、所望により置換されていてもよいC1-6 アルキル および C3-7 シクロアルキルから選ばれることが好ましく、所望により置換されていてもよいC1-6 アルキルがより好ましい。特に好ましいものは C1-4 アルキル (例えば、メチル、イソプロピル)である。いくつかの実施形態では、R1は置換されていなくてもよいが、R1 が置換されている場合、好ましい置換基はハロ、ヒドロキシ、およびアミノを含む。
R2 および R3 の両方が置換されている実施形態もあれば、R2 および R3 のどちらか、あるいは両方が置換されていない実施形態もある。R2 および R3は、好ましくは、それぞれ独立してH、R、R’から選択され(ここで、R および R’は上記で定義したとおりである)、より好ましくは、H および Rから選択される。R は、好ましくは、所望により置換されていてもよいC1-4 アルキル基である。R および R’の好ましい置換基には、ハロ、ヒドロキシ、および アミノが含まれる。
R4 は、好ましくは、所望により置換されていてもよい C9-14 カルボアリール基、例えば、ナフト-1-イル、ナフト-2-イル、アントラセン-1-イル、アントラセン-2-イル、アントラセン-9-イル、フェナントレン-1-イル、フェナントレン-2-イル、フェナントレン-3-イル および フェナントレン-4-イル、フェナントレン-9-イルである。これらのうち、ナフト-1-イル および ナフト-2-イルが好ましく、ナフト-1-イルが最も好ましい。R4の好ましい置換基には、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アミドおよび C1-4 アルキルが含まれる。
特に好ましい化合物には、2-アミノ-5-メチル-4-(ナフト-1-イル)チアゾール (1) および 2-アミノ-5-イソプロピル-4-(ナフト-1-イル)チアゾール (2)が含まれる。
選択性
5-HT2Aおよび/または5-HR2C受容体よりも5-HT2B受容体を優先して拮抗する該化合物の選択性は、5-HT2BのKi(後記を参照されたい)を5-HT2A/2CのKi(後記を参照されたい)で割り算することにより定量することができる。得られた比率は、好ましくは10以上、より好ましくは100以上である。
以下の実施例は本発明を例示するものである。
2-アミノ-5-メチル-4-(ナフト-1-イル)チアゾール (1)の合成
Figure 2005526720
2-ブロモ-1-(ナフト-1-イル)-プロパン-1-オン(9.5g) およびチオウレア(6.2g)を、無水トルエン(60ml)中、100℃に2時間加熱した。冷却後、混合物を真空乾燥し、残渣をメタノール(40ml)に溶かした。希塩酸(0.5M; 250ml)を加え、得られた溶液をエーテルで2回洗浄し、水酸化ナトリウム溶液(2M)で塩基性にした。混合物をジクロロメタンおよびクロロフォルムで抽出した。有機溶媒抽出物を合わせたものを水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、真空乾燥した。残渣を酢酸エチル中で再結晶させ、標題の化合物(1)(4.45g, m.p. 194-195℃)を得た。
1H NMR (CDCl3, δ): 2.2 (3H, s); 5.0 (2H, broad s); 7.5 (4H, m); 7.9 (2H, m)
質量スペクトル(m/z): 241 (M+H)+
微量分析: C 予想値69.97実測値70.86; H予想値5.03実測値5.03; N 予想値 11.66実測値11.17
2-アミノ-5-イソプロピル-4-(ナフト-1-イル)チアゾール (2)の合成
Figure 2005526720

2-ブロモ-3-メチル-1-(ナフト-1-イル)ブタン-1-オン(4.5g)およびチオウレア(5.9g) を無水ジメチルホルムアミド(15ml)中、105℃に24時間加熱した。冷却後、混合物に重炭酸ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機溶媒抽出物を合わせたものを水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、真空乾燥した。残渣をエーテルに溶かし、塩酸(2M)で2回抽出した。水性抽出物を合わせたものを水酸化ナトリウム溶液(2M)で塩基性にし、得られた混合物をジクロロメタンで抽出した。有機溶媒抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、真空乾燥した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、0-1.5% メタノールを含むジクロロメタン、次いで33%酢酸エチルを含む石油エーテルで溶出し、表題の化合物(2)を発泡体(0.18g)として得た。
1H NMR (CDCl3, δ): 1.2 (3H, s); 2.95 (1H, septet); 4.8 (2H, broad s); 7.5 (4H, m); 7.9 (3H, m)
質量スペクトル (m/z): 269 (M+H)+
微量分析: C予想値71.61 実測値 71.45; H予想値6.01実測値6.11; N予想値10.44実測値10.02
