JP2005523989A5 - - Google Patents

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シンガス成分の水性分離
本発明は、気・液合成(gas-to-liquid synthesis)で生じた未反応合成ガス(シンガス)の処理に関し、より具体的には、未反応シンガスを水と接触させてCOを除去する方法に関する。
関連出願の相互参照
本願は、2001年9月14日に出願された米国特許出願Serial No.09/951,551、09/951,552、及び09/951,553に関連しており、それらの全内容は明示的に本明細書の記載の一部とする。
通常遠隔地でしか入手できない豊富な資源である天然ガスの生産を開発することには少なからぬ経済的動機がある。そのような遠隔地から天然ガスを商業的市場又は隔離処理施設へ輸送することが、経済的に実行不可能であることが屡々ある。一つの方法は、天然ガスを液化天然ガス(LNG)へ転化し、市場又は処理施設へ輸送することである。別の方法は、天然ガスを遠隔地でメタノールに転化するが、メタノールをさらにガソリンへ処理することはしないことを含んでいた。
天然ガスは、合成ガスを製造するために用いられる主なメタン源である。合成ガス(シンガス)は、主にCO及びHから構成された混合物である。シンガスを、メタノールのような有用な生成物、又は合成燃料、潤滑剤、及び他の炭化水素質生成物へフィッシャー・トロプシュ合成により転化する技術は知られている。シンガスを製造する一つの方法は、メタンと二酸化炭素とを触媒反応させることを含んでいる。天然ガスは主要なメタン源であるが、シンガスを生成するための炭化水素供給物を与えるためには、石炭及び石油も用いられてきている。
二酸化炭素が地球温暖化の主要な因子であると考えている人々もある。従って、二酸化炭素の生成を減少させ、その環境への放出を制限する手段を見出すことには動機がある。シンガスを製造するための上記方法の一つの利点は、それが反応物として二酸化炭素を用いていることである。
現在、遠隔地天然ガス資源又は石炭を、輸送機関燃料及び潤滑油へ転化するのに二つの気・液(GTL)法が存在する。両方共、中間体としてシンガスを用いている。第一の方法は、部分的酸化により天然ガス又は石炭をシンガスへ転化し、次にフィッシャー・トロプシュ合成で反応させ、更にそのフィッシャー・トロプシュ生成物を精製することを含んでいる。第二の方法は、天然ガス又は石炭を部分的に酸化することによりシンガスへ転化し、次にメタノール合成を行い、そのメタノールを次にメタノール・ガソリン転化(Methanol-to-Gasoline)(MTG)法により高度に芳香性のガソリンへ転化することを含んでいる。
フィッシャー・トロプシュ法及びMTG法は、両方共相対的利点及び欠点を有する。フィッシャー・トロプシュ法の一つの利点は、形成される生成物が極めてパラフィン性であることである。これらの生成物は、優れた燃焼性及び潤滑性を有する。フィッシャー・トロプシュ法の欠点は、天然ガスをフィッシャー・トロプシュ生成物へ転化する間に、その設備中で発生する二酸化炭素の量が比較的多いことである。MTG法は、高度に芳香性のガソリン及びLPG留分を生ずる。ガソリンは、一般にガソリンエンジンで用いるのには適しているが、ジュレン及びポリメチル芳香族が存在することがある。これらの物質は高い結晶化温度を有し、放置しておくと固化することがある。MTG法はフィッシャー・トロプシュ法に比較して資本コストが高く、生成物は潤滑剤、ディーゼル燃料、又はジェットタービン燃料に用いることができない。
典型的なフィッシャー・トロプシュ法を図1に例示する。CH、O、及びHOの供給物を導管(10)を通りシンガス発生器(15)へ送る。発生器からのCO、H、及びCOを含む流出物を、導管(20)を通りフィッシャー・トロプシュ反応器(25)へ送る。その反応の生成物を、導管(35)を通り分離領域(40)へ送る。C+液体を含む炭化水素生成物を回収し、導管(45)を通り、更に燃料、潤滑剤等へ処理するための他の設備領域へ送る。分離領域から回収されたガス状生成物(例えば、テイルガス)は、CO、H、及びCOを含有する。テイルガスの一部分を導管(60)を通り、設備中の燃料として用いるために送る。テイルガスの別の部分は、導管(50)を通り再循環してシンガス発生器(15)への供給物と混合する。
フィッシャー・トロプシュ合成によるCO放出物の発端は、反応の化学量論を調べることにより最も良く理解することができる。フィッシャー・トロプシュ反応の主たる生成物はパラフィン及びオレフィンであり、これらは式nCHにより表すことができ、この式はnCH単位のパラフィン重合体を表している。この式は、モノオレフィンについては厳密であるが、C5+パラフィンについては近似的である。nの値(生成物の平均炭素数)は、反応条件、例えば、温度、圧力、空間速度、触媒の種類、及びシンガスの組成によって決定される。フィッシャー・トロプシュ反応に望ましい真のシンガス化学量論は、nとは独立であり、次の式により求めて、約2.0である:
nCO+2nH→nHO+nCH
式中、nCHは、フィッシャー・トロプシュ反応の主たる生成物(オレフィン及びパラフィン)を表す。
CHからシンガスを生ずる三つの一般的反応が存在する。これらは次の通りである:
CHの水蒸気改質:
CH+HO→CO+3H
しかし、H対COの比は3:1であり、それはフィッシャー・トロプシュ転化に望ましい2:1よりも大きい。
乾式改質、即ち、COとCHとの反応:
CH+CO→2CO+2H
しかし、H対COの比は1:1であり、それはフィッシャー・トロプシュ転化に望ましい比よりも低い。また、乾式改質は、急速な炭素付着を与える結果になることがある。
を用いた部分的酸化:
CH+1/2O→CO+2H
これは、望ましい2:1のCOとHの比を与え、重要視されるべき反応である。
商業的実施では、炭素の形成を制御するため、或る量の水蒸気を部分的酸化改質器へ添加する。同様に、幾らかのCOは供給物中に許容することができる。従って、部分的酸化は重要視される反応であるが、全ての反応が或る程度は改質器中で起きる。
部分的酸化中、反応は完全には選択性でないためCOが形成される。次の反応による完全燃焼により、幾らかのCHがOと反応してCOを形成する:
CH+O→CO+2H
及び
CH+2O→CO+2H
更に、コークス化を制御するため改質器へ添加されるか、又はフィッシャー・トロプシュ反応中に生成する水蒸気は、次のように水性ガスシフト反応によりCOと反応してCOを形成する:
CO+HO→CO+H
この反応は平衡に到達し、その逆は、逆水性ガスシフト反応として知られている:
CO+H→CO+H
更に、C〜C炭化水素を含む軽質副生成物ガスは、屡々炉中の燃料として用いられる。この燃料は、屡々、GTL設備からのCOを、幾らかの未反応COと共に含有する。それらの炉はそのプロセスに熱を与え、有意な量のCOを与える誘因になる。水性ガスシフト反応を促進しないフィッシャー・トロプシュ触媒(Fe系触媒ではなくCo系触媒)を用い、改質器及び他の装置を適当に操作すると、COの主な発生源はそれらの炉の中での炭化水素の燃焼となる。
