JP2005519946A - 発作の処置のためのインターフェロンβ様分子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、霊長類、好ましくはヒトにおける、発作または一過性脳虚血発作の処置のためのインターフェロンβ類似ポリペプチドの使用に関する。さらに詳細には、インターフェロンβ様ポリペプチドは、野生型ヒトIFNB(配列番号2)のアミノ酸配列とは、少なくとも1つのグリコシル化部位、好ましくは、少なくとも1つのインビボのN−グリコシル化部位が導入されるという点で異なる。必要に応じて、インターフェロンβ様ポリペプチドは、PEG化される。

Description

(発明の分野)
本発明は、霊長類、好ましくはヒトにおける、発作(stroke)または一過性脳虚血発作(transient ischemic attack)の処置のためのインターフェロンβ類似ポリペプチドの使用に関する。
(発明の背景)
インターフェロンは、抗ウイルス活性、抗増殖活性および免疫調節活性により特徴付けられる重要なサイトカインである。これらの活性は、肝炎、様々な癌および多種の硬化症を含む多くの疾患で観察される臨床的利益に対する基礎を形成する。インターフェロンは、I型クラスおよびII型クラスに分けられる。インターフェロンβ(インターフェロンベータ、IFBNまたは、IFN−βとも表される)はI型インターフェロンのクラスに属し、それはまた、インターフェロンα、τおよびωを含む。一方、インターフェロンγのみが、異なったII型クラスの公知のメンバーである。
野生型ヒトIFBNは、166のアミノ酸残基からなる、22kDaの分子量を有する調節ポリペプチドである。それは、ウイルス感染または他の生物製剤への曝露に応じて、体内のほとんどの細胞(特に線維芽細胞)により、生成され得る。それは、マルチマー性細胞表面レセプターに結合し、増殖性レセプター結合が、抗ウイルス性、抗増殖性および免疫調節性として分類され得る効果をここで生じるIFNB誘導性遺伝子の発現につながる細胞内事象のカスケイドを生じる。
野生型ヒトIFNBのアミノ酸配列はTaniguchi、Gene 第10巻:11〜15、1980および欧州特許第0,083,069号、同第0,041,313号および米国特許第4,686,191号により報告された。
ヒトおよびマウスのIFNBの結晶構造はそれぞれ報告されている(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 第94巻:11813〜11818、1997;J.Mol.Biol. 第253巻:187〜207、1995および、Cell.Mol.Life.Sci 第54巻:1203〜1206、1998に総説された。)。
比較的少ないタンパク質操作されたIFBN改変体が報告されてきた(WO 95/25170号;WO98/48018号;米国特許第5,545,723号;米国特許第4,914,033号;欧州特許0,260,350号;米国特許第4,588,585号;米国特許第4,769,233号;Stewartら、DNA6巻2号(1987)p.119〜p.128およびRunkelら、1998、J.Biol.Chem. 第273巻 第14号p.8003〜8008)。
CHO細胞におけるIFNBの発現が報告されている(米国特許第4,966,843号;米国特許5,376,567号および米国特許5,795,779号)。
Redlichら、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 88巻 pp.4040〜4044、1991は、C17S変異を含む組換えヒトIFNBのペプチドストレッチに対応する合成したペプチドに対する抗体の免疫反応性を記載している。
特定のグリコシル化パターンを含むIFNB分子およびそれらの調製方法が報告されている(欧州特許第0,287,075号および欧州特許第0,529,300号)。
様々な参考文献が、ポリマー結合またはグリコシル化によるポリペプチドの改変を開示する。ネイティブのIFNBのポリマー改変またはそのC17S変異体が報告されてきた(欧州特許第0,229,108号;米国特許第5,382,657号;欧州特許第0,593,868号;米国特許4,917,888号およびWO99/55377号)。
米国特許第4,904,584号は、少なくとも1つのリジン残基が欠損されるか、または任意の他のアミノ酸残基が置換されたPEG化したリジン枯渇ポリペプチドを開示する。WO99/67291号は、タンパク質の少なくとも1つのアミノ酸残基を欠失し、タンパク質への結合を達成するのに十分な条件下で、そのタンパク質をPEGと接触させることによるタンパク質をPEGと結合する過程を開示する。WO99/03887号は、ポリペプチドの特定領域に位置するシステイン残基を非必須アミノ酸残基に置換した、成長ホルモンスーパーファミリーに属する、PEG化した、ポリペプチドの変異体を開示する。IFNBは、成長ホルモンスーパーファミリーに属するポリペプチドの1つの例として言及されている。WO00/23114号はグリコシル化したIFNBおよびPEG化したIFNBを開示している。IFNB融合タンパク質は、WO00/23472号に開示されている。
IFNBの商業的調製物は、商標名Betaseron(登録商標)(インターフェロンβ1bとも呼ばれるが、これはグリコシル化されておらず、組換え細菌細胞を使用して作製され、C17S突然変異を含み、N末端メチオニン残基に欠損を有する)、Avonex(登録商標)およびRebif(登録商標)(インターフェロンβ1aとも呼ばれるが、これは、グリコシル化され、組換え哺乳類細胞を用いて作製される)の下で販売されている。これらの調製物は、多発性硬化症患者の処置のために使用され、悪化速度を減少するのに効果的であることが示され、そして、より多くの患者が、プラシーボ処置した患者と比較して、悪化のない期間が延長していた。さらに、障害の蓄積速度が減少していた(Neurol.51巻:682〜689、1998)。
構造および機能についてのインターフェロンβ1aおよびインターフェロンβ1bの比較が、Pharmaceut.Res.15巻:641〜649、1998に示されている。
IFNBは、多発性硬化症の進行を遅延し、その後、中枢神経系の進行性炎症変性疾患を再発させることを示した最初の治療的発明である。しかしながら、その作用のメカニズムは、大部分明らかにはなっていないままである。IFNBは、白血球の増殖および抗原提示に対して阻害効果を有するようである。さらに、IFNBは、抗炎症表現型に対するサイトカイン生成の性質を調節し得る。最終的に、IFNBは、T細胞マトリックスメタロプロテアーゼの活性を阻害することにより、T細胞移動を減少し得る。これらの活性は、協同して作用し、多発性硬化症におけるIFNBのメカニズムの説明となっているようである(Neurol. 51巻:682〜689、1998)。
さらに、IFNBは、骨肉腫、基底細胞癌、子宮頸部形成異常、神経膠腫、急性骨髄白血病、多発性骨髄腫、ホジキン病、乳癌、黒色腫およびウイルス性感染(例えば、パピローマウイルス、ウイルス性肝炎、陰部ヘルペス、帯状疱疹、ヘルペス性角膜炎、単純ヘルペス、ウイルス性脳炎、サイトメガロウイルス肺炎、およびライノウイルス)の処置のために使用され得る。現在のIFNBの調製物の使用には、注入部位の反応、発熱、悪寒、筋肉痛、関節痛および他のインフルエンザに似た症状を含む様々な副作用が関連している(Clin.Therapeutics、19巻:883〜893、1997)。
WO01/15736号は、非ポリペプチドの一部(例えば、PEG)およびグリコシル化部位の導入および/または欠失により改変されたIFNBポリペプチドに結合した非ポリペプチド部分を含む、新規のIFNB結合体を開示する。その分子は、特性(例えば、半減期の改良および/または現在のIFNB生成物に対して惹起された中和抗体に対する反応性の減少)を改良した。
最近、IFNBは、発作および関連する障害の処置に対する医薬として示唆されている(WO01/41782号;WO02/089828号、WO02/080953号およびVeldhuisら、Stroke、2002年1月、346頁)。
(発明の簡潔な開示)
本発明は、発作および関連する障害の処置に、インターフェロンβ1a(例えば、Avonex(登録商標)およびRebif(登録商標))およびインターフェロンβ1b(例えば、Betaseron(登録商標))より効果があるIFNB類似ポリペプチドを提供する。
従って、第1の局面において、本発明は、霊長類における発作または脳血管障害(CVA)の処置のための医薬の製造のための、少なくとも1つのグリコシル化部位が導入された、野生型ヒトIFNB(配列番号2)のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を含むインターフェロンβ(IFNB)ポリペプチド変異体の使用に関する。
別の局面において、本発明は、霊長類における発作または脳血管障害(CVA)を処置するかまたは予防するための方法に関し、この方法は、野生型ヒトIFNB(配列番号2)のアミノ酸配列とは異なる、少なくとも1つのグリコシル化部位を導入したアミノ酸配列を含む、効果的な量のインターフェロンβ(IFNB)ポリペプチド変異体の、それを必要とする霊長類への投与する工程を包含する。
さらなる局面において、本発明は、霊長類における一過性虚血性発作の処置のための医薬を製造するためのインターフェロンβ(IFNB)ペプチド変異体の使用に関し、このインターフェロンβ(IFNB)ペプチド変異体は、野生型ヒトIFNB(配列番号2)のアミノ酸配列とは異なる、少なくとも1つのグリコシル化部位が導入されたアミノ酸配列を含む。
なおさらなる局面において、本発明は、霊長類における一過性虚血性発作を処置するかまたは予防するための方法に関し、この方法は、野生型ヒトIFNB(配列番号2)のアミノ酸配列とは異なる、少なくとも1つのグリコシル化部位を導入したアミノ酸配列を含む、有効量のインターフェロンβ(IFNB)ポリペプチド変異体の、それを必要とする霊長類への投与する工程を包含する。
他の局面は以下の開示より明らかである。
(発明の詳細な開示)
(定義)
本願の文脈では、次の定義を適用する:
「結合体」という用語(または「結合体ポリペプチド」と交換できる)は、1つ以上のポリペプチドの、1つ以上の非ポリペプチド部分への共有結合により形成した異質性の(複合性のまたはキメラのという意味の)分子を示すことを意図している。共有結合という用語は、ポリペプチドおよび非ポリペプチド部分が、互いに直接共有結合しているか、あるいは、介在性の部分(例えば、架橋、スペーサー、ポリペプチドに存在する結合基を用いた結合部分)を介して、互いに間接的に共有結合していることを意味する。好ましくは、結合体は、適切な濃度および適切な条件で溶解し得る。すなわち、生理学的流体(例えば、血液)に溶解し得る。本発明における使用のための結合体化ポリペプチドの例としては、グリコシル化したポリペプチドおよび/またはPEG化したポリペプチドが挙げられる。「非結合体化ポリペプチド」という用語は、結合体のポリペプチド部分について使用し得る。
「非ポリペプチド部分」という用語は、本発明における使用のためのポリペプチドの結合基に結合し得る分子を示すことを意図している。そのような分子の好ましい例としては、ポリマー分子、糖部分、リン脂質化合物または有機誘導体化薬剤が挙げられる。結合体を、本明細書に記載された文脈で使用する場合、非ポリペプチド部分は、ポリペプチドの結合基を介して結合体のポリペプチド部分に結合していることが理解される。
「ポリマー分子」という用語は、2つ以上のモノマーの共有結合によって形成された分子であって、ポリマーがヒトアルブミンまたは別の豊富な血漿タンパク質である場合を除いて、そのモノマーのいずれもがアミノ酸残基ではない分子として定義される。「ポリマー」という用語は、「ポリマー分子」という用語と交換可能に使用され得る。好ましいポリマー分子の例としては、PEGおよびmPEGが挙げられる。「ポリマー分子」という用語もまた、インビトロのグリコシル化により結合した(すなわち、必要に応じて架橋剤を使用して、通常炭水化物分子のポリペプチドの結合基への共有結合を含む合成的なグリコシル化をインビトロで行う)炭水化物分子を対象とすることも意図する。
インビボでグリコシル化(例えば、N−グリコシル化または、O−グリコシル化(さらに、以下に記載))することにより結合した炭水化物分子は、本明細書では「糖部分」をいう。通常、インビボのグリコシル化部位はN−グリコシル化部位であるが、O−グリコシル化部位もまた、本発明に適切であるとして検討される。グリコシル化IFNB変異体もIFNB結合体(結合体のポリペプチド部分に結合した糖部分である非ポリペプチド部分を含む)と呼ばれ得ることを理解すべきである。
非ポリペプチド部分(例えば、結合体中のポリマー分子または糖部分)の数が明白に示されている場合を除いて、結合体中に含まれるかさもなければ本明細書で使用される「非ポリペプチド部分」への全ての言及は、この結合体中の1つ以上の非ポリペプチド部分(例えば、ポリマー分子または糖部分)をいうべきである。
「結合基」という用語は、適切な非ポリペプチド部分に結合し得るポリペプチドのアミノ酸残基を示すことを意図する。例えば、ポリマー(特にPEG)としては、結合基は、リジンのε−アミノ基またはN末端アミノ基が頻繁に使用される。他のポリマー結合基は、遊離カルボン酸基(例えば、C末端アミノ酸残基の遊離カルボン酸基あるいはアスパラギン酸残基の遊離カルボン酸基またはグルタミン酸残基の遊離カルボン酸基)、適切に活性化したカルボニル基、メルカプト基(例えば、システイン残基のメルカプト基)、芳香族酸残基(例えば、Phe、Tyr、Trp)、水酸基(例えば、Ser、ThrまたはOH−Lysの水酸基)グアニジン(例えば、Arg)イミダゾール(例えば、His)および酸化炭水化物部分を含む。
インビボのN−グリコシル化では、「結合基」という用語は、非習慣的な方法で使用され、N−グリコシル化部位(配列N−X’−S/T/C−X’’、ここでX’はプロリンを除く任意のアミノ酸であり、X’’はX’と同一であるかまたは同一ではない任意のアミノ酸残基であって、好ましくはプロリンとは異なり、Nはアスパラギンであり、S/T/Cは、セリン、スレオニン、もしくはシステインのいずれかであって、好ましくはセリンまたはスレオニンであり、最も好ましくはスレオニンである)を構成するアミノ酸残基を示す。N−グリコシル化部位のアスパラギン酸残基は、グリコシル化の間、糖部分が結合されるアスパラギン酸残基であるが、このような結合は、N−グリコシル化部位の他のアミノ酸残基が存在しなければ、達成され得ない。従って、非ポリペプチド部分がN結合糖部分である場合、親ポリペプチドのアミノ酸配列の改変に関して使用される「非ポリペプチド部分に対する結合基を含むアミノ酸残基」という用語は、N−グリコシル化部位を構成するアミノ酸残基が、例えば、機能的なN−グリコシル化部位をアミノ酸配列に導入する方法により改変されることを理解すべきである。「O−グリコシル化部位」については、結合基がセリンまたはスレオニン残基のOH基である。
「側鎖の少なくとも25%(または50%)を溶媒に曝露する」という用語をインビボのN−グリコシル化部位の導入に関して使用する場合、この用語は、糖部分が実際に結合している位置のアミノ酸側鎖の表面への接触可能性をいう。多くの場合、糖部分が実際に結合しているアスパラギン酸残基と相対的に+2の位置に、セリン残基またはスレオニン残基を導入することが必要である。そしてこれらの位置は、セリンまたはスレオニン残基が導入される場合、埋もれる(すなわち、それらの側鎖の25%(または50%)未満が、溶媒に曝露される)。
グリコシル化部位に結合した糖部分は、代表的にシアル酸付加される。しかしながら、アシアロ−グリコシル化IFNBポリペプチドを生成するために、シアル酸は、例えばノイラミニダーゼによる酵素切断により除去され得る(Bradyら、J.Inher.Metab.Dis.(1994)17巻、510〜519および米国特許第5,549,892号)。別の実施形態において、糖部分はマンノースのみを含むように、さらに改変される。これは、ノイラミニダーゼ、β−ガラクトシダーゼおよびβ−N−アセチルグルコサミニダーゼによる連続処理によりなされ得る(Bradyら、J.Inher.Metab.Dis.(1994)17巻、510〜519および米国特許第5,549,892号)。
「非ポリペプチド部分に対する結合基を含むアミノ酸残基」という用語は、アミノ酸残基が、非ポリペプチド部分が結合する(導入したアミノ酸残基の場合)、または結合した(除去したアミノ酸残基の場合)アミノ酸残基を示すことを意図している。
