本発明は、ステロイドスルファターゼ活性およびアロマターゼ活性の阻害に適切な新規の化合物を提供することを探求する。
(本発明の要約の局面)
本発明は、特定の多環式化合物が、有効なステロイドスルファターゼインヒビターとして、そして/または有効なアロマターゼインヒビターとして、そして/または細胞周期に影響し得る薬剤として、そして/またはアポトーシスに影響し得る薬剤として、使用され得るという驚くべき発見に基づく。
1つの局面において、本発明は、特定の多環式化合物が、有効なステロイドスルファターゼインヒビターとして、そして/または有効なアロマターゼインヒビターとして、そして/または細胞周期のモジュレーターとして、そして/またはアポトーシスのモジュレーターとして、使用され得るという驚くべき発見に基づく。
多環式化合物は、少なくとも2つまたは3つの環系を、直接的またはリンカーを介して間接的のいずれかで結合する、中心三価原子を少なくとも含む。この環系の少なくとも1つは、その環系上のさらなる置換基としてスルファメート基を含む。
本発明の化合物は、他の置換基を含み得る。これらの他の置換基は、例えば、さらに、本発明の化合物の活性を増加させ得、そして/または安定性(エキソビボおよび/またはインビボ)を増大させ得る。
(本発明の詳細な局面)
本発明の1つの局面によれば、式Iを有する化合物が提供される。
ここで、各Tは、H、ヒドロカルビル、−F−R、およびD、E、PまたはQのうちの1つとの結合から独立して選択されるか、あるいはPおよびQのうちの1つと一緒になって環を形成し;Zは、mである原子価の適切な原子であり;D、EおよびFは、互いにそれぞれ独立して任意のリンカー基であり、ここで、Zが窒素である場合、EはCH2およびC=O以外であり;P、Q、およびRは、互いに独立して環系であり;そして少なくともQは、スルファメート基を含む。
本発明の1つの局面によれば、以下の工程を包含する方法が提供される:(a)本明細書中に規定される1つ以上の候補化合物を用いて、ステロイドスルファターゼ(STS)アッセイおよび/またはアロマターゼアッセイを実施する工程;(b)この候補化合物のうちの1つ以上が、STS活性および/もしくはアロマターゼ活性ならびに/または細胞周期および/もしくは細胞増殖および/もしくはアポトーシスを調節し得るか否かを決定する工程;ならびに(c)STS活性および/またはアロマターゼ活性ならびに/または細胞周期および/もしくは細胞増殖および/もしくはアポトーシスを調節し得る1つ以上の候補化合物を選択する工程。
本発明の1つの局面によれば、以下の工程を包含する方法が提供される:(a)本明細書中に規定される通りの1つ以上の候補化合物を用いて、ステロイドスルファターゼアッセイおよび/またはアロマターゼアッセイを実施する工程;(b)この候補化合物のうちの1つ以上が、STS活性および/またはアロマターゼ活性を阻害し得るか否かを決定する工程;ならびに(c)STS活性および/もしくはアロマターゼ活性ならびに/または細胞周期および/もしくは細胞増殖および/もしくはアポトーシスを阻害し得る1つ以上の候補化合物を選択する工程。
本発明の方法のいずれか1つにおいて、1つ以上のさらなる工程が存在し得る。例えば、この方法はまた、同定された候補化合物を、(例えば、化学技術および/または酵素技術によって)改変する工程、およびこの改変された化合物をSTS阻害効果(これは、この効果がより大きいかまたは異なる場合に、見られ得る)および/またはアロマターゼ阻害効果(これは、この効果がより大きいかまたは異なる場合に、見られ得る)について試験する、任意のさらなる工程を包含し得る。さらなる例として、この方法はまた、同定された候補化合物の構造を(例えば、結晶学的技術の使用によって)決定し、次いで、コンピュータモデリング研究を実施する工程(例えば、そのSTS阻害作用および/またはアロマターゼ阻害作用をさらに増加させるため)を包含し得る。従って、本発明はまた、この同定された候補化合物についてのデータセット(例えば、結晶学的座標)を有するコンピュータを包含する。本発明はまた、分析のためにコンピュータスクリーン上に提示される場合に同定される候補化合物(例えば、酵素および/またはタンパク質結合研究)を包含する。
本発明の1つの局面によれば、本発明の方法によって同定された化合物が提供される。
本発明の1つの局面によれば、医薬において使用するための、本発明による化合物が提供される。
本発明の1つの局面によれば、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、賦形剤またはアジュバントと必要に応じて混合された、本発明による化合物を含有する薬学的組成物が提供される。
本発明の1つの局面によれば、STSおよび/またはアロマターゼならびに/または細胞周期および/もしくはアポトーシスおよび/もしくは細胞増殖に関連する状態または疾患の治療において使用するための医薬の製造における、本発明による化合物の使用が提供される。
本発明の1つの局面によれば、有害なSTSレベルおよび/または有害なアロマターゼレベルならびに/または細胞周期および/もしくはアポトーシスおよび/もしくは細胞増殖に関連する状態または疾患の治療において使用するための医薬の製造における、本発明による化合物の使用が提供される。
本発明の1つの局面によれば、STS活性を阻害し、そして/またはアロマターゼ活性を阻害するための医薬の製造における、本発明による化合物の使用が提供される。
本発明の1つの局面によれば、STS活性を阻害し、そしてアロマターゼ活性を阻害するための医薬の製造における、本発明による化合物の使用が提供される。
本発明の1つの局面によれば、アロマターゼおよび必要に応じてSTSに関連する状態または疾患の治療において使用するための医薬の製造における、化合物の使用が提供し、ここでこの化合物は以下
の式Iであり、
ここで、各Tは、H、ヒドロカルビル、−F−R、およびD、E、PまたはQのうちの1つとの結合から独立して選択されるか、あるいはPおよびQのうちの1つと一緒になって環を形成し;Zは、mである原子価の適切な原子であり;D、EおよびFは、互いにそれぞれ独立して任意のリンカー基であり、P、QおよびRは、独立して互いに環系であり;そしてP、QおよびRの少なくとも1つは、スルファメート基を含む。
本発明の1つの局面によれば、有害なアロマターゼレベルおよび必要に応じて有害なSTSレベルに関連する状態または疾患の治療において使用するための医薬の製造における、化合物の使用が提供され、ここでこの化合物は以下
の式Iであり、
ここで、各Tは、H、ヒドロカルビル、−F−R、およびD、E、PまたはQのうちの1つとの結合から独立して選択されるか、あるいはPおよびQのうちの1つと一緒になって環を形成し;Zは、mである原子価の適切な原子であり;D、EおよびFは、互いにそれぞれ独立して任意のリンカー基であり、P、QおよびRは、独立して互いに環系であり;そしてP、QおよびRの少なくとも1つは、スルファメート基を含む。
本発明の1つの局面によれば、アロマターゼ活性を阻害するための、そして必要に応じてSTS活性を阻害するための医薬の製造における化合物の使用が提供され、ここで、この化合物は、以下の式Iである:
ここで、各Tは、H、ヒドロカルビル、−F−R、およびD、E、PもしくはQのうちの1つとの結合から独立して選択されるか、またはPおよびQのうちの1つと一緒になって環を形成し;Zは、その原子価がmである適切な原子であり;D、EおよびFは、互いに独立して他の任意のリンカー基であり、P、QおよびRは、互いに独立して環系であり;そしてP、QおよびRの少なくとも1つは、スルファメート基を含む。
本発明はまた、本発明の新規の化合物(例えば、本明細書中に提示される化合物)、ならびにこれを作製するためのプロセス(例えば、本明細書中に提示されるプロセス)ならびにこれらのプロセスにおいて使用するための新規の中間体(例えば、本明細書中に提示される中間体)を包含する。
参照の容易さのために、本発明のこれらおよびさらなる局面は、ここで、適切な節の見出しの下で考察される。しかし、各節の下での教示は、各特定の節に必ずしも限定されない。
(いくつかの利点)
本発明の1つの重要な利点は、本発明の化合物がSTSインヒビターとして作用し得ることである。
本発明の1つの重要な利点は、本発明の化合物が、アロマターゼインヒビターとして作用し得ることである。
本発明の1つの重要な利点は、本発明の化合物が、STSインヒビターおよびアロマターゼインヒビターとして作用し得ることである。
本発明の化合物の別の利点は、これらがインビボで強力であり得ることである。
本発明の化合物のいくつかは、非エストロゲン性化合物であり得る。ここで、用語「非エストロゲン性」とは、エストロゲン活性を全く示さないかまたは実質的に全く示さないことを意味する。ここで、用語「非エストロゲン性」によって、例えば、プロトコル4によって決定された場合に、全身性エストロゲン活性を全く示さないかまたは実質的に全く示さないことを意味する。
別の利点は、これらの化合物のうちのいくつかが、ホルモン活性を提示するかまたは誘導する化合物へと代謝され得ないかもしれないことである。
本発明の化合物のうちのいくつかはまた、これらが経口的に活性であり得るという点で有利である。
本発明の化合物のうちのいくつかは、癌(例えば、乳癌)の予防および/または処置、、ならびに(または代替的に)非悪性状態(例えば、炎症状態(例えば、以下のうちの1以上に関連する状態:自己免疫(例えば、慢性関節リウマチ、I型およびII型糖尿病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、甲状腺炎、脈管炎、潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む)、皮膚障害(例えば、挫創、乾癬および接触皮膚炎);対宿主性移植片病;湿疹;喘息および移植後器官拒絶)の予防および/または処置のために有用であり得る。本発明の化合物は、薬剤が、初期の齢から投与される必要があり得る場合、特に有用である。
従って、本発明の化合物のいくつかはまた、内分泌依存性癌の処置(例えば、自己免疫性疾患の処置)以外にも治療的用途を有すると考えられる。
本発明の化合物はまた、アポトーシスのインデューサーとして有用であり得る。
本発明の化合物はまた、細胞増殖インヒビターとして有用であり得る。
(好ましい局面)
(Z)
式Iから明らかなように、Zは、任意のリンカー基Dおよび/もしくはEまたは環系Pおよび/もしくはQと結合または連結を形成し得、かつ各Tと結合または連結を形成し得る、任意の原子であり得る。Zの原子価は、mと示される。
1つの局面では、Zは、三価である、すなわち、m=3である。
好ましい局面では、Z(T)m−2は、Z(−F−R)、ZHおよびZ−ヒドロカルビルから選択される。
適切でかつ好ましい三価の原子としては、窒素(N)、リン(P)およびホウ素(B)が挙げられる。好ましくは、Zは、窒素である。
好ましい局面では、Z(T)m−2は、N(−F−R)、NHおよびN−ヒドロカルビルから選択される。
1つの局面では、Zは、四価である、すなわち、m=4である。
好ましい局面では、Z(T)m−2は、ZH(−F−R)、Z(−F−R)(−F−R)、Z(−F−R)(ヒドロカルビル)、ZH2、ZH−ヒドロカルビルおよびZ(ヒドロカルビル)(ヒドロカルビル)から選択される。
好ましい局面では、Z(T)m−2は、ZH(−F−R)、ZH2およびZH−ヒドロカルビルから選択される。
適切でかつ好ましい四価の原子としては、炭素(C)およびケイ素(Si)が挙げられる。好ましくは、ZはCである。従って好ましくは、Z(T)m−2は、CH(−F−R)、CH2およびCH−ヒドロカルビルから選択される。
(T)
Z(T)m−2の各Tは、H、ヒドロカルビル、D、E、PもしくはQのうちの1つとの結合、および−F−Rから独立して選択されるか、またはPおよびQのうちの1つと一緒になって「環」を形成する。
1つの局面では、Z(T)m−2の各Tは、H、ヒドロカルビルおよび−F−Rから独立して選択される。
Tがヒドロカルビル基である場合、これは、以下から選択され得る:
・C1〜C10ヒドロカルビル、
・C1〜C5ヒドロカルビル、
・C1〜C3ヒドロカルビル、
・炭化水素基、
・C1〜C10炭化水素、
・C1〜C5炭化水素
・C1〜C3炭化水素、
・アルキル基、
・C1〜C10アルキル
・C1〜C5アルキル
・C1〜C3アルキル。
Tのヒドロカルビル/炭化水素/アルキルは、直鎖もしくは分枝鎖および/または飽和もしくは不飽和であり得る。
Tのヒドロカルビル/炭化水素/アルキルは、少なくとも1つのヘテロ原子を基の中に含む、直鎖または分枝鎖の炭化水素基であり得る。
(任意のリンカー−D、EおよびF)
互いに独立して、リンカー基D、EおよびFは、存在しても、または存在しなくてもよい。存在する場合、D、EまたはFは、C=Oおよびヒドロカルビル基から選択され得る。
用語「ヒドロカルビル基」は、本明細書中で用いられる場合、少なくともCおよびHを含む基を意味し、そして必要に応じて1以上の他の適切な置換基を含み得る。このような置換基の例としては、ハロ、アルコキシ、ニトロ、アルキル基、環状基などが挙げられ得る。置換基が環状基である可能性に加えて、置換基の組み合わせは、環状基を形成し得る。ヒドロカルビル基が1より多くのCを含む場合、これらの炭素は、必ずしも互いに連結される必要はない。例えば、少なくとも2つの炭素は、適切な元素または基を介して連結され得る。従って、このヒドロカルビル基は、ヘテロ原子を含み得る。適切なヘテロ原子は、当業者に明らかであり、そして例えば、硫黄、窒素および酸素を包含する。ヒドロカルビル基の非限定的な例は、アシル基である。
代表的なヒドロカルビル基は、炭化水素基である。ここで、用語「炭化水素」は、直鎖状、分枝状もしくは環状であり得る、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、またはアリール基のうちの任意の1つを意味する。用語炭化水素はまた、これらの基を包含するが、ここで、これらは、必要に応じて置換されている。炭化水素が置換基を有する分枝構造である場合、この置換は、炭化水素骨格または分枝のいずれかにおいてであり得るか;あるいは、この置換は、炭化水素骨格および分枝においてであり得る。
好ましくは、D、EおよびFは、C1〜C10ヒドロカルビル、C1〜C5ヒドロカルビルまたはC1〜C3ヒドロカルビルから独立して選択される。
好ましくは、D、EおよびFは、炭化水素基、好ましくはC1〜C10炭化水素、C1〜C5炭化水素またはC1〜C3炭化水素から独立して選択される。
好ましくは、D、EおよびFは、アルキル基、C1〜C10アルキル、C1〜C5アルキルまたはC1〜C3アルキルから独立して選択される。
D、EおよびFのヒドロカルビル/炭化水素/アルキルは、直鎖もしくは分枝鎖であり得るか、そして/または飽和もしくは不飽和であり得る。
1つの好ましい局面では、D、EおよびFは、少なくとも1つのヘテロ原子を基の中に含む、直鎖または分枝鎖の炭化水素基から独立して選択される。
好ましい局面では、D、EおよびFは、炭化水素基および以下の式の基から独立して選択される:
ここで、nは、1〜6であり、そしてY=O、SまたはCH2である。
好ましい局面では、D、EおよびFは、1〜6個の炭素原子の炭素鎖および以下の式の基を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素基から独立して選択される:
ここで、nは、1〜6であり、そしてY=O、SまたはCH2である。
1つの好ましい局面では、任意のリンカー基D、EおよびFのうちの1つのみが存在する。1つのみによって、これらのリンカーのうちの1つが存在し、他の任意のリンカー基が存在しないことを意味することが理解される。
1つの好ましい局面では、E(および好ましくは、Dおよび/またはF)は、少なくとも2つの炭素を含むヒドロカルビル基から選択されるか、またはここで、炭素およびヘテロ原子の総数は、少なくとも2である。
1つの好ましい局面では、E(および好ましくは、Dおよび/またはF)は、少なくとも1つのヘテロ原子を基の中に含む、ヒドロカルビル基から選択される。好ましくは、このヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から選択される。
1つの好ましい局面では、E(および好ましくは、Dおよび/またはF)は、少なくとも1つのヘテロ原子を基の中に含む、直鎖または分枝鎖の炭化水素基から選択される。好ましくは、このヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から選択される。
1つの好ましい局面では、E(および好ましくは、Dおよび/またはF)は、少なくとも2つの炭素および以下の式の基を含む炭化水素基から選択される。
ここで、nは、1〜6であり、そしてY=酸素、硫黄またはCH2である。
1つの好ましい局面では、E(および好ましくは、Dおよび/またはF)は、2〜6個の炭素原子および以下の式の基を有する炭素鎖を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素基から選択される:
ここで、nは、1〜6であり、そしてY=酸素、硫黄またはCH2である。
1つの好ましい局面では、E(および好ましくは、Dおよび/またはF)は、少なくとも1つのヘテロ原子を基の中に含む、直鎖または分枝鎖のアルキル基(好ましくはC1−10アルキル、より好ましくはC1−5アルキル)から選択される。好ましくは、このヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から選択される。
1つの好ましい局面では、E(および好ましくは、Dおよび/またはF)は、少なくとも1つのヘテロ原子を基の中に含む、直鎖アルキル基(好ましくはC1−10アルキル、より好ましくはC1−5アルキル)から選択される。好ましくは、このヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から選択される。
E(またはDおよび/もしくはF)がヘテロ原子を含む場合、好ましくは、このヘテロ原子は、環Q(またはDおよびFの場合、DもしくはR)に結合される。
非常に好ましい局面では、本発明の化合物は、以下の式である:
非常に好ましい局面では、本発明の化合物は、以下の式である:
(環−P、QおよびR)
本発明の化合物は、2個または3個の環系を含み、これらの各々は、リンカーD、EまたはFを介してZへと直接的または間接的に結合している。P、QおよびRの各々について、この環系は、環状構造である必要はない。これに関して、この環系は、インビボにある場合、環様構造をとる能力を有し得る、直鎖状構造であり得る。しかし、好ましい局面では、各環系は、環状構造である。
好ましい局面では、P、QおよびRは、環状基から独立して選択される。
環状基P、QおよびRのうちの少なくとも1つは、複素環式基(複素環)であっても、または非複素環式基であってもよい。複素環式基の適切なヘテロ原子としては、N、SおよびOが挙げられる。
環状基P、QおよびRのうちの少なくとも1つは、炭素および必要に応じて1以上のヘテロ原子を含む環系であり得る。
好ましい局面では、P、QおよびRのうちの少なくとも1つは、またはP、QおよびRは、炭素および必要に応じて1つ、2つまたは3つのヘテロ原子を含む環系から独立して選択される。好ましくは、P、QおよびRのうちの少なくとも1つは、またはP、QおよびRは、炭素および1以上のヘテロ原子を含む環系から独立して選択される。
ヘテロ原子が環系に存在して、複素環式基を提供する場合、このヘテロ原子は、任意の量で存在し得る。1つの好ましい局面では、P、QおよびRのうちの少なくとも1つは、またはP、QおよびRは、炭素ならびにN、SおよびOから選択される1以上のヘテロ原子を含む環系から独立して選択される。
P、QおよびRのうちの1つが複素環式基である場合、P、QおよびRの他のものは、複素環式基であってもそうではなくてもよい。好ましい局面において、P、QおよびRのうちの1つは炭素と1つ以上のヘテロ原子とを含む環系であり、P、QおよびRの他のものは、独立して炭素環式環系である。炭素環式によって、その環が炭素原子のみをその環上の任意の置換基とともに含む環系が意味されることが理解される。この局面において、好ましくは、P、QおよびRのうちの1つは、炭素と、N、SおよびOから選択される1つ以上の炭素原子とを含む環系であり、P、QおよびRのうちの2つは、独立して炭素環式環系である。
本発明の1つの局面において、P、QおよびRのうちの少なくとも1つ、またはP、QおよびRは、独立して選択される飽和環構造または不飽和環構造(例えば、アリール基)である。
本発明の1つの局面において、P、QおよびRのうちの少なくとも1つ、またはP、QおよびRは、独立して選択される飽和環構造(例えば、シクロアルキル基)である。
好ましくは、少なくとも1つのP、QおよびRは、アリール環である。
本発明の1つの局面において、P、QおよびRのうちの少なくとも1つまたはP、QおよびRは、置換芳香環または非置換芳香環から独立して選択される。
本発明の1つの局面において、P、QおよびRのうちの少なくとも1つは、置換芳香環または非置換芳香環であるか、あるいはこれらを含む。
1つの局面において、P、QまたはRのうちの1つは、多環式基であり得、この基は、縮合多環である必要はない。用語「多環式」とは、縮合環構造および非縮合環構造(その組み合わせを含む)を包含する。P、QまたはRの環系が多環式である場合、その環系の環構成要素のうちのいくつかまたはすべては、一緒に縮合されており得るか、または1つ以上の適切なスペーサー基を介して結合されており得る。
P、QおよびRのうちのいずれかの環のサイズは、望ましい活性を有する化合物を得るために当業者によって選択され得る。代表的には、P、QおよびRは、独立して、3員〜10員を含む環系(例えば、5員、6員、または7員を含む環系)である。
本発明における使用のための複素環式環系としては、イミダゾール、テトラゾール、ピラゾール、トリアゾール(例えば、1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2、4−トリアゾール);1個〜3個のヘテロ原子(各々N、OおよびSから選択される)を含む必要に応じて置換された5員または6員の複素環式基、必要に応じて置換されたアリール(単環式芳香族または多環式芳香族)、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン(例えば、1,3,5−トリアジン)、およびベンゼンと縮合した上記複素環式基からなる必要に応じて置換された二環式縮合複素環式基が挙げられる。
非常に好ましい局面において、P、QおよびRのうちの少なくとも1つまたはP、QおよびRは、トリアゾール(特に、1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール)から独立して選択される。
非常に好ましい局面において、P、QおよびRのうちの少なくとも1つは、4H−1,2,4−トリアゾールである。
非常に好ましい局面において、P、QおよびRのうちの少なくとも1つは、トリアゾール(特に、1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール)であり、P、QおよびRのうちの他のものは、置換ベンジル環または非置換ベンジル環である。
非常に好ましい局面において、P、QおよびRのうちの少なくとも1つは、4H−1,2,4−トリアゾールであり、P、QおよびRの他のものは、置換ベンジル環または非置換ベンジル環である。
上記の局面において、トリアゾールは、そのトリアゾール環中のCまたはそのトリアゾール環中のNを介して、Xに結合されており得る。1つの局面において、このトリアゾールは、そのトリアゾール環中のCを介してXに結合されており得る。
好ましい局面において、Pは、炭素と1つ以上のヘテロ原子とを含む環系であり、QおよびRは、存在する場合は、独立して炭素環式環系である。
好ましい局面において、Pは、炭素と、N、S、およびOから選択される1つ以上のヘテロ原子とを含む環系であり、QおよびRは、存在する場合、独立して炭素環式環系である。
好ましい局面において、QおよびRは、存在する場合、独立して炭素環式環系であり、Pは、イミダゾール、テトラゾール、ピラゾール、トリアゾール(例えば、1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2、4−トリアゾール);1個〜3個のヘテロ原子(各々N、OおよびSから選択される)を含む必要に応じて置換された5員または6員の複素環式基、必要に応じて置換されたアリール(単環式芳香族または多環式芳香族)、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン(例えば、1,3,5−トリアジン)、およびベンゼンと縮合した上記複素環式基からなる必要に応じて置換された二環式縮合複素環式基から選択される環系である。
好ましい局面において、QおよびRは、存在する場合、独立して炭素環式環系であり、Pは、トリアゾール(特に、1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール)から選択される環系である。
好ましい局面において、QおよびRは、存在する場合、独立して炭素環式環系であり、Pは、4H−1,2,4−トリアゾールである。
好ましい局面において、Pは、炭素と1つ以上のヘテロ原子とを含む環系であり、QおよびRは、存在する場合は、独立して、必要に応じて置換されたベンジル環である。
好ましい局面において、Pは、炭素と、N、S、およびOから選択される1つ以上のヘテロ原子とを含む環系であり、QおよびRは、存在する場合、独立して、必要に応じて置換されたベンジル環である。
好ましい局面において、QおよびRは、存在する場合、独立して、必要に応じて置換されたベンジル環であり、Pは、イミダゾール、テトラゾール、ピラゾール、トリアゾール(例えば、1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール);1個〜3個のヘテロ原子(各々N、OおよびSから選択される)を含む必要に応じて置換された5員または6員の複素環式基、必要に応じて置換されたアリール(単環式芳香族または多環式芳香族)、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン(例えば、1,3,5−トリアジン)、およびベンゼンと縮合した上記複素環式基からなる必要に応じて置換された二環式縮合複素環式基から選択される環系である。
好ましい局面において、QおよびRは、存在する場合、独立して、必要に応じて置換されたベンジル環であり、Pは、トリアゾール(特に、1H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール)から選択される環系である。
好ましい局面において、QおよびRは、存在する場合、独立して、必要に応じて置換されたベンジル環であり、Pは、4H−1,2,4−トリアゾールである。
環系P、QおよびRは、1つ以上の置換基によって置換されており得る。好ましい置換基(必要なスルファメート基以外)としては、ヒドロカルビル基、オキシヒドロカルビル基、ハロ基、およびシアノ(−C≡N)基が挙げられる。環系P、QおよびRはまた、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基、およびスルホンアミド基から選択される1つ以上の置換基によって置換されており得る。
用語「オキシヒドロカルビル」基とは、本明細書中で使用される場合、少なくともC、HおよびOを含む基を意味し、必要に応じて1つ以上の適切な置換基を含み得る。そのような置換基の例としては、ハロ基、アルコキシ基、ニトロ基、アルキル基、環式基などが挙げられ得る。この置換基が環式基である可能性に加えて、置換基の組み合わせが、環式基を形成し得る。オキシヒドロカルビル基が1個より多くのCを含む場合、その炭素は、必ずしも互いに連結されていない。例えば、その炭素のうちの少なくとも2つが、適切な元素または基を介して連結されており得る。従って、そのオキシヒドロカルビル基は、ヘテロ原子を含み得る。適切なヘテロ原子は、当業者にとって明らかであり、例えば、イオウおよび窒素を包含する。
本発明の1つの実施形態において、そのオキシヒドロカルビル基は、オキシ炭化水素基である。
ここで、用語「オキシ炭化水素」とは、アルコキシ基、オキシアルケニル基、オキシアルキニル基(これらの基は、直鎖状であっても、分枝状であっても、または環状であってもよい)、またはオキシアリール基のうちのいずれか1つを意味する。用語オキシ炭化水素はまた、それらが必要に応じて置換された基も包含する。オキシ炭化水素が置換基を有する分枝構造である場合、その置換基は、炭化水素骨格または分枝のいずれかの上にあり得、あるいは、その置換基は、炭化水素骨格上および分枝上にあり得る。
代表的には、そのオキシヒドロカルビル基は、式C1〜6O(例えば、C1〜3O)である。
好ましくは、Qは、1つ以上のハロゲンしで置換されている。好ましくは、そのハロ原子は、スルファメート基に対してオルト位にある。
好ましくは、Rは、特に炭素環式基である場合には、シアノ(−C≡N)基で置換されている。
(さらなる好ましい化合物)
1つの好ましい局面において、本発明の化合物は、式IIの化合物
であり、この式において、各Tは、H、ヒドロカルビル、−F−R’、およびE、PもしくはQのうちの1つとの結合から独立して選択されるか、またはPおよびQのうちの1つと一緒になって環を形成し;Zは、適切な原子であって、その原子価はmであり;Zが窒素である場合、EはCH2およびC=O以外の任意のリンカー基であり;P、Q、RおよびR’は、互いに独立して環系であり;そしてQは、スルファメート基を含む。
1つの好ましい局面において、本発明の化合物は、式IIIの化合物
であり、この式において、D、EおよびFは、各々互いに独立して任意のリンカー基であり、Eは、CH2およびC=O以外であり;P、QおよびRは、互いに独立して環系であり;そして少なくともQは、スルファメート基を含む。
1つの好ましい局面において、本発明の化合物は、式IIIaの化合物
であり、この式において、EおよびFは、各々互いに独立して任意のリンカー基であり、Eは、CH2およびC=O以外であり;P、QおよびRは、互いに独立して環系であり;そして少なくともQは、スルファメート基を含む。
1つの好ましい局面において、本発明の化合物は、式IIIbの化合物
であり、この式において、Eは任意のリンカー基であり、Eは、CH2およびC=O以外であり;P、QおよびRは、互いに独立して環系であり;そして少なくともQは、スルファメート基を含む。
1つの好ましい局面において、本発明の化合物は、式IIIcの化合物
であり、この式において、Eはリンカー基であり、Eは、CH2およびC=O以外であり;P、QおよびRは、互いに独立して環系であり;そして少なくともQは、スルファメート基を含む。
1つの好ましい局面において、本発明の化合物は、式IIId
であり、この式において、Eは直鎖または分枝鎖の炭化水素基であり、好ましくは、その基の中に少なくとも2つの炭素または少なくとも1つのヘテロ原子を含むC1〜C10炭化水素基であり;P、QおよびRは、互いに独立して環系であり;そして少なくともQは、スルファメート基を含む。
1つの好ましい局面において、本発明の化合物は、式IVの化合物
であり、この式において、D、EおよびFは、各々互いに独立して任意のリンカー基であり、P、QおよびRは、互いに独立して環系であり;そして少なくともQは、スルファメート基を含む。
1つの好ましい局面において、本発明の化合物は、式IVaの化合物
であり、この式において、EおよびFは、各々互いに独立して任意のリンカー基であり、P、QおよびRは、互いに独立して環系であり;そして少なくともQは、スルファメート基を含む。
1つの好ましい局面において、本発明の化合物は、式IVbの化合物
であり、この式において、Eは任意のリンカー基であり、P、QおよびRは、互いに独立して環系であり;そして少なくともQは、スルファメート基を含む。
1つの好ましい局面において、本発明の化合物は、式IVcの化合物
であり、この式において、P、QおよびRは、互いに独立して環系であり;そして少なくともQは、スルファメート基を含む。
式II、III、IIIa、IIIb、IIIc、IIId、IV、IVa、IVb、IVcにおいて、好ましくは、P、QおよびRのうちの1つは、炭素と、1つ以上のヘテロ原子とを含む環系であり、P、QおよびRのうちの2つは、炭素環式環系から独立して選択される。
式II、III、IIIa、IIIb、IIIc、IIId、IV、IVa、IVb、IVcにおいて、好ましくは、P、QおよびRのうちの1つは、炭素と、窒素、イオウおよび酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子とを含む環系であり、P、QおよびRのうちの2つは、炭素環式環系から独立して選択される。
式II、III、IIIa、IIIb、IIIc、IIId、IV、IVa、IVb、およびIVcにおいて、好ましくは、P、QおよびRのうちの1つは、4H−1,2,4−トリアゾールであり、P、QおよびRのうちの2つは、置換ベンジル環または非置換ベンジル環から独立して選択される。
1つの好ましい局面において、本発明の化合物は、式Vの化合物
であり、この式において、DおよびEは、各々互いに独立して任意のリンカー基であり、PおよびQは、互いに独立して環系であり;そして少なくともQは、スルファメート基を含む。
1つの好ましい局面において、本発明の化合物は、式Vaの化合物
であり、この式において、Eは任意のリンカー基であり、PおよびQは互いに独立して環系であり;そして少なくともQは、スルファメート基を含む。
1つの好ましい局面において、本発明の化合物は、式Vbの化合物
であり、この式において、PおよびQは互いに独立して環系であり;そして少なくともQは、スルファメート基を含む。
式V、Va、およびVbにおいて、好ましくは、PおよびQのうちの1つは、炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とを含む環系であり、PおよびQのうちのもう1つは、炭素環式環系である。
式V、Va、およびVbにおいて、好ましくは、PおよびQのうちの1つは、炭素と、窒素、イオウおよび酸素から選択される1つ以上のヘテロ原子とを含む環系であり、PおよびQのうちのもう1つは、炭素環式環系である。
式V、Va、およびVbにおいて、好ましくは、PおよびQのうちの1つは、4H−1,2,4−トリアゾールであり、PおよびQのうちのもう1つは、置換ベンジル環または非置換ベンジル環である。
特に好ましい局面において、本発明の化合物は、式VIの化合物
であり、この式において、各Tは、H、ヒドロカルビル、D、E、PもしくはQのうちの1つとの結合、および−Rから独立して選択されるか、またはPおよびQのうちの1つと一緒になって環を形成し;mはZの原子価であり;Eは、任意のリンカー基であり;P、QおよびRは、独立して互いに環系であり;そしてQは、スルファメート基を含む。
本発明の非常に好ましい化合物は、以下の式の化合物から選択された化合物である:
(さらなる局面)
本発明のさらなる局面において、本発明者らは、式Iの化合物:
を提供し得ることを見出した。ここで、各Tは、独立して、H、ヒドロカルビル、−F−R、および、D、E、PまたはQのうち1つとの結合から選択されるか、あるいはPおよびQのうちの1つと一緒になって、環を形成し;Zは、原子価がmである適切な原子であり;D、EおよびFは、互いに各々独立して、任意のリンカー基であり、P、QおよびRは、互いに独立して、環系であり;そしてP、QおよびRのうちの少なくとも1つは、スルファメート基を含み、ここで、ZがNである場合(そして必要に応じて、ZがN以外である場合)、このスルファメート基は、以下の式:
(R4)(R5)N−S(O)(O)−O−
の基であり、ここで、R4およびR5は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリール、またはこれらの組み合わせから選択されるか、あるいは一緒になって、アルキレンを表し、ここで、アルキルまたはシクロアルキルもしくはアルケニルの各々は、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ基を含む。好ましくは、R4およびR5は、独立して、アルキル基(例えば、C1〜10アルキル、C1〜5アルキル、メチルおよびエチル)から選択される。好ましくは、R4およびR5は両方、エチルである。
本発明のさらなる局面において、本発明者らは、式Iの化合物:
を提供し得ることを見出した。ここで、各Tは、独立して、H、ヒドロカルビル、−F−R、および、D、E、PまたはQのうち1つとの結合から選択されるか、あるいはPおよびQのうちの1つと一緒になって、環を形成し;Zは、原子価がmである適切な原子であり;D、EおよびFは、互いに各々独立して、任意のリンカー基であり、P、QおよびRは、互いに独立して、環系であり;そしてP、QおよびRのうちの少なくとも1つは、スルファメート基を含み、そしてここで、ZがNである場合(そして必要に応じて、ZがN以外である場合)、Rは、ハロゲンで置換される。
(スルファメート基)
本発明の化合物の少なくとも1つのQは、スルファメート基を含む。本発明のいくつかの化合物について、この化合物は、少なくとも2つ以上のスルファメート基を含むことが、非常に好ましい。
本発明のいくつかの化合物について、この化合物は、少なくとも2つ以上のスルファメート基を含み、ここで、これらのスルファメート基が、同じ環上にないことが、非常に好ましい。
いくつかの適用について、好ましくは、これらの化合物は、骨形成性効果を有さないか、または最少の骨形成性効果を有する。
いくつかの適用について、好ましくは、これらの化合物は、骨形成性効果を有する。
いくつかの適用について、好ましくは、これらの化合物は、可逆的な作用を有する。
いくつかの適用について、好ましくは、これらの化合物は、不可逆的な作用を有する。
1つの実施形態において、本発明の化合物は、乳癌の処置のために有用である。
本発明はまた、本発明の化合物を調製するために有用な新規な中間体を網羅する。例えば、本発明は、これらの化合物のための新規なアルコール前駆体を網羅する。さらなる例として、本発明は、これらの化合物のためのビス保護された前駆体を網羅する。これらの前駆体の各々の例は、本明細書中に提示される。本発明はまた、本発明の化合物の合成のための、これらの前駆体の各々または両方を包含するプロセスを包含する。
(ステロイドスルファターゼ)
ステロイドスルファターゼ(これは、ステロイドスルファターゼまたはステリルスルファターゼまたは短縮して「STS」と時々称される)は、いくつかの硫酸化ステロイド(例えば、エストロンスルフェート、デヒドロエピアンドロステロンスルフェートおよびコレステロールスルフェート)を加水分解する。STSは、酵素番号EC 3.1.6.2を割り当てられている。
STSは、クローニングおよび発現されている。例えば、Steinら(J.Biol.Chem.264:13865−13872(1989))およびYenら(Cell 49:443−454(1987))を参照のこと。
STSは、多くの疾患状態に関与している酵素である。
例として、研究者らは、STSの全欠損が魚鱗癬を生じることを見出した。いくらかの研究者によれば、STS欠損は、日本国においてかなり広がっている。いくらかの研究者ら(Sakuraら、J Inherit Metab Dis 1997年11月;20(6):807−10)はまた、アレルギー性疾患(例えば、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、またはアトピー性皮膚炎)が、ステロイドスルファターゼ欠損に関連し得ることを報告した。
