JP2005512277A - パターンに従ってプラズマ処理表面上に物質を転写するための方法および材料 - Google Patents

パターンに従ってプラズマ処理表面上に物質を転写するための方法および材料 Download PDF

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Abstract

ドナーシートの転写要素をレセプターに転写する方法には、レセプター基材上に有機層を形成することと、ドナーシート上に転写要素を形成することと、が含まれる。ここで、転写要素の露出表面は有機質である。プラズマ処理を用いて有機層の表面もしくは転写要素の露出表面のいずれか(またはその両方)を粗面化する。次に、ドナーシートの転写要素を有機層の表面に選択的に熱転写する。

Description

ドナーシートからレセプター基材への物質のパターン様熱転写は、多種多様な用途のために提案されてきた。たとえば、物質を選択的に熱転写することにより、電子ディスプレイおよび他のデバイスに有用な素子を形成することができる。とくに、カラーフィルター、ブラックマトリックス、スペーサー、偏光子、導電性層、トランジスター、蛍燐光体、および有機エレクトロルミネセンス材料の選択的熱転写については、すべて、提案されている。ドナーシートからレセプター基材への熱転写を容易にしたり、促進したり、または他の形で支援したりするための材料および方法が必要とされている。
本発明は、レセプター基材上への転写要素の選択的熱パターニングを行うための材料および方法と、これらの材料および方法を用いて作製される物品およびデバイスと、に関する。一実施形態は、ドナーシートの転写要素をレセプターに転写する方法である。本方法には、レセプター基材上に有機層を形成することと、ドナーシート上に転写要素を形成することと、が含まれる。ここで、転写要素の露出表面もまた、有機物質である。プラズマ処理を用いてレセプター基材上の有機層の表面もしくは転写要素の露出表面のいずれか(またはその両方)を粗面化する。次に、ドナーシートの転写要素を有機層の表面に選択的に熱転写する。好ましくは、いかなる処理表面もプラズマ処理により実質的に化学修飾されないか、または他の選択肢として、プラズマ処理表面の部分酸化が唯一の化学修飾である。しかしながら、いくつかの実施形態では、化学修飾により転写に対するレセプターの一部分の受容性を低下させることが望ましいこともある。好適なプラズマ処理には、たとえば、O2、アルゴン、および窒素のRFプラズマまたはそれらの組合せが含まれる。
他の実施形態は、ドナーシートの転写要素をレセプターに転写する方法である。この方法には、レセプター基材上に有機電荷移動層を形成することと、プラズマ処理を用いて電荷移動層の表面を粗面化することと、表面を粗面化した後、ドナーシートの転写要素を電荷移動層の表面に選択的に熱転写することと、が含まれる。転写要素は、好ましくは、少なくとも1層の発光層を有する。電荷移動層の表面の粗面化の代替としてまたはそれに追加して、プラズマ処理を用いてドナーシートの転写層の表面を粗面化することができる。
さらに他の実施形態は、エレクトロルミネセンスデバイスの製造方法である。この方法には、レセプター基材上に電極を形成することと、電極を覆うように有機電荷移動層を形成することと、プラズマ処理を用いて電荷移動層の表面を粗面化することと、表面を粗面化した後、ドナーシートの転写要素を電荷移動層の表面に選択的に熱転写することと、が含まれる。転写要素は、好ましくは、少なくとも1層の発光層を有する。電荷移動層の表面の粗面化の代替としてまたはそれに追加して、プラズマ処理を用いてドナーシートの転写層の表面を粗面化することができる。
他の実施形態には、プラズマ処理されたドナーシートおよびレセプターならびに先に記載した方法により形成された物品およびデバイス(たとえば、エレクトロルミネセンスデバイス)が含まれる。
本発明による種々の実施形態に関する以下の詳細な説明を添付の図面に関連させて検討すれば、本発明は、より完全に理解されるであろう。
本発明は種々の変更形態および代替形態に適用しうるが、図面ではそれらの特定例を例示的に示した。これらの特定例について詳細に説明する。しかしながら、当然のことではあるが、本発明を記載の特定の実施形態に限定しようとするものではない。そうではなく、本発明の精神および範囲に含まれる変更形態、等価形態、および代替形態はすべて包含されるものとする。
本発明は、レセプター基材上への転写要素の選択的熱パターニングを行うための材料および方法を実現目標とする。これらの材料および方法を用いれば、物品およびデバイス、たとえば、エレクトロルミネセンスデバイスなどを形成することができる。本方法および材料には、有機物質(たとえば、高分子物質)の表面をプラズマ処理することによる熱パターニングの改良が組み込まれている。本方法および材料を用いれば、たとえば、有機電子デバイスのようなデバイスを形成したり、有機エレクトロルミネセンス(OEL)デバイスをはじめとする電気活性有機材料を含むディスプレイを形成したりすることができる。エレクトロルミネセンスおよび他のデバイスおよび物品としては、たとえば、熱パターニングにより、部分的にまたは完全に転写されたかまたは他の形で形成されたカラーフィルター、ブラックマトリックス、スペーサー、偏光子、導電性層、トランジスター、蛍燐光体、および有機エレクトロルミネセンス材料を挙げることができる。
有機電子デバイス中の層または物質を参照するために使用する場合、「活性」または「電気活性」という用語は、デバイスの動作時に、電荷キャリヤー(たとえば、電子または正孔)の生成、伝導、または半伝導、光の発生、デバイス構成体の電子的性質の向上または調整などの機能を遂行する層または物質を意味する。「非活性」という用語は、先に述べた機能に直接寄与することはないが有機電子デバイスの組立もしくは製造にいくらか寄与しうるかまたはその機能に非直接的に寄与しうる物質または層を意味する。
ドナー要素の転写層をレセプターに隣接して配置し、ドナー要素を選択的に加熱することにより、物質、層、または他の構造体を、ドナーシートの転写層からレセプター基材に選択的に転写することができる。たとえば、ドナー中(多くの場合、個別のLTHC層中)に配置された光熱変換体材料に吸収されて熱に変換されうるイメージング放射線をドナー要素に照射することにより、ドナー要素を選択的に加熱することができる。そのような方法、ドナー要素、およびレセプター、ならびに熱転写を用いて形成しうる物品およびデバイスの例は、米国特許第5,521,035号、同第5,691,098号、同第5,693,446号、同第5,695,907号、同第5,710,097号、同第5,725,989号、同第5,747,217号、同第5,766,827号、同第5,863,860号、同第5,897,727号、同第5,976,698号、同第5,981,136号、同第5,998,085号、同第6,057,067号、同第6,099,994号、同第6,114,088号、同第6,140,009号、同第6,190,826号、同第6,194,119号、同第6,221,543号、同第6,214,520号、同第6,221,553号、同第6,228,543号、同第6,228,555号、同第6,242,152号、同第6,270,934号、および同第6,270,944号、ならびにPCT特許出願公開、国際公開第00/69649号および同第01/39986号、ならびに米国特許出願第09/662,845号、同第09/662,980号、同第09/844,100号、および同第09/931,598号中に見いだしうる。それらはいずれも参照により本明細書に援用されるものとする。ドナー基材を介して、レセプターを介して、またはその両方を介して、ドナーをイメージング放射線に暴露することができる。放射線としては、たとえば、レーザー、ランプ、または他の放射源から発せられる可視光、赤外線、または紫外線を含む1つ以上の波長を挙げることができる。
他の選択的加熱方法を利用することもできる。たとえば、サーマルプリントヘッドを用いたり、サーマルホットスタンプ(たとえば、選択的にドナーを加熱するために使用することのできるレリーフパターンを有する加熱シリコーンスタンプのようなパターン化サーマルホットスタンプ)を用いたりすることができる。サーマルプリントヘッドまたは他の発熱体は、材料のより低い解像度のパターンを作製したり、位置決めを正確に制御する必要のない素子をパターニングしたりするのにとくに適していると思われる。レセプターまたは転写層の表面をプラズマ処理すれば、このタイプの転写を容易に行うことができる。
このようにして転写層からレセプターに選択的に物質を転写することにより、レセプター上に転写物質のパターンを画像様に形成することができる。多くの場合、光(たとえば、ランプまたはレーザーからの光)を用いてドナーにパターン様露光を行う熱転写が有利である。なぜなら、良好な確度および精度を達成できることが多いからである。転写パターンのサイズおよび形状(たとえば、線、円形、正方形、または他の形状)は、たとえば、光ビームのサイズ、光ビームの露光パターン、向けられたビームとドナーシートとの接触の継続時間、またはドナーシートの材料を選択することにより制御することができる。転写パターンはまた、マスクを介してドナー要素への露光を行うことにより制御することもできる。
また、転写層を選択的に転写することなく、ドナーシートから転写層を転写することもできる。たとえば、転写層をレセプター基材に接触させた後、典型的には、熱または圧力を加えて、剥離することのできる一時的なライナーとして本質的に作用しうるドナー基材上に転写層を形成することもできる。そのような方法は、積層転写と呼ばれ、転写層全体またはその大部分をレセプターに転写するために使用することができる。レセプターまたは転写層の表面をプラズマ処理すれば、このタイプの転写を容易に行うことができる。
熱転写を容易に行えるように、転写層の転写部分を受容するレセプターの表面をプラズマ処理に付すことができる。これ以降の記述ではレセプターの表面のプラズマ処理を対象とするが、当然のことながら、レセプターの表面に加えてまたはその代わりに、レセプターに接触する転写層の表面をプラズマ処理することも可能である。レセプター表面のプラズマ処理を例として示すが、転写層の表面のプラズマ処理にも容易に適用することができる。
プラズマ処理により、転写の確度および品質を改良することができる。たとえば、プラズマ処理を利用しない転写法よりも、転写の均一性またはエッジ粗さを改良することが可能である。好ましくは、プラズマ処理によりレセプターの表面を粗面化する。より好ましくは、表面を実質的に化学修飾することなくまたは表面を単に部分酸化するだけで、粗面化を行う。好ましくは、表面のいかなる酸化も、レセプターの通常の処理時および保存時に環境に暴露されることにより達成される酸化よりも実質的に多くはない。
