JP2005518202A - 非環状核酸を二次元コンホメーション依存分離するための方法 - Google Patents

非環状核酸を二次元コンホメーション依存分離するための方法 Download PDF

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Abstract

線状核酸フラグメントをそれらのコンホメーションに基づいて分離するための方法を提供する。この方法は、新規な二次元ゲル電気泳動法に基づく。1態様において本発明方法は、第1次元において、核酸試料を第1組の予め定めた電気泳動条件下でゲルマトリックス中を電気泳動し;第2次元において、該ゲルマトリックスを第2組の電気泳動条件下で電気泳動することを含み、これにより、長さは等しいがコンホメーションの異なる核酸フラグメントが分離され;第1と第2の電気泳動条件は、これらの次元のうち一方では電気泳動により試料核酸フラグメントをコンホメーションと長さに基づいて分離でき、これらの次元のうち他方では電気泳動により試料フラグメントを実質的に長さに基づいて分離できるように異なっている。この相異は、好ましくは線状核酸フラグメント間のコンホメーションの相異を低減できる化学的作用因子により樹立される。

Description

本発明は、核酸分析、詳細には核酸調製物をスクリーニングして、コンホメーションの変化した線状核酸フラグメントを同定、単離および特徴付けするための分野のものである。一例には、DNA多型による、および塩基または主鎖の構造修飾によるコンホメーション変化が含まれるが、これらに限定されない。本発明方法は、不適正対合した(mismatched)非環状DNAフラグメントを、ヘテロ−およびホモハイブリッドの複雑な混合物から、それらのコンホメーションの相異に基づいて分離および単離するのに特に有用である。
線状DNAフラグメントの異常な二次構造は、分子全体の著しいコンホメーション変化をもたらすことがしばしばある。線状核酸フラグメントのそのようなコンホメーション変化は屈曲を生じる頻度が高く、これは末端−末端距離の縮小を特色とする。屈曲は、たとえば不適正対の(mispaired)塩基、挿入/欠失ループ、UV損傷、塩基付加物(base adducts)、塩基メチル化、A−トラクト、GGCC配列、架橋、DNAヘアピンまたは十字形、スリップ鎖構造、タンパク質結合およびニッキングを含む線状DNAフラグメント中に検出または提唱されている。DNAコンホメーション全般、および二次構造変化による線状DNAフラグメントのコンホメーション変化が、各種の直接法および間接法、たとえばX線回折、核磁気共鳴分光法(NMR)、電子顕微鏡検査(EM)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、およびゲル・リターデーション(ゲルシフト)分析を用いて分析されている。
あるゲル電気泳動法では線状DNAフラグメントを長さとコンホメーションの両方に基づいて分離でき、一方、他の方法ではDNAフラグメントを本質的にそれらの長さに基づいて分離する。ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)は前者のカテゴリーに含まれる方法の例であり、アガロース電気泳動は後者の例である。DNAフラグメントを長さ、または長さとコンホメーションの両方に基づいて分離できるマトリックス中でのゲル電気泳動の厳密な物理的理論は、提示されていない。しかし、PAGEによれば、分離される各線状DNAフラグメントの屈曲度の二乗に伴って泳動が低下するような、線状DNAフラグメントのコンホメーション依存分離が可能なことは認められている[1]。線状DNAフラグメントの屈曲と泳動のこの量的関係を実験的に利用して、DNA屈曲の評価がなされている。そのような方法は、コンホメーションの変化した線状DNAフラグメントは正常なコンホメーションをもつDNAフラグメントと比べて異なる速度でゲルマトリックス中を泳動するという事実に基づいている。各フラグメントの長さが既知である場合は、これらの泳動速度の相異をさらに利用し、それらのコンホメーションに基づいて線状DNAフラグメントを分離および単離することができる。原理的には、PAGEを用いると多様なコンホメーションをもつ等しい長さの線状DNAフラグメントを十分な解像度で分離できるはずである。
変異または多型をスクリーニングするために用いられるこれまで記載されている幾つかの分析法は、この原理に基づいている。ヘテロデュプレックス分析(HA)は、不適正対合(mismatched)ヘテロハイブリッドと完全適正対合(parfectly matched)ヘテロ−およびホモハイブリッドの泳動速度を比較することにより多型を走査するのに用いる方法である。2以上の個体からの相同DNA試料を融解および再アニーリングした後のDNA混合物は、個体間に多型性がある場合は一部または全部が不適正対合したヘテロハイブリッド、および完全適正対合したホモハイブリッドの両方を含有するであろう。あるいは、DNA試料の配列が同一である場合、この混合物は完全適正対合したヘテロ−およびホモハイブリッドを含有するであろう。再アニーリング後、DNA混合物をPAGEにより分析する。試料が不適正対合ハイブリッドを含有する場合、完全適正対合デュプレックスと比較してそれらのコンホメーションが変化しているため、ゲル中でのそれらの泳動は遅滞するであろう。HAの感度および信頼性を高めるための幾つかの変法が開発された。コンホメーション感受性ゲル電気泳動(CSGE)は、HAの周知の変法である[2,3]。この方式は、一塩基不適正対合の傾向を増強してコンホメーション変化を生じさせるために、緩和な変性作用溶剤を使用する(参照:USP5,874,212、Prockopらに交付)。
線状DNAフラグメントを分離するためにこれまで記載されているコンホメーション依存分離法、たとえばHAおよびCSGEの利用は、分析されるDNA分子が既知の長さのものである場合に限定される。さらに、1種類または多くとも数種類のDNAフラグメントを含有する単純なDNA試料を検査できるにすぎない。試料が長さの異なるDNAフラグメントの複雑な混合物を含有する場合、個々のバンドが重なるか、または十分には解像されないため、それらのうちどれがコンホメーションのため泳動の相異を示すかを同定するのは不可能である。これはこの手法の利用を制限するので、重大な欠点である。同様な制限が、これに類する毛細管電気泳動またはクロマトグラフィーに基づく他の手法(たとえばdHPLC)にも当てはまる。
複雑な混合物から個々の線状DNAフラグメントをそれらの長さとは関係なくコンホメーションの相異のみに基づいて分離する方法は、きわめて有用であろう。そのような方法があれば、長さの異なる多数の線状DNAフラグメントを含有する複雑な試料を分析できる。そのような方法を利用できる例には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:不適正対合ヘテロデュプレックスと完全適正対合ヘテロ−およびホモデュプレックスの物理的分離により、いずれかのクラスを単離および富化することができる;多数のフラグメントの不適正対合を同時走査する;損傷を受けたDNA分子を多量の非損傷分子から単離する;ならびに核酸再アニーリングの効率を推定する。
線状DNAフラグメントを、長さに依存せずに、または本質的に長さに依存せずに、それらのコンホメーションに基づいて分離できる方法のひとつは、二次元(2−D)ゲル電気泳動系の開発である。そのような系は、DNAフラグメントを一方の次元では長さとコンホメーションの両方に基づいて分離するが、他方の次元では長さのみに基づいて分離するものであろう。
線状DNAフラグメントをコンホメーションに基づいて分離できる2種類の2−Dゲル電気泳動法が80年代後期に記載された[4,5]。これら2方法は、異なる方式を用いて特定のコンホメーションをもつ線状DNAフラグメントを解像する。これら両方法では、アデニン−トラクト(adenine−tract、A−tract)を含む屈曲した線状DNAフラグメントが分離された。これらの方法のうち一方は、アガロース電気泳動とPAGE電気泳動を組み合わせて、これら2種類のマトリックス中における屈曲した線状DNAフラグメントの異なる泳動挙動を利用している。他方の方法は、DNA構造およびコンホメーションの温度依存性を利用している。各次元について異なる温度(10℃と60℃)を用いることにより、異なるコンホメーションが誘導され、泳動速度の差が生じる。A−トラクトによるDNA屈曲は、分子内の隣接アデニン塩基間の積み重なり相互作用の相異により起きる。A−トラクト屈曲はきわめて剛性というわけではないので、系の温度を上昇させることにより排除または低域できる[6,7]。この先行技術には、より剛性である他のコンホメーション、たとえば不適正対合デュプレックスまたはUV損傷を受けたデュプレックス中に形成されたものを、これらまたは他の系で分離できることは開示または示唆されていない。本発明者らの経験では、温度を2つの次元間の変量として用いて不適正対合デュプレックスを完全適正対合デュプレックスから分離することは不可能である。これは、不適正対合により生じる二次元および三次元構造がA−トラクトの場合より温度依存性が低いためであろう。組合わせアガロース−PAGE系は、線状DNAフラグメントを2種類の異なるマトリックス間で効率的に再現性をもってトランスファーするのが困難であることによって制限される。
弛緩型環状DNAおよびスーパーコイルDNAを線状DNAから分離するために、第2次元において臭化エチジウムを用いる中性−中性アガロースゲル電気泳動による2−Dゲル電気泳動系が、WO97/39149に開示されている。第1次元では、低い電圧を用いて低い%のアガロース中でDNA分子がそれらの質量に従って分離される。第2次元は、高い電圧で、より高いアガロース濃度のゲル中において、インターカレーター臭化エチジウムの存在下に行われる。これらの条件下で、すべての環状DNA分子の移動度はそれらの形状によって著しく影響されるが、線状DNAフラグメントの移動度は本質的に第1次元の場合と同じである。分離および核酸染色の後、パターンを検出する。このパターンは一般に、線状または直線化DNAを含有する第4アークの前にある3つのアークからなる。アーク1は、開環(弛緩)DNAを含有する。アーク2は、共有結合により閉じた環が弛緩形に変換したものを含有する。アーク3は、共有結合により閉じた(スーパーコイル)DNAを含有する。この方法は線状DNAフラグメントをコンホメーションに従って分離するのには使用できない点を強調すべきである。アガロースゲル電気泳動では異なるコンホメーションをもつ同じ長さの線状DNAフラグメントはほとんど完全にそれらのサイズに従って分離されるという事実があるからである。さらに、おそらくこれらの制限によるものであろうが、参考文献には、コンホメーションの異なる他のタイプのDNA分子、たとえば異常な二次元構造を含む屈曲した線状DNAフラグメント、たとえば不適正対合デュプレックスを分離するための2−Dゲル電気泳動法は、参考文献に開示または示唆されていない。
複製起点をマッピングするための2つのタイプの2−Dゲル電気泳動系が記載されている[8,9]。これらの系のうち一方は、前記の中性−中性アガロースゲル電気泳動を用いる。他方の系は、中性−アルカリ性アガロースゲル電気泳動を用い、第1次元ではサイズと構造による分離を行い、第2次元ではサイズのみによる分離を行う。これらの系は、レプリコン中に形成されるような異常な構造をもつ大型の非環状DNA分子(大型のDNAバブルおよびY字形DNA複製フォーク)を分離することはできる。局部的な異常な二次構造、たとえばUV損傷または挿入バルジの存在のため屈曲しているDNAフラグメントは、これらの系では分離できない。異常な局部的二次構造を含むそのような線状DNAフラグメントと含まないものとのコンホメーションの相異は、アガロース電気泳動における泳動が確実に異なるほど大きくはなく、したがってこの系では検出されないであろう。
