JP4719144B2 - ステロイドスルファターゼのインヒビターとしてのエストロゲン誘導体 - Google Patents

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Description

(発明の分野)
本発明は、化合物に関する。
特に、本発明は、化合物およびその化合物を含む薬学的組成物に関する。また、本発明は、治療適用における化合物または組成物の使用に関する。
(発明の背景)
エストロゲン類は、乳房および子宮内膜などの内分泌依存組織における腫瘍増殖促進に関与している主要な分泌促進因子であるという証拠が示されている。血漿エストロゲン濃度は、乳癌を有する女性でも、乳癌を有さない女性でも同様であるが、乳房腫瘍のエストロン濃度とエストラジオール濃度は、正常の乳房組織または正常血液における濃度より著しく高い。エストロゲンのインサイチュ合成は、腫瘍における高濃度エストロゲン類に重要な寄与をしていると考えられ、したがってエストロゲン生合成のインヒビター、特に特異的インヒビターは、内分泌依存腫瘍の治療にとって価値を有している可能性がある。
この20年間、アンドロゲンの前駆体であるアンドロステンジオンをエストロンへと変換するアロマターゼ経路のインヒビター開発に大きな関心が寄せられてきた。しかし、現在、エストロンスルファターゼ(E1−STS)経路、すなわち、硫酸エストロンからエストロンへ(E1SからE1)の加水分解およびアロマターゼ(すなわち、アンドロステンジオンからエストロンへの変換)が、乳房腫瘍におけるエストゲン類産生の原因となっている証拠がある。
図1および図2は、硫酸エストロン、エストラジオールおよびアンドロステンジオンからエストロンのインサイチュ合成に関与している酵素のいくつかを示している概略図である。
閉経後の女性におけるエストロゲンステロイド類の出所を概略的に示している図2において、「ER」はエストロゲンレセプターを示し、「DHA−S」は、硫酸デヒドロエピアンドロステロンを示し、「アジオール」は、アンドロステンジオールを示し、「E1−STS」は、エストロンスルファターゼを示し、「アジオール−STS」は、アジオールスルファターゼを示し、「17B−HSD」は、エストラジオール17B−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼを示す。
エストロゲン類の末梢合成に関与している主要な2つの酵素は、アロマターゼ酵素とエストロンスルファターゼ酵素であることが分かる。
手短に述べると、アロマターゼ酵素は、副腎皮質により大量に分泌されるアンドロステンジオンをエストロンへと変換する。最近の報告により、いくつかのフラボン類がアロマターゼ活性を阻害し得ることが示唆された。
しかし、このようにして形成されたエストロンの多くは、硫酸エストロン(E1S)へと変換され、血漿および組織中のEISは、エストロンスルファターゼの作用によるエストロン形成のための貯蔵所として作用していることが、現在相当多くの証拠により示されている。
この点で、エストロンスルファターゼ(E1−STS)経路、すなわち、硫酸エストロンからエストロンへ(E1SからE1)の加水分解が、乳房腫瘍におけるエストロゲンの主たる供給源であると現在考えられている。アミノグルテチミドや、4−ヒドロキシアンドロステンジオンなどのアロマターゼインヒビターによって治療された乳癌を有する閉経後女性において、血漿エストロゲン濃度の低下が少ないこと、また、これらのアロマターゼインヒビターで治療された患者における血漿E1S濃度は、比較的高いままであることから、前記理論が支持される。非共役エストロゲン類の血中半減期(20分)に較べて、E1Sの血中半減期が長いこと(10〜12時間)また、肝臓、正常乳房組織ならびに悪性腫瘍乳房組織において、ステロイドスルファターゼ活性が高レベルであることによっても、この理論は支持される。
このように、悪性腫瘍の乳房組織および子宮内膜組織におけるスルファターゼ経路におけるエストロゲン形成は、これらの腫瘍に存在している高濃度エストロゲン類に対する主要な寄与をなしている。
PCT/GB92/01587は、エストロン依存腫瘍、特に乳癌の治療における使用目的のステロイドスルファターゼインヒビターおよびそれらを含有する薬学的組成物を教示している。これらのステロイドスルファターゼインヒビターは、N,N−ジメチルエストロン−3−スルファメートおよび、好ましくはエストロン−3−スルファメート(他に、「EMATE」として知られている)などのスルファメートエステル類である。EMATEは、以下の構造:
Figure 0004719144
を有する。
EMATEは、0.1nMで、無処置MCF−7細胞におけるE1−STS活性の99%超の阻害を示すため、強力なE1−STSインヒビターであることが公知である。また、EMATEは、時間および濃度依存的様式で、E1−STS酵素を阻害し、有効な部位特異的な失活剤として作用することを示している。EMATEはもともと、E1−STS阻害のためにデザインされたが、アンドロステンジオールの生合成調節に中心的役割を有していると考えられている。酵素であるデヒドロエピアンドロステロンスルファターゼ(DHA−STS)もまた阻害する。また、アンドロステンジオールは、現在、乳房腫瘍増殖のプロモーターとして、より一層重要であり得ることを示唆する証拠がある。またはEMATEは、経口または皮下のいずれかで投与されると、ラットの肝臓E1−STS活性およびDHA−STS活性のほぼ完璧な阻害(各々99%)としてのインビボ活性がある。さらに、EMATEは、ラットにおいて、記憶増強効果を有することが示されている。マウスにおける試験により、DHA−STS活性と、免疫応答の一部調節との間の関連が示唆されている。これは、ヒトにおいても生じ得ると考えられる。EMATEにおけるスルファメート部分の架橋O−原子は、阻害活性にとって重要である。したがって、エストロン−3−N−スルファメートおよびエストロン−3−S−スルファメートにおけるように、3−O−原子が他のヘテロ原子によって置換された場合、これらの類縁体は、より弱い非時間依存的失活剤である。
エストロンに加え、閉経後女性により産生されるエストロゲン特性を有するその他の主要ステロイドは、アンドロステンジオールである(図2を参照)。
アンドロステンジオールは、アンドロゲンの1つであるが、エストロゲンレセプター(ER)に結合でき、ER陽性乳癌細胞の増殖およびラットにおける発癌物質誘導哺乳動物腫瘍の増殖を刺激し得る。閉経後女性において、産生されるアンドロステンジオールの90%が、副腎皮質により大量に分泌されるアンドロゲンである硫酸デヒドロエピアンドロステロン由来であることは重要である。DHA−Sは、E1Sの加水分解の原因である酵素、エストロンスルファターゼと同じか、または異なり得るDHAスルファターゼにより、DHAへと変換される。
この10〜15年間、強力なアロマターゼインヒビターを開発するためにかなり多くの研究が実施されてきており、そのうちのいくつかは、現在市販されている。しかし、アロマターゼインヒビター治療を受けた、乳癌を有する閉経後女性の最近の3つの報告では、血漿E1S濃度は、400〜1000pg/mlの間に留まっていた。
したがって、要約すると、エストロゲンのインサイチュ合成は、腫瘍における高濃度エストロゲン類に重要な寄与をなすと考えられ、したがって、エストロゲン生合成の特異的インヒビターは、内分泌依存腫瘍の治療にとって価値を有する可能性があると考えられる。
さらに、悪性腫瘍の乳房組織および子宮内膜組織における、スルファターゼ経路におけるエストロゲン形成が、高濃度エストロゲン類に主要な寄与をなしているとは言え、エストロゲンのインビボ合成に寄与している他の酵素経路も存在する。
(本発明の概要)
D環上に亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される基を担持するステロイド化合物が、有効なステロイドスルファターゼ(STS)インヒビター;細胞周期モジュレーター;アポトーシスモジュレーター;細胞増殖モジュレーター;グルコース取込み阻止剤および/または抑制剤;腫瘍血管新生阻止剤またはインヒビター;微小管崩壊剤;および/またはアポトーシス誘導剤として利用し得るという驚くべき発見に基づいている。
本発明の化合物は、他の置換基を含み得る。これらの他の置換基は、例えば、本発明の化合物の活性をさらに増加し得、および/または安定性(エクスビボおよび/またはインビボ)を増加し得る。
(本発明の詳細な局面)
本発明の一局面により、ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含む化合物であって、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択され、ステロイド環系のA環は2位または4位において、Rがヒドロカルビル基であるRで置換されている化合物が提供される。
本発明の一局面により、i)本明細書に定義された化合物;および(ii)生物学的応答改質剤を含む組成物が提供される。
本発明の一局面により、(a)(i)本明細書に定義された化合物、または(ii)本明細書に定義された組成物および(b)薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、賦形剤またはアジュバントを含む薬学的組成物が提供される。
本発明の一局面により、医薬に使用目的の(i)本明細書に定義された化合物、または(ii)本明細書に定義された組成物が提供される。
本発明の一局面により、腫瘍増殖を阻止および/または阻害目的の医薬製造において(i)本明細書に定義された化合物、または(ii)本明細書に定義された組成物が提供される。
本発明の一局面により、ステロイドスルファターゼ(STS)活性;細胞周期;アポトーシス;細胞増殖;腫瘍によるグルコース取込み;腫瘍血管新生;微小管形成;およびアポトーシスのうちの1つ以上に関連する状態または疾患の治療における使用目的の医薬の製造において、(i)本明細書に定義された化合物、または(ii)本明細書に定義された組成物の使用が提供される。
本発明の一局面により、有害なステロイドスルファターゼ(STS)活性;細胞周期;アポトーシス;細胞増殖;腫瘍によるグルコース取込み;腫瘍血管新生;微小管形成;およびアポトーシスのうちの1つ以上に関連する状態または疾患の治療における使用目的の医薬の製造において、(i)本明細書に定義された化合物、または(ii)本明細書に定義された組成物の使用が提供される。
本発明の一局面により、ステロイドスルファターゼ(STS)活性の阻害;細胞周期の調節;アポトーシスの調節;細胞増殖の調節;腫瘍によるグルコース取込みの阻止および/または抑制;腫瘍血管新生の阻止および/または阻害;微小管の崩壊;およびアポトーシス誘導のうちの1つ以上のための医薬の製造において、(i)本明細書に定義された化合物、または(ii)本明細書に定義された組成物の使用が提供される。
本発明の一局面により、ステロイドスルファターゼ(STS)活性を阻害する医薬の製造において、(i)本明細書に定義された化合物、または(ii)本明細書に定義された組成物の使用が提供される。
本発明の一局面により、細胞増殖を調節するための医薬の製造において、(i)本明細書に定義された化合物、または(ii)本明細書に定義された組成物の使用が提供される。
本発明の一局面により、治療を必要とする被験体に、(i)本明細書に定義された化合物、または(ii)本明細書に定義された組成物を含む治治療が提供される。
本発明の一局面により、ステロイドスルファターゼ(STS)活性の阻害;細胞周期の調節;アポトーシスの調節;細胞増殖の調節;腫瘍によるグルコース取込みの阻止および/または抑制;腫瘍血管新生の阻止および/または阻害;微小管の崩壊;およびアポトーシス誘導のために、治療を必要とする被験体に、(i)本明細書に定義された化合物、または(ii)本明細書に定義された組成物を含む治治療が提供される。
本発明の一局面により、(a)本明細書に定義された1つ以上の候補化合物によるステロイドスルファターゼ(STS)活性の阻害;細胞周期の調節;アポトーシスの調節;細胞増殖の調節;腫瘍によるグルコース取込みの阻止および/または抑制;腫瘍血管新生の阻止および/または阻害;微小管の崩壊;およびアポトーシス誘導の1つ以上に関するアッセイを実施すること;(b)前記候補化合物の1つ以上が、ステロイドスルファターゼ(STS)活性の阻害;細胞周期の調節;アポトーシスの調節;細胞増殖の調節;腫瘍によるグルコース取込みの阻止および/または抑制;腫瘍血管新生の阻止および/または阻害;微小管の崩壊;およびアポトーシス誘導のうち1つ以上の能力を有するかどうかを決定すること;(c)ステロイドスルファターゼ(STS)活性の阻害;細胞周期の調節;アポトーシスの調節;細胞増殖の調節;腫瘍によるグルコース取込みの阻止および/または抑制;腫瘍血管新生の阻止および/または阻害;微小管の崩壊;およびアポトーシス誘導、を含む方法が提供される。
本発明の方法のいずれにおいても、1つ以上の追加のステップが存在し得る。例えば、前記方法は、確認された候補化合物を修飾する(化学的および/または酵素的方法により)ステップおよびその修飾化合物を、ステロイドスルファターゼ(STS)活性の阻害;細胞周期の調節;アポトーシスの調節;細胞増殖の調節;腫瘍によるグルコース取込みの阻止および/または抑制;腫瘍血管新生の阻止および/または阻害;微小管の崩壊;およびアポトーシス誘導のうちの1つ以上に関して試験する任意の追加ステップもまた含み得る。さらに例を挙げると、前記方法はまた、確認された候補化合物を構造決定(結晶学的方法を使用するなどして)するステップに次いで、さらに、その作用を増強させる目的などで、コンピュータモデリング試験の実施を含み得る。このように、本発明は、前記の確認された候補化合物に関するデータセット(結晶学的座標など)を有するコンピュータもまた包含する。また、本発明は、酵素結合および/または蛋白質結合の試験など確認された候補化合物の分析のために、コンピュータスクリーン上に提示される場合の、その確認された候補化合物も包含する。
本発明の一局面により、本発明の方法によって確認される化合物が提供される。
また、本発明は、本発明の新規化合物(本明細書に提示されたものなど)、ならびにそれらを作製する方法(本明細書に提示された方法など)、ならびにそれらの方法に使用するための新規中間体(本明細書に提示されたものなど)も包含する。
(広範な局面)
本発明の広範な一局面により、細胞周期;アポトーシス;細胞増殖;腫瘍によるグルコース取込み;腫瘍血管新生;微小管形成;およびアポトーシスのうちの1つ以上に関連する状態または疾患の治療における使用目的の医薬の製造においける化合物の使用が提供され、前記化合物は、ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含んでなり、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される。
本発明の広範な一局面により、ステロイドスルファターゼ(STS)活性;細胞周期;アポトーシス;細胞増殖;腫瘍によるグルコース取込み;腫瘍血管新生;微小管形成;およびアポトーシスのうちの1つ以上に関連する状態または疾患の治療における使用目的の医薬の製造において、組成物の使用が提供され、前記組成物は、
i)ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含む化合物であって、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される化合物;および
ii)生物学的応答修飾剤、
を含む。
本発明の他の広範な局面により、有害なステロイドスルファターゼ(STS)活性;細胞周期;アポトーシス;細胞増殖;腫瘍によるグルコース取込み;腫瘍血管新生;微小管形成;およびアポトーシスのうちの1つ以上に関連する状態または疾患の治療における使用目的の医薬の製造において、化合物の使用が提供され、前記化合物は、本発明は、ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含む化合物であって、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される。
本発明の他の広範な局面により、有害なステロイドスルファターゼ(STS)活性;細胞周期;アポトーシス;細胞増殖;腫瘍によるグルコース取込み;腫瘍血管新生;微小管形成;およびアポトーシスのうちの1つ以上に関連する状態または疾患の治療における使用目的の医薬の製造において、組成物の使用が提供され、前記組成物は、
i)ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含む化合物であって、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される化合物;および
ii)生物学的応答修飾剤、
を含む。
本発明のさらなる広範な一局面により、細胞周期の調節;アポトーシスの調節;細胞増殖の調節;腫瘍によるグルコース取込みの阻止および/または抑制;腫瘍血管新生の阻止および/または阻害;微小管の崩壊;およびアポトーシス誘導のうちの1つ以上のための医薬の製造における化合物の使用が提供され、前記化合物は、ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含んでなり、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される。
本発明のさらなる広範な一局面により、細胞周期の調節;アポトーシスの調節;細胞増殖の調節;腫瘍によるグルコース取込みの阻止および/または抑制;腫瘍血管新生の阻止および/または阻害;微小管の崩壊;およびアポトーシス誘導のうちの1つ以上のための医薬の製造における組成物の使用が提供され、前記組成物は、
i)ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含む化合物であって、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される化合物;および
ii)生物学的応答修飾剤、
を含む。
本発明の広範な一局面により、細胞増殖を調節するための医薬の製造における化合物の使用が提供され、前記化合物は、ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含んでなり、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される。
本発明の広範な一局面により、細胞増殖を調節するための医薬の製造における組成物の使用が提供され、前記組成物は、
i)ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含む化合物であって、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される化合物;および
ii)生物学的応答修飾剤、
を含む。
本発明の広範な一局面により、細胞周期の調節;アポトーシスの調節;細胞増殖の調節;腫瘍によるグルコース取込みの阻止および/または抑制;腫瘍血管新生の阻止および/または阻害;微小管の崩壊;およびアポトーシス誘導のために、治療を必要とする被験体に、化合物を投与することを含む治治療が提供され、前記化合物は、ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含んでなり、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される。
本発明の広範な一局面により、細胞周期の調節;アポトーシスの調節;細胞増殖の調節;腫瘍によるグルコース取込みの阻止および/または抑制;腫瘍血管新生の阻止および/または阻害;微小管の崩壊;およびアポトーシス誘導のために、治療を必要とする被験体に、組成物を投与することを含む治治療が提供され、前記組成物は、
i)ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含む化合物であって、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される化合物;および
ii)生物学的応答改質剤、
を含む。
本発明の広範な一局面により、炭酸脱水酵素に関連する状態または疾患の治療に使用するための医薬の製造における化合物の使用が提供され、前記化合物は、ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含んでなり、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択される。
本発明の広範な一局面により、炭酸脱水酵素に関連する状態または疾患の治療に使用するための医薬の製造における組成物の使用が提供され、前記組成物は、
i)ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含む化合物であって、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される化合物;および
ii)生物学的応答修飾剤、
を含む。
本発明の他の広範な局面により、有害な炭酸脱水酵素活性に関連する状態または疾患の治療に使用するための医薬の製造における化合物の使用が提供され、前記化合物は、ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含んでなり、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択される。
本発明の他の広範な局面により、有害な炭酸脱水酵素活性に関連する状態または疾患の治療に使用するための医薬の製造における組成物の使用が提供され、前記組成物は、
i)ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含む化合物であって、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される化合物;および
ii)生物学的応答改質剤、
を含む。
本発明のさらなる広範な一局面により、炭酸脱水酵素活性を調節する医薬の製造における化合物の使用が提供され、前記化合物は、ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含んでなり、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択される。
本発明のさらなる広範な一局面により、炭酸脱水酵素活性を調節する医薬の製造における組成物の使用が提供され、前記組成物は、
i)ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含む化合物であって、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される化合物;および
ii)生物学的応答修飾剤、
を含む。
本発明の広範な一局面により、炭酸脱水酵素活性を調節するために、治療を必要とする被験体に、化合物を投与することを含む治治療が提供され、前記化合物は、ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含んでなり、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される。
本発明の広範な一局面により、炭酸脱水酵素活性を調節するために、治療を必要とする被験体に、組成物を投与することを含む治治療が提供され、前記組成物は、
i)ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含む化合物であって、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される化合物;および
ii)生物学的応答修飾剤、
を含む。
これらの広範な局面において、R、R、RおよびLは、本明細書に定義されたとおりのものであることが好ましい。
参照を容易にするため、本発明のこれらおよびさらなる局面は、次に適切な節の見出しの下で検討される。しかし、各節の下での教示は、必ずしも特定の各節に限定されない。
(いくつかの利点)
本発明の重要な利点の1つは、本発明の化合物が、ステロイドスルファターゼ(STS)活性を阻害できることである。
本発明の重要な利点の1つは、本発明の化合物が、細胞周期を調節できることである。
本発明の重要な利点の1つは、本発明の化合物が、アポトーシスを調節できることである。
本発明の重要な利点の1つは、本発明の化合物が、細胞増殖を調節できることである。
本発明の重要な利点の1つは、本発明の化合物が、腫瘍によるグルコース取込み阻止/または抑制できることである。
本発明の重要な利点の1つは、本発明の化合物が、腫瘍血管新生を阻止/または阻害できることである。
本発明の重要な利点の1つは、本発明の化合物が、微小管を崩壊できることである。
これに関して、微小管は、マイクロフィラメントおよび中間径フィラメントと共に、細胞の細胞骨格系の一部を形成している。微小管は、多くの細胞運動、例えば、繊毛および鞭毛のビーティングおよび細胞質内の膜小胞の輸送などの原因である。これら全ての運動は、微小管の重合化と脱重合または微小管運動蛋白質、ダイニンおよびキネシンの作用から生じる。減数分裂および有糸分裂時における染色体の整列および分離など、いくつかの他の細胞運動は、双方の機構から生じる。微小管は、細胞移動を指令もするが、いくつかの場合、微小管は、純粋に構造的機能を受け持つ。
微小管は、α−チューブリンモノマーとβ−チューブリンモノマーのヘテロダイマーであるサブユニットからなる。2種の微小管集団:安定な長寿命微小管と動的な短寿命微小管とがある。動的微小管は、微小管構造が、素早く集合し、離散する必要がある場合に見られる。例えば、有糸分裂時、分裂間期細胞の特徴である細胞基質微小管ネットワークが消失し、そこからのチューブリンが、染色体を娘細胞に等しく分配する紡錘体機構を形成するために用いられる。有糸分裂が完了すると、紡錘体は離散し、分裂間期微小管ネットワークが再形成される。
有糸分裂を阻害する薬物は、細胞内の微小管を操作するための有用な手段を提供する。3種の薬物:全て植物から精製されたコルヒチン、ビンブラスチンおよびタキソールは、それらがチューブリンまたは微小管とのみ結合するという部分的理由から、また、それらの細胞内濃度をコントロールできるという理由から、微小管機能の極めて強力な探索子であることが証明されている。
有糸分裂に及ぼす効果により、微小管インヒビターは、疾病を治療するために、また、紡錘体形成妨害が、癌細胞のような急速に分裂する細胞を優先的に阻害することから、最近では抗癌剤としても広範囲にわたって用いられてきている。有効性の高い抗卵巣癌剤の1つは、タキソールである。急速な細胞分裂を受ける卵巣癌細胞において、有糸分裂は、タキソール治療によって妨害される一方、損傷されていない微小管により実施される他の機能は影響を受けない。微小管の包括的なレビューは、「Molecular Cell Biology」(編集者:Lodishら、1995年WH Freeman社、ニューヨーク所在、p.1051−1122)において見ることができる。
本発明の重要な利点の1つは、本発明の化合物が、アポトーシスを誘導できることである。
アポトーシスは、MT標的薬物により誘導され、その過程は、アポトーシス調節因子であるbcl−2蛋白質(Halder、Cancer Res.57:p.229,1997年)のリン酸化(および失活化)を含み得る。
本発明は、前記化合物が、癌の有効な治療を提供するという驚くべき発見に基づいている。
本発明の化合物の他の利点は、それらがインビボで効力があり得ることである。
本発明の化合物のいくつかは、非エストロゲン化合物であり得る。本明細書における用語の「非エストロゲン」とは、エストロゲン活性を示さないか、または実質的に示さないことを意味する。本明細書における用語の「非エストロゲン」とは、プロトコル4により決定されるような全身的エストロゲン活性を示さないか、または実質的に示さないことを意味する。
いくつかの適用に関して、前記化合物は、エストロゲン作用を有する。
他の利点は、前記化合物のいくつかが、ホルモン活性を示す化合物へと代謝されることができないことがあり得る。
いくつかの適用に関して、前記化合物は、可逆的作用を有することが好ましい。
いくつかの適用に関して、前記化合物は、不可逆的作用を有することが好ましい。
本発明の化合物のいくつかは、また、経口的に有効であり得る点で有利である。
本発明の化合物のいくつかは、乳癌などの癌の予防および/または治療ならびに(またはその代わりに)、例えば、関節リウマチ、I型およびII型糖尿病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、甲状腺炎、血管炎、潰瘍性大腸炎およびクローン病、皮膚障害、例えば、アクネ、乾癬、および接触皮膚炎などの自己免疫疾患;移植片対宿主病;湿疹;喘息および移植後臓器拒絶の1つ上に関連する状態などの炎症性状態の予防および/または治療など、非悪性状態の予防および/または治療に有用であり得る。本発明の化合物は、医薬品が、特に低年齢から投与される必要があり得る場合に有用である。
一実施形態において、本発明の化合物は、乳癌の治療に有用である。
このように、本発明の化合物のいくつかは、自己免疫疾患の治療など、内分泌依存性癌の治療以外の治療的利用法を有するとも考えられる。
参照を容易にするため、本発明のこれらおよびさらなる局面は、次に適切な節の見出しの下で検討される。しかし、各節の下での教示は、必ずしも特定の各節に限定されない。
(好ましい局面)
(化合物)
上記のとおり、本発明は、ステロイド環系、および−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意のR基を含む化合物であって、ステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Rがアルコールであるか、またはアルコールを含む場合にLが存在するという条件で、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、亜硝酸エステル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択され、ステロイド環系のA環は2位または4位において、Rがヒドロカルビル基であるRで置換されている化合物を提供する。
好ましい一局面において、前記化合物は、ステロイドスルファターゼ(STS)活性の阻害;細胞周期の調節;アポトーシスの調節;細胞増殖の調節;腫瘍によるグルコース取込みの阻止および/または抑制;腫瘍血管新生の阻止および/または阻害;微小管の崩壊;およびアポトーシス誘導のうちの1つ以上の能力を有する。
(ステロイド環系)
本発明の化合物は、ステロイド環構成要素、すなわち、シクロペンタノフェナントレン骨格、またはそのバイオアイソスターを有する。
当該分野で周知のとおり、伝統的なステロイド環構造は、一般式:
Figure 0004719144
を有し、上記式中、環は従来の様式で名付けられ、番号付けされている。
一局面において、ステロイド環構造は、C、H、O、N、P、ハロゲン(Cl、Br、Iなど)、SおよびPのいずれか1つ以上を含有し得る。
ステロイド環構造の環式基の少なくとも1つは、ヘテロ環式基(ヘテロ環式)または非ヘテロ環式基であり得る。
ステロイド環構造の環式基の少なくとも1つは、飽和環構造または不飽和環構造(アリール基)であり得る。
ステロイド環構造の環式基の少なくとも1つは、アリール環であることが好ましい。
バイオアイソスターの一例は、A環、B環、C環およびD環の任意の1つ以上が、ヘテロ環式環であり、および/またはA環、B環、C環およびD環の任意の1つ以上の環が、置換されておりおよび/またはA環、B環、C環およびD環が、修飾されている場合でも、このバイオアイソスターがステロイド性を有しているものである。
この点で、好ましい環構造の構造は:
Figure 0004719144
として示すことができ、A’環、B’環、C’環およびD’環の各々は独立して、ヘテロ環式環または非ヘテロ環式環を示し、これらの環は独立して、置換または非置換、飽和または不飽和であり得る。
例えば、A’環、B’環、C’環およびD’環の任意の1つ以上が独立して、アルキル基、アリル基、ヒドロキシル基、ハロ基、ヒドロカルビル基、オキシヒドロカルビル基などの好適な基により置換されていてもよい。
本明細書に用いられる用語の「ヒドロカルビル基」とは、少なくともCおよびHを含み、また、任意に1つ以上の他の好適な置換基を含み得る基を意味する。このような置換基の例としては、ハロ基、アルコキシ基、ニトロ基、炭化水素基、N−アシル基、環式基などを挙げることができる。置換基が環式基であるという可能性に加えて、置換基の組合せにより環式基を形成し得る。もし、ヒドロカルビル基が、1個超の炭素を含むならば、それらの炭素は、必ずしも互いに結合している必要はない。例えば、少なくとも炭素のうちの2個は、好適な元素または基を介して結合していてもよい。このように、ヒドロカルビル基は、ヘテロ原子を含有し得る。好適なヘテロ原子は、当業者に明らかであろうが、例えば、イオウ、窒素、酸素が挙げられる。
本発明の好ましい一実施形態において、ヒドロカルビル基は炭化水素基である。
