JP2005517183A6 - Hpvのインヒビターを同定するためのe2置換アッセイ - Google Patents

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Abstract

本発明は、一般的にヒト乳頭腫ウイルス(HPV)のインヒビターを同定するためのアッセイであって、a)HPV E2トランス活性化ドメインをプローブと接触させてE2:プローブ複合体を形成し、かつ前記プローブからの信号を測定して基線レベルを確立する工程;b)該E2:プローブ複合体を試験化合物と共にインキュベートし、かつ前記プローブからの信号を測定する工程;c)工程b)の信号を工程a)の信号と比較する工程;を含むことによって、前記信号の変調が、前記試験化合物が前記トランス活性化ドメインに結合する指標であることを特徴とするアッセイであって、前記プローブが、下記式(I)の化合物又はその鏡像異性体若しくはそのジアステレオ異性体(式中、R1、A、X、W、Y、R3及びR4は、本出願で定義されるとおりである);又はその誘導体であり、前記誘導体は、検出可能標識若しくはアフィニティータグで標識された式(I)のプローブであり、式中波線は、特定しない立体化学の結合を表し;かつ前記信号は、蛍光、共鳴エネルギー移動、時間分解蛍光、放射能、蛍光偏光、固有スペクトル特性の変化、発光及びプラズマ-共鳴から選択されることを特徴とするアッセイに関する。
【化1】

Description

(発明の分野)
本発明は、一般的に乳頭腫ウイルス(PV)、特にヒト乳頭腫ウイルス(HPV)のインヒビターを同定するためのアッセイに関する。特に、本発明は、HPVインヒビターを同定するための競合アッセイにおける新規なプローブを提供する。さらに詳細には、本発明は、HPV E2のトランス活性化ドメイン(TAD)に特異的に結合してそれと複合体を形成し、かつHPVのインヒビターによって置換されうるプローブの合成及び使用に関する。
(発明の背景)
乳頭腫ウイルスは、上皮の過剰増殖性傷害を誘発する非エンベロープ型DNAウイルスである。乳頭腫ウイルスは自然に蔓延し、かつ高等脊椎動物内で同定されている。ウイルスは、とりわけ、ヒト、ウシ、ウサギ、ウマ、及びイヌから特徴づけされている。最初の乳頭腫ウイルスは、1993年にワタオウサギ乳頭腫ウイルス(CRPV)として記述された。それ以来、ワタオウサギのみならずウシ乳頭腫ウイルス1型(BPV-1)が乳頭腫ウイルスに関する研究のための実験用原型として役立っている。ほとんどの動物乳頭腫ウイルスは、純粋に上皮の過剰増殖性傷害を伴い、かつ動物のほとんどの傷害は皮膚である。ヒトでは、75種を超える乳頭腫ウイルスが同定されており、感染部位によって目録が作製されている:皮膚の上皮及び粘膜の上皮(口及び性器の粘膜)。皮膚関連疾患としては、扁平イボ、足底イボ等が挙げられる。粘膜関連疾患としては、咽頭乳頭腫及び子宮頚癌のような肛門性器疾患が挙げられる。
肛門性器疾患に関係する25種を超えるHPV型があり、これらは“低リスク”と“高リスク”型に分類されている。低リスク型としては、6型及び11型HPVがあり、主に尖圭コンジローム及び低度の扁平上皮内傷害(SIL)のような良性の傷害を誘発する。米国では、性活動集団の1%が性器イボを有しており、その90%がHPV-6とHPV-11に起因する。
高リスク型は高度のSIL及び子宮頚癌に関連し、かつ高頻度で16、18、31、33、35、45、及び58型HPVを含む。低リスクのHPV型を含む傷害に比し、高リスクのHPV-16及び18を含む傷害では、低度のSILから高度のSILへの進行がずっと高頻度である。さらに4種のHPV型だけが子宮頚癌で検出される(16、18、31及び45型)。世界中で毎年約500,000の新しい症例が頚部の侵襲性癌と診断されている。
PVのライフサイクルはケラチノサイト分化に密接に関連している。感染は、基底上皮内の組織破壊部位で起こると考えられる。正常な細胞と異なり、該細胞は垂直方向の分化を受けながら細胞性DNA複製機構が維持される。感染細胞が増殖性分化を受けるにつれて、ウイルスゲノムコピー数とウイルス遺伝子発現が順次増加し、最後に分化するケラチノサイト内の最終的な後期遺伝子発現とビリオン構築及びウイルス粒子の放出が増加する。
各乳頭腫ウイルスのコーディング鎖は、約10個の指定された翻訳の開いた読み枠(ORFs)を含み、それらはゲノム内の位置によって初期ORFs又は後期ORFsのどちらかに分類されている。E1〜E8は、ウイルス複製サイクルの初期に発現され、2つの後期遺伝子(L1及びL2)は、それぞれメジャー及びマイナーキャプシドタンパク質をコードする。E1及びE2遺伝子産物はウイルスDNA複製で機能し、一方、E5、E6及びE7は宿主細胞増殖と関連して発現される。L1及びL2遺伝子産物は、ビリオン構造に関与する。E3及びE8遺伝子産物の機能は、現在は不確かである。
HPVの研究は、タンパク質E1及びE2だけが、宿主のDNA複製機構に加え、ウイルスのインビトロ及びインビボDNA複製に必要な2つのウイルスタンパク質であることを示した。この要求は、ウシ乳頭腫ウイルス1型(BPV-1)の要求と同様である。実際、E1及びE2タンパク質と、ウイルスの種や型と無関係にすべての乳頭腫ウイルス(PV)の複製起点配列との間には高度の類似性がある。BPV-1の研究から発する証拠は、E1がATPアーゼとウイルスDNA複製で必要なヘリカーゼ活性とを有することを示した。
E2タンパク質は、E1タンパク質に結合して、複製起点配列に特異的に結合する複合体を形成する転写活性体である(Mohrら, 1990, Science 250:1694-1699)。E2は、E1のBPV複製起点への結合を促進すると考えられている(Seoら, 1993, Proc. Natl. Acad. Sci., 90:2865-2869)。HPVでは、Luiら、E2が複製起点に結合するE1を安定化することを示唆した(1995, J. Biol. Chem., 270(45):27283-27291)。E2のHPV-16トランス活性化ドメイン(TAD) は、J.E. Burnsら, 1998 (Acta Cryst. D54, 1471-1474)に記載されており、アミノ酸1〜190がE1結合に必要十分であることが分かった(Yasugiら,1997,J. Virol. 71, 891-899)。
従って、この病気の邪魔をするため、ウイルスDNA複製を妨げ或いは阻害するであろう化学エンティティーが望ましい。E1-E2相互作用のインヒビターを評価するための以前に記述された方法(米国特許第5,925,516号及びTitoloら, 1999, J. Virol. 73, 5282-5293)は、全長E1及びE2タンパク質の生産に依存している。HPV E2及び特にE1は、有効な薬物スクリーニングのために十分な量と純度で得ることは困難だった(Whiteら, 2001, J. Biol. Chem., 276(25), 22426-22438; Rocqueら, 2000, Protein, Expression Purif. 18, 148-159)。さらに、この相互作用についての1つの一般的なアッセイは、E1とE2の二本鎖DNAへの競合的結合を測定することを含み、以後本明細書ではE2-依存性E1 DNA結合アッセイと呼ぶ(Titoloら, 1999, J. Virol. 73, 5282-5293)。この方法は、タンパク質-DNA相互作用では一般的に周知なように、塩濃度とpHに高度に感受性である。さらに、タンパク質-DNA相互作用は、非特異的なDNA挿入体による阻害に感受性である(Laiら, 1992, Proc Natl. Acad. Sci. USA , 89(15):6958-62)。
HPV複製を阻害する化学エンティティーの1つのファミリーは、2002年6月27日に公開されたWO 02/50082に開示されている。これらインヒビターの作用機序が解明され、かつそれらがE2 TADに結合することでE1-E2相互作用を阻害することが分かった。そこで、我々は、これらをプローブとして使用すると、DNAに結合してウイルス複製を進めるための複合体にとって重大な相互作用であるE1:E2相互作用を阻害或いは破壊をもする試験化合物で置換できることを正当化した。この理論的根拠の確証は、本アッセイで同定されたインヒビターを周知のE2-依存性E1-DNA結合アッセイで試験することで得られるだろう。
従って、本発明は、乳頭腫ウイルス複製のインヒビターとして可能性のあるインヒビターをスクリーニングするためのプローブと新規な置換アッセイを提供する。有利には、本発明のこの置換アッセイは、使用しやすく、安価で、かつ塩濃度とpHレベルの調整が受け入れやすい。このタイプのアッセイは、高い感度と高い処理能力形式をも受け入れやすく、かつ精製しやすい低分子量のタンパク質を使用する。
本発明のさらなる利点は、高い親和性でHPV E2のトランス活性化ドメインに結合し、かつHPVのインヒビターによって置換されるプローブを提供することである。
(発明の概要)
第1実施形態では、本発明は、下記式(I)又はその鏡像異性体若しくはそのジアステレオ異性体のプローブ:






Figure 2005517183
(式中:
Aは、5-若しくは6-員同素(モノ)環式環、又はN、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5-若しくは6-員ヘテロ環式環であり;
