JP2005510571A - ポリ無水物の改善された合成 - Google Patents

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キャスリン イー. アーリッチ,
ロバート シー. シュメルザー,
セオドア ジェームス アナスタシオン,
ブライアント ジェイ. パディル,
リチャード ディー. ウッド,
スシーラ カナマサレディー,
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ラトガーズ, ザ ステート ユニバーシティー
キャスリン イー. アーリッチ,
ロバート シー. シュメルザー,
セオドア ジェームス アナスタシオン,
ブライアント ジェイ. パディル,
リチャード ディー. ウッド,
スシーラ カナマサレディー,
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Abstract

本発明は、式HO−C(=O)R−X−R−X−R−C(=O)−O−Hの化合物を形成するための方法を提供する。本発明の方法において、化合物(I)が重合され、これによって、治療的に活性な化合物を含むポリマーを提供し得る。本発明の化合物において、各Rは、ポリマーの加水分解の際に、治療的に活性な化合物を提供する基であり;各Xは、独立して、エステル結合またはアミド結合であり;そしてRは、連結基である。

Description

(関連出願の引用)
本出願は、米国仮特許出願第60/333,247号(2001年11月23日出願)、および米国仮特許出願第60/333,226号(2001年11月23日出願)(これらは、本明細書中に参考として援用される)より優先権を主張する。
(政府の権利の陳述)
本発明は、NIH助成金番号DE13207の支援によりなされた。合衆国政府は、本発明に特定の権利を有する。
(発明の背景)
芳香族無水物または脂肪族無水物を含むポリマーは、種々の用途について長年にわたり広く研究されてきた。例えば、1930年代、脂肪族ポリ無水物を含む線維が、織物工業における使用のために調製された。1950年代半ばには、フィルム形成特性および線維形成特性を改善された芳香族ポリ無水物が、調製された。より最近では、より高い熱安定性および加水分解安定性、ならびに持続した薬物放出特性を有するポリ無水物を合成しようとする試みがなされてきた。米国特許第4,757,128号および同第4,997,904号は、二酸および無水酢酸の純粋な単離されたプレポリマーからの、改善された薬物持続薬物放出特性を有する芳香族ポリ無水物を調製することを開示する。生体侵食性制御放出デバイスもまた米国特許第4,888,176号に記載されており、このデバイスは、20,000よりも大きい重量平均分子量および0.3dL/gより大きな固有粘度を有する脂肪族結合を有するポリ無水物からの均一なポリマーマトリックスおよび生物学的に活性な物質として製造される。生体活性化合物の制御された送達のための、別の生体腐食性マトリックス材料は、米国特許第4,857,311号に開示され、これは、均一に分布した脂肪族残基と芳香族残基とを有するポリ無水物ポリマーを含む。
生体適合性で生分解性の芳香族ポリ無水物が、米国特許第5,264,540号に開示されており、この芳香族ポリ無水物は、パラ置換ビス−芳香族ジカルボン酸から調製され、創傷閉鎖デバイスにおいて使用するためのものである。しかし、これらの化合物は、高い融解温度および高いガラス転移温度ならびに低い溶解度を示し、従って、これらの化合物の加工を困難にしている。
ポリ無水物ポリマーマトリックスはまた、整形外科適用および歯科適用における使用について記載されている。例えば、米国特許第4,886,870号は、補綴および移植に有用な生体腐食性物品を開示し、これは、生体適合性で疎水性のポリ無水物マトリックスを含む。米国特許第5,902,599号はまた、種々の歯科適用および整形外科適用において使用するための生分解性ポリマーネットワークを開示し、これは、無水物または二酸プレポリマーを重合させることにより形成される。これらのポリマーまたはマトリックスは、二酸化合物の一部として活性因子を含むかまたは含まずに、医療適用に有用である。
(発明の要旨)
当該分野で報告されているポリ無水物ポリマーを調製するための複雑な二酸前駆体の調製は、保護および脱保護を含む複数の工程を必要とし得る。プレポリマーの形成の前に酸基を保護することが必要なさらなる工程は、代わりの結合が骨格に含まれる場合(例えば、エステルまたはアミド)にプレポリマーの収率を減少し得る。現在、ポリ無水物ポリマー化合物(好ましくは、薬学的に活性な因子を含む化合物)を調製するために必要な二酸前駆体を提供する効率的な方法の必要性が存在する。この二酸前駆体は、1工程合成を使用して調製され得、この合成は、より複雑な二酸前駆体のために、より高い収率で、より少ない工程を使用して、そしてより高い純度で(最小の精製しか必要としない)二酸前駆体を提供する。
本発明は、式(I)
HO−C(=Y)R−X−R−X−R−C(=Y)−OH (I)
の化合物を形成するための改善された1工程方法を提供し、
式中、各Rは、有機基であり;各Yは、独立してOまたはSであり;各Xは、独立してエステル結合、アミド結合、チオエステル結合またはチオアミド結合であり;そしてRは、有機基であり;この方法は、
少なくとも2当量〜約50当量の有機塩基の存在下で;必要に応じて適切な溶媒中で、式(II)
−R−C(=O)OH (II)
の化合物を、式(III)
−C(=Y)−R−C(=Y)−X (III)
を有する化合物と、反応させる工程を包含し、
式中、Rは、ヒドロキシ基、アミン基、もしくはチオール基、またはヒドロキシ基、アミン基、もしくはチオール基を含む有機ラジカルであり;そして各Xは、ハロゲンである。
代表的には、ポリ無水物ポリマーは、LangerおよびDombの方法により調製されている(例えば、Domb,A.;Langer,R.Journal of Polymer Science:Part A 1987,25,3373−3386を参照のこと)。ポリ(無水物−エステル)を、気体−真空マニホルドに取り付けられた、磁気攪拌子を入れたサイド−アーム試験管中でプレポリマー中間体を使用して溶融重縮合することにより、同様の様式で合成した。代表的には、モノマーを、反応混合物が凝固するまで真空下(<2mmHg)で約180℃にて重合させて、そして攪拌しながらこの反応容器に、乾燥窒素を流した。反応の進行に伴うポリマー溶融物の粘度の増加に起因して、混合が不完全となり、結果として、重合時間が長くなり、そしてミリグラムスケールでさえ低分子量のポリマーが生じた。さらに、ポリマー溶融物の一部は、不完全な混合から生じる高い局在化温度のために局所的な分解を受ける。これにより、暗褐色のポリマーが生じた。
本発明はまた、骨格中に1つ以上の式(IV)
−C(=Y)R−X−R−X−R−C(=Y)−O− (IV)
の単位を含むポリ無水物ポリマーを調製するための方法を提供し、
式中、各Rは、有機基であり;各Yは、独立してOまたはSであり;各Xは、独立してエステル結合、アミド結合、チオエステル結合またはチオアミド結合であり;そしてRは、有機基であり;この方法は、
約40℃〜約300℃の温度で、式(V)
O−C(=Y)R−X−R−X−R−C(=Y)−O−R (V)
の化合物を重合させる工程を包含し、
式中、各Rは、式−C(=O)(C1−4)アルキルを有する基であり;そしてここでこの式(V)を有する化合物は、重合の間、機械的に混合される。
本発明はまた、式(IV)
−(=Y)R−X−R−X−R−C(=Y)−O− (IV)
を有する化合物を提供し、
式中、各Rは、クロロフェニル基であり;各Xは、独立してエステル結合、アミド結合、またはチオエステル結合であり;各Yは、独立してOまたはSであり;そしてRは、連結基である。
本発明の重合方法は、式(V)を有するジ−無水物を使用し、このジ−無水物は、式(I)を有する二酸のアシル化により調製される。本発明の動的重合を使用して調製されたポリマーは、約1500ダルトン〜約1,000,000ダルトンの平均分子量を有し得、ここでR、RおよびXは、上記の意味と同じ意味を有する。このポリマー構造内に含まれるR基を形成する化合物は、1つのカルボン酸基と、少なくとも1つのアミン基、チオール基、アルコール基またはフェノール基とを有し得る。従って、Rが、治療的因子(薬物)の残基である場合、これらのポリマーは、ドラッグデリバリーシステムとして機能し得、これは、ポリマー分解の関数として制御された様式で宿主の任意の部位に薬物を送達するための有効な手段を提供する。
ポリ無水物物質は、広範に研究されている;例えば、米国特許第4,757,128号、同第4,997,904号、同第4,888,176号、同第4,857,311号および同第5,264,540号、ならびに国際特許出願公開番号WO 99/12990、WO 02/09769およびWO 02/09767を参照のこと。出願人は、高い平均分子量を有する無水物ポリマーが、低い平均分子量を有するポリマーが有さない、予期されずかつ有利な特性を有することを発見している。例えば、高分子量のポリ無水物は、代表的に、より大きな機械的強度および高い安定性を有する。さらに、高分子量ポリ無水物は、より堅くかつより厚いコーティングにされ得る。従って、本発明は、多数の無水物結合を有する骨格を含むポリマーを提供し、ここでこのポリマーは、少なくとも約120,000ダルトンの平均分子量を有する。
好ましくは、本発明のポリマーは、少なくとも約130,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも約140,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも約150,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも約175,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも約200,000ダルトンの平均分子量を有する。なおより好ましいものは、少なくとも約300,000ダルトンの平均分子量を有するポリマーである。別の特定のポリマーは、少なくとも約500,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも約600,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも約750,000ダルトンの平均分子量を有する。
ポリマー骨格にアリール基を有するポリ無水物ポリマーは、国際特許出願公開番号WO 99/12990、WO 02/09769およびWO 02/09767に報告されている。出願人は、高い平均分子量を有する無水物ポリマーが、低い平均分子量を有するポリマーが有さない、予期されずかつ有利な特性を有することを発見している。従って、本発明は、多数の無水物結合および多数のアリール含有基を有する骨格を含むポリマーを提供し、ここでこのポリマーは、少なくとも約40,000ダルトンの平均分子量を有する。
治療剤を提供するために分解(例えば、加水分解)するアリール無水物ポリマーは、国際特許出願公開番号WO 99/12990、WO 02/09769およびWO 02/09767に報告されている。出願人は、高い平均分子量を有する無水物ポリマーが、低い平均分子量を有するポリマーが有さない、予期されずかつ有利な特性を有することを発見している。従って、本発明は、以下の式(IV)
−(=Y)R−X−R−X−R−C(=Y)−O− (IV)
の多数の基を含む骨格を含むポリマーを提供し、
ここで、各Rは、独立してアリール含有基であり;各Xは、独立して、アミド結合、エステル結合、チオアミド結合またはチオエステル結合であり;各Yは、独立してOまたはSであり;そしてRは連結基であり;ここでこのポリマーは、少なくとも約40,000ダルトンの平均分子量を有する。
好ましくは、アリール含有ポリマーは、少なくとも約50,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも約60,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも約70,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも約80,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも約90,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも約100,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも約150,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも約200,000ダルトンの平均分子量を有する。別の特定のポリマーは、少なくとも250,000ダルトンの平均分子量を有する。
本発明は、骨格中に1つ以上の単位の式(IV)を含むポリ無水物コポリマーをさらに提供し、ここで、式(IV)を有する繰り返し単位は、異なるR基、異なるR基、異なるX基または任意のその組み合せを有し得る。本発明はまた、ポリ無水物コポリマーを調製するための方法を提供し、この方法は、式(V)の2つ以上の化合物の混合物を重合する工程を包含し、ここで各繰り返し単位のパーセンテージおよび連結は、式(V)の各対応する化合物のパーセンテージおよび連結に等しく、そしてこのプロセスは、機械的混合で、約40×C〜約300×Cの温度にてダイナミックな重合を使用して行われる。
本発明はまた、式(I)の化合物を調製するのに有用な本明細書中に記載される合成中間体および手順を提供する。
(詳細な説明)
本発明は、式(I)の化合物:
HO−C(=Y)R−X−R−X−R−C(=Y)−OH (I)
を形成するための1工程の方法を提供し、
ここで、各Rは、有機基であり;各Yは、独立してOまたはSであり;各Xは、独立して、エステル結合、アミド結合、チオエステル結合またはチオアミド結合であり;そしてRは、連結基であり;