線状核酸フラグメントをコンホメーション依存分離するための理想的な2−Dゲル電気泳動系は、好ましくは、2つの異なるゲルマトリックス間の繁雑なトランスファー工程を排除した単一ゲルマトリックスに基づくものであろう。そのようなトランスファーはしばしばトレーリング作用を生じ、その系の検出能を低下させる。次いで、第1次元の後に物理的または化学的な因子を導入(または排除)して、異なる線状DNAフラグメントのコンホメーションに二次元および三次元構造に応じて異なる程度に影響を与える。そのような物理的または化学的な因子は、大きなコンホメーション相異のほか、たとえば一塩基対の不適正対合DNAおよび挿入または欠失バルジにより起きる小さな相異も識別できるものでなければならない。
線状DNA分子に影響を与える多数の化学的因子、たとえば一価および二価カチオン、たとえばNaおよびMg2+が報告されている。DNA屈曲は一般にカチオン濃度の上昇に伴って増大する。異常な二次構造を含むDNAフラグメントの屈曲を低減させる化学的因子の方が、DNA屈曲を増大させるものより一般に有用であろう。インターカレーターは平面状の小分子であり、DNA塩基対間に挿入(インターカレーション)することにより、核酸との疎水性相互作用を生じる。そのような相互作用は、DNA分子の捩れがほどけて(アンツィスティング)隣接塩基対間にインターカレーター分子にとって十分な空間ができることを必要とする。この塩基対分離および同時に起きるアンツィスティングのためDNA分子の長さおよび剛性が増大し、こうしてその全コンホメーションが影響を受ける[10]。A−トラクトのため屈曲している線状DNAフラグメントにインターカレーターを添加すると、その屈曲が大幅に低減する可能性のあることが報告されている[11〜14]。これは、PAGE電気泳動と電子顕微鏡検査の両方により判定された。本発明者らは、PAGE電気泳動におけるゲル・リターデーション分析により測定して、あるインターカレーターが挿入/欠失ループまたはUV付加物を含む線状DNAフラグメントの屈曲を同様に大幅に低減させる条件を今回決定した。
高濃度の変性作用性化学物質を含有するPAGEにおいて、線状一本鎖DNAフラグメントが本質的に長さのみに従って泳動することは、周知の事実である。一本鎖DNAのそのような挙動が一般的なDNA配列決定法の基礎である。本発明者らは、不適正対合DNA分子を長さとコンホメーションの両方に従って分離した後、変性作用性化学物質を添加して一定時間加熱したゲル中でDNA分子を変性させうることを見いだした。こうして、一本鎖DNAフラグメントを第2次元で長さのみに従って分離することができ、コンホメーション依存分離可能な電気泳動系を形成できる。
発明の概要
線状核酸フラグメントの複雑な混合物をそれらの長さに関係なくコンホメーション依存分離するための方法を提供する。本発明方法は、種々の供給源から得られる線状核酸フラグメントに利用でき、核酸フラグメントの特別な前操作を必要としない。本発明は、下記のような(これらに限定されない)多様な概念に使用できる一般法を提供する:不適正対合ヘテロハイブリッドを完全適正対合ヘテロ−およびホモハイブリッドから物理的に分離して、いずれかのクラスを単離および富化することができる;多数のフラグメントを変異について同時走査する;損傷を受けたDNA分子を非損傷分子から単離する;ならびに核酸再アニーリングの効率を推定する。
本発明方法は新規な2−Dゲル電気泳動系を用いる。この系においてコンホメーション依存分離を達成するための2つの一般法が開発された。両方法とも、第1次元において泳動速度が長さとコンホメーションの両方に従って決定されるゲルマトリックス中で線状DNAフラグメントを分離することに基づく。この第1次元において、長さの等しい線状DNAフラグメントは、コンホメーションが異なる場合、異なる速度で泳動する。第1次元の線状DNAフラグメント分離の後、化学的作用因子を含有する電気泳動緩衝液にゲルマトリックスを浸漬する。1方法において、この化学的作用因子は可逆的相互作用により線状DNAフラグメント間のコンホメーションの相異を低減させる。他の方法では、DNAを一本鎖形に変換することにより線状DNAフラグメント間のコンホメーションの相異が排除される。これは、たとえば変性作用性化学物質の添加により、また一定期間、温度を融解点より高く保持することにより、達成される。両方法において、次いで好ましくは第1次元に対して垂直に第2次元を実施する。第2次元を第1次元に対して90°で実施することによって最大の解像度が得られるが、他の角度も使用できる。第2次元では、コンホメーションの相異が最小限に抑えられており、または排除されているので、線状DNAフラグメントが本質的にそれらの長さに従って分離される。
このような2−Dゲル電気泳動方法により、すべての線状DNAフラグメントが長さとコンホメーションの両方の相異に基づいて分離される。正常なコンホメーションをもつ(異常な局部的二次構造の無い)線状DNAフラグメントの泳動は、両次元とも主にそれらの相対長さにより決定され、本質的にゲルマトリックスを貫く対角線状に位置するDNAフラグメントの線またはアークが得られる(複雑なDNA試料の場合)。コンホメーションの変化した線状DNAフラグメント(たとえば不適正対合または損傷のため)は、第1次元において第2次元と比較して相対的に低速で泳動する。したがって、それらは第2次元の電気泳動の後、正常なコンホメーションをもつDNAフラグメントのアークの前方に押しやられる。
本発明方法の他の態様では、異常なコンホメーションをもつ線状DNAフラグメントの泳動速度を上昇または低下させる作用因子を使用し、それらを第1次元または第2次元のいずれかで適用できる。その結果、コンホメーションの変化したそのようなDNAフラグメントは、2−D電気泳動の完了後、アークの後方または前方に位置する。しかし一般に、問題のDNAフラグメント(一般的には異常なコンホメーションをもつもの)がアークの前方に泳動することが好ましい。このような方法を用いると、単離された調製物はトレーリング作用のためアークから遅滞したDNAフラグメントが混入しないので、より純粋である。
発明の詳細な説明
本発明は、生物学的機能またはゲノム位置が予め分かっている核酸フラグメントまたは分かっていない核酸フラグメントの複雑な試料をスクリーニングし、核酸をコンホメーションの相異に基づいて分離および所望により単離する方法を提供する。コンホメーションの変化した線状DNAフラグメントは、下記を含めた多様な様式で生成する可能性がある(これらに限定されない):
a)ハイブリダイゼーションにより不適正対合した線状DNAフラグメントの形成:2つの試料または2つの試料プールを混和し、すべてのデュプレックスが一本鎖フラグメントに分離するように変性させる。この混合物を冷却すると、一本鎖が再アニーリングして、ホモ−およびヘテロハイブリッドの混合物になる。デュプレックスの融解のための時間および温度などのパラメーターは、再ハイブリダイゼーションに必要なパラメーターと同様に、当業者に既知である。これに関してヘテロハイブリッドは、供給源の異なる2本の核酸鎖からなる線状DNAフラグメントである。それらは完全適正対合または不適正対合のいずれかの可能性がある。これに関して完全適正対合ヘテロハイブリッドは、2つの異なる供給源からの完全相補鎖を含む、線状二本鎖核酸を表わす。不適正対合ヘテロハイブリッドの形成は、2つの異なる供給源からの鎖が実質的に相補的であるにすぎず、非相補鎖、たとえば1以上の不適正塩基対の領域を含む可能性がある場合に起きる。非相補鎖の領域は、不適正対合ヘテロハイブリッドの一方または両方の鎖内にループを生じる場合がある。ハイブリダイゼーションのために選択した条件下でヘテロハイブリッドが生成する可能性がある限り、不適正対合ヘテロハイブリッド当たり1領域という少ない非相補鎖、あるいはより多数の領域がありうる。非相補領域は、一方の鎖に他方の鎖と比較して1以上の塩基の挿入または欠失を含む場合がある。これに関してホモハイブリッドは、両方とも同一供給源(染色体)からの完全相補鎖を含む、線状二本鎖核酸を表わす;
b)核酸の修飾:核酸は、それらのコンホメーションが変化するように修飾される可能性がある。そのような修飾は細胞内機序の一部(たとえばメチル化)、自然損傷(たとえば脱アミノ化)であるか、または環境に存在する化学物質および物理的作用因子による可能性がある。核酸の構造およびコンホメーションを変化させる可能性のある物理的作用因子の一例は、紫外(UV)線である。DNA分子が紫外線照射されると、隣接ピリミジン塩基が共有修飾されて、シクロブタンピリミジン二量体(CPD)、ピリミジン−ピリミドン(6−4)およびDewer異性体などの光生成物を生じる可能性がある。これら3種類の主要な光生成物は、そのような分子損傷を含む線状核酸フラグメントのコンホメーション変化を誘発する;
c)DNAの内在屈曲:DNAが外部からの拘束なしに永久的に弯曲した形状で存在する樹立した例がある。そのような内在屈曲は配列依存性の特性であり、AまたはTヌクレオチドの短かい連続、およびらせん反復と同調したGGCC反復などの配列のいずれによっても生じる。そのような配列を含む線状DNAフラグメントは、それらを含まないDNA配列と比較して異なるコンホメーションをもつ;
d)三次元構造:DNAは、古典的なB形二重らせんのかなり均一な構造とは別の三次元構造をとる可能性があり、これはそのヌクレオチド配列の関数としての変動はほとんど示さない。知られている多数の大規模な核酸三次元構造が、それらを含む線状DNAフラグメントのコンホメーション変化を生じる。一例には、分子内三本鎖DNA、DNAおよびRNAの十字形構造および接合、ならびにスリップした不適正対の(mispaired)DNAが含まれる;
e)一方の鎖の加水分解(ニッキング)またはギャップ構造:線状DNAフラグメントは、ニックまたは一塩基ギャップを含む場合、変化したコンホメーションをとる可能性がある。一般に、ギャップ構造は2つのファミリーのコンホメーションを示す。一方はB−DNAに近似し、他方はそのギャップにおいて著しく捩れている。ニック付きDNAフラグメントは一塩基ギャップと比較して小さなコンホメーション相異を示す。それらのコンホメーション相異は、7M尿素を用いて増強することができる;
f)DNA−リガンド相互作用:DNAフラグメント変化に対する相互作用を生じるリガンドがDNAのコンホメーションに大幅な影響を与えることは周知である。タンパク質相互作用は、DNAのコンホメーションを著しく変化させる可能性がある。タンパク質誘発によるDNAの曲がりの最も顕著な例はクロマチンであろう。DNAの曲がりは、遺伝子発現に際しても重要な役割を果たす。IHFのようなDNA結合タンパク質およびCAPまたはTBPのような転写因子も、著しい曲がりをDNAに導入する。たとえば構築タンパク質である組込み宿主因子(IHF)は、二本鎖DNAを特定の認識配列において160°曲げる。
以上の記載から示唆されるように、本発明は特に線状核酸、すなわちたとえばスーパーコイルDNAまたは他の圧縮された三次元構造の核酸ではない、非環状核酸の分析に関する。
本発明による分析に適した核酸試料は、一般に50〜10000bp、たとえば100〜5000bp、好ましくは100〜1000bpの長さの線状フラグメントを含む。核酸フラグメントの供給源は、原核細胞、真核細胞、ウイルス、または合成によるものであってもよい。供給源はゲノムDNA、cDNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、LNA、PNA、プラスミドDNA、またはウイルスDNAもしくはそのデュプレックスであってもよく、ウイルスは天然のもの、または異なる供給源からの核酸のベクターとして用いられるものなどであってもよい。核酸フラグメントの供給源に応じて、それらをたとえば細胞源からの単離、タンパク質からの分離、制限酵素およびPCR阻害薬の除去など、ある程度、精製処理しなくてはならない場合がある。本発明方法は、複雑なDNA試料、すなわち多数の異なる線状核酸フラグメント、たとえば少なくとも100、または少なくとも500、または少なくとも1000のフラグメント;たとえば全ゲノムのフラグメントまたはそのサブセット、および1以上の個体からのゲノムDNAの混合物を含有する試料に利用できるので、特に有利である点を強調すべきである。複雑な試料は長さの異なる多数のフラグメントを含有するので、一次元分離では解像しない。これには、変化したコンホメーションのため異常に泳動するフラグメントが含まれる。
