JP2005504360A - 非線形光学スタック - Google Patents
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Abstract
例えば周波数変換器、パラメトリック増幅器又はパラメトリック混合器のような非線形光デバイスが、非線形光学材料の格子層(1,2,3)のスタックを有する。各格子層は、少なくとも1つの格子を有し、好ましくは本質的にゲルマニウム、砒素、セレン及び比較的高い割合のテルルから成るガラスによって隣りの格子層(4)に間隔を置いた関係で結合されている。層中の格子(5)は、周期的な電気的分極反転により互いに間隔を置いた状態で形成されている。隣り合う層の周期性は、同一であっても異なっていてもよい。層は、赤外光で有用な材料のものであるのがよい。層をGaAs、ZnSe、ZnGeP2、ニオブ酸リチウム、チタン酸燐酸カリウム又はチタン酸砒酸ルビジウムで作るのがよい。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、非線形光学材料の2以上の層のスタックを有する光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
非線形光学材料は、既存のレーザ波長の変換により新しい波長を作り出す際に有用である(例えば、M.フェジャー(Fejer)著,「Physics Today」,1994年5月)。非線形光学材料の一般的な用途としては、周波数二倍発振器及び光パラメトリック発振器が挙げられる。かかるデバイスでは、基本(入力)及び発生(出力)光波は、材料中を一緒に伝搬し、エネルギが基本波から発生波に伝達される(前方変換)。エネルギが発生波から基本波に伝達される逆のプロセスも又生じる場合がある。これは、後方変換と呼ばれている。
【0003】
非線形プロセスの方向及び効率は、種々の相互に作用する波相互間の位相関係により定まる。一般に、位相関係は、波が非線形光学材料中を伝搬しているときに変化し、その結果、前方変換と後方変換の部分が交互に生じる。材料の最大有効長さは、かかる一部分の長さであり、材料についての可干渉距離と呼ばれている。これは、相互に作用する波が前方変換について適当な位相関係を保持する距離である。波がこの距離を越えて伝搬すると、エネルギが発生波から基本波に戻される。一般に、可干渉距離は、もし位相整合と呼ばれる技術を利用することができなければ短すぎるので有用ではない。
【0004】
位相整合の最も一般的な形態では、複屈折結晶である非線形光学材料が必要になる。種々の波の伝搬及び偏光方向は、前方変換について適当な位相関係が結晶全体を通じて維持され、可干渉距離が結晶よりも長いものであるように選択される。しかしながら、位相整合上の制約は、伝搬方向を定め、この伝搬方向は、非線形相互作用が最も強い方向ではない場合がある。また、種々のビームは、「ウォークオフ(walk-off)」する場合があり、結晶内で空間的に分離されるようになる。結晶が透明である全ての波長において位相整合条件を満足させることが常に可能であるわけではない。さらに、これまた複屈折である赤外スペクトルの部分に用いるのに適した非線形材料の数は、かなり制限される。
【0005】
位相整合の別の形態は、凝似位相整合と呼ばれている。この技術では、非線形光学材料を長さが正確に一可干渉距離(又は、可干渉距離の奇数倍)の部分に分割する。かかる分割を行うのに、条線入り結晶を成長中に生じさせ、或いは結晶の適当な分極反転又はポーリングを行い、或いは互いに異なる結晶方位のある多数の層を組み合わせる。各部分内では、有用な非線形光学相互作用が、波が徐々に位相ずれすると生じる場合がある。材料軸を次の部分内で逆にすると、相互作用が続行可能となる。このように軸を連続した部分内で逆にすることにより、恣意的な相互作用距離を達成できる(J.マクマレン(McMullen)著,「J Appl Phys, vol 46 no 7」,p3076−3081)。凝似位相整合により、複屈折を用いては位相整合できない非線形光学材料を用いることができる。これは、利用できる良好な複屈折非線形光学材料が少ししかない光学的波長帯では特に重要である。