この方法は、必要に応じて適切な溶媒中の、約50当量の有機塩基に対して少なくとも2当量の存在下で、式(II)の化合物:
−R−C(=O)OH (II)
を、式(III)を有する化合物:
−C(=Y)−R−C(=Y)−X (III)
と反応させる工程を包含し、
ここで、Rは、ヒドロキシ基、アミン基もしくはチオール基、またはヒドロキシ基、アミン基もしくはチオール基を含む有機ラジカルであり;そして各Xは、ハロゲンである。
1実施形態において、各Rは、独立して、アリール、(C1〜8)アルキレン、(C2〜8)アルケニレン、ヘテロアリール、(C3〜8)シクロアルキルまたは(C3〜8)シクロアルケニルである。
Xがチオアミド結合である化合物の調製は、アミド結合を有する式(I)の化合物を、>C(=O)基を>C(=S)基に転換する試薬(例えば、Lawesson試薬)を用いて処理することによって達成され得る。
式(I)の化合物は、骨格中に1つ以上の基を含むポリマー(これは、ポリマーの分解の際に治療剤を生じる)を調製するために使用され得る。治療剤の例としては、抗炎症化合物、鎮痛化合物、麻酔化合物、解熱化合物、防腐剤化合物または抗菌化合物が挙げられる。このような化合物の例としては、サリチル酸、4−アミノ−サリチル酸、5−アミノサリチル酸、4−(アセチルアミノ)サリチル酸、5−(アセチルアミノ)サリチル酸、5−クロロサリチル酸、サリチルサリチル酸(サルサラート)、4−チオサリチル酸、5−チオサリチル酸、5−(2,4−ジフルオロフェニル)−サリチル酸(ジフルニサル)、4−トリフルオロメチルサリチル酸などが挙げられる。
別の実施形態において、式(I)の化合物は、治療的に活性な化合物を含み得る。式(II)を有する化合物は、ポリマーの加水分解、酵素切断または他の分解機構によって放出され得る、治療的に活性な化合物(薬物)であり得;各Xは、独立して、エステル結合、アミド結合、チオエステル結合またはチオアミド結合であり;そしてRは、有機基である。
基は、代表的には、約25ダルトン〜約400ダルトンの分子量を有する二価の有機ラジカルである。より好ましくは、Rは、約40ダルトン〜約300ダルトンの分子量を有する。
より具体的には、Rは、1〜25個の炭素原子を有する、二価の、分枝または非分枝の、飽和または非飽和の炭化水素鎖であり、ここで、1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、または4つ)の炭素原子は、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)、あるいはアミノ酸誘導体またはペプチドによって置換されており、そして、この鎖は、必要に応じて、以下からなる群より選択される1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、または4つ)の置換基で、炭素上で置換されている:(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイルオキシ、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールおよびヘテロアリールオキシ。
基は、ヒドロキシ基、アミン基もしくはチオール基、またはヒドロキシ基、アミン基もしくはチオール基を含む有機ラジカルである。R基の非限定的な例としては、ヒドロキシアルキレン基、アミノアルキレン基またはチオアルキレン基が挙げられる。特定のR基としては、例えば、HO(C1〜6)アルキレン;HS(C1〜6)アルキレンまたはRHN(C1〜6)アルキレンなどのような基が挙げられ;ここで、Rは、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、アリールまたはアリール(C〜C)アルキルである。
別の実施形態において、式(I)を有する化合物は、式(VI)を有する低分子量の薬物分子(治療剤):
Figure 2005510571
から形成され、
ここで、Rは、ヒドロキシ基、アミン基もしくはチオール基、またはヒドロキシ基、アミン基もしくはチオール基を含む有機ラジカルであり;Rは、水素、ハロ、NHR、またはヒドロキシ、ハロもしくはハロC1〜4アルキルで必要に応じて置換されたアリールであり;そしてRは、水素、(C1〜6)アルキル、(C3〜6)シクロアルキル、(C3〜6)シクロアルキル(C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C1〜6)アルキルまたはヘテロアリール(C〜C)アルキルもしくは−C(O)C1〜4アルキルである。従って、式(I)の二酸は、これらの低分子量薬物を含むポリマー薬物送達系のポリマー骨格である。
1実施形態において、各Xは、アミド結合であるか、または各Xは、エステル結合である。別の実施形態において、1つのXはアミド結合であり、そして1つのXはエステル結合である。
式(II)の化合物は、その分子構造内に、1つのカルボン酸基を含む。さらに、この薬物は、その構造内に、少なくとも1つのヒドロキシ(−OH)基、アミン(−NHR)基、チオール(−SH)基を含む。
好ましいR基としては、:−OH、−SH、−NHまたは−HNRが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、Rは、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C〜C)アルキルまたはヘテロアリール(C〜C)アルキルである。R基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、アリール(C〜C)アルキルまたはヘテロアリール(C〜C)アルキルアミノ、ハロ(C〜C)アルキル、(ハロ)アリールなど。好ましいR基は、−NH、−NHAc、−Cl,2,4−ジフルオロフェニル、クロロメチル、ジフルオロメチル、−CFなどである。
適切な生物学的に活性な化合物の例としては、以下が挙げられる:サリチル酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、4−(アセチルアミノ)サリチル酸、5−(アセチルアミノ)サリチル酸、5−クロロサリチル酸、サリチルサリチル酸(サルサラート)、4−チオサリチル酸、5−チオサリチル酸、5−(2,4−ジフルオロフェニル)−サリチル酸(ジフルニサル)、4−トリフルオロメチルサリチル酸スルファサラジン、ジクロフェナク(dichlofenac)、ペニシラミン、バルサラジド、オルサラジン、メフェナム酸、カルビドパ、レボドパ、エトドラク、セファクロール、カプトプリルなど。
(定義)
他に示されない限り、以下の定義が使用される:ハロゲンまたはハロは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。アルキル、アルコキシなどは、直鎖基および分枝基の両方を示す;しかし、「プロピル」などの個々のラジカルに対する言及は、直鎖ラジカルのみを包含し、「イソプロピル」などの分枝鎖異性体は、具体的に言及される。
本明細書中で使用する場合、「アリール含有基」は、その構造中に1つ以上のアリール基を有する有機化合物の残基である。
アリールは、フェニルラジカルであるか、または約9〜10個の環原子を有し、少なくとも1つの環が芳香族である、オルト縮合二環式炭環式ラジカルを示す。
ヘテロアリールは、炭素と、非過酸化物酸素、硫黄およびN(X)(ここで、Xは、存在しないかまたはH、O、(C1〜6)アルキル、フェニルまたはベンジルである)からなる群より各々選択される1〜4個のヘテロ原子とからなる5〜6個の環原子を含む単環式芳香族環の環炭素を介して結合したラジカル、ならびにこれに由来する約8〜10個の環原子のオルト縮合二環式複素環のラジカル(特に、アリール誘導体化、またはプロピレンジラジカル、トリメチレンジラジカルまたはテトラメチレンジラジカルをこれに縮合することによって誘導体化されたもの)を包含する。
用語エステル結合は、−OC(=O)−または−C(=O)O−を意味し;用語アミド結合は、−N(R)C(=O)−または−C(=O)N(R)−を意味し;用語チオエステル結合は、−SC(=O)−または−C(=O)S−を意味し;そして用語チオアミド結合は、−N(R)C(=S)−または−C(=S)N(R)−を意味し、ここで、各Rは、適切な有機ラジカル(例えば、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C〜C)アルキルまたはヘテロアリール(C〜C)アルキル)である。
用語「アミノ酸」は、D形態またはL形態の天然のアミノ酸(例えば、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Glu、Gln、Gly、His、Hyl、Hyp、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、TyrおよびVal)、ならびに非天然アミノ酸(例えば、ホスホセリン、ホスホスレオニン、ホスホチロシン、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸;馬尿酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、スタチン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、ペニシラミン、オルニチン、シトルリン、α−メチル−アラニン、パラ−ベンゾイルフェニルアラニン、フェニルグリシン、プロパギルグリシン、サルコシンおよびtert−ブチルグリシン)の残基を含む。この用語はまた、従来のアミノ保護基(例えば、アセチルまたはベンジルオキシカルボニル)を有する、天然および非天然のアミノ酸、ならびにカルボキシ末端で(例えば、(C〜C)アルキルエステル、フェニルエステルもしくはベンジルエステルまたはフェニルアミドもしくはベンジルアミドとして;あるいはα−メチルベンジルアミドとして)保護された、天然および非天然のアミノ酸を含む。他の適切なアミノ保護基およびカルボキシ保護基は、当業者に公知である(例えば、Greene,T.W.;Wutz,P.G.M.「Protecting Groups In Organic Synthesis」第二版、1991、New York、John Wiley & sons,Inc.およびこの文献中に引用された参考文献を参照のこと)。
用語「ペプチド」は、2〜35個のアミノ酸(例えば、本明細書中上記に規定されるような)またはペプチジル残基の配列を記述する。この配列は、直線状でも環状でもよい。例えば、環状ペプチドは、配列中の2つのシステイン残基間のジスルフィド架橋の形成から調製され得るか、または生じ得る。好ましくは、ペプチドは、3〜20個のアミノ酸、または好ましくは5〜15個のアミノ酸を含む。ペプチド誘導体は、米国特許第4,612,302号;同第4,853,371号;および同第4,684,620号に開示されるようにか、または本明細書中以下の実施例において記載されるように調製され得る。本明細書中で具体的に引用されるペプチド配列は、左側にアミノ末端そして右側にカルボキシ末端で記載される。
用語「治療剤」は、哺乳動物に投与された場合に有益な治療効果を提供する任意の化合物を含む。この用語は、抗炎症薬、鎮痛薬、麻酔薬、解熱性防腐薬、または抗菌化合物を含む。
用語「動的重合または機械的混合」とは、式(I)を有する化合物を重合するための方法をいい、ここで、重合装置は、溶融した重合混合物を活動的に撹拌し得る。これは、この重合混合物の不完全な混合に起因する変色を最小にする。
本発明は、例えば、ポリ無水物を調製するための有用である二酸化合物の広範なアレイを調製するための有用な一般方法を提供する。従って、「有機基」Rの性質はあまり重要ではないが、但し、この有機基は、本発明の合成方法を妨害しない基である。この有機基は、1個以上の炭素原子を含む任意の有機化合物であり得る。1つの実施形態において、この有機基は、1〜100個の炭素原子を含み;この有機基はまた、多数のヘテロ原子および/または官能基、ならびに単環式環、二環式環および多環式環、ならびに芳香族環および芳香族複素環を含み得る。別の実施形態において、この有機基は、1〜50個の炭素原子を含む。別の実施形態において、この有機基は、1〜20個の炭素原子を含む。代表的に、この有機基は、約500amu未満の分子量を有する。1つの実施形態において、この有機基は、約300amu未満の分子量を有する。別の実施形態において、この有機基は、約200amu未満の分子量を有する。1つの実施形態において、本発明の方法は、ポリマー骨格内に治療剤を有する無水ポリマーを調製するために有用である二酸中間体を調製するために有用である;従って、「有機基」Rは、治療剤の残基であり得る。
(二酸合成)
式(I)の化合物を調製するための代表的な一般合成が、スキーム1に示される。遊離(保護されていない)サリチレート(6)は、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)またはそれらの混合物)中、少なくとも約2当量〜約50当量の有機塩基(例えば、ピリジンなど)の存在下で、ジアシルハライド(7)と直接結合され、式(I)の化合物を提供し得る。1つの実施形態において、このプロセスは、化学量論的ピリジンの存在下で、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF))を使用する。別の実施形態において、過剰なピリジンが存在するか、またはこのピリジンは、共溶媒(例えば、3容量部のTHFまたは1容量部のピリジン)として使用される。別の実施形態において、有機塩基以外に溶媒は存在しない。
(スキーム1)
Figure 2005510571
本発明の方法は、サリチレート6の酸性基を保護する必要性を排除する。さらに、適度に適切な溶媒で洗浄する以外に、二酸生成物(I)のさらなる精製の必要性は存在しない。これは、この生成物(I)と形成され得る任意の副生成物との間の溶解度の大きな差異に起因する。この溶媒の選択は、使用されるサリチレートに特徴的な溶解度に依存する。得られる転換は定量的であり、単離収率は80%を越える。
