JP2005508210A - 子宮内器具、該器具の作成方法、および子宮腔内に活性要素を挿入する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は概して、子宮内器具と、治療を主な目的として要素を子宮腔内に挿入する方法とに関する。子宮腔は解剖学的に直接的なアクセスが容易ではない位置にあり、今日まで、子宮内器具は避妊法の分野においてのみ使用されている。しかし、子宮腔は、適切な子宮内器具を用いれば他の種々の目的にも利用でき、特に、胚/卵子の一時的なインビボ培養を目的とした子宮壁(子宮内膜および/または子宮筋層)の直接的な処理に利用でき、全身の血液系に到達するための適切な投与経路としても利用できる。本発明は、これらに関する手段を提供する。
【0002】
本発明は、特に、配偶子または胚を子宮(または卵管)内に埋植することによって、生殖補助医療(ART)においてインビボ且つ子宮内(または卵管内)での受精および/または着床前発育を行うことを可能にするための、回収可能な子宮(子宮腔または卵管)内器具に関する。
【0003】
本発明はまた、全身的な影響を生じることなく分子を子宮内膜付近に送達させることを目的として、遺伝子トランスフェクションによって遺伝的に改変した細胞系を子宮内に埋植するための同様の子宮内器具にも関する。これにより、ART後の胚移植の前もしくは自然受胎の前に、子宮内膜をより特異的に修正および調整すること、またはその反対に、標準的な子宮内避妊器具(IUD)と同様に妊娠を回避(避妊)することが可能となる。
【0004】
本発明はまた、子宮腔内に種々の活性要素を送達できる同様の子宮内器具にも関する。
【0005】
具体的には、該活性要素は、配偶子/胚と、インビボ培養した配偶子/胚(クローン技術または他の技術によって得られた胚であってもよい)のために子宮内環境を改善するため生理活性因子を分泌するよう遺伝子トランスフェクションによって遺伝的に改変した細胞系との両方であってもよい。
【0006】
本発明は、任意の哺乳動物に適用可能である。
【0007】
第一の局面において、本発明は、生殖医学、特にARTにおける体外受精(IVF)と、細胞カプセル化技術に関連する子宮内器具を使用した子宮からの薬物送達とに関する。
【背景技術】
【0008】
1978年に導入されて以来、IVFはヒトの不妊の原因の大多数に対処するための好ましい手技となっている。IVF過程の一部として、生殖細胞(卵母細胞および精子)および得られる受精卵母細胞(接合子、胚)は、各段階に適したインビトロ培地を使用して特定の手順により処理される。
【0009】
標準的な体外受精(IVF)には、以下の段階が含まれる。
【0010】
・成熟(卵母細胞の採取)
2つ以上の卵母細胞を確実に成熟させるため、実際の受精手順の前に女性にホルモン処理を行う。通常は、脳(視床下部および下垂体)と卵巣との間の正常なホルモン制御信号を阻害する要素(GnRHアゴニスト)を14〜21日間投与する。その後、比較的多量のFSH(卵胞刺激ホルモン)を卵巣の反応に応じて10〜20日間投与する。FSHによって、それぞれ卵母細胞を1個含む多数の卵胞の成熟が促される。卵母細胞が排卵可能な状態になったら、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を投与することにより卵母細胞を最終的に成熟させる。
【0011】
・卵母細胞の吸引
インビボで成熟させた卵母細胞を、超音波ガイド下卵胞穿刺によって女性の卵巣から採取する。
【0012】
・受精および胚培養
体外受精は、精子を卵母細胞に加える(体外受精(IVF))、または成熟した各卵母細胞に精子を1つずつマイクロインジェクトする(細胞質内精子注入(ICSI))ことによって行う。受精させた卵母細胞を生殖管外のIVF培地で2〜5日間培養する。
【0013】
・胚移植
胚を2〜5日間インビトロで培養した後、数個の胚を選択し、細いカテーテルを使用して女性の子宮に移植する。体外受精および胚培養の最終的な目的は、正常に発育を続け出産に至ることができる、質の高い胚を提供することである。
【0014】
・胚の着床前発育のためのインビトロ培養
ほぼ20年間にわたってIVFによる治療が行われており、且つ、最近では細胞質内精子注入(ICSI)による治療が行われているにもかかわらず、移植胚1つあたりの着床率は低いままにとどまっており、平均約20%である。
【0015】
世界中の大多数のIVFセンターは2日目または3日目に胚移植を行っており、これは生理的な着床時期の3日または2日前に当たる。胚の生理や代謝の分野における最近の発展により、胚が生殖管を通って移動する際の動的環境を擬似するよう設計された、新しい連続無血清培地が作成された(Gardnerら、1996)。連続培地系(G1.2/G2.2)では最も高い胚盤胞形成率が得られるものの、依然として50%と低い(Gardnerら、1998)。
【0016】
胚を胚盤胞の段階まで培養することの理論的根拠は、発育能力を有することが確認できた胚を移植用に選択できることにある。さらに、胚盤胞を子宮内に移植することは、通常は卵管内に存在する初期分割胚を移植することよりも生理的にインビボ条件に近く、且つ、胚着床までの時間が短いことにより胚が子宮から排出されるリスクが少ない。