2-アミノ-4-(ナフト-1-イル)チアゾール (3) および 2-アミノ-4-(ナフト-2-イル)チアゾール (4)
Figure 2005526720
これらの化合物は、以下に記載するアッセイで試験するため、Lancaster Synthesis UK (Morecambe, Lancashire, UK) より入手した。
ヒトクローン化5-HT2B受容体結合アッセイ
ヒトクローン化5-HT2B受容体に対する該化合物の結合アフィニティーを、以下のアッセイを用いて測定した。
クローン化5-HT2B受容体を発現するCHO-K1細胞を、400μg/mlのG418、100U/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン、2.5μg/ml フンジゾンおよび 1% ウシ胎仔血清を含有するUltra-CHO培地内に95/5% O2/CO2、37℃で維持した。該細胞を、0.25% トリプシンを使用して集め、800rpmで8分間遠心分離した。Dounceホモジナイザー(20ストローク)を使用して、1mM 二ナトリウムEDTAと1mM PMSFとを含有する450mM HEPESバッファー(pH 7)中で該細胞をホモジナイズした。該ホモジネートを2280rpm (1000g)、4℃で10分間遠心分離し、ついで上清をデカントにより取り出した。ペレットを前記のとおりに再ホモジナイズし、得られた上清を取り出し、既に得られたものと一緒にした。ついで、Sorvall遠心機を使用して、該上清溶液を18300rpm (40000g)、4℃で10分間遠心分離した。上清を取り出し、Ultra-turrax T25 Polytronを使用してペレットをpH 7.4の50mMバッファーに再懸濁させた後、前記のとおりに40000gで再び遠心分離した。この洗浄法を繰り返し、ついで該膜調製物を、使用するまで1mg/mlの濃度で-80℃で保存した。
該膜を迅速に解凍し、Tris-HCl (50mM, pH 7.4)、アスコルビン酸 (0.1%) および塩化カルシウム (4mM)を含有するアッセイバッファーで希釈した。該膜をホモジナイズしてそれを再懸濁させた後、[3H]LSD (1nM)、パルギリン (10μM)を含有するアッセイバッファー (50mM Tris、4mM 塩化カルシウムおよび0.1% アスコルビン酸) および試験化合物 (1×10-10〜1×10-4M) を含有するアッセイウェルに10〜15μgの膜を加えた。100μM 5-HTの存在下で非特異的結合を測定した。37℃で30分間のインキュベーションの後、Brandel細胞収集装置を使用して、1% ポリエチレンイミンに前浸漬されたGF-C および GF-Bフィルターの組合せで該アッセイ混合物を濾過し、50mM Tris-HClを使用して3回洗浄した。該フィルター上に残留した放射能を液体シンチレーション計数により測定した。各試験化合物について、[3H]LSDの結合を50%阻害する濃度を、曲線フィッティングソフトウェア (Prism)を使用して求めた。ついで、飽和結合研究から求めたKd値(平衡状態の受容体結合部位の50%を占拠するのに要したLSDの濃度)を使用して、以下の式により阻害解離定数(Ki)を計算した。
Figure 2005526720
結果をpKi値として後記表1に示す。このアプローチは、Kenakin, T.P. Pharmacologic analysis of drug-receptor interaction. Raven Press, New York, 2nd Editionに記載のアプローチによるものであり、これは参照として本明細書中に組み入れるものとする。
ヒト 5-HT2Aおよび5-HT2C受容体結合アッセイ
ヒト5-HT2Aおよび5-HT2C受容体に対するリガンドの結合アフィニティーを、以下のアッセイを用いて測定した。ついでこれらの結果を用いて、5-HT2Aおよび5-HT2C受容体よりも5-HT2B受容体を優先する該試験化合物の選択性を測定した。
クローン化ヒト5-HT2A受容体を発現するCHO-K1細胞からの膜調製物を入手した (Euroscreen)。該膜を迅速に解凍し、Tris-HCl (50mM, pH 7.7)を含有するアッセイバッファーで希釈した。該膜をホモジナイゼーションにより再懸濁させた後、[3H]ケタンセリン (1nM)、パルギリン (10μM)を含有するアッセイバッファー (50mM Tris、pH 7.4) および試験化合物 (1×10-10〜1×10-4M) を含有するアッセイウェルに15μgの膜を加えた。100μM ミアンセリンの存在下で非特異的結合を測定した。37℃で15分間のインキュベーションの後、Brandel細胞収集装置を使用して、0.05% Brijに前浸漬されたGF-C および GF-Bフィルターの組合せで該アッセイ混合物を濾過し、氷冷Tris-HClバッファー (50mM)を使用して3回洗浄した。該フィルター上に残留した放射能を液体シンチレーション計数により測定した。各試験化合物について、[3H]ケタンセリンの結合を50%阻害する濃度を、曲線フィッティングソフトウェア (Prism)を使用して求めた。ついで、飽和結合研究から求めたKd値(平衡状態の受容体結合部位の50%を占拠するのに要したケタンセリンの濃度)を使用して、以下の式により阻害解離定数(Ki)を計算した。