疾患状態がSTS活性の全欠損を介してもたらされることに加えて、増加したレベルのSTS活性もまた、疾患状態をもたらし得る。例として、上に示されるように、乳癌の増殖および転移におけるSTSの役割を支持する強力な証拠が存在する。
STSはまた、他の疾患状態に関与する。例として、Le Royら(Behav Genet 1999年3月;29(2):131−6)は、マウスにおけるステロイドスルファターゼ濃度と発作行動の開始との間の遺伝的相関が存在し得ることを決定した。この著者らは、ステロイドの硫酸化は、複雑なネットワークの主要な移動物(mover)であり得ると結論付ける(変異誘発による攻撃に関与することが示されている遺伝子を含む)。
(STS阻害)
STS活性に関連するいくつかの疾患状態は、非活性の硫酸化したエストロンの、活性な非硫酸化エストロンへの転換に起因すると考えられる。STS活性に関連する疾患状態において、STS活性を阻害することが望ましい。
ここで、用語「阻害する」は、STSの有害な作用を減少および/または排除および/またはマスクおよび/または防止することを包含する。
(STSインヒビター)
本発明によれば、本発明の化合物は、STSインヒビターとして働き得る。
ここで、用語「インヒビター」とは、本発明の化合物に関して本明細書中において使用される場合、STS活性を阻害(例えば、STSの有害な作用を減少および/または排除および/またはマスクおよび/または防止)し得る化合物を意味する。STSインヒビターは、アンタゴニストとして働き得る。
化合物がエストロンスルファターゼ活性を阻害する能力は、インタクトなJEG3絨毛癌細胞または胎盤ミクロソームのいずれかを使用して、評価され得る。さらに、動物モデルが使用され得る。適切なアッセイプロトコルについての詳細は、以下の節に提供される。他のアッセイを使用して、STS活性および従ってSTS阻害を決定し得ることが、注目されるべきである。例えば、WO−A−99/50453の教示に対しても参照がなされ得る。
1つの局面において、いくつかの適用について、この化合物は、スルファメート基がスルフェート基で置き換えられてスルフェート誘導体を形成する場合に、このスルフェート誘導体は、ステロイドスルファターゼ(E.C.3.1.6.2)活性を有する酵素によって加水分解可能であるという特徴によって、さらに特徴付けられる(すなわち、pH7.4および37℃でステロイドスルファターゼEC 3.1.6.2と共にインキュベートされる場合)。
1つの好ましい実施形態において、この化合物のスルファメート基がスルフェート基と置き換えられてスルフェート化合物を形成する場合、このスルフェート化合物は、ステロイドスルファターゼ(E.C.3.1.6.2)活性を有する酵素によって加水分解可能であり、そしてpH7.4および37℃でステロイドスルファターゼEC 3.1.6.2と共にインキュベートされる場合に、200ミリモル濃度未満、好ましくは150ミリモル濃度未満、好ましくは100ミリモル濃度未満、好ましくは75ミリモル濃度未満、好ましくは50ミリモル濃度未満のKm値を与える。
好ましい実施形態において、本発明の化合物は、ステロイドスルファターゼ(E.C.3.1.6.2)活性を有する酵素によって加水分解可能ではない。
いくつかの適用について、好ましくは、本発明の化合物は、所望の標的(例えば、STSおよび/またはアロマターゼ)に対して、少なくとも約100倍の選択性、好ましくは、所望の標的に対して、少なくとも約150倍の選択性、好ましくは、所望の標的に対して、少なくとも約200倍の選択性、好ましくは、所望の標的に対して、少なくとも約250倍の選択性、好ましくは、所望の標的に対して、少なくとも約300倍の選択性、好ましくは、所望の標的に対して、少なくとも約350倍の選択性を有する。
本発明の化合物は、STS活性および/またはアロマターゼ活性を阻害するその能力に加えて、またはその代替として、他の有利な特性を有し得ることに留意すべきである。
(スルファメート基)
用語「スルファメート」とは、本明細書中において使用される場合、スルファミン酸のエステル、またはスルファミン酸のN置換誘導体のエステルまたはその塩を含む。
R3がスルファメート基である場合、本発明の化合物は、スルファメート化合物と称される。
代表的に、スルファメート基は、以下の式:
(R4)(R5)N−S(O)(O)−O−
を有し、ここで、好ましくは、R4およびR5は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリールもしくはこれらの組み合わせから選択されるか、または一緒になって、アルキレンを表し、ここで、アルキルまたはシクロアルキルもしくはアルケニルの各々は、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ基を含む。
置換される場合、本発明のN置換化合物は、1つまたは2つのN−アルキル置換基、N−アルケニル置換基、N−シクロアルキル置換基またはN−アリール置換基を含み得、好ましくは、最大10個の炭素原子を含むか、または各々が含む。R4および/またはR5がアルキルである場合、好ましい値は、R4およびR5が各々独立して、1〜6個の炭素原子を含む低級アルキル基(すなわち、メチル、エチル、プロピルなど)から選択されるような値である。R4およびR5は、両方メチルであり得る。R4および/またはR5がアリールである場合、代表的な値は、フェニルおよびトリル(PhCH3;o)である。R4およびR5がシクロアルキルを表す場合、代表的な値は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。一緒に結合する場合、R4およびR5は、代表的に、4〜6個の炭素原子の鎖を提供するアルキレン基を表し、このアルキレン基は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ基によって介在され、例えば、5員複素環(例えば、モルホリノ、ピロリジノまたはピペリジノ)を提供する。
アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリールで置換された基の値には、置換基として、問題の化合物のスルファターゼ阻害活性を妨害しない1つ以上の基を含むものが含まれる。例示的な非限定的な置換基としては、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、アルコキシ、アルキルおよびアリールが挙げられる。
いくつかの実施形態において、スルファメート基は、基X内または基X上の1つ以上の原子に縮合(または結合)することによって、環構造を形成し得る。
いくつかの実施形態において、1つより多いスルファメート基が存在し得る。例として、2つのスルファメートが存在し得る(すなわち、ビススルファメート化合物)。
いくつかの好ましい実施形態において、R4およびR5のうちの少なくとも一方は、Hである。
いくつかのさらに好ましい実施形態において、R4およびR5の各々が、Hである。
(ホスホネート基)
本発明の化合物がホスホネート基を含む場合、本発明の化合物は、ホスホネート化合物と称される。
代表的に、ホスホネート基は、以下の式を有する:
(R6)−P(O)(OH)−O−
ここで、好ましくは、R6は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルもしくはアリール、またはこれらの組み合わせであり、ここで、アルキルまたはシクロアルキルまたはアルケニルあるいはその各々は、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ基を含む。
置換される場合、本発明のN置換化合物は、1つまたは2つのN−アルキル置換基、N−アルケニル置換基、N−シクロアルキル置換基またはN−アリール置換基を含み得、好ましくは、最大10個の炭素原子を含むか、または各々が含む。R6がアルキルである場合、R6は、1〜6個の炭素原子を含む低級アルキル基(すなわち、メチル、エチル、プロピルなど)であり得る。例として、R6は、メチルであり得る。R6がアリールである場合、代表的な値は、フェニルおよびトリル(PhCH3;o)である。R6がシクロアルキルを表す場合、代表的な値は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。R6はさらに、4〜6個の炭素原子の鎖を提供するアルキレン基を含み得、このアルキレン基は、必要に応じて1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ基によって介在され、例えば、5員複素環(例えば、モルホリノ、ピロリジノまたはピペリジノ)を提供する。
アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリールで置換された基の値には、問題の化合物のスルファターゼ阻害活性を妨害しない1つ以上の基を含む基を置換基として含むものが含まれる。例示的な非限定的な置換基としては、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、アルコキシ、アルキルおよびアリールが挙げられる。
いくつかの実施形態において、ホスホネート基は、基X内または基X上の1つ以上の原子に縮合(または結合)することによって、環構造を形成し得る。
いくつかの実施形態において、1つより多いホスホネート基が存在し得る。例として、2つのホスホネートが存在し得る(すなわち、ビスホスホネート化合物)。これらの化合物がステロイド核に基づく場合、好ましくは、第二(またはさらなるものの少なくとも1つ)のホスホネート基は、このステロイド核の17位に位置する。これらの基は、同じである必要はない。
(チオホスホネート基)
本発明の化合物がチオホスホネート基を含む場合、本発明の化合物は、チオホスホネート化合物と称される。
代表的に、チオホスホネート基は、以下の式:
(R7)−P(S)(OH)−O−
を有し、ここで、好ましくは、R7は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルもしくはアリールまたはこれらの組み合わせであり、ここで、アルキルまたはシクロアルキルもしくはアルケニルの各々は、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ基を含む。
置換される場合、本発明のN−置換化合物は、1つまたは2つのN−アルキル、N−アルケニル、N−シクロアルキルまたはN−アリールの置換基(好ましくは、最大10個の炭素原子を含むか、または各々が、最大10個の炭素原子を含む)を含み得る。R7がアルキルである場合、R7は、1〜6個の炭素原子を含む低級アルキル基(すなわち、メチル、エチル、プロピルなど)であり得る。例示によると、R7は、メチルであり得る。R7がアリールである場合、代表的な値は、フェニルおよびトリル(PhCH3;o)である。R7が、シクロアルキルを示す場合、代表的な値は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。R7は、必要に応じて、例えば、五員の複素環式環(例えば、モルホリノ、ピロリジノまたはピペリジノ)を提供するために4〜6個の炭素原子の鎖を提供するアルキレン基(1個以上のヘテロ原子または基により中断される)をさらに含み得る。
その値内には、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリールで置換された基が含まれ、これは、その置換された基の中に、問題の化合物のスルファターゼ阻害性活性を妨害しない1つ以上の基を置換基として含む。例示的な妨害しない置換基としては、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、アルコキシ、アルキルおよびアリールが挙げられる。
いくつかの実施形態において、チオホスホネート基は、基X中のまたは基X上の1つ以上の原子に融合される(または結合される)ことによって環構造を形成し得る。
いくつかの実施形態において、1つを超えるチオホスホネート基が存在し得る。例示によると、2つのチオホスホネート基が存在し得る(すなわち、ビス−チオホスホネート化合物)。これらの化合物がステロイド核に基づく場合、好ましくは、第2の(すなわち、少なくとも1つのさらなる)チオホスホネート基が、ステロイド核の17位に位置する。これらの基は、同じである必要はない。
(スルホネート基)
本発明の化合物が、スルホネート基を含む場合、本発明の化合物は、スルホネート化合物といわれる。
代表的には、スルホネート基は、以下の式を有する:
(R8)−S(O)(O)−O−
ここで好ましくは、R8はH、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルまたはアリール、あるいはこれらの組み合わせであり、ここで各アルキルまたはシクロアルキルまたはアルケニルの各々は、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子または基を含む。
置換される場合、本発明のN−置換化合物は、1つまたは2つのN−アルキル、N−アルケニル、N−シクロアルキルまたはN−アリールの置換基を含み得、好ましくは、これらは、最大10個の炭素原子を含むか、各々が最大10個の炭素原子を含む。R8がアルキルである場合、R8は、1〜6個の炭素原子を含む低級アルキル基(すなわち、メチル、エチル、プロピルなど)であり得る。例によると、R8は、メチルであり得る。R8がアリールである場合、代表的な値は、フェニルおよびトリル(PhCH3;o)である。R8がシクロアルキルを示す場合、代表的な値は、シクロピロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。R8は、例えば、五員の複素環式環(例えば、モルホリノ、ピロリジノまたはピペリジノ)を提供するために4〜6個の炭素原子の鎖を提供するアルキレン基(必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子または基で中断される)をさらに含み得る。
値内には、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリールで置換された基が含まれ、これらは、問題の化合物のスルファターゼ阻害性活性を妨害しない1つ以上の基を置換基としてその中に含む。例示的な妨害しない置換基としては、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、アルコキシ、アルキルおよびアリールが挙げられる。
いくつかの実施形態において、スルホネート基は、基X中のまたは基X上の1つ以上の原子に融合される(または結合される)ことによって環構造を形成し得る。
いくつかの実施形態において、1つを超えるスルホネート基が存在し得る。例示によると、2つのチオホスホネート基が存在し得る(すなわち、ビス−スルホネート化合物)。これらの化合物がステロイド核に基づく場合、好ましくは、第2の(すなわち、少なくとも1つのさらなる)スルホネート基が、ステロイド核の17位に位置する。これらの基は、同じである必要はない。
(他の置換基)
本発明の化合物は、式Iの置換基以外の置換基を有し得る。例示によると、これらの他の置換基は、以下のうちの1つ以上であり得る:1つ以上のスルファメート基、1つ以上のホスホネート基、1つ以上のチオホスホネート基、1つ以上のスルホネート基、1つ以上のスルホンアミド基、1つ以上のハロ基、1つ以上のO基、1つ以上のヒドロキシ基、1つ以上のアミノ基、1つ以上の硫黄含有基、1つ以上のヒドロカルビル基(例えば、オキシヒドロカルビル基)。
(癌細胞を使用してSTS活性を決定するためのアッセイ(プロトコル1))
(JEG3細胞におけるステロイドスルファターゼ活性の阻害)
ステロイドスルファターゼ活性を、インタクトなJEG3絨毛癌細胞を使用して、インビトロで測定した。この細胞株を使用して、ヒト乳癌細胞増殖の制御を研究し得る。これは、かなりのステロイソスルファターゼ活性を有し(Boivinら,J.Med.Chem.,2000,43:4465−4478)、そしてAmerican Type Culture Collection(ATCC)から入手可能である。
細胞を、20mM HEPES、5%ウシ胎仔血清、2mMグルタミン、非必須アミノ酸および0.075%重炭酸ナトリウムを含む最小必須培地(MEM)(Flow Laboratories,Irvine,Scotland)中に維持する。30複製までの、25cm2の組織培養フラスコに、約1×105細胞/フラスコを、上記培地を使用して播種する。細胞を、80%コンフルエンシーまで増殖させ、そして3日おきに培地を交換する。
三連の25cm2の組織培養フラスコ中で、JEG3細胞のインタクトな単層を、アールのバランス塩溶液(EBSS、ICN Flow,High Wycombe,U.K.製)で洗浄し、そして37℃で3〜4時間、5pmol(7×105dpm)の[6,7−3H]エストロン−3−スルフェート(比活性60Ci/mmol、New England Nuclear,Boston,Mass.,U.S.A製)と共に、無血清MEM(2.5ml)中で、エストロン−3−スルファメート(11の濃度:0;1fM;0.01pM;0.1pM;1pM;0.01nM;0.1nM;1nM;0.01mM;0.1mM;1mM)と共にインキュベートする。インキュベーション後、各フラスコを冷却し、そして培地(1ml)を、[14C]エストロン(7×103dpm)(比活性97Ci/mmol、Amersham International Radiochernical Centre,Amersham,U.K.)製を含む別の試験管にピペッティングする。この混合物を、トルエン(5ml)とともに30秒間徹底的に振盪する。実験は、90%を超える[14C]エストロンおよび0.1%未満の[3H]エストロン−3−スルフェートが、この処理によって水相から除去されることを示した。有機相の一部(2ml)を取り出し、エバポレートし、そしてその残渣の3Hおよび14Cの含有量を、シンチレーション分光法によって決定する。加水分解されたエストロン−3−スルフェートの質量を、得られた3H計数(使用した培地および有機相の体積、ならびに添加した[14C]エストロンの回収に対して補正された)およびこの基質の比活性から計算した。実験の各バッチは、スルファターゼ陽性のヒト胎盤(陽性コントロール)から調製されたミクロソーム、および細胞を含まないフラスコ(この基質の明らかな非酵素的加水分解を評価するため)のインキュベーションを包含する。1つのフラスコあたりの細胞核の数を、Zaponinでの細胞単層の処理の後に、Coulter Counterを使用して決定する。各バッチにおける1つのフラスコを使用して、細胞膜の状態および生存性を、トリパンブルー排除方法(Phillips,H.J.(1973):Tissue culture and applications[編者:Kruse,D.F.およびPatterson,M.K.];406−408頁;Academic Press,New York)を使用して評価する。
ステロイドスルファターゼ活性についての結果を、インキュベーション時間(3〜4時間)の間に形成された全生成物(エストロン+エストラジオール)の106の細胞について計算された平均±1標準偏差として表し、そして統計学的有意性を示す値については、エストロン−3−スルファメートを含まないインキュベーションに対する減少(阻害)の百分率として表す。Studentの片側t検定を使用して、結果の統計学的有意性を試験した。
(胎盤ミクロソームを使用してSTS活性を決定するためのアッセイ(プロトコル2))
(胎盤ミクロソームにおけるステロイドスルファターゼ活性の阻害)
正常な満期妊娠から得たスルファターゼ陽性ヒト胎盤を鋏で十分に細かく刻み、そして冷リン酸緩衝液(pH7.4、50mM)で1回洗浄し、次いで、冷リン酸緩衝液(5ml/組織1g)に再懸濁した。Ultra−Turraxホモジナイザーを使って、氷中での2分間の冷却期間で隔てられた3回の10秒間バースト(burst)を使用して、均質化を達成する。2000gで30分間遠心分離(4℃)することにより、核および細胞の細片を除去し、その上清の一部(2ml)を20℃で保存する。これらの上清のタンパク質濃度を、Bradfordの方法(Anal.Biochem.,72,248〜254(1976))により、決定する。
100mg/mlのタンパク質濃度、20mM[6,7−3H]エストロン−3−スルフェートの基質濃度(比活性60Ci/mmol;New England Nuclear,Boston,Mass.,U.S.A.製)および37℃で20分間のインキュベーション時間を使用して、インキュベーション(1ml)を実行する。必要なら、以下の8種の化合物濃度を使用する;0(すなわち、コントロール);0.05mM;0.1mM;0.2mM;0.4mM;0.6mM;0.8mM;1.0mM。インキュベーション後、各試料を冷却し、その培地(1ml)を、別のチューブ(これは、[14C]エストロン(7×103dpm)(比活性97Ci/mmol;Amersham International Radiochemical Centre,Amersham,U.K.製)を含む)にピペットで採取した。この混合物を、トルエン(5ml)と共に、30秒間にわたって、十分に振盪する。実験により、この処理によって、その水相から、90%を超える[14C]エストロンおよび0.1%未満の[3H]エストロン−3−スルフェートが取り出されることが明らかとなった。その有機相の一部(2ml)を取り出し、蒸発させ、その残留物の3Hおよび14C含量を、シンチレーション分光測定により決定した。加水分解したエストロン−3−スルフェートの質量は、得られる3Hの計数(これは、使用した培地および有機相の容量ならびに添加した[14C]エストロンの回収について、補正した)および基質の比活性から計算する。
(STS活性を決定するための動物アッセイモデル(プロトコル3))
(インビボでのエストロンスルファターゼ活性の阻害)
本発明の化合物は、動物モデル(特に、卵巣切除したラット)を用いて研究され得る。このモデルでは、エストロゲン性の化合物は、子宮の成長を刺激する。
この化合物(5日間にわたって、0.1mg/kg/日)をラットに経口投与し、別の群の動物にビヒクルだけ(プロピレングリコール)を与える。この研究の終了時点で、肝臓組織の試料を得、以前に記述されているように(PCT/GB95/02638を参照)、基質として3Hエストロンスルフェートを使用して、エストロンスルファターゼ活性をアッセイした。
(エストロゲン性活性を決定するための動物アッセイモデル(プロトコル4))
本発明の化合物は、動物モデル(特に、卵巣切除したラット)を用いて研究され得る。このモデルでは、エストロゲン性の化合物は、子宮の成長を刺激する。
この化合物(5日間にわたって、0.1mg/kg/日)をラットに経口投与し、別の群の動物にビヒクルだけ(プロピレングリコール)を与えた。この研究の終了時点で、子宮を得、秤量して、その結果を、子宮重量/全体重×100として表した。
子宮の成長に対して有意な効果がない化合物は、エストロゲン性ではない。
(STS活性を決定するための生物工学アッセイ(プロトコル5))
化合物がエストロンスルファターゼ活性を阻害する性能はまた、例えば、高処理能力スクリーンにおいて、STSをコードするアミノ酸配列またはヌクレオチド配列、あるいはそれらの活性フラグメント、それらの誘導体、相同体または改変体を使用して、評価できる。
適切な標的(例えば、アミノ酸配列および/またはヌクレオチド配列)の任意の1個またはそれ以上は、種々の薬物スクリーニング技術のいずれかにおいて、STSを調節することができる薬剤を同定するのに使用され得る。このような試験で使用される標的は、溶液中で遊離し得るか、固体支持体に固着され得るか、細胞表面に保有され得るか、または細胞内に位置し得る。標的活性の消滅または標的と試験する薬剤との間での結合複合体の形成が、測定され得る。
本発明のアッセイは、スクリーンであり得、それにより、多数の薬剤が試験される。1局面では、本発明のアッセイ方法は、高処理能力スクリーンである。
薬物スクリーニング技術は、1984年9月13日に公開されたGeysenの欧州特許出願第84/03564号で記述された方法に基づき得る。要約すると、多数の異なる小ペプチド試験化合物を、固体基質(例えば、プラスチックピンまたはある種の他の表面)で合成する。これらのペプチド試験化合物を、適切な標的またはそのフラグメントと反応させて、洗浄する。結合した実体を、次いで、例えば、当該技術分野で周知の適切に適合させた方法により、検出する。精製した標的はまた、薬物スクリーニング技術で使用するために、プレート上に直接被覆できる。あるいは、このペプチドを捕捉して固体支持体上に固定化するために、非中和抗体が使用できる。
本発明はまた、競合薬物スクリーニングアッセイの使用も考慮しており、このアッセイでは、標的を結合できる中和抗体は、標的に結合する試験化合物と特異的に競合する。
他のスクリーニング技術は、これらの物質に対する適切な結合親和性を有する薬剤の高処理能力スクリーニング(HTS)を提供し、WO84/03564で詳細に記述された方法に基づいている。
本発明のアッセイ方法は、試験化合物の小規模スクリーニングおよび大規模スクリーニングの両方、ならびに定量アッセイで適切であると予想される。
好ましい1局面では、本発明は、STSを選択的に調節する薬剤を同定する方法に関し、これらの化合物は、式(I)を有する。
(JEG3細胞を使用してアロマターゼ活性を決定するためのアッセイ(プロトコル6))
アロマターゼ活性を、JEG3絨毛癌細胞(ATCCから入手した)において測定する。この細胞株は、かなりのアロマターゼ活性を有し、そしてヒトアロマターゼ活性の制御の研究のために、広範に使用されている(Bhatnagerら,J.Steroid Biochem.Molec.Biol.2001,76:199−202)。細胞を、20mM HEPES、10%ウシ胎仔血清、2mMグルタミン、非必須アミノ酸および0.075%重炭酸ナトリウムを含む最小必須培地(MEM、Flow Laboratories,Irvine,Scotland)中に維持する。三連の25cm2の組織培養フラスコ中で、JEG3細胞(2.5×106細胞)のインタクトな単層を、アールのバランス塩溶液(EBSS、ICN Flow,High Wycombe,U.K.製)で洗浄し、そして、[1β−3H]アンドロステンジオン(2〜5nM、26Ci/mmol、New England Nuclear,Boston,MA,USA)と共に30分間、10pm〜10μMの範囲のインヒビターと共にインキュベートする。アロマターゼ反応の間、3H2Oが発生し、これを、液体シンチレーション分光計(Beckman−Coulter,High Wycombe,Bucks.UK)を使用して定量し得る。この3H2O放出法は、アロマターゼ活性を測定するために広範に使用されている(Newtonら,J.Steroid Biochem.1986,24:1033−1039)。1つのフラスコあたりの細胞核の数を、Zaponinでの細胞単層の処理の後に、Coulter Counterを使用して決定する。
アロマターゼ活性についての結果を、インキュベーション時間(30分間)の間に形成された生成物の106の細胞について計算された平均±1標準偏差として表し、そして統計学的有意性を示す値については、アロマターゼインヒビターを含まないインキュベーションに対する減少(阻害)の百分率として表す。Studentの片側t検定を使用して、結果の統計学的有意性を試験した。IC50値を、アロマターゼ活性の50%阻害を得るために必要とされるインヒビターの濃度として計算した。
(アロマターゼ活性を決定するための動物アッセイ(プロトコール7))
(i)PMSG誘導性エストロゲン合成の阻害
化合物がインビボでアロマターゼ活性を阻害する能力を、妊馬血清ゴナドトロピン(PMSG)誘導性エストロゲン合成アッセイを使用して試験した。このために、雌性ラット(250g)にPMSG(200IU、皮下)を注射した。72時間後、ラットに、ビヒクル(プロピレングリコール)または種々の用量の試験化合物を、経口投与した。投与の2時間後に、血液サンプルを、心臓穿刺(麻酔下)によって採取した。血漿エストラジオールレベルを、コントロール群および薬物を投与された群において測定した。アロマターゼ阻害の効力を、ラジオイムノアッセイによって血漿エストラジオール濃度を測定することにより決定した。この方法は、インビボにおけるアロマターゼインヒビターの効力を決定するために広範に使用されている(Woutersら、J.Steroid Biochem.,1989,32:781−788)。
(ii)卵巣切除されたラットにおけるアンドロステンジオン刺激性子宮成長の阻害
雌性ラット(250g)を、子宮切除し、そしてアンドロステンジオン刺激性子宮成長に対するアロマターゼ阻害の効力を決定するために使用した。2週間にわたるアンドロステンジオン(30mg/kg/d)の投与により、子宮切除した動物における子宮成長の有意な増加が生じた。この子宮成長における増加は、アロマターゼ酵素の作用の結果として、投与されたアンドロステンジオン由来のエストロゲンによって刺激される。化合物とアンドロステンジオンとの同時投与によって、アロマターゼ阻害の程度が、処置動物または未処置動物における子宮の重量の測定によって決定され得る。
(レポーター)
種々のレポーターが、本発明のアッセイ方法(およびスクリーニング)において使用され得、好ましいレポーターは、(例えば、分光法によって)簡便に検出可能なシグナルを提供する。例として、レポーター遺伝子は、光吸収特性を変更する反応を触媒する酵素をコードし得る。
他のプロトコールとしては、酵素免疫測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、および蛍光細胞分析分離(FACS)が挙げられる。2つの非干渉エピトープに対するモノクローナル抗体を使用する2部位モノクローナルベースの免疫アッセイもまた使用され得る。これらおよび他のアッセイは、とりわけ、Hampton Rら(1990,Serological Methods,A Laboratory Manual,APS Press,St Paul MN)およびMaddox DEら(1983,J Exp Med 15 8:121 1)に記載される。
レポーター分子の例としては、β−ガラクトシダーゼ、インベルターゼ、緑色蛍光タンパク質、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコール、アセチルトランスフェラーゼ、グルクロニダーゼ、エキソ−グルカナーゼおよびグルコアミラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、放射標識されたかまたは蛍光タグ標識されたヌクレオチドが、新生転写物に組み込まれ得、これは次いで、オリゴヌクレオチドプローブに結合された場合に同定される。
さらなる例として、多数の企業(例えば、Pharmacia Biotech(Piscataway,NJ)、Promega(Madison,WI)およびUS Biochemical Corp(Cleveland,OH)が、市販のキットおよびアッセイ手順のためのプロトコールを供給する。適切なレポーター分子または標識としては、放射性核種、酵素、蛍光物質、化学発光物質または発光剤、および基質、補因子、インヒビター、磁気粒子などが挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、US−A−3817837;US−A−3850752;US−A−3939350;US−A−3996345;US−A−4277437;US−A−4275149およびUS−A−4366241が挙げられる。
(宿主細胞)
用語「宿主細胞」は、本発明に関して、本発明の薬剤に対する標的を含み得る任意の細胞を含む。
従って、本発明のさらなる実施形態は、本発明の標的であるかまたは本発明の標的を発現するポリヌクレオチドで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を提供する。好ましくは、このポリヌクレオチドは、この標的であるかまたはこの標的を発現するポリヌクレオチドの複製および発現のためのベクター中に保有される。これらの細胞は、このベクターと適合性であるように選択され、そして例えば、原核生物(例えば、細菌)細胞、真菌細胞、酵母細胞または植物細胞であり得る。
グラム陰性細菌のE.coliは、異種遺伝子発現のための宿主として広範に使用される。しかし、大量の異種タンパク質は、細胞の内側に蓄積する傾向がある。大量のE.coli細胞内タンパク質からの所望のタンパク質の引き続く精製は、時折、困難であり得る。
E.coliとは逆に、バチルス属由来の細菌は、タンパク質を培養培地へ分泌するその能力に起因して、異種宿主として非常に適切である。宿主として適切な他の細菌は、ストレプトミセス属およびプセウドモナス属である。
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの性質、および/または発現されたタンパク質のさらなる処理のための好ましさに依存して、真核生物宿主(例えば、酵母または他の真菌)が好ましくあり得る。一般に、酵母細胞は、真菌細胞よりも好ましい。なぜなら、酵母細胞は、より操作し易いからである。しかし、いくつかのタンパク質は、酵母細胞から分泌されにくいか、またはいくつかの場合において、不十分にしか保有されていない(例えば、酵母において過剰グリコシル化されている)。これらの場合、異なる真菌宿主生物が選択されなければならない。
本発明の範囲内の適切な発現宿主の例は、真菌(例えば、アスペルギルス種(例えば、EP−A−0184438およびEP−A−0284603に記載されるもの)およびトリコデルマ種);細菌(例えば、バチルス種(例えば、EP−A−0134048およびEP−A−0253455に記載されるもの)、ストレプトミセス種およびプセウドモナス種);ならびに酵母(例えば、クルイベロミセス種(例えば、EP−A−0094630およびEP−A−0301670に記載されるもの)およびサッカロミセス種)である。例として、代表的な発現宿主は、以下から選択され得る:Aspergillus niger、Aspergillus niger var.tubigenis、Aspergillus niger var.awamori、Aspergillus aculeatis、Aspergillus nidulans、Aspergillus orvzae、Trichoderma reesei、Bacillus subtilis、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Kluyveromyces lactisおよびSaccharomyces cerevisiae。
本発明の組換え発現産物に適切な生物学的活性を与える必要がある場合、適切な宿主細胞(例えば、酵母細胞、真菌細胞および植物細胞)の使用は、翻訳後修飾(例えば、ミリストイル化、グリコシル化、短縮化、脂質化(lapidation)、およびチロシン、セリンまたはスレオニンのリン酸化)を提供し得る。
(生物)
用語「生物」は、本発明に関して、本発明に従う標的および/またはこれから得られる産物を含み得る任意の生物を含む。生物の例としては、真菌、酵母または植物が挙げられ得る。
用語「トランスジェニック生物」は、本発明に関して、本発明に従う標的および/または得られた産物を含む任意の生物を含む。
(宿主細胞/宿主生物の形質転換)
上記のように、宿主生物は、原核生物または真核生物であり得る。適切な原核生物宿主の例としては、E.coliおよびBacillus subtilisが挙げられる。原核生物宿主の形質転換に対する教示は、当該分野で十分に実証されている。例えば、Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual 第2版、1989、Cold Spring Harbor Laboratory Press)およびAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology(1995),John Wiley & Sons,Inc.を参照のこと。
原核生物宿主が使用される場合、そのヌクレオチド配列は、例えば、イントロンの除去によって、形質転換の前に適切に改変される必要があり得る。
別の実施形態において、トランスジェニック生物は、酵母であり得る。この点において、酵母はまた、異種遺伝子発現のためのビヒクルとして広く使用されている。Saccharomyces cerevisiae種は、商業的使用の長い歴史(異種遺伝子発現のための使用を含む)を有する。Saccharomyces cerevisiaeにおける異種遺伝子の発現は、Goodeyら(1987,Yeast Biotechnology,D R Berryら編、pp401−429,Allen and Unwin,London)およびKingら(1989,Molecular and Cell Biology of Yeasts,E F Walton およびG T Yarronton編、pp107−133,Blackie,Glasgow)により総説されている。
いくつかの理由のために、Saccharomyces cerevisiaeは、異種遺伝子発現に適している。第1に、これは、ヒトに対して非病原性であり、かつ特定の内毒素を産生することができない。第2に、これは、種々の目的のための商業的開発の何世紀にもわたる安全な使用の長い歴史を有する。これは、幅広く公的に受け入れられている。第3に、広範な商業的使用および生物に向けられる研究は、Saccharomyces cerevisiaeの遺伝学および生理学ならびに大規模発酵特性についての多量の知見を生じた。
Saccharomyces cerevisiaeにおける異種遺伝子発現および遺伝子産物の分泌の総説は、E Hinchcliffe E Kenny(1993,「east as a vehicle for the expression of heterologous genes」,Yeasts,第5巻、Anthony H Rose and J Stuart Harrison編、第2版、Academic Press Ltd.)により提供される。
いくつかのタイプの酵母ベクターが、利用可能であり、これには、組み込みベクター(これは、その維持のために宿主ゲノムでの組換えを必要とする)、および自律複製プラスミドベクターが挙げられる。
トランスジェニックSaccharomycesを調製するために、発現構築物を、酵母における発現のために設計された構築物にヌクレオチド配列を挿入することによって、調製する。異種発現のために使用されるいくつかのタイプの構築物が、開発されている。これらの構築物は、ヌクレオチド配列に融合された酵母において活性なプロモーターを含み、通常、酵母由来のプロモーター(例えば、GAL1プロモーター)が使用される。通常、酵母由来のシグナル配列(例えば、SUC2シグナルペプチドをコードする配列)が、使用される。酵母において活性なターミネーターが、発現系で終結する。
