JP2005521883A - めっき浴ボルタンメトリ分析のための参照電極較正 - Google Patents

めっき浴ボルタンメトリ分析のための参照電極較正 Download PDF

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Abstract

本発明では、めっき浴支持電解質中、めっき浴のボルタンメトリ分析に使用される試験参照電極を、回転白金円板電極で、金属めっきとストリッピングとの間のゼロ電流点に対して較正する。この較正は、サイクリックボルタンメトリストリッピング(CVS)又はサイクリックパルスボルタンメトリストリッピング(CPVS)めっき浴分析の通常の過程で容易に実施される(さらなる計器又は分析装置から試験参照電極を取り出す必要性)。本発明によって可能になる参照電極の自動較正は、労力、時間及び費用を節約し、めっき浴分析における誤差を最小限にする。

Description

本発明は、付着層の性質の制御を提供する手段としての、めっき浴の有機添加物及び他の成分の分析に関する。
背景技術
電気めっき浴は通常、所望の付着層の性質及び形態を達成するためには濃度を低ppm範囲できめ細かく制御しなければならない有機添加物を含有する。このような添加物の主な機能の一つは、基材表面のピーク部での電着速度を抑えることによって付着層を平滑化又は光沢化することである。付着層の平滑化/光沢化は、低濃度で存在する添加物が、電着工程で消費されるとき、拡散/浴攪拌によってあまり効果的に補給されない凹部における、より速やかな金属付着の結果として得られる。めっき浴中の平滑化及び光沢化添加物を検出するのに利用可能なもっとも高感度の方法は、電極表面付近の添加物濃度が明確である制御された流体力学的条件下での金属電着速度の電気化学的計測を含む。
サイクリックボルタンメトリストリッピング(CVS)分析[D. Tench and C. Ogden, J. Electrochem. Soc. 125, 194 (1978)]が、もっとも広く使用されている浴添加物制御法であり、めっき浴中で、固定電位限界の間で不活性電極(たとえばPt)の電位を周期的に変化させて、金属が交互に電極表面にめっきされ、電極からストリッピングされるようにすることを含む。このような電圧周期的変化は、再現精度の高い結果が得られるよう、電極表面に関して定常状態を確立するように設計されている。サイクリップステップボルタンメトリストリッピング(CSVS)とも呼ばれるサイクリックパルスボルタンメトリストリッピング(CPVS)は、計測精度を改善するために、分析中に電圧の離散的変化を使用して電極をコンディショニングするCVS法の変形である[D. Tench and J. White, J. Electrochem. Soc. 132, 831 (1985)]。通常、制御された流体力学的条件を提供するために、CVS及びCPVS分析のいずれにも回転円板電極構造が使用される。
電極表面上の有機膜又は他の汚染物質の蓄積は、有機添加物を含まないめっき溶液中で電極を定期的に電圧周期変化させ、必要ならば、細かな砥粒を使用して電極を研磨することによって避けることができる。金属付着速度は、金属電着の間に通される電流又は電荷から測定することができるが、通常、電極からの金属の陽極ストリッピングに対応する電荷を計測することが有利である。CVS法は当初、ピロリン酸銅浴を制御するために適用されたが(Tench及びOdgenへの米国特許第4,132,605号)、それ以来、エレクトロニクス産業によって広く使用されている酸性硫酸銅浴をはじめとする多様な他のめっき系の制御に応用されている[たとえば、R. Haak, C. Ogden and D. Tench, Plating Surf. Fin. 68 (4), 52 (1981)及びPlating Surf. Fin. 69 (3), 62 (1982)]。
酸性硫酸銅電気めっき浴は、満足な性質及び良好な平滑化特性を付着層に提供するためには、最低2種の有機添加物を必要とする。サプレッサ添加物は通常、銅陰極表面に強力に吸着して、銅付着のための過電圧を急激に増大させる膜を形成するポリマー有機種、たとえば高分子量ポリエチレン又はプロピレングリコールである。これは、粉末状又は塊状の付着層を生じさせるであろう制御不良の銅めっきを防ぐ。サプレッサの抑制効果に対抗し、平滑化に必要な質量輸送制限速度差を提供するために、抗サプレッサ添加物が必要である。めっき浴販売業者は通常、2種以上の添加物ならびに他の有機及び無機添加剤を含有することもある添加剤溶液を提供する。サプレッサ添加物は、2種以上の化学種によって構成されることができ、一般に、一定範囲の分子量を含む。
