JP2005525809A - 畜産の効率を向上させるための方法 - Google Patents

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Abstract

畜産の効率を向上させるための方法であって、ウシ、ブタなどの家畜動物を、給餌施設内に保持する期間中に、個々の家畜動物の脂肪を貯蔵する遺伝的素質に従ってグループ分けすること、次いで各群の動物にほぼ均一に給餌することを含む方法。このような遺伝的素質は、各動物の同型接合性又は異型接合性を、レプチンと呼ばれる脂肪細胞特異的ポリペプチドをコードし、以後obと称する遺伝子の対立遺伝子に関して決定し、遺伝子型、及び場合によっては表現型に基づいて、このような動物をグループ分けし、一群中の動物を一緒に、他群の動物から離して給餌し、或いは養い、その群の動物の体脂肪状態中央値が所望の体脂肪状態となるときに、群中の動物への給餌を止めることによって決定される。精肉処理業者も、購入した生体動物の胴体中の脂肪貯蔵量をより正確に予測し、高い効率をもたらすことができる。

Description

本発明は、家畜動物を遺伝子型に従って管理する方法に関し、より詳細には、現在よりもっと均一と予測される脂肪貯蔵量を有する各群で、家畜を管理する方法を対象とする。
本出願は、2002年5月21日に出願された、「METHOD FOR IMPROVING EFFICIENCIES IN LIVESTOCK PRODUCTION」という表題のカナダ出願第2,387,003号の優先権を主張するものである。前述の出願、及びその中に引用されたか、或いはその手続中に引用されたすべての書物(「出願中に引用された書物」)、出願中に引用された書物中に引用又は参照されたすべての書物、及び本明細書に引用又は参照されたすべての書物(「本明細書中に引用された書物」)、及び本明細書中に引用された書物中に引用又は参照されたすべての書物、並びに、本明細書又は参照により本明細書に組み込まれた任意の書物に言及される任意の製品に関する、任意の製造者の教示書、記載事項、製品仕様書、及び製品シートは、ここでは参照により本明細書に組み込まれており、本発明を実施する際に使用することができる。
レプチン及びob遺伝子:16kDaの脂肪細胞特異的ポリペプチドであるレプチンは、それが検出されている動物の脂肪組織中で主に発現され、そのような動物には、畜牛、ブタ、及びヒツジなどの家畜種がある。レプチンは、ob(肥満)遺伝子によってコードされており、食欲、基礎代謝、及び脂肪貯蔵量の制御と関係があると考えられている。マウス、畜牛、ブタ、及びヒツジにおける、レプチンの高い血漿中濃度は、低下した体脂肪貯蔵量及び食欲、並びに増大した基礎代謝レベルと関係付けられている(Blache他、2000;Delavaud他、2000;Ehrhardt他、2000)。同様の表現型特性も、脂肪細胞組織中のレプチンのmRNAレベルと関連することが見出されてきている(Ramsay他、1998;Robert他、1998)。これらの観察結果と一致して、外因性レプチンを投与することによって、マウス、ニワトリ、ブタ及びヒツジの飼料摂取及び体重が劇的に低下することが示されてきている。(Barb他、1998;Halaas他、1995;Henry他、1999;及びRaver他、1998)。
マウスの第6染色体(Friedman及びLeibel、1992)、ヒトの染色体7q31.3(Isse他、1995)、畜牛の第4染色体(Stone他、1996)、及びブタの第18染色体(Neuenschwander他、1996;Saskai他、1996)に地図化されているob遺伝子。マウス(Zhang他、1994)、畜牛(Spurlockへの米国特許第6,297,027号)、ブタ(Bidwell及びSpurlockへの米国特許第6,277,592号;Neuenschwander他、1996)、及びヒト(Friedman他への米国特許第6,309,857号)からのob遺伝子に関する配列が決定されてきており、これらの種からのob遺伝子DNA及びレプチンポリペプチドの配列間には、相当な保存性が存在する(Bidwell他、1997;Ramsay他、1998)。
レプチンポリペプチドのアミノ酸配列の変化を引き起こす、ob遺伝子のコード配列の変異は、過食症、代謝活動低下、及び過剰な脂肪貯蔵量、即ちより大型の体格を特徴とする表現型、脂肪表現型と関連付けられている(Zhang他、1994)。
ob遺伝子型:Fitzsimmons他(1998)は、マイクロサテライトマーカーの3つの対立遺伝子は、畜牛のob遺伝子の近くに位置し、これは数種の雄牛(Angus、Charolais、Hereford及びSimmental)では顕著な頻度で存在し、138、147及び149塩基対(bp)を含むという証拠を報告した。138bp及び147bpの対立遺伝子はそれぞれ、最高頻度で存在する。さらに、138bpの対立遺伝子の存在は、一定の枝肉特性;高い平均(average)脂肪貯蔵量、高い平均(mean)脂肪貯蔵量、高いリブ脂肪率、及び低いリブ赤身率と正の関係を有することが確認された。したがって、138bpの対立遺伝子が同型接合の雄牛は、異型接合の動物より高い平均脂肪貯蔵量を示し、このような異型接合は、147bpの対立遺伝子が同型接合の雄牛より、高い平均脂肪貯蔵量を示した。
後にBuchanan他(2002)は、レプチンポリペプチド中のアルギニン(ARG)からシステイン(CYS)への置換に対応する、ob遺伝子のエクソン(エクソン2)中のシトシン(C)からチミン(T)への変化を同定した。雄牛中のT含有対立遺伝子の存在は、C含有対立遺伝子を有する雄牛からの枝肉よりも高脂肪の枝肉と関係があった。
単一塩基多形は、ブタob遺伝子においても検出されてきており、これらの多形性のいくつかは、飼料摂取及び枝肉の性質と関係があることが見出されてきている(Kennes他、2001;Kulig他、2001)。
ob遺伝子型の決定:ウシ遺伝子を選択的に増幅させる手段は、Spurlockへの米国特許第6,297,027号中に存在する。個々の動物からのDNA断片をクローン化及び塩基配列決定することによって、或いは当分野で知られている他の方法によって、ob遺伝子型を識別することが可能である。例えば、ob遺伝子断片の合成オリゴヌクレオチドプライマー増幅を使用し、その後の制限エンドヌクレアーゼによる増幅産物の消化によって、ob遺伝子型を識別することが可能であり、これは異なるob遺伝子の対立遺伝子からのこのような産物を、異なる長さの別個の産物断片に切断する制限酵素を使用する。したがって、このような別個の産物断片は、例えばアガロース又はアクリルアミドの電気泳動を使用して、識別することができると思われる。Buchanan他(2002)により同定されたob遺伝子の対立遺伝子は、ミスマッチPCR−RFLP戦略を使用する手段によって識別された。そのような手段においては、C含有対立遺伝子(前述)によって、Kpn2Iを有する増幅体の消化の後に、75及び19bpのDNA断片がもたらされるが、T含有対立遺伝子(前述)は切断されない。
家畜動物の所望の体状態の発達
