JP2005509594A - Nadシンテターゼ阻害剤およびその使用 - Google Patents

Nadシンテターゼ阻害剤およびその使用 Download PDF

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ジェイ. デルーカス、ローレンス
ジー. ブルイレット、クリスティー
イー. ヴェル、サダナンダン
キム、ヨン−チョル
モウ、リューアン
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バーチャル ドラッグ ディヴェロップメント、インコーポレイティッド
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Abstract

【化1】
Figure 2005509594

微生物NADシンテターゼ酵素を阻害する化合物が開示される。例えば、式Ar−X−Ar−Y−L−Z−Q(式中、QはQArまたはArであり;Ar、Ar、およびArは独立して、1以上の置換基で置換されていてもよい、アリールまたはヘテロアリールであり;X、Y、およびZは独立して、共有結合または1以上のC、H、N、O、S原子を含む基からなる群から選ばれ;Lはリンカーであり;Qは、置換基を有していてもよい、アルキレニル、アルキレニルカルボニルオキシアルキル、またはアルキレニルカルボニルアミノアルキル基;共有結合;アミジンもしくはグアニジン官能基を含み、アミジンもしくはグアニジンがアルキルでN置換されていてもよい基;または双性イオンである)の化合物またはその医薬上許容される塩が開示される。例えば、哺乳動物または植物における微生物感染の治療または予防、原核生物の死滅、原核生物の増殖の減少、微生物によって汚染された物質または環境の消毒、食用動物の生産量の増加、有害生物または昆虫による植物への害の制御、および農業テロへの対抗における、本発明の化合物の使用を含む方法が開示される。本発明の化合物の作用を受ける微生物の例は、細菌および真菌である。

Description

関連出願の参照
本願は2000年7月14日に出願された同時係属中の米国特許出願第09/617,258号の一部係属出願であり、前記出願は1999年6月30日に出願された国際出願第PCT/US99/14839号の継続出願であり、前記出願は1999年1月14日に出願された国際出願第PCT/US99/00810号の一部係属出願であって、1998年8月25日に出願された米国仮特許出願第60/097,880号および1998年1月14日に出願された米国仮特許出願第60/071,399号の利益を主張するものである。本願はまた、2000年6月29日に出願された同時係属中の米国特許出願第09/606,256号の一部係属出願(前記出願は1999年6月29日に出願された米国仮特許出願第60/141,436号の利益を主張する)、および2000年6月29日に出願された第PCT/US00/18029号の一部係属出願である。本願はまた、2001年7月13日に出願された国際出願第PCT/US01/22203号の一部係属出願であり、前記出願は2000年7月14日に出願された米国仮特許出願第60/218,405号の利益を主張するものである。ここで述べられた関連出願のすべての開示は、引用することにより本明細書に組み入れられる。
連邦政府が出資した研究開発に関する声明
明細書中の本発明に寄与したいくつかの研究は、アメリカ合衆国の政府機関、国防総省国防高等研究事業局からの助成金によって部分的に援助された。政府がこの発明についてある種の権利を有する場合がある。
発明の分野
本発明は概して抗微生物剤に関し、特に、細菌および真菌などの微生物のニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)シンテターゼ酵素の阻害剤に関する。本発明はまた、哺乳動物への微生物感染の治療または予防方法における、微生物汚染に対する環境の処置方法における、農業、例えば、食用作物の栽培および食用動物の飼育における、例えば、器具、装置、部屋および/または人々の消毒、滅菌、汚染を除去するための医薬における、および生物テロ、例えば、農業テロ(agroterrorism)への対抗における使用を含む、これらの抗微生物剤の種々の使用に関する。
発明の背景
薬剤耐性感染性細菌、すなわち抗菌および抗微生物化合物の存在によって死滅または阻害されない細菌は、憂慮すべきほど深刻な世界規模の健康問題になってきた。Rubenstein, Science, 264, 360 (1994)。代替薬物による治療が発見されない限り、多くの細菌感染症がすぐに治療不能になるであろうといわれている。
50年近く前のペニシリンの導入以来、抗微生物または抗菌耐性が確認されてきた。当時は、ペニシリン耐性感染症は、急速に出現した黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が原因となっていた。今日では世界中の病院が、今日一般に使用されている1以上の抗微生物剤および抗菌剤に耐性を持つ微生物の急速な出現および蔓延という課題に直面している。様々な抗生物質耐性菌株が現在出現しており、以下に要約するものを含め、人間および動物の集団の脅威になりつつある:
メチシリンおよび他の抗生物質に耐性を持つ黄色ブドウ球菌株は、病院特有のものである。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)株の感染症もまた、病院ではない環境で増加する可能性がある。バンコマイシンが、MRSA感染症に対する唯一の効果的な治療である。特に問題となる観察結果は、バンコマイシンに対する感受性が低下した黄色ブドウ球菌株が最近日本および米国で出現してきたことである。バンコマイシン耐性株の出現は、医師および患者に重大な問題を提起するだろう。
バンコマイシンへの依存の増加が、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、すなわち外傷、尿路および他の部位に感染する細菌の出現を招いた。1989年まで、このような耐性は米国の病院では報告されていなかった。しかしながら、1993年までに疾病対策センター(「CDC」)に報告された腸球菌の院内感染の10%超は耐性を有するものであった。
肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)は、毎年米国内で数千件の髄膜炎および肺炎、並びに700万件の耳感染の原因になっている。現在のところ、肺炎連鎖球菌の分離株の約30%が、この感染症の治療に最初に使用された薬剤であるペニシリンに対して耐性を有している。多くのペニシリン耐性株は、他の抗微生物剤または抗菌剤に対しても耐性を有している。
多剤耐性結核菌(MDR−TB)株がここ10年にわたり出現しており、HIVに感染した人々に特別の脅威をもたらしている。薬剤耐性株は、薬剤に感受性のある株と同程度の伝染性を有している。MDR−TBは治療がさらに困難で、かつ治療に非常に費用がかかり、患者は不十分な治療により、より長く感染状態が続いている可能性がある。ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の多剤耐性株もまた、米国を含む数カ国で出現している。
下痢性疾患は、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、カンピロバクター菌(Campylobacter)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、大腸菌(Escherichia coli)およびサルモネラ菌(Salmonella)などの極めて病原性の高い細菌の耐性株が出現している、主に発展途上国で、年間ほぼ300万人の死者をもたらしている。さらに、最近米国内でサルモネラ食中毒が発生している。アンピシリン、サルファ剤、ストレプトマイシン、テトラサイクリンおよびクロラムフェニコールに対して耐性があるネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)として知られている潜在的に危険な「超強力な細菌(superbug)」が、ヨーロッパ、カナダおよび米国で疾病を引き起こしている。
抗微生物耐性は、その公衆衛生に対する悪影響に加えて、医療費の増加の一因となっている。抗生物質耐性感染症の治療は、しばしばより高価な、またはより毒性のある薬物の使用を必要とし、感染患者の長期間入院の原因となり得る。米国科学アカデミー(the National Academy of Sciences)の部会である米国医学研究所(the Institute of Medicine)は、米国内における抗生物質耐性感染症の治療のための年間コストは300億ドルにものぼるだろうと概算している。
さらに、食用動物用飼料における抗生物質の使用、並びにかかる使用が薬剤耐性の発達に寄与する程度が、近時、議論されており、例えば、C. Marwick、「Animal Feed Antibiotic Use Raises Drug Resistance Fear」、Journal of the American Medical Association, 282(2):120-2, July 14, 1999、およびT. R. Shryock、「Relationship between usage of antibiotics in food-producing animals and the appearance of antibiotic resistant bacteria」、International Journal of Antimicrobial Agents, 12(4):275-8, Aug 1999を参照のこと。抗生物質並びに殺生剤の使用によって、抗生物質または薬剤に耐性を有する生物がもたらされ、例えば、A. D. Russel、「Mechanisms of bacterial resistance to antibiotics and biocides」、Progress in Medicinal Chemistry, 35:133-97, 1998を参照のこと。
さらに、胞子形成細菌(spore-forming bacteria)は致死性がある。例えば、炭疽菌(Bacillus anthracis)は、致命的な疾患、炭疽を引き起こす。炭疽菌(B. anthracis)に対する現在利用可能なワクチンの効力は不明確である。さらに、テロリストが抗生物質耐性株、例えば、炭疽菌抗体によって認識されないよう作り出された株、またはビルレンス遺伝子を運ぶように作り出された一般の細菌を使用することもあり得る。(例えば、T. C. Dixonら、「Anthrax」、New England Journal of Medicine, 341 (11), 815-826, Sept. 1999を参照のこと)。前述のことは、胞子形成細菌、特に、炭疽菌または炭疽菌のビルレンス遺伝子を運ぶ細菌に対する新規な処置の必要性があることを示している。
さらに、重篤な真菌感染の発生率が、全身または局所のいずれでも、植物、動物、およびヒトに関して増加し続けている。真菌は、酵母と呼ばれる単一細胞のコロニーにおいて、または糸状菌(mold)と呼ばれる糸状多細胞集合体において増殖する植物様の真核生物である。多くの真菌は環境中に普通に見られ、植物または哺乳動物には有害ではないが、陸生植物の寄生菌であるものもあれば、ヒトおよび動物において疾患を引き起こすものもある。ヒトの中に存在する場合、糸状菌性(真菌性)疾患には、伝染性の皮膚および毛髪感染、非伝染性の全身性感染、並びに非伝染性の食品媒介毒血症が含まれる。そのような感染の発生率はわずかとはいえず、米国では、人口のおよそ10%が伝染性の皮膚および毛髪感染に罹患している。健康な人が生命にかかわる全身性の真菌感染を発症することはほとんどないが、例えば、妊娠、先天性胸腺異常または後天性免疫不全症候群(AIDS)において見られるような免疫無防備状態の個体は、重症になり得る。このことは、真菌感染が臓器移植者および癌患者における主な死亡原因となっているという事実によってさらに説明される。
多くの抗真菌剤が、非全身性の真菌感染に対する局所用途用に開発されてきた。しかしながら、全身性の真菌感染の治療、特に免疫無防備状態の宿主における治療は、感染性疾患の化学療法における主要な目標であり続けている。全身性感染に最も共通して関与している生物には、カンジダ菌(Candida spp.)、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)およびアスペルギルス(Aspergillus spp.)が含まれるが、多数の新生の病原体が存在する。現在使用されている全身性薬物の主なクラスはポリエン(例えば、アムホテリシンB)およびアゾール(例えば、フルコナゾール)である。これらの薬剤はその他の点では健康な患者にはいくらか効果があっても、極めて免疫無防備状態の個体においては無力である。さらに、これらの抗真菌剤をいくつかの個体において無効とする薬剤耐性が重大な問題になってきている。
全身性抗真菌剤の数が限られている1つの理由は、細菌(これらは原核生物である)とは違い、酵母および糸状菌は真核生物であるという事実に関連している。従って、酵母および糸状菌の生化学的性質は、真核生物のヒトおよび動物の細胞によりよく似ている。一般的に、このことが、酵母または糸状菌において、ヒトおよび動物における近似物(close analog)を有する必須酵素または生化学的経路を選択的に標的とする抗真菌剤の開発が困難にしている。
さらに、多くの一般の農薬(pesticides)、殺真菌薬または殺菌薬に関連する毒性または発癌性などのリスクの観点から、環境中の有害生物(pest)、または害虫、並びに、植物および食用作物における微生物による疾患を制御する新規なアプローチが必要であり、例えば、D. W. WongおよびG. H. Robertson、「Combinatorial chemistry and its applications in agriculture and food」、Advances in Experimental Medicine & Biology, 464:91-105, 1999並びに S. H. ZahmおよびM. H. Ward、「Pesticides and childhood cancer」、Environmental Health Perspectives, 106, Suppl. 3:893-908, June 1998を参照のこと。
生物テロ、特に農業生物テロ(あるいは農業テロ)は、現在この国(米国)だけでなく世界中の多くの国で大きな懸念材料となっている。例えば、Joseph W. Foxell, Jr., 「Current Trends in Agroterrorism (Antilivestock, Anticrop, and Antisoil Bioagricultural Terrorism) and Their Potential Impact on Food Security」、in Studies in Conflict & Terrorism, 24, 107-129 (2001); Mark Wheelis、「Agricultural Biowarfare and Bioterrorism - An Analytical Framework and Recommendations for the Fifth BTWC Review Conference」、14thWorkshop of the Pugwash Study Group on the Implementation of the Chemical Biological Weapons Conventions、Geneva、Switzerland、November 2000; Radford G. David、「Agricultural Bioterrorism - New Frontiers」、in Biowarfare、October 2001; Robert P. Kadlec, Chapter 10、Biological Weapons for Waging Economic Warfare, Battle of the Future, 21st Century Warfare Issues, Aerospace Power Chronicles; Senator Kay Bailey Hutchison, S.1563, The Agricultural Bioterrorism Countermeasures Act of 2001, Senate Floor Speech, October 17, 2001 page S. 10796を参照のこと。
上記に挙げられたように、新規の抗微生物剤、特に現在使用されている抗微生物剤とは異なるメカニズムにより作用する抗微生物剤の開発が必要である。ヒトまたは動物の患者に付随する望ましくない副作用を起こさせることなく微生物を優先的に攻撃し、有害生物を死滅させまたは不活性化する抗微生物剤の開発が必要である。
微生物感染を予防または治療する方法、環境を処置する方法、食用作物および動物を処置する方法、目的物の汚染を除去する方法、および/または生物テロ、特に農業生物テロに対抗する方法もまた必要である。
本発明の利点並びに本発明の特徴を以下の記載より明らかにする。
発明の要旨
本発明により、以前より知られる抗微生物剤のいくつかの欠点が改良される。本発明は、適切なリンカーによって結合された2つのアリール部分を含む抗微生物剤を提供し、該抗微生物剤は、微生物のNADシンテターゼ酵素を阻害する。
一実施態様に基づき、本発明は式(I):
Ar−X−Ar−Y−L−Z−Q (I)
(式中、QはQArまたはArであり;Ar、Ar、およびArは独立して、1以上の置換基で置換されていてもよい、アリールまたはヘテロアリールであり;X、YおよびZは独立して、共有結合または1以上のC、H、N、O、S原子を含む基からなる群から選択され;Lはリンカーであり、並びにQは、置換基を有していてもよい、アルキレニル、アルキレニルカルボニルオキシアルキル、もしくはアルキレニルカルボニルアミノアルキル基;共有結合;アミジンもしくはグアニジン官能基を含み、アミジンもしくはグアニジンがアルキルでN置換されていてもよい基;または双性イオンである)の化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
本発明はさらに、式A−B−(CH−O−CO−CH−Ph(NMe(式中、Aは、ベンジルオキシ基で置換されていてもよい、フェニルまたはインドールであり;Bは共有結合または酸素原子であり;nは1〜15であり;およびIは医薬上許容される陰イオンである)の化合物を提供する。
さらに本発明は、治療有効量または治療予防量の微生物NADシンテターゼ酵素阻害剤化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における微生物感染を治療または予防する方法を提供する。さらにまた、NADの産生を減少させるかまたは無くし、それにより原核生物が死滅する量の原核生物NADシンテターゼ酵素阻害剤を用いて、原核生物を死滅させる方法が提供される。さらに、NADの産生を減少させるかまたは無くし、それにより原核生物の増殖を減少させるのに有効な量の原核生物NADシンテターゼ酵素阻害剤に原核生物を接触させることを含む、原核生物の増殖を減少させる方法を提供する。さらに、微生物NADシンテターゼ酵素阻害剤を含む消毒組成物を提供する。さらにまた本発明は、微生物を死滅させるかまたは不活性化させるために十分な量の微生物NADシンテターゼ酵素阻害剤化合物に汚染された物質を接触させることを含む、微生物によって汚染された物質を消毒する方法を提供する。本発明は、微生物NADシンテターゼの酵素活性を阻害する化合物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における微生物感染を治療または予防する方法を提供する。
本発明は、一実施態様において、NADシンテターゼ阻害剤は、酵母などの真菌の増殖の阻害には非常に効果的であるが、動物においては中程度の毒性のみを示すという発見に部分的に基づいている。従って、本発明は、植物における寄生酵母および糸状菌の感染などの真菌感染を防止または制御するための、並びにヒトおよび動物における真菌感染の局所的および全身的な予防または治療のための抗真菌剤としてのNADシンテターゼ阻害剤の使用を含む。さらに本発明は、NADの産生を減少させるかまたは無くし、それにより真菌が死滅する量のNADシンテターゼ酵素阻害剤を用いて、真菌を死滅させる方法を提供する。本発明はまた、NADの産生を減少させるかまたは無くし、それにより真菌の増殖を減少させるのに有効な量のNADシンテターゼ酵素阻害剤に酵母を接触させることを含む、真菌の増殖を減少させる方法を提供する。
