JP2005523682A - 血小板新生活性を有するペプチド及び関連化合物 - Google Patents

血小板新生活性を有するペプチド及び関連化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005523682A
JP2005523682A JP2003534560A JP2003534560A JP2005523682A JP 2005523682 A JP2005523682 A JP 2005523682A JP 2003534560 A JP2003534560 A JP 2003534560A JP 2003534560 A JP2003534560 A JP 2003534560A JP 2005523682 A JP2005523682 A JP 2005523682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
peptide
amino acid
independently
compounds
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003534560A
Other languages
English (en)
Inventor
ミン,ホスン
シツトニー,カレン・シー
ハートリー,シンシア
Original Assignee
アムジエン・インコーポレーテツド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アムジエン・インコーポレーテツド filed Critical アムジエン・インコーポレーテツド
Publication of JP2005523682A publication Critical patent/JP2005523682A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/08Linear peptides containing only normal peptide links having 12 to 20 amino acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/52Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • C07K14/524Thrombopoietin, i.e. C-MPL ligand
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/04Antihaemorrhagics; Procoagulants; Haemostatic agents; Antifibrinolytic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

本発明は、一般的には血小板新生活性を有する新規ペプチド及び関連化合物に関する。本発明の化合物は哺乳動物において血小板または血小板前駆体(例えば、巨核球)の産生を高めるために使用され得る。