酸性硫酸銅浴中のサプレッサ及び抗サプレッサ添加物濃度は、CVS分析法により、これらの添加物が銅電着速度に及ぼす影響に基づいて測定することができる。サプレッサ分析の場合、まず、分析されるめっき浴とほぼ同じ組成を有するが、有機添加剤を含まない支持電解液中で、CVS速度パラメータ、通常は所与の電極回転速度における銅ストリッピングピーク面積(Ar)を計測する。支持電解液(又は既知の濃度の他の添加物を有するバックグラウンド電解液)への既知の容量比のめっき浴の添加が、サプレッサ添加物の濃度を反映するCVS速度パラメータの低下を生じさせる。この「標準添加」サプレッサ分析は、関連するめっき浴希釈レベルでは銅付着速度に比較的弱い影響しか及ぼさない抗サプレッサの存在によって有意な影響を受けることはない。抗サプレッサ分析の場合、複数の成分又は種によって構成されることができる充分量のサプレッサ添加物を支持電解質に加えて、銅付着速度の実質的に最大の抑制(最小のCVS速度パラメータ)を示すバックグラウンド電解質を製造する。この最大限に抑制されたバックグラウンド電解質に既知の容量比のめっき浴を添加すると、抗サプレッサ添加物の濃度に相関させることができるCVS速度パラメータの増大が生じる。酸性硫酸銅浴のCVS分析の場合の正確な手順は異なることがある。
サプレッサ添加物(浴供給業者によっては「ポリマー」、「キャリヤー」又は「ウェッタ」とも呼ばれる)の分析は通常、サプレッサ添加物の標準添加ごとに、支持又はバックグラウンド電解質(有機添加物を含まないか、既知の濃度の干渉性添加物を含む)中の、Ar(0)と呼ばれるCVS速度パラメータArを計測することによる較正曲線の生成を含む。較正曲線に関して、Arは、サプレッサ濃度に対して直接プロットすることもできるし、電極表面、バックグラウンド浴組成及び温度の変化に伴う計測誤差を最小にするため、Ar/Ar(0)として正規化することもできる。サプレッサ分析そのものの場合、Arを、まず支持電解質中で計測し、次に、分析されるめっき浴試料の既知の容量比の標準添加ごとに計測する。サプレッサ濃度は、計測溶液(支持電解質+既知の容量のめっき浴試料)のAr又はAr/Ar(0)値から、適切な較正曲線に対して内挿すること(「応答曲線分析」)によって測定することができる。あるいはまた、サプレッサ濃度は、Ar又はAr/Ar(0)を、特定の数値又は最小値(実質的に最大の抑制)であることができる所与の値まで減らすために必要な(支持電解質に加えられる)めっき浴試料の容量比から「希釈滴定」法によって測定することもできる[W. O. Freitag, C. 0gden, D. Tench and J. White, Plating Surf. Fin. 70 (10), 55 (1983)]。サプレッサ分析に対する抗サプレッサの影響は一般的に小さいが、計測される、又は分析されるめっき浴中に存在すると推測される量の抗サプレッサをバックグラウンド電解質に含めることにより、計算に入れることもできることに留意すること。
抗サプレッサ添加物(浴供給業者によっては「光沢剤」、「促進剤」又は単に「添加物」とも呼ばれる)の濃度は通常、R. Gluzmanによって記載されている線形近似技術(LAT)又は変形線形近似技術(MLAT)によって測定される[Proc. 70th Am. Electroplaters Soc. Tech. Conf., Sur/Fin, Indianapolis, IN (June 1983)]。まず、抗サプレッサを含有しないが、銅付着速度の抑制を実質的に飽和させるのに十分な量のサプレッサ種が加えられているバックグラウンド電解質中でCVSパラメータArを計測する。次に、既知の容量比の分析されるめっき浴試料をこの最大限に抑制されたバックグラウンド電解質に加え、再びArを計測する。そして、既知の量の抗サプレッサ添加物のみを加えるごとに(通常は2回)この混合溶液中でAr計測を繰り返す。Arが抗サプレッサ濃度とともに線形に変化すると仮定して(同じ量の抗サプレッサの標準添加によって生じるArの変化が等価であるならば、この仮定は立証される)めっき浴試料中の抗サプレッサの濃度を計算する。
酸性硫酸銅浴は、プリント配線板(PWB)上に見られる比較的大きな表面パッド、スルーホール及びバイアをめっきするのに十分に機能し、現在、半導体チップ上の誘電体中の微小なトレンチ及びバイアをめっきするのに応用されようとしている。エレクトロニクス産業は、デバイス切換え速度を高め、電気移動抵抗を増強するため、半導体集積回路(IC)のための基本メタライゼーションとしてアルミニウムから銅に移行しつつある。銅ICチップを作製するための先進技術は、銅電気めっきによって、関連する微小なフィーチャの完全な充填を提供する「ダマシン」法である(たとえば、P. C. Andricacos, Electrochem. Soc. Interface, Spring 1999, p. 32、Chowらへの米国特許第4,789,648号、Ahmadらへの米国特許第5,209,817号を参照)。浴中の有機添加物は、ボトムアップ充填に必要な銅付着速度差を提供するため、きめ細かく制御されなければならない。