表面に実質的に化学修飾が存在しないことは、好ましくは、化学分析用電子分光法(ESCA)としても知られるX線光電子分光法(XPS)により決定する。一般的に言えば、XPSは、典型的にはサンプル表面の最も外側の3〜10nmの元素組成および化学結合状態を示す表面感受性技術である。XPSは、すべての原子(水素およびヘリウムを除く)に対して0.1原子%までの検出限界の感度をもつ。XPS分析のほかに、1〜2nmの範囲の分析深さの単分子層感度を有す飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いて、表面の化学組成を探究することもできる。好ましくは、タッピングモード原子間力顕微鏡法(TM−AFM)を用いて、表面の粗面化を検出する。とくに、AFMデータから誘導されるパワースペクトル密度プロットを用いれば、表面のナノスケールの粗面化を示すことができる。いくつかの実施形態では、平均表面粗さが厚さの少なくとも0.5%またはそれ以上になるように、表面を粗面化することができる。平均表面粗さを厚さの1%、2%、5%、またはそれ以上にすることができる。
プラズマ処理は、多種多様なプラズマを用いて行うことができる。たとえば、典型的には、希ガス(アルゴンなど)、酸素(O2)、窒素(N2)、またはそれらの組合せから生成されるRFプラズマを用いることにより、たとえば、以下の実施例に示されるように、表面を実質的に化学修飾することなくまたは単に部分酸化するだけで、表面を粗面化することができる。他の有用なプラズマとしては、たとえば、ECR(電子サイクロトロン共鳴)プラズマ、コロナ放電プラズマ、またはDC放電プラズマが挙げられる。
プラズマ処理表面の化学修飾または酸化を減少、制限、または防止することために、所望または所要により、プラズマへの比較的短時間の暴露、比較的小さいプラズマパワー、またはその両方を用いることができる。操作条件の一例として、125〜750mTorr(約16〜100Pa)の範囲のガス圧力および20〜500sccmの範囲のガス流量で20〜200W/cm2の範囲のパワーを有するプラズマを用いることができる。特定のプラズマ発生装置で所望の効果を得ることが望ましくかつ必要である場合、異なるパワー、ガス圧力、およびガス流量を使用することができる。暴露時間は、たとえば、5〜30秒間の範囲(たとえば、10〜30秒間の範囲)に設定しうるが、所望により、より長い暴露時間(たとえば、1分まで、または5分もしくは10分まで、あるいはそれ以上)を使用することも可能である。
典型的には部分酸化以外は表面の化学修飾を制限することが好ましいが、場合により、プラズマを用いて化学修飾表面を発生させることが望ましいこともあろう。化学修飾は、たとえば、表面へのフッ素の付加を生じるCF4プラズマのようなフッ素含有プラズマに暴露することにより、または条件に依存して、たとえば、酸化ケイ素、水酸化ケイ素、炭化ケイ素、水素化ケイ素、もしくはシラン基を表面に付加することのできるテトラメチルシラン(TMS)プラズマのようなケイ素含有プラズマに暴露することにより、達成することができる。場合により、これが望ましいこともある。なぜなら、化学修飾表面は、転写層を含む他の層の接着に対して抵抗性を呈しうるからである。たとえば、転写層の一部分を受容することに対して修飾表面が抵抗性を呈するように、CF4プラズマを用いてレセプターの表面を選択的に修飾することができる。これを、たとえば、アルゴン、O2、またはN2プラズマ処理と組み合わせて使用することにより、所望のパターンの受容性(アルゴン、O2、またはN2プラズマ処理)領域および非受容性(CF4プラズマ処理)領域をレセプターの表面上に規定することができる。
好ましくは、プラズマ処理の結果として、形成されたデバイスまたは物品の重要な動作パラメーターのうちの1つ以上、より好ましくはすべが改良されるか、保持されるか、またはごくわずかの劣化を生じ、それと同時に、より正確でより高品質の転写が達成される。たとえば、エレクトロルミネセンスデバイスでは、動作電圧、明るさ、および効率が重要な動作パラメーターである。エレクトロルミネセンスサンプルの所望の明るさは、想定される用途に依存する。たとえば、材料がアクティブマトリックスディスプレイ用途向けである場合、約200cd/m2の明るさが商業用途には望ましいであろう。動作電圧とは、指定の明るさを達成するためにエレクトロルミネセンスデバイスに印加する必要のある電圧である。一般的には、約5Vから約20V以下までの低い動作電圧が望ましい。
エレクトロルミネセンスデバイスの効率を示す慣用的な方法の1つは、単位電流あたりに放出される光の量(Cd/A単位)である。一般的には、サンプルの効率をできるだけ高くしなければならない。指定の効率は、放出光の色およびディスプレイの特定の構成に強く依存する。したがって、規定の効率は、用途ごとに大きく異なる可能性がある。15”(0.381m)未満の対角寸法を有するアクティブマトリックスフルカラーディスプレイの場合の効率の範囲の例として、赤色に対して2〜6Cd/A、緑色に対して5〜15Cd/A、および青色に対して2〜6Cd/Aの範囲に効率要件を設定しうる。
プラズマ処理されるレセプター表面は、転写層から転写されてレセプター表面に接触する物質の表面と同じように、典型的には有機材料で作製される。好適な有機材料としては、高分子材料が挙げられる。たとえば、レセプターの表面および転写層の両方を有機材料で作製することが可能であり、いくつかの実施形態では、両方とも高分子材料で作製される。
レセプターは、レセプター基材と、基材上に配設された1層以上の追加層と、を具備しうる。レセプター基材は、特定の用途に好適な任意の物品であってよく、具体的には、ガラス、透明フィルム、反射フィルム、金属、半導体、セラミック材料、およびプラスチックが挙げられるが、これらに限定されるものではない。たとえば、レセプター基材は、ディスプレイ用途に好適な任意のタイプの基材またはディスプレイ要素であってよい。液晶ディスプレイまたはエミッシブディスプレイのようなディスプレイで使用するのに好適なレセプター基材としては、可視光を実質的に透過する剛性または可撓性の基材が挙げられる。好適な剛性レセプターの例としては、インジウムスズ酸化物でコーティングもしくはパターニングされているかまたは低温ポリシリコン(LTPS)構造体もしくは有機トランジスターなどの他のトランジスター構造体で回路形成されているガラスおよび剛性プラスチックが挙げられる。レセプター基材上に形成された有機エレクトロルミネセンスデバイスにより発生される光が基材を透過して観察者または光デバイスに達するようにする必要のない実施形態などでは、不透明な基材を使用することもできる。
好適な可撓性基材としては、実質的に透明で透過性のポリマーフィルム、反射フィルム、透過反射フィルム、偏光フィルム、多層光学フィルムなどが挙げられる。可撓性基材もまた、電極材料またはトランジスターでコーティングまたはパターニングすることができる。たとえば、トランジスターアレイを可撓性基材上に直接形成するか、または一時的なキャリヤー基材上に形成した後で可撓性基材に転写することができる。好適なポリマー基材としては、ポリエステル樹脂(たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂(たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアセタールなど)、セルロースエステルベース(たとえば、セルローストリアセテート、セルロースアセテート)、および支持体として使用される他の従来型高分子フィルムが挙げられる。プラスチック基材上に有機エレクトロルミネセンスデバイスを作製する場合、有機発光デバイスおよびその電極が望ましくないレベルの水、酸素などに暴露されることがないように、プラスチック基材の一方または両方の表面上にバリヤーフィルムまたはコーティングを設けることが望ましいことが多い。
レセプター基材は、典型的には、プラズマ処理用の有機表面(たとえば、高分子表面)を提供する1層以上の層で覆われる。レセプター基材は、次の物品、すなわち、電極、トランジスター、コンデンサー、絶縁リブ、スペーサー、カラーフィルター、ブラックマトリックス、平坦化層、正孔輸送層、電子輸送層、および電子ディスプレイまたは他のデバイスに有用な他の素子のうちの任意の1つ以上の物品で覆うかまたはプレパターニングすることができる。場合により、これらの追加層は、形成されるデバイスまたは物品の機能層である。エレクトロルミネセンスデバイスの一実施形態では、レセプターの表面は、レセプター基材上に配設される電荷移動層(たとえば、電子移動層、正孔移動層、正孔注入層、電子注入層、正孔遮断層、電子遮断層、または緩衝層)の表面に対応する。場合により、レセプター基材と電荷移動層との間に1層以上の介在層が設けられる。例として、電荷移動層は、たとえば、ポリエチレンジオキシチオフェンのような置換もしくは無置換のポリチオフェン、置換もしくは無置換のポリピロール、または置換もしくは無置換のポリアニリン(PANI)のホモポリマー、それらのコポリマー、またはそれらを含有するポリマーブレンドで作製された導電層であってよい。当然のことながら、エレクトロルミネセンスデバイスの電荷移動層のプラズマ処理は、本発明の方法の単なる一例にすぎない。他の層または構成体をレセプター基材上に配設してプラズマ処理することも可能である(あるいはドナーの転写層の1層としてプラズマ処理することも可能である)。
話を熱転写法および材料に戻す。熱物質転写のモードは、利用する選択的加熱のタイプ、ドナーへの露光を行うのであればその照射のタイプ、オプションとしての光熱変換(LTHC)層の材料および特性のタイプ、転写層の材料のタイプ、ドナーの全体構成、レセプター基材のタイプなどに依存して変化しうる。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、転写は、一般的には、1つ以上の機構を介して行われ、その1つ以上の機構は、イメージング条件、ドナー構成などに依存して、選択的転写時、強調されたり弱調されたりする可能性がある。熱転写の機構の1つには、熱転写層とドナー要素の残りの部分との境界部で局所加熱を行うことにより、所定の位置でドナーへの熱転写層の固着性を低下させることができる熱溶融固着転写が含まれる。熱転写層の所定の部分が、ドナーに固着するよりも強くレセプターに固着することができるので、その結果として、ドナー要素が除去されたとき、転写層の所定の部分がレセプター上に保持される。
熱転写の他の機構には、局所加熱を用いてドナー要素から転写層の一部分を融除することにより、融除された物質をレセプターの方向に誘導することのできる融除転写が含まれる。熱転写のさらに他の機構には、転写層中に分散された物質をドナー要素中で発生させた熱により昇華させることのできる昇華が含まれる。昇華した物質の一部分は、レセプター上に凝縮させることができる。