酵母の形質転換について、いくつかの形質転換プロトコールが開発されている。例えば、本発明に従うトランスジェニックSaccharomycesが、Hinnenら(1978,Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA 75,1929);Beggs,J D(1978,Nature,London,275,104);およびIto,Hら(1983,J Bacteriology 153,163−168)の教示に従って、調製され得る。
形質転換された酵母細胞は、種々の選択的マーカーを使用して選択される。形質転換のために使用されるマーカーには、多数の栄養要求性マーカー(例えば、LEU2、HIS4およびTRP1)、および優性抗生物質耐性マーカー(例えば、アミノグリコシド抗生物質マーカー(例えば、G418))がある。
別の宿主生物は、植物である。遺伝子改変された植物の構築における基本的な原理は、遺伝情報を植物ゲノムに挿入して、この挿入された遺伝物質の安定な維持を得ることである。遺伝情報を挿入するためのいくつかの技術が存在し、2つの主な原理は、遺伝情報の直接導入およびベクター系を使用することによる遺伝情報の導入である。一般的な技術の総説は、Potrykus(Annu Rev Plant Physiol Plant Mol Biol[1991]42:205−225)およびChristou(Agro−Food−Industry Hi−Tech March/April 1994 17−27)による文献において見出され得る。植物形質転換についてのさらなる教示は、EP−A−0449375に見出され得る。
従って、本発明はまた、宿主細胞を、標的であるかまたは標的を発現するヌクレオチド配列で形質転換する方法を提供する。このヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、コードされたタンパク質の発現に適切な条件下で培養され得る。組換え細胞によって産生されたタンパク質は、細胞の表面に提示され得る。所望の場合、および当業者に理解されるように、コード配列を含む発現ベクターは、特定の原核生物細胞膜または真核生物細胞膜を通るコード配列の分泌を指向するシグナル配列を用いて設計され得る。他の組換え構築物は、コード配列を、可溶性タンパク質の精製を容易にするポリペプチドドメインをコードするヌクレオチド配列に結合し得る(Kroll DJら(1993)DNA Cell Biol 12:441−53)。
(改変体/ホモログ/誘導体)
本明細書中に記載される特定のアミノ酸配列およびヌクレオチド配列に加えて、本発明はまた、それらの改変体、ホモログおよび誘導体の使用を包含する。ここで、用語「相同性」は、「同一性」と同等であり得る。
本発明の文脈において、相同配列は、少なくとも75%、85%または90%同一、好ましくは少なくとも95%または98%同一であり得るアミノ酸配列を含むと解釈される。相同性はまた、類似性の形態で考えられ得る(すなわち、類似の化学特性/機能を有するアミノ酸残基)が、本発明の文脈において、相同性を配列同一性の形態で表すことが好ましい。
相同性の比較は、眼で、より通常は、容易に利用可能な配列比較プログラムによって実施され得る。これらの市販のコンピュータープログラムは、2つ以上の配列の間の%相同性を計算し得る。
%相同性は、連続した配列について計算され得る。すなわち、1つの配列が、他の配列と整列され、そして1つの配列中の各々のアミノ酸が、他の配列中の対応するアミノ酸と、1残基ずつ、直接比較される。これは、「アンギャップド(ungapped)」アライメントと呼ばれる。代表的に、このようなアンギャップドアライメントは、比較的少ない数の残基についてのみ行われる。
これは非常に簡単かつ一貫した方法であるが、例えば、配列の他の同一の対において、1つの挿入または欠失によって後のアミノ酸残基がアライアメントから排除され得ることが考慮されず、従って、全体的なアライアメントが行われた場合に、%相同性の大きな減少が生じる可能性が高い。従って、ほとんどの配列比較方法は、相同性スコア全体を極度に悪くすることなく、可能な挿入および欠失を考慮する最適なアライアメントを生成するように設計される。このことは、「ギャップ」を配列アライアメントに挿入して、局所相同性を最大にするように試みることによって、達成される。
しかし、これらのより複雑な方法は、「ギャップペナルティー」を、このアライアメント中に生じる各ギャップに割り当て、その結果、同数の同一のアミノ酸について、可能な限り少ないギャップを有する配列アライアメント(2つの比較された配列間のより高い関連性を反映する)が、多くのギャップを有する配列アライアメントよりも高いスコアを達成する。ギャップの存在について比較的高いコストをつけ、かつこのギャップ中の各後の残基についてより小さいペナルティーをつける「アフィンギャップコスト」が、代表的に使用される。これは、最も通常使用されるギャップスコア付けシステムである。もちろん、高いギャップペナルティーは、より少ないギャップとの最適化されたアライメントを生じる。ほとんどのアライメントプログラムにより、ギャップペナルティーは改変され得る。しかし、配列比較のためのこのようなソフトウェアを使用する場合、デフォルト値を使用することが好ましい。例えば、GCG Wisconsin Bestfitパッケージ(以下を参照のこと)を使用する場合、アミノ酸配列のデフォルトギャップペナルティーは、ギャップについて、−12であり、各伸長について、−4である。
従って、最大%相同性の計算は、第1に、ギャップペナルティーを考慮して、最適なアラインメントの生成を必要とする。このようなアライメントを実施するための適切なコンピュータープログラムは、GCG Wisconsin Bestfitパッケージ(University of Wisconsin,U.S.A.;Devereuxら、1984,Nucleic Acids Research 12:387)である。配列比較を実施し得る他のソフトウェアの例としては、BLASTパッケージ(Ausubelら、1999(前出)−第18章)、FASTA(Atschulら,1990,J.Mol.Biol.,403−410)、および比較ツールのGENEWORKSスートが挙げられるが、これらに限定されない。BLASTおよびFASTAの両方が、オフライン検索およびオンライン検索に利用可能である(Ausubelら、1999(前出)7−58〜7−60頁を参照のこと)。しかし、GCG Bestfitプログラムを使用することが好ましい。
さらに有用な参考は、FEMS Microbiol Lett 1999年5月15日;174(2):247−50(およびFEMS Microbiol Lett 1999年8月1日;177(1):187−8において公開された正誤表)に見出されるものである。
最終的な相同性%は、同一性の点で測定され得るが、そのアラインメントプロセス自体は、代表的には、全てか無か(all or nothing)の対比較に基づいていない。その代わりに、目盛りを付けた類似性スコアマトリックスが一般に使用され、このマトリクスは、化学的類似性または進化距離に基づいて、各ペアでの比較に対してスコアを割り当てる。一般的に使用されるこのようなマトリックスの例は、BLOSUM62マトリックス(プログラムBLASTのパッケージに対するデフォルトマトリックス)である。GCG Wisconsinプログラムは、一般に、公開されたデフォルト値またはカスタムシンボル比較表(提供されている場合)のいずれかを使用する(さらなる詳細は、ユーザー取扱マニュアルを参照のこと)。GCGパッケージについては、公開されたデフォルト値を使用するのが好ましく、または他のソフトウェアの場合、デフォルトマトリックス(例えば、BLOSUM62)を使用するのが好ましい。
一旦、このソフトウェアが最適なアラインメントを生成すると、相同性%、好ましくは、配列同一性%を計算することが可能となる。このソフトウェアは、代表的には、この配列比較の一部としてこれを行い、数値結果を作成する。
これらの配列はまた、サイレントな変化を生成し、機能的に等価な物質を生じるアミノ酸残基の欠失、挿入または置換を有し得る。意図的なアミノ酸の置換は、この物質の二次的結合活性が保持されている限り、それらの残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性および/または両親媒性の類似性に基づいて、行われ得る。例えば、負に荷電したアミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられる;正に荷電したアミノ酸としては、リジンおよびアルギニンが挙げられる;そして類似の親水性値を有する非荷電の極性ヘッド基を有するアミノ酸としては、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、フェニルアラニンおよびチロシンが挙げられる。
保存的な置換は、例えば、以下の表に従って、行われ得る。第二列の同じ枠、好ましくは、第三列の同じ行にあるアミノ酸は、互いに置換され得る。
(発現ベクター)
標的として使用されるかまたは標的を発現するためのヌクレオチド配列は、組換え複製可能ベクターに取り込まれ得る。このベクターは、適合性宿主細胞内で、および/または適合性宿主細胞からヌクレオチド配列を複製および発現するのに使用され得る。発現は、プロモーター/エンハンサーおよび他の発現調節シグナルを含む制御配列を使用して、制御され得る。原核生物プロモーター、および真核生物細胞内で機能するプロモーターが使用され得る。組織特異的プロモーターまたは刺激特異的プロモーターが使用され得る。キメラプロモーターもまた使用され得、これは、上記の2つ以上の異なるプロモーターに由来する配列エレメントを含む。
このヌクレオチド配列の発現による宿主組換え細胞により産生されるタンパク質は、使用される配列および/またはベクターに依存して、分泌され得るか、または細胞内に含有され得る。コード配列は、物質をコードする配列の、特定の原核生物細胞膜または真核生物細胞膜を通じた分泌を指示するシグナル配列を用いて設計され得る。
(融合タンパク質)
標的アミノ酸配列は、例えば、抽出および精製を補助するために、融合タンパク質として生成され得る。融合タンパク質パートナーの例としては、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、6×His、GAL4(DNA結合および/または転写活性化ドメイン)およびβ−ガラクトシダーゼが挙げられる。融合タンパク質配列の除去を可能にするために、その融合タンパク質パートナーと目的のタンパク質配列との間に、タンパク質分解切断部位を含ませることもまた、好都合であり得る。好ましくは、融合タンパク質は、標的の活性を妨害しない。
融合タンパク質は、本発明の物質に融合した抗原または抗原性決定基を含み得る。この実施形態では、この融合タンパク質は、天然には生じない融合タンパク質であり得、免疫系の全身(generalised)刺激を与えるという意味でアジュバントとして作用し得る物質を含む。抗原または抗原性決定基は、この物質のアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかに結合され得る。
本発明の別の実施形態では、アミノ酸配列は、融合タンパク質をコードするために異種配列に連結され得る。例えば、この物質の活性に影響を与え得る薬剤についてのペプチドライブラリをスクリーニングするために、市販の抗体により認識される異種エピトープを発現するキメラ物質をコードすることが有用であり得る。
(治療)
本発明の化合物は、治療剤として(すなわち、治療用途で)使用され得る。
用語「治療」は、治癒効果、軽減効果および予防効果を含む。
この治療は、ヒトまたは動物(好ましくは、雌性の動物)に行われ得る。
(薬学的組成物)
1つの局面において、本発明は、薬学的組成物を提供する。この組成物は、本発明に従う化合物および必要に応じて、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤(それらの組合せを含む)を含有する。
この薬学的組成物は、医学および獣医学の医薬においてヒトまたは動物での使用のためであり得、代表的には、薬学的に受容可能な希釈剤、キャリアまたは賦形剤の任意の1つ以上を含む。治療用途に受容可能なキャリアまたは希釈剤は、製薬分野で周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.(A.R.Gennaro編 1985)に記載されている。薬学的キャリア、賦形剤または希釈剤の選択は、意図した投与経路および標準的な製薬慣行に関連して、選択され得る。これらの薬学的組成物は、キャリア、賦形剤または希釈剤として、またはそれらに加えて、任意の適切な結合剤、滑沢剤、懸濁剤、コーティング剤、可溶化剤を含み得る。
保存剤、安定剤、色素および香料でさえ、薬学的組成物中に提供され得る。保存剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびp−ヒドロキシ安息香酸エステルが挙げられる。酸化防止剤および懸濁剤もまた、使用され得る。
異なる送達系に依存して、異なる組成物/処方の要件が存在し得る。例として、本発明の薬学的組成物は、ミニポンプを使用して、または粘膜経路により(例えば、スプレー式点鼻薬または吸入用エアロゾルまたは経口摂取可能溶液として)、または非経口的に(ここで、この組成物は、例えば、静脈内経路、筋肉内経路または皮下経路による送達のために注射可能形態で処方される)送達されるべく処方され得る。あるいは、処方物は、両方の経路により送達されるように、設計され得る。
薬剤が胃腸粘膜を通って粘膜送達されるべき場合、薬剤は、胃腸管を通過している間安定なままであり得るべきである;例えば、薬剤は、タンパク質分解に対して耐性であるべきであり、酸性pHで安定であり、そして胆汁の界面活性効果に対して耐性であるべきである。
適切な場合、これらの薬学的組成物は、吸入により、座剤またはペッサリーの形態で、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤もしくは粉剤の形態で表面に、皮膚パッチを使用することにより、賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)を含有する錠剤の形態で経口的に、またはカプセル剤もしくは卵剤(ovules)中で単独でもしくは賦形剤と混合してかのいずれかで、または香料もしくは着色剤を含有するエリキシル剤、液剤もしくは懸濁剤の形態で投与され得るか、またはそれらは、例えば、静脈内、筋肉内もしくは皮下で、非経口的に注射され得る。非経口投与のために、これらの組成物は、無菌水溶液の形態で最もよく使用され得、これは、他の物質(例えば、その溶液を血液と等張性にするのに十分な塩または単糖類)を含有し得る。頬側または舌下投与のために、これらの組成物は、従来の様式で処方され得る錠剤またはトローチ剤の形態で投与され得る。
(組合せ薬物)
本発明の化合物は、1つ以上の他の活性剤(例えば、1つ以上の他の薬学的活性剤)と併用され得る。
例として、本発明の化合物は、他のSTSインヒビターおよび/または他のインヒビター(例えば、アロマターゼインヒビター(例えば、4−ヒドロキシアンドロステンジオン(4−OHA))および/またはステロイド(例えば、天然に存在するニューロステロイドデヒドロエピアンドロステロンスルフェート(DHEAS))およびプレグネノロンスルフェート(PS)および/または他の構造的に類似の有機化合物)と併用され得る。他のSTSインヒビターの例は、上記参考文献に見出され得る。例として、本発明で使用されるSTSインヒビターとしては、EMATE、ならびに本明細書中に示される化合物5に類似するその2−エチル17−デオキシ化合物および2−メトキシ17−デオキシ化合物のいずれかまたは両方が挙げられる。
それに加えて、またはその代わりに、本発明の化合物は、生体応答調節因子と併用され得る。
用語、生体応答調節因子(「BRM」)は、サイトカイン、免疫調節因子、成長因子、造血調節因子、コロニー刺激因子、走化因子、溶血因子および血栓溶解因子、細胞表面レセプター、リガンド、白血球接着分子、モノクローナル抗体、予防および治療ワクチン、ホルモン、細胞外マトリックス成分、フィブロネクチンなどを含む。いくつかの用途については、好ましくは、この生体応答調節因子は、サイトカインである。サイトカインの例としては、以下が挙げられる:インターロイキン(IL)、例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−19;腫瘍壊死因子(TNF)、例えば、TNF−α;インターフェロンα、βおよびγ;TGF−β。いくつかの用途については、好ましくは、このサイトカインは、腫瘍壊死因子(TNF)である。いくつかの用途については、TNFは、任意の型のTNF(例えば、TNF−α、TNF−β(それらの誘導体または混合物を含む))であり得る。より好ましくは、このサイトカインは、TNF−αである。TNFに関する教示は、当該技術分野で見られ得る(例えば、WO−A−98/08870およびWO−A−98/13348)。
(投与)
代表的には、医師は、個々の被験体に最も適切な実際の投薬量を決定し、それは、特定の患者の年齢、体重および応答により変化する。以下の投薬量は、平均的な場合の例である。もちろん、それより高いまたは低い範囲が有益な個々の例に存在し得る。
本発明の組成物は、直接的な注射により、投与され得る。この組成物は、非経口投与、粘膜投与、筋肉内投与、静脈内投与、皮下投与、眼内投与または経皮投与用のために処方され得る。薬剤は、必要に応じて、0.01〜30mg/kg体重、例えば、0.1〜10mg/kg体重、より好ましくは、0.1〜1mg/kg体重の用量で、投与され得る。
さらなる例として、本発明の薬剤は、1日1〜4回、好ましくは、1日1回または2回のレジメンに従って、投与され得る。任意の特定の患者に対する具体的な用量レベルおよび投薬頻度は、変化し得、それらは、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用期間、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食生活、投与様式および投与時間、排泄の速度、薬物の組合せ、特定の状態の重症度および治療を受ける宿主を含む種々の因子に基づく。
代表的な送達様式(上で示したようなもの)とは別に、用語「投与される」はまた、脂質媒介トランスフェクション、リポソーム、イムノリポソーム、リポフェクチン、カチオン性表面両親媒性物質(CFA)およびそれらの組合せのような技術による送達を含む。このような送達機構の経路には、粘膜経路、鼻内経路、経口経路、非経口経路、胃腸経路、局所経路または舌下経路が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「投与される」は、粘膜経路による(例えば、スプレー式点鼻薬もしくは吸入用エアロゾルとしてまたは経口摂取可能溶液として);非経口的経路(ここで、送達は、注射可能形態(例えば、静脈内経路、筋肉内経路または皮下経路)による)による送達が挙げられるが、これらに限定されない。
従って、薬剤投与については、本発明のSTSインヒビターは、従来の薬剤処方技術および薬学的キャリア、補助剤、賦形剤、希釈剤などを利用する任意の適切な様式で、通常は非経口投与のために処方され得る。大体の有効投薬割合は、当該化合物の個々の活性に依存して、平均的な体重(70kg)の患者に対して、1〜1000mg/日、例えば、10〜900mg/日、または100〜800mg/日の範囲でさえあり得る。好ましいさらに活性が高い化合物についてのさらに通常の投薬割合は、200〜800mg/日、より好ましくは、200〜500mg/日、最も好ましくは、200〜250mg/日の範囲である。それらは、単回用量レジメン、分割用量レジメンおよび/または複数用量レジメン(これは、数日にわたって続けられる)で投与され得る。経口投与のために、それらは、単位用量あたり、100〜500mgの化合物を含有する錠剤、カプセル剤、液剤または懸濁剤で処方され得る。あるいはそして好ましくは、これらの化合物は、非経口投与のために、適切な非経口投与可能なキャリア中で処方され、これは、200〜800mg、好ましくは、200〜500mg、より好ましくは、200〜250mgの範囲の単回毎日投薬割合を提供する。しかしながら、このような有効毎日用量は、その活性成分の固有の活性および患者の体重に依存して変わり、このような変動は、医師の技術および判断の範囲内である。
(細胞周期進行)
本発明の化合物は、細胞周期進行障害の処置方法において有用であり得る。
「Molecular Cell Biology」、第3版、Lodishら、177〜181頁で議論されているように、異なる真核細胞は、極めて異なる速度で増殖し分裂し得る。例えば、酵母細胞は、120分ごとに分裂し得、ウニおよび昆虫の胚性細胞における受精卵の第一分裂は、1530分間しかかからない。なぜならば、1個の大きな既存細胞が細分されるからである。しかしながら、大部分の増殖中の植物細胞および動物細胞は、数が2倍になるのに10〜20時間かかり、一部のものは、ずっと遅い速度で複製する。成体における多くの細胞(例えば、神経細胞および横紋筋細胞)は、全く分裂しない;創傷の治癒を助ける線維芽細胞のような他のものは、要求に応じて増殖するが、そうでなければ、静止している。
さらに、分裂するあらゆる真核細胞は、2個の娘細胞に同じ遺伝物質を供与する準備ができていなければならない。真核生物でのDNA合成は、この細胞分裂周期を通して起こるのではなく、細胞分裂前のその一部に制限される。
真核DNA合成と細胞分裂との間の関係は、増殖および分裂が全て可能な哺乳動物細胞の培養において、十分に分析されている。細菌とは対照的に、真核細胞は、DNA合成においてその時間の一部しか費やさず、そしてそれは、細胞分裂(有糸分裂)の何時間も前に完了することが見出された。従って、DNA合成後および細胞分裂前に、時間のギャップが生じる;別のギャップは、分裂後および次回のDNA合成の前で起こることが見出された。この分析により、真核細胞周期は、M(有糸分裂)期、G1期(第一ギャップ)、S(DNA合成)期、G2期(第二ギャップ)からなり、そしてM期に戻ると結論付けられた。有糸分裂の間の期(G1、SおよびG2)は、総称して、間期として知られている。
組織中の多くの非分裂細胞(例えば、全ての休止線維芽細胞)は、有糸分裂の後でかつDNA合成の直前で周期を停止している;このような「休止」細胞は、細胞周期から出ていて、G0状態にあるといわれる。
細胞が、細胞周期の3つの間期段階のうちの1つにある場合、蛍光活性化セルソータ(FACS)を用いて細胞の相対DNA含有量を測定することによって、細胞を同定することが可能である:G1(DNA合成前)にある細胞は、規定された量xのDNAを有する;S(DNA複製)の間、細胞は、xと2xとの間を有する;そしてG2(またはM)にある場合、細胞は2xのDNAを有する。
動物細胞における有糸分裂および細胞質分裂の段階は以下の通りである。
(a)間期。間期のG2期は、有糸分裂の開始の直前にある。染色体DNAは、S期の間は複製されタンパク質に結合しているが、染色体は、まだ、明確な構造体には見えない。核小体は、光学顕微鏡下で可視である、唯一の核下部構造である。DNA複製前の2倍体細胞では、各々の型の2つの形態学的染色体が存在し、そしてこの細胞は、2nであるといわれる。G2では、DNA複製後、この細胞は4nである。4コピーの各染色体DNAが存在する。この姉妹染色体は、互いからまだに分かれていないので、これらは、姉妹染色分体と呼ばれる。
(b)初期前期。中心小体(各々、新たに形成された娘中心小体を有する)は、細胞の反対の極に向かって移動し始める;この染色体は、長い糸として見られ得る。核膜は、小さな小胞へと脱凝集し始める。
(c)中期前期および後期前期。染色体凝縮が完了する;各可視の染色体構造は、それらの動原体によって一緒に保持されている、2つの染色分体から構成される。各染色分体は、新たに複製された2つの娘DNA分子のうちの1つを含む。微小管紡錘体は、中心小体にまさに隣接する領域から放射状に広がり始め、これらは、それらの極により近くなるように移動する。いくつかの紡錘糸は、極から極に到達する;大部分は、染色分体に延び、そして動原体で付着する。
(d)中期。これらの染色体は細胞の赤道に向かって移動し、赤道でこれらは赤道面に整列されるようになる。姉妹染色分体は、まだ分かれていない。
(e)後期。これらの2つの姉妹染色分体は、独立した染色体に分かれる。各々は、紡錘糸によって1つの極に連結された動原体を含み、この極に向かってこれらは移動する。従って、1コピーの各染色体は、各娘細胞に与えられる。同時に、この細胞は、極から極へと紡錘体が伸長するにつれて伸長する。切断溝が形成され始めるにつれ、細胞質分裂が始まる。
(f)終期。新たな膜が娘核の周囲に形成される;この染色体はほどけ、そしてあまりはっきりしなくなり、核小体が再度見えるようになり、そして核膜が各娘核の周囲に形成される。細胞質分裂はほぼ完了し、そして微小管および他の線維が脱重合するにつれ、紡錘体は消失する。有糸分裂全体を通して、各極での「娘」中心小体が、全長になるまで成長する。終期には、元の中心小体の各々が二つになることが完了し、そして新たな娘中心小体が次の間期の間に生成される。
(g)間期。細胞質分裂の完了の際に、この細胞は、細胞周期のG1期に入り、そして再度この周期を回り始める。
細胞周期進行(cell cycling)が極めて重要な細胞プロセスであることが認識される。正常な細胞周期進行からの逸脱は、多数の医学的障害をもたらし得る。増大したおよび/または無制限の細胞周期進行は、癌をもたらし得る。減少した細胞周期進行は、変性状態をもたらし得る。本発明の化合物の使用は、このような障害および状態を処置する手段を提供し得る。
従って、本発明の化合物は、細胞周期進行障害(例えば、ホルモン依存性およびホルモン非依存性癌を含む、癌)の処置において使用するために適切であり得る。
さらに、本発明の化合物は、癌(例えば、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、肉腫、黒色腫、前立腺癌、膵臓癌などおよび他の固形腫瘍)の処置に適切であり得る。
いくつかの適用について、細胞周期進行は、阻害および/または妨害および/または阻止され、好ましくは、ここで、細胞周期進行が妨害および/または阻止される。1つの局面では、細胞周期進行は、G2/M期において阻害および/または妨害および/または阻止され得る。1つの局面では、細胞周期進行は、不可逆的に妨害および/または阻害および/または阻止され得、好ましくは、ここで、細胞周期進行は、不可逆的に妨害および/または阻止される。
用語「不可逆的に妨害および/または阻害および/または阻止される」によって、本発明の化合物の適用後、この化合物が除去されたとき、この化合物の効果(すなわち、細胞周期進行の妨害および/または阻害および/または阻止)が依然として観察可能であることを意味する。より詳細には、用語「不可逆的に妨害および/または阻害および/または阻止される」によって、本明細書中に提示される細胞周期進行アッセイプロトコルに従ってアッセイされた場合、目的の化合物で処理された細胞が、プロトコルIの第2段階後に、コントロール細胞よりも少ない増殖を示すことを意味する。このプロトコルについての詳細を以下に示す。
従って、本発明は、以下の化合物を提供する:細胞周期進行を妨害および/または阻害および/または阻止することによって、エストロゲンレセプターポジティブ(ER+)およびERネガティブ(ER−)乳癌細胞の増殖の阻害をインビトロで引き起こす化合物;ならびに/あるいはインタクトな(すなわち、卵巣摘出されていない)動物におけるニトロソ−メチルウレア(NMU)誘発性乳腺癌の後退、ならびに/または癌細胞における細胞周期進行の妨害および/または阻害および/または阻止を引き起こす化合物;ならびに/あるいは細胞周期進行を妨害および/または阻害および/または阻止することによってインビボで作用するか、あるいは/または細胞周期進行アゴニストとして作用する化合物。
(細胞周期進行アッセイ)
(プロトコル7)
(手順)
(第1段階)
MCF−7乳癌細胞を、105細胞/ウェルの密度でマルチウェル培養プレートに播種する。細胞を、約30%コンフルエントになるまで結合および増殖させた。この時点で以下の通りに処理する:
コントロール−処理なし;
目的の化合物(COI)20μM。
細胞を、培地/COIを3日毎に交換しながら、COIを含む増殖培地中で6日間増殖させる。この期間の最後に、Coulter細胞計数器を用いて細胞数を計数した。
(第2段階)
COIを用いた6日間にわたる細胞の処理後、細胞を104細胞/ウェルの密度で再度播種する。さらなる処理を加えない。細胞を、増殖培地の存在下で、さらに6日間にわたって増殖させ続ける。この期間の最後に、細胞数を再度計数する。
(癌)
示したように、本発明の化合物は、細胞周期進行障害の処置において有用であり得る。特定の細胞周期進行障害は癌である。
癌は、大部分の西洋諸国における主な死因のままである。これまでに開発された癌治療は、ホルモンの作用または合成をブロックして、ホルモン依存性腫瘍の増殖を阻害することを含んでいた。しかし、より攻撃的な化学療法が、ホルモン依存性腫瘍の処置のために現在用いられている。
それゆえ、ホルモン依存性腫瘍および/またはホルモン非依存性腫瘍の抗癌処置のための薬剤であって、さらに化学療法に関連したいくつかまたは全ての副作用を欠く薬剤の開発は、主な治療的進歩を表す。
エストロゲンが、それらの合成後に多数のヒドロキシル化および結合体化反応を受けることが公知である。近年まで、このような反応は、エストロゲンを最終的に水溶性にし、身体からのそれらの除去を増強する代謝プロセスの一部であると考えられた。いくつかのヒドロキシ代謝産物(例えば、2−ヒドロキシおよび16α−ヒドロキシ)および結合体(例えば、エストロンスルフェート、E1S)が、エストロゲンが身体中で有する複雑な作用のうちのいくつかを決定する際に重要であることが現在明らかである。
研究者らは、2−ヒドロキシル化エストロゲンおよび16−ヒドロキシル化エストロゲンの形成を、乳癌の危険性を変更する状態に関して調査した。現在、2−ヒドロキシラーゼ活性を増大させる因子が、癌の危険性の低減に関連するが、16α−ヒドロキシル化を増大させる因子は、乳癌の危険性を高め得るという証拠が存在する。エストロゲン代謝産物の生物学的役割におけるさらなる関心は、2−メトキシエストラジオールが、抗有糸分裂特性を有する内因性代謝産物であるというますます増加する証拠によって、刺激されている。2−MeOE2は、カテコールエストロゲンメチルトランスフェラーゼによって2−ヒドロキシエストラジオール(2−OHE2)から形成される。カテコールエストロゲンメチルトランスフェラーゼは、身体全体に広範に分布する酵素である。
研究者らは、インビボでの2−MeOE2が、Meth A肉腫、B16黒色腫またはMDA−MB−435エストロゲンレセプターネガティブ(ER−)乳癌細胞の皮下注射によって生じた腫瘍の増殖を阻害することを示した。これはまた、内皮細胞の増殖および移動、ならびにインビトロでの新脈管形成を阻害する。2−MeOE2が腫瘍増殖をインビボで阻害する能力が、腫瘍細胞増殖の直接的阻害というよりも、腫瘍誘発性新脈管形成を阻害するその能力に起因し得るということが示唆された。
2−MeOE2がその強力な抗有糸分裂効果および抗新脈管形成効果を発揮する機構は、依然として解明されていない。高濃度では、これが、微小管重合を阻害し得、そしてチューブリンに対するコルヒチン結合の弱いインヒビターとして作用し得るという証拠が存在する。しかし、近年、有糸分裂をブロックする濃度では、細胞内のチューブリンフィラメントは、脱重合されるとは見出されなかったが、タキソール(taxol)処理後に見られる形態と同一の形態を有することが見出された。それゆえ、乳癌治療および卵巣乳癌(ovarian breast cancer)治療のために用いられる薬物であるタキソールと同様に、2−MeOE2が、微小管動力学を安定化することによって作用することが可能である。
2−MeOE2が癌のための新たな治療と同定されたことは重要な進歩を表すが、経口投与されたエストロゲンのバイオアベイラビリティは乏しい。さらに、これらは、肝臓を通るそれらの最初の通過の間に、相当の代謝を受け得る。乳癌治療のためのステロイドスルファターゼインヒビターを開発する研究プログラムの一部として、エストロン−3−O−スルファメート(EMATE)は、強力な活性部位特異的インヒビターと同定された。予想外なことに、EMATEは、強力なエストロゲン特性を保有することが証明され、ラットにおけるその経口子宮栄養活性は、エストラジオールの100倍高かった。その増強されたエストロゲン性は、肝臓を通るその通過の間の不活化から保護しかつ長期間にわたるその徐放のためのレザバとして作用する赤血球(rbcs)によるその吸収から生じると考えられる。2−メトキシエストロン−3−O−スルファメートを含め、多数のA環改変アナログが合成され、そして試験された。この化合物は、ステロイドスルファターゼインヒビターとしてEMATEと同等に強力であったが、この化合物は、エストロゲン性がなかった。
本発明者らは、本発明の化合物が、癌(特に、乳癌)の処置のための手段を提供すると考える。
さらに、またはその代わりに、本発明の化合物は、癌(白血病および固形腫瘍(例えば、胸部腫瘍、子宮内膜腫瘍、前立腺腫瘍、卵巣腫瘍および膵臓腫瘍)を包含する)の増殖をブロックする際に有用であり得る。
(エストロゲンに関する治療)
本発明者らは、本発明の化合物のうちのいくつかは、(特に女性の)身体におけるエストロゲンレベルの制御において有用であり得ると考える。従って、これらの化合物のいくつかは、受精能制御手段(例えば、経口避妊用の錠剤、丸剤、液剤または菓子錠剤)を提供するので有用であり得る。あるいは、この化合物は、移植物の形態またはパッチであり得る。
従って、本発明の化合物は、エストロゲンに関連したホルモン状態を処置する際に有用であり得る。
さらに、またはその代わりに、本発明の化合物は、エストロゲンに関連した状態に加えて、ホルモン状態を処置する際に有用であり得る。それゆえ、本発明の化合物はまた、ホルモン活性に影響を与え得、そしてまた免疫応答に影響を与え得る。
(神経変性疾患)
本発明者らは、本発明の化合物のいくつかは、神経変性疾患および同様の状態の処置において有用であり得ると考える。
例として、STSインヒビターは、病気(例えば、健忘症、頭部損傷、アルツハイマー病、癲癇性痴呆、初老期痴呆、外傷後痴呆、老年痴呆、脈管痴呆および発作後痴呆)に罹患している患者または他の点で記憶増強を望む個体の記憶機能を増強する際に有用であり得ると考えられる。
(TH1)
本発明者らは、本発明の化合物のいくつかは、TH1関連において有用であり得ると考える。
例として、マクロファージまたは他の抗原提示細胞内でのSTSインヒビターの存在は、感作T細胞がTH1(高IL−2、IFNγ低IL−4)応答を高める能力の低下をもたらし得ると考えられる。それゆえ、他のステロイド(例えば、グルココルチコイド)の正常な調節の影響が優勢である。
(炎症状態)
本発明者らは、本発明の化合物のいくつかが、炎症状態(例えば、自己免疫(例えば、慢性関節リウマチを含む)、I型糖尿病およびII型糖尿病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、甲状腺炎、脈管炎、潰瘍性大腸炎およびクローン病、皮膚障害(例えば、乾癬および接触皮膚炎);移植片対宿主病;湿疹;喘息および移植後の器官拒絶のうちのいずれか1つ以上に関連した状態)を処置する際に有用であり得ると考える。
例として、STSインヒビターが、免疫応答および/または炎症応答に対するDHEAまたは関連のステロイドの正常な生理学的影響を防止し得ると考えられる。
本発明の化合物は、内因性グルココルチコイド様効果を示すための医薬の製造において有用であり得る。
(その他の処置)
本発明の化合物/組成物は、他の重要な医療的意味を有し得ることもまた、理解される。
例えば、本発明の化合物または組成物は、WO−A−99/52890(すなわち: )に列挙された障害の処置に有用であり得る。
さらに、またはその代わりに、本発明の化合物もしくは組成物は、WO−A−98/05635に列挙された障害の処置に有用であり得る。参照を容易にするため、リストの一部分がここで提供される:癌、炎症または炎症性疾患、皮膚障害、発熱、心血管の影響、出血、凝固および急性期応答、悪液質、食欲不振、急性感染、HIV感染、ショック状態、移植片対宿主反応、自己免疫疾患、再潅流傷害、髄膜炎、片頭痛およびアスピリン依存性抗血栓症;腫瘍の増殖、浸潤および拡散、血管新生、転移、悪性、腹水および悪性胸水;脳虚血、虚血性心疾患、変形関節炎、関節リウマチ、骨粗鬆症、喘息、多発性硬化症、神経変性症、アルツハイマー病、アステローム性動脈硬化症、脳卒中、血管炎、クローン病および潰瘍性大腸炎;歯周病、歯肉炎;乾癬、アトピー性皮膚炎、慢性潰瘍、表皮水泡症;角膜潰瘍形成(corneal ulceration)、網膜症および手術創傷治癒;鼻炎、アレルギー性結膜炎、湿疹、アナフィラキシー;再狭窄、うっ血性心不全、子宮内膜症、アテローム性動脈硬化症または内硬化症(endosclerosis)。
さらに、またはその代わりに、本発明の化合物もしくは組成物は、WO−A−98/07859に列挙された疾患の処置に有用であり得る。参照を容易にするため、リストの一部分がここで提供される:サイトカインおよび細胞増殖/分化活性;免疫抑制剤または免疫賦活剤の活性(例えばヒト免疫不全ウィルスへの感染;リンパ球増殖の調節;癌および多くの自己免疫疾患の処置ならびに移植拒絶の防止、または腫瘍免疫誘導を含む免疫不全の処置のための);造血の調節(例えば骨髄球性またはリンパ球性疾患の処置);骨、軟骨、腱、靭帯、および神経組織の成長の促進(例えば創傷治癒、火傷、潰瘍および歯周病の処置、ならびに神経変性のための);卵胞刺激ホルモンの抑制または活性化(受胎能の変調);化学走性/ケモキネシス活性(例えば傷害または感染部位への特定の細胞型の動員のための);止血活性および血栓溶解活性(例えば血友病および脳卒中の処置のための);抗炎症活性(例えば敗血性ショックまたはクローン病の処置のための);抗菌剤として;例えば代謝または行動の修飾因子;鎮痛薬として;特定の欠乏性障害の処置;例えば人間または獣医学における乾癬の処置において。
