JP2005526519A - ヒダントインラセマーゼ - Google Patents

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Abstract

本発明は、基質阻害を被らないヒダントインラセマーゼ活性を有する分離されたポリペプチドに関する。そのようなポリペプチドは例えば、配列ID:No.2又は配列ID:No.4と少なくとも87%同一性を有する分離されたポリペプチドである。本発明はまた、これらのポリペプチドをコードする核酸配列に関する。本発明はまた、鏡像体に豊むヒダントイン化合物のラセミ化の方法及び鏡像体に豊むD-又はL-α-アミノ酸の調製の方法に関する。

Description

本発明は、ヒダントインラセマーゼ活性を有する分離されたポリペプチドに関する。さらに、本発明は、これらのポリペプチドの使用に関する。
ヒダントインラセマーゼ活性を有するポリペプチド(ヒダントインラセマーゼとも呼ばれる)は、従来技術において知られている。それらは、種々の有機体中で見つけられており、例えば、国際公開WO01/23582号はアルスロバクター アウレシェンス(Arthrobacter aurescens)(DSM 3747)からのヒダントインラセマーゼを記載し、及び特開平04-271784号は、シュードモナス(Pseudomonas)NS 671(Watabe等、J. Bact.、第174巻;第3461-66頁(1992年))からのヒダントインラセマーゼを記載する。ヒダントインラセマーゼはまた、シノリゾビウムメリロチ(Sinorhizobium meliloti)(受託番号CAC 47181、Capela等、PNAS、第98巻:9877-9882頁、(2001年))において、ミクロバクテリウム リクェファシエンス(Microbacterium liquefaciens)(受託番号CAD 32593、欧州特許公開EP1,188,826号)において及びアグロバクテリウム ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)菌C58(受託番号AAL 45498、AAK88746及びAAK 90298、Las Heras-Vazquez等、Biochem Biophys Res Commun、第303巻:541- 547頁、(2003年)、Wood 等、Science、2001年、第294巻:2317-23頁 及びHinkle等、NCBIデータベース、Complete Genome Sequence of Agrobacterium tumefaciens C58(Rhizobium radiobacter C58)、the Causative Agent of Crown Gall Disease in Plants.、Direct Submission、2001年8月14日に提出された)において記載されている。
本発明の枠組において、ヒダントインラセマーゼ活性は、置換されたD又はLヒダントインのラセミ化を触媒する能力を意味すると理解される。
既知のヒダントインラセマーゼの欠点は、それらが、特に、L-5-メチルメルカプトエチルヒダントインンに対して、基質阻害を示すということである。Wiese等は例えば、5 mMからのL-5-メチルメルカプトエチルヒダントイン濃度でアルスロバクターアウレシェンス DSM 3747からのヒダントインラセマーゼの基質阻害の発生を記載する(J. Biotechn、第80巻;217-230頁、(2000年))。また、シュードモナスNS671からのヒダントインラセマーゼは、同様の濃度で基質阻害を示した(Watabe等、J. Bact.、第174巻;3461-66頁(1992年))。この特性の結果として、該酵素は低い基質濃度でのみ効率的に使用されうる。
基質阻害の現象を被らないヒダントインラセマーゼを有することが望ましい。なぜならば、これは、より高い基質濃度で、置換されたD-又はL-ヒダントインのラセミ化を可能にするからである。これは、中間体及び最終生産物の生産において経費削減に効率的に寄与する。
それ故に、本発明の目的は、基質阻害を示さないヒダントインラセマーゼを提供することである。
驚くべきことに、基質阻害を示さないヒダントインラセマーゼが見つけられた。それ故に、本発明の目的は、アグロバクテリウムラジオバクター(Agrobacterium radiobacter)から得られるヒダントインラセマーゼ又はそれらの機能的等価体の提供によって達成される。配列ID:No.2及び配列ID:No.4は、アグロバクテリウム ラジオバクターからのヒダントインラセマーゼのアミノ酸配列を与える。配列ID:No.4は、配列ID:No.2と比較した場合にN末端で11個の追加のアミノ酸を有する。配列ID:No.1は、配列ID:No.2中で示されるアミノ酸配列をコードするアグロバクテリウム ラジオバクターからの核酸配列を与え、配列ID:No.3は、配列ID:No.4中で示されるアミノ酸配列をコードするアグロバクテリウム ラジオバクターからの核酸配列を与える。
本発明の枠組において、基質阻害は、基質濃度が増加すると、初期活性が減少することを意味すると理解される。
