JP2005515237A - 免疫無防備状態の個体群に用いる糖コンジュゲートワクチン - Google Patents

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Abstract

免疫無防備状態の個体において細菌感染を防御または治療する際に用いるためのブドウ球菌性および腸球菌性の多糖コンジュゲートワクチンを開示する。このようなワクチンは、免疫キャリアおよび臨床的に重要な細菌株由来の多糖または糖ペプチドの表面抗原を含有する。該ワクチンは、細菌感染を発症する危険な状況(例えば、カテーテル法または外科手術)にさらされようとしている免疫無防備状態の個体において能動防御のために用いることができる。

Description

本発明は一般に、免疫無防備状態の個体における細菌感染を予防または治療する際のブドウ球菌性および腸球菌性の糖コンジュゲートワクチンの使用に関する。
ブドウ球菌属および腸球菌属の細菌は、他の点では健康な個体に全身感染をめったに引き起こさず、したがって日和見病原体とみなされている。さまざまな作用機構を介して、応答能のある免疫系を有する健康な成人および成長した動物は、これらの細菌感染に対し先天性の自然抵抗力を獲得している。これらには免疫学的機構に加え、粘膜バリアおよび表皮バリアが含まれる。損傷(例えば熱傷)、外傷または留置医療機器を必要とする外科手術の結果としてこれらの天然バリアが妨害されると、ブドウ球菌や腸球菌感染の危険が増す。さらに、化学療法および放射線療法を受けている癌患者、糖尿病患者、AIDS患者、アルコール中毒患者、薬物濫用患者、臓器移植後の患者および乳児のような免疫反応を充分に発揮しない個体は、ブドウ球菌や腸球菌感染の危険性が増している。
ブドウ球菌は、ヒトの前鼻孔、皮膚および消化管の共生細菌である。ブドウ球菌感染は全院内感染の50%を超えると予想される。黄色ブドウ球菌(S. aureus)のみではこのような感染の原因の15〜25%を占めており、これらの感染の35%を占める表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)だけが黄色ブドウ球菌(S. aureus)を上回っている。ブドウ球菌による感染、特に黄色ブドウ球菌(S. aureus)が原因の感染は、高い罹病率と死亡率に関係している。
ブドウ球菌および腸球菌は、菌血症、転移膿瘍、敗血症性関節炎、心内膜炎、骨髄炎および創傷感染を含む院内および地域内感染の主な原因となる。例えば、黄色ブドウ球菌(S. aureus)による菌血症に関する全死亡率は、およそ25%である。1995年の入院患者に関する研究により、死亡率、入院期間および医療費が他の入院加療と比較して黄色ブドウ球菌(S. aureus)に関係した入院加療では倍増することがわかった。黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症は、3〜4%の年間発症率で血液透析患者の罹病率および死亡率の顕著な原因となる。黄色ブドウ球菌(S. aureus)感染が深刻さを増している原因は、メチシリン耐性分離株の割合が増加していることと、バンコマイシン耐性が早々に報告されたことである。それゆえに、黄色ブドウ球菌(S. aureus)に対する免疫予防が強く求められる。
黄色ブドウ球菌(S. aureus)の莢膜多糖(CPS)は、この日和見病原体によって生じる全身感染における毒性因子となる。黄色ブドウ球菌(S. aureus)CPSは、他の莢膜をもつ細菌、例えば肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)と同様に、多形核好中球(PMN)によるオプソニン食作用性死滅を阻害することにより侵襲性を与える。これにより細菌は血液中に残存することができ、そこで細菌は毒素および菌体外酵素を含むいくつかの異なる毒性因子を作る。11の公知のタイプの黄色ブドウ球菌(S. aureus)の中で、タイプ5および8が、全臨床分離株のおよそ85%を占める。残りの分離株のほとんどは、タイプ336として知られている、比較的最近になって確認された抗原を保有する。タイプ5、8および336のCPSに対する抗体は、in vitroでヒトPMNによるタイプ特異性のオプソニン食作用死滅を引き出し、動物感染モデルにおいて防御作用を与える。
ブドウ球菌は、ヒトにおける疾患を誘発するための非常に精巧な作用機構(細胞内および細胞外双方の因子を含む)を構築している。たとえば、黄色ブドウ球菌(S. aureus)は、その細菌が宿主白血球による食作用死滅を逃れるのを助けることにより血流中でのその生存を容易にする他の表面抗原を保有する。これらの表面抗原には、例えばテイコ酸、プロテインA、および莢膜多糖(CPS)等の細胞壁成分が含まれる。これらの細菌の変異性並びに感染力および病原性を高める細胞外産物を生成するそれらの能力がある程度原因となって、ブドウ球菌性の菌血症およびその合併症(心内膜炎、敗血症性関節炎および骨髄炎など)は、依然として、頻繁に認められる深刻な院内感染症となっている。
ペニシリンのような抗生物質はヒトのブドウ球菌および腸球菌の双方の感染に対してうまく用いられてきたが、つい最近、この種の抗生物質の効能は耐性を生じる細菌の能力により妨げられている。例えば、メチシリン(比較的新しい合成抗生物質)の導入の直後に、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S. aureus)株が分離された。院内感染からのブドウ球菌分離株のうち抗生物質耐性は頻繁に増加し続けており、黄色ブドウ球菌(S. aureus)株は、予防処置の開発ならびに細菌疫学および抗生物質開発に関する十分な調査研究がなされたにもかかわらず、院内感染を依然引き起こしている。バンコマイシン耐性腸球菌も現在明らかになっており、バンコマイシンに対し中程度の耐性を示すメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S. aureus)生物はいくつかのセンターにおいて確認されている。耐性の交差転移は、根絶がさらに困難となる生物の広範囲な発生を招くことになろう。
ブドウ球菌属細菌の感染を処置および治療する際の抗生物質の初期効力により、これらの感染に対処するための免疫学的方法から注意がそらされてきた。黄色ブドウ球菌(S. aureus)の複数の抗生物質耐性菌株が出現しているが、ワクチンのような他の戦略はこれまで開発されていない。さらに、これらの細菌感染症にかかる危険が高い免疫無防備状態の個体(例えば新生児)に用いるために受動免疫が検討された。データは、この個体群に受動免疫を用いることを推奨する点で確固とした結論を支持することができなかった。Bakerら, New Engl. J. Med. 35:213-219 (1992);Fanaroffら, New Engl.J. Med. 330:1107-1113 (1994)。免疫無防備状態の個体群を防御するための効果的な技術として能動ワクチン接種を行うことは、認可されたワクチンのどれを用いても、いままでのところ実現されていない。健康なワクチン接種者において免疫原性があるワクチンは、免疫無防備状態では免疫原性があまりないかあるいは全くなくなり、その結果として十分なレベルの防御が得られないことが頻繁に見出されている。例えば、B型肝炎ワクチンに対する血液透析患者の免疫反応は、健康なワクチン接種者にみられる免疫反応の50〜80%にまで減少することがわかっている。同様に、このワクチンに対する高齢患者の免疫反応は46%まで減少した。PirofskiおよびCasadevallによる, Clin. Microbiol.Rev. 11:1-26 (1998)。