【0006】
条線入り結晶及び分極反転結晶は、これらの製造方法に鑑みて小アパーチュアデバイスにしか有用でない傾向がある。しかしながら、この組立法は、高出力用途で有用な大アパーチュアデバイスを提供する可能性を秘めており、かかる高出力用途では、デバイスに対する光学的損傷のおそれを最小限に抑えることが必要である。ただし、種々の部分をスタック構造の状態に組み立てる際の大きな問題が、有用であるのに十分な品質の凝似位相整合構造を作製の際に存在する。隣り合う部分相互間に高品質の光学的接合部を作る際と部分の長さ及び部分相互間の距離の正確な制御を生じさせ又は維持する際に大きな問題があり、かかる問題は、典型的には数10〜100以上の非線形層から成るこの種の組立体では深刻な場合がある。非線形光学材料の部分の組立体は一般に、本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123740.3号明細書に記載されており、この英国特許出願は、一般に、非線形光学材料の少なくとも2つの層のスタックを有する非線形光デバイスに関し、隣り合う非線形層は、ガラス層により互いに接合されている。その実施形態では、意図した光伝搬方向又はその少なくとも一成分は、層に対して横断方向の積み重ね方向に沿っている。
【0007】
かかる組立体は、非線形光学材料のブロックから形成された周期的に分極反転した結晶に酷似しており、このブロックは、一連の互いに平行な層状領域に効果的に分割されており、交互に配置された領域は、互いに異なる分極反転方向を有し、意図した光伝搬方向又はその少なくとも一成分は、層状領域の平面に対して横断方向である。交互分極反転パターンは一般に、格子と呼ばれており、交互パターンに遭遇する方向に沿っている。かくして、層状領域は、1次元格子を提供するが、明らかに、交互パターンに2又は3次元に沿って遭遇する2又は3次元格子構造を設けることが可能である。
【0008】
例えば、米国特許第6,064,512号明細書(発明者:バイヤー(Byer))に記載されているように、現時点においては、必要な磁界が絶縁破壊値に急に近づくので最も一般的な非線形光学材料の1つであるニオブ酸リチウムの厚い層中に有用な分極反転パターンを生じさせることは不可能であり、たとえ分極反転が首尾よくいっても、ドメインパターンの忠実度は、厚いプレート中では劣化する。
後者の問題は、条線入り結晶の製造の際にも生じ、この場合、ドメインパターンを結晶表面中に生じさせ、次にこれをエッチングし、次に生じる結晶表面上での結晶の成長がパターンを伝える。条線入り結晶の製造も又、費用が高くつき、しかも時間がかかる。
分極反転であれ条線入り結晶成長であれ、単一の結晶プレート又は層中に3次元ドメインパターンを生じさせる可能性をもたらさない。
【0009】
米国特許第6,064,512号明細書(発明者:バイヤー(Byer))において示唆されたこれら問題の解決策としては、とりわけ、2次元パターン付けされたプレートのスタックの拡散接合が挙げられる。個々のプレートのパターン付け及びこれらの相対的な位置合わせに応じて、1次元、2次元又は3次元格子パターンを備えた厚手の構造を製造できる。M.J.ミッセイ(Missey)他著「Optics Letters, vol 23, No 9」,1998年5月1日,p664−666は又、周期的に分極反転したニオブ酸リチウム(PPLN)のスタックの拡散接合を用いることを記載している。かかる特許文献と非特許文献の両方に開示された方法では、シートのドメイン格子を位置合わせし、シートの厚さ方向に延長したアパーチュア寸法を備える構造を生じさせる。
【0010】
通常の非線形材料の光学的損傷閾値は低いので、比較的大きなアパーチュアでポンピングできることは、向上した出力取扱い機能をもたらすはずである。しかしながら、1次元格子構造、特に意図した光伝搬方向に対し著しく横断方向に延びる構造を用いた光パラメトリック発振器及び発生器に関する最近の研究の示すところによれば、これらをその完全(フル)アパーチュアでポンピングすると、生じた光ビームは、ビーム発散レベルが大きくしかもスペクトルが広がるという欠点がある。例えば、特に格子が互いに異なる周期をもつ構造を記載しているM.ミッセイ(Missey)他著,「Optics Letters 25, No 4 」,2000年2月,p248に説明されているように、この効果は、もし材料が1次元において複数の別々の格子を備えている場合著しく減少する場合があり、各格子は、分極反転していない材料の薄い領域によって分離され、即ち、薄い結晶層が複数の互いに間隔を置いた(平行な)格子から成っている。