ダマシン法の場合のフィーチャサイズが0.2μm未満まで縮小したため、トレンチ及びバイアを過剰にめっきすることを避けるために酸性銅浴中に第三の有機添加物を使用することが必要になった。ダマシンめっきされたウェーハ上の過剰な銅は通常、ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)によって除去されるが、CMP加工が効果的であるためには銅層が均一でなければならないことに留意すること。第三の添加物は「平滑化剤」(又は、浴供給業者によっては「ブースタ」)と呼ばれ、通常は、同じく銅めっき速度を低下させる傾向のある窒素又は酸素を含有する有機化合物である。良好なボトムアップ充填を達成し、超微小チップフィーチャの過剰めっきを避けるため、3種の添加物すべての濃度が正確に分析され、制御されなければならない。
酸性銅めっき浴中のサプレッサ及び抗サプレッサの濃度は、平滑化添加物の存在で、標準CVS法により、良好な精度で分析することができる。一般に使用される添加物濃度では、サプレッサが銅付着速度を下げる効果は通常、平滑化剤の効果よりもはるかに強く、そのための、サプレッサの濃度は、通常のCVS応答曲線又は希釈滴定分析によって測定することができる。平滑化剤のからの干渉は、浴組成及び以前の分析から推測される、分析されるめっき浴中とほぼ同じ平滑化剤濃度を含有するバックグラウンド電解質をサプレッサ分析に使用することによって最小限にすることができる。同様に、抗サプレッサ濃度は、LAT又はMLAT分析手法によって測定することができ、近似浴濃度の平滑化剤を最大限に抑制されたバックグラウンド電解質に加えて平滑化剤干渉を最小限にすることができる。たとえば比較的高い平滑化剤活性を計算に入れる、又はサプレッサ分析に対する抗サプレッサ干渉を減らすためのいくらかの変形により、これらのCVS手法は、現在入手しうる酸性銅電気めっき浴で使用されるサプレッサ及び抗サプレッサ添加物の信頼しうる測度を提供する。加えて、サプレッサ及び抗サプレッサからの干渉の存在で平滑化剤濃度を計測する方法が、本出願と同じ譲受人に譲渡される、2001年10月1日出願のChalytらへの米国特許出願第09/968,202号に記載されている。
CVS及び金属電着速度の計測に基づく他のボルタンメトリ浴分析法の場合、電極電位が正確に制御されなければならない。これは通常、参照電極を電子式ポテンシオスタットと併せて使用することによって達成される。しかし、市販の参照電極の電位は、特にめっき浴の化学物質が参照電極溶液中に拡散するとき、時間とともにドリフトする傾向がある。一部の市販の参照電極は、ゲル化電解質を使用して汚染物質の拡散を抑止しているが、そのような電極は、貯蔵条件下、めっき浴と接触した状態で、有意な電位ドリフトを示す。参照電極電圧ドリフトは、計測される金属付着速度パラメータに大きな誤差を加えるおそれがある。たとえば、金属付着電流が最高になる陰極電位限界の小さな変化が、付着される金属の総量に対して、ひいてはCVS及びCPVS添加物分析に一般に使用される金属ストリッピングピーク面積に対して大きな影響を及ぼす。同様に、金属付着に伴う陰極電流は通常、ボルタンメトリ浴分析の対象領域における陰極電位の増大とともに急激に増大し、その結果、計測される電極電位の小さな誤差が計測される電流に対して大きな影響を及ぼす。
参照電極ドリフトを扱うための通常の手法は、試験参照電極を取り替えること、又は標準参照電極に照らした試験参照電極の定期的較正に基づいて計測電位に補正を加えることである。このような較正は、2個の電極を電解質と接触させて配置し、高インピーダンス電圧計を使用して電位差を計測することを含む。理想的には、ジャンクション電位及び標準参照中の溶液の汚染が回避されるよう、2個の参照電極は同タイプであり、較正に使用される電解質は電極中の電解質と同じである。あるいはまた、めっき浴種による汚染は、標準参照電極をめっき浴又は支持電解質と短時間だけ接触させることによって最小限にすることができる。
試験電極の較正のための標準参照電極の使用は一般に、分析装置からの試験電極の定期的な取出し又は分析装置中のめっき溶液への標準参照電極の挿入を伴い、これらは通常、時間と費用を要する手作業である。加えて、試験電極を較正するために使用される標準参照電極の電位が一定のままであることを保証するためには、別の標準参照電極に照らした定期的較正が必要である。また、参照電極の較正又は参照電極の取替えに要する時間中の浴分析の中断が、特に重要な電気めっき工程パラメータの非常にきめ細かな制御を提供するように設計された自動化オンライン分析装置の場合に問題を呈するおそれがある。多くの場合、このような自動化装置中の参照電極へのアクセスはあまり良好ではなく、較正をより困難かつ時間浪費的にしている。これらの問題を扱うために現在利用可能である唯一の手法は、参照電極中の溶液を自動的に交換する複雑な装置を使用することである。
めっき浴分析に使用される参照電極を較正する方法であって、めっき装置から電極を取り出す必要がなく、複雑な装置なしで自動的かつ速やかに実施することができる方法が大いに要望されている。このような方法は、労力、時間及び費用を節約することに加え、頻繁な参照電極較正を実施可能にして、その結果、計測誤差を最小限にすることができるであろう。