目的長さの線状核酸フラグメントは、特にDNAの場合、制限酵素消化、PCR法の使用、ライゲーション、化学的または物理的に誘発した開裂などにより得ることができる。ターゲット核酸を同位体法または非同位体法で標識することができ、またそれらは分離後に特異的に捕獲できるタグを含むことができる。本発明方法のある態様においては、アダプターまたはリンカーを核酸フラグメントにライゲートさせる。
本発明の1態様においては、非環状核酸フラグメントをそれらの長さおよびコンホメーションに基づいて分離するための、下記の方法が提供される:線状核酸フラグメントの試料を調製し;その試料をゲル電気泳動装置に装填し、第1次元において、該試料を第1組の予め定めた電気泳動条件下でゲルマトリックス中を電気泳動し;第2次元において、該ゲルマトリックスを第2組の電気泳動条件下で電気泳動することを含み、これにより、長さは等しいがコンホメーションの異なる核酸が分離され、第1と第2の電気泳動条件は、これらの次元のうち一方では電気泳動により試料核酸フラグメントをコンホメーションと長さに基づいて分離でき、これらの次元のうち他方では電気泳動により試料フラグメントを実質的に長さに基づいて分離できるように異なっており、この相異は線状核酸フラグメント間のコンホメーションの相異を低減または増強できる化学的作用因子により樹立される。
この方法のある態様においては、第1次元のゲル電気泳動を本発明方法に従って非変性条件下で、ポリアクリルアミドゲルまたは架橋剤を含有する他のゲルマトリックスを用いて実施する。本発明の他の態様は、第1次元においてDNAフラグメントのコンホメーション分離を増強するために、緩和な変性条件を用いる。この第2方式を用いる目的のひとつは、一塩基対不適正対合を含む線状核酸フラグメントの分離である。これは、たとえば第1次元において低濃度の尿素を添加するか、あるいはコンホメーション感受性ゲル電気泳動(CSGE)を用いて達成できる(参照:USP5,874,212、Prockopらに交付)。
本発明方法に有用なポリアクリルアミドゲルは、標的とする線状核酸フラグメントの好ましい長さ分布に応じて、広範な%のポリアクリルアミドを含有することができる。一般にそれらは約5〜約15%のポリアクリルアミドを含有する。ゲルのサイズおよび電気的条件は、異なるコンホメーションをもつ核酸フラグメントの分離を最大限にするのに必要な泳動度に応じて調整できる。
いずれの次元についても、電気泳動緩衝液系は本発明方法の個々の具体的態様に用いるゲルマトリックスに応じて選択できる。両次元に同じ緩衝液系を用いる必要はない。
前記の第1次元の具体的な目的に応じて、第1ゲル電気泳動工程を広範な温度で実施できるが、一般的な用途においては温度を5〜50℃の間で選択した温度に維持する。本発明方法の一般的な態様においては、不適正対合ヘテロハイブリッドならびに完全適正対合ヘテロ−およびホモハイブリッドの混合物を、A−トラクトおよびCCGG反復配列を含む線状DNAフラグメントの屈曲が確実に限定されるように、35℃で分離する。そのような屈曲は低温ではより顕著である。
前記のように線状核酸フラグメントの長さとコンホメーションの両方による分離が可能な第1次元電気泳動の後、好ましくはゲルを電気泳動装置から取り出し、緩衝液に浸漬する。ゲルを緩衝液に一定期間浸漬し、この期間は本発明方法のその態様に用いるゲルのサイズ、マトリックスのタイプおよび厚さに応じて変更できる。この緩衝液は一般に、1種類以上の化学的作用因子を含有する、第2次元に用いる電気泳動緩衝液(たとえばTBE)から調製される。この緩衝液は、ゲルマトリックス内にある線状核酸フラグメント間のコンホメーションの相異を低減または排除する。緩衝液中の化学的作用因子は一般に、核酸との相互作用を生じうる分子、たとえば天然または合成の挿入分子、または溝(groove)結合分子である。
本発明方法のある態様において、化学的作用因子は核酸に対する静電相互作用を生じうる荷電分子である。
第2次元電気泳動の条件は、化学的作用因子のほかに、試料核酸のコンホメーションにさらに影響を与える物理的作用因子またはパラメーター、たとえば温度の変更により、第1次元のものと異なってもよいことを留意すべきである。
緩衝液は、下記よりなる群から選択される少なくとも1種類の化学的作用因子を含むが、これらに限定されない:天然または合成のインターカレーターおよびビスインターカレーター(bisintercalator)、たとえば臭化エチジウム、アクラシノマイシン(aclacinomycin)、クロロキン、ジスタマイシン(distamycin)−エルプチシン(ellpticine)、ダウノマイシン、ブレオマイシン、ベンゾ[a]ピレン、アイレマイシン(iremycin)、プロフラビン(proflavin)、cI−958、キアンクリン(quiacrine)、アクチノマイシン、DEAPフルオランテン(DEAP fluoranthene)、プソラレン(psoralene)、ビサントレン(bisantrene)、ジテルカリニウム(ditercalinium)、BBM−938A、エチノマイシン(echinomycin)、およびTOTO;溝結合分子、たとえばネトロプシン(netropsin)、ジスタマイシン(distamycin)、ヘキスト(Hoechst)33258、およびSN 6999;変性剤、たとえば脂肪族アルコール、たとえばメチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、アリル、ブチル、イソブチルおよびアミルアルコール、ならびにエチレングリコール;環状アルコール、たとえばシクロヘキシル、ベンジル、フェノールおよびp−メトキシフェノールなどのアルコールならびにイノシトール;脂環式化合物、たとえばアニリン、ピリジン、プリン、1,4−ジオキサン、ブチロラクトンおよびアミノトリアゾール;アミド、たとえばホルムアミド、エチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、グリコールアミド、チオアセトアミド、バレロラクタム;尿素化合物、たとえばカルボヒドラジド、1,3−ジメチル尿素、エチルチオ尿素、t−ブチル尿素、チオ尿素およびアリルチオ尿素;カルバメート、たとえばウレタン、N−メチルウレタンおよびN−プロピルウレタン;界面活性剤、たとえばトゥイーン(Tween)40およびトリトン(Triton)X−100;ならびに他の化合物、たとえばシアノグアニジン、スルファミド、グリシン、およびアセトニトリルなど。コンホメーションの相異を低減させるために本発明に使用できる他の化学的作用因子および物理的作用因子は、当業者が同定または開発できる。本発明方法に用いる化学的作用因子の濃度は、それの核酸結合親和性、コンホメーションの相異を低減させる能力、および緩衝液中におけるその作用因子の安定性に依存する。
適切な期間のインキュベーション後、ゲルを第2次元電気泳動装置に装入する。化学的作用因子と線状核酸フラグメントの相互作用により、核酸フラグメント間のコンホメーションの相異が低減する。したがって線状核酸フラグメントは、本質的に、または完全に、それらの長さに従って分離する。第2次元電気泳動を第1次元に対して垂直に実施することにより、長さのみに従って泳動する線状核酸フラグメント(たとえば完全適正対合デュプレックス)を、第1次元において長さとコンホメーションの両方に従って泳動したもの(たとえば不適正対合デュプレックス)から分離できる。この分離は、核酸フラグメント間のコンホメーションの相異の低減度に依存する。第2次元電気泳動の後、正常構造の核酸フラグメント、すなわち異常な屈曲のない完全適正対合したものはすべて、本質的にゲルを貫く対角線に位置するアークまたは線を形成する。異常なコンホメーションにより泳動が影響を受けた線状核酸フラグメントは第2次元においては相対的に高速で泳動し、したがってそれらはアークの前方へ押しやられる。その結果、線状核酸フラグメントがそれらの長さとは関係なくコンホメーションに基づいて分離する。
ゲル中の核酸フラグメントは、生化学的標準法を用いて容易に検出できる。それらには、周知の方法、たとえば当業者に慣用される検出システムを利用した、臭化エチジウムおよびSYBR(登録商標)グリーンIのような蛍光性核酸染料によるゲルの後染色が含まれる。本発明方法のある態様においては、核酸間のコンホメーションの相異を低減させるために用いる化学的作用因子が蛍光性核酸染料としても作用し、核酸を視覚化するための後染色が除かれる。同位体または非同位体で前標識した核酸、ならびに当業者に慣用される検出システム、たとえばホスホルイマージャー(phosphr imager)およびフルオロイマージャー(fluoro imager)またはこれらに類する方法を用いて、核酸を検出することもできる。
2−Dゲル電気泳動後のゲルからの核酸フラグメントの単離は、ゲル片からの溶出および電気溶出など周知の方法により実施できる。本発明方法のある態様において、核酸フラグメントはゲルマトリックスからの単離後のPCR増幅を確実にするために特定のアダプターを含有してもよい。
本発明方法の特に有用な態様においては、第2次元電気泳動の前に、挿入分子である臭化エチジウムを第2次元電気泳動緩衝液に添加して、下記の間のコンホメーション相異を低減させる;a)不適正対合した線状DNAフラグメントと完全適正対合した線状DNAフラグメント、b)A−トラクトの存在のため屈曲した線状DNAフラグメントと屈曲していない線状DNAフラグメント、c)UV損傷を含む線状DNAフラグメントと無傷の線状DNAフラグメント、およびd)ニック付き鎖を含む線状DNAフラグメントと無傷の線状DNAフラグメント。
本発明方法の他の態様においては、第1次元の後に、変性剤尿素を含有する電気泳動緩衝液にゲルを浸漬する。次いで、第2次元電気泳動の前に、すべてのDNAフラグメントが一本鎖になるまでゲルマトリックスの温度を高めて、不適正対合した線状DNAフラグメントと完全適正対合した線状DNAフラグメントのコンホメーションの相異を排除する。
第1次元と第2次元の電気泳動条件を変更するための1方法は、異なるゲルマトリックス、たとえば一方の次元ではポリアクリルアミド、他方の次元ではアガロースを用いるものである。したがって本発明の関連態様においては、非環状核酸フラグメントをそれらのコンホメーションに基づいて複雑な核酸混合物から分離するための、下記の方法が提供される:線状核酸フラグメントの試料を調製し;該試料をゲル電気泳動装置に装填し、第1次元において、該試料を第1組の予め定めた電気泳動条件下でゲルマトリックス中を電気泳動し;第2次元において、該試料を第2組の電気泳動条件下で電気泳動する工程を含み、これにより、長さは等しいがコンホメーションの異なる線状核酸フラグメントが分離され;第1と第2の電気泳動条件は、これらの次元のうち一方では電気泳動がアガロースマトリックス中で行われ、その条件により試料分子を実質的に長さに基づいて分離でき、これらの次元のうち他方では電気泳動がポリアクリルアミドゲルマトリックス中で行われ、その条件により試料分子をコンホメーションと長さの両方に基づいて分離できるように異なっており;この方法で、下記から選択される1以上の特色を有する核酸フラグメントをコンホメーション依存分離できる:挿入/欠失ループ、不適正対合核酸、スリップした不適正対の核酸(slipped mispaired nucleic acid);塩基のメチル化;塩基の損傷、UV損傷により生じた光生成物、電離性放射線による塩基の損傷、塩基の酸化的損傷、GGCC反復配列、プリン−ピリミジントラクト、塩基付加物の付加、三本鎖核酸、十字形構造、反復配列、DNA Zヘリックス、タンパク質結合核酸、ヘアピンループ、AP部位、塩基ギャップ、およびニック。