XがHかつWがOHであり;或いはXとWが一緒にカルボニル基又はエポキシドを形成しており;
1はH;或いは以下の基:ヒドロキシ、ハロ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級チオアルキル、ハロアルキル(例えばトリフルオロメチル)、又は-C(O)R2(R2は低級アルキル、アリールオキシ又はベンジルオキシである)から成る群より独立的に選択される1又は2個の置換基であり;
Yは、任意にR5又はC(O)R6(R5は低級アルキル、低級シクロアルキル、低級アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトリル又はトリフルオロメチルであり、かつR6は低級アルキル、低級シクロアルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ又はトリフルオロメチルである)で一-若しくは二-置換されていてもよいフェニルであり;前記フェニル環は、任意に飽和若しくは不飽和4〜6-員環(任意に、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい)と縮合されていてもよく;
或いはYは、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含むヘテロ環(Het)であり、前記Hetは、任意にR5又はC(O)R6(R5及びR6は上記定義どおりである)で一-若しくは二-置換されていてもよく;前記Hetは、任意に飽和若しくは不飽和4〜6-員環(任意に、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい)と縮合されていてもよく;
或いはYは、エチレン-フェニルであり、前記エチレン部分は、任意に低級アルキルで一-置換されていてもよく、前記フェニル環は、任意にR5又はC(O)R6(R5及びR6は上記定義どおりである)で一-若しくは二-置換されていてもよく;前記フェニル環は、任意に飽和若しくは不飽和4〜6-員環(任意に、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい)と縮合されていてもよく;
或いはYは、エチレン-Hetであり、前記エチレン部分は、任意に低級アルキルで一-置換されていてもよく、前記Hetは、任意にR5又はC(O)R6(R5及びR6は上記定義どおりである)で一-若しくは二-置換されていてもよく;前記Hetは、任意に飽和若しくは不飽和4〜6-員環(任意に、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい)と縮合されていてもよく;
3は、以下の基:低級アルキル、低級シクロアルキル、低級アルキレン、アリール又は低級アラルキル(すべて任意に以下の基:
低級アルキル、低級シクロアルキル、ハロアルキル、ハロ、CN、アジド、低級アルコキシ、(低級アルキル)アシル、C1-6チオアルキル、C1-6アルキルスルホニル、NHC(O)-低級アルキル、NHC(O)-アリール、NHC(O)-O-低級アルキル、NHC(O)O-アリール、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、又はHet(前記Hetは、任意に、低級アルキル、低級シクロアルキル、低級アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトリル、トリフルオロメチル、C(O)R6(R6は上記定義どおりである)で一-若しくは二-置換されていてもよい)で一-若しくは二-置換されていてもよい)から成る群より選択され;
前記低級シクロアルキル、アリール、低級アラルキル又はHetは、任意に飽和若しくは不飽和4〜6-員環(任意に、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい)と縮合されていてもよく;
4は、カルボン酸、その塩若しくはエステルである);
又はその誘導体を提供する。
式中、波線は、特定しない立体化学の結合を表し;かつ
前記プローブは、HPV E2のトランス活性化ドメインに結合して、その潜在的なインヒビターと置換されうる。
代わりに、本発明の第1実施形態は、下記式から成る群より選択される式を有する化合物を提供する。
Figure 2005517183
式中、R1、A、X、W、Y、R3及びR4は、上記定義どおりである。
式Iの化合物は、下記型(2)及び(3)によっても表すことができる。
Figure 2005517183
式中、R1、A、X、W、Y及びR3は、上記定義どおりである。
本技術の当業者には分かるように、型(2)及び(3)の化合物は、型(1)の式(I)の化合物に容易に変換される。理論によって束縛されたくないが、式(I)の化合物は型(1)、(2)又は83)との間で、それらが溶解している溶媒及びpHによって平衡状態にあると考えられる。しかし、式(I)の化合物は、型(1)で生物学的に活性であり、かつ型(2)及び(3)の化合物は、哺乳類血漿を再生する条件(pH 7.4)では加水分解して生物学的に活性な型(1)を生じることが実証された。
本発明の第2実施形態により、HPV複製のインヒビターの同定のためのアッセイであって、以下の工程:
a)HPV E2タンパク質のトランス活性化ドメインを上記定義どおりの式Iのプローブと接触させてE2:プローブ複合体を形成し、かつ前記プローブからの信号を測定して基線レベルを確立する工程;
b)E2:プローブ複合体を試験化合物と共にインキュベートし、かつ前記複合体中の前記プローブからの信号を測定する工程;及び
c)工程a)の信号を工程b)の信号と比較する工程;
を含むことによって、前記信号の変調が、前記試験化合物が前記トランス活性化ドメインに結合する指標であることを特徴とするアッセイが提供される。
本技術の当業者には分かるように、上述したアッセイの工程a)とb)は、順繰りに或いは平行して行うことができ、すなわち、試験化合物の添加前にE2:プローブからの対照信号を測定するか、或いはE2:プローブ複合体が試験化合物と混合されるウェルとは異なるウェル内で対照信号を測定することができる。
この第2実施形態の代替局面は、HPV複製のインヒビターの同定のためのアッセイであって、以下の工程:
a)HPV E2タンパク質のトランス活性化ドメインを上記定義どおりの式Iのプローブと接触させてE2:プローブ複合体を形成し、かつ前記プローブからの信号を測定して基線レベルを確立する工程;
b)E2タンパク質を試験化合物と共にインキュベートする工程;
b')式(I)のプローブを、工程b)の前記E2と試験化合物の混合物に添加し、かつ前記プローブからの信号を測定する工程;及び
c)工程a)の信号を工程b')の信号と比較する工程;
を含むことによって、前記信号の変調が、前記試験化合物が前記トランス活性化ドメインに結合する指標であることを特徴とするアッセイを提供する。
本技術の当業者には分かるように、上述したアッセイの工程a)とb)は、通常平行して行われ、すなわちE2:プローブからの対照信号は、E2:試験化合物がプローブと混合されるウェルとは異なるウェル内で測定される。
本技術の当業者には分かるように、本アッセイで用いる式(I)のプローブは、過度の負担なしで、WO 02/50082で見つけられるいずれの代替化合物とも交換することができる。
本技術の当業者には分かるように、信号の変調は、信号の減少又は増加のどちらかを意味する。通常、信号の変調は、信号の減少として観察されるだろう。
本発明の第3実施形態により、HPV複製のインヒビターを同定するためのアッセイの開発における式(I)のプローブの使用が提供される。
本発明の第4実施形態により、HPVのトランス活性化ドメインに結合する可能性のある化合物を試験するためのキットが提供され、前記キットは、式(I)のプローブと、前記トランス活性化ドメインに結合する試験化合物を同定するための前記プローブの使用法に関する説明書とを含む。
本発明の第5実施形態により、HPV E2のトランス活性化ドメインに結合する可能性のある化合物を試験するための試薬が提供され、前記試薬は、上記定義どおりのE2:プローブ複合体を含む。
このように本発明について一般的に述べたが、以下、本発明の好ましい実施形態の例として示す添付図面を参照する。
(好ましい実施形態の詳細な説明)
(定義)
本明細書で使用する場合、特に言及しない限り以下の定義を適用する。
本明細書で使用する場合、用語“誘導体”は、“検出可能標識”又は“アフィニティータグ”を意味するつもりである。用語“検出可能標識”は、プローブがドメインと会合しているとき、該標識を検出し、測定し、かつ定量できるように、該標識が直接若しくは間接的にプローブを認識できるように、HPV E2のトランス活性化ドメイン又は本発明のプローブに連結しうるいずれの基をも指す。このような“標識”の例としては、限定するものではないが、蛍光標識(フルオレッセイン、オレゴングリーン、ダンシル、ローダミン、テトラメチルローダミン、テキサスレッド、フィコエリトリンBODIPY(登録商標)FL、BODIPY(登録商標)493/503又はEu3+)、化学発光標識(ルシフェラーゼのような)、比色標識、酵素マーカー、放射性同位元素(3H、14C、125Iのような)及びビオチンのようなアフィニティータグが挙げられる。このような標識は、周知の方法でプローブ又はHPV E2のトランス活性化ドメインに付着させることができる。