特定の改変(例えば置換)に関して使用される「1つの相違」または「とは異なる」という用語は、特定のアミノ酸の相違とは別に存在する付加的な相違を認めることを意図している。例えば、非ポリペプチド部分に対する結合基を含むアミノ酸残基の除去および/または導入に加えて、IFNBポリペプチドは、そのようなアミノ酸残基の導入および/または除去とは関連のない、他の置換を含み得る。これらは、例えば、1つ以上のアミノ酸残基によるC末端の切断、1つ以上のアミノ酸残基によるN末端の切断および/または「保存的アミノ酸置換」、すなわち、類似の性質を持つアミノ酸の群内で行われる置換(例えば、小アミノ酸、酸性アミノ酸、極性アミノ酸、塩基性アミノ酸、疎水性アミノ酸および芳香族アミノ酸)を含み得る。本発明における保存的置換の例は、下表に記載した群から特に選択され得る。
Figure 2005519946
非ポリペプチド部分、アミノ酸残基、置換などについて用いられる「少なくとも1つ」という用語は、1つ以上を意味することを意図する。
本願では、アミノ酸の名称および原子の名称(例えば、CA、CB、CD、CG、SG、NZ、N、O,Cなど)は、IUPAC命名法(IUPAC Nomenclature and Symbolism for Amino Acids and Peptides(残基名、原子名など)、Eur.J.Biochem.、138巻、9〜37(1984)およびEur.J.Biochem.152巻、1(1985)におけるこれらの補正)に基づいたProtein DataBank(PDB)(www.pdb.org)により定義されるものとして使用される。CAは、Cαをいうこともあり、CBはCβをいうこともある。「アミノ酸残基」という用語は、アラニン(AlaまたはA)、システイン(CysまたはC)、アスパラギン酸(AspまたはD)、グルタミン酸(GluまたはE)、フェニルアラニン(PheまたはF)、グリシン(GlyまたはG)ヒスチジン(HisまたはH)、イソロイシン(IleまたはI)、リジン(LysまたはK)、ロイシン(LeuまたはL)メチオニン(MetまたはM)、アスパラギン(AsnまたはN)プロリン(ProまたはP)、グルタミン(GlnまたはQ)アルギニン(ArgまたはR)、セリン(SerまたはS)、スレオニン(ThrまたはT)、バリン(ValまたはV)トリプトファン(TrpまたはW)およびチロシン(TyrまたはY)残基からなる群に含まれるアミノ酸残基を示すことを意図する。アミノ酸位置/置換を同定するために使用される専門用語は、以下に示される:
アミノ酸位置/置換を同定するために使用される専門用語は、以下に示される:C17は、位置17が配列番号2に示されるアミノ酸配列におけるシステイン残基により占められることを示す。C17Sは、位置17のCys残基がSer残基で置き換えられたことを示す。複数の置換は「+」により示される。例えば、R71N+D73T/Sは、位置71におけるArg残基のAsn残基による置換および位置73におけるAsp残基のThrまたはSer残基、好ましくはThr残基による置換を含むアミノ酸配列を意味する。本明細書の所定の置換について使用されたT/Sは、T残基またはS残基のどちらか、好ましくはT残基を意味する。欠失は、アステリスクにより示される。例えば、M1は、位置1におけるMet残基が欠失していることを示している。挿入は、次の方法で示される:位置17に位置するCys残基の後へのさらなるPhe残基の挿入は、C17CFとして示す。組み合わせた置換および挿入は、次の方法により示される:位置17におけるCys残基のSer残基による置換および位置17アミノ酸残基の後へのPhe残基の挿入はC17SFとして示す。
「ヌクレオチド配列」という用語は、2以上のヌクレオチド分子の連続的なストレッチを示すことを意図する。ヌクレオチド配列は、ゲノム、cDNA、RNA、半合成の、合成起点のまたはそのいずれかの組み合わせのヌクレオチド配列であり得る。
「IFNBタンパク質配列ファミリー」という用語は、その慣習的な意味で使用される。すなわち、配列の整列を可能にする(例えばCLUSTALWプログラムを使用して)アミノ酸配列と十分に相同なポリペプチドの群を示すために使用される。IFNB配列ファミリーは、例えばPFAMファミリーから入手可能であり、4.0版、または、適したコンピュータープログラム(例えば、デフォルトパラメーターを使用したCLUSTALW 1.74版)の使用により調製され得る(Thompsonら、1994、CLUSTAL W:配列の重要性、位置特異的ギャップペナルティおよび重量マトリックスの選択による連続的な複合的配列アラインメントの感受性の改善、Nucleic Acids Research、22:4673〜4680)。
「細胞」、「宿主細胞」、「細胞株」および「細胞培養」は、本明細書中で相互互換に使用され、そしてそのような用語は全て、細胞の成長または培養から生じる子孫を含むことを理解されるべきである。
「形質転換」および「トランスフェクション」は、DNAを細胞に導入するプロセスをいうために、相互互換に使用される。
「作動可能に連結した」とは、配列の正常な機能が実行され得るように、互いに相対的な配置で酵素的なライゲーションの手段または他の方法による、2つ以上のヌクレオチド配列の共有結合をいう。例えば、シグナルペプチドまたは分泌リーダーをコードするヌクレオチド配列は、ポリペプチドの分泌に関与するプレタンパク質として発現した場合、ポリペプチドのヌクレオチド配列に作動可能に連結する:プロモーターまたはエンハンサーは、配列の転写に影響する場合、コード配列に作動可能に連結する。リボソーム結合部位は、翻訳を促進するために位置される場合、コード配列に作動可能に連結する。一般に、「作動可能に連結した」とは、結合されるヌクレオチド配列が隣接し、分泌リーダーの場合、隣接し、そして読み取り位相(reading phase)にあることを意味する。連結は、簡便な制限部位での連結により達成される。そのような部位が存在しない場合、次いで標準の組換えDNA方法と共に、合成ヌクレオチドアダプターまたはリンカーが使用される。
用語「導入する」とは、主に、存在するアミノ酸残基の置換を意味することを意図されるが、さらなるアミノ酸残基の挿入もまた意味し得る。
用語「除去する」とは、主に、別のアミノ酸残基により除去されるアミノ酸残基の置換を意味することが意図されるが、除去されるアミノ酸残基の欠失(置換を含まない)もまた意味し得る。
本明細書中で使用される場合、用語「改変」とは、置換、挿入および欠失を網羅する。
用語「変異」および「置換」とは、本明細書で相互互換に使用される。
所定の物質に関して使用される場合、用語「免疫原性」とは、免疫システムからの応答を誘導する物質の能力を示すことが意図される。免疫応答は、細胞または抗体に媒介される応答であり得る(免疫原性のさらなる定義のために、例えば、Roitt:Essential Immunology(第8版、Blackwell)を参照のこと)。免疫原性は、当該分野で公知の任意の適切な方法の使用(例えば、インビボまたはインビトロで、例えば、以下の材料および方法の節に記載される、インビトロ免疫原性テストを使用して)により決定され得る。
所定のポリペプチドまたは結合体について使用される場合、用語「低下した免疫原性」とは、結合体またはポリペプチドが、参照分子(例えば、野生型ヒトIFNB(例えば、Rebif(登録商標)またはAvonex(登録商標))あるいは野生型ヒトIFNBの改変体(例えば、Betaseron(登録商標)))(これらは、比較可能な条件下で決定される)よりも測定可能に低い免疫応答を生じることを示すことが意図される。市販のIFNB産物(すなわち、Betaseron(登録商標)、Avonex(登録商標)およびRebif(登録商標))に対する参照が本明細書でなされる場合(適切な場合)、処方された生成物または生成物のIFNBポリペプチド部分のいずれかを意味することが理解されるべきである。通常、抗体反応性の低下(例えば、商業的なIFNB生成物で処置した患者からの血清に存在する抗体に対する反応性)は、低下した免疫原性の指標である。
用語「インビボでの機能性半減期」とは、通常の意味で使用される(すなわち、ポリペプチドまたは結合体の所定の機能の50%が保持される時間(例えば、ポリペプチドまたは結合体の生物学的活性の50%がなお身体/標的器官に存在する時間、またはポリペプチドまたは結合体の活性が初期値の50%である時間である))。
インビボでの機能性半減期を決定する代替として、「血清半減期」(すなわち、50%のポリペプチド分子または結合体分子が、消失される(clear)前に血漿または血流中を循環する時間を決定し得る。血清半減期の決定は、しばしば、インビボでの機能性半減期の決定より簡単であり、そして、血清半減期の長さは、通常インビボでの機能性半減期の長さの良い指標である。血清半減期に対する代替用語としては、「血漿半減期」、「循環半減期」、「血清クリアランス」、「血漿排除」および「クリアランス半減期」を含む。保持される機能は、通常、抗ウイルス活性、抗増殖活性、免疫調節性活性またはレセプター結合活性から選択される。インビボでの機能性半減期および血清半減期は、本明細書以下の材料および方法の節でさらに議論されるような当該分野で公知の任意の適切な方法により決定され得る。
ポリペプチドまたは結合体は、通常、1つ以上の網内系(RES)、腎臓、脾臓または肝臓の作用によって、あるいは、特定のまたは非特定のタンパク質分解によって排除される。腎臓で生じるクリアランスはまた、「腎クリアランス」と言われ得、そして、例えば、糸球体ろ過、尿細管排泄(tubular excretion)または尿細管排泄(tubular elimination)により達成される。通常は、クリアランスは、ポリペプチドまたは結合体の物質的特長(分子量、大きさ(直径)(糸球体ろ過の排除に対する)、電荷、対称性、形状/剛性、結合した炭水化物鎖およびタンパク質の細胞レセプターの存在を含む)に依存する。約67kDaの分子量は、腎クリアランスの重要な排除値であると考えられる。
腎クリアランスの減少は、任意の適切なアッセイ(例えば、確立されたインビボアッセイ)により確立され得る。代表的には、腎クリアランスは、標識した(例えば、放射標識した、または蛍光標識した)ポリペプチドまたはポリペプチド結合体の患者への投与および患者から回収した尿における標識活性の測定により決定される。腎クリアランスの減少は、比較可能な条件下で、対応する非結合体化ポリペプチドまたは対応する非結合体化野生型ポリペプチドあるいは商業的なIFNB産物と比較して決定される。
インビボでの機能性半減期または血清半減期について使用される場合、用語「増加した」とは、結合体またはポリペプチドの適切な半減期が、比較可能な条件下で決定される場合、参照分子(例えば、非結合体化野生型ヒトIFNB(例えば、Avonex(登録商標)またはRebif(登録商標))または、非結合体化ヒトIFNB改変体(例えば、Betaseron(登録商標)))の半減期と比較して統計的に有意に増加されることを示すために使用される。
用語「低下した免疫原性および/または増加したインビボでの機能性半減期および/または増加した血清半減期」とは、これらの特性の任意の1つ、2つまたは全てを網羅するように理解すべきである。興味深い実施形態では、本明細書に記載される結合体またはポリペプチドは、これらの特徴の少なくとも2つ(すなわち、低下した免疫原性および増加したインビボでの機能性半減期、低下した免疫原性および増加した血清半減期、あるいは増加したインビボでの機能性半減期および増加した血清半減期)を有する。
本発明および参照分子に使用される分子の(絶対的というよりはむしろ)相対的な性質の測定について使用される場合、用語「比較可能な条件下」とは、同じアッセイ(すなわち、アッセイは、同じ内部標準を含む同じ条件下で行う)、および適切な場合、同じ型の動物を使用して2つの分子の適切な性質をアッセイすることを示すことが意図される。
用語「IFNB活性を示す」とは、ポリペプチドまたは結合体がネイティブなIFNB(特に、グリコシル化された宿主細胞において必要に応じて発現された、配列番号2(配列番号2は、成熟配列である)に示されるアミノ酸配列を有するヒト野生型IFNBまたは任意の市販のIFNB産物である)の1つ以上の機能を有することを示すことが意図される。そのような機能としては、IFNBに結合し得、レセプター(特に、レセプターサブユニットIFNAR−2およびIFNAR−1(Domanskiら、The Journal of Biological Chemistry 273巻6号 pp.3144〜3147、1998、Mogensenら、Journal of Interferon and Cytokine Research、19:1069〜1098、1999)により構成される1型インターフェロンレセプター)からの細胞内シグナル伝達を開始し得るインターフェロンレセプターに結合する能力および抗ウイルス活性、抗増殖活性、または免疫調節性活性(これらは、当該分野で公知のアッセイ(例えば、以下の開示に述べられるアッセイ)を使用して決定され得る)が挙げられる。IFNB活性は、本明細書以下の材料および方法の節において例示されるような当該分野で公知の方法によりアッセイされ得る。
IFNB活性を「示す」または「有する」ポリペプチドまたは結合体は、測定可能な機能(例えば、測定可能なレセプター結合活性およびレセプター刺激活性)(例えば、材料および方法の節において記載される第1または第2のアッセイにより決定される)を提示する場合、このような活性を有すると考えられる。IFNB活性を示すポリペプチドはまた、本明細書では、「IFNB分子」、「IFNB改変体ポリペプチド」または「IFNBポリペプチド」と呼ばれ得る。用語「IFNBポリペプチド」「IFNB改変体」および「改変体ポリペプチド」とは、本明細書では主に、本発明における使用のための改変されたポリペプチドについて使用される。
用語「親IFNB」とは、本発明に従った使用のために改良される開始分子を示すことが意図される。好ましくは、親IFNBは、IFNB配列ファミリーに属する。親IFNBはいずれの起源のもの(脊椎動物起源または哺乳動物起源(例えばWO00/23472に定義される起源のいずれか))でもあり得るが、親IFNBは、配列番号2に示されるアミノ酸配列またはその改変体を有する野生型ヒトIFNBが好ましい。
親IFNBポリペプチドの文脈において、「改変体」は、親IFNBポリペプチド(例えば、野生型ヒトIFNB)由来の1つ以上のアミノ酸残基が異なるポリペプチドである。代表的には、改変体は、親IFNBポリペプチド(例えば野生型ヒトIFNB)とは、1〜15アミノ酸残基、1〜10アミノ酸残基、1〜8アミノ酸残基、2〜8アミノ酸残基、1〜5アミノ酸残基または2〜5アミノ酸残基が異なる。従って、代表的には、改変体は、親IFNBポリペプチド(例えば、野生型ヒトIFNB)とは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸残基が異なる。野生型ヒトIFNBポリペプチドの例としては、Avonex(登録商標)またはRebif(登録商標)のポリペプチドの一部が挙げられる。親IFNB改変体の例は、Betaseron(登録商標)である。あるいは、親IFNBポリペプチドは、IFNBと別の相同なポリペプチド(例えば、ハイブリッド分子に導入された1つ以上の付加的置換を必要に応じて含むインターフェロンα)とのハイブリッド分子であるアミノ酸配列を含み得る。このようなハイブリッド分子は、配列番号2で示されるアミノ酸配列とは、10より多いアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含み得る。親ポリペプチドとして有用であるために、ハイブリッド分子はIFNB活性を示す(例えば、本明細書中の材料および方法の節に記載される第2のアッセイにより決定される)。本発明にて親IFNB分子として役に立ち得る野生型ヒトIFNBの改変体の他の例は、非ポリペプチド部分に対する結合基を含む、導入されたおよび/または除去されたアミノ酸残基を有するWO01/15736に記載された改変体またはWO00/23114、WO00/23472、WO99/3887または当該分野で利用可能な他に記載されたIFNB分子のいずれかである。
本発明における使用のためのポリペプチドまたは結合体について使用される場合、用語「機能性部位」とは、IFNBの機能または性能に必須であるか、またはIFNBの機能または性能に関与する他のものであり、従って、機能性部位「に位置する」1つ以上のアミノ酸残基を示すことが意図される。機能性部位は、例えば、レセプター結合部位であり、そして、当該分野で公知の方法によって、好ましくは、IFNAR−1およびIFNAR−2により構成されるI型インターフェロンレセプターのような適切なレセプターに複合体化したポリペプチドの構造の分析によって決定され得る。
本文脈における、用語「増加したグリコシル化」とは、通常、グリコシル化部位の増加した利用(またはより良い利用)の結果として得られた、結合した炭水化物分子の量の増加を示すことが意図される。増加したグリコシル化は、結合した炭水化物の構造を分析するための、当該分野で公知の任意の適切な方法により決定され得る。結合した炭水化物の構造を決定するための1つの簡便なアッセイは、本明細書中の実施例7および8に記載した方法である。