本明細書の用語の「炭化水素」とは、線状、分枝状もしくは環状であり得るアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、またはアリール基のいずれかを意味する。用語の炭化水素基はまた、任意に置換されているそれらの基も含む。炭化水素が、置換基を有する分枝状構造である場合、その置換は炭化水素骨格上か、もしくは分枝上のいずれかであり得るか、あるいは置換が炭化水素骨格上にあり、かつ分枝上にあり得る。
本発明の好ましい一実施形態において、ヒドロカルビル基はオキシヒドロカルビル基である。
本明細書に用いられる用語の「オキシヒドロカルビル基」とは、少なくともC、HおよびOを含み、また、任意に1つ以上の他の好適な置換基を含み得る基を意味する。このような置換基の例としては、ハロ基、アルコキシ基、ニトロ基、アルキル基、環式基などを挙げることができる。置換基が環式基であるという可能性に加えて、置換基の組合せにより環式基を形成し得る。もし、オキシヒドロカルビル基が、1個超の炭素を含むならば、それらの炭素は、必ずしも互いに結合している必要はない。例えば、少なくとも炭素のうちの2個は、好適な元素または基を介して結合していてもよい。このように、オキシヒドロカルビル基は、ヘテロ原子を含有し得る。好適なヘテロ原子は、当業者に明らかであろうが、例えば、イオウおよび窒素が挙げられる。
本発明の好ましい一実施形態において、オキシヒドロカルビル基はオキシ炭化水素基である。
本明細書の用語の「オキシ炭化水素」とは、線状、分枝状もしくは環状であり得るアルコキシ基、オキシアルケニル基、オキシアルキニル基のいずれかを意味する。用語のオキシ炭化水素はまた、任意に置換されているそれらの基を含む。オキシ炭化水素が、置換基を有する分枝状構造である場合、その置換は炭化水素骨格上か、もしくは分枝上のいずれかであり得るか、あるいは置換が炭化水素骨格上にあり、かつ分枝上にあり得る。
オキシカルビル基は、アルコキシ基であることが好ましい。オキシカルビル基は、式C1〜6O(C1〜3Oなど)のものであることが好ましい。
D’の一例は、少なくとも1つの置換基を有する5員または6員の非ヘテロ環式環である。
好ましい一実施形態において、D’環は、エチニル基により置換されている。
A’環、B’環、C’環およびD’環のいずれか1つが、ヘテロ環式環の場合、そのヘテロ環式環は、C原子および少なくとも1個のN原子および/または少なくとも1個のO原子の組合せを含むことが好ましい。他のヘテロ環式原子がその環に存在してもよい。
本発明の化合物の好適な好ましいステロイド核のA’〜D’環の例としては、エストロンおよびデヒドロエピアンドロステロンのA〜D環が挙げられる。
本発明の化合物の好ましいステロイド核のA’〜D’環としては、以下のA〜D環が挙げられる:
エストロン類および置換エストロン類、すなわち:
エストロン
2−OH−エストロン
2−アルコキシ−エストロン(C1〜6アルコキシ−エストロンなど、2−メトキシ−エストロン)
4−OH−エストロン
6α−OH−エストロン
7α−OH−エストロン
16α−OH−エストロン
16β−OH−エストロン
エストラジオール類および置換エストラジオール類、すなわち:
2−OH−17β−エストラジオール
2−アルコキシ−17β−エストラジオール(C1〜6アルコキシ−17β−エストラジオールなど、2−メトキシ−17β−エストラジオール)
4−OH−17β−エストラジオール
6α−OH−17β−エストラジオール
7α−OH−17β−エストラジオール
2−OH−17α−エストラジオール
2−アルコキシ−17α−エストラジオール(C1〜6アルコキシ−17α−エストラジオールなど、2−メトキシ−17α−エストラジオール)
4−OH−17α−エストラジオール
6α−OH−17α−エストラジオール
7α−OH−17α−エストラジオール
16α−OH−17α−エストラジオール
16α−OH−17β−エストラジオール
16β−OH−17α−エストラジオール
16β−OH−17β−エストラジオール
17α−エストラジオール
17β−エストラジオール
17α−エチニル−17β−エストラジオール
17β−エチニル−17α−エストラジオール
エストリオール類および置換エストリオール類、すなわち:
エストリオール
2−OH−エストリオール
2−アルコキシ−エストリオール(C1〜6アルコキシ−エストリオールなど、2−メトキシ−エストリオール)
4−OH−エストリオール
6α−エストリオール
7α−エストリオール
デヒドロエピアンドロステロン類および置換デヒドロエピアンドロステロン類、すなわち:
デヒドロエピアンドロステロン類
6α−OH−デヒドロエピアンドロステロン
7α−OH−デヒドロエピアンドロステロン
16α−OH−デヒドロエピアンドロステロン
16β−OH−デヒドロエピアンドロステロン
一般的な言い方では、A’B’C’D’環系は、種々の非妨害的置換基を含有し得る。特に、A’B’C’D’環系は、1つ以上のヒドロキシ、アルキル、特に低級(C〜C)アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルおよび他のペンチル異性体、n−ヘキシルおよび他のヘキシル異性体、アルコキシ、特に低級(C〜C)アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシなど、アルキニル、例えば、エチニル、またはハロゲン、例えばフッ素置換基を含有し得る。
代替の一実施形態において、多環式化合物は、ステロイド核を含有しなくてもよいか、またはそれに基づかなくてもよい。この点で多環式化合物は、ジエチルスチルボエストロール、スチルボエストロール、クマリン類および他の環系などの非ステロイド環系を含有し得るか、またはそれに基づき得る。本発明の組成物中に、または組成物として用いられる他の好適な非ステロイド化合物は、米国特許第5567831号に見ることができる。
(RおよびR
好ましい一局面において、前記化合物は、式I:
Figure 0004719144
のものであり、
式中、Rは、−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意の基である。
好ましい一局面において、前記化合物は、式II:
Figure 0004719144
のものであり、
式中、Rは、−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意の基である。
好ましい一局面において、前記化合物は、式III:
Figure 0004719144
のものであり、
式中、Rは、−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意の基である。
好ましい一局面において、前記化合物は、式IV:
Figure 0004719144
のものであり、
式中、Rは、−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される任意の基である。
式Iから式IVにおけるステロイド環系のA環は、R基により、2位または4位で、さらに置換されることは容易に解されるであろう。
(R
が存在しても、また存在しなくてもよい任意の基であることは、当業者に解されるであろう。好ましい一局面において、Rは存在している。この局面において、Rは、−OH,スルファメート基、ホスホネート基、チオホスホネート基、スルホネート基またはスルホンアミド基のいずれか1つから選択される基である。
(スルファメート基)
一局面において、Rは、任意のスルファメート基である。
用語の「スルファメート」は、スルファミン酸のエステル、またはスルファミン酸のN置換誘導体またはその塩を含む。
一局面において、Rは、スルファメート基である。この局面において、本発明の化合物は、スルファメート化合物と称され得る。
のスルファメート基は、式:
Figure 0004719144
のスルファメート基であることが好ましく、
式中、RとRは独立して、Hまたはヒドロカルビル基から選択される。
とRは独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリールもしくはそれらの組合せから選択されるか、または一緒になってアルキレンを表すことが好ましく、前記または各々のアルキルまたはシクロアルキルまたはアルケニルまたはアリールは、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ基を任意に含有する。
置換された場合、本発明のN置換化合物は、1つまたは2つのN−アルキル、N−アルケニル、N−シクロアルキル、N−アシルまたはN−アリル置換基を含むことができ、最高10個の炭素原子を含むか、各々含むことが好ましい。Rおよび/またはRがアルキルの場合、好ましく有用なものは、RおよびRが独立して、1個から5個の炭素原子を含有する低級アルキル基、すなわち、メチル、エチル、プロピルなどから選択されるものである。RとRの双方がメチルであることが好ましい。Rおよび/またはRがアリールである場合、代表的には有用なものは、フェニルおよびトリル(−PhCH;o−、m−、またはp−)である。RおよびRがシクロアルキルを表す場合、代表的には有用なものは、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。RとRが一緒になった場合は、代表的には1個以上のヘテロ原子またはヘテロ基、例えば、−O−または−NHによって、任意に割り込まれて5員、6員または7員のヘテロ環、例えば、モルホリノ、ピロリジノまたはピペリジノを提供する4個から6個の炭素原子鎖を提供するアルキレン基を表す。
有用物の範囲内で、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリールには、それらの中にある置換基として、問題の化合物のスルファターゼ阻害活性を妨害しない1つ以上の基を含有する置換された基が含まれる。非妨害的置換基としては、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、アルコキシ、アルキル、アルキルおよびアリールが挙げられる。ヒドロカルビル基の非限定的な一例はアシル基である。
いくつかの実施形態において、スルファメート基は、ステロイド環系の中、または環系上の1個以上の原子と融合(または会合)することにより、環系を形成し得る。
いくつかの実施形態において、1つ超のスルファメート基が存在し得る。例えば、2つのスルファメート基が存在し得る(すなわち、ビス−スルファメート化合物)。
いくつかの好ましい実施形態において、RおよびRのうちの少なくとも1つはHである。
いくつかの好ましい実施形態において、RおよびRの各々がHである。
いくつかの好ましい実施形態において、Rはスルファメート基であり、前記化合物は、エストロンスルファターゼ(E.C.3.1.6.2)のインヒビターとしての使用に好適である。
いくつかの好ましい実施形態において、スルファメート化合物上のスルファメートがスルフェート基により置換されて、スルフェート化合物を形成したならば、このスルフェート化合物は、ステロイドスルファターゼ酵素(E.C.3.1.6.2)によって加水分解できることになる。
スルファメート化合物上のスルファメートがスルフェート基により置換されて、スルフェート化合物を形成し、pH7.4および37℃において、ステロイドスルファターゼ酵素(E.C.3.1.6.2)と共にインキュベートされたならば、それは、50mM未満のK値を与えることになる。

スルファメート化合物上のスルファメートがスルフェート基により置換されて、スルフェート化合物を形成し、pH7.4および37℃において、ステロイドスルファターゼ酵素(E.C.3.1.6.2)と共にインキュベートされたならば、それは、50μM未満のK値を与えることになる。
(ホスホネート基)
本発明の化合物が、ホスホネート基を含むならば、本発明の化合物は、ホスホネート化合物と称される。
代表的にはホスホネート基は、式:
(R18)−P(O)(OH)−O−
を有し、
式中、R18は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリールもしくはそれらの組合せであることが好ましく、前記または各々のアルキルまたはシクロアルキルまたはアルケニルまたはアリールは、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ基を任意に含有する。
18がアルキルの場合、R18は、1個から6個の炭素原子を含有する低級アルキル基、すなわち、メチル、エチル、プロピルなどであり得る。例えば、R18は、メチルであり得る。R18がアリールである場合、代表的には有用なものは、フェニルおよびトリル(−PhCH;o−、m−、p−)である。R18がシクロアルキルを表す場合、代表的には有用なものは、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。R18はさらに、1個以上のヘテロ原子またはヘテロ基によって任意に割り込まれて、例えば、5員ヘテロ環、例えば、モルホリノ、ピロリジノまたはピペリジノを提供する4個から6個の炭素原子鎖を提供するアルキレン基を含み得る。
有用物の範囲内で、中にある置換基として、問題の化合物のスルファターゼ阻害活性を妨害しない1つ以上の基を含有するアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリール置換基が含まれる。非妨害的置換基としては、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、アルコキシ、アルキル、アルキルおよびアリールが挙げられる。
いくつかの実施形態において、ホスホネート基は、ステロイド環系の中、または環系上の1個以上の原子と融合(または会合)することにより、環系を形成し得る。
いくつかの実施形態において、1つ超のホスホネート基が存在し得る。例えば、2つのスルファメート基が存在し得る(すなわち、ビス−ホスホネート化合物)。これらの化合物が、ステロイド核に基づいているならば、第2の(または、追加された少なくとも1つ)のホスホネート基は、ステロイド核の17位に位置することが好ましい。これらの基は同じである必要はない。
(チオホスホネート基)
本発明の化合物が、チオホスホネート基を含むならば、本発明の化合物は、ホスホネート化合物と称される。
代表的にはチオホスホネート基は、式:
(R19)−P(S)(OH)−O−
を有し、
式中、R19は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリールもしくはそれらの組合せであることが好ましく、前記または各々のアルキルまたはシクロアルキルまたはアルケニルまたはアリールは、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ基を任意に含有する。
19がアルキルの場合、R19は、1個から6個の炭素原子を含有する低級アルキル基、すなわち、メチル、エチル、プロピルなどであり得る。例えば、R19は、メチルであり得る。R19がアリールである場合、代表的には有用なものは、フェニルおよびトリル(−PhCH;o−、m−、p−)である。R19がシクロアルキルを表す場合、代表的には有用なものは、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。R19はさらに、1個以上のヘテロ原子またはヘテロ基によって任意に割り込まれて、例えば、5員ヘテロ環、例えば、モルホリノ、ピロリジノまたはピペリジノを提供する4個から6個の炭素原子鎖を提供するアルキレン基を含み得る。
有用物の範囲内で、中にある置換基として、問題の化合物のスルファターゼ阻害活性を妨害しない1つ以上の基を含有するアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリール置換基が含まれる。非妨害的置換基としては、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、アルコキシ、アルキル、アルキルおよびアリールが挙げられる。
いくつかの実施形態において、チオホスホネート基は、ステロイド環系の中、または環系上の1個以上の原子と融合(または会合)することにより、環系を形成し得る。
いくつかの実施形態において、1つ超のチオホスホネート基が存在し得る。例えば、2つのスルファメート基が存在し得る(すなわち、ビス−チオホスホネート化合物)。これらの化合物が、ステロイド核に基づいているならば、第2の(または、追加された少なくとも1つ)のチオホスホネート基は、ステロイド核の17位に位置することが好ましい。これらの基は同じである必要はない。
(スルホネート基)
本発明の化合物が、スルホネート基を含むならば、本発明の化合物は、ホスホネート化合物と称される。
代表的にはスルホネート基は、式:
(R20)−S(O)(O)−O−
を有し、
式中、R20は、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリールもしくはそれらの組合せであることが好ましく、前記または各々のアルキルまたはシクロアルキルまたはアルケニルまたはアリールは、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ基を任意に含有する。
20がアルキルの場合、R20は、1個から6個の炭素原子を含有する低級アルキル基、すなわち、メチル、エチル、プロピルなどであり得る。例えば、R20は、メチルであり得る。R20がアリールである場合、代表的には有用なものは、フェニルおよびトリル(−PhCH;o−、m−、p−)である。R20がシクロアルキルを表す場合、代表的には有用なものは、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。R20はさらに、1個以上のヘテロ原子またはヘテロ基によって任意に割り込まれて、例えば、5員ヘテロ環、例えば、モルホリノ、ピロリジノまたはピペリジノを提供する4個から6個の炭素原子鎖を提供するアルキレン基を含み得る。
有用物の範囲内で、中にある置換基として、問題の化合物のスルファターゼ阻害活性を妨害しない1つ以上の基を含有するアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アシルおよびアリール置換基が含まれる。非妨害的置換基としては、ヒドロキシ、アミノ、ハロ、アルコキシ、アルキル、アルキルおよびアリールが挙げられる。
いくつかの実施形態において、スルホネート基は、ステロイド環系の中、または環系上の1個以上の原子と融合(または会合)することにより、環系を形成し得る。
いくつかの実施形態において、1つ超のスルホネート基が存在し得る。例えば、2つのスルファメート基が存在し得る(すなわち、ビス−スルホネート化合物)。これらの化合物が、ステロイド核に基づいているならば、第2の(または、追加された少なくとも1つ)のスルホネート基は、ステロイド核の17位に位置することが好ましい。これらの基は同じである必要はない。
(他の置換基)
本発明の化合物は、式I以外の置換基を有し得る。例えば、これらの他の置換基は、1つ以上のスルファメート基、1つ以上のホスホネート基、1つ以上のチオホスホネート基、1つ以上のスルホネート基、1つ以上のスルホンアミド基、1つ以上のハロ基、1つ以上のO基、1つ以上のヒドロキシ基、1つ以上のアミノ基、1つ以上のイオウ含有基、1つ以上のオキシヒドロカルビル基の1つ以上であり得る。
(R
本発明の化合物のステロイド環系のD環は、式−L−RであるR基により置換されており、式中、Lは、任意のリンカー基であり、Rは、ニトリル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される。
いくつかの好ましい実施形態において、Rは式−Rであり、言い換えれば、L基は存在しない。
いくつかの好ましい局面において、R基は、αコンホメーションにある。R基は、D環の17位上のαコンホメーションにある。
いくつかの実施形態において、Lは、ヒドロカルビル基である。いくつかの実施形態において、Lは、アルキレン基などの炭化水素基である。
Lは、代表的には、C1〜10アルキレン、C1〜5アルキレン、CまたはCアルキレンであり得る。
(R
上記で検討したように、Rは、ニトリル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択されるか、またはそれらのうちの1つを含む基から選択される。いくつかの好ましい局面において、Rは、ニトリル基、アルコール基、エステル基、エーテル基、アミン基およびアルケン基から選択される。Rは、ニトリル基であるか、またはニトリル基を含むことが好ましい。Rは、ニトリル基であることが好ましい。
は、環式基であっても、または非環式基であってもよい。
が、環式基の場合、ステロイドのD環と縮合しているか、またはステロイドのD環と縮合していない環を形成し得る。Rが、ステロイドのD環と縮合している環式基を形成する場合、Rは、好ましくはD環の隣接メンバーと一緒になっている環を形成し、より好ましくは、Rは、D環の16位および17位と一緒になっている環を形成する。
いくつかの好ましい局面において、Rは、=CH−、=CH−CH、=C(CN)、=C(CH)(CN)、および−(R(CR1415の基から選択され、式中、nは、0または1であり、pは、整数であり、Rは、=CH−、−O−およびNR13から選択され;Rは、−SO−R、−C(O)OR17、−OR10、(CH−X−R16、−C≡N、−NR1112−C≡CHおよび−CH=CHから選択され;Rは、Hおよびヒドロカルビルから選択され、R10は、Hおよびヒドロカルビルから選択され;R11およびR12は、各々独立してHおよびヒドロカルビルから選択され;R13は、Hおよびヒドロカルビルから選択され、R14およびR15は、各々独立してHおよびヒドロカルビルから選択され、qは、整数であり、Xは、OまたはSであり、R16は、Hおよびヒドロカルビルから選択され、そしてR17は、Hおよびヒドロカルビルから選択される。
いくつかの好ましい局面において、Rは、式−(R(CR1415の基であり、式中、nは、0または1であり、pは、整数であり、Rは、=CH−、−O−およびNR13から選択され;Rは、−SO−R、−C(O)OR17、−OR10、(CH−X−R16、−C≡N、−NR1112−C≡CHおよび−CH=CHから選択され;Rは、Hおよびヒドロカルビルから選択され、R10は、Hおよびヒドロカルビルから選択され;R11およびR12は、各々独立してHおよびヒドロカルビルから選択され;R13は、Hおよびヒドロカルビルから選択され、R14およびR15は、各々独立してHおよびヒドロカルビルから選択され、qは、整数であり、Xは、OまたはSであり、R16は、Hおよびヒドロカルビルから選択され、そしてR17は、Hおよびヒドロカルビルから選択される。
いくつかの好ましい局面において、Rは、式(CR1415の基であり、pは、整数であり;Rは、−SO−R、−C(O)OR17、−OR10、(CH−X−R16、−C≡N、−NR1112−C≡CHおよび−CH=CHから選択され;Rは、Hおよびヒドロカルビルから選択され、R10は、Hおよびヒドロカルビルから選択され;R11およびR12は、各々独立してHおよびヒドロカルビルから選択され;R14およびR15は、各々独立してHおよびヒドロカルビルから選択され;qは、整数であり;Xは、OまたはSであり;R16は、Hおよびヒドロカルビルから選択され、そしてR17は、Hおよびヒドロカルビルから選択される。
いくつかの好ましい局面において、Rは、式−(CHの基であり、pは、整数であり;Rは、−SO−R、−C(O)OR17、−OR10、(CH−X−R16、−C≡N、−NR1112−C≡CHおよび−CH=CHから選択され;Rは、Hおよびヒドロカルビルから選択され、R10は、Hおよびヒドロカルビルから選択され;R11およびR12は、各々独立してHおよびヒドロカルビルから選択され;qは、整数であり;Xは、OまたはSであり;R16は、Hおよびヒドロカルビルから選択され、そしてR17は、Hおよびヒドロカルビルから選択される。
いくつかの好ましい局面において、Rは、式−(Rの基であり、式中、nは、0または1であり;Rは、=CH−、−O−およびNR13から選択され;Rは、−SO−R、−C(O)OR17、−OR10、(CH−X−R16、−C≡N、−NR1112−C≡CHおよび−CH=CHから選択され;Rは、Hおよびヒドロカルビルから選択され、R10は、Hおよびヒドロカルビルから選択され;R11およびR12は、各々独立してHおよびヒドロカルビルから選択され;R13は、Hおよびヒドロカルビルから選択され、qは、整数であり、Xは、OまたはSであり、R16は、Hおよびヒドロカルビルから選択され、そしてR17は、Hおよびヒドロカルビルから選択される。
pは、任意の整数であり得る。pは、0から20であり得る。pは、0から10であり得る。代表的にはpは、0から5であり得る。一局面において、pは、0、1または2である。
qは、任意の整数であり得る。qは、0から20であり得る。qは、0から10であり得る。代表的にはqは、0から5であり得る。一局面において、qは、0、1または2である。
は、−SO−R、−C(O)OR17、−OR10、(CH−X−R16、−C≡N、−NR1112−C≡CHおよび−CH=CHから選択される。好ましい一局面において、Rは、−SO−Rである。好ましい一局面において、Rは、Rがヒドロカルビルである−SO−Rである。この局面において、好ましくは、Rが−SO−Rであるように、Rは、−O−であり、nは1であり、pは0である。
は、Hおよびヒドロカルビルから選択される。一局面において、Rは、ヒドロカルビルである。本発明の好ましい一実施形態において、Rは、H,C〜C20ヒドロカルビル、C〜C10ヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、炭化水素基、C〜C20炭化水素、C〜C10炭化水素、C〜C炭化水素、C〜C炭化水素、アルキル基、C〜C20アルキル、C〜C10アルキル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルキルのうちの1つから選択される。
一局面において、Rは、HおよびC1〜10アルキルから選択される。一局面において、Rは、HおよびC1〜5アルキルから選択される。一局面において、Rは、C1〜5アルキルである。一局面において、Rは、HおよびC1〜3アルキルから選択される。一局面において、Rは、C1〜3アルキルである。Rは、−CHCHであることが好ましい。
一局面において、Rは、置換または非置換アミンである。置換されている場合、本発明のN置換化合物は、1つまたは2つのN−アルキル、N−アルケニル、N−シクロアルキル、N−アシルまたはN−アリール置換基を含有し得、好ましくは、または各々が最高10個の炭素原子を含有する。好ましい一局面において、Rは、非置換アミン、すなわち、Rは、NHである。
10は、Hおよびヒドロカルビルから選択される。本発明の好ましい一実施形態において、R10は、H,C〜C20ヒドロカルビル、C〜C10ヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、炭化水素基、C〜C20炭化水素、C〜C10炭化水素、C〜C炭化水素、C〜C炭化水素、アルキル基、C〜C20アルキル、C〜C10アルキル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルキルのうちの1つから選択される。
一局面において、R10は、HおよびC1〜10アルキルから選択される。一局面において、R10は、HおよびC1〜5アルキルから選択される。一局面において、R10は、HおよびC1〜3アルキルから選択される。一局面において、R10は、C1〜3アルキルである。R10は、−Hまたは−CHであることが好ましい。
前述のように、NR1112のR11およびR12は、各々独立して、Hおよびヒドロカルビルから選択される。R11および/またはR12がアルキルの場合、好ましく有用なものは、R11およびR12が独立して、1個から5個の炭素原子を含有する低級アルキル基、すなわち、メチル、エチル、プロピルなどから選択されるものである。R11とR12の双方がメチルであることが好ましい。R11および/またはR12がアリールである場合、代表的には有用なものは、フェニルおよびトリル(−PhCH;o−、m−、またはp−)である。R11およびR12がシクロアルキルを表す場合、代表的には有用なものは、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどである。R11とR12が一緒になった場合は、代表的には1個以上のヘテロ原子またはヘテロ基、例えば、−O−または−NHによって、任意に割り込まれて5員、6員または7員のヘテロ環、例えば、モルホリノ、ピロリジノまたはピペリジノを提供する4個から6個の炭素原子鎖を提供するアルキレン基を表す。
一局面において、R11およびR12は、各々独立してヒドロカルビルである。本発明の好ましい一実施形態において、R11およびR12は、各々独立してH,C〜C20ヒドロカルビル、C〜C10ヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、炭化水素基、C〜C20炭化水素、C〜C10炭化水素、C〜C炭化水素、C〜C炭化水素、アルキル基、C〜C20アルキル、C〜C10アルキル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルキルのうちの1つから選択される。
一局面において、R11およびR12は、各々独立してHおよびC1〜10アルキルから選択される。一局面において、R11およびR12は、各々独立してC1〜10アルキルである。一局面において、R11およびR12は、各々独立してHおよびC1〜5アルキルから選択される。一局面において、R11およびR12は、各々独立してC1〜5アルキルである。一局面において、R11およびR12は、各々独立してHおよびC1〜3アルキルから選択される。一局面において、R11およびR12は、各々独立してC1〜3アルキルである。R11およびR12は、独立して−Hおよび−CHから選択されることが好ましい。
13は、Hおよびヒドロカルビルから選択される。本発明の好ましい一実施形態において、R13は、H,C〜C20ヒドロカルビル、C〜C10ヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、炭化水素基、C〜C20炭化水素、C〜C10炭化水素、C〜C炭化水素、C〜C炭化水素、アルキル基、C〜C20アルキル、C〜C10アルキル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルキルのうちの1つから選択される。
一局面において、R13は、HおよびC1〜10アルキルから選択される。一局面において、R13は、HおよびC1〜5アルキルから選択される。一局面において、R13は、HおよびC〜Cアルキルから選択される。一局面において、R13は、C1〜3アルキルである。R13は、−Hであることが好ましい。
14およびR15は、各々独立してHおよびヒドロカルビルから選択される。一局面において、R14およびR15は、各々独立してヒドロカルビルである。本発明の好ましい一実施形態において、R14およびR15は、各々独立してH,C〜C20ヒドロカルビル、C〜C10ヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、炭化水素基、C〜C20炭化水素、C〜C10炭化水素、C〜C炭化水素、C〜C炭化水素、アルキル基、C〜C20アルキル、C〜C10アルキル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルキルのうちの1つから選択される。
一局面において、R14およびR15は、各々独立してHおよびC1〜10アルキルから選択される。一局面において、R14およびR15は、各々独立してC1〜10アルキルである。一局面において、R14およびR15は、各々独立してHおよびC1〜5アルキルから選択される。一局面において、R14およびR15は、各々独立してC1〜5アルキルである。一局面において、R14およびR15は、各々独立してHおよびC1〜3アルキルから選択される。一局面において、R14およびR15は、各々独立してC1〜3アルキルである。R14およびR15は、独立して−Hおよび−CHから選択されることが好ましい。
Xは、OまたはSから選択される。一局面において、XはSである。一局面において、XはOである。
16は、各々独立してHおよびヒドロカルビルから選択される。本発明の好ましい一実施形態において、R16は、各々独立してH,C〜C20ヒドロカルビル、C〜C10ヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、炭化水素基、C〜C20炭化水素、C〜C10炭化水素、C〜C炭化水素、C〜C炭化水素、アルキル基、C〜C20アルキル、C〜C10アルキル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルキルのうちの1つから選択される。
一局面において、R16は、HおよびC1〜10アルキルから選択される。一局面において、R16は、HおよびC1〜5アルキルから選択される。一局面において、R16は、HおよびC〜Cアルキルから選択される。R16は、C1〜3アルキルである。R16は、−Hであることが好ましい。