本明細書で使用する場合、用語“アフィニティータグ”は、リガンド(HPV E2のトランス活性化ドメイン又は本発明のプローブに連結される)を意味し、受容体に対するその強力なアフィニティーを用い、該リガンドが付着したエンティティーを溶液から抽出することができる。このようなリガンドの例としては、ビオチン又はその誘導体、ポリ-ヒスチジンペプチド、アミロース糖成分、又は特異的抗体によって認識可能な定義されたエピトープが挙げられる。このようなアフィニティータグは、周知の方法でプローブ又はHPV E2のトランス活性化ドメインに付着される。
本明細書で使用する場合、用語“プローブ”は、共有又は非共有様式で、HPV E2のトランス活性化ドメインに結合しうる式(I)の化合物を意味する。プローブが非共有様式で結合する場合、プローブは試験化合物で置換されうる。共有様式で結合する場合、プローブは交差連結実験で使用して、試験化合物でHPV E2付加生成物を定量かつ阻害することができる。
本明細書で使用する場合、用語“ハロ”は、ブロモ、クロロ、フルオロ又はヨードから選択されるハロゲン基を意味する。
本明細書で単独又は別の基と組み合わせて使用する場合、用語“低級アルキル”(又はC1-6アルキル)は、6個までの炭素原子を含む直鎖若しくは分岐鎖アルキル基を意味し、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、1-メチルエチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル及び1,1-ジメチルエチルが挙げられる。ある基に先行する用語“C0-6アルキル”は、この基が、任意にC1-6アルキル基を介して連結されていてもよく、或いはアルキルが存在しない(C0)ことを意味する。
本明細書で単独又は別の基と組み合わせて使用する場合、用語“低級シクロアルキル”は、3〜7個の炭素原子を含む飽和環式炭化水素基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語“低級アルコキシ”は、1〜4個の炭素原子を含む直鎖アルコキシ基と、3〜4個の炭素原子を含む分岐鎖アルコキシ基を意味し、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1-メチルエトキシ、ブトキシ及び1,1-ジメチルエトキシが挙げられる。後者の基は、通常tert-ブトキシとして知られる。
本明細書で使用する場合、用語“ハロアルキル”は、1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されている、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基を意味する(例えばトリフルオロメチル)。
本明細書で使用する場合、用語“アミノ”は、式-NH2のアミノ基を意味する。本明細書で使用する場合、用語“低級アルキルアミノ”は、1〜6個の炭素原子を含むアルキルアミノ基を意味し、メチルアミノ、プロピルアミノ、(1-メチルエチル)アミノ及び(2-メチルブチル)アミノが挙げられる。用語“ジ(低級アルキル)アミノ”は、2個の低級アルキル置換基(それぞれ1〜6個の炭素原子を含む)を有するアミノ基を意味し、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ等が挙げられる。
本明細書で単独又は別の基と組み合わせて使用する場合、用語“アシル”は、基-C(O)Rを意味する。
本明細書で単独又は別の基と組み合わせて使用する場合、用語“アリール”は、6個の炭素原子を含む芳香族単環系又は10個の炭素原子を含む芳香族環系を意味する。例えば、アリールとしてはフェニル又はナフタレンが挙げられる。
本明細書で単独又は別の基と組み合わせて使用する場合、用語“C7-16アラルキル”は、アルキル基(アルキルは上記定義どおり1〜6個の炭素原子を含む)を介して連結された上記定義どおりのアリールを意味する。アラルキルとしては、例えばベンジル、及びブチルフェニルが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語“同素環式環”は、5-若しくは6-員飽和若しくは不飽和の非ヘテロ環式環から水素を除去して誘導される一価基を意味する。同素環の1つの好ましい型は、炭素原子で構成された炭素環(アリールを含む)である。
本明細書で使用する場合、用語“Het”又は“ヘテロ環”は、窒素、酸素及びイオウから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む5-若しくは6-員飽和若しくは不飽和環から水素を除去して誘導される一価基を意味する。任意に、ヘテロ環は、1又は2個の置換基:例えば、N-オキシド、低級アルキル、(C1-3)アルキル-フェニル、低級アルコキシ、ハロ、アミノ又は低級アルキルアミノをもっていてよい。さらに任意に、5-若しくは6-員ヘテロ環は、第2のシクロアルキル、アリール(例えばフェニル)又は別のヘテロ環に縮合されうる。
適切なヘテロ環及び任意に置換されているヘテロ環の例としては、モルフォリン、チアジアゾール、キノリン、3,4-メチレン-ジオキシフェニル、ベンゾチアゾール、ピロリジン、テトラヒドロフラン、チアゾリジン、ピロール、1H-イミダゾール、1-メチル-1H-イミダゾール、ピラゾール、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、2-メチルチアゾール、2-アミノチアゾール、2-(メチルアミノ)-チアゾール、ピペリジン、1-メチルピペリジン、1-メチルピペラジン、1,4-ジオキサン、ピリジン、ピリジンN-オキシド、ピリミジン、2,4-ジヒドロキシピリミジン、2,4-ジメチルピリミジン、2,6-ジメチルピリジン、1-メチル-1H-テトラゾール、2-メチル-2H-テトラゾール、ベンゾオキサゾール及びチアゾール[4,5-b]-ピリジンが挙げられる。
上述したエステルについては、特に指定しない限り、存在するいずれのアルキル部分も、有利には1〜16個の炭素原子、特に1〜6個の炭素原子を含む。このようなエステル中に存在するいずれのアルキル部分も、有利にはフェニル基を含む。
特にエステルはC1-16アルキルエステル、無置換ベンジルエステル又は少なくとも1個のハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ニトロ若しくはトリフルオロメチルで置換されたベンジルエステルでよい。
(好ましい実施形態)
プローブ
本発明のプローブは、ラセミ混合物として合成してから、そのそれぞれ単一のジアステレオ異性体に分割することができる。このようなジアステレオ異性体及び混合物はすべて本発明の範囲内で熟考される。
好ましくは、このようなジアステレオ異性体は、以下の[Y&C(O)NH-R3]及び[C(O)NH-R3&R4]間の相対立体化学を有する化合物の混合物を含み、下記式(Ia)と(Ib)は両者とも“シス/シス”と呼ばれる相対立体化学を有する化合物のラセミ混合物を表す。
Figure 2005517183
下記式(Ic)と(Id)は両者とも“トランス/トランス”と呼ばれる相対立体化学を有する化合物のラセミ混合物を表す。
Figure 2005517183
下記式(Ie)と(If)は両者とも“トランス/シス”と呼ばれる相対立体化学を有する化合物のラセミ混合物を表す。
Figure 2005517183
下記式(Ig)と(Ih)は両者とも“シス/トランス”と呼ばれる相対立体化学を有する化合物のラセミ混合物を表す。
Figure 2005517183
さらに好ましくは、“シス/シス” 相対立体化学で存在する式(I)の化合物は、以下のようにIaとIbのラセミ混合物として表すこともできる。
Figure 2005517183
最も好ましくは、本発明は、相対立体化学“シス/シス”を有する下記式(Ia)又は(Ib)の化合物の純粋な鏡像異性体を含む。
Figure 2005517183
上述したすべての化合物について、Aは、好ましくはフェニル環又は5-員イオウ含有ヘテロ環である。好ましくは、XがHかつWがOHであるか、或いはXとWがカルボニル基を形成している。
この発明のこの第1実施形態の特定局面によれば、この発明の好ましいプローブは、環Aが、下記式IIa及びIIbで表されるようなイオウ原子を含有する5-員環である。
Figure 2005517183
式中、X、W、Y、R1、R3、及びR4は上記定義どおりであり、前記プローブは、HPV-11 E2のトランス活性化ドメインに結合して、その潜在的なインヒビターによって置換されうる。
式IIa及びIIbのプローブは、式Iの化合物について述べたように(1)、(2)及び(3)の型で存在する。本発明の特に好ましい化合物は、式IIaを有する化合物である。
上で定義したすべての化合物について、
好ましくは、R1は低級アルキル基である。さらに好ましくは、R1はメチルである。
さらに好ましくは、XとWがカルボニル基を形成している。
好ましくは、Yは、任意に低級アルキル又はハロで一-若しくは二-置換されていてもよいフェニル基である。さらに好ましくは、Yは、R5(R5は、Cl又はBrから選択される1又は2個の置換基である)で置換されているフェニルである。
好ましくは、R3は、蛍光標識、化学発光標識、又は放射標識で置換されているアリールである。
好ましくは、R4はカルボキシル基である。
さらに好ましくは、本発明のプローブは、下記式を有する。
Figure 2005517183