体状態(body condition)は、商用の家畜飼育及び仕上げる作業における、市場への出しやすさの決定因子である。体状態という用語は、体型又は大きさ、及び動物によって示される筋肉内脂肪及び背部脂肪の量の関数である、家畜動物の発育の状態に関して、家畜産業において使用されている。典型的には体状態は、生きている動物を主観的且つ経験により視覚的に評価することによって決定される。脂肪貯蔵量、又は動物枝肉の筋肉内脂肪及び背部脂肪の量は、産業関係者にとって重要である。なぜなら、所望の量及び率のこのような脂肪を示す枝肉は、そのような所望の量及び率と相違を示す枝肉より、高い価格で販売できることが多いからである。さらに、望ましい枝肉の脂肪貯蔵量は、市場及び買い手によって変わることが多く、望ましいとされる肉中の脂肪及びその交雑状態に関する大衆の需要傾向に応じて、1つの市場で、及び個々の買い手の間で、時間と共に変わることも多い。その成長及び発育中の家畜動物の体重増加は、典型的には3期のパターンをたどり、これは商業生産者、及び仕上げ職人によって注意深く管理される。ある期間中の、食事カロリー(飼料)の体重増加への変換効率は、3つの成長期によって異なる;第1成長期は、家畜動物の生涯における誕生から離乳までの部分を含み、商業的な給餌業者及び仕上げ作業者によって、それほど注意を払われるわけではない。
第2成長期は、家畜動物の生涯における離乳から、筋肉−骨格が成熟するまでの部分を含む。飼料変換効率はこの期の間は低い;畜産者はカロリー摂取を通常制限する。これにより、この期が長くなるという影響だけでなく、典型的には大型の体格を有する動物がもたらされる。このことが、この期の間に食事を管理する目的である。第2成長期中は、体重増加は、骨格重量及び筋肉重量の累積と主に関係している。
第3成長期中、動物の筋肉−骨格が成熟した後、飼料変換の効率が低下するため、動物の体重を増加させるために、さらに飼料が必要とされる。例えば畜牛に関しては、第2成長期中に、典型的な雄の子牛は、5〜6ポンドの飼料を、1ポンドの体重増加に変換すると思われる。第3期に入ると、飼料変換効率は典型的には低下し、その結果7〜10ポンド以上の飼料が、1ポンド増加させるのに必要とされる。第3期中、家畜の飼育業者は、動物の飼料のカロリー含量を大幅に増大させる。第3成長期中、体重増加は、脂肪の蓄積と主に関係している。一例として畜牛を再度挙げると、第2期の終わりに900ポンドの重量の雄の子牛の場合、その900ポンドのうち、典型的には350ポンドが赤身の肉であろう。第3期の終わりには、雄の子牛は典型的には1400ポンドの重量であり、典型的には430ポンドが赤身の肉であろう。
引き続き畜牛産業を一例として示すと、最初に雌牛/子牛の取扱者は、雄牛と雌牛を交配させ、雌牛に子牛を生ませ、子牛が誕生後数カ月で離乳するまで、それらの子牛に母乳を与えてやる。これが子牛の第1成長期である。離乳後、子牛は第2成長期に入り、そこでは子牛が成体の体格になるまで給餌する。これは「肥育(background)」期と一般に呼ばれ、その間に筋肉−骨格が成熟する。
動物は成体の大きさに達すると、充分に成長した動物が体重を増やす第3成長期に入る。典型的には、動物を最終飼育場に入れるのは、第3成長期の開始時である。飼育場における目的は、動物に適切な飼料を与えて、その結果動物が、その所与時に望ましい適切な市場特性を最速で得ることである。現在は、例えば、十分な霜降り状態の牛肉を有すること、即ち肉中に多量の筋肉内脂肪を有する牛肉を有することが望ましい。それ以外のときは、筋肉内脂肪がほとんどない赤身の肉を有することが、望ましい可能性がある。飼育場所有者が、精肉処理業者(packer)に販売するときに、彼の畜牛に関して得る金額は、肉の霜降り状態に応じて著しく変わる可能性がある。
現在、飼育場に入る畜牛は、推定年齢、体格、系統、体重などに従って、いくつかの群に分けられる。これを行うことによって、飼育場所有者は、群を一緒に囲いに入れ、同じ飼料を与え、同時に市場に出すことができるように、畜牛のグループ分けを試みる。体重及び視覚的な手がかりが、飼育場でのグループ分けのために畜牛を選別することができる唯一の手段である。
ひとたび畜牛が飼育場から精肉処理業者に販売されると、畜牛は屠殺され、それらの枝肉はレールに吊るされ、そこで畜牛を、枝肉上の規定され、標準化された局所点で測定した、脂肪の量に従って格付けすることができる。この脂肪の測定値は、枝肉中の筋肉内脂肪の量に相関するものとして受け入れられている。ある標準測定値以上の脂肪の測定値を有する枝肉は、カナダではAAAと格付けされ、これは米国の選択等級に対応する。AAA等級に関して設定されたもの未満であるが、AA等級に関する標準設定値を超える、脂肪の測定値を有する枝肉はAAと格付けされ、一方、AAに関する標準設定値未満の脂肪の測定値を有する枝肉は、したがってこれらの等級の範囲より低く格付けされる。
現在の市場で最も望ましい等級は、AAAである。なぜなら、脂肪はすなわち肉質のよさを示すものであり、ジューシーさ及びやわらかさを肉に与え、かつ、消費者から現在求められているからである。多大な奨励金が、AAAと格付けされた枝肉に関して、現在支払われている。これとは対照的に、歴史的には、奨励金は、赤身の牛肉に関して見られるものである。そのときどきで、消費者は、小売棚でその好みを示し、これによって、精肉処理業者、飼育業者、及び雌牛/子牛の経営者へと至る系列組織を介して、脂肪の多いもの又は少ないものを求めるシグナルが送り戻される。
従来これらの系列組織は、系統を変えることによって、これらのシグナルに反応してきている。概して、Charolais及びLimousinなどのヨーロッパ系統は、Hereford及びAngusなどの英国系統よりも大型の体格と赤身の多い肉を有する。赤身の牛肉が要求されるとき、飼育場はヨーロッパ系統の性質を有する畜牛に奨励金を支払い、脂身の牛肉が要求されるときは、英国系統の性質を有する畜牛に奨励金が支払われる。
飼育場経営者が理解している、価格における他の主な要因は歩留まり等級であり、これは枝肉に由来する使用可能な肉の率である。歩留まり等級は最大脂肪測定値によって示されるが、肉質等級とは無関係な等級である。AAA等級に関する最小脂肪測定値を得ることはできるが、その測定値を超えることによって、歩留まり等級の低下が引き起こされ、したがって価格が低下する可能性がある。各歩留まり等級に関して、最大脂肪測定値が存在するため、歩留まり等級1に関する最大脂肪測定値を超えることによって、枝肉は歩留まり等級2に下がり、歩留まり等級2に関する最大脂肪測定値を超えることによって、枝肉は歩留まり等級3に下がるなどのことが起こる。本質的に歩留まり等級は、販売前に削除しなければならず、したがって廃棄物である、枝肉の過剰な脂肪を計算するものである。
したがって、現在AAA等級が要求されているような市場において、枝肉の最大価格を実現するために、飼育場経営者は、AAA等級に関する最小脂肪測定値、ただし歩留まり等級1に関する最大脂肪測定値は超えない測定値を達成しなければならない。この目的を達成するために使用される現在の方法は、畜牛が飼育場に入るときの、体型、推定年齢、及び推定体重に従って、畜牛を視覚的に群別することを含む。ある特定の群の動物に給餌し、あるいは、ここでも経験による視覚的調査に基づいて、その群の動物の平均的な体状態が、脂肪の測定値がAAA等級に必要とされる最小値を超え、ただし歩留まり等級1を可能にする最大値未満である、と評価するまで該動物をほぼ均一に養う。
肉質等級及び歩留まり等級以外に、他の要因も、枝肉に付けられる価格に影響を与える。例えば、枝肉の重量は、最も好まれる大きさの肉片となるような、所望の範囲内でなければならない。
ある時期の特定の市場の好みとは無関係に、飼育場経営者は、精肉処理業者、又は同様の市場の購買者が、現在流行している市場の好みに従った最高額を支払うような、ある同様の標準に、彼の畜牛が適合するように調整しようと試みている。