【0017】
Spandorferら(2002)が最近報告しているように、ヒトの子宮内膜上皮細胞(Simonら、1999)および/または間質性細胞(Barmatら、1998)と接合子とをインビトロで共培養すると、初期胚1つあたりの卵割球数、桑実胚〜胚盤胞期までの発育率、自発ハッチング(hatching)率および細胞質フラグメントのパーセンテージ、ならびに着床率に対して有益な影響があることが、ごく最近の論文に記載されている。
【0018】
米国およびカナダのART活動に関する1994年の報告によれば、卵管内配偶子移植(GIFT)および卵管内接合子移植(ZIFT)は体外受精と比較して臨床妊娠率が高い。より近年では、標準的なIVF後の胚盤胞移植と比較して、着床の失敗を繰り返した症例における結果が卵管内接合子移植により改善されたとLevranら(2002)が報告している。
【0019】
これらの知見から、子宮液中に存在するすべての既知および未知の成長因子から利益を受ける胚の発育にとって、ならびに、着床過程において子宮内膜に侵入するための胚の能力にとって、上部生殖管内に接合子が存在することが重要であるという可能性が示唆される。
【0020】
さらに、インビボで作製された胚はインビトロで作製されたものと比較して変質が少ない、すなわち、細胞間連絡機構がより多く(Boniら、1999)、特にミトコンドリアがより成熟している(Crosierら、2000)ことが、ウシを用いた最近の研究により示されている。
【0021】
前記のすべての研究は、子宮液の特性を模すことにより培地を最適化するという試みがなされているとはいえ、インビトロにおける胚の着床前発育が最適ではないことを示している。
【発明の開示】
【0022】
本発明は、IVFプログラム(またはその他すべての哺乳動物のクローニング)において一時的な子宮内自然インキュベーションの利益を配偶子および/または着床前の接合子/胚にもたらすことを特に目的とした、細胞カプセル化技術を用いたARTの新規方法を提供する。
【0023】
さらに、時間を制御した子宮内インキュベーションによって、胚発育の質が向上し、且つその結果として着床率が向上する可能性があり、とりわけ、胚盤胞移植がARTユニットで一般化されれば、標準的なIVF手技と比較して、利益に対する費用が低くなるという経済的利点が得られる可能性がある。
【0024】
第二の局面において、本発明は、特に細胞療法を目的として、遺伝的に改変されていてもよい組織、細胞、または細胞系を埋植することによる、活性要素の子宮内送達に関する。
【0025】
すべての哺乳動物において、着床の成功は、良質の胚と受入側の子宮内膜との間のやりとり(crosstalk)が完全であることと関連性がある。
【0026】
ARTの分野においては、連続した生理学的な卵胞期と黄体期とを模倣するために17βエストラジオールおよびプロゲステロンを投与するという内分泌学的な処置によって子宮内膜の受容度に複雑な事象が生じるが、この複雑な事象を制御するために医師ができることは限られている。
【0027】
基礎科学の文献においては、現在、周着床期における胚と子宮内膜との間のパラクリン学的特性に焦点を当てた、関心対象分子を持たないノックアウトマウスなどのインビトロおよびインビボのモデルを使用した研究が大多数を占めている。例えば、インテグリンβ1欠損マウス(FasslerおよびMeyer、1995)およびインターロイキン11受容体α鎖の無発現変異を有する雌性マウス(Robbら、1998)では胚の着床が成立しないと報告されている。
【0028】
ただし、齧歯目においては、胚と子宮内膜との直接的接触が必須ではないことが確認されている(Shiotaniら、1993)。しかし、20年間にわたって胚の着床率が安定して低いままであることから、プロゲステロンの腟内投与と、hCGの全身投与と、最終的な17βエストラジオールの投与とによるホルモン調節は、最適とはいえず、胚着床過程の複雑なパラクリン学的特性にもほど遠いといえる。
【0029】
本発明は、IVFプログラムの胚移植前に、関心対象の分子を分泌するよう遺伝的に改変した細胞系を子宮内膜付近に一時的に埋植するために、細胞カプセル化技術を利用したARTの新規の概念を提供する。
【0030】
このように、子宮内で標的組織の近くに分子または「薬物」を送達することにより、より良好且つ選択的な子宮内膜の調整が可能となり、且つ、半減期が短い低分子または副作用を有し全身投与が禁じられている分子の使用も可能となる。
【0031】
第三の局面において、本発明は、子宮壁着床前の胚を受容せしめる前に子宮を調整できる作用物質または子宮を治療するための作用物質を送達するための、埋植/挿入可能な器具に関する。本態様においては、特に胚移植の準備に関連して子宮を刺激する能力を有する特定のまたはほとんどの薬物、栄養素、ビタミン、アミノ酸、脂肪酸、ペプチド、タンパク質など、または、その他任意の治療用作用物質を、これらの作用物質を放出するポリマーまたは細胞を含む本発明の器具により容易に送達できる。事実、薬物送達用である本発明の回収可能な子宮内器具は、通常は注射またはその他の送達経路で投与される薬物を受容できない女性にとって特別な利点がある。さらに、子宮壁を介した作用物質の送達は、生殖器系の種々の形態の癌および/またはその他の生殖器疾患、ならびにどの子宮疾患の治療にも最適な手段である可能性がある。