本発明はまた、食用動物に感染することができる微生物のNADシンテターゼ阻害剤の少なくとも1種の有効量を食用動物に投与することを含む、食用動物の生産性を増加させる方法を提供する。本発明はさらに、胞子形成細菌のNADシンテターゼ阻害剤の少なくとも1種の有効量で動物の環境を処置することを含む、動物における胞子形成細菌による感染を治療または予防する方法を提供する。
本発明はさらに、細菌のNADシンテターゼ阻害剤の少なくとも1種の有効量で環境を処置することを含む、環境における胞子形成細菌の栄養細胞を死滅させる方法を提供する。
本発明はまた、真菌または細菌のNADシンテターゼ阻害剤の少なくとも1種の有効量で植物または植物の環境を処置することを含む、植物における真菌または細菌による疾患を処置する方法を提供する。本発明はさらに、有害生物のNADシンテターゼ酵素阻害剤の農薬としての有効量に、植物またはその環境を接触させることを含む、有害生物による植物への害を処置または予防する方法を提供する。
本発明はさらに、上記化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、微生物のNADシンテターゼ酵素の二量体の接合部分に結合する化合物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における微生物感染を治療または予防する方法を提供する。
本発明はさらに、感染剤のNADシンテターゼを阻害するために有効な量の化合物で目的物を処置することを含む、目的物上の感染剤を伴う農業テロに対抗する方法を提供する。
発明の詳細な説明
本発明は、式1:
Figure 2005509594
(式中、nは1〜12の整数であり、R1−R7はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは置換された環状または脂肪族基、分枝したまたは分枝していない基であり、リンカーは環状または脂肪族の、分枝したまたは分枝していないアルキル、アルケニルまたはアルキニル基であり、該リンカーはヘテロ原子を含んでいてもよい。
1−R7はまた、以下の基:H、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリールの1つであってもよい。R1−R7は、さらに、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、アミノ、アミジノ、グアニジノ、カルボキシレート、アミド、スルホネート、もしくはハロゲン、またはこれらの基の一般の誘導体であってもよい。nは3〜10、より好ましくは5〜9、さらにより好ましくは6〜9の整数であってもよいことに留意されたい。「アリール」部分は、同一であっても異なっていてもよい。)を有する微生物NADシンテターゼ酵素阻害剤を提供する。
例として、本発明は、式2:
Figure 2005509594
(式中、Xは単環式または二環式部分内のC、N、OまたはSであり、AおよびBは、リンカーのそれぞれの結合部位を示し、nは1〜12の整数であり、R1−R7はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは置換された環状基、または脂肪族基、あるいは分枝したまたは分枝していない基であり、リンカーは、飽和もしくは不飽和の環状基または脂肪族の分枝したもしくは分枝していないアルキル、アルケニルもしくはアルキニル基であり、該リンカーはヘテロ原子を含んでいてもよい。
1−R7はまた、以下の基:H、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアリール基の1つであってもよい。R1−R7は、また、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、アミノ、アミジノ、グアニジノ、カルボキシレート、アミド、スルホネートもしくはハロゲン、またはこれらの基の一般の誘導体であってもよい。当業者は、どのような部分がこれらの基の誘導体を構成すると考えられるかを理解するであろう。さらに実施態様において、nは3〜10、より好ましくは5〜9、さらにより好ましくは6〜9の整数であってもよい。)を有する微生物NADシンテターゼ酵素阻害剤を提供する。
実施態様において、リンカーは、式A−(C,ヘテロ原子)n−Bを有する。例えば、リンカーはアミド、エステル、エーテル、またはそれらの組み合わせであってよい。
本発明は、実施態様において、式(I):
Ar−X−Ar−Y−L−Z−Q (I)
[式中、QはQArまたはArであり;
Ar、ArおよびArは独立して、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C1−C6アルコキシC−C6アルキル、ハロ、アミノ、C1−C6アルキルアミノ、C1−C6ジアルキルアミノ、C1−C6トリアルキルアミノ、C1−C6アルキルアミノC1−C6アルキル、C1−C6ジアルキルアミノC1−C6アルキル、C1−C6トリアルキルアミノC1−C6アルキル、アジド、アミンオキシド、ヒドロキシ、カルボキシル、C1−C6アルキルカルボニル、C1−C6アルキルカルボニルC1−C6アルキル、C1−C6アルキルカルボニルオキシ、C1−C6アルキルカルボニルオキシC1−C6アルキル、C1−C6アルキルオキシカルボニルC1−C6アルキル、C1−C6アルキルオキシカルボニル、C1−C6アルキルチオ、ニトロ、ニトロシル、シアノ、ヒドロキシルアミノ、スルホンアミド、C1−C6ジアルキルスルホンアミド、C1−C6アルキルカルボニルアミノ、ホルミル、ホルミルアミノ、メルカプチル、および複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい、アリールまたはヘテロアリールであり;ヘテロアリールAr、Ar、またはArの環窒素原子は4級化されていてもよく;
X、YおよびZは独立して、共有結合、(CHO、O(CH、(CHO)、(OCH、(CHCHO)、(OCHCH、C(=O)O、OC(=O)、OC(=O)O、(CHS、S(CH、(CHS)、(SCH、NH、NR、NR、C(=O)NH、C(=O)NR、NHC(=O)、NR(C=O)、CH(OH)、およびCH(OR)(ここで、RはC1−C6アルキルであり、mは0〜5である)からなる群から選ばれ;
Lは{(CR−(W)−(CR(ここで、R−Rは独立して、H、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C1−C6アルコキシC−C6アルキル、ハロ、アミノ、C1−C6アルキルアミノ、C1−C6ジアルキルアミノ、アジド、ヒドロキシ、アルデヒド、C1−C6アセタール、C1−C6ケタール、C1−C6アルキルカルボニル、C1−C6アルキルカルボニルC1−C6アルキル、C1−C6アルキルカルボニルオキシ、C1−C6アルキルカルボニルオキシC1−C6アルキル、C1−C6アルキルチオ、ニトロ、ニトロシル、シアノ、スルホンアミド、C1−C6アルキルカルボニルアミノ、または複素環であり;Wは脂環式の環、芳香環、複素環、脂環式の環、複素環および/または芳香環の組み合わせ、C−C6アルケニル、ジエニル、C−C6アルキニル、C1−C6アルコキシ、C−C6アルケニルオキシ、C−C6アルキニルオキシ、無水物、エノール、ケテン、アミノ、イミノ、ヒドラジニル、エポキシ、エピスルフィド、アミド、アミンオキシド、尿素、ウレタン、エステル、チオエステル、カーボネート、カルボニル、チオカルボニル、スルホニル、ジアゾ、スルホンアミド、エーテル酸素、エーテル硫黄、チオニル、シリル、パーオキサイド、ラクタム、ラクトン、フェニレン、単糖、二(dri)糖、三糖および高級多糖、核酸、アミノ酸、ホスホニル、ホスホリル、およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる部分であり;q、r、およびtは独立して0〜20であり;q、r、およびtは同時に0ではなく;そしてpは1〜6である)であり;Lは、O、NまたはSをさらに含んでいてもよく;並びに
は、(i)アミノ、C1−C6アルキルアミノ、C1−C6ハロアルキルアミノ、C1−C6ハロアルキルC1−C6アルキルアミノ、C1−C6ヒドロキシアルキルアミノ、C1−C6ヒドロキシアルキルC1−C6アルキルアミノ、C1−C6ジアルキルアミノ、C1−C6トリアルキルアミノ、および4級化されていてもよい窒素原子を含む複素環からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい、C1−C6アルキレニル、C1−C6アルキレニルカルボニルオキシC1−C6アルキル、またはC1−C6アルキレニルカルボニルアミノC1−C6アルキル基、(ii)C−C6アルキレニル;(iii)メチレニル、ただし、QがQAr(ここで、Arは、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、もしくはトリメチルアミノでパラ置換されたフェニルであるか、またはArはピリジルもしくはN−メチルピリジルである)であるとき、Zは共有結合またはO(C=O)以外である;(iv)共有結合、ただし、Arがピリジル、N−メチルピリジル、またはトリメチルアミノメチル基でパラ置換されたフェニルであるとき、Zは共有結合またはO(C=O)以外である;(v)アミジンまたはグアニジン官能基を含み、アミジンまたはグアニジンがC1−C6アルキルでN置換されていてもよい基;あるいは(vi)双性イオンである]の化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
Ar、Ar、およびArのアリールは、1〜3個の芳香環、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル、好ましくはフェニルを含む。Ar、Ar、およびArのヘテロアリールは、1〜3個の環を含み、1以上の環はO、N、またはS、好ましくはNを含む。ヘテロアリールの例には、インドール、ベンゾピラノン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールが含まれる。
本発明の化合物の実施態様において、Arは、フェニル、またはC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C1−C6アルコキシC−C6アルキル、ハロ、アミノ、C1−C6アルキルアミノ、C1−C6ジアルキルアミノ、C1−C6トリアルキルアミノ、C1−C6アルキルアミノC1−C6アルキル、C1−C6ジアルキルアミノC1−C6アルキル、C1−C6トリアルキルアミノC1−C6アルキル、アジド、アミンオキシド、ヒドロキシ、カルボキシル、C1−C6アルキルカルボニル、C1−C6アルキルカルボニルC1−C6アルキル、C1−C6アルキルカルボニルオキシ、C1−C6アルキルカルボニルオキシC1−C6アルキル、C1−C6アルキルオキシカルボニルC1−C6アルキル、C1−C6アルキルオキシカルボニル、C1−C6アルキルチオ、ニトロ、ニトロシル、シアノ、ヒドロキシルアミノ、スルホンアミド、C1−C6ジアルキルスルホンアミド、C1−C6アルキルカルボニルアミノ、ホルミル、ホルミルアミノ、メルカプチル、および複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されたフェニルである。
本発明の化合物の好ましい実施態様において、Arは、フェニル、またはC1−C6アルコキシ、ハロ、アミノ、C1−C6アルキルアミノ、C1−C6ジアルキルアミノ、アジド、C1−C6アルキルカルボニルオキシ、C1−C6アルキルチオ、ニトロ、シアノ、スルホンアミド、C1−C6ジアルキルスルホンアミド、C1−C6アルキルカルボニルアミノ、および複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されたフェニルである。
本発明の化合物の実施態様には、Arがフェニル、または1以上のC1−C6アルコキシで置換されたフェニル、詳細には1以上のメトキシもしくはプロポキシで置換されたフェニルである化合物が含まれる。本発明の化合物の実施態様にはまた、Arが1以上のハロ、詳細には1、2、または3個のクロロまたはフルオロで置換されたフェニルである化合物が含まれる。本発明の化合物の実施態様にはまた、Arが1以上のC1−C6ジアルキルアミノ、詳細にはN,N−ジメチルアミノで置換されたフェニルである化合物が含まれる。本発明の化合物の実施態様にはさらに、Arが1以上のアジド、ニトロ、およびシアノで置換されたフェニルである化合物が含まれる。本発明の化合物の実施態様にはまた、Arが1以上のC1−C6ジアルキルスルホンアミド、詳細にはN,N−ジメチルスルホンアミドで置換されたフェニルである化合物が含まれる。本発明の化合物の実施態様にはまた、Arが1以上のC1−C6アルキルカルボニルオキシ、詳細にはアセトキシで置換されたフェニルである化合物が含まれる。本発明の化合物の実施態様にはまた、Arが1以上のC1−C6アルキルカルボニルアミノ、詳細にはアセチルアミノで置換されたフェニルである化合物が含まれる。本発明の化合物の実施態様にはまた、Arが1以上のC1−C6アルキルチオ、詳細にはメチルチオで置換されたフェニルである化合物が含まれる。本発明の化合物の実施態様にはまた、Arが1以上の複素環、詳細にはジアゾリルで置換されたフェニルである化合物が含まれる。
本発明に従い、実施態様には、Arが、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、およびC1−C6アルキルオキシカルボニルからなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよいフェニルである化合物が含まれる。好ましい実施態様において、Arはフェニルである。
本発明に従い、実施態様にはまた、Arが、インドリル、またはC1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、およびC1−C6アルキルオキシカルボニルからなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されたインドリルである化合物が含まれる。好ましい実施態様において、Arはインドリル、詳細には1以上のC1−C6アルキルカルボニルオキシで置換されたインドリルである。別の好ましい実施態様において、Arはベンゾピラノニルである。
本発明に従い、実施態様には、Arが、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、アミノ、C1−C6アルキルアミノ、C1−C6ジアルキルアミノ、C1−C6トリアルキルアミノ、およびニトロからなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい、フェニル、インドリル、またはピリジルである化合物が含まれる。特別の実施態様において、Arは、1以上のC1−C6トリアルキルアミノ、好ましくはN,N,N−トリメチルアミノで置換されていてもよいフェニルである。別の実施態様において、Arはインドリルである。
本発明の一実施態様に従い、QはArであり、QはC1−C6トリアルキルアミノを有していてもよいC1−C6アルキレニルカルボニルオキシC1−C6アルキルであり、例えば、トリメチルアミノエチレニルカルボニルオキシt−ブチルである。
別の実施態様に従い、QはQArであり、ここで、QはC1−C6トリアルキルアミノまたは4級化された窒素原子を含む複素環を有していてもよい、C1−C6アルキレニルである。Qの例には、メチレニルおよびトリメチルアミノエチレニル、およびN−アルキルピロリジニル、N−アルキルピペリジニル、またはN,N−ジアルキル−N−テトラヒドロピラニル置換基を有するエチレニルが含まれる。ある実施態様において、例えば、ArがN−メチルピリジニルであって、ZがNH(C=O)またはNR(C=O)であるとき、Qは共有結合、好ましくは単結合である。
本発明の化合物の好ましい実施態様において、ZはNH(C=O)またはNR(C=O)、より好ましくはNH(C=O)である。
本発明の一実施態様において、Qは双性イオン、例えば、天然または合成アミノ酸の内部塩である。本発明の他の実施態様において、Qは、アミジンまたはグアニジン官能基を含み、アミジンまたはグアニジンがC1−C6アルキルでN置換されていてもよい基である。
本発明の化合物の好ましい一実施態様において、tは0である。特に好ましい実施態様において、R1−R4はHである。別の好ましい実施態様において、qおよびrは独立して1〜7である。さらに別の好ましい実施態様において、pは1〜4である。よりさらに好ましい実施態様には、qおよびrが1であり、qおよびrが2であり、並びにqおよびrの一方が1であって、qおよびrの他方が2である化合物が含まれる。
本発明の化合物の一実施態様において、Xは、CHO、(C=O)O、および共有結合からなる群から選ばれる。本発明の別の実施態様において、Yは、共有結合およびOからなる群から選ばれる。共有結合の例は単結合である。さらに別の本発明の実施態様において、Zは、O(C=O)、共有結合、NH(C=O)、NR(C=O)、O、NR、およびNRからなる群から選ばれる。
本発明の具体的な化合物には、Arが、フェニル、またはクロロ、フルオロ、メチルチオ、メトキシ、イソプロポキシ、N,N−ジメチルアミノ、アジド、ニトロ、アセトキシ、シアノ、アセチルアミノ、スルホンアミド、もしくはジアゾイルで置換されたフェニルであり;Xが、CHO、(C=O)O、または単結合であり;Arが、フェニル、インドリル、またはベンゾピラノニルであり、Arはそれぞれメトキシカルボニルで置換されていてもよく;Yが、O、(C=O)O、または単結合であり;Lが(CH(ここで、nは7〜11である)であり;Zが、O(C=O)、NH(C=O)、O、単結合、OCH、NCH、またはNであり;Qが、単結合、CH−CH(GU)−CH、(GU)CH−CH、CHCH(N)CH(ここで、GUはグアニジンであり、R、R、およびRは、アルキルまたは複素環であるか、Nとともに複素環を形成する)であり;並びにAr3がフェニル、N−メチルピリジニル、N,N,N−トリメチルアミノフェニル、またはニトロフェニルである化合物が含まれる。
具体的な実施態様には、Arがフェニルであり、XがCHOであり、Arが、フェニルまたはインドリルであり、Yが、単結合またはOであり;Lが、(CHまたは(CHであり;Zが、O、NH(C=O)、O(C=O)であり;Qが、単結合、n−プロピル、CH、CH(NMe)CH、CH−CH(GU)−CH、(GU)CH−CHであり;並びにArが、フェニル、インドリル、ヒドロキシフェニル、ニトロフェニル、およびN,N,N−トリメチルアミノフェニル(ここで、ヒドロキシ、ニトロ、およびN,N,N−トリメチルアミノ基はオルト位、メタ位またはパラ位に存在していてもよい)である化合物が含まれる。別の実施態様には、Arがオルト、メタまたはパラクロロフェニルであり;XがCHOであり;Arがフェニルであり;YがOであり;Lが(CHであり;Zが、NH(C=O)またはO(C=O)であり;Qが、CH、単結合、CH(NMe)CH、またはCH(N−メチルピロリジニル)CHであり、並びにArが、フェニル、N−メチルピリジニル、またはN,N,N−トリメチルアミノフェニルである化合物が含まれる。さらなる実施態様には、Arがジクロロフェニル(ここで、塩素原子は2,3;2,4;2,5;2,6;3,4;3,5;または3,6位にあってもよい)であり;Xが、(C=O)OまたはCHOであり;Arがフェニルであり;YがOであり;Lが(CHであり;ZがNH(C=O)であり;Qが、単結合、CH、CH(NMe)CHであり;並びにArが、フェニル、N−メチルピリジニル、またはN,N,N−トリメチルアミノフェニルである化合物が含まれる。さらなる実施態様には、Arがトリクロロフェニル(ここで、塩素原子は2,3,4;2,4,5;2,5,6;3,4,5;または3,5,6位にあってもよい)であり;Xが(C=O)Oであり;Arがフェニルであり;YがOであり;Lが(CHであり;ZがNH(C=O)であり;Qが、CH、CH(NMe)CHであり;並びにArが、フェニルまたはN,N,N−トリメチルアミノフェニルである化合物が含まれる。別の実施態様には、Arがオルト、メタまたはパラフルオロフェニルであり;Xが(C=O)Oであり;Arがフェニルであり;YがOであり;Lが(CHであり;ZがNH(C=O)であり;QがCH(NMe)CHであり;およびArがフェニルである化合物が含まれる。さらなる実施態様には、Arがジフルオロフェニル(ここで、フッ素原子は2,3;2,4;2,5;2,6;3,4;3,5;または3,6位にあってもよい)であり;Xが(C=O)Oであり;Arがフェニルであり;YがOであり;Lが(CHであり;ZがNH(C=O)であり;QがCH(NMe)CHであり;およびArがフェニルである化合物が含まれる。さらなる実施態様には、Arがトリフルオロフェニル(ここで、フッ素原子は2,3,4;2,4,5;2,5,6;3,4,5;または3,5,6位にあってもよい)であり;Xが(C=O)Oであり;Arがフェニルであり;YがOであり;Lが(CHであり;ZがNH(C=O)であり;Qが、単結合、CH、またはCH(NMe)CHであり;およびArが、フェニルまたはN−メチルピリジニル、またはN,N,N−トリメチルアミノフェニルである化合物が含まれる。さらなる実施態様には、Arが、メトキシフェニルまたはイソプロポキシフェニル(ここで、メトキシまたはイソプロポキシ基は、オルト位、メタ位またはパラ位に存在していてもよい)であり;Xが、(C=O)OまたはCHOであり;Arがフェニルであり;YがOであり;Lが(CHであり;Zが、NH(C=O)またはO(C=O)であり;Qが、単結合、CH、またはCH(NMe)CHであり;およびArが、フェニルまたはN−メチルピリジニル、またはN,N,N−トリメチルアミノフェニルである化合物が含まれる。上記の実施態様において、Qは、好ましくはQArである。