(重合)
本発明のプロセスによって調製される、生体適合性の、生分解性ポリ無水ポリマーを使用して、有益な物理的特性および化学的特性を有する種々の有用な生成物を生成し得る。このポリ無水ポリマーは、例えば、生物学的に活性な化合物の送達、フィルム調製、コーティング、医療用インプラント、医療用インプラント用のコーティングなどのような用途において有用である。
本発明のプロセスによって調製されるポリマーは、種々の医療用インプラントの設計のために異なる幾何学形状を有する、ペーストまたはフィルム、ミクロスフェアおよび繊維に容易に加工され得る。このポリマーは、当該分野で公知の技術を使用して、完成物品またはコーティング(例えば、溶媒鋳物、噴霧溶液または噴霧懸濁液、圧縮成形品および押出し成形品)に加工され得る。このような適用の例としては、医療用途、歯科用途および化粧品用途が挙げられるがこれらに限定されない。
医療用インプラントの適用は、成形物品(例えば、血管移植片およびステント)、骨板、縫合糸、移植可能なセンサー、移植可能な薬物送達デバイス、組織再生のためのステント、および既知の時間内に無毒性成分へと分解される他の物品を形成するためのポリ無水物の使用を含む。さらに、このポリマーを使用して、活性化合物の放出を必要とし得る物品(例えば、血管移植片およびステント、骨板、縫合糸、移植可能なセンサー、移植可能な薬物送達デバイス、組織再生のためのステント、および他の物品)のコーティング層を形成し得る。
本発明のプロセスから調製されるポリマーはまた、経口処方物および局所適用のための製品(例えば、皮膚保湿剤(moisturizer)、洗浄剤、パッド、硬膏剤、ローション剤、クリーム、ゲル、軟膏剤、溶液、シャンプー、日焼け用製品およびリップスティック)に組み込まれ得る。
本発明は、式(I)を有する適切に官能化された化合物から調製されるポリマーを調製するためのプロセスを提供し、式(II)を有する1種以上の化合物を含むポリマーの機械的特性および分解特性は、このポリマー骨格内の連結基(R)を改変することによって制御され得る。式(I)を有する化合物から調製されるポリマーは、ホモポリマー(すなわち、式(IV)を有する同一の繰り返し単位を有する)、またはコポリマー(すなわち、式(IV)を有する2以上の繰り返し単位を有する)であり得、ここで式(IV)を有する繰り返し単位は、異なるR基、異なるR基、異なるX基またはそれらの任意の組み合わせを有する。
好ましくは、本発明のプロセスから調製されるポリマーは、生物学的に活性な化合物および連結基(R)がエステル結合、チオエステル結合、アミド結合、チオアミド結合、またはそれらの混合物を介して一緒に結合される骨格を有する。これらのエステル結合、チオエステル結合、アミド結合および/またはチオアミド結合の存在に起因して、ポリマーは、酵素学的に加水分解されるか、そうでなければ生理学的条件下で分解され、生物学的に活性な化合物を提供し得る。従って、本発明のプロセスから調製されるポリマーは、生物学的に活性な化合物のための制御性放出源、または選択された部位への生物学的に活性な化合物の局在化された送達のための媒体として、特に有用であり得る。例えば、本発明のプロセスから調製されるポリマーは、ヒト患者の体内(すなわち、腫瘍内または腫瘍近辺)の選択された部位への、治療剤の局在化された送達のために使用され得、ここで、このポリマーの分解は、治療剤の局在化された制御性放出を提供する。
本発明の動的重合を使用して調製されるポリ無水物は、約1500ダルトン〜約1,000,000ダルトンの平均分子量を有し得る。好ましい芳香族ポリ無水物は、約10,000ダルトン〜約200,000ダルトンまでの平均分子量を有し得る。平均分子量(M)は、狭い分子量のポリスチレン標準に対してGel Permeation Chromatography(GPC)を使用して決定される。
別の実施形態において、本発明の動的重合を使用して調製されるポリマーは、約1500ダルトン〜約100,000ダルトンまでの平均分子量を有し得る。
(ポリマー)
本明細書中で提供される図面において例示される重合装置は、動的重合を容易にしかつミリグラムスケールおよびグラムスケールの両方の、より高分子量の材料を提供するように設計される。しかし、重合は、任意の機械的混合器具または当該分野で公知の方法を使用して行われ得る。本発明のプロセスに従ってポリマーを調製するのに適切な器具および方法の例としては、以下が挙げられる:鋤型混合機、ねじ型押出し機、リボン型混合機、往復ベンチュリねじ回し式(reciprocating venturi turn−screw)混合押出し機、インライン静的混合機を備えた押出し機、Banbury混合円錐ねじ式(conical screw)配合機、化合物らせん形混合機、開口らせん形ブレード混合機、オーガー型混合機、アンカー型ブレード混合機、複数シャフト混合機など。
式(I)を有する二酸/前駆体からポリ無水ポリマーを調製するための動的重合プロセスの1つの実施形態が、本発明のさらなる実施形態として提供される。例示のプロセスが、スキームIIに示されており、ここで、一般的な基の意味は、他に制限されない限り、上記で与えられるとおりである。例えば、ポリ無水ポリマーは、スキームIIに示されるように、式(I)を有する前駆体から、本発明のプロセスによって調製され得る。二酸/前駆体(Ia)は、無水酢酸を使用してアシル化される(例えば、Conix,Macromol.Synth.,2,95−99(1996)を参照のこと)。酢酸または無水酢酸を除去した後、アセチル化した化合物(Ib)を、攪拌し、そして減圧下で約40℃〜約300℃の温度にて加熱し、重合を行い、酢酸を除去する。好ましくは、この重合混合物は、約100℃〜約220℃の温度にて加熱される。より好ましくは、この重合温度は、約100℃〜約180℃である。モノマー混合物は、重合の間に機械的に攪拌される。代表的には、この重合混合物は、約40遠心分回(rpm)〜約200rpmの速度、好ましくは、約50rm〜約150rpmの速度で攪拌される。これにより、無水ポリマー(IIa)が提供される。
Figure 2005510571
動的重合プロセスの第2の実施形態は、スキームIIの中間体前駆体/プレポリマーIbの単離および精製を包含する。例えば、二酸/前駆体Ia(スキームII)は、上記のように無水酢酸を使用してアセチル化される。この実施形態において、酢酸または無水酢酸の一部(全てではない)が蒸留によって除去される。プレポリマーIbは、適切な溶媒の添加によって溶液から結晶化するように誘導される。例えば、Ibの調製において、50〜80%の酢酸または無水酢酸が、蒸留によって除去され、そしてプレポリマーがエチルエーテルおよび石油エーテルの混合物の添加によって結晶化される。この実施形態において、精製プレポリマーIbは、単離され、そして別の操作で重合される。例えば、精製Ib(スキームII)は、濾過および真空乾燥によって単離され、次いで、機械的に攪拌されて、減圧下で約40℃〜約300℃の温度に加熱されて、重合をもたらし、そして無水酢酸を除去する。プレポリマーは、重合の間、機械的に攪拌される。代表的に、重合混合物は、約40rpm〜200rpm、好ましくは、約50rpm〜150rpmの速度で攪拌される。これは、無水ポリマーを提供する。
単純、安価かつ容易に入手可能な成分を使用して重合を変化させることによって、高真空(<2mmHg)を維持しながら、溶融した重合混合物を活動的に攪拌する重合装置が、構築された。小スケール(<1g)および中程度スケール(1g〜100g)の重合の両方を、代表的な実験室の攪拌モーターを使用して実施し得る。メカニカルスターラーを用いる動的混合に適切な重合容器の例を、図1および2に、バッチサイズの関数として図示する。本発明の動的混合は、増加した分子量を有するポリマーを提供する。
本発明の別の実施形態において、式(V)のポリマー前駆体(ここで、この前駆体は、異なるR基、異なるR基、異なるX基またはそれらの任意の組合せを有する)の混合物からポリ無水物コポリマーを調製するための重合プロセスが提供される。例えば、ポリ無水物コポリマーは、式(V)を有する前駆体混合物から、本発明のプロセスによって調製され得る。各前駆体において、R基、R基、またはX基のうちの少なくとも1つは、第2前駆体の対応する基と異なる(例えば、2つの異なる前駆体の2つのR1基は、分解のときに、異なる治療剤を提供し得る。
(治療活性剤)
本発明のポリ無水物化合物が、多数の低分子量治療活性剤(薬物)(例えば、米国特許第6,486,214号に開示されるもの)についての分解可能なポリマー性薬物送達システムのためのポリマー骨格として役立ち得ることが見出されている。薬物(ポリ無水物を介して分解可能なコポリマーに連結され得る)は、以下の特徴を有する。薬物は、好ましくは、約1,000ダルトン以下の比較的低分子量を有する。薬物は、その分子構造内に少なくとも1つのカルボン酸基を含む。さらに、この薬物は、少なくとも1つのヒドロキシ(−OH)、アミン(−NHR)、またはチオール(−SH)、その構造内の基を含む。
別の実施形態において、各Rは、式(VI)を有する化合物から誘導される:
Figure 2005510571
ここで、Rは、アミン、チオール、または水素基であり;Rは、水素、ハロ、NHR、またはアリール(必要に応じて、ヒドロキシ、ハロまたはハロC1−4アルキルで置換される)であり;そしてRは、水素、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C−C)アルキル、またはヘテロアリール(C−C)アルキルまたは−C(O)C1−4アルキルである。
別の実施形態において、各Rは、ポリマーの加水分解のときに治療剤を生じるアリール含有基である。
別の実施形態において、各治療剤は、独立して、カルボン酸基および少なくとも1つのアミン基、チオール基、またはヒドロキシル基を含む抗炎症化合物、鎮痛化合物、麻酔化合物または解熱化合物である。
(連結基「R」)
本発明のポリマーにおける連結基「R」の性質は、本発明のポリマーが、選択された治療適用のために、受容可能な力学的特性および放出動力学を有する限り、重要ではない。連結基Rは、代表的に、約25ダルトン〜約400ダルトンの分子量を有する二価有機ラジカルである。さらに好ましくは、Rは、約40ダルトン〜約300ダルトンの分子量を有する。
連結基Rは、代表的に、標準的結合長および角度を使用して、約5Å〜約100Åの長さを有する。より好ましくは、連結基Lは、約10Å〜約50Åの長さを有する。
連結基は、生物学的に不活性であり得るか、またはそれ自体、生物学的活性を有し得る。連結基はまた、他の官能基(ヒドロキシル基、メルカプト基、アミン基、カルボン酸基、ならびに他の基を含む)を含み得、この官能基は、ポリマーの性質を改変するため(例えば、分枝のため、架橋のため、他の分子(例えば、別の生物学的に活性な化合物)をポリマーに付加するため、ポリマーの溶解性を変化させるため、またはポリマーの体内分布をもたらすため)に使用され得る。
(特定の好ましい値)
ラジカル、置換基、基、および範囲についての本明細書中に列挙される特定の好ましい値は、単なる例示のためである;これらは、他の規定された値もラジカルおよび置換基についての規定された範囲内の他の値も排除しない。
具体的には、(C〜C)アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、ペンチル、3−ペンチル、またはヘキシルであり得;(C−C)シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり得;(C−C)シクロアルキル(C−C)アルキルは、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロプロピルエチル、2−シクロブチルエチル、2−シクロペンチルエチル、または2−シクロヘキシルエチルであり得;(C−C)アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、ペントキシ、3−ペントキシ、またはヘキシルオキシであり得;(C−C)アルカノイルは、アセチル、プロパノイルまたはブタノイルであり得;(C−C)アルコキシカルボニルは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、またはヘキシルオキシカルボニルであり得;(C−C)アルキルチオは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、ペンチルチオ、またはヘキシルチオであり得;(C−C)アルカノイルオキシは、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、イソブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、またはヘキサノイルオキシであり得;アリールは、フェニル、インデニル、またはナフチルであり得;そしてヘテロアリールは、フリル、イミダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、オキサゾイル、イソオキサゾイル、チアゾリル、イソチアゾイル、ピラゾリル、ピロリル、ピラジニル、テトラゾリル、ピリジル(またはそのNオキシド)、チエニル、ピリミジニル(またはそのNオキシド)、インドリル、イソキノリル(またはそのNオキシド)、またはキノリル(またはそのNオキシド)であり得る。
についての特定の値は、二価、分枝鎖または非分枝鎖、飽和または不飽和の炭化水素鎖(1〜25個の炭素原子を有する)またはアミノ酸誘導体もしくはペプチドであり、ここで、1つ以上(例えば、1個、2個、3個、または4個)の炭素原子が、必要に応じて(−O−)もしくは(−NR−)によって置き換えられ、ここで、この鎖は、必要に応じて、以下からなる群より選択される1つ以上(例えば、1個、2個、3個、または4個)の置換基で、炭素を置換される:(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C12)アルカノイル、(C−C)アルカノイルオキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルチオ、−OP(=O)O(C−C12)アルキル、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシ。