一群の動物に由来する枝肉のいくつかは、常に所望の範囲内にあるが、一方で多くの枝肉は所望の範囲外である。したがって、いくつかの枝肉は、所望の範囲にあるため最高額になるであろう。しかしながら、非常に多くの枝肉は所望の範囲外にあるので低価格になるであろう。所望の範囲との相違が大きくなるに従い、価格の低下は一般に段階的に増大する。
飼育場経営者関連のコストには、飼育場操業のコスト、例えば労働者、資金、維持費など、及び畜牛に給餌するコストがある。群中の各動物を得るコストは、ある程度変わる可能性があるが、飼育場経営者関連のコストは、群中の各動物に関して同じである。なぜなら動物は、飼育場内において同じ期間で、同じ量の飼料及び占有空間を与えられるからである。したがって、所望の範囲を外れた枝肉に対する価格の低下が、飼育場経営者の損益に直接かぶってくることになり、利益が減少する。
飼育場経営者は、畜牛の給餌及び市場出荷に関する決定を行う際に考慮する非常に複雑な1組の要因を有する。動物が販売前に飼育場内にいる期間が長いほど、飼育場経営者にコストがかかる。時々、動物を長期間保持することは、そうすることによって、より利益のある等級品を得ることができる場合には、魅力的な選択肢である可能性がある。例えば体脂肪が要求されるとき、飼育場経営者は、より多くの畜牛をAAA等級にするため、動物を長期間飼育してさらに太らせると思われる。過剰な脂肪に対する歩留まり等級の控除額が、十分な脂肪に対する奨励金より低い場合、このことは特に当てはまり、十分な数の動物を飼育場に持ち込むことが可能ではないときは、或いは動物の価格が高いときは、より一層当てはまる。畜牛が脂肪を蓄積する性質にばらつきがあると、飼育場の効率及び利益が大幅に低下する。
現在精肉処理業者は、視覚的な手がかり及び経験に基づき彼らが購入する動物の枝肉の等級を予測する。精肉処理業者は、多量のAAA及び他の等級の牛肉に関する注文をとり、彼らが飼育場から購入する畜牛を、そうした注文分として充当しなくてはならない。これらの動物の混合比は相当に変わる可能性があり、したがって精肉処理業者は、ある時期におけるさまざまな等級の枝肉の何を彼が供給するかを予測する際に、相当な困難に直面する。精肉処理業者は外に出て、注文に充当するために、短時間で、特定の等級の多くの畜牛を購入しなくてはならないことが多く、ここでもその購入は、枝肉が彼らのプラントで最終的にレールに吊るされるときに、それらがどのように格付けされるかに関する視覚的な手がかりにより、どの畜牛を購入するかという彼の決定に基づく。
畜牛を屠殺した後、それらの枝肉を冷蔵庫に運び、そこで枝肉を、適切な脂肪の測定値を得るために格付けする前に、20時間以上吊るす。ひとたび格付けした後、典型的には14〜21日間、枝肉を吊るした状態で放置する。したがって冷蔵庫には、常に相当数の格付け前の枝肉が入っていることになる。枝肉が格付けされると、精肉処理業者は、その注文に対するその在庫を続けて調べ、次いで畜牛を適切に購入しなければならない。在庫及び注文に応じて、精肉処理業者は典型的には、脂肪の多い畜牛又は赤身の多い畜牛を購入しようとする。脂肪の多い枝肉又は赤身の多い枝肉の余剰分については、その余剰分を適時に冷蔵庫から除去するためには、価格の低下が必要となるのが典型である。このような価格の低下によって、精肉処理業者の利益が低下する。購入する畜牛の枝肉の等級を予測する際の高い精度は、余剰分の発生を減らし、精肉処理業者の利益を増大させると思われる。
前に論じたように、雌牛/子牛の取扱者は、雄牛と雌牛を交配させ、需要のある性質、例えば脂身の牛肉又は赤身の牛肉に関して、供給者の系列組織を介して消費者から与えられるシグナルに基づいて繁殖を選択する。ヨーロッパ系統によって、英国系統より典型的には赤身が多い枝肉が与えられ、したがって雌牛/子牛の取扱者は、需要の変化に応じて脂肪の多い枝肉又は赤身の多い枝肉に偏るのが典型的である。雌牛/子牛の取扱者は、体格などの視覚的性質、及び安産の歴史などの逸話的性質に基づいて、繁殖動物も選択する。ここでも目的は、肥育農家(backgrounder)又は飼育場経営者などの最終購買者から、最高価格を与えられる畜牛を提供することである。
カナダ出願第2,387,003号 米国特許第6,297,027号 米国特許第6,277,592号 米国特許第6,309,857号 米国特許第6,514,700号 米国特許第6,503,710号 米国特許第6,468,742号 米国特許第6,448,407号 米国特許第6,410,231号 米国特許第6,383,756号 米国特許第6,358,679号 米国特許第6,322,980号 米国特許第6,316,230号 米国特許第6,287,766号 Sambrook他、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」第2版、Cold Spring Harbor Press(1989) Chen及びSullivan、Pharmacogenomics J 2003;3(2):77〜96
本発明の目的は、畜産の効率を向上させるための方法を提供することである。本発明の一実施形態では、このような方法は、畜牛及びブタなどの家畜動物を、給餌施設内に保持する間中に、個々の家畜動物の脂肪を貯蔵する遺伝子型に従ってグループ分けすること、及び、その後で各群中の動物にほぼ均一に給餌することを含む。
本発明の他の目的は、特定の体脂肪を獲得するという期待を満足させることを含む方法を提供することである。一実施形態では、各動物の同型接合性又は異型接合性を、レプチンと呼ばれる脂肪細胞特異的ポリペプチドをコードする遺伝子の対立遺伝子に関して決定し、その遺伝子を本明細書では以後はobと呼び、遺伝子型、例えばob遺伝子型、及び場合によっては表現型に基づいて、このような動物をグループ分けする。一実施形態では、表現型、例えば体型、及び遺伝子型、例えば第1のob遺伝子の対立遺伝子に関する同型接合性、第2のob遺伝子の対立遺伝子に関する同型接合性、或いは第1及び第2のob遺伝子の対立遺伝子に関する異型接合性によって、動物を分別する。群中の動物を一緒に、他群の動物と離して給餌し、あるいは養うこと、及びその群中の動物に給餌するのを同時に止めることを、その群の動物の体脂肪状態中央値が所望の体脂肪状態となるまで続ける。
他の実施形態では、本発明は、ob遺伝子の対立遺伝子に関して動物の同型接合性又は異型接合性を決定すること、それに応じて畜牛を3つの群、第1のob遺伝子の対立遺伝子に関して同型接合であり、したがって最も脂肪を貯蔵する性質を有する第1の群、第2のob遺伝子の対立遺伝子に関して同型接合であり、したがって最も脂肪を貯蔵しない性質を有する第2の群、並びに第1及び第2のob遺伝子の対立遺伝子に関して異型接合であり、したがって中程度の脂肪を貯蔵する性質を有する第3の群に選別することによって、飼育場に入れる畜牛を管理する方法を提供する。本発明の他の目的は、これらの3つの群を体重又は体格に従ってさらに分けるような、方法を提供することである。
本発明の他の目的は、脂肪を生産する遺伝的素質が最も低い動物の群に給餌して、低い体脂肪中央値を有する動物の枝肉を得ることを含む方法を提供することである。
本発明の他の実施形態は、購入する家畜群の脂肪貯蔵量の予測性を高めるための方法を、精肉処理業者に提供する。特にこの実施形態によって、雌牛/子牛の取扱者は、脂肪を貯蔵する遺伝的素質が高い又は低い動物を生産することによって、市場シグナルに対して飼育場からより正確に応答することができる。