Description

本発明は、包括的には血小板新生活性を有するペプチド及び関連化合物に関する。本発明の化合物は哺乳動物において血小板または血小板前駆体(例えば、巨核球)の産生を高めるために使用され得る。
本発明は、血小板及びその前駆体細胞(例えば、巨核球)のインビトロ及びインビボ産生を刺激する能力を有する化合物、特にペプチドに関する。以下、血小板新生活性を有することが公知の2つのタンパク質、すなわちトロンボポエチン(TPO)及び巨核球成長発達因子(MGDF)に関する背景技術を説明する。
内因性トロンボポエチン(TPO)のクローニングにより(Lokら,Nature,369:568−571(1994);Bartleyら,Cell,77:1117−1124(1994);Kuterら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91:11104−11108(1994);de Sauvageら,Nature,369:533−538(1994);Katoら,Journal of Biochemistry,119:229−236(1995);Changら,Journal of Biological Chemistry,270:511−514(1995))、巨核球新生(巨核球産生)及び血小板新生(血小板産生)に対する我々の理解が急速に深まった。
主に肝臓及び腎臓で産生される60〜70kDaグリコシル化タンパク質である内因性ヒトTPOは332アミノ酸から構成されている(Bartleyら,Cell,77:1117−1124(1994);Changら,Journal of Biological Chemistry,270:511−514(1995))。前記タンパク質は異なる種間で高度に保存され、ヒトエリスロポエチンとはアミノ末端(アミノ酸1〜172)(Bartleyら,Cell,77:1117−1124(1994))で23%の相同性を有する(Gurneyら,Blood,85:981−988(1995))。内因性TPOは血小板新生の主要生物学的調節因子の特徴をすべて有していることが判明している。そのインビトロ作用には、精製マウス造血幹細胞(Zeiglerら,Blood,84:4045−4052(1994))及びヒトCD34細胞(Lokら,Nature,369:568−57181994);Raskoら,Stem Cells,15:33−42(1997))からの巨核球コロニーの特異的誘導、高い倍数性での巨核球の生成(Broudyら,Blood,85:402−413(1995))、及び末端巨核球成熟及び血小板産生の誘導(Zeiglerら,Blood,84:4045−4052(1994);Choiら,Blood,85:402−413(1995))が含まれる。逆に、TPO受容体(c−mpl)に対する合成アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドは巨核球祖先のコロニー形成能を大きく抑制する(Methiaら,Blood,82:1395−1401(1993))。更に、c−mplノックアウトマウスはかなり血小板減少性であり、巨核球欠乏である(Alexanderら,Blood,87:2162−2170(1996))。
組換えヒトMGDF(rHuMGDF;カリフォルニア州サウザンドオークスに所在のAmgen Inc.)はTPOに関連する別の血小板新生ポリペプチドである。これは、ヒトTPOのアミノ末端受容体結合ドメインを包囲する切断タンパク質をコードするcDNAを含むプラスミドで形質転換した大腸菌を用いて産生される(Ulichら,Blood,86:971−976(1995))。前記ポリペプチドは抽出、リフォールディング及び精製され、ポリ(エチレングリコール)(PEG)部分はアミノ末端に共有結合している。本明細書中、生じた分子をPEG−rHuMGDFまたはMGDFと略称する。
動物モデルを用いたいろいろな研究(T.R.Ulichら,Blood,86:971−976(1995);M.M.Hokomら,Blood,86:4486−4492(1995))から、TPO及びMGDFが骨髄移植において及びしばしば化学療法または放射線治療により生ずる状態である血小板減少症の治療において治療上有効であることが明らかに立証された。ヒトにおける予備データーから、MGDFが各種設定で血小板数の増加に有用であることが確認された(Basserら,Lancet,348:1279−81(1996);Katoら,Journal of Biochemistry,119:229−236(1995);Ulichら,Blood,86:971−976(1995))。健康な血小板提供者にMGDFを投与するとその提供者の循環血小板数が元の値の約3倍に増加するので、MGDFは血小板提供プロセスを強化するために使用され得るであろう。
TPO及びMGDFは、主にある造血細胞(例えば、巨核球、血小板、CD34細胞及び原始始原細胞)の表面上で発現するc−mpl受容体への結合を介してその作用を発揮する(N.Debiliら,Blood,85:391−401(1995);F.J.de Sauvageら,Nature,369:533−538(1994);T.D.Bartleyら,Cell,77:1117−1124(1994);S.Lok,Nature,369:565−8(1994))。インターロイキン及びタンパク質ホルモンに対する多くの受容体と同様に、c−mplはクラスIサイトカイン受容体スーパーファミリーに属する(I.Vigonら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:5640−5644(1992))。このクラスの受容体の活性化はリガンド結合誘導受容体ホモダイマー化を含み、これによりシグナル伝達事象のカスケードがトリガーされる。
一般的に、タンパク質リガンドとその受容体の相互作用は多くの場合比較的大きな界面で起こる。しかしながら、受容体に結合したヒト成長ホルモンの場合に立証されているように、界面上の数少ない主要残基が結合エネルギーの大部分に実際関与している(T.Clacksonら,Science,267:383−386(1995))。この事実と残りのタンパク質リガンドの大部分が右トポロジーで結合エピトープを表示するだけに役立つという事実から、非常に小さい活性リガンドを見つけることができる。従って、“ペプチド”長(例えば、2〜80アミノ酸)の分子のみが所与の大型タンパク質リガンドの受容体タンパク質に結合し得る。前記ペプチドは大型タンパク質リガンドの生物活性を模倣し得るか、または競合結合により大型タンパク質リガンドの生物活性を阻害し得、通常“ペプチド模擬体”または“模擬ペプチド”と称されている。
ファージディスプレーペプチドライブラリーは前記ペプチド模擬体を同定する際の強力な方法として提案された。例えば、いずれも援用により本明細書に含まれるとするJ.K.Scottら,Science,249:386(1990);J.J.Devlinら,Science,249:404(1990);1993年6月29日に付与された米国特許第5,223,409号明細書;1998年3月31日に付与された米国特許第5,733,731号明細書;1996年3月12日に付与された米国特許第5,498,530号明細書;1995年7月11日に付与された米国特許第5,432,018号明細書;1994年8月16日に付与された米国特許第5,338,665号明細書;1999年7月13日に付与された米国特許第5,922,545号明細書;1996年12月19日に公開された国際特許出願公開第96/40987号パンフレット;及び1998年4月16日に公開された国際特許出願公開第98/15833号パンフレットを参照されたい。前記ライブラリーでは、ランダムペプチド配列が糸状ファージのコートタンパク質との融合により表示されている。典型的には、表示ペプチドは受容体の抗体固定化細胞外ドメインに対してアフィニティー溶離される。保持されたファージは一連のアフィニテイー精製及び再増殖により濃縮され得る。最良の結合ペプチドを配列決定すると、ペプチドの1つ以上の構造的に関連するファミリー内の主要残基を同定し得る。例えば、Cwirlaら,Science,276:1696−9(1997)を参照されたい。ペプチド配列から、残基がアラニンスキャンニングまたはDNAレベルでの突然変異誘発により安全に置換され得ることも示唆され得る。最良の結合剤の配列を更に最適化するために突然変異誘発ライブラリーが構築され、スクリーニングされ得る(Lowman,Ann.Rev.Biophys.Biomol.Struct.,26:401−24(1997))。
タンパク質−タンパク質相互作用の構造分析も、大型タンパク質リガンドの結合活性を模倣するペプチドを示唆するために使用され得る。前記分析では、結晶構造から大型タンパク質リガンドの重要な残基の同定及び相対方位が示唆され、そこからペプチドが設計され得る。例えば、Takasakiら,Nature Biotech.,15:1266−70(1997)を参照されたい。上記分析方法はまた、ファージディスプレーにより選択されたペプチドと受容体タンパク質の相互作用を調べるために使用され得、そこから結合アフィニティーを高めるためのペプチドの更なる修飾が示唆され得る。
他の方法はペプチド研究においてファージディスプレーと対抗する。ペプチドライブラリーはlacリプレッサーのカルボキシ末端に融合し、大腸菌において発現され得る。別の大腸菌ベース方法により、ペプチドグリカン関連リポタンパク質(PAL)との融合により細胞外膜上で表示され得る。以後、この方法及び関連方法をまとめて“大腸菌ディスプレー”と称する。別の方法では、リボソーム放出前にランダムRNAの翻訳を停止し、その結果関連RNAが依然として結合したポリペプチドライブラリーが生ずる。以後、この方法及び関連方法をまとめて“リボソームディスプレー”と称する。他の方法はRNAに連結したペプチドを用いる。例えば、PROfusionテクノロジー,Phylos,Inc.。例えば、Roberts及びSzostak,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94:12297−303(1997)を参照されたい。以後、この方法及び関連方法をまとめて“RNA−ペプチドスクリーニング”と称する。ペプチドが安定な非生物材料(例えば、ポリエチレンロッドまたは溶媒浸透性樹脂)上に固定化されている化学誘導ペプチドライブラリーが開発された。別の化学誘導ペプチドライブラリーはガラススライド上に固定したペプチドをスキャンするために写真平板法を用いている。以後、これらの方法及び関連方法をまとめて“化学−ペプチドスクリーニング”と称する。化学−ペプチドスクリーニングは、D−アミノ酸や他の非天然アナログ及び非ペプチド要素を使用できる点で有利であり得る。生物学的及び化学的方法はWells及びLowman,Curr.Opin.Biotechnol.,3:355−62(1992)で検討されている。概念上、ファージディスプレー、RNA−ペプチドスクリーニング及び上記した他の方法を用いてタンパク質のペプチド模擬体を見つけることができる。
ファージディスプレーペプチドライブラリー法を用いることにより、c−mpl受容体のアゴニストとして作用する小ペプチド分子が発見された(S.E.Cwirlaら,Science,276:1696−1699(1977))。この研究では、糸状ファージのコートタンパク質への融合物として表示されたランダム小ペプチド配列がc−mplの抗体固定化細胞外ドメインに対してアフィニティー溶離され、残ったファージは第2回アフィニティー精製のために濃縮された。この結合選択及び再増殖プロセスを何回も繰り返して、密接な結合剤のプールを濃縮した。その結果、配列の点で相互に関連しないc−mpl結合ペプチドの2ファミリーがまず同定された。その後、最良結合剤を更に最適するために突然変異誘発ライブラリーを構築し、最後にIc50=2nM及びEC50=400nMを有する非常に活性なペプチドが単離された(S.E.Cwirlaら,Science,276:1696−1699(1997))。この14残基TPO模擬体はTPOにもMGDFに対しても明らかな配列相同性を持たない。この特定MPO模擬ペプチド(TMP)化合物の構造は一文字アミノ酸略記を用いて以下の通りである。
Figure 2005523682
従来、EPO模擬ペプチドに対する同様の研究で、EPO模擬ペプチド(EMP)が同一方法を用いて発見され(N.C.Wrightonら,Science,273:458−463(1996))、EPO受容体(EPOR)に対する結合においてダイマーとして作用することが判明した。こうして形成された(リガンド)/(受容体)複合体はX線結晶学データーによるとC2対象性を有していた(O.Livnahら,Science,273:464−471(1996))。この構造情報に基づいて、2つのEMPモノマーのC末端が可撓性スペーサーで架橋されているEMPの共有結合ダイマーを設計し、大きく向上した結合及びインビボ/インビトロ生物活性を有することが判明した(N.C.Wrightonら,Nature Biotechnology,15:1261−1265(1997))。
類似のC末端ダイマー化戦略をTPO模擬ペプチド(TMP)に適用した(S.E.Cwirlaら,Science,276:1696−1699(1997))。特定TPO模擬ペプチドのC末端結合ダイマー(C−C連結)が0.5nMの改善された結合アフィニティーを有し、細胞増殖アッセイにおいて高いインビトロ活性(EC50=0.1nM)を有していることが判明した(S.E.Cwirlaら,Science,276:1696−1699(1997))。
組換えタンパク質の治療用途に対する利用可能性から、前記タンパク質の薬剤としての特性を強化または改善するためにタンパク質修飾が進められた。前記修飾により、タンパク質分解を減らすかまたは無くすことにより高いタンパク質保護及び低い分解を与え得る。別の利点には、特定環境で治療用タンパク質の安定性、循環時間及び生物活性の上昇が含まれる。タンパク質修飾を記載している文献はFrancis,「成長因子について(Focus on Growth Factors)」,3:4−10,英国ロンドンに所在のMediscript(1992年5月)発行である。
タンパク質治療剤の有用な修飾には、ポリエチレングリコール(PEG)及びデキストランのようなポリマーへの結合が含まれる。前記修飾は、いずれも援用により本明細書に含まれるとする米国特許出願第09/428,082号明細書(発明の名称:治療剤としての修飾ペプチド)及び国際特許出願公開第00/24782号パンフレットにおいて詳細に検討されている。
別の修飾は免疫グロブリン分子のFc領域の使用である。抗体は2つの機能的に独立した部分、すなわち抗原に結合する“Fab”として公知の可変ドメイン及び補体または食細胞のようなエフェクター機能に連結する“Fc”として公知の定常ドメインからなる。免疫グロブリンのFc部分は長い血漿半減期を有するのに対して、Fabは短命である(Caponら,Nature,337:525−531(1989))。
治療用タンパク質産物は、より長い半減期を与えるかまたはいずれも免疫グロブリンのFcタンパク質中に存在するFc受容体結合、プロテインA結合、補体固定及び胎盤移動のような機能を導入するためにFcドメインを用いて構築された(Caponら,Nature,337:525−531(1989))。例えば、IgG1抗体のFc領域をホジキン病、腫瘍細胞、未分化リンパ腫細胞、T細胞白血病細胞及び他の悪性細胞タイプ上で発現したCD30受容体に結合する分子であるCD30−Lに融合させた。米国特許第5,480,981号明細書を参照されたい。サイトカインの短い循環半減期を延長させるために消炎・拒絶反応防止剤のIL−10をマウスFc2aに融合させた(X.Zhengら,The Journal of Immunology,154:5590−5600(1995))。敗血症性ショック患者を治療するためにヒトIgG1のFcタンパク質に連結させた腫瘍壊死因子受容体の使用することも研究されている(C.Fisherら,N.Engl.J.Med.,334:1697−1702(1996);K.Van Zeeら,The Journal of Immunology,156:2221−2230(1996))。Fcはまた、AIDSを治療するための治療用タンパク質を産生するためにCD4受容体と融合されている。Caponら,Nature,337:525−531(1989)を参照されたい。加えて、インターロイキン2はインターロイキン2の短い半減期及びその全身毒性を改善するためにIgG1またはIgG3のFc部分に融合されている。Harvillら,Immunotechnology,1:95−105(1995)を参照されたい。
国際特許出願公開第00/24770号パンフレットには、タンデム(すなわち、N末端−C末端)方位を有し、N末端で線状ポリマー、オリゴサッカライドまたはFc基のような担体分子に結合させたタンデムペプチドダイマーを有する特定の血小板新生化合物、通常ペプチドが記載されている。
血小板の産生を刺激する優れた生物活性(血小板新生活性)及び/または血小板前駆細胞、特に巨核球の産生を刺激する優れた生物活性(巨核球新生活性)を有する別の化合物の提供が依然として要望されている。血小板新生活性を示し且つ長い半減期のような優れた治療品質をも有する化合物も依然として要望されている。前記化合物は産生、単離、精製、生物活性、安定性及び循環時間に関して有利な特性を示すであろう。本発明は前記諸活性を有する新規化合物及び関連態様を提供する。
本発明は、c−mpl受容体(以後、“mpl受容体”)に結合する治療用化合物に関する。より具体的には、本発明は、内因性トロンボポエチン(TPO)の活性を媒介する同一受容体であるmpl受容体に結合する及び/または前記受容体を介して、すなわちmpl受容体を活性化して貫通シグナルをトリガーする高い能力を示す化合物を提供する。よって、本発明の化合物は優れた血小板新生活性、すなわちインビボ及びインビトロで血小板の産生を刺激する能力及び/または巨核球新生活性、すなわちインビボ及びインビトロで血小板前駆体の産生を刺激する能力を有する。本発明の幾つかの化合物は改善された血小板半減期、生物活性及びインビボ循環時間のような優れた治療特性をも発揮する。
1つの態様で、本発明は、mpl受容体に結合し、配列:
Figure 2005523682
(式中、X1〜X4、X9〜X10及びX13〜X18はそれぞれ独立して本明細書に定義したアミノ酸である)
を含む化合物を提供し、前記化合物は配列:
Figure 2005523682
を有する化合物よりも高いmpl受容体に対する結合アフィニティー及び/または生物活性を有することを特徴とする。
更なる態様で、本発明は、mpl受容体に結合し、配列:
Figure 2005523682
(式中、X1、X2、X13、X17及びX18はそれぞれ独立してアミノ酸である)
を含む化合物を提供する。
更に別の態様で、本発明は、mpl受容体に結合し、配列番号2〜配列番号30からなる群から選択される配列を含む化合物を提供する。
別の態様で、本発明は、配列番号2〜配列番号30からなる群から選択される配列を含む化合物のダイマーまたはマルチマーである。
別の態様で、本発明は、mpl受容体に結合し、式:
Figure 2005523682
(式中、TMP1、TMP2、TMP3及びTMP4はそれぞれ独立して本明細書に定義したTMPからなる群から選択され、LN1、LN2、LN3及びLN4はそれぞれ独立してリンカーであり、a、b、c及びdはそれぞれ独立して0〜10の整数であり、l、m、n及びoはそれぞれ独立して0〜20の整数である)
を有する組成物を提供する。
別の態様で、本発明は、mpl受容体に結合し、式:
Figure 2005523682
(式中、V1及びV2はそれぞれ独立してベヒクルであり、v及びwはそれぞれ独立して0〜1の整数である)
を有する組成物を提供する。
本発明の化合物は、一般的な合成法、組換えDNA技術、またはペプチド及び融合タンパク質を製造するための他の方法により製造され得る。非ペプチド部分を含む本発明の化合物は、一般的なペプチド化学反応が適用されるときにはその反応に加えて一般的な有機化学反応により合成され得る。
本発明の化合物は、該化合物を適当な薬用担体物質と一緒に処方し、有効量を治療を要する患者、例えばヒトまたは他の哺乳動物に対して投与することにより治療または予防目的で使用され得る。ベヒクル結合ペプチドは、ペプチド(本発明では、トロンボポエチン)に模擬した天然リガントに匹敵するかまたはそれ以上の活性を有し得る。
別の態様で、本発明は血小板減少症の治療方法を提供する。他の態様で、本発明は巨核球または血小板の増加方法及び本明細書に記載の化合物の製造方法を提供する。
更に別の態様で、本発明は関連医薬組成物をも提供する。
他の態様で、本発明は本明細書に記載されている組成物をコードするポリヌクレオチド、前記ポリヌクレオチドを含む発現ベクター及び前記発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。
本発明の多数の他の態様及び作用効果は、図面を参照しながらの下記詳細説明から明らかであろう。
I. 用語の定義
本明細書中で使用される用語は、特定の場合に他の方法で限定されない限り以下のように定義される。
用語「ペプチド」は、約2〜80アミノ酸を有する分子を指し、3〜40アミノ酸を有する分子が好ましい。典型的なペプチドは、ペプチドライブラリー(例えば、ファージディスプレーライブラリー)において実施される、化学合成により作成される、タンパク質の消化により誘導される等のような本明細書に記載されている方法によりランダムに製造され得る。
ペプチド配列に関連して使用される用語「ランダム化」は、完全ランダム配列(例えば、ファージディスプレー方法またはRNA−ペプチドスクリーニングにより選択される)及び天然分子の1つ以上の残基が該天然分子中のその位置に存在しないアミノ酸残基で置換されている配列を指す。ランダム化ペプチド配列を作成及び同定する方法の例には、ファージディスプレー、大腸菌ディスプレー、リボソームディスプレー、RNA−ペプチドスクリーニング、化学スクリーニング等が含まれる。
ペプチドに対して適用される用語「ダイマー」は、場合によりリンカーを介して共有的または非共有的に結合している2つのペプチド鎖を有する分子を指す。ペプチドがC末端−N末端結合しているペプチドダイマーは“タンデム反復単位”または“タンデムダイマー”とも称される。ペプチドがC末端−C末端またはN末端−N末端結合しているペプチドダイマーは“パラレル反復単位”または“パラレルダイマー”とも称される。
ペプチドに対して適用される用語「マルチマー」は、場合によりリンカーを介して共有的、非共有的、または共有と非共有相互作用により結合している3つ以上のペプチド鎖を有する分子を指す。
用語「誘導体化(derivatizing)」、「誘導体(derivative)」または「誘導体化した(derivatized)」には、(1)化合物は環状部分、例えば化合物内のシステイニル残基間に架橋を有する;(2)化合物は架橋されているかまたは架橋部位を有する。例えば、化合物はシステイニル残基を有し、培養またはインビボで架橋ダイマーを形成する;(3)1つ以上のペプチジル結合が非ペプチジル結合で置換されている;(4)N末端が−NRR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRS(O)、−NHC(O)NHR、スクシンイミド基、または置換もしくは未置換ベンジルオキシカルボニル−NH(ここで、R、R及び環置換基は以下に定義する通りである);(5)C末端が−C(O)Rまたは−NR(ここで、R、R及びRは以下に定義する通りである);(6)各アミノ酸部分が特定側鎖または末端残基と反応し得る物質を用いる処理により修飾されている化合物;を生ずる方法及び生じた化合物が含まれる。誘導体については以下に更に説明する。
用語「トロンボポエチン模擬ペプチド」、「TPO模擬ペプチド」または「TMP」は、mpl受容体に結合する及び/または血小板新生活性、すなわちインビボまたはインビトロで血小板または血小板前駆体の産生を刺激する能力を有するペプチドを指す。前記血小板前駆体の例には巨核球が含まれるが、これに限定されない。
用語「mpl−結合ドメイン」は、mpl受容体に結合し、天然配列またはランダム化配列を含むアミノ酸配列を指す。典型的なmpl結合ドメインはファージディスプレーまたは本明細書に記載されている他の方法により同定または誘導され得る。
用語「mpl受容体アゴニスト」は、mpl受容体に結合し、天然mpl受容体リガンドの内因性トロンボポエチン(eTPO)のように1つ以上のアッセイパラメーターを増減させる分子を指す。
用語「含む(comprising)」は、化合物が所与配列のN末端及び/またはC末端上に追加アミノ酸を含み得ることを意味する。勿論、追加アミノ酸は化合物の活性を有意に妨害してはならない。
更に、本発明の化合物の生理学的に許容され得る塩も本発明に包含される。用語「生理学的に許容され得る塩」は、医薬的に許容され得ると公知であるか後に判明する塩を指す。幾つかの塩の例は酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ヒドロハロゲン化物(例えば、塩酸塩及び臭化水素酸塩)、硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩及びシュウ酸塩である。
用語「ベヒクル」は、治療用タンパク質の分解を防止及び/または半減期を延長、毒性を低減、免疫原性を低下及び/または生物活性を向上させる分子を指す。ベヒクルの例には、Fcドメイン(好ましい);線状ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリリシン、デキストラン等);分枝状ポリマー(例えば、1981年9月15日にDenkenwalterらに付与された米国特許第4,289,872号明細書、1993年7月20日にTamに付与された米国特許第5,229,490号明細書及び1993年10月28日に公開されたFrechetらの国際特許出願公開第93/21259号パンフレット参照);脂質;コレステロール基(例えば、ステロイド);炭水化物またはオリゴサッカライド(例えば、デキストラン);サルベージ受容体に結合する天然または合成タンパク質、ポリペプチドまたはペプチド;ヒト血清アルブミン(HSA)を含めたアルブミン;ロイシンジッパードメイン;及び他のタンパク質及びタンパク質断片が含まれる。
用語「天然Fc」は、全抗体の消化により生ずる非抗原結合断片の配列を含む分子または配列を指し、モノマー形態でもマルチマー形態のいずれでもよい。天然Fcの元の免疫グロブリン起源は好ましくはヒト起源であり、いずれの免疫グロブリンであってもよいが、IgG1及びIgG2が好ましい。天然Fcはモノマーポリペプチドから構成され、このモノマーポリペプチドは共有結合(すなわち、ジスルフィド結合)及び非共有会合によりダイマーまたはマルチマー形態に連結され得る。天然Fc分子のモノマーサブユニット間の分子間ジスルフィド結合の数は、クラス(例えば、IgG、IgA、IgE)またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgA1、IgA2)に応じて1〜4の範囲である。天然Fcの1例はIgGのパパイン消化により生じるジスルフィド結合されたダイマーである(Ellisonら,Nucleic Acids Res.,10:4071−9(1982)参照)。本明細書中、用語「天然Fc」は包括的にモノマー、ダイマー及びマルチマー形態を指す。
用語「Fc変異体」は、天然Fcから修飾されているがなおサルベージ受容体FcRnに対する結合部位を含む分子または配列を指す。援用により本明細書に含まれるとする国際特許出願公開第97/34631号パンフレット(1997年9月25日に公開)及び国際特許出願公開第96/32478号パンフレットは典型的なFc変異体及びサルベージ受容体との相互作用を記載している。よって、用語「Fc変異体」は、非ヒト天然Fcからヒト化された分子または配列を含む。更に、天然Fcは、本発明の融合分子に必要でない構造的特徴または生物活性を与えるので除去されていてもよい部位を含む。よって、用語「Fc変異体」は、(1)ジスルフィド結合形成、(2)特定宿主細胞との不適合性、(3)特定宿主細胞での発現時のN末端不均一性、(4)グリコシル化、(5)補体との相互作用、(6)サルベージ受容体以外のFc受容体への結合、または(7)抗体依存性細胞毒性(ADCC)に影響を与えるかまたは関与する1つ以上の天然Fc部位または残基を欠く分子または配列を含む。