さらに、またはその代わりに、本発明の組成物は、WO−A−98/09985に列挙された障害の処置に有用であり得る。参照を容易にするため、リストの一部分がここで提供される:マクロファージ抑制および/またはT細胞抑制活性、ならびに従って、抗炎症活性;抗免疫活性、すなわち、炎症に関連しない応答を含む細胞性および/または体液性免疫応答に対する抑制作用;細胞外マトリックス成分およびフィブロネクチンに接着するマクロファージおよびT細胞の能力、ならびにT細胞におけるアップレギュレートされたfasレセプターの発現の阻害;以下を含む不必要な免疫反応ならびに炎症の阻害;関節炎(関節リウマチを含む)、過敏症に付随する炎症、アレルギー反応、喘息、全身性エリテマトーデス、膠原病およびその他の自己免疫性疾患、アテローム性動脈硬化症に付随する炎症、アテローム性動脈硬化症、アテローム硬化性心疾患、再潅流傷害、心不全、心筋梗塞、血管炎症性障害、呼吸窮迫症候群または他の心肺疾患、消化性潰瘍に付随する炎症、潰瘍性大腸炎、および他の消化管疾患、肝繊維症、肝硬変または他の肝疾患、甲状腺炎または他の腺性疾患、糸球体腎炎または他の腎性障害および泌尿器障害、耳炎または他の耳鼻咽喉科疾患、皮膚炎または他の皮膚疾患、歯周病または他の歯科疾患、睾丸炎または精巣上体炎、不妊、睾丸外傷または他の免疫関連精巣疾患、胎盤機能不全(placental dysfunction)、胎盤機能不全(placental insufficiency)、習慣性流産、子癇、前子癇ならびに他の免疫および/または炎症に関連する婦人科疾患、後部ブドウ膜炎、中間ブドウ膜炎、前部ブドウ膜炎、結膜炎、脈絡網膜炎、ブドウ膜強膜炎、視神経炎、眼内炎症(例えば、網膜炎または類嚢胞様黄斑水腫)、交換性眼炎、強膜炎、網膜色素変性症、変性眼底疾患の免疫成分および炎症性成分、眼外傷の炎症性成分、感染によって引き起こされた眼球炎、増殖性硝子体網膜症、急性虚血性視神経症、過度の瘢痕(例えば、緑内障の濾過操作に伴う)、眼球移植に対する免疫反応および/または炎症反応、ならびに他の免疫および炎症に関連する眼科疾患、中枢神経系(CNS)においてまたは他の任意器官においての両方で、免疫および/または炎症の抑制が有益である、自己免疫疾患または自己免疫状態または自己免疫障害に関連する炎症、パーキンソン病、パーキンソン病の処置からの合併症および/または副作用、AIDS関連痴呆複合HIV関連脳症、ドヴィック病、シドナム舞踏病、アルツハイマー病および他のCNSの変性疾患、変性状態もしくは変性障害、脳卒中の炎症性成分、後灰白質症候群、精神医学の免疫成分および炎症性成分、骨髄炎、脳炎、亜急性硬化性前脳炎、脳脊髄瘤、急性神経障害、亜急性神経障害、慢性神経障害、ギランバレー症候群、シドナム舞踏病、重症筋無力症、偽性大脳腫瘍、ダウン症候群、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、CNSの圧迫またはCNS外傷またはCNSの感染の炎症性成分、筋萎縮症およびジストロフィーの炎症性成分、ならびに、中枢神経系および抹消神経系の免疫および炎症関連疾患、免疫および炎症関連状態または免疫および炎症関連傷害、外傷後の炎症、敗血性ショック、感染症、手術の炎症性合併症または副作用、骨髄移植または他の移植の合併症および/または副作用、体液性および/または細胞性の免疫応答の抑制もしくは阻害のため、または単球もしくはリンパ球の量を減らすことによる単球もしくは白血球の増殖性疾患(例えば白血病)の処置もしくは改善のため、角膜、骨髄、器官、レンズ、ペースメーカー、天然もしくは人工の皮膚組織のような天然もしくは人工の細胞、組織および器官の移植の場合の移植片拒絶の予防および/または処置のための、遺伝子治療の炎症性および/または免疫性の合併症および副作用(例えば、ウィルスキャリアでの感染、またはAIDSに関連する炎症に起因する)。
(化合物の調製)
本発明の化合物は、適切なアルコールと、適切なクロリドとを反応させることにより調製され得る。例示によって、本発明のスルファメート化合物は、適切なアルコールと、式R4R5NSO2Clの適切なスルファモイルクロリドとを反応させることにより調製され得る。
反応を実施するための代表的条件は、以下の通りである。
水素化ナトリウムおよびスルファモイルクロリドを、0℃にて無水ジメチルホルムアミド中のアルコール攪拌溶液に添加する。その後、反応系を室温まで加温し、その後に、攪拌を、さらに24時間続ける。反応混合物を、炭酸水素ナトリウムの冷飽和溶液に注ぎ、得られた水相を、ジクロロメタンで抽出する。合わせた有機抽出物を、無水MgSO4で乾燥する。濾過後の減圧下での溶媒エバポレーションおよびトルエンとの同時エバポレーションにより、粗製残渣が得られ、これをさらに、フラッシュクロマトグラフィーにより精製する。
好ましくは、そのアルコールは、適切な場合、スルファモイルクロリドとの反応前に誘導体化される。必要な場合、アルコールにおける官能基は、既知の様式にて保護され得、保護基は、反応の最後に除去され得る。
好ましくは、そのスルファメート化合物は、Pageら(1990 Tetrahedron 46;2059−2068)の教示に従って調製される。
ホスホネート化合物は、Pageら(1990 Tetrahedron 46;2059−2068)およびPCT/GB92/01586の教示を適切に組み合わせることによって調製され得る。
スルホネート化合物は、Pageら(1990 Tetrahedron 46;2059−2068)およびPCT/GB92/01586の教示を適切に適合させることにより調製され得る。
チオホスホネート化合物は、Pageら(1990 Tetrahedron 46;2059−2068)およびPCT/GB91/00270の教示を適切に適合させることにより調製され得る。
好ましい調製はまた、以下の本文中に提示される。
(要旨)
まとめると、本発明は、ステロイドスルファターゼインヒビターならびに/またはアロマターゼインヒビターならびに/またはアポトーシスのモジュレーターならびに/または細胞周期および/もしくは細胞増殖のモジュレーターとして使用するための新規の化合物、ならびにそれらを含む薬学的組成物を提供する。
本発明は、本明細書中で、例示によってのみ記載されている。しかし、この例示はまた、本発明の好ましい化合物、ならびに同一物を生成するための好ましい経路および同一物の調製に有用な中間体を示すことが理解されるべきである。
(合成経路)
本発明に従う化合物を、この合成経路およびスキームに従って合成した。
(式IIIの化合物)
(4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)ベンゾニトリル(LWO02023))
無水メチルスルホキシド(DMSO、20mL)中のカリウムtert−ブトキシド(6.7g、59.47mmol)の混合物に、無水DMSO(10mL)中の4―アミノ―4H−1,2,4−トリアゾール(5.0g、59.47mmol)溶液を、10〜15℃で滴下した。得られた薄黄色の懸濁液を室温、窒素下で60分間攪拌した後、これを氷/水温度まで冷却し、そして無水DMSO(10mL)中の4−フルオロベンゾニトリル(3.60g、29.74mmol)の溶液を5分間かけて滴下した。形成したオレンジ色の懸濁液を室温、窒素下で1時間攪拌した後、水(500mL)中に注いだ。形成した透明な黄色の混合物のpHを、5M HCLを用いることによって(その後、必要な場合、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を用いて)中性にした。この混合物を、室温にて7日間、カバーをせずに静置し、黄色の結晶を堆積させた。ろ過し、水で十分に洗浄し、そして一晩風乾して、4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)ベンゾニトリル(2.08g、11.23mmol、37.8%)を収集した。
(4−[(4−ベンジルオキシベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]ベンゾニトリル(LWO02029))
氷/水温度のDMF(10mL)中のLWO02023(700mg、3.780mmol)の攪拌溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%、151mg、3.780mmol)を添加した。室温、窒素雰囲気下で30分間攪拌した後、4−ベンジルオキシベンジルクロリド(968mg、4.158mmol)を一度に添加し、そして得られたオレンジ/茶色の混合物を、80〜90℃で3時間加熱した。このようにして形成された黄色の懸濁液を、室温にて、水(200mL)で希釈し、そして形成した白色の沈殿物を収集し、水で十分に洗浄し、そして風乾して、白色粉末として4−[(4−ベンジルオキシベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]ベンゾニトリル(1.35g、3.539mmol、94%)を得た:m.p.206〜211℃;Rf 0.37(ニート酢酸エチル),c.f 0.83(4−ベンジルオキシベンジルクロリド);
(4−[(4−ヒドロキシベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]ベンゾニトリル(LWO02030、STX265))
蒸留THF(120mL)中の4−[(4−ベンジルオキシベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]ベンゾニトリル(705mg、1.848mmol)の攪拌溶液に、無水エタノール(30mL)およびPd/C(10%、40mg)を連続して添加した。次いで、黒色の懸濁液を水素雰囲気下(バルーン)で3日間攪拌した。支持された触媒をろ過により取り除き、そして蒸留THFで十分に洗浄し、ろ液を蒸留して、わずかに湿った薄黄色の残渣(529mg)を得た。粗製物をDMF/酢酸エチル(1:10、33mL)から再結晶化して、黄色結晶として4−[(4−ヒドロキシベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]ベンゾニトリル(138mg、473.7μmol、25.6%)を得た:m.p.228〜230℃;Rf 0.24(ニート酢酸エチル),
(スルファミン酸4−{[(4−シアノフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]メチル}フェニルエステル(LWO02031、STX258))
無水N,N−ジメチルアセトアミド(DMA、20mL)中の4−[(4−ヒドロキシベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]ベンゾニトリル(265mg、715.4μmol)の攪拌溶液に、室温にて、塩化スルファモイルのトルエン溶液(約0.68M、3.6mL)を添加し、そして得られた混合物を、窒素雰囲気下で一晩攪拌した。酢酸エチル(100mL)をこの混合物に添加し、そして分離した有機層をブライン(100mL、4×50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、そしてエバポレートして明茶色のシロップ/残渣(約400mg)を得た。この粗製物をフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール、7:1〜3.5:1、グラジエント)により分画し、そして分離した第3の画分から、薄いベージュ色の残渣としてスルファミン酸4−{[(4−シアノフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]メチル}フェニルエステル(150mg、405.0μmol、57%)を得た:m.p.80〜95℃;Rf 0.57(クロロホルム/メタノール,5:1),
(2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノール(LWO02057))
無水DMF(50mL)中4−ヒドロキシフェネチルアルコール(3.0g、22.16mmol)の攪拌溶液に、氷/水温度にて、水素化ナトリウム(鉱油中60%、886mg、22.16mmol)を添加した。室温で10分間攪拌した後、臭化ベンジル(3.86g、22.16mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を50℃で30分間加熱した。室温まで冷却し、酢酸エチル(250mL)を添加し、そして分離した有機層を、ブラインで洗浄し(500mL、4×100mL)、乾燥させ(MgSO4)、そしてエバポレートして、白色残渣を得た(6.05g)。粗生成物を、最初に熱イソプロパノール(10mL)に溶解し、次いでヘキサン(10mL)を、滴下した。冷却して、2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノールを、軟質白色結晶として単離した(2.45g、10.73mmol)。生成物の2回目の収集(2.04g、8.936mmol、総収率:89%)を、熱ヘキサン(約150mL)からの再結晶化の際に、母液の残渣から得た;Rf0.71(ニート酢酸エチル)、0.63(S.M.);
(1−ブロモ−2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタン(LWO02060))
無水蒸留THF(30mL)中2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノール(2.02g、8.848mmol)の攪拌溶液に、氷/水温度にて、かつ窒素雰囲気下で、三臭化リン(2.47g、8.848mmol)を添加した。室温で30分の攪拌後、この反応混合物をエバポレートし、こうして得た淡黄色液体を、酢酸エチル(100mL)で希釈した。分離した有機層を、ブラインで洗浄し(100mL、4×50mL)、乾燥させ(MgSO4)、そしてエバポレートして、淡橙色の褐色シロップ(3.21g)を得、これは、一晩おくと淡黄色に変じた。この粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル、1:2〜1:1、勾配)で分画し、そして分離した最初の画分は、黄色固体として、1−ブロモ−2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタンを生じた(990mg、3.40mmol、38.4%);
(4−{[2−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}ベンゾニトリル(LWO02061))
DMF(10mL)中4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)ベンゾニトリル(549mg、2.966mmol)の攪拌溶液に、氷/水温度にて、水素化ナトリウム(鉱油中60%、137mg、3.426mmol)を添加した。窒素雰囲気下で室温にて30分間の攪拌後、1−ブロモ−2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタン(950mg、3.263mmol)を、一部ずつ添加し、そして得られた暗褐色混合物を、70℃で3時間加熱した。形成した赤褐色の混合物を、氷/水(200mL)で希釈し、そして形成した沈殿物を収集し、水で徹底的に洗浄し、そして風乾して、淡橙黄色残渣を得た(1.21g)。この粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(乾燥充填、溶離液として酢酸エチル)によって分画し、そして分離した二番目の画分は、黄色シロップとして4−{[2−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}ベンゾニトリルを生じ、これを室温で一晩放置して固形化し、淡黄色の蝋状物を得た(590mg、1.492mmol、50.3%);Rf0.40(ニート酢酸エチル)、c.f.0.85(1−ブロモ−2−(4−ベンジルオキシフェニル)エタン);
(4−{[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}ベンゾニトリル(LWO02063、STX290))
蒸留THF(15mL)中の4−{[2−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}ベンゾニトリル(536mg、1.355mmol)の攪拌溶液に、連続して無水エタノール(30mL)およびPd/C(10%、54mg)を添加した。次いで、この黒色懸濁物を、水素雰囲気(バルーン)下で3日間攪拌した。濾過による除去および蒸留THFでの担持触媒の徹底的な洗浄の際に、濾液をエバポレートして、淡黄色シロップを得、これを室温で一晩放置して凝固させて淡黄色蝋状物を得た(192mg)。この粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって分画し、分離した二番目の画分は、淡黄色の蝋状残渣として、4−{[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}ベンゾニトリルを得た(115mg、376.6μmol、28%);
(スルファミン酸4−{2−[(4−シアノフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]エチル}フェニルエステル(LWO02066、STX273))
無水N,N−ジメチルアセトアミド(DMA、5mL)中の4−{[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}ベンゾニトリル(81mg、265.2μmol)の攪拌溶液に、室温にて、トルエン中塩化スルファモイルの溶液(約0.68M、1.2mL)を添加し、得られた混合物を、窒素雰囲気下で一晩攪拌した。次いで、酢酸エチル(50mL)をこの反応混合物に添加し、そして分離した有機層を、ブラインで洗浄し(100mL、4×50mL)、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そしてエバポレートして、淡褐色のシロップ/残渣(約100mg)を得た。この粗生成物をアセトン(20mL)に溶解し、次いで約3mLまで濃縮した。次いで、ヘキサン(1.5mL)を滴下し、そして静置して、スルファミン酸4−{2−[(4−シアノフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]エチル}フェニルエステルを白色結晶として得た(52mg、135.3μmol、51%);
(1−ベンジルオキシ−4−(2−ブロモエトキシ)ベンゼン(LWO02068))
この化合物を、Zhouら(1999)J.Med.Chem.42:2993−3000に記載されるのと同じ様式で、4−(ベンジルオキシ)フェノールおよび1,2−ジブロモエタンから調製した。
(4−{[2−(4−ベンジルオキシフェノキシ)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}ベンゾニトリル(LWO02075))
DMF(15mL)中4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)ベンゾニトリル(1.0g、5.40mmol)の攪拌溶液に、氷/水温度にて、水素化ナトリウム(鉱油中60%、238mg、5.94mmol)を添加した。窒素雰囲気下で室温にて10分間攪拌した後、1−ベンジルオキシ−4−(2−ブロモエトキシ)ベンゼン(1.82g、5.94mmol)を一部ずつ添加し、そして得られた暗褐色混合物を、50℃で18時間加熱した。次いで、この反応混合物を、短いシリカカラムを通過させ、そしてフィルタケークを、酢酸エチル(10×20mL)で洗浄した。合わせた濾液をブライン洗浄し(200mL、4×50mL)、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そしてエバポレートして、淡黄褐色残渣を得た(2.28g)。この粗生成物を、熱酢酸エチルから再結晶させて、綿毛状のクリーム色の結晶として4−{[2−(4−ベンジルオキシフェノキシ)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}ベンゾニトリル(690mg、1.677mmol)を得た。この生成物の2回目の収集(915mg、2.224mmol、総収率、72%)を、熱酢酸エチルおよびヘキサンからの再結晶化によって、母液の残渣から得た;m.p.160−162℃;Rf0.45(ニート酢酸エチル)、c.f.0.89(1−ベンジルオキシ−4−(2−ブロモエトキシ)ベンゼン);
(4−{[2−(4−ヒドロキシフェノキシ)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}ベンゾニトリル(LWO02076、STX291))
蒸留THF(70mL)中の4−{[2−(4−ベンジルオキシフェノキシ)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}ベンゾニトリル(670mg、1.628mmol)の攪拌溶液に、無水エタノール(30mL)およびPd/C(10%、67mg)を連続して添加した。次いで、この黒色懸濁物を水素雰囲気(バルーン)下で3日間攪拌した。濾過による除去および蒸留THFでの担持触媒の徹底的な洗浄を行い、濾液を、エバポレートして、淡黄色残渣を得た(491mg)。この粗生成物を熱アセトン(25mL)に溶解し、次いでヘキサン(15mL)を滴下した。冷却し、4−{[2−(4−ヒドロキシフェノキシ)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}ベンゾニトリルを、淡黄緑色結晶として分離した(310mg、964.1μmol、59%);
(スルファミン酸4−{2−[(4−シアノフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]エトキシ}フェニルエステル(LWO02077、STX292))
無水N,N−ジメチルアセトアミド(DMA、5mL)中4−{[2−(4−ヒドロキシフェノキシ)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}ベンゾニトリル(212mg、659.7μmol)の攪拌溶液に、室温にて、トルエン中塩化スルファモイルの溶液(約0.68M、2mL)を添加し、得られた混合物を、窒素雰囲気下で1.5時間攪拌し、次いで、酢酸エチル(100mL)をこの反応混合物に添加し、そして分離した有機層をブライン洗浄し(100mL、4×50mL)、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そしてエバポレートして、白色綿毛状残渣を得た(299mg)。この粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル、次いで、2番目の画分を溶出した後に、酢酸エチル/アセトン2:1)によって分画し、そして単離した、第三の画分のエバポレートによって、白色綿毛状残渣として、スルファミン酸4−{2−[(4−シアノフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]エトキシ}フェニルエステルを得た(218mg、544.4μmol、83%);
(1−ベンジルオキシ−4−(4−ブロモブトキシ)ベンゼン(LWO02064))
アセトニトリル(25mL)中の4−(ベンジルオキシ)フェノール(3.0g、15.13mmol)および1,4−ジブロモブタン(16.34g、75.65mmol)の溶液に、無水炭酸カリウム(5.23g、37.83mmol)を添加した。次いで、この懸濁物を18時間還流した。室温まで冷却した後、この懸濁物を、短いシリカカラムを通して濾過し、そしてフィルタケークを酢酸エチルで徹底的に洗浄した。濾液をエバポレートして、黄色液体(17.63g)を得、これを静置して、白色結晶の塊を得た。次いで、これらの結晶をヘキサンで粉砕し、そして濾過によって収集した。風乾して、1−ベンジルオキシ−4−(4−ブロモブトキシ)ベンゼンを、クリーム色の結晶として得た(2.87g、8.561mmol、57%);
(4−[4−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ブチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ}ベンゾニトリル(LWO02065))
DMF(15mL)中の4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)ベンゾニトリル(1.0g、5.40mmol)の攪拌溶液に、氷/水温度にて、水素化ナトリウム(鉱油中60%、238mg、5.94mmol)を添加した。窒素雰囲気下で10分間室温にて攪拌した後、1−ベンジルオキシ−4−(4−ブロモブトキシ)ベンゼン(1.99g、5.94mmol)を一部ずつ添加し、そして得られた暗褐色混合物を50℃で18時間加熱した。次いで、冷却した反応混合物に、短いシリカカラムを通過させ、そしてフィルタケークを酢酸エチルで洗浄した(10×20mL)。合わせた濾液を、ブライン洗浄し(200mL、4×50mL)、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そしてエバポレートして、黄橙色残渣を得た(2.50g)。この粗生成物を、熱酢酸エチル(10mL)中に溶解し、そしてヘキサン(2mL)を滴下した。室温まで冷却して、4−{[4−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ブチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ}ベンゾニトリルを、クリーム色/淡黄色結晶として得た(1.42g、3.231mmol)。生成物の第二の収集(363mg、825.9μmol、総収率、75%)を、熱酢酸エチルからの再結晶化によって、母液の残渣から得た;m.p.124.5−126.5℃;Rf0.45(ニート酢酸エチル)、c.f.0.88(1−ベンジルオキシ−4−(4−ブロモブトキシ)ベンゼン);
4−{[4−(4−ヒドロキシフェノキシ)ブチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ}ベンゾニトリル(LWO02067,STX287)
4−{[4−(4−ベンジルオキシフェノキシ)ブチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ}ベンゾニトリル(800mg,1.820mmol)の蒸留THF(10mL)攪拌溶液に、続けて無水エタノール(30mL)およびPd/C(10%,80mg)を加えた。次いで、この黒色懸濁液を、水素雰囲気下(バルーン)で2日間攪拌した。支持された触媒をろ過して蒸留THFで完全に洗浄し、この濾液をエバポレートして淡黄色の泡状残渣/粘性液体(481mg)を得た。この粗製物質を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル〜アセトン,勾配)により分画し、そして分離した2番目の画分は、エバポレーションすると軟質の淡黄色残渣を与えた(323mg)。これをさらにアセトン/ヘキサンからの再結晶により精製して、4−{[4−(4−ヒドロキシフェノキシ)ブチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ}ベンゾニトリルを微細な淡黄色結晶として得た(280mg,801.4μmol,44%);m.p.156−159℃;Rf 0.42(ニート酢酸エチル)、c.f.0.51(S.M.);
スルファミン酸 4−{4−[(4−シアノフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]ブトキシ}フェニルエステル(LWO02069,STX288)
4−{[4−(4−ヒドロキシフェノキシ)ブチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ}ベンゾニトリル(210mg,601μmol)の無水N,N−ジメチルアセトアミド(DMA,5mL)攪拌溶液に、室温にて塩化スルファモイルのトルエン(約0.68M,1.8mL)溶液を加え、そして得られた混合物を窒素雰囲気下で1.5時間攪拌した。次いで、酢酸エチル(100mL)をこの反応混合物に加え、そして分離した有機層をブライン(50mL,4×20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そしてエバポレートしてクリーム状残渣(291mg)を得、これをアセトン/ヘキサンから再結晶することにより精製して、スルファミン酸4−{4−[(4−シアノフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]ブトキシ}フェニルエステルを淡黄色結晶として得た(218mg,508.8μmol,85%);m.p.164−172℃;Rf 0.43(酢酸エチル),c.f.0.48(S.M.);
3−ブロモ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(LWO02081)
4−ヒドロキシベンズアルデヒド*8.0g,64.20mmol)のクロロホルム(400mL)攪拌溶液に、40℃にて、臭素(3.3mL)のクロロホルム(10mL)溶液を少しずつ加えた。得られた赤褐色混合物を、40℃で2時間攪拌し、冷却し、そしてエバポレートして、紫色残渣を得、これを酢酸エチル(200mL)に溶解した。分離された有機層をブライン(4×100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そしてエバポレートして、淡桃色/褐色残渣(12.95g)を得た。この粗製物質を、熱トルエンから2回再結晶することにより、3−ブロモ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドを淡橙色/褐色結晶(8.88g,44.17mmol,69%)として得た;
この生成物を、さらに精製することなく次の反応に使用した。
4−ベンジルオキシ−3−ブロモベンズアルデヒド(LWO02082)
3−ブロモ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(8.0g,39.80mmol)の無水DMF(50mL)攪拌溶液に、氷/水温度にて、水素化ナトリウム(鉱油中60%,1.67g,41.79mmol)を加えた。室温で10分間攪拌した後、ベンジルブロミド(7.64g,43.78mmol)を加え、そしてこの反応混合物を80℃で2時間加熱した。室温まで冷却して、酢酸エチル(300mL)を加え、そして分離した有機層をブライン(500mL,4×50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そしてエバポレートして薄いベージュ色の残渣(13.09g)を得た。この粗製物質を、イソプロパノール/ヘキサンから再結晶して精製し、4−ベンジルオキシ−3−ブロモベンズアルデヒドを微細な淡黄色結晶(9.52g,32.70mmol,82%)として得た;
4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェノール(LWO02085)
4−ベンジルオキシ−3−ブロモベンズアルデヒド(4.5g,15.46mmol)のクロロホルム(30mL)攪拌溶液に、室温にてm−クロロ過安息香酸(57〜86%,5.62g)を加え、そして得られた懸濁液を4時間攪拌した。次いで、酢酸エチル(200mL)を加え、そして分離した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1×100mL,3×50mL)で洗浄し、次いでブライン(2×50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そしてエバポレートして透明な褐色油状物を得、これを一晩室温で放置すると一部淡黄色沈殿物を得た(6.05g)。メタノール(45mL)中のこの粗製物質に、室温にて1M NaOH(水溶液)(30mL)を加えた。2時間攪拌した後、得られた褐色混合物を、5M HClを用いて酸性化し、次いで酢酸エチル(200mL)で希釈した。分離した有機層をブライン(100mL,4×50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そしてエバポレートして褐色油状物(5.33g)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン,1:2〜1:1の勾配)により分画して、単離された4番目の画分から4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェノールを淡金黄色油状物として得、これを室温に放置すると固化して淡褐色ワックス(3.92g,14.04mmol,91%)となった;Rf 0.48(酢酸エチル/ヘキサン,1:2)、0.61(4−ベンジルオキシ−3−ブロモベンズアルデヒド);
この生成物は、さらに精製せずに使用した。
2−(4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェノキシ)エタノール(LWO02086)
4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェノール(2.0g,7.165mmol)の無水DMF(10mL)溶液に、室温にて無水炭酸カリウム(1.04g)を加え、次いで2−ブロモエタノール(990mg,7.523mmol)を加えた。得られた懸濁液を、窒素雰囲気下で80℃に一晩攪拌した。冷却した後、酢酸エチル(100mL)を加え、そして分離した有機層を、ブライン(150mL,4×50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そしてエバポレートして褐色粘性液体(2.51g)を得た。この粗製物質を、フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル,6:1〜2:1の勾配)で分画し、そして分離した3番目の画分をエバポレートして2−(4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェノキシ)エタノール(1.58g,4.889mmol,68%)を得た;Rf 0.49(クロロホルム/酢酸エチル,4:1),c.f.0.68(S.M.);
2−ブロモ−1−(4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェノキシ)エタン(LWO02087)
2−(4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェノキシ)エタノール(1.44g,4.456mmol)の無水ジクロロメタン(15mL)溶液に、氷/水温度にて四臭化炭素(1.88g,5.570mmol)、次いでトリフェニルホスフィン(1.77g,6.684mmol)を5分間かけて少しずつ加えた。窒素雰囲気下にて氷/水温度で15分間攪拌した後、この反応混合物をエバポレートして、淡橙色粘性液体(5.22g)を得た。この粗製物質を、フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル,4:1)で分画して、分離した1番目の画分をエバポレートして2−ブロモ−l−(4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェノキシ)エタンを淡黄色液体(1.81g,4.688mmol)として得た;Rf 0.79(クロロホルム/酢酸エチル,4:1),c.f.0.32(S.M.);
4−{[2−(4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェノキシ)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)ベンゾニトリル(LWO02088)
4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)ベンゾニトリル(741mg,4.001mmol)の無水DMF(10mL)攪拌溶液に、氷/水温度で水素化ナトリウム(鉱油中60%,176mg,4.401mmol)を加えた。室温にて窒素雰囲気下で10分間攪拌した後、2−ブロモ−l−(4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェノキシ)エタン(1.70g,4.401mmol)のDMF(5mL)溶液を加えた。得られた混合物を60℃で2時間加熱し、次いで冷却して酢酸エチル(500mL)で希釈した。分離した有機層をブライン(200mL,4×100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そしてエバポレートして淡褐色残渣(2.04g)を得た。この粗製物質を、熱酢酸エチルからの再結晶により精製して冷却の際に4−{[2−(4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェノキシ)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ}ベンゾニトリルを薄いベージュ色の綿状粉末(1.20g,2.447mmol,61%)として得た;m.p.163−166℃;Rf 0.30(酢酸エチル),c.f.0.75[2−ブロモ−l−(4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェノキシ)エタン];
4−{[2−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェノキシ)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ}ベンゾニトリル(STX300)および4−{[2−(4−ヒドロキシ−フェノキシ)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ}ベンゾニトリル(STX291)(LWO02089)
4−{[2−(4−ベンジルオキシ−3−ブロモフェノキシ)エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ}ベンゾニトリル(902mg,1.839mmol)の蒸留THF(45mL)攪拌溶液に、連続して無水エタノール(45mL)およびPd/C(10%,90mg)を加えた。この黒色懸濁液を次いで水素雰囲気(バルーン)下で2日間攪拌した。支持された触媒をろ過により除き、蒸留THFで完全に洗浄した後、濾液をエバポレートしてベージュ色の残渣(860mg)を得た。DMF(10mL)中のこの残渣をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/アセトン,4:1〜アセトンの勾配)で分画し、分離した3番目の画分をエバポレートして湿潤なクリーム状の残渣を得た。これをエーテル(50mL)中で粉砕した。形成した沈殿をろ過し、水で完全に洗浄し、そして一晩風乾してLWO02089をオフホワイト粉末(453mg)として得た;Rf 0.40(酢酸エチル),c.f.0.50(S.M.);
スルファミン酸2−ブロモ−4−{2−[(4−シアノフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]エトキシ}フェニルエステル(STX301)およびスルファミン酸4−{2−[(4−シアノフェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]エトキシ}フェニルエステル(STX292)(LWO02090)
LWO02089(289mg,699.5μmol)の無水N,N−ジメチルアセトアミド(DMA,10mL)の攪拌溶液に、室温で塩化スルファモイルのトルエン(約0.59M,4.7mL)溶液を加え、そして得られた混合物を、窒素雰囲気下で一晩攪拌した。次いで、酢酸エチル(100mL)をこの反応混合物に加え、そして分離した有機層をブライン(100mL,4×50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そしてエバポレートして白色綿状残渣(347mg)を得た。酢酸エチル中のこの粗製物質を、シリカのショートカラムを通してろ過し、合わせた濾液をエバポレートしてLWO02090を白色綿状残渣(310mg,646.8μmol,92.5%)として得た;Rf 0.29(酢酸エチル),c.f.0.35(S.M.);