本発明の方法では、給餌施設で受け入れた動物の集団中の個々の動物を、従来通り体重及び体型に基づき、更にob遺伝子型に基づいて、グループ分けする。動物が収容施設に収容され、施設中の動物の正常な流れをほとんど中断せずに、然るべくグループ分けされるときに、動物を試験して、ob遺伝子の対立遺伝子に関する同型接合性又は異型接合性を決定することが好ましく、最も有効である。
このような群の動物は、均一な食餌で一緒に養うと、このような分離後のどの時点でも、現在行われている方式を使用して1つのグループに入れられた動物が示すものよりも、高い体脂肪状態の均一性を示す。
このような群中の個々の動物は、同じ群の他の個々の動物が所望の体状態に達する時期に相前後して、所望の体状態に達するであろう。このような時期的な均一性は、現行のグループ分け方式を使用してその他の点で同様の状況にて一緒に養い、飼育した動物の群で示される均一性を超えている。
畜牛が遺伝的に脂肪を貯蔵する素質が最も高いとき(これ以後はTT畜牛、即ちTSNPに関して同型接合の畜牛)、畜牛に給餌して高い脂肪等級品を得ることが有利であろう。遺伝的に最も脂肪を貯蔵する素質が低い畜牛(これ以後はCC畜牛、即ちCSNPに関して同型接合の畜牛)に関しては、畜牛に長期間給餌して高い脂肪等級品を得るよりも、低い脂肪等級品、即ち赤身等級品を得るために、これらの畜牛に給餌することが有利であろう。遺伝的に脂肪を貯蔵する素質が中程度である畜牛、(これ以後はCT畜牛、即ちSNPに関して異型接合の畜牛)に関しては、市場価格、価格傾向、飼料コスト、飼育場へ入れる他の肥育牛(feedr cattle)の入手可能性などの考慮事項、及び他の同様の外的考慮事項に応じて、より長期間給餌して高い脂肪等級品を得るにことができ、或いはより短期間給餌して赤身等級品を得ることができる。このような外的考慮事項によって、CC畜牛に脂肪等級品用の給餌をすべき場合もあるが、これは大抵非効率なために、このような給餌はコスト効率が良いとは思われない。
CC畜牛を赤身等級品用に給餌する他の利点は、畜牛を購入する精肉処理業者によって理解されると思われる。精肉処理業者は、脂肪の多い牛肉及び赤身の多い牛肉に関する注文を受ける。現在、脂肪の多いAAAの牛肉等級の注文を受けた精肉処理業者は、等級に適合する十分な数の脂肪の多いAAA枝肉を確実に保有するために、彼らが実際に必要とするよりも、かなり多数の畜牛を購入しなければならないことが非常に多い。したがって彼らは、低価格で販売する赤身の多いAA又はA等級の牛肉を過剰に保有することになる。精肉処理業者が、ある数の市場用のTT畜牛を購入するときに、55%〜65%のAAA等級を得られるという確信がある場合、この場合彼は少ない畜牛でAAA等級の注文を埋めることができ、彼が必要とする赤身の多いAA牛肉には、赤身等級品用に給餌したCT又はCC動物が適切に充当されると思われる。CT畜牛は幾分さらに多様な状態であると思われるが、しかしながら、80%以上が赤身に格付けされるように、CC畜牛に効果的に給餌することができると予測される。
本開示中、及び特に特許請求の範囲では、例えば「comprises」、「comprised」、「comprising」などの用語は、米国特許法中に属する意味を有することができる;例えばそれらの用語は、「includes」、「included」、「including」などを意味することができ;「consisting essentially of」及び「consists essentially of」などの用語は、それらが米国特許法に帰する意味を有し、例えばそれらの用語は、明確に引用されていない要素を考慮に入れるものだが、従来技術に見られる要素、又は本発明の基本的又は新規な特徴に影響を与える要素は、除外される。
本発明のこれら及び他の目的、特徴、及び利点は、例えば本発明の原理を示す、添付の図面及び特許請求の範囲と共に考えると、本発明の以下の詳細な説明においてさらに明らかになる。
本発明の最良の形態を含めた、完全で実施可能な本発明の開示を、当業者に対して、添付の図面を参照することを含めて、本明細書の残りの部分でより詳細に述べる。
本発明の他の目的、特徴、及び態様は、以下の詳細な説明中に開示され、或いはそこから明らかである。本発明の論述は、例示的な実施形態のみを記載するものであり、その広範囲の態様が例示的な構成で実施される、本発明の広範囲の態様を、制限するものとしては考えられないことは、当業者によって理解されよう。実際、本発明のさまざまな変更形態及び変形を、本発明の範囲及び精神から逸脱せずに作製することができることは、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部分として示されるか、或いは記載される特徴を、他の実施形態において使用して、さらに他の実施形態を生産することができる。本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内に入るものとして、そのような変更形態及び変形を含むと考えられる。
利便性のために、本明細書、実施例、及び添付の特許請求の範囲において使用するいくつかの用語を、本明細書では以下のようにまとめる。
用語「動物」は、ヒトを含めたすべての脊椎動物を包含するものとして、本明細書で使用されている。この用語は、胚形成期及び胎児期を含めた、発生の全段階の個々の動物も含む。
本明細書で使用するように、用語「畜産動物」は、「家畜動物」と互換可能に使用され、主に食用に育てた動物を一般的に指す。例えば、このような動物には、畜牛(ウシ)、ヒツジ(羊)、ブタ類(豚又はブタ)、家禽類(鳥類)などがあるが、これらだけには限られない。
本明細書で使用するように、用語「雌牛」又は「畜牛」は、任意の年齢のウシ起源の動物を指すのに一般的に使用される。互換可能な用語には、「ウシ」、「子牛」、「雄の子牛」、「雄牛」、「未経産雌牛」などがある。
本明細書で使用する用語「鳥類」は、分類法で鳥綱である生物の任意の種、亜種又は種族を指し、例えばニワトリ、七面鳥、カモ、ガチョウ、ウズラ、キジ、オウム、フィンチ、タカ、カラス、並びにダチョウ、エミュー及びヒクイドリを含めた走鳥類などの生物があるが、これらだけには限られない。
本明細書で使用するように、用語「ブタ」は、任意の年齢のブタ起源の動物を指すのに一般的に使用される。互換可能な用語には、「子豚」、「雌豚」などがある。
本明細書で使用するように、用語「ゲノム」は、ある生物の染色体中の、すべての遺伝物質を指す。その大きさは、その塩基対の合計数として一般に与えられる。ゲノム内では、用語「遺伝子」は、特定の機能産物(例えばタンパク質又はRNA分子)をコードしている、ある染色体上のある位置に位置するヌクレオチドの整然とした配列を指す。例えば、タンパク質レプチンは、ob(肥満)遺伝子によってコードされており、食欲、基礎代謝、及び脂肪貯蔵量の制御と関係があるらしいことは知られている。一般に、そのゲノムのヌクレオチド配列によって定義される、動物の遺伝的性質は、動物の「遺伝子型」として知られており、一方で動物の身体的性質は、その「表現型」として記載される。