発明の開示
発明の概要
本発明は、めっき浴のボルタンメトリ分析に使用される参照電極を較正する方法である。この方法では、不活性作用電極及び参照電極をめっき浴の支持電解質(又はめっき浴そのものもしくはバックグラウンド電解質)と接触させ、作用電極の電位を参照電極の電位に対して時間の関数として変化させて、金属が作用電極表面にめっきされたのち、作用電極表面から陽極ストリッピングされるようにする。作用電極の電位に対する電流応答をモニタし、電流応答における選択された段階に対応する電位を使用して参照電極電位を較正する。較正は、めっき浴添加物からの干渉を避けるため、めっき浴又はバックグラウンド電解質ではなく支持電解質を使用して実施することが好ましい。
電流応答における種々の段階が電流対作用電極電位のグラフで明白である。このようなボルタモグラムの主要な特徴は、金属めっきに対応する陰極電流及び作用電極表面からの金属の実質的に完全なストリッピングに対応する陽極ピークである。較正に使用される電流応答の段階は、対応する作用電極電位が支持電解質組成及び温度の正常な変化から実質的に独立するように選択される。参照電極較正のための電流応答の好ましい段階は、金属めっきから金属ストリッピングまでのゼロ電流交差であるが、他の電流段階を使用してもよい。
好ましい実施態様では、作用電極は、周知の回転円板形状の不活性金属(たとえば白金)であり、より再現精度の高い結果を提供するため、(通常は定速で)回転させて溶液質量輸送を制御する。また、通常、対電極及び電子式ポテンシオスタットを使用して作用電極の電位を参照電極に対して制御することが有利である。この手法は、有意量の電流が参照電極に通過し、それが参照電極を分極させ、その電位を変化させることを回避させる。場合によっては、特に関連する電流が比較的小さい場合、参照電極が対電極としても働いてて、別個の対電極が要らないようにしてもよい。一つの実施態様では、参照電極に対する作用電極の電位を、CVS浴分析法の場合と同様に、固定された負及び正の電位限界の間で定速で周期的に変化させるが、他の電圧波形を使用してもよい。たとえば、CPVS浴分析法の場合と同様に、作用電極電位を、一部の電位領域ではスキャンし、他の電位領域では段階的に変化させる。通常、固定限界の間で複数の電位サイクルを使用して、一般により再現精度の高い結果を出す定常状態の電極表面を提供することが有利である。定常状態は、連続するサイクルで実質的に等価のボルタモグラムによって示される。
本発明の参照電極較正は、CVS又はCPVSめっき浴分析の通常の過程で容易に実施される。たとえば、試験参照電極は、CVS又はCPVS分析のための支持電解質中でストリッピングピーク区域Ar(0)を決定するために生成されたものと同じボルタンメトリデータを使用して、めっきとストリッピングとの間のゼロ電流点に対して較正することができる。めっき浴分析は通常、コンピュータ制御の下で実施されるため、本発明の較正を自動的に実施するためにさらなる装置は要らない。本発明によって可能になる、めっき装置から取り出すことのない、このような参照電極の自動較正は、労力、時間及び費用を節約し、めっき浴分析における誤差を最小限にする。
以下の詳細な説明を添付図面と合わせて読むことにより、本発明のさらなる特徴及び利点が当業者に明らかになるであろう。
発明の詳細な説明
本明細書に使用される技術用語は一般に当業者には公知である。「電極電位」又は単に「電位」とは、一つの電極−溶液界面をはさんで発生する電圧をいい、「セル電圧」とは、2個の電極の間に印加される総電圧である。本出願で使用される「電気めっき」と「電着」とは等価であり、「めっき」は、電気めっき及び無電解めっきの両方を包含する。めっき浴は、濃度が範囲内で制御される有機添加物を含有し、対応する「支持電解質」は、実質的に同じ無機組成を有するが、有機添加物を含有せず、「バックグラウンド電解質」は、既知の量の有機添加物が加えられている支持電解質である。「めっき溶液」は、「めっき浴」、「バックグラウンド電解質」及び「支持電解質」を包含する。「サイクリックボルタモグラム」とは、一般には作用電極電位を固定された負及び正の限界の間で時間とともに周期的に変化させることによって得られる、作用電極電位(x軸)に対する電流又は電流密度(y軸)のグラフである。ボルタンメトリデータは、定速で電圧をスキャンすることにより、又は電圧を段階的に変化させることにより、又は電位スキャンと段階的変化との組み合わせにより、生成することができる。「ポテンシオスタット」とは、作用電極を参照電極に対して所望の電位まで駆動するため、作用電極と対電極との間に電流を通すことによって作用電極の電位を制御するための電子装置である。ポテンシオスタットの使用は、参照電極の電位を変化させるかもしれない有意量の電流が参照電極に通過することを回避させる。
