JP2005505181A - 自動車の扉の把手の中に組み込まれることを目的とした存否センサ - Google Patents

Abstract

本発明は、自動車の扉の把手の中に取り付けられることを目的とした静電容量性の存否センサであって、前記把手に近接した検出ゾーン（１９，２０）を監視するためのものであり、前記センサは、基準電極（１２，１３）に結びつく測定用電極（１７，１８）を有し、該測定用電極は、基準電極と共に、検出ゾーンを貫く電気力線を確定させるように位置づけられており、前記センサが把手の中に取り付けられるときに把手の内部にあるように測定用電極の近傍に配設された導電板（９，１２；１０，１３）によって基準電極が構成されることを特徴とする、存否センサである。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、自動車の扉の把手の中に組み込まれることを目的とした存否センサに係るものである。
【背景技術】
【０００２】
既に公知のものとしては、特に、国際公開第９９／１９５８５号パンフレットにおいて、把手の中に組み込まれた静電容量性の存否センサで、使用者の手がその近傍に接近したことを検出するための測定用電極を含むものがある。
【０００３】
この電極は、基準電極に結合され、該基準電極は、アクティブ送受信器の低周波のアンテナによって構成され、該アクティブ送受信器は、同じく把手に内蔵されており、使用者が所持する識別子バッジと通信するために用意されている。
【０００４】
この公知の実例においては、低周波のアンテナは、しかるに、二つの機能、すなわち、一方では、使用者の識別子バッジと信号をやりとりする基本的な機能と、他方では、静電容量性の存否センサの基準電極の機能とを果たすものである。
【０００５】
この実例は、全体としては満足を与えるものではあるが、しかし、あるいくつかの不都合なことが露呈するのであり、例えば、低周波のアンテナの変質がアクティブ送受信器の機能障害だけでなく、存否センサの機能障害を引きおこすことにもなる。
【０００６】
加うるに、送受信器が必要不可欠でなかったり、自動車の外部に設置されたりするような特定の応用例においては、低周波のアンテナの存在は、存否センサの機能を条件づけるので、低周波のアンテナのない存否センサを実現することは、もはや不可能となる。
【特許文献１】
国際公開第９９／１９５８５号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、この構成にとって代わるものを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の目的とするところは、自動車の扉の把手の中に取り付けられることを目的とした静電容量性の存否センサであって、前記把手に近接した検出ゾーンを監視するためのものであり、前記センサは、基準電極に結びつく測定用電極を有し、該測定用電極は、基準電極と共に、検出ゾーンを貫く電気力線を確定させるように位置づけられており、前記センサが把手の中に取り付けられるときに把手の内部にあるように測定用電極の近傍に配設された導電板によって基準電極が構成されることを特徴とする。
【０００９】
好ましくは、測定用電極は、基準電極を構成する導電板に垂直な面に沿って拡がっており、前記導電板は、測定用電極の面に対してシフトしている。
【００１０】
本発明の特定の実施態様においては、導電板は、少なくとも一つの導体トラックを有するプリント回路によって構成される。
【００１１】
導電板は、測定用電極の基準として供するためのボデーアースに結線される。
【００１２】
本発明は、特に、静電容量性の存否センサの実現に係るものであって、該存否センサの実現においては、二枚の導電板が、二つの測定用電極に結びつき、一方の導電板は自動車のボデーアースに電気的に結線され、しかるに、他方の導電板は直流電源に電気的に結線され、その上、二枚の導電板が、デカップリング用コンデンサによって電気的に結線され、該デカップリング用コンデンサが、測定用電極に届く測定用信号の周波数を考慮して、電源に結線された導電板を仮想ボデーアースに変換する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
本発明の理解を容易にするために、限定でない例として示す一つの実施態様を、付属の図面の助けによって、以下説明することとする。それら図面においては、
−図１は、本発明に係る存否センサの一部分の斜視図であり、
−図２は、図１のＩＩ−ＩＩで示す位置の断面図によって、プラスチックケースと測定用電極とを含む存否センサの全体を示す。
【００１４】
図１に見えるように、存否センサの内部の構成部品は、長手方向に配設される。
【００１５】
図１の右から左に以下のものが見える：
−部分的に示してあるケーブル２の束のための電気コネクタ１、
−一定の数の導体トラック４−７を有するプリント回路３のフレキシブル基板と、その長さのほぼすべてに拡がるその中央領域にある矩形部分８であり、該矩形部分は、二つの長手方向の起立縁部９、１０を有しており、それゆえ、図２で分かりやすく見えるように、Ｕ型の断面を有する。
−矩形部分８の伸長体の中のプリント回路であって、存否センサと場合によっては存在するアクティブ送受信器との機能に必要な電子構成部品を搭載するプリント回路１１。
【００１６】
フレキシブルプリント回路３の上に形成された導体トラック４−７は、ケーブル束２から電子構成部品を搭載したプリント回路１１まで、電流を導く。
【００１７】
これらの導体トラックの中で、二本の横長の４と７は、フレキシブルプリント回路の起立縁部９、１０まで拡がるとともに、起立縁部をそれらの長手方向いっぱいに被い、同時に他の導体トラック１２、１３を形成し、該導体トラックは導電板の等価物を構成する。
【００１８】
導体トラックの一方の１２は、プリント回路の電子部品の電源に結線され、他方の１３は、自動車のボデーアースに結線される。
【００１９】
これら二つの導体トラック間で、デカップリング用のコンデンサ（プリント回路１１上に設置された構成部品の中には識別されていない）が、静電容量性のセンサの機能について周波数、それは数百ｋＨｚであるが、それについて考えたならば、同一の仮想ゼロ電位を確保する。
【００２０】
別の言葉で言えば、フレキシブルプリント回路３の起立縁部９、１０を被う、二つの導体トラック１２、１３が、二つとも、同一の仮想ボデーアースに結線される。
【００２１】
図１に示す様々な構成要素は、プラスチック材のケース１４の中に配設されており、該ケースの断面図が図２に示されている。
【００２２】
このケース１４は、全体的にＵ型をしており、前述したフレキシブルプリント回路３は、まさしくこのＵ型の中に包み込まれる。このケースは、自動車の扉の把手の開口部にはまり込むようにされており、前記把手が前記ケースによって搭載された構成要素の一体を包み込む。
【００２３】
この二つのＵ型のリブ１５の上縁部１６、それ自体が、平らな舌状の測定用電極１７，１８をそれぞれ受ける容器で構成されており、該測定用電極は、示されていない手段によって、約１００ｋＨｚから３００ｋＨｚまでの周波数の交流源に結線されている。
【００２４】
各測定用電極１７、１８は、最も近いボデーアース用の導体トラック１２、１３に対してそれぞれ、コンデンサを形成し、該コンデンサの静電容量の変化によって、図２の一点鎖線で概略を画定する、関係する検出ゾーン１９、２０の中への手の接近を検出できる。
【００２５】
各測定用電極１７、１８は、基準電極１２、１３を構成するような、導体トラック１２、１３に対して、垂直に拡がっている。その上、ボデーアースのトラックは、測定用電極の面に対してシフトしており、その結果、電気力線（矢印群で示す）が対となる検出ゾーン１９、２０を貫く。
【００２６】
この検出ゾーンは、把手の近傍の使用者の手の存在を探知することをねらうものである。
【００２７】
フレキシブル回路の導体トラックへの、ボデーアースの二枚の板の実現は、その変形は示されていないが、剛性のプリント回路によって得られるか、又は表面のメタライズ加工によるか、あるいは、プラスチック材のケースの表面に接着された導電板を付加するか、はたまた、基板上に導体トラックをモールドするかによって得られる。
【００２８】
以上記述した実施態様は、本発明の特徴のいかなる限定を示すものでなく、かつ、本発明の枠を逸脱することなく、望ましいあらゆる変形が受けられるものであり、そのことは十分に了解されることである。
【図面の簡単な説明】
【００２９】
【図１】本発明に係る存否センサの一部分の斜視図
【図２】図１のＩＩ−ＩＩで示す位置での断面図
【符号の説明】
【００３０】
１ 電気コネクタ
２ ケーブル束
３ プリント回路
４−７ 導体トラック
８ 矩形部分
９、１０ 長手方向の起立縁
１１ プリント回路
１２、１３ 導体トラック
１４ プラスチック材のケース
１５ Ｕ型のリブ
１６ 上部縁
１７、１８ 測定用電極
１９、２０ 検出ゾーン