本発明の化合物の特別の例には:
Figure 2005509594
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Figure 2005509594
Figure 2005509594
Figure 2005509594
(式中、Iは医薬上許容される陰イオンである)が含まれる。
上記の化合物は、不斉中心が存在する場合には適切な立体配置をとることができる。従って、該化合物は、R体、S体、またはR体とS体との混合物であってもよい。さらに、上記化合物において、使用するアミノ酸は、天然の(L)体または非天然の(D)体であってもよい。
式(I)の上記化合物の実施態様には:
Figure 2005509594
Figure 2005509594
Figure 2005509594
Figure 2005509594
Figure 2005509594
が含まれる。
本発明は、別の実施態様において、式A−B−(CH−O−CO−CH−Ph(NMe(式中、Aは、ベンジルオキシ基で置換されていてもよい、フェニルまたはインドールであり;Bは、共有結合または酸素原子であり;およびIは医薬上許容される陰イオンである)の化合物を提供する。例えば、Aは、ベンジルオキシ、クロロベンジルオキシ、またはメトキシベンジルオキシ基で置換されたフェニル基である。クロロまたはメトキシ基は、オルト、パラ、メタ位のいずれにあってもよい。実施態様において、クロロまたはメトキシ基は、オルトまたはパラ位にある。さらなる例には、Aがベンジルオキシで置換されたインドールである化合物が含まれる。
本発明の上記実施態様の化合物の具体的な例には:
Figure 2005509594
Figure 2005509594
Figure 2005509594
Figure 2005509594
(式中、Iは医薬上許容される陰イオンである)からなる群から選ばれる化合物が含まれる。
好ましい一実施態様において、NADシンテターゼ阻害剤は、構造2’:
Figure 2005509594
(式中、アリール1は、インドリルまたはフェニルであり;アリール2は、フェニル、ピリジニル、インドリル、またはキノリニルであり;およびリンカーは、−(CH2n−、−(CH2n−O−C(=O)−、−O(CH2n−O−C(=O)−、−(CH2n−O−C(=O)CH2−、または−O(CH2n−O−C(=O)CH2−である)を有する。
例えば、構造2、2’および4において、R1−R3は独立して、H、アリールオキシ、ヒドロキシアリール、アリールC1−C6アルコキシ、C1−C6アルコキシ、C1−C6アルコキシカルボニル、C1−C6アルキル、C1−C6アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ニトロ、ハロ、カルボキシ、ハロC1−C6アルキル、パーハロ(perhalo)C1−C6アルキル、トリフェニルメトキシ、フェニルカルボニルアミノ、C1−C6アルコキシカルボニルC2−C6アルケニル、アリールカルボニルC2−C6アルケニル、ベンゾフラニルカルボニル、C1−C6アルキルベンジルフラニルカルボニル、アリールアミノカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アミノカルボニル、C1−C6アルコキシカルボニルアミノ、フタリジミド(phthalidimido)、モルホリノ、ピロリジニル、フェニルヒダントイニル、およびアセチルピペラジニルからなる群から選択され;並びにR6−R7は独立して、H、C1−C6アルキルアミノ、C1−C6ジアルキルアミノ、C1−C6トリアルキルアンモニウム、C1−C6 N−アルキル、およびCl−C6アルコキシカルボニルからなる群から選択される。一実施態様において、R3−R4は独立してHである。
いくつかの実施態様においては、アリール1はインドリルである。いくつかの別の実施態様においては、アリール1はフェニルである。特定の実施態様においては、アリール2はフェニルである。特定の別の実施態様においては、アリール2はピリジニルである。さらなる実施態様においては、アリール2はキノリニルである。別の実施態様においては、アリール2はインドリルである。
特定の実施態様において、詳しくは、アリール1は、インドリルまたはフェニル、より詳細にはインドリルである場合、R1−R3は独立して、H、フェノキシ、ヒドロキシフェニル、ベンジルオキシ、メトキシ、メトキシカルボニル、イソプロピル、ブチル、アセチル、フェニルカルボニル、ニトロ、フルオロ、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフェニルメトキシ、フェニルカルボニルアミノ、メトキシカルボニルエテニル、フェニルカルボニルエテニル、ベンゾフラニルカルボニル、ブチルベンジルフラニルカルボニル、フェニルアミノカルボニル、フェニルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、メトキシカルボニルアミノ、フタリジミド、モルホリノ、ピロリジニル、フェニルヒダントイニル、およびアセチルピペラジニルからなる群から選択される。
別の実施態様において、特に、アリール1がフェニルである場合、R1−R3は独立して、H、フェノキシ、ヒドロキシフェニル、ベンジルオキシ、アセチル、フェニルカルボニル、ニトロ、フェニルカルボニルエテニル、ベンゾフラニルカルボニル、ブチルベンジルフラニルカルボニル、フェニルアミノカルボニル、フェニルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、およびメトキシカルボニルアミノからなる群から選択される。
NADシンテターゼの阻害剤の別の例は、構造300:
Figure 2005509594
(式中、Yは、C、N、O、S、エステル、アミド、またはケトンであり、nは1〜12の整数であり、aは1〜3の整数であり、R1−R5はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは置換された環状基または脂肪族基、分枝したまたは分枝していない基、あるいはアルキル、アルケニル、もしくはアルキニル、またはアリール基である。)を有する。
NADシンテターゼの阻害剤の更なる例は、構造400:
Figure 2005509594
(式中、Yは、C、N、O、S、エステル、アミド、またはケトンであり;Zは、C、N、O、またはSであり;AAは、カルボキシルカルボニルがZに結合しているα−、β−、γ−またはδ−アミノ酸の天然または非天然の立体異性体であり、アミノ基(amino grouping)は第1級、第2級、第3級、または第4級アンモニウム化合物であってもよく;nは1〜12の整数であり;およびR1−R5はそれぞれ独立して、H、無置換もしくは置換された環状基または脂肪族基、分枝したまたは分枝していない基、あるいはアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、またはアリールアルコキシ基である。)を有する。
構造300および400において、R1−R2は、H、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、アミノ、アミジノ、グアニジノ、カルボキシレート、アミド、エステル、スルホネート、ハロゲン、アルコキシ、またはアリールオキシ基であってもよい。
NADシンテターゼの阻害剤の特別の例は、5940、5949、5951、5409、5948、5270、5939、5947、5953、および5274である:
Figure 2005509594
Figure 2005509594
Figure 2005509594
本発明はさらに、微生物(例えば、細菌または真菌)のNADシンテターゼ酵素の二量体の接合部分に結合する化合物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物への微生物(例えば、細菌または真菌)感染を治療または予防する方法を提供する。
酵母を死滅させる方法において、並びに酵母の増殖を減少させる方法において、NADシンテターゼ酵素阻害剤は、酵母NADシンテターゼ酵素の触媒部位またはサブサイトと選択的に結合して酵母によるNADの産生を減少させるかまたは無くす化合物である。このような方法において、宿主細胞には阻害活性がほとんどない、または全くないことが特に好ましい。例えば、本方法が哺乳動物における酵母活性の阻害に使用される場合、宿主のNADシンテターゼ活性への付随作用がほとんどない、または全くないことが好ましい。一実施態様において、宿主は哺乳動物である。さらなる一実施態様において、宿主は植物である。
一実施態様において、本発明は、かかる治療または予防を必要とする哺乳動物に抗真菌剤を投与することを提供する。一実施態様において、感染の原因となる真菌剤は酵母である。投与方法の別の実施態様において、抗真菌剤は本明細書中に開示された1以上の化合物を含む。
さらに本明細書中の本発明によって、好ましくは、NADの産生を減少させるかまたは無くし、それによって酵母が死滅する量の酵母NADシンテターゼ酵素阻害剤化合物を用いて、酵母を死滅させる方法が提供される。本発明はさらに、NADの産生を減少させるかまたは無くし、それによって酵母の増殖を減少させるのに有効な量の酵母NADシンテターゼ酵素阻害剤に酵母を接触させることを含む、酵母の増殖を減少させる方法を提供する。
本発明は、一実施態様において、食用動物に感染しうる微生物のNADの少なくとも1種の阻害剤の有効量を食用動物に投与することを含む、食用動物の生産性を増加させる方法を提供する。
別の実施態様において、本発明は、胞子形成細菌のNADの少なくとも1種の阻害剤の有効量で動物の環境を処置することを含む、動物における胞子形成細菌による感染を治療または予防する方法を提供する。さらなる一実施態様において、本発明は、細菌のNADの少なくとも1種の阻害剤の有効量で環境を処置することを含む、環境における胞子形成細菌の栄養細胞を死滅させる方法を提供する。胞子形成細菌の例は、生物兵器、例えば、炭疽菌である。
また別の実施態様において、本発明は、真菌または細菌のNADの少なくとも1種の阻害剤の有効量で、植物または植物の環境を処置することを含む、植物における真菌または細菌による疾患を処置する方法を提供する。さらなる実施態様において、本発明は、有害生物のNADの少なくとも1種の阻害剤の農薬としての有効量で、植物またはその環境を処置することを含む、植物を治療する方法を提供する。植物の例は食用作物である。
さらに別の実施態様において、本発明は、微生物のNADの少なくとも1種の阻害剤の有効量で目的物を処置することを含む、目的物を消毒、滅菌、または汚染除去する方法を提供する。微生物(microbe)は、微生物(microorganism)、例えば、細菌または真菌である。真菌の例は、糸状菌または酵母である。
任意の適切な目的物を、消毒、滅菌、または汚染除去することができる。適切な目的物の例には、衣類、動物、動物の器官、建造物、設備機器、家具、環境、食用作物、ニワトリ、ニワトリの皮膚、および卵、例えば、卵の殻が含まれる。本発明に従い、消毒、滅菌、または汚染除去される環境は、土地、空気、もしくは水、またはこれらの組み合わせであり得る。
環境の例には医療環境が含まれる。従って、例えば、医療装置、医療器具、病室、または手術室が消毒され得る。医療関係者もまた消毒または汚染除去され得る。本発明に従い、移植可能な医療装置、例えば、カテーテルなどの医療装置が消毒、滅菌、または汚染除去され得る。手術用機器などの医療器具もまた、消毒、滅菌、または汚染除去され得る。さらに、ヒトを含む動物の器官が消毒または汚染除去され得る。器官の例は消化管である。
さらなる実施態様において、本発明は、昆虫のNADの少なくとも1種の阻害剤の有効量で環境を処置することを含む、環境における昆虫の個体数を制御する方法を提供する。任意の適切な環境を処置することができる。例えば、家庭の環境または農業の環境が処置され得る。
生産量を増やすための食用動物の処置としては、阻害剤または抗微生物剤を、飼料1kg当たり1〜500mgの典型的な濃度で動物飼料と混合してもよい。あるいは、同様の濃度を動物の飲料水に添加してもよい。さらなる別法として、抗微生物剤を、経口丸薬として投与するか、または、筋肉内もしくは静脈内のいずれによって注射してもよい。
一実施態様における本発明の方法は、限定されるものではないが、炭疽菌などの胞子形成細菌、あるいは炭疽菌などの胞子形成細菌のビルレント遺伝子を運ぶ微生物を含む生物兵器の予防または治療に有用である。炭疽菌および他の胞子形成細菌において、発芽した胞子の成育にはNADが必要である。NADの阻害剤はまた栄養生長を妨げるため、これは、これらの細菌のライフサイクルに2つの異なる攻撃点を提示し、極めて有効な予防および/または治療を提供するはずである。
植物の処置において、典型的な使用では、適切な賦形剤中の抗微生物剤を生長中の植物にスプレーし、真菌および/または細菌による病気を予防するかまたは処置する。あるいは、生長中の植物の近くの土壌に、溶液または固形製剤を置くことで使用してもよい。
家庭内および/または農業用途における、有害生物および昆虫を制御する農薬としてのNAD阻害剤の使用においては、適切な賦形剤が、例えば、有機または水性賦形剤中で、既存の殺虫製剤で一般に処置される家屋の領域内に、農薬または殺虫活性を有するNAD阻害剤がスプレーされる。典型的な農業用途においては、適切な賦形剤中の農薬または殺虫剤を生長中の植物にスプレーし、昆虫による外寄生を予防または処置する。あるいは、生長中の植物の近くの土壌に置くことによって、植物への農薬または殺虫的使用としてもよい。
建造物の表面の消毒、滅菌または汚染除去の典型的な用途において、適切な賦形剤中の殺菌剤化合物の溶液を、目的物の表面に塗布し、スプレーし、または(溶液中への浸漬によって)染み込ませる。土壌または地面を処置するためには、適切な賦形剤中の殺菌剤の溶液を、地面上にスプレーしても、または地中に染み込ませてもよく、あるいは、固形物を土壌と混合してもよい。殺菌剤はまた、滅菌させるために十分な濃度(1〜100マイクロモーラー)で、汚染された水の供給源に添加してもよい。卵またはニワトリのような動物性食品を加工、処理、および包装する際に、適切な賦形剤中の殺菌剤化合物の溶液を、食品の表面に塗布し、スプレーし、または(溶液への浸漬によって)染み込ませてもよい。例えば、ネズミチフス菌を減らすためのニワトリの皮膚の汚染除去、卵の殻(サルモネラ菌のキャリア)の汚染除去、および他の食品の消毒を含む、数多くの関連した有益な用途があり得る。
滅菌、消毒および汚染除去の分野において、殺菌濃度のNAD阻害剤は、衣類、建造物の表面、設備機器、家具、並びに地面および水の供給源などの自然環境の表面の処置を含む、滅菌または汚染除去によって利益を得る様々な状況における使用の可能性を有している。
移植可能な装置の消毒の典型的な用途には、殺菌剤化合物の溶液中に装置を浸漬することが含まれる。あるいは、移植可能な装置は、装置の表面を構成するポリマー材料中に機械的に取り込むことによるか、または装置の表面を構成するポリマー材料への共有化学結合によるかのいずれかによって、放出可能なまたは生物活性状態の殺菌剤化合物を含むように製造されてもよい。移植可能な器官を処理するために、器官を、適切な賦形剤中に含まれた殺菌剤の溶液に浸漬させてもよい。全身洗浄は、殺菌剤の溶液で身体を徹底的に拭くことによって、または、適切な溶液に身体を浸漬することによって達成することができる。
虫歯および/または歯肉疾患の制御は、殺菌剤の適切な溶液で口腔を洗浄することによって、または、歯を磨く際に使用される歯磨き粉中に混合することによって達成してもよい。
消毒または汚染除去を必要とする数多くの医療用途および医療装置、例えば、ペースメーカー、除細動器、人工心臓またはそれらの部品、感染した患者の全身洗浄、移植のための移植可能な器官の処置、手術室および手術用機器の汚染除去、並びに虫歯または歯肉疾患の制御等が可能である。
炭疽菌などの胞子形成細菌に関連した汚染除去では、発芽の阻害剤は、胞子にダメージを与え得るものであって、栄養細胞に対して殺菌性があるはずである。従って、これらの阻害剤は、限定されるものではないが、環境の表面および飲料水を含む様々な環境の汚染除去に使用してもよい。
植物および食用作物の真菌および細菌による疾患の処置、予防または制御において、阻害剤は、適切な賦形剤中に含まれ、植物にスプレーすることで真菌および/または細菌による疾患を予防または処置することができる。あるいは、生長中の植物の近くの土壌に溶液または固形製剤を置くことによって使用してもよい。
消毒または汚染除去を必要とする数多くの医療への用途が可能である。これらには、外科に関するヒト消化管の汚染除去(G. RamsayおよびR. H. van Saene、「Selective gut decontamination in intensive care and surgical practice: where are we [総説]」、World Journal of Surgery, 22(2):164-70, Feb 1998;および、G. Bashaら、「Local and systemic effects of intraoperative whole-colon washout with 5 per cent povidone-iodine」、British Journal of Surgery. 86 (2):219-26, Feb. 1999を参照のこと)、静脈内カテーテルなどの移植可能な装置に使用される材料の消毒または前記材料へのNAD阻害剤の注入(O. Traoreら、「Comparison of in-vivo antibacterial activity of two skin disinfection procedures for insertion of peripheral catheters: povidone iodine versus chlorhexidine」、Journal of Hospital Infection. 44(2): 147-50, Feb 2000;および、T. S. Elliott、「Role of antimicrobial central venous catheters for the prevention of associated infections」[総説]、Journal of antimicrobial Chemotherapy. 43(4): 441-6, Apr. 1999を参照のこと)、ペースメーカー、除細動器、人工心臓またはそれらの部品、感染した患者の全身洗浄、移植のための移植可能な器官の処置、手術室および手術用機器の汚染除去、並びに虫歯または歯肉疾患の制御(B. M. Eley、「Antibacterial agents in the control of supragingival plaque−−a review」、British Dental Journal, 186 (6): 286-96, Mar 27 1999を参照のこと)が含まれる。
本発明は、本明細書中に記載された具体的な合成方法に制限されないことを理解すべきである。さらに、本明細書中で用いられる専門用語は特定の実施態様を説明するためだけのものであり、制限することを何ら意図していないことをさらに理解すべきである。明細書および添付の特許請求の範囲で用いられているように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確にそれ以外のことを指し示さない限り、複数の指示対象を包含することを留意しなければならない。
本明細書において、範囲は、「約」ある特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして表現され得る。そのような範囲が表現されている場合、別の実施態様は、そのある特定の値からおよび/またはその別の特定の値までを含む。同様に、先行する「約」という語の使用によって値がおおよその値として表現されている場合、その特定の値は別の実施態様を構成することが理解されるだろう。
本出願全体を通じて、化学図が、化学構造から伸びる直線を有する場合、そのような線はCH3基を表す。例えば、次の図:
Figure 2005509594
において、o−メチル安息香酸が表される。