細菌の莢膜多糖は一般に免疫原性が乏しい。ヒトにおける該多糖の免疫原性は、それらの分子の大きさおよびワクチン接種者の年齢に関係があることは公知である。2歳未満の乳児、高齢者および他の免疫無防備状態の患者は一般に、CPSワクチンに対する応答が乏しい。多糖ワクチンは、健康な個体において急性疾患を誘発するいくつかの細菌病原菌、すなわち肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、髄膜炎菌(Neisseria menigitidis)およびインフルエンザ菌(Hemophilus influenzae)に対して開発されてきたが、日和見細菌の治療に関して具体的に記載されているものはなかった。さらに、これらのワクチンを免疫無防備状態の個体で試験したとき、免疫反応の急激な低下が観察され、結果として効果的な防御に欠けていた。肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)の場合、試験したワクチンは複数の菌株を含んでおり、免疫適格性のある成人に作用したが、免疫反応が乏しい免疫無防備状態の個体(例えば年輩者およびエイズ患者)では作用しなかった。黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5のコンジュゲートワクチンの場合には、血液透析患者は、健康なワクチン接種者において誘発される抗体の最大濃度(318μg/mL)と比較して誘発される最大抗体濃度(180μg/mL)が低かった。さらに、抗体濃度の減少は、健康なワクチン接種者の抗体濃度より透析患者で一層急激に起こった。6ヵ月後には、透析患者の抗体濃度は39%低下するのに対し、健康な被験者では14%の低下にとどまった(Welch ら. J. Am. Soc.Neph. 7: 247-253 (1996))。
生ワクチンは一般に、免疫原性がより高いが、免疫無防備状態の患者に接種をする場合にはある問題を提起する。このようなワクチンで用いられるウィルスおよび細菌株は弱毒化されるにもかかわらず、一部の菌株は元の状態に戻り、疾患を引き起こす。細菌成分ワクチンを用いる免疫は、特に免疫無防備状態の患者(例えば化学療法患者、血液透析患者、乳児、ショック外傷患者、外科手術患者、および抵抗力が低下しているかまたは免疫系が充分に働かない患者)に対し好ましい。
多糖抗原は通常、T細胞非依存的な免疫応答を生み出し、体液性抗体を誘導するので、再注入後に免疫応答の増強が全く認められない。完全な免疫応答を生み出すためには、多糖をタンパク質キャリアにコンジュゲートすることで細菌CPS抗原を改変して、それらをT細胞依存的な免疫原にすることができる。その結果、それらの免疫原性が高まり、乳児および免疫無防備状態の患者への使用を増大することができる。
免疫無防備状態の個体は、例えば、カテーテル法のような方法から細菌感染にかかる危険性が高いことが多い。免疫応答が乏しいと、感染性細菌株への暴露により高レベルの感染に至る可能性がある。多くの細菌株が、現在の多くのまたは全ての抗生物質に対する耐性を生じているという事実は、免疫無防備状態の個体が細菌感染を発症する場合にネガティブな結果となる可能性を増大させる。したがって、一般の臨床的に重要な細菌株に対して免疫無防備状態の個体にワクチン接種することは非常に望ましいと考えられる。しかし、ブドウ球菌および腸球菌の多糖抗原のような細菌抗原は、免疫原性が乏しいことは公知である。それらの免疫原性はキャリアタンパク質にコンジュゲートすることにより強化され得るが、現在利用できるコンジュゲートワクチンはいずれも免疫無防備状態の患者に有効であることが示されておらず、これらのワクチンは、免疫無防備状態の個体群において効果的な免疫応答を生じることができないと広く認められている。
本発明者らは、特定のブドウ球菌性および腸球菌性の多糖または糖ペプチド細菌表面抗原のコンジュゲートが、本明細書においては「糖コンジュゲート」と呼ばれるものであるが、免疫無防備状態の個体の細菌感染を防御するのに有効であることを見出した。例えば、組換え体エキソプロテイン A(rEPA)(大腸菌において発現された緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)エキソトキシンAの非毒性変異体)に結合した黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5または8のCPSを含む二価ワクチンは、健康な成人および終末期腎疾患(ESRD)患者において免疫原性があり、十分に許容されるものであり、さらに重要なことにESRD血液透析患者の菌血症を予防することが可能であった。これは、免疫無防備状態の個体が多糖抗原(一般に免疫原性に乏しいことが知られている)のような免疫原性の弱い抗原に対して、効果的な免疫応答を惹起することは期待され得ないという従来の理論を考慮すると、全く予想外のことであった。
免疫学的には、血液透析をしているESRD患者は、危険な状態にある成人個体群の中で最も重篤な症状の患者である。彼らは大部分が高齢者であり、多くは糖尿病患者(約50%)であり、通常尿毒症を患っている。尿毒症および高血糖症は、宿主防衛機構(特にオプソニン食作用)に対して重大なマイナスの影響を及ぼす。こうした状態は、補体または食細胞の機能性が損なわれるため免疫機能に大きな障害を引き起こす。ESRD患者は一般に好中球機能が衰え、食菌作用に障害があり、白血球減少症が補体活性化のために二次的に生じ、ナチュラルキラー細胞の活性が低下し、TおよびBリンパ球の機能が低減し、一般的な抗原に対するTリンパ球反応が減少している。そのような高度な免疫無防備状態にある標的個体群を防御するための本発明によるワクチンの能力は、予測され得るものではなかった。
本発明は、免疫無防備状態の個体をブドウ球菌属および腸球菌属細菌の感染のうち少なくとも1つから防御することを包含する。ワクチンは、多糖または糖ペプチド細菌表面抗原と免疫キャリアとの糖コンジュゲートを含む。本発明の方法は、ワクチンに応答する健康な被験者において達成し得る血清型特異的抗体のレベルに匹敵する該レベルを免疫無防備状態の個体においてもたらす用量で免疫無防備状態の個体にワクチンを投与することを伴う。ワクチンは、
(a) 黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5およびタイプ8の両方の多糖抗原の糖コンジュゲート、
(b) 主要な炭水化物成分としてβ-結合ヘキソサミンを含みかつO-アセチル基を含まない、ブドウ球菌の負に荷電した多糖抗原の糖コンジュゲート、
(c) アミノ酸およびα配置のN-アセチル化ヘキソサミンを含み、O-アセチル基を含まず、かつヘキソースを含まないブドウ球菌の糖ペプチド抗原の糖コンジュゲート、
(d) ATCC 55254に対する抗血清を凝集させる、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)の分離株から入手可能なブドウ球菌の酸性多糖抗原の糖コンジュゲート、
(e) 2-アセタミド-2-デオキシ-グルコースとラムノースを1:2のモル比で含むエンテロコッカス・フェーカリス(E. faecalis)の抗原の糖コンジュゲート、
(f) 6-デオキシ糖を含む三糖の繰り返しを含むエンテロコッカス・フェーカリス(E. faecalis)の抗原の糖コンジュゲート、
(g) 2-アセタミド-2-デオキシ-ガラクトースとガラクトースを2:1のモル比で含むエンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)の抗原の糖コンジュゲート、
(h) ATCC 202016に対する抗体と反応するエンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)の抗原の糖コンジュゲート、または