即ち、フィッシャー・トロプシュ法によりCHを輸送機関燃料及び潤滑油へ転化する間に有意な量のCOが形成される。このCOは、フィッシャー・トロプシュ装置からのテイルガスとして、即ち、フィッシャー・トロプシュ反応器で消費されないガスとして、GTL−フィッシャー・トロプシュ・プロセスを出る。
重質炭化水素生成物へ転化される、CH中の炭素の全割合は約68%であると概算されている。残余の約32%は有意な量のCOを形成する。これらの炭素効率の概算は、低温空気分離、自動熱的改質器、スラリー床フィッシャー・トロプシュ装置、及び重質ワックスを生成物へ転化するための水素化分解器を用いたGTL複合装置について、ベヒテル社(Bechtel Corporation)により与えられている。詳細は、IEAグリーンハウス・ガス・R&D・プログラム(IEA Greenhouse Gas R&D Programme)により刊行された2000年11月の報告書#PH3/15「GTLプラントにおけるCO減少:フィッシャー・トロプシュ合成」(CO Abatement in GTL Plant:Fischer-Tropsch Synthesis)に記載されている。別の技術を用いたGTL複合装置は、同様な炭素効率及びCO放出を有すると思われる。
反応を制御するため、シンガス転化法は、シンガス中のCOの転化率100%未満で操作される。1回通過転化率の典型的な値は40〜70%である。空気よりもむしろOを用いたフィッシャー・トロプシュ法では、未反応シンガスは、フィッシャー・トロプシュ反応器へ再循環する。経済性及び操作効率の観点から、好ましいフィッシャー・トロプシュ法はスラリー床法である。スラリー床装置で用いられる最も一般的な触媒はコバルトを含有する。コバルトは、水性ガスシフト反応(又はこの逆反応)を顕著な程度に促進することはない。これらの装置では、COは大部分は不活性ガスである。COをシンガス転化反応器へ再循環するにつれて、その濃度が増大する。これは、反応性シンガス成分(CO+H)の濃度を効果的に低下させ、反応速度を低下させる。反応性成分の分圧の低下を補うため、フィッシャー・トロプシュ反応器の圧力を増大する。この再循環操作中、初期シンガス中の僅かな量のCO(典型的には5体積%であるが、常に2%以上)が、遥かに大きな値(典型的には、40体積%)へ増大する。商業的実施では、典型的には、COに富む再循環ガスの一部分をシンガス形成反応器へ再循環し、そこでそれは乾式改質反応を促進し、シンガス中のH対COの比を希望のレベルまで低下させる。COをシンガス発生器へ再循環すると、CO形成に対する選択性が低下し、望ましいシンガス成分であるCO及びHの形成に対する選択性が改善する。これは、水性ガスシフト反応により、CO、H、及びHOとの平衡状態でCOが生ずるためである。しかし、シンガス発生器で消費できる量よりも遥かに多くのCOが生成し、その過剰のCOに富む再循環ガスをプロセスからパージし、エネルギー含有量の低い燃料として用いる。この低エネルギー含有量の燃料の使用は、GTL設備からのCO放出物の重要な源である。
希望の生成物スレート(slate)を依然として形成しながら、フィッシャー・トロプシュ・GTL法からのCO放出物を減少する処理方式が極めて望ましいであろう。CO放出物を減少することは、そのプロセスの炭素効率を改良するようにも働く。
EP 0516441A1は、フィッシャー・トロプシュ・GTL法でCOを取扱う幾つかの側面を検討しており、それには次のものが含まれる:改質器中で発生したシンガスからCOを分離すること、及びフィッシャー・トロプシュからの未反応テイルガスを改質器へ再循環すること。前に論じたように、COの再循環は、シンガスの適当なH/CO比を達成するためである。この刊行物は、「二酸化炭素の分離は高価である。それは、屡々アミンストリッピングにより遂行される。これは、アミンとの反応後、沸騰させ、そして圧縮して、改質器へ再循環して戻すために必要な圧力に到達させることを含んでいる」ことを認めている(第3頁、第4行〜第6行)。同様に、「COを除去し、再循環するコストは高価であり、典型的には、そのプロセス内でシンガスを製造するのに伴われるコストの約30%を占めるであろう」(第4頁、第45行〜第46行)。
EP 142887B1は、改質器への供給物中にCOを含むことの利点を論じている。それは、シンガスからCOをアミン洗浄及び続く圧縮により分離することに伴われる大きなコストにも言及している。
これらの刊行物のいずれにも、シンガスからCOを除去するために水性媒体を使用することは記載していない。COを除去するのに水性媒体を使用することは、典型的なアミン洗浄に伴われるコストを著しく減少し、改質反応で用いられる水の源を与える。
本発明の一つの目的は、再循環された合成ガス中のCOを分離するコストを低下する効率的な方法を提供することである。
本発明の別の目的は、GTL設備からのCO放出物を少なくする方法を開発することにある。
本発明のこれら及び他の目的及び利点は、以下の記載、添付の特許請求の範囲、及び図面を検討することにより当業者には明らかになるであろう。
本発明のこれら及び他の目的は、
(a) シンガス発生器中でCOを含有するシンガスを形成する工程、
(b) 前記シンガスを、シンガス転化プロセスで反応させ、炭化水素質生成物並びに未反応シンガス及びCOを含有するテイルガスを含む生成物流を形成する工程、
(c) 前記炭素質生成物を、未反応シンガス及びCOから分離する工程、
(d) 未反応シンガス及びCOの少なくとも一部分を、洗浄領域中で約6.0より高いpHを有する水性媒体と接触させ、COの少なくとも一部分を吸収し、COに富む水性流及びCO濃度が減少したシンガスを回収する工程、
(e) 前記回収したシンガスの少なくとも一部分を工程(d)からシンガス転化反応器へ送る工程、及び
(f) 工程(d)で得られたCOに富む水性流からCOの少なくとも一部分を脱着し、COに富むガス及びCO欠乏水性流を回収する工程、
を含む方法により達成される。
脱着は、例えば、脱着容器中でCOに富む水性流をCHと接触させることにより達成することができる。回収されたCHは、シンガス発生器へ再循環することができる。回収されたCOの部分を、海洋環境、陸地構成物(terrestrial formation)、又はそれらの両方に廃棄することができる。
CO及びCHをシンガス形成反応器へ再循環すると、そのプロセスの炭素効率を増大する。CO及びHの分離及びシンガス転化装置でこれらのガスを処理することにより、シンガス形成反応器へそれらが送られなくて済む。これは、希望のCO及びHの方へ平衡を移行させながら、シンガス形成反応器中で処理されるガスの全量を減少する。
好ましい態様の詳細な説明