本発明の1態様においては、2−D電気泳動の前に、核酸試料を特定のタンパク質、ペプチドまたは抗体と共にインキュベートする。核酸フラグメントが特定のタンパク質、ペプチドまたは抗体に対する適切な結合基質を含む場合、安定な複合体が形成される。その複合体は、複合体のサイズがより大きく、線状核酸フラグメントのコンホメーションが変化しているという両方の理由で、第1次元電気泳動において、より低速で泳動するであろう。第2次元電気泳動の前に、ゲルを緩衝液に浸漬して複合体の成分間の可逆性相互作用を排除することにより、複合体を脱安定化する。したがって、線状DNAフラグメントの第2次元泳動はそれらの長さのみにより決定され、第1次元においてタンパク質に結合していた核酸フラグメントが、相互作用を生じなかったものから分離される。この方法により、被験タンパク質、ペプチドまたは抗体に対する結合部位をもつ核酸配列を分離し、次いで単離することができる。
後記の実施例(1〜10)はこれらの態様の有用性を証明する。
本明細書に記載するように、本発明方法は、多様な特色のため異常なコンホメーションをもつ線状DNAデュプレックスを正常な線状DNAデュプレックスから分離するために容易に利用できる。DNAのコンホメーションを変化させ、これを本発明に従って分離できるこれらの特色は、下記のうち1以上であってよい:挿入/欠失ループ、不適正対合核酸、スリップした不適正対の核酸、塩基のメチル化、塩基の損傷、UV損傷により生じた光生成物、電離性放射線による塩基の損傷、塩基の酸化的損傷、内在屈曲を生じる配列:アデニン−トラクト、GGCC反復配列、プリン−ピリミジントラクト、塩基付加物の付加、三本鎖核酸、十字形構造、反復配列、DNA Zヘリックス、タンパク質結合核酸、ヘアピンループ、および一本鎖ニック。
本発明のさらに他の態様においては、前記の二次元電気泳動によるコンホメーションに基づく分離を含む多型核酸の検出および単離方法が提供され、その際、核酸試料は1個体からの線状核酸フラグメントを含み、または複数個体からプールされ、核酸は消化、変性および再アニーリングされており、その際、プールした試料を混合した後に変性工程および再アニーリング工程を行ってホモ−およびヘテロハイブリッドの混合物を調製し、多型核酸を含む不適正対合ヘテロハイブリッドを完全適正対合ホモ−およびヘテロハイブリッドの混合物から分離する。
こうして、多型核酸を含む不適正対合ヘテロハイブリッドを、たとえば前記に従って容易に分離して、それらの核酸フラグメントを同定することができる。
後記の実施例13の具体的態様により説明するように、本発明方法は1より多い個体からのゲノムまたはゲノムサブセットを含むプールである核酸試料に利用できる。このような有用な態様において、被分析試料は消化、変性および再アニーリングされた線状核酸フラグメントを含み、その際、複数試料またはプールした試料の混合前または混合後に変性工程および再アニーリング工程を行ってホモ−およびヘテロハイブリッドの混合物を調製する。このような用途において、各個体からのサブサンプルは、当業者に周知の多数の方法で得たそのゲノムのサブセットであってもよい(実施例13の場合)。有用な態様において、そのようなサブセットまたはサブセットのプールは、それらのゲノムの高度多型サブセットである。
その用途について本発明の希望する目的に応じて、被分析試料は単一個体、複数個体、1個体からのゲノムサブセット、または複数個体からの同じゲノムサブセット、あるいは多数のプールを混和したプールに由来するものであってよく、その際、試料をプールする、および/またはプールを混和する前または後に、核酸を多様な様式で処理することができる(たとえば消化、変性および再アニーリング)。
本発明方法のある態様においては、ゲノムDNAの代わりにゲノム呈示物(genomic representation)を用いる。ゲノム呈示物の調製方法は記載されている(たとえばPCT/US99/24984、エール大学)。
ある態様においては、正常または異常なコンホメーションをもつ単離フラグメントをシグナル標識し、アレイ状ライブラリー、すなわち選択したゲノムクローンまたは中期染色体のサブセットのアレイ状ライブラリーにハイブリダイズさせる。
本発明の他の関連態様においては、個体またはプールからの複雑なDNA試料のコンホメーション分離を行い、その際、対立遺伝子頻度が個体間または個体プール間で異なる、下記の工程を含む方法が提供される:2以上のDNA試料を混和することによりDNAプールを調製し、または1個体からDNA試料を調製し、プール中または1個体からのDNA試料中のDNAフラグメントに特異的なアダプターをアニーリングさせ、DNAフラグメントにライゲートしていない過剰のアダプターを除去し、2以上のプールを混和し、DNA試料のプールまたは1個体からのDNA試料の混合物を変性させ、DNA試料のプールを再アニーリングさせて、相同鎖を含むDNAデュプレックスを形成し、不適正塩基対により形成された、または完全適正対合した正常なDNAデュプレックスからの挿入/欠失ループにより形成された、異常なコンホメーションを含むデュプレックスを、前記の電気泳動分離法により分離する。
本発明方法の有用な態様においては、個体、1以上の個体、または2以上の個体群からの再アニーリングしたDNA試料を2−D電気泳動分離して、個体または個体群において示される特定の表現型に関連する配列を単離および特徴付けする。完全適正対合ホモ−およびヘテロハイブリッド、または不適正対合ホモ−およびヘテロハイブリッドを単離した後、単離DNAフラグメントの比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)を実施して、個体ゲノム内または2個体もしくは2個体群間の多型性の相異を検出する。
本発明方法の1態様においては、1以上の個体からの核酸試料を、当業者に周知の方法であるサブトラクティブ・ハイブリダイゼーションにおいて、”ドライバー”として用いる1以上の個体からの核酸試料に対する”テスター”として用いる。この方法は、1つのゲノム試料または試料プール中にのみ存在するか、または他の試料より高濃度で存在するフラグメントを単離するために用いられる。サブトラクティブ・ハイブリダイゼーションは、ゲル分析およびゲル単離の前に、完全適正対合ホモ−およびヘテロハイブリッドを不適正対合ハイブリッドから分離するために(これに限定されない)実施できる。サブトラクティブ・ハイブリダイゼーションは、ゲル単離の後に、ゲルから分離した試料間の相異を同定するためにも採用できる。これには、ゲル単離とは異なる増幅用アダプターをもつ試料が含まれる。
本発明の他の態様においては、核酸試料の再アニーリング効率を推定する方法が提供される。この方法の一般的な態様においては、消化、変性および再アニーリングしたゲノム試料または試料プールをゲルに装填する。2−Dゲル電気泳動の前に、その系における完全適正対合DNAの泳動の標準品として用いる完全適正対合した線状DNAフラグメントとゲノム材料を混合する。再アニーリング効率の推定は、完全適正対合標準品から形成されたアーク中における完全適正対合ゲノム材料の画分を基準とする。
実施例
実施例1
インターカレーター法を用いた、完全適正対合した線状DNAフラグメントからの、シトシンバルジを含むCy5標識した線状DNAフラグメントの分離および検出
5種類の異なる298bp線状DNAフラグメントを作製した。各フラグメントは、中央に1つの特定シトシンバルジを含んでいた;シトシン1〜5個のバルジサイズ。他の点ではDNAフラグメントは互いに同一であった。完全適正対合298bp線状DNAフラグメントも作製した。シトシンバルジを含まない点以外は、このフラグメントはバルジ付きDNAフラグメントと比較して同一の塩基配列をもっていた。これらの298bp線状DNAフラグメントは、3つの短かいDNAフラグメントを用いて作製された。2つのフラグメントはプラスミドpBR322からPCR増幅された。一方のフラグメント(127bp)はCy5蛍光分子で5’末端標識され、AvaI消化後に3’側−非対称オーバーハングを含んでいた。他方(132bp)は、BanII消化後に5’側−非対称オーバーハングを含んでいた。1つのフラグメント(31bp)は、特定シトシンバルジを含む2つのオリゴヌクレオチドとして合成された。それは、他の2つのフラグメント上のオーバーハングの1つにそれぞれ相補的な5’および3’側−非対称オーバーハングを含んでいた。3種類すべてのフラグメントを等モル濃度でライゲートさせると、フラグメントの中央に特定バルジをもつ1つの298bp DNAフラグメントが形成された。
5’Cy5標識を含む5種類の完全適正対合した線状DNAフラグメント(155bp、357bp、543bp、857bpおよび1395bp)を、同様にpBR322からのPCR増幅により作製した。
前記すべてのフラグメントの混合物を2−D CDEゲル電気泳動により分離した。ゲルマトリックスは、29:1 アクリルアミド:ビスアクリルアミド混合物から調製した10%ポリアクリルアミドからなっていた。このゲルを1×TBE緩衝液(89mMのトリス塩基、89mMのボラート、および2mMのEDTA)中で1時間、重合させた。第1次元電気泳動を、Hoefer SE 660垂直電気泳動システムにおいて、18×24cmのガラスサンドイッチ(1mmのスペーサー)を用いて実施した。35℃で2時間、10Wで、1×TBEを上下両方の緩衝液チャンバーに入れて、ゲルを操作した。ゲルをガラスサンドイッチから取り出して、5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBE緩衝液100mlに浸漬した。ゲルをこの緩衝液中で10分間インキュベートし、次いで100mlの1×TBE緩衝液中で短時間洗浄した。
第2次元ゲル電気泳動は、ファルマシアMultiphor水平電気泳動システムにおいて実施された。20℃で2時間、10Wで、両緩衝液チャンバー内に5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBEを用いて、第1次元電気泳動に対して垂直に、ゲルを操作した。ゲルマトリックスを介した緩衝液チャンバー内の電極間の接続は、紙電極芯材料(paper electrode wick)により行われた。第2次元ゲル電気泳動の後、ゲルマトリックスを200mlの1×TBE中で5分間洗浄した。
蛍光走査方式のAP バイオテック、Typhoon 8600可変方式イマージャーにより、励起波長633nmおよび670BP30発光フィルターを走査に用いて、線状DNAフラグメントの蛍光検出を実施した。図1に示すように、完全適正対合DNAフラグメントはすべて、ゲルを貫く対角線に位置するアークを形成する。シトシン2〜5個のバルジを含むDNAフラグメントは明らかにアークの前方へ移動するが、シトシン1個のバルジはこのゲルマトリックスではそれの完全適正対合DNAカウンターパートから解像されない。
実施例2
インターカレーター法を用いた、完全適正対合した線状DNAフラグメントからの、フラグメント中央または一端付近にシトシンバルジを含む線状DNAフラグメントの分離および検出
特定シトシンバルジを含む非標識線状DNAフラグメントを、実施例1の記載に従って作製した。等モルライゲーションを行う代わりに、過剰の一方の末端フラグメントとのライゲーションを行って、2種類の主ライゲーション生成物を形成した。一方は、実施例1に記載したように中央にバルジをもつ298bpの生成物であった。他方は、バルジ分子を含む31bpの合成分子と127bpのPCRフラグメントとのライゲーションにより形成された158bpの生成物であった。このフラグメントはその末端から15bpの位置にバルジをもつ。
5’Cy5標識を含む5種類の完全適正対合したDNAフラグメント(155bp、357bp、543bp、857bpおよび1395bp)を、同様にpBR322からのPCR増幅により作製した。