式中、R3及びR5は上記定義どおりであり、前記プローブは、HPV-11 E2のトランス活性化ドメインに結合して、その潜在的なインヒビターによって置換されうる。
さらに好ましくは、R3は-CH2-NH-C(O)-R3A又は-(CH2)-NH-C(S)-R3A(式中、R3Aはトリチウム化-CH3、蛍光標識又は化学発光標識である)である。
さらに好ましくは、R5は2個のBr置換基である。
さらに好ましくは、該分子は、適切ないずれかの部位で放射標識によって標識されている。本技術の当業者には容易に分かるように、放射標識は、いずれの適切な部位にも式Iのプローブ内に取り込むことができる。例えば、分子中に存在するいずれの水素又は炭素も3H、又は14C同位元素で置換することができる。同様に、125I同位元素は、いずれの芳香族環上でも置換することができる。
さらに好ましくは、R3は、下記式から成る群より選択される。
Figure 2005517183
さらに最も好ましくは、R3は、下記式である。
Figure 2005517183
具体的には、本発明の第1局面により、本発明のプローブは、下記式から成る群より選択される。





Figure 2005517183
E2 TAD
好ましくは、本発明のアッセイで使用するHPV E2 TADは、最新技術で述べられているような全長HPV E2タンパク質の一部でよい。代わりに、E2 TADは、分子生物学の技術で単離され、該TADが本発明のプローブに結合できる限り、そのN末端又はC末端に他のアミノ酸を含んでもよい。さらに好ましくは、この発明のアッセイで使用するE2 TADは、全長E2タンパク質のアミノ酸1〜190を含む。最も好ましくは、この発明のアッセイで用いるE2 TADは、配列番号1又は配列番号5で定義される。
本アッセイで使用するHPV E2 TADは、アフィニティータグを含むことができ、このタグでHPV E2 TADを固体支持体に付着させ、検出可能な信号を与えるように該プローブを標識することができる。アフィニティー標識したE2 TADの例は、配列番号2で定義される。
この第2実施形態の好ましい局面により、低リスクHPV、好ましくはHPV-6及び-11、最も好ましくはHPV-11からE2タンパク質が得られる。
アッセイ
本発明で定義されるとおりのアッセイは、好ましくは以下の標識:蛍光標識、化学発光標識、比色標識、酵素マーカー、及び放射性同位元素から選択される検出可能標識によって決まる異なる検出方法論で行うことができる。
本技術の当業者には分かるように、本発明の特定プローブとHPV E2のトランス活性化ドメインの会合は、種々の方法で直接又は間接的に測定できる。プローブ及びHPV E2のトランス活性化ドメインは、それぞれ標識及びアフィニティー標識される必要はない。特定プローブとHPV E2のトランス活性化ドメインの会合は、標識又は非標識HPV E2ドメイン固有のスペクトル特性の変化及び/又は特定プローブ固有のスペクトル特性の変化によって直接モニターし、かつ定量することができる。インヒビター-HPV E2ドメイン会合の直接測定は、マトリックス上にこれら2成分の1つを固定化し、プラズマ-共鳴検出法によって会合を測定することで達成できる。プローブ-HPV E2ドメイン複合体の会合を定量するアッセイは、プローブ上に光反応標識(フェニル-アジド又はベンゾフェノンのような)を組み込んで、該プローブの光活性化後、HPV E2ドメインに不可逆的に結合される標識(付加生成物)の量を測定してもよい。プローブ中に組み込まれる標識はビオチンでよく、これを用い、アビジン-結合検出法の二次使用によって、このビオチン標識したプローブのHPV E2のトランス活性化ドメインに対する会合を間接的に測定する。
プローブ中に組み込まれる標識は、HPV E2の標識化トランス活性化ドメインに付着している適切な標識と対になっていてもよく、プローブ-HPV E2のトランス活性化ドメイン会合上の該2対の標識の近接さが測定可能な信号をもたらす。このような検出法の例としては、限定するものではないが、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、及び時間分解蛍光(TRF)が挙げられる。
好ましくは、本アッセイで蛍光標識を用いる場合、蛍光標識は、フルオレッセイン、オレゴングリーン、ダンシル、ローダミン、テトラメチルローダミン、テキサスレッド、フィコエリトリン及びEu3+から選択されうる。
代わりに、蛍光リポーターとクエンチャーを標識対として用いてプローブとHPV E2ドメインの会合をモニターすることができる。一般に知られているリポーター/クエンチャー対は、例えば、EDANS/DABCYL、トリプトファン/2,4-ジニトロフェニル、トリプトファン/DANSYL、7-メトキシクマリン/2,4-ジニトロフェニル、2-アミノベンゾイル/2,4-ジニトロフェニル及び2-アミノベンゾイル/3-ニトロチロシンから選択されうる。
好ましくは、本発明で用いる化学発光標識は、ルシフェラーゼでよい。
原則として、これらトレーサー方法論は、高量スクリーニングの目的で容易に適合させることができる。放射能検出用シンチレーション近接アッセイ(Scintillation proximity assay(SPA))法が開発されており、この方法は分離工程を必要とせず、かつ容易にロボット工学及び微量定量プレート形式に適合される。
好ましくは、放射性同位元素は3H、14C、及び125Iから選択される。
放射標識試薬とその処分に付随するコストのため、スクリーニングアッセイでは広く非放射能検出法が増加してきた。蛍光分光法は最も有力な非放射能検出法の1つである。蛍光を使用しうるアッセイの1タイプは蛍光偏光法である。偏光は全体的な蛍光強度と無関係なので、この方法は蛍光増幅測定のようには干渉しやすくない。
好ましくは、本アッセイのE2トランス活性ドメインはアフィニティータグを含み、順次このアフィニティータグはリガンドを含み、受容体に対するリガンドの強力なアフィニティーを用いて、前記リガンドが付着しているエンティティーを溶液から抽出する。さらに好ましくは、リガンドは、ビオチン、アミロース糖成分及び特異的抗体によって認識可能な定義されたエピトープから選択される。
(実施例)
以下の非限定的な例で、本発明をさらに詳細に説明する。すべての反応は、窒素又はアルゴン雰囲気内で行った。温度は摂氏度で示される。溶液のパーセンテージ又は比率は、特に言及しない限り、体積-体積関係を表す。
本明細書で使用する略記又は符号としては以下が挙げられる。
DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート;DIEA:ジイソプロピルエチルアミン;DMAP:4-(ジメチルアミノ)ピリジン;DMSO:ジメチルスルホキシド;DMF:ジメチルホルムアミド;ES MS:電子スプレー質量分析法;Et:エチル;EtOAc:酢酸エチル;Et2O:ジエチルエーテル;HPLC:高速液体クロマトグラフィー;iPr:イソプロピル;Me:メチル;MeOH:メタノール;MeCN:アセトニトリル;Ph:フェニル;TBE:トリス-ボレート-EDTA;TBTU:2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート;TFA:トリフルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフラン;MS(FAB)又はFAB/MS:高速原子衝撃質量分析法;HRMS:高分解能質量分析法。



























実施例1:化合物1Hの調製
Figure 2005517183
A:ピリジン(40mL)中の1a(9.5g,75.4mmol)、マロン酸(15.7g,151mmol)及びピペリジン(1.3mL)の溶液を一晩中還流させた。結果の混合物を室温に戻して水(200mL)を加えた。濃HClを加えて混合物を酸性にし、1時間撹拌した。混合物をろ過し、固体を水で洗浄した。真空下乾燥させ、黄色粉末として1bを得た(12.8g,100%)。
B:水(40mL)中で激しく撹拌した1b(5.9g,35mmol)と1N NaOH(46mL,46mmol)の溶液に、2%ナトリウムアマルガム(82g,105mmol)を1時間かけて少しずつ加えた。添加完了後、混合物をさらに1時間撹拌した。デカントして水銀を除去し、水溶液を濃HClで酸性にした。固体NaClを加えて飽和させ、結果の混合物をエーテルで抽出した。混ぜ合わせたエーテル抽出液を食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。減圧下溶媒を除去し、褐色固体として1cを得た(3.72g,62%)。
B':代わりに、エーテル中の1b(7.5g,44.6mmol)とPd(OH)2(500mg)のスラリーを18時間水素の雰囲気下で撹拌した。ガラス微細繊維でろ過し、溶媒を除去し、白色固体として1cを得た(7.0g,93%)。
C:CH2Cl2(50mL)中の1c(1.75g,10.3mmol)と塩化オキサリル(1.35mL,15.4mmol)の溶液にDMFを1滴添加した。結果の溶液を室温で2時間撹拌した。減圧下溶媒を除去し、生じた残留物をCS2(50mL)に溶かした。固体AlCl3(2.05g,15.4mmol)を導入し、結果の混合物を一晩中還流させた。氷(80g)を添加後、濃HCl(30mL)を加え、結果混合物を30分間撹拌した。CH2Cl2で抽出後、1N NaOH、食塩水で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20%のEtOAc)により黄色固体として1d(272mg,17%)を得た。