は、二価、分枝鎖または非分枝鎖、飽和または不飽和の炭化水素鎖(1〜20個の炭素原子を有する)であり、ここで、この鎖は、必要に応じて、以下からなる群より選択される1つ以上(例えば、1個、2個、3個、または4個)の置換基で、炭素を置換される:(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C12)アルカノイル、(C−C)アルカノイルオキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシ。
についての別の特定の値は、−(CHR−であり、ここで、各R9は、水素、−C(=O)(CH10CHまたは−OP(=O)O(CH10CHである。
についての別の特定の値は、アミノ酸である。
についての別の特定の値は、ペプチドである。
についての別の特定の値は、二価、分枝鎖または非分枝鎖、飽和または不飽和の炭化水素鎖(1〜20個の炭素原子を有する)であり、ここで、1つ以上(例えば、1個、2個、3個、または4個)の炭素原子が、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)によって置換される。
についてのより特定の値は、二価、分枝鎖または非分枝鎖、飽和または不飽和の炭化水素鎖(3〜20個の炭素原子を有する)であり、ここで、1つ以上(例えば、1個、2個、3個、または4個)の炭素原子が、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)によって置換され、そしてこの鎖は、必要に応じて、以下からなる群より選択される1つ以上(例えば、1個、2個、3個、または4個)の置換基で、炭素を置換される:(C−C)アルコキシ、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルカノイル、(C−C)アルカノイルオキシ、(C−C)アルコキシカルボニル、(C−C)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシ。
についての別のより特定の値は、二価、分枝鎖または非分枝鎖、飽和または不飽和の炭化水素鎖(3〜20個の炭素原子を有する)であり、ここで、1つ以上(例えば、1個、2個、3個、または4個)の炭素原子が、必要に応じて、(−O−)、(−C(O)O−)、(−C(S)O−)、(−C(O)NR−)、(−C(S)NR−)、または(−NR−)(ここで、Rは、水素または(C−C)アルキルである)によって置換される。
についての別のより詳細な値は、3〜20個の炭素原子を有する、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、飽和または不飽和炭化水素鎖である。
についての好ましい値は、4〜15個の炭素原子を有する、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、炭化水素鎖である。
詳細な二価炭化水素鎖は、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、またはn−テトラデシルである。
についての別の好ましい値は、8〜14個の炭素原子を有する、二価の炭化水素鎖である。
基についての詳細な値は、HO(C1〜6)アルキレン;HS(C1〜6)アルキレンまたはRHN(C1〜6)アルキレンである。
についての別の詳細な値は、−OH、−SH、−NH、または−HNRである。
についてのより詳細な値は、−OH、−SH、または−NHである。
についての詳細な値は、ヒドロキシ、ハロまたはハロC1〜4アルキルで必要に応じて置換されたハロ、NHR、またはアリールであり;そしてRは、水素または−C(O)C1〜4アルキルである。
についての別の詳細な値は、−NH、−NHAc、−Cl、2,4−ジフルオロ−フェニル、クロロメチル、ジフルオロメチル、−CFである。
についての別の詳細な値は、−Cl、または2,4−ジフルオロフェニルである。
についての詳細な価は、水素または(C〜C)アルキルである。
についての詳細な価は、水素、メチル、エチルまたはプロピルである。
についての詳細な価は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、アリールまたはアリール(C〜C)アルキルである。
についての詳細な価は、水素、メチル、エチル、またはプロピルである。
についての詳細な価は、−C(=O)CHである。
Yについての詳細な価は、Oである。
本発明の特定のポリ無水ポリマーは、生物学的に活性な化合物を含み、ただし、この生物学的に活性な化合物は、ヒドロキシカルボン酸である。
本発明の特定のポリ無水ポリマーは、生物学的に活性な化合物を含み、ただし、この生物学的に活性な化合物は、α−ヒドロキシカルボン酸である。
本発明の特定のポリ無水ポリマーは、生物学的に活性な化合物を含み、ただし、この生物学的に活性な化合物は、ヒドロキシアリールカルボン酸である。
本発明の特定のポリ無水ポリマーは、生物学的に活性な化合物を含み、ただし、この生物学的に活性な化合物は、オルト−ヒドロキシアリールカルボン酸である。
別の詳細なポリ無水ポリマーは、サリチル酸が生物学的に活性な化合物であり、そしてRが−(CH−であるポリマーである。
別の詳細なポリ無水ポリマーは、ジフルニサル(diflunisal)が生物学的に活性な化合物であり、そしてRが−(CH14−であるポリマーである。
そのようなポリマー(ここで、各Rは、このポリマーの加水分解の際に種々の生物学的に活性な化合物を提供する基である)が、動物または植物への2つの治療剤の組み合わせの投与のために特に有用である。
(処方物)
本発明のポリマーが、薬学的組成物として処方され得、そして選択された(すなわち、経口、経直腸、または非経口で、静脈内経路、筋内経路、腹腔経路、脊椎内経路、頭蓋内経路、局所経路、眼の経路、または皮下経路)投与経路に適合された種々の形態で哺乳動物宿主(例えば、ヒト患者)に投与され得る。いくつかの投与経路について、このポリマーは、慣用的に、微小化粒子として処方され得る。
従って、本発明のポリマー化合物は、薬学的に受容可能なビヒクル(例えば、不活性な希釈剤)または同化性の食用可能なキャリアと組み合わせて全身投与(例えば、経口投与)され得る。これらは、硬質シェルまたは軟質シェルのゼラチンカプセル中に包理されても、錠剤へと圧縮されても、患者の食事の食料の中に直接組み込まれてもよい。経口治療投与について、活性化合物は、1つ以上の賦形剤と組み合わせられ得、そして食物摂取錠剤、経頬錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシール、懸濁液、シロップ剤、ウエハーなどの形態で用いられ得る。好ましくは、このような組成物および調製物は、少なくとも0.1重量%のポリマーを含む。これらの組成物および調製物の百分率は、当然、変化し得、そして慣用的に、所定の単位投薬形態の約2重量%〜約80重量%、好ましくは2〜約60重量%の間であり得る。このような治療的に有用な組成物中のポリマーの量は、有効な投薬レベルが得られるような量である。
錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤などはまた、以下を含み得る:バインダー(例えば、トラガカンガム、アカシア、コーンスターチまたはゼラチン);賦形剤(例えば、リン酸二カルシウム);崩壊剤(例えば、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸など);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);および添加され得る甘味料(例えば、スクロース、フルクトース、ラクトースまたはアスパルテーム)または香味料(例えば、ペパーミント、冬緑油、またはチェリーフレーバー)。単位投薬形態がカプセルである場合、それは、上記の型の物質に加えて、液体キャリア(例えば、植物油またはポリエチレングリコール)を含み得る。種々の他の物質が、コーティングとして存在し得るか、またはそうでなければ、固体の単位投薬形態の物理的形態を改変し得る。例えば、錠剤、丸剤、またはカプセル剤は、ゼラチン、ワックス、セラックまたは糖などでコーティングされ得る。シロップ剤またはエリキシールは、甘味料としてポリマー化合物、スクロース、またはフルクトース、保存料としてメチルパラベンおよびプロピルパラベン、色素および香味料(例えば、チェリーフレーバーまたはオレンジフレーバー)を含み得る。当然、任意の単位投薬形態の調製において用いられる任意の物質が、用いられる量において薬学的に受容可能であるべきでありかつ実質的に無毒であるべきである。さらに、活性化合物は、持続放出調製物およびデバイス中に組み込まれ得る。
このポリマーはまた、静脈内、脊椎内、頭蓋内、または腹腔内の注入または注射により投与され得る。このポリマーの溶液は、無毒の界面活性剤と必要に応じて混合されて適切な溶媒(例えば、アルコール)中で調製され得る。グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン、およびこれらの混合物中および油状物中の分散物もまた調製され得る。通常の保存条件下および使用条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を防ぐための保存料を含む。
注射または注入に適する薬学的投薬形態としては、活性成分を含むポリマーを含む滅菌溶液もしくは分散物または滅菌散剤が挙げられ得、この活性成分は、リポソーム中に必要に応じてカプセル化される滅菌した注射可能または注入可能な溶液または分散物の即席の調製物に適合する。全ての場合において、最終的な投薬形態は、滅菌された、流体であり、そして製造条件および保存条件下で安定であるべきである。液体のキャリアまたはビヒクルは、溶媒または液体分散媒体であり得、これらとしては、例えば、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、無毒のグリセロールエステル、およびこれらの適切な混合物が挙げられる。例えば、リポソームの形成によって、分散物の場合において必要とされる粒子サイズの維持によって、または界面活性剤の使用によって、適切な流動度が維持され得る。微生物の活動の防止が、種々の抗細菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)によりもたらされ得る。多くの場合において、等張剤(例えば、糖、緩衝剤、または塩化ナトリウム)を含むことが好ましい。注入可能な組成物の長期の吸収が、組成物中に吸収を遅延する薬剤(例えば、ステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を用いることによってもたらされ得る。
局所投与のために、本発明のポリマーは、純粋な形態で適用され得る。しかし、これらを、皮膚科学的に受容可能なキャリア(これは、固体でも液体でもよい)と組み合わせた組成物または処方物として投与することが一般的に所望される。
有用な固体キャリアとしては、微細に分割された固体(例えば、タルク、クレー、微小質セルロース、シリカ、アルミナなど)が挙げられる。有用な液体キャリアとしては、必要に応じて無毒の界面活性剤の補助を受けて本発明の組成物が有効なレベルで溶解または分散され得る、アルコールまたはグリコールまたはアルコール/グリコールブレンドが挙げられる。アジュバント(例えば、フレグランス)および追加の抗菌剤が所定の使用に対する特性を最適化するために添加され得る。得られた液体組成物は、吸収性パッドから適用され得、包帯および他の衣服に浸漬させるために用いられ得るか、またはポンプ型またはエアロゾル噴霧器を用いて作用領域へと噴霧され得る。
増粘剤(例えば、合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩および脂肪酸エステル、脂肪アルコール、改変されたセルロースまたは改変された鉱物)はまた、液体キャリアとともに使用され、使用者の皮膚に直接塗布するための分散可能なペースト、ゲル、軟膏、泡などを形成し得る。
本発明のポリマーを皮膚に送達するために使用され得る有用な皮膚科的組成物の例は、当該分野で公知である;例えば、Jacquetら(米国特許第4,608,392号)、Geria(同第4,992,478号)、Smithら(同第4,559,157号)、およびWortzman(同第4,820,508号)を参照のこと。
(用量)
ポリマーの有用な用量は、それらのインビトロでの活性と、動物モデルでの治療剤のインビボでの活性を比較することによって決定され得る。マウスおよび他の動物における有効な用量の、ヒトへの外挿のための方法は、当該分野で公知である;例えば、米国特許第4,938,949号を参照のこと。さらに、有用な用量は、種々の生理学的条件下における所定のポリマーについての加水分解速度を測定することによって決定され得る。処置での使用に必要なポリマー量は、選択される特定のポリマーだけではなく、投与される経路、処置される状態の性質ならびに患者の年齢および状態とともに変化し、そして最終的に主治医または臨床医の裁量による。
所望の用量は、都合良く、単一用量か、または適切な間隔で、例えば、1日に2回、3回、4回以上の準用量で投与される分割用量で表され得る。この準用量自体は、さらに、例えば、多数の別々のゆるい離間投与に分割され得る。
(組み合わせ治療)