本発明は、ドナーシートの選択的加熱を用いることにより転写層からレセプター表面への物質の転写を引き起こすことのできるこれらのおよび他の機構の1つ以上を含む転写モードを実現目標とする。レセプターまたは転写層の表面のプラズマ処理を用いれば、記載された機構またはそれらの組合せのいずれかを用いて転写を容易に行うことができる。
さまざまな放射線放出源を用いて、ドナーシートを加熱することができる。アナログ法(たとえば、マスクを介する露光)では、高出力光源(たとえば、キセノンフラッシュランプおよびレーザー)が有用である。ディジタルイメージング法では、赤外、可視、および紫外レーザーがとくに有用である。好適なレーザーとしては、たとえば、高パワー(≧100mW)シングルモードレーザーダイオード、ファイバー結合レーザーダイオード、およびダイオード励起固体レーザー(たとえば、Nd:YAGとNd:YLF)が挙げられる。レーザー露光持続時間は、たとえば、数百分の1マイクロ秒から数十マイクロ秒までまたはそれ以上のさまざまな値に設定しうる。また、レーザーフルエンスは、たとえば、約0.01から約5J/cm2までの範囲またはそれ以上に設定することができる。とくに、ドナー要素の構成、転写層の材料、熱物質転写のモード、および他のそのような因子によっては、他の放射源および照射条件が好適なこともある。
大きい基材領域全体にわたりスポットの位置決め確度を高くすることが望まれる場合(たとえば、高情報量ディスプレイおよび他のそのような用途向けの素子をパターニングする場合)、放射源としてレーザーがとくに有用であると考えられる。レーザー源はまた、大きい剛性基材(たとえば、1m×1m×1.1mmのガラス)および連続のまたはシート状のフィルム基材(たとえば、厚さ100μmのポリイミドシート)の両方に適している。
画像形成時、ドナーシートをレセプターと十分に接触させることもできるし(典型的には、熱溶融固着転写機構の場合が考えられる)、またはドナーシートをレセプターからいくらか距離を隔てて配置することもできる(融除転写機構または物質昇華転写機構の場合が考えられる)。少なくともいくつかの例では、レセプターと十分に接触した状態でドナーシートを保持するために、圧力または真空を使用することができる。場合により、ドナーシートとレセプターとの間にマスクを配置することができる。転写後、そのようなマスクを除去することもできるし、またはレセプター上に保持することもできる。光熱変換体材料がドナー中に存在する場合、次に、放射源を用いて、LTHC層(または放射線吸収剤を含有する他の層)を画像様に(たとえば、ディジタル処理によりまたはマスクを介するアナログ露光により)加熱することにより、ドナーシートからレセプターへの転写層の画像様転写またはパターニングを行うことができる。
光熱変換体材料がドナー中に存在する場合、次に、放射源を用いて、LTHC層(または放射線吸収剤を含有する他の層)を画像様に(たとえば、ディジタル処理によりまたはマスクを介するアナログ露光により)加熱することにより、ドナーシートからレセプターへの転写層の画像様転写またはパターニングを行うことができる。典型的には、ドナーシートの他の層(たとえば、オプションとしての中間層またはLTHC層)の有意な部分を転写させることなく、転写層の所定の部分をレセプターに転写させる。オプションとしての中間層を存在させることにより、LTHC層からレセプターへの物質の転写を回避もしくは減少させたり、または転写層の転写部分の変形を低減させたりすることが可能である。好ましくは、イメージング条件下で、LTHC層に対するオプションとしての中間層の固着性は、転写層に対する中間層の固着性よりも大きい。中間層は、イメージング放射線に対して、透過性であっても反射性であっても吸収性であってもよい。また、中間層を用いることにより、ドナーを透過したイメージング放射線のレベルを減衰させたりもしくは他の形で制御したり、またはドナーの温度を管理したり、たとえば、画像形成時における熱または放射線による転写層の損傷を低減させたりすることができる。複数の中間層を存在させることができる。
1メートル以上の寸法の長さおよび幅を有するドナーシートなどの大きいドナーシートを使用することができる。動作時、レーザーが選択的に動作され、所望のパターンに従ってドナーシートの部分に投光されるように、大きいドナーシートを横切ってレーザーをラスター走査するかまたは他の形で移動させることができる。他の選択肢として、レーザーを固定し、ドナーシートまたはレセプター基材をレーザー下に移動させることも可能である。
場合により、2つ以上の異なるドナーシートを逐次的に使用してレセプター上に電子デバイスを形成するが必要であるか、望ましいか、または便利であることもある。たとえば、異なるドナーシートから個別の層または層の個別のスタックを転写することにより、多層デバイスを形成することができる。単一のドナー要素から単一の転写単位として多層スタックを転写することもできる。たとえば、単一のドナーから正孔輸送層および発光層を共転写することができる。他の例として、単一のドナーから半導電性高分子およびエミッシブ層を共転写することができる。複数のドナーシートを用いてレセプター上の同一の層中に個別のコンポーネントを形成することもできる。たとえば、異なる色(たとえば、赤色、緑色、および青色)を放出することのできる光エミッターを含む転写層をそれぞれ有する3つの異なるドナーを用いて、フルカラー偏光光放出電子ディスプレイ用のRGBサブピクセルOELデバイスを形成することができる。他の例として、1つのドナーから導電性または半導電性高分子を熱転写によりパターニングし、続いて、1つ以上の他のドナーからエミッシブ層を選択的に熱転写することにより、ディスプレイ中に複数のOELデバイスを形成することができる。レセプターまたは転写層の表面をプラズマ処理すれば、これらの転写プロセスのいずれをも容易に行うことができる。
さらに他の例として、電気活性有機物質(配向型または非配向型)の選択的熱転写、それに続いて、カラーフィルター、エミッシブ層、電荷輸送層、電極層などのような1つ以上のピクセルまたはサブピクセル素子の選択的熱転写パターニングを行うにより、有機トランジスター用の層をパターニングすることができる。レセプターまたは転写層の表面をプラズマ処理すれば、これらの転写プロセスのいずれをも容易に行うことができる。
隣接デバイス、隣接デバイスの一部分、または同一デバイスの異なる部分を形成するように、個別のドナーシートからレセプター上の他の材料に隣接して物質を転写することができる。他の選択肢として、熱転写またはなにか他の方法(たとえば、フォトリソグラフィー、シャドウマスクを介する堆積など)によりレセプター上にあらかじめパターニングされた他の層または材料の上にまたはそれと部分的に重なるように位置合せを行って、個別のドナーシートから物質を直接転写することができる。レセプターまたは転写層の表面をプラズマ処理すれば、これらの転写プロセスのいずれをも容易に行うことができる。
各ドナーシートがデバイスの1つ以上の部分を形成するように2つ以上のドナーシートのさまざまな他の組合せを用いて、デバイスを形成することができる。当然のことながら、フォトリソグラフィー法、インクジェット法、および種々の他の印刷法またはマスクを介する方法を含めて、慣用されているものであるか新たに開発されたものであるかにかかわらず、任意の好適な方法により、これらのデバイスの他の部分またはレセプター上の他のデバイスを全部または部分的に形成することが可能である。
図2に示されるように、ドナーシート200は、ドナー基材210、オプションとしての下層212、オプションとしての光熱変換(LTHC)層214、オプションとしての中間層216、および転写層218を具備しうる。
ドナー基材210は、ポリマーフィルムであってもよいし、任意の他の好適な(好ましくは透明な)基材であってもよい。1つの好適なタイプのポリマーフィルムは、ポリエステルフィルムであり、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムまたはポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムである。しかしながら、特定の用途に依存して、十分な光学的性質(たとえば、特定の波長における高い光透過率)または十分な機械的および熱的安定性を備えた他のフィルムを使用することができる。少なくともいくつかの例では、上側に均一なコーティングが形成されるように、ドナー基材はフラットである。ドナー基材はまた、典型的には、ドナーの1層以上の層を加熱したとしても安定に保持される材料から選択される。しかしながら、以下に記載されているように、基材とLTHC層との間に下層を組み入れることにより、画像形成時にLTHC層中で発生した熱が基材に伝達しないようにすることができる。ドナー基材の典型的な厚さは、0.025〜0.15mm、好ましくは0.05〜0.1mmの範囲であるが、より厚いまたはより薄いドナー基材を使用することもできる。
ドナー基材およびオプションとしての隣接下層を形成するのに使用される材料は、ドナー基材と下層との間の固着性の改良、基材と下層との間の熱輸送の制御、LTHC層へのイメージング放射線供給の制御、イメージング欠陥の減少などが行えるように、選択することができる。所望により、基材上に後続層をコーティングする際の均一性を増大させるために、もしくはドナー基材と隣接層と間の結合強度を増大させるために、またはその両方を目的として、オプションとしての下地層を使用することができる。
たとえば、画像形成時に基材とLTHC層との間の熱流を制御するために、または保存、取扱い、ドナー処理、もしくは画像形成のためにドナー要素に機械的安定性を付与するために、オプションとしての下層212をドナー基材とLTHC層との間にコーティングするかまたは他の方法で配設することが可能である。好適な下層および下層を提供する方法の例は、参照により本明細書に援用されるものとする米国特許第6,284,425号明細書に開示されている。
下層は、ドナー要素に所望の機械的または熱的性質を付与する物質を含有しうる。たとえば、下層は、ドナー基材と比較して、低い比熱×密度または低い熱伝導率を呈する物質を含有しうる。そのような下層を用いて転写層への熱流を増大させることにより、たとえば、ドナーのイメージング感度を改良することが可能である。
下層は、それらの機械的性質または基材とLTHCとの間の固着性を改良する物質をも含有しうる。所望により、基材とLTHC層との間の固着性を改良する下層を用いれば、転写画像の変形を減少させることができる。一例として、いくつかの場合には、下層を用いることにより、それを用いなければドナー媒体の画像形成時に発生するおそれのあるLTHC層などの離層または分離を減少させるかまたは回避するができる。これにより、転写層の転写部分が呈する物理的変形の量を減少させることができる。しかしながら、他の場合には、たとえば、断熱機能を提供することのできる層間のエアギャップを画像形成時に生成させるために、層間の分離を少なくともある程度促進する下層を画像形成時に利用することが望ましいこともある。また、画像形成時に分離を起こせば、画像形成時にLTHC層を加熱することにより発生する可能性のあるガスを逃がすためのチャネルを提供することができる。そのようなチャネルを提供すれば、イメージング欠陥を減少させることができる。
