JP2005507935A - 光学的に純粋なまたは富化されたラセミ体テトラロンの製造方法 - Google Patents

光学的に純粋なまたは富化されたラセミ体テトラロンの製造方法 Download PDF

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Abstract

実質的に光学的に純粋なテトラロンを製造する方法は、光学的に純粋な金属−有機錯体を含有する中間層を有する球状クレー粒子の固体状固定キラル相、および、好ましくは少なくとも酢酸メチルを含有する液状移動相による、クロマトグラフィー分離を使用する。液状移動相は、好ましくはアセトニトリルを含有しない。本発明方法は40℃より高い温度で操作できる。

Description

【0001】
発明の背景
本発明は、光学的に純粋なセルトラリン(sertraline)の製造における中間体としての光学的に純粋なテトラロン(tetralone)を得るためのクロマトグラフィー法に関する。セルトラリンは、うつ病の処置用として現在市販されている薬物ゾロフト(Zoloft)の合成に用いられる;USP4,536,518、5,196,607、5,442,116および4,777,288中に考察;すべてを本明細書に援用する。セルトラリンを製造するための種々の方法がこれらの特許に記載されている。一般に、操作の後期段階でセルトラリンのラセミ混合物の分割が行われる。これは、目的外の鏡像異性体が幾つかの処置工程にわたって運ばれなければならないという欠点をもつ。目的外のセルトラリン鏡像異性体の製造を実質的に制限し、したがって最終分離工程を避けるために、光学的に純粋なセルトラリンの製造に際し鏡像異性体として純粋なテトラロンを出発物質として使用すれば、好ましく、かつ著しく有利であろう。
【0002】
ゾロフト(塩酸セルトラリン)を効率的に製造するためには、セルトラリン−テトラロンのシス−(1S,4S)鏡像異性体をシス−(1R,4R)鏡像異性体から分離する必要がある。PCT公開番号WO99/57089には、連続クロマトグラフィーを用いて光学的に純粋なまたは光学的に富化されたセルトラリン−テトラロンを製造する方法が記載されている。この方法の重要な点は、誘導体化した多糖類である固体状キラル固定相と好ましくはアセトニトリルを含有する液状移動相を用いることである。
【0003】
光学的に純粋なセルトラリンを得る経路はあるが、それらの方法は40℃より高い温度での使用が制限される固体状キラル固定相を用いる。アセトニトリルは高価な溶剤であり、その毒性のため環境に対しても使用が望ましくない。したがってそのような方法を用いる製造のコストは高く、光学的に純粋なテトラロンの製造に利用するのに十分なほど経済的に有利ではない。したがって、光学的に純粋なまたは富化されたセルトラリンを低コストおよび最適生産性で製造する方法の探索が続けられている。
【0004】
発明の概要
2種類のテトラロン鏡像異性体の混合物から、鏡像異性体として実質的に純粋なキラルテトラロンをクロマトグラフィーにより得る方法は、少なくとも1種類の溶剤を含む液状移動相を用意し;光学的に純粋な金属−有機錯体を添加した無機キャリヤーを含む固体状固定キラル相を用意し;そして混合物をクロマトグラフィー分離して、鏡像異性体として実質的に純粋な少なくとも1種類のテトラロンを得ることを含む。用いる溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール類;これらのアルコール類の酢酸エステルおよびプロピオン酸エステル;アセトン、ブタノン、イソプロピル−メチルケトンなどのケトン類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどのエーテル類;テトラヒドロフラン;ジオキサン;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのアルカン;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、フッ素化低級アルカンなどのハロゲン化低級アルカン;アセトニトリル;およびその組合わせよりなる群から選択される。溶剤は、好ましくはメタノールと酢酸メチルの混合物である。混合物の分離は、好ましくは約40〜約80℃の温度で行われる。無機キャリヤー材料(シリカゲル、クレーなど)において、錯生成金属カチオンはニッケル、オスミウム、ルテニウム、白金、コバルト、鉄、銅およびクロムよりなる群の金属から選択され、錯生成ルテニウムカチオンが好ましい。