本発明の範囲内で、アグロバクテリウム ラジオバクターから得られるヒダントインラセマーゼの機能的等価体は、本明細書中において、L-5-メチルメルカプトエチルヒダントインによる基質阻害を被らないヒダントインラセマーゼ活性を有するポリペプチドと定義される。そのような機能的等価体の特に有用な例は、配列ID:No.2又は配列ID:No.4と、少なくとも87%、より好ましくは少なくとも90%例えば少なくとも93%、95%、97%、98%又は99%の同一性を有するポリペプチドである。アグロバクテリウム ラジオバクターから得られるヒダントインラセマーゼ及びそれら機能的等価体は本明細書中において、本発明に従うヒダントインラセマーゼとして又は本発明に従うポリペプチドとして集合的に言われる。
本発明に従うヒダントインラセマーゼ活性を有するポリペプチドは、配列ID:No.2又は配列ID:No.4と少なくとも87%同一性、好ましくは配列ID:No.2又は配列ID:No.4と少なくとも90%同一性、より好ましくは配列ID:No.2又は配列ID:No.4と少なくとも95%、特に少なくとも97%、より特に少なくとも98%、さらにより特に少なくとも99%、最も特に少なくとも99.5%の同一性を有する。
本発明の枠組において、2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、同一性表及び次の配列パラメータ(ミスマッチ =-3、ペナルティ =-3、ギャップイクステンド(gap extend) = 1、マッチボーナス= 1、ギャップ x-ドロフ(droff) = 50、イクスペクト(expect)= 10、ワードサイズ(wordsize)= 3)を用いてブラストペアワイズ配列アルゴリズム(blast pairwise alignment algorithm)(NCBI)を使って決定される。
他の実施態様では、本発明は、基質阻害を被らないヒダントインラセマーゼ活性を有し、且つ高いストリンジェンシー条件下で、好ましくは非常に高いストリンジェンシー条件下で配列ID:No.1若しくは配列ID:No.3で示される核酸配列又はそれらの補体とハイブリダイズする核酸配列によってコードされる、分離されたポリペプチドに関する。
ハイブリダイゼーション実験は、従来技術において知られている種々の方法を使用し実行されうる。様々な方法の間でなされる選択用の一般的なガイドラインは例えば、Sambrook, J.、Fritsh, E. F.、Maniatis, T.、 Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring HarborLaboratory Press、Cold Spring Harbor、ニューヨーク、1989年の第9章に与えられている。
ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーは、ハイブリダイゼーション(実際のハイブリダイゼーションステップ及び洗浄ステップから成る)が実行される条件であると理解される。洗浄ステップは例えば、標的の核酸(例えばニトロセルロースフィルター上に固定化されている)とハイブリダイズしない核酸を除去するために使用される。ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーは例えば、洗浄液中の塩濃度及び/又は該洗浄ステップが実行される温度(洗浄温度)を変更することによって変更されうる。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは例えば、該洗浄液中の塩濃度を低くすることによって又は洗浄温度を上昇することによって増加される。本発明の枠組みにおいて、ハイブリダイゼーションは、約12時間、約45℃の温度で、6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中で実行される。ハイブリダイゼーション条件の例は、60℃(高いストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件)で又は65℃(非常に高いストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件)で1×SSC、0.1% SDSで夫々30分間の2つの連続する洗浄ステップである。
さらに他の実施態様では、本発明は、基質阻害を被らないヒダントインラセマーゼ活性を有し、且つ配列ID:No.2又は配列ID:No.4のアミノ酸配列の少なくとも一部分に対する抗体との免疫学的交差反応性を示す、分離されたポリペプチドに関する。
免疫学的交差反応は、本発明に従うヒダントインラセマーゼ活性を有する分離されたポリペプチドの少なくとも一つのエピトープに対する(すなわち、それと反応する)抗体調製物の使用を通じて示されることができる。抗体調製物(モノクロナールならびにポリクロナールであってもよい)は、従来技術で知られている方法を使用し生成されうる。免疫学的交差反応はまた、従来技術で知られている方法を使用し示されうる。抗体の生成及び免疫学的交差反応のデモンストレーションは例えば、Hudson等、Practical Immunology、第3版、(1989年)、BlackwellScientific Publicationsに記載されている。