極めて好ましい一局面において、Rは、=CHC(O)OEt、−CHC(O)OEt、=CHCHOH、−CHCHOH、−CHC≡N、=CHC≡N、−NHNCHCH(Me)、−OCHCH−OMeから選択される基である。
特に好ましいRは、以下のD環置換基:
Figure 0004719144
から選択される。
一局面において、Rは、Qが独立してO、S、NHおよびCHから選択され、yが3から8の整数、好ましくは、5、6、7または8である以下に示されたD置換基から選択できる。
Figure 0004719144
(R
先に述べたように、ステロイド環系のA環は、ヒドロカルビル基であるR基により置換されている。
好ましい一局面において、Rは、ヒドロカルビル基である。
上記で検討されたように、Rに関して本明細書に用いられる用語の「オキシヒドロカルビル基」とは、少なくともC、HおよびOを含み、任意に1つ以上の他の好適な置換基を含み得る基を意味する。このような置換基の例としては、ハロ基、アルコキシ基、ニトロ基、アルキル基、環式基などを挙げることができる。置換基が環式基であるという可能性に加えて、置換基の組合せにより環式基を形成し得る。もし、オキシヒドロカルビル基が、1個超の炭素を含むならば、それらの炭素は、必ずしも互いに結合している必要はない。例えば、少なくとも炭素のうちの2個は、好適な元素または基を介して結合していてもよい。このように、オキシヒドロカルビル基は、ヘテロ原子を含有し得る。好適なヘテロ原子は、当業者に明らかであろうが、例えば、イオウおよび窒素が挙げられる。
本発明の好ましい一実施形態において、R基は炭化水素基である。
本明細書の用語の「オキシ炭化水素」またはRとは、線状、分枝状もしくは環状であり得るアルコキシ基、オキシアルケニル基、オキシアルキニル基のいずれか1つを意味する。用語のオキシ炭化水素基はまた、任意に置換されているそれらの基も含む。オキシ炭化水素が、置換基を有する分枝状構造である場合、その置換は炭化水素骨格上か、もしくは分枝上のいずれかであり得るか、あるいは置換が炭化水素骨格上にあり、かつ分枝上にあり得る。
オキシヒドロカルビル基Rは、アルコキシ基であることが好ましい。オキシヒドロカルビル基Rは、式C1〜6O(C1〜3Oなど)であることが好ましい。オキシヒドロカルビル基Rは、式−O(CH1〜10CH、−O(CH1〜5CH、−O(CH1〜2CHであることが好ましい。極めて好ましい一局面において、Rはメトキシである。
オキシヒドロカルビル基Rは、エーテル基であることが好ましい。オキシヒドロカルビル基Rは、式C1〜6OC1〜6(C1〜3OC1〜3など)であることが好ましい。オキシヒドロカルビル基Rは、式−(CH1〜10O(CH1〜10CH、式−(CH1〜5O(CH1〜5CH、式−(CH1〜2O(CH1〜2CHあることが好ましい。極めて好ましい一局面において、Rは−CHOCHである。
本発明の好ましい一実施形態において、Rは炭化水素基である。Rはアルキル基であることが好ましい。前記アルキル基は、C1〜6アルキル基(C1〜3アルキル基など)であることが好ましい。ヒドロカルビル基Rは、式−(CH1〜10CH、−(CH1〜5CH、−(CH1〜2CHであることが好ましい。極めて好ましい一局面において、Rはエチルである。
本発明の好ましい一実施形態において、Rは、C〜C10ヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、C〜Cヒドロカルビル、炭化水素基、C〜C10炭化水素、C〜C炭化水素、C〜C炭化水素、アルキル基、C〜C10アルキル、C〜Cアルキル、およびC〜Cアルキルのうちの1つから選択される。
本発明の好ましい一実施形態において、Rは、ヒドロカルビルスルファニル基である。
用語の「ヒドロカルビルスルファニル」とは、少なくともヒドロカルビル基(本明細書に定義された)およびイオウを含む基を意味する。そのイオウ基は、任意に酸化され得る。ヒドロカルビルスルファニルは、ヒドロカルビルが本明細書に記載されている式−S−ヒドロカルビルであることが好ましい。
に関して本明細書に用いられる用語の「ヒドロカルビルスルファニル基」とは、少なくともC、HおよびSを含み、任意に1つ以上の他の好適な置換基を含み得る基を意味する。このような置換基の例としては、ハロ基、アルコキシ基、ニトロ基、アルキル基、環式基などを挙げることができる。置換基が環式基であるという可能性に加えて、置換基の組合せにより環式基を形成し得る。もし、オキシヒドロカルビル基が、1個超の炭素を含むならば、それらの炭素は、必ずしも互いに結合している必要はない。例えば、少なくとも炭素のうちの2個は、好適な元素または基を介して結合していてもよい。このように、ヒドロカルビルスルファニル基は、ヘテロ原子を含有し得る。好適なヘテロ原子は、当業者に明らかであろうが、例えば、窒素が挙げられる。
本発明の好ましい一実施形態において、Rは、炭化水素スルファニル基である。Rに関して、本明細書に用いられる用語の「炭化水素スルファニル基」とは、C、HおよびSからなる基を意味する。炭化水素スルファニルは、炭化水素が本明細書に記載されている式−S−炭化水素であることが好ましい。
炭化水素スルファニル基Rは、式C1〜6S(C1〜3Sなど)であることが好ましい。オキシヒドロカルビル基Rは、式−S(CH1〜10CH、−S(CH1〜5CH、−S(CH1〜2CHであることが好ましい。極めて好ましい一局面において、Rは−S−Meである。
先に述べたように、Rは、A環の2位または4位にある。したがって前記化合物は、式
Figure 0004719144
を有し得る。
は、A環の2位にあることが好ましい。
A環が、RおよびRにより置換されているさらに好ましい一局面において、RはRに対してオルトである。
好ましい一局面において、本発明の化合物は、式:
Figure 0004719144
を有し、
式中、Rは、ヒドロカルビル基であり、R14およびR15は、各々独立してHおよびヒドロカルビルから選択され、pは整数である。
好ましい一局面において、本発明の化合物は、式:
Figure 0004719144
を有し、
式中、Rは、オキシ炭化水素基または炭化水素基であり、R14およびR15は、各々独立してHおよびC1〜10アルキルから選択され、pは0から5の整数である。
この局面において、Rは、C1〜6O基などのアルコキシ基、またはC1〜6アルキルなどのアルキル基である。Rは、メトキシまたはエチルであることが好ましい。
この局面において、R14およびR15は、各々独立してHおよびCHから選択されことが好ましく、R14およびR15双方ともHであることが好ましい。
この局面において、pは、0、1または2であることが好ましい。pは、1であることがより好ましい。
極めて好ましい一実施形態において、本発明の化合物は、式:
Figure 0004719144
を有する。
好ましい一実施形態において、本発明の化合物は、式:
Figure 0004719144
を有し、
式中、Rは、ヒドロカルビル基であり、R14およびR15は、各々独立してHおよびヒドロカルビルから選択され、pは整数である。
好ましい一実施形態において、本発明の化合物は、式:
Figure 0004719144
を有し、
式中、Rは、オキシ炭化水素基または炭化水素基であり、R14およびR15は、各々独立してHおよびC1〜10アルキルから選択され、pは0から5の整数である。
この局面において、Rは、C1〜6O基などのアルコキシ基、またはC1〜6アルキルなどのアルキル基である。Rは、メトキシまたはエチルであることが好ましい。
この局面において、R14およびR15は、各々独立してHおよびCHから選択されことが好ましく、R14およびR15双方ともHであることが好ましい。
この局面において、pは、0、1または2であることが好ましい。pは、1であることがより好ましい。
極めて好ましい一実施形態において、本発明の化合物は、式:
Figure 0004719144
を有する。
本発明の極めて好ましい化合物は、以下に示され、そして以下から選択され得る:
Figure 0004719144
Figure 0004719144
(組成物)
上記のように、本発明の一局面により、(a)(i)本明細書に定義された化合物、または(ii)本明細書に定義された組成物および(b)薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、賦形剤またはアジュバントを含む薬学的組成物が提供される。
本発明により、本発明の組成物は、1種以上の生物学的応答修飾剤を含み得る。
用語の生物学的応答修飾剤(「BRM」)は、サイトカイン類、免疫モジュレーター、成長因子、造血調節因子、コロニー刺激因子、走化性、溶血性および血小板溶解性因子、細胞表面レセプター、リガンド類、白血球接着分子、モノクローナル抗体、予防的および治療的ワクチン、ホルモン類、細胞外基質成分、フィブロネクチンなどを含む。
BRM類は、疾患における免疫応答および炎症応答の調節においてある役割を演じている。BRM類の例としては、腫瘍壊死因子(TNF)、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポイエチン、インスリン様増殖因子(IGF)、上皮成長因子(EGF)、細胞分化成長因子(TGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、インターフェロン類(IFN類)、インターロイキン類、組織プラスミノーゲン活性化因子、P−、E−またはL−セレクチン類、ICAM−1VCAM、セレクチン類、アドレッシン類などが挙げられる。
生物学的応答修飾剤は、サイトカインであることが好ましい。
サイトカインは、免疫細胞が互いに伝達し合うことを可能にさせる分子であり、可溶性蛋白質であることが多い。これらの分子は、標的細胞の表面に発現する特異的なレセプターを介して、それらの生物学的機能を行使する。レセプターの結合が、そのレセプターを担持する細胞挙動に大きく影響する生化学的シグナルのカスケード放出のきっかけとなる(Poole,S 1995年 TibTech 13:p.81−82)。多くのサイトカイン類およびそれらのレセプターが分子レベルで同定されており(PaulおよびSedar 1994年、Cell 76:p.241−251)、それら自体において治療に有用な好適分子ならびに治療標的としている。
サイトカイン類についてのより詳細は、Molecular and Biotechnology(Pub.VCH、編集者Meyers、1995年、p.202、203、394、390、475、790)。
サイトカインの例としては、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−19などのインターロイキン類(IL);TNF−αなどの腫瘍壊死因子(TNF);インターフェロンアルファ、ベータおよびガンマ;TGF−βが挙げられる。
本発明に関しては、サイトカインは腫瘍壊死因子(TNF)であることが好ましい。
サイトカインは、TNF−αであることがより好ましい。
TNFは、炎症性応答および免疫病理学的応答を媒介するマクロファージおよびリンパ球により産生されるサイトカインである。TNFは、限定はしないが、免疫調節疾患、感染、細胞増殖、血管新生(新生血管形成)、腫瘍転移、アポトーシス、敗血症および内毒血症などの疾患の進行に関与してきた。
インビボTNFの壊死作用は、主に毛細管損傷に関係する。TNFは、腫瘍組成のみならず、顆粒形成組織にも壊死を引き起す。それは、培養血管内皮細胞の増殖阻害および、それらに対する細胞毒における形態学的変化を生じさせる(Harankaら、19987年 Ciba Found Symp 131:p.140−153)。
本発明の好ましい局面に関して、TNFは、それらの誘導体または混合物を含んでTNF−α、TNF−βなどの任意のタイプのTNFであり得る。
TNFについての教示は、国際公開第98/08870号および国際公開第98/13348号など、当該分野において見ることができる。
TNFは、化学的に調製できるか、または供給源から抽出できる。TNFは、組替えDNA法を用いて調製されることが好ましい。
本発明のこの局面では、本発明の組成物は、前記化合物単独、またはTNF単独よりもインビボでより強力である。さらに、いくつかの局面において、化合物とTNFとの組合せは、前記化合物単独の効力から予想されるよりも、より効力がある。すなわち、これは、両者の相乗的関係である。
また、本発明は、本発明の組成物が、さらに生物学的応答修飾剤のインビボ誘導剤などの生物学的応答修飾剤の誘導剤を含むことを考慮している。
本発明により、前記組成物の成分は、混合物において同時に、または連続的に加えることができる。さらに、本発明により成分の1つの発現を誘導または増大させることにより、組成物の少なくとも一部をインサイチュ(インビボなど)で形成することが可能であり得る。例えば、TNFなどの生物学的応答修飾剤の発現を誘導または増大させることが可能であり得る。例えば、細菌のリポ多糖(LPS)およびムラミルジペプチド(MDP)を添加することにより、TNFの発現を誘導または増大させることが可能であり得る。この点に関して、細菌のLPSとMDPとの併用により、マウス脾臓細胞からのTNF産生をインビトロで、また、腫瘍の退縮をインビボで刺激することができる(Fuksら、Biull Eksp Biol Med 1987年 104:p.497−499)。
治療方法において、被験体は、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。いくつかの適用に関して、ヒトは女性であることが好ましい。
本発明は、本発明の化合物を調製するために有用な新規中間体を含む。例えば、本発明は、前記化合物のための新規アルコール前駆体を含む。さらに例えば、本発明は、前記化合物のためのビス保護前駆体を含む。これらの前駆体の各々の例は、本明細書に提示されている。また、本発明は、本発明の化合物合成のためのそれらの前駆体の各々または双方を含む方法も包含する。
(ステロイドスルファターゼ)
時にはステロイドスルファターゼまたはステリルスルファターゼ、または略して「STS」と称されるステロイドスルファターゼは、硫酸エストロン、硫酸デヒドロエピアンドロステロンおよび硫酸コレステロールなどのいくつかの硫酸化ステロイド類を加水分解する。STSは、酵素番号EC3.1.6.2が割り当てられている。
STSはクローン化され、発現されている。例えば、Steinら(J.Biol.Chem.264:p.13865−13872(1989))およびYenら(Cell 49:p.443−454(1987))を参照されたい。
STSは、多数の状態に関与している酵素である。
例えば、STSの相対的不足により、魚鱗癬が生じることを研究者は見出した。幾人かの研究者によると、STS不足は、日本でかなり広く認められている。また、同じ研究者により、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、またはアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患がステロイドスルファターゼ欠乏に関連している可能性が報告されている。
STS活性の総体的不足によって状態を引き起すことに加えて、STS活性レベルの増加も状態を引き起し得る。例えば、上記に示したように、乳癌の増殖と転移におけるSTSの役割を支持する強い証拠がある。
また、STSは、他の状態にも関与してきた。例えば、Le Royら(Behav Genet 1999年4月;29(2):p.131−6)は、マウスにおけるステロイドスルファターゼ濃度と攻撃行動との間には、遺伝的関連があり得ると判定している。前記著者らは、ステロイド類の硫酸化が、変異により関与していることが示された遺伝子を含む複合的ネットワークのプライム・ムーバーであり得ると結論付けている。
(STS阻害)
STS活性に関連したいくつかの状態は、非活性の硫酸化エストロンから、活性の非硫酸化エストロンへの変換によると考えられている。STS活性に関連した状態においては、STS活性を阻害することが望ましいと考えられる。
本明細書において、用語の「阻害する」は、STSの有害な作用を減少させる、および/または除去するおよび/または遮蔽するおよび/または予防することを含む。
(STSインヒビター)
本発明により、本発明の化合物は、STSインヒビターとして作用する能力を有する。
本発明の化合物に関して、本明細書において用いられる用語の「インヒビター」とは、STSの有害な作用を減少させる、および/または除去するおよび/または遮蔽するおよび/または予防するなど、STS活性を阻害することのできる化合物を意味する。STSインヒビターは、アンタゴニストとして作用し得る。
エストロンスルファターゼ活性を阻害する化合物の能力は、無処理のJEG3絨毛癌細胞または胎盤ミクロソームのいずれかを用いて評価できる。さらに、動物モデルを使用できる。好適なアッセイプロトコルについての詳細は、次節に示されている。STS活性、したがってSTS阻害を測定するために他のアッセイを使用し得ることに注意されたい。例えば、国際公開第99/50453号の教示を参照することもできる。
一局面において、いくつかの適用に関し、前記化合物は、そのスルファメート基が硫酸基により置換されて硫酸塩誘導体を形成するならば、この硫酸塩誘導体は、ステロイドスルファターゼ(E.C.3.1.6.2)活性を有する酵素により、すなわち、ステロイドスルファターゼE.C.3.1.6.2と共に、pH7.4、37℃でインキュベートすれば、加水分解され得るという特徴によってさらに特性化される。
好ましい一実施形態において、前記化合物のスルファメート基が硫酸基により置換されて硫酸塩化合物を形成するならば、この硫酸塩化合物は、ステロイドスルファターゼE.C.3.1.6.2と共に、pH7.4、37℃でインキュベートすれば、ステロイドスルファターゼ(E.C.3.1.6.2)活性を有する酵素により加水分解されて、200ミリモル未満、好ましくは150ミリモル未満、好ましくは100ミリモル未満、好ましくは75ミリモル未満、好ましくは50ミリモル未満のK値を生じることになる。
好ましい一実施形態において、本発明の化合物は、ステロイドスルファターゼ(E.C.3.1.6.2)活性を有する酵素により加水分解され得ない。
いくつかの適用に関して、本発明の化合物は、所望の標的(例えば、STSおよび/またはアロマターゼ)に対して、好ましくは、少なくとも約100倍の選択性、好ましくは、所望の標的に対して少なくとも約150倍の選択性、好ましくは、所望の標的に対して少なくとも約200倍の選択性、好ましくは、所望の標的に対して少なくとも約250倍の選択性、好ましくは、所望の標的に対して少なくとも約3000倍の選択性、好ましくは、所望の標的に対して少なくとも約350倍の選択性を有する。
本発明の化合物は、STSおよび/またはアロマターゼを阻害する能力に加えて、またはその代わりに、他の有益な性質を有し得ることに注意されたい。
(癌細胞を用いたSTS活性決定のためのアッセイ(プロトコル1))
(JEG3細胞におけるステロイドスルファターゼ活性の阻害)
無処理JEG3絨毛癌細胞を用いて、インビトロでステロイドスルファターゼ活性を測定する。この細胞系は、ヒト乳癌細胞増殖の抑制を試験するために使用できる。これは、顕著なステロイドスルファターゼ活性を有し(Boivinら、J。Med.Chem.、2000年、43:p.4465−4478)、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能である。
20mM HEPES、5%ウシ胎仔血清、2mMグルタミン、非必須アミノ酸類および0.075%炭酸水素ナトリウムを含有する最少必須培地(MEM)(Flow Laboratories、スコットランド、アーバイン所在)中に細胞を維持する。上記培地を用い、凡そ1x10細胞/フラスコで30個までの二重反復25cm2組織培養フラスコに播種する。細胞は、80%集密化まで増殖させ、また培地は3日おきに交換する。
三重反復25cm組織培養フラスコ中のJEG3細胞の無処理単層をアールの平衡塩溶液(ICN FlowからのEBSS、英国ハイ・ウィカム所在)により洗浄し、血清のないMEM(2.5ml)中、エストロン−3−スルファメート(5種の濃度;1nM、10nM、100nM、1000nMおよび10μM)と共に、5pmol(7x10dpm)[6,7−3H]エストロン−3−スルフェート(比活性60Ci/mmol、New England Nuclearより、米国マサチューセッツ州ボストン所在)を用いて、37℃で3〜4時間インキュベートする。インキュベート後、各フラスコを冷却し、[14C]エストロン(7x103dpm)(比活性97Ci/mmol、Amersham、Amersham International Radiochemical Centreより、英国)を含有する別の試験管へ、培地(1ml)をピペットで移す。前記混合物をトルエン(5ml)と共に、30秒間、十分に振とうする。この処理により、水相から>90%の[14C]エストロンおよび<0.1%の[3H]エストロン−3−スルフェートが除去されることが実験で示されている。有機相の一部(2ml)を取り、蒸発させ、残渣の3H含量と14C含量とを、シンチレーション分光分析により決定する。得られた3H数値(使用された培地と有機相の容量および加えられた[14C]エストロンの回収量に関して補正された)および前記基質の比活性から、加水分解されたエストロン−3−スルフェートの質量を算出した。実験の各バッチは、スルファターゼ陽性ヒト胎盤(陽性コントロール)から調製されたミクロソームおよび細胞なしのフラスコ(基質の見かけの非酵素的加水分解を評価するため)のインキュベートを含む。前記細胞単層を、ザポニン(Zaponin)で処理後、クールター計数器を用いて、フラスコ1個当たりの細胞核数を測定する。トリパンブルー除外法を用いて、細胞膜の状態および生存率を評価するため、各バッチにおいて1個のフラスコを使用する(Phillips,H.J.(1973)Tissue culture and applications、[編集者:Kruse,D.F.&Patterson,M.K.];p.406−408;Academic Press、ニューヨーク所在)。
ステロイドスルファターゼ活性の結果は、106個の細胞で算出されたインキュベート時(3〜4時間)に形成された合計産物(エストロン+エストラジオール)の平均±1S.Dとして統計的有意性を示す値に関してエストロン−3−スルファメートを含有しないインキュベートに対する減少パーセンテージ(阻害)として表される。結果の統計的有意性の検定には、独立スチューデントt−検定を用いた。
(胎盤ミクロソームを用いたSTS活性決定のためのアッセイ(プロトコル2))
(胎盤ミクロソームにおけるステロイドスルファターゼ活性の阻害)
正常妊娠期のスルファターゼ陽性ヒト胎盤を、鋏で十分に切り刻み、冷リン酸緩衝液(pH7.4、50mM)で1回洗浄してから、冷リン酸緩衝液(5ml/g組織)に再懸濁させるUltra−Turraxホモジェナイザーにより、2分間の氷中冷却時により分離された10秒バースト3回を用いて均質化を達成する。2000gで30分の遠心分離(4℃)により、核と細胞破片を除去し、上澄み液の複数部分(2ml)を20℃で保存する。前記上澄み液の蛋白質濃度を、ブラッドフォードの方法(Anal.Biochem.、72、p.248−254(1976))により決定する。
100mg/mlの蛋白質濃度、20mM[6,7−3H]エストロン−3−スルフェート(比活性60Ci/mmol、New England Nuclearより、米国マサチューセッツ州ボストン所在)の基質濃度、および37℃で20分のインキュベート時間を用いて、インキュベート(1ml)を実施する。必要ならば、6種の濃度の化合物を使用する:0.1nM、1.0nM、10nM、100nM、1000nMおよび10μM。インキュベート後、各フラスコを冷却し、[14C]エストロン(7x103dpm)(比活性97Ci/mmol、Amersham、Amersham International Radiochemical Centreより、英国)を含有する別の試験管へ、培地(1ml)をピペットで移す。前記混合物をトルエン(5ml)と共に、30秒間、十分に振とうする。この処理により、水相から>90%の[14C]エストロンおよび<0.1%の[3H]エストロン−3−スルフェートが除去されることが実験で示されている。有機相の一部(2ml)を取り、蒸発させ、残渣の3H含量と14C含量とを、シンチレーション分光分析により決定した。得られた3H数値(使用された培地と有機相の容量および加えられた[14C]エストロンの回収量に関して補正された)および前記基質の比活性から、加水分解されたエストロン−3−スルフェートの質量を算出する。
(STS活性決定のための動物アッセイモデル(プロトコル3))
(インビボスルファターゼ活性の阻害)
動物モデル、特に卵巣切除ラットを用いて本発明の化合物を試験できる。このモデルにおいて、エストロゲン性化合物は、子宮増殖を刺激する。
ラットに前記化合物(0.1mg/kg/日を5日間)を経口投与し、ラットの他の群は、媒体のみ(プロピレングリコール)を投与する。試験の最後に肝臓組織サンプルを得て、先に記載したように基質として、3H硫酸エストロンを用いてエストロンスルファターゼ活性をアッセイした(国際公開第GB95/02638号を参照)。
(エストロゲン活性決定のための動物アッセイモデル(プロトコル4))
動物モデル、特に卵巣切除ラットを用いて本発明の化合物を試験できる。このモデルにおいて、エストロゲン性化合物は、子宮増殖を刺激する。
ラットに前記化合物(0.1mg/kg/日を5日間)を経口投与し、ラットの他の群は、媒体のみ(プロピレングリコール)を投与した。試験の最後に子宮を得、秤量し、その結果を子宮の重量/全体重x100として表した。
子宮の増殖に有意な効果を有さない化合物は、エストロゲン性ではない。
(STS活性決定のためのバイオテクノロジーアッセイ(プロトコル5))
エストロンスルファターゼ活性を阻害する化合物の能力は、STSをコードするアミノ酸配列またはヌクレオチド配列またはそれらの活性断片、誘導体、相同体または変異体を用いて、例えば、ハイスループットスクリーンにおいて評価することもできる。
種々の薬物スクリーニング法のいずれかにおいて、STSを調節する能力のある医薬を同定するために、アミノ酸配列および/またはヌクレオチド配列などの任意の1つ以上の適切な標的を使用し得る。このような試験に用いられる標的は、溶液中遊離しているか、固体支持体に固定されるか、細胞表面に担持されるか、または細胞内に位置し得る。標的活性の消滅または標的と被験医薬との間の結合複合体の形成を測定できる。
本発明のアッセイは、多数の医薬が試験されるスクリーンであり得る。一局面において、本発明のアッセイ法はハイスループットスクリーンである。
薬物スクリーニングの技法は、1984年9月13日に公開されたGeysenの欧州特許出願公開第84/03564号に記載された方法に基づくことができる。要約すると、多数の種々の小型ペプチド被験化合物を、プラスチックピンまたはいくつかの他の表面などの個体基体上で合成する。ペプチド被験化合物を、好適な標的またはその断片と反応させて洗浄する。次いで結合した被験体物を、当業界で周知の方法を適切に適合させるなどして検出する。精製した標的を、薬物スクリーニング法に使用するため、直接プレートに被覆することもできる。あるいは、非中和化抗体を用いてペプチドを捕捉し、それを固体支持体上に固定することができる。
また、本発明は、標的に特異的に結合する能力のある中和性抗体が標的への結合に関して、被験化合物と競合する競合的薬物スクリーニングアッセイの使用も考慮している。
他のスクリーニング法は、支持体に対する好適な結合親和性を有する医薬のハイスループットスクリーニング(HTS)を提供し、国際公開第84/03564号に詳述された方法に基づいている。
本発明のアッセイ法は、被験化合物の小規模および大規模スクリーニングの双方、ならびに定量的アッセイに好適であると予想される。
好ましい一局面において、本発明は、STSを選択的に調節する医薬で、その化合物が式(I)を有するものを同定する方法に関する。
(レポーター類)
本発明のアッセイ法(ならびにスクリーン)に多種多様のレポーター類が使用でき、好ましいレポーター類は、簡便に検出可能なシグナルを提供する(例えば、分光分析法)。例えば、レポーター遺伝子は、光吸収性を変化させる反応を触媒する酵素をコードできる。
他のプロトコルとしては、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、放射免疫アッセイ(RIA)および蛍光活性化細胞選別(FACS)が挙げられる。さらには、2つの非妨害性エピトープに対して反応性のモノクローナル抗体を利用する2部位モノクローナルベースの免疫アッセイも使用できる。これらおよび他のアッセイは、他にも記載があるが、とりわけ、Hampton Rら(1990年、Serological Methods、A Laboratory Manual、APS Press、ミネソタ州セントポール所在)に記載されている。
レポーター分子の例としては、限定はしないが、(β−ガラクトシダーゼ、インベルターゼ、緑色蛍光蛋白質、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコール、アセチルトランスフェラーゼ、(−グルクロニダーゼ、グルカナーゼ、およびグルコアミラーゼが挙げられる。あるいは、放射標識または蛍光タグ標識されたヌクレオチドを新生転写体に組込み、次にこれを、オリゴヌクレオチドプローブに結合させて検出することができる。
さらに例えば、Pharmacia Biotech(ニュージャージー州ピスカタウェイ所在)、Promega(ウィスコンシン州マジソン所在)およびUS Biochemical社(オハイオ州クリーブランド所在)などの多くの会社が、アッセイ操作のための市販のキットおよびプロトコルを供給している。好適なレポーター分子または標識としては、放射性核種、酵素、蛍光、化学発光または発色剤ならびに被着体、補因子、インヒビター、磁気粒子などが挙げられる。このような標識を教示している特許としては、米国特許第3817837号;米国特許第3850752号;米国特許第3939350号;米国特許第3996345号;米国特許第4277437号;米国特許第4275149号および米国特許第4366241号が挙げられる。
(宿主細胞)
本発明に関連した用語の「宿主細胞」は、本発明の医薬に対する標的を含んでなり得る任意の細胞を含む。
したがって、本発明のさらなる実施形態は、本発明の標的であるか、またはそれを発現するポリヌクレオチドにより形質転換した、または形質移入された宿主細胞を提供する。前記ポリヌクレオチドは、標的となるか、または標的を発現するポリヌクレオチドの複製および発現のため、ベクター内に担持されることが好ましい。前記細胞は、前記ベクターに適合性であるように選択され、例えば、原核生物(例えば細菌)、真菌、酵母または植物の細胞であり得る。
グラム陰性細菌の大腸菌は、異種遺伝子発現の宿主として広範に使用されている。しかし、大量の異種蛋白質は、細胞内に蓄積する傾向がある。引き続いて大量の大腸菌細胞内蛋白質から所望の蛋白質を精製することは特に困難であり得る。
大腸菌とはコントロール的に、桿菌属の細菌は、培地内へ蛋白質を分泌する能力のため、異種宿主として極めて好適である。宿主として好適な他の細菌は、ストレプトミセス属およびシュードモナス属の細菌である。
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの性質および/または発現した蛋白質のさらなる処理のための望ましさにより、酵母または他の真菌などの真核生物宿主が好ましいと考えられる。一般に、酵母細胞は、より操作し易いため、真菌細胞よりも好ましい。しかし、いくつかの蛋白質は、酵母細胞からの分泌が不良であるか、またはいくつかの場合、適切に処理されない(例えば、酵母における高グリコシル化)。これらの場合には、別の真菌宿主生物を選択する必要がある。
本発明の範囲内の好適な発現宿主の例は、アスペルギルス属種(欧州特許出願公開第0184438号および欧州特許出願公開第0284603号に記載されているものなど)およびトリコデルマ属種などの真菌;バシラス属種(欧州特許出願公開第0134048号および欧州特許出願公開第0253455号に記載されているものなど)、ストレプトミセス属種およびシュードモナス属種などの細菌;クルイベロミセス(Kluyveromyces)属種(欧州特許出願公開第0096430号および欧州特許出願公開第0301670号に記載されているものなど)およびサッカロミセス属種などの酵母である。例えば、典型的な発現宿主は、アスペルギルスニガー、アスペルギルスニガー・バル・ツビゲニス(tubigenis)、アスペルギルスニガー・バル・アワモリ、アスペルギルスニガー・アキュリーチス(aculeatis)、偽巣性コウジ菌、こうじ菌、トリコデルマ属リーセイ(reesei)、枯草菌、リケニホルミス菌、バチルス属アミロリケファシエンス(amyloliquefaciens)、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)および酵母から選択できる。
酵母、真菌および植物宿主細胞などの好適な宿主細胞の使用により、本発明の組替え発現産物に最適な生物活性を付与するために必要とされ得る翻訳後修飾(例えば、ミリストイル化、グリコシル化、切断、ラピデーション(lapidation)およびチロシン、セリン、またはトレオニンリン酸化)が提供され得る。