Claims (5)

1. 自動車の扉の把手の中に取り付けられることを目的とした静電容量性の存否センサであって、前記把手に近接した検出ゾーン（１９，２０）を監視するためのものであり、前記センサは、基準電極（１２，１３）に結びつく測定用電極（１７，１８）を有し、該測定用電極は、基準電極と共に、検出ゾーンを貫く電気力線を確定させるように位置づけられており、前記センサが把手の中に取り付けられるときに把手の内部にあるように測定用電極の近傍に配設された導電板（９，１２；１０，１３）によって基準電極が構成されることを特徴とする、存否センサ。
2. 測定用電極（１７，１８）が、基準電極を構成する導電板（１２，１３）に垂直な面に沿って拡がっており、前記導電板が、測定用電極の面に対してシフトしていることを特徴とする、請求項１に記載の存否センサ。
3. 導電板が、少なくとも一つの導体トラック（１２，１３）を有するプリント回路（３）によって構成されることを特徴とする、請求項１又は請求項２に記載の存否センサ。
4. 導電板が、測定用電極の基準として供するためのボデーアースに結線されることを特徴とする、請求項１又は請求項２又は請求項３に記載の存否センサ。
5. 二枚の導電板（１２，１３）が、二つの測定用電極（１７，１８）に結びつき、一方の導電板は自動車のボデーアースに電気的に結線され、しかるに、他方の導電板は直流電源に電気的に結線され、その上、二枚の導電板が、デカップリング用コンデンサによって電気的に結線され、該デカップリング用コンデンサが、測定用電極に届く測定用信号の周波数を考慮して、電源に結線された導電板を仮想ボデーアースに変換することを特徴とする、請求項１又は請求項２又は請求項３又は請求項４に記載の存否センサ。