グリコシル化部位「に密接に位置される」アミノ酸残基は、通常、糖部分が結合されるグリコシル化部位のアミノ酸残基に関して、−4位、−3位、−2位、−1位、+1位、+2位、+3位または+4位、特に−2位、−1位、+1位または+2位(例えば−1位または+1位、特に−1位)に位置される。これらの位置は、部位におけるグリコシル化を増加するために、改変され得る。改変は、通常、置換であり、その置換は、親IFNBポリペプチドのグリコシル化と比較して、IFNB改変体のグリコシル化の増加を引き起こす任意の他のアミノ酸残基を用いてなされる。このような他のアミノ酸残基は、試行錯誤型実験によって(すなわち、他の任意のアミノ酸残基に対して適切な位置のアミノ酸残基の置換および得られた改変体の得られたグリコシル化の決定によって)決定され得る。
本明細書で使用される場合、用語「天然のグリコシル化部位」とは、N80およびT82により定義されるN−グリコシル化部位を意味することが意図される。
本明細書で使用される場合、用語「発作」とは、血流の不足および脳への不十分な酸素から生じる脳組織の死から生じる状態を意味することが意図される。用語「発作」および「脳血管障害」(すなわち「CVA」)は、本明細書中で相互互換に使用される。上で説明されるように、発作は、虚血性または出血性であり得る。虚血性発作の特定の例は、塞栓性発作、心臓塞栓性発作、血栓性発作、大血管血栓症、ラクナ型梗塞、動脈−動脈発作および原因不明の発作を含む。出血性発作の特定の例は、硬膜下発作、実質内発作、硬膜外発作およびクモ膜下発作を含む。
本文脈において、用語「一過性虚血性発作」とは、脳の血液供給における一時的な欠乏症から生じる脳機能の障害を網羅することが意図される。
(本発明における使用のための改変体)
本発明の好ましい実施形態においては、IFNBポリペプチドは、野生型ヒトIFNBの改変体であり、ここで前記改変体はインビボで導入された(さらなる)少なくとも1つのグリコシル化部位を含む。インビボで導入されたグリコシル化部位は、O−グリコシル化部位であり得るが、N−グリコシル化部位が好ましい。糖部分がグリコシル化部位に結合されることを保証するために、このようなグリコシル化改変体は、グリコシル化し得る宿主細胞内で生成されなければならないことが理解される。
従って、好ましい実施形態において、本発明は、霊長類(好ましくはヒト)における発作または一過性の虚血性発作の処置のための薬品の製造のために、少なくとも1つのN−グリコシル化部位が導入されている点が、野生型ヒトIFNB(配列番号2)のアミノ酸配列とは異なっているアミノ酸配列を含むIFNBポリペプチド改変体の使用に関する。
より具体的には、インビボのN−グリコシル化部位は、分子の表面に露出したアミノ酸残基によって占められる親IFNB分子の位置に導入され、好ましくは、側鎖の25%より多くが、溶媒にさらされ、50%より多くが溶媒にさらされているのが特に好ましい(これらの位置は本明細書中の方法の節で同定される)。インビボのN−グリコシル化部位は、前記部位のN−残基が該位置に位置される方法により導入される。同様に、O−グリコシル化部位は、このような部位をなすS残基またはT残基が前記位置に位置されるように、導入される。さらに、十分なグリコシル化を保証するために、インビボのグリコシル化部位(特にN−グリコシル化部位のN残基またはO−グリコシル化部位のS残基またはT残基)がIFNBポリペプチドの最初の141アミノ酸残基内に、より好ましくは、最初の116アミノ酸残基内に位置されることが好ましい。
親IFNB分子の表面に露出し、溶媒にさらした25%より多い側鎖を有するアミノ酸残基に占められる位置で、インビボのさらなるN−グリコシル化部位の導入を導く置換は、以下:
Figure 2005519946
からなる群から選択される置換を含む。
溶媒にさらした50%の側鎖より多くを有する親IFNB分子の表面に露出した位置でさらなるインビボのN−グリコシル化部位の導入を導く置換は、以下:
Figure 2005519946
からなる群から選択される置換を含む。
上のリストで述べた置換の中で、141N末端アミノ酸残基(特に116N末端アミノ酸残基)の中に、導入されたN残基を有する置換が好ましい。
ここで、最も好ましい置換は、
Figure 2005519946
からなる群から選択された置換を含む変異体を含み、より好ましくは、S2N+N4T、L9N+R11T、Q49N+Q51T、R71N+D73TおよびF111N+R113Tからなる群から選択し、さらにより好ましくは、Q49N+Q51T、R71N+D73TおよびF111N+R113Tからなる群から選択し、特に、Q49N+Q51TおよびF111N+R113Tからなる群から選択する。
好ましいIFNB変異体の特定の実施形態は、
Figure 2005519946
からなる群から選択された置換を含む。
最も好ましくは、IFNB変異体は、置換Q49N+Q51T+F111N+R113T(2つのさらなるインビボN−グリコシル化部位を導入する)を含む。
インビボの機能性N−グリコシル化部位を導入するために、N残基とS/T残基との間にあるアミノ酸残基は、プロリン残基とは異なることを理解すべきである。通常は、間にあるアミノ酸残基は、配列番号2に示されるアミノ酸配列の適切な位置を占める。例えば、置換Q49N+Q51Tを含むポリペプチドでは、位置50は間にある位置である。
IFNB変異体はインビボの1つのグリコシル化部位を含み得る(例えば、自然に生じるN80におけるインビボのN−グリコシル化部位)。しかしながら、親ポリペプチドの表面に存在するエピトープの効果的な遮蔽物を得るために、ポリペプチドが1つ以上のインビボのグリコシル化部位、特に、2〜7個または2〜5個のグリコシル化部位、例えば、2、3、4、5、6、または7個のインビボのグリコシル化部位を含むことが、特に好ましいことが多い。従って、IFNBポリペプチドは1つの付加的なグリコシル化部位(自然に生じる、位置N80に既に存在するインビボのN−グリコシル化部位に加えて)を含み得、また、1〜6個または1〜4個のインビボのグリコシル化部位付加(導入した)(例えば、インビボのグリコシル化部位への1、2、3、4、5または6個の付加(導入した))を含み得る。好ましくは、前記インビボのグリコシル化部位は、インビボのN−グリコシル化部位である。従って、IFNB変異体は1つの糖部分(例えば、N80に存在する自然に生じる糖部分)を含み得る。しかし、IFNB変異体が1つ以上の糖部分を含むことが好ましく、特に、2〜7個または2〜5個の糖部分、例えば2、3、4、5、6または7個の糖部分を含むことが好ましい。
非常に好ましい実施形態では、IFNBポリペプチドは、3つのインビボNグリコシル化部位(すなわち、2つの付加的な(導入された)インビボN−グリコシル化部位(天然に存在するN80 Nグリコシル化部位に加えて))を含む。すなわち、IFNB変異体は、3個のインビボのN−グリコシル化部位および3個の糖部分を含む。特に好ましい実施形態では、3個のインビボのN−グリコシル化部位が位置49、80および111に位置している。
(さらなる改変)
上に開示した任意のグリコシル化変異体は、さらに改変し得る。
例えば、IFNBポリペプチドがシステイン残基(例えば、配列番号2の位置17に位置するシステイン残基)を含まないことが、ここでは好ましい。好ましくは、システイン残基は、置換C17Sにより除去される。
従って、好ましい実施形態では、本発明は、霊長類、好ましくはヒトにおける発作または一過性虚血性発作の処置のための薬品の製造のために、少なくとも1つのN−グリコシル化部位が導入され、その中の位置17に位置するシステイン残基が除去されている点が、野生型ヒトIFNB(配列番号2)のアミノ酸配列とは異なっているアミノ酸配列を含むIFNBポリペプチド異性体の使用に関する。好ましくは、前記システイン残基は、置換C17Sにより除去される。
特に好ましいIFNB変異体の特定の実施形態は、
Figure 2005519946
からなる群から選択された置換を含む変異体を含む。
最も好ましくは、IFNB変異体は、置換C17S+Q49N+Q51T+F111N+R113T(位置49および111のインビボのN−グリコシル化部位における2つの付加の導入および位置17のシステイン残基の除去につながる)を含む。
さらに好ましい実施形態では、その部位でのグリコシル化を最適化または増加するために、IFNB変異体はさらに、グリコシル化部位に近接して位置する1つ以上の置換を含む。特定の実施形態は、WO02/074806号のp14〜23の「Variants with increased glycosylation」と題された節に記載されている。
本発明の興味深い実施形態では、特に、変異体が、位置49に導入されたインビボN−グリコシル化部位を含む場合、IFNB変異体は、位置48にアミノ酸置換を含む。好ましくは、位置49に位置するグルタミン残基は、疎水性アミノ酸残基(例えば、Q48F、Q48V、Q48WまたはQ48Y)により置換される。
本発明の非常に好ましい実施形態では、特に、変異体が、位置111に導入されたインビボN−グリコシル化部位を含む場合、IFNB変異体は、位置110にアミノ酸置換を含む。好ましくは、位置110に位置するアスパラギン酸残基は、疎水性アミノ酸残基(例えば、D110F、D110V、D110WまたはD110Y)により置換される。特に好ましい実施形態では、変異体は、置換D110Fを含み、好ましくは、置換F111N+R113T/Sと組み合わせた、特にF111N+R113Tと組み合わせた置換D110Fを含む。
従って、特に好ましいIFNB変異体の特定の実施形態は、
Figure 2005519946
からなる群から選択された置換を含む変異体を含む。
さらにより好ましくは、IFNB変異体は、
Figure 2005519946
からなる群から選択された置換を含む。
最も好ましくは、IFNB変異体は、置換C17S+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T(配列番号3)を含む。
(結合)
上で開示したグリコシル化された変異体は、糖部分とは異なる非ポリペプチド部分にさらに結合し得る。特定の実施形態は、WO01/15736号の、「非ポリペプチド部分が、結合基としてリジンを有する分子である発明の結合物」(p.17〜22)、「非ポリペプチド部分が、システイン残基に結合した発明の結合物」(p.22〜23)および「非ポリペプチド部分が、酸基に結合した発明の結合物」(p.23〜25)と題された節において開示される。
非ポリペプチド部分に対する結合基を含むアミノ酸残基を除去および/または導入することにより、選択した非ポリペプチド部分へより結合しやすい、結合型を最適化しやすい(例えば、IFNB分子の表面に存在する非ポリペプチド部分の最適な分布を保証する、そしてそれによって、例えば、それらの機能を顕著に弱めることなく、効果的にエピトープおよびポリペプチドの他の表面部分を遮蔽する)分子を生成するように、ポリペプチドを特に適合させ得る。例えば、結合基の導入によって、IFNBポリペプチドは、適切な非ポリペプチド部分が結合し、それにより、より効果的な、特異的なかつ/または広範囲の結合を達成する特定のアミノ酸残基の含有量を増加するか、そうでなければ変更する。一つ以上の結合基の除去により、そのような結合が、不利になる(例えば、アミノ酸残基がポリペプチドの機能性部位に、または近接して位置するために(そのような部位における結合は、弱められたレセプター認識のために生じた結合のIFNB活性の不活性化または減少という結果をもたらし得る))ポリペプチドの一部における非ポリペプチド部分への結合を避けることが可能になる。さらに、そのような官能基に対する異種結合を避けるために他の結合基に近接して位置する結合基を除去することが好都合となり得る。
非ポリペプチド部分に対する結合基を含む(除去されるかまたは導入された)アミノ酸残基が、非ポリペプチド部分の性質に基づいて、多くの例では、使用した結合方法に基づいて選択されることを理解すべきである。例えば、非ポリペプチド部分がポリマー分子(例えば、ポリエチレングリコールまたはポリアルキレンオキシド由来分子)である場合、結合基としての機能を持ち得るアミノ酸残基は、リジン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸およびアルギニンからなる群から選択され得る。非ポリペプチド部分が糖部分である時、結合基はインビボグリコシル化部位であり、好ましくはN−グリコシル化部位である。非ポリペプチド部分に対する結合基がIFNBポリペプチドに導入されるかまたはIFNBポリペプチドから除去される場合は常に、改変されたIFNBポリペプチドの位置は、以下から都合よく選択される:
位置は好ましくは、IFNBポリペプチドの表面に位置し、さらに好ましくは、溶媒にさらした側鎖の25%より多くを有するアミノ酸残基により占められ、好ましくは、溶媒にさらした側鎖の50%より多くを有するアミノ酸残基により占められる。そのような位置は、本明細書の方法の節に記載した野生型ヒトIFNB分子の立体構造の分析に基づいて同定した。
とりわけ、インビボの機能性半減期は、結合物の分子量および半減期の増加を提供するために必要な結合基の数に依存し、従って、当該非ポリペプチド部分の分子量に依存する。1つの実施形態では、本発明に使用する結合物は、少なくとも67kDaの分子量を有し、特に、Laemmli,U.K.、Nature 227巻(1970)、p680〜85に従ってSDS−PAGEにより測定した場合、少なくとも70kDaの分子量を有する。IFNBは、約20kDaの分子量を有し、そしてそれゆえに、所望の効果を得るために、さらに約50kDaが必要である。このことは、例えば、5、10、12または20kDaのPEG分子または、本明細書に記載された他のものにより提供され得る。
さらなる実施形態では、本発明に使用するための結合物は、1つ以上の、以下の改良された(比較できる条件下で決定される)特徴を持つ。
野生型ヒトIFNB(例えば、Avonex(登録商標)またはRebif(登録商標)またはBetaseron(登録商標)と比較して免疫原性の減少は、例えば、少なくとも25%の減少であり、より好ましくは少なくとも50%であり、さらにより好ましくは少なくとも75%である。
野生型ヒトIFNB(例えば、Avonex(登録商標)またはRebif(登録商標))またはBetaseron(登録商標)と比較して、インビボの機能性半減期は増加し、そして/または血清半減期は増加した。
野生型ヒトIFNB(例えば、Rebif(登録商標)またはAvonex(登録商標))またはBetaseron(登録商標)で処置した患者からの中和抗体との反応は減少するかまたはなくなった(例えば、野生型ヒトIFNB(例えば、Rebif(登録商標)またはAvonex(登録商標)またはBetaseron(登録商標)と比較して、少なくとも25%の中和の減少、例えば、少なくとも50%の減少、および好ましくは少なくとも75%の減少であった)。
本発明において使用する結合物の抗ウイルス活性の大きさは、決定的ではなく、従って、比較し得る条件下で決定した場合、減少する(例えば、75%まで)かまたは増加する(例えば、5%まで)かまたは野生型ヒトIFNB(例えば、Avonex(登録商標)またはRebif(登録商標))の抗ウイルス活性と、またはBetaseron(登録商標)と同等である。
さらに、本発明において使用する結合物の抗増殖活性と比較した抗菌活性の程度は、異なり得、従って野生型ヒトIFNBの抗菌活性より高いか、低いか、または同等であり得る。
非ポリペプチド部分は好ましくは、ポリマー分子(例えば、PEG)であり、ポリマーは、変異体のアミノ酸残基に共有結合していて、該アミノ酸残基は、ポリマー分子に対する結合基を含む。そのような結合基の例は、WO03/002152号の7〜8ページにある表に示される。好ましい結合基は、リジン残基のN末端アミノ基、ε−アミノ基およびシステイン残基の−S−H基を含み、特に、リジン残基のN末端アミノ基およびε−アミノ基である。
好ましい実施形態では、親ポリペプチドの少なくとも1つのリジン残基が、例えば、「非ポリペプチド部分が、結合基としてリジンを有する分子である発明の結合物」(WO01/15736号のp.17〜22)と題された節に記載された任意の置換により除去される。
従って、本発明のこの局面の1つの実施形態においては、IFNB変異体のアミノ酸配列は、ヒト野生型IFNBのアミノ酸配列とは、少なくとも1つのリジン残基が除去されている点で異なっている。代表的には、1〜5のリジン残基が除去され、特に1〜4または1〜3のリジン残基が除去される。好ましくは、置換により除去されるリジン残基は、K19、K33、K45、K52、K99、K105、K108、K115、K123、K134およびK136からなる群から選択され、好ましくは、K19、K33、K45およびK123から選択される。リジン残基は、任意の他のアミノ酸残基により置き換えることができる。しかし、少なくとも構造的な違いを引き起こすために、アルギニン残基またはグルタミン残基により置き換えるのが好ましい。