前記すべてのフラグメントの混合物を2−D CDEゲル電気泳動により分離した。ゲルマトリックスは、99:1 アクリルアミド:ビス−アクリロイルピペラジン(BAP)混合物から調製した10%ポリアクリルアミドからなっていた。このゲルを1×TTE緩衝液(90mMのトリスHCl、30mMのタウリンおよび1mMのEDTA、pH9.0)中で重合させた。第1次元電気泳動を、Hoefer SE 660垂直電気泳動システムにおいて、18×24cmのガラスサンドイッチ(1mmのスペーサー)を用いて実施した。35℃で2時間、10Wで、1×TTEを上下両方の緩衝液チャンバーに入れて、ゲルを操作した。ゲルをガラスサンドイッチから取り出して、5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TTE緩衝液100mlに浸漬した。ゲルをこの緩衝液中で10分間インキュベートし、次いで100mlの1×TTE緩衝液中で短時間洗浄した。
第2次元ゲル電気泳動は、ファルマシアMultiphor水平電気泳動システムにおいて実施された。20℃で2時間、10Wで、両緩衝液チャンバー内に5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TTEを用いて、第1次元電気泳動に対して垂直に、ゲルを操作した。ゲルマトリックスを介した緩衝液チャンバー内の電極間の接続は、紙電極芯材料により行われた。第2次元ゲル電気泳動の後、臭化エチジウム染色DNAフラグメントのUV検出のために、ゲルマトリックスをUVP GDS−8000ゲルドキュメンテーションシステムに装入した。
図2に示すように、完全適正対合DNAフラグメントは、ゲルを貫く対角線に位置するアークを形成した。中央にシトシン1〜5個のバルジを含むDNAフラグメントは明らかにアークの前方へ移動する。末端付近にシトシン1〜5個のバルジを含むDNAフラグメントもアークの前方へ移動する。各組のDNA分子は、第2次元においてほぼ同じ速度で泳動し、異なるバルジにより誘発されたコンホメーション変化で第2次元において類似の移動度をもつDNAフラグメントが得られたことを示す。
実施例3
インターカレーター法を用いた、7×8cmゲル方式における、完全適正対合した線状DNAフラグメントからの、シトシンバルジを含むCy5標識した線状DNAフラグメントの分離および検出
シトシンバルジを含むCy5標識線状DNAフラグメントを、実施例1の記載に従って作製した。これらのフラグメントを、100、200、300、400、500、600、700、800、900および1000bpのフラグメントを含む100bpフルオレセインラダー(バイオラド)と混和した。次いでこのDNA混合物を、6%ポリアクリルアミドゲルを用いる2−D CDEゲル電気泳動により分離した。ゲルを1×TBE緩衝液(89mMのトリス塩基、89mMのボラート、および2mMのEDTA)中で1時間、重合させた。第1次元ゲル電気泳動を、バイオラドMini Protean II垂直電気泳動システムにおいて、7×8cmのガラスサンドイッチ(1mmのスペーサー)を用いて実施した。室温で90分間、20mAで、1×TBEを上下両方の両衝液チャンバーに入れて、ゲルを操作した。ゲルをガラスサンドイッチから取り出して、5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBE緩衝液100mlに浸漬した。ゲルをこの緩衝液中で10分間インキュベートし、次いで100mlの1×TBE緩衝液中で短時間洗浄した。
第2次元ゲル電気泳動は、ファルマシアMultiphor水平電気泳動システムにおいて実施された。合計45分間、20mAで、両緩衝液チャンバー内に5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBEを用いて、第1次元電気泳動に対して垂直に、ゲルを操作した。ゲルマトリックスを介した緩衝液チャンバー内の電極間の接続は、紙電極芯材料により行われた。実施例3に記載したものと同じゲル電気泳動設定を用いた。第2次元ゲル電気泳動の後、ゲルマトリックスを200mlの1×TBE中で5分間洗浄した。
蛍光走査方式のAP バイオテック、Typhoon 8600可変方式イマージャーにより、励起波長633nmおよび670BP30発光フィルターをCy5検出に用い、励起波長532nmおよび536SP発光フィルターをフルオレセイン検出に用いて、DNAフラグメントの蛍光検出を実施した。図3に示すように、完全適正対合DNAフラグメントはゲルを貫く対角線に位置するアークを形成した。シトシン3〜5個のバルジを含むDNAフラグメントは明らかにアークの前方へ押しやられたが、シトシン1および2個のバルジはこのゲルマトリックスではそれの完全適正対合DNAから解像されなかった。
実施例4
インターカレーター法を用いた、複雑なゲノム呈示物からの、フラグメント中央にシトシンバルジを含む線状DNAフラグメントの分離および検出
シトシンバルジを含むCy5標識した線状DNAフラグメントを、実施例1の記載に従って作製した。
1個体からの全血よりDNA試料を単離し、BstY Iで消化し、精製した。これらの制限フラグメントにアダプターをライゲートさせた。アダプター特異的プライマーおよびCy5標識Alu 3’特異的プライマー(内部BbsI部位を含む)を用いるPCRを実施し、得られたAlu 3’フラグメントをGFX(商標)カラムにより精製し、次いでBbsIおよびBstY Iで消化し、GFX(商標)により精製した(参照:PCT/US99/24984、エール大学)。
バルジを含むDNAフラグメントを2μlのAluフランクフラグメントと混合した。次いでこのDNA混合物を、8%ポリアクリルアミドゲルを用いる2−Dゲル電気泳動により分離した。ゲルを1×TBE緩衝液(89mMのトリス塩基、89mMのボラート、および2mMのEDTA)中で1時間、重合させた。第1次元ゲル電気泳動を、バイオラドMini Protean II垂直電気泳動システムにおいて、7×8cmのガラスサンドイッチ(1mmのスペーサー)を用いて実施した。室温で90分間、20mAで、1×TBEを上下両方の両衝液チャンバーに入れて、ゲルを操作した。ゲルをガラスサンドイッチから取り出して、5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBE緩衝液100mlに浸漬した。ゲルをこの緩衝液中で10分間インキュベートし、次いで100mlの1×TBE緩衝液中で短時間洗浄した。
第2次元ゲル電気泳動は、ファルマシアMultiphor水平電気泳動システムにおいて実施された。合計60分間、20mAで、両緩衝液チャンバー内に5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBEを用いて、第1次元電気泳動に対して垂直に、ゲルを操作した。ゲルマトリックスを介した緩衝液チャンバー内の電極間の接続は、紙電極芯材料により行われた。実施例3に記載したものと同じゲル電気泳動設定を用いた。第2次元ゲル電気泳動の後、ゲルマトリックスを200mlの1×TBE中で5分間洗浄した。
蛍光走査方式のAP バイオテック、Typhoon 8600可変方式イマージャーにより、励起波長633nmおよび670BP30発光フィルターをCy5検出に用い、励起波長532nmおよび536SP発光フィルターをフルオレセイン検出に用いて、DNAフラグメントの蛍光検出を実施した。図4に示すように、AluフランクDNAフラグメントはゲルを貫く対角線に位置するアークを形成した。シトシン3〜5個のバルジを含むDNAフラグメントは明らかにアークの前方へ押しやられたが、シトシン1および2個のバルジはこのゲルマトリックスではそれの完全適正対合AluフランクDNAフラグメントから解像されなかった。
実施例5
インターカレーター法を用いた、完全適正対合DNAフラグメントからの、A−トラクトを含むDNAフラグメントの分離
HaeIII消化したファイ−x 174の制限フラグメントは、A−トラクトのため屈曲した1種類の281bpフラグメントを含有する。本発明方法の有効性を証明するために、2−Dゲル電気泳動系によりこのフラグメントを、HaeIII消化したファイ−x 174中の残りの制限フラグメントから分離した。実施例1の記載に従って作製した、中央にシトシン3個のバルジを含む298bpフラグメントを、HaeIII消化したファイ−x 174に対する対照として添加し、ヘテロデュプレックス分析について周知のマトリックスであるMDE(商標)ゲルマトリックス(FMC バイオプロダクツ)を用いて、2−Dゲル電気泳動系の有効性を証明した。
このゲルマトリックスは0.75×MDE溶液からなっていた。ゲルを1×TBE緩衝液(89mMのトリス塩基、89mMのボラート、および2mMのEDTA)中で1時間、重合させた。第1次元ゲル電気泳動を、バイオラドMini Protean II垂直電気泳動システムにおいて、7×8cmのガラスサンドイッチ(1mmのスペーサー)を用いて実施した。室温で90分間、20mAで、1×TBEを上下両方の両衝液チャンバーに入れて、ゲルを操作した。ゲルをガラスサンドイッチから取り出して、5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBE緩衝液100mlに浸漬した。ゲルをこの緩衝液中で10分間インキュベートし、次いで100mlの1×TBE緩衝液中で短時間洗浄した。
第2次元ゲル電気泳動は、ファルマシアMultiphor水平電気泳動システムにおいて実施された。合計60分間、中間写真を0、30および45分目に撮影しながら、20mAで、両緩衝液チャンバー内に5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBEを用いて、第1次元電気泳動に対して垂直に、ゲルを操作した。ゲルマトリックスを介した緩衝液チャンバー内の電極間の接続は、紙電極芯材料により行われた。第2次元ゲル電気泳動の後、臭化エチジウム染色DNAフラグメントのUV検出のために、ゲルマトリックスをUVP GDS−8000ゲルドキュメンテーションシステムに装入した。図5に示すように、正常な二次構造を含むDNAフラグメントはゲルを貫く対角線に位置するアークを形成する。異常な二次構造を含むDNAフラグメントは明らかにアークの前方へ泳動し、その際、低速で泳動するバンドは3塩基シトシンバルジを含むフラグメントであり、高速で泳動するバンドはA−トラクトを含むDNAフラグメントである。第2次元電気泳動時間を延長することにより、これ以上の分離を達成できる(図2bをdと対比)。
実施例6
インターカレーター法を用いた、無傷DNAフラグメントからの、UV損傷を含むDNAフラグメントの分離
光生成物を効率的に形成するために、下記の手法を用いた。545bpのPCR生成物(0.3pmol/μl;10mMのトリスHCl pH8、および20mMのアセトフェノン中)を300nmで0、5、15、30および60分間、UVP Ultraviolet TransilluminatorによりUV照射した。小滴(3μl)をペトリ皿の底に入れた。濡れたティッシュペーパーを皿の側面に付着させることにより、水凝固環境を形成した。次いでペトリ皿を裏返してUV源に乗せた。滴を効率的に冷却するために、角氷を入れたプラスチックバッグでペトリ皿を覆った。照射されたPCR生成物が光源に暴露されないように注意した。UV照射後、UV損傷を含むDNAフラグメント3μlを、1μlのHaeIII消化したファイ−x 174に添加した。
次いでこのDNA混合物を、9%ポリアクリルアミドゲルを用いる2−Dゲル電気泳動により分離した。ゲルを0.5×TBE緩衝液(89mMのトリス塩基、89mMのボラート、および2mMのEDTA)中で1時間、重合させた。第1次元ゲル電気泳動を、バイオラドMini Protean II垂直電気泳動システムにおいて、7×8cmのガラスサンドイッチ(1mmのスペーサー)を用いて実施した。室温で90分間、20mAで、1×TBEを上下両方の両衝液チャンバーに入れて、ゲルを操作した。ゲルをガラスサンドイッチから取り出して、5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBE緩衝液100mlに浸漬した。ゲルをこの緩衝液中で10分間インキュベートし、次いで100mlの1×TBE緩衝液中で短時間洗浄した。