(i) ATCC 202017に対する抗体と反応するエンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)の抗原の糖コンジュゲート、
を含む。
前記ワクチンは、ワクチン中に含まれる抗原に対してあるレベルの血清型特異的抗体を免疫無防備状態の個体において生成するが、そのレベルは、通常の健康的な被験者が糖コンジュゲートを含むワクチンによって免疫される場合に、該被験者において達成されるレベルに、予想される実験的な変動の範囲内で、同一である。
免疫無防備状態の個体は、免疫キャリアと、臨床的に重要なブドウ球菌属または腸球菌属の細菌株由来の多糖または糖ペプチド表面抗原とのコンジュゲートを含むワクチンを投与することによって、細菌感染から効果的に防御され得ることが見出された。本明細書において、「臨床的に重要な」細菌株はヒトにおいて病原性となる細菌株である。ワクチンは、細菌感染を発症する危険な状況にさらされようとしている免疫無防備状態の個体において能動防御に用いることができる。これらの状況には例えば、カテーテル法または外科手術が含まれる。特に、本発明者らは、免疫無防備状態の個体が本発明のワクチンを接種されたとき、有効な免疫応答を惹起することを見いだした。
免疫無防備状態の個体は、免疫系の細胞性および体液性アームの一方または両方が欠損している可能性がある。これら両アームは感染症と闘うものである。特に、細菌感染は、主として2つの作用機構、すなわち殺菌活性(抗体および補体の双方を必要とする)、およびオプソニン食作用(補体および抗体に加えて食細胞を必要とする)によって除去される。こうしたプロセスの各ステップは、全プロセスの機能性にさまざまな程度の影響を与える欠陥をかかえていることがあり、このような欠陥はどれも結果的に「免疫無防備状態」である宿主をもたらす。
ESRD患者では免疫応答の非常に多くの面が十分に発揮し得ないため、ESRD患者は、免疫無防備状態の者を防御するワクチンの能力を予測するための優れたモデルとなる。なぜならば、例えば、これらの患者の多くは補体結合を妨げる糖尿病、つまり高血糖をかかえている。補体が結合できないために、これらの患者における抗体の有用性が制限される。さらに、糖尿病の結果として食細胞は走化性運動を弱めており、そのために感染場所に到達することができなくなる可能性がある。血液透析患者はまた、顆粒球の機能性および補体結合に影響を与える尿毒症を患い、尿毒症は非効率的なオプソニン食作用をもたらす。糖尿病および尿毒症はまた、B細胞の機能性にも影響を与え、これはワクチン接種に対する最適免疫応答よりも低い免疫応答をもたらす。
本発明において、多糖または糖ペプチド表面抗原は、炭水化物残基を高い割合で含む抗原である。炭水化物残基のみから成る抗原は、多糖抗原と呼ばれる。いくつかの細菌表面抗原はさらに、アミノ酸残基をより低い割合(典型的には抗原の40重量%未満)で含み、この場合にはそれらを糖ペプチド抗原と称する。本発明の細菌表面抗原は莢膜多糖であり得、またはそれらはテイコ酸を含み得る。
種々のブドウ球菌性および腸球菌性の細菌表面抗原は、本発明によるコンジュゲートワクチンの調製に適しているとして確認された。特に、これらには黄色ブドウ球菌(S. aureus)、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)、溶血性連鎖球菌(S. haemolyticus)またはスタフィロコッカス・ホミニス(S.hominis)、エンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)およびエンテロコッカス・フェーカリス(E. faecalis)のさまざまな菌株に見いだされる多糖および糖ペプチド抗原が含まれる。
本発明によるコンジュゲートワクチンを調製するための抗原には、黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5およびタイプ8の抗原が含まれる。検査からは、分離株のおよそ85〜90%が莢膜多糖タイプ5またはタイプ8であることが示されている。タイプ5およびタイプ8の莢膜多糖抗原を含むワクチンを接種された健康な個体は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)株の85〜90%による感染から防御される。タイプ5および8の多糖抗原の構造は、Moreauら,Carbohydr. Res. 201: 285 (1990)およびFournierら, Infect. Imm. 45: 87 (1984)によって解明されている。両抗原とも、それらの繰返し単位中にFucNAcpを有し、さらにスルフヒドリル基を導入するために用いられ得るManNAcAを有する。
構造は、以下の通りである:
タイプ5:
→4)-β-D-ManNAcAp(l→4)-α-L-FucNAcp(l→3)-β-D-FucNAcp(l-3)Oac
タイプ8:
→3-β-D-ManNAcAp(1→3)-α-L-FucNAcp(1→3)-β-D-FucNAcp(1-4)Oac
本発明による好適なワクチンは、タイプ5およびタイプ8双方の抗原のコンジュゲートを含む。特に驚くべきことは、この二価ワクチンが免疫無防備状態の個体において卓越したレベルの防御を提供することである。Welchら(1996)前掲には、タイプ5の一価ワクチンがESRD患者において非常に限られた免疫応答しか生起しないことが開示されている。本発明によるタイプ5/タイプ8の黄色ブドウ球菌(S. aureus)の二価ワクチンで達成される防御は、Welchらにより報告された不毛な結果からは予見することができなかった。特に、ワクチンに第2の成分抗原を追加することは個々に各成分の効力を実際に低下させるという当技術分野における教示と結びつけて考えた場合には尚更そうである(Fattomら,17: 126-133 (1999))。
本発明によるコンジュゲートの調製に用いられ得る別のブドウ球菌属細菌抗原は、米国特許第5,770,208号および第6,194,161号に記載されている。負に荷電したこの抗原は、主要な炭水化物成分としてβ-結合ヘキソサミンを含み、核磁気共鳴スペクトルによって検出可能な0-アセチル基を含まない。この抗原は、ATCC 55804として寄託された黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ336に対する抗体と特異的に結合する。この抗原を担う黄色ブドウ球菌(S. aureus)株は、タイプ5またはタイプ8菌株でない臨床的に重要な黄色ブドウ球菌(S. aureus)株のほぼ全てを占めている。従って、この抗原を黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5の多糖抗原と黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ8の多糖抗原と組み合わせて用いて、黄色ブドウ球菌(S. aureus)感染のほぼ100%をカバーすることが特に有利となる。
表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)の多くの臨床的に重要な菌株もまた数多く存在する。これらの菌株による感染を防御または治療するためには、米国特許第5,961,975号および第5,866,140号に開示される、いわゆるタイプ1抗原を用いて調製されたコンジュゲートワクチンが好適である。この抗原は酸性の多糖抗原であり、以下の方法により得られる。すなわちATCC 55254(タイプ1の分離株)に対する抗血清を凝集させる表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)の分離株の細胞を増殖させ、多糖抗原を該細胞から抽出して、多糖抗原の粗抽出物を得、この粗抽出物を精製して、1%未満のタンパク質を含む精製された抗原を取得し、分離カラムに精製された抗原を添加し、NaCl勾配で該抗原を溶出し、そして、タイプ1分離株に特異的な抗体を用いて多糖抗原を含む画分を確認する。