下層は、イメージング波長で実質的に透過性であってもよいし、またはイメージング放射線に対して少なくとも部分的に吸収性であっても反射性であってもよい。下層によりイメージング放射線を減衰または反射させれば、画像形成時に発熱を制御することができる。
図2について再度説明する。本発明のドナーシートにLTHC層214を組み入れることにより、ドナーシート中に照射エネルギーを集めることができる。LTHC層には、好ましくは、入射放射線(たとえば、レーザー光)を吸収し、入射放射線の少なくとも一部分を熱に変換することにより、ドナーシートからレセプターへの転写層の転写を可能にする放射線吸収剤が含まれる。
一般的には、LTHC層中の放射線吸収剤は、電磁スペクトルの赤外、可視、または紫外の領域の光を吸収し、吸収した放射線を熱に変換する。放射線吸収剤は、典型的には、所定のイメージング放射線に対してかなり吸収性が大きく、イメージング放射線の波長で約0.2〜3の範囲またはそれ以上の光学濃度を有するLTHC層を提供する。層の光学濃度とは、層に入射した光の強度に対する層を透過した光の強度の比の対数(10を底とする)の絶対値である。
放射線吸収剤物質は、LTHC層全体にわたり均一に配置することもできるし、または不均一に分布させることもできる。たとえば、米国特許第6,228,555号明細書に記載されているように、不均一なLTHC層を用いてドナー要素中の温度プロフィルを制御することができる。これにより、改良された転写性(たとえば、意図した転写パターンと実際の転写パターンとの間のより良好な忠実度)を有するドナーシートを得ることができる。
好適な放射線吸収材料としては、たとえば、染料(可視染料、紫外染料、赤外染料、蛍光染料、放射線偏光染料など)、顔料、金属、金属化合物、金属膜、および他の好適な吸収材料を挙げることができる。好適な放射線吸収剤の例としては、カーボンブラック、金属酸化物、および金属硫化物が挙げられる。好適なLTHC層の一例には、カーボンブラックのような顔料と、有機ポリマーのようなバインダーと、が含まれうる。他の好適なLTHC層には、薄膜として形成された金属または金属/金属酸化物、たとえば、ブラックアルミニウム)(すなわち、黒色の外観を有する部分酸化アルミニウム)が含まれる。金属様化合物および金属化合物のフィルムは、たとえば、スパッタリングおよび蒸発堆積のような技術により形成することが可能である。バインダーおよび任意の好適な乾式または湿式コーティング法を用いて、微粒子コーティングを形成することも可能である。類似のまたは異なる材料を含有する2層以上のLTHC層を組み合わせることにより、LTHC層を形成することもできる。たとえば、カーボンブラックをバインダー中に配置して含有するコーティングを覆うようにブラックアルミニウムの薄層を気相堆積させることにより、LTHC層を形成することができる。
LTHC層中の放射線吸収剤として使用するのに好適な染料は、バインダー材料中に分散されたまたはバインダー材料中に少なくとも部分的に溶解された微粒子の形態で存在しうる。分散された微粒子放射線吸収剤を用いる場合、粒子サイズは、少なくともいくつかの場合には、約10μm以下にすることが可能であり、約1μm以下にすることも可能である。好適な染料としては、スペクトルのIR領域で吸収する染料が挙げられる。特定のバインダーまたはコーティング溶媒への溶解性およびそれらとの相溶性ならびに吸収の波長域のような因子に基づいて、特定の染料を選択することができる。
放射線吸収剤として顔料物質をLTHC層中で使用することもできる。好適な顔料の例としては、カーボンブラックおよび黒鉛、ならびにフタロシアニン類、ニッケルジチオレン類、さらには米国特許第5,166,024号および同第5,351,617号の各明細書に記載されている他の顔料が挙げられる。このほか、たとえば、ピラゾロンイエロー、ジアニシジンレッド、およびニッケルアゾイエローの銅またはクロムの錯体をベースとする黒色アゾ顔料も有用でありうる。たとえば、アルミニウム、ビスマス、スズ、インジウム、亜鉛、チタン、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、ジルコニウム、鉄、鉛、およびテルルのような金属の酸化物および硫化物を含む無機顔料を使用することもできる。金属のホウ化物、炭化物、窒化物、炭窒化物、ブロンズ構造酸化物、および構造上ブロンズ族に関連する酸化物(たとえば、WO2.9)使用することも可能である。
金属放射線吸収剤は、たとえば、米国特許第4,252,671号明細書に記載されているような粒子の形態で、または米国特許第5,256,506号明細書に開示されているようなフィルムとして、使用することも可能である。好適な金属としては、たとえば、アルミニウム、ビスマス、スズ、インジウム、テルル、および亜鉛が挙げられる。
LTHC層で使用するための好適なバインダーとしては、たとえば、フェノール樹脂類(たとえば、ノボラック樹脂類およびレゾール樹脂類)、ポリビニールブチラール樹脂類、ポリビニルアセテート類、ポリビニルアセタール類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリアクリレート類、セルロース系エーテル類およびエステル類、ニトロセルロース類、ならびにポリカーボネート類のような皮膜形成性ポリマーが挙げられる。好適なバインダーとしては、重合もしくは架橋されたまたは重合もしくは架橋しうるモノマー、オリゴマー、またはポリマーを挙げることができる。LTHCバインダーの架橋を容易に行えるように、光開始剤のような添加剤を組み入れることもできる。いくつかの実施形態では、バインダーは、主に、オプションとしてのポリマーと共に架橋性のモノマーまたはオリゴマーのコーティングを用いて形成される。
熱可塑性樹脂(たとえば、ポリマー)を組み入れることにより、少なくともいくつかの例では、LTHC層の性能(たとえば、転写性または塗布性)を改良することができる。熱可塑性樹脂によりドナー基材へのLTHC層の固着性が改良される可能性があると考えられる。一実施形態では、バインダーは、25〜50重量%(重量パーセントを計算するとき溶媒を除外する)の熱可塑性樹脂、好ましくは30〜45重量%の熱可塑性樹脂を含むが、より少量の熱可塑性樹脂を使用することも可能である(たとえば、1〜15重量%)。熱可塑性樹脂は、典型的には、バインダーの他の材料と相溶性であるように(すなわち、1相の組合せ物を形成するように)選択される。少なくともいくつかの実施形態では、9〜13(cal/cm31/2、好ましくは9.5〜12(cal/cm31/2の範囲の溶解度パラメーターを有する熱可塑性樹脂がバインダー用として選択される。好適な熱可塑性樹脂の例としては、ポリアクリル化合物、スチレン−アクリルポリマーおよび樹脂剤、ならびにポリビニルブチラールが挙げられる。
コーティングプロセスを容易に行えるように、界面活性剤および分散剤のような従来型コーティング助剤を添加することができる。LTHC層は、当技術分野で公知のさまざまなコーティング法を用いてドナー基材上にコーティングすることができる。高分子または有機のLTHC層は、少なくともいくつかの例では、0.05μm〜20μm、好ましくは0.5μm〜10μm、より好ましくは1μm〜7μmの厚さにコーティングすることができる。無機LTHC層は、少なくともいくつかの例では、0.0005〜10μm、好ましくは0.001〜1μmの範囲の厚さにコーティングすることができる。
図2について再度説明する。オプションとしての中間層216は、LTHC層214と転写層218との間で配設することができる。中間層は、たとえば、転写層の転写部分の損傷および汚染を最小化するために使用することが可能であり、これにより、転写層の転写部分の変形を減少させることも可能である。中間層はまた、ドナーシートの残りの部分への転写層の固着性に影響を及ぼすこともある。典型的には、中間層は、高い耐熱性を有する。好ましくは、中間層は、とくに、転写画像が機能できなくなる程度まで、イメージング条件下で変形したり、化学分解したりしない。中間層は、典型的には、転写プロセス時、LTHC層に接触した状態で保持され、実質的に転写層と共に転写されることはない。
好適な中間層としては、たとえば、ポリマーフィルム、金属層(たとえば、気相堆積金属層)、無機層(たとえば、無機酸化物(たとえば、シリカ、チタニア、および他の金属酸化物)のゾル−ゲル堆積層および気相堆積層)、ならびに有機/無機複合層が挙げられる。中間層材料として好適な有機材料としては、熱硬化性物質および熱可塑性材料の両方が挙げられる。好適な熱硬化性材料には、熱、放射線、または化学的処理により架橋しうる樹脂が包含され、具体的には、架橋されたまたは架橋性のポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリエステル類、エポキシ類、およびポリウレタン類が挙げられる。たとえば、熱可塑性前駆体として熱硬化性材料をLTHC層上にコーティングし、続いて架橋させることにより架橋中間層を形成することができる。
好適な熱可塑性材料としては、たとえば、ポリアクリレート類、ポリメタクリレート類、ポリスチレン類、ポリウレタン類、ポリスルホン類、ポリエステル類、およびポリイミド類が挙げられる。これらの熱可塑性有機材料は、従来のコーティング法(たとえば、溶媒コーティング、スプレーコーティング、または押出コーティング)により適用することができる。典型的には、中間層で使用するのに好適な熱可塑性材料のガラス転移温度(Tg)は、25℃以上、好ましくは50℃以上である。いくつかの実施形態では、中間層には、画像形成時に転写層中で到達するいかなる温度よりも大きいTgを有する熱可塑性材料が含まれる。中間層は、イメージング放射線波長で、透過性、吸収性、反射性、またはそれらのなんらかの組合せでありうる。
中間層材料として好適な無機材料としては、たとえば、イメージング光波長でかなり透過性または反射性である物質を含めて、金属、金属酸化物、金属硫化物、および無機炭素コーティングが挙げられる。これらの材料は、従来法(たとえば、真空スパッタリング、真空蒸発、またはプラズマジェット堆積)により、光熱変換層に適用することができる。
中間層は、所望により、いくつかの利点を提供することができる。中間層は、光熱変換層からの物質の転写を妨害するバリヤーになりうる。それはまた、熱的に不安定な物質を転写することができるように、転写層中で到達する温度を調整することもできる。たとえば、中間層は、LTHC層中で到達する温度に対して中間層と転写層との境界部の温度を制御する熱拡散器として機能することができる。これにより、転写された層の品質(すなわち、表面粗さ、エッジ粗さなど)を改良することができる。また、中間層を存在させることにより、転写される物質のプラスチックメモリーを改良することができる。