本明細書中で用いられる「アルキル」なる語は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシル等の、炭素原子数1〜24の分枝したまたは分枝していない飽和炭化水素基をいう。「シクロアルキル」なる語は、炭素原子数3〜8の、好ましくは5または6の環状アルキル基を意味する。
本明細書中で用いられる「アルコキシ」なる語は、単一の末端エーテル結合を介して結合したアルキル基を意味する。つまり、「アルコキシ」基は、−OR(ここで、Rは上記で定義されたアルキルである)として定義され得る。「低級アルコキシ」基は、1〜6個の、より好ましくは1〜4個の炭素原子を含むアルコキシ基を意味する。
本明細書中で用いられる「アルキレン」なる語は、二官能性で飽和の、分枝したまたは分枝していない、1〜24個の炭素原子を含む炭化水素鎖をいい、例えば、メチレン(−CH−)、エチレン(−CH−CH−)、プロピレン(−CH−CH−CH−)、2−メチルプロピレン[−CH−CH(CH)−CH−]、ヘキシレン[−(CH−]等を含む。本明細書で用いられる「シクロアルキレン」なる語は、環状アルキレン基、典型的には5または6員環をいう。
本明細書中で用いられる「アルケン」なる語は、炭素原子数2〜24の、モノ不飽和またはジ不飽和炭化水素基を意味する。(AB)C=C(CD)のような非対称構造は、EおよびZ異性体の両方を含むことを意味する。このことは、本明細書中の非対称アルケンが存在する構造式において推定することができる。
本明細書中で用いられる「アルキニル」なる語は、炭素原子数1〜24の分枝したまたは分枝していない不飽和炭化水素基をいい、ここで当該基は少なくとも1つの三重結合を有する。
本明細書中で用いられる「環状」なる語は、1以上の閉じた環で特徴付けられる構造を意味する。本明細書でさらに用いられるように、本明細書中で論じられる環状化合物は、飽和または不飽和であってもよく、複素環であってもよい。複素環とは、好ましくは5または6員であって、環中の1以上の原子が炭素以外の元素、例えば、硫黄、窒素等である、閉じた環構造を意味する。
本明細書中で用いられる「二環式」なる語は、2個の閉じた環を有する構造を意味する。本明細書でさらに用いられるように、二環式構造中の2個の環は同一でも異なっていてもよい。二環式構造の環のいずれかは複素環であってもよい。
本明細書中で提供される化合物の「有効量」なる語とは、所望の治療または予防効果を与えるのに十分な化合物の量を意味する。後に指摘するように、必要とされる正確な量は、対象の種、年齢および一般状態、治療する疾患の重篤度、使用する特定の化合物、その投与方法等に依存して、対象ごとに変化する。従って、正確な「有効量」を特定することはできない。しかしながら、適切な有効量は、慣用の実験法のみを用いて当業者が決定してもよい。有効量は、本質的に対象に毒性がないことが好ましいが、より高い投与量を必要とするいくつかの状況では、ある程度の毒性が許容され得ることが考慮される。
「医薬上許容される担体」とは、生物学的にまたは他の意味で望ましくないものではない物質(すなわち、その物質は、いかなる望ましくない生物学的効果も引き起こすことなく、またはその物質が含まれている医薬組成物の他の成分のいずれとも有害な様式で相互作用することなく、本発明の化合物と共に個体に投与することができる)を意味する。
本明細書で用いられる「NADシンテターゼ酵素」は、NADの生合成における最終反応、つまり、NaADからNADへの転換を触媒する酵素として定義される。本明細書で用いられる「触媒部位」なる語は、基質および補因子(細菌または微生物における、ニコチン酸ジヌクレオチド(NaAD)、NAD、アデノシン三リン酸(ATP)、アデノシン一リン酸(AMP)、ピロリン酸、マグネシウムおよびアンモニアを含む)に結合するNADシンテターゼ酵素のそれらの部分として定義される。「レセプター部位」または「レセプターサブサイト」なる語は、本明細書で開示される細菌NADシンテターゼ酵素阻害剤が結合すると考えられる、細菌NADシンテターゼ酵素のそれらの部分をいう。この開示の目的としては、「触媒部位」、「レセプター部位」および「レセプターサブサイト」なる語は、交換して使用してもよい。阻害剤はまた、阻害剤の触媒部位への結合を含まない機構によってNADシンテターゼ酵素を阻害してもよい。
本明細書中で用いられる「抗微生物化合物(antimicrobial compound)」なる語は、目的物に対するまたは系内における細菌の有害効果を減少させるかまたは無くすために、微生物を死滅させるかまたは不活性化する物質を意味する。微生物は小さすぎて肉眼では見ることができない微小生物、例えば、細菌、真菌、ウイルス、および原虫であり、好ましくは細菌および真菌である。例えば、抗菌剤は、「静菌剤(bacteriostatic agents)」または「殺菌剤(bacteriocidal agents)」として当技術分野で知られている。そのような効果が発揮される細菌は、グラム陽性菌、グラム陰性菌またはそれらの組み合わせであり得る。「抗微生物化合物」および「広域抗生物質」なる語は、多種多様な微生物を死滅させるかまたは不活性化する物質を意味し、このような微生物には、グラム陽性菌またはグラム陰性菌、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、ヴィリダンス型連鎖球菌(Streptococcus viridans)、腸球菌(Enterococcus)、嫌気性連鎖球菌(anaerobic Streptococcus)、肺炎球菌(Pneumococcus)、淋菌(Gonococcus)、髄膜炎菌(Meningococcus)、Mima、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ジフテリア菌(C. diphtheriae)、リステリア・モノシトゲネス(List. monocytogenes)、Streptobacillus monohiliformis、豚丹毒菌(Erysipelothrix insidiosa)、大腸菌(E. coli)、A. aerogenes、アルカリゲネス・フェカーリス(A. faecalis)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、肺炎桿菌(K. pneumoniae)、サルモネラ(Salmonella)、シゲラ(Shigella)、インフルエンザ菌(H. influenzae)、デュクレー菌(H. ducreyi)、ブルセラ(Brucella)、有害生物菌(Past. pestis)、野兎病菌(Past. tularensis)、パスツレラ・ムルトシダ(Past. multocida)、V. comma、鼻疽菌(Actinobacillus mallei)、偽鼻疽菌(Pseud. pseudomallei)、破傷風菌(Cl. tetani)、バクテロイデス(Bacteroides)、紡錘菌(Fusobacterium fusiforme)、結核菌(M. tuberculosis)、非定型抗酸菌(atypical mycobacteria)、イスラエル放線菌(Actinomyces israelii)、ノカルジア(Nocardia)、梅毒トレポネーマ(T. pallidum)、T. pernue、回帰熱ボレリア(Borrelia recurrentis)、Peptospira、リケッチア(Rickettsia)および肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)の1つ以上が含まれるが、これに限定されるものではない。
改良された抗微生物剤、例えば、抗菌および抗微生物剤の開発に対する要望に従って、本発明により、細菌NADシンテターゼ酵素活性を阻害する新規化合物が同定された。そのような活性を、殺菌剤としての有効性、並びに広域抗生物質としての有効性に転換する。細菌などの原核生物における、それまで認識されていなかった標的を阻害して、必須の生物学的機能をブロックし、そしてそれにより、細菌の死を引き起こすか、または微生物を不活性化する新規化合物が開発された。詳細には、本発明は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌の両方に見出される酵素であるNADシンテターゼ酵素を同定した。当該酵素は、細菌感染またはその他の微生物感染の予防および/または治療を提供するためのドラッグデザインの標的として利用することができる。
NADシンテターゼ酵素は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の生合成の最終段階を触媒する。細菌NADシンテターゼは、「Nタイプ」ATPピロホスファターゼ類のファミリーに属する、アンモニア依存性のアミドトランスフェラーゼである。このファミリーはアスパラギンシンテターゼおよびアルギニノコハク酸シンテターゼも含む。NADシンテターゼ酵素は、NAD+生合成のデノボ経路およびサルベージ経路の両方の最終段階を触媒し、ATPおよびMg+2の存在下でニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)のカルボキシレートへのアンモニアの転移に関与する。全体の反応を図1に示す。例えば、哺乳動物において見出され、窒素源としてグルタミンを利用することができる真核生物のNADシンテターゼとは異なり、細菌における原核生物のNADシンテターゼは、アンモニアを唯一の窒素源として利用する。X線結晶学およびその他の方法によって、本発明は真核生物型および原核生物型のNADシンテターゼ酵素の構造における顕著な差異を同定した。例えば、本発明において結晶化され、本明細書中でドラッグデザイン方法論に使用された枯草菌(B. subtilis)のNADシンテターゼ酵素は、分子量約60,500の二量体物質である。それとは大きく異なり、哺乳動物で見出される真核生物型のNADシンテターゼは多量体(multimeric)物質であり、少なくとも10倍も大きな分子量を有する。
真核生物型と原核生物型とのNADシンテターゼ酵素の間の顕著な差異を利用することによって、本発明は、哺乳動物宿主に大きな影響を及ぼすことなく、原核生物のNADシンテターゼ酵素を特異的に標的とする抗微生物剤として利用可能な新規化合物を提供する。本発明により、細菌NADシンテターゼの酵素活性を特異的に阻害することによって、成長および複製するために必要なエネルギーを細菌から奪うことが可能であることを見出した。従って、本明細書中で開示され、特許請求された発明により、同じ投与量で哺乳動物のNADシンテターゼの酵素活性に対してそれほど影響を及ぼすことなく、細菌の有害な特性を減少させるかまたは無くすために細菌を優先的に攻撃して死滅させるかまたは不活性化する抗菌薬が開発された。さらに、本発明は、哺乳動物、例えば、ヒトにおける微生物感染の治療方法を提供する。細菌と哺乳動物とのNADシンテターゼ酵素の間の構造上の差異により、本発明の化合物が、細菌に対して作用する化合物と同様に哺乳動物NADシンテターゼを阻害する、またはそうでなければ影響を及ぼすということは期待できないであろう。
理論に拘束されることなく、化学分析およびX線結晶学法によって、細菌NADシンテターゼ酵素上の少なくとも2つの別個の触媒サブサイトが特徴付けられ、このサブサイトにおいて、少なくとも1以上の小分子(small molecule)(「活性分子」)が結合可能である。これらの部位を、図2に例示する。
これらの触媒部位の特定の構造によって、これらの部位の少なくとも1つに親和性を示すであろう小分子を同定することが可能であろう。適切な立体配置(これらの触媒部位の構造によって決定される立体配置)の小分子が、微生物の、例えば、細菌のNADシンテターゼ酵素上の1つまたは複数のレセプター部位と結合し、それにより酵素の触媒活性をブロックするだろう。図3は、本発明の化合物の一例によって触媒部位がブロックされている、細菌NADシンテターゼ酵素を例示する。
このような状況下で、胞子形成細菌は発芽および生長を遂げることができず、栄養細菌の必須細胞呼吸機能が停止されることにより、細胞の死または不活性化がもたらされるだろう。例えば、グラム陽性菌およびグラム陰性菌並びにその他の微生物は死滅するかまたは増殖が妨げられるだろう。従って、本発明は、細菌NADシンテターゼ酵素に対して阻害活性を示す化合物は、抗菌化合物および抗微生物化合物として、並びに広域抗生物質としての治療活性も示すであろうということを見出した。
本明細書中に記載された本発明の実施態様により、微生物NADシンテターゼ酵素阻害剤として活性を示す新規の繋がれた(tethered)二量体化合物を合成することができる。リンカー分子を介して1以上の活性分子を連結することによって、繋がれた二量体の1以上の端部が個々のレセプター部位またはサブサイトに結合することができ、それにより細菌NADシンテターゼ酵素を不活性化する。2以上の活性分子が使用される場合、各活性分子は同一でも異なっていてもよい。本明細書中で用いられる「活性分子」なる語は、単独で使用され得るか、または、リンカー(繋ぎ(tether))フラグメントを介して一体に繋がれ、繋がれた二量体化合物を形成してもよい小分子をいう。
さらに、ある状況下においては、細菌NADシンテターゼ酵素のレセプター部位の異なった位置に異なった活性分子がより結合しやすいであろう。それは、これらの部位のそれぞれの化学的性質が異なるためである。従って、一つの実施態様では、少なくとも2つの異なる活性分子(ここで、各活性分子はレセプターの異なるサブサイトに対して選択的親和性を示す)を互いに繋ぐことが有利であるかもしれない。本明細書中の繋がれた二量体を用いることで、細菌NADシンテターゼ酵素の単一の部位をブロックすることに比べて、NADシンテターゼ酵素阻害の効力を強力に高めることが可能である。本明細書中で用いられるように、「選択的親和性」なる語は、レセプターサブサイトと活性分子との間の化学的相補性のために、活性分子が、細菌NADシンテターゼ酵素におけるレセプターの1つのサブサイトに結合する傾向をいっそう強く示すことを意味する。繋がれた二量体化合物を以下に例示する。
Figure 2005509594
一つの実施態様では、二量体阻害剤化合物が、例えば、細菌NADシンテターゼ酵素上の触媒活性の部位に結合し、それにより細菌によるNAD/NADHの産生を妨げる。リンカー分子の長さ、または2つの活性分子間の距離を変化させることにより、阻害剤化合物のNADシンテターゼ酵素に対する親和性も変動し得る。
新規のNADシンテターゼ酵素阻害剤化合物のデザインに関連する本発明の実施において、細菌NADシンテターゼ酵素の少なくとも1つのレセプターサブサイトに結合する能力を持つ市販の小分子を同定することを可能にするために、タンパク質に対する分子の結合親和性の予測を容易にするソフトウェアプログラムを利用することができる。そのようなコンピュータープログラムの一例がDOCKであり、これはカリフォルニア大学サンフランシスコ校の薬化学部から入手可能である。DOCKは、小分子と高分子との結合部位の間の化学的および幾何的相補性を評価する。
本明細書中で具体的に開示された活性分子、並びにそれらの任意の医薬上許容される塩を使用してもよい。記載の通り、本明細書中で以下に説明する本化合物の医薬上許容される塩も本発明において使用されることが意図される。そのような塩は、遊離酸を、適切な量の医薬上許容される塩基で処理することにより調製される。代表的な医薬上許容される塩基は、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化第一鉄、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、リシン、アルギニン、ヒスチジン等である。反応は、水単独中で、または不活性で水混和性の有機溶媒と組み合わせた水中で、約0℃〜約100℃までの温度で、好ましくは室温で行われる。使用される塩基に対する化合物のモル比は、任意の特定の塩に望ましい比を提供するために選択される。例えば、遊離酸出発物質のアンモニウム塩(特定の好ましい実施態様)を調製するためには、出発物質を約1当量の医薬上許容される塩基で処理して中性塩を得ることができる。カルシウム塩を調製する場合には、約2分の1モル当量の塩基を使用して中性塩を得るが、アルミニウム塩については、約3分の1モル当量の塩基が使用されるだろう。
本発明のデザインおよび合成方法に従って調製された化合物は、特に興味深い。なぜなら、それらは、活性分子および/または連結基に置換基を導入することによって、好ましくはさらに最適化され得るからである。これらの後者の修飾はまた、本明細書中に開示されるコンビナトリアル法を用いることによって、好ましくは達成することもできる。
好ましい実施態様において、本発明は、そのような治療または予防が必要な哺乳動物への広域抗生物質の投与を提供する。さらに好ましい実施態様においては、微生物感染は細菌感染である。本発明のさらに別の実施態様においては、細菌感染は、グラム陰性菌またはグラム陽性菌である細菌によって引き起こされる。細菌感染は、好ましくは、細菌の抗生物質耐性株によって引き起こされ得る。
NADの産生を減少させるかまたは無くし、それにより原核生物が死滅する量の原核生物NADシンテターゼ酵素阻害剤化合物を用いて、原核生物を死滅させる方法が、好ましくは、本発明によりさらに提供される。NADの産生を減少させるかまたは無くし、それにより原核生物の増殖を減少させるのに有効な量の原核生物NADシンテターゼ酵素阻害剤に原核生物を接触させることを含む、原核生物の増殖を減少させる方法もまた提供される。原核生物を死滅させる方法において、並びに原核生物の増殖を減少させる方法において、本化合物は、本明細書にて提供される1以上の化合物を含む。
原核生物を死滅させる方法において、並びに原核生物の増殖を減少させる方法において、原核生物は細菌である。さらに好ましくは、細菌は、グラム陰性菌またはグラム陽性菌である。なお好ましくは、原核生物は、細菌の抗生物質耐性株である。
また、原核生物を死滅させる方法において、並びに原核生物の増殖を減少させる方法において、NADシンテターゼ酵素阻害剤は、細菌NADシンテターゼ酵素上の触媒部位またはサブサイトと選択的に結合して、細菌によるNADの産生を減少させるかまたは無くす化合物である。
上記で論じた方法において、本化合物は、好ましくは、経口、直腸、筋肉内、静脈内、小嚢内(intravesicular)または局所投与手段により投与される。本発明の化合物は、インビボまたはエキソビボのいずれでも、目的物の細胞に投与することができる。インビボで目的物の細胞に投与する場合、並びに目的物に投与する場合、本発明の化合物は、経口的に、非経口的に(例えば、静脈内に)、筋肉内注射により、腹腔内注射により、皮下注射により、経皮的に、体外的に、局所的に、粘膜的に、等で投与することができる。
意図した投与様式に依存して、本発明の化合物は、固体、半固体、または液体の投与形(例えば、錠剤、坐剤、丸剤、カプセル剤、散剤、液体、懸濁剤、ローション、クリーム、ゲルなど)の形態の、好ましくは、正確な投与量の単回投与に適切な単位投与量形態の医薬組成物であってよい。これらの組成物は、上述のように、有効量の選択された組成物を、おそらく医薬上許容される担体と組み合わせて含み、そしてさらに、他の薬剤、医薬、担体、アジュバント、希釈剤などを含んでもよい。
本発明の化合物の非経口投与は、もし用いられるならば、注射によって一般的に特徴付けられる。注射物質は、慣用の形態で、液体の溶液もしくは懸濁液、注射前に懸濁液の液体への溶液にするのに適した固体形態として、またはエマルションとしてのいずれにおいても調製することができる。本明細書中で用いる「非経口投与」には、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、および気管内の経路が包含される。非経口投与のための1つのアプローチには、一定の投与量を維持するような、緩慢な放出または徐放系の使用が含まれる。これらの化合物は、医薬上許容される担体(これにはまた、適切なアジュバントが含まれ得る)中に存在し得る。「医薬上許容される」とは、生物学的にまたは他の意味で望ましくないものではない物質(すなわち、その物質は、実質的に有害な生物学的効果を引き起こすことなく、またその物質が含まれている組成物中の他の成分のいずれとも有害な様式で相互作用することなく、選択された化合物と共に個体に投与することができる)を意味する。
本明細書中の化合物の投与経路は、好ましくは、適切なおよび薬理学上許容される製剤形態である。ヒトまたは動物の目的物に投与する場合、本明細書中のライブラリーの細菌NADシンテターゼ酵素阻害剤化合物は、好ましくは、経口的に、直腸的に、筋肉内に、静脈内に、小嚢内にまたは局所的に(吸入を含む)、動物またはヒトに与えられる。投与量は、好ましくは、約0.1〜約15g/日を含み、ここで、当該投与量を、約1〜約4回/日で投与する。好ましい投与量はまた、0.001g/日と1g/日との間、なお好ましくは約0.01、0.05、0.1、および0.25、0.5、0.75および1.0g/日を含み得る。さらに好ましくは、投与量は、約1、2.5、5.0、7.5、10.0、12.5および15.0g/日の量で投与され得る。投与量は、なお好ましくは、1日あたり約1、2、3、4またはそれより多い回数のペースで投与され得る。さらに、ある状況では、本発明の化合物を、例えば、静脈内投与として、連続的に投与することが好ましいだろう。必要な化合物の正確な量は、目的物の種、年齢、体重および一般状態、使用される特定の化合物、その投与様式等に依存して目的物ごとに変化する。従って、すべての化合物について正確な量を特定することはできない。しかしながら、適切な量は、本明細書中の教示が与えられれば、慣用の実験法のみを用いて、当業者により決定され得る。