本発明のコンジュゲートワクチンを調製するためのさらにもう一つのブドウ球菌属細菌の抗原は、WO 00/56357に記載されている。この抗原は、アミノ酸とN-アセチル化ヘキソサミンをα配置で含み、核磁気共鳴スペクトルにより検出可能な0-アセチル基を含まず、また、ヘキソースを含まない。これはATCC 202176として寄託されたブドウ球菌属細菌株に対する抗体と特異的に結合する。この抗原のアミノ酸分析は、セリン、アラニン、アスパラギン酸/アスパラギン、バリンおよびトレオニンがおよそ39:25:16:10:7のモル比で存在することを示している。アミノ酸は、抗原分子の約32重量%を構成する。
これらのブドウ球菌属細菌の抗原を含むコンジュゲートワクチンに加えて、WO 99/18996に記載の腸球菌属細菌の抗原を含むコンジュゲートワクチンも、本発明によれば好適である。本出願は、5つの異なる抗原を開示しており、そのうち2つはエンテロコッカス・フェーカリス(E.faecalis)菌株から分離され、3つはエンテロコッカス・フェシウム菌株から分離される。2種のエンテロコッカス・フェーカリス(E. faecalis)および3種のエンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)菌株の各代表的なものは、ブダペスト条約に基づいてアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)に受託されており、それぞれ、寄託番号202013(エンテロコッカス・フェーカリスEFS1)、202014(エンテロコッカス・フェーカリスEFS2)、202015(エンテロコッカス・フェシウムEFM3)、202016(エンテロコッカス・フェシウムEFM4)および202017(エンテロコッカス・フェシウムEFM5)が付与されている。本発明で用いる抗原は寄託された菌株から単離することができ、または寄託された菌株を使用して、本発明に係る抗原を発現する他の菌株を同定することができ、その菌株から抗原を抽出および精製することが可能である。エンテロコッカス・フェーカリス(E. faecalis)抗原の1つであるEFS1は、2-アセタミド-2-デオキシ-グルコース、ラムノース、グルコースおよび2-アセタミド-2-デオキシ-ガラクトースをおよそ1:2:2:2の算出されるモル比で含み、もう1つのエンテロコッカス・フェーカリス(E. faecalis)抗原であるEFS2は、6-デキオシ糖を含む三糖の繰返しを含み、エンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)抗原であるEFM3は、2-アセタミド-2-デオキシ-ガラクトースおよびガラクトースを含む。
前記の抗原はそれぞれ、引用文献に記載されるプロトコルに従って培養された特定のブドウ球菌属および腸球菌属の分離株から、実質的に純粋な形態で、回収可能な量にて得ることができる。特に精製された抗原は、1%未満の核酸を含む。これに関して「回収可能な」量とは、単離された抗原の量が、放射性標識法より感度の低い、イムノアッセイなどの方法によって検出可能であり、抗原自体を溶液中に移行することを含むさらなる操作に付すことができることを意味する。
本発明に従って免疫無防備状態の個体群にワクチンとして用いるために、抗原は免疫キャリアにコンジュゲートされる。免疫キャリアは、抗原に対する免疫応答を誘発するためのT細胞とB細胞間の相互作用を向上させ、その結果、能動免疫のために、またその後の受動免疫に用いる高力価の抗血清をボランティアにおいて調製するために、免疫原性を増強する、通常はポリペプチドまたはタンパク質の物質である。本発明において適切な免疫キャリアとしては、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイドおよび組換え的に製造された遺伝的に解毒されているその変異体、ブドウ球菌エキソトキシンまたはトキソイド、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)のエキソトキシンAまたはその誘導体、特に、例えばFattomら,Inf. and Imm. 61:1023-1032 (1993)に記載の緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)のエキソトキシンAの組換え的に製造された無毒性突然変異株、ならびに免疫キャリアとして一般に使用される他のタンパク質が含まれる。
抗原をキャリアタンパク質にコンジュゲートするためには、まず抗原を誘導体化する。抗原を誘導体化して、それを免疫キャリアに共有結合させるための種々の方法を用いることができる。該抗原の活性化されたカルボキシラート基を、ADH、シスタミンまたはPDPHを用いて誘導体化させ、その後、該抗原をキャリアタンパク質に結合させることができる。この結合は、部分的にアミド化された抗原のキャリアタンパク質のカルボキシ基へのカルボジイミド媒介反応、またはチオラート化された抗原のSPDP誘導体化キャリアタンパク質とのジスルフィド相互変換のいずれかによる。
該抗原上のヒドロキシル基は、臭化シアンまたはテトラフルオロホウ酸1-シアノ-4-ジメチルアミノ-ピリジニウムを用いて活性化することができ、その後該抗原を、6炭素二官能性スペーサーのアジピン酸ジヒドラジド(ADH)により誘導体化することができる。この方法は、Kohnら,FEBS Lett.154: 209-210 (1993)の方法にしたがって、当技術分野で公知の手法により行う。次に、この物質を、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)によってジフテリアトキソイド(Dtd)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来の組換えエキソプロテインA(rEPA)、破傷風トキソイド(TTd)、または他の適当なキャリアタンパク質に結合させる。得られたコンジュゲートは、サイズ排除クロマトグラフィーによって未反応の抗原から分離することができる。抗原をキャリアタンパク質にコンジュゲートするために用いた方法とは無関係に、該抗原のキャリアタンパク質への共有結合は、抗原の免疫原性を著しく増大させ、マウスへの初回および追加の両抗原刺激後に、該抗原に対する抗体のレベルを増加させることになる。
本発明の抗原-免疫キャリアコンジュゲートは、組成物中の活性成分であり、細胞性免疫応答および/または抗体(免疫無防備状態の個体群における細菌感染、特にブドウ球菌および/または腸球菌感染と闘う)のin vivo産生を誘起するためのワクチンとして用いられる。該組成物はさらに活性成分のための製薬上許容される担体を含む。これに関して、製薬上許容される担体は、薬剤を投与するためのビヒクルとして用いることのできる物質である。その理由は、その物質がワクチン投与の状況下で、活性物質と適合性であるばかりでなく、不活性であるか、さもなければ、医学的に受け入れられるからである。適切な賦形剤に加えて、製薬上許容される担体は、従来のワクチンの添加剤(希釈剤、アジュバントおよび他の免疫刺激剤、酸化防止剤、防腐剤および可溶化剤等)を含み得る。
本発明によるワクチンは、アジュバントと共に、またはアジュバントなしで投与され得る。アジュバントを用いる場合は、アジュバントにより誘発される毒性を回避するようにアジュバントを選択する。本発明のワクチンはさらに、β-グルカンまたは顆粒球コロニー刺激因子、特に、1999年9月14日に出願された米国特許出願第09/395,360号に記載のβ-グルカンを含んでいてもよい。