本明細書で使用するように、用語「遺伝子座」又は「遺伝子座(複数)」は、染色体上の遺伝子の位置を指す。「対立遺伝子」としても知られる遺伝子の対は、それぞれ染色体の対上の同じ位置における、遺伝的性質を調節する。動物の「対立遺伝子型」として記載されることもある、これらの対立遺伝子は、その形質の発現が優性又は劣性のいずれであってもよい。いずれの場合でも、その個体は、その遺伝子対によって調節される性質に関して同型接合であると言われる。遺伝子対(対立遺伝子)が1つの優性形質及び1つの劣性形質からなる場合、その個体は、その遺伝子対によって調節される性質に関して異型接合である。
用語「ヌクレオチド」は、窒素含有塩基(DNAのアデニン、グアニン、チミン又はシトシン;RNAのアデニン、グアニン、ウラシル又はシトシン)、リン酸分子、及び糖分子(DNAのデオキシリボース、及びRNAのリボース)からなる、DNA又はRNAのサブユニットを一般に指す。数千のヌクレオチドが連結して、NDA又はRNA分子を形成する。「単一塩基多形」即ちSNPは、DNA分子中の1塩基の変化からなる、遺伝子の最も一般的な型の遺伝的差異を指すために、本明細書で使用する。SNPの一例は、ob遺伝子のエクソン2内におけるシトシン(C)からチミン(T)への変化であり、これはレプチンポリペプチドのアルギニン(ARG)からシステイン(CYS)への置換に対応する(Buchanan他(2002)。
本明細書で使用するように、用語「タンパク質」は、特異的な順序の1つ又は複数のアミノ酸鎖から構成される大きな分子を一般に指す。前記順序は、タンパク質をコードする遺伝子中のヌクレオチドの塩基配列によって決定される。タンパク質は、体の細胞、組織、及び器官の構造、機能、及び制御に必要とされる。各タンパク質は、独自の機能を有する。
畜産動物の典型的な成長曲線を、図1に示す。現在行われている畜産の方式では、動物を屠殺する用意ができているとみなす曲線上の時点が、特定の産業間で異なる。家禽類及びブタに関しては、例えば、現在行われている方式では、成長曲線が横ばいになり始める第3期の開始付近で屠殺する。曲線のこの時点では、1ポンド増加させるのに必要とされる時間及び飼料の量が増大するため、動物をこの時期に屠殺して、その代わりに、体重の増大がより一層迅速で、飼料転換効率がより高い第2期の動物を給餌施設に入れなければならないことが、経済的に要求される。しかしながら畜牛に関しては、現在行われている方式では、第3期に入ってから屠殺している。第3期中に、畜牛は脂肪を蓄積し、これによって肉質が向上する。現在、畜牛は、体重、並びに体格及び繁殖形質などの視覚的な手がかりに従って、グループ分けされている。したがってその群を一緒に囲いに入れ、その時点から各動物に実質的に給餌し、あるいは均一に養う。その群の平均体状態が所望の体状態であると判定したとき、群中のすべての動物を屠殺する。
畜牛の畜産では、筋肉内脂肪を予測して、所望の体脂肪状態がいつ得られるかをより適切に判断することを試みて、例えば超音波装置を使用し、数頭の生存動物の背部脂肪を測定することが知られている。生存動物の背部脂肪の正確な測定を行うことはできるが、背部脂肪は、肉中で交雑し、肉質を向上させるものと認められているためにプレミアム価格がつく筋肉内脂肪に対するいかなる精度とも相関関係がないことが知られている。実際の筋肉内脂肪は、動物を屠殺した後でのみ正確に評価することができ、このとき動物の枝肉が格付けされる。したがって、畜牛の飼育業者が、所望の肉質等級AAAに適合する屠殺動物の提供に成功するには制約がある。現在、飼育場経営者は、すべての畜牛に給餌して、最も効率よく、確実に、最大数の畜牛が最高級の等級、例えば等級AAAとなるように試みている。
本発明者により、典型的な飼育場状況における、肥育牛の遺伝子型試験によって、遺伝子型と脂肪貯蔵量の間の直接的な相関関係が示された。畜牛は従来型の囲いに閉じ込め、従来型の飼料を与え、従来の手段により市場に出す用意ができたと認めたときに屠殺した。畜牛を試験して遺伝子型を決定し、出荷時点までさかのぼり調べて、適合する肉質等級を決定した。各囲いの中には、非分別状態のCC、CT、及びTT畜牛が混ざっていた。
第1の試験(試験1)の結果によって、遺伝子型を試験した73頭のヘレフォード種の雄の子牛の中で、36頭がCTであり、37頭がTTであり、CCは存在しなかったことが示された。この73頭の畜牛を屠殺すると、48.5%のTT枝肉がAAAに格付けされ、19.4%のCT枝肉がAAAに格付けされた。
試験2では、遺伝子型を試験した50頭のシャロレー−アンガス交雑種の雄の子牛の中で、9頭がCCであると決定され、28頭がCTであり、13頭がTTであった。屠殺すると、62%のTT枝肉がAAAに格付けされ、29%のCT枝肉がAAAに格付けされ、11%のCC枝肉がAAAに格付けされた。
試験3では、それぞれ5つの囲い中の13頭のシャロレー種の畜牛、即ち合計65頭の動物を、対立遺伝子型に関して試験した。65頭の畜牛の中で、29頭がCCであり、24頭がCTであり、12頭がTTであった。この65頭の畜牛は、繁殖率が高かった。屠殺すると、58.3%のTT枝肉がAAAに格付けされ、45.5%のCT枝肉がAAAに格付けされ、38.5%のCC枝肉がAAAに格付けされた。
本発明の方法は、飼育場の実務において現在使用されている表現型基準を使用することに加えて、動物の遺伝子型、或いはより具体的には対立遺伝子型に従い、畜産動物をグループ分けすることを企図するものである。例えば、本発明の一実施形態では、大きさ及び骨格構造、特に表現型形質に従い畜牛を現在グループ分けしている飼育場経営者は、動物の脂肪を貯蔵する性質と相関関係がある、対立遺伝子型、即ちCC、TC、又はTTに従い、動物をグループ分けして、より効率よく生産を管理すると思われる。したがって飼育業者は、畜産の効率をかなり向上させる機会を与えられる。
現在飼育業者は、自分のすべての畜牛に同一の給餌を行い、各動物に関して同じコストを負担し、優れた管理を実施することによって、おそらく40%がAAAなどの最高等級を与えられ、その肉質等級に対するプレミアム価格が付けられるのが典型である。これらの中で、相当数が過剰な脂肪を有し、したがって低い歩留まり等級が与えられる。
残りの畜牛、60%はAAA未満に格付けされ、したがって低価格が付けられるが、飼育業者が負担する飼育場のコストは、低い等級を与えられるこれらの畜牛に関して、実質的に同じである。遺伝子型、及びより具体的には対立遺伝子型によって、畜牛のグループ分け及び給餌を行うことにより、飼育業者は、管理戦略の最適化及び利益の増大を考慮して、各群を別々に取り扱うことができる。
例えば、本発明の一実施形態に従うと、CC畜牛の群は、脂肪を貯蔵する性質が最も低いため、成長曲線の初期、成長曲線が横ばいになる第3期の開始付近で、この群を屠殺することがより有益であると思われる。なぜならそれらは、最高級の脂肪要件即ちAAA等級に適合する可能性が最も低いからである。初期に屠殺されるこのような群は、赤身の枝肉を有する率が非常に高いと思われ、この予測自体が、赤身の枝肉を必要とする注文を満たそうとしている精肉処理業者から、奨励金を引き出すと思われる。他方で、TT畜牛の群は、脂肪を貯蔵する性質が最も高いため、これらの畜牛を飼育場で長期間飼育することがより有益であると思われる。なぜなら、十分な筋肉内脂肪を蓄積しているために枝肉がAAAに格付けされ、それによってプレミアム価格を付けられる畜牛の割合が高いと予測されるからである。同様に、CT畜牛の脂肪貯蔵程度が中程度であることを知ることによって、飼育場経営者は、より効率的且つ利益が出るようにこの群を管理することができる。