用語「Fcドメイン」は、上記した天然Fc及びFc変異体の分子及び配列を包含する。Fc変異体及び天然Fcに関して、用語「Fcドメイン」には全抗体から消化されたか他の方法により産生されたモノマーまたはマルチマーの形態の分子が含まれる。
FcドメインまたはFcドメインを含む分子に対して適用される用語「ダイマー」は、共有的または非共有的に結合した2つのポリペプチド鎖を有する分子を指す。
FcドメインまたはFcドメインを含む分子に対して適用される用語「マルチマー」は、共有的、非共有的、または共有と非共有相互作用により結合した2つ以上のポリペプチド鎖を有する分子を指す。IgG分子は典型的にはダイマーを形成する。IgM分子は典型的にはペンタマーを形成する。IgD分子は典型的にはダイマーを形成する。IgA分子は典型的にはモノマー、ダイマー、トリマーまたはテトラマーを形成する。マルチマーは配列及び生じたFcの天然Igソースの活性を利用することにより、または天然Fcを(本明細書に定義したように)誘導体化することにより形成され得る。
用語「ペプチ体」は、少なくとも1つのペプチドに結合した抗体Fcドメインを含む分子を指す。前記ペプチ体はマルチマーでも、ダイマーでもその断片でもよく、誘導体化されていてもよい。
II. 化合物の構造
概説:本発明は、mpl受容体に結合及び/またはmpl受容体の生物活性を調節し得る化合物を提供する。より具体的には、本発明は内因性トロンボポエチン(TPO)の活性を媒介する同一受容体であるmpl受容体に結合及び/または前記受容体を介して、すなわちmpl受容体を活性化して貫膜シグナルをトリガーし得る化合物群を提供する。すなわち、本発明の化合物は血小板新生活性(すなわち、インビボ及びインビトロで血小板の産生を刺激する能力)及び/または巨核球形成活性(すなわち、インビボ及びインビトロで巨核球を含めた血小板前駆体の産生を刺激する能力)を有する。
簡単に説明すると、本発明の化合物は式I:
Figure 2005523682
(式中、X1〜X4、X9〜X10及びX13〜X18はそれぞれ独立してアミノ酸である)
の配列を有する1つ以上のペプチドからなる。
本発明に従って製造される他の組成物では、化合物は例えばダイマーまたはマルチマーとして相互に結合または他の方法で連結した式Iの配列を有する1つ以上のペプチドからなり得る。
本発明に従って製造される他の組成物では、化合物はペプチドのN末端またはC末端でベヒクルに結合または他の方法で連結した1つ以上の式Iの配列を有するペプチドからなり得る。前記ペプチドはタンデム(すなわち、N末端−C末端に順次)またはパラレルに(すなわち、N末端−N末端、またはC末端−C末端)に場合によりリンカーを介して連結され得る。
ペプチド:本発明の化合物は、単独でまたは別のTMPと組み合わせて例えばダイマーまたはマルチマーとしてTPO模擬ペプチドからなる。本発明のTMPは、配列:
Figure 2005523682
(式中、X1〜X4、X9〜X10及びX13〜X18はそれぞれ独立してアミノ酸である)
を含む。上記配列の好ましいアミノ酸残基を下表1に更に定義する。
Figure 2005523682
本発明のより好ましいTMP配列は、配列:
Figure 2005523682
(式中、X1〜X4、X9〜X10及びX13〜X18はそれぞれ独立してアミノ酸である)
を有するものであり、前記ペプチドは配列:
Figure 2005523682
を有するものと同等またはそれ以上のmpl受容体に対する結合アフィニティー及び/または生物活性を有する。
結合アフィニティーは当業者に公知であるかまたは当業者が利用し得るアッセイにより測定され得る。そのアッセイには、BIAcore測定、ELISAアッセイ、競合アッセイ等が含まれるが、これらに限定されない。
生物活性はインビボまたはインビトロで当業者に公知であるかまたは当業者が利用し得るアッセイにより測定され得る。そのアッセイの例には、細胞ベースアッセイ、すなわち巨核球増殖アッセイ、32D細胞アッセイ(国際特許出願公開第95/26746号パンフレットに詳記されているようなヒトmpl受容体をトランスフェクトしたマウス32D細胞のIL−3依存性クローン)、CD34+アッセイ、CD61細胞アッセイ等が含まれるが、これらに限定されない。生物活性は各種インビボ動物アッセイによっても測定され得る。
本発明の更に好ましいTMP配列を下表2に同定する。
Figure 2005523682
ペプチドTMP2〜TMP30についての結合アッセイ及び生物活性データは実施例に詳記されている。ペプチドを選択したファージ環境をより良く模倣するため、及び好ましい18アミノ酸ペプチドの帯電アミノ−及びカルボキシ−末端を保護するために、各ペプチドの各末端に2つのアミノ酸“キャップ”を付加した。特に、TMP2〜TMP30の各々のアミノ末端にグルタミン(Q)及びシステイン(C)を付加した。同様に、各ペプチドのカルボキシ末端に2つのアミノ酸“キャップ”、すなわちヒスチジン(H)及びセリン(S)を付加した。これらのキャップは帯電末端を保護するためだけであって好ましいペプチドの結合アフィニティー及び/または生物活性を増減させることを意図していないことは当業者には自明であろう。
ペプチドが長くなるとペプチドアフィニティーが上昇することは公知であるので、基準生物活性ペプチド(配列番号1)を試験ペプチドTMP2〜TMP30と同じ長さとなるように14アミノ酸から22アミノ酸に増加させた。実施例6〜11参照。当業者は理解しているように、比較ペプチドの生物活性領域は配列番号1として同定され、TMP1と称されるコア14アミノ酸配列である。
システイニル残基を含むペプチドは、片方または両方の末端がベヒクルに連結していてもよい別のCys−含有ペプチドと交差結合してもよい。2つ以上のCys残基を有するペプチドはペプチド内ジスルフィド結合を形成し得る。前記ペプチドは後記するように誘導体化されていてもよい。
別の有用なペプチド配列は、本明細書に記載されているTMPのアミノ酸配列の保存的及び/または非保存的修飾により生じ得る。保存的修飾により、該修飾を加える前のペプチドと同様の機能的及び化学的特性を有するペプチドが生ずる。対照的に、ペプチドの機能的及び/または化学的特性は、(a)例えばシートまたはヘリカルコンフォメーションとしての置換域での分子骨格の構造、(b)標的部位での分子の電荷または疎水性、または(c)分子のサイズの維持に対するその効果の点で実質的に異なるアミノ酸配列の置換を選択することにより実質的に修飾され得る。
例えば、“保存的アミノ酸置換”には、その位置のアミノ酸残基の極性または電荷に殆どまたは全く影響を及ぼさないように天然アミノ酸残基を非天然残基で置換することが含まれ得る。更に、ポリペプチド中の天然残基は、「アラニンスキャニング突然変異誘発」(例えば、アラニンスキャニング突然変異誘発を記載しているMacLennanら,Acta Physiol,Scand.Suppl.,643:55−67(1998);Sasakiら,Adv.Biophys.,35:1−24(1998)参照)について既報されているようにアラニンでも置換され得る。
望ましいアミノ酸置換(保存的でも非保存的でも)は、そのような置換が望ましいときに当業者により決定され得る。例えば、アミノ酸置換はペプチド配列の重要な残基を同定するため、または本明細書に記載されているペプチドまたはベヒクル−ペプチド分子(上記した式参照)のアフィニティーを増減させるために使用され得る。アミノ酸置換の例を下表3に示す。
Figure 2005523682
Figure 2005523682
ある実施態様では、保存的アミノ酸置換は、生物学的系での合成よりもむしろ通常化学的ペプチド合成により導入される非天然アミノ酸残基をも含む。
天然残基は配列の修飾のために有用であり得る共通の側鎖特性に基づいて分類され得る。例えば、非保存的置換はあるクラスの1つのメンバーを別のクラスのメンバーと交換することを含み得る。前記の置換された残基は非ヒトオルソログに相同のペプチドの領域または分子の非相同領域に導入され得る。加えて、鎖方位に影響を与える目的でPまたはGを用いて修飾を加えることができる。
上記修飾を加える場合、アミノ酸のヒドロパシー指数が考慮され得る。各アミノ酸に対してその疎水性及び電荷特性に基づいて次のようにヒドロパシー指数が割り当てられている。イソロイシン(+4.5)、バリン(+4.2)、ロイシン(+4.2)、フェニルアラニン(+2.8)、システイン/シスチン(+2.5)、メチオニン(+1.9)、アラニン(+1.8)、グリシン(−0.4)、スレオニン(−0.7)、セリン(−0.8)、トリプトファン(−0.9)、チロシン(−1.3)、プロリン(−1.6)、ヒスチジン(−3.2)、グルタメート(−3.5)、グルタミン(−3.5)、アスパルテート(−3.5)、アスパラギン(−3.5)、リシン(−3.9)及びアルギニン(−4.5)。
タンパク質に対して相互作用的生物学的機能を付与する際のアミノ酸ヒドロパシー指数の重要性は当業界で理解されている(Kyteら,J.Mol.Biol.,157:105−131(1982))。特定のアミノ酸がなお類似の生物活性を保持しながら類似のヒドロパシー指数またはスコアを有する他のアミノ酸で置換され得ることは公知である。ヒドロパシー指数に基づいて変化を加える場合、ヒドロパシー指数が±2以内のアミノ酸の置換が好ましくは、±1以内のアミノ酸の置換が特に好ましく、±0.5以内のアミノ酸の置換が更に特に好ましい。
類似アミノ酸の置換は親水性に基づいて効果的になされ得ることは当業界で理解されている。隣接するアミノ酸の親水性により決定されるタンパク質の最高局部平均親水性(local average hydrophilicity)はその免疫原性及び抗原性、すなわちタンパク質の生物学的特性に相関している。
各アミノ酸残基に対して以下のように親水性値が割り当てられている。アルギニン(+3.0)、リシン(+3.0)、アスパルテート(+3.0±1)、グルタメート(+3.0)、セリン(+0.3)、アスパラギン(+0.2)、グルタミン(+0.2)、グリシン(0)、スレオニン(−0.4)、プロリン(−0.5±1)、アラニン(−0.5)、ヒスチジン(−0.5)、システイン(−1.0)、メチオニン(−1.3)、バリン(−1.5)、ロイシン(−1.8)、イソロイシン(−1.8)、チロシン(−2.3)、フェニルアラニン(−2.5)及びトリプトファン(−3.4)。類似の親水性値に基づいて変化を加える場合、親水性値が±2以内のアミノ酸の置換が好ましく、±1以内のアミノ酸の置換が特に好ましく、±0.5以内のアミノ酸の置換が更に特に好ましい。親水性に基づいて一次アミノ酸配列からエピトープを同定することもできる。これらの領域は“エピトープコア領域”とも呼ばれる。
当業者は公知の技術を用いて適当な変異体を決定することができる。活性を破壊することなく変化を加えられる分子の適当な領域を同定するためには、当業者は活性にとって重要でないと考えられている領域をターゲッティングすることができる。例えば、同一種または他の種由来の類似活性を有する類似ポリペプチドが公知の場合、当業者はペプチドと類似ペプチドのアミノ酸配列を比較することができる。その比較で、当業者は類似ポリペプチドの中で保存される分子の残基及び部分を同定することができる。類似のペプチドに比して保存されないペプチドの領域に変化を加えてもペプチドの生物活性及び/または構造が悪影響を受ける可能性は少ないと認められる。当業者は、比較的保存領域においても活性を維持しながら天然残基の代わりに化学的に類似のアミノ酸を置換し得る(保存的アミノ酸残基置換)。従って、生物活性または構造にとって重要であろう領域にも生物活性を破壊したりペプチド構造に悪影響を及ぼすことなく保存的アミノ酸置換を加えることができる。
アミノ酸は(LでもDでもないGlyを除いて)LまたはD立体化学を有し得、本発明のTMPは立体化学の組合せからなり得る。しかしながら、TMP鎖中のアミノ酸の全てに対してL立体化学が好ましい。本発明はまた、アミノ酸のアミノ末端−カルボキシ末端配列が逆転している逆TMP分子を提供する。例えば、正常な配列X−X−Xを有する分子の逆はX−X−Xである。本発明はまた、逆TMPのようにアミノ酸のアミノ末端−カルボキシ末端が逆で、TMP中の通常“L”エナンチオマーである残基が“D”立体異性体形態に変化しているレトロ逆分子も提供する。
TMPの“誘導体”は上記したTMPに対して置換され得ることも考えられる。前記TMP誘導体は以下の修飾の1つ以上を加えた部分を含む:
非ペプチジル結合、例えば−CH−カルバメート結合[−CH−OC(O)NR−]、ホスホネート結合、−CH−スルホンアミド[−CH−S(O)NR−]結合、尿素[−NHC(O)NH−]結合、−CH−第2級アミン結合またはアルキル化ペプチジル結合[−C(O)NR−](ここで、Rは低級アルキルである)により置換された1つ以上のペプチジル[−C(O)NR−]結合;
N末端が−NRR−基、−NRC(O)R基、−NRC(O)OR基、−NRS(O)R基、−NHC(O)NHR基(ここで、R及びRの両方が水素でないという条件でR及びRは水素または低級アルキルである)、スクシンイミド基、ベンジルオキシカルボニル−NH−(CBZ−NH−)基、またはフェニル環上に低級アルキル、低級アルコキシ、クロロ及びブロモからなる群から選択される1〜3個の置換基を有するベンジルオキシカルボニル−NH−基に誘導体化されているペプチド;及び
遊離C末端が−C(O)R{式中、Rは低級アルコキシ及び−NR(ここでR及びRは独立して水素及び低級アルキルからなる群から選択される)からなる群から選択される}に誘導体化されているペプチド。ここで、「低級」は炭素数1〜6の基を意味する。
更に、各アミノ酸の修飾は、ペプチドの標的化アミノ酸残基を特定側鎖または末端残基と反応し得る有機誘導体化剤と反応させることによりTMP分子に誘導され得る。例えば、リシニル及びアミノ末端残基を無水コハク酸または他の無水カルボン酸と反応させ得る。これらの物質を用いる誘導体化はリシニル残基の電荷を反転させる効果を有する。α−アミノ含有残基を誘導体化するための他の好適な試薬には、メチルピコリンイミデートのようなイミドエステル、ピリドキサールホスフェート、ピリドキサール、クロロホウ水素化物、トリニトロベンゼンスルホン酸、O−メチルイソウレア、2,4−ペンタンジオン、及びグリオキシレートとのトランスアミナーゼ触媒反応が含まれる。
アルギニル残基は、フェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロヘキサンジオン及びニンヒドリンのような1つ以上の慣用の試薬と反応させることにより修飾され得る。アルギニン残基の誘導体化には、グアニジン官能基のpKaが高いのでアルカリ条件下で反応を実施しなければならない。更に、上記試薬はリシン基及びアルギニングアニジノ基と反応し得る。
チロシル残基そのものの特異的修飾は広く研究されており、特に芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンとの反応によりチロシル残基にスペクトル標識を導入することに特に興味が向けられている。最も一般的には、N−アセチルイミジアゾール及びテトラニトロメタンがそれぞれO−アセチルチロシル物質及び3−ニトロ誘導体を形成するために使用され得る。
カルボキシル側基(アスパルチルまたはグルタミル)はカルボジイミド(R’−N=C=N−R’)、例えば1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミドと反応させることにより選択的に修飾され得る。更に、アスパルチル及びグルタミル残基はアンモニウムイオンとの反応によりアスパラギニル及びグルタミニル残基に変換され得る。
グルタミニル及びアスパラギニル残基はしばしば対応のグルタミル及びアスパルチル残基に脱アミド化される。或いは、これらの残基は穏和な酸性条件下で脱アミド化され得る。いずれの形態の残基も本発明の範囲内である。
二官能性物質を用いる誘導体化は、ペプチドまたはその官能性誘導体を水不溶性支持体マトリックスまたは他のマクロ分子担体に架橋させるために有用である。一般的に使用される架橋剤の例には、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(例えば、4−アジドサリチル酸とのエステル)、3,3’−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)のようなジスクシンイミジルエステルを含めたホモジ官能性イミドエステル、及びビス−N−マレイミド−1,8−オクチンのような二官能性マレイミドが含まれる。メチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデートのような誘導体化剤により、光の存在下で架橋を形成し得る光活性化し得る中間体が生ずる。或いは、臭化シアン活性化炭水化物のような反応性水不溶性マトリックス及び米国特許第3,969,287号明細書、同第3,691,016号明細書、同第4,195,128号明細書、同第4,247,642号明細書、同第4,229,537号明細書及び同第4,330,440号明細書に記載されている反応性物質がタンパク質固定化のために使用され得る。
他の可能性ある修飾には、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシ基のリン酸化、Cys中の硫黄原子の酸化、リシン,アルギニン及びヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化(T.E.Creighton,「タンパク質:構造及び分子特性(Proteins: Structure and Molecular Properties)」,p.79−86,サンフランシスコに所在のW.H.Freeman & Co.(1983年)発行)、N末端アミンのアセチル化、及び幾つかの場合にはC末端カルボキシル基のアミド化が含まれる。
前記誘導体化部分により本発明化合物の血小板新生活性、溶解性、吸収、生物学的半減期等を含めた1つ以上の特性を改善させることが好ましい。或いは、誘導体化部分により、誘導化前の化合物と同一または本質的に同一の特徴及び/または特性を有する化合物が生じ得る。或いは、前記部分により、化合物等の望ましくない副作用を解消または軽減し得る。
本発明化合物はDNAレベルでも変化を受け得る。本発明化合物の任意部分のDNA配列は特定宿主細胞とより適合性のコドンに変化され得る。好ましい宿主細胞である大腸菌の場合の最適化コドンは当業界で公知である。コドンは制限部位を除去するかまたは沈黙制限部位を導入するように置換され得、こうすると特定宿主細胞におけるDNAのプロセシングが助長され得る。ベヒクル、リンカー及びペプチドDNA配列は上記した配列変化のいずれかを含むように修飾され得る。よって、本明細書で検討されている全ての修飾、置換、誘導体化等は本発明の全ての態様に等しく適用される。この全ての態様には、ペプチド、ペプチドダイマー及びマルチマー、リンカー、ベヒクルが含まれるが、これらに限定されない。
更に、当業者は活性または構造にとって重要である残基を類似ポリペプチド中で同定する構造−機能研究を検討することができる。比較のために、類似ペプチドにおいて活性または構造にとって重要であるアミノ酸残基に相当するペプチド中のアミノ酸残基の重要性を予測することができる。当業者はこのように予測されたペプチドの重要なアミノ酸残基に対して化学的に類似のアミノ酸置換を選択し得る。
当業者は、類似ポリペプチドにおける構造に関連して3次元構造及びアミノ酸配列を分析することもできる。前記情報にてらして、当業者は3次元構造に対するペプチドのアミノ酸残基のアラインメントを予測し得る。当業者はタンパク質の表面上にあると予測されるアミノ酸残基は他の分子との重要な相互作用に関与し得るので、前記残基に対してラジカル変化を加えないように選択することができる。また、当業者はそれぞれの所望アミノ酸残基で1つのアミノ酸置換を含む試験変異体を作成することができる。その後、前記変異体を当業者に公知の活性アッセイを用いてスクリーニングし得る。前記データーは適当な変異体に関する情報を集めるために使用することができる。例えば、特定アミノ酸残基に変化を加えて破壊された、望ましくなく低下した、または不適当な活性が生ずることを知見したならば、そのような変化を有する変異体は避けられ得る。換言すると、ルーチンな実験から集めた情報に基づいて、当業者は単独でまたは他の変異と併せて更なる置換を避けなければならないアミノ酸を容易に決定することができる。
二次構造を予測するために多数の科学文献が発表されている。J.Moult,Curr.Op.in Biotech.,7(4):422−427(1996);Chouら,Biochemistry,13(2):222−245(1974);Chouら,Biochemistry,113(2):211−222(1974);Chouら,Adv.Enzymol.Relat.Areas Mol.Biol.,47:45−148(1978);Chouら,Ann.Rev.Biochem.,47:251−276;及びChouら,Biophys.J.,26:367−384(1979)を参照されたい。また、二次構造を予測するのを助けるためにコンピュータープログラムが現在利用されている。二次構造を予測する1つの方法はホモロジーモデリングに基づいている。例えば、30%以上の配列同一性または40%以上の類似性を有する2つのポリペプチドまたはタンパク質はしばしば類似の構造トポロジーを有する。ポリペプチドまたはタンパク質の構造内の可能性ある襞の数を含めた二次構造の予測性が向上したタンパク質構造データーベース(PDB)が最近開発された。Holmら,Nucl.Acid.Res.,27(1):244−247(1999)を参照されたい。所与のポリペプチドまたはタンパク質における襞の数は限られており、決定的な数の構造が解明されたら構造予測は劇的により正確になるであろうと示唆されている(Brennerら,Curr.Op.Struct.Biol.,7(3):369−376(1997))。
二次構造を予測する別の方法には、“縫合(treading)”(D.Jones,Curr.Opin.Struct.Biol.,7(3):377−87(1997);Sipplら,Structure,4(1):15−19(1996))、“プロフィール分析”(Bowieら,Science,253:164−170(1991);Gribskovら,Meth.Enzym.,183:146−159(1990);Gribskovら,Proc.Nat.Acad.Sci.,84(13):4355−4358(1987))及び“進化的連結”(上掲のHolm(1999);上掲のBrenner(1997))が含まれる。
本発明の好ましいペプチド及びペプチド−リンカー分子の式を図1に示す。また、TMPの生理学的に許容され得る塩も包含される。
ペプチド化合物
新規ペプチドに加えて、本発明は、本発明の1つ以上のペプチドが相互に、リンカー(LN)に及び/またはベヒクル(V)に結合または他の方法で連結されている新規ペプチド化合物を提供する。TMPはタンデムに(すなわち、順次N末端−C末端に)またはパラレルに(すなわち、N末端−N末端またはC末端−C末端)連結され得る。TMPを他のTMPまたは同一TMPに対して場合によりリンカーを介して結合させてもよい。また、TMPを他のTMPまたは同一TMPに対して場合によりリンカーを介して、場合によりベヒクルを介して結合させてもよい。本発明のペプチド−リンカー−ベヒクル化合物は下記式により表され得る。
Figure 2005523682
上記式中、V1及びV2はベヒクルであり、LN1、LN2、LN3及びLN4はそれぞれ独立してリンカーであり、TMP1、TMP2、TMP3及びTMP4はそれぞれ独立して式Iを有するペプチド配列であり、a、b、c及びd、l、m、n及びoはそれぞれ独立して0〜20の整数であり、v及びwはそれぞれ独立して0〜1の整数である。
本発明の化合物として、下記式:
Figure 2005523682
(式中、V1はベヒクル(好ましくは、Fcドメイン)であり、TMPのC末端に場合によりリンカーを介して結合している)
で示される化合物及びそのマルチマー、下記式:
Figure 2005523682
(式中、V1はベヒクル(好ましくは、Fcドメイン)であり、TMPのN末端に場合によりリンカーを介して結合している)
で示される化合物及びそのマルチマーが例示される。本発明の好ましいペプチド−ベヒクル分子及びペプチド−リンカー−ベヒクル分子の式を図2に示す。
本発明の好ましい化合物の多くは、2つのTMP部分を有するダイマー、または複数のTMP部分を有するマルチマーである。TMP1〜TMP4等の各々は同一または異なる構造を有し得る。好ましくは、本発明化合物は2〜5個、特に好ましくは2〜3個、最も好ましくは2個のTMP部分を有する。
これらの化合物は、好ましくは直接結合しているかまたはリンカー基(下記参照)を介して連結しているダイマーである。モノマーTMP部分は左から右に見てN末端からC末端の慣用の方位で示されている。従って、TMP1のC末端がTMP2のN末端に直接またはリンカーを介して結合するように(タンデムダイマー)本発明化合物は方位され得ることが分かる。或いは、TMP1のC末端がTMP2のC末端に直接またはリンカーを介して結合しているかTMP1のN末端がTMP2のN末端に直接またはリンカーを介して結合連結するように(パラレルダイマー)本発明化合物は方位され得ることが分かる。これらの化合物は、TMP1及びTMP2が構造的に違っていてもダイマーと称される。すなわち、ホモダイマーもヘテロダイマーも意図される。
リンカー
別の実施態様において、本発明は別のTMPペプチドに“リンカー”基(LN1、LN2等)を介して共有結合または他の方法で連結もしくは結合している1つ以上のTMPを提供する。リンカー基は任意である。リンカー基を存在させるとき、リンカー基は主にスペーサーとして機能するのでその化学構造は重要でない。リンカーは、最終化合物の生物活性を妨害せず且つ最終化合物の免疫原性が有意に増加しないように選択されなければならない。リンカーは、好ましくはペプチド結合により連結されたアミノ酸から構成される。よって、好ましい実施態様では、リンカーはペプチド結合により連結された1〜30個のアミノ酸から構成され、前記アミノ酸は20個の天然アミノ酸から選択される。前記アミノ酸の幾つかは当業者が理解しているようにグリコシル化され得る。より好ましい実施態様では、1〜20個のアミノ酸はグリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン及びリシンから選択される。より好ましくは、リンカーは大部分が立体障害でないアミノ酸、例えばグリシン及びアラニンで構成される。よって、好ましいリンカーはポリグリシン(特に、(Gly)、(Gly))、ポリ(Gly−Ala)及びポリアラニンである。リンカーの他の具体例は
Figure 2005523682
である。上記した命名法を説明するために、例えば(Gly)Lys(Gly)はGly−Gly−Gly−Lys−Gly−Gly−Gly−Glyを意味する。GlyとAlaの組合せも好ましい。ここに示したリンカーは例である。本発明の範囲内のリンカーは非常に長くてもよく、他の残基を含んでいてもよい。
非ペプチドリンカーも可能である。例えば、−NH−(CH−C(O)−(ここで、s=2〜20)のようなアルキルリンカーも使用し得る。前記アルキルリンカーが更に非立体障害基、例えば低級(例えば、C1−6)アルキル、低級アシル、ハロゲン(例えば、Cl、Br)、CN、NH、フェニル等で置換されていてもよい。非ペプチドリンカーの例はPEGリンカーである。
Figure 2005523682
(式中、nはリンカーが100〜5000kD、好ましくは100〜500kDの分子量を有するような値である)
ペプチドリンカーは、上記と同様にして誘導体を形成するように改変され得る。
一般的に、本発明の血小板新生化合物に対しては約0〜14サブユニットの長さ(例えば、アミノ酸)を有するリンカーが好ましいことが知見された。ペプチドリンカーはTMPについて上記したと同様にして誘導体を形成するように改変され得る。更に、この実施態様の化合物は線状であっても環状であってもよい。「環状」とは分子の少なくとも2つの分離した、すなわち非連続部分が相互に連結していることを意味する。例えば、分子の端部のアミノ及びカルボキシ末端は共有結合して環状分子を形成し得る。或いは、分子がジスルフィド結合の形成により環化し得る2つ以上のCys残基(例えば、リンカー中に)を含んでいてもよい。更に、2つ以上のタンデムペプチドリンカーが連結して複数のダイマーの1つのダイマーを形成し得ることも考えられる。例えば、Cys残基を含むタンデムダイマーは別のダイマーのCysと分子間ジスルティド結合を形成し得る。本発明のペプチド−リンカー化合物の例を以下に示す:
Figure 2005523682
従って、好ましい実施態様では、リンカーは(LN1)(式中、LN1は天然アミノ酸またはその立体異性体であり、nは1〜20である)からなる。好ましいペプチド−リンカー分子の式を図1に示す、更に好ましいペプチド−リンカー分子には、
i)TMP1−LN1−TMP2−LN2
ii)LN1−TMP1−LN2−TMP2
iii)LN1−TMP1−LN2−TMP2
iv)TMP1−LN1−TMP1−LN1−TMP1−LN1
v)LN1−TMP1−LN2−TMP2−LN3−TMP3−LN4−TMP4
(ここで、LN1〜LN4はそれぞれ独立してリンカーである)
が含まれる。
ベヒクル
更に別の実施態様において、本発明のペプチドまたはペプチド化合物はベヒクル(V)に連結または結合され得る。ベヒクルは包括的には治療用タンパク質の分解を防止し及び/または半減期を延長、毒性を低減、免疫原性を低下または生物活性を上昇させる分子を指す。ベヒクル(V)はペプチドにN末端、C末端、ペプチド骨格または側鎖を介して結合され得る。
ベヒクル(V)は担体分子、例えば線状ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリリシン、デキストラン等)、分枝鎖ポリマー(例えば、1981年9月15日にDenenwalterらに付与された米国特許第4,289,872号明細書、1993年7月20日にTamに付与された米国特許第5,229,490号明細書、1993年10月28日に公開されたFrechetらの国際特許出願公開第93/21259号パンフレット);コレステロール基(例えば、ステロイド);または炭水化物またはオリゴサッカライドであり得る。他の可能性ある担体には、1つ以上の水溶性ポリマー、例えば米国特許第4,640,835号明細書、同第4,496,689号明細書、同第4,301,144号明細書、同第4,670,417号明細書、同第4791,192,号明細書及び同第4,179,337号明細書に記載されているポリオキシエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールが含まれる。当業界で公知の他の有用なポリマーには、モノメトキシポリエチレングリコール、デキストラン、セルロースまたは他の炭水化物ベースのポリマー、ポリ−(N−ビニルピロリドン)−ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)及びポリビニルアルコール、並びに前記ポリマーの混合物が含まれる。ベヒクルの例には、Fcドメイン;サルベージ受容体に結合し得る他のタンパク質、ポリペプチドまたはペプチド;ヒト血清アルブミン(HSA);ロイシンジッパー(LZ)ドメイン;5kD、20kD及び30kDポリエチレングリコール(PEG)を含めたPEG及び他のポリマー;デキストラン;及び半減期を延長させ及び/またはタンパク質分解またはクリアランスから保護することが当業界で公知の他の分子も含まれる。
典型的な担体はポリエチレングリコール(PEG)である。PEG基は任意の都合のよい分子量を有し得、直鎖でも分枝鎖でもよい。PEGの平均分子量は好ましくは約2〜約100kD、より好ましくは約5〜約50kD、最も好ましくは約5〜約10kDである。
PEG基は通常、アシル化、還元アルキル化、ミカエル付加、チオールアルキル化、またはPEG部分上の反応基(例えば、アルデヒド、アミノ、エステル、チオール、ハロアセチル、マレイミドまたはヒドラジノ基)を介する標的化合物上の反応基(例えば、アルデヒド、アミノ、エステル、チオール、ハロアセチル、マレイミドまたはヒドラジノ基)への他の化学選択的コンジュゲーション/ライゲーション方法により本発明の化合物に結合される。
炭水化物(オリゴサッカライド)基は有利にはタンパク質においてグリコシル化されることが公知の部位に結合され得る。通常、O−連結オリゴサカライドはセリン(Ser)またはスレオニン(Thr)残基に結合するが、N−連結オリゴサカライドが配列Asn−X−Ser/Thr(ここで、Xはプロリン以外のアミノ酸であり得る)の一部の場合はアスパラギン(Asn)に結合する。Xは好ましくはプロリン以外の19天然アミノ酸の1つである。N−連結及びO−連結オリゴサッカライドの構造及び各タイプ中に存在する糖残基は異なる。両方で共通に見られる糖の1タイプはN−アセチルノイラミン酸(シアル酸と称される)である。シアル酸は通常N−連結及びO−連結オリゴサッカライドの末端残基であり、負電荷のためにグリコシル化化合物に対して酸性を付与し得る。前記部位は本発明化合物のリンカーに導入され得、好ましくは(例えば、CHO、BHK、COSのような哺乳動物細胞における)ポリペプチド化合物の組換え産生中に細胞によりグリコシル化される。しかしながら、前記部位は更に当業界で公知の合成または半合成手順によりグリコシル化され得る。
より好ましい実施態様では、ベヒクル(V)は1つ以上の抗体Fcドメインからなり得る。よって、上記したペプチド化合物は更に1つ以上のFcドメインに直接またはリンカーを介して融合され得る。Fcベヒクルはヒト免疫グロブリンIgG−1重鎖(J.W.Ellisonら,Nucleic Acid Res.,10:4071−4079(1982)参照)または当業界で公知の他のFc配列、例えば他のIgGクラス(この中にはIgG−2,IgG−3及びIgG−4が含まれるが、これらに限定されない)または他の免疫グロブリンから選択され得る。
抗体のFc領域がジスルフィド結合または非共有会合によりダイマーまたはマルチマー形態に連結され得るモノマーポリペプチドセグメントから構成されることは公知である。天然Fc分子のモノマーサブユニット間の分子間ジスルフィド結合の数は、関係する抗体のクラス(例えば、IgG、IgA、IgE)またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgA1、IgGA2)に応じて1〜4の範囲である。本明細書中、用語「Fc」はFc分子のモノマー、ダイマー及びマルチマー形態の総称である。Fcモノマーは、ジスルフィド結合形成によるダイマー化を防ぐ特定条件が存在しない限り適当なCys残基が存在するときには自然にダイマー化することに留意すべきである。通常Fcダイマー中にジスルフィド結合を形成するCys残基が除去されているかまたは他の残基で置換されるならば、モノマー鎖は通常非共有相互作用によりダイマー化する。本明細書中、「Fc」は天然モノマー、天然ダイマー(ジスルフィド結合により連結)、修飾ダイマー(ジスルフィド及び/または非共有結合)及び修飾モノマー(すなわち、誘導体)を意味するように使用される。
Fc部分の変異体、アナログまたは誘導体は、例えば残基または配列を各種置換することにより構築され得る。
変異体(または、アナログ)ポリペプチドには、Fcアミノ酸配列に1つ以上のアミノ酸残基が付加されている挿入変異体が含まれる。挿入はタンパク質の片方または両方の末端のいずれの位置であっても、またはFcアミノ酸配列の内部領域内に位置していてもよい。片方または両方の末端に追加残基を有する挿入変異体の例には、融合タンパク質及びアミノ酸タグまたは標識を含むタンパク質が含まれ得る。例えば、Fc分子は場合によりN末端Metを含み得、特に分子を大腸菌のような細菌細胞において組換え発現させるときにはN末端Metを含み得る。
Fc欠失変異体では、Fcポリペプチド中の1つ以上のアミノ酸残基が除去されている。欠失はFcポリペプチドの片方または両方の末端で生起されてもFcアミノ酸配列内の1つ以上の残基が除去されてもよい。従って、欠失変異体にはFcポリペプチド配列の全て断片が含まれる。
Fc置換変異体では、Fcポリペプチドの1つ以上のアミノ酸残基が除去され、代替残基で置換されている。1つの態様では、置換は本質的に保存的であるが、本発明は非保存的である置換も含まれる。
例えば、Fc配列の幾つかまたは全てのジスルフィド架橋の形成を防止するためにシステイン残基を欠失させてもまたは他のアミノ酸で置換してもよい。前記したシステイン残基の各々を除去しても、1つ以上のシステイン残基を他のアミノ酸、例えばAlaまたはSerで置換してもよい。別の例として、(1)Fc受容体結合部位を切除する、(2)相補(Clq)結合部位を切除する及び/または(3)抗体依存性細胞介在性細胞毒性(ADCC)部位を切除するためにアミノ酸置換を導入するように修飾を加えることもできる。前記部位は当業界で公知であり、公知の置換は本発明で使用されるFcの範囲内である。例えば、IgG1中のADCC部位に関するMolecular Immunology,29:5,633−639(1992)を参照されたい。
同様に、1つ以上のチロシン残基をフェニルアラニン残基で置換することもできる。加えて、他の変異体アミノ酸挿入、欠失(例えば、1〜25アミノ酸)及び/または置換も本発明の範囲内である。保存的アミノ酸置換が通常好ましい。更に、改変はペプチド模擬体またはD−アミノ酸のような改変アミノ酸の形態であってもよい。
本発明のFc配列はまた誘導体化され得る。すなわち、アミノ酸残基の挿入、欠失または置換以外の修飾を有し得る。好ましくは、修飾は本質的に共有であり、その例にはポリマー、脂質、他の有機及び無機部分との化学結合が含まれる。本発明の誘導体は循環半減期を延長させるように製造され得、またはポリペプチドの所望細胞、組織または臓器に対するターゲッティング能力を改善するように設計され得る。
国際特許出願公開第96/32478号パンフレット(発明の名称:向上した半減期を有する改変ポリペプチド)に記載されているように無傷Fc分子のサルベージ受容体結合ドメインを本発明化合物のFc部分として使用することも可能である。本明細書中にFcとして呼ばれる分子のクラスの別のメンバーは国際特許出願公開第97/34631号パンフレット(発明の名称:向上した半減期を有する免疫グロブリン様ドメイン)に記載されているものである。上記した国際特許出願公開パンフレットはいずれも援用により本明細書に含まれるとする。
Fc融合はTMPまたはTMPのN末端及び/またはC末端で生じ得る。また、Fc融合はFcドメインのN末端またはC末端で生じ得る。
本発明の好ましい化合物には、本明細書に記載されているTMPのダイマーまたはマルチマーに連結または他の方法で結合されているIgG1 Fc融合ダイマーが含まれる。この場合、各FcドメインはTMPペプチドのダイマーまたはマルチマーに場合によりリンカーを介して連結される。前記化合物の概略例を図2に示す。
複数のベヒクルを使用することもできる。例えば、各末端にFcを使用したり、1つの末端にFc、他端または側鎖にPEG基を使用してもよい。
ペプチド−ベヒクル化合物の例を下表4に示す。
Figure 2005523682
更に、本発明の好ましい実施態様を表5にリストする。
Figure 2005523682
III. 作成方法
本発明の化合物は各種方法により製造され得る。多くの化合物はペプチドであるかまたはペプチドを含むので、ペプチドの合成方法が特に適切である。固相合成法が使用され得る。適当な技術が当業界で公知であり、Merrifield,Chem.Polypeptides,p.335−61,Katsoyannis及びPanayotis編(1973);Merrifield,J.Am.Chem.Soc.,85:2149(1963);Davisら,Biochem.Intl.,10:394−414(1985);Stewart及びYoung,Solid Phase Peptide Synthesis(1969);米国特許第3,941,763号明細書;Finnら,「タンパク質(The Proteins)」,第3版,第2巻,p.105−253(1976);及びEricksonら,「タンパク質(The Proteins)」,第3版,第2巻,p.257−527(1976)に記載されている方法が含まれる。固相合成は小ペプチドを製造する最も費用効率的な方法であるので、固相合成が各ペプチドを製造するための好ましい方法である。
ペプチドは組換えDNA技術を用いて形質転換した宿主細胞においても作成され得る。そうするためには、ペプチドをコードする組換えDNA分子を作成する。そのようなDNA及び/又はRNA分子の作成方法は当業界で公知である。例えば、ペプチドをコードする配列を適当な制限酵素を用いてDNAから切り出し得る。関連配列は、その後のクローニングのために有用な制限部位を挿入するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により作成され得る。或いは、DNA/RNA分子はホスホルアミダイト法のような化学合成技術を用いて合成され得る。また、上記した方法または他の方法を組み合わせて使用することもできる。
本発明は、適当な宿主においてペプチドをコードするベクターにも関する。前記ベクターは適当な発現制御配列に作動的に連結したペプチドをコードするDNA分子を含む。ペプチド−コード化DNA分子をベクターに挿入する前またはその後に作動的に連結させる方法は公知である。発現制御配列には、プロモーター、アクチベータ、エンハンサー、オペレーター、リボソーム結合部位、開始シグナル、終止シグナル、キャップシグナル、ポリアデニル化シグナル、及び転写または翻訳の制御に関与する他のシグナルが含まれる。
生じたペプチド−コード化DNA分子を含むベクターは適当な宿主を形質転換するために使用される。この形質転換は当業界で公知の方法を用いて実施され得る。
本発明を実施する際に多数の市販されている公知の宿主細胞が使用され得る。特定宿主は当業界で認識されている複数の要因に依存して選択される。これらの要因には、例えば選択発現ベクターとの適合性、DNA分子によりコードされるペプチドの宿主細胞への毒性、形質転換率、ペプチドの回収の容易さ、発現特性、生物安全性及びコストが含まれる。前記要因のバランスは全ての宿主が特定DNA分子の発現のために等しく有効でないことを理解しなければならない。
一般的なガイドラインの範囲で、有用な微生物宿主には細菌(例えば、大腸菌)、酵母(例えば、Saccharomyces sp.及びPichia pastoris)、培養中の他の真菌、昆虫、植物、哺乳動物(ヒトを含む)細胞、または当業界で公知の他の宿主が含まれる。形質転換した細胞を所望のペプチドが発現するように一般的な発酵条件下で培養する。前記した発酵条件は当業界で公知である。その後、ペプチドが発現している発酵培養物または宿主細胞からペプチドを精製する。精製方法も当業界で公知である。
誘導体化ペプチドまたは非ペプチド基を含む化合物は公知の有機化学方法を用いて合成され得る。例えば、固相合成法が使用され得る。適当な方法は当業界で公知であり、その中にはMerrifield,Chem.Polypeptides,p.335−61,Katsoyannis及びPanayotis編;Merrifield,J.Am.Chem.Soc.,85:2149(1963);Davisら,Biochem.Intl.,10:394−414(1985);Stewart及びYoung,Solid Phase Peptide Synthesis(1969);米国特許第3,941,763号明細書;Finnら,「タンパク質(The Proteins)」,第3版,2:105−253(1976);及びEricksonら,「タンパク質(The Proteins)」,第3版,2:257−527(1976)に記載されている方法が含まれる。固相合成は小ペプチドを製造する最も費用効率的な方法であるので、固相合成が各ペプチドを製造するための好ましい方法である。
IV. 化合物の使用
本発明化合物はmpl受容体に結合及び/またはmpl受容体を活性化させる能力を有し、及び/または血小板のインビボ及びインビトロ産生を刺激する能力(血小板新生活性)及び血小板前駆体のインビボ及びインビトロ産生を刺激する能力(巨核球形成活性)を有する。前記化合物の活性を測定するために、国際特許出願公開第95/26746号パンフレット(発明の名称:巨核球増殖及び分化を刺激するための組成物及び方法)に記載されているような一般的アッセイが使用され得る。インビボアッセイは本明細書の実施例の欄に詳記されている。
本発明の方法及び組成物を用いて治療される状態は通常、現在巨核球/血小板欠乏が起こっている、または、将来(例えば、手術または血小板の提供が予定されてる)巨核球/血小板欠乏が起こると予想される状態である。前記状態はインビボで活性mplリガンドが一時的または永久に欠乏した結果生じ得る。血小板減少に対する総称は血小板減少症であり、従って本発明の方法及び組成物は通常治療を要する患者における血小板減少症を予防的または治療的に処置するために利用され得る。
世界保健機構は血小板減少症の程度を患者中の循環血小板の数に基づいて分類している(Millerら,Cancer,47:210−211(1981))。例えば、血小板減少症の兆候を示していない(グレード0)患者は通常1mmあたり少なくとも100,000個の血小板を有する。軽度の血小板減少症(グレード1)は1mmあたり79,000〜99,000個の血小板レベルを示す。中程度の血小板減少性(グレード2)は1mmあたり50,000〜74,000個の血小板を示し、重篤な血小板減少症は1mmあたり25,000〜49,000個の血小板により特徴づけられる。生命を脅かすまたは衰弱させる血小板減少症の場合の血小板の循環濃度は1mmあたり25,000個未満である。
血小板減少症(血小板欠乏)は、化学療法、各種薬物を用いる他の治療、放射線療法、手術、偶発的血液損失や他の特別の病的状態を含めたいろいろな理由で存在し得る。血小板減少症を含み、本発明に従って治療され得る特別の病的状態の例は、再生不良性貧血;乳癌に関連する特発性血小板減少性紫斑病を含めた特発性または免疫性血小板減少症(ITP);HIV関連ITP及びHIV関連血栓性血小板減少性紫斑病;血小板減少症を引き起こす転移性腫瘍;新生児全身性エリテマトーデスを含めた全身性エリテマトーデス;ファンコーニ症候群;ビタミンB12欠乏症;葉酸欠乏症;メイ−ヘグリン異常;ビスコット−オールドリッチ症候群;慢性肝疾患;血小板減少症に関連する骨髄異形成症候群;発作性夜間血色素尿症;C7E3 Fab(アブシキマブ)治療後の急性深在性血小板減少症;先天性自己免疫性血小板減少症を含めた自己免疫性血小板減少症;抗リン脂質抗体及び血栓症に関連する血小板減少症;自己免疫性血小板減少症;カルボプラスチン誘発性血小板減少症やヘパリン誘発性血小板減少症を含めた薬物誘発性免疫性血小板減少症;胎児性血小板減少症;妊娠性血小板減少症;ヒューズ症候群;ルポイド血小板減少症;偶発的及び/または大量の血液損失;骨髄増殖性疾患;悪性疾患患者における血小板減少症;ガン患者において血栓性血小板減少性紫斑病/溶血性尿毒症として発現する血栓性細小血管障害として発現する血栓性血小板減少性紫斑病;自己免疫性溶血性貧血;潜在性空腸憩室穿孔;赤芽球ろう;自己免疫性血小板減少症;流行性腎症;リファンピシリン関連急性腎不全;パリス−トルソー血小板減少症;新生児自己免疫性血小板減少症;発作性夜間ヘモグロビリン尿症;胃癌における血液変化;幼児における溶血性尿毒症;A型肝炎ウイルスを含めたウイルス感染に関連する血液学的発症;及びCMV関連血小板減少症である。また、AIDSに対するある治療(例えば、AZT)により血小板減少症が生ずる。ある創傷治癒疾患も血小板数の上昇の恩恵を受け得る。
例えば将来の手術のために血小板欠乏が予想される場合には、本発明化合物が血小板が必要となる数日〜数時間前に投与され得る。偶発的な大量血液損失のような急な状況では、本発明の化合物が血液または精製血小板と一緒に投与され得る。
本発明化合物は、巨核球以外のある細胞タイプがmpl受容体を発現することが判明したならば前記細胞を刺激する際に有用であり得る。mpl受容体を発現する前記細胞に関連し、mplリガンドによる刺激に応答する状態も本発明の範囲内である。
本発明化合物は、血小板または血小板前駆体の産生が所望されたりmpl受容体の刺激が所望される状況で使用され得る。例えば、本発明化合物は血小板、巨核球等が必要な哺乳動物の状態を治療するために使用され得る。そのような状態は、援用により本明細書に含まれるとする国際特許出願公開第95/26746号パンフレット、同第95/21919号パンフレット、同第95/18858号パンフレット及び同第95/21920号パンフレットに詳記されている。
本発明化合物は血小板及び/または巨核球及び関連細胞の生存率または貯蔵寿命を維持する際にも使用され得る。従って、前記細胞を含む組成物中に1つ以上の本発明化合物を有効量配合することが有用であり得る。
「哺乳動物」は、ヒト、イヌやネコを含めた愛玩動物、サルを含めた外来及び/または動物園の動物、マウス,ラットやモルモットのような実験動物、ウマ,ウシ,ヒツジ,ヤギやブタを含めた家畜のような動物を意味する。好ましい哺乳動物はヒトである。
V. 医薬組成物
本発明は、本発明の化合物の医薬組成物及び前記組成物の使用方法も提供する。前記医薬組成物は、例えば静脈内、皮内、筋肉内、乳房内、腹腔内、鞘内、眼内、眼球後、肺内(例えば、エーロゾル化薬物)または(長時間放出させるための蓄積投与を含めた)皮下注射により;舌下、肛門、膣を介して;または脾膜下、脳下または角膜内に埋め込むような外科移植を含めた注射、或いは経口、点鼻、経皮膚または他の投与形態で投与され得る。治療では、ある期間に亘って1回または複数回投与し得る。一般的に、有効量の本発明の化合物を医薬的に許容され得る希釈剤、保存剤、可溶化剤、乳化剤、助剤及び/または担体と一緒に含む医薬組成物が本発明に含まれる。前記組成物は、異なる緩衝剤含量、pH及びイオン強度を有する希釈剤(例えば、トリス−HCl、酢酸塩、リン酸塩);添加剤、例えば洗剤及び可溶化剤(例えば、ツイーン80、ポリソルベート80)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、保存剤(例えば、チメルソール、ベンジルアルコール)及び増量剤(例えば、ラクトース、マンニトール)を含み、前記物質をポリマー化合物(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等)の粒状調製物またはリポソームへ配合させる。ヒアルロン酸も使用可能であり、これは循環中の持続時間を延長させる効果を有し得る。前記医薬組成物は、場合により他の医薬的に許容され得、医薬用ベヒクル、賦形剤または媒体として機能する液体、半固体または固体希釈剤を含み得る。その希釈剤の例には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ステアリン酸マグネシウム、メチル−及びプロピル−ヒドロキシベンゾエート、スターチ、スクロース、デキストロース、アカシアガム、リン酸カルシウム、鉱油、カカオ脂及びカカオ油が含まれるが、これらに限定されない。前記組成物は本発明のタンパク質及び誘導体の物理的状態、安定性、インビボ放出速度及びインビボクリアランス速度に影響を与え得る。例えば、援用により本明細書に含まれるとするRemington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,p.1435−1712,ペンシルバニア州イーストンに所在のMack Publishing Co.(1990年)発行を参照されたい。前記組成物は液体形態で製造されても、乾燥粉末(例えば、凍結乾燥形態)であってもよい。皮下処方物のような移植可能な徐放性処方物も意図される。
本発明では、援用により本明細書に含まれるとするRemington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,第89章,ペンシルバニア州イーストンに所在のMack Publishing Co.(1990年)発行に包括的に記載されている経口固体剤形の使用も意図される。固体剤形には、錠剤、カプセル剤、ピル剤、トローチ剤またはロゼンジ、カシェ剤またはペレットが含まれる。また、本発明の組成物を処方するためにリポソームまたはプロテイノイドカプセル化(例えば、米国特許第4,925,673号明細書に記載されているプロテイノイドミクロスフェア)も使用され得る。リポソームカプセル化が使用され得、リポソームは各種ポリマーで誘導体化され得る(例えば、米国特許第5,013,556号明細書)。治療用に考えられる固体剤形については、援用により本明細書に含まれるとするK.Marshall,「現代薬学(Modern Pharmaceutics)」,G.S.Banker及びC.T.Rhodes編,第10章(1979)に記載されている。一般的に、処方物は本発明の化合物に加えて、胃環境を保護し、生物活性成分を腸で放出させる不活性成分を含み得る。
上記した本発明化合物の経口剤形も特に意図される。所要により、前記化合物は、効率的に経口デリバリーされるように化学的に修飾されてもよい。一般的に、意図される化学修飾は(a)タンパク質加水分解を抑制し、(b)胃または腸から血流へ取り込み得る部分の少なくとも1つの化合物分子それ自体への付着である。化合物の全安定性を上昇させ、身体中の循環時間を延長させることも望ましい。前記部分の例には、ポリエチレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリプロリンが含まれる(Abuchowski及びDavis,「可溶性ポリマー−酵素付加物、薬物としての酵素(Soluble Polymer-Enzyme Adducts, Enzymes as Drugs)」,Hocenberg及びRoberts編,p.367−383,ニューヨーク州ニューヨークに所在のWiley−Interscience(1981年)発行;Newmarkら,J.Appl.Biochem.,4:185−189(1982))。使用され得る他のポリマーはポリ−1,3−ジオキソラン及びポリ−1,3,6−トリオキソカンである。上記した医薬用途のために好ましいものはポリエチレングリコール部分である。
経口デリバリー剤形の場合には、本発明の治療用化合物の吸収を高めるための担体として修飾脂肪族アミノ酸、例えばN−(8−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)も使用し得る。SNACを用いるヘパリン処方物の臨床効果はEmisphere Technologiesが実施したフェーズII試験で立証されている。米国特許第5,792,451号明細書(経口薬物デリバリー組成物及び方法)を参照されたい。
治療薬は約1mmの粒径を有する顆粒またはペレットの形態の細かいマルチ粒子として処方物中に配合され得る。カプセル投与用の材料は粉末、軽く圧縮したプラグまたは錠剤として処方され得る。治療薬は圧縮により作成され得る。
着色剤及びフレーバーが配合され得る。例えば、タンパク質(または、誘導体)は(例えばリポソームまたはミクロスフェアカプセル化により)処方され、その後着色剤及びフレーバーを含む冷蔵飲料のような飲食物中に配合され得る。
治療薬の容量を不活性物質で希釈しても増量させてもよい。前記希釈剤には、炭水化物、特にマンニトール、ラクトース、無水ラクトース、セルロース、スクロース、改質デキストラン及びスターチが含まれる。充填剤として特定の無機塩、例えばトリリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び塩化ナトリウムも使用され得る。数種の市販されている希釈剤はFast−Flo、Emdex、STA−Rx 1500、Encompress及びAvicellである。
治療薬を固体剤形に処方する際に崩壊剤を配合し得る。崩壊剤として使用される物質には、スターチを主成分とする市販の崩壊剤であるExplotabを含めたスターチが含まれるが、これに限定されない。ナトリウムスターチグリコレート、アンバーライト、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ウルトラマイロペクチン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジピール、酸性カルボキシメチルセルロース、天然スポンジ及びベントナイトも使用され得る。他の形態の崩壊剤は不溶性カチオン交換樹脂である。粉末化ガムは崩壊剤及び結合剤として使用され得、これには寒天、カラヤガムやトラガカントガムのような粉末状ガムが含まれる。アルギン酸及びそのナトリウム塩も崩壊剤として有用である。