好ましくは、本発明の抗原/免疫キャリアコンジュゲートの組成物は本質的に、該コンジュゲートからなる。本明細書において、「本質的に〜からなる」という用語は、該組成物をワクチンとして被験者に投与したとき、該抗原(存在するならば他の抗原)に対する免疫応答の誘起を妨げるいかなる物質も含まないことを意味する。
本発明のワクチンの投与から恩恵を受ける免疫無防備状態の個体群は多数存在する。これらには、終末期腎疾患(ESRD)患者、免疫抑制療法を受けている癌患者、AIDS患者、糖尿病患者、長期にわたり介護施設にいる高齢者、免疫抑制療法を受けている自己免疫疾患の患者、移植患者および火傷患者が含まれる。免疫系は、2つのアーム、すなわち細胞性および体液性アームから成る。これらのアームは両方とも、感染症と闘う。特に細菌感染は、主として2つの作用機構によって取り除かれる。抗体および補体を含む殺菌活性と、補体および抗体に加えて食細胞を含むオプソニン食作用とが重要である。これらのプロセスにおける各ステップは、全プロセスの機能性にさまざまな程度の影響を与える欠陥をかかえている可能性がある。このような欠陥はいずれも宿主を免疫無防備状態の患者にさせる。このような非機能的なまたは十分に機能しない作用機構は例えば、糖尿病の結果として起こることがある。糖尿病または高血糖は補体結合を妨げる。それゆえヒトが十分に抗体を有する場合でさえ、補体と結合できないためにこれらの抗体の有用性が制限される。さらに、食細胞は、糖尿病の結果として、走化性運動を弱めており、ひいては感染場所にたどり着けない可能性がある。血液透析患者は顆粒球の機能性および補体結合に影響を与える尿毒症を患い、その結果非効率的なオプソニン食作用をもたらす。さらに、糖尿病および尿毒症は、B細胞の機能性に影響を与え、これはワクチン接種に対する最適な免疫応答よりも低い応答をもたらす。
以下の実施例を参照することで、本発明をさらに詳しく説明することにする。
実施例1: ESRD患者における黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5/タイプ8の多糖ワクチンの投与試験
持続的腹膜潅流透析または血液透析で生命を維持している20人の成人男性の終末期腎疾患(ESRD)患者に、ワクチンを一回の筋内注射で投与した。該ワクチンは、組換え緑膿菌(Pseudomonas)エキソプロテイン(rEPA)タンパク質のコンジュゲートとして処方された25μgずつのタイプ5および8黄色ブドウ球菌(S. aureus)CPSの標的量を含むように製剤化した。この25μgの用量は健康な被験者に使用した量と同一である。この慢性的に病気を患っている個体群においては免疫応答がより弱いと予想されるために、1回目の投与の6週間後に2回目の0.5mLの二価ワクチンを投与した。5人の新たな健康な成人男性に、等量の生理食塩水プラセボを与えた。抗タイプ5および8 CPS IgGのレベルを、注射前、および注射後2週目と6週目に評価した。
表1に示すように、免疫応答は、健康な被験者よりもESRD患者において低いとはいえ、十分な免疫応答がESRD患者においてみられた。6週間後に2回目の投与を行ったが、どちらの血清型に特異的な抗体のレベルもほとんど影響はなかった。
Figure 2005515237
次に血液透析をしているESRD患者における投与試験を、表1の結果に基づいて行った。容量1.0mL中に75μgのタイプ5 CPSと55μgのタイプ8 CPS(各々、等重量のrEPAにコンジュゲートされている)を含む製剤を用いた。血液透析で生命を維持している33人の男女混合の成人ESRD患者に1回の筋内投与で黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5/タイプ8 CPSコンジュゲートワクチン/IAを接種した。16人の被験者からなる初期グループに、1.0mLの用量(75μgのタイプ5と55μgのタイプ8)を投与した。このグループが安全性について1週間観察された後、別の17人の被験者に1.5mLの用量(118μgのタイプ5と83μgのタイプ8)を投与した。両投与とも十分に許容された。血清型に特異的なIgGレベルを、注射後2および6週間並びに3、6、9および12ヶ月間モニターした。
表1と比較し、両投与レベルとも、注射後6週間で血清型特異的抗体の改善されたピークレベルをもたらしたが、重要なことには、かなり高い割合の抗タイプ8応答物質(responder)が生成された(表2)。両CPSタイプに対する血清型特異的抗体は、1.5mLを投与した健康な被験者において達成し得るレベルに近づき、一年で基底値を超えて幾何平均値が6.03倍(タイプ8に対して)〜10.28倍(タイプ5に対して)上昇したままであった(両血清型に関してp<0.0001)。
Figure 2005515237
実施例2: 黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5/タイプ8の多糖ワクチンによるESRD患者の防御
被験者を、カリフォルニアにある73の血液透析センターで募集した。試験対象患者の基準は次の通りであった。すなわち、18歳以上で、登録前に少なくとも8週間にわたり天然血管フィステルまたは合成/異種移植片アクセスを用いて血液透析をしているESRD患者であり、エントリー時にカルノフスキー(Karnofsky)スコアが少なくとも50であり、要求される追跡調査訪問を完了することが期待される患者である。試験対象外患者の基準は次の通りである。すなわち、ワクチン接種前2週間以内に感染と合致する症状および兆候、HIV感染の病歴、多糖または多糖コンジュゲートワクチンが原因の過敏症または過去のアナフィラキシー、この1年の薬物乱用、免疫抑制薬または免疫調節薬の使用、ワクチン接種前6ヶ月以内の悪性疾患を有するかまたは悪性疾患に対する治療を施した患者である。
適格な被験者は、ワクチンまたはプラセボの一回注射を受けるように無作為に割り当てられた。無作為化は、(1)血管アクセス(天然血管フィステルまたは合成/異種移植片)および(2)持続的な黄色ブドウ球菌(S. aureus)の鼻腔保菌の有無、により層化した。
ワクチン(StaphVAX(登録商標)、Nabi(Rockville, MD)により供給される)は、0.01%のポリソルベート80およびリン酸ナトリウム緩衝食塩水(pH 7.4)中に、等重量の組換え緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)無毒エキソトキシンA(rEPA)にコンジュゲートされた黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5およびタイプ8 CPS (100μg/タイプ/mL)を含んでいた。この用量は、ESRD患者での研究を基準に選択した(Nabi、未発表のデータ)。ワクチンおよびプラセボ(リン酸ナトリウム緩衝食塩水)を、同じバイアル(各々は独自のコードを有する)中に1mLの透明な液体として供給した。
およそ1週間の間隔での2回の選別訪問において、被験者を適格性について評価し、外鼻孔を黄色ブドウ球菌(S. aureus)について培養した。保菌は2つの陽性培養物により規定された。ワクチンまたはプラセボを、三角筋または前大腿への筋内注射によって投与した。
注射の30分後に被験者を評価し、被験者に1週間にわたり毎日、局所反応(赤み、腫脹、痛み、灼熱感、圧痛、発熱)および全身反応(発熱、一般的な不快感、筋肉痛、頭痛、悪心、嘔吐)を記録するように指示した。注射の1週間後、被験者を透析センターに戻し、ワクチン反応を記録した。注射後6週間まで被験者の有害なイベントを評価した。この研究が終わるまで、または被験者がこの研究から退くまで、死亡およびあらゆる菌血症を記録した。一次結果の尺度は、被験者が最初に黄色ブドウ球菌(S. aureus)の菌血症を発症することであった。抗生物質による治療の開始前に血液培養物を取得した。