従って、本明細書で開示するIFNB変異体は、さらに
Figure 2005519946
からなる群から選択された置換を含み得る。
従って、少なくとも1つの非ポリペプチド部分(例えば、ポリマー分子、特にPEG)への好ましいIFNB結合物の特定の例は、
Figure 2005519946
からなる群から選択された置換を含むIFNB改変体を含む、改変体のアミノ酸残基の結合基に共有結合している。
IFNB改変体がPEG化されている場合、それは、通常1〜5個のポリエチレングリコール(PEG)分子を含む。さらなる実施形態では、IFNB分子は1〜5個のPEG分子を含む(例えば、1〜3個のPEG分子、例えば、1、2または3個のPEG分子)。さらなる実施形態では、各PEG分子は約5kDa(キロダルトン)〜100kDaの分子量を有する(例えば、約10kDa〜40kDa、例えば、約12kDaまたは約20kDaの分子量)。本発明の特に好ましい実施形態では、IFNB改変体は、約20kDaの分子量を有する1PEG分子を含む。
本明細書中で、ポリマー分子について使用される場合、用語「約」は、近似平均分子量を示し、通常、所定のポリマー調製における特定の分子量分布があるという事実を反映する。
適切なPEG分子は、Shearwater Polymers,IncおよびEnzon,Incから入手でき、SS−PEG、NPC−PEG、アルデヒド−PEG、mPEG−SPA、mPEG−SCM、mPEG−BTC、SC−PEG、トレシレイト化(tresylated)mPEG(tresylated mPEG)(米国特許第5,880,255号)または、オキシカルボニル−オキシ−N−ジカルボキシイミド−PEG(米国特許第5,122,614号)から選択され得る。
(結合体の調製方法)
本明細書中に開示された、非ポリペプチド部分(特にPEGポリマー)のIFNB改変体への結合に関する特定の詳細は、WO01/15736のpp.32〜40の「Methods of preparing a conjugate of the invention」と題された節に示される。
(糖部分への結合)
本明細書中に記載されるようなIFNBポリペプチドのインビボでのグリコシル化を達成するために、IFNB改変体をコードするヌクレオチド配列は、グリコシル化している真核発現宿主(例えば、CHO細胞)に挿入されなければならない。適切な発現宿主細胞は、WO01/15736のp.36の「coupling to a sugar moiety」と題された節に記載される。
(IFNBポリペプチド改変体を調製する方法)
本発明において使用するためのIFNB改変体は(必要に応じて、グリコシル化した形態において)、当業者に公知の適切な任意の方法により産生され得る。このような方法は、ポリペプチド改変体をコードするヌクレオチド配列を構築することおよび形質転換またはトランスフェクトされた宿主に適切な配列を発現することを含む。しかし、本発明に使用するポリペプチドは、あまり効率的ではないにもかかわらず、化学合成または化学合成の組み合わせまたは化学合成および組換えDNA技術の組み合わせにより産生され得る。
本発明に使用するためのIFNBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、親IFNBをコードするヌクレオチド配列(例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する)の単離、または合成により構築され得、次いで、ヌクレオチド配列を改変して関連するアミノ酸残基の導入(すなわち、挿入または置換)または関連するアミノ酸残基の除去(すなわち欠失または置換)をもたらす。
ヌクレオチド配列は、好都合なことに、周知の方法に従う部位特異的な突然変異形成により改変される(例えば、Markら、「Site−specific Mutagenesis of the Human Fibroblast Interferon Gene」Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81、pp.5662〜66(1984);および米国特許第4,588,585号を参照のこと)。
その代わりに、ヌクレオチド配列は、化学合成、例えば、オリゴヌクレオチド合成機を使用することにより調製される。ここで、オリゴヌクレオチドは、所望のポリペプチドのアミノ酸配列に基づいて設計され、そして好ましくは、組換えポリペプチドが産生される宿主細胞に都合の良いコドンを選択する。例えば、所望のポリペプチドの部分をコードするいくつかの小さいオリゴヌクレオチドは、PCR、連結反応または連結連鎖反応(LCR)により合成され、アセンブルされ得る。個々のオリゴヌクレオチドは、代表的には、相補的なアセンブリに対する5’または3’のオーバーハングを含む。
一旦合成、部位特異的突然変異形成または他の方法によりアセンブルされると、IFNBポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、組換えベクターに挿入され、所望の形質転換された宿主細胞におけるIFNB改変体の発現に必要なコントロール配列に、作動可能に結合する。
適切な発現ベクター、コントロール配列、宿主細胞、産生培地、精製技術などを含む、本明細書中に開示されるIFNB改変体の産生の詳細な記述は、WO01/15736のpp.43〜51の「Methods of preparing an interferon β polypeptide for use in the invention」と題された節に見出され得る。
IFNBポリペプチドの生物学的活性は、当業者に公知の任意の適した方法により、アッセイされ得る。このようなアッセイとしては、EP 0 41 313 B1に記載されるような、抗ウイルス活性の抗体中和、プロテインキナーゼ、オリゴアデニレート2,5−Aシンセターゼまたはホスホジエステラーゼ活性の誘導が挙げられる。このようなアッセイとしてはまた、免疫調節アッセイ(例えば、米国特許第4,753,795号を参照のこと)、増殖阻害アッセイおよびインターフェロンレセプターを発現する細胞への結合の測定も挙げられる。
本発明において使用するポリペプチドまたは結合体の生物学的活性を決定するための特定のアッセイは、本明細書中の材料および方法の節に開示する。
(薬学的組成物)
IFNB分子は、「そのままで」および/またはそれを形成する塩において使用され得る。適した塩としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムおよびマグネシウム)との塩および例えば亜鉛塩が挙げられるが、これらに限定されない。これらの塩または錯体は、結晶構造および/またはアモルファス構造として存在し得る。
IFNB分子は、好ましくは、薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤をさらに含む組成中で投与される。「薬学的に受容可能な」は、それを投与された患者に、いかなる有害な効果も誘導しないキャリアまたは賦形剤を意味する。このような薬学的に受容可能なキャリアおよび賦形剤は、当該分野で周知である。
IFNB分子は、周知の方法により、薬学的組成物に処方され得る。適した処方物は、米国特許第5,183,746号、E.W.MartinによるRemington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、A.R.Gennaro編、Mack Publishing Company[1990];Pharmaceutical Formulation Development of Peptides and Proteins、S.FrokjaerおよびL.Hovgaard編、TaylorおよびFrancis[2000];ならびにHandbook of Pharmaceutical Excipients、第3版、A.Kibbe編、Pharmaceutical Press[2000]に記載されている。
IFNB分子は、液体、ゲル、凍結乾燥物、肺の分散剤または他の任意の適した形態(例えば、圧縮した固体)を含む多様な形態で、薬理学的組成物に処方され得る。好ましい形態は、処置されている特定の徴候に依存し、これは、当業者には明らかである。
薬学的組成物は、非経口的投与(例えば、静脈内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、または皮下投与)、経口的投与、脳内投与、皮内投与、鼻腔内投与、肺内投与、吸入により投与され得るか、または他の任意の受容可能な様式(例えば、PowderJect技術またはProLease技術を使用して)において投与され得る。投与の好ましい様式は、処置されている特定の徴候に依存し、これは、当業者には明らかである。
適した薬学的組成物の詳細な記載は、WO01/15736のpp.52〜61「Pharmaceutical composition and uses of a conjugate of the invention」と題された節に与えられる。
本発明の好ましい実施形態では、薬学的組成物は、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体(例えば、Captisol(登録商標)(Cydex社製、Overland Park、Kansas 66213、US)を含む。本明細書で開示されたIFNB改変体およびスルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体を含む、薬学的組成物に関する詳細は、WO03/002152のpp.37〜49「The sulfoalkyl ether cyclodextrin derivative」と題された節に見出され得る。
(治療用途)
本明細書で開示された改変体および結合体は、主に神経性症状または精神医学的症状、眼性疾患、心臓血管疾患、心肺疾患、呼吸器系疾患、腎臓疾患、尿疾患および生殖性疾患、消化管疾患および内分泌腺異常および代謝異常を有する中枢神経系または末梢神経系のヒト疾患の治療的処置または予防的処置のために有用である。特に、このような状態および疾患としては、炎症(例えば、興奮性組織(例えば中枢神経系組織、末梢神経系組織、心臓組織または網膜組織(例えば、脳、心臓、または網膜/眼)における興奮性組織)に有害な影響を与える神経炎症性過程)が挙げられる。
従って、本明細書で開示される改変体は、多様な条件下および環境下において炎症過程から生じる興奮性組織の損傷を処置または予防するために使用され得る。このような条件および環境の非限定的な例は、以下の表1に提供される。
本発明に従って処置し得る神経組織病態の保護の例においては、このような病態は、ニューロン組織の酸化の減少から生じる病態を含む。ニューロン組織への酸素の利用可能性を減少し、ストレス、損傷および最終的には、神経細胞死を生じるいかなる状態も、本発明の方法により処置され得る。
一般に、低酸素症および/または虚血と称される場合、これらの状態は、発作、血管閉塞、出生前の酸素欠乏または出生後の酸素欠乏、窒息(suffocation)、窒息(choking)、近似溺死(near drowning)、一酸化炭素中毒、煙草吸入、外傷(外科治療および放射線治療を包めて、仮死、癲癇、低血糖症、慢性閉塞性肺疾患、気腫、成人呼吸窮泊症候群、低血圧性ショック、敗血性ショック、アナフィラキシーショック、インスリンショック、鎌状赤血球発症、心停止、律動異常、窒素性ナルコーシス、および心肺バイパス手順により誘発される神経性欠損から生じるか、またはそれらが挙げられるが、これらに限定されない。
1つの実施形態では、本明細書で開示されるIFNB改変体は、例えば、腫瘍切除または動脈瘤修復などの外科的手順の間、傷害または組織損傷のリスクから生じる傷害または組織損傷を防止するために投与され得る。本明細書に記載される方法により処置され得る、低血糖症により誘発されるかまたは低血糖症から生じる他の病態としては、インスリン過剰摂取(医原性の高インスリン血症ともいう)、膵島細胞腺腫、成長ホルモン欠損症、低コルチゾール症(hypocortisolism)、薬物過剰摂取およびある種の腫瘍が挙げられる。
興奮性ニューロン組織損傷から生じる他の病態としては、発作障害(例えば、癲癇、痙攣または慢性発作障害)が挙げられる。他の処置し得る状態および疾患としては、例えば、発作、低血圧、心停止、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳性麻痺、脳または脊髄の外傷、エイズ痴呆、加齢性認知性機能喪失、記憶喪失、筋萎縮性側索硬化症、発作障害、アルコール中毒、網膜虚血、緑内症から生じる視神経損傷、およびニューロン損失のような疾患が挙げられる。
本明細書で開示されるIFNB改変体は、網膜組織の状態および網膜組織に対する損傷を処置するために使用され得る。このような疾患としては、網膜虚血、黄斑変性、色素性網膜炎、網膜色素変性症、動脈硬化性網膜症、高血圧性網膜症、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、低血圧および糖尿病性網膜症が挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施形態では、本発明の方法原理は、興奮性組織に対する放射線損傷から生じる傷害を防護または処置するために使用され得る。本発明の方法のさらなる有用性は、神経毒性中毒(例えば、ドモイックアシッド貝中毒(domoic acid shellfish poisoning)、神経ラチリスムおよびグアム病(Guam disease)、筋萎縮性側索硬化症およびパーキンソン病)の処置に存在する。
上に記載したように、本発明はまた、上に記載したようなインターフェロンβ改変体の末梢投与により、霊長類における興奮性組織機能を増強する方法に関する。種々の疾患および状態は、この方法を使用した処置に対して影響を受けやすく、そしてさらに、この方法は、任意の状態および疾患の非存在下で認識機能を増強するために有用である。本発明のこれらの用途は、以下にさらに詳細に記載され、そして、ヒトおよび非ヒト霊長類の両方における学習および訓練の促進にかかわる。
本発明のこの局面の方法により処置し得る中枢神経系に関する状態および疾患としては、気分障害、不安障害、鬱病、自閉症、注意欠陥過活動性障害および認識機能不全が挙げられるがこれらに限定されない。これらの状態は、ニューロン機能の増強から利益を受ける。本発明の教示に従って処置し得る他の障害は、睡眠妨害(例えば、睡眠時無呼吸および旅行関連性障害);クモ膜下出血および動脈瘤出血(aneurismal bleed)、低血圧ショック、震盪性傷害、敗血性ショック、アマフィラキシーショックおよび種々の脳炎および髄膜炎の後遺症、例えば、結合組織疾患関連脳炎(例えば、狼蒼)を含む。他の使用としては、神経毒(例えば、ドモイックアシッド貝中毒、神経ラチリスムおよびグアム病、筋萎縮性側索硬化症およびパーキンソン病)による中毒の予防または防護;塞栓性損傷または虚血性損傷に対する手術後の処置;全脳放射線照射;鎌状赤血球発症および子癇が挙げられる。
興奮性組織損傷が起源であると考えられる種々の神経心理学的な障害は、本明細書中に開示された方法により処置され得る。炎症過程そしてそれ故にニューロン損傷が関与し、そして本発明により提供される処置の対象である慢性的な障害としては、中枢神経系および/または末梢神経系に関連する障害が挙げられ、これらとしては、以下が挙げられる:加齢性認識機能障害および老人性痴呆症、慢性発作性疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、痴呆症、記憶喪失、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、結節硬化症、ウィルソン病大脳および進行性核上性麻痺、グアム病、レーヴィ小体痴呆、プリオン病(例えば、海綿状脳障害、例えば、クロイツフェルトヤコブ病)、ハンチントン病、筋緊張性ジストロフィー、フレイドリッヒ(Freidrich)運動失調および他の運動失調ならびにジル・ド・ラ・ツレット症候群、発作性障害(例えば、癲癇性発作性障害および慢性発作性障害)、発作、脳外傷または脊髄外傷、エイズ痴呆、アルコール中毒、自閉症、網膜虚血症、緑内症、高血圧および睡眠障害のような自立神経性機能障害、ならびに神経精神医学的な障害(精神分裂病、分裂感性情障害、注意欠陥障害、気分変調障害、大鬱病性障害、そう病、強迫性障害、精神活性物質使用障害、不安、パニック障害、ならびに単極性(unipolar)情動障害および双極性(bipolar)情動障害)が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる神経精神医学的障害および神経変性障害としては、例えば、American Psychiatric Association’s Diagnostic and Statistical manual of Mental Disorders(DSM)に列挙されるものが挙げられ、その最新版は、本明細書中にその全体が参考として援用される。