本発明にしたがって、めっき浴又はその支持電解質もしくはバックグラウンド電解質中で、時間依存電位が不活性作用電極に印加されるときの電流を参照電極に対してモニタすることにより、電気めっき浴のボルタンメトリ分析に使用される試験参照電極を較正する。印加される時間依存電位は、金属が作用電極にめっきされたのち、作用電極表面から陽極ストリッピングされるような電圧範囲を包含する。参照電極の電位は、作用電極の電位がめっき溶液組成及び温度の変化に対して実質的に感度を示さない電流応答における所定の段階で、作用電極の電位に対して較正される。めっき溶液の組成は通常、溶液調製の誤差ならびに構成溶液及び薬品のバッチ間偏差のせいで異なる。有機添加物は、印加電位に対する電流応答に強く影響する傾向にあるため、試験参照電極較正は、有機添加物を含有しない支持電解質中で実施されることが好ましい。
実際には、まず、電流応答における所定の段階に対応する作用電極電位を、通常は未使用の参照電極である、既知の電位の標準参照電極の電位に対して計測する。試験参照電極の場合と実質的に同じ条件の下でのちに計測される作用電極電位の差が、試験参照電極の電位を標準参照電極の電位と比較した場合のオフセット又は誤差を示す。このオフセットを使用して試験電極の電位を自動的に補正することができ、作用電極はボルタンメトリめっき浴分析の間に同じ電圧限界の間で周期的に変化するようになる。電流応答における所定の段階に対応する作用電極の電位は一定であるため、所与の支持電解質に関して標準参照電極で計測を繰り返すことは不要である。同じ参照電極を、まず標準参照電極として使用し、次に試験電極として使用することができ、そのとき、その電位中のドリフトが本発明の方法によって計測される。標準参照電極を用いる計測と試験参照電極を用いる計測とに同じめっき溶液組成を使用することが好ましいが、異なる組成のめっき溶液を使用することもできる。
不活性作用電極は、参照電極較正に使用される条件下で、めっき溶液中で安定である適切な導電材料によって構成することができるが、貴金属、たとえば白金、イリジウム、金、オスミウム、パラジウム、レニウム、ロジウム、ルテニウム及びそれらの合金によって構成されることが好ましい。他の耐酸化性金属及び合金、たとえばステンレス鋼を作用電極材料として使用してもよい。所与の電極材料の適性は、分析されるめっき浴及び計測条件に依存することができる。
作用電極には種々の形状を使用することができるが、回転円板形状が好ましい。この場合、電極材料の円板が、通常はプラスチック材料(たとえばハロカーボンポリマー)によって構成されている絶縁シリンダの端部と面(つら)一に埋め込まれる。円板電極をめっき溶液中で回転させて、制御された流体力学条件を電極表面に提供し、それが一般に計測結果の再現精度を改善する。円板及び絶縁シリンダの直径は広く異なることができるが、一般には、円板の場合で3〜5mmであり、絶縁シリンダの場合で10〜20mmである。普通、回転円板電極は、定速(100〜5000rpm)で回転させるが、電極回転を時間とともに変調させてもよい。回転円板電極は、金属円板をプラスチックの穴にプレス嵌めすることによって作製することができるが、溶液の浸入を防ぐシールを金属とプラスチックとの間に形成する熱圧によって作製することが好ましい。熱圧によって回転円板電極を取り付けるのに適したプラスチックは、ポリトリフルオロクロロエチレン(Kel-F(登録商標))である。本発明の試験参照電極較正のために静止作用電極を使用するのならば、たとえば溶液を攪拌又はポンピングすることにより、電極表面の流体力学的条件を制御することが好ましい。
時間依存電位は、場合によっては、作用電極と参照電極との間に直接印加してもよいが、参照電極の分極を避けるため、(通常は電子式ポテンシオスタットとともに使用される)対電極によって印加することが好ましい。対電極は、不活性材料によって構成されてもよいし、活性材料によって構成されてもよい。実際には、金属、合金及び導電酸化物(たとえば酸化チタン・ルテニウム混合物)をはじめとして、めっき溶液中で酸化に抵抗するいかなる導電体を不活性対電極として使用してもよい。好ましい対電極材料は、耐酸化性が高く、比較的廉価である316ステンレス鋼であるが、他のタイプのステンレス鋼又は他の耐酸化性合金(たとえばインコネル)を使用してもよい。他の適切な不活性対電極材料は、貴金属、たとえば白金、イリジウム、金、オスミウム、パラジウム、レニウム、ロジウム、ルテニウム及びそれらの合金を含む。好ましい活性対電極材料は、参照電極が較正されるところのめっき溶液から電気めっきされる金属である。めっき溶液の分解を避けるため、減極剤(たとえば硫黄又はリン)を対電極活性金属に含めて金属の溶解を促進してもよい。
作用電極に印加される電位に関して種々の波形を使用することができる。好ましい実施態様では、作用電極電位は、CVSめっき浴分析法の場合と同様に、一定のスキャン速度(一般には10〜50mV/s)で、固定された正及び負の限界の間で周期的に変化させる。電位はまた、CPVSめっき浴分析法の場合と同様に、時間の関数として段階的に変化させてもよいし、一部の電圧領域ではスキャンし、他の電圧領域では段階的に変化させてもよい。多様な適切な電位波形が当業者には自明である。一つの電位サイクルを使用してもよいし、複数のサイクルを使用してもよい。電流応答における所定の段階のための電位がその差によって実質的に影響を受けないならば、標準参照電極での計測と、試験参照電極での計測とで異なる時間依存電位を作用電極に印加してもよい。たとえば、めっきとストリッピングとの間のゼロ電流交差に実質的に影響することなく、異なる電位スキャン限界を使用してもよい。