本発明はまた、マーカーポリペプチドをコードする1つ(又はそれ以上)の核酸配列に操作的にリンクされている、本発明に従うポリペプチドの少なくとも一部分をコードする核酸配列の発現によって得られる融合タンパク質に関する。「操作的にリンクされている」は、2つの核酸配列が、発現された場合に本発明に従うポリペプチドがそのN-若しくはC-末端又は両方の末端でマーカーポリペプチドを伴い生産されるようにリンクされていることを意味すると理解される。マーカーポリペプチドは、多くの目的のために使用されうる:それは例えば、分泌信号(融合タンパク質を細胞内の特定のコンパートメントに方向付けるシグナル)として融合タンパク質の安定性若しくは溶解性を助長するために、又は融合タンパク質の精製を促進するために使用されうる。融合タンパク質の精製を促進するために使用されるマーカーポリペプチドの例は、ヘキサヒスチジンペプチドである。ヘキサヒスチジンラベルを有する融合タンパク質の精製は例えば、Gentz等、(1989年) Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第86巻、821-824頁に記載される。ヘキサヒスチジンラベルを有する融合タンパク質は例えば、供給者のプロトコルに従い、pQEベクター(Qiagen社)において生産されうる。
本発明はまた、自然に生じるアミノ酸配列と比較して、1つ又はそれ以上の変異を有するヒダントインラセマーゼ活性を有するポリペプチドの変異体を含む。変異を作成する方法は当業者に知られており、例はランダム突然変異誘発(例えばPCRを用いて又はUV照射によって)、部位指定(site directed)PCRなどである。
本発明はまた、本発明に従うヒダントインラセマーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列に関する。
本発明に従うポリペプチドをコードする核酸配列は、適切なベクター内にクローニングされることができ、そして適切な宿主細胞内に導入後、該核酸配列は、本発明に従うポリペプチドを生産するように発現され得る。核酸配列のクローニング及び発現は、例えばSambrook, J.、Fritsh, E. F.及びManiatis, T.、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold SpringHarbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、ニューヨーク州、1989年に記載されている従来技術において知られている標準技術である。
本発明に従うポリペプチドはまた、このポリペプチドをコードする核酸配列を宿主細胞のゲノム内に統合することによって及びそれを(過剰)発現することによって生産され得る。該核酸配列の統合及びこの配列の(過剰)発現は、当業者に知られた方法を使用して達成されうる。過剰発現がその中で自然に生じる微生物内で本発明に従うポリペプチドを過剰発現すること(例えば微生物のゲノム内に本発明に従う核酸配列の前面に適切なプロモーターを配置することによって、微生物のゲノム内に本発明に従う核酸配列の1つ又はそれ以上のコピーを統合することによって、又はその自然の宿主において適切なベクター内の本発明に従う核酸配列を過剰発現することによって)はまた可能である。
それ故に、本発明はまた、本発明に従う核酸配列を含むベクターに関する。本発明はまた、本発明に従うポリペプチドをコードする核酸配列を含む宿主に関する。好ましくは、本発明は、本発明に従う核酸配列を有するベクターを含む宿主細胞に関する。本発明はまた、本発明に従う核酸配列の過剰発現に関する。
本発明に従う核酸配列を発現するために適切であるベクターの例は、クローニング及び発現のために通常使用されるベクターである。これらのベクターは、平均的な当業者に知られている。大腸菌内で発現のための適切なベクターの例は、例えばMakrides, S. C.、Microbiological reviews、(1996年)、512-538頁の表1に与えられる。ベクターは好ましくは、誘導プロモーター(inducible promoter)の制御下にあるクローニング部位を保有する。誘導プロモーターの例は:lacプロモーター、araBADプロモーター、T7プロモーター、trcプロモーター、tacプロモーター及びtrpプロモーターである。適切な宿主細胞は、クローニング及び発現のために通常使用され且つ平均的な当業者に知られている宿主細胞である。適切な大腸菌宿主細胞株の例は:TOP10F'、TOP10、DH10B、DH5α、HB101、W3110、BL21(DE3)及びBL21(DE3)pLysS、BL21Star(DE3)である。
ベクターの選択は、宿主細胞の選択に時々依存する(そして逆もある);例えばaraBADプロモーターを有するベクターが使用される場合、好ましくはアラビノース誘導因子を分解することができない大腸菌宿主細胞株(大腸菌ara-宿主細胞)が使用される。