【0011】
ポンプビームによりフラッド照明される場合、各格子は、非線形変換をもたらすゲインの別々の(比較的小アパーチュア)チャネルとして考えることができる。個々のゲインチャネルを用いると、軸外しビームが分極反転した/分極反転していない境界部を横切って伝搬するときのこれらビーム中のゲインが著しく減少するので軸外しビームの発生が阻止される。軸外しビームが存在すると、通常その結果として、高次数モードが生じると共に単一の格子の分極反転サンプルからのビーム品質が貧弱になる。また、格子が同一の周期をもっている場合、隣り合うチャネル相互間で光結合が生じる場合があり、それにより発生したビームが可干渉性であるようになる。つぎに、生じた多数のビームを種々の技術で可干渉的に結合させると、単一の格子分極反転サンプルから達成できる発散度よりも低い発散度の単一のビームを形成することができる。
【0012】
多数の格子を備えた単一のシートを比較的容易に形成することができる。恐らくは、かかる構造を薄い結晶層中に形成する最も簡単な方法は、分極反転による方法であり、非格子材料は、分極反転していない材料の領域によって構成されるが、例えば結晶成長法又は互いに間隔を置いた格子のシートと側方に介在した結合ガラス層の組合せを用いる他の方法(本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123731.2号明細書に記載されている方法)は、本発明の実施において利用できないことはない。
【0013】
単一シート構造の一方向におけるアパーチュアは、シートの厚さによって決定される。PPLNの場合、単一シートの厚さは、1mmに制限されている。大きな有効アパーチュアがこの方向に必要な場合、この場合も又、この寸法をチャネルに細分割して軸外しビームの発生を相当な程度まで回避し、周期の等しい格子の場合、チャネル相互間の有用な光結合の追加の利点をもたらすことが必要であろう。
【0014】
2次元チャネリング方式の格子構造は、S.M.ラッセル(Russel)他著,「IEE J Quantum Electronics, vol 37 no 7」,2001年7月,p877−887に詳細に記載されている。しかしながら、実際にかかる構造を製造するには問題が残っている。
【0015】
本発明は、第1の特徴において、非線形光学材料の格子層のスタックを有する非線形光デバイスであって、各格子層が少なくとも1つの格子を有し、隣り合う格子層が互いに間隔を置いた関係で結合されていることを特徴とする光デバイスを提供する。
単一のスタックがちょうど2つの格子層から成るが、好ましくは、少なくとも3つのかかる層、より好ましくは少なくとも5つ、更により好ましくは少なくとも10のかかる層が設けられる。
本発明の光デバイスでは、種々の格子層相互間の長距離(ロングレンジ)光結合を確実に生じさせるためには、主としてフレネル反射に起因する種々の光学インタフェースのところの光損失を望ましくは最小に保つ。
【0016】
米国特許第6,064,512号明細書(発明者:バイヤー(Byer))に記載された構造では、結合は、光学セメント、直接的な光学的接触又は拡散結合(ミッセイの非特許文献にも記載されている)により行われる。しかしながら、公知のように、光学接触状態にあるべきフェース相互間にギャップ又は空間が存在することは、接合されるべき表面の欠陥としてかかる源から生じる場合があり、或いは表面のところの汚染、特に粒子汚染の存在が原因となってとりわけ、反射(屈折率不整合に起因する)及び散乱に起因する光学損失が生じる。
【0017】