血清を、ワクチン接種前およびワクチン接種後6、26、54および67週目に採取した。黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5およびタイプ8のCPSに対する抗体を、Fattomら, Infect Immun 1990;58:67-74 および Fattomら,Infect Immun 1993;61:1023-32に記載されるように、ELISAで測定した。ワクチン応答は、少なくとも25μg/mLの抗体濃度およびワクチン接種前のレベルより少なくとも2倍高い濃度として定義される。
米国およびヨーロッパにおける調査によると、年間の血液透析患者当たりの黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症の発症率は0.03〜0.04であることを示している。例えば、Kesslerら, Nephron 1992;64:95-100; Quarlesら, Am J Kidney Dis 1985;6:412-9; Roubicekら, Nephrologie 1995;16: 229-32;並びにBloembergenおよびPort, Adv Ren Replace Ther 1996 ;3:201-7を参照のこと。0.042の調整されたタイプ1誤差(Fleming-O'Brien法, Biometrics 1979;35:549-56)では、1群900人の被験者のサンプルサイズは、80%の検定力で、ワクチン接種後3〜54の観測窓において、ワクチン群における黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症の発症率の60%減少を検出するのに十分であると決定された。しかし、防御の抗体相関物は本研究以前には知られていなかったため、また、抗体レベルがESRD患者では急速に低減するために、他の時間窓を評価した。
効力評価は、ワクチン接種の2週間後からのデータに基づいていた。黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症の割合は、StatXactソフトウェアを使用する正確な層化された人-時間(person-time)発症率計算により、ワクチン群と対照群の間で比較した。StatXact-4のためのソフトウェアマニュアルを参照のこと。Cambridge, Massachusetts: Cytel, Inc;1998、並びにBreslowおよびDay, Statistical methods in cancer research, 第2巻:The design and analysis of cohort studies. New York: Oxford University Press; 1987を参照のこと。4つのセルを、基底鼻腔保菌および血管アクセス方式により規定された2つの層によって構築した。黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症の第1エピソードまでの時間を、Kaplan-Meier法によって記載し、層化したログ-ランク(log-rank)検定によって比較した。反復測定のロジスティック回帰モデル(SAS PROC GENMOD)を使用して感染の可能性の時間依存性を記述し、その時間から効力の傾向を推測した(ZegerおよびLiang, Longitudinal data analysis for discrete and continuous outcomes. Biometrics 1986;42:121-30)。該モデルには、社会階層、年齢、および性別の調整が含まれる。
2サンプル順列検定に基づく別の分析を用いて、追跡調査の3〜54週のうちの連続期間で最大のワクチン効力を決定した(Edington ES. Randomization Tests. New York: Marcel Dekker; 1980)。合計10,000のシミュレートされたデータセットを1798人の全被験者から作成し、ワクチン接種後54週間のうち少なくとも6ヶ月のあらゆる可能な注射後期間を調査した。連続した間隔での人-時間効力検定に対するp値を、本研究で得られた値よりも大きいシミュレート効力の割合として計算した。
ワクチン群およびプラセボ群におけるワクチン反応および死亡を経験した被験者の数をFisherの正確検定により比較した。安全性の試験の多様性についての調整は行わなかった。
73の血液透析センターで勧誘されて選別された1991人の被験者のうち全部で1804人を無作為化し、ワクチン(n=894)またはプラセボ(n=910)を投与した。選別された187人の被験者は免疫しなかったが、その理由は、適格性基準に合わないこと、すなわち、実験計画に応じないこと(n=81)、同意の撤回(n=71)、健康状態の変化(n=22)、および他の理由(n=13)であった。ワクチン接種者および対照者は、それぞれ75週と74週の平均試験時間に貢献し、各群の被験者の76%は、少なくとも54週間にわたり試験に参加した。6人の被験者を効力分析から除外した。3人の対照者は最初の2週間以内に死亡し、2人のワクチン接種者および1人の対照者は注射前2週間以内に感染した。安全性の評価から除外された被験者は一人もいなかった。これら2群は治療前の人工統計学および臨床的特徴が類似しており、カリフォルニアにおける多様性を代表するものであった。被験者は、33%が白人、31%がヒスパニック、23%が黒人および13%がアジア人であった。894人のワクチン接種者および910人の対照者のうち、それぞれ46および44%が女性被験者であり、52および51%が糖尿病患者であった。ワクチン接種特に、両群の69%の被験者が移植片アクセスを有し、両群の22%が鼻腔保菌者であった。両群の平均年齢は58.3歳であった。
ワクチン群と対照群の間に死亡数の統計的有意差はなく、どれも該ワクチンに関係したものとは見なされなかった。対照者に比べてワクチン接種者において局所反応、倦怠感および筋肉痛が増大することは統計的に有意であった。
Figure 2005515237
局所反応は、一般に穏やかまたは軽度であり、2日以内で消失した。黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症と死亡との間の因果関係または時間的関係は、ワクチン群における152件の死亡のうち9件(5.9%)および対照群における146件の死亡のうち11件(7.5%)について確認された(Fisherの正確検定P=0.65)。
ワクチン接種後1〜2週目ではあるがワクチン効力の追跡調査の開始前に、ワクチン群には1人の菌血症患者が存在したが、プラセボ群には存在しなかった。3〜40週の期間では、ワクチン接種者に618.9人-年(person-year)につき11件の発症があり、対照者では627.0人-年につき26件の発症があった。該ワクチンは菌血症を57%減少させた(95%信頼区間10.2〜80.9、P=0.02)。40週後は効力が低下し、54週で26%となった(95%信頼区間24.1〜56.9、P=0.23; 表2)。
Figure 2005515237
連続した間隔での最大効力を決定するために2サンプル順列検定を用いると、注射後54日目から開始して187日間(27週間)にわたって75%の効力が観察された(対照群では444.2人-年につき20件の感染があったのに対してワクチン群では437.4人-年につき5件の感染、P=0.01)。
3〜91週間における人-時間効力の均一性の検定から、2層により生成された4つのセルにわたって効力には有意差がないことが示された(均一性の正確検定についてはP=0.15)。しかし、この相互作用を評価する検定力には限界があった。両群において、該試験の開始時にフィステルよりむしろ移植片による血管アクセスを有する被験者は、菌血症の危険性が増大する傾向があった(表3)。黄色ブドウ球菌(S. aureus)の鼻腔保菌もまた、対照者においては菌血症の危険性の増加と関連する傾向があった(100人-年につき人-時間率7.6対3.1、P=0.06、人-時間率の正確比較)が、ワクチン接種者ではその傾向が認められなかった。