(生物)
本発明に関連した用語の「生物」は、本発明による標的および/またはそれから得られる産物を含んでなり得る任意の生物を含む。生物の例としては、真菌、酵母または植物を挙げることができる。
本発明に関連した用語の「遺伝子組替え生物」は、本発明による標的および/またはそれから得られる産物を含む任意の生物を含む。
(宿主細胞/宿主生物の形質転換)
先に示したように宿主生物は、原核生物または真核生物であり得る。好適原核生物宿主の例としては、大腸菌および枯草菌が挙げられる。原核生物宿主についての教示は、当業界で十分に文書化されており、例えば、Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、1989年、Cold Spring Harbor Laboratory Press)およびAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology(1995)、John Wiley & Sons社を参照されたい。
原核生物宿主が用いられる場合、形質転換前に、そのヌクレオチド配列をイントロンの除去などにより好適に修飾する必要があり得る。
他の実施形態において、遺伝子組換え生物は酵母であり得る。この点で酵母はまた、異種遺伝子発現のための媒体としても広範に使用されてきた。サッカロミセス酵母は、異種遺伝子発現のための利用を含めて工業的利用の長い歴史を有している。サッカロミセス酵母における異種遺伝子発現は、Goodeyら(1987年、Yeast Biotechnology,D R Berryら編集者、p.401−429、Allen and Unwin、ロンドン所在)およびKingら(1989年、Molecular and Cell Biology of Yeasts、E F WaltonおよびG T Yrronton編集者、p.107−133、Blackie、グラスゴー所在)によるレビューがなされている。
いくつかの理由でサッカロミセス酵母は異種遺伝子発現のために十分適合している。第一に、それは、ヒトに対して非病原性であり、一定のエンドトキシンを産生する能力がない。第二に、それは、種々の目的で数百年も商業的に利用された後で安全使用の長い歴史を有している。このことから、公共的に広く受容されることになった。第三に、幅広い商業的使用とこの生物に向けられた研究により、サッカロミセス酵母の遺伝学および生理学ならびに大規模発酵特性についての豊富な知識が得られている。
サッカロミセス酵母における異種遺伝子発現の原理および遺伝子産物の分泌についてのレビューは、E Hinchcliffe E Kenny(1993年、「Yeast as a vehicle for the expression of heterologous genes」、Yeasts、5巻、Anthony H RoseおよびJ Stuart Harrison編集者、第2版、Academic Press社)により出版されている。
それらの維持のために宿主ゲノムによる組換えが必要な組込みベクターおよび自律複製プラスミドベクターなどのいくつかのタイプの酵母ベクターが利用できる。
遺伝子組換えサッカロミセスを調製するために、ヌクレオチド配列を酵母における発現のためにデザインされた構築体へ挿入することにより発現構築体を調製する。異種発現に使用される構築体のいくつかのタイプが開発されている。前記構築体は、ヌクレオチド配列に融合した酵母において活性なプロモーター、通常は、GAL1プロモーターなど、酵母源のプロモーターが用いられる。通常は、SUC2シグナルペプチドをコードする配列など、酵母源のシグナル配列が用いられる。酵母において活性なターミネーターが、発現系を終止させる。
酵母の形質転換に関して、いくつかの形質転換プロトコルが開発されている。例えば、本発明による遺伝子組換えサッカロミセスは、Hinnenら(1978年、Proceedings of the National Acadmy of Sciences of the USA 75、p.1929);Beggs,J D(1978年、Nature、ロンドン、275、p.104);およびIto,Hら(1983年、J Bacteriology153、p.163−168)の教示に従って調製できる。
形質転換酵母細胞は、種々の選択的マーカーを用いて選択される。形質転換に用いられるマーカーの中でも、LEU2、HIS4およびTRP1などの多くの栄養要求性マーカー、ならびにアミノグリコシド抗生剤マーカー、例えば、G418などの主要な抗生剤マーカーがある。
他の宿主生物は植物である。遺伝子修飾植物の構築における基本的原理は、挿入された遺伝子材料の安定な維持が得られるように、植物ゲノム内に、遺伝子情報を挿入することである。遺伝子情報挿入のためにはいくつかの技法が存在するが、2つの主要な原理は、遺伝子情報の直接的導入と、ベクター系の使用による遺伝子情報の導入である。一般的技法のレビューは、Potrykus(Annu Rev Plant Physiol Plant Mol Biol[1991]42:p.205−225)およびChristou(Agro−Food−Industry Hi−Tech 1994年3月/4月 p.17−27)による論文に見ることができる。植物の形質転換についてのさらなる教示は、欧州特許出願公開第0449375号に見ることができる。
このように、本発明はまた、標的となるかまたは標的を発現するヌクレオチド配列により、宿主細胞を形質転換する方法も提供する。ヌクレオチド配列により形質転換された宿主細胞は、コードされた蛋白質の発現に好適な条件下で培養し得る。組換え細胞によって産生された蛋白質は、細胞表面表面上に示すことができる。所望の場合、当業者に解されるように、特定の原核生物または真核生物の細胞膜を介してコード配列の分泌を指示するシグナル配列により、コード配列を含む発現ベクターがデザインできる。他の組換え構築体も、可溶性蛋白質の精製を促進するポリペプチドドメインをコードするヌクレオチド配列にコード配列を結合させることができる(Kroll DJら(1993)DNA Cell Biol 12:p.441−53)。
(変異体/相同体/誘導体)
本明細書に記載された特定のアミノ酸配列およびヌクレオチド配列に加えて、本発明はまた、それらの変異体、相同体および誘導体の使用も包含する。本明細書での用語、「相同性は」は、「同一性」に等しいと見なし得る。
当該文脈において、相同性配列は、少なくとも75%、85%または90%同一であり得る、好ましくは、少なくとも95%または98%同一であり得るアミノ酸配列を含むと見なされる。相同性は、類似性(すなわち、類似の化学的性質/機能を有するアミノ酸残基)によって考えることもできるが、本発明の文脈においては、相同性を配列同一性によって表すことが好ましい。
相同性の比較は、肉視により、またはより通常的には、容易に利用できる配列比較プログラムの補助により行われる。これらの商品として入手できるコンピュータプログラムは、2つ以上の配列間の%相同性を算出することができる。
%相同性は、連続した配列、すなわち、1つの配列が他の配列と一列に並んでおり、1つの配列の中の各アミノ酸を、他の配列の中の対応するアミノ酸と、1度に1残基ずつ、直接比較できる配列において算出できる。これは、「ギャップのない」整列と呼ばれる。代表的には、そのようなギャップのない整列は、比較的少ない数の残基においてのみ行われる。
これは極めて簡便で一貫性のある方法ではあるが、例えば、他の場合には、理想的対の配列であるが、1つの挿入または削除によりそれに続くアミノ酸残基が整列の外へ出されて、全体の整列を行う際に%相同性の大きな減少をもたらす可能性があることを考慮に入れることができない。その結果、多くの配列比較法は、全体の相同性スコアを過度に減点することなく、可能な挿入および削除を考慮に入れる最適な整列を生じるようにデザインされる。これは、配列の整列において「ギャップ」を挿入して、局所相同性を最大にするように試みることによって達成される。
しかしながら、これらのより複雑な方法は、「ギャップペナルティ」を整列において生じる各ギャップに割り当てるため、同数の同一アミノ酸では、2つの比較された配列間のより高い関連性を反映しているできるだけ少ないギャップを有する配列の整列は、多くのギャップを有する配列の整列よりも高いスコアを得ることになる。ギャップの存在に対しては比較的高いコストを課し、ギャップにおいて引き続く各残基に対してはより小さなペナルティ課す「アフィンギャップコスト」が代表的には用いられる。これは、最も一般的に用いられるギャップ採点システムである。もちろん、ギャップペナルティを高くすることにより、より少ないギャップで最適化された整列が生じる。多くの整列プログラムは、ギャップペナルティを変更させている。しかしながら、配列比較のためにこのようなソフトウェアを使用する場合は、デフォルト値を用いることが好ましい。例えば、GCG Wisconsin Bestfitパッケージ(以下参照)を使用する場合、アミノ酸配列に対するデフォルトギャップペナルティは、ギャップ1個につき−12であり、各伸長に対して−4である。
したがって、最大の%相同性を算出するには、ギャップペナルティを考慮に入れた最適配列の制作が先ず必要である。このような整列を実施するための好適なコンピュータプログラムは、GCG Wisconsin Bestfitパッケージ(米国ウィスコンシン大学;Devereuxら、1984年、Nucleic Scids Research 12:p.387)である。配列比較を行うことのできる他のソフトウェアの例としては、限定はしないが、BLASTパッケージ(Ausubelら、1999年 同箇所−18章を参照)、FASTA(Atschulら、1990年、J.Mol.Biol.、p.403−410)および比較ツールのGENEWORKSスートが挙げられる。オフラインおよびオンライン探索の双方に関して、BLASTとFASTAの双方が利用できる(Ausubelら、1999年 同箇所、p.7−58kara7−60を参照)。しかしながら、GCG Bestfitプログラムを使用することが好ましい。
さらなる有用な参考文献は、FEMS Microbiol Lett 1999年5月15日;174(2):p.247−50(および公表された正誤表がFEMS Microbiol Lett 1999年8月1日;177(1):p.187−8に公表されている)に見られる。
最終的な%相同性は、同一性の点から測定できるが、整列法それ自体は、代表的には全てか無かの対比較に基づいていない。その代わりに、化学的類似性または進化距離に基づいて、各々の対比較にスコアを割り当てる基準化類似性スコア行列が一般に用いられる。一般的に用いられるこのような行列の一例は、プログラムのBLASTスート用のデフォルト行列であるBLOSUM62である。GCG Wisconsinプログラムは、公開のデフォルト値、または供給される場合は、慣行記号比較表のいずれかを一般的に用いる(さらなる詳細に関しては使用説明書を参照)。GCGパッケージには、公開のデフォルト値、または他のソフトウェアの場合は、BLOSUM62などのデフォルト行列を使用することが好ましい。
前記ソフトウェアが、最適整列を制作したならば、%相同性、好ましくは、%配列同一性を算出することが可能である。前記ソフトウェアは、代表的には配列比較の一部としてこれを行い、数値を出す。
配列はまた、沈黙変化を生じ、機能的に等価な物質をもたらすアミノ酸残基の削除、挿入または置換を有し得る。その物質の二次的な結合活性が保持される限り、残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性および/または両親媒性における類似性に基づいて意図的なアミノ酸置換を行うことができる。例えば、負に荷電したアミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられ;正に荷電したアミノ酸としては、リジンおよびアルギニンが挙げられ;非荷電の類似親水性値を有する極性頭部基を有するアミノ酸としては、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、フェニルアラニンおよびチロシンが挙げられる。
保存的置換は、例えば、下表に従って行うことができる。第2列の同じブロック、好ましくは、第3列の同じ行におけるアミノ酸を互いに置換できる。
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(発現ベクター)
標的として、または標的の発現のために使用されるヌクレオチド配列は、組換え複製可能なベクター内へ組み込むことができる。適合性の宿主細胞内および/またはそこからのヌクレオチド配列を複数および発現するために前記ベクターを使用できる。プロモーター/エンハンサーを含む制御配列および他の発現調節シグナルを用いて発現を制御できる。原核生物のプロモーターおよび真核生物細胞内で機能を果たせるプロモーターを使用できる。組織特異的または刺激特異的プロモーターを使用できる。上記の2種以上の異なるプロモーターからの配列要素を含むキメラプロモーターもまた使用できる。
前記ヌクレオチドの発現により宿主組換え細胞によって産生された蛋白質は、前記配列および/または使用したベクターに依って分泌されることもあり、また細胞内に含有されることもある。コード配列は、特定の原核または真核細胞膜を介して配列をコードする物質の分泌を指示するシグナル配列によってデザインできる。
(融合蛋白質)
標的アミノ酸配列は、例えば、抽出および精製を助けるため、融合蛋白質として産生できる。融合蛋白質の相手の例としては、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、3xHis、GAL4(DNA結合および/または転写活性化ドメイン)および□−ガラクトシダーゼが挙げられる。また、融合蛋白質配列の除去を可能にするために、融合蛋白質の相手と被験体の蛋白質配列との間に蛋白分解開裂部位を含むことも便利であり得る。融合蛋白質は、標的の活性を妨げないことが好ましい。
前記融合蛋白質は、本発明の物質に融合した抗原または抗原性決定因子を含み得る。この実施形態において、融合蛋白質は、免疫系の全身性刺激を提供する意味で、アジュバントとして作用し得る物質を含む非天然融合蛋白質であり得る。抗原または抗原性決定因子は、前記物質のアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかに結合し得る。
本発明の他の実施形態において、アミノ酸配列は、異種の配列に結合して融合蛋白質をコードできる。例えば、物質活性に影響を及ぼす能力のある医薬のペプチドライブラリーをスクリーニングするために、商品として入手できる抗体により認識される異種エピトープを発現するキメラ物質をコードすることが有用であり得る。
(治療)
本発明の化合物は、治療薬として、すなわち、治療適用において使用できる。
用語の「治療」は、治癒効果、軽減効果、および予防効果を含む。
治療は、ヒトまたは動物、好ましくは動物のメスに対するものであり得る。
(薬学的組成物)
一局面において、本発明は、本発明による化合物および任意に薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤(それらの組合せを含む)を含む薬学的組成物を提供する。
前記薬学的組成物は、ヒトまたはヒトにおける動物利用および獣医学用医薬のためのものであり得、代表的には、薬学的に受容可能な希釈剤、キャリア、または賦形剤のいずれか1つ以上を含む。治療使用のための許容できるキャリアまたは希釈剤は、製薬業界において周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack出版社(A.R.Gennaro編集者、1985年)に記載されている。製薬用キャリア、賦形剤または希釈剤の選択は、意図された投与経路および標準的な製薬実践に関して選択できる。前記薬学的組成物は、キャリア、賦形剤または希釈剤として、または、それらに加えて、任意の好適な結合剤(1種または複数種)、潤滑剤(1種または複数種)、懸濁剤(1種または複数種)、コーティング剤(1種または複数種)、可溶化剤(1種または複数種)、防腐剤、安定化剤を含むことができる。
前記薬学的組成物に、防腐剤、安定化剤、色素、またさらに風味剤を提供することもできる。防腐剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、およびp−ヒドロキシ安息香酸のエステル類が挙げられる。抗酸化剤および懸濁剤もまた使用できる。
種々の送達システムに依り、種々の組成物/製剤要件があり得る。例えば、本発明の薬学的組成物は、ミニポンプを用いて、または粘膜経路により、例えば、鼻腔スプレーまたは吸入用エアロゾル、または服用可能な液剤として、または前記組成物が送達のため、例えば、静脈内、筋肉内または皮下の経路により注射可能な形態により製剤化される非経口的に製剤化されて送達し得る。あるいは、前記製剤は、双方の経路によって送達されるようにデザインできる。
医薬が胃腸粘膜を介して、経粘膜送達される場合は、胃腸管を介した移行時に安定のままであり得ることが必要である;例えば、蛋白分解に耐性であり、酸のpHに安定であり、胆汁の界面活性作用に耐性である必要がある。
適切な場合、前記薬学的組成物は、吸入により、坐剤または膣坐剤の形態で、ローション、液剤、クリーム、軟膏または粉剤の形態で局所的に、スキンパッチの使用により、澱粉または乳糖などの賦形剤を含有する錠剤の形態で、またはカプセル剤または小卵形剤を単独で、または賦形剤と混合して、または風味剤または着色剤を含有するエリキシル剤、液剤または懸濁剤の形態で経口的に投与でき、もしくは、非経口的に、例えば、静脈内、筋肉内、または皮下に注射できる。非経口投与に関して、前記組成物は、他の物質、例えば、溶液を血液と等張にするための十分な塩または単糖を含有し得る滅菌水溶液の形態で、最も良好に使用できる。口腔または舌下投与には、前記組成物を従来の様式で製剤化できる錠剤または舐剤の形態で投与できる。
(組み合わせ医薬)
本発明の化合物は、1種以上の他の製薬有効剤などの1種以上の他の有効剤と併用できる。
例えば、本発明の化合物は、他のSTSインヒビターおよび/またはアロマターゼインヒビター(例えば、4−ヒドロキシアンドロステンジオン)(4−OHA)などの他のインヒビターおよび/または天然神経ステロイドである硫酸デヒドロエピアンドロステロン(DHEAS)および硫酸プレグネノロンなどのステロイドおよび/または他の構造的に類似した有機化合物と併用できる。他のSTSインヒビターの例は、上記の参考文献に見ることができる。例えば、本発明に使用されるSTSインヒビターとしては、本明細書に提示された化合物5の類縁体である。2−エチル化合物および2−メトキシ17−デオキシ化合物が挙げられる。
それに加えて、またはその代わりに、本発明の化合物は生物学的応答修飾剤と併用できる。
用語の生物学的応答修飾剤(「BRM」)としては、サイトカイン類、免疫モジュレーター類、成長因子、造血因子、コロニー刺激因子、化学走化性因子、溶血性因子および血栓溶解因子、細胞表面レセプター、リガンド類、白血球接着分子、モノクローナル抗体類、予防および治療用ワクチン類、ホルモン類、細胞外マトリクス成分、フィブロネクチンなどが挙げられる。いくつかの適用に関して、生物学的応答修飾剤はサイトカインであることが好ましい。サイトカインの例としては、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−19などのインターロイキン類(IL);TNFαなどの腫瘍壊死因子(TNF);インターフェロンアルファ、ベータおよびガンマ;TGF−βが挙げられる。いくつかの適用に関して、サイトカインは、腫瘍壊死因子(TNF)であることが好ましい。いくつかの適用に関して、TNFは、その誘導体または混合物を含め、TNF−α、TNF−βなどの任意のタイプのTNFであり得る。サイトカインは、TNF−αであることがより好ましい。TNFについての教示は、国際公開第98/08870号および国際公開第98/13348号など、当該分野で見ることができる。
(投与)
代表的には、医師は個々の被験体にとって最も好適となる実際の投与量を決定するが、投与量は、具体的な患者の年齢、体重および応答によって変わる。以下の投与量は、平均的な場合の例である。もちろん、より高いか、または低い投与量範囲が有益である個々の例があり得る。
本発明の組成物は、直接注射により投与できる。前記組成物は、非経口、経粘膜、筋肉内、静脈内、皮下、眼内または経皮投与のために製剤化できる。必要性により、前記医薬は、0.1mg/kgから10mg/kgなど、0.01mg/kg体重から30mg/kg体重、より好ましくは、0.1mg/kg体重から1mg/kg体重の用量で投与できる。
さらに例えば、本発明の医薬は、1日1回から4回、好ましくは1日1回または2回の治療により投与できる。具体的患者に対する具体的な用量レベルおよび投与回数は変化し得、使用された具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性、および作用の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与様式および投与時間、排泄速度、薬物併用、具体的状態の重症度および治療を受ける宿主などの種々の因子に依存する。
上記に示した典型的な送達様式の他に、用語の「投与される」は、脂質媒介トランスフェクション、リポソーム、免疫リポソーム、リポフェクチン、カチオン性面両親媒性物質(CFA類)およびそれらの組合せも含む。このような送達機構の経路としては、限定はしないが、経粘膜、経鼻、経口、非経口、経胃腸管、局所または舌下経路が挙げられる。
用語の「投与される」は、限定はしないが、粘膜経路による送達、例えば、鼻腔スプレーまたは吸入用エアロゾルまたは経口摂取液剤として;例えば、送達が、静脈内、筋肉内または皮下経路などの注射形態による非経口経路による送達を含む。
このように、医薬投与のため、本発明のSTSインヒビターは、従来の医薬製剤化法および製薬上のキャリア、アジュバント、賦形剤、希釈剤などを利用した好適な任意の様式で、また、通常非経口投与のために製剤化できる。凡その効果的用量比は、問題の化合物個々の活性に依り、また、平均(70kg)体重の患者に対して、10mg/日から900mg/日、またはさらに100mg/日から800mg/日など、1mg/日から1000mg/日の範囲内であり得る。好ましい、また、より有効な化合物に関するより通例の用量比は、200mg/日から800mg/日、より好ましくは200mg/日から500mg/日、最も好ましくは200mg/日から250mg/日の範囲となる。それらは、単回用量治療、分割用量治療および/または数日間続行する複数回用量治療において投与できる。経口投与には、それらは、単位用量当たり、100mgから500mgの化合物を含有する錠剤、カプセル剤、液剤または懸濁剤において製剤化できる。あるいは、また好ましくは、前記化合物は、好適な非経口投与可能なキャリアにおける非経口投与のために製剤化され、200mgから800mg、好ましくは、200mgから500mg、より好ましくは、200mgから250mgの範囲で1日単回投与量比を提供する。しかし、このような1日の有効用量は、有効成分の固有の活性および患者の体重によって変わり、このような変更は、医師の技能と判断の範囲内にある。
(細胞周期)
本発明の化合物は、細胞周期障害の治療において有用であり得る。
(「M olecular Cell Biology」第3版、Lodishら、p.177−181において検討されているように異なった真核細胞は、全く異なった速度で成長し、例えば、酵母細胞は、120分ごとに分裂し、ウニや昆虫の胚細胞における受精卵の第一分裂にかかる時間は、大型の予め存在している細胞が再分割されるため、僅か1530分である。しかし、多くの成長中の植物細胞および動物細胞では、数が2倍になるのに10〜20時間かかり、いくつかの複製では、はるかに低速である。成人における神経細胞および横紋筋細胞などの多くの細胞は全く分裂せず、また傷の治癒を助ける線維芽細胞などの他の細胞は、必要時に増殖し、その他の場合は、静止状態にある。
さらに、分裂する各真核細胞は、同等の遺伝子物質を2つの娘細胞に供与する準備ができている必要がある。真核生物におけるDNA合成は、細胞周期の全てで生じるのではなく、細胞分裂前のその一部に限定されている。
真核生物のDNA合成と細胞分裂との間の関係は、成長と分裂能力を全て有している哺乳動物細胞の培養において徹底的に分析されている。細菌とはコントロール的に、真核生物細胞は、それらの時間の一部のみをDNA合成に使っており、DNA合成は、細胞分裂(有糸分裂)の数時間前に完了していることが判明した。このように、DNA合成後かつ細胞分裂前にある時間間隙が生じ、別の時間間隙が、分裂後かつ次回のDNA合成前に生じることが分かっている。この分析により、真核生物の細胞周期は、M(有糸分裂)期、G期(第1の間隙)、S期(DNA合成)、G期(第2の間隙)からなり、Mへと戻るとの結論に至った。有糸分裂間の期(G、SおよびG)はまとめて間期として公知である。
組織における多くの非分裂細胞(例えば、全ての静止線維芽細胞)は、有糸分裂後かつDNA合成直前の周期に留まっており、このような「休止」細胞は、細胞周期から出て、G状態にあると言われている。
細胞が、細胞周期の3つの間期段階の1つにある場合、蛍光活性化細胞選別器(FACS)を用いて、それらの相対的DNA含量を測定することにより、細胞を同定することが可能である。すなわち、G(DNA合成前)にある細胞は、規定されたDNA量を有し;S(DNA複製)において、それはxDNAと2xDNAとの間を有し、G(またはM)においては、2xDNAを有する。
動物細胞における有糸分裂と減数分裂の段階は、以下のとおりである。
(a)間期。間期のG段階は、直ちに有糸分裂の開始へ進行する。S期の間、染色体DNAは複製されて蛋白質に結合するが、染色体はまだ明確な構造として見られない。核小体が、光学顕微鏡下で見える唯一の核下部構造である。DNA複製前の二倍体細胞において、各タイプの2本の形態学的染色体があり、この細胞は、2nと言われる。DNA複製後のGにおいて、細胞は4nである。各染色体DNAの4つのコピーがある。姉妹染色体は、まだ互いに分離しておらず。これらは姉妹染色分体と呼ばれる。
(b)前早期。中心小体が、各々新たに形成された娘中心小体と共に、細胞の反対極へと移動を始める;染色体は長いひもとして見ることができる。核膜は、小型の小胞へと脱凝集し始める。
(c)前中期および前後期。染色体の凝集が完了する;肉眼で見える各染色体構造は、それらの動原体において共に保持された2本の染色体からなる。各染色分体は、新たに複製された2つの娘DNA分子のうちの1つを含有する。微小管紡錘体は、極へより近く移動していく中心小体に隣接した領域から、放射状に広がり始める。いくつかの紡錘体組織は、極から極へと至る;多くは染色分体まで行き、動原体に付着する。
(d)中期。染色体は、細胞の赤道方向へ移動し。そこで赤道平面に整列を始める。姉妹染色分体は、まだ分離していない。
(e)後期。2つの姉妹染色分体は、独立した染色体へと分離する。各々が紡錘体線維により1つの極に結合していて、その極の方向へ移動する動原体を含有する。このように、各染色体の1つのコピーが、各娘細胞に供与される。同時に、極から極への紡錘体が伸長するにつれて、細胞は伸長する。分裂溝が形成され始める時、減数分裂が始まる。
(f)終期。新たな膜が、娘核の周囲に形成される;染色体は巻き戻され、より不明確になり、核小体が再び見られるようになり、核膜が、各娘核の周囲に形成される。減数分裂はほぼ完了し、微小管および他の線維が脱重合すると紡錘体が消失する。有糸分裂の間、各々の極の「娘」中心小体は、完全長になるまで成長する。終期において、元の中心小体の各々の複製が完了し、次の間期の間に新たな娘中心小体が生成する。(g)間期。減数分裂が完了すると、細胞は、細胞周期のG期に入り、再び分裂周期を進行する。
細胞周期が、極めて重要な細胞過程であることが理解されよう。正常な細胞周期からの逸脱により、多数の医療的障害が生じ得る。細胞周期の亢進および/または無制限は癌を生じ得る。細胞周期の低下は、退行性の状態を生じ得る。本発明の化合物の使用により、このような障害および状態を治療する手段が提供できる。
このように、本発明の化合物は、ホルモン依存性およびホルモン非依存性の癌を含む癌などの細胞周期障害の治療における使用に好適であり得る。
また、本発明の化合物は、乳癌、卵巣癌、子宮体癌、肉腫、黒色腫、前立腺癌、膵臓癌などの癌および他の固形腫瘍の治療に好適であり得る。
いくつかの適用において、細胞周期は、阻害および/または阻止および/または停止でき、好ましくは、細胞周期は、阻止および/または停止される。一局面において、細胞周期は、G/M期において、阻害および/または阻止および/または停止できる。一局面において、細胞周期は、非可逆的に、阻止および/または阻害および/または停止でき、好ましくは、細胞周期は、非可逆的に、阻止および/または停止される。
用語の「非可逆的に、阻止および/または阻害および/または停止される」とは、本発明の化合物の適用後、その化合物を除去した時に、その化合物の効果、すなわち、細胞周期の阻止および/または阻害および/または停止を依然として認めることができることを意味する。より具体的に、用語の「非可逆的に、阻止および/または阻害および/または停止される」とは、本明細書に提供された細胞周期アッセイプロトコルに従ってアッセイした時に、被験体の化合物によって治療された細胞が、プロトコル1の第2段階後、コントロール細胞よりも少ない増殖を示すことを意味する。このプロトコルの詳細は、以下に示されている。
したがって、本発明は、細胞周期を阻止および/または阻害および/または停止することにより、エストロゲンレセプター陽性(ER+)およびER陰性(ER−)乳癌細胞のインビトロ増殖阻害を引き起し;および/または無処理動物(すなわち、卵巣切除されない)におけるニトロソメチル尿素(NMU)に誘導された哺乳動物腫瘍の退縮を引き起し、および/または癌細胞における細胞周期を阻止および/または阻害および/または停止し、および/または細胞周期の阻止および/または阻害および/または停止によりインビボで作用し、および/または細胞周期アゴニストとして作用する化合物を提供する。
(細胞周期アッセイ(プロトコル7))
(手順)
(第1段階)
MCF−7乳癌細胞を、複数ウェル培養プレートに105細胞/ウェルの密度で播種する。細胞は以下のとおり処理された際、約30%集密になるまで付着、増殖させた:
コントロール−無処理
被験体化合物(COI)20μM
COIを含有する増殖培地中、培地/COIを3日おきに交換しながら、細胞を6日間増殖させた。この期間の最後にクールター細胞計数器を用いて細胞数をカウントした。
(第2段階)
細胞をCOIと共に、6日間処理した後、10細胞/ウェルの密度で、細胞を再播種する。それ以外の処理を加えない。増殖培地の存在下、細胞にさらに6日間増殖を続けさせる。この期間の最後に細胞数を再びカウントする。
(癌)
本発明の化合物は、示されるように、細胞周期障害の治療に有用であり得る。具体的な細胞周期障害の1つは癌である。
西欧の国々の多くにおいて、癌は、主要な死因の1つである。今までに開発された癌治療は、ホルモン依存的腫瘍の増殖を阻害するために、ホルモンの作用またはホルモンの合成阻止を含んでいた。しかしながら、ホルモン非依存的腫瘍の治療のため、現在、より攻撃的な化学治療が採用されている。
したがって、化学治療に伴う副作用の一部または全てが無い、ホルモン依存的および/またはホルモン非依存的腫瘍の抗癌治療の医薬開発は、大きな治療上の進歩になると考えられる。
エストロゲン類は、合成後、多数のヒドロキシル化反応および抱合反応を受けることが公知である。最近まで、そのような反応は、最終的にエストロゲン類を水溶性にし、身体からのそれらの排泄を高める代謝過程の一部であると考えられていた。現在では、いくつかのヒドロキシ代謝産物(例えば、2−ヒドロキシおよび16アルファ−ヒドロキシ)および抱合体(例えば、硫酸エストロン、E12)は、エストロゲン類が体内で有する複雑な作用のいくつかを決定する上で重要であることが明らかである。
乳癌の危険性を変化させる条件に関連した2−および16−ヒドロキシ化エストロゲン類の形成を、研究者は調べてきた。現在、2−ヒドロキシダーゼ活性を増大させる因子が、癌の危険性低下に関連しており、一方、16アルファ−ヒドロキシル化は、乳癌の危険性を増大させ得るという証拠がある。2−メトキシエストラジオールは、抗有糸分裂性を有する内因性代謝産物であるという証拠が多く集まってきていることから、エストロゲン代謝産物の生物学的役割に対して、さらなる関心が刺激されている。2−MeOE2は、全身に広く分布している酵素であるカテコールエストロゲンメチルトランスフェラーゼにより、2−ヒドロキシエストラジオール(2−OHE2)から形成される。
Meth A肉腫、B16黒色腫またはMDA−MB−435エストロゲンレセプター陰性(ER−)乳癌細胞の皮下注射から生じる腫瘍の増殖を、2−MeOE2が、インビボで阻害することが研究者により示された。それはまた、内皮細胞の増殖および転移ならびにインビトロ血管新生も阻害する。インビボ腫瘍増殖を阻害する2−MeOE2の能力は、腫瘍細胞増殖の直接的阻害よりむしろ、腫瘍に誘導された血管新生を阻害する能力による可能性が示唆された。