本発明に従うポリペプチドをコードする核酸配列は、標準的な分子生物学的技術及び本明細書において与えられた配列情報を使用して他の有機体において見つけられ得る。例えば、ハイブリダイゼーションプローブとしての配列ID:No.1又は配列ID:No.3中に記述される核酸配列の全配列又はその一部分の使用は、本発明に従うポリペプチドをコードする核酸配列の分離を可能にする(例えば、Sambrook, J.、Fritsch, E. F. 及びManiatis, T.、Molecular cloning : A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold SpringHarbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、ニューヨーク州、1989年に記載されている)。
配列ID:No.1又は配列ID:No.3を部分的に又は全体的に含む核酸配列はまた、配列ID:No.1、配列ID:No.2、配列ID:No.3及び/又は配列ID:No.4における配列情報に基づく(合成)オリゴヌクレオチドプライマーを使用することによってポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって見つけられ得る。
本発明に従う核酸配列は、例えば、テンプレートとしてcDNA、mRNA、ゲノムDNA及び適切なオリゴヌクレオチドプライマーを使用して標準的なPCR増幅技術によって増幅され得る。このように、増幅された核酸配列は、適切なベクター内にクローニングされることができ且つDNA配列分析によって特徴付けられ得る。
標準合成技術を使用し(例えば自動化されたDNA合成器を使用することによって)本発明に従う核酸配列に対応する又は本発明に従う核酸配列とハイブリダイゼーション可能なオリゴヌクレオチドを調製することもまた可能である。
本発明に従う核酸配列は、分離後に、適切なベクター内にクローニングされ、本発明に従うポリペプチドの生産のために、従来技術において知られている方法を使用して、適切な宿主細胞内で発現され得る。
クローニングされた配列が本発明に従うタンパク質すなわち基質阻害を被らないヒダントインラセマーゼを真にコードすることが確認される必要がある場合、実施例3において概説されるよう方法に従うことができる。
基質阻害を被らないヒダントインラセマーゼが存在することが本明細書で今確立された故に、D-又はL-ヒダントインのラセミ化がより高い基質濃度でこれからは実行されてもよい。それ故に、1つの実施態様では本発明は、鏡像体に豊むヒダントイン化合物をヒダントインラセマーゼ活性を有するポリペプチドと接触させるステップを含む鏡像体に豊むヒダントイン化合物のラセミ化のための方法に関し、ヒダントインラセマーゼ活性を有する該ポリペプチドは基質阻害を被らない。そのような方法は、本発明に従う方法と以下で言われる。
好ましい実施態様では、本発明に従うヒダントインラセマーゼが本発明に従う方法において使用され、より好ましくはアグロバクテリウムラジオバクターから得られるヒダントインラセマーゼが本発明に従う方法において使用され、さらにより好ましくは、配列ID:No.2又は配列ID:No.4に従うヒダントインラセマーゼが本発明に従う方法において使用される。
本発明に従うヒダントインラセマーゼによってラセミ化されうるD-又はL-ヒダントインの例は、:式1のD-又はL-ヒダントインであり、
Figure 2005526519
ここで、Rはアミノ酸残基例えば、例えば1〜20個のC-原子を有する任意的に置換されていてもよい(ヘテロ)アルキル基又は例えば1〜20個のC-原子を有する任意的に置換されていてもよい(ヘテロ)アリール基を表す。(ヘテロ)アリール基上の又は(ヘテロ)アルキルグループ上の置換基の例は:ヒドロキシル、アルコキシ、メルカプト、チオアルキル、アルキル、カルボキシル、アミノ、ニトロ、ハロゲン、カルバモイル、ニトリル及びアシルである。R基の例は:メチル、イソプロピル、イソブチル、2-メチルチオエチレン、4-アミノブチレン、ヒドロキシメチレン、メトキシメチレン、カルボキシメチレン、カルボキシエチレン、フェニル、p-ヒドロキシフェニル、m-ヒドロキシフェニル、o-ヒドロキシフェニル、p-クロロフェニル、m-クロロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、p-メトキシフェニル、ベンジル、p-ヒドロキシベンジル、3,4-ジヒドロキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、ベンジルオキシメチレン、3,4-メチレンジオキシベンジル、インドリルメチレンである。
本発明に従う方法におけるD-又はL-ヒダントインのラセミ化は、他の方法に統合されてもよく、また外で行われてもよい。一つの方法に統合とは、D-(又はL-)ヒダントインがラセミ化され且つ生じたラセミ体のL-(又はD-)ヒダントインがインシチュー(in situ)で直ちに転化され、従って、事実上D-(又はL-)ヒダントインのラセミ化が連続的に生じることを意味すると理解される。外でとは、D-(又はL-)ヒダントインが別の反応ステップにおいてラセミ化されることを意味すると理解される。