以下の表は、前述のインターフェロンβ改変体による処置に対して影響を受けやすい種々の状態および疾患についてのさらなる例示的な非限定的な徴候を列挙する。
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上で述べたように、これらの疾患、障害または状態は、本明細書で開示されたIFNB改変体により提供される利点の範囲の単なる例示である。従って、本発明は、一般に機構的外傷の結果の治療的処置または予防的処置を提供する。疾患、障害またはCNSおよび/もしくは末梢神経系の状態に対する治療的処置または予防的処置が好ましい。
非常に好ましい本発明の実施形態においては、処置すべき疾患は、発作(例えば、虚血性発作または出血性発作)である。虚血性発作においては、アテローム性動脈硬化症または血餅のいずれかが血管をブロックするので、脳の一部への血液供給が遮断される。出血性発作においては、血管が破裂することにより、正常な血流の阻止および脳の領域への血液の漏れおよびその破壊が生じる。
虚血性発作を伴い、封鎖は、脳への動脈経路に沿うどこにおいても生じ得る。例えば、大きな脂肪物質の沈着物(アテローム)は、頸動脈に発生し、その血流を減少し、少量流れるようにし得る。この状態は、深刻である。なぜなら、通常各動脈が脳の血液供給の大きなパーセンテージを供給するからである。脂肪物質は、頸動脈の壁からも、ちぎり取れ得、血流と共に移動し、そしてより小さい動脈内にくっつき、それを完全にブロックする。頸動脈および椎骨動脈ならびにその分枝は、他の方法によりブロックされ得る。例えば、心臓においてまたはその弁の1つにおいて形成された血餅は、遊離し(塞栓になり)、動脈を介して脳まで移動し、そこでひっかかる。その結果は、塞栓性発作である。このような発作は、最近心臓外科手術を受けた人々および欠陥のある心臓弁または異常なリズム(特に心房性細動)を有する人々においては、最も一般的である。
大部分の発作は、突然始まり、急速に発達し、数分以内に脳損傷を引き起こす。よりまれには、発作は、脳死が安定して拡大し続ける間、数時間から1日または2日悪化し続ける。
潜在的発作を示す症状は、即時の医療的注意を必要とし;医師は、時折、損傷を減じ得、急速な作用によるさらなる損傷を防止し得る。発作の多くの効果は、特に最初の数時間、医療を必要とする。最初に、医師は、通常酸素を投与し、静脈内に線を挿入し、患者が流体および食物を受け取っていることを確実にする。発作の過程においては、抗凝血剤(例えば、ヘパリン)を投与し得る。
発作および関連疾患の処置において、本明細書に記載されたIFNB改変体の効果は、当業者に公知の種々の動物モデルを使用して評価され得る。本明細書に記載された改変体が、発作および関連疾患(主に、脳虚血および脊髄虚血)に利益的効果を有するか否かを決定するために、多数の試験が実施され得る。参照は、以下の関連する試験のためになされるが、他の試験も適していることを証明し得る。
i)血栓塞栓症発作モデル(Lapchakら、Stroke 2002;33巻:1665〜1670またはLapchakら、Stroke 2002;33巻:1411〜1415を参照のこと)、
ii)光血栓症(Zhaoら、Stroke 2002;32巻:2157〜2163を参照のこと)
iii)クモ膜下出血(Grassoら、J.Neurosurgery 2002;96巻:565〜570を参照のこと)
iv)動脈瘤クリップによる一過性中大脳動脈閉塞(Yenariら、Neurological Research 2001;23巻:72〜78を参照のこと)
v)一過性脊髄虚血(動脈瘤クリップ、バロン)(Murakawiら、Crit.Care Med.2001;29巻:814〜818;Lipsら、Anesthesiol.2000;93巻:1303〜1311;Lipsら.J.Neurosurg.Anesthesiol.2002;14巻:35〜42;Lapchakら、Stroke 2001;33巻:1220〜1225またはSukaraiら、Stroke 2000;31巻:200〜207を参照のこと)および
(材料および方法)
(材料)
HeLa細胞−(American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能)
ISRE−Luc(Stratagene、La Jolla USA)
pCDNA 3.1/hygro(Invitrogen、Carlsbad USA)
pGL3基本ベクター(Promega)
ヒトゲノムDNA(CloneTech、USA)
DMEM培地:Dulbecco改変Eagle培地(DMEM)、10%ウシ胎仔血清(Life Technologies A/S、Copenhagen、Denmarkから入手可能)
(アッセイ)
(インターフェロンアッセイの概略)
IFNBが、HeLa細胞においてI型インターフェロンレセプターと相互作用し、そしてそれを活性化するということは、以前に発表されている。その結果、転写は、インターフェロン刺激反応因子(ISRE)を含むプロモーターにおいて活性化される。従って、HeLa細胞に配置したISRE結合型ルシフェラーゼレポーター遺伝子(ISRE−luc)の使用によって、インターフェロンレセプターのアゴニストをスクリーニングすることが可能である。
(第1アッセイ)
HeLa細胞をISRE−LucおよびpCDNA 3.1/hygroを用いて共トランスフェクトし、そして、病巣(細胞クローン)をハイグロマイシンBを含むDMEM培地における選択により作り出した。細胞クローンを、IFNB存在下または非存在下においてルシフェラーゼ活性についてスクリーニングした。刺激されないルシフェラーゼ活性に対しての刺激されたルシフェラーゼ活性の最高の比率を示すそれらのクローンは、さらなるアッセイにおいて使用された。
ムテインをスクリーニングするために、15,000細胞/ウェルを96ウェル培養プレートに播種し、DMEM培地において一晩インキュベートした。次の日、ムテインならびに公知の標準を種々の濃度で細胞に添加する。プレートを、5%CO空気雰囲気下で37℃で6時間インキュベートする。引き続き、LucLite基質(Packard Bioscience、Groningen The Netherlands)を各ウェルに添加する。プレートを密閉し、SPC(単光子計数法)モードのTopCountルミノメーター(Packard)により発光を測定する。各個々のプレートは、IFNBを刺激コントロールとして用いてインキュベートしたウェルおよび非刺激コントロールとして通常の培地を含む他のウェルを含む。刺激ルシフェラーゼ活性と非刺激ルシフェラーゼ活性との間の比は、ムテイン活性および実験−実験間のバリエーションの両方の内部標準として働く。
(第2アッセイ)
現在、18の非対立遺伝子インターフェロンα遺伝子および1つのIFNB遺伝子がある。これらのタンパク質は、重複する活性を示し、従って、ムテインがIFNBの選択性および特異性を保持することを保証するために、重要である。
β−R1遺伝子は、IFNBにより活性化されるが、他のインターフェロンによっては活性化されない。従って、β−R1の転写は、IFNB活性化の第2のマーカーとして働き、ムテインがIFNB活性を保持していることを保証するために使用される。インターフェロン感受性転写を駆動することが示されている(Rani.M.R.ら(1996)JBC 271巻22878〜22884)β−R1の300bpのプロモーターフラグメントを、PCRによりヒトゲノムDNAから単離し、pGL3基本ベクター(Promega)に挿入した。得られたβ−R1:ルシフェラーゼ遺伝子は、上記の第1のアッセイに類似したアッセイにおいて使用される。神経膠星状細胞腫においては、得られたβ−R1:ルシフェラーゼ遺伝子は、インターフェロンαより250倍高いIFNBに対する感受性を示すことが記載されている(Raniら、op cit)。
(ELISA アッセイ)
IFNBの濃度は、市販のサンドイッチ免疫測定法(PBL Biomedical Laboratories、New Brunswick、NJ、USA)の使用により定量化される。キットは、試験サンプルにおいてIFNBを捕捉および検出するためのマウスモノクローナル抗IFNB抗体を用いるELISAに基づいている。検出抗体は、ビオチンに結合される。
試験サンプルおよび組換えヒトIFNB標準は、10〜0.25ng/mLの濃度でマイクロタイタープレートに0.1mL添加され、捕捉抗体によりプレコートされる。プレートは、室温で1時間インキュベートされる。試料および標準はキットの希釈緩衝液に希釈される。
プレートを、キットの緩衝液中で洗浄し、0.1mLのビオチン化した検出抗体とともに、室温で1時間インキュベートする。もう1回の洗浄後、ストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合体を0.1mL中に添加し、室温で1時間インキュベートする。
反応を0.1mLテトラメチルベンジジン(TMB)基質色原体の添加により視覚化する。プレートを室温で暗黒下で15分間インキュベートし、停止液の添加により反応を停止する。ELISA読み取り装置を使用して450nmにおける吸光度を読み取る。
(レセプター結合アッセイ)
本発明に使用するためのポリペプチドまたは結合体のレセプター結合能力は、「レセプター結合に対するIFNB(Phe101)の分析」(これは、DaudiまたはA549細胞に基づいている)と題されたWO95/25170号に記載されたアッセイを使用して決定し得る。IFNAR1およびIFNAR2の可溶性ドメインは、本質的にArduiniら、Protein Science、1999、8巻、1867〜1877または本明細書の実施例9に記載されるように入手し得る。
あるいは、レセプター結合能力は、架橋剤(例えば、以下のとおりに、Pierce、Rockford、IL USAから入手可能である二スクシニミジル基質(DSS))を使用して決定される。
ポリペプチドまたは結合体を製造者の指示書に従ってDSSの存在下または非存在下で可溶性IFNAR−2レセプターとともにインキュベートする。サンプルは、SDS−PAGEにより分離し、抗IFNB抗体またはIFNAR2抗体を使用するウエスタンブロットを行う。機能的IFNBポリペプチド/結合体:レセプターの相互作用の存在は、DSSの存在下におけるレセプターおよびIFNBの分子サイズにおける増加により明らかである。
さらに、本発明において使用するためのポリペプチドまたは結合体および両レセプターサブユニット(IFNAR−1およびIFNAR−2)を使用した架橋アッセイにより、インターフェロンレセプター1結合能力を確立し得る。これに関して、IFNAR−1は、インターフェロンβ:IFNAR−2複合体が形成された後のみ結合することが発表されている(Mogensenら、Jounal of Interferon and Cytokine Reserch、19巻:1069〜1098、1999)。
(インビトロ免疫原性試験)
本発明において使用するための結合体またはポリペプチドの免疫原性の減少は、参照分子または調製物と比較して、結合体またはポリペプチドの免疫反応性を測定するELISA法の使用により決定される。参照分子または調製物は、通常組換えIFNB調製物(例えば、Avonex(登録商標)、Rebif(登録商標)またはBetaseron(登録商標)またはこれらの生成物がつくられた方法と同等の方法により生じた、別の組換えIFNB調製物)である。ELISA法は、これらの組換えIFNB調製物の1つを用いて処置した患者からの抗体に基づいている。本発明の結合体またはポリペプチドが、本アッセイにおいて参照分子または調製物より統計的に有意に低い応答を有する場合、免疫原性は、減少すると考えられる。
免疫原性を決定する別の方法は、Rossら、J.Clin.Invest.95巻、1974〜78、1995に記載された方法と類似の方法によりIFNB(すなわち、任意の市販のIFNB製品)を用いて処置した患者からの血清の使用による。抗ウイルス中和バイオアッセイにおいては、免疫原性の減少は、野生型IFNB参照分子と比較して、本発明における使用のための患者の血清による結合体の阻害の減少を生じる。さらに、生物化学的なIFN結合アッセイにおいては、参照IFNB分子より少ない免疫原性結合体がより小さい範囲で患者のIgGに結合すると予想される。
中和アッセイについては、抗ウイルス中和バイオアッセイにおいて約80%のウイルス防御を生じる濃度に参照分子および改変体分子を添加する。IFNBタンパク質を、種々の希釈(1:20において開始する)で患者の血清と混合する。
(抗ウイルス活性)
A549細胞(CCL185、American tissue culture collection)および脳心筋炎(EMC)ウイルス(VR−129B、American tissue culture collection)を使用して抗ウイルスバイオアッセイを行う。
細胞を96ウェル組織培養プレートに、10,000細胞/ウェルの濃度で播種し、37℃で5%CO空気雰囲気でインキュベートする。本発明における使用のためのポリペプチドまたは結合体を100〜0.0001IU/mLの濃度で、ウシ胎仔血清および抗生物質を含む全量100μlのDMEM培地に添加する。
24時間後、培地を除去し、EMCウイルスを含む0.1mLの新たな培地を各ウェルに添加する。IFNBが含まれない細胞培養において、24時間後、100%の細胞死を引き起こす濃度でEMCウイルスを添加する。
さらに24時間後、WST−1アッセイを使用して、ポリペプチドまたは結合体の抗ウイルス効果を測定する。0.01mLのWST−1(WST−1細胞増殖剤、Roche Diagnostics GmbH、Mannheim、Germany)を0.1mL培地に添加し、5%のCO空気雰囲気下で、37℃で1/2〜2時間インキュベートする。生存可能な細胞におけるミトコンドリアデヒドロゲナーゼによるWST−1テトラゾリウム塩の切断は、450nmの吸光度を測定することによって定量化されるホルマザンの形成を生じる。
(インターフェロン刺激応答性成分(ISRE)アッセイにおける活性の中和)
抗IFNB血清のIFNB中和効果をISRE−ルシフェラーゼ活性アッセイを使用して分析する。
IFNB処置した患者からの血清または免疫化した動物からの血清を使用する。血清は、一定濃度(希釈 1:20〜1:500(患者血清)または20〜600ng/mL(動物血清))あるいは1/20ng/mL(患者血清)または600ng/mL(動物血清)で開始する5倍の連続した血清の希釈のいずれかで添加される。IFNBは、25.000IU/mLで開始する5倍希釈または一定濃度(0.1〜10IU/mL)のいずれかで、10%のFCSを添加した全量80μlのDMEM培地に添加される。血清をIFNBとともに37℃で1時間インキュベートする
サンプルは次いで、DMEM培地で24時間の前培養(15,000細胞/ウェル)から増殖したISRE−Lucを用いてトランスフェクトしたHeLa細胞を含む96ウェル組織培養プレートに移す。培地を5%CO空気雰囲気下で37℃で6時間インキュベートする。引き続き、LucLite基質(Packard Bioscience、Groningen、The Netherlands)を各ウェルに添加する。プレートを密封し、SPC(単光子計数法)モードのTopCountルミノメーター(Packard)により発光を測定する。
IFNBサンプルを一定量の血清の存在下で滴定する場合、中和効果を、EC50(血清あり)/EC50(血清なし)として定量した倍阻害(FI)として定義した。IFNB改変体タンパク質の抗体中和化の減少は、
Figure 2005519946
と定義される。
(生物学的半減期測定)
生物学的半減期の測定は、文献に記載された多数の方法により行われ得る。1つの方法は、Munafoら European Jouranal of Neurology、1998、5巻2号、187〜193に記載され、著者らは、IFNBの皮下投与および筋肉内投与後にIFNBの血清レベルを検出するELISA法を使用している。
静脈内投与後のIFNB血清濃度の急速な減少は、IFNB処置に対する生物学的な応答を評価することを重要にする。しかし、本発明に使用する改変体または結合体は、血清の半減期を延長すること、そして、また静脈内投与後、例えばELISA法による測定または一次スクリーニングアッセイによる測定を可能にすることが企図される。
種々の薬理学的なマーカー(例えば、血清ニュープテリン(serum neupterin)およびβ2マイクログロブリン)も研究されてきた(Clin Drug Invest(1999)18(1):27〜34)。これらは、延長された生物学的効果を評価するために等しく良好に使用され得る。これらの実験は、適切な動物種(例えば、ラット)においてもまた、行われ得る。