2−MeOE2が、その強力な抗分裂活性作用および抗血管新生作用を行使する機構は、依然として解明中である。高濃度において、それは、微小管重合を阻害することができ、チューブリンへのコルヒチン結合の弱いインヒビターとして作用するという証拠がある。しかし、最近、有糸分裂を阻止する濃度において、細胞内のチューブリンフィラメントは、脱重合されておらず、タキソール処理後に見られる形態と同一の形態を有していることが判明した。したがって、タキソールのように、乳癌および卵巣乳癌治療に使用される薬物、2−MeOE2は、微小管動態を安定化させることにより作用することが可能である。
癌の新規治療としての2−MeOE2の確認が重要な進歩を表している一方、経口投与されたエストロゲン類の生物学的利用能は不良である。さらにそれらは、先ず肝臓を通過する間に、広範囲にわたって代謝を受け得る。乳癌治療のためのステロイドスルファターゼインヒビターを開発するプログラムの一部として、エストロン−3−O−スルファメート(EMATE)は、強力に有効な部位特異的インヒビターとして確認された。意外なことに、EMATEは、ラットにおいて経口子宮栄養活性と共に、エストラジオールより100倍高い強力なエストロゲン性を有していることが証明された。そのエストロゲン性の増強は、肝臓通過時の不活化から保護し、より長い時間それをゆっくり放出するための貯蔵所として働く赤血球(rbcs)による吸収から生じると考えられる。2−メトキシエストロン−3−スルファメートなどの多数のA環修飾類縁体が合成され、試験された。この化合物は、ステロイドスルファターゼインヒビターとして、EMATEと等力であったが、エストロゲン性を欠いていた。
本発明の化合物は、癌、特に乳癌の治療のための手段を提供すると、我々は考える。
それに加えて、またはその代わりに、本発明の化合物は、白血病ならびに乳房、子宮内膜、前立腺、卵巣および膵臓の腫瘍などの固形腫瘍を含む癌の増殖の阻止において有用であり得る。
(エストロゲンに関する治療)
本発明の化合物のいくつかは、特に女性における体内エストロゲン濃度の制御に有用であり得ると我々は考える。したがって、前記化合物のいくつかは、経口避妊の錠剤、丸剤、液剤または舐剤などの受胎制御の手段を提供するものとして有用であり得る。あるいは、前記化合物は、植込み錠の形態で、またはパッチとしての形態であり得る。
したがって、本発明の化合物は、エストロゲンに関連したホルモン性状態の治療に有用であり得る。
それに加えて、またはその代わりに、本発明の化合物は、エストロゲンに関連したホルモン性状態の他にホルモン性状態の治療に有用であり得る。故に、本発明の化合物は、ホルモン活性に影響を与える能力も有し得、また、免疫応答に影響を与える能力も有し得る。
(神経変性疾患)
本発明の化合物のいくつかは、神経変性疾患および類似の状態の治療に有用であり得ると我々は考える。
例えば、STSインヒビターは、記憶喪失、頭部外傷、アルツハイマー病、てんかん性認知症、初老期認知症、外傷後認知症、老人性認知症、血管性認知症および脳卒中認知症などの疾病にかかっている患者またはそれ以外に記憶増強を求めている個人の記憶機能の増強に有用であり得ると考えられる。
(TH1)
本発明の化合物のいくつかは、TH1関係に有用であり得ると我々は考える。
例えば、マクロファージまたは他の抗原提示細胞内のSTSインヒビターの存在は、感作T細胞のTH1(高IL−2IFNy低IL−4)応答を始める能力の低下を導き得ると考えられる。したがって、糖質コルチコイドなどの他のステロイドの正常な調節作用が優位になると考えられる。
(炎症性状態)
本発明の化合物のいくつかは、例えば、慢性関節リウマチ、I型およびII型糖尿病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、甲状腺炎、血管炎、潰瘍性結腸炎およびクローン病、皮膚障害、例えば、乾癬、接触皮膚炎;移植片対宿主病;湿疹;喘息および移植後臓器拒絶、などの自己免疫のいずれか1つ以上に伴う状態など、炎症性状態の治療に有用であり得ると我々は考える。
例えば、STSインヒビターは、免疫および/または炎症性応答に及ぼすDHEAまたは関連ステロイド類の通常の生理学的作用を阻止し得ると考えられる。
本発明の化合物は、内因性の糖質コルチコイド様作用を示す医薬の製造に有用であり得る。
(他の化学治療)
また、本発明の化合物/組成物は、他の重要な医療上の影響を有し得ることも理解すべきである。
例えば、本発明の化合物または組成物は、国際公開第99/52890号に挙げられた障害の治療に有用であり得る。
それに加えて、またはその代わりに、本発明の化合物または組成物は、国際公開第98/05635号に挙げられた障害の治療に有用であり得る。参照を容易にするため、そのリストの一部を提供する:癌、炎症または炎症性疾患、皮膚科疾患、発熱、心血管性作用、出血、凝血および急性期応答、悪液質、拒食症、急性感染、HIV感染、ショック状態、移植片対宿主反応、自己免疫疾患、再灌流損傷、髄膜炎、偏頭痛およびアスピリン依存性抗凝血;腫瘍増殖、浸潤および拡散、血管新生、転移、悪性腫瘍、腹水症および悪性胸水;脳虚血、虚血性心臓疾患、骨関節炎、慢性関節リウマチ、骨粗鬆症、喘息、多発性硬化症、神経変性、アルツハイマー病、アテローム硬化症、脳卒中、血管炎、クローン病および潰瘍性結腸炎;歯周炎、歯肉炎;乾癬、アトピー性皮膚炎、慢性潰瘍、表皮水疱症;角膜潰瘍化、網膜症および手術創治癒;鼻炎、アレルギー性結膜炎、湿疹、アナフィラキシー;再狭窄、うっ血性心不全、子宮内膜症、アテローム硬化症または内膜硬化症。
それに加えて、またはその代わりに、本発明の化合物または組成物は、国際公開第98/07859号に挙げられた障害の治療に有用であり得る。参照を容易にするため、そのリストの一部を提供する:サイトカインおよび細胞増殖/分化活性;免疫抑制活性または免疫促進活性(例えば、ヒト免疫不全ウィルスによる感染を含む免疫不全の治療);リンパ球増殖の調節;癌および多くの自己免疫疾患の治療のためならびに移植拒絶を防ぐため、または腫瘍免疫誘導のため);造血の調節、例えば、骨髄疾患またはリンパ系疾患の治療;骨、軟骨、腱、靭帯および神経組織の増殖促進、例えば、創傷治癒のため、火傷、潰瘍および歯周病ならびに神経変性の治療;卵胞刺激ホルモンの抑制または活性化(受胎調節);走化性−ケモキネシス活性(例えば、特定の細胞タイプを外傷または感染の部位へ動員するため);止血活性および血栓溶解活性(例えば、血友病および脳卒中の治療のため);抗炎症作用(例えば、敗血症性ショックまたはクローン病の治療のため);抗菌剤として;例えば、代謝または行動のモジュレーター;鎮痛剤として;特定の血管障害の治療;例えば、ヒトまたは獣医科医療における感染の治療において。
それに加えて、またはその代わりに、本発明の組成物は、国際公開第98/09985号に挙げられた障害の治療に有用であり得る。参照を容易にするため、そのリストの一部を提供する:マクロファージ阻害活性および/またはT細胞阻害活性、それらによる抗炎症活性;抗免疫活性、すなわち細胞性および/または炎症に伴わない応答などの液性免疫応答に対する抑制作用;マクロファージおよびT細胞が細胞外基質成分およびフィブロネクチンに接着する能力ならびにT細胞においてアップレギュレートされたfasレセプター発現の阻害;慢性関節リウマチなどの関節炎、過敏症、アレルギー反応、喘息、全身性エリテマトーデス、コラーゲン疾患および他の自己免疫疾患に伴う炎症、アテローム硬化症、動脈硬化、アテローム硬化性心疾患、再灌流損傷、心停止、心筋梗塞、血管炎症疾患、呼吸困難症候群または他の心肺疾患に伴う炎症、消化性潰瘍、潰瘍性大腸炎および胃腸管の他の疾患に伴う炎症、肝線維症、肝硬変または他の肝臓疾患、甲状腺炎または他の腺疾患、糸球体腎炎または腎炎または他の腎臓および泌尿器疾患、耳炎または他の耳鼻咽喉疾患、皮膚炎または他の皮膚疾患、歯周病および他の歯科疾患、睾丸炎または睾丸副睾丸炎、不妊症、orchidal外傷または他の免疫関連睾丸疾患、胎盤機能障害、胎盤不全症、習慣性流産、子癇前症および他の免疫および/または炎症関連の婦人科疾患、後部ブドウ膜炎、中間ブドウ膜炎、前部ブドウ膜炎、結膜炎、脈絡網膜炎、ブドウ膜網膜炎、視神経炎、眼内炎症、例えば網膜炎または類のう胞黄斑浮腫、交感性眼炎、強膜炎、網膜色素変性、変性fondus疾患の免疫および炎症性成分、眼外傷の炎症性成分、感染による眼炎症、増殖性硝子体−網膜疾患、急性虚血性、視神経疾患、過剰瘢痕、例えば、緑内障ろ過手術後、眼移植に対する免疫および/または炎症反応および他の免疫および炎症関連眼疾患、免疫および/または炎症の抑制が有益である中枢神経系(CNS)または任意の他の臓器双方における自己免疫疾患または状態または障害に伴う炎症、パーキンソン病、パーキンソン病治療による合併症および/または副作用、AIDS関連認知症、複合HIV関連脳疾患、ドヴィック病、舞踏病、アルツハイマー病および他の変性疾患、CNSの状態または障害、脳卒中の炎症性成分、ポリオ後症候群、精神障害の免疫および炎症性成分、骨髄炎、脳炎、亜急性硬化性全脳炎、脳脊髄炎、急性神経疾患、亜急性神経疾患、慢性神経疾患、Guillaim−Barre症候群、シドナム舞踏病、重症筋無力症、偽脳腫瘍、ダウン症候群、ハンチントン病、筋萎縮性、側索硬化症、CNS圧迫またはCNS外傷の炎症性成分またはCNSの感染、筋萎縮および筋ジストロフィーの炎症性成分、中枢および末梢神経系の免疫および炎症関連疾患、外傷後炎症、敗血性ショック、感染性疾患、手術の炎症性合併症または炎症性副作用、骨髄移植または他の移植合併症および/または副作用、遺伝子治療の、例えば、ウィルスキャリアによる感染による炎症性および/または免疫合併症ならびに副作用またはAIDSに関連した炎症などの、望ましくない免疫反応および炎症の阻害、単球またはリンパ球の量を減少させることによる単球または白血球増殖疾患、例えば、白血病の治療または寛解のため、角膜、骨髄、臓器、水晶体、ペースメーカー、天然または人工皮膚組織などの、天然または人工の細胞、組織および臓器の移植の場合の移植片拒絶の阻止および/または治療のため。
(化合物の調製)
本発明の化合物は、適切なアルコールを好適な塩化物と反応させることによって調製できる。例えば、本発明のスルファメート化合物は、適切なアルコールを好適な式RNSOClの塩化スルファモイルと反応させることによって調製できる。
前記反応を実施するための典型的な条件は、以下のとおりである。
水素化ナトリウムおよび塩化スルファモイルを、無水ジメチルホルムアミド中、アルコールの攪拌溶液に0℃で加える。引き続いて、前記反応液を室温まで温め、その際、攪拌はさらに24時間続ける。この反応混合物を炭酸水素ナトリウムの冷飽和溶液に注ぎ、生じた水相を、ジクロロメタンで抽出する。有機抽出液を合わせて、無水MgSOで乾燥する。ろ過後、溶媒を減圧蒸発させ、トルエンにより共蒸発させると、粗製残渣が得られ、これをさらにフラッシュクロマトグラフィにより精製する。
アルコールは、塩化スルファモイルとの反応前に適宜、誘導体化することが好ましい。必要ならば、アルコールの官能基は、公知の様式で保護してもよく。その保護基(1つまたは複数)は、反応の最後に除去する。
スルファメート化合物は、Pageら(1990年、Tetrahedron 46:p.2059−2068)の教示に従って調製することが好ましい。
ホスホネート化合物は、Pageら(1990年、Tetrahedron 46:p.2059−2068)の教示と国際公開第GB92/01586号とを好適に組み合わせて調製できる。
スルホネート化合物は、Pageら(1990年、Tetrahedron 46:p.2059−2068)の教示と国際公開第GB92/01586号とを改作して調製できる。
チオスルホネート化合物は、Pageら(1990年、Tetrahedron46:p.2059−2068)の教示と国際公開第GB91/00270号とを改作して調製できる。
好ましい調製物は、以下の本分にも示されている。
ここで本発明は、以下の添付の図面を参照にしてのみの実施例によりさらに詳細に記載する。
ここに本発明は、実施例によってのみ記載する。しかしながら、実施例はまた、本発明の好ましい化合物、ならびにそれらを作製する好ましい経路およびそれらの調製における有用な中間体を提供していることを解すべきである。
(合成)
以下のスキームに従った。
2−置換17−アルケニルスルファメート類の合成
Figure 0004719144
17−アルケニルエステル官能基の変換
Figure 0004719144
Figure 0004719144
ニトリル官能化EMATESの合成
Figure 0004719144
17−アルキル−EMATE
Figure 0004719144
17−アミノエストロゲン
Figure 0004719144
であって、式中Pは保護基である。
(手順A)
0.745Mトルエン溶液の塩化スルファモイル(680μl、0.507mmol)を減圧濃縮(30℃以下の水溶温度)し、DMA(1.5ml)の添加前に氷浴で冷却した。次に適切なフェノール(0.253mmol)を加え、この反応液を室温に一晩放置した。水を加え、混合物を酢酸エチル(3x10ml)で抽出した。有機フラクションを合わせて、水(5x10ml)とブライン(10ml)とで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。
エストロン3−O−t−ブチルジメチルシリルエーテル 1
Figure 0004719144
(手順B)
エストロン(10g、37mmol)、イミダゾール(6.4g、94mmol)およびt−ブチルジメチルシリルクロリド(6.7g、44.4mmol)を、ジメチルホルムアミド(130ml)に溶解し、窒素下室温で一晩攪拌した。水を加え、混合物をジクロロメタン(3x100ml)で抽出した。有機フラクションを合わせて、水(2x100ml)とブライン(10ml)とで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。
エタノールからの再結晶により、保護エストロンを白色針状晶(11.34g、29.6mmol、80%)として得た。m.p.172〜173℃(文献値m.p.170〜172℃)。
Figure 0004719144
m.p.:Fevigら、J.Org.Chem.52:1987年、p.247−251。
[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン]−酢酸エチルエステル 2
Figure 0004719144
(手順C)
乾燥THF(15ml)中、水素化ナトリウム(520mg、17.4mmol)を、この固体の全てが溶解するまで窒素下、室温で攪拌した。トリエチルホスホノアセテート(3.20g、2.84ml、7.14mmol)を加え、10分間攪拌してから、TBSエストロン1(2g、5.2mmol)を添加した。生じた混合物を一晩加熱還流した。水を加え、混合物を酢酸エチル(3x50ml)で抽出した。有機フラクションを合わせて、水(2x50ml)とブライン(10ml)とで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。
フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル9:1)により、2種の異性体混合物を白色結晶性固体(1.73g、3.77mmol、73%)として得た。この異性体比は、NMRから5:1であることを決定した。m/z(EI)454(M、50%)、397(90%)、82.9(100%)。HRMS(FAB)C2842Siに関する理論値454.2903、実測値454.2910。
方法:Ewersら、Tetrahedron、54:1998年、p.4277−4282。
(3−ヒドロキシ−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン)−酢酸エチルエステル 3
Figure 0004719144
(手順D
TBSエーテル2(100mg、0.220mmol)、THF中1Mフッ化テトラ−ブチルアンモニウム(300μl、0.300mmol)およびTHF(5ml)を、窒素下、室温で2時間攪拌した。水を加え、混合物を酢酸エチル(3x5ml)で抽出した。有機フラクションを合わせて、水(2x5ml)とブライン(5ml)とで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。
フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル9:1)により、2種の異性体混合物を白色結晶性固体(74mg、0.218mmol、99%)として得た。m.p.118〜120℃。この異性体比は、NMRから5:1であることを決定した。
Figure 0004719144
HRMS(FAB)C2228+Hに関する理論値341.2116、実測値341.2111。
2−[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン]−エタノール 4
Figure 0004719144
(手順E)
TBSエーテル2(300mg、0.66mmol)のTHF(5ml)溶液に、トルエン中1.5M水素化ジイソブチルアンモニウム溶液(1ml、1.5mmol)を、窒素下、−78℃で加えた。この溶液を0℃に温め、1.5時間攪拌した。メタノールと水を0℃で加え、溶液を室温に温めて30分間攪拌した。濁った溶液を酢酸エチル(3x10ml)で抽出し、有機フラクションを合わせて、水(2x10ml)とブライン(10ml)とで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。
生じた白色固体(179mg、0.434mmol、66%)をさらに精製せずに用いた。m.p.128〜130℃(文献値m.p.128〜130℃)。
Figure 0004719144
この異性体比は、NMRから8:1であることを決定した。m/z(FAB)412.1(M、7%)、73.0(100%)、147(35%);HRMS(FAB)C2640Siに関する理論値412.2798、実測値412.2778。
方法:Tanabeら、米国特許第6,281,205号B1、2001年。抗エストロゲンステロイド類および関連薬学的組成物および使用方法。
m.p.:Ewersら、Tetrahedron、54:1998年、p.4277−4282。
17−(2−ヒドロキシ−エチリデン)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン]−3−オール 5
Figure 0004719144
本反応は、アリルアルコール4(179mg、434mmol)に対し、手順Dに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル4:1)により、2種の異性体混合物を白色粉末(74mg、0.218mmol、99%)として得た。m.p.200〜202℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB)298.1(M、75%)、281.1(100%);HRMS(FAB)C2026に関する理論値298.1933、実測値298.1935。
[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル]−酢酸エチルエステル 6
Figure 0004719144
(手順F)
エステル2(300mg、0.66mmol)および5%パラジウム−炭酸カルシウム(17mg)のエタノール(5ml)溶液を、水素雰囲気下で一晩攪拌した。反応混合物をセライトベッドを通してろ過し、エタノールで洗浄した。ろ液を減圧濃縮した。

フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル4:1)により、還元生成物を白色結晶性固体(233mg、0.51mmol、77%)として得た。m.p.64〜66℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB)456.1(M、100%);HRMS(FAB)C2844Siに関する理論値456.3060、実測値456.3041。
方法:Tanabeら、米国特許第6,281,205号B1、2001年。抗エストロゲンステロイド類および関連薬学的組成物および使用方法。
(3−ヒドロキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−酢酸エチルエステル 7
Figure 0004719144
本反応は、エステル6(100mg、0.211mmol)を用いて、手順Dに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル4:1)により、フェノール7を灰白色針状晶(56mg、0.164mmol、78%)として得た。m.p.126〜128℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB)342.1(M、100%);HRMS(FAB)C2230に関する理論値342.2195、実測値342.2201。
2−(3−ヒドロキシ−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン)−プロピオン酸エチルエステル 8
Figure 0004719144
本反応は、TBSエストロン1(1g、2.6mmol)および2−ホスホノプロピオン酸(1.7g、1.53ml、7.14mmol)を用いて、手順Cに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル9:1)により、単一異性体の脱保護生成物8を白色粉末(170mg、0.48mmol、18%)として得た。m.p.113〜115℃。
Figure 0004719144
[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン]−アセトニトリル 9
Figure 0004719144
本反応は、TBSエストロン1(5g、13.0mmol)およびジエチル(シアノメチル)ホスホネート(4.02g、4.4ml、22.7mmol)を用いて、手順Cに記載されたとおり実施した。後処理後の粗製反応混合物のTLCおよびH NMRは、出発物質はもはや存在せず、生成物は、2種の異性体が9:1比の混合物であることを示した。この混合物をさらに精製せずに用いた。
(3−ヒドロキシ−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン)−アセトニトリル 10
Figure 0004719144
本反応は、シリルエーテル9(100g、0.246mmol)を用いて、手順Dに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル4:1)により、単一異性体のフェノール10を白色粉末(53mg、0.18mmol、73%)として得た。m.p.264〜266℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB)293.1(M、100%);HRMS(FAB)C2023ONに関する理論値293.1780、実測値293.1783。
13−メチル−17−メチレン−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール 11
Figure 0004719144
カリウムt−ブトキシド(220mg、1.96mmol)を、乾燥THF(5ml)に加え、10分間攪拌し、その塩の溶解を完了した。臭化メチルトリメチルホスホニウム(700mg、1.96mmol)を、この明黄色溶液にシリンジを経て滴下により加えた。室温で2時間攪拌後、反応液を一晩加熱攪拌した。反応を冷却し、水(10ml)を加え、混合物を酢酸エチル(3x10ml)を用いて抽出した。有機フラクションを合わせて、水(2x10ml)とブライン(10ml)とで洗浄し、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル9:1)およびトルエン/ヘキサンからの再結晶により、アルケン11を白色結晶性固体(53mg、0.198mmol、11%)として得た。m.p.130〜132℃(文献値m.p.134〜137℃)。
Figure 0004719144
方法:Williams、アルケン類の調製、オックスフォード大学プレス、1996年、p.32。
m.p.:Forcelleseら、J.Org.Chem.46:1981年、p.3326−3328。
3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−エチル−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−オン 12
Figure 0004719144
本反応は、2−エチルエストロン1(4g、13.4mmol)を用いて、手順Bに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル9:1)により、シリルエーテル12を白色結晶性固体(5.02g、12.2mmol、91%)として得た。
Figure 0004719144
[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−エチル−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン]−酢酸エチルエステル 13
Figure 0004719144
本反応は、シリルエーテル12(412mg、1mmol)およびトリエチルホスホノアセテート(271mg、240μl、1.2mmol)を用いて、手順Cに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル19:1)により、2種の異性体13を無色油(290mg、0.602mmol、60%)として得た。この異性体比は、H NMRから6:1であることを決定した。
Figure 0004719144
m/z(FAB)482.1(M、90%)、73.0(100%);HRMS(FAB)C3046Siに関する理論値482.3216、実測値??。
Z−およびE−(2−エチル−3−ヒドロキシ−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン)−酢酸エチルエステル 14aおよび14b
Figure 0004719144
本反応は、エステル13(290mg、0.639mmol)を用いて、手順Dに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル19:1)により、Z異性体14aを白色粉末(28mg、0.0757mmol、12%)として得た。m.p.157〜159℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB)368.1(M、100%);HRMS(FAB)C2432に関する理論値368.2351、実測値368.2364。
さらなる溶出により、E異性体14bを淡黄色油(184mg、0.497mmol、78%)として得た。
Figure 0004719144
(2−エチル−13−メチル−3−スルファモイルオキシ−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン]−酢酸エチルエステル 15
Figure 0004719144
本反応は、エステル14b(132mg、0.357mmol)を用いて、手順Aに記載されたとおり実施した。分取HPLCにより、スルファメート15を白色固体(28mg、0.0757mmol、21%)として得た。
Figure 0004719144
2−[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−エチル−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン]−エタノール 16
Figure 0004719144
本反応は、エステル14b(412mg、1mmol)を用いて、手順Eに記載されたとおり実施した。TLCおよびH NMRの双方は、出発物質が存在していないことを示し、生成物ビニルアルコール16は、さらに精製せずに用いた。
Z−およびE−2−エチル−17−(2−ヒドロキシ−エチリデン)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール 17aおよび17b
Figure 0004719144
本反応は、ビニルアルコール16(520mg、1.18mmol)を用いて、手順Dに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル19:1)により、Z−フェノール17aを白色粉末(27mg、0.0831mmol、7%)として得た。m.p.205〜207℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB)326.1(M、100%);HRMS(FAB)C2230に関する理論値326.2246、実測値326.2259。
さらなる溶出により、E−フェノール17bを白色粉末(245mg、0.754mmol、64%)として得た。m.p.169〜171℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB)326.1(M、50%)、73.0(100%);HRMS(FAB)C2230に関する理論値326.2246、実測値326.2256。
スルファミン酸2−エチル−13−メチル−17−ビニル−7,8,9,11,12,13,14,15−オクタヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルエステル 18
Figure 0004719144
本反応は、17b(65mg、0.200mmol)を用いて、手順Aに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO CHCl)により、スルファメート18を無色油(36mg、0.093mmol、47%)として得た。
Figure 0004719144
2−エチル−17−(2−ヒドロキシ−エチル)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール 19
Figure 0004719144
本反応は、ビニルアルコール16(76mg、0.233mmol)を用いて、手順Fに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル5:1)により、ジオール19を白色粉末(51mg、0.155mmol、67%)として得た。m.p.162〜164℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB)328.1(M、100%);HRMS(FAB)C2232に関する理論値328.2402、実測値328.2407。
スルファミン酸2−エチル−13−メチル−17−(2−スルファモイルオキシ−エチル)−7,8,9,11,12,13,14,15−オクタヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルエステル 20
Figure 0004719144
本反応は、ジオール19(35mg、0.107mmol)を用いて、手順Aに記載されたとおり実施した。分取HPLCにより、スルファメート20を白色固体(28mg、0.0576mmol、54%)として得た。
Figure 0004719144
m/z(FAB−)485.1[(M−H)、100%];HRMS(FAB)C2234に関する理論値486.1858、実測値486.1854。
[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−エチル−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル]−酢酸エチルエステル 21
Figure 0004719144
本反応は、エステル13(100mg、0.220mmol)を用いて、手順Fに記載されたとおり実施した。H NMRは、出発物質が存在していないことを示し、生成物エステル21は、さらに精製せずに用いた。
(2−エチル−3−ヒドロキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−酢酸エチルエステル 22
Figure 0004719144
本反応は、エステル21(66mg、0.145mmol)を用いて、手順Dに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル19:1)により、飽和エステル22を無色油(38mg、0.103mmol、71%)として得た。
Figure 0004719144
m/z(FAB)370.2(M、100%);HRMS(FAB)C2434に関する理論値370.2508、実測値370.2537。
(2−エチル−13−メチル−3−スルファモイルオキシ−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−酢酸エチルエステル 23
Figure 0004719144