第2次元ゲル電気泳動は、ファルマシアMultiphor水平電気泳動システムにおいて実施された。合計90分間、15mAで、両緩衝液チャンバー内に5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBEを用いて、第1次元電気泳動に対して垂直に、ゲルを操作した。ゲルマトリックスを介した緩衝液チャンバー内の電極間の接続は、紙電極芯材料により行われた。第2次元ゲル電気泳動の後、臭化エチジウム染色DNAフラグメントのUV検出のために、ゲルマトリックスをUVP GDS−8000ゲルドキュメンテーションシステムに装入した。図6に示すように、無傷のDNAフラグメントはゲルを貫く対角線に位置するアークを形成する。UV損傷を含むDNAフラグメントは、明らかにアークの前方へ泳動する。UV損傷がDNAフラグメント中に非特異的に形成されるため、UV損傷を含むDNAフラグメントが幅広いバンド状に分離する。
実施例7
インターカレーター法を用いた、無傷DNAフラグメントからの、単一ニックを含むDNAフラグメントの分離
HindIII消化したファイ−xプラスミドをニッキングエンドヌクレアーゼN.BstNB I(ニューイングランド・バイオラボ)で処理した。N.BstNB Iは、デュプレックスの1本の鎖のみを配列特異的に加水分解する。N.BstNB I処理の後、10のDNAフラグメントのうち4つが特異的ニックを含む;5’末端から85bpの位置にニックを含む770bpフラグメント、5’末端か181bpの位置にニックを含む345bpフラグメント、5’末端から32bpおよび71bpの位置にニックを含む335bpフラグメント、ならびに5’末端から23bpおよび256bpの位置にニックを含む291bpフラグメント。
次いで10全部のフラグメントを2−D CDEゲル電気泳動により分離する。ゲルマトリックスは、7Mの尿素を含有する29:1 アクリルアミド:ビスアクリルアミド混合物から調製した8%ポリアクリルアミドからなっていた。このゲルを1×TBE緩衝液中で1時間、重合させた。第1次元ゲル電気泳動を、バイオラドMini Protean II垂直電気泳動システムにおいて、7×8cmのガラスサンドイッチ(1mmのスペーサー)を用いて実施した。室温で45分間、20mAで、1×TBEを上下両方の両衝液チャンバーに入れて、ゲルを操作した。ゲルをガラスサンドイッチから取り出して、1×TBE緩衝液100mlに10分間、3回浸漬した。次いで5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBE緩衝液100mlにゲルを10分間浸漬し、100mlの1×TBE緩衝液中で短時間洗浄した。
第2次元ゲル電気泳動は、ファルマシアMultiphor水平電気泳動システムにおいて実施された。合計45分間、5Wで、両緩衝液チャンバー内に5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBEを用いて、第1次元電気泳動に対して垂直に、ゲルを操作した。ゲルマトリックスを介した緩衝液チャンバー内の電極間の接続は、紙電極芯材料により行われた。第2次元ゲル電気泳動の後、臭化エチジウム染色DNAフラグメントのUV検出のために、ゲルマトリックスをUVP GDS−8000ゲルドキュメンテーションシステムに装入した。図7に示すように、無傷のDNAフラグメントはゲルを貫く対角線に位置するアークを形成する。ニックを含む3つのDNAフラグメント(345bp、335bpおよび291bp)は明らかにアークの前方へ泳動する。
実施例8
インターカレーター法を用いた、7×8cmゲル方式における、完全適正対合したDNAフラグメントからの、PvuII結合部位を含むCy5標識したDNAフラグメントの分離および検出
NarIおよびAvaIを用いるpUC18の二重消化により、2つのフラグメントが形成された;5’末端から72bpの位置にPvuII認識部位を含む198bp線状DNAフラグメント、および5’末端から196bpの位置にPvuII認識部位を含む2488bpフラグメント。生成物をクレノー延長によりCy5標識した。これら2つのフラグメントを、ファイ−X/HaeIII消化DNA(PvuII認識部位を含まない)およびPvuIIと、結合反応物中で混合した。結合反応物(20μl)は、PvuII(1nM)、10nMのPvuII部位含有DNAフラグメント、50ngのファイ−x/HaeIII消化DNA、10mMのトリス(pH8.0)、50mMのNaCl、1mMのDDT、1mMのEDA、10mMのCaCl、30μg/mlのBSA、および7.5%のグリセロールを含有していた。2−D電気泳動の前に、結合反応物を室温で20分間、インキュベートした。
ゲルマトリックスは、10mMのCaClを含有する29:1 アクリルアミド:ビスアクリルアミド混合物から調製した9%ポリアクリルアミドからなっていた。ゲルを0.5×TBE緩衝液中で1時間、重合させた。第1次元ゲル電気泳動を、バイオラドMini Protean II垂直電気泳動システムにおいて、7×8cmのガラスサンドイッチ(1mmのスペーサー)を用いて実施した。4℃で120分間、5Wで、10mMのCaClを含有する0.5×TBEを上下両方の両衝液チャンバーに入れて、ゲルを操作した。ゲルをガラスサンドイッチから取り出して、1×TBE緩衝液100mlに10分間、3回浸漬した。次いで5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBE緩衝液100mlにゲルを10分間浸漬し、100mlの1×TBE緩衝液中で短時間洗浄した。
第2次元ゲル電気泳動は、ファルマシアMultiphor水平電気泳動システムにおいて実施された。室温で合計55分間、5Wで、両緩衝液チャンバー内に5μg/mlの臭化エチジウムを含有する1×TBEを用いて、第1次元電気泳動に対して垂直に、ゲルを操作した。ゲルマトリックスを介した緩衝液チャンバー内の電極間の接続は、紙電極芯材料により行われた。
蛍光走査方式のAP バイオテック、Typhoon 8600可変方式イマージャーにより、励起波長633nmおよび670BP30発光フィルターをCy5検出に用い、励起波長532nmおよび610BP30発光フィルターを臭化エチジウム検出に用いて、DNAフラグメントの蛍光検出を実施した。図8に示すように、結合部位を含まない完全適正対合DNAフラグメントおよび結合部位を含む196bpの非結合DNAフラグメントはゲルを貫く対角線に位置するアークを形成する。PvuIIに対する結合部位を含む196bpのDNAフラグメントは明らかにアークの前方へ押しやられたが、2455bpフラグメントは、このゲルマトリックスにおいて他の非結合DNAフラグメントから解像するには大きすぎた。
実施例9
インターカレーター法を用いた、7×8cmゲル方式における、完全適正対合したフルオレセイン標識DNAフラグメントからの、シトシン4個のバルジを含むCy5標識DNAフラグメントの分離および検出
中央にシトシン4個のバルジを含む5’Cy5標識した298bpフラグメントを、実施例1の記載に従って作製した。バルジを含むフラグメントを、75〜1632bpの10種類の完全適正対合DNAフラグメントを含むフルオレセイン低域DNA標準品(バイオラド)と混和し、次いで2−D CDEゲル電気泳動により分離した。ゲルマトリックスは、29:1 アクリルアミド:ビスアクリルアミド混合物から調製した8%ポリアクリルアミドからなっていた。ゲルを1×TBE緩衝液中で1時間、重合させた。第1次元ゲル電気泳動を、バイオラドMini Protean II垂直電気泳動システムにおいて、7×8cmのガラスサンドイッチ(1mmのスペーサー)を用いて実施した。室温で90分間、20mAで、1×TBEを上下両方の両衝液チャンバーに入れて、ゲルを操作した。ゲルをガラスサンドイッチから取り出して、7Mの尿素を含有する1×TBE緩衝液100mlに浸漬した。ゲルをこの緩衝液中で10分間インキュベートし、次いで94℃に5分間保持した。ゲルの乾燥を防ぐために、ゲルをPlexiglasサンドイッチ内で加熱した。
第2次元ゲル電気泳動は、ファルマシアMultiphor水平電気泳動システムにおいて実施された。20℃で1時間、20Wで、両緩衝液チャンバー内に1×TBEを用いて、第1次元電気泳動に対して垂直に、ゲルを操作した。ゲルマトリックスを介した緩衝液チャンバー内の電極間の接続は、紙電極芯材料により行われた。
実施例3の記載に従ってDNAフラグメントの蛍光検出を実施した。図9に示すように、完全適正対合DNAフラグメントに相当するDNA鎖はゲルを貫く対角線に位置するアークを形成する(図中の緑色バンド)。シトシン4個のバルジを含む二本鎖DNAフラグメントに由来するDNA鎖(図中の赤色バンド)は、明らかにアークの前方へ泳動した。
実施例10
第1次元においてPAGE、第2次元においてアガロース電気泳動を用いた、完全適正対合DNAフラグメントからの、シトシン3個のバルジを含むDNAフラグメントの分離および検出
中央にシトシン3個のバルジを含む298bpフラグメントを、実施例1の記載に従って作製した。バルジを含むフラグメントを、HaeIII消化したファイ−x 174の制限フラグメントに添加した。これは、A−トラクトのため屈曲した281bpフラグメントも含有する。この混合物を2−Dゲル電気泳動により分離した。第1次元ゲルマトリックスは、29:1 アクリルアミド:ビスアクリルアミド混合物から調製した10%ポリアクリルアミドからなっていた。ゲルを1×TAE緩衝液中で1時間、重合させた。第1次元ゲル電気泳動を、バイオラドMini Protean II垂直電気泳動システムにおいて、7×8cmのガラスサンドイッチ(1mmのスペーサー)を用いて実施した。室温、20mAで、1×TAEを上下両方の両衝液チャンバーに入れ、ブロムフェノールブルー色素がゲルの2/3の長さを泳動するまでゲルを操作した。第2次元電気泳動のために、1.7%アガロースゲルを1×TAE中でキャストした。このゲルは、ゲル上端付近に水平に位置する1mmのレーンを備えていた。第1次元電気泳動の後、DNA含有レーンをゲルから切り取った。温アガロースを用いて、このPAGEストリップをアガロースゲルの上記レーンにシールした。
第2次元ゲル電気泳動は、ファルマシアMultiphor水平サブマリン電気泳動システムにおいて実施された。20℃で1時間、110Vで、1×TAE緩衝液を用いてゲルを操作した。第2次元ゲル電気泳動の後、臭化エチジウム染色DNAフラグメントのUV検出のために、ゲルをUVP GDS−8000ゲルドキュメンテーションシステムに装入した。図10に示すように、正常な二次構造を含むDNAフラグメントはゲルを貫く対角線に位置するアークを形成する。異常な二次構造を含むDNAフラグメントは明らかにアークの前方へ泳動する。ここで、低速で泳動する方のバンドは3塩基シトシンバルジを含むフラグメント、高速で泳動する方のバンドはA−トラクトを含むDNAフラグメントである。
実施例11
ヒトゲノムからの高多型性配列の単離および特徴付け
10人の個体からの全血よりDNA試料を単離し、個別にBstY Iで消化し、精製した。アダプターをこれらの制限フラグメントにライゲートさせた。アダプター特異的プライマーおよびAlu 3’特異的プライマー(内部BbsI部位を含む)を用いるPCRを実施し、得られたAlu 3’フランクフラグメントをGFX(商標)カラムにより精製し、次いでBbsIおよびBstY Iで消化し、GFX(商標)により精製した(参照:PCT/US99/24984、エール大学)。次いで、各個体からのPCR生成物4μgを混和し、沈殿させ、4μlの3×EE緩衝液に再懸濁し、35μlの鉱油を試料上部に添加した。次いで試料を94℃に5分間加熱し、1μlの5M NaClを添加し、67℃の水浴内で20時間インキュベートした。