エキソビボ法が用いられる場合、当技術分野でよく知られている標準的プロトコールに従って、細胞または組織が取り除かれ、目的物の体外で維持することができる。本発明の化合物は、細胞内への小分子の取り込みに関する公知の機構(例えば、ファゴサイトーシス、クラスI MHC発現細胞へのパルシング(pulsing)、リポソーム等)を介して、細胞内に導入することができる。次いで、これらの細胞は、細胞または組織のタイプに応じた標準的な方法によって、目的物に注入(例えば、医薬上許容される担体中で)または移植し戻すことができる。様々な細胞を目的物に移植または注入する標準的な方法は知られている。
微生物で汚染された物質を、当該微生物を死滅させるかまたは不活性化するのに十分な量の細菌NADシンテターゼ酵素阻害剤化合物に接触させることを含む、微生物で汚染された物質を消毒する方法がさらに提供される。さらに別の実施態様においては、接触に利用される化合物は、本明細書にて提供される1以上の化合物を含む。
本発明のなおさらに別の実施態様においては、本発明の化合物は、例えば、硬いまたは柔らかい表面、布帛、並びに病院、家庭、学校、託児所、および任意の他の場所におけるもののような他の汚染された物質に対する消毒物質として有効である。さらに別の実施態様においては、本発明は、細菌NADシンテターゼ酵素阻害剤化合物に細菌で汚染された物質を接触させることを含む、消毒方法を提供する。
本発明のNADシンテターゼの阻害剤は、ヒト、動物および植物の治療、並びに汚染除去、滅菌および/または消毒の技術に関する様々なプロセスに用いることができる。本発明は、NADシンテターゼの少なくとも1つの阻害剤の有効量を、例えば、予防的または治療的に、例えば、ヒト、哺乳動物または動物の少なくとも1つに投与することを含む、胞子形成細菌の発芽並びに/あるいは細菌、真菌および/または糸状菌の栄養生長を妨げる方法をさらに提供する。
本発明はさらに、以下の式A:
Ar−X−Ar−O−(CH−NHCO−QAr (A)
[式中、Ar、Ar、およびArは独立して、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−CアルコキシC−Cアルキル、ハロ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、C−CアルキルアミノC−Cアルキル、C−CジアルキルアミノC−Cアルキル、C−CトリアルキルアミノC−Cアルキル、アジド、アミンオキシド、ヒドロキシ、カルボキシル、C−Cアルキルカルボニル、C−CアルキルカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニルオキシ、C−CアルキルカルボニルオキシC−Cアルキル、C−CアルキルオキシカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシカルボニル、C−Cアルキルチオ、ニトロ、ニトロシル、シアノ、ヒドロキシルアミノ、スルホンアミド、C−Cジアルキルスルホンアミド、C−Cアルキルカルボニルアミノ、ホルミル、ホルミルアミノ、メルカプチル、および複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい、アリールまたはヘテロアリールであり;ヘテロアリールAr、Ar、またはArの環窒素原子は4級化されていてもよく;
Xは、共有結合、(CHO、O(CH、(CHO)、(OCH、(CHCHO)、(OCHCH、C(=O)O、OC(=O)、OC(=O)O、(CHS、S(CH、(CHS)、(SCH、NH、NR、NR、C(=O)NH、C(=O)NR、NHC(=O)、NRC(=O)、CH(OH)、およびCH(OR)(ここで、RはC−Cアルキルであり、mは0〜5である)からなる群から選ばれ;
は、(i)アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cハロアルキルアミノ、C−CハロアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cヒドロキシアルキルアミノ、C−CヒドロキシアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、および4級化されていてもよい窒素原子を含む複素環からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい、C−Cアルキレニル、C−CアルキレニルカルボニルオキシC−Cアルキル、またはC−CアルキレニルカルボニルアミノC−Cアルキル基であり;
並びに、nは1〜15である]の化合物の製造方法であって、
(i)式B:
Ar−X−Ar−O−(CH−NH (B)
の化合物を提供すること、
および、(ii)式Bの化合物を、式C:
HOOC−QAr (C);
(式中、Qは保護されていてもよい)
の化合物と反応させることを含む方法を提供する。
一実施態様において、式D:Ar−X−Ar−OH(D)の化合物を、式E:Hal−(CH−NPhth(E)(式中、「Hal」はハロゲン原子を表し、および「NPhth」は窒素原子で(CHと結合したフタリジミドを表す)の化合物と反応させて、式F:
Ar−X−Ar−O−(CH−NPhth (F);
の化合物を得、およびその式Fの化合物を加水分解することによって式Bの化合物を製造してもよい。
その他の実施態様によれば、本発明は、式G:
Ar−X−Ar−O−(CH−O−QAr (G)
[式中、Ar、Ar、およびArは独立して、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−CアルコキシC−Cアルキル、ハロ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、C−CアルキルアミノC−Cアルキル、C−CジアルキルアミノC−Cアルキル、C−CトリアルキルアミノC−Cアルキル、アジド、アミンオキシド、ヒドロキシ、カルボキシル、C−Cアルキルカルボニル、C−CアルキルカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニルオキシ、C−CアルキルカルボニルオキシC−Cアルキル、C−CアルキルオキシカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシカルボニル、C−Cアルキルチオ、ニトロ、ニトロシル、シアノ、ヒドロキシルアミノ、スルホンアミド、C−Cジアルキルスルホンアミド、C−Cアルキルカルボニルアミノ、ホルミル、ホルミルアミノ、メルカプチル、および複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい、アリールまたはヘテロアリールであり;ヘテロアリールAr、Ar、またはArの環窒素原子は4級化されていてもよく;
Xは、共有結合、(CHO、O(CH、(CHO)、(OCH、(CHCHO)、(OCHCH、C(=O)O、OC(=O)、OC(=O)O、(CHS、S(CH、(CHS)、(SCH、NH、NR、NR、C(=O)NH、C(=O)NR、NHC(=O)、NRC(=O)、CH(OH)、およびCH(OR)(ここで、RはC−Cアルキルであり、mは0〜5である)からなる群から選ばれ;
は、(i)アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cハロアルキルアミノ、C−CハロアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cヒドロキシアルキルアミノ、C−CヒドロキシアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、および4級化されていてもよい窒素原子を含む複素環からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい、C−Cアルキレニル、C−CアルキレニルカルボニルオキシC−Cアルキル、またはC−CアルキレニルカルボニルアミノC−Cアルキル基であり;
並びに、nは1〜15である]の化合物の製造方法であって、
(i)式H:
Ar−X−Ar−O−(CH−OH (H)
の化合物を提供すること、
および、(ii)式Hの化合物を、式J:
HO−QAr (J);
(式中、Qは保護されていてもよい)
の化合物と反応させることを含む方法を提供する。
一実施態様によれば、式D:
Ar−X−Ar−OH (D)
の化合物を、式K:
Hal−(CH−OH (K)
(式中、「Hal」はハロゲン原子、例えば、cl、Br、またはIを表す)の化合物と反応させて、式L:
Ar−X−Ar−O−(CH−OH (L)
の化合物を得ることによって、式Hの化合物を製造してもよい。
好ましい実施態様において、本発明は、式AおよびGの化合物におけるnが7〜13である上記化合物の製造方法を提供する。一実施態様によれば、Ar、Ar、およびArはアリール、詳細にはフェニルである。一実施態様において、XはCHOである。本方法の実施態様によれば、Qは、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cハロアルキルアミノ、C−CハロアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cヒドロキシアルキルアミノ、C−CヒドロキシアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、および4級化されていてもよい窒素原子を含む複素環からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいC−Cアルキレニルであり、好ましくは、Qは、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、およびC−Cトリアルキルアミノからなる群から選ばれる置換基を有していてもよいC−Cアルキレニルである。
本発明はさらに、医薬上許容される担体とともに、記載されている少なくとも1つの化合物を含む、医薬組成物を提供する。
本明細書中に記載される医薬上許容される担体、例えば、賦形剤、アジュバント、添加剤、または希釈剤などが当業者によく知られており、手軽に手に入る。医薬上許容される担体は、活性化合物に対して化学的に不活性であるもの、および使用状況下で有害な副作用または毒性を有さないものであることが好ましい。
担体の選択は、特定の活性剤によって、並びに組成物の投与に用いられる特定の方法によって、ある程度決められる。従って、本発明の医薬組成物の適切な製剤は広範囲にわたる。経口、エアゾール、非経口、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、腹膜内、髄膜内、直腸内、および膣内投与用の以下の製剤は、単なる例示であって、決して限定するものではない。
経口投与に適した製剤は、(a)例えば、水、食塩水、またはオレンジジュースなどの希釈剤に有効量の化合物を溶解した水溶液;(b)それぞれ予め決められた量の有効成分を固体または顆粒として含む、カプセル、小袋、錠剤、ロゼンジ、およびトローチ;(c)散剤;(d)適切な液体中の懸濁液;および(e)適切なエマルションからなることができる。液体製剤は、水、並びに、例えば、エタノール、ベンジルアルコール、並びにポリエチレンアルコールおよびポリエチレングリコールなどのアルコールといった希釈剤を、医薬上許容される界面活性剤、懸濁剤、または乳化剤を添加して、或いは添加せずに含んでもよい。カプセル形態は、例えば、界面活性剤、潤滑剤、並びに乳糖、ショ糖、リン酸カルシウム、およびコーンスターチなどの不活性充填剤を含む、通常の硬いまたは柔らかい殻のゼラチン型であってもよい。錠剤形態は、乳糖、ショ糖、マンニトール、コーンスターチ、バレイショデンプン、アルギン酸、微晶性セルロース、アラビアゴム、ゼラチン、グアールガム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、およびその他の添加剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、崩壊剤、湿潤剤、保存剤、着香剤、並びに薬理学的に適合する担体の1以上を含むことができる。ロゼンジ形態は、香料中の有効成分、通常ショ糖およびアラビアゴムまたはトラガカントゴムを含むことができ、並びにトローチはゼラチンおよびグリセリンなどの不活性基剤中の有効成分、またはショ糖およびアラビアゴムを含むことができ、エマルション、ゲルなどは、有効成分に加えて当技術分野で知られているような担体を含むことができる。
本発明の化合物は、単独でまたは他の適切な成分と組み合わせて、吸入によって投与するためにエアゾール製剤にすることができる。これらの
(国際公開公報の76ページが欠落しているため、翻訳文を提出しません)
かかる製剤。注射した部位の刺激をできるだけ少なくするかまたは無くすために、かかる組成物は、親水性−親油性バランス(HLB)が約12〜約17である1以上の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。かかる製剤における界面活性剤の量は、約5〜約15重量%の範囲にある。適切な界面活性剤には、ソルビタンモノオレエートおよび疎水性ベースを有する酸化エチレンの高分子量付加物(酸化プロピレンとプロピレングリコールとの縮合によって形成される)などのポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルが含まれる。非経口製剤は、アンプルおよびバイアルなどの、単位投与量または複数投与量の密封容器中に入れることができ、フリーズドライ(冷凍乾燥)状態で保存可能であり、使用する直前に、注射のためには、滅菌液体担体、例えば水を加えるだけでよい。上述のような滅菌した散剤、顆粒、および錠剤から、即座に使える注射溶液および懸濁液を製造することができる。
本発明の化合物は、注射可能な製剤にしてもよい。注射可能な組成物のための効果的な医薬担体として必要とされる条件は、当業者によく知られている。Pharmaceutics and Pharmacy Practice, J.B. Lippicott社、フィラデルフィア、ペンシルバニア、Banker and Chalmers編、238〜250ページ(1982年)、およびASHP Handbook on Injectable Drugs、Toissel、第4版、622〜630ページ(1986年)を参照のこと。
本発明はさらに、上記化合物の少なくとも1つの有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における微生物(例えば、細菌または真菌)感染を治療または予防する方法を提供する。本発明はまた結核を治療または予防する方法を提供する。
本発明はさらに、感染剤のNADシンテターゼを阻害するのに有効な量の化合物で目的物を治療することを含む、目的物上の感染剤を伴う農業テロに対抗する方法を提供する。農業テロは、動物若しくは植物の有害生物の意図的な導入、或いは、家禽、家畜、作物、土壌、またはヒトの病気、中毒、若しくは死を引き起こす目的で、病原性の細菌、真菌、寄生虫、原虫、ウイルス、若しくはそれらの毒性のある産物の培養或いは生産として定義される。これは、食用作物を死滅させる意図で有害生物を導入すること、屠殺準備のために動物に高タンパク飼料が与えられている閉ざされた畜舎内に悪性疾患を蔓延させること、民間若しくは農業用の水源または食物供給源を毒で汚染すること、或いはヒトの病気を引き起こすために食品媒介病原体を使用することによって起こり得る。食品媒介病原体は、食品の摂取を通して病気を引き起こす微小生物である。
以下の実施例は本発明をさらに例示するが、当然ながらこれらは発明の範囲をなんら制限するものではない。
この実施例は、本発明の実施態様に従って本発明の化合物の製造方法を例示する。
実験手順
融点はElectrothermal 9100装置を用いて測定し、補正はしなかった。IRスペクトルはBrucker Vector−22およびBomen MB−104装置で測定した。すべてのHおよび13C NMRスペクトルは、内部標準としてTMSを用いてBrucker 300MHzスペクトロメータで記録した。化学シフトの値(δ)をppm、カップリング定数(J)をHzで表した。元素分析はジョージア州、ノルクロスのAtlantic Microlabによって行われた。反応をTLC(Whatman、シリカゲル、UV254、25μMプレート)でモニターし、フラッシュカラムクロマトグラフィーを、表示した溶媒系において「BAKER」シリカゲル(40μM)を用いて行った。反応に用いた溶媒は、Aldrich化学会社から(Sure−Seal(登録商標))瓶で無水物として購入した。その他の全ての試薬は受け取った状態そのままで用いた。
化合物1364の合成(スキーム1)
化合物2
4−(ベンジルオキシ)フェノール1(0.40g、2.0mmol)のDMF(10mL)溶液に、固形NaH(鉱油中60%、88mg、2.2mmol)を加え、混合物を室温で30分間、窒素雰囲気下で攪拌した。N−(8−ブロモオクチル)フタルイミド(0.74g、2.2mmol)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、EtOAc(2×20mL)で抽出した。有機層を水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した抽出物から溶媒を除去して粗生成物を得た。MeOHから結晶化し、2(0.71g、収率78%)を白色固体として得た。融点:74-75℃(MeOH)., lH-NMR (CDCl3) δ 1.26-1.48 (m, 8H), 1.59-1.79 (m, 4H), 3.67 (t, 2H, J=7.28Hz), 3.88 (t, 2H, J=6.53Hz), 5.00 (s, 2H), 6.81 (d, 2H, J=9.14Hz), 6.89 (d, 2H, J=9.15Hz), 7.27-7.45 (m, 5H), 7.66-7.73 (m, 2H) および 7.81-7.86 (m, 2H); 13CNMR (CDCl3) δ 25.9, 26.7, 28.5, 29.1, 29.2, 29.3, 37.9, 68.4, 70.6, 115.3, 115.7, 123.1, 127.4, 127.8, 128.5, 132.1, 133.8, 137.3, 152.7, 153.4 および 168.4; IR (neat): 1693 cm-1 ; MS (ES+) : 458 (M+1).
化合物3
2(11.1g、24.3mmol)のCHCl(120mL)およびMeOH(16mL)溶液に無水ヒドラジン(2.29mL、72.9mmol)を窒素雰囲気下、室温で加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。副産物である白色沈殿が形成した。この沈殿を濾過し、NHOH飽和CHCl:MeOH(10:1)で洗浄した。濾液を蒸発させてメタノールを除去し、次いでNHOH飽和CHCl(400mL)に再溶解し、1N NaOH(3×60mL)、水(2×60mL)およびブライン(2×60mL)で洗浄した。NaSOで乾燥した後、有機層を約250mLに濃縮し、1N HCl(60mL)を上記溶液に加えると白色沈殿が形成した。これを濾過し、水およびCHClで洗浄した。真空下で乾燥した後、塩酸塩3(6.8g、収率77%)を白色固体として得た。融点 180-182℃, 1H-NMR (DMSO-d6) δ 1.22-1.44 (m, 8H), 1.48-1.61 (m, 2H), 1.61-1.72 (m, 2H), 2.67-2.81 (m, 2H), 3.86 (t, 2H, J=6.38Hz), 5.02 (s, 2H), 6.83 (d, 2H, J=9.10Hz), 6.92 (d, 2H, J=9.09Hz), 7.28-7.45 (m, 5H) および7.98 (bs 3H); 13CNMR (CDCl3) δ 25.5, 25.8, 26.9 (2C), 28.5, 28.6, 28.8, 67.7, 69.6, 115.2, 115.6, 127.6, 127.7, 128.4, 137.4, 152.2 および 152.8 ; IR (neat): 3440 cm-1 MS (ES+) : 328 (M+).