シンガス発生器は、軽質炭化水素改質器か、又は重質炭化水素改質器とすることができる。改質には、水蒸気改質、部分的酸化、乾式改質、直列改質、対流改質、及び自動熱的改質のような種々の技術が含まれる。全てが、一般にメタン及び酸化剤(水蒸気、酸素、二酸化炭素、空気、富化空気、又は組合せ)からシンガスを生成する。ガス生成物は、シンガスの外に、幾らかの二酸化炭素及び水蒸気を含むのが典型的である。直列改質、対流改質、及び自動熱的改質は、反応熱の利用を一層よくするために、二つ以上のシンガス形成反応を組み入れている。C〜Cアルカンから合成ガスを製造するための方法は当該技術分野でよく知られている。水蒸気改質は、C〜Cアルカンと水蒸気とを、好ましくは改質触媒の存在下に、約705℃(約1300°F)〜約913℃(約1675°F)の温度、及び約0.7バール(約10psia)〜約34バール(約500psia)の圧力で接触させることにより行われるのが典型的である。用いることができる適当な改質触媒には、例えば、ニッケル、パラジウム、ニッケル・パラジウム合金等が含まれる。シンガスを製造するのに用いられる装置とは無関係に、C〜Cアルカン供給物中に含有されている硫黄化合物、例えば、硫化水素及びメルカプタンを除去するのが望ましい。これは、C〜Cアルカンガスを、酸化亜鉛床又は別の僅かに塩基性の充填材料の入った充填床硫黄ガス洗浄器に通すことにより行うことができる。C〜Cアルカンの量が合成ガス装置の能力を超えているならば、余剰のC〜Cアルカンを用いて、設備全体に亙ってエネルギーを供給することができる。例えば、過剰のC〜Cアルカンを水蒸気ボイラーで燃焼させ、熱分解工程で用いられる水蒸気を提供することができる。
重質炭化水素改質器では、そのプロセスは、石炭、残油(resid)のような重質石油原料、又はそれらの組合せをシンガスへ転化することを含む。シンガス発生器の反応領域の温度は、約1800°F〜3000°Fであり、圧力は約1〜250気圧である。供給原料中の酸化剤中の遊離酸素対炭素の原子比(O/C、原子/原子)は、約0.6〜1.5、好ましくは約0.80〜1.3である。遊離酸素含有ガス又は酸化剤は、空気、酸素富化空気、即ち、21モル%より多く、95モル%までのOを含む空気、又は実質的に純粋な酸素、即ち、Oが95モル%より多いものとすることができる。部分的酸化ガス発生器を出る流出ガス流は、供給物流の量及び組成により、モル%で一般に次の組成を有する:H、8.0〜60.0;CO、8.0〜70.0;CO、1.0〜50.0;HO、2.0〜75.0;CH、0.0〜30.0;HS、0.1〜2.0;COS、0.05〜1.0;N、0.0〜80.0;Ar、0.0〜2.0。流出ガス流中に取り込まれた粒状物質は、一般に粒状炭素を(ガス発生器への供給物中の炭素の重量に基づき)約0.5〜30重量%以上、特に約1〜10重量%含有していることがある。粒状炭素及び溶融スラグと共に、フライアッシュ粒状物質が存在することもある。米国特許第5,423,894号明細書に記載されているもののような慣用的ガス清浄化及び/又は精製工程を用いることができる。
シンガス反応器で生じた混合物を、次にシンガス転化器、好ましくはフィッシャー・トロプシュ反応器へ循環する。前に示したように、フィッシャー・トロプシュ合成はよく知られており、特許及び技術文献に広く文書化されている。この合成法では、シンガスを、フィッシャー・トロプシュ触媒と適当な温度及び圧力で接触させることにより、多種類の炭化水素質生成物へ転化する。反応は、約300〜約700°F、好ましくは約400〜約550°Fの範囲の温度、約10〜約500psia、好ましくは約30〜約300psiaの範囲の圧力、及び約100〜約10,000cc/g/時、好ましくは約300〜約3,000cc/g/時の範囲の触媒空間速度で行われるのが典型的である。反応は種々の反応器で行うことができ、例えば、一つ以上の触媒床を有する固定床反応器、スラリー反応器、流動床反応器、又は異なった型の反応器の組合せで行うことができる。生成物は、最大多数がC〜C100+の範囲のC〜C200+炭化水素の範囲とすることができる。フィッシャー・トロプシュ反応器へのシンガス供給物の硫黄含有量は、1ppmより少なく、好ましくは100ppbより少なく、最も好ましくは10ppbより少ない。
フィッシャー・トロプシュ反応器からの生成物を、分離領域へ循環する。C+液体を含む炭化水素を分離し、燃料、潤滑油等への転化のための処理領域へ送る。分離領域から回収されたテイルガスは、CO、H、CO、CH、及び他の軽質炭化水素を含有する。テイルガスの一部分を抜出し、燃料として用いる。本発明の重要な特徴は、テイルガスの少なくとも一部分を洗浄器中で水性媒体と、好ましくは大気圧より高い圧力で接触させ、吸収によりCO、及び任意選択的にCHを除去し、得られたCO欠乏テイルガスを、シンガス転化器へのシンガス供給物と混合することを含む。洗浄器から回収されたCOに富む水性流を処理して、少なくとも幾らかのCO、及び任意選択的にCHを脱着させるのが好ましい。COに富むガスを回収し、少なくともその一部分をシンガス発生器へ再循環する。脱着領域からCO欠乏水性流を回収し、少なくともその一部分を洗浄器へ再循環する。脱着領域から回収されたCOに富むガスの少なくとも一部分を、水性相中に溶解し、海洋環境及び/又は陸地構成物中に廃棄することができる。
本発明では、フィッシャー・トロプシュGTL法で発生したCOの少なくとも一部分を、水性流で、好ましくはCOの除去を助けるためほぼ大気圧より高い圧力で洗浄することによりテイルガスから分離する。本発明による洗浄は、GTL工程中の任意の数の場所で行なってよいが、好ましくは液体炭化水素を有意な量で含有する流れに対しては洗浄を行わない。特に、有意な量の液体炭化水素をも含む流れからはCOを除去するために洗浄することは回避する。なぜなら、有意な量の液体炭化水素が存在すると、分離が一層困難になり得るからである。
水性流中に溶解することができるCOの量は圧力に依存するので、大気圧よりも高い圧力で洗浄を行うのが望ましい。更に、GTL工程の多くのCO含有流は大気圧よりも大きな圧力になっているので、洗浄は多くの可能な場所で行うことができる。
本発明に適した洗浄のための水性流の幾つかの源が存在する。適切な源には、海水、フィッシャー・トロプシュGTL工程で形成された反応水、フィッシャー・トロプシュGTL設備からの使用済み冷却用水、川の水、又はその他の非飲料水源、及び未加工物(crude)又はガス生産から回収された水が含まれるが、それらに限定されるものではない。
洗浄で用いられる水性流のpHは重要である。好ましくは、水性流は、約6.0より大きく、好ましくは約7.0より大きく、最も好ましくは約7.5〜約11.0のpHを示す。高pH水性流はCOの洗浄を促進する。COを洗浄するために用いられる水性流のpHは、任意の数の適当な方法を用いて増大することができる。これらには、NaOH又はKOH及び/又は他の塩基性物質、例えば、アンモニアのようなアルカリを添加することが含まれるが、それに限定されるものではない。水性流中にアミンを用いることは避けるべきであり、1重量%未満が好ましい。しかし、これらの物質も捨てなければならないので、それらが安価で、それらが廃棄される環境に対し優しいものであるべきである。従って、コスト及び環境汚染を最小限にする必要性を考慮すると、好ましい水性源には、海水、川水、又は他の環境からの非飲料水源が含まれるが、それらに限定されるものではない。