(6−ベンジルオキシ−ナフタレン−2−カルボン酸ベンジルエステル(JRL01001))
DMF(40mL)中のNaH(60%、1.37g、34.3mmol)の攪拌懸濁物に、0℃にて、窒素条件下で6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(3.0g、15.6mmol)を添加した。得られた褐色混合物を、30分間攪拌してその後、臭化ベンジル(5.99g、34.3mmol)を添加した。一晩攪拌した後、反応混合物を水に注ぎ、水層を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン(4×100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)そしてエバポレートして粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル、10:1)で分画して、白色固体としてJRL01001(4.3g、75%)を得た;Rf(ヘキサン/酢酸エチル、10:1)0.42;δH
(6−ベンジルオキシ−ナフタレン−2−イル)−メタノール(JRL01003))
THF(100mL)中のLiAlH4(240mg、6.0mmol)の攪拌懸濁物に、室温にて、窒素下で、THF中のJRL01001(1.99g、5.4mmol)の溶液を添加した。2時間攪拌した後、出発物質がTLCによって検出されなくなった時点で、この反応混合物をエバポレートした。この残渣を、酢酸エチル(100mL)で処理し、そして得られた有機層を希塩化アンモニウム溶液(50mL)およびブライン(3×50mL)で洗浄して、乾燥させ(Na2SO4)、そしてエバポレートした。このようにして得られた粗生成物を、熱エタノールで再結晶化して、白色固体としてJRL01003(1.16g、81%)を得た;m.p.138.0−138.5℃;Rf0.26(ヘキサン/酢酸エチル、2:1);δH
(2−ベンジルオキシ−6−ブロモメチル−ナフタレン(JRL01006))
乾燥CH2Cl2(60mL)中のJRL01003(1.29g、4.9mmol)の攪拌溶液に、0℃で、窒素下で、PBr3(1.33g、4.9mmol)を添加した。白色懸濁物がまず形成されたが、その後、これは淡黄混合物に変わった。反応混合物を、0℃2時間および室温1時間にわたって攪拌した後、これを氷/水に注いだ。有機層を分離して、水層をジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、エバポレートして、白色固体としてJRL01006(1.51g、94%)を得た;Rf0.28(ヘキサン/酢酸エチル、10:1);δH
(4−[(6−ベンジルオキシ−ナフタレン−2−イルメチル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(JRL01010))
DMF(10mL)中のNaH(60%、144mg、3.6mmol)の攪拌溶液に、0℃で窒素下で、DMF(10mL)中の4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)ベンゾニトリル(LWO02023、667mg、3.6mmol)を添加した。白色懸濁物/混合物が最初に得られたが、その後これは橙色に変わった。40〜50℃にて窒素下で、1時間攪拌した後、この反応混合物を室温まで冷却して、JRL01006(1.21g、3.7mmol)を添加した。この溶液を、一晩、窒素下で室温にて攪拌し、次いでジクロロメタン(100mL)で希釈した。有機層をブライン(4×50mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そしてエバポレートして淡黄固体としてJRL01010(994mg、64%)を得た;Rf0.42(酢酸エチル);
(4−[(6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イルメチル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(JRL01012、STX335))
THF/MeOH(1:1、180mL)中のJRL01010(906mg、2.1mmol)の攪拌溶液に、Pd−C(10%、250mg)を添加した。水素(バルーン)雰囲気下で懸濁物を一晩攪拌した後、これを、セライトを通してろ過し、そしてこの濾過物をエバポレートして灰色粗生成物を得た。熱酢酸エチル中で粉砕した際、得られた淡灰色固体を濾過して乾燥させ、JRL01012(STX335、444mg、62%)を得た;m.p.281−284℃;Rf0.26(酢酸エチル);
(スルファミン酸6−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−メチル}−ナフタレン−2−イルエステル(JRL01014、STX336))
DMA(2mL)中のJRL01012(181mg、530μmol)の攪拌溶液に、窒素下で、スルファモイルクロリド(1.2mmol)を添加した。室温で一晩攪拌し後、この反応混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈した。次いで、有機層をブラインで洗浄し(4×30mL)、乾燥させ(Na2SO4)、そしてエバポレートして、白色固体としてJRL01014(STX336、189mg、85%)を得た。この固体の70mgの量を、アセトン/ヘキサンから再結晶させて、白色結晶(40mg)を得た;m.p.125−127℃;Rf0.23(酢酸エチル);
(3−ベンジルオキシ(benzyoxy)臭化ベンジル(OBS01018))
K.Thakkarら、J.Med.Chem.,1993,36(20),2950によって報告された手順を使用した。
三臭化リン(1.96mL、20.6mmol)を、無水ジクロロメタン(90mL)中の3−ベンジルオキシベンジルアルコール(4.29g、20mmol)の溶液に0℃で添加した。この混合物を、0℃で2時間攪拌し、次いで室温で1時間攪拌した。この反応物を、氷/水(400mL)に注ぎ、室温まで温めた。この水溶液を、Et2O(5×100mL)で抽出し、そして合わせたエーテル溶液を乾燥させた(MgSO4)。減圧下で濃縮して淡黄油状物を得た。これを、放置して結晶化させ、無色針状晶(4.93g、89%)としてOBS01018を得た。TLC[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]Rf=0.9;m.p.55−56℃[Lit.(石油エーテル):55℃];
(4−[(3−ベンジルオキシベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(OBS01019、STX675))
無水DMF(20mL)中のNaH(油中60%分散、0.22g、5.4mmol)の懸濁物に、室温で、無水DMF(4mL)中の4−[(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(LWO02023を参照のこと)(1.0g、5.4mmol)の溶液を添加し、そしてこの混合物を、1時間にわたって乾燥窒素のポジティブフロー下で攪拌した。次いで、橙黄色懸濁物を、無水DMF(5mL)中のOBS01018(1.57g、5.66mmol)の溶液で処理し、そしてこの混合物を室温で一晩攪拌した。この混合物を分離漏斗に移して、EtOAc(100mL)で希釈した。有機層を、水(4×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、そして乾燥させた(MgSO4)。減圧下で濃縮して残渣を得た。これを、i−PrOHから再結晶化して白色固体としてOBS01019(0.58g、28%)を得た。TLC[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]Rf=0.15(254nmで青色蛍光);
tR=6.81分、M+H=382(APCIを用いる、PDA検出器を備えるWaters 2790 Alliance HPLC/ZQ MicroMass spectrometer、勾配溶出:5:95MeCN/H2O−95:5MeCN/H2O10分、次いで95:5MeCN/H2O−5:95MeCN/H2O Waters「Symmetry」C18(パッキング:3.5μm)、100mmカラムを用いる;HPLC(Waters「Symmetry」C18(パッキング:3.5μm)、4.6×150mmカラムを使用する、PDA検出器を備えるWaters717+Autosampler、90:10MeOH/H2O)tR=2.27分(98%純度)。
(4−[(3−ヒドロキシベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(OBS01022、STX333)
THF−MeOH(1:1)(20mL)中のOBS01019(0.4g、1.05mmol)の溶液に、THF(2mL)中のPd−C(10%、0.24g、2.26mmol)のスラリーを添加し、そしてこの混合物を、水素雰囲気下(バルーン)で21時間攪拌した。この懸濁液をセライトに通してろ過し、そして合わせた濾過物を、減圧下で濃縮して褐色残渣を得、放置して凝固させた。EtOHからの再結晶により、白色固体としてOBS01022(STX333)(0.27g、88%)を得た。TLC[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]
HPLC(Waters「Symmetry」C18(パッキング:3.5μm)、4.6×150mmカラムを使用する、PDA検出器を備えるWaters717+Autosampler、70:30MeOH/H2O)tR=2.22分(92%純度)。
(4−[(3−O−スルファモイルベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(OBS01030、STX334))
DMA(2mL)中のOBS01022(100mg、340μmol)の氷冷溶液に、DMA(2mL)中のスルファモイルクロリド(0.59M溶液トルエン、1.2mL、0.69mmol)を添加し、そしてこの混合液を窒素下で一晩攪拌した。この混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、そしてブライン(3×100mL)で洗浄した。この有機溶液を、乾燥させ(Na2SO4)、そして減圧下で濃縮して無色残渣を得、これを放置して凝固させた。アセトン−石油エーテル(40−60)からの再結晶により、無色固体としてOBS01030(STX334)(0.06g、47%)を得た。TLC[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]
HPLC(Waters「Symmetry」C18(パッキング:3.5μm)、4.6×150mm カラムを使用する、PDA検出器を備えるWaters 717+Autosampler、)、70:30MeOH/H2O)tR=2.13分(99%純度)。
(3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(OBS01058))
A.F.Barreroら,Tetrahedron,1998,54,5635によって報告された手順を使用した。
アセトン(150mL)中の3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(6.9g、50mmol)および炭酸カリウム(14.5g)の懸濁物に、臭化ベンジル(11.96mL、101mmol)を添加し、そしてこの混合物を、還流して15時間加熱した。この反応物を冷却し、そして溶媒を減圧下で除去して、淡褐色残渣を得た。この残渣を、Et2O(200mL)に再溶解し、水(3×200mL)で洗浄し、そして乾燥させた(Na2SO4)。減圧下で濃縮して、淡黄固体を得、これを、EtOHから再結晶化して、白色粉末としてOBS01058(13.84g、87%)を得た。TLC[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]
(3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンジルアルコール(OBS01060))
参考文献:L.Lisowskiら、Bioorg.Med.Chem.Lett.,2001,11(16),2205
無水THF(50mL)中のOBS01058(3.18g、10mmol)の溶液に、ホウ化水素ナトリウム(378mg、10mmol)を添加し、そしてこの混合物を、室温で4時間攪拌した。この反応物を、水を注意深く添加してクエンチし(注意!!)、セライトを通してろ過し、そして減圧下で濃縮し、黄油状物を得た。この油状物を、MeOHから再結晶化して、無色針状晶としてOBS01060(2.97g、93%)を得た。TLC[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]
OHシグナルは、広範囲すぎて観察できなかった。
(3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンジルブロマイド(OBS01061))
参考文献:K.Thakkarら、J.Med.Chem.,1993,36(20),2950。
三臭化リン(0.98mL、10.3mmol)を、無水DCM(45mL)中のOBS01060(3.20g、10mmol)の溶液に、0℃で添加した。この混合物を、0℃で2時間攪拌し、次いで室温で1時間攪拌した。この反応物を、氷水(200mL)に注ぎ、室温まで温めた。この水溶液を、Et2O(5×50mL)で抽出し、そして合わせたエーテル溶液を乾燥させた(MgSO4)。減圧下で濃縮して無色油状物を得、これを、放置して凝固させ、白色固体としてOBS01061(3.10g、78%)を得た。TLC[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]
(4−[(3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(OBS01066、STX676))
NaH(油中60%分散、0.22g、5.4mmol)の無水DMF(20mL)懸濁液に、室温にて、4−[(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(1.0g、5.4mmol)の無水DMF(4mL)溶液を加え、そしてこの混合物を、窒素下で1時間攪拌した。次いで、この橙色〜黄色の懸濁液を、OBS01061(2.07g、5.67mmol)の無水DMF(5mL)溶液で処理し、そしてこの混合物を、室温にて一晩攪拌した。この混合物を、分離漏斗に移し、そしてEtOAc(100mL)で希釈した。有機層を、水(4×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、そして乾燥した(MgSO4)。減圧下での濃縮によって残渣を得、これを、EtOHから再結晶化して、オフホワイトの固形物(1.66g、63%)としてOBS01066(STX676)を得た。TLC[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]Rf=0.1(254nmでの青色蛍光);
LC−MS(APCIを使用するPDA検出器を備えた、Waters 2790 Alliance HPLC/ZQ MicroMass分光計)、tR(勾配溶出:Waters「Symmetry」C18(パッケージング:3.5μm)、100mmカラム)=7.68分(M+H=488)を使用した、10分間にわたる5:95 MeCN/H2O−95:5 MeCN/H2O、次いで、95:5 MeCN/H2O−5:95 MeCN/H2O;HPLC(PDA検出器を備えたWaters 717+Autosampler(Waters「Symmetry」C18(パッケージング:3.5μm)、4.6×150mmカラム、90:10 MeOH/H2Oを使用する)tR=2.43分(純度98%)。
(4−[3,4−ビス(ヒドロキシベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(OBS01067、STX355))
OBS01066(0.98g、2.01mmol)のTHF−MeOH(1:1)(20mL)溶液を、Pd−C(10%,0.10g)のTHF(2mL)のスラリーに加え、そしてこの混合物を、水素(バルーン)の雰囲気下で24時間攪拌した。この懸濁液を、セライトを通して濾過し、そして合わせた濾液を減圧下で濃縮して、褐色の残渣を得た。MeOHからの再結晶化によって、白色固形物(0.14g、21%)としてOBS01067(STX355)を得た。TLC[SiO2,EtOAc−n−ヘキサン(1:1)];Rf=0.6;
LC−MS(APCIを使用するPDA検出器を備えた、Waters 2790 Alliance HPLC/ZQ MicroMass分光計)、tR(勾配溶出:Waters「Symmetry」C18(パッケージング:3.5μm)、100mmカラムを使用した、10分間にわたる5:95 MeCN/H2O−95:5 MeCN/H2O、次いで、95:5 MeCN/H2O−5:95 MeCN/H2O)=7.68分(M+H=488);HPLC(PDA検出器を備えたWaters 717+Autosampler(Waters「Symmetry」C18(パッケージング:3.5m)、4.6×150mmカラム、70:30 MeOH/H2Oを使用する)tR=3.02分(純度99%)。
(3−メトキシ−4−ベンジルオキシベンズアルデヒド(OBS01056))
A.I.Meyersら、Heterocycles,1989,295によって報告された手順を使用した。
バニリン(7.7g、50.67mmol)のEtOH(40mL)溶液に、炭酸カリウム(7.9g、57.35mmol)および臭化ベンジル(6.0mL、50.67mmol)を加え、そしてこの混合物を、室温にて一晩攪拌した。この反応物を、セライトを通して濾過し、そしてこの濾液を、減圧下で濃縮した、この残渣を、DCM(250mL)中に再溶解し、そして水性NaOH(5%w/v、2×100mL)で洗浄し、そして有機層を乾燥した(Na2SO4)。減圧下で濃縮し、そしてEtOHから得られた残渣を再結晶化することによって、白色粉末(11.16g、91%)としてOBS01056を得た。
(3−メトキシ−4−ベンジルオキシベンジルアルコール(OBS01063))
A.van Oeveranら、J.Org.Chem.,1994,59(20),5999によって報告された手順を使用した。
OBS01056(5.0g、20.64mmol)の無水DCM(25mL)溶液に、ホウ化水素ナトリウム(0.97g、25.59mmol)のMeOH(12mL)懸濁液を加え、そしてこの混合物を、室温にて18時間攪拌した。この反応物を、水(50mL)の注ぎ(注意のこと)、そしてDCM(3×50mL)で抽出し、そして乾燥した(MgSO4)。減圧下で濃縮して、白色残渣を得た。Et2O−石油エーテルを再結晶化することによって、無色針状物(4.91g、97%)としてOBS01063を得た。
(3−メトキシ−4−ベンジルオキシベンジルブロミド(OBS01070))
A.van Oeveranら、J Org.Chem.,1994,59(20),5999によって報告された手順を適用した。
三臭化リン(0.98mL、10.3mmol)を、OBS01063(2.44g、10mmol)の無水DCM(20mL)溶液に、0℃にて加えた。この混合物を、0℃にて2時間攪拌し、次いで室温にて1時間攪拌した。この反応物を、氷水(400mL)に注ぎ、そして室温まで温めた。水溶液を、DCM(5×100mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を、乾燥した(MgSO4)。減圧下で濃縮することによって、オフホワイトの残渣を得、これをn−ヘキサンから再結晶化して、無色針状物(2.52g、82%)としてOBS01070を得た。
(4−[(3−ベンジルオキシ−4−メトキシベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(OBS01071、STX677))
NaH(油中60%分散、0.22g、5.4mmol)の無水DMF(20mL)の懸濁液に、室温にて、4−[(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(1.0g、5.68mmol)の無水DMF(4mL)溶液を加え、そしてこの混合物を、窒素下で1時間攪拌した。次いで、この橙色〜黄色懸濁液を、OBS01071(1.66g、5.4mmol)の無水DMF(5mL)溶液で処理し、そしてこの混合物を、室温にて一晩攪拌した。この混合物を、分離漏斗に移し、そしてEtOAc(200mL)で抽出した。有機層を、水(4×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、そして乾燥した(MgSO4)。減圧下で濃縮して残渣を得、これを、i−PrOHから再結晶化して、オフホワイトの粉末(769mg、35%)としてOBS01071(STX677)を得た。TLC[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]Rf=0.15(254nmでの青色蛍光);
LC−MS(APCIを使用するPDA検出器を備える、Waters 2790 Alliance HPLC/ZQ MicroMass分光計)、tR(勾配溶出:Waters「Symmetry」C18(パッケージング:3.5μm)、100mmカラム)=6.61分(M+H=412)を使用した、10分間にわたる5:95 MeCN/H2O−95:5 MeCN/H2O、次いで、95:5 MeCN/H2O−5:95 MeCN/H2O;HPLC(PDA検出器を備えたWaters 717+Autosampler(Waters「Symmetry」C18(パッケージング:3.5μm)、4.6×150mmカラム、90:10 MeOH/H2O)tR=2.19分(純度95%)。
(4−[(3−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H[1,2,4]トリアゾール(OBS01076、STX362))
OBS01071(411mg、999μmol)のTHF−MeOH(1:1)(20mL)溶液に、Pd−C(10%、42mg)のTHF(2mL)のスラリーを加え、そしてこの混合物を、水素(バルーン)雰囲気下で48時間攪拌した。この混合物を、セライトを通して濾過し、そして合わせた濾液を減圧下で濃縮して、褐色の残渣を得、これを静置することによって固化した。i−PrOHからの再結晶化によって、無色粉末(232mg、72%)としてOBS01076(STX362)を得た。TLC [SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]Rf=0.52;
HPLC(PDA検出器を備えたWaters 717+Autosampler(Waters「Symmetry」C18(パッケージング:3.5μm)、4.6×150mmカラム、80:20 MeOH/H2Oを使用する)tR=2.59分(純度95%)。
(4−[(4−メトキシ−3−O−スルファモイルベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(OBS01135、STX660))
OBS01076(100mg、310μmol)のDMA(10mL)氷冷溶液に、スルファモイルクロリド(0.69M溶液トルエン、2.71mL−添加前に、トルエンを減圧下で除去した(水浴の温度を、30℃を超えないようにした)、8.1mmol)を加え、そしてこの混合物を、窒素下で一晩攪拌した。この混合物を、EtOAc(100mL)で希釈し、そして水(3×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。この有機溶液を、乾燥し(MgSO4)、そして減圧下で濃縮して、白色残渣としてOBS01135(STX660)を得、これを、n−ヘキサン(40mg、32%)を加えることによって、EtOAc溶液から沈殿させた。
LC−MS(APCIを用いるPDA検出器を備えた、Waters 2790 Alliance HPLC/ZQ MicroMass分光計)、tR(勾配溶出:Waters「Symmetry」C18(パッケージング:3.5μm)、100mmカラムを用いた、10分間にわたる5:95 MeCN/H2O−95:5 MeCN/H2O、次いで、95:5 MeCN/H2O−5:95 MeCN/H2O)=4.29分(M+H=401);HPLC(PDA検出器を備えたWaters 717+Autosampler(Waters「Symmetry」C18(パッケージング:3.5μm)、4.6×150mmカラム、80:20 MeOH/H2Oを使用する)tR=3.95分(純度88%)。
(4−メトキシ−3−ベンジルオキシベンズアルデヒド(OBS01054))
A.I.Meyersら、Heterocycles,1989,295によって報告された手順を使用した。
イソバニリン(7.7g、50.67mmol)の水(50mL)の懸濁液に、水酸カリウム(3.4g、60mmol)を加え、そしてこの混合物を、0.25時間攪拌した。次いで、この同種溶液を、臭化ベンジル(6.0mL、50.67mmol)で処理し、そしてこの混合物を、還流下で5時間加熱した。この反応物を、DCM(200mL)で希釈し、水(2×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、そして乾燥した(Na2SO4)。減圧下で濃縮し、そしてEtOHから得られた黄色残渣を再結晶化することによって、無色粉末(11.28g、92%)としてOBS01054を得た。
(4−メトキシ−3−ベンジルオキシベンジルアルコール(OBS01062))
A.I.Meyersら、Heterocycles,1989,295によって報告された手順を使用した。
OBS01054(5.0g、20.64mmol)のEtOH(60mL)溶液に、ホウ化水素ナトリウム(1.23g、32.40mmol)を加え、そしてこの混合物を、室温にて18時間攪拌した。この反応物を、還流下で1時間加熱し、冷却し、そして水性塩化アンモニウム(50%w/v、250mL)にデカンタした(注意のこと)。この水溶液を、Et2O(3×100mL)で抽出し、ブライン(100mL)で洗浄し、そして乾燥した(Na2SO4)。減圧下で濃縮して、白色残渣を得た。EtOAc−石油エーテルから再結晶化することによって、無色針状物(4.91g、97%)としてOBS01062を得た。
(4−メトキシ−3−ベンジルオキシベンジルブロミド(OBS01068))
A.I.Meyersら、Heterocycles,1989,295によって報告された手順を使用した。
三臭化リン(0.98mL、10.3mmol)を、OBS01062(2.44g、10mmol)の無水THF(20mL)溶液に、0℃にて加えた。この混合物を、0℃にて2時間攪拌し、次いで、室温にて1時間攪拌した。減圧下で濃縮することによってオフホワイトの残渣を得、これを、DCM−n−ヘキサンから再結晶化して、白色粉末(2.95g、96%)としてOBS01068を得た。
(4−[(3−ベンジルオキシ−4−メトキシベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(OBS01069))
NaH(油中60%分散、220mg、5.4mmol)の無水DMF(20mL)の懸濁液に、室温にて、4−[(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(1.0g、5.68mmol)の無水DMF(4mL)溶液を加え、そしてこの混合物を、窒素下で1時間攪拌した。次いで、この橙色〜黄色の懸濁液を、OBS01068(1.66g、5.4mmol)の無水DMF(5mL)溶液で処理し、そしてこの混合物を、室温にて一晩攪拌した。この混合物を、分離漏斗に移し、そしてEtOAc(200mL)で希釈した。この有機層を、水(4×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、そして乾燥した(MgSO4)。減圧下で濃縮することによって残渣を得、これを、EtOHから再結晶化して、オフホワイトの粉末(970mg、44%)としてOBS01069を得た。TLC[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]Rf=0.12(254nmでの青色蛍光);
(4−[(3−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(OBS01080、STX363))
THF−MeOH(1:1)(20mL)中のOBS01069(411mg、999μmol)の溶液に、THF(2mL)中のPd−Cのスラリー(10%、42mg)を添加し、そしてこの懸濁液を、水素雰囲気下(バルーン)で、48時間、撹拌した。この懸濁液を、セライトを通してろ過し、そして合わせたろ液を、減圧下で濃縮して、褐色の残渣を得た。i−PrOHからの再結晶により、白色粉末としてOBS01080(STX363)を得た(164mg、51%)。
(4−[(4−メトキシ−3−O−スルファモイルベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(OBS01137、STX661))
DMA(10mL)中のOBS01080の氷冷した溶液(100mg、310μmol)に、スルファモイルクロリド(0.69M溶液トルエン、2.71mL−添加の前にトルエンを、減圧下で除去した(水浴の温度が30度を超えないようにした)、8.1mmol)を添加し、そしてこの混合物を、窒素下で一晩撹拌した。この混合物を、EtOAc(100mL)で希釈し、そして水(3×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、そして減圧下で濃縮して、無色の残渣としてOBS01137(STX661)を得、n−ヘキサン(40mg、32%)の添加により、この残渣をEtOAc溶液から沈殿させた。
(3−ブロモ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(OBS01057))
S.Kellyら、Helv.Chim.Acta.、1989、72、594により報告されている手順を適用する。氷AcOH(120mL)中の4−ヒドロキシベンズアルデヒド(30.0g、245.67mmol)の氷冷した溶液に、臭素(12.6mL、257.61mmol)を添加した。この混合物を、室温で一晩撹拌し、水(600mL)で希釈し、そしてDCM(3×120mL)で抽出した。合わせた有機画分を、水(600mL)、希炭酸水素ナトリウム溶液(2×600mL)およびブライン(600mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、そして減圧下で濃縮して、褐色の残渣を得た。トルエンからの再結晶により、桃色がかった褐色の結晶化固体としてOBS01057を得た(26.3g、53%)。
(3−ブロモ−4−ベンゾイルオキシベンズアルデヒド(OBS01072))
EtOAc(100mL)中のOBS01057(8.0g、40.0mmol)の溶液に、NEt3(5.58mL、40.0mmol)を添加し、そしてこの混合物を、室温で0.5時間、撹拌した。次いで、ベンゾイルクロリド(4.64mL、40.0mmol)を添加し、そしてこの反応物を、室温で5時間撹拌した。沈殿させたNEt3HClをろ過して取り除き、そして有機溶液を乾燥させた(Na2SO4)。減圧下での濃縮により灰色の残渣を得た。EtOAc−石油エーテルからの再結晶により、黄色固体としてOB01072を得た(10.9g、89%)。
(3−ブロモ−4−ベンゾイルオキシベンジルアルコール(OBS01074))
無水THF(25mL)中のOBS01072(6.10g、19.99mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(1.13g、29.99mmol)を添加し、そしてこの混合物を、室温で4時間撹拌した。水の慎重な添加(注意のこと)により反応をクエンチし、セライトを通してろ過し、そして乾燥させた(MgSO4)。減圧下での濃縮により黄色油を得、そして放置して結晶化させた。Et2Oからの再結晶により、無色の針状物として3−ブロモ−4−ベンジルオキシベンジルアルコールを得た(5.89g、96%)。
(3−ブロモ−4−ベンジルオキシベンジルブロミド(OBS01089))
無水ジクロロメタン(45mL)中のOBS01074(3.07g、10.0mmol)の溶液に、0℃で、三臭化リン(0.98mL、10.3mmol)を添加した。この混合物を、0℃で2時間、次いで、室温で1時間、撹拌した。この反応物を、氷水(400mL)中に注ぎ、そして室温まで温めた。この水溶液を、ジエチルエーテル(5×100mL)を用いて抽出し、そして合わせたエーテル溶液を乾燥させた(MgSO4)。減圧下での濃縮により黄色油を得た。重力カラムクロマトグラフィー[SiO2、EtOAc−石油エーテル(1:7)]による精製により、無色の針状物としてOBS01089を得た(3.22g、87%)。
(4−[(4−ベンジルオキシ−3−ブロモベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(OBS01131))
無水DMF(20mL)中のNaH(油中の60%分散体、220mg、5.4mmol)の懸濁液に、室温で、無水DMF(4mL)中の4−[(4−シアノフェニルアミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(1.0g、5.68mmol)の溶液を添加し、そしてこの混合物を、窒素下で1時間撹拌した。次いで、橙色がかった黄色(orange−yellow)の懸濁液を、無水DMF(5mL)中のOBS01089(2.00g、5.4mmol)の溶液で処理し、そしてこの混合物を、室温で一晩撹拌した。この混合物を分液漏斗に移し、そしてEtOAc(200mL)で希釈した。有機層を、水(4×200mL)、ブライン(200mL)で希釈し、そして乾燥させた(MgSO4)。減圧下での濃縮により残渣を得、この残渣を、i−PrOHから再結晶して、無色の固体としてOBS01131を得た(1.99g、78%)。
(4−[(3−ブロモ−4−ヒドロキシベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(OBS01132、STX405))
MeOH(10mL)中のOBS01131(2.0g、4.22mmol)の懸濁液に、水酸化カリウム(1.42g、25.3mmol)を添加し、そして混合物を、室温で2時間、撹拌した。この溶媒を、減圧下で除去し、そしてアルカリスラリーのpHを、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を用いる処理により約pH6〜7まで調整した。無色の沈殿物をろ過して取り除き、最小限冷水で洗浄し、そしてi−PrOH中で沸騰させて、無色の粉末としてOBS01091(STX405)を得た(1.20g、77%)。
(4−[(3−ブロモ−4−O−スルファモイルベンジル)(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(OBS01141、STX681))
DMA(10mL)中のOBS01132(500mg、1.35mmol)の氷冷溶液に、スルファモイルクロリド(0.69M溶液トルエン、11.7mL−添加の前にトルエンを、減圧下で除去した(水浴の温度が30度を超えないようにした)、8.1mmol)を添加し、そしてこの混合物を、窒素下で一晩、撹拌した。この混合物を、EtOAc(100mL)で希釈し、そして水(3×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO4)、そして減圧下で濃縮して無色の残渣を得、n−ヘキサン(463mg)の添加により、この残渣を、EtOAcから沈殿させた。次いで、白色固体(200mg)を、勾配溶出重力カラムクロマトグラフィー[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:4)−EtOAc(100%)]により精製して、白色固体としてOBS01141(STX681)を得た(クロマトグラフィー後、107mg、44%)。
HPLCは、OBS01091(STX405)とOBS01141(STX681)とを区別し得ない。LC−MS/1H−NMRは、OBS01141(STX681)[M+H]=450のサンプルが、約6.66%の出発物質OBS01091(STX405)[M+X]=371を含むことを示す。
(4−[(2−ブロモ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03031))
DMSO(25mL)中の4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)−ベンゾニトリル(926mg、5.0mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%、240mg、6.0mmol)を室温で添加した。この混合物を、この温度で1時間撹拌し、そして1,2−ジブロメタン(5mL)を添加した。この反応混合物を、一晩撹拌し、そして酢酸エチル(100mL)を添加した。この混合物を、分液漏斗に移し、そして水(100mLを2回)およびブライン(20mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で(水浴温度<30℃)で濃縮した。得られた橙色の油状物を、ジエチルエーテル(100mL)と混合し、そしてシリカの層(約5cm)を通してろ過した。このシリカを、より多い量のジエチルエーテル(約100mL)で洗浄して過剰の1,2−ジブロモエタンを除去した;粗生成物を、アセトン(120mL)を用いてシリカから洗い出した。このアセトン溶液を、減圧下で濃縮し、そして残渣を、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル)により精製して、白色固体として表題の化合物を得た。収率:628mg(43%)。
(4−{[2−(4−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB02137、STX456))
DMF(10mL)中の4−[(2−ブロモ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB03031、146mg、0.50mmol)、4−ヒドロキシチオフェノール(126mg、1.0mmol)および炭酸カリウム(138mg、1.0mmol)の混合物を、室温で一晩、撹拌した。この混合物を、分液漏斗に移し、そして酢酸エチル(50mL)および水(50mL)を添加した。有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。この残渣をメタノールから結晶化した。収率:116mg(69%)無色結晶。