Figure 2005509594
化合物4
化合物3(塩酸塩)(0.95g、2.6mmol)をCHCl(15mL)中に懸濁させ、0℃に冷却した。EtN(0.44mL、3.12mmol)を加え、5分間攪拌した。次いで、N,N−ジメチル−L−フェニルアラニン(0.61g、3.12mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)(0.60g、3.12mmol)およびDMAP(0.036g、0.3mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をCHCl(50mL)で希釈し、1M NaHCO(2×20mL)、水(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。NaSOで乾燥した抽出物から溶媒を除去して粗生成物を得、それを、1%MeOH(CHCl中)を用いてシリカゲルでフラッシュカラムクロマトグラフィー(20×4cm)によって精製し、純粋なアミド4(1.35g、収率103%)を白色固体として得た。融点: 61-62℃, 1H-NMR (CDCl3) δ 1.18-1.35 (m, 6H), 1.35-1.49 (m, 4H), 1.67-1.81 (m, 2H), 2.29 (s, 6H), 2.81-2.92 (m, 1H), 3.08-3.26 (m, 4H), 3.88 (t, 2H, J=6.52Hz), 4.99 (s, 2H), 6.73 (bs, 1H), 6.81 (d, 2H, J=9.17Hz), 6.89 (d, 2H, J=9.18Hz) and 7.12-7.45 (m, 10H) ; 13CNMR (CDC13) δ 25.8, 26.7, 29.1, 29.2, 29.3, 29.5, 32.7, 38.9, 42.2, 68.4, 70.5, 71.0, 115.2, 115.6, 125.9, 127.3, 127.7, 128.2, 128.4, 129.1, 137.2, 140.0, 152.7, 153.4 および 171.9; MS (ES+) : 503 (M+1) ; C32H42N2O3.0.5H2Oに対する分析.計算値: C, 75.16 ; H, 8.47 ; N 5.48, 実測値: C, 75.15 ; H, 8.23 および N 5.42.
化合物1364
化合物4(0.096g、0.19mmol)の無水DME(3mL)溶液に、ヨードメタン(0.35mL、5.6mmol)を加えた。反応混合物を攪拌しながら80℃で12時間加熱し、それから室温まで冷却した。蒸発させた後、粗生成物を、段階的にCHCl:MeOH(30:1次いで10:1)を用いてシリカゲルでフラッシュシリカゲルカラム(10×2cm)クロマトグラフィーによって精製し、純粋な1364(0.095g、収率77%)を得た。融点: 98-99℃., 1H-NMR (CDC13) δ 0.95-1.31 (m, 8H), 1.31-1.45 (m, 2H), 1.66-1.79 (m, 3H), 2.85-2.99 (m, 1H), 3.03-3.15 (m, 1H), 3.15-3.33 (m, 2H), 3.48 (s, 9H), 3.88 (t, 3H, J=6.52Hz), 5.00 (s, 2H), 5.74 (dd, 1H, Jl=11.2Hz, J2=4.57Hz), 6.83 (d, 2H, J=9.17Hz), 6.90 (d, 2H, J=9.17Hz), 7.22-7.43 (m, 10H) および7.78 (t, 1H, J=5.58Hz) ; 13CNMR (CDC13) δ 20; IR (neat): 3245, 1679 cm-1; MS (ES+) : 517 (M+) ; C33H45IN2O3に対する分析.計算値: C, 61.49 ; H, 7.04 ; N 4.35 ; 実測値: C, 61.20 ; H, 6.89 および N, 4.23.
1439の合成(スキーム2)
化合物5
4−(ベンジルオキシ)フェノール1(2.4g、12mmol)のDMF(32mL)溶液に水素化ナトリウム(0.528g、13.2mmol、鉱油中60%)を加え、混合物をN下で室温にて30分間攪拌した。8−ブロモ−1−オクタノール(2.25mL、13.2mmol)を加え、反応混合物をさらに室温で5時間攪拌した。TLC(ヘキサン中30%EtOAc)で反応が完了したことを確認した。飽和塩化アンモニウム溶液および氷でクエンチした後、混合物をEtOAc(3×60mL)で抽出した。次いで合わせた有機層を1N.NaOH溶液(2×40mL)、水(2×40mL)およびブライン(2×40mL)で洗浄した。NaSOで乾燥した後、有機層を蒸発させて約20mLに濃縮すると白色固体が沈殿し始めた。混合物を冷却し、濾過し、フィルターをヘキサンで洗浄して2.2gの白色固体を得た。濾液をさらに冷却して、さらに0.8gの5(収率76.9%)を白色固体として得た。融点 94-95℃. 1H-NMR (CDCl3) δ 1.28-1.51 (m, 8H), 1.51-1.63 (m, 3H), 1.69-1.81 (m, 2H), 3.62 (t, 2H, J=6.58Hz), 3.88 (t, 2H, J=6.52Hz), 5.00 (s, 2H), 6.82 (d, 2H, J=9.09Hz), 6.89 (d, 2H, J=9.21Hz)および7.26-7.45 (m, 5H) ; 13C-NMR (CDC13) δ 25.6, 25.9, 29.3, 32.6, 62.9, 68.5, 70.6, 115.3, 115.7, 127.4, 127.8, 128.4, 137.2, 152.7 および 153.4; IR (KBr): 3303 cm-1 ; MS (ES+) : 329 (M+1) ; C21H28O3に対する分析.計算値: C, 76.78 ; H, 8.60 ; 実測値: C, 76.64 および H, 8.58.
Figure 2005509594
化合物6
冷却したアルコール5(1g、3.05mmol)のCHCl(40mL)溶液(0℃)に、2,6−ルチジン(0.46mL、3.955mmol)を加え、次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.62mL、3.687mmol)を加えた。0℃で15分間攪拌した後、TLC(EtOAc:ヘキサン 1:3)で反応が完了したことを確認した。次に反応混合物を水(2×20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を完全に除去し、生成物トリフラートを高真空で10分間乾燥した。次いでトリフラートをCHCl(10mL)に溶解し、0℃に保ったN−Bocフェニルアラニノール(1.53g、6.095mmol)およびNaH(0.305g、鉱油中60%、7.625mmol)のCHCl(30mL)溶液に10分以内に加えた。反応は激しくあわ立った。5分間攪拌して、18−クラウン−6(0.081g、0.307mmol)を加え、反応混合物を室温に至らせ、室温で30分間攪拌した。TLC(ヘキサン中25%EtOAc)で反応が完了したことを確認した。次に反応物を水(2×20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。NaSOで乾燥させた抽出物から溶媒を除去して粗生成物を得、それを、溶離液として10%EtOAc(ヘキサン中)を用いてシリカゲル(20×4cm)でfカラムクロマトグラフィーによって精製し、純粋なエーテル6(1.39g、収率81.28%)を白色固体として得た。融点65-66℃. lH-NMR (CDCl3) δ1.28-1.39 (m, 6H), 1.42 (s, 9H), 1.39-1.51 (m, 2H), 1.51-1.64 (m, 2H), 1.69-1.81 (m, 2H), 2.75-2.94 (m, 2H), 3.23-3.32 (m, 2H), 3.32-3.45 (m, 2H), 3.88 (t, 2H, J=6.52Hz), 4.88 (d, 1H, J=8.04Hz), 4.98 (s, 2H), 6.81 (d, 2H J=9.26Hz), 6.88 (d, 2H, J=9.21Hz) および7.15-7.43 (m, 10H); 13CNMR (CDC13) δ 25.9, 26.1, 28.3 (2C), 29.29, 29.33, 29.5, 37.7, 51.5, 68.4, 70.3, 70.5, 71.1, 79.1, 115.2, 115.6, 126.1, 127.3, 127.7, 128.2, 128.4, 129.4, 137.2, 138.2, 152.7, 153.4 および 155.3; IR (neat) : 1685, 3373cm-1; MS (ES+) : 562 (M+1) ; C35H47NO5に対する分析.計算値: C, 74.83 ; H, 8.43; N 2.49 ;実測値: C, 74.59 ; H, 8.39 および N, 2.56.
化合物7
Bocで保護されたエーテル6(1.00g、1.782mmol)のCHCl(5mL)溶液に室温でTFA(5mL)のCHCl(5mL)溶液を加え、室温で30分間攪拌した。TLC(CHCl中10%MeOH)で反応が完了したことを確認した。溶媒およびTFAを真空下で完全に除去し、残渣をCHCl(20mL)に溶解した。それを飽和NaCO(2×10mL)、水(2×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。NaSOで乾燥させた抽出物から溶媒を除去し、粗生成物を得た。10%MeOH(CHCl中)を用いてシリカゲル(15×3cm)でカラムクロマトグラフィーによって精製し、純粋なアミン7(0.711g、収率86.51%)を無色油状物として得た。1H-NMR (CDC13) δ 1.28-1.38 (m, 6H), 1.38-1.50 (m, 4H), 1.50-1.64 (m, 2H), 1.67-1.79 (m, 2H), 2.52 (dd, 1H, J1=13.19Hz, J2=7.29Hz), 2.76 (dd, 1H, Jl=13.34Hz, J2=4.45Hz), 3.15-3.27 (m, 2H), 3.33-3.48 (m, 3H), 3.86 (t, 2H, J=6.44Hz), 4.96 (s, 2H), 6.80 (d, 2H, J=9.12Hz), 6.87 (d, 2H, J=8.92Hz) および 7.15-7.43 (m, 10H) ; 13CNMR (CDC13) δ 25.8, 25.9, 29.2(2C), 29.3, 29.5, 40.6, 52.2, 68.3, 70.4, 71.1, 75.2, 115.1, 115.6, 126.1, 127.3, 127.7, 128.3, 128.4, 129.1, 137.2, 138.8, 152.6 および 153.3; MS (ES+) : 462 (M+1) ; C30H39NO3に対する分析.計算値: C, 78.05 ; H, 8.52 ; N 3.03 ; 実測値: C, 77.83 ; H, 8.56 および N, 3.02.
化合物1439
アミン7(0.7g、1.518mm0l)のDME(15mL)溶液に炭酸カリウム(1.25g、9.057mmol)およびヨードメタン(1.4mL、22.4mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。TLC(CHCl中10%MeOH)で反応が完了したことを確認した。生成物の沈殿が見られた。生成物が全て溶液の状態になるまでCHClを反応混合物に加えた。セライト521を用いた濾過によってKCOを除去した。固体が沈殿し始めるまで、濾液をロータリー・エバポレータで濃縮した。これを濾過し、DMEおよび酢酸エチルで洗浄して、純粋な1439(0.518g、収率54.08%)を白色固体として得た。融点 l28-129℃. 1H-NMR (CDC13) δ 1.29-1.40 (m, 6H), 1.40-1.52 9m, 2H), 1.52-1.63 (m, 2H), 1.69-1.81 (m, 2H), 3.12 (t, 1H, J=12.26Hz), 3.22-3.43 (m, 4H), 3.58 (s, 9H), 3.84-3.95 (m, 3H), 4.25-4.33 (m, 1H), 5.00 (s, 2H), 6.81 (d, 2H, J=9.15Hz), 6.90 (d, 2H, J=9.14Hz) および 7.21-7.45 (m, 10H) ; 13CNMR (CDCl3) δ 25.9, 26.1, 29.18, 29.2, 29.24, 29.3, 31.3, 53.4, 65.1, 68.4, 70.5, 71.7, 73.8, 115.2, 115.6, 127.3, 127.5, 127.7, 128.4, 129.0, 129.4, 134.7, 137.1, 152.7 および 153.3 ; MS (ES+) : 504 (M+); C33H46INO3に対する分析.計算値: C, 62.75 ; H, 7.34 ; N 2.22 ; 実測値: C, 62.40 ; H, 7.17 および N, 2.17.
グアニジン1503の合成
Figure 2005509594
化合物8
化合物3(遊離アミン、1.0g、3.05mmol)、N−Boc−L−フェニルアラニン(0.89g、3.35mmol)、1−[3−[(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.72g、3.66mmol)およびDMAP(0.036g、0.30mmol)を20mLの無水CHClに溶解した。混合物を室温で3時間攪拌し、CHCl(50mL)で希釈して、5%のNaHCO溶液(2×30mL)で洗浄し、次いでブライン(1×30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。生成物をヘキサン/CHCl/MeOH(3/1/0.1)を用いてフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、8(1.5g、収率86%)を白色固体として得た。融点: 108-110℃. ; 1H NMR (CDC13) δ 1.17-1.45 (m, 10H), 1.41 (s, 9H), 1.69-1.82 (m, 2H), 2.96-3.18 (m, 4H), 3.89 (t, 2H, J= 6.5Hz), 4.26 (q, 1H, J= 7.6Hz,), 5.01 (s, 2H), 5.09 (bs, 1H,-NH), 5.67 (bs, 1H, -NH), 6.82 (d, 2H, J= 9.2Hz), 6.90 (d, 2H, J= 9.2Hz), 7.19-7.41 (m, 10H) ; 13C NMR : (CDC13). δ 26.19, 26.87, 28.48, 29.35, 29.44, 29.53, 29.54, 38.98, 39.62, 68.69, 70.87, 115.55, 115.98, 127.67, 128.07, 128.74, 128.86, 129.52, 137.50, 153.03, 153.66, 171.11.; MS (ES+) 575 (M+1), 475 (M+1-Boc) ; (ES-) 573 (M-1).
化合物9
化合物8(1.5g、2.61mmol)の無水CHCl(10mL)溶液に、無水CHCl(5mL)中のトリフルオロ酢酸(5mL)を室温にてアルゴン雰囲気下で加えた。混合物を30分間攪拌し、反応を10gの固形NaHCOを加えることによってクエンチした。混合物を水(50mL)とCHCl(2×100mL)との間で分離した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。生成物をエーテルから結晶化して、9(1.2g、収率97%)を白色固体として得た。融点: 82-84℃., 1H NMR (CDC13) δ 1.30-1.57 (m, 10H), 1.67-1.77 (m, 2H), 2.68 (dd, 1H, J= 9.1, 13.6Hz), 3.15-3.27 (m, 3H), 3.54 (dd, 1H, J= 4.3, 9.1Hz), 3.85 (t, 2H, J= 6.5Hz), 4.95 (s, 2H), 6.79 (d, 2H, J= 9.2Hz), 6.87 (d, 2H, J= 9.2Hz), 7.17-7.37 (m, 10H) ; 13C NMR (CDC13) δ 25.93, 26.77, 29.15, 29.21, 29.28, 38.98, 41.01, 56.37, 68.40, 70.50, 115.26, 115.68, 126.66, 127.37, 127.77, 128.44, 128.57, 129.25, 137.25, 137.95, 152.74, 153.39, 174.00 ; MS (ES+) 475 (M+1).
化合物10
攪拌した化合物9(0.1g、0.21mmol)のDMF溶液に、トリエチルアミン(0.073mL、0.52mmol)およびHgCl(0.095g、0.35mmol)を加えた。混合物を0℃まで冷却し、ビス−Boc−S−メチル−イソチオ尿素(0.091、0.31mmol)をすぐに加えた。混合物を3時間攪拌し、得られた白色固体を濾過した後、濾液を5%NaHCO(50mL)とEtOAc(3×50mL)との間で分離した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。生成物をヘキサン/EtOAc(15/1から7/1)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、10(0.14g、収率93%)を無色油状物として得た。1H NMR (CDC13) δ 1.20-1.55 (m, 10H), 1.48 (s, 18H), 1.69-1.77 (m, 2H), 3.05-3.18 (m, 4H), 3.88 (t, 2H, J=6.5Hz), 4.67 (q, 1H, J =7.2Hz), 5.00 (s, 2H), 6.42 (1H, プソイド t, -NH), 6.82 (d, 2H, J= 9.3Hz), 6.90 (d, 2H, J= 9.3Hz), 7.18-7.44 (m, 10H), 8.81 (d, 1H, J=7.2Hz, -NH), 11.31 (s, 1H, -NH) ; 13C NMR (CDC13) δ 26.14, 26.28, 26.84, 28.13, 28.39, 29.30, 29.38, 29.48, 37.76, 39.55, 56.06, 68.60, 70.78, 79.45, 83.60, 115.47, 115.90, 126.99, 127.61, 128.00, 128.63, 128.67, 129.66, 137.02, 137.44, 152.79, 152.95, 153.59, 155.90, 163.14, 170.21; MS (ES+) 717 (M+1); (ES-) 715 (M-1).
化合物1503
化合物10(0.3g、0.42mmol)の無水CHCl(2mL)溶液に、無水CHCl(1mL)中のトリフルオロ酢酸(1mL)を室温にてアルゴン雰囲気下で加えた。混合物を1時間攪拌し、減圧下で蒸発させた。残渣を5%NaCO(50mL)とEtOAc(3×50mL)との間で分離した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。生成物を、CHCl/MeOH/30%NHOH(10/1/0.1)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、0.17gの1503の遊離塩基を非晶質固体(収率79%)として得た。1503の遊離塩基(50mg)の無水CHCl(3mL)溶液を、50μLのトリフルオロ酢酸に加え、混合物を無水エーテル(5×10mL)とともに蒸発させた。得られた白色結晶をエーテルで懸濁し、濾過によって集めて1503(0.045g、収率74%)を得た。融点: 108-113℃ ;1H NMR (遊離塩基, CDC13) δ 1.11-1.55 (m, 10H), 1.68-1.77 (m, 2H), 2.85-3.23 (m, 4H), 3.86 (t, 2H, J=6.5Hz), 4.82 (bs, 1H), 4.97 (s, 2H), 6.80 (d, 2H, J=9.2Hz), 6.88 (d, 2H, J=9.2Hz), 7.21-7.41 (m, 10H), 7.95 (bs, 2H,-NH2), 8.23 (bs, 1H,-NH) ; 13C NMR (CDC13) δ 26.17, 26.81, 28.73, 29.31, 29.38, 29.53, 40.13, 68.66, 70.80, 115.49, 115.94, 127.65, 128.02, 128.69, 128.96, 129.30, 135.04, 137.45, 152.98, 153.62, 157.09, 171.22 ; MS (ES+) 517 (M+1).