GTL法の水は、特に適切な水性源である。なぜなら、それはフィッシャー・トロプシュGTL処理中に豊富に生成するからである。例えば、合成ガスからフィッシャー・トロプシュ生成物への転化を支配する化学量論式を参照した場合:
nCO+2nH→nHO+nCH
反応により生成する水対炭化水素の重量比は約1.25であることが分かる。すなわち、典型的なフィッシャー・トロプシュGTL法は、重量に基づき、炭化水素よりも約25%多い水を生ずる。GTL法の水は豊富に生成するが、GTL法の水を水性流として用いる欠点は、GTL法の水は、例えば、酢酸及び/又は他の有機酸のような酸性汚染物を含んでいることがあることである。GTL法の水中に存在する酸性汚染物により、pHは低下され、それによりその中へのCOの溶解度は低下され得る。その結果、GTL法の水をCO洗浄のために用いた場合、それを洗浄流として用いる前に、GTL法の水から酸性汚染物を除去するのが好ましい。GTL法の水中の酸性汚染物は、種々の既知の方法を用いて除去することができる。GTL法の水から酸性成分を除去するのに適した方法には、蒸留、アルミナ又は塩基性物質への吸着、酸化、それらの組合せ等が含まれるが、それらに限定されるものではない。
pH及び酸性汚染物組成の外、水性流の酸素含有量を限定することも重要であろう。水性流は洗浄に用いる前に脱気し、水性流のCO 吸収能力を増大し、ガス流中に導入される空気の量を最小限にすることが好ましい。水性流の脱気に適した方法は、当該技術分野でよく知られており、例えば、淡水化プラント及びボイラー供給水の調製のために用いられている。そのような方法は、例えば、ジョンH.ペリー(John H. Perry)の「化学工学便覧」(Chemical Engineering Handbook)〔マグロー・ヒル出版社(McGraw Hill Book Co.)、1963〕第4版、第9頁〜第51頁に詳細に記載されている。
もしCO含有テイルガス流が、他のガスと比較してCOの含有量が相対的に低いならば、水性流はCOの洗浄に対し極めて選択的とはなり得ない。この場合、複数の段階で洗浄を行うのが好ましいであろう。例えば、第一の選択的CO洗浄操作を行い、次に脱着して濃厚なCOガス流を生成させることができる。最後に水性流を用いて洗浄を行ってもよい。好ましい態様として、COに富む水性相を廃棄する間の条件は、洗浄中のCO含有ガスから除去されるCOが、大きな割合で水性相中に溶解したままになっているような条件である。
水性液体を用いたガスからのCOの洗浄は、メタン、CO、及び他の水和物の形成を回避するように、非極圧で行うべきである。水中へのCOの溶解は高圧で促進される。すなわち、経済的限界内で、できるだけ高い圧力で操作するのが好ましい。従って、ガスの圧縮は望ましいが、GTL設備に典型的な高圧が屡々充分であろう。
洗浄中の圧力を監視することが重要であることの外に、温度を監視することも重要であろう。例えば、高温及び高圧では、水和物の形成が起こり得る。更に、温度が低いほど、ガスは水に溶解し易くなり、メタン及び他の価値ある炭化水素よりもCOの除去に対する選択性が一層大きくなる結果を与える。
圧力及び温度の外に、塩分も水中への炭化水素の溶解度に影響を与え得る。例えば、メタンのような非イオン性炭化水素を用いた場合、一層大きな「塩析(salting-out)」効果が起こり得る。従って、水溶液の温度及び塩分の変動を用いて、CO除去の選択性を最大にすることができる。更に、海水中の塩の存在は、水和物が形成される温度を低下する僅かな傾向を生じ得る。吸収剤としての海水の更に別の利点は、そのpHにあり、それは屡々7.0より大きく、従って、CO吸収を促進する。
ガス再循環操作では、フィッシャー・トロプシュ装置への混合シンガスの組成は、COがシンガス形成発生器へ再循環されるに従って変化するであろう。反応性シンガス成分は本質的に一定に留まるが、他の不活性ガス成分はその濃度が増大するであろう。混合シンガスは、シンガス発生器からの新しいシンガスと、再循環されたシンガスとの混合物である。次の表は、約99.5%の純度のO原料からシンガスを発生するための方法のための混合シンガス組成物の典型的な範囲を与えるものである。
Figure 2005523989
シンガス転化反応器からの未反応シンガスの全てを洗浄器中で処理する必要はないことを認識すべきである。COはゆっくり蓄積するので、合理的な濃度のCO(<60モル%)を許容することができ、希望のCO転化を達成するのに、シンガスの一部分を処理しさえすればよい。これにより、洗浄器の大きさ及びCO再循環流を比較的小さく保つことができる。
或る状況では、シンガス転化反応器からの未反応シンガスを処理し、シンガス転化反応器へCO欠乏シンガスを戻して再循環することは、望ましくないことがある。シンガス転化反応器からの未反応シンガスの、燃料として用いることが意図された部分を処理するのが好ましいであろう。この選択肢でも、CO放出物を減少する本発明の目的を達成する。
シンガス発生器からのシンガスを洗浄することは望ましいであろう。特に、発生器中のシンガスの形成は、痕跡量の有機窒素不純物(HCN及びNHを含む)を生ずることが知られている。これらの有機窒素不純物は、Nとは異なって、フィッシャー・トロプシュ触媒に対する触媒毒である。これらの触媒毒窒素不純物がシンガス発生中に形成されることは、米国特許第6,063,349号及び第5,929,126号明細書に記載されている。窒素化合物はフィッシャー・トロプシュ触媒を不活性化し、そのため、これらの窒素化合物が存在しなかったとしたら必要になる量よりも、この高価なプロセスのために一層多くの触媒及び一層大きな体積の反応器を必要とする。フィッシャー・トロプシュ触媒を不活性化する外に、窒素不純物はフィッシャー・トロプシュ生成物中に入るであろう。フィッシャー・トロプシュ生成物中に入ると、それらはこれらの生成物を販売可能な製品へと品質向上させるのを一層困難にすることがある。これらの状況下では、シンガス発生器からのシンガスを水性洗浄してCOを除去することは、触媒毒の窒素化合物の濃度を同時に減少させる利点も与える。HCN減少レベルは、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも80%であるべきである。NHレベルの減少は、HCNの減少と同等になるはずである。フィッシャー・トロプシュ触媒の中には、供給物中のN及びHからのNHの形成にも触媒作用を及ぼすものもある。これは、フィッシャー・トロプシュ反応器を出るシンガス流中に少量の触媒毒NHを含ませる結果を与え得る。水性洗浄はこのNHを除去することができる。
シンガス発生器中で回収されたCO全てを処理することは実際的ではないであろう。過剰のCOは、それを海洋環境、陸地構成物、又はそれらの両方中へ注入することにより廃棄することができる。