(4−{[2−(3−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−エチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}ベンゾニトリル(CAB02149、STX512))
DMF(10mL)中の4−[(2−ブロモ−エチル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02148=CAB03031、146mg、0.50mmol)、3−(tert−ブチル−ジメチルシロキシ)−チオフェノール(240mg、1.0mmol)および炭酸カリウム(276mg、2.0mmol)の混合物を、室温で48時間、撹拌した。この混合物を、分液漏斗に移し、そして酢酸エチル(50mL)および水(50mL)を添加した。有機層を分離し、ブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。残渣を、メタノールから結晶化した。収率:93mg(55%)無色結晶。
(4−[(3−ブロモ−プロピル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02180、STX595))
水素化ナトリウム(60%、240mg、6.0mmol)を、DMSO(25mL)中の4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)−ベンゾニトリル(926mg、5.0mmol)の溶液に室温で添加した。この混合物を、この温度で1時間撹拌し、そして1,3−ジブロモプロパン(5mL)を添加した。この反応混合物を、一晩撹拌し、そして酢酸エチル(100mL)を添加した。この混合物を分液漏斗に移し、そして水(100mLで2回)およびブライン(20mL)を用いて抽出した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下(水浴温度<30℃)で濃縮した。得られた橙色の油を、ジエチルエーテル(100mL)と混合し、そしてシリカの層(約5cm)を通してろ過した。このシリカを、さらなるジエチルエーテル(約100mL)で洗浄して過剰な1,3−ジブロモプロパンを除去し、アセトン(120mL)を用いて、このシリカから粗生成物を洗い出した。このアセトン溶液を、減圧下で濃縮し、そして残渣を、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル)により精製して、白色の固体として表題の化合物を得た。収率:792mg(52%)。
(4−{[3−(4−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−プロピル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB0182、STX596))
DMF(10mL)中の4−[(2−ブロモ−プロピル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02180、146mg、0.50mmol)、4−ヒドロキシ−チオフェノール(240mg、1.0mmol)および炭酸カリウム(276mg、2.0mmol)の混合物を、室温にて48時間撹拌した。この混合物を、分離漏斗に移し、そして酢酸エチル(50mL)および水(50mL)を添加した。有機層を分離し、ブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル、Rf:0.31)によって精製し、黄色の油状物を得、これをメタノールから結晶化した。収率:211mg(60%)。
(スルファミン酸4−{3−[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−プロピルスルファニル}−フェニルエステル(CAB02184、STX597))
トルエン中のスルファモイルクロリド溶液(3mL、0.7M、2.1mmol)を、約0.5mLの容積まで、減圧下で濃縮した(30℃の水浴温度)。この残渣を、0℃まで冷却し(氷浴)、そしてN,N−ジメチルアセトアミド(5mL)を添加した。4−{[3−(4−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−プロピル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB02182、140mg、0.40mmol)を、無色の溶液に添加し、そしてこの混合物を室温にて18時間撹拌した。酢酸エチル(50mL)および水(50mL)を、この溶液に添加し、この有機層を分離し、水(2×30mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。この残渣を、少量のアセトンに溶解し、そしてヘキサンの添加によって沈殿させた。この沈殿物を濾過し、そして高真空下で乾燥した。収率:139mg(81%)、明るい黄色粉末。
(4−[(4−ブロモ−ブチル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03001、STX602))
水素化ナトリウム(60%、240mg、6.0mmol)を、室温にて、DMSO(25mL)中の4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)−ベンゾニトリル(926mg、5.0mmol)溶液に添加した。この混合物を、この温度で1時間撹拌し、そして1,4−ジブロモブタン(5mL、約42mmol)を添加した。この反応混合物を一晩撹拌し、そして酢酸エチル(100mL)を添加した。この混合物を、分離漏斗に移し、そして水(100mLで2回)およびブライン(20mL)で抽出した。この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した(水浴温度<30℃)。この得られた有機油状物をジエチルエーテル(100mL)と混合し、そしてシリカの層(約5cm)に通して濾過した。このシリカを、より多くのジエチルエーテル(約100mL)で洗浄し、過剰の1,4−ジブロモブタンを除去した;この粗生成物を、アセトン(120mL)でシリカから洗浄した。このアセトン溶液を減圧下で濃縮し、そして残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル)によって精製し、白色固体として表題の化合物得た。収率:984mg(61%)。
(4−{[4−(4−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−ブチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB03007))
炭酸カリウム(500mg)を、DMF(20mL)中の4−[(2−ブロモ−ブチル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03001、384mg、1.2mmol)および4−ヒドロキシ−チオフェノール(227mg、1.8mmol)の溶液に添加した。この混合物を、室温にて18時間撹拌し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、そして水(30mLを2回)およびブライン(30mL)で抽出した。この有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。この残渣を、カラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル、Rf:0.30)によって精製した。この得られた油状物を、少量の酢酸エチルに溶解し、そして生成物を、ヘキサンを添加することによって沈殿させた。収率:289mg(66%)。
(4−[(5−ブロモ−ペンチル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03005))
水素化ナトリウム(60%、240mg、6.0mmol)を、室温にて、DMSO(25mL)中の4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)−ベンゾニトリル(926mg、5.0mmol)の溶液に添加した。この混合物を、この温度で1時間撹拌し、そして1,5−ジブロモペンタン(5mL)を添加した。この反応混合物を一晩撹拌し、そして酢酸エチル(100mL)を添加した。この混合物を分離漏斗に移し、そして水(100mLで2回)およびブライン(20mL)で抽出した。この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した(水浴温度<30℃)。この得られた有機油状物を、ジエチルエーテル(100mL)と混合し、そしてシリカの層(約5cm)に通して濾過した。このシリカを、より多くのジエチルエーテル(約100mL)で洗浄し、過剰の1,5−ジブロモペンタンを除去した。この粗生成物をアセトン(120mL)でシリカから洗浄した。このアセトン溶液を減圧下で濃縮し、そしてこの残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル)によって精製し、白色固体として表題の化合物を得た。収率:1.01g(60%)。
(4−{[5−(4−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−ペンチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB03014、STX698))
DMF(10mL)中の4−[(2−ブロモ−ペンチル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03005、500mg、1.5mmol)、4−ヒドロキシ−チオフェノール(378mg、3.0mmol)および炭酸カリウム(414mg、3.0mmol)の混合物を、室温にて12時間撹拌した。この混合物を分離漏斗に移し、そして酢酸エチル(50mL)および水(50mL)を添加した。この有機層を分離し、ブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル、Rf:0.43)によって精製した。この得られた黄色油状物を、酢酸エチルに溶解し、そしてヘキサンを添加することによって沈殿させて、明るい黄色粉末を得た。収率:338mg(59%)。
(スルファミン酸4−{5−[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ペンチルスルファニル}−フェニルエステル(CAB03025、STX699))
トルエン中のスルファモイルクロリド溶液(3mL、0.7M、2.1mmol)を、約0.5mLの容積まで減圧下で濃縮した(30℃の水浴温度)。この残渣を0℃まで冷却し(氷浴)、そしてN,N−ジメチルアセトアミド(5mL)を添加した。4−{[3−(4−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−ペンチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB03014、95mg、0.25mmol)を、無色の溶液に添加し、そしてこの混合物を室温にて18時間撹拌した。酢酸エチル(50mL)および水(50mL)をこの溶液に添加し、有機層を分離し、水(30mLで2回)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。この残渣を、少量のアセトンに溶解し、ヘキサンの添加によって沈殿させた。この沈殿物を濾過して取り除き、そして高真空下で乾燥した。収率:103mg(90%)、明るい黄色粉末。
(4−[(10−ブロモ−デシル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03008))
水素化ナトリウム(60%、240mg、6.0mmol)を、室温にて、DMSO(25mL)中の4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)−ベンゾニトリル(926mg、5.0mmol)の溶液に添加した。この混合物を、この温度にて1時間撹拌し、そして1,10−ジブロモデカン(5mL)を添加した。この反応混合物を一晩撹拌し、酢酸エチル(100mL)を添加した。この混合物を分離漏斗に移し、そして水(100mLで2回)およびブライン(20mL)で抽出した。この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した(水浴温度<30℃)。この得られたオレンジ色の油状物を、ジエチルエーテル(100mL)と混合し、そしてシリカの層(約5cm)に通して濾過した。このシリカをより多くのジエチルエーテル(約100mL)で洗浄し、過剰の1,10−ジブロモデカンを除去した。この粗生成物を、アセトン(120mL)でシリカから洗浄した。このアセトン溶液を減圧下で濃縮し、そしてこの残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル)によって精製し、淡黄色の固体として表題の化合物を得た。収率:1.32g(65%)。
(4−{[10−(4−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−デシル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB03011、STX625))
DMF(10mL)中の4−[(2−ブロモ−デシル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03008、607mg、1.5mmol)、4−ヒドロキシ−チオフェノール(378mg、3.0mmol)および炭酸カリウム(414mg、3.0mmol)の混合物を、室温にて12時間撹拌した。この混合物を分離漏斗に移し、そして酢酸エチル(50mL)および水(50mL)を添加した。この有機層を分離し、ブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。この残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル、Rf:0.71)によって精製した。この得られた黄色固体をアセトンに溶解し、ヘキサンの添加によって沈殿させ、明るい黄色粉末を得た。収率:401mg(59%)。
(スルファミン酸4−{10−[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−デシルスルファニル}−フェニルエステル(CAB03012,STX655))
トルエン中のスルファモイルクロリド溶液(3mL、0.7M、2.1mmol)を、約0.5mL容積まで減圧下で濃縮した(30℃の水浴温度)。この残渣を0℃まで冷却し(氷浴)、そしてN,N−ジメチルアセトアミド(5mL)を添加した。4−{[3−(4−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−デシル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB03011、100mg、0.22mmol)を、この無色の溶液に添加し、そしてこの混合物を室温にて18時間撹拌した。酢酸エチル(50mL)および水(50mL)をこの溶液に添加し、この有機層を分離し、水(30mLで2回)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。この残渣を少量のアセトンに溶解し、そしてジエチルエーテルおよびヘキサンの添加によって沈殿させた。この沈殿物を濾過して取り除き、そして高真空下で乾燥した。収率:104mg(88%)、明るい黄色粉末。
(4−ベンジルオキシ−3,5−ジクロロ−安息香酸メチルエステル(CAB02115))
N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)中の3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル(5.525g、25mmol)、ベンジルブロミド(5.13g、30mmol)および炭酸カリウム(6.91g、50mmol)の混合物を、室温にて一晩撹拌した。この反応混合物を、粉砕した氷(約300g)に注ぎ、そしてこの生成物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。この合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。この固体残渣を、酢酸エチルおよびヘキサンから再結晶化した。収率:7.47g(96%)、きれいな白色針状物。
((4−ベンジルオキシ−3,5−ジクロロ−フェニル)−メタノール(CAB02117))
THF(20mL)中の4−ベンジルオキシ−3,5−ジクロロ−安息香酸メチルエステル(CAB02115,7.20g,23.14mmol)溶液を、THF(40mL)中の水素化アルミニウムリチウム(1.50g,39.5mmol)の懸濁物にシリンジでゆっくりと添加した。反応混合物を、室温で30分間攪拌し、次いで、2N水酸化ナトリウム溶液の添加によって注意深くクエンチした。20分の攪拌の後、混合物の色は、灰色から白色に変わった。白色沈殿を、濾過除去し、濾過物を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン/ヘキサンから再結晶化した。収率:5.83g(89%)白色粉末。
(2−ベンジルオキシ−5−ブロモメチル−1,3−ジクロロ−ベンゼン(CAB02118))
三臭化リン(2mL)を、0℃で、ジクロロメタン(80mL)中(4−ベンジルオキシ−3,5−ジクロロ−フェニル)−メタノール(CAB02117,5.50g,19.4mmol)の溶液に添加した。混合物を、この温度で2時間攪拌し、ジエチルエーテル(150mL)で希釈し、分液漏斗に移し、水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン/ヘキサンから再結晶化した。
(4−[(4−ベンジルオキシ−3,5−ジクロロ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02119,STX434))
水素化ナトリウム(60%,200mg,5.0mmol)を、室温で、DMF(20mL)中4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)−ベンゾニトリル(926mg,5.0mmol)の溶液に添加した。混合物を、この温度で1時間攪拌し、2−ベンジルオキシ−5−ブロモメチル−1,3−ジクロロ−ベンゼン(CAB02118,1.73g,5.0mmol)を添加した。反応混合物を、一晩攪拌し、酢酸エチル(75mL)を添加した。混合物を、分液漏斗に移し、水(2×100mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を、2−プロパノール(20mL)中に懸濁し、5分間加熱還流した。白色固体を、室温まで冷却した後、濾過除去し、高圧化で乾燥した。収率:1.76g(78%)。
(4−[(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02120,STX435))
チャコール(100mg,10%Pd)上のパラジウムを、MeOH/THF/EtOAc(30mL/30mL/40mL)中の4−[(4−ベンジルオキシ−3,5−ジクロロ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02119,1.13g,2.50mmol)の溶液に添加した。混合物を、室温にて、18時間水素雰囲気(バルーン)下で攪拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、清浄無色濾過物を、減圧下で濃縮した。残渣を、2−プロパノール(20mL)中に懸濁し、5分間加熱還流した。白色固体を、室温まで冷却後濾過除去し、高圧下で乾燥した。収率:306mg(34%)。
(4−ベンジルオキシ−3−クロロ−安息香酸メチルエステル(CAB02121))
N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル(4.665g,25mmol)、臭化ベンジル(5.13g,30mmol)および炭酸カリウム(6.91g,50mmol)の混合物を、一晩室温で攪拌した。反応混合物を、粉砕した氷(約300g)上に注ぎ、生成物を、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン中に溶解し、ヘキサンの添加によって沈殿した。収率:6.47g(94%)白色粉末。
((4−ベンジルオキシ−3−クロロ−フェニル)−メタノール(CAB02127))
THF(30mL)中、4−ベンジルオキシ−3−クロロ−安息香酸メチルエステル(CAB02121,4.15g,15.0mmol)の溶液を、THF(30mL)中の水素化アルミニウムリチウム(1.0g,26.3mmol)の懸濁液にシリンジを使用してゆっくりと添加した。反応混合物を、室温で30分間攪拌し、次いで、2N 水素化ナトリウム水溶液の添加によって注意深くクエンチした。20分間の攪拌の後、混合物の色は、灰色から白色に変わった。白色沈殿を、濾過除去し、濾過物を、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、無色の油を得、さらに精製することなく使用した。収率:3.61g(97%)。
(1−ベンジルオキシ−4−ブロモメチル−2−クロロ−ベンゼン(CAB02128))
三臭化リン(2mL)を、0℃で、ジクロロメタン(50mL)中(4−ベンジルオキシ−3−クロロフェニル)−メタノール(CAB02127,3.40g,13.7mmol)の溶液中に添加した。混合物を、この温度で1時間攪拌し、ジエチルエーテル(100mL)で希釈し、分液漏斗に移し、そして水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、白色の分析的に純粋な固体を得た。収率:4.27g(100%)。
(4−[(4−ベンジルオキシ−3−クロロ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02129,STX446))
水素化ナトリウム(60%,200mg,5.0mmol)を、室温で、DMF(20mL)中4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)−ベンゾニトリル(926mg,5.0mmol)に添加した。混合物を、この温度で1時間攪拌し、1−ベンジルオキシ−4−ブロモメチル−2−クロロ−ベンゼン(CAB02128,1.56g,5.0mmol)を添加した。反応混合物を、一晩攪拌し、酢酸エチル(75mL)を添加した。混合物を、分液漏斗に移し、水(2回、100mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を、2−プロパノール(20mL)中に懸濁し、5分間加熱還流した。白色固体を、室温まで冷却した後、濾過除去し、高圧下で乾燥した。収率:1.38g(66%)。
(4−[(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02130,STX447)
チャコール(50mg,10%Pd)上のパラジウムを、MeOH/THF/EtOAc (25mL/25mL/25mL)中の4−[(4−ベンジルオキシ−3−クロロ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02129,1.04g,2.50mmol)の溶液に添加した。混合物を、室温にて、18時間水素雰囲気下(バルーン)で攪拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、清浄な無色の濾過物を、減圧下で濃縮した。残渣を、2−プロパノール(20mL)中に懸濁し、5分間加熱還流した。白色固体を、室温まで冷却後、濾過除去し、真空下で乾燥した。収率:484mg(59%)。
(スルファミン酸 2−クロロ−4−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−メチル}−フェニルエステル(CAB03015,STX694))
トルエン中の塩化スルファモイル溶液(3mL,0.7M,2.1mmol)を、約0.5mL容量まで、減圧下(30℃ 水浴温度)で濃縮した。残渣を、0℃(氷浴)まで冷却し、N,N−ジメチルアセトアミド(5mL)を添加した。4−[(3−クロロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02130,163mg,0.50mmol)を無色の溶液に添加し、混合物を、室温で18時間攪拌した。酢酸エチル(50mL)および水(30mL)を、溶液に添加し、有機層を分離し、水(2×30mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残渣を、少量のアセトン中に溶解し、ヘキサンの添加によって沈殿した。沈殿物を、濾過除去し、高圧下で乾燥した。収率:59mg(29%)白色粉末。
(安息香酸 2−クロロ−5−メチル−フェニルエステル(CAB02124))
塩化ベンゾイル(3.51g,25mmol)を、ジクロロメタン(100mL)中の2−クロロ−5メチルフェノール(3.92g,27.5mmol)およびトリエチルアミン(5mL)の溶液に滴下した。混合物を、室温で18時間攪拌し、減圧下で濃縮した。ジエチルエーテル(200mL)および水(100mL)を添加した。有機層を、2NのNaOH(2×100mL)およびブライン(50mL)で分離および抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。得られた無色の油は、冷凍庫中で凝固した。収率:5.82g(94%)。
(安息香酸 5−ブロモメチル−2−クロロ−フェニルエステル(CAB02138))
四塩化炭素(25mL)中の安息香酸 2−クロロ−5−メチル−フェニルエステル(CAB02124,2.47g,10.0mmol)、N−ブロモ−スクシンイミド(1.96g,11.0mmol)およびジベンゾイルペルオキシド(10mg)の混合物を、1時間加熱還流した(TLCコントロール)。室温まで冷却した後、水(50mL)およびジエチルエーテル(100mL)を添加した。有機層を、分離し、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン,1:40,Rf:0.21)によって精製した。収率:2.012g(62%)の無色油(数時間後凝固した)(約10%の安息香酸 5−ジブロモメチル−2−クロロ−フェニルエステルを含む)。
(安息香酸 2−クロロ−5−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]メチル}フェニルエステル(CAB02139))
水素化ナトリウム(60%,200mg,5.0mmol)を、室温で、DMF(20ml)中の4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)−ベンゾニトリル(926mg,5.0mmol)の溶液に添加する。混合物を、室温で1時間攪拌し、5−ブロモメチル−2−クロロ−フェニルエステル(CAB02138,1.63g,5.0mmol)を添加した。反応混合物を、一晩攪拌し、酢酸エチル(75mL)を添加した。混合物を、分液漏斗に移し、水(2×50mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc、Rf:0.31)によって精製し、白色固体を生じた。収率:1.773g(82%)。
(4−[(4−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02141、STX483))
安息香酸2−クロロ−5−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]メチル}−フェニルエステル(CAB02139、1.13g、2.63mmol)およびナトリウムメトキシド(500mg)のメタノール(20mL)および水(5mL)の溶液を加熱して、30分間還流した。室温まで冷却した後、ほとんどの溶媒を減圧下で除去し、そして濃縮し、ナトリウムビカーボネート溶液(20mL)および酢酸エチル(50mL)を加えた。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。生じた白色粉末を酢酸エチル(10mL、生成物は、完全に溶解しなかった)中で還流した。室温まで冷却した後、生成物を濾過し、高真空下で乾燥した。収率:412mg(48%)白色粉末。
(スルファミン酸2−クロロ−5−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−メチル}−フェニルエステル(CAB02176、STX559))
塩化スルファモイルのトルエン溶液(3mL、0.7M、2.1mmol)を、約0.5mL容量まで減圧下で濃縮した(30℃水浴温度)。この残渣を0℃まで冷却し(氷浴)、N,N−ジメチルアセトアミド(5mL)を加えた。4−[(4−クロロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02141、200mg、0.614mmol)を無色の溶液に加え、この混合物を室温で18時間撹拌した。酢酸エチル(50mL)および水(30mL)を、この溶液に加え、有機層を分離し、水(2×30mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。この残渣を少量のアセトンに溶解し、ジエチルエーテルおよびヘキサンの添加により沈殿させた。この沈殿物を濾過し、高真空下で乾燥した。収率:136mg(55%)白色粉末。
(4−ベンジルオキシ−3−クロロ−5−メトキシ−安息香酸ベンジルエステル(CAB02162))
DMF(60mL)中の5−クロロ−バニリン酸(4.05g、20mmol)、臭化ベンジル(8.55g、50mmol)および炭酸カリウム(6.90g、50mmol)の混合物を、室温で18時間撹拌した。この混合物を分離漏斗に移し、酢酸エチル(100mL)および水(100mL)を加え、有機層を分離し、水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。この残渣をジクロロメタン/ヘキサンから結晶化した。収率:7.34g(96%)無色の針状物。
((4−ベンジルオキシ−3−クロロ−5−メトキシ−フェニル)−メタノール(CAB02170))
4−ベンジルオキシ−3−クロロ−5−メトキシ−安息香酸ベンジルエステル(CAB02162、3.83g、10.0mmol)のTHF(20mL)溶液を、THF(30mL)中の水素化アルミニウムリチウム(500mg、13.15mmol)の懸濁液に注射器を用いて滴下した。この混合物を室温で30分間撹拌し、2N NaOH(5mL)を加えた。この混合物をさらに1時間撹拌し、アルミニウム塩を濾過し、この濾液を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。生じた油状物をクーゲルロール蒸留装置中にて、高真空下で120℃まで加熱し、10時間でベンジルアルコールを除去した。生成物を明るい黄色油状物として得、さらに精製することなく使用した。収率:2.70g(97%)。
(2−ベンジルオキシ−1−クロロ−5−クロロメチル−3−メトキシ−ベンゼン(CAB02174))
(4−ベンジルオキシ−3−クロロ−5−メトキシ−フェニル)−メタノール(CAB02170、2.703g、9.7mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、塩化チオニル(2mL)を加えた。この溶液を1時間室温で撹拌し、次いで、ジエチルエーテル(50mL)および水(20mL)を加えた。この有機層を分離し、濃ナトリウムビカーボネート溶液(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。この残渣をジクロロメタン(5mL)中に溶解し、ヘキサン(約50mL)を添加することで沈殿させた。収率:2.730g(95%)白色粉末。
(4−[(4−ベンジルオキシ−3−クロロ−5−メトキシ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02177、STX599))
4−([1,2,4]トリアゾール4−イルアミノ)−ベンゾニトリル(926mg、5.0mmol)のDMF(20mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、200mg、5.0mmol)を室温で加えた。この混合物をこの温度で1時間撹拌し、2−ベンジルオキシ−1−クロロ−5−クロロメチル−3−メトキシ−ベンゼン(CAB02174、1.49g、5.0mmol)を加えた。この反応混合物を一晩撹拌し、酢酸エチル(100mL)および水(50mL)を加えた。この有機層を分離し、水(2×50mL)およびブライン(30mL)で洗浄した。この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。この残渣を2−プロパノ−ル(20mL)中に懸濁し、加熱して5分間還流した。白色固体を濾過し、室温まで冷却した後、高真空下で乾燥した。収率:1.76g(79%)。
(4−[(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02179、STX600))
4−[(4−ベンジルオキシ−3−クロロ−5−メトキシ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02177、1.34g、3.0mmol)のエタノール(60mL)およびTHF(40mL)の溶液に、活性炭担持パラジウム(100mg、5% Pd)を加えた。この混合物を水素雰囲気(バルーン)下で24時間(TLCでモニターして)撹拌し、次いで、セライトに通して濾過し、減圧下で濃縮した。この残渣を高真空下で乾燥した。収率:1.06g(99%)、白色粉末。
(スルファミン酸2−クロロ−4−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−メチル}−6−メトキシ−フェニルエステル(CAB02181、STX601))
塩化スルファモイルのトルエン溶液(3mL、0.7M、2.1mmol)を、約0.5mL容量まで減圧下で濃縮した(30℃水浴温度)。この残渣を0℃まで冷却し(氷浴)、N,N−ジメチルアセトアミド(5mL)を加えた。4−[(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メトキシ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02179、212mg、0.596mmol)を無色の溶液に加え、この混合物を室温で18時間撹拌した。酢酸エチル(50mL)および水(30mL)を、この溶液に加え、有機層を分離し、水(2×30mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。この残渣を少量のアセトンに溶解し、ヘキサンの添加により沈殿させた。この沈殿物を濾過し、高真空下で乾燥した。収率:219mg(84%)白色粉末。
(4−ベンジルオキシ−3−フルオロ−ベンズアルデヒド(CAB03016))
DMF(50mL)中の3−フルオロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(4.90g、35.0mmol)、臭化ベンジル(6.84g、40.0mmol、4.80mL)および炭酸カリウム(9.66g、70.0mmol)の混合物を、室温で18時間撹拌した。この反応混合物を分離漏斗に移し、酢酸エチル(100mL)および水(50mL)を加えた。この有機層を分離し、水(2×50mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。この白色の固体残渣をジクロロメタン/ヘキサンから再結晶した。収率:7.65g(95%)。
(4−ベンジルオキシ−3−フルオロ−フェニル)−メタノール(CAB03017))
4−ベンジルオキシ−3−フルオロ−ベンズアルデヒド(CAB03016、7.32g、31.8mmol)のエタノール(40mL)およびTHF(40mL)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(500mg、13.2mmol)を0℃で加えた。透明で無色の溶液を室温まで加温し、室温で12時間撹拌した。酢酸エチル(150mL)および水(50mL)をこの溶液に加え、この有機層を分離し、水(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。この白色の固体残渣をジクロロメタン/ヘキサンに溶解し、ヘキサンの添加により沈殿させた。この白色粉末を濾過し、高真空下で乾燥した。収率:7.16g(97%)。
(1−ベンジルオキシ−4−クロロメチル−2−フルオロ−ベンゼン(CAB03018))
(4−ベンジルオキシ−3−フルオロ−フェニル)−メタノール(CAB03017、6.80g、29.28mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に、塩化チオニル(5mL)を加えた。この溶液を1時間室温で撹拌し、減圧下で濃縮した。次いで、ジエチルエーテル(100mL)および水(20mL)を加えた。有機層を分離し、濃ナトリウムビカーボネート溶液(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(5mL)中に溶解し、ヘキサン(約50mL)を添加することで沈殿させた。この沈殿物を濾過し、高真空下で乾燥した。収率:7.01g(95%)白色粉末。
(4−[(4−ベンジルオキシ−3−フルオロ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03019、STX695))
4−([1,2,4]トリアゾール4−イルアミノ)−ベンゾニトリル(1.852g、10.0mmol)のDMF(50mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、400mg、10.0mmol)を室温で加えた。この混合物をこの温度で1時間撹拌し、1−ベンジルオキシ−4−クロロメチル−2−フルオロ−ベンゼン(CAB03018、2.51g、10.0mmol)を加えた。この反応混合物を一晩撹拌し、酢酸エチル(200mL)および水(50mL)を加えた。この混合物を分離漏斗に移し、そして水(2×50mL)およびブライン(30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。残渣を2−プロパノ−ル(40mL)中に懸濁し、加熱して5分間還流した。この白色固体を濾過し、室温まで冷却した後、高真空下で乾燥した。収率:3.12g(78%)。
(4−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03020、STX696))