C':代わりに、固体1c(1.0g,5.88mmol)を少しずつ温かい(75℃)ポリリン酸(8.5g)に添加した。添加完了後1時間75℃で加熱し続けた。室温に戻した後、水で希釈し、CH2Cl2(3×)で抽出した。混ぜ合わせた有機液をMgSO4上で乾燥かつ濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50%のEtOAc)により白色固体として1dを得た(0.31g,35%)。
D:ベンゼン(25mL)中の1d(1.06g,6.97mmol)、3,4-ジブロモベンズアルデヒド(1.84g,6.97mmol)及びp-トルエンスルホン酸(100mg)の溶液を、24時間水を共沸除去しながら還流させた。冷却かつエーテル(25mL)を添加すると生じた固体をろ過し、黄褐色固体として1eを得た(1.35g,49%)。
E:CH2Cl2(15mL)中のCrO3(50mg,0.50mmol)の溶液にtert-ブチルヒドロペルオキシド(2.6mL,水中70%の溶液)を添加した。2分間撹拌後、1e(1.0g,2.51mmol)を加えた。18時間室温で攪拌後、溶液をCH2Cl2と水で希釈し、3回少量のCH2Cl2で抽出した。混ぜ合わせた有機液をMgSO4上で乾燥かつ真空中濃縮した。結果の固体をエーテルと共に摩砕して0.61g(60%)の固体ジケトンを得た。このようにして得た物質(0.45g)をEtOH(15mL)に溶かして30% H2O2(0.38mL)と1滴の1N NaOHを添加した。3時間攪拌後、溶液をろ過し、黄色固体として1fを得た(421mg,90%)。
F:キシレン(225mL)中の1f(5.1g,12mmol)と[4-(2,5-ジオキソ-2,5-ジヒドロ-ピロール-1-イル)-ベンジル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル(3.6g,12mmol)の溶液を145℃に48時間加熱した。室温に冷ました後、結果の混合物を蒸発乾固させた。結果の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(CHCl3:EtOAc,1:1)で精製して化合物1g(974mg,11%)と1h(928mg,10%)の混合物を得た。
G:ラセミ体1g(785mg)は、キラルカラムを用いて(Chiracel OD,0.06%のTHAを含有するアイソクラチック溶離液65%のCH3CN/H2O;UVランプ,205nmで;流れ7m/分)調製用HPLC(複数注入)で分離して純粋な鏡像異性体1i(最も極性の異性体;343mg,44%)を得た。
H:乾燥塩化メチレン(3.0mL,EM Science lot 41046)中の1i(8.0mg,11mmoles)の溶液に、1,4-ジオキサン(Aldrich lot DO 06914 CO)中の0.8mLの4M HClを0℃で添加した。氷浴を除去して反応を室温に戻し、2時間撹拌した。薄層クロマトグラフィーは出発原料が無いことを示した。窒素気流下溶媒を除去し、塩化メチレン(2.0mL)を反応バイアルに添加した。再び窒素下溶媒を除去し、かつ過剰のHClを追い出した。さらに残留物を減圧下乾燥させた。生成物(HCl塩)を酢酸エチル(1.0mL)に懸濁させ、トリエチルアミン(0.1mL,Aldrich lot EO 12909 PI)を添加後、酢酸エチル(3.0mL)中のN-アセトキシフタルイミド[アセトキシ-H3](80mCi,比放射能20Ci/mmol,American Radiolabeled Chemicals, Inc. Lot 010730)を添加した。反応を室温で3時間撹拌後、冷却N-アセトキシフタルイミド(0.9mg,4.38μmoles,バッチ5272-131, M. Saljoughian, H. Morimoto, P.G. Williams, C. Than, 及びS. J. Seligman. J. Org. Chem. 1996, 61, 9625-9628に従って調製した)をトリエチルアミン(0.05mL)と共に加えた。反応をさらに30分間撹拌した。窒素気流下溶媒を除去し、固体残留物を、溶出液として酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を用いてフラッシュクロマトグラフィー(Pasteurピペット内にシリカゲル充填)で精製した。9.2Ci/mmolの比放射能及び41mCiの総放射能又は51%放射化学的収率で白色固体(3.0mg)として生成物1jを得た。
ラジオ-HPLC(移動相:勾配 水:アセトニトリル、両者とも10mM TFA含有、30分で95%水から100%アセトニトリルル;Zorbax(登録商標)SB-C18カラム、3×150mm、220nmでUV検出)及びTLC-Bioscan(TLCプレートの溶出液として10%エタノール:酢酸エチル)を用いて生成物の同一性を確認した。



実施例2:化合物2cの調製
Figure 2005517183
DMF(1mL)中の2a(9mg,0.017mmol,上記工程Hによって1iから調製した)及び(2b)TAMRA-SE(Molecular Probes)(9mg,0.017mmol)の撹拌溶液にDIPEA(5μL,0.029mmol)を添加した。結果の透明な赤色混合物を1.5時間室温で撹拌した。HPLCで精製し(A:0.1%TFA/H2O;B:0.1%TFA/75%MeCN,25%H2O;勾配 60分で%B=30〜20)、赤色固体として2cを得た(11.9mg,83%収率)。M/z (MH+ 104.1)。
実施例3:標準インヒビター化合物3hの調製
Figure 2005517183
工程a:EtOH(8.2mL)中のインダン-1,3-ジオン(3a)(960mg,6.6mmol)の溶液に4-ジクロロベンズアルデヒド(3b)(1.3g,7.2mmol)、次いでピペリジン(3滴)を添加した。反応混合物を30分間加熱還流させた。冷却後、反応をEtOH(8mL)で希釈し、沈殿物をろ過した。結果の固体を2回EtOHと共に摩砕し、高真空下乾燥させて2-(4-クロロ-ベンジリデン)-インダン-1,3-ジオン(3c)(1.7g,82%収率)を得た。
工程b:MeOH(13mL)中の2-(4-クロロ-ベンジリデン)-インダン-1,3-ジオン(3c)(1.6g,5.2mmol)の懸濁液に過酸化水素(30%溶液,3mL)を添加した。混合物を0℃に冷却し、水酸化ナトリウム(1N,300μL)を一滴ずつ添加した。添加完了後、室温で1時間撹拌を続けた。混合物を水中(5mL)に注ぎ、結果の固体をろ過で収集し、水とMeOHで洗浄した。高真空下乾燥後、3-(3,4-ジクロロフェニル)-スピロ(オキシラン-2,2'-インダン)-1',3'-ジオン(3d)(1.6g,95%収率)を得た。
工程c:トルエン(167mL)中の3-(4-クロロフェニル)-スピロ(オキシラン-2,2'-インダン)-1',3'-ジオン(3d)(11g,33.4mmol)及び1-ベンゾ(1,3)ジオキソール-5-イル-ピロール-2,5-ジオン(3e)(7.3g,33.4mmol)の混合物を16時間加熱還流させた。冷却及び濃縮後、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、勾配 50%EtOAc/ヘキサン〜30%ヘキサン/EtOAc)で精製して化合物3f(シス/シス異性体,17.9g,50%収率)及び(3g)(トランス/シス異性体,4.1g,23%収率)を得た。
工程d:CH3CN(27mL)中の3f(143mg,0.27mmol)の溶液に、注入ポンプで1時間かけてNaOH(0.02N,135mL,0.27mmol)を添加した。添加完了後、反応混合物をさらに2時間撹拌し、結果の溶液を濃縮かつ凍結乾燥させ、白色固体として化合物3h(161mg,100%収率)を得た。
実施例4:HPV-11 E2トランス活性化ドメインの発現及び精製
HPV-11 E2の最初の215個のアミノ酸(配列番号1)を、プライマー5'-GCG GCG GGA TCC GAA GCA ATA GCC AAG CGT TTA GAT G-3'(配列番号3)及び5'-GCG GCG CTC GAG GGT GTA TGT AGT AGG TTC AGC AAT G-3'(配列番号4)を用いて、HPV11 E2用の全長遺伝子を含むpCR3プラスミドからのpcrによってサブクローン化した。生成物をBamHIとXhoIで切断してからプラスミドpET23a(+)に連結した。結果の構成物は、ファージT7主要キャプシドタンパク質のN-末端由来のN-末端エピトープタグと、金属アフィニティークロマトグラフィーを用いる精製を促進するためのC-末端ポリヒスチジンタグを含む。組換えプラスミドを大腸菌株BL21(DE3)pLysS(Novagen)に形質転換させた。発現のため、100μg/mLのアンピシリンと34μg/mLのクロラムフェニコールを含有するCircle Grow培地(Bio 101,Inc)を、新鮮な終夜培養の1/50量と共に接種し、37℃で約0.6のO.D.(600nm)に達するまで細胞を成長させた。培養を15℃に変化させ、0.5mMのイソプロピルチオガラクトシドでタンパク質発現を誘発した。16時間後遠心分離で細胞を収集し、ドライアイス上で凍結させた。