Figure 2005526720
クローン化ヒト5-HT2C受容体を発現するCHO-K1細胞からの膜調製物を入手した (Euroscreen)。該膜を迅速に解凍し、Tris-HCl (50mM, pH 7.7)、アスコルビン酸 (0.1%) およびパルギリン (10μM)を含有するアッセイバッファーで希釈した。該膜をホモジナイゼーションにより再懸濁させた後、[3H]メスレルギン (mesulergine) (1nM)、パルギリン (10μM)を含有するアッセイバッファー (50mM Tris、pH 7.4および0.1% アスコルビン酸) および試験化合物 (1×10-10〜1×10-4M) を含有するアッセイウェルに6μgの膜を加えた。100μM ミアンセリンの存在下で非特異的結合を測定した。37℃で30分間のインキュベーションの後、Brandel細胞収集装置を使用して、1% ウシ血清アルブミンに前浸漬されたGF-C および GF-Bフィルターの組合せで該アッセイ混合物を濾過し、氷冷Tris-HClバッファー (50mM)を使用して3回洗浄した。該フィルター上に残留した放射能を液体シンチレーション計数により測定した。各試験化合物について、[3H]メスレルギンの結合を50%阻害する濃度を、曲線フィッティングソフトウェア (Prism)を使用して求めた。ついで、飽和結合研究から求めたKd値(平衡状態の受容体結合部位の50%を占拠するのに要したメスレルギンの濃度)を使用して、以下の式により阻害解離定数(Ki)を計算した。
Figure 2005526720
結果をpKi値として後記表1に示す。
Figure 2005526720
ヒトクローン化5-HT2B細胞に基づく機能アッセイ
次に、ヒトクローン化5-HT2B受容体を使用する、該受容体を遮断する化合物の能力を測定するためのin vitro機能アッセイを説明する。
クローン化5-HT2B受容体を発現するCHO.K1細胞を、400μg/mlのG418、100U/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン、2.5μg/ml フンジゾンを含有するUltra-CHO培地内に95/5% O2/CO2、37℃で維持した。細胞を播く際には、1% ウシ胎仔血清で更に補足されたUltra-CHO培地を使用し、5時間後に除去した。細胞を、Costar 96ウェル白色・透明底プレート内で50,000細胞/ウェルの密度でプレーティングし、95/5% O2/CO2、37℃で少なくとも24時間インキュベートした後、該アッセイを実施した。
培地を該ウェルから除去し、200μlの4μM Fluo-4 AMを加え、これをWallace Victor 2Vワークステーションにおいて37℃で30分間インキュベートした。ついでFluo-4 AMを該ウェルから除去し、ついでそれを200μlのバッファー(カルシウム/マグネシウム/フェノールレッドを含有しないHBSS, 20mM HEPES, 1mM Ca2+, 1mM Mg2+, 2.5mM プロベネシド, pH 〜7.4)で洗浄し、180μlのバッファーまたは試験化合物を該ウェルに加え、30分間インキュベートした。535nmでの10個の0.1秒ベースライン値およびそれらに続く150個の値を得た後、Victor 2V注入器を使用して20μlの5-HTを注入した。
すべての試験化合物は、10mMで100% DMSO中でアリコート化し、50% DMSOで1mMに希釈し、後の希釈は、バッファーを使用して行った。5-HTの希釈にもバッファーを使用した。データは、Microsoft ExcelおよびGraphPad Prismを使用して解析し、後者は、各化合物のS字形用量反応曲線を得るために使用した。5-HTの応答を50%阻害する化合物濃度を得(IC50 - M)、結果をpIC50として表2に示す。pIC50は測定IC50値の(底10の場合の)負のlogである。
Figure 2005526720

Claims (21)

  1. 5-HT2B受容体の拮抗作用により軽減される症状の治療のための医薬の製造における式Iの化合物またはその医薬上許容される塩の使用:
    Figure 2005526720
    [式中、
    R1は、H、ならびに所望により置換されていてもよいC1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキルおよびフェニル-C1-4アルキルよりなる群から選ばれる;
    R2およびR3は、
    (i)独立して、H、R、R'、SO2R、C(=O)R、(CH2)nNR5R6(ここで、nは1〜4であり、R5およびR6は、独立して、HおよびRから選ばれ、ここで、Rは、所望により置換されていてもよいC1-4アルキル基であり、R'は、所望により置換されていてもよいフェニル-C1-4アルキル基である)から選ばれるか、または
    (ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、所望により置換されていてもよいC5-7複素環基を形成している;
    R4は、所望により置換されていてもよいC9-14アリール基;