4−[(4−ベンジルオキシ−3−フルオロ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03019、2.83g、7.09mmol)を、エタノール(50mL)、THF(50mL)および酢酸エチル(50mL)の混合物に加熱することで溶解させ、そして活性炭担持パラジウム(150mg、5% Pd)を加えた。この混合物を水素雰囲気(バルーン)下で18時間撹拌し、3cm層のセライトに通して濾過し、減圧下で濃縮した。この残渣を2−プロパノ−ル(30mL)中に懸濁し、この混合物を加熱して5分間還流した。室温まで冷却した後、この白色沈殿物を濾過し、高真空下で乾燥した。収率:2.13g(97%)。
スルファミン酸4−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−メチル}−2−フルオロフェニルエステル(CAB0321,STX700)
トルエン中の塩化スルファモイル溶液(3mL、0.7M、2.1mmol)を減圧下(30℃水浴温度)で容積約0.5mLに濃縮した。その残渣を0℃(氷浴)に冷却し、そしてN,N−ジメチルアセトアミド(5mL)を加えた。4−[(3−フルオロ−4−ヒドロキシ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03020、220mg、0.71mmol)を無色溶液に加え、そしてその混合物を室温で4時間攪拌した。酢酸エチル(50mL)および水(30mL)をその溶液に加え、有機層を分離し、水(2×25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。その残渣をアセトン(5mL)中に溶解し、そしてジエチルエーテルの添加によって沈殿させた。その沈殿物を濾過し、高減圧下で乾燥した。収量:228mg(83%)白粉。
安息香酸2−フルオロ−5−メチル−フェニルエステル(CAB02145)
塩化ベンゾイル(4.22g、30mmol)を、ジクロロメタン(50mL)中の2−フルオロ−5−メチルフェノール(3.784g、30mmol)およびトリエチルアミン(5mL)の溶液にシリンジによって滴下した。その混合物を室温で18時間攪拌し、そして減圧下で濃縮した。ジエチルエーテル(200mL)および水(100mL)を加え、有機層を分離し、そして2N NaOH(2×30mL)およびブライン(20mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮し、白色固体を得た。収量:6.601g(96%)。
安息香酸5‐ブロモメチル−2−フルオロ−フェニルエステル(CAB02146)
四塩化炭素(25mL)中の安息香酸2−フルオロ−5−メチルーフェニルエステル(CAB02145、2.47g、10.0mmol)、N−ブロモ−スクシンイミド(1.96g、11.0mmol)およびジベンゾイルペルオキシド(10mg)の混合物を2時間加熱還流した(TLCをモニターした)。室温に冷却した後、水(50mL)およびジエチルエーテル(100mL)を加えた。有機層を分離し、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン、1:25、Rf:0.28)によって精製した。収量:1.80g(58%)、白色固体。
安息香酸5−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]メチル}−2−フルオロ−フェニルエステル(CAB02147)
水素化ナトリウム(60%、200mg、5.0mmol)を室温でDMF(20mL)中の4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)−ベンゾニトリル(926mg、5.0mmol)の溶液に加えた。その混合物をこの温度で1時間攪拌し、そして安息香酸5−ブロモメチルー2−フルオロ−フェニルエステル(CAB02146、1.55g、5.0mmol)を加えた。その反応混合物を一晩撹拌し、そして酢酸エチル(75mL)および水(50mL)を加えた。その反応混合物を分離漏斗に移し、そして水(2×50mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(EtOAc,Rf:0.32)によって精製し、白色固体を得た。収量:1.16g(56%)。
4−[(4−フルオロ−3−ヒドロキシ−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB02154、STX488)
水(5mL)中の水酸化ナトリウム溶液(250mg、6.25mmol)をメタノール(10mL)中の安息香酸5−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]メチル}−2−フルオロ−フェニルエステル(CAB02147、958mg、2.32mmol)溶液に加えた。この溶液を5分間加熱還流し、減圧下で濃縮した。水(10mL)を加え、乳白色懸濁液を2N塩酸で中和した(pH7〜8)。白色沈殿を濾過し、少量の水(5mL)で洗浄し、そして高圧下で乾燥した。収量:476mg(66%)。
4−ベンジルオキシ−3−トリフルオロメチル−安息香酸(CAB03046)
水素化ナトリウム(60%、1.80g、45mmol)をDMSO(50mL)中の4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−安息香酸(4.162g、20mmol)およびベンジルアルコール(3.25g、30mmol)の溶液に加えた。この混合物を室温で一晩撹拌し、水(50mL)を加え、そして濃塩酸で酸性化した。この白色沈殿を濾過し、酢酸エチル(約50mL)中に溶解し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。その残渣を酢酸エチル/ヘキサンによって再結晶させた。収量:4.252g(72%)。
(4−ベンジルオキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノール(CAB03047)
THF(20mL)中の4−ベンジルオキシ−3−トリフルオロメチル−安息香酸(CAB03046、3.555g、12mmol)をTHF(20mL)中の水素化リチウムアルミニウムの懸濁液(1.0g、26.3mmol)に滴下した。この混合物を室温で30分間撹拌し、次いで2N NaOH(5mL)を加えることによってクエンチした。白色沈殿を濾過し、そしてジクロロメタン(100mL)で洗浄し、その濾液を硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮した。生じた油状物をジメチルエーテル/ヘキサンによって再結晶させた。収量:3.31g(98%)。
1−ベンジルオキシ−4−クロロメチル−2−トリフルオロメチル−ベンゼン(CAB03050)
塩化チオニル(2.0mL)をジクロロメタン(20mL)中の(4−ベンジルオキシ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノール(CAB03047、3.10g、11.0mmol)の溶液に加えた。その溶液を室温で1時間撹拌し、そして減圧下で濃縮した。次いで、ジエチルエーテル(100mL)および水(20mL)を加えた。有機層を分離し、濃重炭酸ナトリウム溶液(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。生じた油状物を数分後に固化させ、そして高圧下で乾燥した。収量:3.25g(98%)。
4−[(4−ベンジルオキシ−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−[1,2,4]−トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03054、STX719)
水素化ナトリウム(60%、200mg、5.0mmol)を室温でDMF(50mL)中の4−([1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ)−ベンゾニトリル(926mg、5.0mmol)の溶液に加えた。この混合物をこの温度で1時間撹拌し、そして1−ベンジルオキシ−4−クロロメチル−2−トリフルオロメチル−ベンゼン(CAB03050、1.50g、5.0mmol)を加えた。反応混合物を、一晩撹拌し、そして酢酸エチル(100mL)および水(30mL)を加えた。この混合物を分離漏斗に移し、水(2×30mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。その有機創を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。その残渣を2−プロパノール(40mL)中に懸濁し、そして5分間加熱還流した。白色固体を室温に冷却した後、濾過し、そして高減圧下で乾燥した。収量:1.87g(83%)。
4−[(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03059、STX781)
木炭上のパラジウム(100mg、10%Pd)をEtOH/THF/MeCN(50mL/50mL/30mL)中の4−[(4−ベンジルオキシ−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(CAB03054、1.75g、3.89mmol)の溶液に加えた。この混合物を室温にて、18時間水素雰囲気(バルーン)下で撹拌した。この反応混合物をセライトで濾過し、そしてその無色透明の濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を2−プロパノール(20mL)中に懸濁し、そして5分間加熱還流した。白色固体を室温に冷却した後、濾過し、そして高減圧下で乾燥した。収量:1.31g(94%)。
3−ベンジルオキシ−フェノール(JRL01015)
窒素下0℃でDMF(100mL)中のレゾルシノール(7.05g、63.4mmol)の撹拌溶液にNaH(60%、2.54g、63.4mmol)を加えた。30分間撹拌した後、臭化ベンジル(7.72mL、63.4mmol)を加え、そして生じた混合物を室温で4時間撹拌した。その反応混合物を酢酸エチル(300mL)で希釈し、そして分離した有機層をブライン(300mL、4×100mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、そして乾燥して粗産物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc3:1)によって分画して淡黄色固体としてJRL01015(4.06g、32%)を得た;
5−ベンジルオキシ−2−ニトロ−フェノール(JRL01017A)
5〜10℃でAcOH(40mL)中のJRL01015(4.0g、20.0mmol)の撹拌溶液にAcOH(1.80g、30.0mmol)中のHNO3(69%、2.74g、30.0mmol)を加えた。室温で4時間撹拌した後、その反応混合物をEtOHAc(150mL)で希釈し、そして分離した有機層をブライン(200mL、4×100mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過しそして乾燥して粗産物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc3:1)によって分画して黄色固体としてJRL01017(1.88g、38.5%)を得た;
2−アミノ−5−ベンジルオキシ−フェノール(JRL01022)
EtOH/H2O(1:1、50mL)中のJRL01017(500mg、2.04mmol)の撹拌溶液にヒドロ亜硫酸ナトリウム(Na2S2O4、約85%、1.67g、8.16mmol)を加え、そして生じた黄色懸濁液を75℃に加熱した。この温度で1時間後に、反応混合物は、無色になり、次いでこれを室温に冷却した。この反応混合物を、EtOAc(100mL)で希釈し、分離した有機層をブライン(4×50mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、そして乾燥して粗産物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc3:1)によって精製して暗淡紅色固体としてJRL01022(418mg、95%)を得た;
(6−ベンジルオキシ−2−ブロモメチル−ベンゾオキサゾール(JRL01026))
窒素下においてトリメチルシリルポリホスフェート(PPSE)/1,2−ジクロロベンゼン(1:5,60mL)中のJRL01022(773mg、3.60mmol)の攪拌された混合物に、ブロモ酢酸(400mg,2.88mmol)を添加し、そして得られた紫色の混合物を、150℃で1時間加熱した。室温に冷やした後、反応混合物を、EtOAc(100mL)で希釈し、分離した有機層を、ブライン(4×50mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、そしてエバポレートしてオイルを得て、このオイルをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 5:1)により分画して、白色固体(369mg,40%)としてJRL01026を得た;
(4−[(6−ベンジルオキシ−ベンゾオキサゾール−2−イルメチル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(JRL01029))
0℃、窒素下においてDMF(10mL)中のNaH(60%,12mg,300μmol)の攪拌された溶液に、DMF(10mL)中の4−[(1,2,4)トリアゾール−4−アミノ]ベンゾニトリル(55mg,300μmol)を添加した。窒素下、40〜50℃で1時間攪拌した後、オレンジ色の反応混合物を室温に冷し、そしてJRL01026(100mg,310μmol)を添加した。得られた混合物を、窒素下、室温で一晩攪拌した。CH2Cl2(50mL)で反応混合物を希釈した後、有機層は、ブライン(100mL,3×50mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、エバポレートして粗製生成物を得て、この粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)により分画して、白色固体(80mg,63%)としてJRL01029を得た;
(4−[(6−ヒドロキシ−ベンゾオキサゾール−2−イルメチル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(JRL01035,STX357))
THF/MeOH 1:1(60mL)中のJRL01029(235mg,5.56mmol)の攪拌された溶液に、Pd−C 10%(65mg)を添加し、そして得られた懸濁液を、H2雰囲気(バルーン)下で一晩攪拌した。セライトでの濾過後、集めた濾液をエバポレートして、灰色固体を得て、この灰色固体を熱EtOAc中で粉砕することにより精製して、白色固体(128mg,69%)としてJRL01035を得た;
(4−ベンジルオキシ−フェノール(JRL01016))
0℃、窒素下においてDMF(100mL)中のヒドロキノン(7.00g,63.4mmol)の攪拌された溶液に、NaH(60%,2.54g,63.4mmol)を添加した。30分間攪拌後、臭化ベンジル(7.72mL,63.4mmol)を添加し、そして得られた混合物を、室温で4時間攪拌した。反応混合物を、酢酸エチル(300mL)で希釈し、そして有機層を、ブライン(300mL,4×100mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、そしてエバポレートして粗製生成物を得て、この粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 3:1)により分画して、白色固体(3.11g,25%)としてJRL01016を得た;
(4−ベンジルオキシ−2−ニトロ−フェノール(JRL01023))
−50℃、窒素下においてエチレングリコールジメチルエーテル(10mL)中のJRL01016(500mg,2.50mmol)の攪拌された溶液に、スルホラン(0.5M,5.1mL,2.55mmol)中のテトラボロフルオレートニトロニウムを一部で添加した。−50℃での1時間の攪拌後、室温で反応混合物を、ショートシリカカラムを通じて濾過した。集められた溶出液をエバポレートして粗製生成物を得て、この粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 10:1)により分画した。第1分画により、黄色固体としていくらかの純粋JRL01023が得られた。第1カラムから回収された画分の混合物を、再度分画して、より多くのJRL01023(単離された総量:186mg,合わせた収率:30%)を得た;
(2−アミノ−4−ベンジルオキシ−フェノール(JRL01028))
EtOH/H2O(1:1,150mL)中のJRL01023(1.33g,5.44mmol)の攪拌された溶液に、水硫化ナトリウム(Na2S2O4,約85%,4.45g,21.74mmol)を添加し、そして得られた黄色の懸濁液を、75℃で加熱した。この温度で1時間後、反応混合物は無色となり、そしてこれを次に室温に冷やした。反応混合物を、EtOAc(150mL)で希釈し、そして分離した有機層を、ブライン(4×100mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、エバポレートして粗製生成物を得て、この粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 2:1)により精製して、褐色固体(700mg,62%)としてJRL01028を得た;
(5−ベンジルオキシ−2−ブロモメチル−ベンゾオキサゾール(JRL01030))
窒素下においてトリメチルシリルポリホスフェート(PPSE)/1,2−ジクロロベンゼン(1:5,60mL)中のJRL01028(663mg、3.08mmol)の攪拌された混合物に、ブロモ酢酸(333mg,2.40mmol)を添加し、そして得られた紫色の混合物を、150℃で1時間加熱された。室温に冷やした後、反応混合物を、EtOAc(100mL)で希釈し、分離した有機層を、ブライン(4×50mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、そしてエバポレートしてオイルを得て、このオイルをフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 7:1)により分画して、赤色固体(228mg,30%)としてJRL01026を得た;
(2−メチル−ベンゾチアゾール−6−オール(JRL01040))
BBr3(CH2Cl2中1M,7.7mL,7.7nmol)を、0℃、窒素下においてジクロロメタン(30mL)中の6−メトキシベンゾチアゾール(950mg,5.14mmol)の攪拌された溶液にゆっくり添加し、そして反応混合物は暗褐色の懸濁液となった。室温で一晩攪拌後、反応を氷/ブラインでクエンチし、そしてEtOAc(100mL)で希釈した。分離された有機層を、ブライン(4×50mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、エバポレートして淡褐色残渣を得て、この淡褐色残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 3:1)により分画して、白色粉末(600mg,71%)としてJRL01040を得た;
(6−ベンジルオキシ−2−メチル−ベンゾチアゾール(JRL01053))
0℃、窒素下においてDMF(30mL)中のJRL01040(1.47g,8.93mmol)の攪拌された溶液に、NaH(60%,393mg,9.83mmol)を添加した。30分間攪拌の後、臭化ベンジル(1.2mL,9.83mmol)を添加し、そして得られた混合物を室温で4時間攪拌した。反応混合物を、エチルアセテート(100mL)で希釈し、そして分離された有機層を、ブライン(100mL,4×50mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、エバポレートして粗製生成物を得て、この粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 6:1)により分画して、淡黄色固体(2.20g,96%)としてJRL01053を得た;
(6−ベンジルオキシ−2−ブロモメチル−ベンゾチアゾール(JRL01071))
CCl4(50mL)中のJRL01053(2.1g.8.22mmol)の攪拌した溶液に、NBS(1.55g,8.64mmol)および過酸化ジベンゾイル(32mg)を添加した。淡黄色懸濁液を、2時間還流し、室温に冷やし、そして濾過した。濾液を、EtOAc(100mL)で希釈し、NaOH(5%,1×100mL)および次にブライン(3×50mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、エバポレートして、その粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 7:1)により分画して、白色固体(1.05g,39%)としてJRL01071を得た;
(4−[(6−ベンジルオキシ−ベンゾチアゾール−2−イルメチル−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(JRL01074))
0℃、窒素下においてDMF(5mL)中のNaH(60%,57mg,1.42mol)の攪拌された混合物に、DMF(5mL)中の4−[(1,2,4)トリアゾール−4−アミノ]ベンゾニトリル(264mg,1.42mol)を添加した。40〜50℃で窒素下において1時間攪拌した後、オレンジ色の反応混合物を室温に冷やし、そしてJRL01071(500mg,1.50mol)を添加した。得られた混合物を、室温、窒素下において一晩攪拌した。反応混合物をCH2Cl2(50mL)で希釈した後、有機層を、ブライン(100mL,3×50mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、エバポレートして粗製生成物を得て、この粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc)により分画して、淡黄色固体(320mg,51%)としてJRL01071を得た;
(5−ベンジルオキシ−2−メチル−ベンゾチアゾール(JRL01052))
0℃、窒素下においてDMF(40mL)中の2−メチルベンゾチアゾール−5−オール(4.0g,23.48mmol)の攪拌された溶液に、NaH(60%,1.03g,25.75mmol)を添加した。30分間攪拌した後、臭化ベンジル(3.2mL,25.83mmol)を添加し、そして得られた混合物を4時間室温で攪拌した。反応混合物を、酢酸エチル(300mL)で希釈し、そして分離された有機層を、ブライン(300mL,4×100mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、エバポレートして得て、この粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 6:1)により分画して、淡黄色固体(5.63g,94%)としてJRL01052を得た;
(5−ベンジルオキシ−2−ブロモメチル−ベンゾチアゾール(JRL01064))
CCl4(100mL)中のJRL01052(3.6g,14.10mmol)の攪拌された溶液に、NBS(2.66g,14.80mmol)およびジベンゾイルペルオキシド(55mg)を添加した。淡黄色の懸濁液を、2時間還流し、室温に冷やし、そして濾過した。濾液を、EtOAc(200mL)で希釈し、NaOH(5%,1×200mL)および次にブライン(3×100mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、エバポレートして粗製生成物を得て、この粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 7:1)により分画して、白色固体(1.81g,38%)としてJRL01064を得た;
(4−[(5−ベンジルオキシ−ベンゾチアゾール−2−イルメチル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ]−ベンゾニトリル(JRL01078))
アセトニトリル(10mL)中のJRL01064(500mg,1.5mmol)、4−[(1,2,4)トリアゾール−4−アミノ]ベンゾニトリル(277mg,1.5mmol)および無水炭酸カリウム(207mg,1.5mmol)の懸濁液を、室温、窒素下において一晩攪拌した。得られた反応混合物を、EtOAc(50mL)で希釈し、そして有機層は、ブライン(4×50mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、エバポレートして粗製生成物を得て、この粗製生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/アセトン 4:1)により分画して、黄色固体(98mg,15%)としてJRL01078を得た;
4−(3−ヒドロキシ−プロピルスルファニル)−フェノール(CAB02029)
4−ヒドロキシチオフェノール(6.31g、50mmol)は、エタノール(100mL)に溶解し、カリウムtert−ブトキシド(6.72g、60mmol)を添加した。混合物を透明になるまでかき混ぜ、黄色い溶液を得た。その後、シリンジで3−クロロ−1−プロパノール(4.20mL、50mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩かき混ぜ、塩化カリウム沈殿物を濾過し、そしてその濾液を、減圧下で濃縮させた。残留物を酢酸エチル(150mL)に溶解し、そして有機層を水(2×100mL)およびブライン(100mL)抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮させた。結果生じる油をジクロロメタン(50mL)およびヘキサン(100mL)に溶解し、そして開放したまま一晩静置した。固体生成物を、濾過して、そして高真空下で乾燥させた。収量:5.34g(58%)の淡黄色の固体。
3−(4−ベンジルオキシ−プロピルスルファニル)−プロパン−1−オール(CAB02032)
4−(3−ヒドロキシ−フェニルスルファニル)−フェノール(CAB02029、3.686g、20mmol)をエタノール(50mL)およびカリウムtert−ブトキシド(2.80g、25mmol)に溶解して、そしてベンジルブロマイド(3.0mL、約25mmol)を添加した。混合物を室温で一晩かき混ぜ、沈殿したカリウムブロマイドを濾過して、そしてその濾液を減圧下で濃縮させた。結果得られる黄色い固体を酢酸エチル(100mL)に溶解し、溶液を水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして減圧下で濃縮させた。残留物と、ジクロロメタン(約10mL)に溶解して、そして生成物をヘキサン(約200mL)の添加によって沈殿した。結晶生成物を集め、そして高真空下で乾燥させた。収量:4.481g(82%)無色、小板状。
1−ブロモー3−(4−ベンジルオキシ−フェニルスルファニル)−プロパン(CAB02037)
トリフェニルホスフィン(7.90g、30.0mmol)を、0℃(氷/水浴)でジクロロメタン(120mL)中の3−(4−ベンジルオキシ−フェニルスルファニル)−プロパン−1−オール(CAB02032、4.12g、15.0mmol)および四臭化炭素(4.98g、18.0)の溶液に添加した。反応混合物に室温までの温度上昇を可能にさせ、そしてもう一時間かき混ぜた。溶液を分離漏斗に移動させそして濃NaHCO3溶液(50mL)を添加した。有機層を分離して、硫酸ナトリウムで乾燥させそして減圧下で濃縮させた。残留物を酢酸エチル(25mL)に溶解して、そしてかき混ぜながらヘキサン(100mL)を添加した。沈殿したトリフェニルホスフィン酸化物を濾過してそしてより多くのEtOAc/へキサン混合物(1:4、100mL)で洗浄した。有機溶液をろ過し、そして残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/へキサン、1:10、Rf:0.48)によって精製した。収量:4.96g(98%)無色油で、2日後に固体になった。
4−{[3−(4−ベンジルオキシ−フェニルスルファニル)−プロピル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB02038)
水素化ナトリウム(60%、200mg、5.0mmol)を、0℃でDMF(10mL)中の4−([1、2、4]トリアゾール−4−イルアミノ)−ベンゾニトリル(926mg、5.0mmol)の溶液に添加した。混合物を50℃で30分間かき混ぜ、室温まで冷まし、そして1−ブロモ−3−(4−ベンジルオキシ−フェニルスルファニル)−プロパン(CAB02037、1.686g、5.0mmol)を添加した。反応混合物を15時間攪拌し、酢酸エチル(100mL)を添加した。混合物を分離漏斗内に移動させ、そして水(2×50mL)およびブライン(20mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。その残留物をカラムクロマトグラフィー(溶出剤:酢酸エチル、Rf:0.41)によって精製した。収量:1.724g(78%)無色の油。油を少量のメタノールから結晶化した。収量:1.517g(68%)。
4−{[3−(4−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホニル)−プロピル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB02168)
m−クロロ過安息香酸(259mg、1.50mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)中の4−{[3−(4−ベンジルオキシ−フェニルスルファニル)−プロピル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB02038、221mg、0.50mmol)溶液に添加した。混合物を一時間かき混ぜ、その後酢酸エチル(50mL)および濃NaHCO3溶液(20mL)を添加した。混合物を分離漏斗に移動させ、有機層を分離し、ブライン(20mL)で洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル、Rf:0.22)によって精製した。収量:186mg(78%)淡黄色の発泡体。
HRMS(FAB+)474.16010C25H24N5O3Sは、474.159987を必要とする。
4−{[3−(4−ヒドロキシ−ベンゼンスルホニル)−プロピル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB02169、STX541)
チャコール担持パラジウム(50mg、10%Pd)をTHF(10mL)およびエタノール(10mL)中の4−{[3−(4−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホニル)−プロピル]−[1、2、4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB02168、118mg、0.25mmol)溶液に添加した。混合物を18時間室温の水素雰囲気(バルーン)下でかき混ぜた。反応混合物を、セライトを介して濾過し、そして減圧下で無色透明の濾液を濃縮させた。残留物は、アセトン/水から結晶化させた。収量:68mg(71%)無色の結晶。
ビス−(4,4’−ベンジルオキシ)フェニル−クロロメタン(CAB02062)
塩化チオニル(3.0mL)をビス−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−メタノール(1.982g、5.0mmol)に添加した。結果生じた桃色の溶液を室温で、二酸化硫黄および塩化水素の産生が終了するまで(約1.5時間)かき混ぜた。余分の塩化チオニルを減圧下で取り除き、粗製生成物をさらなる精製をせずに使用した。収量:2.075g(100%)。
4−{[ビス−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−メチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB02068)
水素化ナトリウム(60%、200mg、5.0mmol)を0℃でDMF(10mL)中の4−([1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ)−ベンゾニトリル(926mg、5.0mmol)溶液に添加した。混合物を室温で一時間かき混ぜ、そしてビス−(4、4’−ベンジルオキシ)フェニル−クロロメタン(CAB02062、2.075g、5.0mmol)を添加した。反応混合物を15時間かき混ぜ、そして酢酸エチル(100mL)を添加した。混合物を分離漏斗内に移動させ、そして水(2×50mL)およびブライン(20mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧下で濃縮させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル、Rf:0.41)で精製した。収量:1.319g(47%)白色の固体。
4−{[ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−メチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB02070、STX340)
4−{[ビス−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−メチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB02068、564mg、1.0mmol)をエタノール(50mL)に溶解し、そしてチャコール担持パラジウム(50mg、10%Pd)を添加した。混合物を出発物質が消費されるまで、水素雰囲気(バルーン)下で48時間(TLCでモニターした)かき混ぜた。Pd/Cをフィルタ処理(セライト)し、そして溶液を減圧下で濃縮させた。黄色の固体を得て、それを酢酸エチル(10mL)内に熱して溶解した。室温まで冷ました後に、その白色沈殿物を濾過し、高真空下で乾燥させた。収量:312mg(81%)
4−{[ビス−(4−スルファモイルオキシ−フェニル)−メチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB02075)
トルエン中の塩化スルファモイル(5mL、0.7M、3.5mmol)を減圧(30℃の水浴温度)下で約1mLの量まで濃縮させた。残留物を0℃(氷浴)まで冷やし、そしてN,N−ジメチルアセトアミド(5mL)を添加した。4−{[ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−メチル]−[1,2,4]トリアゾール−4−イル−アミノ}−ベンゾニトリル(CAB02070、250mg、0.65mmol)を無色の溶液に添加し、そして混合物を室温で18時間かき混ぜた。酢酸エチル(50mL)および水(30mL)を溶液に添加し、有機層を分離して水(2×30mL)およびブライン(20mL)で洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして白い固体を得るために減圧下で濃縮させた。固体は酢酸エチルに溶解し、そしてヘキサンの添加によって沈殿させた。白色の粉末を濾過してそして高真空下で乾燥させた。収量:299mg(85%)。
(ジメチルスルファミン酸4−ホルミル−フェニルエステル(JRL01114)(1957年ドイツ特許番号1 016 256に記載の合成方法に従った))
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミド(7mL)中の4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.0g、8.02mmol)の攪拌溶液を、90〜95℃に暖め、そしてこの温度でClSO2NMe2(0.87mL、8.02mL)を、滴下した。次に、この反応混合物を、3時間、90〜95℃で暖めた。室温まで冷却後、EtOAc(100mL)を加え、そして有機層が、1M 塩酸(2×100mL)で洗浄し、次にブライン(1.82g、99%)(3×50mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO4)、濾過し、エバポレートして黄色油状物を得、これは、そして冷蔵庫中で保存と黄色ワックスに固化した。
(ジメチルスルファミン酸4−ヒドロキシメチル−フェニルエステル(JRL01115))
THF(50mL)中のJRL01114(1.81g、7.90mmol)の攪拌溶液に、NaBH4(305mg、7.90mmol)に0℃で加えた。2時間の攪拌の後、初め黄色であった混合物を、白色懸濁液になり、そして次に反応混合物を、氷/水(約100mL)に移した。水層を、クロロホルム(4×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、そしてエバポレートして、黄色油状物(1.0g)を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製して、透明な淡黄色油状物(820mg、45%)としてJRL01115を得た。
(ジメチルスルファミン酸4−クロロメチル−フェニルエステル(LWO02144))
ジクロロメタン(10mL)中のJRL01115(725mg、3.135mmol)の溶液に、塩化チオニル(0.35mL、4.703mmol)を氷/水温度で加えた。室温で1時間攪拌した後、揮発成分を、反応混合物から取り除き、得られた油状物をクロロホルム(3×30mL)と3回共エバポレートして、そして黄色油状物としてLWO02144(767mg、98%)を得た。
LWO02144は、非常に純粋であり、このためさらなる精製をすることなく使用した。
(ジメチルスルファミン酸4−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾル−4−イル−アミノ]−メチル}−フェニルエステル(LWO02145、STX636))