20時間後、試料を1×TEおよびtRNA(100ng/μl)中に希釈して80μlにした。再アニーリングしたフラグメント10μlまたは5μlにアダプターをライゲートさせ、ポリメラーゼを用いてフラグメントを延長し、平滑末端を形成した。次いでこの試料を前記に従って2−Dゲル電気泳動した。アークの前方へ泳動するDNA、したがって完全には適正対合していないDNAをゲルから切り取り、1×TE中、37℃で一夜、ゲルから溶出させた。アークから単離したDNAも溶出させた。これは完全適正対合のはずである。単離したDNAフラグメントを、アダプター特異的プライマーを用いてさらに増幅した。次いで得られたPCRフラグメントをプラスミド中へクローニングし、大腸菌(E.coli)に形質転換した。次いで挿入配列を配列決定し(4例を表1に示す)、ABI Prism(商標)によるジェノタイピングのために、Alu特異的プライマーに対する特異的リバースプライマーを23クローン(アーク前方において単離した14クローン、およびアークからの9クローン)について作製した。10人の個体からのDNA試料についての配列決定およびジェノタイピングにより、アーク前方において単離した14中7クローンは最初のプールの10人の個体間で多型性であることが確認された(2つの多型配列の例を図11aおよび11bに示す)。これに対し、アーク自体から単離した9配列はいずれも多型性でなかった(2つの配列の例を図11cおよび11bに示す)。したがってこの方法で、ヒトゲノムおよび他のゲノム中の新規な未知の多型配列を単離および検出できる。
Figure 2005518202
表1は、2−D CDEゲルから単離した4つのクローン化フラグメントの配列、ジェノタイピングに用いたリバースプライマー、および10人の個体からの配列のジェノタイピングのサイズ結果を示す。配列2.4および3.6はアークの前方で単離されたものであるが、R13およびArch24はアーク自体から単離されたものである。
実施例12
インターカレーター法を用いた、複雑な線状DNAフラグメントの混合物についての再アニーリング効率の推定
9人の個体からプールしたAlu 3’フラグメントの試料を、実施例11の記載に従って特異的PCRにより得た。混合物を3部分に分けた。1つは未処理のまま残し、他の1つを実施例11の記載に従って再アニーリングし、第3部分を95℃で5分間融解し、次いで直ちに氷冷した。同様に1個体からのゲノムDNAをSau3AI消化し、精製し、同様な方法で再アニーリングした。次いで各混合物を、実施例1の記載に従って作製した完全適正対合PCRフラグメントの混合物と混和した。これらのフラグメントは完全適正対合DNAの泳動についての対照として用いられた。次いでDNAプールを、実施例1の記載に従って2−Dゲル電気泳動により分析した。第2次元ゲル電気泳動の後、臭化エチジウム染色DNAフラグメントのUV検出のために、ゲルマトリックスをUVP GDS−8000ゲルドキュメンテーションシステムに装入した。図11aに示すように、未処理のプールDNA試料は完全適正対合した対照DNAフラグメントと同じ泳動挙動を示し、アークを形成した。再アニーリングしたプールDNA試料は未処理DNAと同様な結果を示し、これは再アニーリング反応について高度有効性の指標となった(図11b)。これは、この調製物の複雑さがヒトゲノムDNAと比較して顕著に低下したことと一致する。氷上に保持した融解DNAフラグメントの複雑な混合物は、完全適正対合した対照DNAフラグメントとは全く異なる挙動を示した(図11c)。これは、再アニーリングに際して、完全適正対合した対照DNAフラグメントの形成が効率的でないことを証明する。予想どおり、BstY I消化した全ヒトゲノムの再アニーリングについても同様な結果がみられた(図11d)。このパネルの結果は、本発明方法が複雑な核酸試料の再アニーリング効率を評価できることを示す。
Figure 2005518202
実施例1の記載に従って実施した2−Dゲル分析の蛍光イメージである。このゲルは、完全適正対合した線状DNAフラグメント、およびこの例では解像しないシトシン1個のバルジを含む線状DNAフラグメントを含む、アークの形成を示す。アークをさらに強調するために、完全適正対合した線状DNAフラグメント間に点線を引いてある。0から5まで表示したDNAスポットは、シトシンバルジを含む298bpの線状DNAフラグメントの位置を示す。バルジ中のシトシンヌクレオチドの個数は表示数字と等しい。2〜5ヌクレオチドのサイズ範囲のシトシンバルジを含むDNAフラグメントは、明らかにアークの前方へ泳動し、したがって長さの異なる多数のフラグメントを含有する混合物において完全適正対合DNAフラグメントからの分離を示す。バルジを含む等しい長さのDNAフラグメントは第2次元では類似の速度で泳動するが、コンホメーションによる相異は完全には除かれない。したがってこれらのフラグメントはわずかなアークを形成する。最大バルジを含むフラグメントは第1次元において最低速度で泳動し、したがって第2次元ではアークから最大のずれをもつ。 実施例2の記載に従って実施した2−Dゲル分析のデジタル写真である。この写真は、インターカレーターとしての臭化エチジウムを用いる第2次元電気泳動、およびDNA染色の後に撮影したものである。シトシン0〜5個のバルジを中央に含むDNAフラグメント(0a〜5aと表示)またはそれらの末端から15bpの位置に含むDNAフラグメント(0b〜5bと表示)を完全適正対合した線状DNAフラグメントと混合した。図1に記載したと同様な結果、すなわち完全適正対合DNAフラグメントを含むアークの形成、およびバルジ構造をもつDNAフラグメントのアーク前方への泳動が得られる。シトシンバルジを中央に含むDNAフラグメント(1a〜5aと表示)または一端付近に含むDNAフラグメント(1b〜5bと表示)は、両方ともほぼ垂直なDNAバンドをアーク前方に形成する。これは、すべてのバルジ含有フラグメントが第2次元において類似の速度で泳動することを示す。この実験で、1〜5個のシトシンを含有する線状DNAフラグメントは、そのバルジがDNAフラグメントの中央または末端付近のいずれにあるかに関係なく、完全適正対合した線状DNAから分離する。 実施例3に従って実施した2−Dゲル分析の二色蛍光イメージである。完全適正対合した線状DNAフラグメントは蛍光色素で標識されて、図中に緑色バンドを生じる。完全適正対合DNAフラグメントは、ゲルを貫く対角線を形成する。シトシン0〜5個のバルジを中央に含むDNAフラグメントをCy5で標識すると、赤色DNAバンドを生じる。7×8cmのゲルを用いるこの系で、完全適正対合DNAフラグメントと3〜5塩基のサイズ範囲のバルジを含むDNAフラグメントの分離が達成される。 実施例4の記載に従って実施した2−Dゲル分析の蛍光イメージである。電気泳動の前に、シトシン1〜5個のサイズ範囲のバルジを含む線状DNAフラグメントを、数十万の線状DNAフラグメントを保有する複雑なヒトゲノム呈示物と混合した。複雑なゲノム呈示物とこの設定では解像されない1または2塩基バルジをもつフラグメントを含むアークが形成される。呈示物が著しく複雑であるため、アーク内の個々のフラグメントは解像されない。3〜5塩基のサイズ範囲のバルジを含む線状DNAフラグメントは、2−D電気泳動後にアークの前方に位置する。 実施例5の記載に従って実施した2−Dゲル分析のデジタル写真である。この写真は、第1次元電気泳動の後(a)、次いで第2次元電気泳動の中間時点、30分(b)、45分(c)、および60分(d)で撮影したものである。図5aは、コンホメーションと長さの両方に従ったDNAフラグメントの一次元分離を示す。図5b〜dは、1および2と表示した2つのDNAフラグメントの第2次元分離を示す。1と表示したDNAフラグメントは、シトシン3個のバルジを含み、この実験の陽性対照である。2と表示したDNAフラグメントは、HaeIIIで消化した複製形のプラスミド、ファイ−xからの281bp制限フラグメントである。このDNAフラグメントはA−トラクトを含み、ポリアクリルアミドゲル電気泳動において異常な泳動を示す。3C−バルジおよびA−トラクトと表示したDNAフラグメントは、第2次元において他のDNAフラグメントより相対的に高速で泳動し、したがって異常な二次構造を含む2つのDNAフラグメントを、正常な二次構造をもつ完全適正対合した多量の線状DNAフラグメントから分離できる。この分離は、電気泳動時間の延長に伴って向上する。 実施例6の記載に従って実施した2−Dゲル分析のデジタル写真である。非特異的UV損傷を含む545bpのPCR生成物を無傷の線状DNAフラグメントと混合し、2−Dゲル系を用いてインターカレーター法により分離した。このゲルは、無傷の線状DNAフラグメントを含むアークの形成を示す。このアークの前方に、ほぼ垂直な線を形成した数個のDNAスポットが明瞭に検出される。UV損傷の形成は特異的ではなく、したがって各分子のUV損傷量の相異のため幅広い垂直な線がアークの前方に検出される。表示’A’は、多様な部位にCPD損傷を含むこれら545bpのDNAを表わす。 実施例7の記載に従って実施した2−Dゲル分析のイメージである。HindIIで消化したファイ−xプラスミドをニッキングエンドヌクレアーゼN.BstNB Iで処理した。次いでこれらの線状DNAフラグメントを2−Dゲル電気泳動により分離した。無傷の線状DNAフラグメントはアークを形成する。配列特異的に加水分解した一本鎖をもつ3つのDNAフラグメントは明らかに無傷の線状DNAフラグメントの前方へ移動し、したがって第1次元での7Mの尿素およびインターカレーター法を用いた系において無傷のDNAフラグメントとニック付きDNAフラグメントの分離が示される。 実施例8の記載に従って実施した2−Dゲル分析の二色蛍光イメージである。PvuIIと複雑な線状DNAフラグメント混合物とのタンパク質−DNA結合アッセイを実施する。混合物中の2つのDNAフラグメントはPvuII認識部位を含み、これらのフラグメントはCy5で特異的に標識される。一定のインキュベーション時間後、インターカレーター法を用いる2−Dゲル電気泳動により、結合反応物を分離した。PvuIIとの相互作用を生じないDNAフラグメントは、ゲルを貫くアークを形成する(緑色のバンド)。認識部位をもつ結合していないDNAフラグメントもこのアーク内に位置する(赤色のバンド)。PvuIIに結合したDNAフラグメントは明らかにこのアークの前方へ移動し(赤色のバンド)、したがって結合していないDNAフラグメントと結合したDNAフラグメントの分離がこの系において示される。PvuII認識部位を5’末端から196bpに含む2488bpのフラグメントは、このゲルにおいて解像するには大きすぎる。 実施例9の記載に従って実施した2−Dゲル分析の二色蛍光イメージのコピーである。完全適正対合DNAフラグメントをフルオレセイン色素で標識すると、緑色のDNAバンドが得られる。完全適正対合DNAフラグメントは、ゲルを貫く対角線を形成する。シトシン0または4個のバルジを中央に含むDNAフラグメントをCy5で標識すると、赤色のDNAバンドが得られる(図中に0および4と表示)。シトシン4個のバルジを含むDNAフラグメントは明らかに完全適正対合DNAフラグメントの前方へ移動し、したがって第2次元において十分な変性条件を用いた系において、完全適正対合DNAフラグメントと不適正対合DNAフラグメントの分離が示される。 実施例10の記載に従って実施した2−Dゲル分析のデジタル写真である。図10は、1および2と表示した2つのDNAフラグメントの第2次元コンホメーション分離を示す。1と表示したDNAフラグメントはシトシン3個のバルジを含み、2と表示したDNAフラグメントはHaeIIIで消化した複製形プラスミド、ファイ−xからの281bpの制限フラグメントである。このDNAフラグメントはA−トラクトを含み、ポリアクリルアミドゲル電気泳動において異常な泳動を示す。1および2と表示したDNAフラグメントは、第2次元において他のDNAフラグメントより相対的に高速で泳動し、したがって2つの異なる異常な二次構造を含むDNAフラグメントを、正常な二次構造をもつ多量の完全適正対合した線状DNAフラグメントから、第1次元のPAGEおよび第2次元のアガロース電気泳動により分離できる。 実施例11に記載した実験で得たPCR配列のジェノタイピング結果の例である。最初に2−D CDEにより単離した試料配列と同じ10人の匿名者から遺伝子型を決定した。図11aは、アーク前方のゲル領域から単離した配列のジェノタイピングを示す。これから分かるように、配列は個体内および個体間で多型性である。 図11bは、アーク前方のゲル領域から単離した配列のジェノタイピングを示す。