本反応は、エステル22(100mg、0.270mmol)を用いて、手順Aに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル9:1)により、スルファメート23を白色粉末(83mg、0.185mmol、68%)として得た。m.p.120〜122℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB)449.1(M、10%)、135(100%);HRMS(FAB)C2435NSに関する理論値449.2236、実測値449.2237。
[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−エチル−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン]−アセトニトリル 24
Figure 0004719144
本反応は、シリルエーテル12(1g、2.6mmol)およびジエチル(シアノメチル)ホスホネート(691mg、631μl、3.9mmol)を用いて、手順Cに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル20:1)により、2種の異性体24を無色油(641mg、1.47mmol、57%)として得た。m/z(FAB)435.3(M、100%);HRMS(FAB)C2841ONSiに関する理論値435.2957、実測値435.2961。
(2−エチル−3−ヒドロキシ−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン]−アセトニトリル 25
Figure 0004719144
本反応は、シリルエーテル24(540mg、1.24mmol)を用いて、手順Dに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル4:1)により、フェノール25を淡黄色油(284mg、0.88mmol、71%)として得た。
Figure 0004719144
m/z(FAB)321.3(M、100%);HRMS(FAB)C2227ONに関する理論値321.2093、実測値321.2088。
[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−エチル−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル]−アセトニトリル 26
Figure 0004719144
本反応は、シリルエーテル24(100mg、0.230mmol)を用いて、手順Fに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル19:1)により、飽和ニトリル26を無色油(81mg、0.185mmol、81%)として得た。
Figure 0004719144
m/z(FAB)437.4(M、100%);HRMS(FAB)C2843OSiNに関する理論値437.3114、実測値437.3121。
(2−エチル−3−ヒドロキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル]−アセトニトリル 27
Figure 0004719144
本反応は、ニトリル26(73mg、0.167mmol)を用いて、手順Dに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル9:1)により、フェノール27を白色固体(38mg、0.118mmol、70%)として得た。m.p.195〜197℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB)323.2(M、100%);HRMS(FAB)C2229ONに関する理論値323.2249、実測値323.2252。
スルファミン酸17−シアノメチル−2−エチル−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルエステル 28(STX564)
Figure 0004719144
本反応は、フェノール27(182mg、0.591mmol)を用いて、手順Aに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(CHCl)により、スルファメート28を白色針状晶(120mg、0.299mmol、51%)として得た。m.p.175〜177℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB−)402.0(M、100%);HRMS(FAB)C2230Sに関する理論値402.1977、実測値402.1975。
[3−(t−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−メトキシ−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデンメチル]−メチレン−アミン 29
Figure 0004719144
本反応は、2−メトキシ−3−t−ブチルジメチルシリルオキシエストロン(1g、2.42mmol)およびジエチル(シアノメチル)ホスホネート(712g、650μl、4.02mmol)を用いて、手順Cに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル19:1)により、2種の異性体アルケン29を無色油(481mg、1.14mmol、27%)として得た。2種の異性体比は、NMRから1:1であることが決定された。m/z(FAB)438.1[(MH)、50%]、380.1(100%)、73.0(80%);HRMS(FAB)C2739NSiに関する理論値437.2750、実測値437.2731。
Z−およびE−(3−ヒドロキシ−2−メトキシ−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン)−アセトニトリル 30
Figure 0004719144
本反応は、シリルエーテル29(400mg、0.95mmol)を用いて、手順Dに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル9:1)により、2種の異性体の混合物を白色粉末(91mg、0.281mmol、30%)として得た。
さらなる溶出により、E異性体30を白色固体(115mg、0.356mmol、37%)として得た。
Figure 0004719144
m/z(FAB)323.1(M、100%);HRMS(FAB)C2125Nに関する理論値323.1885、実測値323.1885。
スルファミン酸2−メトキシ−13−メチル−17−メチレンアミノメチレン−7,8,9,11,12,13,14,15−オクタヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルエステル 31(STX639)
Figure 0004719144
本反応は、フェノール30(40mg、0.124mmol)を用いて、手順Aに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル4:1)により、スルファメート31を白色針状晶(36mg、0.0896mmol、72%)として得た。m.p.202〜204℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB)402.0(M、100%);HRMS(FAB)C2126Sに関する理論値402.1613、実測値402.1611。
(3−ヒドロキシ−2−メトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−アセトニトリル 32
Figure 0004719144
本反応は、アルケン30(100mg、0.310mmol)を用いて、手順Fに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル4:1)により、飽和ニトリル32を白色固体(81mg、0.249mmol、80%)として得た。m.p.172〜174℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB+)325(100%、M);HRMS(FAB)実測値325.20418、C2127NOは、325.20418を必要とする;理論値C,77.5%;H,8.36%;N,4.30%;実測値C,77.2%;H,8.41%;N,4.01%。
スルファミン酸17−シアノメチル−2−メトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルエステル 33(STX641)
Figure 0004719144
本反応は、ニトリル32(60mg、0.185mmol)を用いて、手順Aに記載されたとおり実施した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiOへキサン:酢酸エチル4:1)およびアセトン/ヘキサンから再結晶により、スルファメート33を白色結晶性固体(20.3mg、0.0547mmol、30%)として得た。m.p.183〜185℃。
Figure 0004719144
m/z(FAB)404.1(M、100%);HRMS(FAB)C2128Sに関する理論値404.1770、実測値404.1767;C2128Sは、理論値C,62.35%;H,6.98%;N,6.93%を必要とし;実測値C,62.50%;H,6.96%;N,6.85%。
3−O−(t−ブチル−ジメチル−シリル)−17−(2−ジメチルアミノ−エチルアミノ)−エストロン 34
Figure 0004719144
3−OTBSエストロン(200mg、0.52mmol)のTHF(20mL)溶液に、2−メトキシエチルアミン(226μL、4当量)を加えてから10分後、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(449mg、4.5当量)および酢酸(150μL)を加えた。室温で4日間攪拌後、反応を水酸化ナトリウム(4mL、1M水)でクエンチし、酢酸エチル(50mL)で希釈した。標準的な水処理により、
Figure 0004719144
を示す所望のアミン34を白色固体として得た。FAB+444.3。
17−(2−ジメチルアミノ−エチルアミノ)−エストロン35
Figure 0004719144
TBS保護エストラトリエン34(160mg)のTHF(10mL)溶液をTBAF(0.4mL、THF中1M溶液)で処理した。一晩攪拌後、標準的な水処理により、
Figure 0004719144
を示す所望の生成物35を得た。
17−(2−ジメチルアミノ−エチルアミノ)−2−メトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール 36
Figure 0004719144
2−MeO−3−OTBSエストロン(415mg)のTHF(10mL)溶液に、N,N−ジメチルエチレンジアミン(439μL、4mmol)を加えてから10分後、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(954mg、4.5mmol)および酢酸(300μL)を加えた。室温で3日間攪拌後、反応を水酸化ナトリウム(4mL、1M水)でクエンチし、酢酸エチル(50mL)で希釈した。標準的な水処理により、
Figure 0004719144
を示す所望のアミンを淡黄色油として得た。次にTBS保護アミノステロイドを、THF(20mL)に溶解し、TBAF(1.5mL、THF中1M)およびKF(10mg)で処理してから8時間攪拌した。次に酢酸エチル(50mL)を加え、生じた溶液を重炭酸ナトリウム溶液(50mL)、水(50mL)とブライン(2x50mL)とで洗浄し、乾燥し(NaSO)、蒸発させた。生成した淡黄色油を、カラムクロマトグラフィ(CHCl/MeOH 99:1から1:1)により精製して所望のアミン36を透明な無色油として得、次いでエーテル/ヘキサンから粉砕して、
Figure 0004719144
を示すm.p.108℃の白色粉末を得た。
2−メトキシ−17−(2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール 37
Figure 0004719144
2−MeO−3−OTBSエストロン(315mg、0.76mmol)のTHF(10mL)溶液に、4−(2−アミノエチル)モルホリン(395μL、4当量)を加えてから10分後、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(723mg、4.5当量)および酢酸(240μL)を加えた。室温で3日間攪拌後、反応を水酸化ナトリウム(4mL、1M水)でクエンチし、酢酸エチル(50mL)で希釈した。標準的な水処理により、
Figure 0004719144
を示す所望のアミンを白色粉末として得た。次にTBS保護アミノステロイドを、THF(20mL)に溶解し、TBAF(1.5mL、THF中1M)およびKF(10mg)で処理してから8時間攪拌した。次いで酢酸エチル(50mL)を加え、生じた溶液を重炭酸ナトリウム溶液(50mL、飽和)、水(50mL)とブライン(2x50mL)とで洗浄し、乾燥し(NaSO)、蒸発させた。生成した淡黄色油を、カラムクロマトグラフィ(CHCl/MeOH 99:1から1:1)により精製して所望のアミン37を透明な無色油として得、次いでエーテル/ヘキサンから粉砕して、
Figure 0004719144
を示すm.p.144〜146℃の白色粉末を得た。
2−エチル−17−[(フラン−2−イルメチル)−アミノ]−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール 38
Figure 0004719144
2−Et−3−O−TBSエストロン(414mg、1mmol)のTHF(10mL)溶液に、フルフリルアミン(354μL、4mmol)を加えてから10分後、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(954mg、4.5mmol)および酢酸(300μL)を加えた。室温で3日間攪拌後、反応を水酸化ナトリウム(4mL、1M水)でクエンチし、酢酸エチル(50mL)で希釈した。標準的な水処理により、所望のアミンを淡黄色油として得た。保護ステロイドのTHF(20mL)に、TBAF(1.5mL)およびフッ化カリウム(10mg)を加えた。室温で14時間攪拌後、エーテル(50mL)および水(50mL)を加えた。次に有機層を分離し、重炭酸ナトリウム溶液(25mL)、水(25mL)とブライン(25mL)とで洗浄してから乾燥し、蒸発させると淡黄色油(270mg)を得た。次いで所望の生成物38は、カラムクロマトグラフィ(クロロホルム中0〜3%メタノール)により、
Figure 0004719144
を示す透明な無色油として単離された。
二塩酸(2−エチル−3−メトキシメトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−ピリジン−2−イルメチル−アミン 39
Figure 0004719144
2−Et−3−O−MOMエストロン(342mg、1mmol)および2−(アミノメチル)ピリジン(515μl、5mmol)のTHF(10mL)溶液を、1時間攪拌してから、酢酸(300mg)および水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(848mg、4mmol)を加えた。3日間攪拌後、水酸化ナトリウム(5mLの2M水)に次いで酢酸エチル(30mL)を加えた。次に有機層を分離し、水とブラインとで洗浄、乾燥し、蒸発させた。生成した淡黄色油をTHFに溶かしてから、エーテル性HCL(1mLの2M)で処理し、次いで溶媒を減圧留去してから、生じたガムをエーテルで粉砕して、
Figure 0004719144
を示す生成物39を、ビスHCl塩の灰白色粉末として得た。
2−エチル−13−メチル−17−[(ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール 40
Figure 0004719144
メタノール性HClを、0℃で塩化アセチル(957μL)とメタノール(2.5mL)との反応により調製してから、MOM保護エストロンMPL03139に加え、2分間の音波処理後、反応液を蒸発乾固した。塩酸塩が、メタノール−エーテルから沈殿したが、採取するのに余りにも吸湿性であったので、その代わりとして化合物をエタノールに溶解し、NaHCO(飽和)で塩基性にしてから酢酸エチルで抽出した。有機層を、水に次いでブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させて、
Figure 0004719144
を示す生成物40を無色油として得た。
(3−ベンジルオキシ−2−メトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−アミン 41
Figure 0004719144
2−MeO−3−O−ベンジルエストロン(390mg、1mmol)および4−(2−エチルアミノ)モルホリン(651mg、5mmol)のTHF(15mL)溶液を、1時間攪拌してから、酢酸(300mg)および水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(954mg、4.5mmol)を加えた。5日間攪拌後、水酸化ナトリウム(5mLの2M水)に次いで酢酸エチル(30mL)を加えた。次に有機層を分離し、水とブラインとで洗浄、乾燥し、蒸発させた。所望の生成物41の黄色油は、
Figure 0004719144
を示した。
(3−ベンジルオキシ−2−メトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−ピリジン−2イルメチル−アミン 42
Figure 0004719144
2−MeO−3−O−ベンジルエストロン(390mg、1mmol)および2−アミノメチル)ピリジン(515μ、5mmol)のTHF(20mL)溶液を、1時間攪拌してから、酢酸(300mg)および水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(954mg、4.5mmol)を加えた。6日間攪拌後、水酸化ナトリウム(5mLの2M水)に次いで酢酸エチル(30mL)を加えた。次に有機層を分離し、水とブラインとで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。所望の黄色アミン42は、
Figure 0004719144
を示した。
(3−ベンジルオキシ−2−エチル−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−(2−メトキシ−エチル)−アミン 43
Figure 0004719144
2−Et−3−O−ベンジルエストロン(220mg、0.57mmol)および2−メトキシエチルアミン(197μ、2.26mmol)のTHF(10mL)溶液を、1時間攪拌してから、酢酸(150mg)および水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(540mg、2.55mmol)を加えた。3日間攪拌後、水酸化ナトリウム(5mLの2M水)に次いで酢酸エチル(30mL)を加えた。次に有機層を分離し、水とブラインとで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。所望の黄色アミン43は、
Figure 0004719144
を示した。
N’−(2−エチル−3−メトキシメトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−N,N−ジメチル−エタン−1,2−ジアミン 44
Figure 0004719144
2−Et−3−O−MOMエストロン(342mg、1mmol)およびN,N−ジメチルエチレンジアミン(549μ、5mmol)のTHF(10mL)溶液を、1時間攪拌してから、酢酸(300mg)および水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(848mg、4mmol)を加えた。3日間攪拌後、水酸化ナトリウム(5mLの2M水)に次いで酢酸エチル(30mL)を加えた。次に有機層を分離し、水とブラインとで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。生じた黄色油を、カラムクロマトグラフィ(CHCl中10%MeOH)により精製して、
Figure 0004719144
を示す所望の生成物44を得た。
N’−(3−ベンジルオキシ−2−メトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−N,N−ジメチル−エタン−1,2−ジアミン 45
Figure 0004719144
2−MeO−3−O−ベンジルエストロン(390mg、1mmol)およびN,N−ジメチルエチレンジアミン(439μ、4mmol)のTHF(10mL)溶液を、1時間攪拌してから、酢酸(300mg)および水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(954mg、4.5mmol)を加えた。3日間攪拌後、水酸化ナトリウム(5mLの2M水)に次いで酢酸エチル(30mL)を加えた。次に有機層を分離し、水とブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。黄色油の生成物45は、
Figure 0004719144
を示した。
[2−(3−ベンジルオキシ−2−メトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イルオキシ)−エトキシ]−t−ブチル−ジメチル−シラン 46
Figure 0004719144
3−O−Bn−MeO−エストラジオール(340mg、0.86mmol)のトルエン(8mL)溶液を、水素化ナトリウム(2当量)で処理してから、封管中130℃に0.25時間加熱し、室温に冷却し、次いで臭化2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル(429μL、2mmol)で処理してから封管中130℃で16時間加熱した。標準的な水処理後、粗製物を、カラムクロマトグラフィにより精製して、
Figure 0004719144
を示す所望のエーテル46を白色固体(208mg)として得た。
17−[2−(t−ブチルージメチル−シラニルオキシ)−エトキシ]−2−メトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール 47
Figure 0004719144
エーテル46(200mg、0.36mmol)の攪拌,脱気THF(10mL)溶液を、10%Pd/C(20mg)で処理し、水素雰囲気下に一晩置いた。次に反応液をセライトを通してろ過し、蒸発させて所望のフェノール47を透明な無色油として得た。
Figure 0004719144
17−[2−(ヒドロキシ)−エトキシ]−2−メトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール 48
Figure 0004719144
TBS保護アルコール47(110mg、0.24mmol)のTHF(5mL)溶液を、TBAF(250mL,0.25mmol)で処理した。一晩攪拌後、反応液を酢酸エチル(25mL)で抽出し、有機層を水とブラインとで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。生じた淡黄色油を、カラムクロマトグラフィ(クロロホルム中2%メタノール)により精製して、
Figure 0004719144
を示す所望のジオール48を透明な無色油(65mg)として得た。
スルファミン酸2−メトキシ−13−メチル−17−(2−スルファモイル−エトキシ)−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルエステル 49
Figure 0004719144
塩化スルファモイルのトルエン溶液(1ml、0.69mmol)を、蒸発乾固し、0℃に冷却してから、ジメチルアセトアミド(1ml、0.69mmol)に次いで、ジオール48(45mg)で処理した。室温で3時間攪拌後、反応液を酢酸エチル(20mL)で希釈し、次いで水(10ml)で処理し、有機層を分離し、ブライン(5x10mL)で抽出し、乾燥し、蒸発させて、黄色油を得た。カラムクロマトグラフィ(クロロホルム中5〜10%メタノール勾配)を用いて、
Figure 0004719144
を示す所望のビス−スルファメート49を透明な無色油(21mg)として精製した。
t−ブチル−[2−メトキシ−17−(2−メトキシ−エトキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルオキシ]−ジメチル−シラン 50
Figure 0004719144
2−MeO−3−O−TBSエストラジオール(340mg、0.81mmol)のトルエン(20mL)溶液を、水素化ナトリウム(98mg、2.45mmol)で処理し、次いで1時間還流させてから臭化2−(メトキシ)エチル(153μL、1.62mmol)を添加した。反応液を14時間還流し、さらに水素化ナトリウム(80mg、2mmol)および臭化2−(メトキシ)エチル(141μL、1.5mmol)のアリコートで処理してから、さらに8時間還流し、その時間後、他のアリコートの塩基および臭化アルキルを加えた。さらに14時間還流後、反応液を室温に冷却し、酢酸エチル(30mL)で希釈してから、飽和塩化アンモニウム(20mL)で処理した。有機層を分離し、水(2x20mL)とブラインとで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。次いで所望のエーテル50は、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル11:1で溶出)により、
Figure 0004719144
を示す白色針状晶m.p.98〜100℃(276mg、%)として単離した。m/zFAB+473.2。
2−メトキシ−17−(2−メトキシ−エトキシ)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール 51
Figure 0004719144
TBS保護エーテル50(232mg)のTHF(10mL)溶液を、TBAF(0.5mL,THF中1M溶液)で処理した。一晩攪拌後、標準的水処理を実施し、所望のフェノール51を、カラムクロマトグラフィ(4:1ヘキサン/EA)により精製して、
Figure 0004719144
を示す白色固体を得た。
2−エチル−3−メトキシメトキシ−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−オン 52
Figure 0004719144
2−Et−3−O−MOM−17−(エチレンジオキシケタール)エストロン(15g)のアセトン(200mL)および水(10mL)溶液を、パラ−ピリジニウムトルエンスルホネート(333mg)で処理してから、14時間還流させた。次に溶媒をロータリー蒸発により留去して、白色固体を得、次いでエタノール水から再結晶して、
Figure 0004719144
を示す所望の生成物52を白色固体(5.6g)として得た。
2−エチル−3−メトキシメトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−オール 53
Figure 0004719144
2−Et−3−O−MOMエストロン52(743mg、2.18mmol)の室温攪拌THF(10mL)/メタノール(40mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(76mg、2mmol)を加えた。1時間攪拌後、反応液は、塩化アンモニウム(2mLの飽和溶液)の添加によりクエンチし、酢酸エチル(50mL)と水(25mL)とで希釈し、有機層を分離し、水とブラインとで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル勾配)により、
Figure 0004719144
を示す所望のアルコール53を透明な無色油(650mg)として得た。
2−エチル−17−(2−メトキシ−エトキシ)−3−メトキシメトキシ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン 54
Figure 0004719144
2−Et−3−O−MOMエストラジオール53(170mg、0.5mmol)のトルエン(10mL)溶液を、水素化ナトリウム(80mg、2mmol)で処理し、次いで0.5時間還流させてから臭化2−(メトキシ)エチル(141μL、1.5mmol)を添加した。反応液を14時間還流し、さらに水素化ナトリウム(80mg、2mmol)および臭化2−(メトキシ)エチル(141μL、1.5mmol)のアリコートで処理してから、さらに8時間還流し、その時間後、他のアリコートの塩基および臭化アルキルを加えた。さらに14時間還流後、出発物質の残渣は無かった。次いで反応液を室温に冷却し、酢酸エチル(30mL)で希釈してから、飽和塩化アンモニウム(20mL)で処理した。所望のエーテル54は、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン中0%から20%酢酸エチル勾配)により透明な無色油(128mg、%)を単離し、
Figure 0004719144
を示した。
以下のスキームに従った。
Figure 0004719144
Figure 0004719144
(E−およびZ−)−2−エチル−3−O−t−ブチル−ジメチル−シリル−17−メチルスルファニルメチレンエストロン Aおよび(E−およびZ−)−2−エチル−17−メチルスルファニルメチレンエストロン B
Figure 0004719144
水素化ナトリウム(120mg、3mmol)を、3つのアリコートのヘキサン(各1mL)で洗浄し、窒素下で乾燥してから、THF(5mL)で処理した。次にジエチル(メチルチオメチル)ホスホノエート(526μL、3mmol)を、この懸濁液に導入して激しくガス発生を生じさせて透明な無色溶液を形成した。次いでこの反応混合物を、2−Et−3−OTBSエストロン(412mg、1mmol)のTHF(5mL)溶液で処理してから、48時間還流した。次に冷却反応液を、酢酸エチル(30mL)で希釈し、水(20mL)に注ぎ、水層を分離した。次いで有機層を水(3x35mL)とブライン(50mL)とで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。生じた油を、カラムクロマトグラフィ(5%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して第1のフラクションとして所望のTBS保護アルケンA生成物を異性体混合物の無色油(196mg、43%)として得られ、第2のフラクションとして、脱シリル化アルケンBであることが証明された無色油(150mg、44%)として得られた。
F1
Figure 0004719144
m/z[FAB+]実測値456.28822、C2844SOSiは、456.28821を要する。
F2
Figure 0004719144
m/z[FAB+]実測値342.20174、C2230SOは、342.20173を要する。
2−エチル−17−メチルスルファニルメチルエストロン C
Figure 0004719144
(E−およびZ−)−2−エチル−17−メチルスルファニルメチレンエストロンB(150mg)を、THF(1mL)とエタノール(10mL)とに溶解してから、Pd/C(25mg、5%)で処理し、脱気してから、水素雰囲気下で16時間攪拌した。次に反応液を、セライトを通してろ過し、蒸発させた。所望の還元生成物Cは、カラムクロマトグラフィにより、
Figure 0004719144
を示す無色油(85mg)として単離した。
2−エチル−3−O−スルファモイル−17−メチルスルファニルメチルエストロン E
Figure 0004719144
塩化スルファモイル(1.5mLの0.56M溶液)を蒸発乾固してから、0℃でDMA(1.5mL)に溶解してから、2−エチル−13−メチル−17−メチルスルファニルメチルエストロンC(80mg)に加えた。この攪拌溶液を、14時間かけて室温になるようにした。次に酢酸エチル(10mL)を加え、溶液を水(3x10ml)とブライン(10mL)とで洗浄し、乾燥(NaSO)し、蒸発乾固した。粗製物をカラムクロマトグラフィ(クロロホルム中0〜7.5%酢酸エチル)により精製して、
Figure 0004719144
を示す所望のスルファメートを、白色泡状物E(65mg)として得た。
2−ヒドロキシメチル−3−O−メトキシメチル−17−エチレンジオキシエストロン
Figure 0004719144