環状グアニジン化合物1686の合成(スキーム4)
Figure 2005509594
化合物1686
化合物9(0.05g、0.105mmol)および2−メチルチオ−2−イミダゾリン ヨウ化水素酸塩(0.14g 0.580mmol)の無水CHCN溶液を2日間還流した。混合物を冷却し、減圧下で蒸発させた。残渣をCHClで懸濁して、固体を全て濾過により除去した。濾液を濃縮し、NHOH飽和CHCl/MeOH(100/1から10/1)を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、エーテルから結晶化して30mgの1686(0.03g、収率53%)を白色固体として得た。1H NMR (遊離塩基, CDC13, δ ppm) 1.18-1.52 (m, 10H), 1.65-1.79 (m, 2H), 2.74 (dd, 1H, J=9.2, 13.1Hz), 3.10-3.41 (m, 7H), 3.52 (bs, 1H, -NH), 3.89 (t, 2H, J=6.5Hz), 3.85-3.94 (m, 1H), 4.82 (bs, 1H), 5.01 (s, 2H), 6.78 (d, 2H, J=9.2Hz), 6.90 (d, 2H, J=9.2 Hz), 7.22 (m, 1H, -NH), 7.26-7.41 (m, 10H) ; 13C NMR (CDCl3, δ ppm) 26.19, 27.03, 29.41, 29.47, 29.53, 29.59, 39.29, 40.85, 43.69, 62.06, 68.71, 70.85, 115.53, 115.96, 126.69, 127.68, 128.05, 128.69, 128.73, 129.64, 137.49, 139.37, 153.00, 153.64, 160.14, 173.33. ; MS (ES+) 543 (M+1) ; (ES-) 541 (M-1).
グアニジン化合物1679の合成(スキーム5)
化合物11
7(0.30g、0.65mmol)の無水DMF(4mL)溶液に、EtN(0.35mL、2.63mmol)および1,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチル−2−チオプソイド尿素(0.208g、0.717mmol)を加え、室温で5分間攪拌した。HgCl(0.194g、0.715mmol)を反応混合物に加え、室温で30分間攪拌を続けた。TLC(CHCl中10%MeOH)で反応が完了したことを確認した。EtOAC(20mL)で希釈し、形成した白色固体をセライト521で濾別した。濾液を水(3×5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を除去して粗生成物を得、それをヘキサン中の10%EtOAcを溶離液として用いて、シリカゲルでカラム(15×2cm)クロマトグラフィーによって精製して、純粋な生成物11(0.218g、収率92.8%)を得た。1H-NMR (CDC13) δ 1.27-1.43 (m, 8H), 1.47 (s, 9H), 1.50 (m, 9H), 1.53-1.65 (m, 2H), 1.67-1.81 (m, 2H), 2.83-3.02 (m, 2H), 3.25-3.35 (m, 2H), 3.39 (t, 2H, J=6.30Hz), 3.88 (t, 2H, J=6.53Hz), 4.41-4.54 (M, 1H), 4.98 (s, 2H), 6.81 (d, 2H, J=9.18Hz), 6.88 (d, 2H, J=9.21Hz), 7.15-7.43 (m, 10H), 8.66 (d, 1H, J=8.34Hz) および 11.48 (s, 1H) ; 13CNMR (CDC13) δ 25.9, 26.0, 27.9, 28.2, 29.2, 29.3, 29.4, 29.5, 37.2, 51.4, 68.3, 69.4, 70.4, 71.1, 78.7, 82.6, 115.2, 115.6, 126.2, 127.3, 127.7, 128.1, 128.4, 129.5, 137.2, 137.9, 152.6, 152.8, 153.3, 155.5 および 163.6 ; MS (ES+) : 704 (M+1) ; C41H57N3O7に対する分析.計算値: C, 69.96 ; H, 8.16 ; N 5.97 ; 実測値: C, 69.91 ; H, 8.10 および N, 5.93.
化合物1679
11(0,16g、0.227mmol)のCHCl(2mL)溶液に、TFA(2mL)のCHCl(2mL)溶液を加え、室温で3.5時間攪拌した。TLC(CHCl中10%MeOH)で反応が完了したことを確認した。溶媒およびTFAを完全に除去し、CHCl(20mL)に再溶解し、飽和NaCO(3×5mL)、水(2×5mL)およびブライン(5mL)で洗浄した。NaSOで乾燥した抽出物から溶媒を除去して粗生成物を得、それを、CHCl中の10%MeOHを溶離液として用いて、シリカゲルでカラム(10×2cm)クロマトグラフィーによって精製して、純粋なグアニジン誘導体1679(0.082g、収率71.65%)を得た。1H-NMR (CDC13) δ 1.17-1.45 (m, 8H), 1.45-1.61 (m, 2H), 1.65-1.81 (m, 2H), 2.73-2.87 (m, 1H), 2.87-3.04 (m, 1H), 3.25-3.43 (m, 3H), 3.43-3.56 (m, 1H), 3.65-3.80 (m, 1H), 3.86 (t, 2H, J=6.46Hz), 4.96 (s, 2H), 6.80 (d, 2H, J=9.18Hz), 6.88 (d, 2H, J=8.97Hz), 7.03 (bs, 1H), 7.16-7.49 (m, 12H, Ar-H および NH2) および 8.09 (d, 1H, 6.54Hz); 13CNMR (CDC13) δ 25.6, 25.7, 29.0(2C), 29.1(2C), 37.1, 55.1, 68.2, 70.4, 71.6, 73.9, 115.1, 115.5, 126.8, 127.2, 127.6, 128.3, 128.5, 128.8, 136.4, 137.1, 152.5, 153.2 および158.8; IR (neat): 3155, 3259, 3329 cm-1; MS (ES+) : 504 (M+1) ; C33H42F3N3O5(TFA 塩)に対する分析.計算値: C, 64.17 ; H, 6.85 ; N 6.80 ; 実測値: C, 64.68 ; H, 7.06 および N, 6.78.
Figure 2005509594
この実施例は、本発明の化合物の特質いくつかを例示する。
抗微生物試験(緑膿菌(P. aeruginosa)、大腸菌(E. coli)、枯草菌(B. subtilis)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)(MCR)、アスペルギルス・ニガー(A.niger)、およびマイコバクテリウム・フラベッセンス(M. flavescens))
MIC試験方法はナショナル・コミッティ・フォア・クリニカル・ラボラトリー・スタンダード(National Committee for Clinical Standards, NCCLS)の現手順に従ったもので、活性成分のMICに基づいて化合物に対する基礎的抗微生物データを提供するようにデザインされている。
試験化合物を可溶化し、希釈し、ピペットで10mLの無菌培養チューブに2つに分け、真空下で乾燥した。
特定した攻撃生物を適切な培地(すなわち、ミュラー−ヒントン・ブロス)において37℃で一晩増殖させた。これらの純性のブロス培養液を1:1,000に希釈して、2.0mLを試験化合物チューブに加えた。
適切な媒質対照、攻撃生物の生存対照、および抗生物質対照希釈溶液(すなわち、アンピシリンおよびナイスタチン)を、試験化合物と同じ方法で用意して攻撃生物にかけた。
培養物を37℃で一晩培養し、最初のクリアチューブの目による判定によってμg/mLにおけるMICが示された。
最小阻害濃度(MIC)は、攻撃生物の増殖を完全に阻害する試験化合物の濃度として定義される。
抗微生物試験(炭疽菌(B. anthracis))
炭疽菌(Bacillus anthracis)Sterne 34F2の胞子に対する、液体細菌培養培地におけるそれぞれの化合物のMICを測定するため、48ウェルの組織培養プレートを用いて128μg/mL〜0.0156μg/mLのMIC範囲を3回試験した。それぞれの化合物(ストック濃度:100%メタノール中1.0mg/mL)の希釈溶液(1:7.8まで)を2×ミュラー−ヒントン・ブロスで行った。胞子を1×10胞子/400μlになるように、濾過−滅菌MilliQ水中に懸濁した。
Figure 2005509594
Figure 2005509594
値はμg/mLとして報告され、それぞれのアッセイの最小阻害濃度(MIC)を示している。
複数の値が示されている場合(炭疽菌、黄色ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌(MCR))、これらは2回以上の試験が行われたことを示す。
炭疽菌を用いたアッセイでは、おおよそのMICが、細菌増殖培地を用いた標準ブロス希釈アッセイにおいて各種の化合物で測定するか、または細菌が哺乳動物細胞の培養培地で培養された場合はサンプルの濁度(細菌増殖の現われ)を目視で調べることによって決定される。
ネズミ3T3細胞における細胞毒性
方法
アッセイを行う前に、細胞数、血清濃度、および培地条件を最適化した。次いで以下に記載したアッセイ条件を用いて、細胞を1日目に植え、少なくとも1時間は付着させた。培養物における最終濃度が10、50および100μMになるように、被験物質を加えた(注記:最初のアッセイでは、500μMという濃度も含まれていたが、可溶性の問題、並びに著しい細胞毒性のために、この濃度は最終アッセイから外した)。被験物質の最初の可溶化は50:50のメタノール:水(v/v)にて行った。(注記:化合物1364は1日目に溶液状態になったが、2日目に沈殿した。有機溶媒を50%から66%に増やした(v/v))。化合物1439は、50%有機溶媒では全く溶液状態にならなかった。化合物1503bは、50%有機溶媒で溶液状態になった。メタノールの最大濃度は最終アッセイにおいて1.6%を超えなかった。1日目に、化合物1439および1364は溶解する前に超音波処理を必要とした)。細胞に加えて化合物を、5%CO/95%O雰囲気下、37℃で一晩培養した。2日目に、陽性対照ウェルにおける細胞を0.9% Triton X−100で45分間溶解して、LDH遊離の最大レベルを得た。プレートを250×gで5分間遠心分離し、上澄みを新しいアッセイプレートに移し、LDHを測定した。アッセイプレートはOD490nmで測定した。
実験条件
アッセイ条件:
培養培地 DMEM、10%子ウシ血清
対照:最大LDH遊離 0.9% Triton X−100で溶解
対照:自然LDH遊離 化合物を加えない細胞
対照:LDH標準 ウシの心臓のLDH(キットに含まれる)
培養条件 37℃で20時間、5%CO/95%O
化合物濃度 10μM、50μM、100μM
酵素アッセイ プロメガ・サイトトックス96 細胞毒性アッセイ(Promega Cytotox 96 Cytotoxicity Assay)
略語:DMEM=ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)
ウサギ初期腎細胞における細胞毒性
尿細管の単離および培養条件 ウサギの腎近位尿細管を、酸化鉄灌流法を用いて単離し、改良された条件下で35mmの組織培養皿において増殖させた。細胞培養培地はDMEM/Ham’s F−12(D−グルコース、フェノールレッド、またはピルビン酸ナトリウムを含まない)の1:1の混合物に、15mMのHEPESバッファー、2.5mMのL−グルアタミン(gluatmine)、1μMのピリドキシンHCL、15mMの炭酸水素ナトリウム、および6mMの乳酸塩を補ったものである。ヒドロコルチゾン(50nM)、セレン(50ng/mL)、ヒトトランスフェリン(5μg/mL)、ウシインスリン(10nM)およびL-アスコルビン酸−2−リン酸(50μM)を、毎日の媒質交換の直前に新鮮な培養倍地に加えた。
RPRCの処理 番号付けした全ての化合物をメタノールで希釈し、RPRCにおけるメタノールの最終濃度を0.1%未満(v/v)にした。4−BOPもメタノールに溶解するが、TMAIをエタノールに、そしてシプロフロキサシンを媒質に溶解した。溶媒のこれらの濃度は、RPRCの死滅のみにおけるいかなる増加も起こさなかった。
RPRCの死滅の測定 フローサイトメトリーを用いたアネキシン(annexin)VおよびPI染色の両方の検査によって、細胞死をRPRC内でモニターした。つまり、RPRCを指示された濃度の化合物に24時間暴露した。媒質を除去し、RPRCをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄して、アネキシンV−FITC(1μmol)およびPI(25μg/mL)を含む結合バッファー(binding buffer)(10mMのHEPES、140mMのNaCL、5mMのKCL、1mMのMgCl、1.8mMのCaCl、pH=7.4)中で培養した。10分間の培養の後、RPRCを結合バッファー中で3回洗浄し、ゴム冠ポリスマンでそっと解体することにより、単層から分離した。アネキシンVおよびPI染色は、BectonDickson FacsCaliburフローサイトメトリー(サンノゼ、カリフォルニア)を用いて測定した。サンプルとして同じ数の細胞(10,000)を数え、アポトーシスを起こした細胞を、アネキシンV−FITCのみに陽性に染色された細胞と定義した。壊死による細胞死を起こしているRPRCはPIでのみ染色された。遅れてアポトーシスを起こした細胞(経時的により広範囲にわたる原形質膜の分解を示す、アポトーシスおよび/または壊死による細胞死により最初に死滅するRPRC)を、アネキシンVおよびPIの両方で陽性に染色されるものと定義した。
データ分析 1匹のウサギから単離したRPRCが、1回の実験を意味した(n=1)。データを分析し、少なくとも3回の別個の実験の平均から平均値±標準誤差として報告する。
Figure 2005509594
1−100μM
2−300μM
3−ピーク効果(30μM)
RPRC−ウサギ初期腎細胞
TMAI−ヨウ化テトラメチルアンモニウム
基準値1μM=化合物1364、1439、1594および1617に対して約0.6〜0.7μg/mL(化合物の分子量による)
この実施例は本発明のいくつかの化合物の活性を阻害するNADシンテターゼ酵素を例示する。
原核生物NADシンテターゼ酵素活性アッセイ
Figure 2005509594
結合アッセイ−NADの生成を、アルコール脱水素酵素によるNADHへの転換を介してモニターした。[NADH]を2つの並行した方法によってモニターした。つまり、340nmにおける吸光度の変化、および460nm(励起320nm)における蛍光の変化である。アッセイ条件は以下の通りである:全体積=200mL;58.5mMのHEPPS、pH8.5;18.5mMのNHCl;9.75mMのMgCl;1%(v/v)EtOH;0.3%BOG(w/v);40μg/mLのADH;0.1mMのNaAD;0.2mMのATP;2.0μg/mLのNADシンテターゼ;2.5%(v/v)DMSO。阻害剤の背景、沈殿、およびADH阻害を決定するために対照を含めた。
Figure 2005509594
Figure 2005509594
Figure 2005509594
Figure 2005509594
本明細書中で引用された刊行物、特許出願、および特許を含む全ての引例は、あたかも各引例が引用することにより本明細書の開示の一部とされるべく個別にかつ具体的に指摘され、本明細書中にその全体が記述されているのと同じ程度まで、引用することによって本明細書中に組み入れられるものとする。
特にことわらない限り、用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「包含する(containing)」は、制限のない(open-ended)用語(すなわち、「含むが、制限されるものではない」という意味)として解釈すべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において特に指摘しない限り、範囲内に含まれるそれぞれ個々の値を個別に言及する簡略な方法として役立つことのみを意図しており、それぞれの個々の値は、あたかも個別に本明細書中に列挙されているかのように明細書中に組み入れられる。本明細書中の全ての方法は、本明細書において特に指摘がないか、または文脈上明らかに矛盾していない限り、任意の適切な順序で行うことが可能である。本明細書中に与えられた任意のおよび全ての実施例、または例示的な言葉(例えば「〜などの(such as)」)の使用は、発明をより明確にすることのみを意図しており、特に特許請求しない限り、本発明の範囲に制限をもたらすものではない。明細書中のどの言葉も、特許請求していない任意の要素を本発明の実施に必要であることと示していると解釈すべきではない。
本発明の好ましい実施態様を本明細書に記載しているが、それには発明者らが知る本発明を実施するためのベストモードが含まれている。それらの好ましい実施態様のバリエーションは、前述の記載を読むことで当業者に明らかになるであろう。発明者らは当業者がそのようなバリエーションを適切に使用することを期待し、さらに発明者らは本発明が本明細書に具体的に記載した以外の方法で実施されることを意図している。従って、本発明はここに添付する特許請求の範囲において列挙した主題の全ての変更および均等物を含む。さらには、本明細書において特に指摘がないか、または文脈に明らかに矛盾していない限り、それらの全ての可能なバリエーションにおける上述の要素のいかなる組み合わせも、本発明によって包含されている。
図1は、NADシンテターゼがNADの生合成の最終ステップを触媒する反応スキームを表す。 図2は、細菌のNADシンテターゼ酵素の触媒部位を図式的に示す。 図3は、細菌のNADシンテターゼ酵素の触媒部位がブロックされているところを図式的に示す。

Claims (62)

  1. 式(I):
    Ar−X−Ar−Y−L−Z−Q (I)
    [式中、QはQArまたはArであり;
    Ar、Ar、およびArは独立して、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−CアルコキシC−Cアルキル、ハロ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、C−CアルキルアミノC−Cアルキル、C−CジアルキルアミノC−Cアルキル、C−CトリアルキルアミノC−Cアルキル、アジド、アミンオキシド、ヒドロキシ、カルボキシル、C−Cアルキルカルボニル、C−CアルキルカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニルオキシ、C−CアルキルカルボニルオキシC−Cアルキル、C−CアルキルオキシカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシカルボニル、C−Cアルキルチオ、ニトロ、ニトロシル、シアノ、ヒドロキシルアミノ、スルホンアミド、C−Cジアルキルスルホンアミド、C−Cアルキルカルボニルアミノ、ホルミル、ホルミルアミノ、メルカプチル、および複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい、アリールまたはヘテロアリールであり;ヘテロアリールAr、Ar、またはArの環窒素原子は4級化されていてもよく;
    X、Y、およびZは独立して、共有結合、(CHO、O(CH、(CHO)、(OCH、(CHCHO)、(OCHCH、C(=O)O、OC(=O)、OC(=O)O、(CHS、S(CH、(CHS)、(SCH、NH、NR、NR、C(=O)NH、C(=O)NR、NHC(=O)、NRC(=O)、CH(OH)、およびCH(OR)(ここで、RはC−Cアルキルであり、mは0〜5である)からなる群から選ばれ;
    Lは{(CR−(W)−(CR(ここで、R−Rは独立して、H、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−CアルコキシC−Cアルキル、ハロ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、アジド、ヒドロキシ、アルデヒド、C−Cアセタール、C−Cケタール、C−Cアルキルカルボニル、C−CアルキルカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニルオキシ、C−CアルキルカルボニルオキシC−Cアルキル、C−Cアルキルチオ、ニトロ、ニトロシル、シアノ、スルホンアミド、C−Cアルキルカルボニルアミノ、および複素環からなる群から選ばれ;Wは、脂環式環、芳香環、複素環、脂環式、複素環式および/または芳香環の組み合わせ、C−Cアルケニル、ジエニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−Cアルキニルオキシ、無水物(anhydrido)、エノール、ケテン、アミノ、イミノ、ヒドラジニル、エポキシ、エピスルフィド(episulfide)、アミド、アミンオキシド、尿素、ウレタン、エステル、チオエステル、カーボネート、カルボニル、チオカルボニル、スルホニル、ジアゾ、スルホンアミド、エーテル酸素、エーテル硫黄、チオニル、シリル、パーオキサイド、ラクタム、ラクトン、フェニレン、単糖、二(dri)糖、三糖および高級多糖、核酸、アミノ酸、ホスホニル、ホスホリル、およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる部分であり;q、r、およびtは独立して0〜20であり;q、r、およびtは同時に0ではなく;そしてpは1〜6である)であり;Lは、O、N、またはSをさらに含んでいてもよく;並びに
    は、(i)アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cハロアルキルアミノ、C−CハロアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cヒドロキシアルキルアミノ、C−CヒドロキシアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、および4級化されていてもよい窒素原子を含む複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基を有していてもよい、C−Cアルキレニル、C−CアルキレニルカルボニルオキシC−Cアルキル、またはC−CアルキレニルカルボニルアミノC−Cアルキル基、(ii)C−Cアルキレニル;(iii)メチレニル、ただし、QがQAr(ここで、Arは、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、もしくはトリメチルアミノでパラ置換されたフェニルであるか、またはArはピリジルもしくはN−メチルピリジルである)であるとき、Zは共有結合またはO(C=O)以外である;(iv)共有結合、ただし、Arが、ピリジル、N−メチルピリジル、またはトリメチルアミノメチル基でパラ置換されたフェニルであるとき、Zは共有結合またはO(C=O)以外である;(v)アミジンまたはグアニジン官能基を含み、アミジンまたはグアニジンがC−CアルキルでN置換されていてもよい基;あるいは(vi)双性イオンである]の化合物またはその医薬上許容される塩。