普通、作用電極の電位を固定された負及び正の電位限界の間で繰返し周期的に変化させて、連続するサイクルで実質的に等価のボルタモグラム又はボルタンメトリの特徴によって示される定常状態の電極表面を提供することが有利である。これは、電極表面状態の変化によって生じる電流の偏差を最小限にし、参照電極較正の精度を改善する。定常状態への収束は、ボルタモグラムの主要な特徴、たとえばストリッピングピーク下の積分面積によって定量的にモニタすることができる。この場合、定常状態は、所定の割合(たとえば0.5%)未満しか異ならない連続するストリッピングピーク区域によって示される。
本発明の参照電極較正に好ましい電流応答における段階は、金属めっきから金属ストリッピングまでのゼロ電流交差点である。この交差点に対応する作用電極電位は、容易に計測され、溶液組成及び温度の変化ならびに電位限界及びスキャン速度の変化に対して比較的感度が低い。参照電極較正に適切であるかもしれない電流応答における他の段階は、金属ストリッピング電流のピーク、ピーク金属ストリッピング電流の所定の部分又は所定の陰極めっき電流を含む。参照電極較正に最適な電流応答における段階は、関連するめっき浴のタイプ及びボルタンメトリ分析に使用されるパラメータに依存することができる。
本発明は、めっきされた金属を不活性作用電極から陽極ストリッピングすることができるめっき浴のボルタンメトリ分析に使用される参照電極の較正に適用することもできる。このような浴は、銅、スズ、鉛、銀、カドミウム、亜鉛及びそれらの合金をはじめとする多様な金属を電気めっきするための浴ならびに種々のアニオン及び浴pH値を含む浴、たとえば酸性硫酸銅、酸性スルファミド酸銅、アルカリ性ピロリン酸銅及びアルカリ性シアン化銅を含む。本発明はまた、無電解めっき浴のボルタンメトリ分析に使用される試験参照電極を較正するために使用することもできる。
本発明は、ボルタンメトリめっき浴分析に使用されるいかなるタイプの参照電極を較正するために使用することもできる。典型的な参照電極は、銀−塩化銀(SSCE)、飽和カロメル(SCE)、標準カロメル及び水銀−硫酸水銀を含む。系によっては、イオンとともに溶液中で平衡している金属を参照電極として使用することもできる(たとえばCu/Cu2+)。参照電極は、めっき浴を汚染したり、参照電極電位のドリフトを生じさせたりするかもしれない溶液混合を最小限にするため、溶液ダブルジャンクション又はゲル化電解質を含むことができる。
本発明の参照電極較正は、一般にはめっき浴支持電解質中で回転白金円板電極の電位を固定限界の間で周期的に変化させるステップを含むCVS及びCPVSめっき浴分析の通常の過程で生成されるデータを使用して実施することができる。めっき浴分析の場合、このステップは、電極をコンディショニングし、有機添加物を含有するめっき溶液の場合のストリッピングピーク区域を正規化するために使用されるベースラインストリッピングピーク区域Ar(0)を提供する。本発明の好ましい実施態様では、CVS又はCPVS分析に使用される試験参照電極を、支持電解質のためのCVS又はCPVSボルタンメトリデータにおけるめっきとストリッピングとの間のゼロ電流交差に対応する電位に対して較正する。まず、標準参照電極の場合のゼロ電流交差点電位を計測する。試験参照電極でのその後の計測のゼロ電流交差電位の差を使用して、このオフセットの分だけ参照電極の電位を補正する。めっき浴分析は通常、コンピュータ制御の下で実施されるため、このような参照電極オフセット補正は、コンピュータソフトウェアの比較的簡単な変更によって自動的に実施することができる。
発明を実施する最良の形態
好ましい実施態様で、本発明の参照電極較正は、CVS又はCPVSめっき浴分析の通常の過程でめっき浴支持電解質中の回転白金円板電極に関して生成されたボルタンメトリデータを使用して実施される。この白金作用電極の電位を、参照電極に対し、固定電位限界の間で、ポテンシオスタットと、ステンレス鋼、貴金属又はめっき金属によって構成されていることができる対電極とによって繰返し周期的に変化させる。使用される電位限界は、めっき浴のタイプに依存し、分析される特定の添加物に依存することもある。めっきからストリッピングへのゼロ電流交差に対応する定常状態の作用電極電位を定数とみなす。この電位を、まず、既知の電位の標準参照電極に対して計測し、次いで、標準参照電極と同じ電極であってもよい試験参照電極に対して計測する。試験参照電極の電位を、これら二つの計測電位の差に相当するオフセットに関して補正して、その後のボルタンメトリ計測の誤差が最小限になるようにする。このような補正は、CVS又はCPVSめっき浴分析に使用されるものと同じコンピュータによって自動的に実施されることが好ましい。補正の頻度は参照電極電位のドリフトの率に依存する。酸性硫酸銅電気めっき浴中のダブルジャンクションSSCE参照電極の場合、較正及び補正は一般に8時間ごとに繰り返される。