本発明のポリマーはまた、治療剤の組み合わせを動物に投与するのに有用である。このような組み合わせ治療は、以下の方法で実施され得る:1)第2の治療剤が、本発明のポリマーのポリマーマトリックス内に分散され得、そしてそのポリマーの分解の際に放出され得る;2)第2の治療剤は、生理学的条件下で第2の治療剤を放出するように加水分解する結合により、本発明のポリマーに付加(すなわち、ポリマー上の側鎖として)され得る;3)本発明のポリマーは、2つの治療剤をポリマー骨格に組み込み得る(例えば、式(I)の1つ以上の単位を含むポリマー)あるいは4)各々が異なる治療剤を有する、本発明の2つのポリマーは、一緒に(または短時間で)投与され得る。
従って、本発明はまた、本発明のポリマーおよび本発明のポリマーのポリマーマトリックス内に分散される第2の治療剤を含む薬学的組成物を提供する。本発明はまた、ポリマーに付加された(例えば、生理学的条件下で、第2の治療剤を放出するように加水分解する結合により)第2の治療剤を有する本発明のポリマーを含む薬学的組成物を提供する。
本発明のポリマーはまた、所定の状態を処置し、組み合わせ治療を提供するのに有効な他の治療剤と組み合わせて投与され得る。従って、本発明はまた、本発明のポリマーと別の治療剤との組み合わせの有効量を投与する工程を包含する、哺乳動物の疾患を処置するための方法を提供する。本発明はまた、本発明のポリマー、別の治療剤、および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を提供する。
ここで、本発明は、以下の非限定的な実施例によって実証される。
(実施例)
材料. 溶媒および試薬は、Fisher(Pittsburgh,PA)から購入し、特級化学物質は、Aldrich(St.Louis,MO)から購入した。全ての試薬をそのまま使用した。重合ガラス器具は、Kimble−Kontes(14/10微小スケールのガラス器具)およびChemGlass(24/40ガラス器具)から入手し、そして改変することなく使用した。ステンレス鋼ラボスプーン(Spoonula)は、Fisherから入手し、機械工作場の研磨機を用いて改変した。
方法. プロトン核磁気共鳴(H−NMR)を、Varianの200MHzの分光計か、または300MHzの分光計のいずれかで記録した。サンプル(5〜10mg)を、内部参照としての溶媒とともに、適切な重水素化溶媒に溶解した。赤外線(IR)スペクトルを、塩化ナトリウム板上への溶媒キャスト化サンプルによって、Mattson Series分光計で測定した。融点(T)は、トーマス−フーバー装置で決定した。
分子量(M)および多分散係数(PDI)を、Perkin−Elmer(PE)LCシステム(Series200屈折率検出器、Seris200ポンプ、およびISS200自動サンプリング器から構成される)のゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって決定した。PE TurboChrom 4ソフトウェアを作動させるDEC Celebris466コンピューターを、データ収集および処理に使用し、PE−Nelson900Interfaceおよび600Linkを介して分析を自動化した。サンプル(5mg/ml)をTHFに溶解し、そして、0.45μmのポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)シリンジフィルター(Whatman Inc.,Clifton,NJ)を通して濾過した。サンプルを、Jordi DVB混合ベッドGPCカラム(7.8×300mm)(Alltech Associates,Inc.,Deerfield,IL)上に溶解した。分子量を、狭い分子量のポリスチレン標準(Polysciences,Dorval,Canada)に対して検定した。
(実施例1 − 1,10−ビス−サリチル−セバケート)
サリチル酸(1.2g、8.4mmol)を、ピリジン(9.0ml)を含むTHF(3.0ml)に溶解した。塩化セバコイル(1.0g、4.2mmol)を、氷浴(約0℃)中で撹拌しながら5分間にわたってシリンジを介して滴下した。この反応物を室温にし、2時間撹拌し、次いで、氷/水の半融解氷(150ml)上に注いだ。濃HClでpHを約2まで酸性化した後、この生成物を真空濾過で単離し、水(3×50ml)による洗浄で精製し、風乾した。収率:91%(白色粉末)。
H−NMR(CDCl):δ8.13(d,2H,ArH),7.61(t,2H,ArH),7.35(t,2H,ArH),7.12(d,2H,ArH),2.63(t,4H,CH)1.82(m,4H,CH),1.48(b,8H,CH)。IR(NaCl,cm−1):3400〜2700(COOH),1760(C=O,エステル),1700(C=O,エステル)。分析 計算値:C,65.18;H,5.88。実測値:C,64.50;H,5.73。T=128〜131℃。
(実施例2.1,10−ビス−4−アセトアミドサリチルセバケート)
4−アセトアミドサリチル酸(2.2g、11mmol)を、氷冷したN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(50ml)(ピリジン(20ml)を含む)に溶解した。DMF(1.0ml)中のセバコイルクロリド(sebacoyl chloride)(0.90g、3.8mmol)を、撹拌しながら、5分間かけて、シリンジを介して滴下した。この反応物を、氷浴によって、約0℃に維持した。6時間後、この混合物を、氷/水スラッシュ(200ml)に注ぎ入れ、そして濃HClを用いてpHを約2まで酸性化した。沈殿した生成物を減圧濾過によって単離し、水(2×50ml)で洗浄し、そして風乾した。収率:98%(白色粉末)。
H−NMR(DMSO−d):δ10.22(s,2H,ArNH),7.82(d,2H,ArH),7.50(s,2H,ArH),7.38(d,2H,ArH),2.40(t,4H,CH),2.02(s,6H,CH),1.60(m,4H,CH),1.30(b,8H,CH).IR(NaCl,cm−1):3400−2750(COOH),3340(N−H),1765(C=O,エステル),1700(C=O,エステル),1680(C=O,アミドI),1620(NH,アミドII).分析.計算値:C,60.43;H,5.76;N,5.04.実測値:C,59.56;H,5.76;N,4.81.T=184−186℃。
(実施例3.1,10−ビス−5−アセトアミドサリチルセバケート)
5−アセトアミドサリチル酸(12.2g、62.7mmol)を、氷冷したTHF(500ml)(ピリジン(17.8ml、209mmol)を含む)に溶解した。THF(7.0ml)に溶解したセバコイルクロリド(5.00g、20.9mmol)を、氷浴(約0℃)中で撹拌しながら、10分間かけて、滴下漏斗(addition funnel)を介して滴下した。約0℃で6時間撹拌した後、この反応物を、氷/水スラッシュ(400ml)に注ぎ入れ、そして濃HClを用いてpHを約2まで酸性化した。沈殿した生成物を、減圧濾過によって単離した。残渣を、30%エタノール(4×100ml)で洗浄し、そして風乾して、表題生成物を得た。収率:96%(白色結晶)。
H−NMR(DMSO−d):δ10.15(s,2H,ArNH),8.15(s,2H,ArH),7.82(d,2H,ArH),7.12(d,2H,ArH),2.58(t,4H,CH),2.08(s,6H,CH),1.65(m,4H,CH),1.38(b,8H,CH).IR(NaCl,cm−1):3400−2600(COOH),3370(NH),1710(C=O,エステル),1700(C=O,エステル),1650(C=O,アミドI),1610(NH,アミドII).分析.計算値:C,60.43;H,5.76;N,5.04.実測値:C,60.34;H,5.84;N,4.72.T=205−206℃。
(実施例4.1,10−ビス−4−クロロサリチルセバケート)
ピリジン(9mL、0.111mol)を、5−クロロサリチル酸(1.44g、0.008mol)とTHF(3mL、0.037mol)との混合物に添加した。この反応混合物を、徹底的に撹拌し、その後、セバコイルクロリド(1g、0.004mol)を滴下した。この混合物を2時間撹拌し、氷/水浴に注ぎ入れ、濃HCl(水溶液)を添加することによって、pH=2に酸性化し、濾過し、そして水で洗浄して、白色固体を得た。収率95%。融点範囲は、176〜181℃であった。
赤外線吸収波数は、1753、1687および1098cm−1であった。NMR化学シフト(DMSO,ppm)δ7.9(s,Ar H,2H),7.7(d,Ar H,2H),7.25(d,Ar H,2H),2.55(t,α−CH,4H),1.6(p,β−CH,4H),および1.35(m,γ−CH,4H)。
(実施例5.1,10−ビス−5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチルセバケート)
ピリジン(0.8mL、0.010mol)を、ジフルニサル(1.16g、0.008mol)とTHF(25mL、0.308mol)との混合物に添加した。次いで、この混合物を、氷/水浴によって、0℃まで冷却した。次いで、この反応混合物を徹底的に撹拌し、そしてセバコイルクロリド(1g、0.004mol)/THF(10mL、0.123mol)の混合物を滴下した。この混合物を、0℃で2時間撹拌し、氷/水浴に注ぎ入れ、濃HCl(水溶液)を添加することによって、pH=2に酸性化し、濾過し、そして水で洗浄して、白色固体を得た。収率96%。融点範囲は、162〜165℃であった。
赤外線吸収周波数は、1754、1658、1139および1104cm−1であった。NMR化学シフト(CDCl,ppm)δ8.25(s,Ar H,2H),7.65(dd,Ar H,2H),7.4(td,Ar H,2H),7.2(d,Ar H,2H),6.95(m,Ar H,4H),2.65(t,α−CH,4H),1.8(p,β−CH,4H),および1.45(m,γ−CH,4H)。
(実施例6.1,10−ビス−サリチルサリチルセバケート(SSA)
NaH(0.5g、0.021mol)を、サリチルサリチル酸(1.03g、0.004mol)とTHF(25mL、0.308mol)との混合物に添加した。この反応混合物を、氷/水浴を用いて、0℃まで冷却した。この反応混合物を撹拌し、そしてセバコイルクロリド(0.5g、0.002mol)/THF(5mL、0.062mol)の混合物を滴下した。この混合物を、0℃で2時間撹拌し、氷/水浴に注ぎ入れ、濃HCl(水溶液)を添加することによって、pH=2に酸性化し、濾過し、そして水で洗浄して、白色固体を得た。収率83%。融点範囲は、142〜148℃であった。
赤外線吸収周波数は、1751および1662cm−1であった。NMR化学シフト(CDCl,ppm)δ8.2(dd,Ar H,4H),7.6(t,Ar H,4H),7.45(dt,Ar H,4H),7.15(t,Ar H,4H),2.5(t,α−CH,4H),1.8(p,β−CH,4H),および1.35(m,γ−CH,4H)。
(実施例7.1,14−ビス−5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチルテトラデカンジオエート)
ピリジン(70.Ml、865mmol)を、THF(800ml)中のジフルニサル(71.06g、284mmol)の溶液に添加した。この溶液を、氷/水浴によって0℃まで冷却した。次いで、この反応物を徹底的に撹拌し、そしてTHF(130ml)中のテトラデカンジオイルジクロリド(41.6g、141mmol)の溶液を滴下した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、氷/水/HClの混合物(最終pH2)に注ぎ入れ、濾過し、そして水で洗浄して、白色固体を得た。収率96%。融点範囲は、150〜151℃であった。
H−NMR化学シフト(CDCl,ppm)δ8.01(m,2H),7.79(m,2H),7.63(m,2H),7.37(m,2H),7.27(m,2H),7.19(m,2H),2.48(m,4H),1.62(m,4H),1.22(m,16H)。
(実施例8.1,14−ビス−5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチルテトラデカンジオエート混合酢酸無水物)
無水酢酸(700mL)中の実施例7からの1,14−ビス−5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチルテトラデカンジオエート(70.0g)の懸濁液を、乾燥アルゴンで層状にし(layer)、そして65〜70℃に保たれた浴中で1〜2時間撹拌した。無水酢酸を、得られた透明な均一な溶液から、65〜70℃で、減圧下で蒸留した。約600mlの無水酢酸を、冷却した(−78℃)受器に収集した後、白色固体が、反応混合物から分離し始めた。蒸留を止め、この反応混合物の周りを乾燥アルゴンで満たし、そして氷浴中に置いた。次いで、300mlの1:1のエチルエーテル:石油エーテルを添加し、そのスラリーを、氷浴温度で、0.5〜2時間撹拌した。次いで、このスラリーを、アルゴン雰囲気下で密閉し、そして−20℃で16〜40時間インキュベートした。生成物を、濾過によって収集し、そして氷冷したエチルエーテル(50ml)で洗浄した。これらの濾過工程および洗浄工程を、取り付けられた反転ステム漏斗を介して、Buchner漏斗に含まれる生成物に送達されるアルゴンの速い流れによって提供される乾燥アルゴンの動的ブランケットを用いて、減圧下で実施した(注釈5)。生成物を、アルゴン流下で、0.5〜1時間このようにして乾燥し、次いで、室温で、真空下に4〜16時間置いた。収量:71g(90.9%)。
融点範囲 100〜101℃。1H NMR(CDCl3):δ8.09(m,2H),7.58(m,2H),7.40(m,2H),7.24(m,2H),6.96(m,4H),2.62(m,4H),2.39(s,6H),1.79(m,4H),1.35(m,16H)。
当該分野で公知の方法および本発明の1工程方法を使用して調製された生成物の二酸の収率を、以下の表1にまとめる。この1工程合成は、当該分野で開示される方法よりも、高い収率および高い純度で、二酸前駆体を提供する。
Figure 2005510571