【0032】
本発明は特に、インビボ且つ子宮内の配偶子の受精および/または時間を制御した(数分〜48時間または72時間)胚の着床前発育を行うための細胞カプセル化子宮内器具であって、IVFプログラムにおける最終的な胚移植の前に子宮が「自然インキュベータ」の役割を果たすような器具を提供する。
【0033】
したがって、本発明の細胞カプセル化子宮内器具は、米国特許第3,628,530号(Jerome Schwarz、1969)および同第3,516,403号(Rene Cournut、1967)に記載されている避妊用IUDと類似の、新規且つ改良された子宮内器具である。本発明において該器具は、国際公開公報第91/00119号(Thomas Mandelら、1989)、同第01/64185号A2(NewmanおよびKram、2000)、米国特許第5,158,881号(Aebischerら、1990)、および同第6,054,142号(Liら、1996)に記載の細胞カプセル化技術を使用して、他の体細胞と関連する(インビボ共培養)または関連しない配偶子もしくは胚を子宮腔内に一時的に導入すること、ならびに、既定の時間の経過後に該配偶子または胚を回収することを可能にする。
【0034】
事実、本発明は、子宮液と相互作用できる1つ以上のカプセル化要素を子宮腔内に配置するための回収可能な子宮内器具であって、カプセル化要素が装填された子宮内器具を含む器具に関する。
【0035】
本発明において、「要素」という用語は、有機的または無機的、細胞性または分子性、天然または合成の任意の化合物または物質を意味する。
【0036】
「装填」という用語は、本発明の子宮内器具が例えば該器具の表面に吸着され得る該カプセル化要素の支持体である場合のみならず、該要素が本発明の器具内に収容されている場合をも含む。好ましい態様において、本発明の回収可能な子宮内器具は、該カプセル化要素がその中に装填されるようなハウジングを少なくとも1つ有する。異なる要素は同一のハウジング内で混合されていてもよく、または、別のハウジングに分けて配置されていてもよい。
【0037】
「子宮液と相互作用できる」という表現は、子宮壁(子宮内膜および/または子宮筋層)に作用を及ぼすために該要素が本発明の器具によって子宮液中へと送達される場合(第一のケース)のみならず、該要素が器具内にとどまり、該要素と子宮液および/または子宮壁(子宮内膜および/または子宮筋層)との間で既知または未知の交換または相互作用が行われる場合(第二のケース)も含む。
【0038】
「第一のケース」の第一の局面において、該要素は、子宮を処置できる作用物質のみならず、任意の病態を治療できる作用物質も含む。事実、子宮を処置できる作用物質は本発明の器具から子宮液中へと送達され、子宮腔の壁に直接的に作用を及ぼす。この種の作用物質は、最適な胚移植用に子宮壁を調整できる作用物質、最適な卵子培養用に子宮壁を調整できる作用物質、子宮を治療的に処理できる作用物質、および避妊薬を含む群より選択される。
【0039】
このようなシステムが有する利点により、全身投与することなく標的器官に直接的効果を与え得る作用物質を使用することが可能となる。
【0040】
さらに、「第一のケース」の第二の局面において、本発明の器具は、任意の病態を治療できる作用物質を子宮内投与により送達することを可能にする。換言すると、この種の作用物質は子宮液中へと送達され、次に子宮腔の壁と接触状態になり、子宮内膜の静脈系を通過し、次に全身の血液系を通過する。つまり、子宮内投与は、任意の器官に関する任意の病態を治療できる可能性が高い、任意の薬物の投与方法となり得る。
【0041】
本発明の回収可能な子宮内器具に装填される可能性が高い要素としては、1種類以上の作用物質を分泌する組織、細胞、または細胞系(細胞療法用);体細胞;幹細胞(全能細胞);遺伝子導入媒体(vehicle)としての組換えウイルス(遺伝子治療用);センスまたはアンチセンスmRNA配列;雄性および/または雌性配偶子;受精卵母細胞(2前核細胞);未受精卵;および、これら要素の任意の組合せが含まれる。
【0042】
前記「第二のケース」は受精卵母細胞(2前核細胞)および未受精卵に関するものであり、このケースにおいて子宮は自然インキュベータの役割を果たし、これにより該胚または卵子をインビトロ培地ではなく自然の培地中で培養することが可能となる。このケースにおいては、本発明の子宮内器具に装填されて子宮液中へと送達される要素はなく、「子宮液と相互作用する」という表現は、胚または卵子と子宮液および子宮壁から構成される環境培地との間で交換または相互作用が行われる状況を意味する。
【0043】