    但し、R1 がHであるとき、R4の融合された環の少なくとも2つは芳香族か、炭素環原子のみを含む]。
  2. R1が、Hならびに所望により置換されていてもよいC1-6アルキルおよびC3-7シクロアルキルから選ばれる、請求項1記載の使用。
  3. R2およびR3が、独立して、H、RおよびR'から選ばれる、請求項1または請求項2記載の使用。
  4. R4の融合された環の全てが芳香族である、請求項1〜3のいずれか1項記載の使用。
  5. R4が所望により置換されていてもよいC9-14カルボアリール基である、請求項1〜3のいずれか1項記載の使用。
  6. R4がナフチル基である、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用。
  7. 5-HT2B受容体の拮抗作用により軽減される症状が消化管の障害である、請求項1〜6のいずれか1項記載の使用。
  8. 治療方法において使用するための式Iの化合物またはその医薬上許容される塩:
    Figure 2005526720
    [式中、
    R1は、H、ならびに所望により置換されていてもよいC1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキルおよびフェニル-C1-4アルキルよりなる群から選ばれる;
    R2およびR3は、
    (i)独立して、H、R、R'、SO2R、C(=O)R、(CH2)nNR5R6(ここで、nは1〜4であり、R5およびR6は、独立して、HおよびRから選ばれ、ここで、Rは、所望によりヒドロキシ、アルコキシ、およびアミドで置換されていてもよいC1-4アルキル基であり、R'は、所望により置換されていてもよいフェニル-C1-4アルキル基である)から選ばれるか、または
    (ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、所望により置換されていてもよいC5-7複素環基を形成している;
    R4は、所望により置換されていてもよいC9-14アリール基である;
    但し、R1 がHであるとき、R2およびRは独立してHおよびRから選ばれ、R4は所望により置換されていてもよいナフト-1-イルである]。
  9. R1が、Hならびに所望により置換されていてもよいC1-6アルキルおよびC3-7シクロアルキルから選ばれる、請求項9記載の化合物。
  10. R2およびR3において、Rが所望により置換されていてもよいC1-4アルキル基である、請求項8または請求項9記載の化合物。
  11. R1がHではない、請求項8〜10のいずれか1項記載の化合物。
  12. R2およびR3が、独立して、H、RおよびR'から選ばれる、請求項11記載の化合物。
  13. R4が、所望により置換されていてもよいC9-14カルボアリール基である、請求項11または請求項12記載の化合物。
  14. R4が、所望により置換されていてもよいナフト-1-イル基である、請求項13記載の化合物。
  15. 請求項8〜14のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩と製薬上許容される担体または希釈剤とを含んでなる医薬組成物。
  16. 式Iの化合物またはその塩、溶媒和物および化学的に保護された形態:
    Figure 2005526720
    [式中、
    R1は、所望により置換されていてもよいC1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキルおよびフェニル-C1-4アルキルよりなる群から選ばれる;
    R2およびR3は、
    (i)独立して、H、R、R'、SO2R、C(=O)R、(CH2)nNR5R6(ここで、nは1〜4であり、R5およびR6は、独立して、HおよびRから選ばれ、ここで、Rは、所望によりヒドロキシ、アルコキシ、およびアミドで置換されていてもよいC1-4アルキル基であり、R'は、所望により置換されていてもよいフェニル-C1-4アルキル基である)から選ばれるか、または
    (ii)それらが結合している窒素原子と一緒になって、所望により置換されていてもよいC5-7複素環基を形成している;
    R4は、所望により置換されていてもよいC9-14アリール基である]。
  17. R1が、所望により置換されていてもよいC1-6アルキルおよびC3-7シクロアルキルから選ばれる、請求項16記載の化合物。
  18. R2およびR3が、独立して、H、RおよびR'から選ばれる、請求項16または請求項17記載の化合物。
  19. R4が、所望により置換されていてもよいC9-14カルボアリール基である、請求項16〜18のいずれか1項記載の化合物。
  20. R4がナフチル基である、請求項16〜18のいずれか1項記載の化合物。
  21. 請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物またはその医薬上許容される塩の有効量を、治療の必要がある患者に投与することを含む、5-HT2B受容体の拮抗作用により軽減される症状の治療方法。
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