Figure 2005515237
ワクチン群および対照群は、菌血症患者の間では黄色ブドウ球菌(S. aureus)の類似したタイプ分布を有していた。ワクチン群では37の分離株のうち13株を、プラセボ群では49の分離株のうち12株を、タイピングのために回収することができなかった。ワクチン群において、8株(33%)はタイプ5であり、11株(46%)はタイプ8であった。5株(21%)はタイプ336であった。プラセボ群では、10株(27%)がタイプ5、20株(54%)がタイプ8、7株(19%)がタイプ336であった。この試験における菌血症患者由来の黄色ブドウ球菌(S. aureus)分離株のタイプ分布は、第三者により報告された結果と一致していた。メチシリン耐性は、ワクチン群における37の黄色ブドウ球菌(S. aureus)分離株のうち7株で見られ、プラセボ群における48の分離株(対照者由来の1つの分離株は検査しなかった)のうち12株で見られた。ワクチン群とプラセボ群の両方から得られた分離株におけるメチシリン耐性の類似した分布は、抗生物質耐性および抗生物質感受性の黄色ブドウ球菌(S. aureus)の双方が抗体媒介オプソニン食作用により死滅されることを示すin vitroデータと一致している。
3週から40週の間で、37の黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症(ワクチン群に11、プラセボ群に26)が認められた。ワクチン群においては11の分離株のうち2株を、プラセボ群では26の分離株のうち6株をタイピングのために回収することができなかった。ワクチン群においては、5株のタイプ5、3株のタイプ8および1株のタイプ336が存在した。プラセボ群では、6株のタイプ5、11株のタイプ8、3株のタイプ336(P=0.50、正確カイ2乗)が存在した。3週から54週の間に、2人のワクチン接種者と6人のプラセボ患者が2以上の菌血症に罹患していた(P=0.11、正確Cocharan-Mantel-Haenszel検定)。
ワクチン群とプラセボ群の間に免疫前抗体濃度の統計的有意差はなかった。プラセボ群においては、抗体濃度が免疫前のレベルのままであった。ワクチン群においては、幾何平均抗体濃度は、6週目(評価される最初の時点)でタイプ5 CPSについてが230μg/mL、タイプ8 CPSについてが206μg/mLであって、その後次第に低下した(表4)。少なくとも80μg/mL(予想された防御レベル)のピーク抗体濃度を有する被験者の百分率は、タイプ5についてが80%、タイプ8についてが75%であった。27人の被験者(3%)が非応答者中に含まれたが、そのデータは入手できなかった。
Figure 2005515237
幾何平均抗体濃度がおよそ80μg/mL以下に減少する場合には、ワクチンの効力はもはや統計学的に有意でなかった。防御レベルの当該推定値は、免疫前、および免疫後6、26、および54週で作成されたデータの内挿法から抽出した。ワクチン群およびプラセボ群において、タイプ5およびタイプ8のCPSに対するピーク幾何平均抗体濃度は、菌血症を起こした個体と起こさなかった個体との間で有意差はなかった。
上記結果は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5およびタイプ8のコンジュゲートの1回注射が、ESRD患者の免疫無防備状態の個体群において、安全で、免疫原性があり、黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症をおよそ40週間防御しうることを実証している。この個体群は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症に対する危険性が特に高い。血液透析患者のほぼ90%が該ワクチンに応答し、75%以上が少なくとも80μg/mL(予想された防御レベル)の抗体濃度を達成した。40週後にワクチンの効力が低下することは、被験者個体群における特異的抗体濃度の低下に対応していた。抗体濃度は、健康な被験者よりも血液透析患者において一層急激に低下する。ESRD患者における抗体濃度の急激な低下は、ワクチンの追加免疫量を用いることで回避することができる。
ESRD患者の最小防御抗体レベルはおよそ80μg/mLであると算出され、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)タイプbおよび肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)のCPS抗体の防御レベル(それぞれ0.15および1μg/mL)より2〜3 log高い。この防御抗体レベルの差は、損なわれた食細胞機能およびESRD患者の根底にある疾患に起因しているかもしれない。したがって、この患者個体群についての防御抗体レベルの確認は、危険にさらされている他の患者における当該ワクチンの臨床効力の代わりを提供する。
鼻腔保菌は、血液透析患者における黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症の危険性の増加と関係している。黄色ブドウ球菌(S. aureus)は血管アクセス部位感染の最も一般的な病原菌であり、また、それはアクセス関連菌血症の最も頻繁な原因菌である。その数は少ないが、鼻腔保菌は対照者(ワクチン接種者ではない)を菌血症のより高い危険性にさらすようである。このことは、ワクチン接種が鼻腔保菌と関連した黄色ブドウ球菌(S. aureus)感染の増大した危険性から防御することを示唆している。
ワクチン接種から40週目まで、二価ワクチンは全ての黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症に対して統計的に有意な防御を引き出した。他の抗原(特にタイプ336の抗原)の追加後には効力が増大する。
血液透析で生命を維持している終末期腎疾患(ESRD)患者の二重盲検の無作為化プラセボ-対照試験において、黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5およびタイプ8 CPS-組換え緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)無毒性エキソトキシンA(rEPA)コンジュゲートワクチン(StaphVAX(登録商標))を、その安全性、免疫原性および効力について評価した。73の血液透析センターの成人患者は、ワクチン(n=894)または食塩水(n=910)の一回の筋内注射を受けた。タイプ5および8のCPSに対するIgG抗体は、最大2年にわたり間隔をおいて測定され、黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症のエピソードを記録した。効力は、ワクチン群における黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症の発症率を、対照群の発症率と比較することにより決定した。
ワクチン反応は一般に穏やかないし軽度であり、ほとんどが2日以内に消失した。各タイプのCPSは、患者の86%において有意な抗体応答を惹起した。ワクチン接種後40週間で、黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症の発症率は、ワクチン群において11/892であり、対照群において26/906であった(効力の人-時間予測57%、P=0.02、95%信頼区間、10〜81)。それより長い間隔でのワクチン効力は、有意にゼロから異なっていなかった。CPS特異的IgGの予想防御レベルは、およそ80μg/mLであった。コンジュゲートワクチンは、およそ40週間にわたり、血液透析患者に黄色ブドウ球菌(S. aureus)菌血症に対する免疫を賦与し、その後は、次第に低下する抗体レベルに対応してワクチンの効力は弱くなった。