水は、シンガス発生及びシンガス転化反応の当然の生成物である。シンガス発生及びシンガス転化反応器の両方からの水は、更に処理する前に分離するのが好ましい。水は除去しないと、望ましくない水性ガスシフト逆反応を促進し、COを付加的COへ転化する。シンガス発生及びシンガス転化反応により形成された反応水の除去は、幾らかの溶解COも除去するであろう。反応水を除去する同じ分離容器を用いて、付加的水を添加して一層多くのCOを除去することができる。
洗浄器から得られたCOに富む水性流からのCOの脱着は、圧力を低下する〔一般に圧力スウィング(swing)として知られている〕か、又は温度を上昇する(一般に温度スウィングとして知られている)ことにより達成することができる。目的は、シンガス転化装置に近い圧力で操作されるシンガス形成反応器中でCOを使用することにあるので、COを脱着するために圧力を余り減少させないのが好ましい。むしろ、温度を上昇させることによりCOを脱着するのが好ましい。ガス流からCOを除去するための最も一般的な吸収剤はアミン類である。これらの化合物は、過度の温度へ加熱すると分解するので、それらは殆ど常に圧力スウィング吸収装置で用いられている。本発明でCO吸収するのに大量のアミンを用いることなく水性媒体を用いることにより、温度スウィング操作における分解という潜在的問題を解消する。すなわち、温度スウィング操作でCO及び任意選択的にCHの一部分を選択的に除去するために水性媒体を使用することにより、大きな圧力損失を起こすことなく、COの回収を行うことができる。比較として、圧力スウィング吸収装置でアミン類を用いる慣用的技術は極めてコストが高くなる。前に述べたように、EP 0516441A1では、COを除去し、再循環することに伴うコストは、シンガスそれ自体を製造することに伴うコストの約30%に相当すると概算されている。実際、吸収工程と脱着工程との間には幾らかの圧力低下が存在することがある。しかし、脱着工程の圧力はCO圧縮コストを最小にするため、大気圧より高くすべきである。好ましくは、脱着段階の圧力は、シンガス転化プロセスの出口圧力より約100psi以上低くすべきである。同様に、吸収洗浄器中の圧力は、シンガス転化プロセスの出口圧力より50psi以上低くすべきである。温度スウィング吸収の着想を維持すれば、脱着工程の温度は好ましくは吸収工程の温度より高くする。COに富む流れからCOを脱着させるのに必要な熱は、シンガス形成反応器、シンガス転化反応器、シンガス転化反応器からの生成物を品質向上させるのに用いられる反応器に伴う流れ(それらに限定されるものではない)を含む、GTL工程における他の流れから得ることができる。CO欠乏流はCO吸収する前に冷却される必要がある。この冷却も種々の源から得ることができ、それらには川の水、空気冷却、及び空気分離装置からのガス流(N、O、等)、及びそれらの組合せが含まれるが、それらに限定されるものではない。
過剰のCOを海洋環境、陸地構成物、又はそれらの両方に廃棄しようとする場合、本発明の水性洗浄の着想は、アミン洗浄の現在の商業的技術よりも利点を有する。なぜなら、回収されたCOが、シンガス転化装置の圧力に近い圧力で生成するからである。これは、COの廃棄に必要な費用のかかる圧縮量を最小限にする。脱着器を出るCOは、海洋環境又は陸地構成物中へ直接注入するのに充分な圧力にあるとは思われない。付加的圧縮及び冷却が必要と思われる。この工程のためのエネルギー及び冷却は、冷却用水、シンガス発生器、又はO精製プラントに伴われるガス流(例えば、低温N廃棄ガス)等を含む、プロセス中の他の源から得ることができる。
COを廃棄するための別の選択肢もある。水溶液からの脱着及び大気圧より高い圧力でのCOガスの回収後、海水、塩水、川の水、又は他の非飲料水のような第二水性流中へCO吸収させることができる。次にこの溶解COを含有する第二水性流を、海洋環境又は陸地構成物中へ廃棄することができる。そのような二水流系を用いることにより、より価値の低い第二水性流を廃棄ビヒクルとして用いながら、初期回収で用いられるより価値の高い新鮮な水を再循環することができる。溶解した水性相としてCOを廃棄することは、COを圧縮し、可能であればそれを液化して廃棄できるようにすることに伴うコストを減少する。ガスの圧縮及び液化は、高価なコンプレッサーを使用するのに対し、液体(CO含有第二水流)の圧縮は、安価なポンプを用いる。二つの選択肢(比較的純粋なガス又は液体COの廃棄、又は水性CO混合物の廃棄)についての選択は、廃棄場所の詳細に依存する。
水性CO混合物に伴われる過剰の水の廃棄の実行可能性は、海洋又は陸地構成物がプラント地点に位置するか否か、これらの地点で廃棄するのに必要な圧力、及び他の因子に依存する。二つの水性流を用いることには、別の利点がある。海洋環境への廃棄物の廃棄に関する規則は、オイルシーン(oil sheen)又は汚染の形成を回避するように、液体炭化水素の非常に低いレベルを要求していることがある。二水流系は、COに富むガスとしてCOを分離し、炭化水素がCOに含有される機会を、それを海洋環境に廃棄する時に減少する。
本発明の方法の付加的利点は、シンガス形成反応器へ水を供給することに存在する。典型的には、コークス形成を制御し、水蒸気改質を促進するため、シンガス形成反応器に若干の水を添加する。HO/炭素モル比の典型的な値は、約0.1〜5.0/1.0、好ましくは0.2〜0.8である。COに富む水性流からCOが脱着されるので、気相には水も存在するであろう。この水は、シンガス形成反応器で必要になる水を補充するか又はその全てを供給することができる。温度スウィング吸収系で水を使用することにより水に富むCO流を得、必要な量の水を得るため、脱着工程で一層高い温度を選択することができる。これは、洗浄系での水を枯渇するであろうが、洗浄系への補充水を、ボイラー供給水から得ることができ、そのプロセスのための水の究極的な源を、シンガス転化プロセス、川の水、地下水からの水、又は脱塩海水から誘導された水とすることができる。
結局、洗浄用水性媒体は、シンガス転化プロセスからの汚染物が蓄積することがある。これらには、軽質パラフィン、アルコール、のような炭化水素質物質、及び酢酸及び蟻酸のような酸が含まれる。殆どの地域では、これらの汚染物は酸を例外として、問題にならない。酸は洗浄用水性媒体のpHを低下し、それが系のCO 吸収能力を低下するであろう。この能力の低下を防ぐため、洗浄用水性媒体は、5より高く、好ましくは6より高く、最も好ましくは6.5より高いpH値を有する比較的純粋な状態に維持すべきである。これは、多くの方法によって行うことができ、それらには洗浄用媒体のパージ流をとり、それを新しい水で置き換えること;洗浄用媒体を吸収剤で処理し、酸を除去すること;水を蒸留すること;及び塩基性化合物(苛性、ナトリウム塩、窒素化合物等)で中和することが含まれる。
これらの処理工程は、シンガス発生器又はシンガス転化器で生成した水を処理するのに用いられる水回収装置の一部分にすることができる。水性流のpHは、COを含まない試料について測定される必要がある。これは、大気圧で試料を通ってNを、25℃で1分当たり水1ml当たり10cmのNの割合で24時間気泡として通すことにより行うことができる。