その時々におけるある特定の体脂肪状態に対する望ましさ、及びそれに支払われる奨励金とは無関係に、脂肪の多い肉か赤身の多い肉かを予測可能な、より均質な群を精肉処理業者に供給することによって、飼育業者は、現在入手可能なあまり均質ではない畜牛の群と比較して、奨励金を要求し受け取る機会を得ることになると考えられる。精肉処理業者は、畜牛の購入数を全体として減らしながら、自分が実際に必要とする体脂肪状態を有する畜牛の購入数を増やすことができるであろう。このようにして精肉処理業者は、彼の在庫をより良く管理し、通常は低価格で販売されると思われる、あまり望ましくない体脂肪状態を有する枝肉の余剰分を減らすことができる。
したがって本発明は、一実施形態では、購入する畜牛の総数を減らして、所望数の所望等級の枝肉を得ることにより、牛肉の精肉処理作業における枝肉の在庫を減らす方法を提供する。この方法は、購入可能な動物が、TT動物(即ち、ob遺伝子のT対立遺伝子に関して同型接合である)、CC動物(即ち、ob遺伝子のC対立遺伝子に関して同型接合である)、又はCT動物(即ち、ob遺伝子のT対立遺伝子及びC対立遺伝子に関して異型接合である)であるかを決定することを含む。所望の等級として脂肪の多い枝肉が必要とされる場合、精肉処理業者はTT動物を購入し、所望の等級として赤身の枝肉が必要とされる場合、精肉処理業者はCC動物を購入する。
脂肪貯蔵量を予測することができると、飼育場経営者は、脂肪の多い枝肉又は赤身の枝肉に適用可能な奨励金を考慮し、収益を最大にするために決断を調節することができる。飼料コストが高いときのように、生産コストが高い場合は、飼育場経営者は、早い時期に屠殺することによって利益を得ることができる。コストが低いときは、遅い時期に屠殺することによって利益が大きくなると思われる。飼育場経営者は、成長曲線上のある時点における一群の動物の体脂肪状態をより正確に予測することができ、したがってある特定の群をいつ屠殺するかに関して、より効率よく決定することができる。
本発明の方法によって、畜産動物の遺伝子型、特にTT/CC/CT対立遺伝子型を全般的に管理することによって、飼料割当量を調節して、各群の所望の体脂肪状態をより特異的に得ることができることも考えられる。
同種並びに実質的に同じ年齢及び体重の動物の中では、健康状態及び食餌などの成長の他の決定因子が等価な場合、小型の動物は、大型の動物よりも早く、第3成長期の開始によって例示される成熟段階に達するであろう。したがって、実質的なレプチン効果は、そうした小型の動物においては、大型の動物よりも早く明らかになるであろう。
健康状態及び食餌などの、成長に関する他の決定因子が等価な場合、実質的に同じ年齢、体重、及び体型を共有する同種の動物群が、第3成長期の開始によって例示される成熟段階に達する時期については、属する個々の動物が同じ体型を実質的に共有していないが、それ以外は等価な動物群の場合よりも、ばらつきが少なくなるであろう。したがって、成長に関する他の決定因子が等価な場合、体型に基づいて分別した動物群では、そのように分別しなかった動物群よりも、実質的なレプチン効果が明らかになり始める時期のばらつきが少なくなるであろう。
重要なことに、体格以外は同様な動物を体格に基づいてグループ分けすることは、体重以外は同様な動物を体重に基づいてグループ分けすることよりも、体状態の均一性を得るためのより的確な手段である。大型の動物と比較すると、実質的に同じ年齢及び体重である小型の動物は、第3成長期により早く到達し、多量の体脂肪をより早く蓄積し始め、したがって所望の体脂肪状態により早く到達するであろう。このようにグループ分けした個々の動物が、異なるob遺伝子型を有する場合、そのような違いの実質的な証拠は、実質的に同じような時期に示されるであろう。実質的に同じ体重及び体型を共有する動物の中では、TT動物は、第3成長期中にCT動物より速く脂肪を蓄積し、ob遺伝子の異型接合体は、第3成長期中にCC動物より速く脂肪を蓄積するであろう。
本発明の一実施形態は、市販用の家畜の給餌及び仕上げ施設において、より高い効率を容易に達成するための方法を提供するものであり、ob遺伝子型を決定することによって、各動物が脂肪を貯蔵する遺伝的素質を決定すること、及びob遺伝子型に基づいて、個々の動物を亜群に分別することを含む方法を提供することによる。したがって、本発明の方法を使用することによって、経営者は、同種の個々の動物を複数含む家畜動物群であって、個々の動物の体脂肪状態中央値が所望の体状態であり、個々の動物の実際の体脂肪状態が均一に改善される群を、生産することができる。
本発明の方法は、現在入手可能なあまり均質ではない畜牛の群と比較して、奨励金を要求し受け取る機会を飼育場経営者に保証するような、脂肪の多い肉か赤身の多い肉かを予測可能な、より均質な群も精肉処理業者に提供する。例えば、本発明の一実施形態に従って、精肉処理業者は、畜牛の購入数を総数としては減らす一方で、実際に必要とする体脂肪状態の畜牛の購入数を増やすことができるであろう。したがって精肉処理業者は、在庫をより良好に管理し、通常は低価格で販売されると思われる、あまり望ましくない体脂肪状態の枝肉の余剰分を減らすことができる。脂肪貯蔵量を予測することができると、飼育場経営者は、脂肪の多い枝肉又は赤身の枝肉に適用可能な奨励金を考慮し、各群に関する収益を最大にするために決断を調節することができる。飼料コストが高いときのように、飼育場でのコストが高い場合は、飼育場経営者は、早期に屠殺することによって利益を得ることができる。コストが低いときは、遅い時期に屠殺することによって利益が大きくなると思われる。飼育場経営者は、本発明の方法を使用して、成長曲線上のある時点における一群の動物の体脂肪状態をより正確に予測することができ、したがってある特定の群をいつ屠殺するかに関して、より効率よく決定することができる。
AAAなどの最高等級の牛肉に対する需要が高い場合、飼育場経営者は、ob遺伝子のT対立遺伝子に関して同型接合の畜牛に第1の価格を支払い、ob遺伝子のT対立遺伝子及びC対立遺伝子に関して異型接合の畜牛に、第1の価格より低い第2の価格を支払い、ob遺伝子のC対立遺伝子に関して同型接合の畜牛に、第2の価格より低い第3の価格を支払うことも考えられる。飼育場経営者は、遺伝子型により予測される枝肉等級に基づいて、畜牛に関する奨励金を設定することもできる。
本発明の前述の実施形態は、所望の体脂肪状態を例示するのに必要な率より低率の体脂肪を有する、実質的に体重及び体型が類似している個々の動物の集団を集めることによって行う。家畜給餌施設の現場において、このような集団を集める前、或いはそのときに、動物がob遺伝子のT対立遺伝子に関して同型接合であるか、ob遺伝子のC対立遺伝子に関して同型接合であるか、或いはob遺伝子のT対立遺伝子及びC対立遺伝子に関して異型接合であるかを決定する。
染色体DNAを含む組織試料を、個々の各動物から集めて、ob遺伝子型を決定することができる。既知の手段を使用して動物細胞を破壊し、動物組織試料を、このような組織試料中の染色体DNAの完全性が維持されるように処理することができる。Sambrook他編「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」第2版、Cold Spring Harbor Press(1989)(それらの内容は、参照によりその全容が本明細書に組み込まれている)などの、標準的な分子生物学教本を参考にして、DNA試料を選択した組織から単離するための、適切なプロトコルを設計することができる。しかしながら、ob遺伝子型を決定するのに適したDNAを単離するための、適切な組織又は試料の選択は、動物由来試料の入手しやすさ、及び試料中に存在するDNAの量を含めた、多数の要因に依存することを理解すべきである。選択する組織には、髪の毛、上皮細胞、血液、鼻腔及び膣の綿棒塗抹試料などが挙げられるが、これらに限定されない。