金属−有機錯体の有機部分は、錯体にキラリティーを付与する芳香族窒素含有複素環式化合物を含む。そのような錯体は、それらのラセミ体から既知の方法により、光学的に純粋な形で得ることができる。好ましい複素環式化合物は2,3−ビピリジン類および1,10−フェナントロリン類である。無機キャリヤーは好ましくは球状クレー材料である。無機キャリヤーは約5〜30μmの粒径をもつことができ、疎水処理されていてもよい。1態様において使用する液状移動相は、超臨界流体、たとえば超臨界CO、ならびにメタノール、エタノール、THF、ジクロロエタン、アセトン、酢酸メチルおよび酢酸エチルよりなる群から選択される極性溶剤である。クロマトグラフィー処理には、単一カラムクロマトグラフィー、または多重カラムクロマトグラフィー、たとえば模擬移動床クロマトグラフィー、または非定常状態連続クロマトグラフィーを使用できる。1態様においては、実質的に純粋な少なくとも1種類のテトラロン鏡像異性体が好ましい鏡像異性体であり、混合物中の2種類の鏡像異性体のうち第2のものが目的外の鏡像異性体であり、固体状固定相はこの目的外の鏡像異性体を保持するためのキラル配向を有する。
【0005】
好ましくはアセトニトリルを含まない、メタノールを含有する移動相を用いることにより、コストが削減され、環境問題が軽減される。光学活性金属−有機錯体カチオンの中間層をもつクレーキャリヤーの使用によって、より高い40〜80℃の温度で操作でき、これによって、鏡像異性体の分離に有害な影響を与えずに、より高い溶解度およびより高い生産性が得られる。本発明によれば、光学的に純粋なまたは富化されたテトラロンを、先行技術と比較して環境に対し許容できる様式、より高い収率、低コストで得ることができ、光学的に純粋なセルトラリンをより少ない工程で製造するのが可能となる。
【0006】
発明の詳細な説明
本発明方法は、セルトラリン製造用の光学的に純粋なまたは富化されたテトラロンを製造するためにラセミ体テトラロンを分離するいずれかの連続クロマトグラフィー法、たとえば単一カラムクロマトグラフィーまたは模擬移動床(simulated moving bed,SMB)クロマトグラフィーを使用できる。模擬移動床法を用いてもよいが、好ましいクロマトグラフィー法はUSP6,136,198に記載されている;この方法では、効率を高めるために、クロマトグラフィー分離中にカラム断面により表わされる特定帯域の長さを変更する非定常状態連続分離法を使用できる。
【0007】
いずれの場合も、光学的に純粋なまたは光学的に富化されたテトラロンを得る方法には、鏡像異性体混合物を含有する供給材料から第1鏡像異性体(より強固に保持される鏡像異性体)を優先的に吸収する固体状固定キラル相を充填した1以上のカラムを使用する。供給混合物の導入口、脱着剤である液状移動相の導入口、第2鏡像異性体(より弱く保持される鏡像異性体)を含有するラフィネートの取出口、およびより強固に保持されていた脱着鏡像異性体を含有する抽出液の取出口を設ける。好ましくは多重カラムを用い、供給端から排出端まで互いに接続する。排出端を供給端へ接続して連続再循環にすることができるが、本発明の好ましい方法においては再循環は必要ない。
【0008】
液状移動相は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール類;これらのアルコール類の酢酸エステルおよびプロピオン酸エステル;アセトン、ブタノン、イソプロピル−メチルケトンなどのケトン類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどのエーテル類;テトラヒドロフラン;ジオキサン;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのアルカン;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、フッ素化低級アルカンなどのハロゲン化低級アルカン;およびこれらの組合わせから選択される。特定の状況ではアセトニトリルも使用できるが、これは一般に好ましい溶剤ではない。
【0009】
各種溶剤のうち、酢酸メチルをベースとする液状移動相が好ましい。これは酢酸メチルを単独で、または酢酸メチルを前記溶剤のうち1種類以上と組み合わせて含むことができる。より好ましくは、酢酸メチルまたはメタノール/酢酸メチル混合物を用いる。最も好ましい液状移動相は、0/100、より好ましくは70/30、最も好ましくは85/15の比率をもつメタノール/酢酸メチルである。
【0010】