直接的にインタフェースを取るには、コンポーネントの表面の非常に正確な物理的前処理及び極めて高い清浄さの基準が必要である。この理由で、この技術は実際に用いられているが、実施困難であり、可能ならば回避することが最善である。
拡散結合方式は、実用上の多くの問題により実現するのが困難である。個々の層は、研磨度が高く且つ光学的にフラットでなければならず、層の表面は、粒子による汚染がないものでなければならない。1μmという小さな粒子であっても、結果的に層相互間に直径が1mmのボイドが生じる場合があるということが観察された(D.ボールマン(Bollmann)他著,「Jpn J Appl Phys, vol 35 」,p3807−3809)。かかるボイドは、光学的損失の源であり、これらは、多くの層のスタック上に相当蓄積する場合がある。層を拡散結合するのに必要な温度及び圧力も又、材料の光学的性質を劣化させる場合がある(D.ゼーン(Zheng )他著,「J Electrochem Soc, vol 144, no 4」,p1439−1441)。
【0018】
例えば接着剤のような材料の中間層によるコンポーネントの結合は、光の損失を減少又は無くし、従ってデバイス効率を向上させるのに役立つ場合がある。例えば、長年にわたり顕微鏡スライダを取り付けたりレンズコンポーネントを接合するために接着剤としてカナダバルサム(Canada Balsam )が用いられたが、かかるカナダバルサムは、従来型のシリカを主成分とする光学ガラスの屈折率に非常に類似した屈折率を有している。多くの最新式の光学コンポーネントは、従来型ガラス、例えば半導体電気光学デバイス及びレンズよりも非常に大きな屈折率を備えた材料で作られており、これは一般に、例えば赤外領域で用いられるコンポーネントで生じる。従来型接着剤成分の屈折率は、これら非常に増大した屈折率とマッチしておらず、従ってインタフェースのところの反射が再び増大し、直接的にインタフェースを取る手段に頼ることが必要な場合が多い。接着剤又は他の結合材料の各中間層は、2つのインタフェースを生じさせ、もし接合部が不良であると見なすのに十分であれば、光学的性能は2つの直接結合されたコンポーネントの光学的性能を超えて劣化するおそれさえある。
【0019】
本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123731.2号明細書は一般に、2つの光学部品の対向した表面を接合する方法に関し、この方法は、ガラス失透温度Tc1よりも実質的に低いガラス転移温度Tgを有する結合ガラスの薄い層を備えた前記表面のうち少なくとも一方を用意する工程と、前記表面相互間に1又は複数の被膜だけを設けた状態で前記表面を合わせて組立体を形成する工程と、TgとTc1との間にあり、ガラスを軟化させ、光部品を互いに結合するほど十分高い温度Tbまで組立体を加圧下で加熱する工程とを有する。好ましくは、結合される両方の表面は、結合ガラスで被覆される。結合ガラスは好ましくは、これが接合する層に実質的に屈折率整合されている。この方法を本発明の非線形光デバイスの製造に用いることができる。
【0020】
本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123740.3号明細書は一般に、非線形光学材料の少なくとも2つの層のスタックを有する非線形光デバイスに関し、隣り合う前記非線形光学材料層は、ガラス層で接合されている。非線形光学材料の層を適当に配置することにより、格子を作製することができる。
【0021】
好ましくは、本発明のデバイスでは、隣り合う格子層は、少なくとも1つのガラス層によって結合される。結合を行うには、薄いガラス被膜を接合されるべき表面のうち一方又は両方に被着させ、表面相互間に1又は複数の被膜を配置した状態で表面を互いに結合して熱及び圧力を加えるのがよい。
場合により、特に層相互間に比較的大きな間隔が必要な場合、結合されるべき格子層相互間に光学的に不活性な中間層、例えば分極反転していない非線形材料の層を設け、ガラス層により隣の各層に結合する。この場合も又、中間層の表面と隣の格子層の表面との間の結合は、熱及び圧力を用いる前に一方又は両方の表面を薄いガラス被膜で被覆することによって達成できる。
【0022】