IFNBの生物学的効果(例えば、抗ウイルス効果、抗増殖性効果および免疫調節性効果(例えば、Annals of Neurology 1995 第37巻1号7〜15に記載される)を評価するアッセイは、本明細書に記載された、野生型IFNBと比較して結合体の生物学的効力を評価するための第1スクリーニングアッセイおよび第2スクリーニングアッセイとともに使用され得る。
(接近可能表面領域(ASA))
構造における個々の原子の接近可能表面領域(ASA)を算定するために、コンピュータプログラムアクセス(B.LeeおよびF.M.Richards、J.Mol.Biol.55:379〜400(1971)2版(著作権(c)1983 Yale University)を使用する。この方法は、代表的には1.4Åのプローブサイズを使用し、そしてプローブの中心により形成された領域として接近可能表面領域(ASA)を定義する。この計算の前に、全水分子および全水素原子を座標セットから除去し、同様に、直接タンパク質に関係しない他の原子も座標セットから除去する。代替プログラム(例えば、プログラムWhatIf G.Vriend、J.Mol.Graph.(1990)8、52〜56)が、ASAを算出するために利用し得、接近可能分子表面を計算するために、選択肢「接近可能性(Accessibility)」を使用して、http://swift.emblheidelberg.de/servers2/(R.Rodriguezら、CABIOS(1998)14、523〜528)にてインターフェースで電子的に利用し得る。
(側鎖の部分ASA)
側鎖中の原子のASAの合計を、伸張したALA−x−ALAトリペプチド中のその残基型の側鎖原子のASAを示す値で除算することにより、側鎖原子の部分ASAを算出する。Hubbard、CampbellおよびThornton(1991)J.Mol.Biol.220、507〜530を参照のこと。この例では、CA原子はグリシン残基の側鎖の一部としてみなされるが、残りの残基について、そうはみなされない。以下の表は、側鎖についての100%ASA基準を示す。
Figure 2005519946
(表面に露出されたアミノ酸残基の決定)
2.2Å分解能のヒトインターフェロンβの3次元結晶構造(Karpusasら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA(1997)94:11813〜11818)が、Protein Data Bank(PDB)から入手可能(Bernsteinら、J.Mol.Biol.(1977)112.pp.535)であり、http://www.pdb.org/におけるThe Research Collaboratory for Structural Bioinformatics PDBを介して、登録番号1AU1に基づいて電子的に入手可能である。この結晶構造は、A分子が使用されるこの実施例においてヒトインターフェロンβの2つの独立した分子を含む。
(表面露出)
上に記載されたWhatIfプログラムを使用して、以下の残基が、それらの側鎖原子に対する0表面接近可能性を有することを見出した(GlyについてCA原子の接近可能性を使用する):G7、N14、C17、L21、I44、A55、A56、T58、I59、M62、L63、L98、L122、Y125、I129、L133、A142、W143、V146、I150、N153、I157、L160、T161およびL164。
(部分表面露出)
さらなる分析のために、立体構造の衝突に起因して、R71,R113、K115、L116、M117残基の側鎖を再モデル化することが必要であった。再モデル化をMSI INCのModeler98を使用して行った。再モデル化インターフェロンβ分子(アミノ酸残基を含み、N結合型糖部分を除く)に関してAccessコンピュータープログラムを使用して部分的ASAの計算を行うことにより、結果として側鎖のうちの25%より多くが表面に露出された側鎖を有する以下の残基が生じた。
Figure 2005519946
(実施例1)
(哺乳動物細胞および昆虫細胞におけるIFNBの発現のための発現カセットの設計)
その天然のシグナルペプチドを含むヒトIFNBをコードする全長cDNAを含むDNA配列(GeneBank登録番号M28622(配列番号1に示される))を、哺乳動物細胞における高発現を容易にするために改変した。まず、ATG開始コドンの前後をKozakコンセンサス配列(Kozak、M.J Mol Biol 1987 8月20日;196(4):947〜50)に従って、ATG開始コドンの上流のコンセンサス配列に完全一致が存在するように改変した。第2に、非常に発現するヒト遺伝子において頻繁に使用されるコドンへとコドン使用に偏りを作成することによって、天然ヒトIFNBのコドンを改変した。引き続き、配列中の特定のヌクレオチドを、DNA制限酵素のための認識部位を導入する(これは、以後のDNA配列のより容易な改変を可能にする)ために、他の配列により置換した。プライマーを、その遺伝子が合成され得るように設計した:
Figure 2005519946
プラチナPfxポリメラーゼキット(Life Technologies)および標準的3段階PCRサイクルパラメーターを使用した一段階PCRによって、これらのプライマーを集めて合成遺伝子にした。構築した遺伝子を、同条件を使用したPCRにより増幅した。
精製TAGをIFNB分子に組み込むために、プライマーCBProFpr1および−14置換した以下:
Figure 2005519946
プライマーの使用を除いて上記と同じPCR条件を使用して、ヒトIFNBのN末端伸張形態をコードするcDNAを合成した。
合成された遺伝子を、pcDNA3.1/Hygro(Invitorgen)中の5’末端のHindIII部位および3’のBamHI部位の間にクローニングし、pCBProF1およびpCBProF2を得た。
上記標準的PCR条件および以下:
Figure 2005519946
のプライマーを使用することにより、pCI−Neo(Promega)由来の合成イントロンを増幅し、NheIおよびHindIIIを用いて切断した332bp PCR断片を得、プラスミドpCBProF1およびプラスミドpCBProF2の5’UTRに挿入し、pCBProF4およびpCBProF5を得た。
個々のアミノ酸についてコドンを、PCRが導入した配列中の改変を古典的クローニング技術により発現プラスミドに導入し得るように、PCRにより、コード領域の適切な領域を増幅することにより改変した。例えば、pCBProF1中の位置1055〜位置1243の領域にまたがるPCR断片に、K45R置換を導入するために、プライマー:
Figure 2005519946
を使用した。PCR断片およびpCBProF1の両方を、NarIおよびBsiWI(両方とも1つしか存在しない)を用いて切断した。PCR断片およびpCBProF1のベクター骨格を精製し、ライゲーションし、pCBProF1中のArgコドンCGCを用いてLys45コドンAAGを置換した。
さらに、SOE(配列突出伸張)PCRを、アミノ酸置換の導入のために使用した。SOE−PCRにおいて、IFNB分子のN末端部分およびC末端部分を、個別一次PCRにおいて最初に増幅した。
これらの一次PCRのために、置換すべきアミノ酸についてのコドンを所望のコドンに改変するように、中心相補的プライマーを合成した。末端プライマーは、IFNB分子のN末端およびC末端をそれぞれ定義する標準プライマーであった。さらに、末端プライマーは、全長PCR産物のその後のクローニングを可能にする制限酵素部位を提供した。従って、一次PCRの1つにおいてIFNBコード領域のN末端領域を増幅するために、中央(ナンセンス)プライマーおよびN末端(センス)プライマーを使用し、C末端部分についても同等に使用した。一旦増幅するとN末端部分およびC末端部分を2次PCRにおける全長産物へと構築し、上記のようにpCDNA3.1/Hygroの改変版にクローニングした。例えば、置換F111Nおよび置換R113Tについての変異を導入するために、以下のプライマー:
Figure 2005519946
を使用した。
さらに、導入された変異が、発現プラスミドにおいて唯一の制限エンドヌクレアーゼ部位に十分に接近した場合、1PCR段階を含む構築手順および引き続くクローニングを使用して、改変体遺伝子を構築した。例えば、置換K19Rを、以下のPCRプライマー:
Figure 2005519946
の使用によって導入した。
引き続き、制限エンドヌクレアーゼ部位BsiWIおよびBstBIを使用して、PCR産物をクローニングした。
(実施例2)
(111位に導入された1つのグリコシル化部位を有するIFNB改変体の構築および発現)
ヒトIFNBの111位において余分なN結合型グリコシル化部位を挿入するために、ヒトIFNB(実施例1に記載した)をコードする合成遺伝子(hinf−β)を、部位特異的PCR変異誘発により改変した。BIO−X−ACT(Bioline、UK)およびプラスミドPF050[hinf-β/pcDNA3.1(−)Hygro/Intron(pCI−neo(Promega、USA)から入手したキメライントロンが、ベクターのMCS内のBamHI部位とNheI部位との間に挿入されたpcDNA3.1(−)Hygro(Invitrogen、USA)の誘導体)]をテンプレートとして使用して、2つの重複するプライマーセット:
Figure 2005519946
を用いて2つのPCR反応を行い、それぞれ446bpおよび184bpの2つの断片を得た。これら2つの断片を、隣接プライマーCB41およびCB42を用いた第3PCRにおいて構築した。得られた遺伝子を哺乳動物発現ベクターpcDNA3.1(−)Hygro/Intron中に挿入し、DNA配列決定により、ヒトIFNB中に置換F111Nおよび置換R113Tを生じる正確な塩基変化を有することを確認した(PF085と名付けられたプラスミド)。
[F111N+R113T]ヒトIFNB改変体の活性を試験するために、トランスフェクト薬剤としてのLipofectamine2000(Life Technologies、USA)の使用によって、PF085をCHO K1細胞株(ATCC#CCL−61)中にトランスフェクトした。24時間後、培養培地を回収し、IFNB活性/濃度をアッセイした。
活性: 56046IU/ml[第一アッセイ]
ELISA: 80ng/ml
比活性:7×10IU/mg
観察され得るように、[F111N+R113T]ヒトIFNB改変体は、野生型ヒトIFNBの比活性の約2倍の非常に高い比活性を有する。
(実施例3)
(49位に1つのグリコシル化部位を導入したIFNB改変体の構築および発現)
WO01/15736号の実施例5に記載されたものと同様に、置換Q49Nおよび置換Q51Tにより付加的なN結合型グリコシル化部位を49位に導入した。PF043(hinf−β/pcDNA3.1(Invitrogen、USA))をテンプレートとして使用して、2つの重複するプライマーセット:
Figure 2005519946
を用いて、2つのPCR反応を行い、それぞれ228塩基対および369塩基対の2つの断片を得た。これら2つの断片を隣接するプライマーPBR7およびPBR8を用いた第3PCRにおいて構築した。得られた遺伝子を哺乳類の発現ベクターpcDNA3.1(−)ハイグロ/イントロン中に挿入し、DNA配列決定により、[Q49N、Q51T]ヒトIFNBを生じる正確な塩基変換を有することを確認した(PF104と名付けられたプラスミド)。
[Q49N+Q51T]ヒトIFNB改変体の活性を試験するために、トランスフェクト薬剤としてのLipofectamine2000(Life Technologies、USA)の使用によって、PF104をCHO K1細胞株中にトランスフェクトした。24時間後、培養培地を回収し、IFNB活性/濃度をアッセイした。
活性: 17639IU/ml[第一アッセイ]
ELISA: 10ng/ml
比活性:1.7×10IU/mg
[Q49N+Q51T]ヒトIFNB改変体は、高い比活性を有する。これは、ELISAに使用したモノクローナル抗体の1つによる、低い認識力のためであり得る。
(実施例4)
(2つの導入されたグリコシル化部位を有するIFNB改変体の構築および発現)
WO01/15736号の実施例5および6に記載されたさらなるグリコシル化部位を置換Q49N、置換Q51T、置換F111Nおよび置換R113Tの方法によって、ヒトIFNBに導入した。
PF085(WO01/15736号の実施例5に記載された)をテンプレートとして使用することにより、2つの重複するプライマーセット[PBR89(5’CGCGGATCCAGCCACCATGACCAACAAGTGCCTG)/PBR78およびPBR8/PBR77]を用いて2つのPCR反応を行い、それぞれ228塩基対および369塩基対の2つの断片を得た。
これら2つの断片をフランキングプライマーPBR89およびPBR8を用いた第3PCRにおいて構築した。得られた遺伝子を哺乳類の発現ベクターpcDNA3.1(−)ハイグロ/イントロン中に挿入し、配列決定により、[Q49N、Q51T、F111N、R113T]ヒトIFNBを生じる正確な塩基変換を有することを確認した(PF123と名付けられたプラスミド)。
トランスフェクト薬剤としてのFugene6(Roche)の使用によって、PF123をCHO K1細胞にトランスフェクトした。24時間後、培養培地を回収し、IFNB活性/濃度をアッセイした。
活性: 29401IU/ml[第一アッセイ]
ELISA: 14ng/ml
比活性:2.1×10IU/ml
明らかに、[Q49N+Q51T+F111N+R113T]ヒトIFNB改変体も高い比活性を有する。
試料および方法の節中に記載したレセプター結合アッセイ(それは架橋剤DSSの使用に基づいている)において、改変体がレセプター結合活性を有することを見出した。
(実施例5)
(ローラーボトル中での[Q49N、Q51T、F111N、R113T]ヒトIFNBグリコシル化改変体の生成)
[Q49N+Q51T+F111N+R113T]グリコシル化改変体を生じるCHOK1サブクローン(5/G−10)を、10%FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)を補充した200mlのDMEM/F−12培地(Life Technologies;カタログ番号31330)中のそれぞれ拡張した1700cmの表面を有する(Corning、USA)2つのローラーボトル中に播種した。2日後、培地を交換した。さらに2日後、2つのローラーボトルは、ほぼ100%コンフルエントであり、培地を1/500EX−CYTE(Serologicals Proteins;カタログ番号81129N)およびP/Sを補充した300mlの無血清UltraCHO培地(BioWhittaker;カタログ番号12−724)に移動した。この培地中で細胞を成長させることは、高い細胞集団を促進し、血清を含む培地において達成され得る細胞集団より高く促進する。2日後、培地を更新した。さらに2日後、培地を生産培地:1/100 ITSA(Life Technologies;カタログ番号51300−044)[ITSAはInsulin(1.0g/L)−Transferrin(0.55g/L)−Selenium(0.67mg/L)supplement for Adherent culturesを表す]、1/500EC−CYTEおよびP/Sを補充したDMEM/F−12培地(Life Technologies;カタログ番号21041)に移した。IFNB活性決定のために、培地サンプルを取り出す前に、2つのローラーボトルから回収した培地をプールした。
(実施例6)
([K19R、K45R、K123R]ヒトIFNBの生成、精製およびPEG化)
最後には、IFNB改変体K19R+K45R+K123Rを含み、100mlの無血清培地にするために、3T−175フラスコの10%FBSに加えてグルタミンおよびペニシリン/ストレプトマイシンを補充したDMEM培地(Life Technologies;カタログ番号21969−035)中にCOS−7細胞を播種した。トランスフェクト(ほぼ100%のコンフルーエンシー)の日に、トランスフェクトの4〜5時間前に、30mlの新鮮な培地により培地を更新した。トランスフェクトを調製するために、サプリメントを含まない1890μlのDMEM培地を14mlのポリプロピレンチューブ(Corning)にアリコートした。210μlのFugene6(Roche)を培地に直接添加し、室温で5分間インキュベートした。その間の時間、168μgのプラスミドDNA([K19R、K45R、K123R]INF−β/pcDNA3.1(−)Hygro;PF番号161)を別の14mlのポリプロピレンチューブにアリコートした。5分のインキュベート後、Fugene6混合物を直接DNA溶液に添加し、室温で15分間インキュベートした。インキュベート後、約700μlを3つの細胞培地のそれぞれに滴下法により添加した。