この液状移動相は、アセトニトリルと比較して低コストであり、低毒性であり、かつ選択した固体状キラル固定相および温度と完全に適合するという利点をもつ。
固体状キラル相は無機キャリヤー(シリカゲル、クレー、ゼオライトなど)を含み、キャリヤー材料中に存在するシリケートアニオンに強固に結合したカチオン性の光学的に純粋な金属−有機錯体がこれに添加されている。好ましくは、固体キラル相は球状クレー粒子を含み、これにイオン交換能をもつカチオンが中間層状で取り込まれている。好ましくは、シラン化剤を用いてこの材料を疎水処理して、水膨潤を抑制し、固相材料を耐水性にし、かつ操作中に汚染されにくくする。そのような固相材料はより耐久性であり、この付加された耐久性のため、固相の有効寿命が延長され、固相の消費量と対比して効率および生産性が向上する。固体キラル相はより弾性であり、かつプロセス変動に対する感受性がより低いので、稼働時間の延長を期待できる。さらに、クレーをベースとする固体キラル相は、40℃より高い、約80℃に達する温度で操作でき、特に多糖類と比較して生産性を著しく向上させることができる。温度は0〜100℃であってよいが、好ましい範囲は40〜80℃、より好ましくは約50〜60℃である。
【0011】
本発明方法に固体キラル相として使用できる1タイプのクロマトグラフィー分離用球状クレー材料は、USP5,145,578に記載されている。疎水処理したクロマトグラフィー分離用球状クレー材料は、特開平8−201366に記載されている。そのような材料は、資生堂(日本、東京)から市販されている。
【0012】
キャリヤー粒子は金属−有機錯体カチオン中間層をもち、金属はニッケル、オスミウム、ルテニウム、白金、コバルト、鉄、銅およびクロムよりなる群から選択される。好ましい態様において、金属錯体はルテニウム錯体をベースとする。たとえば、資生堂から入手できるCeramosphere RU−1として知られるキラル分離用球状クレー材料を使用できる。使用できる疎水処理したキラル分離用球状クレー材料はCeramosphere RU−2であり、これも錯生成ルテニウム金属カチオンを用いたものである。RU−2はより耐水性であり、したがって操作の変動に対する耐容性がより大きいので、好ましい。
【0013】
球状クレー材料は少なくとも5ミクロン、より好ましくは最高で約50ミクロンの粒径をもつべきであり、約10〜30ミクロンの範囲が好ましい。この材料は、テトラロンの最も好ましくない鏡像異性体を強固に保持し、したがって好ましい鏡像異性体がラフィネート中に回収されるように選択したキラル配向をもつように処理されていることも好ましい。これにより、カラムから出る最初のものでもある好ましい鏡像異性体の純度の向上が促進される。この場合、より弱く保持された/目的とする鏡像異性体を95〜99.9%という望ましい光学純度でラフィネート流中に回収できる。固体キラル相が保持していた、より強固に保持された/目的外の鏡像異性体を、次いで液状移動相により抽出し、抽出流中に回収する。全プロセス収率を高めるために、目的外の鏡像異性体をラセミ化し、これを供給材料として供給することができる。
【0014】
模擬移動床法を使用できるが、非定常状態動的クロマトグラフィー分離法が好ましい。非定常状態法とは、入口と出口の間の帯域の長さが時間によって変動し、このため均等な実質流速が入口と出口について異なるクロマトグラフィー分離システムの採用を意味する。SMB法では、すべての入口と出口が実質的に同時にシフトして、液相と固相の間に向流がシミュレートされる。非定常状態システムでは入口と出口が非同期シフトし、したがって帯域長さは時間によって一定ではない。この方法はUSP6,136,198(本明細書に援用する)に記載されており、以下において”Varicol(商標)”法と呼ばれる。
【0015】
そのような方法では、光学的に純粋なまたは富化されたキラルテトラロンが、より少ないカラムを用いて得られ、このため一般的なSMB法と比較して固相の量が少ないにもかかわらず、純度はより高い。
【0016】
本発明の1態様においては、5〜6カラム−4可変帯域Varicol(商標)システムを、前記に述べた特定の液相および固相材料と一緒に(再循環して、または再循環せずに操作できる)、40℃以上の温度で使用できる。帯域の長さは操作中に変動し、特定の操作サイクルにおいて一定ではない平均長さをもつ。他の態様では、3カラム−3可変帯域Varicol(商標)システムをを用いる。真の移動床システムをシミュレートするためには少なくとも4カラムと4帯域が必要なので、これはSMB法では使用できないシステムである。3または5カラムシステムでは、固相材料の量が少ないにもかかわらず、一般的なSMB法で達成されるものに匹敵するかまたはそれより良好な収率および処理量が得られる。