水に富むCOガス流及びCOに富む水性流は、穏やかな腐食性を持つことは工業的によく知られている。このことは、過度の腐食を避けるため、ステンレス鋼又は腐食防止剤の使用を必要とすると思われる。適当な構造材料の選択は、切取り片試験等のような典型的な方法により行うことができる。COの腐食性についての概説は、金属便覧(Metals Handbook)第9版、第13巻、「腐食(Corrosion)」、ASMインターナショナル(International)1987、特に第896頁〜第897頁、第1233頁、及び第1247頁に与えられている。
水性媒体によりガスからのCOの洗浄は、CH、COの水和物、及び他の水和物の形成を回避するため、非極圧で操作されなければならない。水中へのCOの溶解は、圧力が高くなる程都合がよくなる。出来るだけ高い圧力で操作するのが好ましい(経済的限界内で。ガスの圧縮は好ましくない)。温度に関する妥協もある。温度が高くなる程、水和物の形成が起きる圧力は高くなる。一方、温度が低いほどガスの水中への溶解度が高くなる結果になり(他の全ても同じ)、CH及び他の価値のある炭化水素よりもCOの除去に対し一層大きな選択性を与える結果になる。
参考文献から、CH及びCOについて種々の温度での水和物の形成を回避するため許容することができる最大圧力は次の通りである:
Figure 2005523989
このデータの出典は、E.デンディー・スローン・ジュニアー(E Dendy Sloan, Jr.)による「天然ガスのクラスレート水和物」(Clathrate Hydrates of Natural Gases)〔マーセル・デッカー社(Marcel Dekker, Inc.)1990〕である。スローンは、ガス混合物及び得られる水和物形成温度及び圧力についての数多くの例も与えている。可能な操作圧力/温度の組合せは、各ガス組成物について事例毎に決定されている。これらの操作条件を推定するための方法がスローンの文献に記載されている。典型的な軽質ガスの場合、300psigの操作圧力及び10℃で、水和物を形成しないであろう。
水和物の形成を回避するため、最大圧力よりも低い圧力を通常用いるべきである。しかし、水和物形成は、反応速度及び熱移動によっても制御される。従って、この限界に近いか又はそれより高い圧力を、滞留時間が短い限り用いることができる。
純粋な水及び海水中のCO及びCHについてのヘンリーの法則の定数は、次の通りである:
Figure 2005523989
溶解度データの出典には、次のものが含まれる。
クリフォードN.クリック(Clifford N. Click)による「廃水及び処理水VOC放出物に対するヘンリーの法則の適用」(Applications of Henry's Law to Waste and Process Water VOC Emissions)〔第85回大気及び廃棄物管理協会年次例会(85th Annual Meeting Air and Waste Management Association)〕。(水中の幾つかの軽質炭化水素ガスについてのヘンリーの法則の係数を、温度の関数として与えており、塩水効果についての式も与えている)。
ジャンニ・アスタルチタ(Gianni Astartita)、デビッド・サヴェッジ(David Savage)、及びアッチリオ・ビシオ(Attilio Bisio)、「化学溶媒によるガス処理」(Gas Treating with Chemical Solvents)〔ワイリー(Wiley)〕第208頁(水に対するCOの物理的溶解度についてのヘンリーの法則の係数を、温度の関数としてプロットしたものが含まれている)。
ジョン・ナイスワンダー(John Nighswander)、ニコラス・カロゲラキス(Nicholas Kalogerakis)、アニル・メーロトラ(Anil Mehrotra)、「10MPaまでの圧力及び80〜200℃の温度での水及び1重量%NaCl溶液に対する二酸化炭素の溶解度」(Solubilities of Carbon Dioxide in Water and 1 wt% NaCl Solution at Prssures up to 10 MPa and Temperatures From 80 to 200 Degrees C)、J. Chem. Eng. Data, 34, 355-360 (1989)(80〜200℃の範囲及び10MPaまでの圧力での水に対するCO溶解度に与える塩の影響は非常に小さいことを観察している)。
本発明は、環境中へ放出されるCOの量を、シンガス形成反応器中でその一層多くを処理することにより減少させるが、シンガス中には、最終的に高いレベルまで蓄積して、若干のシンガスをプロセスから放出せざるを得なくする他の不活性成分が存在する。これらの成分には、CH、N、Ar、及び他の不活性ガス元素が含まれる。CHは、シンガス発生器中のCHスリップ及びフィッシャー・トロプシュ装置でのCH形成に由来している。そのN、Ar、及び他の不活性ガス元素は、空気分離装置、恐らく元の天然ガス供給原料からきている。通常COが最も豊富な不活性ガス成分であるが、本発明の技術によりそれが除去された場合、他の不活性ガス成分の濃度が増大するであろう。従って、シンガスの幾らかのパージが必要になり、この希釈したシンガスのための適当な用途は燃料としてである。
フィッシャー・トロプシュ反応器への再循環ガス中のCOは幾つかの利点を与える。それは、反応性シンガス成分のための希釈剤として働く。それは、幾らかの熱を放散させ、プロセス制御を改良する。CO及びHがフィッシャー・トロプシュ反応器中で消費されるに従って、他の不活性ガス成分(CH、N、及びAr)は、再循環ガス中に蓄積する。それらは、フィッシャー・トロプシュ装置中の熱放出の管理を改良することにより、抽出されたCOと置換する。このことは、再循環ガス中の一層多くの炭素を処理することができることを意味する。最終的には、N及びArは、系からパージされなければならないであろう。
ここで本発明を以下の例により説明するが、それらは単なる例示を意図するものであり、何等限定的なものではない。図2中の参照番号は、図1で用いたものと同じであり、同様な場所を指す。
例1
図2に関し、CH、O、及びHOの混合物を、シンガス発生器(15)へ導管(10)を通して導入する。反応器(15)からの生成物を、導管(20)を通り、シンガス転化器(25)、具体的にはフィッシャー・トロプシュ反応器へ導入する。任意選択的には、洗浄器(30a)を、シンガス発生器の下流、又はシンガス転化器(25)の上流に配置し、窒素汚染物、粒状物、過剰のCO、未反応CH等のような物質を、反応器(25)へ再循環される前にシンガス発生器の生成物から除去することができる。フィッシャー・トロプシュ反応器中のシンガスは、300psigの圧力で非シフト性触媒の存在下で反応させ、種々の炭化水素質生成物を生成させる。反応器(25)からの流出物は、導管(35)を通り分離領域(40)へ循環させる。C+液体を含む炭化水素生成物を、導管(45)を通り分離領域から取り出し、更に処理して販売可能な生成物にする。分離領域からテイルガスを収集する。テイルガスは、水分を除いて次の組成を有する:
CH 13%
CO 35%
CO 25%
25%
不活性物(N) 2%
このガスを二つの操作で用い、フィッシャー・トロプシュ装置及び燃料ガスとして再循環する。一部分は導管(50)を通り洗浄領域(55)へ循環し、脱気水で洗浄して汚染物がフィッシャー・トロプシュ装置中へ入るのを回避する。燃料ガスは導管(60)を通り、洗浄領域(65)へ循環し、水で洗浄する。両方の洗浄操作は、20℃で行う。テイルガスを洗浄してCOの50%を除去し、燃料ガスを洗浄して75%除去する。接触は、向流で行う。洗浄領域(55)中の圧力は、分離領域(40)の出口の圧力の一般に100psig内にあり、好ましくは50psi内にある。
洗浄領域(55)からCO欠乏シンガスを回収する。それを導管(70)を通り導管(20)へ再循環し、そこでそれを新しいシンガスと混合し、反応器(25)へ送る。
COに富む水性流(80)を、脱着領域(75)へ送り、そこでCO及び任意選択的にCHを除去し、反応器(15)へ再循環する(85)。CO欠乏水性流(90)を脱着領域(75)から回収し、洗浄領域(55)へ循環する。導管(100)を介して補充水を添加する。脱着領域(75)からのCOの回収は、メタンのようなガス状流(95)を脱着領域(75)へ注入することにより促進することができる。
シンガス発生器及びシンガス転化反応器の両方で水が形成される。それは、これらの反応の他の生成物から分離及び除去される。
ヘンリーの法則の定数は、コール〔アーサー・コール(Arthur Kohl)及びリチャード・ニールセン(Richard Nielsen)、「ガス精製」(Gas Purification)、ガルフ出版社(Gulf Publishing Co.)1997年、第417頁〜第465頁〕に与えられている。この出典は、定数の温度依存性も与えている。
CH 13% 37,800
CO 35% 1,460
CO 25% 53,600
25% 68,300
不活性物(N) 2% 80,400
HCNは、水に極めて溶け易い。メルク・インデックス(Merck Index)は、それが水混和性であると述べている。国際定数表(International Critical Tables)、第3巻、第365頁から、HCNについての水に対する25℃でのヘンリーの定数=4810mmHg/モル分率。それを気圧に変換すると、H=6.32気圧/モル分率。水に対するHCN溶解度について与えられた一つの他のデータは、「分圧対モル分率」表の形で18℃で与えられている。最大希釈点を用い、0から直線的に外挿して、H=4.39気圧/モル分率を得る。このように、HCNはCOよりも水に一層よく溶解し、COを除去するように設計された装置は、同時に一層多量のHCNを除去するはずである。同様に、NHは、COと共に水により容易に除去される。
四つの場合を、よく知られたクレムザー・ブラウン法(Kremser-Brown Method)により研究した。この方法は、段階化、洗浄、及びストリッピングの必要条件についての分析評価を与える。それは、多成分系を取扱うようにも設計されている。
場合1−テイルガスを洗浄。COの50%を未反応シンガスから20℃及び315psiaにおいて水を用いて吸収させた。次にCOの99.5%を、水に富むCO流として回収し、シンガス発生器へ戻して再循環させた。CHパージは用いず、そのためストリッピングの全ては315psia(217℃)での水蒸気発生に由来する。
場合2−テイルガスを洗浄。COの50%を未反応シンガスから20℃及び315psiaにおいて水を用いて吸収させた。次にCOの99.5%を100℃でCHストリッピングを用いて回収した。リボイラーは用いず、そのため脱着されたガスの中にはほとんど水が存在しないはずである。
場合3−テイルガスを洗浄。CHストリッピングを50℃で行なった以外は同じ処理工程である。
場合4−燃料ガスを洗浄。COの75%を、20℃及び315psiaにおいて海水を用いて未反応シンガスから吸収した。洗浄したガスは燃料として用いられる。次にCOの99.5%を水に富むCO流として回収した。COに富む脱着したガスを隔離する。外部のパージは用いず、そのためストリッピングの全ては315psia(217℃)での水蒸気発生に由来する。
四つの場合についての洗浄したガス及び脱着したガスの組成を、吸収剤に対するガス100モルを基準にしてクレムザー・ブラウン法により計算した。
Figure 2005523989
商業的規模の装置に必要な装置の大きさ及び水量を、次に示す。
Figure 2005523989
これらの結果は、吸収及び脱着カラムのための合理的な設計を用いて、高レベルのCO除去を与えることができることを示している。COの除去は、有意な量の価値ある成分(H、CH、及びCO)を除去することはない。生成物ガス流は、CHをストリップ用ガスとして用いた場合、純度の高いCO(リボイラーを用いた場合)、又はCO/CH混合物である。回収されたCOは、正味の流れとしてであれ、CO/CH混合物としてであれ、シンガス発生器へ供給することができる。
CO・水流は、シンガス発生器へ直接供給することもできるであろう。これは、改質器へ再循環するための別のCOガスコンプレッサーを有する必要性を無くすであろう。シンガス発生器で用いられなかったCO/水流の一部分は、脱着器へ送り、そこでCOの回収及び廃棄を行うことができるであろう。
CO含有量の低いシンガスを、シンガス転化器へ送り返す場合、混合合成ガス中のCO含有量が約20%以下の値へ低下する。典型的な流量を用いて、CO含有量は、もし低いレベル(約25%)のCOを洗浄器中で除去するならば、約15%へ低下し、もしCOの中程度の量(約50%)が除去されるならば10%へ低下し、もし高レベルのCO(約75%)が除去されるならば、約8%へ低下するであろう。
上記例は、好ましいシンガス転化器としてフィッシャー・トロプシュ反応器を用いたが、本発明の方式でメタノール合成を容易に用いることができることは認識されるべきである。MTG法の詳細は文献に充分記載されている。同様に、本発明の利点は、二つの機能を持つシンガス転化設備で達成することができる。フィッシャー・トロプシュ合成とシンガスを用いたメタノール合成を統合した適当な系が、米国特許第6,248,794号明細書に記載されている。
本発明を好ましい態様について記述してきたが、当業者に明らかなように、種々の変更及び修正を行うことができることは理解されるべきである。そのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲及び権利範囲の中に入るものと考えられるべきである。
図1は、慣用的フィッシャー・トロプシュ合成の模式的工程図である。 図2は、本発明の一つの態様の模式的工程図である。
符号の説明
10 導管
15 シンガス発生器
20 導管
25 フィッシャー・トロプシュ反応器
30a 洗浄器