本発明の好ましい態様において、組織、細胞、または細胞系から分泌される少なくとも1種類の作用物質は、薬物、ホルモン、栄養素、ペプチド、タンパク質、抗体、栄養因子、成長因子、リンフォカイン、サイトカイン、酵素、血液凝固因子、血管新生因子、鎮痛薬、神経伝達物質、および神経修飾物質を含む群より選択される。これに関連し、本発明は、本発明の器具に装填される可能性が高い、作用物質を分泌する組織、細胞、または細胞系が、所望の生成物を分泌できるよう遺伝的に改変され得る場合を含む。
【0044】
本発明の別の好ましい態様において、子宮を治療的に処理できる作用物質は、抗炎症薬、アミノ酸、脂肪酸、抗体、栄養因子、成長因子、リンフォカイン、サイトカイン、酵素、タンパク質、ペプチド、血液凝固因子、血管新生因子、鎮痛薬、神経伝達物質、神経修飾物質、抗不安薬、抗うつ薬、抗生物質、センスまたはアンチセンスmRNA配列、および遺伝子導入媒体としての組換えウイルスを含む群より選択される。
【0045】
本発明の別の態様において、本発明の回収可能な子宮内器具に装填される要素は、癌、生殖器系の種々の形態の癌、生殖器疾患、ならびに、子宮疾患(子宮内膜症、腺筋症、出血性疾患および種々の感染症など)を治療できる(列挙は非限定的である)。
【0046】
事実、本発明の器具は多数の利点を提供する。該器具は子宮壁内に埋植されない、および、挿入に手術または麻酔を必要とせず完全に外来診察で挿入できるという事実から、該器具が子宮に問題を引き起こす可能性は低い。さらに、要素は自然の月経周期に合わせた相で送達してもよく、ホルモン依存的な遺伝子発現系に関連させこれにより器具からの薬物送達を制御してもよい。また別の非常に重要な点として、経皮的な投与経路である子宮内投与においては、投与された要素が初めに肝臓を通過することを回避できる。これにより、毒性が弱まり、且つ、該要素の生物学的利用能が向上する。さらに、該器具は、外科的介入により迅速に回収することができる。
【0047】
例えば、本発明の器具は以下のものを含む:
【0048】
1. カプセル
・非生分解性
・半透性
・高分子材料(すなわち、ポリエーテルスルフォンまたはPES。供給者=Akzo Nobel Faser AG(ドイツ、Wuppertal))の中空繊維(ポリアクリラート(共重合体を含む)、ポリビニリデン、ポリウレタンなど)
・細孔:子宮液中に存在する低分子〜高分子の透過性に関して最適な環境の質をもつよう適合されている必要がある
・細孔のサイズ:0.005μm以上=分子量カットオフ値150〜280 kDa
・細孔の構造:ミクロ細孔または任意の適切な構造
・外径=子宮用カテーテルに入れて子宮頸を通過させるのに最適なサイズに適合させる(すなわち、700μm)
・内径=卵子もしくは胚のサイズに適合させるか(すなわち、500μm)、卵子もしくは胚のサイズの約5倍とするか(放射冠を有する卵子のサイズ=ヒトで200μm)、または、送達する分子のサイズに適合させる
・長さは子宮腔に適合させ、これにより、子宮拡張による子宮内膜病変および有害要因、ならびに、排出を回避する(すなわち、約1.5 cm)
・円筒形、または上記の事項を考慮した、子宮腔に適合した任意の形状。
【0049】
2. 2つの支持部(ゾーンA(遠位)およびゾーンB(近位))であり、米国特許第3,628,530号(Schwarz)に記載のIUDの支持部に以下の改良を加えたもの:
・アクリラートベースの接着剤(Luxtrack LCM 23(米国、Ablestik社))またはキャップなど他の任意のシステムにより閉鎖された遠位部(A)、および、中空であり、且つ、1センス方向(内側)のバルブにより開放可能である近位部(B)
・ゾーンA支持部は、材料が支持部と同様の材料または他の材料であり子宮内で該器具を安定的に配置させるような、2つの羽または他の任意の器具を含む(液体接触時に厚みを増す薄い親水性の材料で覆われた、支持部と同様の材料の非対称な羽を含んでいてもよい)
・ゾーンB支持部は、該器具を回収するための除去用糸を取り付けるためのシリコーン製つなぎを含む
【0050】
3. プランジャー
【0051】
4. プランジャーに連結している操作用ハンドル
【0052】
5. 子宮内カプセル化器具を除去するための除去用繊維
【0053】
6. 除去用繊維を取り付けるための取付け器具であって、プランジャーに対する子宮内カプセル化器具の位置を固定するための器具
【0054】
7. 特許第CZ 286 820号(Lehtinen Mattiら、1994)に記載の、プランジャーを取り囲む保護管であるが、IVFを行う生物学者が標準的なピペットで配偶子、胚、薬物、またはその他任意の要素をプランジャーに装填できるようにした保護管
【0055】
本細胞カプセル化子宮内器具は、装填に適したマイクロピペットを使用して、カプセル化する配偶子および/もしくは胚、またはその他任意の前記要素を収容できる形状であれば、任煮の形状であってよい。好ましい埋植可能な胚培養器具は、O2、タンパク質、成長因子、および子宮内膜から放出される他の既知または未知の因子などの養分を十分に胚に移送できるよう適合させた細孔サイズを有する、管状の選択的透化膜であり、配偶子または胚を細胞用区画内へと装填するための端を1つ有する。反対の端は、キャップまたは、エポキシ接着剤、もしくはポリプロピレンなど生体適合性があり且つ吸収性のない材料の縫合糸で永久的に閉塞してもよい。