これから分かるように、配列は個体内および個体間で多型性である。 図11cは、アーク自体から単離した配列のジェノタイピングを示す。これから分かるように、配列は多型性ではない。 図11dは、アーク自体から単離した配列のジェノタイピングを示す。これから分かるように、配列は多型性ではない。 実施例12の記載に従って実施したUV照射2−Dゲルのデジタル写真である。DNAをDNA染料としての臭化エチジウムにより視覚化する。図12aは、Alu反復配列の3’側フランキング配列フラグメントを選択的に増幅できる特定のPCRにより得たDNAフラグメントの未処理プールの2−D電気泳動を示す。pBR322からPCRにより得たDNAフラグメントを、種々の長さの完全適正対合DNAフラグメントの標準品として用いた。DNAプールは明らかに、このプラスミドから得た完全適正対合DNAフラグメントと同様な様式で移動し、幅広い長さ範囲の線状DNAフラグメントを含むアークを形成する。図12bでは、再アニーリングしたDNAフラグメントのプールを分析している。このDNAプールは、未処理プール(図12a)について得たものと類似の挙動を示すが、形成されたアークはより狭い長さ範囲をもつ。同一DNAプールを95℃で5分間変性させ、氷上で急冷し、次いで2−Dゲルで分析すると、全く異なる挙動が得られる(図12c)。予想どおりプール中のごく少数のDNAが完全適正対合DNAフラグメントを形成する。したがって、プラスミド由来の完全適正対合DNAフラグメントのみがアークを形成する。これに対し、プールからのDNAフラグメントはアーク前方へ移動し、これは完全再アニーリングの欠如による異常な構造の指標となる。プールしたゲノムDNAをSau3AIで消化したものを、変性および再アニーリング操作の後、同様に2−Dゲル電気泳動により分析した。ヒトゲノムは著しく複雑であるため、このような再アニーリングはきわめて非効率的である。事実、プラスミド由来の完全適正対合したPCR生成物のみがアークを形成する(図12d)。

Claims (27)

  1. 非環状核酸フラグメントをそれらの長さおよびコンホメーションに基づいて複雑な核酸混合物から分離する方法であって、
    − 核酸フラグメントの複雑な混合物を調製し;
    − その試料をゲル電気泳動装置に装填し、第1次元において、該試料を第1組の予め定めた電気泳動条件下でゲルマトリックス中を電気泳動し;
    − 第2次元において、該ゲルマトリックスを第2組の電気泳動条件下で電気泳動する
    ことを含み、
    これにより、長さは等しいがコンホメーションの異なる核酸フラグメントが分離され、
    第1と第2の電気泳動条件は、これらの次元のうち一方では電気泳動により試料分子をコンホメーションと長さに基づいて分離でき、これらの次元のうち他方では電気泳動により試料分子を実質的に長さに基づいて分離できるように異なっており、
    この相異は化学的作用因子により、および所望により温度などの物理的作用因子の変更との組合わせにより樹立され、該因子は核酸フラグメント間のコンホメーションの相異を低減または増強できるものである方法。
  2. 化学的作用因子が、核酸に対する相互作用を生じうる分子である、請求項1に記載の方法。
  3. 化学的作用因子が、天然または合成のインターカレーション分子である、請求項2に記載の方法。
  4. 化学的作用因子が、臭化エチジウム、アクラシノマイシン、クロロキン、ジスタマイシン−エルプチシン、ダウノマイシン、ブレオマイシン、ベンゾ[a]ピレン、アイレマイシン、プロフラビン、CI−958、キアンクリン、アクチノマイシン、DEAPフルオランテン、プソラレン、ビサントレン、ジテルカリニウム、BBM−938A、エチノマイシン、およびTOTOよりなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 化学的作用因子が溝結合分子である、請求項2に記載の方法。
  6. 溝結合分子が、ネトロプシン、ジスタマイシン、ヘキスト33258、およびSN 6999よりなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 化学的作用因子が、核酸に対する静電相互作用を生じうる荷電分子である、請求項2に記載の方法。
  8. 多型核酸を分離する、請求項1に記載の方法であって、核酸試料は1個体からの核酸または複数個体からのプールを含み、核酸は開裂、変性および再アニーリングされており、その際、プールした試料を混合した後に変性工程および再アニーリング工程を行ってホモ−およびヘテロハイブリッドの混合物を調製し、多型核酸を含む不適正対合ヘテロハイブリッドを完全適正対合ホモ−およびヘテロハイブリッドから分離する方法。
  9. さらに、多型核酸を含む不適正対合ヘテロハイブリッドを単離して該核酸を同定する工程を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 対立遺伝子頻度が個体間または個体プール間で異なる、個体または個体プールからの複雑なDNA試料のコンホメーション分離を行うための、下記の工程を含む請求項1に記載の方法:
    a.2以上のDNA試料を混和することによりDNAプールを調製し、または1個体からDNA試料を調製し、
    b.プール中または1個体からのDNA試料中のDNAフラグメントに特異的なアダプターをアニーリングさせ、
    c.DNAフラグメントにライゲートしていない過剰のアダプターを除去し、
    d.2以上のプールを混和し、
    e.DNA試料のプールまたは1個体からのDNA試料の混合物を変性させ、
    f.DNA試料のプールを再アニーリングして、相同鎖を含むDNAデュプレックスを形成し、
    g.不適正塩基対により、または完全適正対合した正常なコンホメーションをもつDNAデュプレックスからの挿入/欠失ループにより形成された、異常なコンホメーションを含むデュプレックスを分離する。
  11. 正常または異常なコンホメーションをもつ単離フラグメントをシグナルで標識し、選択したゲノムクローンまたは中期染色体のサブセットのアレイ状ライブラリーであるアレイ状ライブラリーにハイブリダイズさせる、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. DNA試料をサブトラクティブ・ハイブリダイゼーションの材料として使用する、請求項11に記載の方法。
  13. 核酸試料の再アニーリング効率を推定し、その際、完全適正対合デュプレックスの測定相対量が再アニーリング効率の指標となる、請求項1に記載の方法。
  14. 非環状核酸フラグメントをそれらのコンホメーションに基づいて複雑な試料から分離する方法であって、
    −核酸フラグメントの試料を調製し;
    −該試料をゲル電気泳動装置に装填し、第1次元において、該試料を第1組の予め定めた電気泳動条件下でゲルマトリックス中を電気泳動し;
    −第2次元において、該ゲルマトリックスを第2組の電気泳動条件下で電気泳動する
    ことを含み、
    これにより、長さは等しいがコンホメーションの異なる核酸フラグメントが分離され、
    第1と第2の電気泳動条件は、これらの次元のうち一方では電気泳動がポリアクリルアミドゲルマトリックス中で行われ、その条件により試料分子をコンホメーションと長さに基づいて分離でき、これらの次元のうち他方では電気泳動がアガロースマトリックス中で行われ、その条件により試料分子を実質的に長さに基づいて分離できるように異なっており、下記から選択される1以上の特色を有する核酸フラグメントをコンホメーションに基づいて分離できるものである方法:挿入/欠失ループ、不適正対合核酸、スリップした不適正対の核酸;塩基のメチル化;塩基の損傷、UV損傷により生じた光生成物、電離性放射線による塩基の損傷、塩基の酸化的損傷、GGCC反復配列、プリン−ピリミジントラクト、塩基付加物の付加、三本鎖核酸、十字形構造、反復配列、DNA Zヘリックス、タンパク質結合核酸、ヘアピンループ、塩基ギャップ、ニック。
  15. 化学的作用因子が変性作用分子である、請求項1に記載の方法。
  16. 化学的作用因子が、脂肪族アルコール:メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、アリル、ブチル、イソブチルおよびアミルアルコール、ならびにエチレングリコールなど;環状アルコール:シクロヘキシル、ベンジル、フェノールおよびp−メトキシフェノールなどのアルコールならびにイノシトール;脂環式化合物:アニリン、ピリジン、プリン、1,4−ジオキサン、ブチロラクトンおよびアミノトリアゾールなど;アミド:ホルムアミド、エチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、グリコールアミド、チオアセトアミド、バレロラクタムなど;尿素類:カルボヒドラジド、1,3−ジメチル尿素、エチル尿素、t−ブチル尿素、チオ尿素およびアリルチオ尿素など;カルバメート:ウレタン、N−メチルウレタンおよびN−プロピルウレタンなど;界面活性剤:トゥイーン40およびトリトンX−100など;ならびに他の化合物:シアノグアニジン、スルファミド、グリシン、アセトニトリルなどよりなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 核酸フラグメントが、DNAデュプレックス、RNAデュプレックス、DNA/RNAデュプレックス、PNAデュプレックス、PNA/DNAデュプレックス、PNA/RNAデュプレックス、LNAデュプレックス、LNA/DNAデュプレックス、LNA/RNAデュプレックスから選択される、請求項1に記載の方法。
  18. 核酸混合物が、下記の群から選択される1以上の特色により生じた異常なコンホメーションをもつ核酸フラグメントを含有する、請求項1に記載の方法:
    a.挿入/欠失ループ;
    b.不適正対合核酸;
    c.スリップした不適正対の核酸;
    d.塩基のメチル化;
    e.塩基の損傷;
    f.UV損傷により生じた光生成物;
    g.電離性放射線による塩基の損傷;
    h.塩基の酸化的損傷;
    i.アデニントラクトおよびGGCC反復配列など、内在屈曲により生じた配列;
    j.プリン−ピリミジントラクト;
    k.塩基付加物の付加;
    l.三本鎖核酸;
    m.十字形構造;
    n.反復配列;
    o.DNA Zヘリックス
    p.タンパク質結合核酸;
    q.ヘアピンループ;
    r.AP部位;
    s.塩基ギャップ;
    t.ニック。
  19. さらに、分離した核酸フラグメントの少なくとも一部を単離する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  20. 核酸試料が1個体のゲノムに由来する、請求項1に記載の方法。
  21. 試料が、開裂、変性および再アニーリングした核酸フラグメントを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 試料が1より多い個体からのゲノムを含むプールである、請求項1に記載の方法。
  23. 試料が開裂、変性および再アニーリングした核酸フラグメントを含み、その際、変性工程および再アニーリング工程が試料またはプールした試料を混合してホモ−およびヘテロハイブリッドの混合物を得る前または後に行われる、請求項22に記載の方法。
  24. 試料またはプールした試料の各々が各ゲノムのサブセットである、請求項20または22に記載の方法。
  25. 試料またはプールした試料の各々が各ゲノムの高度多型性サブセットである、請求項24に記載の方法。
  26. 試料またはプールした試料の各々が各ゲノムに由来するcDNAを含む、請求項20または22に記載の方法。
  27. 試料が1より多い試料プールを含む、請求項1に記載の方法。
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