【0017】
本発明の他の態様においては、超臨界流体と極性溶剤の混合物である液相、たとえば超臨界CO、ならびにメタノール、エタノール、THF、ジクロロエタン、アセトン、酢酸メチルおよび酢酸エチルよりなる群から選択される極性溶剤を選択する。一般に、20〜60%の超臨界COを前記溶剤の1つと混合したものを含有する溶剤が、適切な液状移動相となる。そのような混合物を用いると、生成物の回収および溶剤の再生が容易になる。
【0018】
実施例
以下の4実施例はSMB法で行われたが、前記のように本発明はSMB法に限定されない。しかしその結果は本発明方法により得られる利点を代表するものと考えられる。
【0019】
実施例1
【0020】
【表1】
Figure 2005507935
実施例2
【0021】
【表2】
Figure 2005507935
実施例3
【0022】
【表3】
Figure 2005507935
実施例4
【0023】
【表4】
Figure 2005507935
実施例5 Varicol(商標)法を使用
【0024】
【表5】
Figure 2005507935
表1に、キラル固相として球状クレー材料を用い、温度40〜60℃で、酢酸メチル/メタノール(30〜65%酢酸メチル)、および約5〜78barの圧力を用いた種々の試験の結果をまとめる。6カラムSMB法(直径48mm)を試験のために用いた。
【0025】
【表6】
Figure 2005507935
【0026】
【表7】
Figure 2005507935
実施例1〜5および表1に示すように、40℃を超える比較的高い温度で操作しながら、少ない溶剤容量を用いて向上した生産性で高純度の鏡像異性体が得られる。非定常状態Varicol(商標)クロマトグラフィー分離法を用いると、最適カラム数で固体固定相の量を減らすことができるので、さらに生産性の向上を達成できる。
【0027】
下記の表2に示すように、本発明方法には他の溶剤を使用できる。
【0028】
【表8】
Figure 2005507935
超臨界流体混合物を液状移動相として用いると、超臨界流体を取り扱う際に装置に対する要件は増大するが、さらに生産性の向上が達成される。
【0029】
140mgのラセミ体をHPLCカラムに5分毎に注入し、30%の超臨界CO、70%の酢酸エチルからなる液相を用いて、生産性向上の推定を行った。用いた固体固定相はCeramosphere RU−1であった。精製されたラセミ体の量は、酢酸メチル/メタノールおよびCeramosphere RU−2を用いた場合と対比して7.3kg/l支持体/日と判定された。HPLC分析例は代表的なものであると考えられ、SMB法のモデルとして利用でき、生産性の推定に使用できる。結果を下記の表3に示す。
【0030】
【表9】
Figure 2005507935
この比較から、超臨界様式ではない場合にRU−2を用いるのと同様に、RU−1を超臨界流体混合物と共に使用できることが分かる。超臨界様式で操作すると生産性は少なくとも2倍になり、Varicol(商標)法を用いてもそれ以上の改善は達成されない。したがって、最も経済的な解決策は、超臨界流体混合物の使用にある。ただし、RU−2のような球状クレー材料を前記の液相および操作法で用いても実質的な改善は達成されるので、超臨界流体を用いるために装置に要件が付加されるのを望まない場合、本発明の利点を達成するのに超臨界流体を用いる必要はない。
【0031】
本発明は、セルトラリンの最終キラル分離を避けるために、光学的に純粋なセルトラリンの製造における中間体としての光学的に純粋なテトラロンを製造する方法であって、分離効率を高めるために40℃を超える高温で操作できるクロマトグラフィー法を用いて光学的に純粋なテトラロンを製造する方法を提供する。本発明方法は好ましくは、アセトニトリルを含有しない液状移動相、および水や酸などの汚染物質の存在に対する感受性が低く、多糖類を含有しない固体キラル相を用いる。所望により非定常状態移動床クロマトグラフィーを用いると、操作中に床長さが動的に変動することにより、固体キラル相の量は減少し、操作効率は最適化される。他の態様においては、超臨界流体を液状移動相の一部として用いることにより、光学的に純粋なまたは富化されたテトラロンが得られる。
【0032】
本発明の好ましい態様を提示および記載したが、本発明の範囲から逸脱することなく多様な変更または改変をなしうることは当業者には理解されるであろう。