すべての精製工程は4℃で行った。細胞を5mL/gで溶解緩衝液(25mM Tris pH 8.0(室温で測定)、500mM NaCl、5mM TCEP、及びプロテアーゼインヒビター1mM Pefabloc、1mM PMSF、及びそれぞれ2.5μg/mLのアンチパイン、ロイペプチン、ペプスタチンA)に再懸濁させてから超音波処理した。粗製ライセートを30分間2500gで遠心分離させた。上清を0.8μM Millex-PFフィルター(Millipore)でろ過した。UV検出器を備えたPharmacia FPLCシステムを用いてクロマトグラフ精製を行った。5mLのHi-Trapキレート化カラムを硫酸ニッケルで充填し、精製緩衝液A(上記溶解緩衝液と同様であるが、2mM TCEPを有し、プロテアーゼインヒビターを含まない)で平衡にした。緩衝液Bは、500mMのイミダゾールを含むことを除き、緩衝液Aと同じだった。ろ過した上清をカラム上に装填し、次いで検出器の吸収がバックグラウンドレベルに減少するまで緩衝液Aで洗浄した。カラムを5%緩衝液B(25mMのイミダゾール)30〜35mLで洗浄した。5〜50%緩衝液Bからの直線勾配を実行し、約25%でE2 TADを溶出させた。TAD-含有フラクションを約2mLに濃縮し、緩衝液Aと平衡化しているサイズ-排除カラム(Hiload 16/60 Superdex 75 (Pharmacia)、同様のFPLCシステムに組み込まれた)上に装填した。このカラムからのTAD-含有フラクションをプールし、最終収量約29mg/Lの培養を得た。
同様の方法で、ほぼ“最小”E2トランス活性化ドメイン(アミノ酸1〜195)を含む配列番号5もサブクローン化し、適宜標識し、かつ本エッセイで用いて満足な結果を得た。
実施例5:HPV E2トランス活性化ドメイン(TAD)リガンド置換アッセイ
このアッセイは、HPV11 E2のトランス活性化ドメイン(TAD)に対する放射標識化合物(“プローブ”)の結合性を測定する。タンパク質がNi-コートフラッシュプレートに結合し、結合したプローブの濃度に比例する信号を測定する。試験化合物がTADに結合する場合、それはプローブを置換し、結果として低い信号となる。
放射標識プローブ:トリチウム標識したプローブ1jは、その非トリチウム化相同体による恒温滴定熱量測定によって決定した場合のKdが40でTADに結合する。
HPV-11 TAD:T7ファージ遺伝子10タンパク質由来のアミノ末端エピトープタグとC-末端Hisタグを有するHPV11 E2アミノ酸2*〜215(*Met-1除去した)(配列番号2)。総MWは27kDaである。
標準インヒビター3h:IC50は約10μM(ラセミ化合物):
原液
Figure 2005517183
すべての溶液は、蒸留した脱イオン水を用いて調製し、かつ0.45μMフィルターでろ過すべきである。
他の材料
DMSO;Niキレートフラッシュプレート(Perkin Elmer; 96-ウェル=SMP107(5のpkg)& 384-ウェル=SMP412A(10のpkg))
アッセイ緩衝液(化合物、タンパク質、及びプローブに使用):
25mM MOPS、pH 7.0;100mM NaCl;1mM DTT;0.0025% Tween-20。pHはDTTとTweenを添加する前に検証し、必要な場合は調整した。DTTの代わりに0.5mM TCEPを使用することができる(TCEP添加後pHを調整)。そして、溶液をろ過した。
アッセイ溶液の調製
1.化合物溶液
アッセイ緩衝液と6% DMSO中、30μg/mLに化合物を希釈した。ブランクと対照は6% DMSO/94%緩衝液を用いた。標準インヒビター(3h)では、緩衝液は30μMに仕上げた(アッセイでは10μM)。本方法はウェル毎に20μL用いたので、アッセイでは、化合物は2% DMSO/98%緩衝液中だった。
2.TAD溶液
TADは、アッセイ緩衝液中300nMに希釈し、ウェル毎に20μLのE1希釈液を用いた。最終濃度は50nMだった。ブランクは、最終量を調製するための余分な20μLの緩衝液を加え(総量60μL)或いは加えずに(総量40μL)実験した。余分な緩衝液を加えた場合、ブランクはわずかに低くなる。これは、信号:バックグラウンドには測定可能な効果があるが、z'又は測定される阻害にほとんど影響しない(J.-H. Zhangら, 1999, J. Biomolecular Screening v4(2), 67-73)。
3.プローブ溶液
プローブは、アッセイ緩衝液中75nMに希釈し、アッセイでは25nMの最終濃度を与えた。本方法は、ウェル毎に20μL使用した。結合反応の総量は、96-ウェルと384-ウェルの両プレートで60μLである。
実施例6:E2 TADリガンド置換アッセイの典型的手順(IC50曲線)
アッセイは、96-ウェルFlashPlates(PE/NEN)内で行った。0.0025%v/vのTween(登録商標)-20界面活性剤を含有する200μL/ウェル(96-ウェルプレート)の水と共にインキュベートすることでプレートを前処理した。典型的に、2回の1時間インキュベーションを行った;この前処理は、アッセイバックグラウンドを減らし、かつ長いインキュベーション時間後の信号を安定化することが分かった。pH 7.0に調整したアッセイ緩衝液はMOPS(25mM)、NaCl(100mM)、TCEP(0.5mM)及びTween-20(0.0025%v/v)を含んだ。アッセイは、20μLの各試験化合物、T7エピトープ-標識HPV11 E2-TAD、及びトリチウム化プローブ[3H]溶液(与えられた順序で前処理プレートに添加)を含有する60μLの最終量で行った。アッセイ緩衝液と6% DMSO(アッセイでは2% DMSO)中、試験濃度の3倍に試験インヒビターを溶かした。試験濃度は、3倍希釈液中80〜0.33μMの範囲だった。E2-TAD及び放射標識プローブをアッセイ緩衝液中、それぞれ150nM及び50nMに希釈した(最終アッセイでは、それぞれ50nM及び25nM)。E2 TADとプローブを含むが試験インヒビターを含まない正対照、及びプローブのみを含む負対照をいくつかのウェル内で実験した。アッセイ緩衝液とDMSOで対照の体積を60μLにして2%の最終濃度に調整した。プレートをTopCount-適合封止フィルムで封止し、簡単に振り、室温でインキュベートしてから3時間後にTopCountで計数し、再び20時間で計数した。
実施例7:異なる塩及び塩濃度におけるE2リガンド置換アッセイ
異なる濃度のNaCl又はKCl中でE2リガンド置換アッセイを行った。このアッセイは、最終アッセイ体積が100μLであり、かつ緩衝液が25mM HEPES、Tween-20に代えて0.005% IGEPAL CA-630(pH7.5)、及び指示塩濃度から成ることを除き、上述したのと同様の条件下96-ウェルプレート内で行った。1mM DTTを還元試薬として用いた。塩濃度は25〜200mMの範囲だった。図1は、NaCl(A)及びKCl(B)について得られた結果を示し、データはプローブのみを含むブランク(白)、プローブとTADを有する正対照(黒)、及び標準インヒビター3hを含むウェル(灰色)について示されている。
実施例8:異なるpHにおけるE2リガンド置換アッセイ
このアッセイは、アッセイ体積が90μL(各成分30μL)であり、かつTAD及び放射標識プローブ濃度が、それぞれ100nM及び50nMであることを除き、実施例6で述べた条件下96-ウェルプレート内で行った。1mM DTTを還元試薬として用いた。アッセイ緩衝液組成は25mMの一定緩衝液を使用することを除き、実施例6で述べたのと同様だった。図2には、プローブとTADを有するウェル(黒)、プローブのみ(明灰色)、プローブ、TAD、及び標準インヒビター3hを含むウェル(暗灰色)のデータが示される。
実施例9:E2リガンド置換アッセイにおけるプローブとTADの滴定
このアッセイは、アッセイ体積が45μL(各成分15μL)であり、かつTADと放射標識プローブ濃度を図3に示されるように変えたことを除き、実施例6で述べた条件下96-ウェルプレート内で行った。1mM DTTを還元試薬として用いた。図3Aは、信号:バックグラウンド比が50nMまでは有意に増加し、100nMではわずかに増加することを示す。比はプローブ濃度によって影響されないが、絶対cpmは放射標識濃度に比例して増加する。図3Bは、100nM TADを有するウェルからの信号は標準インヒビター3hによってほとんど影響されないことを示しており、いくらかの信号は非特異的であることを表している。この実験からTADについては50nM、プローブについては25nMという濃度が好ましいとして選択された。
実施例10:高処理能力条件下でのE2リガンド置換アッセイ
このアッセイは、アッセイ体積が45μL(各成分15μL)であり、かつTAD及び放射標識濃度がそれぞれ100nM及び50nMであることを除き、実施例6で述べた条件下、384-ウェルプレート内で行った。1mM DTTを還元試薬として用いた。5時間のインキュベーション後にプレートを計数し、その結果は図4に示される。ウェルA1-P10は、プローブのみを含み、TADは含まない(四角)。ウェルA11-P20は、プローブとTADを含む(菱形)。ウェルA21-H24は20μMの標準インヒビター3hを含み(三角)、ウェルI21-P24は10μMの同成分を含む(円)。
実施例11:IC50曲線