【0056】
本発明の回収可能な子宮内器具の構造については、内径が100〜10,000ミクロンであり且つ該子宮内器具を子宮腔(壁)に取り付けるのに適した手段を有する回収可能な中空繊維状の器具が、子宮内インキュベーション用の卵子/胚チャンバーとして理想的である。本発明に関連して採用された現行の器具デザインは、分子量カットオフ値が約240,000ダルトン、壁の直径が100ミクロン、内径が472ミクロンのポリエーテルスルフォン膜である。壁の厚さは、カプセル化材料の組成、空隙率、水力学的透過率、細孔サイズ、および強度に応じて50〜500ミクロンの範囲であってよい。分子量カットオフ値は50,000〜>100万の範囲であってよい。さらに、カプセル化材料は、ポリエーテルスルフォン、Pan-PVCまたは延伸PTFEを含む、任意の生体適合材料で構成されてよく、且つ、層状の構造または単一膜構造で形成されていてもよい。カプセル化器具はマトリックス材料または内部ライニング材料を含んでいてもよく、または含んでいなくてもよい。長さは0.5〜5 cmの範囲であってよく、または子宮内に無理なく適合する長さであれば任意の長さであってよい。上述のように、本器具で最も重要視すべき事項の1つは、子宮内の直接インキュベーションによる損傷を与えることなく完全に回収可能な状態で胚を保持できることである。さらに、該器具は、組織反応をほとんどまたはまったく生じないよう設計され、炎症反応もしくは線維症性反応、および/または子宮壁組織の不適切な損傷または瘢痕形成を誘発することなく埋植/挿入および回収ができるよう、滑らかな表面を有する。またさらに、該器具は、子宮内にとどまるための手段(すなわち、子宮の内側または外側に取り付けるために該器具の先端に接着された小さな縫合糸)を有し、且つ、子宮内への埋植後の任意の時期に(取り付けられている縫合糸によって)容易に回収できるように設計されている。現在はModex Therapeutics社の中空繊維器具(PES 5、PES 1、PES 10/10)に使用され過去にはCytotherapeutics社の器具(Pan-PVC)に使用されていたものと組成が類似している器具はこのような用途に理想的であるが、この全体的な説明を満たす器具であれば任意の器具が、意図される用途に好適である。
【0057】
本発明の器具は、標準的な避妊用IUDと同様に子宮頸を通じて外科的に子宮に埋植でき、且つ、インキュベーション後、既定の時間の経過後に除去できる。
【0058】
しかし、本発明では埋植部位として卵管を使用してもよく、これは、本細胞カプセル化子宮内器具に、例えば2つの羽を有する遠位部をつけないなどの改変を行うことにより可能となる。この埋植はアクセスがより困難であり、全身麻酔による腹腔鏡検査または局部麻酔による骨盤腔鏡検査と同様の外科的手技を用いる必要がある。このようなインビボ卵管内胚培養は、GIFTまたはZIFTと類似しているが、本発明の細胞カプセル化器具を使用することにより、インキュベーション時間の制御が可能となり、且つ、数に制限なく胚を装填し後にこれを回収し単純な洗浄手順後に移植用に選択することが可能となる。
【0059】
したがって、ICSIを伴うまたは伴わない標準的なIVFの後、標準的なマイクロピペットを使用して種々の段階(2〜5日目)の接合子または胚を本発明の細胞カプセル化子宮内器具のカプセルに装填できる。
【0060】
本発明はまた、子宮液と相互作用できる1つ以上のカプセル化要素を配置するための回収可能な子宮内器具を準備する方法であって、以下の段階を含む方法に関する:
・該要素をカプセル化に適した形式で提供する段階
・カプセル化した要素の収容に適した回収可能な子宮内器具を提供する段階
・該器具に該要素を装填する段階。
【0061】
本発明はまた、子宮液と相互作用できる1つ以上のカプセル化要素を配置する方法であって、以下の段階を含む方法に関する:
・回収可能な子宮内器具を提供する段階
・該器具を既定の期間にわたって子宮腔内に埋植する段階。
【0062】
本発明の好ましい態様において、前記方法は、好ましくはウシ、ヒツジ、ブタ、およびヒトを含む群より選択される、哺乳動物の子宮腔内で実施される。
【0063】
より好ましくは、本発明は以下の過程に従って実施してもよい。
【0064】
A. インビボでの受精
調整した精子および採取した卵母細胞を、子宮内に埋植するためカプセル化器具に注入する。インビボ且つ子宮内における既定且つ制御されたインキュベーション時間(例えば2時間)の経過後、カプセル化した精子および卵母細胞を回収し、接合子および/または受精していない卵母細胞を単純な洗浄手順後に収集する。低温保存用の接合子を選別するか、または3日目に移植するため残りの胚をインビトロ培養する。
【0065】
B. インビボでの着床前の胚発育
調整した精子および採取した卵母細胞を、従来法で体外受精させる。異なる発育段階(すなわち6〜8細胞期)の胚数個を細胞カプセル化器具に注入し、これにより、制御された時間(すなわち48時間)にわたる子宮腔内への埋植を可能にする。子宮からカプセル化システム器具を取り出した後、胚盤胞段階の胚を器具から洗い流し、従来の移植用カテーテルを使用して子宮腔内に移植するか、または凍結後にさらなるサイクルにおいて後に使用する。