硬質錠剤を形成すべく治療薬を一緒に保持するために結合剤が使用され、その中にはアカシア、トラガカント、スターチ及びゼラチンのような天然産物由来の材料が含まれる。他には、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれる。ポリビニルピロリドン(PVP)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)はいずれも治療薬を造粒化するためにアルコール溶液中で使用され得る。
調製過程での固着を防止するために減摩剤を治療薬の処方物中に配合し得る。滑沢剤が治療薬とダイ壁の間の層として使用され、その中にはステアリン酸(そのマグネシウム及びカルシウム塩を含む)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、流動パラフィン、植物油及びワックスが含まれるが、これらに限定されない。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、各種分子量を有するポリエチレングリコール、カーボワックス4000及び6000のような可溶性滑沢剤も使用され得る。
調製中の薬物の流動性を改善し、圧縮中の再編成を助ける潤滑剤(glidants)も添加され得る。潤滑剤にはスターチ、タルク、発熱性シリカ、水和シリコアルミネートが含まれ得る。
治療薬の水性環境への溶解を助けるために、界面活性剤を湿潤剤として添加し得る。界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム及びスルホン酸ジオクチルナトリウムのようなアニオン性界面活性剤が含まれる。カチオン性界面活性剤を使用し得、その中にはベンザルコニウムクロリドまたはベンゼソニウムクロリドが含まれる得る。界面活性剤として処方物中に配合され得るノニオン性界面活性剤には、lauromacrogol 400、ポリオキシ40ステアレート、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油10,50及び60、グリセロールモノステアレート、ポリソルベート40,60,65及び80、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースがリストされ得る。これらの界面活性剤はタンパク質または誘導体の処方物中に単独でまたはいろいろな比率の混合物として存在し得る。
化合物の吸収を潜在的に高める添加剤の例は、脂肪酸オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸である。
制御放出性組成物が望ましいことがある。薬物は拡散または浸出メカニズムにより放出する不活性マトリックス、例えばガム中に配合され得る。ゆっくり変性するマトリックス、例えばアルギネートまたはポリサッカライドも処方物中に配合され得る。治療薬の制御放出の別の形態はOros治療システム(Alza Corp.)に基づく方法である。すなわち、薬物を、水は進入し浸透効果により1つの小さな開口を介して薬物を押し出す半透過性膜に包囲する。幾つかの経腸コーティングも遅放作用を有する。
処方物に対して他のコーティングも使用され得る。これらには、コーティングパンで適用され得る各種糖が含まれる。治療薬はフィルムコーティング錠剤の形をも有し得、この場合に使用される材料は2群に分けられる。1群は非腸溶性材料であり、この中にはメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、プロビドン及びポリエチレングリコールが含まれる。第2群はフタル酸の一般的エステルである腸溶性材料である。
最適なフィルムコーティングを与えるために材料ミックスを使用し得る。フィルムコーティングはパンコーターで、流動床でまたは圧縮コーティングにより実施され得る。
本発明では、本発明のタンパク質(または、その誘導体)の肺デリバリーも意図される。タンパク質(または、その誘導体)は吸入しながら哺乳動物の肺にデリバリーされ、肺上皮内層を横切って血流に運ばれる。この他の報告には、Adjeiら,Pharmaceutical Research,7:565−569(1990);Adjeiら,International Journal of Pharmaceutics,63:135−144(1990)(酢酸リュープロリド);Braquetら,Journal of Cardiovascular Pharmacology,13(補遺5):s.143−146(1989)(エンドセリン−1);Hubbardら,Anals of Internal Medicine,3:206−212(1989)(1−アンチトリプシン);Smithら,J.Clin.Invest.,84:1145−1146(1989)(1−プロテイナーゼ);Osweinら,「タンパク質のエアゾール化(Aerosolization of Proteins)」,1990年3月にコロラド州キーストンで開催された呼吸薬デリバリーに関するシンポジウムの議事録(Proceedings of Symposium of Respiratory Drug Delivery)II(組換えヒト成長ホルモン);Debsら,The Journal of Immunology,140:3482−3488(1988)(インターフェロン及び腫瘍壊死因子)及びPlatzらの米国特許第5,284,656号明細書(顆粒球コロニー刺激因子)が含まれる。
治療薬の肺デリバリー用に設計された各種機械的デバイスを用いて本発明を実施することも考えられる。前記デバイスには、いずれも当業者に周知のネブライザー、定量吸入器及び粉末吸入器が含まれるが、これらに限定されない。
本発明を実施するのに適した市販デバイスの幾つかの例は、ミズーリー州セントルイスに所在のMallinckrodt製Ultraventネブライザー、コロラド州エングルウッドに所在のMarquest Medical Products製Acorin IIネブライザー、ノースカロライナ州リサーチ・トライアグル・パークに所在のGlaxo Inc.製Ventolin定量吸入器、及びマサチューセッツ州ベッドフォードに所在のFisons Corp.製造Spinhaler粉末吸入器である。
前記デバイスではすべて本発明化合物を分配するのに適した処方物を使用しなければならない。典型的には、各処方物は使用するデバイスのタイプに特異的であり、治療に有用な希釈剤、アジュバント及び/または担体以外に適当な噴射剤を使用し得る。
遠位の肺に最も有効にデリバリーさせるためには10μm未満、最も好ましくは0.5〜5μmの平均粒径を有する粒状の形態で本発明化合物を製造することが最も好都合である。
担体には、トレハロース、マンニトール、キシリトール、スクロース、ラクトースやソルビトールのような炭水化物が含まれる。処方物中に使用される他の成分には、DPEC、DOPE、DSPC及びDOPCが含まれる得る。天然または合成界面活性剤が使用され得る。(タンパク質またはアナログを誘導体化するときの使用とは別の)ポリエチレングリコールが使用され得る。シクロデキストランのようなデキストランが使用され得る。胆汁酸塩及び他の関連エンハンサーが使用され得る。セルロース及びセルロース誘導体が使用され得る。緩衝剤処方物中に使用されるようなアミノ酸が使用され得る。
また、リポソーム、マイクロカプセルまたはマイクロスフェア、封入複合体または他のタイプの担体の使用も考えられる。
ジェット式または超音波式ネブライザーと共に使用するのに適した処方物は、通常溶液1mlあたり約0.1〜25mgの生物活性タンパク質の濃度で本発明化合物を水に溶解して含む。前記処方物は緩衝剤及び単純糖(例えば、タンパク質の安定化及び浸透圧の調節のために)をも含み得る。ネブライザー処方物は、エアゾールを形成するときに溶液を噴霧することにより生ずるタンパク質の界面誘導凝集を低下もしくは防止するために界面活性剤も含み得る。
定量吸入器と共に使用するための処方物は、通常界面活性剤を用いて噴射剤中に懸濁させた本発明化合物を含む微粉末からなる。噴射剤はこの目的で使用されている慣用物質、例えばクロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、炭化水素(トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタンを含む)及び1,1,1,2−テトラフルオロエタン、またはその組合せであり得る。好適な界面活性剤にはソルビタントリオレエート及び大豆レシチンが含まれる。オレイン酸も界面活性剤として使用され得る。
粉末吸入器から分配するための処方物は本発明化合物を含む乾燥微粉末からなり、デバイスからの粉末の消散を容易とする量、例えば処方物の50〜90重量%の増量剤、例えばラクトース、ソルビトール、スクロース、マンニトール、トレハロースまたはキシリトールをも含み得る。
本発明化合物の経鼻デリバリーも意図される。経鼻デリバリーにより、治療薬を鼻に投与後その治療薬を肺に沈積させる必要なく血流に直接運び得る。経鼻デリバリーのための処方物には、デキストランまたはシクロデキストランを含むものが含まれる。他の粘膜を横切って移動させるデリバリーも意図される。
用量
上記した状態を治療する方法に関する用量レジメは、薬物の作用を変化させる各種要因、例えば患者の年齢,状態,体重,性別及び食事、感染の重篤度、投与時期及び他の臨床要因を考慮して担当医により決定される。
本発明化合物はまずボーラス注射後薬物の治療循環レベルを維持するために連続注入することにより投与され得る。別の例として、本発明化合物は1回投与として投与され得る。当業者は、良好な医学的プラクティス及び各患者の臨床状態により決定される有効用量及び投与レジメを容易に最適化する。投与頻度は薬剤の薬物動態パラメーター及び投与ルートに依存する。最適な医薬処方物は、投与ルート及び所望用量に依存して当業者により決定される。例えば、援用により本明細書に含まれるとするRemington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,p.1435−1712,ペンシルバニア州イーストンに所在のMack Publishiing Co.(1990年)発行を参照されたい。前記処方物は、投与する薬物の物理的状態、安定性、インビボ放出速度及びインビボクリアランス速度に影響を与え得る。投与ルートに応じて、適当な用量は体重、体表面積または臓器サイズに従って計算され得る。上記した各処方物を含む治療のための適切な用量を決定するために必要な計算は過度の実験を実施することなく、特に本明細書に記載されている用量情報及びアッセイ並びに上記したヒト臨床試験で見られる薬物動態的データーにてらして当業者が日常的に更に精査し得る。適当な用量は血液レベル用量を決定するための確立されたアッセイ及び適当な用量−応答データーを用いて決定され得る。最終投与レジメは、薬物の作用を変化させる各種要因、例えば薬物の特定活性、ダメージの重篤度及び患者の応答性、患者の年齢,状態,体重,性別及び食事、感染の重篤度、投与時期及び他の臨床要因を考慮して担当医により決定される。研究を実施したら、各種疾患及び状態に対する適当な用量レベル及び治療期間に関する更なる情報が得られる。
本発明の治療方法、組成物及び化合物は、血小板欠乏及び他の症状により特徴づけられる病気の治療において単独でまたは他のサイトカイン、可溶性mpl受容体、造血因子、インターロイキン、成長因子または抗体と一緒に使用され得る。本発明の化合物は幾つかの形態の血小板減少症の治療において一般的な造血刺激剤、例えばIL−3またはGM−CSFと一緒に使用されると予想される。他の巨核球刺激因子、すなわちmeg−CSF、幹細胞因子(SCF)、白血病抑制因子(LIF)、オンコスタチンM(OSM)、または巨核球刺激活性を有する他の分子もmplリガンドと一緒に使用され得る。同時投与するための別のサイトカインまたは造血因子の例には、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−11、コロニー刺激因子(CSF−1)、M−CSF、SCF、GM−CSF、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、EPO、インターフェロン−α(IFN−α)、コンセンサスインターフェロン、IFN−β、IFN−γ、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、トロンボポエチン(TPO)、アンギオポエチン(例えば、Ang−1、Ang−2、Ang−4、Ang−Y)、ヒトアンギオポエチン様ポリペプチド、脈管内皮増殖因子(VEGF)、アンギオゲニン、骨形態形成タンパク質−1、骨形態形成タンパク質−2、骨形態形成タンパク質−3、骨形態形成タンパク質−4、骨形態形成タンパク質−5、骨形態形成タンパク質−6、骨形態形成タンパク質−7、骨形態形成タンパク質−8、骨形態形成タンパク質−9、骨形態形成タンパク質−10、骨形態形成タンパク質−11、骨形態形成タンパク質−12、骨形態形成タンパク質−13、骨形態形成タンパク質−14、骨形態形成タンパク質−15、骨形態形成タンパク質受容体1A、骨形態形成タンパク質受容体1B、脳由来神経栄養性因子、毛様体神経栄養性受容体、サイトカイン誘導好中球走化因子1、サイトカイン誘導好中球走化性因子2、サイトカイン誘導好中球走化性因子2、内皮細胞増殖因子、エンドセリン1、上皮細胞増殖因子、上皮誘導好中球誘因物質、線維芽細胞増殖因子4、線維芽細胞増殖因子5、線維芽細胞増殖因子6、線維芽細胞増殖因子7、線維芽細胞増殖因子8、線維芽細胞増殖因子8b、線維芽細胞増殖因子8c、線維芽細胞増殖因子9、線維芽細胞増殖因子10、酸性線維芽細胞増殖因子、塩基性線維芽細胞増殖因子、グリア細胞株誘導好中球因子受容体1、グリア細胞株誘導好中球因子受容体2、増殖関連タンパク質、増殖関連タンパク質、増殖関連タンパク質、増殖関連タンパク質、ヘパリン結合上皮増殖因子、肝細胞増殖因子、肝細胞増殖因子受容体、インスリン様増殖因子I、インスリン様増殖因子受容体、インスリン様増殖因子II、インスリン様増殖因子結合タンパク質、ケラノサイト増殖因子、白血病阻害因子、白血病阻害因子受容体、神経増殖因子、神経増殖因子受容体、ニューロトロフィン−3、ニューロトロフィン−4、胎盤増殖因子、胎盤増殖因子2、血小板誘導内皮細胞増殖因子、血小板誘導増殖因子、血小板増殖因子A鎖、血小板誘導増殖因子AA、血小板誘導増殖因子AB、血小板誘導増殖因子B鎖、血小板誘導増殖因子BB、血小板誘導増殖因子受容体、血小板誘導増殖因子受容体、プレB細胞増殖刺激因子、幹細胞因子受容体、TNF0,TNF1,TNF2を含めたTNF、トランスホーミング増殖因子、トランスホーミング増殖因子、トランスホーミング増殖因子1、トランスホーミング増殖因子1.2、トランスホーミング増殖因子2、トランスホーミング増殖因子3、トランスホーミング増殖因子5、潜伏トランスフォーミング増殖因子1、トランスホーミング増殖因子結合タンパク質I、トランスフォーミング増殖因子結合タンパク質II、トランスホーミング増殖因子結合タンパク質III、腫瘍壊死因子受容体タイプI、腫瘍壊死因子受容体タイプII、ウロキナーゼタイププラスミノーゲン活性剤受容体、血管内皮細胞増殖因子及びキメラタンパク質、並びにその生物学的または免疫学的活性断片が含まれる。更に、巨核球が成熟形に達したときに巨核球を血小板に断片化する作用を有するとみられる可溶性哺乳動物mpl受容体を有効量同時にまたは逐次投与することも有用であり得る。よって、(成熟巨核球の数を増加させるために)本発明化合物を投与した後(リガンドを不活性にし、成熟巨核球から血小板を産生させるために)可溶性mpl受容体を投与することが血小板産生を刺激するための特に有効な手段であると予想される。上記した用量は治療用組成物中の追加成分を相殺するように調節される。治療される患者の進行は一般的方法を用いてモニターされ得る。
本発明化合物を血小板組成物及び/または巨核球及び関連細胞の組成物に添加する場合その量は通常当業界で公知の技術及びアッセイにより実験的に決定される。その量は、例えば10細胞あたり0.1μg〜1mgである。
当業者は本明細書に記載されている教示内容にてらして本発明の教示を特定の問題または状況に適用することは理解される。本発明の産物及びその単離、使用及び製造のための代表的方法の例を以下に示す。
以下、本明細書に記載されている幾つかの化合物を作成し、特性づける方法を例示する。
(実施例1)
1.第2ペプチドライブラリーの構築
(A) エレクトロコンピテント大腸菌細胞の作成
37℃において2xYT培地(1.6% バクトトリプトン、1% 酵母抽出物、85.5mM NaCl)(10ml)中で一晩大腸菌(TG1株;ニュージャージ州ピスカタウェーに所在のAmersham Pharmacia Biotech)培養物を調製した。この一晩培養物(1ml)を用いて、0.4% グルコース及び10mM Mglを含有する2xYT培地(1L)を接種し、この1L培養物をOD600=0.8まで37℃において振とう機において増殖させた。培養物を氷上で15分間冷却し、4℃において4000rpm(Beckman JA−10ローター)で20分間遠心した。細菌ペレットを氷冷10%グリセロール溶液(500ml)に再懸濁し、生じた混合物を4℃において4000rpmで20分間遠心した。細菌ペレットを再び氷冷10%グリセロール溶液(500ml)に再懸濁し、生じた混合物を再び4℃において4000rpmで20分間遠心した。次いで、細胞ペレットを氷冷10%グリセロール溶液(25ml)に再懸濁した。この濃縮細菌サンプルを氷冷50ml容量の円錐チューブに移し、4℃において卓上遠心機(Beckman CS−6R)を用いて3500rpmで15分間遠心した。細胞ペレットを小容量の氷冷グリセロール溶液に再懸濁し、細菌ストック(100または300μl)を直ちにエタノール/ドライアイス浴において凍結し、−80℃フリーザーで保存した。
(B) pCES1ベクターの修飾
PCR反応を、Extend Long Template PCRシステム(インディアナ州インディアナポリスに所在のRoche Diagnostics Corp.)、鋳型としてpCES1ベクター(TargetQuest Inc.)(1μg)を用いて実施した。PCR混合物の容量は100μlであり、1×PCR緩衝液、200nMずつの2つのプライマー5’−CAAACGAATGGATCCTCATTAAAGCCAGA−3’及び5’−GGTGGTGCGGCCGCACTCGAGACTGTTGAAAGTTGTTTAGCA−3’、200nm dNTP、3U Tag DNAポリメラーゼを含んでいた。TRIO−Thermoblock(Biometra)PCRシステムを以下のプログラムを実行するために使用した:94℃×5分間;94℃×30秒間、50℃×30秒間、72℃×45秒間を1サイクルとして30サイクル;72℃×10分間;4℃に冷却。PCR産物を1% アガロースゲルに流し、QIAGEN Spinカラム(カリフォルニア州バレンシアに所在のQIAGEN Inc.)を製造業者のプロトコルに従って用いて精製した。第2回PCR反応を、5μlのPCR産物及び200nMずつの2つのプライマー、5’−CAAACGAATGGATCCTCATTAAAGCCAGA−3’及び5’−AACACAAAAGTGCACAGGGTGGAGGTGGTGGTGCGGCCGCACT−3’を用いて上記と同一PCR条件で実施した。
PCR産物及びオリジナルのpCES1ベクターを別々に1×NEB2緩衝液、60UApaLI(マサチューセッツ州ビバリーに所在のNew England Biolabs)、60U BamHI(New England Biolabs)を含む反応液(100μl)中37℃において1時間消化した。両方の消化DNAをQIAGEN Spinカラムを用いて精製し、1×ライゲーション緩衝液及び40U T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を含有する反応液(40μl)中室温において一晩ライゲートした。
ベクターを大腸菌にトランスフェクトし、37℃において一晩インキュベートした。単離した単一コロニーを選択し、プラスミドをQIAGEN Spinカラムを用いて精製した。適正なインサートをDNA配列決定により確認した。
(C) ベクターDNAの作成
修飾pCES1ベクターDNA(セクション1B)(1μg)を2500V、25°F及び200オームに設定したGene Pulser IIを用いてエレクトロコンピテントTG1大腸菌(セクション1A)(100μl)に形質転換した。次いで、形質転換した細菌サンプルを直ちにSOC(2% トリプトン、0.5% 酵母抽出物、10mM NaCl、2.5mM KCl、20mM グルコース、10mM MgSO,10mM MgCl)(900μl)を収容したチューブに移し、この培養物を37℃において振とうさせながら1時間増殖させた。次いで、細胞を2×YTAG(100ug/ml アンピシリン及び2% グルコース含有2xYT)寒天プレート上に散布し、37℃において一晩インキュベートした。単一コロニーを用いて、37℃において2xYTAG培地(1L)に振とうさせながら一晩接種した。プラスミドベクターDNAをQIAGENプラスミドMaxiキットを製造業者のプロトコルに従って用いて精製した。
(D) ベクターDNAの消化
ベクターDNA(セクション1C)(50μg)を37℃において1×NEB緩衝液2、200U ApaLI及び200U XhoIを含む反応物(400μl中で一晩消化した。この制限消化反応物を37℃において一晩インキュベートし、予備調製した1% アガロースゲル(カリフォルニア州サンディエゴに所在のEmbi Tec.)で分析した。直線化ベクターDNAをゲルから切り出し、QIAquickゲル抽出キット(QIAGEN INC.)を製造業者の指示に従って用いて抽出した。
(E) ライブラリーオリゴヌクレオチドの作成
2つのライブラリーオリゴヌクレオチド(固定及びドープド)を設計した、固定ライブラリーオリゴヌクレオチド5’−CACAGTGCACAGGGTNNKNNKNNKNNKGGTCCTACTCTGMRKSARTGGCTGNNKNNKNNKNNKNNKNNKCATTCTCTCGAGATCG−3’及びドープドライブラリーオリゴヌクレオチド5’−CACAGTGCAC−AGGGTNNKNNKNNKNNKggKcc−KacKctKNNKNNKtgKNNKNNKNNKNNKNNKNNKNNKCATTCTCTCGAGATCG−−3’(小文字は70%の表示塩基と10%のそれぞれ他の3つのヌクレオチドの混合物を表す)を合成した。これらの各オリゴヌクレオチドをポリメラーゼ連鎖反応における鋳型として使用した。
PCR反応のためにExpand High Fidelity PCRシステムキット(Roche Diagnostics Corp.)を用いた。各PCR反応物の容量は100μlであり、10nM ライブラリーオリゴヌクレオチド、1×PCR緩衝液、300nMずつのプライマー5’−CACAGTGCACAGGGT−3’及び5’−TGATCTCGAGAGAATG−3’、200nM dNTP、2mM CaCl、5U Expandポリメラーゼを含んでいた。サーモサイクラー(GeneAmp PCR System 9700,Applied Biosystem)を用いて以下のプログラムを実行した:94℃×5分間;94℃×30秒間、55℃×30秒間及び72℃×45秒間を1サイクルとして30サイクル;72℃×7分間;4℃に冷却。遊離ヌクレオチドをQIAquick ヌクレオチド除去キット(QIAGEN Inc.)を製造業者のプロトコルに従って用いて除去した。
(F) ライブラリーオリゴヌクレオチドの消化
各PCR産物(セクション1E)(5μg)を37℃において1×NEB緩衝液2、200U ApaLI及び200U XhoIを含む反応物(400μl)中で一晩消化した。消化したDNAを3% アガロースゲル(Embi Tec)で分離した。各反応からの当該DNAバンドをゲルから切断し、QIAquickゲル抽出キットを用いて抽出した。
(G) ライブラリーオリゴヌクレオチドとのベクターのライゲーション
線状化したベクター(セクション1D,25μg)及び各消化PCR産物(セクション1F,5μg)を16℃において1×NEBライゲーション緩衝液及び80U T4 DNAリガーゼを含む反応物(400μl)中で一晩ライゲートした。ライゲートした産物を65℃において20分間インキュベートしてDNAリガーゼを不活性とし、更に37℃において8U NotIと2時間インキュベートしてベクターの自己ライゲーションを最小限とした。次いで、ライゲートした産物を一般的なフェノール/クロロホルム抽出(Maniatisら,「分子クローニング(Molecular CLoning)」,第3版)により精製し、HO(30μl)中に再懸濁した。
(H) エレクトロポレーション形質転換
各ライブラリーに対して、10エレクトロポレーション反応を実施した。各形質転換につき、ライゲートしたベクターDNA(セクション1G)(3μl)及びTG1細胞(セクション1A)(300μl)を0.2cmキュベット(BIO−RAD)において混合した。生じた混合物に2500V、25uF及び200オームに設定したGene Pulser IIを用いてパルスを加えた。10エレクトロポレーション反応からの形質転換した細菌サンプルを合わせ、37℃において1時間インキュベートするためにSOC(27ml)を収容しているフラスコに移した。次いで、細胞を2xYTAG(170ml)に添加し、37℃において振とうさせながら3時間増殖させた。細胞を4℃において5000rpmで10分間遠心した。次いで、細胞ペレットを15% グリセロール/2xYT(10ml)中に再懸濁し、−80℃で保存した。これはライブラリーの初期ストックである。力価は固定ライブラリー及びドープドライブラリーのそれぞれについて1.0×10独立形質転換体及び2.4×10独立形質転換体のライブラリーザイズを示した。
2.ライブラリーの増幅
(A) ライブラリーの第2ストックの作成
初期ライブラリー細胞ストック(セクション1H)を用いて、出発OD600=0.1であるように2xTAYG培地1300ml(固定ライブラリーの場合)及び2600ml(ドープドライブラリーの場合)に接種した。培養物を37℃において振とうさせながらOD600=0.5まで数時間増殖させた。固定ライブラリーの場合には120mlアリコート及びドープドライブラリーの場合には240mlアリコートを採取して、別のフラスコ中37℃において更に2時間増殖させた。これらのサブ培養物を4℃において5000rpm(Beckman JA−14ローター)を用いて10分間遠心し、−80℃での保存のために細菌ペレットを15% グリセロール/2xYT(各ライブラリーで10ml)中に再懸濁した。
(B) ファージ誘導
M13K07ヘルパーファージアリコート(Amersham Pharmacia Biotech)をOD600=0.5の残りの細胞培養物(セクション2A)に3×10pfu/mlまで添加した。ヘルパーファージを用い、37℃で振とうさせることなく30分間、ゆっくり振とうさせながら30分間細菌を感染させた。感染細胞を4℃において5000rpmで10分間遠心した。細胞ペレットを2xYTAK(100ug/ml アンピシリン及び40ug/ml カナマイシン含有2YT)1300ml(固定ライブラリー)及び2600ml(ドープドライブラリー)中に再懸濁させた。ファージミドの産生は37℃において振とうさせながら一晩で生じた。
(C) ファージの収集
細菌培養物(セクション2B)を4℃において5000rpmで10分間遠心した。上清を新しいボトルに移し、0.2容量の20% PEG/2.5M NaClを添加し、氷上で1時間インキュベートして、ファージミドを沈殿させた。沈殿したファージミドを4℃において8000rpmで20分間遠心し、冷PBS(100ml)と注意深く再懸濁させた。残りの細胞を4℃において8000rpmで10分間遠心して除去し、0.2容量の20% PEG/2.5M NaClを添加することによりファージを沈殿させることにより、ファージミド溶液を更に精製した。ファージミドを4℃において8000rpmで20分間遠心し、ファージミドペレットを冷PBS(12ml)で再懸濁した。−80℃での保存のために60% グリセロール溶液(4ml)をファージミド溶液に添加した。ファージミド力価を一般的手順(Maniatisら,「分子クローニング(Molecular CLoning)」,第3版)により測定した。