各試料を、染色体DNAが精製又は部分的に精製されるように、従来の方法によって処理する。次いで精製したDNAをアッセイして、分子生物学の当業者に知られている方法を使用して、その中のob遺伝子の野生型対立遺伝子、及びob遺伝子の変異対立遺伝子の存在を識別する。本発明ではob遺伝子型を決定するために、遺伝子型を決定するためのいかなる方法をも使用することができる。このような方法には、DNA塩基配列決定、RFLP分析、マイクロサテライト分析、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、アンプリマーの塩基配列決定、核酸のハイブリダイゼーション、FRET系ハイブリダイゼーション分析、サイズクロマトグラフィー(例えば、毛細管又はゲルクロマトグラフィー)、高スループットスクリーニング、質量分光法、及び蛍光分光法などが挙げられるが、これらに限定されず、これらはすべて当業者にはよく知られている。詳細には、ヌクレオチド多形性、特に単一塩基多形を決定するための方法は、米国特許第6,514,700号;米国特許第6,503,710号;米国特許第6,468,742号;米国特許第6,448,407号;米国特許第6,410,231号;米国特許第6,383,756号;米国特許第6,358,679号;米国特許第6,322,980号;米国特許第6,316,230号;及び米国特許第6,287,766号中に記載され、Chen及びSullivan、Pharmacogenomics J 2003;3(2):77〜96によって概説されており、それらの開示は、参照によりその全容が本明細書に組み込まれている。
対立遺伝子を区別するための1つの従来的手段は、ミスマッチPCR−RFLPによるものである。例えば、本発明の有利な実施形態に適用されたように、ob遺伝子のエクソン2の合成オリゴヌクレオチドプライマー増幅に続いて、Kpn2Iを使用して、制限エンドヌクレアーゼによるその増幅DNA産物の処理を行うことによって、ob遺伝子のC対立遺伝子に対応するアンプリマーの切断がもたらされるが、T対立遺伝子に対応するアンプリマーは切断されない。遺伝子型の決定は、給餌施設での受け入れ時、又は動物が生きている間のどの時期でも試験により行うことができ、動物と共に移動するため容易に利用可能な耳標などに、好都合に記録することができる。
ひとたび遺伝子型を決定した後、本発明の方法に従って、個々の動物を、各動物が同一のob遺伝子型、即ちob(TT動物)、ob(CT動物)、又はob(CC動物)を有するいくつかの群に分別する。各群の動物を、一緒に養い、給餌し、その結果、すべてのこのような動物の環境、健康、栄養、並びに他の条件及び必要要件が、実質的に等価な程度で、実質的に等価な手段により維持され、満たされる。TT動物はCT動物と比較して高い体脂肪貯蔵量を示し、したがってCC動物と比較して高い体脂肪貯蔵量を示すので、飼育場経営者は、管理戦略の最適化及び利益の増大を考慮して、各群を別々に取り扱うことができる。
本発明は、全体重の割合として体脂肪を蓄積する性質を有する、家畜動物を繁殖させる方法も提供するものであり、その蓄積速度は(i)予測可能であり、(ii)このような個々の家畜動物、及び同種の他の個々の家畜動物を、実質的に等価な条件下で給餌し養うときに、同種の該他の家畜動物より大きいか、又は小さく、(iii)血統が同じか又は明らかに類似している動物と、実質的に同様の時間経過を共有する。この目的は、同種の既知の体型の雄及び雌の家畜動物、又はそれらに由来する胚組織を集めること;各前記動物から染色体DNAを含む組織試料を集めること;及び前記の手段或いは当分野で既知の同等の手段に従って、各組織試料の遺伝子型を決定することによって達成される。体型及び遺伝子型に基づいて、互いに交配させるために、個々の雄及び雌の家畜動物を選択する。その目的は以下の通りである。
(a)成熟時の相対的全体重が大、中又は小である、大型、中型、又は小型の子孫動物が、有用な確度で、大型、中型、又は小型の親動物をそれぞれ交配させることによって、生産されると予測できること;
(b)CC又はTT又はCTである子孫(これらは、有用な確度で、このような子孫の第3成長期中に、それぞれ、相対的に低い、高い、又は中程度の体脂肪蓄積速度を示すと予測できる)は、既知のob遺伝子型を有する親動物を交配することによって、既知の遺伝の法則に従って、生産することができること;並びに
(c)体型及びob遺伝子型両方に基づいて、親動物を選択することによって、既知の遺伝の法則に従って有用な確度で、実質的に等価な条件下で実質的に給餌し、養うと、既存の繁殖プロトコルに従って選択した動物と比較して、所望の体脂肪状態を得る時期がより均一になると予測することができる多数の子孫を生産することができる。
TT又はCTである親動物からの子孫は、CC動物をも対象とする他のプロトコルに従い繁殖したこと以外は実質的に等価な条件で養われる、同じ種及び年齢の他の個々の家畜動物による体脂肪蓄積の平均速度より大きな速度で、成長中に体脂肪を蓄積する性質を示すであろう。子孫中のT対立遺伝子の存在率が増加すると、その子孫が脂肪を蓄積する性質が高まるであろう。
さらに、特定の子孫のob遺伝子型が、その子孫のob遺伝子型の決定により確認可能な両親のob遺伝子型に基づいてひとたび知られると、特定の遺伝子型のさらなる子孫を、本発明の方法に従い繁殖させることができる。したがって、本発明の方法の他の有用性は、ひとたび両親のob遺伝子型を決定した後の、特定のob遺伝子型に関する選択的繁殖であり、これは即ちメンデルの遺伝学の法則に従うものである。
前述の事項は、本発明の法則の単なる例示的なものとしてみなされる。さらに、多数の変形及び変更形態が当業者には容易に思い浮かぶので、示され記載された当該の実施に、本発明を限定することは望ましくなく、したがって、信頼することができる、実施中のすべてのこのような適切な変形又は変更形態は、特許請求する本発明の範囲の範疇に入ると考えられる
(参考文献)
家禽類、ブタ、ヒツジ、及び畜牛などの、畜産動物の成長曲線を示す図である。成長期は動物の重量と相関関係がある。

Claims (27)

  1. 各亜群の動物が類似の体脂肪素質を有する、亜群を含む同じ種(species)の一群の家畜動物から、同じ種の家畜動物の亜群を生産するための方法であって、
    (a)ob遺伝子型を決定することによって、各動物の脂肪を貯蔵する遺伝的素質を決定すること;及び
    (b)ob遺伝子型に基づいて、個々の動物を亜群に分別すること
    を含む方法。
  2. 体型及び体重が類似する個々の動物の集団を集めることをさらに含む請求項1に記載の方法であって、該動物の体脂肪状態中央値が所望の体状態と相違し、該相違は、このような個々の動物中の筋肉内脂肪及び背部脂肪を含めた体脂肪が、所望の体状態を有する動物における所望量より少量であることによって例示される方法。
  3. 亜群の動物を一緒に養うこと、及び、亜群の個々の動物の体脂肪状態中央値が所望の体脂肪状態となるまで、このような動物に給餌することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. ob遺伝子型を決定することが、ob遺伝子多型を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. ob遺伝子多型が単一塩基多形である、請求項4に記載の方法。