  2. Ar、Ar、およびArが独立して、1〜3個の芳香環を含むアリールである、請求項1に記載の化合物。
  3. Ar、Ar、およびArが独立して、フェニルまたは置換されたフェニルである、請求項1または2に記載の化合物。
  4. Ar、Ar、およびArが独立して、1〜3個の環を含み、該環の1以上がO、N、またはSを含むヘテロアリールである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. Arが、フェニル、あるいは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−CアルコキシC−Cアルキル、ハロ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、C−CアルキルアミノC−Cアルキル、C−CジアルキルアミノC−Cアルキル、C−CトリアルキルアミノC−Cアルキル、アジド、アミンオキシド、ヒドロキシ、カルボキシル、C−Cアルキルカルボニル、C−CアルキルカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニルオキシ、C−CアルキルカルボニルオキシC−Cアルキル、C−CアルキルオキシカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシカルボニル、C−Cアルキルチオ、ニトロ、ニトロシル、シアノ、ヒドロキシルアミノ、スルホンアミド、C−Cジアルキルスルホンアミド、C−Cアルキルカルボニルアミノ、ホルミル、ホルミルアミノ、メルカプチル、および複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されたフェニルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  6. Arが、フェニル、あるいは、C−Cアルコキシ、ハロ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、アジド、C−Cアルキルカルボニルオキシ、C−Cアルキルチオ、ニトロ、シアノ、スルホンアミド、C−Cジアルキルスルホンアミド、C−Cアルキルカルボニルアミノ、および複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されたフェニルである、請求項5に記載の化合物。
  7. Arが、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−CアルコキシC−Cアルキル、ハロ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、C−CアルキルアミノC−Cアルキル、C−CジアルキルアミノC−Cアルキル、C−CトリアルキルアミノC−Cアルキル、アジド、アミンオキシド、ヒドロキシ、カルボキシル、C−Cアルキルカルボニル、C−CアルキルカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニルオキシ、C−CアルキルカルボニルオキシC−Cアルキル、C−CアルキルオキシカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシカルボニル、C−Cアルキルチオ、ニトロ、ニトロシル、シアノ、ヒドロキシルアミノ、スルホンアミド、C−Cジアルキルスルホンアミド、C−Cアルキルカルボニルアミノ、ホルミル、ホルミルアミノ、メルカプチル、および複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよいフェニルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  8. Arが、インドリル、あるいは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−CアルコキシC−Cアルキル、ハロ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、C−CアルキルアミノC−Cアルキル、C−CジアルキルアミノC−Cアルキル、C−CトリアルキルアミノC−Cアルキル、アジド、アミンオキシド、ヒドロキシ、カルボキシル、C−Cアルキルカルボニル、C−CアルキルカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニルオキシ、C−CアルキルカルボニルオキシC−Cアルキル、C−CアルキルオキシカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシカルボニル、C−Cアルキルチオ、ニトロ、ニトロシル、シアノ、ヒドロキシルアミノ、スルホンアミド、C−Cジアルキルスルホンアミド、C−Cアルキルカルボニルアミノ、ホルミル、ホルミルアミノ、メルカプチル、および複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されたインドリルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  9. Arが、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−CアルコキシC−Cアルキル、ハロ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、C−CアルキルアミノC−Cアルキル、C−CジアルキルアミノC−Cアルキル、C−CトリアルキルアミノC−Cアルキル、アジド、アミンオキシド、ヒドロキシ、カルボキシル、C−Cアルキルカルボニル、C−CアルキルカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニルオキシ、C−CアルキルカルボニルオキシC−Cアルキル、C−CアルキルオキシカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシカルボニル、C−Cアルキルチオ、ニトロ、ニトロシル、シアノ、ヒドロキシルアミノ、スルホンアミド、C−Cジアルキルスルホンアミド、C−Cアルキルカルボニルアミノ、ホルミル、ホルミルアミノ、メルカプチル、および複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい、フェニル、インドリル、またはピリジルである、請求項1に記載の化合物。
  10. Arが、C−CアルコキシおよびC−Cトリアルキルアミノからなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよいフェニルである、請求項1または9に記載の化合物。
  11. Arがインドリルである、請求項9に記載の化合物。
  12. QがArである、請求項11に記載の化合物。
  13. が、C−Cトリアルキルアミノを有していてもよいC−CアルキレニルカルボニルオキシC−Cアルキルである、請求項12に記載の化合物。
  14. がトリメチルアミノエチレニルカルボニルオキシt−ブチルである、請求項12に記載の化合物。
  15. が、C−Cトリアルキルアミノまたは4級化された窒素原子を含む複素環を有していてもよいC−Cアルキレニルである、請求項12に記載の化合物。
  16. が共有結合である、請求項12に記載の化合物。
  17. が双性イオンである、請求項12に記載の化合物。
  18. が、アミジンまたはグアニジン官能基を含み、アミジンまたはグアニジンがC−CアルキルでN置換されていてもよい基である、請求項12に記載の化合物。
  19. tが0である、請求項18のいずれかに記載の化合物。
  20. −RがHである、請求項19に記載の化合物。
  21. qおよびrが独立して1〜7である、請求項20に記載の化合物。
  22. 化合物が、
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    (式中、Iは医薬上許容される陰イオンである)
    からなる群から選ばれる、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物。
  23. 医薬上許容される陰イオンがヨウ化物である、請求項22に記載の化合物。
  24. 式:A−B−(CH−O−CO−CH−Ph(NMe(式中、Aは、ベンジルオキシ基で置換されていてもよい、フェニルまたはインドールであり;Bは共有結合または酸素原子であり;nは1〜15であり;およびIは医薬上許容される陰イオンである)の化合物。
  25. Figure 2005509594
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    (式中、Iは医薬上許容される陰イオンである)
    からなる群から選ばれる、請求項24に記載の化合物。
  26. 医薬上許容される陰イオンがヨウ化物である、請求項25に記載の化合物。
  27. 請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物および医薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
  28. 請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における微生物感染の治療または予防方法。
  29. 微生物のNADシンテターゼの酵素活性を阻害する化合物の有効量を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における微生物感染の治療または予防方法。
  30. 式A:
    Ar−X−Ar−O−(CH−NHCO−QAr (A)
    [式中、Ar、Ar、およびArは独立して、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−CアルコキシC−Cアルキル、ハロ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、C−CアルキルアミノC−Cアルキル、C−CジアルキルアミノC−Cアルキル、C−CトリアルキルアミノC−Cアルキル、アジド、アミンオキシド、ヒドロキシ、カルボキシル、C−Cアルキルカルボニル、C−CアルキルカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニルオキシ、C−CアルキルカルボニルオキシC−Cアルキル、C−CアルキルオキシカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシカルボニル、C−Cアルキルチオ、ニトロ、ニトロシル、シアノ、ヒドロキシルアミノ、スルホンアミド、C−Cジアルキルスルホンアミド、C−Cアルキルカルボニルアミノ、ホルミル、ホルミルアミノ、メルカプチル、および複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい、アリールまたはヘテロアリールであり;ヘテロアリールAr、Ar、またはArの環窒素原子は4級化されていてもよく;
    Xは、共有結合、(CHO、O(CH、(CHO)、(OCH、(CHCHO)、(OCHCH、C(=O)O、OC(=O)、OC(=O)O、(CHS、S(CH、(CHS)、(SCH、NH、NR、NR、C(=O)NH、C(=O)NR、NHC(=O)、NRC(=O)、CH(OH)、およびCH(OR)(ここで、RはC−Cアルキルであり、mは0〜5である)からなる群から選ばれ;
    は、(i)アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cハロアルキルアミノ、C−CハロアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cヒドロキシアルキルアミノ、C−CヒドロキシアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、および4級化されていてもよい窒素原子を含む複素環からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい、C−Cアルキレニル、C−CアルキレニルカルボニルオキシC−Cアルキル、またはC−CアルキレニルカルボニルアミノC−Cアルキル基であり;
    並びに、nは1〜15である]の化合物の製造方法であって、
    (i)式B:
    Ar−X−Ar−O−(CH−NH (B)
    の化合物を提供すること、
    および、(ii)式Bの化合物を、式C:
    HOOC−QAr (C)
    (式中、Qは保護されていていてもよい)
    の化合物と反応させることを含む方法。
  31. 式D:
    Ar−X−Ar−OH (D)
    の化合物を、式E:
    Hal−(CH−NPhth (E)
    (式中、「Hal」はハロゲン原子を表し、および「NPhth」は窒素原子で(CHと結合したフタリジミド(phthalidimide)を表す)の化合物と反応させて、式F:
    Ar−X−Ar−O−(CH−NPhth (F)
    の化合物を得、および式Fの化合物を加水分解することによって式Bの化合物を製造する、請求項30に記載の方法。
  32. nが7〜13である、請求項30または33に記載の方法。
  33. Ar、Ar、およびArがフェニルである、請求項30に記載の方法。
  34. XがCHOである、請求項30に記載の方法。
  35. が、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cハロアルキルアミノ、C−CハロアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cヒドロキシアルキルアミノ、C−CヒドロキシアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、および4級化されていてもよい窒素原子を含む複素環からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいC−Cアルキレニルである、請求項30に記載の方法。
  36. 式G:
    Ar−X−Ar−O−(CH−O−QAr (G)
    [式中、Ar、Ar、およびArは独立して、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−CアルコキシC−Cアルキル、ハロ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、C−CアルキルアミノC−Cアルキル、C−CジアルキルアミノC−Cアルキル、C−CトリアルキルアミノC−Cアルキル、アジド、アミンオキシド、ヒドロキシ、カルボキシル、C−Cアルキルカルボニル、C−CアルキルカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルカルボニルオキシ、C−CアルキルカルボニルオキシC−Cアルキル、C−CアルキルオキシカルボニルC−Cアルキル、C−Cアルキルオキシカルボニル、C−Cアルキルチオ、ニトロ、ニトロシル、シアノ、ヒドロキシルアミノ、スルホンアミド、C−Cジアルキルスルホンアミド、C−Cアルキルカルボニルアミノ、ホルミル、ホルミルアミノ、メルカプチル、および複素環からなる群から選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい、アリールまたはヘテロアリールであり;ヘテロアリールAr、Ar、またはArの環窒素原子は4級化されていてもよく;
    Xは、共有結合、(CHO、O(CH、(CHO)、(OCH、(CHCHO)、(OCHCH、C(=O)O、OC(=O)、OC(=O)O、(CHS、S(CH、(CHS)、(SCH、NH、NR、NR、C(=O)NH、C(=O)NR、NHC(=O)、NRC(=O)、CH(OH)、およびCH(OR)(ここで、RはC−Cアルキルであり、mは0〜5である)からなる群から選ばれ;
    は、(i)アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cハロアルキルアミノ、C−CハロアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cヒドロキシアルキルアミノ、C−CヒドロキシアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、および4級化されていてもよい窒素原子を含む複素環からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい、C−Cアルキレニル、C−CアルキレニルカルボニルオキシC−Cアルキル、またはC−CアルキレニルカルボニルアミノC−Cアルキル基であり;
    並びに、nは1〜15である]の化合物の製造方法であって、
    (i)式H:
    Ar−X−Ar−O−(CH−OH (H)
    の化合物を提供すること、
    および、(ii)式Hの化合物を、式J:
    HO−QAr (J)
    (式中、Qは保護されていてもよい)
    の化合物と反応させることを含む方法。
  37. 式D:
    Ar−X−Ar−OH (D)
    の化合物を、式K:
    Hal−(CH−OH (K)
    (式中、「Hal」はハロゲン原子を表す)の化合物と反応させて、式L:
    Ar−X−Ar−O−(CH−OH (L)
    の化合物を得ることによって、式Hの化合物を製造する、請求項36に記載の方法。
  38. nが7〜13である、請求項36または37に記載の方法。
  39. Ar、Ar、およびArがフェニルである、請求項38に記載の方法。
  40. XがCHOである、請求項36〜39のいずれか1項に記載の方法。
  41. が、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cハロアルキルアミノ、C−CハロアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cヒドロキシアルキルアミノ、C−CヒドロキシアルキルC−Cアルキルアミノ、C−Cジアルキルアミノ、C−Cトリアルキルアミノ、および4級化されていてもよい窒素原子を含む複素環からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいC−Cアルキレニルである、請求項36または37に記載の方法。
  42. NADの産生を減少させるかまたは無くすために、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物の有効量に原核生物を接触させることを含む、原核生物を死滅させる方法。
  43. NADの産生を減少させるかまたは無くすために、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物の有効量に原核生物を接触させることを含む、原核生物の増殖を減少させる方法。
  44. 原核生物が細菌である、請求項42または43に記載の方法。
  45. 細菌がグラム陰性菌またはグラム陽性菌である、請求項44に記載の方法。
  46. 原核生物が細菌の抗生物質耐性株である、請求項42または43に記載の化合物。
  47. 請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物を含む、消毒、滅菌、または汚染除去組成物。
  48. 請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物にそれを必要とする物質を接触させることを含む、該物質を消毒、滅菌、または汚染除去する方法。
  49. NADの産生を減少させるかまたは無くす量の請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物に真菌を接触させることを含む、真菌を死滅させる方法。
  50. NADの産生を減少させるかまたは無くすために、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物の有効量に真菌を接触させることを含む、真菌の増殖を減少させる方法。
  51. 食用動物に感染することができる微生物のNADシンテターゼを阻害するために、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物の有効量を食用動物に投与することを含む、食用動物の生産量を増加させる方法。
  52. 胞子形成細菌のNADシンテターゼを阻害するために、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物の有効量に動物の環境を接触させることを含む、動物における胞子形成細菌による感染を治療または予防する方法。
  53. 細菌のNADシンテターゼを阻害するために、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物の有効量で環境を処置することを含む、環境における胞子形成細菌の栄養細胞を死滅させる方法。
  54. 微生物のNADシンテターゼを阻害するために、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物の有効量に植物または植物の環境を接触させることを含む、植物における微生物による感染または病気を処置または予防する方法。
  55. 有害生物のNADシンテターゼを阻害するために、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物の農薬有効量に植物またはその環境を接触させることを含む、有害生物による植物への害を処置または予防する方法。
  56. 昆虫のNADシンテターゼを阻害するために、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物の有効量に環境を接触させることを含む、環境における昆虫の個体数を制御する方法。
  57. 感染剤のNADシンテターゼを阻害するために有効な量の化合物で目的物を処置することを含む、目的物上の感染剤を伴う農業テロに対抗する方法。
  58. 目的物が、動物、農作物、または土壌である、請求項57に記載の方法。
  59. 感染剤が真菌である、請求項57に記載の方法。
  60. 感染剤が細菌である、請求項57に記載の方法。
  61. 感染剤のNADシンテターゼを阻害するために有効な量の化合物で目的物を処置することを含む、目的物上の感染剤を伴う農業テロに対抗する方法であって、該化合物が請求項1〜26のいずれか1項に記載の化合物である方法。
  62. Figure 2005509594
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    からなる群から選ばれる、請求項22に記載の化合物。
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