中間層は、たとえば、光開始剤、界面活性剤、顔料、可塑剤、コーティング助剤などをはじめとする添加剤を含有することができる。中間層の厚さは、たとえば、中間層の材料、LTHC層の材料および性質、転写層の材料および性質、イメージング放射線の波長、ならびにイメージング放射線へのドナーシートの暴露時間のような因子に依存する可能性がある。ポリマー中間層では、中間層の厚さは、典型的には、0.05μm〜10μmの範囲である。無機中間層(たとえば、金属または金属化合物の中間層)では、中間層の厚さは、典型的には、0.005μm〜10μmの範囲である。
図2について再度説明する。熱転写層218がドナーシート200に含まれている。転写層218は、単独でまたは他の材料との組合せで1層以上の層の状態で配設された1種もしくは複数種の任意の好適な材料を含有しうる。ドナー要素を直接加熱に暴露するかまたは光熱変換体材料に吸収されて熱に変換されうるイメージング放射線に露出したとき、任意の好適な転写機構により転写層218を1単位としてまたはいくつかに分けて選択的に転写させることができる。そのとき、ドナー要素から、近接して位置するレセプター基材に、転写層を選択的に熱転写することができる。所望により、単一のドナーシートを用いて多層構成体が転写されるように、2層以上の転写層を存在させることができる。転写層の露出表面は、レセプターへの転写層の転写部分の固着を容易に行えるように、場合により、プラズマ処理される。
有機エレクトロルミネセンス(OEL)ディスプレイおよびデバイスは、本明細書に記載されているように熱転写を用いて形成しうる物品の例である。熱転写によりいかに物品を作製しうるかを示すために、OELディスプレイおよびデバイスについてさらに説明する。当然のことながら、転写を容易に行えるようにプラズマ処理を用いることを含めて本明細書に記載の技術および材料を用いて、さまざまな異なる物品は作製することができる。OELディスプレイおよびデバイスには、有機物(有機金属を含む)エミッシブ材料が含まれる。エミッシブ材料としては、単独でまたはOELディスプレイまたはデバイスにおいて機能性または非機能性である任意の他の有機または無機材料との組合せで提供されるかどうかにかかわらず、小分子(SM)エミッター、SMドープドポリマー、発光ポリマー(LEP)、ドープドLEP、ブレンデッドLEP、または他の有機エミッシブ材料を挙げることができる。
デバイス構造の一例として、デバイス層110と基材120とを備えるOELディスプレイまたはデバイス100を図1に示す。任意の他の好適なディスプレイコンポーネントをディスプレイ100に組み入れることもできる。場合により、電子ディスプレイ、デバイス、またはランプで使用するのに好適な追加の光学素子または他のデバイスを、オプションとしての素子130により示されるように、ディスプレイ100と観察者位置140との間に配設することができる。
図示された実施形態のようないくつかの実施形態では、デバイス層110は、観察者位置140の方向に基材を介して光を放出する1つ以上のOELデバイスを具備する。目標到達地点が、実際のヒト観察者、スクリーン、光学素子、電子デバイスなどであるかにかかわらず、放出光の目標到達地点を示すために観察者位置140を一般的に使用する。他の実施形態(図示せず)では、デバイス層110を基材120と観察者位置140との間に配置する。基材120がデバイス層110により放出された光を透過し、かつ透明導電性電極がデバイスのエミッシブ層と基材との間でデバイス中に配設される場合、図1に示されるデバイス構成(「底面発光」と呼ばれる)を使用することが可能である。基材120がデバイス層により放出された光を透過するかまたは透過せず、かつ基材とデバイスの発光層との間に配設された電極がデバイスにより放出された光を透過しない場合、逆の構成(「上面発光」と呼ばれる)を使用することが可能である。
デバイス層110は、任意の好適な方式で配置された1つ以上のOELデバイスを具備しうる。たとえば、ランプ用途(たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)モジュール用のバックライト)では、デバイス層110は、目標バックライト領域全体をカバーする単一のOELデバイスを構成することができる。他の選択肢として、他のランプ用途では、デバイス層110は、同時に作動させることのできる複数のわずかに離間して配置されたデバイスを構成することができる。たとえば、エミッターを作動させたときにデバイス層110が白色光を放出するように見えるように、比較的小さいかつわずかに離間して配置された赤色、緑色、および青色の光エミッターを共通の電極間にパターニングすることができる。バックライト用途の他の配置も利用可能であると考えられる。
直視型または他の型のディスプレイ用途では、デバイス層110は、同一のまたは異なる色を放出する複数の独立にアドレス指定可能なOELデバイスを具備することが望ましいこともある。各デバイスは、ピクセルディスプレイ(たとえば、高分解能ディスプレイ)の個別のピクセルもしくは個別のサブピクセル、セグメントディスプレイ(たとえば、低情報量ディスプレイ)の個別のセグメントもしくはサブセグメント、または個別のアイコン、アイコンの一部分、もしくはアイコン用のランプ(たとえば、インジケーター用途)を構成しうる。
少なくともいくつかの例では、OELデバイスは、カソードとアノードとの間にはさまれた1種以上の好適な有機材料からなる1層以上の薄層を具備する。作動時、電子がカソードから有機層に注入され、正孔がアノードから有機層に注入される。注入された電荷が反対に荷電した電極の方へ移動するにつれて、それらは再結合し、典型的にはエキシトンと呼ばれる電子−正孔ペアを形成することが可能である。一般にエキシトンが形成されるデバイスの領域は、再結合ゾーンと呼ぶことができる。これらのエキシトン、すなわち、励起状態種は、基底状態に戻るときに、光の形態でエネルギーを放出することができる。
正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層、正孔遮断層、電子遮断層、緩衝層などのような他の層を、OELデバイス中に存在させることもできる。さらに、たとえば、エレクトロルミネセンス物質により放出された光の色を他の色に変換するために、OELデバイスのエレクトロルミネセンス層または他の層中にフォトルミネセンス物質を存在させることができる。これらのおよび他のそのような層および材料を用いれば、たとえば、所望の電流/電圧レスポンス、所望のデバイス効率、所望の色、所望の明るさなどを達成するために、層状OELデバイスの電子的性質および挙動を変化させたり調整したりすることができる。
図4A〜4Dは、異なるOELデバイス構成の例を示している。各構成は、基材250、アノード252、カソード254、および発光層256を具備する。また、図4Cおよび4Dの構成は正孔輸送層258を具備し、図4Bおよび4Dの構成は電子輸送層260を具備する。これらの層は、それぞれ、アノードからの正孔またはカソードからの電子を伝導する。
アノード252およびカソード254は、典型的には、金属、合金、金属様化合物、金属酸化物、導電性セラミックス、導電性分散体、および導電性ポリマーのような導電性材料、具体的には、たとえば、金、白金、パラジウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、窒化チタン、インジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素スズ酸化物(FTO)、およびポリアニリンを用いて形成される。アノード252およびカソード254は、導電性材料の単一層であってもよいし、または多層を含むものであってもよい。たとえば、アノードまたはカソードは、アルミニウムの層と金の層、カルシウムの層とアルミニウムの層、アルミニウムの層とフッ化リチウムの層、または金属層と導電性有機層を具備しうる。
正孔輸送層258を用いると、アノードからデバイス中への正孔の注入および再結合ゾーンへのそれらの移動が容易になる。正孔輸送層258は、さらに、アノード252への電子の移動に対するバリヤーとして機能しうる。正孔輸送層258は、たとえば、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン(TPDとしても知られる)もしくはN,N’−ビス(3−ナフタレン−2−イル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン(NPB)のようなジアミン誘導体または4,4’,4”−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(TDATA)もしくは4,4’,4”−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(mTDATA)のようなトリアリールアミン誘導体を含有しうる。他の例としては、銅フタロシアニン(CuPC);1,3,5−トリス(4−ジフェニルアミノフェニル)ベンゼン(TDAPB);ならびにエイチ・フジカワ(H.Fujikawa)ら著,合成金属(Synthetic Metals),第91巻,p.161(1997年)およびジェイ・ブイ・グラズレビシウス(J.V.Grazulevicius),ピー・ストロリーグル(P.Strohriegl)著,”電荷輸送ポリマーおよび分子ガラス(Charge−Transporting Polymers and Molecular Glasses)”,最新エレクトロニクスおよびフォトニクス材料およびデバイスハンドブック(Handbook of Advanced Electronic and Photonic Materials and Devices),(エイチ・エス・ナルワ)H.S.Nalwa編,第10巻,p.233−274(2001年)に記載されているような他の化合物が挙げられる。それらの文献はいずれも、参照により本明細書に援用されるものとする。