3.ヒトMPL結合ファージの選択
(A) ヒトMPLのビオチニル化
組換えヒトMPL(1mg)をEZ−Link Sulfo−NHS−LC−ビオチニル化キット(イリノイ州ロックフォードに所在のPIERCE)を製造業者の指示に従って用いてビオチニル化した。
(B) MPLの磁気ビーズ上への固定化
ビオチニル化MPL(セクション3A)をDynabead M−280ストレプトアビジン(ニューヨーク州レークサクセスに所在のDYNAL)上に製造業者からのビーズストック100μlあたり1μgのMPLの濃度で固定化した。磁石を用いてチューブの片面にビーズを引き寄せ、ピペットで排液した後、ビーズをリン酸緩衝食塩液(PBS)で2回洗浄し、PBS中に再懸濁した。ビオチニル化MPLタンパク質を洗浄ビーズに上記濃度で添加し、室温において回転させながら1時間インキュベートした。次いで、MPL被覆ビーズを、BSAを2%最終濃度まで添加し、4℃において回転させながら一晩インキュベートすることによりブロックした。次いで、生じたMPL被覆ビーズをPBST(0.05% ツイーン20含有PBS)で2回洗浄した後、選択手順にかけた。
(C) MPL被覆ビーズを用いる選択
約100倍ライブラリー等価ファージミド(セクション2C;固定ライブラリーでは1×1011cfu、ドープドライブラリーでは2.4×1011cfu)を2% BSA含有PBS(1ml)を用いて1時間ブロックした。ブロックしたファージミドサンプルをブランクビーズ(セクション3Bと同じビーズであるがMPLで被覆されていない)に添加してネガティブ選択ステップにかけ、この混合物を室温において回転させながら1時間インキュベートした。ファージミド含有上清を磁気を用いて引き抜き、MPL被覆ビーズ(セクション3B)を収容した新しいチューブに移し、この混合物を室温において回転させながら1時間インキュベートした。上清を捨てた後、ファージミド結合ビーズをPBSTで10回、PBSで10回洗浄した。次いで、ファージミドをローターを用いて100mM トリエチルアミン溶液(ミズーリ州セントルイスに所在のSigma)(1ml)に10分間溶離させた。ファージミド含有溶液のpHを1M トリス−HCl(pH7.5)(0.5ml)を添加して中和した。生じたファージミドを用いて、新しく成長させたTG1細菌(OD600=0.5)(5ml)を37℃において振とうさせることなく30分間、ゆっくり振とうさせながら30分間感染させた。全ての感染TG1細胞を大きな2xYTAGプレートで平板培養し、30℃において一晩インキュベートした。
(D) ファージの誘導及び収集
2xYTAG培地の10mlアリコートをプレート(セクション3C)に添加して、TG1細胞を再懸濁した。全てのTG1細胞をチューブに集め、前記細胞の250μlアリコートを2xYTAG(25ml)に添加し、OD600=0.5まで37℃において増殖させた。M13K07ヘルパーファージを3×10cfu/mlの最終濃度まで添加し、37℃において振とうせずに30分間、ゆっくり振とうさせながら30分間インキュベートした。細胞を4℃において5000rpmで10分間遠心し、2xYTAK(25ml)中に再懸濁した。これらの細菌を振とうさせながら30℃において一晩培養した。誘導したファージミドを収集し、セクション2Cに記載したように精製した。
(E) 第2回選択
以下の点を除きセクション3B及び3Cに概説したように第2回選択を実施した。セクション3Dからのファージミド溶液の約0.5mlアリコートを入力ファージミドとして用いた。ビオチニル化MPL(セクション3A)の0.1μgのみを用いてDynabead M−280ストレプトアビジンを被覆した。ファージ結合ビーズをPBSTで16回洗浄し、最終洗浄にはPBST中室温において30分間のインキュベーションを含めた。ビーズをPBSで10回以上洗浄した。
4.クローン分析
(A) マスタープレートの作成
第2回選択からの単一コロニーを選択し、120μl/ウェルの2xYTAGを収容している96ウェルプレートに接種した。96ウェルプレートを30℃振とう装置を用いて一晩インキュベートした。−80℃での保存用に60% グリセロール(40μl/ウエル)を添加した。
(B) ファージミドELISA
マスタープレート(セクション4A)からの細胞の約3μlアリコートを120μl/ウェルの2xYTAGを収容している新しい96ウェルプレートに接種し、この新しいプレートの細胞を約OD600=0.5まで37℃において増殖させた。各ウェルに2xYTAG含有M13K07ヘルパーファージ(1.2×1010cfu/ml)(40μl)を添加し、96ウェルプレートを37℃において振とうせずに30分間、ゆっくり振とうさせながら更に30分間インキュベートした。プレートを4℃において2000rpmで(Beckman CS−6R卓上遠心機)10分間遠心した。上清をウェルから除去し、各細胞ペレットを2xYTAG(160μl/ウェル)を用いて再懸濁した。プレートをファージ発現のために30℃において一晩インキュベートした。
4℃において組換えヒトMPLで96ウェルMaxisorpプレート(NUNC)を0.1M 炭酸塩緩衝液(pH9.6)中5μg/mlで一晩被覆した。コントロールとして、BSA(Sigma)で別のMaxisorpプレートを5ug/mlで被覆した。
翌日、一晩細胞培養物を4℃において2000rpmで10分間遠心した。各ウェルからの上清(20μl)を2% BSA/PBS溶液(180μl/ウェル)を収容した新しい96ウェルプレートに移した。生じた混合物を室温において振とうさせながら1時間インキュベートして、ファージミドをブロックした。一方、MPL被覆プレートを室温において2% BSA/PBS溶液(200μl/ウェル)を用いて振とうさせながらブロックした。BSA溶液を捨て、各ウェルをPBST溶液で3回洗浄した。最後の洗浄ステップ後、ブロックしたファージミド溶液(50μl)をMPL被覆プレート及びコントロールプレートの各ウェルに添加し、室温において振とうさせながら1時間インキュベートした。液体を捨て、各ウェルをPBST溶液で3回洗浄した。1:15,000希釈度のHRPコンジュゲートした抗−M13mAb(Amersham Pharmacia Biotech)(50μl)をMPL被覆プレート及びコントロールプレートの各ウェルに添加し、これらのプレートを室温において振とうさせながら1時間インキュベートした。液体を再び捨て、各ウェルをPBST溶液で3回洗浄した。LumiGL0化学ルミネッセント基質(メリーランド州ゲーザーズバーグに所在のKirkegaard & Perry Laboratories)(50μl)をウェルに添加し、各ウェルをLuminoskan Ascent DLRearly機(マサチューセッツ州フランクリンに所在のLabsystem)を用いて読んだ。
(C) ファージクローンの配列決定
PCR反応を、鋳型としてマスタープレート(セクション4A)の各ウェルからの細菌(1μl)を用いて実施した。各PCR混合物の容量は20μlであり、1×PCR緩衝液、300nMずつの2つのプライマー5’−GTTAGCTCACTCATTAGGCAC−3’及び5’−GTACCGTAACACTGAGTTTCG−3’、200nM dNTP、2mM CaCl及び5U taq DNAポリメラーゼ(Roche Molecular Biochemicals)を含んでいた。GeneAmp PCRシステム9700(Applied Biosystem)を用いて以下のプログラムを実行した:94℃×5分間;94℃×45秒間、55℃×45秒間及び72℃×90秒間を1サイクルとして40サイクル;72℃×10分間;4℃に冷却。PCR産物をQIAquick 96 PCR精製キット(QIAGEN Inc.)を製造業者の指示に従って用いて精製した。全ての精製PCR産物をABI 3770シーケンサー(Perkin Elmer)を製造業者の指示に従って用いてプライマー5’−CGGATAACAATTTCACACAGG−3’で配列決定した。
5.配列ランキング
上記したヌクレオチド配列から翻訳したペプチド配列をELISAデーターと相関させた。MPL被覆ウェルで高いOD測定値及びBSA被覆ウェルで低いOD測定値を示したクローンは更なる研究のための候補物と見做された。複数回現れる配列も更なる研究のための候補物と見做された。これらの基準に基づいて選択したファージクローンをELISA測定実験において更に特性づけた。図9(特定ファージクローンのELISA用量−応答)参照。
(実施例2)
ペプチドの作成
全てのペプチドを十分に確立されている段階的固相合成法により作成した。Merrifield,J.Am.Chem.Soc.,85:2149(1963);Steward及びYoung,Solid Phase Peptide Synthesis(1969)参照。Fmoc−保護アミノ酸をビルディングブロックとして使用し、ペプチド鎖をABIまたはSymphonyペプチド合成装置を用いて構築した。典型的には、ペプチド合成を予備充填Wang樹脂を用いて開始して、C末端に遊離カルボン酸を有するペプチドを作成した(或いは、C末端アミド官能基を有するペプチドを作成するためにRink樹脂を使用することができる)。一般的なピペリジンプロトコルを用いてFmocを除去した。カップリングはウロニウム(例えば、HBTU)またはカルボジイミド(例えば、DCC/HOBt)化学を用いて実施した。側鎖保護基はGlu(O−t−Bu)、Asp(O−t−Bu)、Ser(t−Bu)、Thr(t−Bu)、Arg(Pbf)、Asn(Trt)、Gln(Trt)、His(Trt)、Lys(t−Boc)、Trp(T−Boc)及びCys(Trt)であった。全てのペプチジル樹脂の最終脱保護及び開裂は2.5% HO、5% フェノール、2.5% トリイソプロピルシラン及び2.5% チオアニソールまたはメルカプトエタノールを含むトリフルオロ酢酸(TFA)を用いて室温において4時間実施した。TFAを除去後、開裂ペプチドを冷無水エーテルを用いて沈殿させた。ジスルフィド結合を含むペプチドの場合、HO中15% DMSO(pH7.5)を用いることにより粗物質に対して環状産物の直接形成を実施した。全ての粗ペプチドを逆相HPLCにより精製し、精製したペプチドの構造をESI−MS及びアミノ酸分析により確認した。
(実施例3)
TMP−Fcペプチ体化合物の作成
数種のペプチドをペプチド−Fc融合物(すなわち、FcがペプチドのC末端に結合)(C末端融合物)として発現させるために選択した。各TPO−模擬ペプチドにインフレームで融合したヒトIgG1のFc領域をコードするDNA配列を次のようにプラスミド発現ベクターpAMG21中にLuxPRプロモーターの制御下に置いた。
TMP1−Fcをコードするプラスミド(Amgen株#3788)を、アニーリングしたオリゴヌクレオチドから短ペプチドを簡単にクローニングするためにApaLI部位及びXhoI部位を含むように改変した。プライマー2396−69を用いてApaLI及びXhoI制限酵素部位を付加した。PCRをExpand Longポリメラーゼを用い、2396−69及び3788DNA鋳型上のユニバーサル3’プライマー191−24で実施した。プライマー配列は以下の通りである:
Figure 2005523682
生じたPCR断片をNdeI及びBsrGIで消化し、ゲル精製し、インサートとして使用した。株#3788由来のプラスミドもNdeI及びBsrGIで消化し、ゲル精製し、ベクターとして使用した。ベクター及びインサートをライゲートし、生じたライゲーション混合物をGM221細胞(以下参照)にエレクトロポレーションした。単一コロニーを選び、プラスミドDNAを作成し、DNAを配列決定した。1つの生じたプラスミド200003180は適正なDNA配列を有していることが判明し、TMP−Fc融合物を構築するためのベクターとして使用した。このベクターを図6に示す。
プラスミド200003180をApaLI及びXhoIで消化し、ベクターとして使用した。オリゴヌクレオチドの各対(図7)をアニーリングして、ApaLI及びXhoI付着末端と二重鎖を形成した。これらの分子をベクターにライゲートして、当該の融合タンパク質を生成した。オリゴヌクレオチドの各対応対に対するApaLI−XhoI断片を図7に示す。
TMP1〜23、25、26及び28をC末端融合物として発現させた。
(実施例4)
Fc−TMPペプチ体化合物の作成
数種のペプチドをFc−ペプチド融合物(すなわち、FcがペプチドのN末端に結合)(N末端融合物)として発現させた。Fc−TMP1をコードするプラスミド(Amgen株#3728)を、アニーリングしたオリゴヌクレオチドから短ペプチドを容易にクローニングするためにApaLI部位及びXhoI部位を含むように改変した。プライマー2396−70をApaLI及びXhoI制限酵素部位を付加するように設計した。PCRをExpand Longポリメラーゼを用い、2396−70及び3788DNA鋳型上のユニバーサル5’プライマー1209−85で実施した。プライマー配列は以下の通りである:
Figure 2005523682
生じたPCR断片をBsrGI及びBamHIで消化し、ゲル精製し、インサートとして使用した。株#3728由来のプラスミドもBsrGI及びBamHIで消化し、ゲル精製し、ベクターとして使用した。ベクター及びインサートをライゲートし、生じたライゲーション混合物をGM221細胞にエレクトロポレーションした。単一コロニーを選び、プラスミドDNAを作成し、DNAを配列決定した。1つの生じたプラスミド200003182(図8)は適正なDNA配列を有していることが判明し、Fc−TMP融合物を構築するためのベクターとして使用した。
プラスミド200003182をApaLI及びXhoIで消化し、ベクターとして使用した。ApaLI及びXhoI付着末端を有するアニーリングしたオリゴをベクターにライゲートして、当該の融合物を生成した。
このようにして、TMP20、TMP24、TMP27、TMP29及びTMP30をN末端融合物として発現させた。
形質転換
各ライゲーションをエレクトロポレーションにより下記する宿主株GM211に形質転換した。組換えタンパク質産物を産生し、適正なヌクレオチド配列を有する遺伝子融合物を有する能力についてクローンをスクリーニングにかけた。
pAMG21
発現プラスミドpAMG21はATCCに1996年7月24日に寄託され、寄託番号98113でATCCから入手可能である。
GM221(Amgen宿主株#2596)
Amgen宿主株#2596は、初期edg領域に温度感受性ラムダリプレッサーcI857s7及び後期edg領域(68分)にlacIリプレッサーを含むように修飾した大腸菌K−12株である。2つのリプレッサー遺伝子を存在させたことにより、この宿主を各種発現系で使用することができるが、これらのリプレッサーはluxPからの発現に無関係である。非形質転換宿主は抗生物質耐性を有していない。
cI857s7遺伝子のリボソーム結合部位は強化RBSを含むように修飾した。Genbank寄託番号M64441Gb_BaのナンバリングでヌクレオチドNo.1170とNo.1411の間のebgオペロンに挿入し、介入ebg配列を欠失させた。
構築物を、F’tet−393にMMebg−cI1857s7強化RBS#4と称される組換えファージを用いて染色体にデリバリーした。組換え及び回復後、上記した染色体インサートのみが細胞中に残っている。それはF’tet/GM101と名付けられた。
次いで、Genbank寄託番号M64441Gb_BaのナンバリングでヌクレオチドNo.2493とNo.2937の間のebgオペロンにlacI構築物をデリバリーし、介入ebg配列を欠失させることにより、F’tet/GM101を修飾した。構築物をF’tet/GM101にAGebg−LacIQ#5と称される組換えファージを用いて染色体にデリバリーした。組換え及び回復後、上記した染色体インサートのみが細胞中に残っている。それはF’tet/GM221と名付けられた。F’tetエピソームをLB中25ug/mlの濃度でアクリジンオレンジを用いて株から除去した。除去した株はテトラサイクリン感受性として同定され、GM221として保存した。
発現
各融合タンパク質を発現するGM221の培養物を37℃においてLuria Broth培地で増殖させた。合成オート誘導物質N−(3−オキソヘキサノイル)−DL−ホモセリンラクトンを20ng/mlの最終濃度まで培地に添加し、37℃で更に3時間インキュベートした後、luxPRプロモーターからの遺伝子産物発現を誘導した。3時間後、細菌培養物を封入体の存在について顕微鏡で検査した後、遠心により集めた。屈性折封入体が誘導培養物中で観察され、このことから融合タンパク質が大腸菌において不溶性分画中に産生された可能性が高いことが示された。細胞ペレットを、10% β−メルカプトエタノール含有Laemmliサンプル緩衝液中に再懸濁して直接溶解し、SDS−PAGEにより分析した。適当なサイズ(約30kDa)を有する強いクーマシー染色バンドが各タンパク質について観察された。
(実施例5)
ペプチ体の精製
細胞を高圧ホモジナイゼーション(14,000PSIで2回通す)により水(1/10)中で破壊し、封入体を遠心(J−6Bにおいて4200rpmで1時間)して収集した。封入体を6M グアニジン、50mM トリス、8mM DTT(pH8.7)中1/10比で可溶化した。可溶化混合物を2M 尿素、50mM トリス、160mM アルギニン、3mM システイン(pH8.5)に20倍希釈した。混合物を冷所で一晩撹拌した。次いで、混合物を限外濾過により約10倍濃縮した、次いで、10mM トリス、1.5M 尿素(pH9)で3倍希釈した。次いで、この混合物のpHを酢酸を用いてpH5に調節した。遠心により沈殿を除去し、上清を20mM NaAc、100mM NaCl(pH5)で平衡化したSP−Sepharose Fast Flowカラムに充填した(10mg/mlのタンパク質充填、室温)。タンパク質を同一緩衝液中100mM NaClから500mM NaClの範囲の濃度勾配で20カラム容量を用いて溶離させた。前記カラムからのプールを3倍希釈し、20mM NaAc、150mM NaCl(pH5)で平衡化したSP−Sepharose HPカラムに充填した(10mg/mlのタンパク質充填、室温)。タンパク質を同一緩衝液中150mM NaClから400mM NaClの範囲の濃度勾配で20カラム容量を用いて溶離させた。ピークをプールし、濾過した。
(実施例6)
ペプチドアフィニティー結合調査
数種のTMPペプチド(TMP1〜TMP23)について結合アフィニティーを調べるために実験をBIACORE 3000を用いて室温において実施した。Hu−mplをアミンカップリング法(NHS/EDCにより活性化及びエタノールアミンによりブロッキング)を用いてセンサーチップ(CM5)表面上に固定化した。0.78〜100nMのTMPペプチドをhu−mpl表面に注入した。BIACOREランニング緩衝液は0.005% Surfactant P20を含むPBSであった。サンプルをコントロール用のブランク表面に注入した。実験データーをBIAEVALUATION 3.1ソフトウェアパッケージを用いて分析した。
上記したように、ペプチドを選択したファージ環境をよりうまく模倣し、受容体から18個のアミノ酸からなる好ましいペプチド(TMP2〜TMP30)の帯電アミノ−及びカルボキシ−末端を隠すために、2つのアミノ酸“キャップ”を各ペプチドのカルボキシ末端及びアミノ末端のそれぞれに付加した。アミノ末端にはグルタミン−システイン(QC)、カルボキシ末端にヒスタジン−セリン(HS)を付加して、各ペプチドの長さを22アミノ酸とした。ペプチドアフィニティーはペプチドが長くなると増加することは公知であるので、基準生物活性14アミノ酸ペプチド配列(配列番号1)も全部で22アミノ酸に増加させた。しかしながら、各ペプチドの生物活性領域は同じままであり、以下に太字で示す。
Figure 2005523682
(実施例7)
ペプチド生物活性調査
ペプチドTMP1〜TMP23の生物活性を調べるために細胞ベースアッセイを用いた。
マウス32D細胞増殖アッセイはヒトmpl受容体をトランスフェクトしたマウス32D細胞を使用する。以下の結果はTMP1に相対させて報告する。
CD61細胞アッセイは一次ヒトCD34+細胞を使用し、この細胞をペプチドTMP1〜TMP23の存在下で数日間培養した。次いで、前記細胞を選別して、細胞表面上で巨核球特異的マーカー(CD61)を発現する細胞の%を測定した。活性化合物は用量依存的に血小板前駆体細胞の出現を刺激したのに対して、赤血球前駆体(CD36+)及び好中球(CD15+)に対するマーカーはベースラインに留まった。3つの異なる濃度の平均値で表すCD61細胞アッセイの定性結果を以下に示す。
Figure 2005523682
Figure 2005523682
(実施例8)
ペプチ体調査
数種のTMPペプチ体を、BIAcoreでの直接結合分析においてそのhu−MPLに対する結合活性について試験した。実験をBIAcore 2000(BIACORE Inc.)を用いて25℃において実施した。ランニング緩衝液は0.005% Surfactant P20を含むPBSであった。組換えプロテインG(Pierce 21193ZZ)を標準アミンカップリング手順(NHS/EDCによる活性化及びエタノールアミンによるブロッキング)に従ってCM5チップ上に固定化して、TMPペプチ体を約400RUまで捕捉した。組換えhu−MPL(ロット27315−53)を同一緩衝液(0.005% Surfactant P20及び100ug/ml BSA含有PBS)で1uMから0.15nMに連続希釈した後捕捉したペプチ体表面上に50ul/分で3分間注入した。非特異的結合バックグラウンドを減じるためにrhu−MPLサンプルもブランクのプロテインG表面に注入した。プロテインG表面をImmunoPure IgG溶離緩衝液(Pierce 21009ZZ,pH2)(100ul)及び8mM グリシン(pH1.5)(100ul)を逐次注入し、2サイクルの間に1M NaClを50ul/分注入して再生した。ペプチ体のrhu−MPLに対する結合アフィニティー(K)を、BIAevaluation 3.1(BIACORE Inc)を用いてデーターを非線形回帰分析して求めた。結果を以下に要約する。
Figure 2005523682
(実施例9)
ペプチ体活性アッセイ
一次ヒトCD34+細胞を数種のTMP−Fc融合タンパク質の存在下で数日間培養した。次いで、前記細胞を選別して、細胞表面上で巨核球特異的マーカー(CD61)を発現する細胞の%を調べた。活性化合物は用量依存的に血小板前駆体細胞の出現を刺激したのに対して、赤血球前駆体(CD36+)(示さず)及び好中球(CD15+)(示さず)に対するマーカーはベースラインに留まった。図10、11及び12(CD61細胞アッセイ)を参照。
(実施例10)
インビボ活性
約10〜12週令の正常雌BDF1マウスをインビボ活性研究のために用いた。
マウスにボーラス治療のために皮下注射した。皮下注射により0.2ml容量をデリバリーした。化合物を0.1% BSA含有PBSで希釈した。全ての実験群に1つのコントロール群(この希釈剤のみで処置した“担体”)を含めた。
1群あたり10匹のマウスを0日目に処置し、1群あたり全部で20匹のマウスとして2つの群は4日ずらして始めた。5匹のマウスは各時点で出血させ、マウスは最低でも1週に3回出血させた。マウスをイソフルランで麻酔し、全部で140〜160ulの血液を眼窩をせん孔することにより採取した。血液をTechnicon H1E血液分析装置ランニングソフトウェァを用いてカウントした。測定したパラメーターは白血球、赤血球、ヘマトクリット、ヘモグロビン、血小板及び好中球であった。図13及び14参照。
本発明を詳細に説明してきたが、本明細書に記載した本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく多くの変化及び修飾を加えることができることは当業者には自明である。
本発明のペプチド及びペプチド−リンカー化合物の典型的な構造を示す。 本発明のペプチド−ベヒクル及びペプチド−リンカー−ベヒクル化合物の典型的な構造を示す。 本発明において好ましいベヒクルとして使用され得るヒトIgG1 Fcの核酸(配列番号31)及びアミノ酸配列(配列番号32)を示す。 IgG1抗体から誘導され得る本発明の典型的なFcモノマー及びダイマーを示す。図中、“Fc”は本明細書中のFcドメインの定義の範囲内のFc変異体を表す。“ペプチド”は本明細書に記載されているペプチド、リンカー−ペプチド、ペプチド−ペプチド組合せ、またはその任意の組合せを表す。特定ダイマーは次の通りである: 図4A及び4Dは1つのジスルフィドで結合されたダイマーを示す。IgG1抗体は通常抗体のヒンジ領域に2つのジルフィド結合を有する。図4A及び4D中のFcドメインは2つのジスルフィド結合部位間を切端するかまたはシステイニル残基を非反応性残基(例えば、アラニル)で置換することにより形成され得る。図4AではFcドメインはペプチドのアミノ末端に連結しており、図4Dではペプチドのカルボシキ末端で連結している。 図4B及び4Eは2つのジスルフィドで結合されたダイマーを示す。このFcドメインはFcドメイン鎖中の両方のシステイニル残基を保持するように親抗体を切端することにより、またはFcドメインをコードする配列を含む構築物から発現することにより形成され得る。図4Bでは、Fcドメインはペプチドのアミノ末端に連結しており、図4Eではペプチドのカルボキシ末端で連結している。 図4C及び4Fは非共有ダイマーを示す。このFcドメインは切端または置換によりシステイニル残基を除去して形成され得る。システイニル残基を宿主細胞中に存在する他のタンパク質のシステイニル残基と反応させることにより形成される不純物を避けるために前記システイニル残基を除去することが望ましい。Fcドメインの非共有結合はダイマーを一緒に保持するのに十分である。他のダイマーは異なるタイプの抗体(例えば、IgG2、IgM)由来のFcドメインを用いることにより形成され得る。 図4G及び図4HはペプチドのN末端(図4G)及びペプチドのC末端(図4H)で結合した1本鎖Fcドメインを示す。 Fcドメインに結合した医薬的に活性なペプチドのタンデム反復単位の特徴を有する本発明の好ましい化合物の典型的な構造を示す。図5Aはタンデムペプチドダイマーを結合して有する一本鎖(すなわち、Fcモノマー)分子を示し、分子のDNA構築物をも表し得る。図5Bはリンカー−ペプチド部分がFcダイマーの1つの鎖上にのみ存在しているFcダイマーを示す。図5Cは両方の鎖にペプチド部分(この場合には、タンデムペプチドダイマー)を有するFcダイマーを示す。図5Cのダイマーは図5Aに示す一本鎖をコードするDNA構築物の発現時にある宿主細胞において自動的に形成する。他の宿主細胞では、細胞はダイマーの形成を支持する条件に置かれ得るか、またはダイマーはインビボで形成され得る。図5D〜5Iは別の典型的な一本鎖(Fcモノマー)及び二本鎖(Fcダイマー)好ましい実施態様を示す。 本明細書の実施例3に示すTMP−Fc融合化合物を構築する際に使用するための好ましいベクター(200003180)の核酸配列(配列番号33)及びアミノ酸配列(配列番号34)を示す。 本明細書の実施例3に示すTMP−Fc融合化合物を構築する際に使用するための好ましいベクター(200003180)の核酸配列(配列番号33)及びアミノ酸配列(配列番号34)を示す。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 実施例3に示す本発明の好ましいペプチドを形成するために使用されるオリゴヌクレオチドの典型的な対の断片を示す。核酸及びアミノ酸をそれぞれ示す(配列番号35〜93)。 C末端Fc融合化合物(すなわち、そのN末端でFcのC末端に結合したペプチド)を構築する際に使用するための典型的なベクター(200003182)の核酸配列(配列番号94)及びアミノ酸配列(配列番号95)を示す。 C末端Fc融合化合物(すなわち、そのN末端でFcのC末端に結合したペプチド)を構築する際に使用するための典型的なベクター(200003182)の核酸配列(配列番号94)及びアミノ酸配列(配列番号95)を示す。 特定ファージクローンのELISA用量応答を示す。 本発明の特定化合物の生物活性を示す。 本発明の特定化合物の生物活性を示す。 本発明の特定化合物の生物活性を示す。 本発明の特定化合物をマウスに1回注射した後のインビボ血小板数を示す。 本発明の特定化合物をマウスに1回注射した後のインビボ血小板数を示す。