SA=サリチル酸;5−ASA=5−アセトアミドサリチル酸;4−ASA=4−アセトアミドサリチル酸;4−Cl−SA=4−クロロサリチル酸;5−F−SA=ジフルニサル;およびSSA=サリチルサリチル酸。
(重合)
一実施形態において、実施例1〜8で調製された二酸を、Conix,Macromol.Synth.,2,95−99(1996)に記載される方法に従って、二無水物に変換した。この方法において、ジカルボン酸を、還流温度で、過剰の無水酢酸を使用して、アセチル化した。酢酸および過剰の無水酢酸を、蒸留によって除去した。さらなる精製は必要なかった。本発明の第2の実施形態において、二無水物を精製し、そして単離した。
小スケール(<1g)の動的重合容器を、図1に例示する。この容器は、14/10連結型(jointed)マイクロスケールガラスワイヤ要素から構成される。円筒底バイアル(10ml)に、真空アダプターを取付け;含まれるOリングおよびネジ蓋ジョイント(screw−top joint)は、真空密閉を保証し、そしてモジュラーシステムを生成する。撹拌シャフトは、ステンレス鋼の実験用スプーン−スパチュラ(9’’)のスプーンの端部の縁を薄く削って、バイアルの14/10ジョイントを通して係合することによって、構築される。スパチュラの端部は平らなままにされ、これにより、シャフトは撹拌モーターと連動し得る。真空アダプターの上部のジョイントおよびOリングは、シャフトの周りの真空の気密な係合を形成する。
中間スケール(1g〜100g)の動的重合容器を、図2に示す。この重合装置は、125〜250mlの二口丸底フラスコ上の24/40ジョイントで構築される。一口フラスコの場合、真空ジョイントが組み込まれ、一方、他の口のフラスコは、テフロン(登録商標)真空−撹拌アダプターを保持する。撹拌アセンブリは、ガラス撹拌シャフトおよびテフロン(登録商標)パドル(19mm×48mm)から構成される。
上記の手順の後、二無水物プレポリマーが単離されない本発明の実施形態において、実施例1〜6で調製された活性剤を組み込むモノマーを、以下のように重合した:
二無水物(500mg)を、上記の容器の内の1つにおいて、約180℃のシリコーン油浴を使用して、高真空(<2mmHg)下で、30分〜12時間加熱した。この間、溶融物を、オーバーヘッドスターラーを使用して、約80rpmで激しく撹拌した。重合が完了すると、この溶融物の粘度は、水平状態に達し、そして/またはこの溶融物は、固化した。このポリマーを、室温まで冷却し、最小量の塩化メチレン(15ml)に溶解し、20倍の過剰のジエチルエーテル(300ml)中に沈殿させた。動的重合の結果およびポリマー特性を、表2にまとめ、そして静的重合の結果と比較する。
(実施例9.1,10−ビス−サリチル酸セバケートの動的重合)
実施例1で調製した前駆体/モノマーを、上記の手順に従ってアセチル化し、そして重合した。収率:定量的。(淡黄褐色の固体)。
H−NMR(DMSO−d):δ8.20(d,2H,ArH),7.95(t,2H,ArH),7.75(t,2H,ArH),7.40(d,2H,ArH),2.20(t,4H,CH),1.55(m,4H,CH),1.25(b,8H,CH).IR(NaCl,cm−1):1792,1740(C=O無水物)、1760(C=O,エステル).T=27℃;M=29,500;M=24,600;PDI=1.2。
(比較例9C−1,10−ビス−サリチリック−セバケートの静的重合)
実施例1において調製された1,10−ビス−サリチリック−セバケートを、アセチル化し、気体真空マニホルド(真空(<2mm Hg)下180℃での磁気攪拌、図3)に連結された磁気攪拌子を入れた横手試験管を使用した溶融縮合重合を使用して、モノマーが凝固するまで、重合した。反応容器を、乾燥窒素で15分ごとにフラッシュした。生成物を、当業者に周知の方法によって単離した。収率:定量的。
赤外吸収波数は、1799、1793および1747cm−1であった。Tg=23℃;M=8,000;M=5,700;PDI=1.4。
(実施例10−5−クロロサリチルポリマー(5−Cl−SA)の動的重合調製)
実施例4で調製された前駆体/モノマーを、アセチル化し、上記される手順に従って、重合した。収率:定量的。(淡黄褐色固体)。
赤外吸収波数は、1812、1754、1703および1100cm−1であった。NMR化学シフト(DMSO,ppm)δ7.9(ブロード,Ar H,2 H)、7.7(ブロード,Ar H,2 H)、7.25(ブロード,Ar H,2 H)、2.55(ブロード,α−CH,4 H)、1.6(ブロード,β−CH,4 H)、および1.35(ブロード,γ−CH,4 H)。Tg=26℃;M=5300;M=4000;PDI=1.3。
(実施例11−ジフルニサル(diflunisal)ポリマー(DF)の動的重合調製)
実施例5において調製された前駆体/モノマーを、アセチル化し、そして上記される手順に従って重合した。収率:定量的。(淡黄褐色固体)。
赤外吸収波数は、1800、1750、1704、1200および1142cm−1であった。NMR化学シフト(CDCl,ppm)δ8.25(ブロード,Ar H,2 H)、7.65(ブロード,Ar H,2 H)、7.4(ブロード,Ar H,2 H)、7.2(ブロード,Ar H,2 H)、6.95(ブロード、Ar H,4H)、2.65(ブロード、α−CH、4 H)、1.8(ブロード、β−CH, 4 H)、および1.45(ブロード、γ−CH、4 H)。T=57℃;M=21,300;M=17,200;PDI=1.2。
(実施例12−サリチルサリチルポリマー(SSA)の動的重合調製)
実施例6において調製された前駆体/モノマーを、アセチル化し、アセチル化し、上記される手順に従って重合した。収率:定量的。(淡黄褐色固体)。
赤外吸収波数は、1799、1793および1747cm−1であった。NMR化学シフト(CDCl,ppm)δ8.2(ブロード,Ar H,4H)、7.6(ブロード,Ar H,4 H)、7.45(ブロード,Ar H,4 H)、7.15(ブロード,Ar H,4 H)、2.5(ブロード,α−CH,4 H)、1.8(ブロード,β−CH.4 H)、および1.35(ブロード,γ−CH,4 H).T=26;℃;M=23,100;M=19,300;PDI=1.2。
(実施例13〜14−動的重合)
上記される手順に続いて、実施例2〜3において調製された活性薬剤を取り込む前駆体/モノマーを、アセチル化し、上記されるように重合した。動的重合の結果およびポリマーの特性を、表2に提供する。
二無水物プレポリマーを精製し単離する、本発明の実施形態において、活性薬剤(例えば、実施例8において調製される)を含むモノマーを、以下のように重合した。
精製された二無水物を、高真空下(<0.1mmHg)下で約110〜180℃でシリコーン油浴を使用して、約4〜24時間、上記される容器の1つにおいて加熱した。この時間の間、溶融物を、オーバーヘッド攪拌器を使用して、約50〜80rpmで活発に攪拌した。溶融物の分子量がプラトーに達した場合、重合を完了した。ポリマーを室温まで冷却し、最少量の塩化メチレン中に溶解し、そして20倍過剰のエチルエーテルに沈殿した。動的重合の結果およびポリマー特性を、表2に提供する。
(実施例15−ジフルニサルポリマー)
実施例8において調製されたモノマーを、上記される手順に従って重合した。モノマーを、140℃で8時間60rpmで攪拌した。収率:40−60%(淡黄褐色固体)。M=33100、M=18600,PDI 1.78。T=36℃。
(実施例16−ジフルニサルポリマー)
実施例8において調製されたモノマーを、上記される手順に従って重合した。モノマーを、160℃で18時間60rpmで攪拌した。収率:40−60%(淡黄褐色固体)。M=142800、M=48444、PDI=2.95。T=43.6℃。
(表2)
Figure 2005510571
SA=サリチル酸;5−ASA=5−アセトアミドサリチル酸;4−ASA=4−アセトアミドサリチル酸;4−Cl−SA=4−クロロサリチル酸;5−F−SA=ジフルニサル;およびSSA=サリチルサリチル酸。
(実施例18−ポリマーの熱分析)
実施例16および17において調製されたポリマーを、動的機械的分析によってこれらの機械的特徴について評価した。各ポリマーのサンプルを、まず、120°Fおよび1.2〜1.5×10psiで操作されたCarverプレスを使用して、0.8mm厚のフィルムに圧縮した。次いで、これらのフィルムを、幅約3〜4mmおよび長さ5〜10mmのストリップに切断した。ストリップを、DMA7e(Perkin−Elmer,Bridgeport,CT)のグリップにマウントし、そして、ストリップが破砕されるか、器具によって達成される最大伸長が提供されるか、または器具によって得ることができる最大負荷が送達されるまで、500mN/分の一定負荷速度で伸長した。分析を、ヘリウム下で20〜25℃の周囲温度で実施した。引張り係数を、1%の歪みでのストレス−歪みプロットの最初の傾きとして測定した。極限ストレスおよび極限歪みを、それぞれストリップが破砕されるストレスおよび歪みとして測定した。破損が観察されないフィルムについて、極限ストレス、極限歪み、および靭性についての下限を、報告した。2つのストリップを、各ポリマーについて評価した。分子量の関数として5−F−SAのポリマーの25℃での熱分析を、表3にまとめる。
(表3)
Figure 2005510571
(実施例17−ポリマーの硬度)
実施例14および15において調製されたポリマーをまた、コーティングとしてこれらの硬度について評価した。各ポリマーを、まず、無水クロロホルムに溶解した。この溶液を、ナイフ−エッジスライダーを用いて316Lステンレス鋼クーポンに適用し、次いで、真空下、40℃で一晩乾燥した。これらのコーティングの硬度を、当業者によって共通して実施される、工業標準ASTM手順D3363「Standard Test Method for Film Hardness by Pencil Test」を使用して決定した。この試験において、較正された硬度を有する鉛筆を、コーティングに再生的に適用し、硬度を、コーティング上にスクラッチが観察された最も柔らかい鉛筆として、9B−8B−7B−6B−5B−4B−3B−2B−B−HB−F−H−2H−3H−4H−5H−6H−7H−8H−9Hとして漸増的硬度の相対的スケールに対して測定する。コーティングを、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)の溶液に浸漬する前に周囲温度で、PBS中37℃で5分間インキュベートした後、またはこの溶液中に1時間浸漬した後のいずれかに評価した。浸漬されたコーティングを、鉛筆の適用前に吸い取り乾燥した。
表4は、約33,000および100,000の重量平均分子量(M)を有する2つのポリマー(5−F−SA)のコーティングの観察された硬度についてのデータを示す。これらのデータは、本発明のポリアンヒドリドの漸増する分子量が、より硬いコーティングを生じることを示す。分子量を変更することによってポリマーコーティングの硬度を調整する能力は、移植可能な医学的デバイスとしての用途に関係するストレスにより良好に耐えるコーティングを作製するために有用である。
(表4)
Figure 2005510571
全ての刊行物、特許、および特許は、個々が、参考として援用されるかのように、本明細書中に参考として援用される。本発明は、種々の特定の実施形態および技術ならびに好ましい実施形態および技術に関して記載される。しかし、多くのバリエーションおよび改変が、本発明の意図および範囲内であるままで作製され得ることが理解されるべきである。
図1および図2は、高真空(<2mmHg)を維持しながら、溶融混合物を能動的に撹拌することによって、ダイナミックな融解縮合重合のための2つの装置を図示する。 図1および図2は、高真空(<2mmHg)を維持しながら、溶融混合物を能動的に撹拌することによって、ダイナミックな融解縮合重合のための2つの装置を図示する。 図3は、高真空を維持しながら、融解縮合による重合に有用な、磁性撹拌棒を備える、枝付き試験管である。

Claims (103)

  1. 式(I)を有する化合物を調製するためのプロセスであって:
    HO−C(=Y)R−X−R−X−R−C(=Y)−OH (I)
    ここで、各Rは、有機基であり;各Yは、独立して、OまたはSであり;各Xは、独立して、エステル結合、アミド結合、チオエステル結合、またはチオアミド結合であり;そしてRは、連結基であり;
    該プロセスは、式(II)の化合物:
    −R−C(=O)OH (II)
    を、式(III)を有する化合物:
    −C(=Y)−R−C(=Y)−X (III)
    と、少なくとも2当量〜約50当量の有機塩基の存在下で、必要に応じて適切な溶媒中で反応させる工程を包含し、ここで、Rは、ヒドロキシ基、アミン基もしくはチオール基、またはヒドロキシ基、アミン基、もしくはチオール基を含む有機ラジカルであり;そして各Xは、ハロゲンである、
    プロセス。
  2. 各Rが、独立して、アリール、(C1〜8)アルキレン、(C2〜8)アルケニレン、ヘテロアリール、(C3〜8)シクロアルキル、または(C3〜8)シクロアルケニルである、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記Rが、式(VI)を有する化合物:
    Figure 2005510571
    から誘導され、ここで、
    は、ヒドロキシ基、アミン基、もしくはチオール基、またはヒドロキシ基、アミン基、もしくはチオール基を含む有機ラジカルであり;
    は、水素、ハロ、−NHR、または必要に応じてヒドロキシ、ハロまたはハロC1〜4アルキルで置換されたアリールであり;そして
    は、水素、(C1〜6)アルキル、(C3〜6)シクロアルキル、(C3〜6)シクロアルキル(C1〜6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C1〜6)アルキル、またはヘテロアリール(C1〜6)アルキル、あるいは−C(O)C1〜4アルキルである、