従って、本発明は、
1)基質阻害を被らないヒダントインラセマーゼ、
2)ヒダントイナーゼ、及び/又は、
3)鏡像選択的カルバモイラーゼ
の存在下で、鏡像体に豊むα-アミノ酸を調製する方法に関する。
そのような方法におけるヒダントインラセマーゼの使用の利点は、慣用的なヒダントインラセマーゼが使用され又はヒダントインラセマーゼが全く使用されない方法に比較して、それは置換されたヒダントインの対応するα−アミノ酸へのより速い及び/又はより高い転化を可能にすることである。本発明に従うヒダントインラセマーゼの追加的な利点は、それらが広い基質特異性を有することであり、その結果、それらは多くの種々の鏡像体に豊むα−アミノ酸の調製において使用されうる。
基質阻害を被らないヒダントインラセマーゼは、鏡像体に豊むヒダントイン化合物が該ヒダントインラセマーゼと接触され、及び該鏡像体に豊むヒダントイン化合物の濃度が5 mMより上、好ましくは7.5又は10 mMよりも上、さらにより好ましくは15又は20より上、及び最も好ましくは25 mMよりも上である方法において有利に使用される。
アミノ酸残基R(ここで、Rは上記に定義される)を有するα-アミノ酸は、本発明に従う方法において適切に調製されうる鏡像体に豊むα-アミノ酸の例であり、ここで本発明に従うヒダントインラセマーゼは鏡像選択的カルバモイラーゼ及びヒダントイナーゼとともに使用される。α-アミノ酸の例は:アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、メチオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、アルギニン、シトルリン、フェニルアラニン、3-フルオロフェニルアラニンである。
鏡像体に豊むD-又はL-α-アミノ酸使用の調製のためのそのような方法において好ましくは、少なくとも90%の鏡像選択性、より好ましくは少なくとも95%、特に少なくとも98%の鏡像選択性、最も特に少なくとも99%の鏡像選択性を有する鏡像選択的カルバモイラーゼを作成する。本発明の枠組において、例えば90%のカルバモイラーゼ(例えばD-カルバモイラーゼ)の鏡像選択性は、カルバモイラーゼがN-カルバモイル-D-α-アミノ酸及びN-カルバモイル-L-α-アミノ酸のラセミ混合物の50%の総合的な転化率で、N-カルバモイル-D-α-アミノ酸及びN-カルバモイル-L-α-アミノ酸のラセミ混合物を鏡像異性体の一つ(例えばD-α-アミノ酸)の90%及び鏡像異性体の他方(例えばL-α-アミノ酸)の10%に転化することを意味すると理解される。
本発明はまた、対応するN-カルバモイル-L-アミノ酸若しくはN-カルバモイル-D-アミノ酸、又はN-カルバモイル-L-アミノ酸及びN-カルバモイル-D-アミノ酸の任意の混合物からのD-又はL-α-アミノ酸の調製の方法に関する。そのような方法では、基質阻害を被らないヒダントインラセマーゼが、例えば単一の反応器での反応で、D-又はL-カルバモイラーゼ及びヒダントイナーゼとともに有利に使用されてよい。
さらに、本発明は、D-又はL-α-アミノ酸の、対応するL-α-アミノ酸若しくは対応するD-α-アミノ酸夫々又は対応するD-又はL-α-アミノ酸の任意の混合物からの調製において鏡像選択的カルバモイラーゼ及びヒダントイナーゼと一緒にヒダントインラセマーゼを使用することに関する。L-α-アミノ酸がD-α-アミノ酸に転化されるそのような方法の例において、従来技術において知られている方法に従うと、該L-α-アミノ酸は最初に、対応するN-カルバモイル-L-α-アミノ酸に化学的に転化されるであろう。その後、N-カルバモイル-L-α-アミノ酸は、鏡像選択性D-カルバモイラーゼ、ヒダントイナーゼ及びヒダントインラセマーゼの存在下でD-α-アミノ酸に酵素的に転化されうる。
ヒダントインラセマーゼがその中で関与する反応における温度及びpHは、ヒダントインラセマーゼの最適安定性及び活性を達成するように好ましくは選択される。ヒダントイラセマーゼの他に、別の酵素がまた反応に関与する場合、また温度及びpHがヒダントインラセマーゼの安定性及び活性並びに他の酵素の活性、安定性及び所望ならば鏡像選択性ができるだけよいように選択される。本発明に従うヒダントインラセマーゼ、D-又はL-カルバモイラーゼ夫々及びヒダントイナーゼの存在下で、N-カルバモイル-L-α-アミノ酸若しくはN-カルバモイル-D-α-アミノ酸の、又はL-又はD-ヒダントインの夫々の、対応するD-α-アミノ酸又はL-α-アミノ酸への転化は、pH5〜10の間で好ましくは実行される。特に、該転化は、pH6.0〜7.5の間のpHで実行されうる。該転化の温度は、好ましくは0〜80℃の間で、特に10〜50℃の間で、より特に35〜45℃の間で選択される。