2−ホルミル−3−O−メトキシメチル−17−エチレンジオキシエストロン(2.00g、5.18mmol)のTHF(10mL)およびメタノール(20mL)溶液を、水素化ホウ素ナトリウム(189mg、5mmol)で処理した。10分後、出発物質は残ってなく、過剰の水素化ホウ素は、塩化アンモニウムの添加により分解された。反応液を酢酸エチル(50mL)に抽出し、水(2x25mL)とブライン(25mL)とで洗浄し、乾燥し、蒸発させて2−ヒドロキシメチル−3−O−メトキシメチル−17−エチレンジオキシエストロンを白色泡状物(1.98g)として得た。
Figure 0004719144
2−メトキシメチル−3−O−メトキシメチル−17−エチレンジオキシエストロン
Figure 0004719144
2−ヒドロキシメチル−3−O−メトキシメチル−17−エチレンジオキシエストロン(1.98g、5.10mmol)の室温攪拌THF(25ml)溶液に、水素化ナトリウム(306mg)を加えてから0.5時間後、ヨウ化メチルを加えた。反応液を一晩攪拌してから標準的な水処理をした。クロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル)により、出発物質(600mg)の回収と共に所望の生成物を無色油(1g)として得た。生成物2−メトキシメチル−3−O−メトキシメチル−17−エチレンジオキシエストロンは、
Figure 0004719144
m/z[ES+]425.3(100%、M+Na)を示した。HRMS[FAB+]402.24063。
2−メトキシメチル3−O−TBSエストロン
Figure 0004719144
THF(10mL)中の2−メトキシメチル−3−O−メトキシメチル−17−エチレンジオキシエストロン(1g)を、メタノール性HCl(10mL、4M)で処理し、標準的な水処理後、生成物をDMF(10mL)に溶解し、イミダゾール(425mg)およびTBSCl(453mg)で処理した。14時間後、反応液を酢酸エチル(25mL)で抽出してから、水(5x20mL)とブライン(20mL)とで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィ(ヘキサン中0〜15%酢酸エチル)により、
Figure 0004719144
を示す所望の生成物を、白色固体(360mg)として得た。
2−メトキシメチル−3−O−TBS−17−シアノメチレンエストロン
Figure 0004719144
THF(10mL)中のジエチル(シアノメチル)ホスホネート(506μL、3mmol)を、水素化ナトリウム(124mg)で処理し、次いでガス発生が止んだら、THF(5mL)中の2−メトキシメチル3−O−TBSエストロン(320mg)を加えた。生成物をクロマトグラフィ(7:1ヘキサン/酢酸エチル)により1:1異性体混合物(240mg)として精製した。この透明な無色油は、
Figure 0004719144
を示した。
2−メトキシメチル−3−O−TBS−17−β−シアノメチルエストロン
Figure 0004719144
THF(1mL)およびエタノール(5mL)中の2−メトキシメチル−3−O−TBS−17−シアノメチレンエストロン(220mg)を、Pd/C(200mg、5%)の存在下で14時間かけて水素化した。次に反応液をセライトを通してろ過し、蒸発させて、
Figure 0004719144
を示す所望の生成物、2−メトキシメチル−3−O−TBS−17−β−シアノメチルエストロンを透明な無色油(200mg)として得た。
2−メトキシメチル−17−β−シアノメチルエストロン
Figure 0004719144
THF(5mL)中の2−メトキシメチル−3−O−TBS−17−β−シアノメチルエストロン(200mg)を、TBAF(1mL、THF中1M)で処理した。0.5時間後、反応液を後処理した。クロマトグラフィ(ヘキサン/エーテル)により、
Figure 0004719144
を示す所望の生成物、2−メトキシメチル−17−β−シアノメチルエストロンを結晶性固体(120mg)として得た。m/z[APCl−]338.3(100%、M−H)。
2−メトキシメチル−3−O−スルファモイル−17−β−シアノメチルエストロン
Figure 0004719144
塩化スルファモイル(1.7mmol)を、0℃に冷却し、ジメチルアセトアミド(1.5mL)に溶解してから5分後に、2−メトキシメチル−17−β−シアノメチルエストロン(60mg)で処理した。15分後、外部冷却を取り外し、この反応液を、室温で3時間攪拌した。次に酢酸エチル(15mL)で希釈し、ブライン(15mL)に注ぎ、有機層を分離した。この有機層を水(3x15mL)とブライン(15mL)とで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。クロマトグラフィ(DCM中0〜5%MeOH)により精製して、生成物、2−メトキシメチル−3−O−スルファモイル−17−β−シアノメチルエストロンを無色油(65mg)として得た。クロロホルム/ヘキサンからの結晶化により、
Figure 0004719144
を示す白色結晶性固体を得た。m/z[APCl−]417.3(100%、M−H)。
2−エチル−17−メチレンエストロン
Figure 0004719144
DMSO(15mL)中のヨウ化メチルトリフェニルホスホニウム(10mmol)を、水素化ナトリウム(400mg)で処理した。0.5時間後、DMSO(15mL)中の2−エチルエストロンを、生じた黄色イリドに加え、反応液を60℃に16時間保った。反応液を室温に冷却し、氷水(50mL)に注ぎ、エーテル(3x50mL)で抽出し、有機抽出液を合わせて、水(3x50mL)であり、乾燥して蒸発させた。クロマトグラフィ(ヘキサン中10%エーテル)により、
Figure 0004719144
を示す所望の生成物、2−エチル−17−メチレンエストロンを白色泡状物(390mg)として得た。HRMS[FAB+]296.21402。
2−エチル−17−エチリデンエストロン
Figure 0004719144
DMSO(15mL)中のヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム(10mmol)を、水素化ナトリウム(400mg)で処理した。0.5時間後、DMSO(15mL)中の2−エチルエストロンを、生じた黄色イリドに加え、反応液を60℃に16時間保った。反応液を室温に冷却し、氷水(50mL)に注ぎ、エーテル(3x50mL)で抽出し、有機抽出液を合わせて、水(3x50mL)であり、乾燥して蒸発させた。クロマトグラフィ(ヘキサン中10%エーテル)により、
Figure 0004719144
を示す所望の生成物、シス−2−エチル−17−エチリデンエストロンを白色泡状物(460mg)として得た。HRMS[FAB+]310.22967。
2−エチル−3−O−スルファモイル17−メチレンエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−17−メチレンエストロン(231mg)のジクロロメタン(5mL)溶液に、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン(320mg)および塩化スルファモイル(1.56mmol)を加えた。室温で14攪拌後、反応液を酢酸エチル(20mL)で希釈し、次いで水(3x20mL)とブライン(20mL)とで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィにより、
Figure 0004719144
を示す放置すると固化する所望の生成物、2−エチル−3−O−スルファモイル17−メチレンエストロンを透明な無色油(200mg)として得た。HRMS[FAB+]375.18681。
2−エチル−3−O−スルファモイル17−エチリデンエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−17−エチリデンエストロン(329mg)のジクロロメタン(5mL)溶液に、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン(435mg)および塩化スルファモイル(2.12mmol)を加えた。室温で14攪拌後、反応液を酢酸エチル(20mL)で希釈し、次いで水(3x20mL)とブライン(20mL)とで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。カラムクロマトグラフィにより、
Figure 0004719144
を示す放置すると固化する所望の生成物、2−エチル−3−O−スルファモイル17−エチリデンエストロンを透明な無色油(200mg)として得た。HRMS[FAB+]389.20246。
2−メトキシ−3−ベンジルオキシ−17−O−メトキシメチルエストラジオール
Figure 0004719144
2−メトキシ−3−ベンジルオキシエストラジオール(800mg)のDMF(10mL)溶液を、水素化ナトリウム(120mg)で処理してから、0.25時間後、クロロメチルメチルエーテル(266μL)を加えた。この反応液を室温で14時間攪拌してから標準的水処理を行った。クロマトグラフィ(6:1ヘキサン/酢酸エチル)により、
Figure 0004719144
を示す所望の生成物を、放置すると固化する(m.p.87〜88℃)透明な無色油として得た。HRMS[FAB+]436.26136。
2−メトキシ−17−O−メトキシメチルエストラジオール
Figure 0004719144
2−メトキシ−3−ベンジルオキシ−17−O−メトキシメチルエストラジオール(500mg)のTHF(2mL)およびエタノール(10mL)溶液を、Pd/C(50mg、5%)の存在下で16時間水素化(1気圧)した。反応液を、セライトを通してろ過することにより後処理し、蒸発させて所望の生成物を白色固体(500mg)として得た。エーテル/ヘキサンからの再結晶により白色結晶を得た。
Figure 0004719144
2−メトキシ−3−O−スルファモイル−17−O−メトキシメチルエストラジオール
Figure 0004719144
塩化スルファモイル(1.7mmol)のDMA(2mL)0℃溶液を、2−メトキシ−17−O−メトキシメチルエストラジオール(170mg)で処理した。3時間後、反応液を酢酸エチル(15mL)で希釈することにより処理し、次いで水(4x15mL)とブライン(15mL)とで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。クロマトグラフィ(アセトン/クロロホルム勾配)により所望の生成物、2−メトキシ−3−O−スルファモイル−17−O−メトキシメチルエストラジオールを白色固体(160mg)として得、次いでこれをエーテル/ヘキサンから結晶化させた。
Figure 0004719144
2−エチル−3−ベンジルオキシ−17−O−メシルエストラジオール 58
Figure 0004719144
窒素下、0℃に冷却した2−エチル−3−ベンジルエストラジオール(1mmol)の5mlピリジン溶液に、塩化メチルスルホニル(0.09ml、1.2mmol)を加えた。この溶液を0℃で2時間攪拌してから水(20mL)を添加した。有機物を酢酸エチル(2x60ml)で抽出し、有機層を、水とブラインとで連続洗浄してからMgSOで乾燥した。溶媒を減圧除去し、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル5:1)後、2−エチル−3−ベンジルオキシ−17−O−メシルエストラジオールを白色固体として得た。0.36g(77%)、mp=133℃
Figure 0004719144
2−エチル−17−O−メシルエストラジオール 59
Figure 0004719144
2−エチル−3−ベンジルオキシ−17−O−メシルエストラジオール(0.5mmol)の10mLTHFおよび40mLエタノール溶液に、30mgの10%Pd/Cを加えた。この混合物を、水素下、室温で14時間攪拌した。懸濁液を、セライト上でろ過し、THFで洗浄し、有機層を減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル1:0から2:1)後、2−エチル−17−O−メシルエストラジオールを白色固体として単離した。145mg(77%)、mp=195℃
Figure 0004719144
MS m/z:350.16(M)HPLC100%。微量分析:C:66.30(予測値66.63);H:7.80(予測値7.99)。
2−エチル−3−O−スルファモイル−17−O−メシルエストラジオール 60
Figure 0004719144
1mlの塩化スルファモイル0.559Mトルエン溶液を、減圧濃縮し、塩化スルファモイルを1ml DMAに溶解した。この溶液を0℃に冷却し、窒素下、2−エチル−17−O−メシルエストラジオール(0.2mmol)に加えた。溶液を室温で15時間攪拌した。有機物を酢酸エチル(2x50ml)で抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル5:2)後、2−エチル−3−O−スルファモイル−17−O−メシルエストラジオールを白色固体として得た。60mg(66%)、mp=179℃。
Figure 0004719144
LRMS m/z:457.32(M);HPLC100%;微量分析:C:53.40(予測値55.12);H:6.38(予測値6.34);N:3.09(予測値3.06)。
2−エチル−3−O−TBS−17−ジシアノメチレンエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−TBSエストロン(2mmol)、マロノニトリル(6mmol)およびβ−アラニンの溶液を、150mlトルエンおよび30ml酢酸中3日間還流した。さらに、2mmolアリコートのマロノニトリルを、24時間後と48時間後に加えた。この溶液を室温に冷却後、溶媒を蒸発させ、残渣の固体を50mlの水と共に攪拌し、酢酸エチル(2x100ml)で抽出した。有機層を、水とブラインとで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィ後、2−エチル−3−O−TBS−17−ジシアノメチレンエストロンを白色粉末として得た。840mg(91%)、mp=168℃。
Figure 0004719144
2−エチル−17−ジシアノメチレンエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−TBS−17−ジシアノメチレンエストロン(0.5mmol)のTHF(50ml)溶液を、0℃に冷却し、TBAF/THF1M(0.6mmol、0.6ml)を滴下により加えた。この溶液を、0℃で2時間攪拌してから、室温に温めた。次に水(10ml)と酢酸エチル(80ml)を加え、有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧蒸発させた。残渣の固体を、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル5:1から2:1)により精製して、2−エチル−17−ジシアノメチレンエストロンを白色固体として得た。125mg(72%)、mp=270℃;
Figure 0004719144
HPLC:100%。
2−エチル−3−O−スルファモイル−17−ジシアノメチレンエストロン
Figure 0004719144
0℃に冷却されたNHSOCl(0.6mmol)のDMA(2ml)溶液を、窒素下、2−エチル−17−ジシアノメチレンエストロン(0.2mmol)に加え、この混合物を室温で14時間攪拌した。次に水(10mL)を加え、有機物を酢酸エチル(2x50ml)で抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥してから、溶媒を減圧留去した。残渣の固体をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル5/1から3/1)により精製して、2−エチル−3−O−スルファモイル−17−ジシアノメチレンエストロンを白色固体62mg(73%)を得た、mp=228℃;
Figure 0004719144
HPLC100%;微量分析:C:64.90(予測値64.92);H:6.45(予測値6.40);N:9.68(予測値9.87)。
2−エチル−3−O−TBS−17β−ジシアノメチル17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−TBS−17−ジシアノメチレンエストロン(1mmol)のメタノール(50ml)溶液を、−10℃に冷却し、NaBH(76mg、2mmol)を少量ずつ加えた。この混合物を−10℃で4時間攪拌した。水(50mL)を加え、溶液をNHClで酸性にした。有機物を酢酸エチル(2x60ml)で抽出し、有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥してから、溶媒を減圧蒸発させた。残渣の固体をカラムクロマトグラフィにより精製して、2−エチル−3−O−TBS−17β−ジシアノメチル17−デオキシエストロン380mg(83%)を得た、mp=162℃;
Figure 0004719144
2−エチル−17β−ジシアノメチル17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−TBS−17β−ジシアノメチル17−デオキシエストロン(0.5mmol)のTHF(50ml)溶液を0℃に冷却し、TBAF/THF1M(0.6mmol、0.6ml)を滴下により加えた。この溶液を、0℃で2時間攪拌してから、室温に温めた。次に水(10ml)と酢酸エチル(80ml)を加え、有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧蒸発させた。残渣の固体を、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル5:1から2:1)により精製して、2−エチル−17β−ジシアノメチル17−デオキシエストロンを白色固体として得た。124mg(71%)、mp=248℃;
Figure 0004719144
HPLC:100%;微量分析:C:78.96(予測値79.27);H:8.03(予測値8.10);N:7.79(予測値8.04)。
2−エチル−3−O−スルファモイル−17β−ジシアノメチル17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
0℃に冷却されたNHSOCl(0.6mmol)のDMA(2ml)溶液を、窒素下、2−エチル−17β−ジシアノメチル17−デオキシエストロン(0.2mmol)に加え、この混合物を室温で14時間攪拌した。水(10mL)を加え、有機物を酢酸エチル(2x50ml)で抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥してから、溶媒を減圧留去した。残渣の固体をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル5/1から3/1)により精製して、2−エチル−3−O−スルファモイル−17β−ジシアノメチル17−デオキシエストロン170mg(80%)を白色粉末として得た、mp=169℃;
Figure 0004719144
HPLC100%;微量分析:C:64.64(予測値64.61);H:7.80(予測値6.84);N:9.62(予測値9.83)。
2−エチル−3−O−TBS−17β−(1−シアノ)エチル17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−TBS−17β−シアノメチル17−デオキシエストロン(0.5mmol)のTHF(50ml)溶液を、窒素下、−78℃で攪拌してから、1M LDA(1.2mmol、1.2ml)を滴下様式で処理した。30分後、CH3I(1.5mmol、212mg)を加え、この混合物を−78℃で4時間、次いで室温で12時間攪拌した。酢酸エチル(100mL)と水(30mL)とを加え、有機層を、水とブラインとで洗浄し、MgSOで乾燥してから、溶媒を減圧蒸発させた。生じた黄色油をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル20:1)により精製して、2−エチル−3−O−TBS−17β−(1−シアノ)エチル17−デオキシエストロン、無色油、176mg(78%)をジアステレオ異性体の(1:1)混合物として得た。
Figure 0004719144
2−エチル−17−デオキシ17β−(1−シアノ)エチルエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−TBS−17β−(1−シアノ)エチル17−デオキシエストロン(1mmol)のTHF(50ml)溶液を、0℃に冷却し、TBAF/THF1M(1.2mmol、1.2ml)を滴下により加えた。この溶液を、0℃で2時間攪拌してから、室温に温めた。次に水(10ml)と酢酸エチル(80ml)を加え、有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧蒸発させた。残渣の黄色固体を、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル5:1から2:1)により精製し、次いでヘキサン/酢酸エチル6:1中で結晶化させて220mg(71%)の2−エチル−17−デオキシ17β−(1−シアノ)エチルエストロンを白色粉末として得た。mp:226〜228℃。
Figure 0004719144
HPLC:100%微量分析:C:81.60(予測値81.51);H:8.79(予測値8.79);N:4.40(予測値4.53)。
2−エチル−3−O−スルファモイル−17−デオキシ17β−(1−シアノ)エチルエストロン
Figure 0004719144
0℃に冷却されたNHSOCl(0.6mmol)のDMA(2ml)溶液を、窒素下、2−エチル−17−デオキシ17β−(1−シアノ)エチルエストロン(0.2mmol)に加え、この混合物を室温で14時間攪拌した。10mLの水を加え、有機物を酢酸エチル(2x50ml)で抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥してから、溶媒を減圧留去した。残渣の固体をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル5/1から2/1)により精製して、42mg(54%)の2−エチル−3−O−スルファモイル−17−デオキシ17β−(1−シアノ)エチルエストロンを得た、mp:157〜159℃
Figure 0004719144
HPLC100%;微量分析:C:64.90(予測値64.92);H:7.52(予測値7.26);N:7.23(予測値7.21)。
2−エチル−3−O−ベンジル−17α−(メチル)シアノメチルエストラジオール
Figure 0004719144
プロピオニトリル(0.05mmol)の乾燥THF(50ml)溶液を、窒素下、−78℃で攪拌処理し、次いでLDA(0.05mol)を滴下により加えた。この混合物を1時間攪拌してから、20mlTHF中の2−エチル−3−O−ベンジルエストロン(8mmol)を添加した(3時間かけて滴下)。混合物をさらに3時間攪拌してから、NHClの水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を減圧蒸発させた。粗製油をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル10/1から4/1)により精製して、2−エチル−3−O−ベンジル−17α−(メチル)シアノメチルエストラジオール2.70g(76%)を白色粉末として得た、mp=75〜77℃
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−ベンジル17−(1−シアノ)エチリデンエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−ベンジルエストラジオール−17α−プロピオニトリル(0.05mol)を、0℃に冷却したTEA(2ml)およびDCM(25ml)溶液に加え、CHSOCl(0.055mol、0.44ml)の添加後、溶液を0℃で8時間攪拌した。溶液を水でクエンチし、有機層をDCMで抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を減圧留去した。粗製油をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル10/1)により精製して、2−エチル−3−O−ベンジル17−シアノエチリデンエストロンを得た。収率85%、mp=63〜64℃
Figure 0004719144
2−エチル−17−デオキシ17β−(1−シアノ)エチルエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−ベンジル17−(1−シアノ)エチリデンエストロン(1mmol)の5mLTHF/45mLメタノール溶液に、50mgの5%Pd/Cを加え、この混合物を、水素下、16時間攪拌した。懸濁液を、セライト/砂上でろ過し、THFで洗浄し、有機層を減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル10:1から1:1)および再結晶(ヘキサン/酢酸エチル5:1)後、2−エチル−17−デオキシ17β−(1−シアノ)エチルエストロンを白色固体として単離した。白色粉末、225mg(67%)、mp=235〜236℃;
Figure 0004719144
微量分析:C:81.50(予測値81.85);H:9.18(予測値9.26);N:3.99(予測値4.15)。
2−エチル−3−O−スルファモイル−17−デオキシ17β−(1−シアノ)エチルエストロン
Figure 0004719144
0℃に冷却されたNHSOCl(1mmol)のDMA(2ml)溶液を、21a(0.3mmol)に加え、この混合物を窒素下、室温で14時間攪拌した。次いで水(10mL)を加え、有機物を酢酸エチル(2x50ml)で抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥してから、溶媒を減圧留去した。残渣の固体をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル5/1から2/1)により精製し、次に再結晶(ヘキサン/酢酸エチル5/1)して2−エチル−3−O−スルファモイル−17−デオキシ17β−(1−シアノ)エチルエストロンを得た、86mg(69%)、mp=171〜172℃
Figure 0004719144
微量分析:C:66.40(予測値66.31);H:7.73(予測値7.74);N:6.52(予測値6.72)。
2−エチル−3−O−ベンジル−17β−(2−ヒドロキシエチル)17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
窒素下、(3−ベンジルオキシ−2−エチル−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル]−酢酸エチルエステル(1.84g、4mmol)の30ml乾燥THF溶液を、0℃に冷却してから、LiAlH(0.30g、8mmol)を少量ずつ加えた。0℃で3時間後、混合物をNHCl水でクエンチし、有機物を酢酸エチルで抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を減圧蒸発させた。粗製油をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル15/1から8/1)により精製し、1.47g(88%)の2−エチル−3−O−ベンジル−17β−(2−ヒドロキシエチル)17−デオキシエストロンを白色粉末として得た、mp=98〜99℃
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−ベンジル−17β−(2−メトキシエチル)17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−ベンジル−17β−(2−ヒドロキシエチル)17−デオキシエストロン(1.26g、3mmol)の30ml乾燥THF溶液を、窒素下、0℃に冷却した。NaH(0.16g、鉱油中60%分散液の4mmol NaH)を少量ずつ加え、この溶液を、30分間攪拌してから、CHI(0.37ml、6mmol)を滴下により加えた。次いで溶液を室温に温めて18時間攪拌した。水(20ml)の添加後、有機物を酢酸エチルで抽出した。有機層を、水とブラインとで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を減圧蒸発させた。粗製油をクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル20/1)により精製し、1.25g(96%)の2−エチル−3−O−ベンジル−17β−(2−メトキシエチル)17−デオキシエストロンを白色粉末として得た、mp=70〜71℃
Figure 0004719144
2−エチル−17β−(2−メトキシエチル)17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
0.87g(2mmol)の35、2−エチル−3−O−ベンジル−17β−(2−メトキシエチル)17−デオキシエストロンを、THF(5mL)およびMeOH(50mL)に溶解し、50mgの5%Pd/Cを加え、この混合物を、水素下、16時間攪拌した。懸濁液を、セライト/砂上でろ過し、THFで洗浄し、溶媒を減圧蒸発させた。粘稠性黄色油をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル15/1から10/1)により精製して、2−エチル−17β−(2−メトキシエチル)17−デオキシエストロン0.66g(97%)を白色粉末として得た、mp=58〜59℃;
Figure 0004719144
HPLC:100%;HRMS(FAB+):実測値342.255493 理論値C2334 342.255881。
2−エチル−3−O−スルファモイル−17β−(2−メトキシエチル)17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
0℃に冷却されたNHSOCl(3mmol)のDMA(2ml)溶液を、2−エチル−17β−(2−メトキシエチル)17−デオキシエストロン(342mg、1mmol)に加え、この混合物を窒素下、室温で24時間攪拌した。水(10mL)の添加後、有機物を酢酸エチル(2x50ml)で抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣の固体をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル10/1から4/1)により精製し、次いで再結晶(ヘキサン/酢酸エチル5:1)することにより2−エチル−3−O−スルファモイル−17β−(2−メトキシエチル)17−デオキシエストロン0.35g(84%)を白色粉末として得た、mp=168〜169℃;
Figure 0004719144
HPLC:100%;微量分析:C:65.40(予測値65.52);H:8.29(予測値8.37);N:3.14(予測値3.32)。
2−エチル−3−O−ベンジル−17β−(2−(OTBDPS)エチル)17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−ベンジル−17β−(2−ヒドロキシエチル)17−デオキシエストロン(0.419g、1mmol)、イミダゾール(0.136g、2mmol)およびTPDPSCl(1.1mmol)の10ml乾燥DMF溶液を、窒素下、室温で24時間攪拌した。水(10mL)の添加後、有機物を酢酸エチル(2x50ml)で抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣の油をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル25/1)により精製して[2−(3−ベンジルオキシ−2−エチル−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)−エトキシ]−t−ブチル−ジメチル−シランを白色粉末として得た、590mg(90%)、mp=48〜50℃;
Figure 0004719144
2−エチル−17β−(2−(OTBDPS)エチル)17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−ベンジル−17β−(2−(OTBDPS)エチル)17−デオキシエストロン(1mmol)のTHF(2mL)およびエタノール(20mL)溶液に、50mgの5%Pd/Cを加え、この混合物を、水素下で攪拌した。反応液をTLCによりモニターした。完了後、懸濁液を、セライト/砂上でろ過し、溶媒を減圧蒸発させた。残渣の油をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル20/1から3:1)により精製して、17−[2−(t−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−エチル]−2−エチル−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オールを白色固体として得た、mp=134〜135℃、0.49g(87%);