    請求項1または2に記載のプロセス。
  4. が、−OH、−SH、−NH、または−HNR、HO(C1〜6)アルキレン;HS(C1〜6)アルキレンまたはRHN(C1〜6)アルキレンであり;ここで、Rは、水素、(C1〜6)アルキル、(C3〜6)シクロアルキル、(C3〜6)シクロアルキル(C1〜6)アルキル、アリール、またはアリール(C1〜6)アルキルである、請求項3に記載のプロセス。
  5. が−OHである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセス。
  6. が−NHRである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. が−SHである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. が、ハロ、NHR、または必要に応じてヒドロキシ、ハロ、またはハロC1〜4アルキルで置換されたアリールであり;そしてRは、水素または−C(O)C1〜4アルキルである、請求項3〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. が、−NH、−NHAc、−Cl、2,4−ジフルオロフェニル、クロロメチル、ジフルオロメチル、−CFである、請求項8に記載のプロセス。
  10. が、−Cl、または2,4−ジフルオロフェニルである、請求項9に記載のプロセス。
  11. 前記式(II)の化合物が、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、4−(アセチルアミノ)−サリチル酸、5−(アセチルアミノ)サリチル酸、5−クロロサリチル酸、サルサラート、4−チオサリチル酸、5−チオサリチル酸、または5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチル酸(ジフルニサル)、4−トリフルオロメチルサリチル酸スルファサラジン、ジクロフェナク、ペニシラミン、バルサラジド、オルサラジン、メフェナム酸、カルビドパ、レボドパ、エトドラク、セファクロール、またはカプトプリルである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 前記式(II)の化合物が、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、5−クロロサリチル酸、または5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチル酸である、請求項11に記載のプロセス。
  13. Xが、独立して、アミド結合またはエステル結合である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のプロセス。
  14. 1つのXが、アミド結合であり、そして1つのXが、エステル結合である、請求項13に記載のプロセス。
  15. 各Xが、アミド結合である、請求項13に記載のプロセス。
  16. 各Xが、エステル結合である、請求項13に記載のプロセス。
  17. が、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、飽和または不飽和の、1〜25個の炭素原子を有する炭化水素鎖、またはアミノ酸誘導体またはペプチドであり、ここで、該炭素原子の1つ以上が、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)によって置き換えられており、そしてここで、該鎖が、炭素上で、(C1〜6)アルコキシ、(C3〜6)シクロアルキル、(C1〜6)アルカノイル、(C1〜12)アルカノイルオキシ、(C1〜6)アルコキシカルボニル、(C1〜6)アルキルチオ、−OP(=O)O(C〜C12)アルキル、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシからなる群より選択される1つ以上の置換基で必要に応じて置換されている、請求項1〜16のいずれか1項に記載のプロセス。
  18. が、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、飽和または不飽和の、3〜20個の炭素原子を有する炭化水素鎖であり、ここで、該炭素原子の1つ以上が、必要に応じて、(−O−)、(−C(O)O−)、(−C(S)O−)、(−C(O)NR−)、(−C(S)NR−)、または(−NR−)によって置き換えられており、ここで、Rは、水素または(C〜C)アルキルである、請求項1〜17のいずれか1項に記載のプロセス。
  19. が、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、飽和または不飽和の、3〜20個の炭素原子を有する炭化水素鎖である、請求項1〜18のいずれか1項に記載のプロセス。
  20. が、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、4〜15個の炭素原子を有する炭化水素鎖である、請求項1〜19のいずれか1項に記載のプロセス。
  21. 前記炭化水素鎖が、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシルまたはn−テトラデシルである、請求項20に記載のプロセス。
  22. 前記炭化水素鎖が、n−オクチルまたはn−テトラデシルである、請求項21に記載のプロセス。
  23. が、アミノ酸誘導体である、請求項1〜17のいずれか1項に記載のプロセス。
  24. が、ペプチドである、請求項1〜17のいずれか1項に記載のプロセス。
  25. が、−(CHR−であり、ここで各Rが、水素、−C(=O)(CH10CHまたは−OP(=O)O(CH10CHである、請求項1〜17のいずれか1項に記載のプロセス。
  26. が、水素、メチル、エチルまたはプロピルである、請求項18に記載のプロセス。
  27. 式(IV)の繰り返し単位を含む化合物を調製するためのプロセスであって:
    −(=Y)R−X−R−X−R−C(=Y)−OH (IV)
    ここで、各Rは、有機基であり;各Xは、独立して、エステル結合、アミド結合、チオエステル結合、またはチオアミド結合であり;各Yは、独立して、OまたはSであり;そしてRは、有機基であり;
    該プロセスは、式(V)の化合物:
    O−C(=Y)R−X−R−X−R−C(=Y)−O−R (V)
    を、約40℃〜約300℃の温度で重合させる工程を包含し、ここで、各Rは、式−C(=O)(C1〜4)アルキルであり;そしてここで、式(V)を有する該化合物が、重合の間、機械的に混合される、
    プロセス。
  28. 各Rが、独立して、アリール、(C1〜8)アルキレン、(C2〜8)アルケニレン、ヘテロアリール、(C3〜8)シクロアルキル、または(C3〜8)シクロアルケニルである、請求項27に記載のプロセス。
  29. 前記Rが、式(VI)を有する化合物:
    Figure 2005510571
    から誘導され、ここで、
    は、ヒドロキシ基、アミン基、もしくはチオール基、またはヒドロキシ基、アミン基、もしくはチオール基を含む有機ラジカルであり;
    は、水素、ハロ、−NHR、または必要に応じてヒドロキシ、ハロもしくはハロC1〜4アルキルで置換されたアリールであり;そして
    は、水素、(C1〜6)アルキル、(C3〜6)シクロアルキル、(C3〜6)シクロアルキル(C1〜6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C1〜6)アルキル、またはヘテロアリール(C1〜6)アルキル、あるいは−C(O)C1〜4アルキルである、
    請求項27または28に記載のプロセス。
  30. 各Rが−C(=O)CHである、請求項27〜29のいずれか1項に記載のプロセス。
  31. 前記温度が、約100℃〜約220℃である、請求項27〜31のいずれか1項に記載のプロセス。
  32. 前記温度が、約100℃〜約180℃である、請求項31に記載のプロセス。
  33. 前記モノマー混合物が、1分間あたり約40回転〜1分間あたり約200回転の速度で攪拌される、請求項27〜32のいずれか1項に記載のプロセス。
  34. 前記モノマー混合物が、好ましくは、1分間あたり約70回転〜1分間あたり約150回転の速度で攪拌される、請求項33に記載のプロセス。
  35. 機械的に混合されることが、機械的撹拌子を用いて攪拌することを包含する、請求項27〜34のいずれか1項に記載のプロセス。
  36. 前記機械的撹拌子が、鋤型混合機、ねじ型押出し機、リボン型混合機、往復ベンチュリねじ回し式混合押出し機、インライン静的混合機を備えた押出し機、Banbury混合機、円錐ねじ式配合機、複合らせん形混合機、開口らせん形ブレード混合機、オーガー型混合機、アンカー型ブレード混合機、または多軸シャフト混合機である、請求項35に記載のプロセス。
  37. 前記重合が、減圧中で実施される、請求項27〜36のいずれか1項に記載のプロセス。
  38. 式(IV)を有する化合物であって:
    −(=Y)R−X−R−X−R−C(=Y)−O− (IV)
    ここで、各Rは、クロロフェニル基であり;各Xは、独立して、エステル結合、アミド結合、またはチオエステル結合であり;各Yは、独立して、OまたはSであり;そしてRは、有機基である、化合物。
  39. Xが、独立して、アミド結合またはエステル結合である、請求項38に記載の化合物。
  40. 各Xが、エステル結合である、請求項38または39に記載の化合物。
  41. が、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、飽和または不飽和の、1〜25個の炭素原子を有する炭化水素鎖、またはアミノ酸誘導体またはペプチドであり、ここで、該炭素原子の1つ以上が、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)によって置き換えられており、そしてここで、該鎖が、炭素上で、(C1〜6)アルコキシ、(C3〜6)シクロアルキル、(C1〜6)アルカノイル、(C1〜6)アルカノイルオキシ、(C1〜6)アルコキシカルボニル、(C1〜6)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシからなる群より選択される1つ以上の置換基で必要に応じて置換されている、請求項38〜40のいずれか1項に記載の化合物。
  42. が、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、飽和または不飽和の、3〜20個の炭素原子を有する炭化水素鎖である、請求項38〜41のいずれか1項に記載の化合物。
  43. 前記炭化水素鎖が、n−オクチルまたはn−テトラデシルである、請求項42に記載の化合物。
  44. が、5−クロロサリチル酸から誘導され、そしてRが、アルキルであり、そして各Xが、エステル結合である、請求項38〜43のいずれか1項に記載の化合物。
  45. 複数の無水物結合を有する骨格を含む、ポリマーであって、該ポリマーが、少なくとも約120,000ダルトンの平均分子量を有する、ポリマー。
  46. 少なくとも約130,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項45に記載のポリマー。
  47. 少なくとも約140,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項45に記載のポリマー。
  48. 少なくとも約150,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項45に記載のポリマー。
  49. 少なくとも約175,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項45に記載のポリマー。
  50. 少なくとも約200,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項45に記載のポリマー。
  51. 少なくとも約300,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項45に記載のポリマー。
  52. 少なくとも約500,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項45に記載のポリマー。
  53. 少なくとも約600,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項45に記載のポリマー。
  54. 少なくとも約750,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項45に記載のポリマー。
  55. 前記骨格中に1つ以上の基をさらに含み、該基が、前記ポリマーの分解の際に治療剤を生じる、請求項45〜54のいずれか1項に記載のポリマー。
  56. 各治療剤が、独立して、抗炎症化合物、鎮痛性化合物、麻酔化合物、解熱化合物、防腐化合物、または抗菌化合物である、請求項55に記載のポリマー。
  57. 各治療剤が、独立して、抗炎症化合物である、請求項56に記載のポリマー。
  58. 各治療剤が、独立して、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、4−(アセチルアミノ)−サリチル酸、5−(アセチルアミノ)サリチル酸、5−クロロサリチル酸、サリチルサリチル酸(サルサラート)、4−チオサリチル酸、5−チオサリチル酸、5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチル酸(ジフルニサル)、4−トリフルオロメチルサリチル酸スルファサラジン、ジクロフェナク、ペニシラミン、バルサラジド、オルサラジン、メフェナム酸、カルビドパ、レボドパ、エトドラク、セファクロール、またはカプトプリルである、請求項56に記載のポリマー。