対応するα-アミノ酸からのN-カルバモイル-α-アミノ酸の化学的調製は例えば、α-アミノ酸をMOCN(ここで、Mはアルカリ金属、好ましくはカリウム又はナトリウムを表す)と接触させることによって起こりうる。使用される温度は重要ではない:該反応は、好ましくは約−5〜100℃の温度で、特に0〜80℃の温度で起こり;該化学反応のpHは、好ましくは8〜11の間で、より特に9〜10の間で選択される。
好ましくは、対応するL-α-アミノ酸からのD-α-アミノ酸(又は逆もある)の、対応するN-カルバモイル-L-α-アミノ酸(又は対応するN-カルバモイル-D-α-アミノ酸)を介した調製が、単一の反応器で実行される。
精製された様式の又は細胞フリー抽出物中に存在するヒダントイラセマーゼを使用する場合、添加剤が、ヒダントインラセマーゼの安定性及び/又は活性を助長するために添加されてもよい(例えばWatabe等、1992年、J. Bact.、第7989-7995頁及びWiese等、2000年、J. Bact、第217-230頁に記載されているように)。このタイプの添加剤の例は、2価イオウを含む化合物例えばL-メチオニン、D-メチオニン、L-システイン、N-カルバモイル-L-メチオニン、N-アセチル-D,L-メチオニン、2-ケト-4-(メチルチオ)酪酸、D,L-2-ヒドロキシ-4-(メチルチオ)酪酸、L-メチオニンメチルエステル、D,L-メチオニンヒドロキサミン酸、S-メチル-L-システイン、D-ビオチン、β-メルカプトエタノール、ジチオトレイトール(DTT)、グルタチオンである。
本発明は下記の実施例を参照して以下にさらに説明されるが、これらに限られない。
実施例
一般手順
標準分子生物学的技術例えばプラスミドDNA分離、アガロースゲル電気泳動、核酸の酵素的制限変性、大腸菌形質転換などが、Sambrookら、1989年、"Molecular cloning:a laboratorymanual"、Cold Spring Harbor Laboratories、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州によって記載されているように又は様々な供給者によって提供される使用のための説明書に従い実行された。
合成オリゴデオキシヌクレオチドが、Invitrogen社(クローニンゲン、オランダ)から購入された。
DNA配列分析は、着色剤ラベルされたジデオキシターミネータを有する連鎖停止剤方法を使用し、BaseClear(ライデン、オランダ)によって行なわれた。
粗細胞抽出物中のタンパク質濃度は、595nmでブラッドフォード試薬で決定された。
pET-Hrac-S及びpET-Hrac-L プラスミドの構築
アグロバクテリウム ラジオバクター株は、10g/l トリプトン(Difcolaboratories、Becton Dickinson microbiology systems、スパークス、米国)、5g/l 酵母抽出物(Difco)及び5 g/l 塩化ナトリウムからなるLB培地中、30℃で前培養された。一晩のインキュベーション後に、該前培養物は、新鮮なLB培地中に、0.2のOD600まで接種された。この培養物は30℃でさらに培養され、そして1.7のOD600で収穫された。
このアグロバクテリウム ラジオバクター培養物のゲノムDNAは、Qiagen社によって記載された方法(Qiagen genomic DNA handbook、1998年、Qiagen、ヒルデン、ドイツ)によって分離された。
アグロバクテリウム ラジオバクターのヒダントインラセマーゼ遺伝子は、発現ベクターpET101/D-TOPO(Invitrogen社)内にクローニングされた。該遺伝子は、Invitrogen社によって記載された方法に従い、翻訳開始(ATG)フュージョンを介して及びオリジナル終止コドンでクローニングされた。
配列ID:NO.1の配列を有する721個塩基対を含むフラグメント(プライマー1によって導入されたCACC配列で5'側上で伸長された)は、下記プライマーを用いてアグロバクテリウムラジオバクターの染色体DNAからPCRによって増幅された:
Figure 2005526519
(太字の方向性TOPOクローニング(directional TOPO cloning)のためのCACC配列及び下線の開始コドンを有する)
Figure 2005526519
(下線の終止コドンを有する)
配列ID:NO.3の配列を有する754個塩基対を含むフラグメント(プライマー3によって導入されたCACC配列で5'側上で伸長された)は、下記のフォワードプライマー及びリバースプライマーとしてのプライマー2を用いてアグロバクテリウム ラジオバクターの染色体DNAからPCRによって増幅された:
Figure 2005526519
(太字の方向性TOPOクローニングのためのCACC配列及び下線の開始コドンを有する)。