Claims (17)

  1. 2種類のテトラロン鏡像異性体の混合物から、鏡像異性体として実質的に純粋なキラルテトラロンをクロマトグラフィー分割する方法であって:
    少なくとも1種類の溶剤を含む液状移動相を用意し;
    光学的に純粋な金属−有機錯体を保有する無機キャリヤーを含む固体状固定キラル相を用意し;そして
    混合物をクロマトグラフィー分離して、鏡像異性体として実質的に純粋な少なくとも1種類のテトラロンを得る
    ことを含む方法。
  2. さらに溶剤が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール類;これらのアルコール類の酢酸エステルおよびプロピオン酸エステル;アセトン、ブタノン、イソプロピル−メチルケトンなどのケトン類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどのエーテル類;テトラヒドロフラン;ジオキサン;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのアルカン;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、フッ素化低級アルカンなどのハロゲン化低級アルカン;アセトニトリル;およびその組合わせよりなる群から選択されることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 混合物の分離を約40〜約80℃の温度で行う、請求項1に記載の方法。
  4. 溶剤がメタノールと酢酸メチルの混合物である、請求項2に記載の方法。
  5. 錯生成金属カチオンが、ニッケル、オスミウム、ルテニウム、白金、コバルト、鉄、銅およびクロムよりなる群の金属から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 錯生成金属カチオンが錯生成ルテニウムカチオンである、請求項5に記載の方法。
  7. 固体状固定キラル相が、疎水処理した球状クレー材料を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  8. 固体状固定キラル相が、約5〜30μmの粒径を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  9. 液状移動相が、さらに超臨界流体を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  10. 液状移動相が超臨界COを含み、溶剤がメタノール、エタノール、THF、ジクロロエタン、アセトン、酢酸メチルおよび酢酸エチルよりなる群から選択される極性溶剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  11. さらに、単一カラムクロマトグラフィーを用いるクロマトグラフィーにより混合物を分離することを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  12. さらに、模擬移動床クロマトグラフィーを用いるクロマトグラフィーにより混合物を分離することを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  13. さらに、多重カラム非定常状態連続クロマトグラフィーを用いるクロマトグラフィーにより混合物を分離することを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  14. 実質的に純粋な少なくとも1種類のテトラロン鏡像異性体が好ましい鏡像異性体であり、混合物中の2種類の鏡像異性体のうち第2のものが目的外の鏡像異性体であり、さらにこの目的外の鏡像異性体を保持するためのキラル配向を有する固体状固定相を用意することを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  15. 金属−有機錯体が、金属−有機錯体にキラリティーを付与する窒素含有複素環式化合物である有機配位子を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  16. 有機配位子が2,2−ジピリジン類である、請求項15に記載の方法。
  17. 有機配位子が1,10−フェナントロリン類である、請求項15に記載の方法。
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