【0066】
C. インビボでの胚のハッチング補助
最近、インビトロプログラムでよく研究および記述された胚盤胞のハッチングプロセスが、齧歯目における自然の事象であると誤って受け入れられていることが示された(Gonzalesら、2001)。事実、ハムスター種では、子宮から分泌されるプロテイナーゼからなる、透明帯からの胚盤胞の脱出に対するインビボでの子宮の寄与が、子宮内の透明帯消失に関する主要な機序であり、インビトロでみられる溶解作用は栄養外胚葉の侵襲的挙動により生じる副次的な機序であると考えられる。
【0067】
こうした驚くべき結果を考慮すると、本発明の子宮内細胞カプセル化器具を使用して一時的に胚をインキュベートする本発明を利用して、新規のハッチング補助法、すなわちインビボ胚ハッチング補助法を実施することができる。
【0068】
このことに基づき、本発明の細胞カプセル化器具を使用して配偶子および/または着床前の胚を時間制御を行ってインビボ且つ子宮内で培養することによって、胚‐母体間の境界において、胚の最適な発育に重要である、子宮内膜(または卵管内埋植の場合は卵管)と胚とから分泌される種々の既知および未知の因子のパラクリン作用との真のやりとりが可能となり、このことは、ARTプログラムにおける着床過程の成功を向上させる。
【0069】
他の科学者らも配偶子または胚のカプセル化について報告している(Loiら、1992;Nebelら、1993)。しかし、これらの研究はすべて、生分解性材料(アルギン酸ナトリウム)を使用したものであり、その目的は、胚移植手順に関連するいくつかの問題(外傷)を解消し埋植前の胚の保護を向上させること、および遊離した状態の胚の透明帯を保護することにある(Cosbyら、1990;Adaniyaら、1993)。
【0070】
本発明者が知る限り、本発明の細胞カプセル化器具を使用することにより配偶子および/または胚の自然インキュベーションを可能にするという、本発明に記載の新規概念は、これまで科学者によって公表または提唱されていない。
【0071】
本発明はまた、米国特許第4,686,098号(Kopchickら、1984)および同第4,892,538号(Aebischerら、1987)に記載の、遺伝子トランスフェクションにより遺伝的に改変した細胞系を用いた細胞カプセル化器具を使用する方法に、本発明以前に科学者によって公表されていない、子宮腔への埋植を行うための修正を加えた方法を提供する。
【0072】
前記の本新規器具によって、全身的な影響を与えることなく分子を子宮腔から子宮内膜付近に送達する新規方法が可能となり、且つ、ARTによる体外受精後の胚移植の前もしくは自然受胎の前に子宮内膜をより特異的に修正および調整すること、またはその反対に、標準的なIUDと同様に妊娠を回避(着床防止、受精防止)することが可能となる。
【0073】
生物活性因子を子宮腔に送達するという本新規概念によって、子宮内膜組織に対する特異的なパラクリン効果についての理解がさらに深まり、且つ、近い将来、ARTで胚移植をするために子宮内膜を調整および準備する新規且つ補完的な細胞療法アプローチが開発されるようになると考えられる。
【0074】
実施例1:マウスモデルにおけるインビボ且つ子宮内の胚培養
本実験は、改良した半透性の中空繊維をカプセルとしてマウスモデルで使用し、インビボ且つ子宮内で着床前の胚発育を行う能力を評価することを目的として実施した。
【0075】
標準的な卵巣刺激プロトコルを使用して4〜5週齢の思春期前のメスから接合子を得た。すなわち、PMSG(Folligon、Veterinaria社製)5 IUを投与してこれを手技1日目とし、48時間後である3日目の17:00にヒト絨毛性ゴナドトロピン(Choluron、Veterinaria社製)5 IUを腹腔内投与して過剰排卵を誘発した。
【0076】
HCG注入時(3日目)、メスはCBAxC57B1のオスと共にケージに入れておいた。
【0077】
オスとメスをケージに入れた後、5日目に6〜8細胞期の胚を収集し、インビボ培養(実験群1)または連続培地を使用したインビトロ培養(実験群2)を行った。膣栓を有するメス2匹のみを本実験で操作および使用した。
【0078】
メスを頚椎脱臼によって安楽死させ、胚を収集するため開腹手術を行って子宮角および卵管を摘出した。
【0079】
3日目に、偽妊娠のメス2匹(レシピエント)に対して、6〜8細胞胚を右または左の子宮角に移植した。
【0080】
実験群1の胚(インビボ培養)を、本発明の改良した中空繊維器具(半透性のポリエーテルスルフォン(PES)製の中空繊維、供給者=Akzo Nobel Faser AG(ドイツ、Wuppertal))に装填した。該器具は外径680μm、内径480μm、長さ0.5 cmであって、顕微鏡観察下で細いガラスピペットを使用して滅菌済み且つ非吸収性の6.0縫合糸に取り付けた。
【0081】