  6. 決定することが、前記動物が、ob遺伝子のT対立遺伝子に関して同型接合のTT動物、ob遺伝子のC対立遺伝子に関して同型接合のCC動物、ob遺伝子のT対立遺伝子及びC対立遺伝子に関して異型接合のCT動物のいずれであるかを決定することを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 分別することが、個々の動物を少なくとも1つの亜群に分別することを含み、該亜群の動物は、
    (i)ob遺伝子のT対立遺伝子に関して同型接合のTT動物、
    (ii)ob遺伝子のC対立遺伝子に関して同型接合のCC動物、又は
    (iii)ob遺伝子のT対立遺伝子及びC対立遺伝子に関して異型接合のCT動物
    である請求項5に記載の方法。
  8. 個々の動物を3つの亜群:(i)第1亜群の動物がob遺伝子のT対立遺伝子に関して同型接合のTT動物;(ii)第2亜群の動物がob遺伝子のC対立遺伝子に関して同型接合のCC動物;及び(iii)第3亜群の動物がob遺伝子のT対立遺伝子及びC対立遺伝子に関して異型接合のCT動物、に分別すること;並びに
    (a)第1亜群の動物を他の亜群の動物とは分けて一緒に養い、第1亜群の個々の動物の体脂肪状態中央値が、第1の所望の体脂肪状態となるまで第1亜群中の動物に均一に給餌すること;
    (b)第2亜群の動物を他の亜群の動物とは分けて一緒に養い、第2亜群の個々の動物の体脂肪状態中央値が、第2の所望の体脂肪状態となるまで第2亜群中の動物に均一に給餌すること;及び
    (c)第3亜群の動物を他の亜群の動物とは分けて一緒に養い、第3亜群の個々の動物の体脂肪状態中央値が、第3の所望の体脂肪状態となるまで第3亜群中の動物に均一に給餌すること
    をさらに含む請求項7に記載の方法。
  9. 第1、第2、及び第3の所望の体脂肪状態が同一である、請求項8に記載の方法。
  10. 成長中に体脂肪蓄積性が予測可能な家畜動物の子孫を生産する方法であって、
    (a)潜在的な雄親及び潜在的な雌親の家畜、又はそれらの胚物質の遺伝的素質を、ob遺伝子型の決定によって決定すること;並びに
    (b)潜在的な雄親及び潜在的な雌親の家畜動物、又はそれらの胚物質から、ob遺伝子型に基づいて個体を選択的に繁殖させ、
    それによって、成長中に体脂肪蓄積性が予測可能な家畜動物の子孫を得ることを含む方法。
  11. 同種の潜在的な雄親及び潜在的な雌親の家畜動物、又はそれらの胚物質を集めて、子孫の繁殖を可能にすることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. ob遺伝子型を決定することが、ob遺伝子多型を検出することを含む、請求項10に記載の方法。
  13. ob遺伝子多型が単一塩基多形である、請求項12に記載の方法。
  14. 遺伝的素質の決定が、動物がob遺伝子のT対立遺伝子に関して同型接合のTT動物、ob遺伝子のC対立遺伝子に関して同型接合のCC動物、ob遺伝子のT対立遺伝子及びC対立遺伝子に関して異型接合のCT動物のいずれであるかを決定することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 選択的な繁殖が、(i)潜在的な雄親と潜在的な雌親の家畜動物を選択的に繁殖させることによって、成長中に体脂肪を蓄積する第1の性質を有する家畜動物の子孫を生産することであって、潜在的な親家畜動物の少なくとも一方がTT動物であり、親動物の他方が、ob遺伝子の変異対立遺伝子に関して同型接合のTT動物、又はob遺伝子のT対立遺伝子及びC対立遺伝子に関して異型接合のCT動物であること;又は(ii)潜在的な雄親と潜在的な雌親の家畜動物を選択的に繁殖させることによって、成長中に体脂肪を蓄積する第2の性質を有する家畜動物の子孫を生産することであって、潜在的な親家畜動物の少なくとも一方がCC動物であり、親動物の他方が、ob遺伝子の野生型対立遺伝子に関して同型接合のCC動物、又はob遺伝子のT対立遺伝子及びC対立遺伝子に関して異型接合のCT動物であることを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 成長中に体脂肪を蓄積する第1の性質が、成長中に体脂肪を蓄積する第2の性質よりも広範囲の性質である、請求項15に記載の方法。
  17. 成長中に体脂肪を蓄積する遺伝子型、及び成熟時に予測可能な体型の表現型を有する個々の家畜動物を繁殖させることによる生産法であって、
    (a)潜在的な雄親及び潜在的な雌親の家畜、又はそれらの胚物質の遺伝子型を、ob遺伝子型の決定によって決定すること;
    (a)潜在的な雄親及び潜在的な雌親の家畜動物それぞれの、予測可能な体型の表現型を決定すること;並びに
    (c)潜在的な雄親及び潜在的な雌親の家畜動物中の個体を繁殖させて、成長中に体脂肪を蓄積する遺伝子型、及び所望の体型の表現型を有する個々の家畜動物を選択すること
    により、成長中に体脂肪を蓄積する遺伝子型、及び成熟時に予測可能な体型の表現型を有する個々の家畜動物を得ること
    を含む生産法。
  18. 家畜動物種がブタである、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 家畜動物種がウシである、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  20. ob遺伝子の変異対立遺伝子が、ob遺伝子のエクソン2内におけるシトシンからチミンへの変化であり、その変化が、ob遺伝子の野生型対立遺伝子のポリペプチド産物中にあるアルギニンの代わりとしての、ob遺伝子の変異対立遺伝子のポリペプチド産物中のアミノ酸であるシステインへの置換の原因として関連する、請求項6から9、又は14から15のいずれか一項に記載の方法。
  21. 購入する畜牛の総数を減らして、所望等級の所望数の胴体を得ることにより、牛肉包装作業における胴体の在庫を減らす方法であって、所望のob遺伝子型を有する畜牛を購入することを含む方法。
  22. 購入前に各畜牛のob遺伝子型を決定すること、及び共通のob遺伝子型を有する畜牛を購入することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
  23. ob遺伝子型を決定することが、ob遺伝子多型を検出することを含む、請求項21又は22に記載の方法。
  24. ob遺伝子多型が単一塩基多形である、請求項23に記載の方法。
  25. 遺伝的素質を決定することが、購入可能な動物が、ob遺伝子のT対立遺伝子に関して同型接合のTT動物、ob遺伝子のC対立遺伝子に関して同型接合のCC動物、ob遺伝子のT対立遺伝子及びC対立遺伝子に関して異型接合のCT動物のいずれかであるかを決定することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
  26. 動物がCC動物である、請求項25に記載の方法。
  27. 動物がTT動物である、請求項25に記載の方法。
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