30b 洗浄器
35 導管
40 分離領域
45 導管
50 導管
55 洗浄領域
60 導管
65 洗浄領域
75 脱着領域
80 COに富む水性流
90 CO欠乏水性流

Claims (29)

  1. (a) シンガス発生器中でCOを含有するシンガスを形成する工程、
    (b) 前記シンガスを、シンガス転化プロセスで反応させ、炭化水素質生成物並びに未反応シンガス及びCOを含有するテイルガスを含む生成物流を形成する工程、
    (c) 前記炭素質生成物を、未反応シンガス及びCOから分離領域で分離する工程、
    (d) 未反応シンガス及びCOの少なくとも一部分を、洗浄領域中で約6.0より高いpHを有する水性媒体と接触させ、COの少なくとも一部分を吸収し、COに富む水性流及びCO濃度が減少したシンガスを回収する工程、
    (e) 前記回収したシンガスの少なくとも一部分を工程(d)からシンガス転化反応器へ送る工程、及び
    (f) 工程(d)で得られたCOに富む水性流からCOの少なくとも一部分を脱着し、COに富むガス及びCO欠乏水性流を回収する工程、
    を含む方法。
  2. CO欠乏水性流の少なくとも一部分を洗浄領域へ再循環することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. COに富むガスの少なくとも一部分をシンガス発生器へ再循環することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  4. シンガスを、天然ガス、石炭、石油生成物又はそれらの組合せから製造する、請求項1に記載の方法。
  5. 工程(d)で除去されたCOの量が、テイルガス中に存在する量の約10〜90重量%である、請求項1に記載の方法。
  6. 除去されたCOの量が、約25〜60%である、請求項5に記載の方法。
  7. シンガス転化プロセスが、フィッシャー・トロプシュ合成である、請求項1に記載の方法。
  8. 工程(d)で未反応シンガス中に存在するCHの少なくとも約5%を除去することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  9. 除去されたCHの量が、約10〜50%である、請求項8に記載の方法。
  10. 洗浄領域中の圧力が、分離器の出口の圧力の100psi以内にある、請求項1に記載の方法。
  11. 圧力が、分離領域の出口の50psi以内である、請求項1に記載の方法。
  12. 圧力が、分離領域の出口の100psi以内である、請求項1に記載の方法。
  13. 工程(a)で形成されたシンガスを、工程(d)で回収されたシンガスと混合し、転化反応器へ送る、請求項1に記載の方法。
  14. 混合シンガスのCO含有量が約15重量%以下である、請求項13に記載の方法。
  15. 工程(d)からのCOに富む水性流の少なくとも一部分を、海洋環境、陸地構成物、又はその両方へ廃棄する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  16. 工程(f)からのCOに富むガス中のCOの少なくとも一部分を水性相に溶解し、その水性相を海洋環境、陸地構成物、又はその両方へ廃棄する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  17. 水性媒体の源が、海水、川の水、塩水、非飲料水、又はそれらの組合せである、請求項16に記載の方法。
  18. 洗浄及び脱着工程を、大気圧より高い圧力で行う、請求項1に記載の方法。
  19. 工程(d)で用いられる水性媒体が、COを含まない試料で測定したとき、約7.5〜11.0のpHを有する、請求項1に記載の方法。
  20. (a) シンガス発生器中で少なくとも約2体積%のCOを含有するシンガスを形成する工程、
    (b) フィッシャー・トロプシュ・プロセスで前記シンガスの少なくとも一部分を反応させて、炭化水素質生成物と未反応シンガス及びCOを含有するテイルガスとを含む生成物流を形成する工程、
    (c) 前記未反応シンガス及びCOの少なくとも一部分を、洗浄領域中で約7.0より高いpHを有する水性媒体と、大気圧より高い圧力で接触させ、前記COの少なくとも一部分を優先的に吸収させ、COに富む水性流及びCO濃度が減少したシンガスを回収する工程、
    (d) 工程(c)からのシンガスの少なくとも一部分をフィッシャー・トロプシュ・プロセスへ再循環する工程、
    (e) 工程(c)からCOに富む水性流を脱着し、COに富むガス及びCO欠乏水性流を得る工程、及び
    (f) 前記CO欠乏水性流を、工程(c)の洗浄器へ再循環する工程、
    を含む方法。
  21. COに富むガスの少なくとも一部分をシンガス発生器へ再循環する、請求項20に記載の方法。
  22. 工程(c)からのCO 濃度が減少したシンガスを燃料として用いる、請求項20に記載の方法。
  23. 水性媒体のpHが約7.5〜11.0である、請求項20に記載の方法。
  24. シンガスから生成物を製造するための方法であって、
    (a) シンガス発生器でCOを含むシンガスを形成する工程、
    (b) 前記シンガスの少なくとも一部分を、約7.0より高いpHを有する水性媒体と、大気圧より高い洗浄領域で接触させ、COの少なくとも一部分を除去し、COに富む水性流と工程(a)で得られたシンガスよりも低いCO濃度を有するシンガスとを回収する工程、
    (c) 工程(b)で得られたシンガスの少なくとも一部分をシンガス転化反応器で反応させ、炭化水素質生成物と、CO及び未反応シンガスを含むテイルガスとを含む生成物流を形成する工程、
    (d) 工程(b)からのCOに富む水性流中のCOの少なくとも一部分を大気圧より高い圧力で脱着し、COに富むガス及びCO欠乏水性流を得る工程、
    (e) 前記COに富むガスの少なくとも一部分をシンガス発生器へ送る工程、
    (f) 工程(c)からのテイルガスの少なくとも一部分をシンガス転化反応器へ再循環する工程、及び
    (g) 前記COに富むガスの少なくとも一部分を廃棄のため水性媒体中へ溶解する工程、
    を含む、上記方法。
  25. テイルガスの少なくとも一部分を燃料として用いることを更に含む、請求項24に記載の方法。
  26. 工程(c)からの炭化水素質生成物を、更に処理して販売可能な製品にする、請求項24に記載の方法。
  27. 工程(b)の洗浄操作中に、シンガス中に存在するNH又はHCNの少なくとも30%を除去する工程を更に含む、請求項24に記載の方法。
  28. 工程(c)でのシンガス転化反応が、フィッシャー・トロプシュ合成を含む、請求項24に記載の方法。
  29. 工程(b)での水性媒体が、COを含まない試料で測定したとき、約7.5〜11.0のpHを有する、請求項24に記載の方法。
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