ボルタンメトリ計測パラメータは、通常は参照電極較正にとって重要ではないため、CVS又はPCVS添加物分析に関して最適化されることが好ましい。主要なCVS計測パラメータ及びその一般的に範囲は、電極回転速度(100〜10,000rpm)、電位スキャン速度(10〜500mV/s)、負電位限界(−0.05〜−0.5V、対SSCE)及び正電位限界(1.4〜1.8V、対SSCE)を含む。さらなるCPVS計測パラメータは、使用されるパルス又はステップのための電位及び保持時間を含む。誤差を最小限にするため、計測は一定の溶液温度で実施されるべきである。酸性硫酸銅溶液の場合、温度は、室温よりも3°〜4°高く維持される。適切な回転円板電極は、熱圧によってKel-F(登録商標)プラスチックシリンダ(直径13mm)の端部と面(つら)一に埋め込まれた平滑な白金円板(直径4mm)によって構成されている。
75g/l CuSO4・5H2O(17.5g/l Cu2+)、175g/l H2SO4及び50ppm塩化物イオン(塩酸として添加)を含有する典型的な酸性硫酸銅支持電解質(25℃)中、2500rpmで回転する白金円板電極(直径4mm)のボルタンメトリ計測によって本発明の効果を実証した。作用電極電圧を、互いに対して0mV、+50mV及び−50mVの電位オフセットを有する3個の異なるSSCE参照電極に対し、−0.225Vと+1.575Vとの間で100mV/sでスキャンした。ポテンシオスタット制御(ステンレス鋼対電極)の下、Qualilab QL-10めっき浴分析装置(ECI Technology社)を使用してボルタンメトリ計測を実施した。
図1及び2は、互いに対して0mV、+50mV及び−50mVのオフセットを有する3個の参照電極で得られた定常状態ボルタモグラムの正スキャンを示す(目盛りが異なる)。陰極電流は銅金属の電気めっきに対応し、陽極電流ピークは、白金電極表面からの付着銅金属のストリッピングに対応する。参照電極オフセットに関して予想されたように、めっきとストリッピングとの間のゼロ電流交差点及び電流ピークが正又は負の電位にシフトしている。ゼロ電流交差電位及び計算上の参照電極オフセットを表1にまとめる。実測オフセットと計算オフセットとの良好が合致が顕著である。
表2及び3は、ゼロ電流交差点電位に対する支持電解質組成及び温度の変化の影響を示す。これら比較的大きな電解質組成の偏差(±25%)及び温度偏差(10℃)の場合でさえ、ゼロ電流交差電位は13mV範囲にしか及ばない。実際には、支持電解質組成及び温度の偏差はずっと小さく、本発明の方法は、ボルタンメトリめっき浴分析に使用される参照電極の較正を約1ミリボルトの精度で提供する。
Figure 2005521883
Figure 2005521883
Figure 2005521883
以上、本発明の好ましい実施態様を例示し、説明した。しかし、疑う余地なく、変形及びさらなる実施態様が当業者にとって自明であろう。さらには、本明細書で例示し、記載した要素に代えて等価の要素を使用することもでき、部品又は接続を逆にしたり、他の方法で交換したりしてもよく、本発明の特定の特徴を他の特徴から独立して利用してもよい。したがって、典型的な実施態様は、包括的ではなく例示的であるとみなされるべきであり、請求の範囲が本発明の完全な範囲をより示すものである。
産業上の応用
めっき浴分析に使用される参照電極を較正する方法であって、めっき装置から電極を取り出す必要がなく、複雑な装置なしで自動的かつ速やかに実施することができる方法が大いに要望されている。このような方法は、労力、時間及び費用を節約することに加え、頻繁な参照電極較正を実施可能にして、その結果、計測誤差を最小限にすることができるであろう。
酸性硫酸銅支持電解質中の直径4mmの白金回転円板電極(2500rpm)に関して、100mV/sでの定常状態サイクリックボルタモグラムの陽極スキャンに対する±50mVの参照電極電位差の影響を示す。 図1のボルタモグラムに関して金属めっきとストリッピングとの間のゼロ電流交差の付近の領域を拡大して示す。

Claims (22)

  1. めっき浴のボルタンメトリ分析に使用される試験参照電極の電位を較正する方法であって、
    金属が作用電極表面にめっきされたのち、前記作用電極表面から陽極ストリッピングされるようなめっき溶液中で、作用電極に印加される時間依存電位に対する電流応答を標準参照電極に対して計測するステップと、
    前記めっき溶液中で、前記作用電極に印加される前記時間依存電位に対する電流応答を試験参照電極に対して計測するステップと、
    前記電流応答における所定の段階で、印加された作用電極電位を、前記標準参照電極及び前記試験参照電極に対して比較して、前記標準参照電極と前記試験参照電極との電位差を測定するステップと