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−スルファモイル−17β−(2−(OTBDPS)エチル)17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
0℃に冷却されたNHSOCl(3mmol)のDMA(2ml)溶液を、39c(566mg、1mmol)に加え、この混合物を窒素下、室温で24時間攪拌した。水(10mL)の添加後、有機物を酢酸エチル(2x50ml)で抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣の固体をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル15/1から8/1)により精製して2−エチル−3−O−スルファモイル−17β−(2−(OTBDPS)エチル)17−デオキシエストロンを白色固体として得た、470mg(72%)、mp=185〜186℃;
Figure 0004719144
HRMS[FAB+]:実測値645.326294、理論値C2334 645.330810。
2−エチル−3−O−スルファモイル−17β−(2−ヒドロキシエチル)17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−スルファモイル−17β−(2−(OTBDPS)エチル)17−デオキシエストロン(323mg、0.5mmol)の20ml THF溶液を、0℃に冷却してから、0.6mlの1M TBAF/THFを滴下により加えた。この溶液を、0℃で6時間攪拌してから、水(10ml)を加えて酢酸エチル(2x50ml)で抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去して残渣の固体を、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル10/1から2/1)により精製し、次いでヘキサン/酢酸エチル4:1中で再結晶して2−エチル−3−O−スルファモイル−17β−(2−ヒドロキシエチル)17−デオキシエストロンを白色粉末として得た、145mg(72%)、mp:157〜158℃;
Figure 0004719144
微量分析:C:64.78(予測値64.83);H:8.12(予測値8.16);N:3.41(予測値3.44)。
2−(3−ベンジルオキシ−2−エチル−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン)−エタノール
Figure 0004719144
窒素下、(3−ベンジルオキシ−2−エチル−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン)−酢酸エチルエステル(0.92g、2mmol)の20ml乾燥THF溶液を、0℃に冷却してから、LiAlH(0.15g、4mmol)を少量ずつの様式で加えた。0℃で6時間後、混合物をNHCl水でクエンチし、有機物を酢酸エチルで抽出した。有機層を、水とブラインとで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を減圧蒸発させた。粗製油をクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル15/1から6:1)により精製し、2−(3−ベンジルオキシ−2−エチル−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン)−エタノール、0.75g(89%)を白色粉末として得た、mp=61〜62℃;
Figure 0004719144
3−ベンジルオキシ−2−エチル−17−(2−メトキシ−エチリデン)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン
Figure 0004719144
窒素下、2−(3−ベンジルオキシ−2−エチル−13−メチル−6,7,8,9,11,12,13,14,15,16−デカヒドロ−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イリデン)−エタノール(0.62g、1.5mmol)の10ml乾燥THF溶液を、0℃に冷却した。NaH(0.08g、鉱油中60%分散液の2mmol NaH)を少量ずつ加え、この溶液を、30分間攪拌してから、CHI(0.19ml、3mmol)を滴下により加えた。次いで溶液を室温に温めて18時間攪拌した。水(20ml)の添加後、有機物を酢酸エチルで抽出した。有機層を、水とブラインとで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を減圧蒸発させた。粗製油をクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル20/1)により精製し、3−ベンジルオキシ−2−エチル−17−(2−メトキシ−エチリデン)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン、0.59g(91%)を無色油として得た;
Figure 0004719144
2−エチル−17−(2−メトキシ−エチリデン)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール
Figure 0004719144
3−ベンジルオキシ−2−エチル−17−(2−メトキシ−エチリデン)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン(0.43g、1mmol)の50mlt−ブタノール溶液を還流し、Na(0.46g、20mmol)を、6時間かけて少量ずつ加えた。この混合物を18時間還流し、室温に冷却し、2−プロパノールを加えて過剰のナトリウムを崩壊した。溶媒を蒸発させ、残渣の固体を水(20ml)に注いだ。有機物を酢酸エチルで抽出した。有機層を、水とブラインとで洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧蒸発させた。粗製油をクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル15/1から8:1)により精製して2−エチル−17−(2−メトキシ−エチリデン)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オールを、白色粉末として得た、230mg(68%)、mp=133〜134℃;
Figure 0004719144
HPLC:100%;HRMS[FAB]:実測値340.24023、理論値C2332 340.24023。
2−エチル−3−O−スルファモイル17−(2−メトキシ−エチリデン)エストロン
Figure 0004719144
0℃に冷却されたNHSOCl(2mmol)のDMA(2ml)溶液を、2−エチル−17−(2−メトキシ−エチリデン)−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15,16,17−デカヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−オール(170mg、0.5mmol)に加え、この混合物を窒素下、室温で24時間攪拌した。水(10mL)の添加後、有機物を酢酸エチル(2x50ml)で抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣の固体をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル10/1から5/1)により精製して2−エチル−3−O−スルファモイル17−(2−メトキシ−エチリデン)エストロンを白色固体として得た、142mg(68%)、
Figure 0004719144
HPLC:99.7%;HRMS[FAB+]:実測値419.21303、理論値C2333NS 419.21303。
2−エチル−3−O−アセチル−17−シアノ−17−ヒドロキシ−エストロン
Figure 0004719144
酢酸2−エチルエストロン(5mmol)およびKCN(3.26g、50mmol)の20mlメタノールおよび5ml酢酸溶液を、室温で3〜5日間攪拌した。氷水を、この混合物に加え、生じた固体をろ過し、大量の水で洗浄した。白色固体を、酢酸エチル(100ml)に溶解し、有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を減圧蒸発させて2−エチル−3−O−アセチル−17−シアノ−17−ヒドロキシ−エストロンを1.6g(87%)の白色固体として得、これは、
Figure 0004719144
を示した。
酢酸17−シアノ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15−オクタヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルエステル
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−アセチル−17−シアノ−17−ヒドロキシ−エストロン(4mmol)を、10ml乾燥ピリジンに溶解し、SOCl(1.46ml、20mmol)を滴下により加えた。この溶液を、窒素下、1時間還流し、0℃に冷却し、5M HCl水でpH1に加水分解した。有機物を、酢酸エチルで抽出し、有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧蒸発させ、生じた暗色油を、カラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル8:1から6:1)により精製して酢酸17−シアノ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15−オクタヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルエステルを白色粉末として得た、0.50g(36%)、mp176〜177℃;
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−アセチル−17−シアノ−17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
酢酸17−シアノ−13−メチル−7,8,9,11,12,13,14,15−オクタヒドロ−6H−シクロペンタ[a]フェナントレン−3−イルエステル(1mmol)のTHF(5mL)およびメタノール(30mL)溶液に、5%Pd/C(30mg)を加え、この混合物を、水素下、室温で24時間攪拌した。懸濁液を、セライト/砂上でろ過し、溶媒を減圧蒸発させた。残渣の固体をクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル8:1から6:1)により精製して、2−エチル−3−O−アセチル−17−シアノ−17−デオキシエストロンを白色粉末として得た、330mg(94%)、mp=195〜196℃;
Figure 0004719144
2−エチル−17−シアノ−17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
2−エチル−3−O−アセチル−17−シアノ−17−デオキシエストロン(0.8mmol)を、アセトン(10ml)およびメタノール(10ml)に溶解し、KCO(0.55g、4mmol)をこの溶液に加えた。この混合物を、室温で24時間攪拌した。この塩をろ取し、溶媒を蒸発させた。生じた固体を、NHCl水で処理し(pH1に)、有機物を酢酸エチルで抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧蒸発させ、生じた固体を、クロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル8:1から6:1)により精製し、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)中で再結晶して、2−エチル−17−シアノ−17−デオキシエストロンを白色粉末として得た、210mg(85%)、mp=284〜285℃;
Figure 0004719144
微量分析:C:81.15(予測値81.51);H:8.72(予測値8.79);N:4.33(予測値4.53)。
2−エチル−3−O−スルファモイル−17−シアノ−17−デオキシエストロン
Figure 0004719144
0℃に冷却されたNHSOCl(0.8mmol)のDMA(2ml)溶液を、2−エチル−17−シアノ−17−デオキシエストロン(0.3mmol)に加え、この混合物を窒素下、室温で24時間攪拌した。水(10mL)の添加後、有機物を酢酸エチル(2x50ml)で抽出した。有機層を、水とブラインとで連続洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣の固体をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル5/1)により精製し、ヘキサン/酢酸エチル(5/1)中で再結晶して、2−エチル−3−O−スルファモイル−17−シアノ−17−デオキシエストロンを白色粉末として得た、100mg(86%)、mp=193〜194℃;
Figure 0004719144
微量分析:C:64.95(予測値64.95);H:7.29(予測値7.26);N:7.11(予測値7.21)。
(生物学的データ)
本明細書に言及された化合物は、上記の合成の節に用いられた化合物番号またはSTXコードのいずれかによって確認できる。前記化合物番号は、対応するSTXコードと共に以下にリストされている。
Figure 0004719144
さらに、以下の化合物は:
Figure 0004719144
Figure 0004719144
と称される。
(ステロイドスルファターゼの阻害)
Figure 0004719144
(細胞増殖)
細胞増殖に対する薬物の効果は、マイクロタイタープレート・アッセイ(細胞タイター96増殖アッセイ、Promega、英国ハンプシャー所在)を用いて測定された。
Figure 0004719144
化合物STX140は、以下のアッセイにおけるコントロールとして使用された。
Figure 0004719144
ヒト臍静脈細胞;96ウェルプレートMTS増殖アッセイ、3つのウェルの平均阻害+/−標準。
Figure 0004719144
ヒト皮膚線維芽細胞;96ウェルプレートMTS増殖アッセイ、3つのウェルの平均阻害+/−標準。
Figure 0004719144
A2780卵巣癌細胞;3日間の試験、細胞数
Figure 0004719144
Figure 0004719144
STX641(登録商標)およびSTX140(登録商標)は、STX641およびSTX140の薬物誘導効果の可逆性が、それぞれ試験されたことを意味する。これらの試験に関して、薬物は、3日目に除去され、細胞を、PBSにより洗浄してから、培養培地を加えた。これらの試験は、大部分の場合、薬物の効果が可逆的でなかったことを示した。
これらのデータは、図8に示している。
(PC3前立腺癌細胞;3日間の試験)
Figure 0004719144
STX641(登録商標)およびSTX140(登録商標)は、STX641およびSTX140の薬物誘導効果の可逆性が、それぞれ試験されたことを意味する。これらの試験に関して、薬物は、3日目に除去され、細胞を、PBSにより洗浄してから、培養培地を加えた。これらの試験は、大部分の場合、薬物の効果が可逆的でなかったことを示した。
これらのデータは、図9に示している。
(A2780卵巣癌細胞におけるクローン化可能性)
Figure 0004719144
これらのデータは、図10に示している。
(タキソール誘導微小管重合化阻害)
チューブリンのタキソール誘導重合化を阻害する薬物の能力を、350nmにおける濁度により測定した。最終濃度が1mg/mlのチューブリン(Cryoskeleton社、コロラド州デンバー所在)を、エストロン誘導体[20μM]の有り無しと共にタキソールの存在下、G−PEM緩衝液[80mMピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)セキナトリウム塩、1mM MgCl、1mM EGTAおよび1mM GTP(pH6.8)]中、32℃でインキュベートした。
図3は、STX641および関連化合物によるチューブリンのタキソール誘導重合化の阻害を示す。STX641は、抗微小管剤として、すなわち、微小管機能の崩壊作用をすると考えられている。これを示すために、チューブリンを、タキソール(チューブリン重合化を促進することが知られている化合物)存在下でインキュベートした。タキソールは、350nmで測定された濁度の増加を反映する有効なインビトロ微小管構築を誘導した。チューブリンとタキソールの反応混合物に対するSTX641、STX505、STX564またはSTX640の添加は、濁度増加が殆ど検出されず、チューブリン構築を阻止した。これらの結果は、STX641および関連化合物が、インビトロでのチューブリン重合化を阻害し、このような化合物が、インビボ(したがって腫瘍増殖)での微小管動態を崩壊し易いことを示している。
(グルコース取込み阻害)
グルコースの細胞への取込み阻害を測定するために、細胞を12ウェルのマルチウェルプレート入れ、集密になるまで増殖させた。細胞を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、可能性のあるインヒビター(0.1〜10μM)の不在下または存在下で1ウェル当たり1μCi2−デオキシ−D−[1−H]グルコース(NEN−Dupont、英国)を含有するインキュベート用緩衝液中15分間インキュベートした。取込みは、冷(4℃)PBS中、細胞を洗浄することにより終了した。細胞を、0.01M水酸化ナトリウム中のトリトン−Xに溶解し、液体シンチレーションカウントのために処理した(Singhら、Molecular and Endocrinology、160:p.61−66、2000年)。
Figure 0004719144
図4は、グルコース取込み阻害を示している。グルコース(エネルギー源として)取込みの増加は、多くの癌細胞の特徴的な形質である。グルコースは、多数のグルコーストランスポーターにより細胞に取り込まれるが、このようなトランスポーターの1つ(GLUT 1)は、悪性乳癌において過剰発現される。図4は、STX641(および関連化合物)が、MCF−7(エストロゲンレセプター陽性、ER+)およびMDA−MB−231(ER−)乳癌細胞によるグルコース取込みを阻害することを示している。インビボグルコース取込み阻害は、腫瘍増殖を阻害するはずであり、これは、STX641および関連化合物が、患者における腫瘍増殖を阻害するために作用する重要な機序であり得る。
(小管形成に対する効果)
小管形成に対する薬物の効果(抗血管新生可能性のマーカーとして測定された)は、抗血管新生キット(TCS−Cellworks社、英国ブックス所在)を用いて評価された。これに関して、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)類を、皮膚由来のヒト二倍体線維芽細胞の基質内で24ウェルプレートで培養した。この共培養細胞を、実験を通して加湿インキュベータ中5%CO下、37℃でインキュベートした。1日目、培養培地を除いて調査中の薬物を含有する培地に置き換えた。4日目、7日目および9日目、培地を、調査中の薬物を含有する新鮮な培地に置き換えた。11日目、細胞をPBSで洗浄し、70%エタノール(1ml)は、各ウェルに30分間加えて細胞を固定化した。固定化後、細胞をブロッキング緩衝液(1mlPBS+1%ウシ血清アルブミン、Sigma、英国)で洗浄し、von Willebrandの因子またはCD31のいずれかで染色した。小管形成の程度を、手動的採点法またはコンピュータ分析法により定量化した。画像は、Kodak DC120デジタルカメラを用いて捕捉した。さらに、薬物により誘導された小管形成における変化の詳細を、Photoshop処理画像として提供されるいくつかのスキャンによるプレートの高解像度スキャンニングによっても記録された。
固形腫瘍の大部分は、それらの増殖を維持する必須栄養物を獲得できるように、血管ネットワークを発達させる(血管新生として公知の過程)場合、ほんの1〜2mmを超えたサイズで増殖できる。したがって、この血管新生過程をブロックする薬物は、固形腫瘍の広範囲な増殖を阻害すると考えられる。
このアッセイにおいて、血管新生のインヒビターとして作用するSTX641(および関連化合物)の能力を、HUVEC類と皮膚線維芽細胞との共培養を用いて調べた。この系において、内皮細胞は先ず、線維芽細胞基質内で小島を形成する。続いてそれらは増殖し、基質を介して移動する移動期に入り、糸様の管構造を形成する。これらが合体して網状小管のネットワークを形成する。小管形成に対するSTX641の効果を示す代表的な形態は、図5および図6に示される。図5において、HUVEC類および皮膚線維芽細胞の無処理(コントロール)共培養に関して、拡張小管ネットワークの糸様性質を明確に見ることができる。コントロール的に、STX641(0.1μM)で処理された共培養細胞に関しては、小管は完全に崩壊されて、この薬物が抗血管新生特性を有することを示している。図6において、プレートは、高解像度スキャンニングにより記録され、また処理されて画素化画像を得た。再度、無処理(コントロール)共培養に関して、糸様小管を明確に見ることができるが、一方、0.05μMでのSTX641(およびSTX140)は、小管形成を完全に消滅させている。
小管形成阻害の程度は、コンピュータ分析により定量化できる(図7)。示されるように、0.05μMおよび0.1μMにおけるSTX641、STX564およびSTX639は小管形成を完全に阻害したため、これらの化合物の抗血管新生能力が確認された。
(微小血管形成の阻害)
Figure 0004719144
Figure 0004719144
各々の場合、目盛り付けは、1.0画素であり、画像領域は3211216であった。VEGFは、血管内皮増殖因子である。
これらのデータは、図11に示している。
(細胞周期制止およびアポトーシス)
(MCF−7乳癌細胞)
フローサイトメトリー細胞周期分析を、500nMの化合物によるMCF−7sの40%集密集団に対して実施した。
8時間目でSTX140、STX640およびSTX641は、コントロールと比較して有意にG2/M制止(16%から27%)を誘導した。
24時間のSTX641曝露後、コントロール(28%)、STX140(28%)およびSTX640(18%)と比較して、細胞の68%がG2/M制止を受けた。G2/M細胞集団におけるこの増加は、G1期およびS期の集団の減少(それぞれ37%から15%、および30%から9%)を伴った。STX140処理細胞において、サブG1集団における通常のアポトーシスを示す有意な増加が見られた(コントロール細胞の2%と比較して36%)。
48時間後、STX641処理細胞は、アポトーシスサブG1集団において有意な増加はないが、依然としてG2/M制止を受けていた。STX140で処理された細胞は、サブG1細胞集団の増加を示し続けた。
(A2780卵巣癌細胞)
図12は、A2780卵巣癌細胞に対する1μM濃度におけるSTX641の効果を示しており、24時間後のSTX641により誘導されたG2/M制止を示している(左側グラフ)。右側グラフは、アネキシンV抗体で染色した細胞に関するFACs分析の結果を示している。コントロールでは、M2領域におけるピークの欠如により示される細胞表面発現はない。コントロール的に、STX641処理細胞は、M2領域における増加により示されるこのアポトーシスマーカーに関して染色の著しい増加を示し、この化合物がアポトーシスを誘導することを示している。
(異種移植ヌードマウスモデル)
SMCF−7乳癌ヌードマウスモデル
成体メスICRFヌード(nu/nu)マウスに、10x10MCF−7細胞/0.1ml Matrigelを皮下注射し、腫瘍増殖を週1回モニターした。腫瘍が容積で100〜150mmに達したら、マウスを以下の群に分けた:
A: コントロール 1週につき5回、3週間、0.1mlの媒体の経口投与
B: STX140 1週につき5回、3週間、20mg/kgの経口投与
C: STX641 1週につき5回、3週間、20mg/kgの経口投与
腫瘍血管新生の視覚化および定量化を可能にするために殺処理20分前、マウスに0.1mlの25mg/ml FITC−デキストラン溶液を静脈内注射した。
この試験結果は、以下の図に示している。
図13は、ICRFヌードマウスにおけるMCF−7乳癌細胞腫瘍の増殖に対するSTX140およびSTX641(20mg/kg経口投与)の効果を示している。
3週間の投与期間に亘り、STX140は、59%の腫瘍退縮、STX641は、25%の腫瘍退縮をもたらした。
図14は、腫瘍血管系に対するSTX140およびSTX641(20mg/kg経口投与)の効果を示す蛍光写真を示している。
腫瘍のFITC画像は、十分に明確な構造の血管系を有するコントロールを示したが、一方、STX140およびSTX641処理動物において、腫瘍血管系は、崩壊され、不明確であった。
図15は、MCH−7乳房腫瘍における腫瘍血管新生に対するSTX140およびSTX641(20mg/kg)の効果を示している。
腫瘍血管新生のFITC定量化により、STX140およびSTX641の双方が、それぞれ40%および60%の有意な腫瘍血管新生阻害を生じることが示された。
図16は、ヌードマウスにおける肝臓および腫瘍スルファターゼ活性に対するSTX140およびSTX641(20mg/kg経口投与)の効果を示している。
肝臓スルファターゼ活性は、STX140およびSTX641の双方によりほぼ完全に阻害された。
図17は、3週間処理されたヌードマウスの体重に対するSTX140およびSTX641(20mg/kg経口投与)の効果を示している。
いずれの群においても投与期間に亘り、体重減少は見られなかった。
(炭酸脱水酵素)
Figure 0004719144
CA2阻害活性とCA9阻害活性とは関連している(Vullo 2003年、BioOrg/Med.Chem.)。
上記明細書に述べられた全ての刊行物および特許は、参照として本明細書に組み込まれている。
本発明の範囲と精神から逸脱しない本発明の種々の修飾および変更は、当業者にとって明らかとなろう。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して記載されたが、請求されている本発明は、このような特定の実施形態に過度に限定される必要がないことを解すべきである。実際、化学、生物学または関連分野の当業者にとって明らかである本発明を実施するために記載された様式の種々の修飾は、以下の請求項の範囲内に入ることが意図されている。
図1は、スキームの概要を示す。 図2は、スキームの概要を示す。 図3は、グラフを示す。 図4は、グラフを示す。 図5は、プレートを示す。 図6は、プレートを示す。 図7は、グラフを示す。 図8は、グラフを示す。 図9は、グラフを示す。 図10は、プレートを示す。 図11は、グラフを示す。 図12は、グラフを示す。 図13は、グラフを示す。 図14は、蛍光写真を示す。 図15は、グラフを示す。 図16は、グラフを示す。 図17は、グラフを示す。

Claims (29)

  1. 以下の式:
    Figure 0004719144
    の化合物であって、該式において、
    は、−OH、または以下の式:
    Figure 0004719144
    のスルファメート基から選択される基であって、式中、RおよびRは、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニルおよびアリールまたはこれらの組合せから独立して選択されるか、あるいは一緒になってアルキレンを表し、該もしくは各アルキルまたはシクロアルキルまたはアルケニルまたはアリールは、必要に応じて、1つ以上のヘテロ原子またはヘテロ基を含み;
    は、式−L−R または−R の基であって、ここで、LはC 1−10アルキレン基であり、Rは、ニトリル基であり;そして
    は、アルキル基またはアルコキシ基であり;
    ただし、該化合物は、17α−シアノメチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17−ジオール−2−メチルエーテルではない、
    化合物。
  2. が、アルコキシ基である、請求項1に記載の化合物。
  3. が、メトキシである、請求項2に記載の化合物。
  4. が、アルキル基である、請求項1に記載の化合物。
  5. が、エチルである、請求項4に記載の化合物。
  6. が、−OHである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. が、スルファメート基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  8. およびRのうち少なくとも1つが、Hである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
  9. およびRの各々が、Hである、請求項8に記載の化合物。
  10. が、−CHC≡Nおよび=CHC≡Nから選択される基である、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物。
  11. Lが、C1〜5アルキレンである、請求項1〜1のいずれか1項に記載の化合物。
  12. Lが、CアルキレンまたはCアルキレンである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
  13. が、式−Rである、請求項1〜1のいずれか1項に記載の化合物。
  14. 基が、α配置にある、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物。
  15. 以下の式:
    Figure 0004719144
    の化合物である、請求項1に記載の化合物。
  16. 組成物であって、
    (i)請求項1〜15のいずれか1項で規定される化合物;および
    (ii)生物学的反応修飾物質
    を含む、組成物。
  17. 前記生物学的反応修飾物質が、サイトカインである、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記サイトカインが、腫瘍壊死因子(TNF)である、請求項17に記載の組成物。
  19. 前記TNFが、TNFαである、請求項18に記載の組成物。
  20. 薬学的組成物であって、
    (a)(i)請求項1〜15のいずれか1項で規定される化合物、または
    (ii)請求項1619のいずれか1項で規定される組成物、
    および
    (b)薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、賦形剤またはアジュバント
    を含む、薬学的組成物。
  21. 医薬における使用のための、請求項1〜15のいずれか1項で規定される化合物を含む組成物。
  22. 腫瘍増殖を阻止および/または阻害するための医薬の製造における、請求項1〜15のいずれか1項で規定される化合物の使用。
  23. ステロイドスルファターゼ(STS)活性の阻害;細胞周期の調節;アポトーシスの調節;細胞増殖の調節;腫瘍によるグルコース取込みの阻止および/または抑制;腫瘍血管新生の阻止および/または阻害;微小管の崩壊;ならびにアポトーシス誘導のうちの1つ以上のための医薬の製造における、請求項1〜15のいずれか1項で規定される化合物の使用。
  24. ステロイドスルファターゼ(STS)活性を阻害するための医薬の製造における、請求項1〜15のいずれか1項で規定される化合物の使用。
  25. 細胞増殖を調節するための医薬の製造における、請求項1〜15のいずれか1項で規定される化合物の使用。
  26. 腫瘍増殖を阻止および/または阻害するための、請求項1619のいずれか1項で規定される組成物。
  27. ステロイドスルファターゼ(STS)活性の阻害;細胞周期の調節;アポトーシスの調節;細胞増殖の調節;腫瘍によるグルコース取込みの阻止および/または抑制;腫瘍血管新生の阻止および/または阻害;微小管の崩壊;ならびにアポトーシス誘導のうちの1つ以上のための、請求項1619のいずれか1項で規定される組成物。
  28. ステロイドスルファターゼ(STS)活性を阻害するための、請求項1619のいずれか1項で規定される組成物。
  29. 細胞増殖を調節するための、請求項1619のいずれか1項で規定される組成物。
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