該増幅されたフラグメントの正確な長さは、アガロースゲル電気泳動で確認され、そして該フラグメントは供給者のプロトコルに従い、発現ベクターpET101/D-TOPO内に直接的にクローニングされ、そして大腸菌TOP10の化学的にコンピテントな細胞(Invitrogen社)内に形質転換された。該形質転換体は、100mg/l カルベニシリンを含むLB寒天プレート上で選択された。正確な挿入物を有する(双方向性配列決定によって確認された)プラスミドは、pET-Hrac-S及びpET-Hrac-Lと呼ばれ、ここでHrac-Sは、配列ID:No.1の配列を有する挿入物を、及びHrac-Lは、配列ID:No.3の配列を有する挿入物を意味する。該プラスミドは、大腸菌TOP10内に形質転換された。大腸菌TOP10(pET-Hrac-S)及び大腸菌TOP10(pET-Hrac-L)は、ブタペスト条約下、NCIMB(National Collections of Industrial, Food and Marine Bacteria、英国)に夫々、41131番及び41130番で寄託されている。
大腸菌BL21 Star(DE3)内でのアグロバクテリウムラジオバクターのヒダントインラセマーゼの発現
pET-Hrac-S又はpET-Hrac-Lを含む大腸菌TOP10の株のプラスミドDNAは、Qiagen社によって記載された方法(plasmid mini-kit、2001年10月のプロトコル)を使用して分離され、そして引き続き化学的にコンピテントな大腸菌BL21 Star(DE3)細胞(Invitrogen社)内に形質転換された。
大腸菌BL21Star(DE3)(pET-Hrac-S)及び大腸菌BL21Star(DE3)(pET-Hrac-L)の単一コロニーは、100 mg/l カルベニシリンを有する25 ml LB培地中、28 ℃で一晩、2.5のOD620nmまで成長された。全培養物(25 ml)は、100 mg/l カルベニシリンを有する250 mlの新鮮なLB培地内に接種され、そしてさらに28 ℃で成長された。1時間後、0.45のOD620nmで、該培養物はIPTGの1 mM(最終濃度)の添加によって誘発され、そしてさらに28 ℃で4.5時間の間、1.7のOD620nmまで成長された。該細胞は引き続き収穫され、そして100mM リン酸カリウムバッファー(pH7.0)で(任意に1mM DTTで)洗浄され、その後、超音波処理に付され、セルフリー抽出物が得られた。
細胞を30mg(湿重量)に分けたものが、後の使用のために、-20 ℃で凍結された。
アグロバクテリウム ラジオバクターからの過剰発現されたヒダントインラセマーゼ遺伝子を使用したラセミ化実験
3.1 一般的手順
10ml 反応混合物は、100mM リン酸カリウムバッファー(pH 7.0)中のD-5-ベンジルヒダントイン、L-5-イソプロピルヒダントイン又はL-5-メチルメルカプトエチルヒダントインの、下記の最終濃度から成った。該反応は、添加されたジチオトレイトール(DTT、1 mM 最終濃度)有り又は無しで、大腸菌BL21 Star (DE3) (pET-Hrac-S)若しくは大腸菌BL21 Star (DE3) (pET-Hrac-L)又はセルフリー抽出物の全細胞の下記の量を添加することによって開始され、そして室温でインキュベーションされた。
該セルフリー抽出物は、100 mM リン酸カリウムバッファー(pH 7.0) 1ml又は1 mM DTTを有する100 mM リン酸カリウムバッファー(pH 7.0) 1ml 中で60 mgの細胞を再懸濁し、引き続き超音波処理することによって生成された。
サンプルが採取され(500μl)、そして該反応は5 μl 85%リン酸の添加によって中止された。該サンプルは、HPLCによって分析された。D,L-5-イソプロピルヒダントイン及びD,L-5-ベンジルヒダントインが、Astec社(ホイッパニー、米国)からのChirobiotic Tカラム(250 mm x 4.6 mm、内径5μm)によって分離され、D,L-5-メチルメルカプトエチルヒダントインが、Machery-Nagel社(デューレン、独国)からのNucleosil 120-5 C18カラムとの組み合わせでAstec社からのChirobiotic T カラム(250 mm x 4.6mm、内径5μm)によって分離された。全ての場合において、溶離剤は80% 15 mM酢酸アンモニウム(pH4.1)及び20% メタノールだった。溶離剤流速は、22 ℃のカラム温度で、1 ml/分であった。検出は、220 nmの波長でUV光によって行われた。これらの条件下で、リテンションタイムは、D-及びL—5-イソプロピルヒダントインについて夫々5.3及び6.3分間であり、D-及びL-5-ベンジルヒダントインについて夫々6.3及び8.3分間であり、及びD-及びL-5-メチルメルカプトエチルヒダントインについて夫々9.1及び12.2分間であった。
3.2 D-5-ベンジルヒダントインのラセミ化
3.1項で記載されたのと同じ方法で、96%のe.e.を有する2mM D-5-ベンジルヒダントインが、セルフリー抽出物(最終タンパク質濃度:0.11 mg/ml)とインキュベーションされた。大腸菌BL21 Star (DE3)(pET-Hrac-S)のセルフリー抽出物は、4.5時間後に52%のe.e. を与えた。大腸菌BL21 Star (DE3) (pET-Hrac-S)のセルフリー抽出物は、4.5時間後に80%のe.e. を与えた。
化学的ブランクは、4.5時間後に90%のe.e. を与えた。