Claims (25)

  1. mpl受容体に結合し、配列:
    X1−X2−X3−X4−G−P−T−L−X9−X10−W−L−X13−X14−X15−X16−X17−X18
    (式中、X1〜X4、X9〜X10及びX13〜X18はそれぞれ独立してアミノ酸である)
    を含み、配列:
    X19−X20−I−E−G−P−T−L−R−Q−W−L−A−A−R−A−X21−X22
    (式中、X19〜X20及びX21〜X22はそれぞれ独立してアミノ酸である)
    を有する化合物よりも高いmpl受容体に対する結合アフィニティーを有する化合物及びその医薬的に許容され得る塩。
  2. mpl受容体に結合し、配列:
    X1−X2−X3−X4−G−P−T−L−X9−X10−W−L−X13−X14−X15−X16−X17−X18
    (式中、X1〜X4、X9〜X10及びX13〜X18はそれぞれ独立してアミノ酸である)
    を含み、配列:
    X19−X20−I−E−G−P−T−L−R−Q−W−L−A−A−R−A−X21−X22
    (式中、X19〜X20及びX21〜X22はそれぞれ独立してアミノ酸である)
    を有する化合物よりも高い生物活性を有する化合物及びその医薬的に許容され得る塩。
  3. X1はA、V、W、M、G、Y、C、Q、E、R及びHからなる群から選択され、
    X2はA、V、L、I、G、S及びCからなる群から選択され、
    X3はL、I、P、W、G、S、D、K及びRからなる群から選択され、
    X4はL、G、Q、D、E及びHからなる群から選択され、
    X9はK及びRからなる群から選択され、
    X10はQ及びEからなる群から選択され、
    X13はA、V、L、S、Q、E及びRからなる群から選択され、
    X14はA、W、T、Y、C及びQからなる群から選択され、
    X15はV、L、G、Y及びRからなる群から選択され、
    X16はA、L、F、G及びRからなる群から選択され、
    X17はA、V、L、M、G、C、Q及びNからなる群から選択され、
    X18はA、V、P、M、F、G、C、Q及びKからなる群から選択される
    請求の範囲第1項に記載の化合物。
  4. X1はA、V、W、M、G、C、E及びRからなる群から選択され、
    X2はA、V、L、M、F、G、S、C、D及びRからなる群から選択され、
    X3はA、L、I、P、W、Q、K及びRからなる群から選択され、
    X4はL、G、Q、D及びEからなる群から選択され、
    X9はK、R及びHからなる群から選択され、
    X10はQ及びEからなる群から選択され、
    X13はA、L、P、F、G、Q、N、E及びRからなる群から選択され、
    X14はL、W、M、C、Q及びHからなる群から選択され、
    X15はV、L、P、G、Y及びRからなる群から選択され、
    X16はA、V、L、F、S、Q、K及びRからなる群から選択され、
    X17はA、V、L、W、M、G、S、C及びNからなる群から選択され、
    X18はA、V、P、M、G、C、Q及びKからなる群から選択される
    請求の範囲第2項に記載の化合物。
  5. mpl受容体に結合し、配列:
    X1−X2−R−E−G−P−T−L−R−Q−W−L−X13−W−R−R−X17−X18
    (式中、X1、X2、X13、X17及びX18はそれぞれ独立してアミノ酸である)
    を含む化合物。
  6. mpl受容体に結合し、配列番号2〜配列番号30
    Figure 2005523682
    Figure 2005523682
    からなる群から選択される配列を含む化合物。
  7. 環状である請求の範囲第1項、第2項または第6項に記載の化合物。
  8. アミノ酸残基の少なくとも1つがD立体配置を有する請求の範囲第1項、第2項または第6項に記載の化合物。
  9. 全てのアミノ酸残基がD立体配置を有する請求の範囲第1項、第2項または第6項に記載の化合物。
  10. 請求の範囲第1項、第2項または第6項に記載の化合物のダイマーまたはマルチマー。
  11. mpl受容体に結合し、式:
    (LN1)−(TMP1)−(LN2)−(TMP2)−(LN3)−(TMP3)−(LN4)−(TMP4)
    (式中、TMP1、TMP2、TMP3及びTMP4はそれぞれ独立して請求の範囲第1項、第2項及び第6項に記載の化合物からなる群から選択され、LN1、LN2、LN3及びLN4はそれぞれ独立してリンカーであり、a、b、c及びdはそれぞれ独立して0〜20の整数であり、l、m、n及びoはそれぞれ独立して0〜20の整数である)
    を含む組成物。
  12. 更にベヒクルを含み、式:
    (V1)−(LN1)−(TMP1)−(LN2)−(TMP2)−(LN3)−(TMP3)−(LN4)−(TMP4)−(V2)
    (式中、V1及びV2はそれぞれ独立してベヒクルであり、v及びwはそれぞれ独立して0〜1の整数である)
    を有する請求の範囲第11項に記載の組成物。
  13. LN1、LN2、LN3及びLN4はペプチドからなる請求の範囲第12項に記載の組成物。
  14. V1及び/またはV2はFcドメインからなる請求の範囲第12項に記載の組成物。
  15. V1及び/またはV2はIgG1 Fcドメインからなる請求の範囲第12項に記載の組成物。
  16. 請求の範囲第12項に記載の組成物からなる群から選択される組成物をコードするポリヌクレオチド。
  17. 請求の範囲第12項に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  18. 請求の範囲第12項に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  19. 細胞が大腸菌細胞である請求の範囲第12項に記載の宿主細胞。
  20. 細胞が原核細胞である請求の範囲第12項に記載の宿主細胞。
  21. 細胞が真核細胞である請求の範囲第12項に記載の宿主細胞。
  22. 有効量の請求の範囲第12項に記載の組成物をその医薬的に許容され得る担体と共に含む医薬組成物。
  23. 治療有効量の請求の範囲第12項に記載の組成物を投与することを含む哺乳動物における血小板減少症の治療方法。
  24. 治療有効量の請求の範囲第12項に記載の組成物を投与することを含む治療を要する患者における巨核球または血小板の増加方法。
  25. mpl受容体に結合し、式:
    (V1)−(TMP1)−(V2)
    (式中、V1及びV2はそれぞれIgG1 Fcドメインであり、vが1のときwは0であり、vが0のときwは1であり、TMP1は配列番号2〜30のペプチドであり、aは1〜20の整数である)
    からなる化合物。
JP2003534560A 2001-10-11 2002-10-11 血小板新生活性を有するペプチド及び関連化合物 Withdrawn JP2005523682A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US32866601P 2001-10-11 2001-10-11
US10/269,806 US7332474B2 (en) 2001-10-11 2002-10-10 Peptides and related compounds having thrombopoietic activity
PCT/US2002/032552 WO2003031589A2 (en) 2001-10-11 2002-10-11 Peptides and related compounds having thrombopoietic activity