右または左の子宮角を摘出し、且つ、カプセル化した接合子を含む子宮内器具を右または左の子宮角腔に埋植するため、標準的手技に従ってエーテル麻酔下で背面切開を行った。
【0082】
カプセル化した接合子を含む子宮内器具を外科的に固定した後、子宮角を解剖学的位置に戻し、フックを使用して皮膚を閉じた。
【0083】
48時間後に、移植を行ったメスを頚椎脱臼によって安楽死させ、開腹手術を行って子宮内器具を含む右または左の子宮角を摘出し、該器具を回収した。
【0084】
該器具の遠位部分とカプセルの空洞とを切断した後、培地で洗浄しながら胚を収集した。
【0085】
表1に、6〜8細胞胚を48時間培養した後の発育をインビボとインビトロ(対照)とで比較した2つの実験の結果を示す。
【0086】
実験群1においては、カプセル化した6〜8細胞胚はすべて、対照群と同様に子宮内で発育を続けていた。しかし、インビトロで培養した胚と比較すると発育に遅れがみられた。
【0087】
本実施例は、カプセル化した胚を含む子宮内器具を使用することによって、少なくとも従来のインビトロ培養と同程度の発育度で胚を子宮内で自然インキュベーションできる可能性があることを初めて示すものである。
【0088】
入手可能な文献によると、IUDはこれまで受精に対して阻害的に作用すると考えられ、常に避妊と関連して捉えられてきた。子宮腔内の異物の存在は、すべての種において生殖に干渉することが知られている。しかし、生殖過程のうち影響を受ける段階は文献でほとんど明らかにされておらず、種によって異なり得ると考えられる。一般的に、IUDは子宮内膜に局所的な炎症反応を誘発すると考えられている。マウスおよびラットにおいては、この多形核白血球の慢性的な浸潤は細菌性感染に関連するものであり、胚毒性因子の分泌を伴う阻害的な環境において子宮内膜を変質させると考えられており(Parrら、1967)、20年後にはAlvarezら(1988)が、ヒトの女性において、胚盤胞が子宮腔に入る前の受精にIUDが影響を及ぼす可能性があると報告している。
【0089】
マウスの胚が変性することなく発育することを示している前記の結果は、動物モデルにおいては子宮自体が複数の毒性因子を放出して胚を死滅させるという、一般的に受容されている科学的見解と対立する。
【0090】
インビボのカプセル化胚で発達に遅れがみられたことは、細孔のサイズまたは内腔径が最適でなかったため胚周囲の栄養素の濃度が低くなったことによるものとして説明できる可能性がある。さらに、インビボ培養前に、カプセル化した胚を含むIUDを室温で子宮内に埋植する時間があり、これはときとして数分間に及ぶことから、この時間自体が、着床前の胚に有害な影響を与える、熱またはガスによるショックを生じていると説明できる可能性がある。
【0091】
実施例2:子宮内へのエリトロポイエチンの送達
マウスエリトロポイエチン(Epo)を分泌するマウスC2C12細胞を、改良および発明したようにカプセル化し、これを使用して子宮内へEpoを送達すると、子宮内膜のアポトーシスが減少し、且つ血中ヘマトクリット値が上昇する。このことは、Epoが付近の子宮内膜組織に直接作用を及ぼすこと、ならびに、子宮から送達されたEpoが全身に作用を及ぼすことを示唆している。
【0092】
エリトロポイエチンは成体の腎臓および胎児の肝臓で生成される。これは、後期赤血球前駆細胞の増殖と分化とを刺激することによって赤血球生成を調節するうえで重要な要因である。最近、脳がパラクリンEpo/EpoRを有すること、およびEpoが脳虚血後の神経アポトーシスを阻止する可能性があることが報告された(Sirenら、2001)。興味深いことに、Epoは子宮内の脈管形成に関連していると考えられている。
【0093】
前記のEpoの生理学的作用を考慮し、本発明の細胞カプセル化器具を使用して子宮からEpoを送達することによってEpoが子宮内膜に及ぼす作用を評価し、且つ、血中ヘマトクリット値を測定することによってこの新しい埋植部位すなわち子宮腔における細胞の生存能力を評価した。
【0094】
マウスEpo cDNAを含むプラスミドとジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)変異遺伝子とを用いてマウスC2C12筋芽細胞をトランスフェクションし、メトトレキサートを増量しながら投与することにより遺伝子を増幅させた。
【0095】
Epo分泌細胞系を、子宮腔に埋植するためミクロ細孔を有するポリエーテルスルフォン製の中空繊維に装填した。本新規発明の細胞カプセル化器具の特性は、実施例1の記載と同様である。
【0096】
この実験では合計14個の器具を盲検的に埋植した。実験群1は、Epoを分泌するmEpo-C2C12(n=7)、実験群2は、対照としてEpoを分泌しないmEpo-C2C12細胞(n=7)とした。
【0097】
実験動物の安楽死に関する標準的に認められたプロトコルに従い、14日目に、mEpo産生を調べるため子宮を取り出し、カプセルを回収した。子宮を10%のホルモールで固定し、アポトーシスを検査するため免疫組織化学的評価およびTUNELアッセイを行った。
【0098】