電子輸送層260を用いると、電子の注入および再結合ゾーンへのそれらの移動が容易になる。所望により、電子輸送層260は、さらに、カソード254への正孔の移動に対するバリヤーとして機能しうる。一例として、電子輸送層260は、有機金属化合物トリス(8−ヒドロキシキノラト)アルミニウム(Alq3)を用いて形成しうる。電子輸送材料の他の例としては、1,3−ビス[5−(4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン、2−(ビフェニル−4−イル)−5−(4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBuPBD)、ならびにシー・エイチ・チェン(C.H.Chen)ら著,巨大分子シンポジウム(Macromol.Symp.),第125巻,p.1(1997年)およびジェイ・ブイ・グラズレビシウス(J.V.Grazulevicius),ピー・ストロリーグル(P.Strohriegl)著,”電荷輸送ポリマーおよび分子ガラス(Charge−Transporting Polymers and Molecular Glasses)”,最新エレクトロニクスおよびフォトニクス材料およびデバイスハンドブック(Handbook of Advanced Electronic and Photonic Materials and Devices),(エイチ・エス・ナルワ)H.S.Nalwa編,第10巻,p.233(2001年)に記載されている他の化合物が挙げられる。それらの文献はいずれも、参照により本明細書に援用されるものとする。
各構成はまた、1種以上の発光ポリマー(LEP)または他の発光分子(たとえば、小分子(SM)発光化合物)を含む発光層256を具備する。LEPおよびSMの光エミッターを含めて、さまざまな発光材料を使用することができる。好適なLEP材料のクラスの例としては、ポリ(フェニレンビニレン)類(PPV類)、ポリ−パラ−フェニレン類(PPP類)、ポリフルオレン類(PF類)、現在公知のもしくは今後開発される他のLEP材料、またはそれらのコポリマーもしくはブレンドが挙げられる。好適なLEPはまた、分子ドーピングされたもの、蛍光染料もしくは他のPL材料が分散されたもの、活性もしくは非活性材料がブレンディングされたもの、活性もしくは非活性材料が分散されたものなどであってもよい。好適なLEP材料の例は、クラフト(Kraft)ら著,応用化学国際版(Angew.Chem.Int.Ed.),第37巻,p.402〜428(1998年);米国特許第5,621,131号明細書;同第5,708,130号明細書;同第5,728,801号明細書;同第5,840,217号明細書;同第5,869,350号明細書;同第5,900,327号明細書;同第5,929,194号明細書;同第6,132,641号明細書;および同第6,169,163号明細書;ならびにPCT特許出願公開第99/40655号明細書に記載されている。それらの文献はいずれも、参照により本明細書に援用されるものとする。
SM材料は、一般的には、OELディスプレイおよびデバイスにおいて、エミッター材料として、電荷輸送材料として、エミッター層中(たとえば、放出された色を制御するために)または電荷輸送層中のドーパントとして、およびその他の形で、使用することのできる非ポリマーの有機もしくは有機金属の分子材料である。一般に使用されるSM材料としては、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)のような金属キレート化合物およびN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(TPD)が挙げられる。他のSM材料は、たとえば、シー・エイチ・チェン(C.H.Chen)ら著,巨大分子シンポジウム(Macromol.Symp.),第125巻,p.1(1997年)、特開2000−195673号公報、米国特許第6,030,715号明細書、同6,150,043号明細書、および同第6,242,115号明細書、ならびにPCT特許出願公開、国際公開第00/18851号(2価ランタニド金属錯体)、国際公開第00/70655号(環状金属化イリジウム化合物など)、および国際公開第98/55561号に開示されている。それらの文献はいずれも、参照により本明細書に援用されるものとする。
図1に戻って説明する。デバイス層110は、基材120上に配設される。基材120は、OELデバイスおよびディスプレイ用途に好適な任意の基材であってよい。たとえば、基材120は、可視光を実質的に透過するガラス、透明プラスチック、または他の好適な材料を含有しうる。基材120はまた、可視光を透過しないものであってもよく、たとえば、ステンレス鋼、結晶性シリコン、ポリシリコンなどであってもよい。OELデバイス中のいくつかの材料は酸素または水への暴露によりとくに損傷を受けやすいおそれがあるので、基材120は、好ましくは、適切な環境バリヤーを提供するか、または適切な環境バリヤーを提供する1層以上の層、コーティング、もしくはラミネートが施される。
基材120は、OELデバイスおよびディスプレイに好適な任意の数のデバイスまたはコンポーネント、たとえば、トランジスターアレイおよび他の電子デバイス;カラーフィルター、偏光子、波長板、ディフューザー、および他の光デバイス;絶縁体、バリヤーリブ、ブラックマトリックス、マスクワーク、および他のそのようなコンポーネントなどを具備しうる。一般的には、1つ以上の電極を、基材120上にコーティング、堆積、パターニング、または他の方法で配設した後、デバイス層110中の1つまたは複数のOELデバイスの残りの1層または複数層を形成する。光透過性基材120が使用され、かつ1つまたは複数のOELデバイスが底面発光型である場合、基材120とエミッシブ材料(複数可)との間に配設される1つまたは複数の電極は、好ましくは、実質的に光透過性であり、たとえば、インジウムスズ酸化物(ITO)のような透明導電性電極またはいくつかの他の透明導電性酸化物のいずれかである。
素子130は、OELディスプレイまたはデバイス100で使用するのに好適な任意の素子または素子の組合せであってよい。たとえば、デバイス100がバックライトである場合、素子130はLCDモジュールでありうる。LCDモジュールとバックライトデバイス100との間に1つ以上の偏光子または他の素子、たとえば、吸収または反射クリーンアップ偏光子を提供することができる。他の選択肢として、デバイス100それ自体が情報ディスプレイである場合、素子130は、偏光子、波長板、タッチパネル、反射防止コーティング、スマッジ防止コーティング、投影スクリーン、輝度増強フィルム、または他の光学コンポーネント、コーティング、ユーザインターフェースデバイスなどのうちの1つ以上を具備しうる。
光放出用の材料を含有する有機電子デバイスは、少なくとも部分的には、熱転写ドナーシートから所望のレセプター基材に発光材料を選択的に熱転写することにより作製することができる。1つ以上の異なる熱転写ステップが行われることもある。各熱転写ステップは、1層以上の層を転写させて構造体を形成することを含みうる。場合により、いくつかの転写ステップにより個々の層を形成することができる。各転写ステップで、レセプターまたは転写層の表面をプラズマ処理することにより、転写が容易に行えるようすることができる。一例として、転写層は、発光層、活性層(たとえば、電荷キャリヤーを生成、伝導、もしくは半伝導する層のような電気活性層)、またはそれらの組合せを具備しうる。熱転写法のほかに、化学または物理気相堆積法、スパッタリング法、スピンコーティング法、および他のコーティング法を含む別の方法を用いて、いくつかの層を形成することも可能である。
本発明は、発光OELディスプレイおよびデバイスを実現目標とする。一実施形態では、光を放出し、かつ異なる色を有する光を放出することのできる隣接デバイスを有する、OELディスプレイを作製することができる。たとえば、図3は、基材320上に配設された複数のOELデバイス310を具備するOELディスプレイ300を示している。隣接デバイス310は、異なる色の光を放出するように作製することができる。
デバイス310間に示された離間距離は、単に例示を目的とするものである。隣接デバイスは、分離されていてもよいし、接触していてもよいし、オーバーラップしていてもよいし、他の形態であってもよいし、またはディスプレイ基板上で2つ以上の方向にこれらをさまざまに組み合わせたものであってもよい。たとえば、平行なストライプ状透明導電性アノードのパターンを基材上に形成し、続いて、正孔輸送材料のストライプ状パターンならびに赤色、緑色、および青色の発光LEP層のストライプ状繰返しパターンを形成し、続いて、カソードストライプをアノードストライプに垂直な方向に向けてカソードのストライプ状パターンを形成することができる。そのような構成は、パッシブマトリックスディスプレイを形成するのに好適であろう。他の実施形態では、透明導電性アノードパッドを基材上に二次元パターンで提供し、アクティブマトリックスディスプレイを作製するのに好適である1つ以上のトランジスター、コンデンサーなどのような電子部品と関連づけることができる。次に、発光層などの他の層を、単一層としてコーティングもしくは堆積することが可能であり、または、アノードもしくは電子デバイスを覆うようにパターニングすることが可能である(たとえば、平行なストライプの二次元パターンをアノードなどと整合させる)。任意の他の好適な構成も、本発明により実現可能であると考えられる。
一実施形態では、ディスプレイ300は多色ディスプレイでありうる。その場合、たとえば、ディスプレイのコントラストを増大させるために、発光デバイスと観察者との間にオプションとしての偏光子330を配置することが望ましいと思われる。代表的な実施形態では、デバイス310のそれぞれが、光を放出する。図3に示される一般的な構成によりカバーされるディスプレイおよびデバイスの構成は、多数存在する。それらの構成のうちのいくつかについて、以下で論じる。
OELバックライトは、エミッシブ層を具備しうる。構成体は、裸の基材または回路形成された基材、アノード、カソード、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層、エミッシブ層、色変化層、ならびにOELデバイスに好適な他の層および材料を具備しうる。構成体はまた、偏光子、ディフューザー、導光路、レンズ、光量制御フィルム、輝度増強フィルムなどを具備しうる。用途としては、サーマルスタンプ転写、積層転写、抵抗ヘッドサーマル印刷などによりエミッシブ材料が提供される白色または単色の大面積シングルピクセルランプ;レーザー誘起熱転写によりパターニングされた多数のわずかに離間して配置されたエミッシブ層を有する白色または単色の大面積シングル電極対ランプ;およびチューナブルカラーマルチ電極大面積ランプが挙げられる。