3.3 L-5-イソプロピルヒダントインのラセミ化
3.1項で記載されたような反応の一組において、99%のe.e.を有する40 mM L-5-イソプロピルヒダントインが、大腸菌BL21 Star (DE3) (pET-Hrac-S)及び大腸菌BL21 Star (DE3) (pET-Hrac-L)の、DTTを有する全細胞(120 mg)及びセルフリー抽出物(最終タンパク質濃度:0.44 mg/ml)とともにインキュベーションされた。
大腸菌BL21 Star(DE3) (pET-Hrac-S)の、DTTを有する全細胞及びセルフリー抽出物を用いて0 %のe.e.が、5時間後に達成された。大腸菌BL21Star (DE3) (pET-Hrac-L)の全細胞を用いて28 %のe.e.が、19時間後に達成された。大腸菌BL21Star (DE3) (pET-Hrac-L)の、DTTを有するセルフリー抽出物を用いて9 %のe.e.が、19時間後に達成された。
化学的対照は、19時間後に98%のe.e. を与えた。
3.4 L-5-メチルメルカプトエチルヒダントインのラセミ化
3.1項で記載されたような反応の一組において、89 %のe.e. を有するL-5-メチルメルカプトエチルヒダントインの種々の濃度が、大腸菌BL21 Star (DE3) (pET-Hrac-S)及び大腸菌BL21 Star (DE3) (pET-Hrac-L)の全細胞とともにインキュベーションされた。L-5-メチルメルカプトエチルヒダントイン濃度は、1、5、10、50及び80 mM であった。初期反応速度は、生成物濃度(D-5-メチルメルカプトエチルヒダントインが時間とともに直線的に増加する期間の間に決定され、そして1時間当たりのmMで表される。図1では、初期活性が初期基質濃度に対してプロットされた。
図1に見られうるように、大腸菌BL21 Star (DE3) (pET-Hrac-S)及び大腸菌BL21 Star (DE3) (pET-Hrac-L)の両方の初期ラセマーゼ活性は、初期基質濃度の増大とともに増加し、これは配列ID:No.2及び配列ID:No.4を有するヒダントインラセマーゼが、L-5-メチルメルカプトエチルヒダントインに対する基質阻害を示さないことを意味する。一方、シュードモナス菌NS 671及びアルスロバクター アウレシェンス DSM 3747のヒダントインラセマーゼは明らかに、相対初期活性が、夫々2.5及び5 mMよりもより高いL-5-メチルメルカプトエチルヒダントイン濃度で減少することを示す。それ故に、アグロバクテリウム ラジオバクターからのクローニングされたヒダントインラセマーゼは、L-5-メチルメルカプトエチルヒダントインによって阻害されないと結論される。L-5-メチルメルカプトエチルヒダントインのKm及びVmax値は、ラインウィーバー・バーク・プロットにおいて1/V対1/Sをプロットすることによって決定された。大腸菌BL21 Star (DE3) (pET-Hrac-S)のセルフリー抽出物は、1mMのKm値及び0.4 mM/時間のVmaxを有する。大腸菌BL21 Star (DE3) (pET-Hrac-L)のセルフリー抽出物は、20mMのKm値及び0.2 mM/時間のVmaxを有する。
アグロバクテリウム ラジオバクター、シュードモナス菌NS671及びアルスロバクター アウレシェンス DSM 3747からのヒダントインラセマーゼの相対初期活性 対 初期L-5-メチルメルカプトエチルヒダントイン濃度のグラフ。

Claims (9)

  1. 基質阻害を被らないヒダントインラセマーゼ活性を有する分離されたポリペプチド。
  2. 配列ID:No.2又は配列ID:No.4と少なくとも87%同一性を有する、請求項1に記載の分離されたポリペプチド。
  3. 高い又は非常に高いストリンジェンシー条件下で、配列ID:No.1及び/又は配列ID:No.3又はそれらの補体とハイブリダイズする核酸配列によってコード化される、請求項1又は2に記載の分離されたポリペプチド。
  4. 配列ID:No.2又は配列ID:No.4に従うアミノ酸配列の少なくとも一部分に対する抗体調製物との免疫学的交差反応性を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分離されたポリペプチド。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸配列。
  6. 請求項5に記載の核酸配列を含むベクター。
  7. 請求項5に記載の核酸配列又は請求項6に記載のベクターを含む宿主細胞。
  8. 鏡像体に豊むヒダントイン化合物を請求項1〜4に記載のポリペプチドと接触させるステップを含む、鏡像体に豊むヒダントイン化合物のラセミ化方法。
  9. a.請求項1〜4に記載のポリペプチド、
    b.ヒダントイナーゼ、及び/又は
    c.鏡像選択的カルバモイラーゼ
    の存在下で、鏡像体に豊むD−又はL-α-アミノ酸を調製する方法。
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