本明細書において言及される全ての参考文献の内容は、参照によりその全体を本明細書中に組み入れられる。
本明細書に記載し、例示した技術および構造に対して、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、多くの修正および変更を行うことが可能である。

Claims (19)

  1. 多糖または糖ペプチド細菌表面抗原と免疫キャリアとの糖コンジュゲートを含むワクチンを免疫無防備状態のヒトに投与することを含んでなる、ブドウ球菌属および腸球菌属細菌の感染のうち少なくとも1つから免疫無防備状態のヒトを防御する方法であって、前記ワクチンが、
    (a) 黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5およびタイプ8の両方の多糖抗原の糖コンジュゲート、
    (b) 主要な炭水化物成分としてβ-結合ヘキソサミンを含みかつO-アセチル基を含まない、ブドウ球菌の負に荷電した多糖抗原の糖コンジュゲート、
    (c) アミノ酸およびα配置のN-アセチル化ヘキソサミンを含み、O-アセチル基を含まず、かつヘキソースを含まないブドウ球菌の糖ペプチド抗原の糖コンジュゲート、
    (d) ATCC 55254に対する抗血清を凝集させる、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)の分離株から入手可能なブドウ球菌の酸性多糖抗原の糖コンジュゲート、
    (e) 2-アセタミド-2-デオキシ-グルコースとラムノースを1:2のモル比で含むエンテロコッカス・フェーカリス(E. faecalis)の抗原の糖コンジュゲート、
    (f) 6-デオキシ糖を含む三糖の繰り返しを含むエンテロコッカス・フェーカリス(E. faecalis)の抗原の糖コンジュゲート、
    (g) 2-アセタミド-2-デオキシ-ガラクトースとガラクトースを2:1のモル比で含むエンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)の抗原の糖コンジュゲート、
    (h) ATCC 202016に対する抗体と反応するエンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)の抗原の糖コンジュゲート、または
    (i) ATCC 202017に対する抗体と反応するエンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)の抗原の糖コンジュゲート、
    を含むものである、上記方法。
  2. 前記ワクチンが黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5およびタイプ8の多糖抗原の少なくとも1つのコンジュゲートを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ワクチンが黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5およびタイプ8の両方の多糖抗原のコンジュゲートを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ワクチンが、β-結合ヘキソサミンを含み、O-アセチル基を含まず、かつATCC 55804として寄託された黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)タイプ336に対する抗体と特異的に結合する多糖抗原を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ワクチンが黄色ブドウ球菌(S. aureus)タイプ5およびタイプ8の多糖抗原のコンジュゲートをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ワクチンが、ATCC 55254に対する抗血清を凝集させる、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)の分離株から入手可能な酸性多糖抗原を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ワクチンが、アミノ酸およびα配置のN-アセチル化ヘキソサミンを含み、O-アセチル基を含まず、かつヘキソースを含まないブドウ球菌の糖ペプチド抗原を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記多糖コンジュゲートワクチンが、2-アセタミド-2-デオキシ-グルコースとラムノースを1:2のモル比で含むエンテロコッカス・フェーカリス(E. faecalis)の抗原を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記多糖コンジュゲートワクチンが、6-デオキシ糖を含む三糖の繰り返しを含むエンテロコッカス・フェーカリス(E. faecalis)の抗原を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記多糖コンジュゲートワクチンが、2-アセタミド-2-デオキシ-ガラクトースとガラクトースを2:1のモル比で含むエンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)の抗原を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記細菌表面抗原が莢膜多糖抗原である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記細菌表面抗原がテイコ酸抗原である、請求項1に記載の方法。
  13. 前記細菌表面抗原が糖ペプチド抗原である、請求項1に記載の方法。
  14. 免疫無防備状態のヒトが、終末期腎疾患(ESRD)の患者、免疫抑制療法を受けている癌患者、AIDS患者、糖尿病患者、新生児、長期にわたり介護施設にいる高齢者、免疫抑制療法を受けている自己免疫疾患の患者、移植患者、侵襲性の外科手術を受けた患者、火傷の患者、および緊急の治療環境にいる他の患者からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  15. 免疫無防備状態のヒトが終末期腎疾患を患っている、請求項1に記載の方法。
  16. 免疫無防備状態のヒトが新生児である、請求項1に記載の方法。
  17. 前記免疫キャリアが、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、組換え的に製造された遺伝的に解毒されているその変異体、あるいは緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)のエキソトキシンAまたはブドウ球菌のエキソトキシンもしくはトキソイドの組換え的に製造された無毒性の突然変異体である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記ワクチンがアジュバントまたは免疫刺激剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記ワクチンがβ-グルカンまたは顆粒球コロニー刺激因子をさらに含む、請求項1に記載の方法。
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