低分解能OELディスプレイは、エミッシブ層を具備しうる。構成体は、裸の基材または回路形成された基材、アノード、カソード、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層、エミッシブ層、色変化層、ならびにOELデバイスに好適な他の層および材料を具備しうる。構成体はまた、偏光子、ディフューザー、導光路、レンズ、光量制御フィルム、輝度増強フィルムなどを具備しうる。用途はとしては、グラフィックインディケーターランプ(たとえば、アイコン);セグメント化英数字ディスプレイ(たとえば、器具の時間表示器);小型モノクロパッシブまたはアクティブマトリクスディスプレイ;一体型ディスプレイの一部分としての小型モノクロパッシブまたはアクティブマトリクスディスプレイ+グラフィックインディケーターランプ(たとえば、携帯電話ディスプレイ);アウトドアディスプレイ用途に好適であると思われる大面積ピクセルディスプレイタイル(たとえば、それぞれ比較的小数のピクセルを有する複数のモジュールまたはタイル);ならびにセキュリティディスプレイ用途が挙げられる。
高分解能OELディスプレイは、エミッシブ層を具備しうる。構成体は、裸の基材または回路形成された基材、アノード、カソード、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層、エミッシブ層、色変化層、ならびにOELデバイスに好適な他の層および材料を具備しうる。構成体はまた、偏光子、ディフューザー、導光路、レンズ、光量制御フィルム、輝度増強フィルムなどを具備しうる。用途としては、アクティブまたはパッシブマトリックスマルチカラーまたはフルカラーディスプレイ;アクティブまたはパッシブマトリックスマルチカラーまたはフルカラーディスプレイ+セグメント化もしくはグラフィックインディケーターランプ(たとえば、同一の基材上への高分解能デバイスのレーザー誘起転写+アイコンのサーマルホットスタンプ);ならびにセキュリティディスプレイ用途が挙げられる。
実施例1:レセプターの作製
5つの異なるタイプのレセプターは形成した:(A)ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PDOT)の膜でコーティングされたインジウムスズ酸化物(ITO)、(B)酸素含有プラズマで処理したITO/PDOT、(C)アルゴン含有プラズマで処理したITO/PDOT、(D)テトラフルオロメタン(CF4)を含有するプラズマで処理したITO/PDOT、および(E)テトラメチルシラン(TMS)およびアルゴンを含有するプラズマで処理したITO/PDOT。
(A)インジウムスズ酸化物(ITO)被覆ガラス(ミネソタ州スティルウォーターのデルタ・テクノロジーズ(Delta Technologies,Stillwater,MN)、100Ω/平方未満、厚さ1.1mm)を、デコネックス(Deconex)12NS(スイス国ズッヒウィルのボレル・ケミー・アーゲー(Borer Chemie AG,Zuchwil,Switzerland))の高温3%溶液中で超音波洗浄した。次に、以下の条件下で表面処理を行うために、プラズマ・サイエンス・プラズマ・トリーター(Plasma Science plasma treater)(マサチューセッツ州ビレーリカのエイエスティー・インコーポレーテッド(AST Inc.,Billerica,MA)から入手可能なModel PS500)中に基材を配置した:
時間: 2分間
パワー: 500W(165W/cm2
酸素流量: 100sccm
圧力: 300mTorr
プラズマ処理の直後、PDOT溶液(脱イオン水で1:1希釈したドイツ国レバークーゼンのバイエル・アーゲー(Bayer AG,Leverkusen,Germany)製のCH8000)を、ファットマン・プラディスク(Whatman Puradisk)TM 0.45μmポリプロピレン(PP)フィルターに通して濾過し、ITO上に送出した。次に、40nmのPDOT膜厚になるように2000rpmで基材を30秒間回転させた(ヘッドウェイ・リサーチ・スピンコーター(Headway Research spincoater))。窒素下、200℃で、PDOT被覆基材を5分間加熱した。
(B)レセプター表面(A)に対して記載したとおりに作製し、プラズマ・サイエンス・プラズマ・トリーター(Plasma Science plasma treater)に入れて、以下の条件下で表面処理を行ったPDOT被覆基材を用いて、O2プラズマ処理レセプターを得た:
時間: 10秒間
パワー: 100W(33W/cm2
酸素流量: 100sccm
圧力: 750mTorr
(C)レセプター表面(A)に対して記載したとおりに作製し、プラズマ・サイエンス・プラズマ・トリーター(Plasma Science plasma treater)に入れて、以下の条件下で表面処理を行ったPDOT被覆基材を使用して、アルゴンプラズマ処理レセプターを得た:
時間: 20秒間
パワー: 500W(165W/cm2
アルゴン流量: 20sccm
圧力: 125mTorr
(D)レセプター表面(A)に対して記載したとおりに作製し、プラズマ・サイエンス・プラズマ・トリーター(Plasma Science plasma treater)に入れて、以下の条件下で表面処理を行ったPDOT被覆基材を使用して、CF4プラズマ処理レセプターを得た:
時間: 15秒間
パワー: 300W(100W/cm2
CF4流量: 170sccm
圧力: 175mTorr
(E)レセプター表面(A)に対して記載したとおりに作製し、プラズマ・サイエンス・プラズマ・トリーター(Plasma Science plasma treater)に入れて、以下の条件下で表面処理を行ったPDOT被覆基材を使用して、TMSプラズマ処理レセプターを得た:
時間: 15秒間
パワー: 500W(165W/cm2
TMS流量: 20sccm
アルゴン流量: 500sccm
圧力: 450mTorr
X線光電子分光法(XPS、化学分析用電子分光法(ESCA)としても知られる)および原子間力顕微鏡法(AFM)を用いて、レセプター表面のキャラクタリゼーションを行った。
単色化Al X線源を備えたサーフェス・サイエンス(Surface Science)SSX−100計測器を用いて、タイプ(A)、(B)および(C)のレセプターをXPSにより分析した。レセプター表面に対して35°の取出し角度で光電子放出を検出した。ESCAのデータから、3つのサンプルの表面組成に有意差がまったくないことがわかった。
Figure 2005512277
非単色化Al X線源を備えたESCAシステムを用いて、タイプ(A)、(D)、および(E)のレセプターをXPSにより分析した。レセプター表面に対して30°の取出し角度で光電子放出を検出した。レセプター(D)の場合、ある程度のフッ素化および痕跡量のケイ素が表面上で検出された。レセプター(E)の場合、ケイ素は検出されたが、硫黄は検出されなかったので、ESCAのサンプリング深さ(厚さ約8nm程度)よりも厚いケイ素含有被覆層でPDOT膜が覆われていることが示唆された。
Figure 2005512277
原子間力顕微鏡法(AFM)を用いて、タイプ(B)および(C)のレセプターのキャラクタリゼーションを行い、比較のために、AFMによりタイプ(A)のレセプターのキャラクタリゼーションも行った。タイプ(B)および(C)のレセプターの表面は、タイプ(A)のレセプターの表面と比較して粗面化された。
レセプター(C)に対して実施例1に記載した処理条件を用いて2000メッシュ銅グリッドシャドウマスクを介してタイプ(A)の基材をプラズマ処理したとき、Arプラズマ処理の効果が観測された。ディジタル・インストラメント・ディメンジョン・5000・スキャニング・プローブ・マイクロスコープ(Digital Instruments Dimension 5000 Scanning Probe Microscope)を用いて、タッピングモードAFM画像を取得した。使用したプローブは、40N/mの公称力の定数を有するオリンパス(Olympus)(OTESPA)タッピングモードプローブであった。サンプルのマスキングされていない領域(たとえば、プラズマ処理された領域)は、マスキングされた領域(たとえば、未処理の領域)と比較して粗面化されたことは、AFM画像から明らかであった。2つの領域のパワースペクトル密度をプロットしたところ、サンプルのマスキングされていない領域(たとえば、プラズマ処理された領域)は、50nm以下の寸法の特徴部がより多く生じたことが判明した。50nm〜10nmのスペクトル範囲におけるRMS粗さの変化の一例として:対照の未処理PEDOT膜(実施例1、レセプターA)は、0.27〜0.35nmのRMS粗さを示したが、プラズマ処理PEDOT膜(実施例1、レセプターC)は、0.43〜0.50nmのRMS粗さを示した。
実施例2: 転写層のないドナーシートの作製
熱転写ドナーシートを次のように作製した:
表IIIに示されるLTHC溶液を、厚さ0.1mmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム基材(日本国大阪の帝人株式会社製のM7)上にコーティングした。150ヘリカルセル/インチのマイクログラビアロールを用いて、ヤスイ・セイキ・ラボ・コーター・モデルCAG−150(Yasui Seiki Lab Coater,Model CAG−150)により、コーティングを行った。LTHCコーティングをインラインで80℃で乾燥させ、紫外(UV)線下で硬化させた。
Figure 2005512277
次に、180ヘリカルセル/線インチのマイクログラビアロールを備えたヤスイ・セイキ・ラボ・コーター・モデルCAG−150(Yasui Seiki lab coater,Model CAG−150)を用いて輪転グラビアコーティング法により、表IVに示される中間層溶液を、硬化したLTHC層上にコーティングした。このコーティングをインラインで60℃で乾燥させ、紫外(UV)線下で硬化させた。
Figure 2005512277
実施例3:転写層用の溶液の調製
次の溶液を調製した:
(a)コビオン・グリーン(Covion Green): ドイツ国フランクフルトのコビオン・オーガニック・セミコンダクターズ・ゲーエムベーハー(Covion Organic Semiconductors GmbH,Frankfurt,Germany)製のコビオン・グリーン(Covion Green)PPVポリマーHB 1270(100mg)を秤量して、PTFEキャップ付きのアンバーバイアル中に入れた。これに9.9gのトルエン(ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemical,Milwaukee,WI)から入手したHPLCグレードのトルエン)を添加した。溶液の入ったバイアルをシリコーン油浴中に入れ、溶液を75℃で60分間攪拌した。溶液を0.45μmポリプロピレン(PP)シリンジフィルターに通して熱時濾過した。