互いに異なる格子層相互間の光結合を容易にするため、ガラスは好ましくは、非線形光学材料の屈折率にほぼ等しい屈折率を有している。光結合は伝搬方向に対し横方向なので、屈折率整合要件は、伝搬方向に沿って延びるスタックを結合する要件と比較して幾分緩和される。ガラスの屈折率は好ましくは、非線形光学材料の屈折率の30%以内、より好ましくは10%以内、更により好ましくは5%以内であり、理想的にはこれに実質的に等しい。屈折率が互いに異なる非線形材料相互間の結合を行う場合、ガラスの屈折率は理想的には、2つの屈折率の積の平方根に等しい値を取るべきであり、又すぐ前に述べたが、この平方根の値に対して測定された好ましい範囲を有するべきである。
好ましくは、各格子層は、好ましくは1次元の複数の格子を有する。好ましくは、個々の格子層に属する格子は、実質的に同一である。好ましくは、これら格子は、互いに平行な格子方向を有している。
【0023】
例えば単一の波長出力を発生させる好ましい一実施形態では、全格子層中の格子は、実質的に同一であり、好ましくはこれら格子は層毎に実質的に平行である。説明している実施形態では、光伝搬方向は、全ての1次元格子方向の方向に平行である。したがって、その効果は、入力光ビームを横切って2次元に分布され、入射光方向に延びる小アパーチュア格子のアレイを提供することにより全体的な構造のアパーチュアを増大させることである。しかしながら、当業者であれば、周期性が互いに異なる格子を有する格子層を提供することにより同一の効果を達成できることは理解されよう。ただし、入射光方向に対するこれら格子層の傾きが、光伝搬方向における格子の周期性が各格子について同一であるようなものであることを条件とする。
【0024】
特に多数の種々の光波長を同時に処理することが望ましい場合、光伝搬方向に対する周期性が互いに異なる格子(例えば、絶対周期性の異なる格子及び(又は)伝搬方向に対する傾きが互いに異なる格子、又はこれらの組合せ)を用いることも知られている。かくして、本発明は、例えば互いに異なる周期性をもたせることにより各層及び(又は)隣の層中の格子が同一ではない構造及び(又は)格子が層毎に実質的に平行ではない構造を含む。
好ましくは、各格子層は、非線形光学材料の単一の薄い層を適当に電気的に分極反転させることにより形成される。しかしながら、格子層を作製する別の方法を例えば条線入り結晶成長法を改造することにより、又は個々の格子及び中間領域の側方結合により、或いはこれらの組合せにより採用することができる。上述した本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123740.3号明細書に記載された方法で個々の格子を作製することが可能である。
【0025】
それにもかかわらず、分極反転は、特に通常関与する相対寸法及び絶対寸法を考慮して、単一の格子層を製造する現時点において最も容易で最も実用的な方法であり、必要な幅及び長さの個々の格子層を形成する際の問題が比較的少ないのが通例である。問題に直面した場合、本発明の第1の特徴に従って複数のデバイスを組み立てて所要長さ及び(又は)幅をもたらすことが可能である。かかる組立ては好ましくは、好ましくは個々のスタックの層を接合するために用いられているのと同一の材料の光学ガラス層を好ましくは用いて隣り合うスタックを互いに結合する工程を含む。一般に、スタックを互いに接合する好ましい方法は、上述したように個々のスタックの互いに異なる層を互いに接合する好ましい方法と類似しており、光学的に不活性な材料の中間層、例えば分極反転していない非線形光学材料の層を介在させてもよく、或いはそうしなくてもよい。
【0026】
代表的には、本発明で用いられる非線形材料は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3又はLN)、チタン酸燐酸カリウム(KTiOPO4又はKTP)、チタン酸砒酸ルビジウム(RbTiOAsO4又はRTA)、ガリウム砒素GaAs、セレン化亜鉛ZnSe及び燐化ゲルマニウム亜鉛ZnGeP2である。