  59. 複数の無水物結合および複数のアリール含有基を有する骨格を含む、ポリマーであって、該ポリマーが、少なくとも約40,000ダルトンの平均分子量を有する、ポリマー。
  60. 少なくとも約50,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項59に記載のポリマー。
  61. 少なくとも約60,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項59に記載のポリマー。
  62. 少なくとも約70,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項59に記載のポリマー。
  63. 少なくとも約80,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項59に記載のポリマー。
  64. 少なくとも約90,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項59に記載のポリマー。
  65. 少なくとも約100,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項59に記載のポリマー。
  66. 少なくとも約150,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項59に記載のポリマー。
  67. 少なくとも約200,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項59に記載のポリマー。
  68. 少なくとも約250,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項59に記載のポリマー。
  69. 各アリール含有基が、前記ポリマーの加水分解の際に治療剤を生じる基である、請求項59〜68のいずれか1項に記載のポリマー。
  70. 各治療剤が、独立して、抗炎症化合物、鎮痛性化合物、麻酔化合物、または解熱化合物である、請求項69に記載のポリマー。
  71. 各治療剤が、抗炎症化合物である、請求項70に記載のポリマー。
  72. 各治療剤が、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、4−(アセチルアミノ)−サリチル酸、5−(アセチルアミノ)サリチル酸、5−クロロサリチル酸、サリチルサリチル酸(サルサラート)、4−チオサリチル酸、5−チオサリチル酸、または5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチル酸(ジフルニサル)、4−トリフルオロメチルサリチル酸スルファサラジン、ジクロフェナク、ペニシラミン、バルサラジド、オルサラジン、メフェナム酸、カルビドパ、レボドパ、エトドラク、セファクロール、またはカプトプリルである、請求項70に記載のポリマー。
  73. 複数の式(IV)の基を含む骨格を含む、ポリマーであって:
    −[(=Y)R−X−R−X−R−C(=Y)−O]− (IV)
    ここで、各Rは、独立して、アリール含有基であり;各Yは、独立して、OまたはSであり;各Xは、独立して、アミド結合、エステル結合、チオアミド結合、チオエステル結合、またはチオアミド結合であり;そしてRは、連結基であり;該ポリマーが、少なくとも約40,000ダルトンの平均分子量を有する、ポリマー。
  74. 少なくとも約50,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項73に記載のポリマー。
  75. 少なくとも約60,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項73に記載のポリマー。
  76. 少なくとも約70,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項73に記載のポリマー。
  77. 少なくとも約80,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項73に記載のポリマー。
  78. 少なくとも約90,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項73に記載のポリマー。
  79. 少なくとも約100,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項73に記載のポリマー。
  80. 少なくとも約150,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項73に記載のポリマー。
  81. 少なくとも約200,000ダルトンの平均分子量を有する、請求項73に記載のポリマー。
  82. 前記各Rが、以下の式を有する化合物:
    Figure 2005510571
    から誘導され、ここで、
    は、ヒドロキシ基、アミン基、もしくはチオール基であり;Rは、水素、ハロ、NHR、または必要に応じてヒドロキシ、ハロもしくはハロC1〜4アルキルで置換されたアリールであり;そしてRは、水素、(C1〜6)アルキル、(C3〜6)シクロアルキル、(C3〜6)シクロアルキル(C1〜6)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール(C1〜6)アルキル、またはヘテロアリール(C1〜6)アルキル、あるいは−C(O)C1〜4アルキルである、
    請求項73〜81のいずれか1項に記載のポリマー。
  83. 各Rが、アリール含有基であり、該アリール含有基は、前記ポリマーの分解の際に、治療剤を生じる、請求項73〜82のいずれか1項に記載のポリマー。
  84. 各治療剤が、独立して、抗炎症化合物、鎮痛性化合物、麻酔化合物、解熱化合物、防腐化合物、または抗菌化合物であり、該化合物が、カルボン酸基および少なくとも1つのアミン基、チオール基、またはヒドロキシル基を含む、請求項82に記載のポリマー。
  85. 各治療剤が、独立して、抗炎症化合物である、請求項83に記載のポリマー。
  86. 各治療剤が、独立して、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、4−(アセチルアミノ)−サリチル酸、5−(アセチルアミノ)サリチル酸、5−クロロサリチル酸、サリチルサリチル酸(サルサラート)、4−チオサリチル酸、5−チオサリチル酸、または5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチル酸(ジフルニサル)、4−トリフルオロメチルサリチル酸スルファサラジン、ジクロフェナク、ペニシラミン、バルサラジド、オルサラジン、メフェナム酸、カルビドパ、レボドパ、エトドラク、セファクロール、またはカプトプリルである、請求項84に記載のポリマー。
  87. が、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、飽和または不飽和の、1〜25個の炭素原子を有する炭化水素鎖、またはアミノ酸誘導体またはペプチドであり、ここで、該炭素原子の1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、もしくは4つ)が、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)によって置き換えられており、そしてここで、該鎖が、炭素上で、(C1〜6)アルコキシ、(C3〜6)シクロアルキル、(C1〜6)アルカノイル、(C1〜6)アルカノイルオキシ、(C1〜6)アルコキシカルボニル、(C1〜6)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシからなる群より選択される1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、もしくは4つ)の置換基で必要に応じて置換されている、請求項73〜86のいずれか1項に記載のポリマー。
  88. が、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、1〜25個の炭素原子を有する炭化水素鎖、またはアミノ酸誘導体またはペプチドであり、ここで、該炭素原子の1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、もしくは4つ)が、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)によって置き換えられており、そしてここで、該鎖が、炭素上で、(C1〜6)アルコキシ、(C3〜6)シクロアルキル、(C1〜6)アルカノイル、(C1〜6)アルカノイルオキシ、(C1〜6)アルコキシカルボニル、(C1〜6)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシからなる群より選択される1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、もしくは4つ)の置換基で必要に応じて置換されている、請求項73〜87のいずれか1項に記載のポリマー。
  89. が、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、飽和または不飽和の、3〜20個の炭素原子を有する炭化水素鎖、またはアミノ酸誘導体またはペプチドであり、ここで、該炭素原子の1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、もしくは4つ)が、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)によって置き換えられており、そしてここで、該鎖が、炭素上で、(C1〜6)アルコキシ、(C3〜6)シクロアルキル、(C1〜6)アルカノイル、(C1〜6)アルカノイルオキシ、(C1〜6)アルコキシカルボニル、(C1〜6)アルキルチオ、アジド、シアノ、ニトロ、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシからなる群より選択される1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、もしくは4つ)の置換基で必要に応じて置換されている、請求項73〜88のいずれか1項に記載のポリマー。
  90. が、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、飽和または不飽和の、4〜15個の炭素原子を有する炭化水素鎖、またはアミノ酸誘導体またはペプチドであり、ここで、該炭素原子の1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、もしくは4つ)が、必要に応じて、(−O−)または(−NR−)によって置き換えられている、請求項73〜89のいずれか1項に記載のポリマー。
  91. が、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、3〜20個の炭素原子を有する炭化水素鎖である、請求項73〜90のいずれか1項に記載のポリマー。
  92. が、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、4〜15個の炭素原子を有する炭化水素鎖である、請求項73〜86のいずれか1項に記載のポリマー。
  93. が、アミノ酸誘導体である、請求項73〜86のいずれか1項に記載のポリマー。
  94. が、ペプチドである、請求項73〜86のいずれか1項に記載のポリマー。
  95. 各Xが、アミド結合である、請求項73〜94のいずれか1項に記載のポリマー。
  96. 各Xが、エステル結合である、請求項73〜94のいずれか1項に記載のポリマー。
  97. 複数の式(IV)の繰り返し単位を含む、請求項73〜96のいずれか1項に記載のポリマー。
  98. 各Rが、前記ポリマーの分解の際にサリチレートを生じる基であり;各Xが、独立して、アミド結合またはエステル結合であり;そしてRが、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、飽和または不飽和の、1〜15個の炭素原子を有する炭化水素鎖である、請求項73〜96のいずれか1項に記載のポリマー。
  99. 前記サリチレートが、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、4−(アセチルアミノ)−サリチル酸、5−(アセチルアミノ)サリチル酸、5−クロロサリチル酸、サリチルサリチル酸(サルサラート)、4−チオサリチル酸、5−チオサリチル酸、または5−(2,4−ジフルオロフェニル)サリチル酸(ジフルニサル)、4−トリフルオロメチルサリチル酸スルファサラジン、ジクロフェナク、ペニシラミン、バルサラジド、オルサラジン、メフェナム酸、カルビドパ、レボドパ、エトドラク、セファクロール、またはカプトプリルである、請求項98に記載のポリマー。
  100. 前記サリチレートが、サリチル酸である、請求項99に記載のポリマー。
  101. 各Xが、エステル結合であり、そしてRが、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、1〜10個の炭素原子を有する炭化水素鎖である、請求項100に記載のポリマー。
  102. 前記サリチレートが、−(2,4−ジフルオロフェニル)−サリチル酸である、請求項99に記載のポリマー。
  103. 各Xが、エステル結合であり、そしてRが、二価の、分枝鎖または非分枝鎖の、1〜15個の炭素原子を有する炭化水素鎖である、請求項102に記載のポリマー。
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