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005523682A true JP2005523682A (ja) 2005-08-11

Family

ID=26953908

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003534560A Withdrawn JP2005523682A (ja) 2001-10-11 2002-10-11 血小板新生活性を有するペプチド及び関連化合物

Country Status (11)

Country Link
US (3) US7332474B2 (ja)
EP (1) EP1439852B1 (ja)
JP (1) JP2005523682A (ja)
KR (1) KR101028626B1 (ja)
CN (1) CN1602201A (ja)
CA (1) CA2461429A1 (ja)
HU (1) HUP0500977A3 (ja)
IL (2) IL161020A0 (ja)
MX (1) MXPA04003344A (ja)
PL (1) PL374934A1 (ja)
WO (1) WO2003031589A2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011525178A (ja) * 2008-06-11 2011-09-15 エータイアー ファーマ, インコーポレイテッド チロシル−tRNAシンテターゼポリペプチドの血小板新生活性
WO2015199039A1 (ja) * 2014-06-23 2015-12-30 東亞合成株式会社 細胞の多核化を誘導するペプチドおよびその利用
US9714419B2 (en) 2011-08-09 2017-07-25 Atyr Pharma, Inc. PEGylated tyrosyl-tRNA synthetase polypeptides
JP2019501664A (ja) * 2015-10-23 2019-01-24 ウニフェルシタイト・トゥヴェンテ インテグリン結合ペプチド及びその使用

Families Citing this family (45)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU773891C (en) * 1998-10-23 2005-02-17 Kirin-Amgen Inc. Dimeric thrombopoietin peptide mimetics binding to MP1 receptor and having thrombopoietic activity
AR046594A1 (es) * 2003-10-16 2005-12-14 Applied Research Systems Usos terapeuticos de variantes de quemoquina
EP1773400A2 (en) 2004-07-08 2007-04-18 Amgen Inc. Therapeutic peptides
WO2007047687A2 (en) * 2005-10-14 2007-04-26 Zymequest, Inc. Compositions and methods for prolonging survival of platelets
CA2621250A1 (en) * 2004-09-07 2006-03-16 Zymequest, Inc. Apparatus for prolonging survival of platelets
CA2580796C (en) * 2004-09-24 2013-03-26 Amgen Inc. Modified fc molecules having peptides inserted in internal loop regions
EP1861417B1 (en) 2005-03-10 2013-05-15 BioNTech AG Dimeric or multimeric microproteins
DE602006011099D1 (de) * 2005-05-03 2010-01-28 Novetide Ltd Verfahren zur herstellung von peptidderivaten
US8008453B2 (en) 2005-08-12 2011-08-30 Amgen Inc. Modified Fc molecules
US9012605B2 (en) * 2006-01-23 2015-04-21 Amgen Inc. Crystalline polypeptides
AU2007208226A1 (en) * 2006-01-25 2007-08-02 Amgen Inc. Thrombopoietic compounds
US9283260B2 (en) 2006-04-21 2016-03-15 Amgen Inc. Lyophilized therapeutic peptibody formulations
US7981425B2 (en) * 2006-06-19 2011-07-19 Amgen Inc. Thrombopoietic compounds
GB0614780D0 (en) * 2006-07-25 2006-09-06 Ucb Sa Biological products
US20090252703A1 (en) * 2006-10-19 2009-10-08 Gegg Jr Colin V Use of alcohol co-solvents to improve pegylation reaction yields
CA2687141C (en) 2007-05-22 2014-04-01 Amgen Inc. Compositions and methods for producing bioactive fusion proteins
US7981446B2 (en) * 2007-11-26 2011-07-19 Forhumantech. Co., Ltd. Pharmaceutical compositions and methods for delivering nucleic acids into cells
EP3385279B1 (en) 2009-03-20 2020-02-26 Amgen Inc. Carrier immunoglobulins and uses thereof
MX2011010159A (es) 2009-04-02 2011-10-17 Roche Glycart Ag Anticuerpos multiespecificos que comprenden anticuerpos de longitud completa y fragmentos fab de cadena sencilla.
WO2011034605A2 (en) 2009-09-16 2011-03-24 Genentech, Inc. Coiled coil and/or tether containing protein complexes and uses thereof
WO2011047188A1 (en) * 2009-10-16 2011-04-21 Amgen Inc. Thrombopoietic compounds
US8828395B2 (en) 2009-12-11 2014-09-09 Atyr Pharma, Inc. Antibodies that bind tyrosyl-tRNA synthetases
AR080793A1 (es) 2010-03-26 2012-05-09 Roche Glycart Ag Anticuerpos biespecificos
WO2011133886A2 (en) 2010-04-23 2011-10-27 Genentech, Inc. Production of heteromultimeric proteins
CA2808185A1 (en) 2010-08-13 2012-02-16 Genentech, Inc. Antibodies to il-1.beta. and il-18, for treatment of disease
CN103068846B9 (zh) 2010-08-24 2016-09-28 弗·哈夫曼-拉罗切有限公司 包含二硫键稳定性Fv片段的双特异性抗体
WO2012027611A2 (en) 2010-08-25 2012-03-01 Atyr Pharma, Inc. INNOVATIVE DISCOVERY OF THERAPEUTIC, DIAGNOSTIC, AND ANTIBODY COMPOSITIONS RELATED TO PROTEIN FRAGMENTS OF TYROSYL-tRNA SYNTHETASES
JP6159660B2 (ja) 2010-09-22 2017-07-05 アムジエン・インコーポレーテツド 担体としての免疫グロブリンおよびその使用
WO2012085111A1 (en) 2010-12-23 2012-06-28 F. Hoffmann-La Roche Ag Polypeptide-polynucleotide-complex and its use in targeted effector moiety delivery
US10689447B2 (en) 2011-02-04 2020-06-23 Genentech, Inc. Fc variants and methods for their production
BR112013019499B1 (pt) 2011-02-04 2023-01-10 Genentech, Inc. Proteína heteromultimérica variante ou anticorpo igg modificado, método para produzir uma proteína heteromultimérica variante ou anticorpo igg modificado, composição, método para preparar uma proteína heteromultimérica e proteína heteromultimérica variante
CA2832581C (en) 2011-04-08 2022-08-23 Yumei Xiong Method of treating or ameliorating metabolic disorders using growth differentiation factor 15 (gdf-15)
KR102106002B1 (ko) 2011-10-11 2020-05-07 제넨테크, 인크. 이중특이적 항체의 개선된 어셈블리
BR112014018575A2 (pt) 2012-01-26 2017-07-04 Amgen Inc polipetídeos de fator de diferenciação de crescimento 15 (gdf-15)
RU2644341C2 (ru) 2012-02-10 2018-02-08 Дженентек, Инк. Одноцепочечные антитела и другие гетеромультимеры
CA2871882A1 (en) 2012-06-27 2014-01-03 F. Hoffmann-La Roche Ag Method for making antibody fc-region conjugates comprising at least one binding entity that specifically binds to a target and uses thereof
EP2867253B1 (en) 2012-06-27 2016-09-14 F. Hoffmann-La Roche AG Method for selection and production of tailor-made highly selective and multi-specific targeting entities containing at least two different binding entities and uses thereof
CN104045715B (zh) * 2013-03-15 2018-05-01 兰州大学 二聚体化融合蛋白的制备及应用
AU2014296107B2 (en) 2013-07-31 2018-07-26 Amgen Inc. Growth differentiation factor 15 (GDF-15) constructs
ES2955736T3 (es) 2014-05-06 2023-12-05 Hoffmann La Roche Producción de proteínas heteromultiméricas usando células de mamífero
CN107001482B (zh) 2014-12-03 2021-06-15 豪夫迈·罗氏有限公司 多特异性抗体
CN108264547B (zh) * 2016-12-30 2021-09-21 四川科伦博泰生物医药股份有限公司 一种纯化蛋白的方法以及试剂盒
PE20201350A1 (es) 2018-04-09 2020-11-30 Amgen Inc Proteinas de fusion del factor de diferenciacion de crecimiento 15
CN113402614A (zh) * 2021-04-22 2021-09-17 山东泉港药业有限公司 血小板生成素拟肽融合蛋白(fc-tmp)编码基因与应用
WO2023173084A1 (en) 2022-03-11 2023-09-14 University Of Rochester Cyclopeptibodies and uses thereof

Family Cites Families (39)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3691016A (en) 1970-04-17 1972-09-12 Monsanto Co Process for the preparation of insoluble enzymes
CA1023287A (en) 1972-12-08 1977-12-27 Boehringer Mannheim G.M.B.H. Process for the preparation of carrier-bound proteins
JPS5721819B2 (ja) * 1973-05-21 1982-05-10
US3941763A (en) 1975-03-28 1976-03-02 American Home Products Corporation PGlu-D-Met-Trp-Ser-Tyr-D-Ala-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2 and intermediates
US4195128A (en) 1976-05-03 1980-03-25 Bayer Aktiengesellschaft Polymeric carrier bound ligands
US4330440A (en) 1977-02-08 1982-05-18 Development Finance Corporation Of New Zealand Activated matrix and method of activation
CA1093991A (en) 1977-02-17 1981-01-20 Hideo Hirohara Enzyme immobilization with pullulan gel
US4229537A (en) 1978-02-09 1980-10-21 New York University Preparation of trichloro-s-triazine activated supports for coupling ligands
US4289872A (en) 1979-04-06 1981-09-15 Allied Corporation Macromolecular highly branched homogeneous compound based on lysine units
AU610083B2 (en) 1986-08-18 1991-05-16 Clinical Technologies Associates, Inc. Delivery systems for pharmacological agents
US5229490A (en) 1987-05-06 1993-07-20 The Rockefeller University Multiple antigen peptide system
US5223409A (en) 1988-09-02 1993-06-29 Protein Engineering Corp. Directed evolution of novel binding proteins
US5225538A (en) 1989-02-23 1993-07-06 Genentech, Inc. Lymphocyte homing receptor/immunoglobulin fusion proteins
US5013556A (en) 1989-10-20 1991-05-07 Liposome Technology, Inc. Liposomes with enhanced circulation time
US5723286A (en) 1990-06-20 1998-03-03 Affymax Technologies N.V. Peptide library and screening systems
CA2082951C (en) 1991-03-15 1999-12-21 Robert M. Platz Pulmonary administration of granulocyte colony stimulating factor
US5733731A (en) 1991-10-16 1998-03-31 Affymax Technologies N.V. Peptide library and screening method
US5270170A (en) 1991-10-16 1993-12-14 Affymax Technologies N.V. Peptide library and screening method
WO1993021259A1 (en) 1992-04-14 1993-10-28 Cornell Research Foundation Inc. Dendritic based macromolecules and method of production
EP0615451B1 (en) 1992-05-26 2005-12-07 Immunex Corporation Novel cytokine that binds cd30
US5792451A (en) 1994-03-02 1998-08-11 Emisphere Technologies, Inc. Oral drug delivery compositions and methods
US5922545A (en) 1993-10-29 1999-07-13 Affymax Technologies N.V. In vitro peptide and antibody display libraries
SG47030A1 (en) 1994-01-03 1998-03-20 Genentech Inc Thrombopoietin
WO1995021919A2 (en) 1994-02-14 1995-08-17 Kirin Brewery Company, Limited Protein having tpo activity
SK100896A3 (en) 1994-02-14 1997-10-08 Zymogenetics Inc Hematopoietic protein and materials and methods for making it
HU218893B (hu) 1994-03-31 2000-12-28 Amgen Inc. A megakariocita szaporodás és differenciálódás stimulálására szolgáló módszerek és vízoldható készítmények
US6096871A (en) 1995-04-14 2000-08-01 Genentech, Inc. Polypeptides altered to contain an epitope from the Fc region of an IgG molecule for increased half-life
US5739277A (en) 1995-04-14 1998-04-14 Genentech Inc. Altered polypeptides with increased half-life
US5869451A (en) 1995-06-07 1999-02-09 Glaxo Group Limited Peptides and compounds that bind to a receptor
AU6046696A (en) 1995-06-07 1996-12-30 Glaxo Group Limited Peptides and compounds that bind to a receptor
BR9608587A (pt) 1995-06-07 1999-01-05 Glaxo Group Ltd Composto que se liga ao receptor de trombopoietina composição farmacêutica e processo para o tratamento de um paciente sofrendo de um distúrbio
US5767078A (en) 1995-06-07 1998-06-16 Johnson; Dana L. Agonist peptide dimers
CA2249195A1 (en) 1996-03-18 1997-09-25 Board Of Regents, The University Of Texas System Immunoglobin-like domains with increased half lives
US5932546A (en) 1996-10-04 1999-08-03 Glaxo Wellcome Inc. Peptides and compounds that bind to the thrombopoietin receptor
AU4474497A (en) 1996-10-08 1998-05-05 U-Bisys B.V. Methods and means for selecting peptides and proteins having specific affinity for a target
AU773891C (en) 1998-10-23 2005-02-17 Kirin-Amgen Inc. Dimeric thrombopoietin peptide mimetics binding to MP1 receptor and having thrombopoietic activity
US6660843B1 (en) 1998-10-23 2003-12-09 Amgen Inc. Modified peptides as therapeutic agents
EP1642910B1 (en) * 2000-12-05 2012-02-08 Alexion Pharmaceuticals, Inc. Rationally designed antibodies
WO2002078612A2 (en) * 2001-04-02 2002-10-10 Euro-Celtique S.A. Thrombopoietin (tpo) synthebody for stimulation of platelet production

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011525178A (ja) * 2008-06-11 2011-09-15 エータイアー ファーマ, インコーポレイテッド チロシル−tRNAシンテターゼポリペプチドの血小板新生活性
US9499810B2 (en) 2008-06-11 2016-11-22 Atyr Pharma, Inc. Thrombopoietic activity of tyrosyl-tRNA synthetase polypeptides
US9714419B2 (en) 2011-08-09 2017-07-25 Atyr Pharma, Inc. PEGylated tyrosyl-tRNA synthetase polypeptides
WO2015199039A1 (ja) * 2014-06-23 2015-12-30 東亞合成株式会社 細胞の多核化を誘導するペプチドおよびその利用
JPWO2015199039A1 (ja) * 2014-06-23 2017-05-25 東亞合成株式会社 細胞の多核化を誘導するペプチドおよびその利用
US10112977B2 (en) 2014-06-23 2018-10-30 Toagosei Co., Ltd. Peptide for inducing multinucleation in cells, and use therefor
JP2019501664A (ja) * 2015-10-23 2019-01-24 ウニフェルシタイト・トゥヴェンテ インテグリン結合ペプチド及びその使用
JP7174627B2 (ja) 2015-10-23 2022-11-17 ウニフェルシタイト・トゥヴェンテ インテグリン結合ペプチド及びその使用

Also Published As

Publication number Publication date
US20090011497A1 (en) 2009-01-08
IL161020A (en) 2010-12-30
HUP0500977A3 (en) 2012-05-29
EP1439852A1 (en) 2004-07-28
IL161020A0 (en) 2004-08-31
WO2003031589A2 (en) 2003-04-17
KR101028626B1 (ko) 2011-04-11
CN1602201A (zh) 2005-03-30
WO2003031589A8 (en) 2003-11-13
PL374934A1 (en) 2005-11-14
KR20040066099A (ko) 2004-07-23
CA2461429A1 (en) 2003-04-17
MXPA04003344A (es) 2004-07-08
US20030176352A1 (en) 2003-09-18
US7332474B2 (en) 2008-02-19
HUP0500977A2 (en) 2006-11-28
EP1439852B1 (en) 2013-05-29
US20110229472A1 (en) 2011-09-22
EP1439852A4 (en) 2007-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7332474B2 (en) Peptides and related compounds having thrombopoietic activity
US9534032B2 (en) Thrombopoietic compounds
US20110071077A1 (en) Thrombopoietic Compounds
TWI327149B (en) Peptides and related compounds having thrombopoietic activity
AU2002340176A1 (en) Peptides and related compounds having thrombopoietic activity
AU2007201923A1 (en) Peptides and related compounds having thrombopoietic activity

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051007

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080729

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20081022

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20081029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100430

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100621

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20100813

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20120409