このアッセイは実施例6で述べたとおりに行った。各インヒビター濃度で観察される阻害パーセンテージを計算し、その結果阻害曲線は、SASを用いてロジスティック曲線に当てはめた。20時間で計数して得られた曲線は、4.0±0.6μMというIC50値を与えた(図5)。3時間のインキュベーション後に同様の結果が観察された。
実施例12:E2-依存性E1 DNA結合アッセイによる有効化
このアッセイは、McKayによって述べられているSV40 T抗原(J. Mol. Biol., 1981,145:471)の同様のアッセイを模範とした。HPV-11複製起点を含む400bpの放射標識DNAプローブ(Chiangら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5799)は、鋳型として該起点(唯一のBAMH1部位内のHPV-11ゲノムのヌクレオチド7886-61)をコードするプラスミドpBluescriptTM SKを用い、かつ該起点に隣接するプライマーを用いてpcrで製造した。放射標識は、[33P]dCTPとして組み込んだ。結合アッセイ緩衝液は20mM Tris pH 7.6、100mM NaCl、1mM DTT、1mM EDTAから成った。
用いた他の試薬は、タンパク質A-SPAビーズ(タイプII, Amersham)及びHPV-11 E1の14個のC-末端アミノ酸に対応するペプチドに対して産生されたK72ウサギポリクロナール抗血清だった。Amershamの手順に従い、1ビンのビーズを25mLの結合アッセイ緩衝液と混合した。アッセイでは、飽和量のK72抗血清をビーズに加え、混合物を1時間インキュベートし、1体積の結合アッセイ緩衝液で洗浄してから同体積の新鮮な結合アッセイ緩衝液に再懸濁させた。結合反応は、総量75μLの結合アッセイ緩衝液中、8ngのE2、約100〜200ngの精製E1、及び0.4ngの放射標識プローブ1jを含んだ。室温で1時間後、結合反応に25μLのK72抗体-SPビーズ懸濁液を添加して混ぜ合わせた。さらに室温で1時間インキュベーション後、反応を簡単に遠心分離させてビーズをペレットにし、Packard TopCountTMでシンチレーション計数することで複合体形成の程度を決定した。典型的に、E1とE2を含む反応に対する信号は、E1、E2、又は両者を省いたときに観察されるバックグラウンドより20〜30倍高かった。実施例11及び図5で試験した化合物もこのアッセイで試験し同様のIC50値を得た。
(考察)
E1とE2は、生産的HPV感染に必須のタンパク質であり、E1とE2の直接的な相互作用は、ウイルスDNAの複製で重大な段階である。従って、この相互作用のインヒビターは、HPV疾患の治療に可能性のある薬物である。
この重大なタンパク質-タンパク質相互作用のインヒビターの同定を楽にするため、我々は、E2タンパク質のN-末端サブドメイン(E2 TAD)がE1-E2タンパク質-タンパク質相互作用の標識化インヒビターと相互作用するアッセイを開発した(実施例12で述べたE2-依存性E1-DNA結合アッセイで決定されるように)。プローブインヒビターは放射性又は蛍光性置換基で標識されているので、該プローブの試験分子による置換は、適切な機器内で測定されるシンチレーション又は蛍光信号の低減として容易に観察される。我々は、E2 TADから該プローブインヒビターを置換する他の小分子は、それ自体E1-E2タンパク質-タンパク質相互作用のインヒビターであり、ひいては潜在的な抗-HPV薬物であると判断した。
本明細書で述べたリガンド置換アッセイは、いくつかの以前に記載されているアッセイの限界を克服する。E2 TADは、大腸菌から大量に精製されるので、全長E1及びE2タンパク質よりずっと容易に得られ;標識プローブインヒビターは、率直な化学合成で得られる。図1に示されるように、本アッセイはイオン強度に全く非感受性なので、広範な塩濃度にわたって試験化合物の活性を容易に評価することができる。同様に、本アッセイは、図2に示されるように、6.5〜7.5の範囲に及ぶpHに比較的非感受性である。図3及び4の結果は、本アッセイが、広範なタンパク質及びプローブ濃度にわたって信号とバックグラウンドとの間の優れた窓を与え、かつ該信号が非常に再現性があり、観察されるタンパク質-プローブ相互作用を減じる化合物の率直な同定を可能にする。重要なことに、標準インヒビターについて図5に示されるように、このアッセイを用いてE2 TADに対する試験化合物のアフィニティーを定量的に評価することができる。この標準インヒビターは、実施例12で述べたE2-依存性E1-DNA結合アッセイで同様IC50値を有し、このリガンド置換法によって同定されたインヒビターは、E1-E2タンパク質-タンパク質相互作用をも阻害し、ひいては潜在的な抗-HPV薬であることを実証している。
異なる濃度のNaCl(A)又はKCl(B)がアッセイに及ぼす効果を示すリガンド置換アッセイのグラフであって、各塩について、TADとプローブ(黒)、プローブのみでTADなし(白)、TAD、プローブ、及び標準インヒビター(灰色)を有するウェルの放射能を示す。 pH値を6.5〜8.0に調整した異なる緩衝液を用いて行ったリガンド置換アッセイのグラフを示し、TADとプローブを有するウェル(黒)、標準インヒビターを添加したウェル(暗灰色)、及びプローブを有するがTADのないウェル(明灰色)について得られたcpmを示す。 TADとプローブの滴定のグラフであって、TAD濃度0〜100nMとプローブ濃度6.25〜50nMを用いて得られた信号:バックグラウンド比を示す。 TADとプローブの滴定のグラフであって、TADとプローブを有するがインヒビターのないウェルと比較した標準インヒビターを有するウェルの活性を示す。 結果の再現性を示すためのスクリーニング条件下で行ったアッセイのグラフであって、TADとプローブを有するウェル(菱形)、10μMの標準インヒビターを有するウェル(円)又は20μMの標準インヒビターを有するウェル(三角)、及びプローブを有するがTADのないウェル(四角)について得られたcpmを示す。 標準インヒビター(3h)の典型的なIC50曲線を示す。

Claims (30)

  1. HPVのインヒビターの同定のためのアッセイであって、以下の工程:
    a)HPV E2トランス活性化ドメインをプローブと接触させてE2:プローブ複合体を形成し、かつ前記プローブからの信号を測定して基線レベルを確立する工程;
    b)前記E2:プローブ複合体を試験化合物と共にインキュベートし、かつ前記プローブからの信号を測定する工程;
    c)工程b)の信号を工程a)の信号と比較する工程;
    を含むことによって、前記信号の変調が、前記試験化合物が前記トランス活性化ドメインに結合する指標であることを特徴とするアッセイであって、
    前記プローブが、下記式(I)の化合物又はその鏡像異性体若しくはそのジアステレオ異性体:
    Figure 2005517183
    (式中:
    Aは、5-若しくは6-員同素環式環、又はN、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5-若しくは6-員ヘテロ環式環であり;
    XがHかつWがOHであり;或いはXとWが一緒にカルボニル基又はエポキシドを形成しており;
    1はH;或いは以下の基:ヒドロキシ、ハロ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級チオアルキル、ハロアルキル、又は-C(O)R2(R2は低級アルキル、アリールオキシ又はベンジルオキシである)から成る群より独立的に選択される1又は2個の置換基であり;
    Yは、任意にR5又はC(O)R6(R5は低級アルキル、低級シクロアルキル、低級アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトリル又はトリフルオロメチルであり、かつR6は低級アルキル、低級シクロアルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ又はトリフルオロメチルである)で一-若しくは二-置換されていてもよいフェニルであり;前記フェニル環は、任意に飽和若しくは不飽和4〜6-員環(任意に、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい)と縮合されていてもよく;
    或いはYは、N、O及びSから選択される1個以上のヘテロ原子を含むヘテロ環(Het)であり、前記Hetは、任意にR5又はC(O)R6(R5及びR6は上記定義どおりである)で一-若しくは二-置換されていてもよく;前記Hetは、任意に飽和若しくは不飽和4〜6-員環(任意に、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい)と縮合されていてもよく;
    或いはYは、エチレン-フェニルであり、前記エチレン部分は、任意に低級アルキルで一-置換されていてもよく、前記フェニル環は、任意にR5又はC(O)R6(R5及びR6は上記定義どおりである)で一-若しくは二-置換されていてもよく;前記フェニル環は、任意に飽和若しくは不飽和4〜6-員環(任意に、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい)と縮合されていてもよく;
    或いはYは、エチレン-Hetであり、前記エチレン部分は、任意に低級アルキルで一-置換されていてもよく、前記Hetは、任意にR5又はC(O)R6(R5及びR6は上記定義どおりである)で一-若しくは二-置換されていてもよく;前記Hetは、任意に飽和若しくは不飽和4〜6-員環(任意に、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい)と縮合されていてもよく;