これら材料のうち最初の3つは、可視光波長、近赤外波長及び中央赤外(mid infrared)波長に用いるのに適しており、屈折率が比較的小さい。かかる材料に関し、適当な結合ガラスは、屈折率n=2.4、軟化温度約210℃の三硫化砒素である。
他の3つの材料は、中央〜遠赤外領域でより多く用いられ、屈折率が比較的高い。かかる材料に関し、適当な結合ガラスは、カルコゲナイドガラスであり、Ge−As−Se−Te(GAST)系統の赤外透過ガラスが、n=3.00〜3.45の範囲の屈折率を持つように調製された。好ましいガラスの一範囲は、一般式Ge(x-a)As(a)Se(100-x-b)Te(b)を有し、この一般式において、25<x≦55(好ましくは25<x≦40)、10≦a≦25、40<b≦70及び(100−x−b)>0である(本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123743.7号明細書を参照)。有用な組成物Ge15As25Se14Te46、Ge20As20Se14Te46及びGe15As15Se5Te65及び図4〜図6のガラスも又、この一般式に合致している。より好ましくは、特に例えば基材がGaAs又はシリコンのものである場合、30<=x<=40及び50<b<=70である。これら範囲内では、良好〜非常に良好な熱特性を持つガラスが存在し、屈折率はGaAs及びZnGeP2の屈折率にほぼ一致している。
【0027】
本発明のデバイスのスタックのいずれか一方の端部又は両端部に保護層を追加するのがよい。光学結晶の光学的損傷閾値特性を向上させる方法についての説明がなされている。これについては、1997年10月にデマリア等に付与された米国特許第5,680,412号明細書(発明の名称:Apparatus for improving the optical intensity induceddamage limit of optical quality crystals)を参照されたい。これら方法では、光学結晶の端面への光学的に透明な材料の厚い小片(数mm)の取り付けが行われる。通常、光学的損傷及び熱特性がバルク光学結晶よりも向上している材料が選択され、場合によっては、かかる材料は、次に行う誘電体被膜のための改良された表面仕上げを提供する。
材料についての主な要件は、材料/結晶インタフェースのところでの反射損失を最小限に抑えるためにバルク非線形光学結晶の屈折率とほぼ同じ屈折率を有することである。かかる選択の一例は、中間赤外領域における改良された非線形光学結晶を生じさせるためにGaAs(n=3.3)をZnGeP2結晶(n=3.1)に取り付けることである。現在までに実証された取り付け法は、直接的な光学的接触を利用している。これには、バルク結晶と端面材料の両方の注意深い表面前処理が必要であり、これはそれ自体困難な場合がある。
【0028】
好ましくは、本発明のデバイスは、ガラス層によりスタックの光学的入力及び(又は)出力フェースに結合された保護窓を有する。ガラス層を非線形光学層の結合を説明する際に上述した判断基準に従って選択して設けるのがよい。取り付けられた材料は、平らな層、例えば円板又はAR被膜を不要にするブルースターのカットプリズムの形態を取ることができる。
変形例として又は追加例として、スタックの光学入力及び(又は)出力(保護層の有無は問わない)が誘電体又は反射防止膜を備えるのがよい。これは従来の誘電体被膜であってよく、或いは、これはガラス被膜で作られたものであってもよく(好ましくは、非線形光学層を互いに結合するために用いられたのと同一の材料で作られたものであってよいが、必ずしもそうである必要はない)、かかるガラス被膜中に、例えば特に本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123744.5号明細書に記載されているようにエンボス加工又はエッチングにより「モスアイ(moth-eye)」構造が形成される。本明細書において説明するように、ガラス被膜は、或る特定の基材上への従来型誘電体反射防止膜の付着と関連した問題、更に或る材料の光学表面の作製上の課題と関連した問題を解決する。というのは、ガラス被膜は、表面欠陥及び汚染を包囲することができ、必要ならば、それ自体比較的容易に研磨できるからである。この場合も又、ガラス層を、非線形層の結合を説明する際に上述した基準に従って選択して設けるのがよい。