14匹の雌性マウスにおける14日間の子宮内Epo送達後、血中ヘマトクリット値は、子宮内Epo送達を行った実験群1(59.4 +/- 6.8)が、Epo送達を行わなかった実験群2(45.7 +/- 2.9)と比較して、有意に(p≦0.005)上昇していた(本明細書にはデータを示していない)。
【0099】
Epoは、神経細胞について最近報告されている作用と同様に、子宮内膜組織においてアポトーシスを減少させることが見出された。
【0100】
従って、子宮内膜は、アポトーシスの調整に関するEpoの新しい標的となる。
【0101】
子宮は、これまで細胞カプセル化器具の埋植部位として試験されたことがなかったが、ミクロ細孔を有する中空繊維内にカプセル化した、トランスフェクションした細胞系は、14日間の子宮内インキュベーション後も生存能力を有する。
【0102】
処置を行った動物の血中ヘマトクリット値が有意に上昇していたことから、トランスフェクションした細胞系によって分泌されたEpoは、該器具のミクロ細孔壁を通過し、子宮内膜および全身の循環に吸収される。
【0103】
これらの結果から、i)胚発育に関する実施例1の結果が示しているように、子宮はすぐれた自然インキュベータとなり得ること、ii)ヒト女性または雌性動物の薬物送達において、細胞カプセル化システムの埋植部位として子宮腔を使用できる可能性があることが確認された。
【0104】
(表1)
*初期胚盤胞、2つの胚のカプセル洗浄後に回収されず
‡初期胚盤胞1つ、失われた胚1つ
【0105】
参考文献:
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の器具の例を示す(1:カプセル、2:支持部ゾーンA(遠位部)および支持部ゾーンB(近位部)、3:プランジャー、4:保護管、5:開放用の膜またはバルブ、6:羽、7:リムーバー、8:シリコーン製つなぎ)。
Claims (12)
- 子宮液と相互作用できる1つ以上のカプセル化要素を子宮腔内に配置するための回収可能な子宮内器具であって、該カプセル化要素が装填された子宮内器具を含む器具。
- カプセル化要素がその中に装填されるようなハウジングを少なくとも1つ有する、請求項1記載の回収可能な子宮内器具。
- 要素が、
・子宮を処置できる作用物質、
・任意の病態を治療できる作用物質、
・1種類以上の作用物質を分泌する組織、細胞、または細胞系、
・体細胞、
・幹細胞、
・遺伝子導入媒体としての組換えウイルス、
・センスまたはアンチセンスmRNA配列、
・雄性および/または雌性配偶子、
・受精卵母細胞、
・未受精卵、
および、これらの任意の組合せ
を含む群より選択される、請求項1または2記載の回収可能な子宮内器具。 - 子宮を処置できる作用物質が、
・最適な胚移植用に子宮壁を調整できる作用物質、
・最適な卵子培養用に子宮壁を調整できる作用物質、
・子宮を治療的に処理できる作用物質、および
・避妊薬
を含む群より選択される、請求項3記載の回収可能な子宮内器具。 - 組織、細胞、または細胞系から分泌される少なくとも1種類の作用物質が、薬物、ホルモン、栄養素、ペプチド、タンパク質、抗体、栄養因子、成長因子、リンフォカイン、サイトカイン、酵素、血液凝固因子、血管新生因子、神経伝達物質、および神経修飾物質を含む群より選択される、請求項3記載の回収可能な子宮内器具。
- 子宮を治療的に処理できる作用物質が、抗炎症薬、アミノ酸、脂肪酸、抗体、栄養因子、成長因子、リンフォカイン、サイトカイン、酵素、タンパク質、ペプチド、血液凝固因子、血管新生因子、鎮痛薬、神経伝達物質、神経修飾物質、抗不安薬、抗うつ薬、抗生物質、センスまたはアンチセンスmRNA配列、および遺伝子導入媒体としての組換えウイルスを含む群より選択される、請求項4記載の回収可能な子宮内器具。
- 少なくとも1種類の作用物質が、遺伝的に改変された組織、細胞、または細胞系から分泌される、請求項3記載の回収可能な子宮内器具。
- 要素が、癌、生殖器系の種々の形態の癌、生殖器疾患、ならびに、子宮内膜症、腺筋症、出血性疾患、および種々の感染症などの子宮疾患を治療できる能力を有する、前記請求項のいずれか一項記載の回収可能な子宮内器具。
- 子宮液と相互作用できる1つ以上のカプセル化要素を子宮腔内に配置するための回収可能な子宮内器具を準備する方法であって、以下の段階を含む方法:
・該要素をカプセル化に適した形式で提供する段階、
・カプセル化した要素の収容に適した回収可能な子宮内器具を提供する段階、および
・該器具に該要素を装填する段階。 - 子宮液と相互作用できる1つ以上のカプセル化要素を子宮腔内に配置する方法であって、以下の段階を含む方法:
・請求項1〜6のいずれか一項記載の回収可能な子宮内器具を提供する段階、および
・該器具を既定の期間にわたって子宮腔内に埋植する段階。 - 少なくとも1つのカプセル化要素が、哺乳動物の子宮腔内に配置される、請求項10記載の方法。
- 哺乳動物が、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、およびヒトを含む群より選択される、請求項10または11記載の方法。
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