    3は、以下の基:低級アルキル、低級シクロアルキル、低級アルキレン、アリール又は低級アラルキル(すべて任意に以下の基:
    低級アルキル、低級シクロアルキル、ハロアルキル、ハロ、CN、アジド、低級アルコキシ、(低級アルキル)アシル、C1-6チオアルキル、C1-6アルキルスルホニル、NHC(O)-低級アルキル、NHC(O)-アリール、NHC(O)-O-低級アルキル、NHC(O)O-アリール、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、又はHet(前記Hetは、任意に、低級アルキル、低級シクロアルキル、低級アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトリル、トリフルオロメチル、C(O)R6(R6は上記定義どおりである)で一-若しくは二-置換されていてもよい)で一-若しくは二-置換されていてもよい)から成る群より選択され;前記低級シクロアルキル、アリール、低級アラルキル又はHetは、任意に飽和若しくは不飽和4〜6-員環(任意に、N、O及びSから選択されるヘテロ原子を含んでいてもよい)と縮合されていてもよく;かつ
    4は、カルボン酸、その塩若しくはエステルである);
    又はその誘導体であり、前記誘導体は、検出可能標識若しくはアフィニティータグで標識された式(I)のプローブであり、式中波線は、特定しない立体化学の結合を表し;かつ前記信号は、蛍光、共鳴エネルギー移動、時間分解蛍光、放射能、蛍光偏光、固有スペクトル特性の変化、発光及びプラズマ-共鳴から選択されることを特徴とするアッセイ。
  2. HPV複製のインヒビターの同定のためのアッセイであって、以下の工程:
    a)HPV E2タンパク質のトランス活性化ドメインを、請求項1で定義したとおりの式Iのプローブと接触させてE2:プローブ複合体を形成し、かつ前記プローブからの信号を測定して基線レベルを確立する工程;
    b)E2タンパク質を試験化合物と共にインキュベートする工程;
    b')式(I)のプローブを、工程b)の前記E2と試験化合物の混合物に添加し、かつ前記プローブからの信号を測定する工程;及び
    c)工程a)の信号を工程b')の信号と比較する工程;
    を含むことによって、前記信号の変調が、前記試験化合物が前記トランス活性化ドメインに結合する指標であることを特徴とするアッセイ。
  3. 前記検出可能標識が、蛍光標識、化学発光標識、比色標識、酵素マーカー、及び放射性同位元素から選択される、請求項1又は2に記載のアッセイ。
  4. 前記蛍光標識が、フルオレッセイン、オレゴングリーン、ダンシル、ローダミン、テトラ-メチルローダミン、テキサス-レッド、フィコエリトリンBODIPY(登録商標)FL、BODIPY(登録商標)493/503及びEu3+から選択される、請求項3に記載のアッセイ。
  5. 前記化学発光標識が、ルシフェラーゼである、請求項3に記載のアッセイ。
  6. 前記放射性同位元素が、3H、14C、及び125Iから選択される、請求項3に記載のアッセイ。
  7. 前記アフィニティータグがリガンドを含み、受容体に対するその強いアフィニティーを利用して、前記リガンドが付着されているエンティティーを溶液から抽出する、請求項1又は2に記載のアッセイ。
  8. 前記リガンドが、ビオチン、ポリ-ヒスチジンペプチド、及び特異的抗体によって認識可能な定義されたエピトープから選択される、請求項7に記載のアッセイ。
  9. 前記プローブが、下記式のように表される“シス/シス”相対立体化学で存在する式(I)の化合物である、請求項1又は2に記載のアッセイ。
    Figure 2005517183
    (式中、R1は低級アルキル基であり;Aは6-員炭素環式環又は5-員イオウ含有ヘテロ環
    であり;XがHかつWがOHであり;或いはXとWがカルボニル基を形成しており;Yは、任意に低級アルキル又はハロで一-若しくは二-置換されていてもよいフェニル基であり;R3は、蛍光標識、化学発光標識、又は放射標識で置換されているアリールであり;かつR4はカルボキシル基である。)
  10. 前記プローブが、下記式の相対立体化学“シス/シス”を有する式(Ia)又は(Ib)の化合物の純粋な鏡像異性体を含む、請求項9に記載のアッセイ。
    Figure 2005517183
    (式中、R1、A、X、W、Y、R3及びR4は、請求項9で定義したとおりである。)
  11. 前記プローブが、下記式IIa及びIIbの化合物の純粋な“シス/シス”鏡像異性体を含む、請求項10に記載のアッセイ。
    Figure 2005517183
    (式中、R1は低級アルキル基であり;XとWがカルボニル基を形成しており;Yは、任意に低級アルキル又はハロで一-若しくは二-置換されていてもよいフェニル基であり;R3は、蛍光標識、化学発光標識、又は放射標識で置換されているアリールであり;かつR4はカルボキシル基である。)
  12. 前記プローブでは、R1がメチルであり、YがR5(R5はCl又はBrから選択される1又は2個の置換基である)で置換されているフェニルであり、かつR3が-CH2-NH-C(O)-R3A又は-(CH2)-NH-C(S)-R3A(R3Aは、蛍光標識、化学発光標識、又は放射標識である)で置換されているフェニルである、請求項11に記載のアッセイ。
  13. 前記プローブが下記式を有する、請求項12に記載のアッセイ。
    Figure 2005517183
    (式中、R5はジブロモであり、R3は-CH2-NH-C(O)-R3A又は-(CH2)-NH-C(S)-R3A(R3Aは、トリチウム化-CH3、蛍光標識又は化学発光標識である)で置換されているフェニルである。)
  14. 3が下記式から選択される、請求項13に記載のアッセイ。
    Figure 2005517183
    (式中、*はトリチウム標識を表す。)
  15. 前記R3が下記式である、請求項14に記載のアッセイ。
    Figure 2005517183
    (式中、*はトリチウム標識を表す。)
  16. 前記プローブが下記式から選択される、請求項1又は2に記載のアッセイ。
    Figure 2005517183
  17. 前記E2トランス活性化ドメインが、全長E2タンパク質、全長E2タンパク質のアミノ酸1〜190を含むタンパク質、配列番号1、配列番号2及び配列番号5から選択される、請求項1又は2に記載のアッセイ。
  18. 前記E2トランス活性化ドメインが、低リスク型乳頭腫ウイルスである、請求項17に記載のアッセイ。
  19. 前記低リスク乳頭腫ウイルスが、HPV-6及びHPV-11から選択される、請求項18に記載のアッセイ。
  20. 前記低リスク乳頭腫ウイルスが、HPV-11である、請求項19に記載のアッセイ。
  21. HPV-11 E2のトランス活性化ドメインに結合し、かつその潜在的なインヒビターによって置換されうるプローブであって、下記式を有するプローブ。
    Figure 2005517183
    (式中、R5は、低級アルキル、低級シクロアルキル、低級アルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、ニトリル又はトリフルオロメチルであり、かつR3は、蛍光標識、化学発光標識、又は放射標識で置換されているアリールである。)
  22. 5が、1又は2個のハロゲン置換基である、請求項21に記載のプローブ。
  23. 3が、-CH2-NH-C(O)-R3A又は-(CH2)-NH-C(S)-R3A(R3Aは、蛍光標識、化学発光標識、又は放射標識である)で置換されているフェニルである、請求項22に記載のプローブ。
  24. 3が、下記式から選択される、請求項23に記載のプローブ。
    Figure 2005517183
    (式中、*はトリチウム標識を表す。)
  25. 前記R3が下記式である、請求項24に記載のプローブ。
    Figure 2005517183
    (式中、*はトリチウム標識を表す。)
  26. 下記式から成る群より選択される、請求項21に記載のプローブ。
    Figure 2005517183
  27. HPVのインヒビターを同定するためのアッセイの開発における請求項21で定義したとおりのプローブの使用。
  28. HPV E2に結合する可能性のある化合物を試験するためのキットであって、請求項21で定義したとおりのプローブと、前記E2に結合する試験化合物を同定するための前記プローブの使用法に関する説明書とを含むキット。
  29. HPV E2のトランス活性化ドメインに結合する可能性のある化合物を試験するためのキットであって、請求項1で定義したとおりのE2:プローブ複合体と、前記トランス活性化ドメインに結合する試験化合物を同定するための前記プローブの使用法に関する説明書とを含むキット。
  30. HPV E2のトランス活性化ドメインに結合する可能性のある化合物を試験するための試薬であって、請求項1で定義したとおりのE2:プローブ複合体を含んでなる試薬。
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