    を含む方法。
  2. 前記標準及び試験参照電極が、銀−塩化銀、飽和カロメル、標準カロメル及び水銀−硫酸水銀からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  3. 前記参照電極の少なくとも1個がダブルジャンクションを含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記参照電極の少なくとも1個がゲル化電解質を含む、請求項1記載の方法。
  5. 前記めっき浴が、銅、スズ、鉛、銀、カドミウム、亜鉛及びそれらの合金からなる群より選択される金属を付着させるために使用されるタイプである、請求項1記載の方法。
  6. 前記めっき溶液が前記めっき浴の支持電解質である、請求項1記載の方法。
  7. 前記作用電極が、白金、イリジウム、金、オスミウム、パラジウム、レニウム、ロジウム、ルテニウム及びそれらの合金からなる群より選択される不活性金属である、請求項1記載の方法。
  8. 前記作用電極が回転円板電極である、請求項1記載の方法。
  9. 前記時間依存電位を対電極によって前記作用電極に印加する、請求項1記載の方法。
  10. 前記対電極がステンレス鋼によって構成されている、請求項9記載の方法。
  11. 前記対電極が、白金、イリジウム、金、オスミウム、パラジウム、レニウム、ロジウム、ルテニウム及びそれらの合金からなる群より選択される貴金属によって構成されている、請求項9記載の方法。
  12. 前記対電極が、前記めっき溶液から前記作用電極にめっきされる金属と同じ金属によって構成されている、請求項9記載の方法。
  13. 前記作用電極に印加される前記電位を時間の関数として定速でスキャンする、請求項1記載の方法。
  14. 前記作用電極に印加される前記電位を時間の関数として段階的に変化させる、請求項1記載の方法。
  15. 前記作用電極に印加される前記時間依存電位が、固定負電位と固定正電位との間の複数のサイクルを含む、請求項1記載の方法。
  16. 前記電流応答における前記所定の段階が、金属めっきから金属ストリッピングまでの交差に対応するゼロ電流点である、請求項1記載の方法。
  17. 前記電流応答における前記所定の段階が前記ストリッピング電流のピークである、請求項1記載の方法。
  18. 前記電流応答における前記所定の段階が、前記ストリッピング電流のピークの所定の部分である、請求項1記載の方法。
  19. 前記電流応答における前記所定の段階が所定の陰極電流値である、請求項1記載の方法。
  20. めっき浴のボルタンメトリ分析に使用される試験参照電極の電位を較正する方法であって、
    金属が作用電極表面にめっきされたのち、前記作用電極表面から陽極ストリッピングされるようなめっき溶液中で、対電極によって作用電極に印加される時間依存電位に対する電流応答を標準参照電極に対して計測するステップと、
    前記めっき溶液中で、対電極によって前記作用電極に印加される前記時間依存電位に対する電流応答を試験参照電極に対して計測するステップと、
    金属めっきから金属ストリッピングまでの交差に対応するゼロ電流点で、印加された前記作用電極電位を、前記標準参照電極及び前記試験参照電極に対して比較して、前記標準参照電極と前記試験参照電極との電位差を測定するステップと
    を含む方法。
  21. めっき浴のボルタンメトリ分析に使用される試験参照電極の電位を較正する方法であって、
    (1)金属が作用電極表面にめっきされたのち、前記作用電極表面から陽極ストリッピングされるようなめっき溶液中で、作用電極に印加される時間依存電位に対する電流応答を標準参照電極に対して計測するステップと、
    (2)後でステップ(1)を繰り返すステップと、
    (3)電流応答における所定の段階で、ステップ(1)で印加された前記作用電極電位と、ステップ(2)で印加された前記作用電極電位とを比較して、試験参照電極の電位の変化を経時的に測定するステップと
    を含む方法。
  22. めっき浴のボルタンメトリ分析に使用される試験参照電極の電位を較正する方法であって、
    金属が作用電極表面にめっきされたのち、前記作用電極表面から陽極ストリッピングされるような第一のめっき溶液中で、作用電極に印加される第一の時間依存電位に対する電流応答を標準参照電極に対して計測するステップと、
    金属が前記作用電極表面にめっきされたのち、前記作用電極表面から陽極ストリッピングされるような第二のめっき溶液中で、前記作用電極に印加される第二の時間依存電位に対する電流応答を試験参照電極に対して計測するステップと、
    前記電流応答における所定の段階で、印加された作用電極電位を、前記標準参照電極及び前記試験参照電極に対して比較して、前記標準参照電極と前記試験参照電極との電位差を測定するステップと
    を含む方法。
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