無水DMF(10mL)中の4−[(1,2,4)トリアゾール−4−アミノ]ベンゾニトリル(538mg、2.903mol)の攪拌溶液に氷/水温度でMaH(60%、128mg、3.193mmol)を加えた。形成した淡橙褐色混合物を、50℃、10分間、窒素下で攪拌した。室温まで冷却した後、DMF(全量5mL)中のLWO02144(725mg、2.903mmol)を、反応混合物に加えた。生成した橙色/褐色懸濁液は、50〜60℃を、4時間、攪拌および加熱した。冷却された反応混合物を、酢酸エチル(100mL)で希釈し、そして分離した有機層を、ブライン(100mL、4×50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、そして橙色/褐色シロップ(1.15g)を得た。この粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによりシリカ上で分画し(第1の分画の後、初めは純粋な酢酸エチルに続いてアセトンが得られた)、そしてエバポレーションの際に収集した第2の分画は、透明な明るい黄色シロップとしてLWO02145を与え、これは、一晩室温で静置することで固化して、淡い黄色ワックス(803mg、69%)を与えた。;m.p.処方したとおり、結晶は砕け、そして150℃を越えたあたりで激しく飛散し、結晶は195〜202℃で融解した。
(3−ブロモ−4−(N,N−ジメチルスルファモイル)ベンズアルデヒド(OBS02001))
80〜90℃のN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(30mL)中のOBS01057(6.0g、30mmol)の溶液に、N,N−ジメチルスルファモイル塩化物(3.79mL、35.27mmol)を加えた。この混合物を、この温度で4時間攪拌し、分離漏斗に移し、そしてEtOAc(100mL)で希釈した。有機層は、水(2x200mL)、6M HCl水溶液(200mL)、ブライン(2x200mL)で洗浄し、乾燥され(Na2SO4)、そして濾過した。濾液の減圧下での濃縮は、橙色油状物を与え、これは、静置することで固化した。この生成物を、n−ヘキサン中で攪拌し、濾過し、そして風乾して、淡黄色固形物としてOBS02001(8.21g、89%)を得た。TCL[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]Rf=0.9
(3−ブロモ−4−(N,N−ジメチルスルホモイル)ベンジルアルコール(OBS02002))
無水THF(50mL)中のOBS02001(6.0g、19.47mmol)の溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.81g、21.42mmol)を加えた。この混合物を、室温で4時間攪拌し、水でクエンチングし(注意のこと!!)、そしてセライトパッドを通して濾過した。濾液を、減圧下で濃縮し、そしてDCM(200mL)中に、再溶解した。有機層を、ブライン(2×200mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、そして濾過した。濾液の減圧下での濃縮は、淡黄色油状物としてOBS02002(5.54g、92%)を与えた。TCL[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]Rf=0.47
(3−ブロモ−4−(N,N−ジメチルスルファモイル)ベンジル塩化物(OBS02003))
無水DCM(50mL)中のOBS02002(5.0g、16.12mmol)の溶液に、塩化チオニル(1.76mL、24.18mmol)を加えた。この混合物を、室温で2時間攪拌し、そして減圧下で揮発性物質を取り除いた。残渣を、再溶解し、DMC(3×20mL)と3回共エバポレートして、黄色油状物を得、これは、静置すると固化した。その固体を、n−ヘキサン中で攪拌し、濾過し、そして風乾して、オフホワイトの固体としてOB02003(5.01g、95%)を得た。TCL[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]Rf=0.79
(ジメチルスルファミン酸2−ブロモ−4−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]メチル}フェニルエステル(OBS02005、STX732))
室温で、無水DMF(30mL)中のNaH(オイル中の60%分散物、0.44g、11.36mmol)の懸濁液に、無水DMF(10mL)中の4−[(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(2.0g、10.8mmol)の溶液を加え、この混合物を、窒素下で1時間攪拌した。次に、橙黄色懸濁液は、無水DMF(5mL)中のOBS02003(3.73g、11.36mmol)の溶液で処理し、そして混合物を80〜90℃で一晩攪拌した。この混合物を、分離漏斗に移し、そしてEtOAc(200mL)で希釈した。有機層を、水(4×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、そして濾過した。合わせた濾液の減圧下での濃縮は、残渣が与え、これをi−PrOHから再結晶して、無色の固体(3.34g、65%)としてOBS02005を得た。TCL[SiO2、EtOAc(100%)]Rf=0.32(254nmで青色蛍光);分析 C18H17N6SO3Brについての計算値:C、45.3
LC−MS(APCIを用いたPDA検出器を有するWater2790AllianceHPLC/ZQMicroMass分光器)、tR(勾配溶出:10分にわたって、5:95MeCN/H2O−95:5MeCN/H2O、次に、Water「Symmetry」C18(パッキング:3.5μm)100mmカラムを使用して、95:5MeCN/H2O−5:95MeCN/H2O)=6.24分(M+H=478.19);HPLC(PDA検出器を備えるWater717+Autosampler、Water「Symmetry」C18(パッキング:3.5μm)、4.6x150mmカラム、90:10MeOH/H2Oを使用)tR=1.98分(純度99.8%)。
(3,5−ジブロモ−4−(N,N−ジメチルスルファモイル)ベンズアルデヒド(OBS02013))
80〜90℃でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(30mL)中の3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.0g、17.86mmol)の溶液に、N,N−ジメチルスルファモイル塩化物(30mL)を加えた。この混合物を、この温度で4時間攪拌し、分離漏斗に移し、そしてEtOAc(100mL)で希釈した。有機層を、水(2×200mL)、6M HCl(aq.)(200mL),ブライン(2×200mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、そして濾過した。合わせた濾液を減圧下で濃縮すると、暗い琥珀色の油状物を与えこれは静置すると固化した。その生成物を、n−ヘキサン中で攪拌し、濾過し、そして風乾して、淡いクリーム色の固体としてOBS02013(6.09g,88%)を得た。TLC[SiO2,EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]Rf=0.73
(3,5−ジブロモ−4−(N,N−ジメチルスルファモイル)ベンジルアルコール(OBS02015))
無水THF(50mL)中のOBS02013(5.5g、14.21mmol)の溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.59g、15.63mmol)を加えた。この混合物を、室温で4時間攪拌し、水(注意のこと!!)でクエンチングし、そしてCeliteパッドを通して濾過した。濾液を、減圧下で濃縮し、そしてDMC(200mL)に再溶解した。有機層は、ブライン(2×200mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、そして濾過した。合わせた濾液の減圧下での濃縮は、淡い黄色油状物であるOBS02015を与えた。TLC[SiO2,EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]Rf=0.55
(3,5−ジブロモ−4−(N,N−ジメチルスルファモイル)ベンジルクロライド(OBS02018))
無水DMC(50mL)中のOBS02015(3.93g、10.10mmol)の溶液に、塩化チオニル(1.11mL、15.15mmol)を加えた。この混合物を、室温で2時間攪拌し、そして揮発性物質を、減圧下で取り除いた。残渣を、再溶解し、DCM(3x20mL)と3回共エバポレートして、静置すると固化した褐色油状物としてOBS02018を得た。TCL[SiO2、EtOAc−n−ヘキサン(1:1)]Rf=0.83
(ジメチルスルファミン酸2,6−ジブロモ−4−([(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]メチル}フェニルエステル(OBS02019、STX740))
室温で、無水DMF(20mL)中のNaH(オイル中の60%分散物、0.22g、5.67mmol)の懸濁液に、無水DMF(5mL)中の4−[(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(1.0g、5.4mmol)の溶液を加え、そして混合物を、窒素下で1時間、攪拌した。次に、この橙黄色の懸濁液を、無水DMF(5mL)中のOBS02018(2.31g、5.67mmol)の溶液で処理し、そしてこの混合物を、80〜90℃で一晩、攪拌した。混合物を、分離漏斗に移し、そして、EtOAc(200mL)で希釈した。有機層を、水(4×200mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)。減圧下での濃縮は、残渣を与え、これをi−PrOHから再結晶化して、白色固体としてOBS02019(2.06g,69%)を得た。分析 TCL[SiO2、EtOAc(100%)]Rf=0.53(254nmで青色蛍光);C18H16N6SO3Br2についての計算値;C,53.3
C18H16N6SO3Br2についてのAcc.MS(計算値、556.9442;実測値、556.9429)、LC−MS(APCIを用いたPDA検出器を備えるWater2790AllianceHPLC/ZQMicroMass分光器)、tR(勾配溶出:10分にわたって、5:95MeCN/H2O−95:5MeCN/H2O、次に、95:5MeCN/H2O−5:95MeCN/H2O、Water「Symmetry」C18(パッキング:3.5μm)100mmカラムを使用)=6.46分(M+2H=558.17);HPLC(PDA検出器を備えるWater717+Autosampler、Water「Symmetry」C18(パッキング:3.5μm)、4.6x150mmカラム、90:10MeOH/H2Oを使用)tR=2.01分(純度98.7%)。
3−ブロモ−4−(N,N−ジメチルスルファモイル)−5−メトキシベンズアルデヒド(OBS02022)
80℃〜90℃で、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(30mL)中の5−ブロモバニリン(3.0g,12.98mmol)溶液にN,N−ジメチルスルファモイルクロリド(1.64mL,15.26mmol)を添加した。この混合物をこの温度で4時間撹拌し、分液漏斗に移し、EtOAc(100mL)で希釈した。有機層を、水(2×200mL)、6M HCl(aq.)(200ml)、ブライン(2×200ml)で洗い、乾燥し(Na2SO4)、濾過した。混合した濾液をインヴァキュオで濃縮すると、黄金色−茶色のオイルを得、これを静置して固化した。この生成物をn−ヘキサン中で撹拌し、濾過し、空気中で乾燥してクリーム色の固体としてOBS02022を得た(3.22g,73%)。
3−ブロモ−4−(N,N−ジメチルスルファモイル)−5−メトキシベンジルアルコール(OBS02023)
無水THF(50ml)中OBS02022(3.0g,8.87mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.37g,9.76mmol)を添加した。この混合物を、4時間室温で撹拌し、水でクエンチし(要注意)、セライトパッドを通して濾過した。この濾液を、真空中で濃縮し、DCM(200ml)中に再び溶解した。有機層をブライン(2×200ml)で洗い、乾燥し(Na2SO4)、濾過した。混合した濾液を真空中で濃縮して、薄い黄色のオイルとしてOBS02023を得た(1.71g,57%)。
3−ブロモ−4−(N,N−ジメチルスルファモイル)−5−メトキシベンジルクロリド(OBS02026)
無水DCM(50mL)中のOBS02023(1.56g,4.59mmol)の溶液に、塩化チオニル(0.5ml,6.88mmol)を添加した。この混合物を室温で2時間撹拌し、揮発性物質を真空中で除いた。残渣を再び溶解し、DCMで3回同時蒸発し(3×20mL)、茶色オイルとしてOBS02026を得た(0.79g,48%)。
ジメチルスルファミン酸2−ブロモ−4−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]メチル}−6−メトキシフェニルエステル(OBS02028,STX747)
室温で無水DMF(20ml)中NaHの懸濁液(オイル中60%分散、0.07g,1.73mmol)に、無水DMF(5ml)中4−[(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(0.31g,1.65mmol)の溶液を加え、この混合物を、1時間窒素下で撹拌した。次いで、オレンジ色−黄色の懸濁液を無水DMF(5mL)中OBS02026(0.62g,1.73mmol)の溶液で処理し、混合物を終夜80℃〜90℃で撹拌した。この混合物を分液漏斗に移し、EtOAc(200mL)で希釈した。有機層を水(4×200mL)、ブライン(200mL)で洗い、乾燥し(MgSO4)、濾過した。混合した濾液を、真空中で濃縮して残渣を得、これをi−PrOHから再結晶して、オフホワイトの固体としてOBS02028が得られた(0.50g,59%)。
MS(FAB+)=509(M+2H,100%),440(31),215(19),113(19);C19H19N6SO4Brに対するAcc.MS(所望される値、507.04323;実測値507.04501);LC−MS(Waters 2790 Alliance HPLC/APCIを用いたPDA検出器を備えたZQ MicroMass分光計)、tR(溶出の勾配:10分間かけて5:95MeCN/H2O−95:5MeCN/H2O、次いで95:5MeCN/H2O−5:95MeCN/H2O、ここでWaters“Symmetry”C18(パッキング:3.5μm)、100mmカラムを用いた)=6.16分(M+H=508.29);HPLC(PDA検出器を備えたWaters 717+ Autosampler、ここで、Waters“Symmetry”C18(パッキング:3.5μm)、4.6×150mmカラム、90:10MeOH/H2Oを用いた)tR=1.96分(97.5%純度)。
3−クロロ−4−(N,N−ジメチルスルファモイル)ベンズアルデヒド(OBS02043)
80℃〜90℃でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(30mL)中の3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(6.0g,38.32mmol)の溶液に、N,N−ジメチルスルファモイルクロリド(4.84mL,45.05mmol)を添加した。この混合物をこの温度で4時間撹拌し、分液漏斗に移し、EtOAc(100mL)で希釈した。有機層を水(2×200mL)、6M HCl(aq.)(200mL)、ブライン(2×200mL)で洗い、乾燥し(Na2SO4)、濾過した。混合した濾液を真空中で濃縮し、茶色いオイルを得、これを静置して固化した。この生成物を、n−へキサン中で撹拌し、濾過し、空気乾燥してベージュ色の固体としてOBS02043を得た。(5.36g,53%)。
3−クロロ−4−(N,N−ジメチルスルファモイル)ベンジルアルコール(OBS02046)
無水THF(50mL)中OBS02043(5.0g,18.96mmol)の溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.79g,20.86mmol)を添加した。この混合物を、4時間室温で撹拌し、水でクエンチし(要注意)、セライトパッドを通して濾過した。濾液を真空で濃縮し、DCM(200mL)に再び溶かした。有機層をブライン(2×200mL)で洗い、乾燥し(Na2SO4)、濾過した。混合した濾液を真空中で濃縮して、黄金色−茶色のオイルとしてOBS02046を得た(3.81g,76%)。
3−クロロ−4−(N,N−ジメチルスルファモイル)ベンジルクロリド(OBS02052)
無水DCM(50mL)中OBS02046(3.02g,11.37mmol)の溶液に塩化チオニル(1.24mL,17.05mmol)を添加した。この混合物を室温で2時間撹拌し、揮発物質を真空中で除いた。この残渣をDCM(3×20mL)を用いて3回、再び溶かし、同時蒸発して、琥珀色のオイル(2.68g,83%)としてOBS02052を得た。
ジメチルスルファミン酸 2−クロロ−4−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]メチル}フェニルエステル(OBS02054,STX787)
無水DMF(20mL)中NaH(オイル中60%分散、0.34g,8.95mmol)の懸濁液に、室温で無水DMF(5mL)中4−[(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(1.66g,8.95mmol)の溶液を加え、この混合物を窒素下で1時間撹拌した。次いで、オレンジ色−黄色懸濁液を無水DMF(5mL)中OBS02052(2.67g,9.4mmol)の溶液で処理し、この混合物を終夜80℃〜90℃で撹拌した。この混合物を、分液漏斗に移し、EtOAc(200mL)で希釈した。有機層を、水(4×200mL)、ブライン(200mL)で洗い、乾燥し(MgSO4)、濾過した。混合した濾液を真空中で濃縮すると、残渣を得、これをi−PrOHから再結晶して薄いクリーム色の固体としてOBS02054を得た(2.03g,52%)。
MS(FAB)=433(M+H,100%),364(37);C18H17N6SO3Clに対するAcc.MS(所望される値、M+H,433.08476;実測値、M+H,433.08496);LC−MS(Waters 2790 Alliance HPLC/APCIを用いたPDA検出器を備えたZQ MicroMass分光計),tR(溶出の勾配:10分間かけて5:95MeCN/H2O−95:5MeCN/H2O、次いで95:5MeCN/H2O−5:95MeCN/H2O、ここでWaters“Symmetry”C18(パッキング:3.5μm)、100mmカラムを用いた)=6.18分(M+H=434.18);HPLC(PDA検出器を備えたWaters 717+ Autosampler、ここで、Waters“Symmetry”C18(パッキング:3.5μm)、4.6×150mmカラム、90:10MeOH/H2Oを用いた)tR=1.98分(99.9%純度)。
4−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−メトキシベンズアルデヒド(OBS02011)
80℃〜90℃でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(30mL)中のバニリン(4.56g,30mmol)の溶液に、N,N−ジメチルスルファモイルクロリド(3.79mL,35.27mmol)を添加した。この混合物をこの温度で4時間撹拌し、分液漏斗に移し、EtOAc(100mL)で希釈した。有機層を水(2×200mL)、6M HCl(aq.)(200mL)、ブライン(2×200mL)で洗い、乾燥し(Na2SO4)、濾過した。混合した濾液を真空中で濃縮し、黄金色−黄色オイルを得、これを静置して固化した。この生成物を、n−へキサン中で撹拌し、濾過し、空気乾燥して黄色プレートとしてOBS02011を得た(6.92g,89%)。
4−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−メトキシベンジルアルコール(OBS02014)
無水THF(50mL)中OBS02011(5.5g,21.21mmol)の溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.88g,23.33mmol)を添加した。この混合物を、4時間室温で撹拌し、水でクエンチし(要注意)、セライトパッドを通して濾過した。濾液を真空で濃縮し、DCM(200mL)に再び溶かした。有機層をブライン(2×200mL)で洗い、乾燥し(Na2SO4)、濾過した。混合した濾液を真空中で濃縮して、薄い黄色のオイルとしてOBS02014を得た(5.12g,92%)。
4−(N,N−ジメチルスルファモイル)−3−メトキシベンジルクロリド(OBS02016)
無水DCM(50mL)中OBS02014(2.76g,10.55mmol)の溶液に塩化チオニル(1.15mL,15.82mmol)を添加した。この混合物を室温で2時間撹拌し、揮発物質を真空中で除いた。この残渣をDCM(3×20mL)を用いて3回、再び溶かし、同時蒸発して、茶色のオイル(2.91g,99%)としてOBS02016を得た。
ジメチルスルファミン酸 4−{[(4−シアノ−フェニル)−[1,2,4]トリアゾール−4−イルアミノ]メチル}−2−メトキシフェニルエステル(OBS02017,STX739)
無水DMF(20mL)中NaH(オイル中60%分散、0.22g,5.67mmol)の懸濁液に、室温で無水DMF(5mL)中4−[(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(1.0g,5.4mmol)の溶液を添加し、この混合物を窒素下で1時間撹拌した。次いで、オレンジ色−黄色懸濁液を無水DMF(5mL)中OBS02016(1.59g,5.67mmol)の溶液で処理し、この混合物を終夜80℃〜90℃で撹拌した。この混合物を、分液漏斗に移し、EtOAc(200mL)で希釈した。有機層を、水(4×200mL)、ブライン(200mL)で洗い、乾燥し(MgSO4)、濾過した。混合した濾液を真空中で濃縮すると、残渣を得、これをi−PrOHから再結晶してクリーム色の固体としてOBS02017を得た(1.07g,46%)。
MS(FAB+)=429(M+H,100%),360(36),321(6),244(15),113(5);C19H20N6SO4に対するAcc.MS(所望される値、429.1341;実測値、429.1345);LC−MS(Waters 2790 Alliance HPLC/APCIを用いたPDA検出器を備えたZQ MicroMass分光計),tR(溶出の勾配:10分間かけて5:95MeCN/H2O−95:5MeCN/H2O、次いで95:5MeCN/H2O−5:95MeCN/H2O、ここでWaters“Symmetry”C18(パッキング:3.5μm)、100mmカラムを用いた)=5.83分(M+2H=430.27);HPLC(PDA検出器を備えたWaters 717+ Autosampler、ここで、Waters“Symmetry”C18(パッキング:3.5μm)、4.6×150mmカラム、90:10MeOH/H2Oを用いた)tR=1.94分(99.5%純度)。
3−(N,N−ジメチルスルファモイル)−4−メトキシベンズアルデヒド(OBS02049)
80℃〜90℃でN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(30mL)中のイソバニリン(4.56g,30mmol)の溶液に、N,N−ジメチルスルファモイルクロリド(3.79g,35.27mmol)を添加した。この混合物をこの温度で4時間撹拌し、分液漏斗に移し、EtOAc(100mL)で希釈した。有機層を水(2×200mL)、6M HCl(aq.)(200mL)、ブライン(2×200mL)で洗い、乾燥し(Na2SO4)、濾過した。混合した濾液を真空中で濃縮し、茶色オイルを得、これを静置して固化した。この生成物を、n−へキサン中で撹拌し、濾過し、空気乾燥して薄い黄色固体としてOBS02049を得た(6.91g,89%)。
無水THF(50ml)中のOBS02049(5.5g、21.21mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.88g、23.33mmol)を加えた。この混合物を4時間室温で撹拌し、水でクエンチし(注意)、そしてCeliteパッドを通してろ過した。ろ液を、減圧下で濃縮し、そしてDCM(200mL)中に再溶解した。有機層を、ブライン(2×200mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、そしてろ過した。合わせたろ液を減圧下で濃縮して、金−黄色油としてOBS02053を得た(3.26g、59%)。
無水DCM(50ml)中のOBS02053(2.33g、8.89mmol)の溶液に、チオニルクロライド(0.97mL、13.34mmol)を加えた。この混合物を2時間室温で撹拌し、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣を再溶解し、そしてDCM(3×20mL)で3回共エバポレートし、感光性の茶色油としてOBS02058を得た(2.07g、83%)。
無水DMF(20ml)中のNaH(油中で60%分散、0.28g、6.91mmol)の懸濁液に、無水DMF(5mL)中の4−[(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−[1,2,4]トリアゾール(1.28g、6.91mmol)の溶液を加え、そしてこの混合物を、1時間窒素下で撹拌した。次いで、オレンジ−黄色懸濁液を、無水DMF(5mL)中のOBS02058(2.03g、7.26mmol)の溶液で処理し、そしてこの混合物を、80℃〜90℃で一晩中撹拌した。この混合物を、分離漏斗に移し、EtOAc(200mL)で希釈した。有機層を、水(4×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、そしてろ過した。合わせたろ液を、減圧下で濃縮して、残渣を得、これをEtOAc−n−へキサンから再結晶し、淡いクリーム色の固体としてOBS02060を得た(2.24g、76%)。
C19H20N6SO4に対するAcc.MS(理論値、429.1343;実測値、429.1345);LC−MS(APCIを使用するPDA検出器を有するWaters 2790 Alliance HPLC/ZQ MicroMass分光計)、tR(勾配溶離:10分間にわたり、5:95MeCN/H2O−95:5MeCN/H2O、次いで95:5MeCN/H2O−5:95MeCN/H2O、Waters「Symmetry」C18(充填:3.5μm)100mmカラムを使用)=5.80分(M+2H=430.27);HPLC(Waters「Symmetry」C18(充填:3.5μm)4.6×150mmカラムを使用する、PDA検出器を有するWaters 717+Autosampler、90:10MeOH/H2O)tR=1.96分(99.8%純度)。
(式IVの化合物)
無水DMF(150ml)中の4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン(5.0g、23.34mmol)の溶液に、2度に分けて、0℃で水素化ナトリウム(鉱物油中で60%、2.1g、51.35mmol)を加えた。20分間撹拌して、水素の放出が観察されなくなった後、ベンジルブロマイド(8.96g、51,35mmol)を加えた。次いで、得られた黄色懸濁液を、1時間100℃で、窒素雰囲気下で撹拌した。室温で冷却した後、水(500mL)をこの懸濁液に加え、そして形成された沈殿物をろ過し、水で徹底的に洗浄した。室温で一晩空気乾燥した後、集めた白色固体(10,1g)を、熱トルエンから再結晶し、白色フレーク状の板状結晶としてLWO02007Aを得た(8.92g、22.61mmol、96.9%);m.p.188〜190℃。
無水THF(250ml)中のLWO02007A(3.50g、8.873mmol)の溶液に、0℃で無水THF(20mL)中のリチウムアルミニウムハイドライド(95%、425mg、10.65mmol)の懸濁液を加えた。室温で30分間撹拌した後、灰色懸濁液/混合物を濃縮し、そして酢酸エチル(200mL)を、得られた濡れた残渣に加えた。有機層を、1M HCl(200mL)、次いでブライン(4×100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過しそしてエバポレートし、白色/淡い黄色の残渣としてLWO02018を得た(3.56g)。
p−トルエンスルホン酸(650mg)の存在下、トルエン(350mL)中のLWO02018(3.26g、8.222mmol)および1H−1,2,4−トリアゾール(695mg、9.866mmol)の混合物を、Dean Stark条件下で一晩熱した。室温まで冷却し、そして溶媒をエバポレートした後、得られた明るい黄色残渣を、酢酸エチル(300mL)中に溶解した。有機層を、1M NaOH(2×100mL)、次いでブライン(3×50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そしてエバポレートし、明るい黄色/茶色を得た。このクルードを、熱した酢酸エチル(30mL)中に溶解し、そしてヘキサン(15mL)を、滴下した。室温まで冷却した後、LWO02019Aを、黄色結晶として得た(2.50g、5.586mmol、68%)。
蒸留したTHF(50mL)中のLWO02019(1.50g、3.356mmol)の溶液に、メタノール(30mL)およびPd/C(10%、75mg)を加えた。黒い懸濁液を、週末を越えて水素(バルーン)雰囲気下、室温で撹拌した。蒸留したTHFを用いる担持触媒のろ過および徹底的な洗浄によって除去した後、ろ液をエバポレートし、泡状の明るい黄色残渣(839mg、3.319mmol、93.5%)を得た。このクルードを、熱したTHF(15m)中に溶解し、そしてヘキサン(10mL)を滴下した。冷却後、白色結晶としてLWO02020Aを得た(483mg);
窒素雰囲気下、室温で、N,N−ジメチルアセトアミド(20mL)中のLWO02020(257mg、1.336mmol)の溶液に、トルエン(約0.68M、7.8mL)中のスルファモイルクロリドを加えた。この反応混合物を一晩撹拌した後、これを酢酸エチル(100mL)で希釈した。分離した有機層を、ブライン(100mL、4×50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そしてエバポレートして、明るい茶色シロップ/残渣(612mg)を得た。このクルードを、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製し、そして集めた第2の画分から、白色残渣としてLWO02021Aを得た(310mg、728.7μmol、54.5%);
窒素下−78℃でCH2Cl2/MeOH 1:1(40ml)中の1−[ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1H−[1,2,4]トリアゾール(STX267、500mg、1.87mmol)の撹拌溶液に、CH2Cl2/MeOH 1:1(10ml)中のベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド(1.49g、3.74mmol)の溶液を、45分以上かけて滴下した。有機混合物を、7時間0℃で保持し、次いで、室温で一晩保持し、この時点で、溶液が無色になった。反応混合物を、エバポレートし、そして得られた残渣を、水(100mL)およびEtOAc(100mL)の混合溶液中に溶解した。水層を分離し、そしてEtOAc(2×50mL)でさらに抽出した。有機抽出液を合わせ、そしてブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、そしてエバポレートした。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(へキサン/酢酸エチル、1:3)によって分画化し、集めた第2の画分から、約97%純度で白色固体としてJRL01105(STX356)(485mg)を得た;
主な不純物は、STX356の一臭素化誘導体であった。この画分の微小量を、半分取用のHPLC(Waters PrepLC RP18、25×10mm、流速:10mL/分、移動層:MeOH/H2O、60:40)によってさらに精製した。5,5分の保持時間を有する画分を集め、そしてエバポレート後、白色固体を得た;m.p.198〜205℃(分解)。実測値:C42.2、H2.65、N9.79;C15H11Br2N3O2、理論値、C42.38、H2.61、N9.89。
窒素雰囲気下、室温で、N,N−ジメチルアセトアミド(15mL)中のJRL01105(175mg、412μmol)の溶液に、スルファモイルクロリド(4.4当量)を加えた。この反応混合物を一晩撹拌した後、これを酢酸エチル(300mL)で希釈し、そして得られた混合物を、ブライン(50mL、4×20mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、ろ過し、そしてエバポレートして、淡い黄色残渣としてJRL01109(210mg)を得た;
1−[ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1H[1,2,4]トリアゾール(450mg、1.684mmol)を、熱酢酸(100mL)に溶解した。氷/水温まで冷却し、酢酸カリウム(3.3g、33.67mmol)をこの黄色い混合物に添加し、次いで、30分間以上かけて酢酸中の臭素の溶液(1.1g/10mL酢酸、7.5mL、5.061mmol)を滴下した。さらに30分間攪拌した後、結果として生じた淡黄色のゲル/固形物に、水(20mL)を添加し、そしてこの混合物全体をエバポレートし、湿潤した淡黄色/ベージュ残渣を得た。この粗製物を酢酸エチル(150mL)で希釈し、そしてこの青緑色の有機物層をブライン(4×100mL)で洗浄し、乾燥(MgS04)し、濾過し、そしてエバポレートし、わずかに湿潤した黄色残渣(1.2g)を得た。室温で一晩、栓を抜いた丸底フラスコ中に静置し、得られた黄色/茶色の残渣(850mg)を、アセトン(10mL)を用いて粉砕して黄色い沈着物を得た。濾過後、さらにアセトンで洗浄し、淡黄色の粉末を収集し、LWO02128A(205mg、21%)を得た;
4−ベンジルオキシベンジルアルコール(5.0g、22.64mmol)の、氷/水温のジクロロメタン(100mL)溶液に、塩化チオニル(2.5mL、33.96mmol)を滴下した。生じた透明なピンク/赤溶液を、0℃でさらに40分間攪拌した後、エバポレートし、薄緑/黄色の残渣を得た。この粗製物を、ジクロロメタンと3回共エバポレーションし、クリーム状の残渣(5.77g)を得、これを熱トルエン(3mL)中に溶解し、ヘキサン(60mL)にて、一部分ずつで処理をした。室温で静置し、LWO02011Aを、白色結晶(2.89g、12.42mmol)として得た。この生成物の第2作製物(crop)(LWO02011B、1.41g、6.06mmol、全収率:81.6%)を、熱ヘキサン(20mL)から再結晶化した第1作製物の母液の残渣から得た;
(1H)−1,2,4−トリアゾール(890mg、12.89mmol)、4−塩化ベンジルオキシベンジル(2.0g、8.594mmol)、無水炭酸カリウム(1.19g)の、N、Nジメチルホルムアミド(20mL)中懸濁液を、90〜95℃で4時間、窒素の雰囲気下で攪拌した。室温に冷却後、反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、1M水酸化ナトリウム(150mL)で洗浄し、次いでブライン(4×50mL)で洗浄した。次いで、この有機物層を乾燥(MgSO4)し、濾過し、そしてエバボーレートし、白色残渣(2.16g)を得た。この粗製物を、熱酢酸エチル(15mL)に溶解し、その結果生じた溶液に、ヘキサンを一部分ずつで滴下した。冷却し、LWO02013を白色結晶(1.34g、5.051mmol)として得た。1H NMRは、LWO02013は、上記の異性体(AおよびB)の1:1混合物を含有することを示す。
LWO02013(1.25g、4.711mmol)の蒸留THF(50mL)溶液に、無水エタノール(10mL)およびPd/C(10%、70mg)を添加した。結果として生じた黒色の懸濁液を、室温で72時間、水素(バルーン)の雰囲気下で攪拌した。補助触媒の濾過による除去および蒸留THFで徹底的に洗浄の後、濾液をエバボーレートして白色の残渣(580mg)を得、これをアセトン/ヘキサンから再結晶化させて、灰白色結晶(298mg、1.701mmol)としてLWO02015Aを得た。この生成物の第2作製物(LWO02015B、77mg、439.5μmol、全収率:45.4%)を、同じ方法で再結晶化させて、母液の残渣から得た;
LWO02015A(150mg、856.2μmol)の0℃の蒸留THF(10mL)溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%、36mg、899μmol)を添加した。10分間攪拌し、それ以上水素の発生が認められなくなった時点で、トルエン中の塩化スルファモイル(約0.68M、2.5mL)を窒素の雰囲気下で添加し、そしてその結果生じた薄い白色懸濁液を、室温で3時間攪拌した。この反応混合物を、次いで、酢酸エチル(70mL)で希釈し、そしてブライン(100mL、3×50mL)で洗浄した。この分離した有機物層を乾燥し(MgSO4)、濾過し、そしてエバボーレートして白色残渣(144mg)を得、これをアセトン/ヘキサンから再結晶化させ、白色結晶(71mg、279.2μmol、32.6%)としてLWO02017Aを得た;
(生物学的データ)
化合物について、上記のプロトコルに従い、アロマターゼおよびステロイドスルファターゼ(sulphatase)阻害の試験をした。本発明に従う各々の化合物は、ステロイドスルファタ−ゼおよびアロマターゼを阻害することが思い出される。
以下のインビトロにおけるデータを記録した。
インビボデータを、上記のアロマターゼアッセイおよびSTS動物アッセイを用いて記録した。関連する化合物を投与し、そして各動物についてアロマターゼ活性およびSTS活性の両方を決定した。データを図3および図4に示す。
上記明細書に記載される全ての刊行物および特許および特許出願は、参考文献として本明細書中で援用される。本発明の種々の改変および変更は、本発明の範囲および精神から逸脱しない限り、当業者に明らかである。本発明は、特定の好ましい実施形態に関して記載されるが、請求される発明は、このような特定の実施形態に、過度に制限されるべきではないと理解されるべきである。実際に、化学、生物学、または関連分野の当業者に明白である、本発明の実施に関して記載される様式の種々の改変は、添付の請求項の範囲内を意図する。
本発明は、本明細書中で、添付の図面を参照して、例示のみによってさらに詳細に記載されている。