次の日、トランスフェクト培地を血清を含まない35mlの生産培地で置換した。血清を含まない培地は、グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、ペニシリン/ストレプトマイシン、1%ITSA(Life Technologies;カタログ番号51300−044)および0.2%Ex−Cyte(Serologicals Proteins;カタログ番号81−129)を補充したDMEM培地(Life Technologies;カタログ番号31053−028)に基づいている。生産培地を添加する前に、細胞層を添加物を含まないDMEM培地中で2回洗浄した。
トランスフェクト3日後に、100mlの血清を含まない培地をIFNB改変体の精製およびPEG化のために回収した。
pHは6.8に調整し、伝導率は、Milli Q水を用いて<10mS/cmに調整した。次いで、ブロスを緩衝液A(20mM リン酸、100mM NaCl、pH7)で前平衡化した1mlのSP550カチオン交換樹脂(TosoHaas)にバッチ吸収した。2時間の回転させながらの循環後、樹脂を沈殿させ、カラムに移した。樹脂を5カラム体積分の緩衝液Aで洗浄し、2mlの緩衝液B(20mM リン酸、800mM NaCl、pH7)で溶出した。溶出物を5%エチレングリコール添加後、VivaSpin(10kDaカットオフ)にて500μlに濃縮した。濃縮物を2mlの最終体積中において、50mM リン酸、0.3M NaCl、20%エチレングリコール、pH8に調整し、さらに0.5mlに濃縮した。
最終濃縮物を以下のようにPEG化した:100μlの最終濃縮物に、リン酸緩衝液(pH8)中に新たに調製した25μlの活性化mPEG−SPA(5000kDa、Shearwater、Alabama)を添加し、0mg/ml、5mg/ml、10mg/ml、25mg/mlまたは50mg/mlの活性化PEGの最終濃度を作製した。反応を、室温で30分間進行させ、次いで50mMグリシン緩衝液を添加することによりクエンチした。サンプルを−80℃でただちに凍結し、生物活性を記載されるとおりに測定した(第1アッセイ)。PEG化サンプル中に存在する未反応のIFNB改変体の量を評価するために、各サンプルのウエスタンブロットを行った。
結果は、ウエスタンブロットにより、25mg/mlの活性化PEGにおいて、非PEG化IFNB改変体が存在しないと判断されたこと、および改変体は、コントロールサンプル(0mg/mlの活性化PEGを用いる以外は、同じく処理した)と比較してその生物活性の50%を保持していることを示している。
(実施例7)
(49位に結合した、増加した炭水化物を有する改変体)
WO 01/15736号の実施例6に記載された、IFNB改変体内の位置49に挿入したN−結合型グリコシル化部位(Q49N、Q51T)は、約60%しか使用されない。結合した炭水化物の量を増加させるために、部位特異的PCR変異形成により、48位においてグルタミン残基を、フェニルアラニン(Q48F)、バリン(Q48V)およびトリプトファン(Q48W)で交換した。BIO−X−ACT(Bioline、UK)およびPF185(PF185は、Kozak配列を開始ATGの前に挿入したという事実にもかかわらず、PF104と同じcDNA配列(実施例6において記載した)を含有する)をテンプレートとして使用して、以下の重複するプライマーセット:
Figure 2005519946
を使用してPCR反応を行った。
断片を隣接するプライマーPBR89およびPBR8を用いたPCR反応において組み立てた。生じた遺伝子を哺乳類発現ベクターpcDNA3.1(−)Hygro/Intronに挿入し、それぞれ[Q48F、Q49N、Q51T]ヒトIFNB(PF305と名付けられたプラスミド)[Q48V、Q49N、Q51T]ヒトIFNB(PF306と名付けられたプラスミド)および[Q48W、Q49N、Q51T]ヒトIFNB(PF307と名付けられたプラスミド)を生じる正確な塩基交換を有することを配列決定により確認した。
トランスフェクト剤としてFugene 6(Roche)の使用により、PF305、PF306、PF307およびPF185([Q49N、Q51T]ヒトIFNBをコードする)をCHO K1細胞にトランスフェクト(ansfect)させた。24時間後、培養培地を回収し、IFNB活性をアッセイした。
PF185 134713 IU/ml
PF305 53122 IU/ml
PF306 65949 IU/ml
PF307 45076 IU/ml
これらのグリコシル化改変体中の結合した炭水化物の量を評価するために、各レーンにおいて等量の活性を有するウエスタンブロットを行った。導入したグリコシル化部位(Q49N、Q51T)の前部にアミノ酸交換(Q48F、Q48V、Q48W)が観察されたので、全て十分にグリコシル化した材料の増量を生じる。
別の実験においては、48位中の特にチロシンの挿入が、49位中に挿入されたN結合型グリコシル化部位に結合される炭水化物の増量を生じることが観察された。
(実施例8)
(111位に増加した炭水化物結合を有する改変体)
WO 01/15736号の実施例5に記載されたIFNB改変体[F111N、R113T]中の111位に挿入されたN−結合型グリコシル化部位は、約50%しか使用されない。結合型炭水化物の量を増加させるために、110位のアスパラギン酸残基を、部位特異的PCR変異形成により、フェニルアラニン(D110F)およびバリン(D110V)で交換した。BIO−X−ACT(Bioline、UK)およびPF085(WO 01/15736号の実施例5に記載された)をテンプレートとして使用して、重複するプライマーセット:
Figure 2005519946
を使用してPCR反応を行った。
断片を隣接するプライマーPBR89およびPBR8を用いたPCR反応において組み立てた。生じた遺伝子を哺乳類発現ベクターpcDNA3.1(−)Hygro/Intronに挿入し、それぞれ[D110F、F111N、R113T]ヒトIFNB(PF308と名付けられたプラスミド)および[D110V、F111N、R113T]ヒトIFNB(PF309と名付けられたプラスミド)を生じる正確な塩基交換を有することを配列決定により確認した。
トランスフェクト剤としてFugene 6(Roche)の使用により、PF308、PF309およびPF085([F111N、R113T]ヒトIFNBをコードする)を、CHO K1細胞にトランスフェクトさせた。24時間後、培養培地を回収し、IFNB活性をアッセイした。
PF085 58615 IU/ml
PF308 50900 IU/ml
PF309 15063 IU/ml
これらのグリコシル化改変体中の結合した炭水化物の量を評価するために、各レーンにおいて等量の活性を有するウエスタンブロットを行った。導入したグリコシル化部位(F111N、R113T)の前部にアミノ酸交換(D110FおよびD110V)が観察されたので、両方とも顕著に増量した十分にグリコシル化した材料を生じる。
別の実験においては、110位中の特にチロシンの挿入が、111位中に挿入されたN結合型グリコシル化部位に結合される炭水化物の増量を生じることが観察された。
(実施例9)
(糖型IFNBポリペプチドの分離)
ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーは、糖型IFNBの分離(例えば、十分にグリコシル化部位を利用した糖型を得る)に対して、効果的な方法である。この方法を本発明の実施例において例証する。
WO 01/15736号の実施例8に記載されたように生成されたIFNB改変体[Q49N+Q51T+F111N+R113T]を3工程手順で精製した。
ローラーボトルから回収した培地を遠心分離し、0.22μmフィルター(PVDF)を介してろ過した。ろ過した培地を、cut off 10000を有するポリエーテルスルホン膜を備えたVivaflow200系でダイアフィルトレーションを行い、50mM 酢酸ナトリウム、50mM 塩化ナトリウム、pH5.5によって平衡化したS−セファロースカラム(Pharmacia)に適用した。カラムに結合したIFNB改変体を、50mM 酢酸ナトリウム、0.5M 塩化ナトリウム、pH5.5によって抽出した。S−セファロースカラムから溶出した塩化ナトリウムの濃度を1.0Mに調整し、サンプルを50mM 酢酸ナトリウム、1.0M 塩化ナトリウム、pH5.5によって平衡化したフェニル−セファロース高性能カラム(Pharmacia)に適用した。適用に続いて、カラムをMilli Q水を用いて洗浄した。IFNB改変体を、30カラム分の体積のMilli Q水〜60%エチレングリコール、50mM 酢酸ナトリウム、pH5.5の勾配を用いて溶出した。十分にグリコシル化したIFNB改変体を含む画分を収集し、溶出物中の緩衝液を15mM リン酸ナトリウム緩衝液pH7.2に交換した。サンプルを15mM リン酸ナトリウムにより平衡化したヒドロキシアパタイトカラム(CHT II、セラミックヒドロキシアパタイト、II型、Biorad)に適用した。使用される1つの付加的な部位を有する過少グリコシル化形態がカラムに結合するのに対して、十分にグリコシル化した形態は、カラムを通過し、20カラム分の体積の15mM〜200mMの直線的リン酸ナトリウム勾配を用いて溶出した。
十分にグリコシル化した[Q49N+Q51T+F111N+R113T]IFNBの純度をSDS−PAGEに基づいて95%より高いと判断した。
(実施例10)
(グリコシル化部位に導入したIFNB改変体のPEG化)
各実験の前に、SCM−PEGの新鮮なストック溶液(Shearwater、Alabama由来のカルボキシメチル化PEGのスクシニミジルエステル、5kDaまたは12kDa)をメタノール中に調製した。
50mM リン酸ナトリウム、100mM 塩化ナトリウム、pH7.0中のグリコ改変体[Q49N+Q51T+F111N+R113T]ヒトIFNBの0.3mg/ml溶液100μlを、潜在的PEG化部位(すなわちリジンおよびN末端)に対して、2倍モル濃度の過剰のPEGを有する5kDaまたは12kDaのSCM−PEGを用いてPEG化した。室温でのインキュベート30分後、5μlの20mM グリシン、pH8.0の添加により反応をクエンチした。この段階では、反応混合物は、SDS−PAGEにより非改変タンパク質と判断されたものの微量部分を含んだ。第1スクリーニングアッセイを使用したインビトロの試験によって、12kDaのPEGの1〜3群が結合したPEG化物質は、40%の活性を保持したことが示された。5kDaのPEGの1〜3群が結合したPEG化物質が保持した生物活性は25%であった。
別の実験においては、0.1mg/mlのタンパク質濃度を有する、50μlの精製した[Q49N+Q51T+F111N+R113T+K19R+K45R+K123R]ヒトIFNBを、潜在的PEG化部位(すなわち、リジンおよびN末端)に対して20倍モル濃度の過剰のPEGを有するSCM−PEG、5kDaを含む50mM リン酸ナトリウム、100mM 塩化ナトリウム、pH8.0中でPEG化した。室温でインキュベート30分後、5μlの20mM グリシン、pH8.0の添加により反応をクエンチした。この段階では、反応混合物は、SDS−PAGEにより非改変タンパク質と判断されたものの微量部分を含んだ。
第1スクリーニングアッセイを使用したインビトロの試験によって、5kDaのPEGの1〜3群が結合したPEG化物質は、45%の活性を保持したことが示された。1つまたはいくつかのリジンが他のアミノ酸残基で置換された改変体をPEG化するためには、より高いモル濃度過剰のPEGが必要である。
サイズ排除クロマトグラフィーか、またはカチオン交換クロマトグラフィーか、もしくは両方の組み合わせのいずれかを使用して、PEG化物質を、非PEG化物質および過剰のPEGから分離した。PBS緩衝液、pH7.2で平衡化した、Pharmacia由来のSuperose 12カラムまたはSuperdex 75カラムを用いてサイズ排除クロマトグラフィーを行った。カチオン交換クロマトグラフィーを、20mMクエン酸、pH2.7で平衡化したSP−セファロースHP(Pharmacia)により行った。SP−セファロースHPカラムからの溶出を、塩(例えば、塩化ナトリウム)の濃度を増加することによるかまたは緩衝液(例えば、酢酸ナトリウムまたはリン酸ナトリウム)のpHを増加させることによるかのいずれかにより行った。
(実施例11)
(C17Sの置換を行うことによるグリコシル化IFNB改変体の安定化)
CHO−K1細胞に、2つの高グリコシル化IFNB改変体:[S2N、N4T、Q51N、E53T]ヒトIFNB(PF276)および[S2N、N4T、C17S、Q51N、E53T]ヒトIFNB(PF279)をコードするプラスミドをトランスフェクトさせた。コンフルエントで安定な一次トランスフェクションプールを4つのT175フラスコ内でそれぞれ増殖させた。コンフルーエンシーにおいては、血清を含む培地から、1/100 ITSA(Life Technologies、番号51300−044)および1/1000Ex−Cyte(Serologicals Corp.番号81−129)を補充した、DMEM/F−12培地(Lifetecnologies、番号21045−025)に基づいた、血清を含まない培地に、フラスコを移した。15日間毎日、各改変体の120mlを回収し、−80℃で凍結した。
毎日の回収物からの上清を収集し、0.22μmフィルター(PVDFベース)を通してろ過した。cut−off 10000を有するポリエーテルスルホン膜を備えたVivaflow 200システムにより上清を約15倍濃縮し、そして、濃縮サンプルを、50mM 酢酸ナトリウム、50mM NaCl、pH5.5で平衡化したS−セファロースカラムに適用した。IFNB改変体を50mM 酢酸ナトリウム、0.5M NaCl、pH5.5を用いた1段階で溶出した。
S−セファロースカラムからの溶出物における塩化ナトリウムの濃度を1.0Mに調整し、サンプルを50mM 酢酸ナトリウム、1.0M 塩化ナトリウム、pH5.5で平衡化したフェニル−セファロースカラムに適用した。IFNB改変体を、50mM 酢酸ナトリウム、pH5.5中の60%エチレングリコールで溶出する前に、平衡化緩衝液を用いた広範な洗浄を行った。
精製後の非還元型SDS−PAGEは、[S2N、N4T、Q51N、E53T]ヒトIFNBを有する二量体の形成を明らかに示し、他方で、[S2N、N4T、C17S、Q51N、E53T]ヒトIFNBを有する二量体は、存在しないことを示した。
(実施例12)
([C17S+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T]ヒトIFNB改変体の産生、精製、およびPEG化)
[C17S+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T]ヒトIFNBグリコシル化改変体を産生するCHOK1サブクローン(5/G−10)を、10%FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)を補充した200mlのDMEM/F−12培地(LifeTechnologies;カタログ番号31330)中のそれぞれ拡張した1700cmの表面を有する(Corning、USA)6つのローラーボトル中に播種した。2日後、培地を交換した。さらに2日後、2つのローラーボトルは、ほぼ100%コンフルエントであり、培地を1/500EX−CYTE(血清学的タンパク質;カタログ番号81129N)およびP/Sを補充した300mlの血清が含まれないUltraCHO培地(BioWhittaker;カタログ番号12−724)に移した。この培地中で細胞を増殖させることは、より高い細胞質量を促進し、血清を含む培地において達成され得る細胞質量より高く促進する。2日後、培地を更新した。さらに2日後、培地を産生培地:1/100 ITSA(Life Technologies;カタログ番号51300−044)[ITSAは、付着培養のためのインスリン(1.0g/L)−トランスフェリン(0.55g/L)−セレニウム(0.67mg/L)の補充を意味する]、1/500EC−CYTEおよびP/Sを補充したDMEM/F−12培地(Life Technologies;カタログ番号21041)に移した。IFNB活性決定のために、培地サンプルを取り出す前に、ローラーボトルから回収した培地をプールした。21日間毎日、1.8lの培地を回収し、−80℃で凍結した。
ローラーボトルから回収した培地を遠心し、0.22μmのフィルター(PVDF)を通してろ過した。ろ過した培地を、cut off 10000を有するポリエーテルスルホン膜を備えたVivaflow200システムでダイアフィルトレーションを行い、S−セファロースカラム(Pharmacia)に適用した。