(b)コビオン・スーパー・イエロー(Covion Super Yellow): ドイツ国フランクフルトのコビオン・オーガニック・セミコンダクターズ・ゲーエムベーハー(Covion Organic Semiconductors GmbH,Frankfurt,Germany)製のコビオン(Covion)PPVポリマーPDY132「スーパー・イエロー(Super Yellow)」(75mg)を秤量して、PTFEキャップ付きのアンバーバイアル中に入れた。これに9.925gのトルエン(ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemical,Milwaukee,WI)から入手したHPLCグレードのトルエン)を添加した。溶液を一晩攪拌した。溶液を5μmミリポア・ミルレックス(Millipore Millex)シリンジフィルターに通して濾過した。
(c)ポリスチレン: ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemical,Milwaukee,WI)製のポリスチレン(250mg)(Mw=2,430)を9.75gのトルエン(ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemical,Milwaukee,WI)から入手したHPLCグレードのトルエン)に溶解させた。溶液を0.45μmポリプロピレン(PP)シリンジフィルターに通して濾過した。
実施例4〜6:ドナーシート上の転写層の作製および転写層の転写
表Vに従って実施例3の溶液のブレンドを用いて実施例2のドナーシート上に転写層を形成した。ブレンドを得るために、上記の溶液を適切な比で混合し、得られたブレンド溶液を室温で20分間攪拌した。
約100nmの膜厚になるように約2000〜2500rpmで30秒間回転させることにより(ヘッドウェイ・リサーチ・スピンコーター(Headway Research spincoater))、ドナーシート上に転写層フィルムを配設した。
Figure 2005512277
実施例4〜6で作製したドナーシートを、実施例1で作製したレセプター基材に接触させた。次に、2つのシングルモードNd:YAGレーザーを用いて、ドナーをイメージングした。線形検流計システムを使用し、ほぼテレセントリック構成の一部分としてf−θ走査レンズを用いて画像平面上に結像させた組合せレーザービームにより、走査を行った。レーザーエネルギー密度は、0.4〜0.8J/cm2であった。1/e2の強度で測定したレーザースポットサイズは、30マイクロメートル×350マイクロメートルであった。画像平面で測定したときの線形レーザースポット速度は、10〜30メートル/秒の間で調節可能であった。主要変位方向に垂直に100μmの振幅でレーザースポットにディザーをかけた。レセプター基材上に転写層をラインとして転写した。ラインの目標幅は、約100μmであった。
レセプター基材上のITOストライプと重なりように位置整合された一連の線として転写層を転写した。画像形成の結果を表VIに示す。
Figure 2005512277
2プラズマ処理(実施例1に記載のレセプター表面(B))を用いることにより、転写品質の類似の改良が達成された。CF4プラズマによる処理(実施例1に記載のレセプター表面(D))では、転写が阻害された。
実施例7:OELデバイスの作製
ITO/PDOT、ITO/O2プラズマ処理PDOT、およびITO/Arプラズマ処理PDOT(実施例1に記載の作製条件およびプラズマ条件、表面(A)、(B)、および(C))を含むスピンコーティングされたデバイスを用いて、OELデバイスの性能に及ぼすプラズマ処理の影響を調べた。レセプター表面(A)、(B)、または(C)の上に、コビオン・グリーン(Covion Green)の溶液(実施例3、溶液(a))を堆積させた。ヘッドウェイ・リサーチ・スピン・コーター(Headway Research spin coater)を用いて2500rpmで30秒間スピンコーティングすることにより、コビオン・グリーン(Covion Green)の膜(厚さ約100nm)を形成した。続いて、下記の条件を用いて、Ca/Agカソードを気相堆積させた:
Figure 2005512277
いずれの場合においても、ダイオード挙動および緑色発光が観測された。レセプター表面(A)、(B)、および(C)を含むデバイスの効率および動作電圧は、有意差を示さなかったので、実施例1に記載の条件下におけるO2またはArプラズマを用いるPDOT膜の処理は、OELデバイスの性能に有意な影響を及ぼさないことがわかる。
CF4処理PDOT(レセプター表面(D))を含むOELデバイスは、わずかに改良された効率および増大された動作電圧を示した。TMS/Ar処理PDOT(レセプター表面(E))を含むOELデバイスは、低い効率を示した。
本発明は、上記の特定の実施例に限定されるとみなされるべきものではなく、添付の特許請求の範囲に公正に記載されている本発明のすべての態様を包含するものであると理解しなければならない。本発明の適用対象となりうる種々の変更、等価な方法、および多数の構成は、本発明が関係する技術分野の当業者であれば、本明細書を調べることにより自明なものとなろう。
以上で引用した特許、特許書類、および刊行物は、いずれも、あたかも完全に複製されたかのごとく結果として本文書に援用されるものとする。
有機エレクトロルミネセンスディスプレイ構成体の概略側面図である。 本発明による、物質を転写するためのドナーシートの概略側面図である。 本発明による有機エレクトロルミネセンスディスプレイの概略側面図である。 有機エレクトロルミネセンスデバイスの第1の実施形態の概略側面図である。 有機エレクトロルミネセンスデバイスの第2の実施形態の概略側面図である。 有機エレクトロルミネセンスデバイスの第3の実施形態の概略側面図である。 有機エレクトロルミネセンスデバイスの第4の実施形態の概略側面図である。

Claims (22)

  1. ドナーシートの転写要素をレセプターに転写する方法であって、
    レセプター基材上に有機電荷移動層を形成することと、
    プラズマ処理を用いて該電荷移動層の表面を粗面化することと、
    該表面を粗面化した後でドナーシートの転写要素を該電荷移動層の表面に選択的に熱転写することであって、ここで、該転写要素は、少なくとも1層の発光層を含むことと、
    を含む方法。
  2. 前記電荷移動層の表面が前記プラズマ処理により実質的に化学修飾されない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記有機電荷移動層が高分子電荷移動層である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記高分子電荷移動層がポリチオフェンのホモポリマーまたはコポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記電荷移動層の表面が、前記プラズマ処理により、少なくとも部分的に酸化されるが、それ以外には実質的に化学修飾されない、請求項1に記載の方法。
  6. 前記表面を粗面化することが、希ガスを含むプラズマを用いて前記表面を粗面化することを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記希ガスがアルゴンを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記表面を粗面化することが、O2を含むプラズマを用いて前記表面を粗面化することを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記表面を粗面化することが、N2を含むプラズマを用いて前記表面を粗面化することを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記表面を粗面化することが、30秒間以下の時間で前記表面を粗面化することを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記表面を粗面化することが、750mTorr以下の圧力でプラズマガスにより前記表面を粗面化することを含む、請求項1に記載の方法。
  12. エレクトロルミネセンスデバイスを作製する方法であって、
    レセプター基材上に電極を形成することと、
    該電極を覆うように有機電荷移動層を形成することと、
    プラズマ処理を用いて該電荷移動層の表面を粗面化することと、
    該表面を粗面化した後、ドナーシートの転写要素を該電荷移動層の表面に選択的に熱転写することであって、ここで、該転写要素は、少なくとも1層の発光層を含むことと、
    を含む方法。
  13. 前記エレクトロルミネセンスデバイスが、プラズマ処理を用いる前記表面の粗面化を行わないこと以外は同じように作製されたエレクトロルミネセンスデバイスと比較して、明るさの実質的な劣化を示さない、請求項12に記載の方法。
  14. 前記エレクトロルミネセンスデバイスが、プラズマ処理を用いる前記表面の粗面化を行わないこと以外は同じように作製されたエレクトロルミネセンスデバイスと比較して、動作電圧の実質的な劣化を示さない、請求項12に記載の方法。
  15. 前記エレクトロルミネセンスデバイスが、プラズマ処理を用いる前記表面の粗面化を行わないこと以外は同じように作製されたエレクトロルミネセンスデバイスと比較して、効率の実質的な劣化を示さない、請求項12に記載の方法。
  16. ドナーシートの転写要素をレセプターに転写する方法であって、
    レセプター基材上に有機層を形成することと、
    プラズマ処理を用いて該有機層の表面の粗面化することと、
    該表面を粗面化した後、ドナーシートの転写要素を該有機層の表面に選択的に熱転写することであって、ここで、該転写要素は、該レセプター基材の有機層に接触する有機表面を含むことと、
    を含む方法。
  17. ドナーシートの転写要素をレセプターに転写する方法であって、
    レセプター基材上に有機層を形成することと、
    ドナーシート上に転写要素を形成することであって、ここで、該転写要素の露出表面は有機質であることと、
    プラズマ処理を用いて、(i)該有機層の表面および(ii)該転写要素の露出表面の少なくとも一方を粗面化することと、
    粗面化後、該ドナーシートの転写要素を該有機層の表面に選択的に熱転写することと、
    を含む方法。
  18. 前記電荷移動層の表面がプラズマ処理により実質的に化学修飾されない、請求項17に記載の方法。
  19. 前記有機電荷移動層が高分子電荷移動層である、請求項17に記載の方法。
  20. 前記電荷移動層の表面が、プラズマ処理により、少なくとも部分的に酸化されるが、それ以外には実質的に化学修飾されない、請求項17に記載の方法。
  21. 前記転写要素を前記基材に選択的に熱転写することが、前記粗面化の後、空気に暴露することなく行われる、請求項17に記載の方法。
  22. 前記転写要素が電気活性層を含む、請求項17に記載の方法。
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