S−セファロースカラムを、50mM 酢酸ナトリウム、50mM 塩化ナトリウム、pH5.5によって平衡化し、インターフェロン改変体を、50mM 酢酸ナトリウム、0.5M 塩化ナトリウム、pH5.5を用いて溶出した。溶出液中の塩化ナトリウムの濃度を1.0Mに調整した。
S−セファロースカラム由来の溶出液を、50mM 酢酸ナトリウム、1.0M 塩化ナトリウム、pH5.5で平衡化したフェニル−セファロース高性能カラム(Pharmacia)に適用した。適用に続いて、カラムを50mM 酢酸ナトリウム、50mM 塩化ナトリウム、pH5.5を用いて洗浄した。IFNB改変体を、30カラム分の体積の50mM酢酸ナトリウム、50mM塩化ナトリウム、pH5.5〜60%エチレングリコール、50mM 酢酸ナトリウム、pH5.5の勾配を用いて溶出した。十分にグリコシル化したIFNB改変体を含む画分を収集し、プールした。
溶出物を50mM 酢酸ナトリウム、50mM 塩酸ナトリウム、pH5.5を用いて平衡化したS−セファロースカラムを通すことにより、フェニル−セファロース由来の溶出物中のエチレングリコールを除去した。インターフェロン改変体はカラムに結合したが、流出物中にエチレングリコールは存在した。適用に続いて、カラムを20mM 酢酸ナトリウム、pH5.5を用いて洗浄し、インターフェロン改変体を、100mM リン酸ナトリウム、pH7.5を用いて溶出した。
溶出物中のリン酸塩の濃度を15mM リン酸ナトリウム緩衝液、pH7.2に調整し、15mMリン酸ナトリウム、pH7.2を用いて平衡化したヒドロキシアパタイトカラム(CHT I、セラミック ヒドロキシアパタイト、1型、Biorad)に適用した。使用される1つの付加的な部位を有する非グリコシル化形態はカラムに結合したが、十分にグリコシル化した形態は、カラムを通過し、20カラム分の体積のpH6.8の15mM〜200mMのリン酸ナトリウムの直線的勾配を用いて溶出した。
SDS−PAGEに基づいて、十分にグリコシル化した[C17S+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T]ヒトIFNB改変体の純度を、95%より高いと判断した。
精製後、改変体をPEG化した。10mg/ml SCM−PEG(Shearwater、Alabama由来のカルボキシメチル化PEGのスクシニミジル エステル、12Kまたは20K)の新鮮なストック溶液を、各実験の前に96%エタノール中で調製した。
20mMリン酸ナトリウムpH7.0中の0.1mg/mlのタンパク質溶液を、潜在的PEG化部位(すなわちリジンおよびN末端)に対して、0.75倍モル濃度の過剰のPEGを有するSCM−PEG、20Kを用いてPEG化した。室温でインキュベート30分後、過剰の20mM グリシン、pH8.0の添加により反応をクエンチした。反応混合物は、モノ−PEG化物質、ジ−PEG化物質および非PEG化物質の混合物を含んだ。カチオン交換クロマトグラフィーか、またはサイズ排除クロマトグラフィーか、もしくは両方の組み合わせのいずれかの使用により、モノ−PEG化物質を他の種から分離した。PEG化溶液において、pHは、pH2.7に調整し、サンプルを、20mM クエン酸ナトリウム、pH2.7で平衡化したSP−セファロース HR(Pharmacia)カラムに適用した。PEG化したタンパク質を、1M 塩化ナトリウムを含む50mM 酢酸ナトリウムを用いてカラムから溶出し、そして、100mM 酢酸ナトリウム、200mM 塩化ナトリウム、pH5.5を用いて平衡化した、サイズ排除カラム、Sephacryl S−100((16/60)Pharmacia)に適用した。モノPEG化物質を含む分画をプールし、さらに特徴付けた。
別の実験においては、20mM リン酸ナトリウム、pH7.0中の0.16mg/mlのタンパク質溶液を、潜在的PEG化部位(すなわちリジンおよびN末端)に対して、2倍モル濃度の過剰のPEGを有するSCM−PEG、12Kを用いてPEG化した。室温でインキュベート30分後、過剰の20mM グリシン、pH8.0の添加により反応をクエンチした。反応混合物は、非誘導体化物質とともに、モノ−PEG化物質、ジ−PEG化物質、トリ−PEG化物質の混合物を含んだ。カチオン交換クロマトグラフィーか、またはサイズ排除クロマトグラフィーか、もしくは両方の組み合わせのいずれかの使用により、非改変タンパク質からPEG化物質を分離した。PEG化溶液において、pHは、pH2.7に調整し、サンプルを、20mM クエン酸ナトリウム、pH2.7で平衡化したSP−セファロース HR(Pharmacia)カラムに適用した。PEG化したタンパク質を、1M 塩化ナトリウムを含む50mM 酢酸ナトリウムを用いてカラムから溶出し、そして、100mM 酢酸ナトリウム、200mM 塩化ナトリウム、pH5.5を用いて平衡化した、サイズ排除カラム、Sephacryl S−100((16/60)Pharmacia)に適用した。モノ−PEG化タンパク質、ジ−PEG化タンパク質およびトリ−PEG化タンパク質の混合物を含む分画をプールし、さらに特徴付けた。
(実施例13)
(ローラーボトル中の[C17S+K19R+K33R+K45R+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T]ヒトIFNB改変体の産生、精製、およびPEG化)
実施例12中に記載したように、6個のローラーボトル中で、[C17S+K19R+K33R+K45R+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T]ヒトIFNBグリコシル化改変体を産生するCHOK1サブクローン(5/G−10)を産生し、実施例12において使用したプロトコルに従って精製した。SDS−PAGEに基づいて、十分にグリコシル化した[C17S+K19R+K33R+K45R+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T]ヒトIFNB改変体の純度を95%より高いと判断した。
精製に続いて、改変体をPEG化した。各実験の前に、SCM−PEGの新鮮なストック溶液(Sherwater、Alabama由来のカルボキシメチル化PEGのスクシニミジルエステル、12kDaまたは20kDa)を、エタノール中で調製した。
20mM リン酸ナトリウム、pH7.0中の0.1mg/mlのタンパク質溶液を、潜在的PEG化部位(すなわちリジンおよびN末端)に対して、3倍モル濃度の過剰のPEGを有するSCM−PEG、20Kを用いてPEG化した。室温でのインキュベート30分後、過剰の20mM グリシン、pH8.0の添加により反応をクエンチした。反応混合物は、モノ−PEG化物質、ジ−PEG化物質および非PEG化物質の混合物を含んだ。カチオン交換クロマトグラフィーか、またはサイズ排除クロマトグラフィーか、もしくは両方の組み合わせのいずれかの使用により、他種からモノ−PEG化物質を分離した。PEG化溶液において、pHは、pH2.7に調整し、サンプルを、20mM クエン酸ナトリウム、pH2.7で平衡化したSP−セファロース HR(Pharmacia)カラムに適用した。PEG化したタンパク質を、1M 塩化ナトリウムを含む50mM 酢酸ナトリウムを用いてカラムから溶出し、そして、100mM 酢酸ナトリウム、200mM 塩化ナトリウム、pH5.5を用いて平衡化した、サイズ排除カラム、Sephacryl S−100((16/60)Pharmacia)に適用した。モノ−PEG化物質を含む分画をプールし、さらに特徴付けた。
別の実験においては、20mM リン酸ナトリウム、pH7.0中の0.16mg/mlのタンパク質溶液を、潜在的PEG化部位(すなわちリジンおよびN末端)に対して、5倍モル濃度の過剰のPEGを有するSCM−PEG、12Kを用いてPEG化した。室温でインキュベート30分後、過剰の20mM グリシン、pH8.0の添加により反応をクエンチした。反応混合物は、非誘導体化物質とともに、モノ−PEG化物質、ジ−PEG化物質、トリ−PEG化物質の混合物を含んだ。カチオン交換クロマトグラフィーか、またはサイズ排除クロマトグラフィーか、もしくは両方の組み合わせのいずれかの使用により、非改変タンパク質からPEG化物質を分離した。PEG化溶液において、pHは、pH2.7に調整し、サンプルを、20mM クエン酸ナトリウム、pH2.7で平衡化したSP−セファロース HR(Pharmacia)カラムに適用した。PEG化したタンパク質を、1M 塩化ナトリウムを含む50mM 酢酸ナトリウムを用いてカラムから抽出し、そして、100mM 酢酸ナトリウム、200mM 塩化ナトリウム、pH5.5を用いて平衡化した、サイズ排除カラム、Sephacryl S−100((16/60)Pharmacia)に適用した。モノ−PEG化タンパク質、ジ−PEG化タンパク質およびトリ−PEG化タンパク質の混合物を含む分画をプールし、さらに特徴付けた。
【配列表】
Figure 2005519946
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Claims (46)

  1. 霊長類における発作または脳血管障害(CVA)の処置のための医薬の製造のための、インターフェロンβ(IFNB)ポリペプチド改変体の使用であって、該改変体は、少なくとも1つのグリコシル化部位が導入された野生型ヒトIFNB(配列番号2)のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を含む、使用。
  2. 前記発作が、虚血性発作である、請求項1に記載の使用。
  3. 前記虚血性発作が、塞栓性発作、心原性脳塞栓症発作、血栓性発作、大血管血栓症、ラクナ梗塞、動脈−動脈発作および原因不明の発作である、請求項2に記載の使用。
  4. 前記発作が、出血性発作である、請求項1に記載の使用。
  5. 前記出血性発作が、実質内発作、硬膜下発作、硬膜外発作およびクモ膜下発作からなる群から選ばれる、請求項4に記載の使用。
  6. 霊長類における一過性脳虚血発作の処置のための医薬の製造のためのインターフェロンβ(IFNB)ポリペプチド改変体の使用であって、該改変体は、少なくとも1つのグリコシル化部位が導入された野生型ヒトIFNB(配列番号2)のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を含む、使用。
  7. 前記霊長類がヒトである、請求項1〜6のいずれかに記載の使用。
  8. 前記グリコシル化部位がインビボのN−グリコシル化部位である、請求項1〜7のいずれかに記載の使用。
  9. 前記IFNB改変体がアシアロ−グリコシル化される、請求項8に記載の使用。
  10. 前記改変体の前記アミノ酸配列が、野生型ヒトIFNB(配列番号2)のアミノ酸配列と、1〜15のアミノ酸残基が異なる、請求項1〜9のいずれかに記載の使用。
  11. 前記少なくとも1つのグリコシル化部位が、
    Figure 2005519946
    からなる群から選択される置換により導入される、請求項1〜10のいずれかに記載の使用。
  12. 前記置換が、S2N+N4T、L9N+R11T、Q49N+Q51T、R71N+D73TおよびF111N+R113Tからなる群から選択される、請求項11に記載の使用。
  13. 前記置換が、Q49N+Q51T、R71N+D73TおよびF111N+R113Tからなる群から選択される、請求項12に記載の使用。
  14. 前記置換が、Q49W+Q51TおよびF111N+R113Tからなる群から選択される、請求項13に記載の使用。
  15. 前記改変体が、
    Figure 2005519946
    からなる群から選択される置換を含む、請求項11〜14のいずれかに記載の使用。
  16. 前記改変体が、置換Q49N+Q51T+F111N+R113Tを含む、請求項15に記載の使用。
  17. ヒト野生型IFNB(配列番号2)の位置17に位置するシステイン残基が取り除かれた、請求項1〜16のいずれかに記載の使用。
  18. 前記システイン残基が置換C17Sにより取り除かれた、請求項17に記載の使用。
  19. 前記改変体が、
    Figure 2005519946
    からなる群から選択される置換を含む、請求項18に記載の使用。
  20. 前記改変体が、置換C17S+Q49N+Q51T+F111N+R113Tを含む、請求項19に記載の使用。
  21. 前記改変体が、位置110における置換を含む、請求項1〜20のいずれかに記載の使用。
  22. 前記置換が、D110F、D110V、D110WおよびD110Yからなる群から選択される、請求項21に記載の使用。
  23. 前記置換が、D110Fである、請求項22に記載の使用。
  24. 前記改変体が、
    Figure 2005519946
    からなる群から選択される置換を含む、請求項23に記載の使用。
  25. 前記改変体が、置換C17S+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113Tを含む、請求項24に記載の使用。
  26. 前記改変体が、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する、請求項25に記載の使用。
  27. ポリマー分子が、改変体のアミノ酸配列に共有結合的に結合し、前記アミノ酸残基がポリマー分子に対する結合基を含む、請求項1〜26のいずれかに記載の使用。
  28. 前記ポリマーが、PEGポリマーである、請求項27に記載の使用。
  29. 前記結合基が、リジン残基のε−アミノ基またはN末端アミノ基である、請求項27または28に記載の使用。
  30. 少なくとも1つのリジン残基が取り除かれた、請求項27〜29のいずれかに記載の使用。
  31. 前記リジン残基が、K19、K33、K45、K52、K99、K105、K108、K115、K123、K134、およびK136からなる群から選択される、請求項30に記載の使用。
  32. 前記リジン残基が、K19、K33、K45またはK123からなる群から選択される、請求項31に記載の使用。
  33. 前記リジン残基が、アルギニン残基またはグルタミン残基による該リジン残基の置換により取り除かれた、請求項30〜32のいずれかに記載の使用。
  34. 前記置換が、
    Figure 2005519946
    からなる群から選択される、請求項33に記載の使用。
  35. 前記置換が、K19R+K45R+K123R、K19R+K33R+K123R,K19R+K33R+K45RおよびK33R+K45R+K123Rからなる群から選択される、請求項34に記載の使用。
  36. 前記置換が、K19R+K33R+K45Rからなる群から選択される、請求項35に記載の使用。
  37. 前記改変体が、
    Figure 2005519946
    からなる群から選択される置換を含む、請求項36に記載の使用。
  38. 前記改変体が、置換C17S+Q49N+Q51T+D110F+F111N+R113T+K19R+K33R+K45Rを含む、請求項37に記載の使用。
  39. 霊長類における発作または脳血管障害(CVA)を処置するまたは予防するための方法で、前記方法が、有効量のインターフェロンβ(IFNB)ポリペプチド改変体の、それを必要とする霊長類への投与を含み、該インターフェロンβ(IFNB)ポリペプチド改変体が、野生型ヒトIFNBのアミノ酸配列(配列番号2)とは異なる、少なくとも1つのグリコシル化部位を導入したアミノ酸配列を含む、方法。
  40. 前記発作が虚血性発作である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記虚血性発作が、塞栓症発作、心臓塞栓症発作、血栓症発作、大血管血栓症、ラクナ梗塞、動脈−動脈発作および原因不明の発作からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
  42. 前記発作が、出血性発作である、請求項39に記載の方法。
  43. 前記出血性発作が、実質内発作、硬膜下発作、硬膜外発作およびクモ膜下発作からなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
  44. 霊長類における一過性脳虚血発作を処置するまたは予防するための方法であって、該方法が、有効量のインターフェロンβ(IFNB)ポリペプチド改変体の、それを必要とする霊長類への投与を含み、該インターフェロンβ(IFNB)ポリペプチド改変体が、野生型ヒトIFNBのアミノ酸配列(配列番号2)とは異なる、少なくとも1つのグリコシル化部位を導入したアミノ酸配列を含む、方法。
  45. 前記霊長類がヒトである、請求項39〜44のいずれかに記載の方法。
  46. 前記IFNB改変体が、請求項8〜38のいずれかにより規定された、請求項39〜45のいずれかに記載の方法。
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