【0029】
スタックの頂部及び(又は)底部にガラス層により追加の層を更に結合するのがよい。スタックをポンピングする場合、ポンプビーム直径が、最も外側の層のエッジのクリッピングを回避するよう層厚さ方向において十分に小さいものであるようにすることが必要である。というのは、多数回の反射(全反射)が、軸外しモードを支えるのに十分なゲインを与える場合があり、これによりビーム品質が貧弱になり、スペクトルが広がることになるからである。追加の層が例えば同一材料であるが、分極反転していない格子層の非線形材料の屈折率に近い屈折率を有している場合、スタックのアパーチュアは、幾分効果的に増大する。ただし、ゲイン領域の寸法は変更されない。すると、今述べた有害な結果のおそれなく、僅かに大きなポンプビームを用いることができる。
【0030】
変形例として又は追加例として、追加の層は、ヒートシンク機能又は熱伝達機能を発揮する材料又は形態のものであってよく、例えば、大きなシンクに又はオーブンから熱を伝達するダイヤモンドの層である(実際には、PPLNデバイスを高温で動作させる必要がある)。
【0031】
本発明のデバイスは、赤外スペクトルの一部を透過させることができる。しかしながら、本発明は、スペクトルの可視光部分及び(又は)UV部分で用いられるデバイスまで及ぶ。本発明のデバイスは、多くの非線形装置に利用され、かかる非線形装置としては、周波数変換器、パラメトリック増幅器及びパラメトリック混合器が挙げられる。
本発明の別の特徴及び利点は、読者に提供される特許請求の範囲の記載を読むと共に添付の図面を参照して行われる本発明の実施形態についての以下の詳細な説明を考慮すると明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1は、垂直方向に積み重ねられ、薄いガラス層4によって結合された3つの格子層1〜3を示している。図示のように、層1は、電気的分極反転により形成された3つの1次元格子5を有し、これら格子は、入射光の方向7において互いに並列に延びていて、分極反転していない材料のストリップ6の領域によって分離されている。格子5と領域6の両方は、層1の高さ全体にわたって延びている。層2,3は、層1と実質的に同一である。
格子層の数、各格子層中の格子の数及び各格子の構造(寸法、周期性)は、例示に過ぎず、公知の検討事項及び考慮中の用途によって決まることに注目することが重要である。しかしながら、代表的には、例えばニオブ酸リチウムの層1は、厚さが1mm、長さ(光方向における)が50mm、幅が10mmになろう。各格子は代表的には、幅が1mmであり、50ミクロンの分極反転していない材料により層中の隣の格子から分離される。ガラス層4の厚さは、代表的には50ミクロンであるが、例えば10〜100ミクロンであってもよい。
【0033】
また、図示のように、格子は垂直方向及び水平方向に位置合わせ状態にあるが、これは厳密に必要ではないことに注目することは重要である。どの格子であっても他の格子と位置合わせ状態にあってもよく、そうでなくてもよい。さらに、図示のように、格子は全て実質的に同一であるが、これは必ずしも必要ではなく、互いに異なる層の格子が波長範囲にわたり又は例えば複数の波長に用いられるよう互いに異なる幅及び(又は)周期性を有するデバイスを形成することが可能である。加うるに、格子は実質的に同一の厚さを持つものとして示されているが、これは厳密に必要であるというわけではなく、互いに異なる格子層が互いに異なる厚さを有してもよい。
【0034】
図2のデバイスは、図1のデバイスに酷似しているが、格子層は、連続して配置されたガラス層8、分極反転していない非線形光学材料9の中間層及び第2のガラス層10によって互いに結合されている。
図1及び図2は、入射照明光がスタックの端面11全体にわたり広く差し向けられるデバイスの使用例を示している。屈折率整合状態にあるガラス層4は、このように用いられると、デバイスの光学的効率を増大させるのに特に有用であると考えられる。層4中の小さな光損失により、損傷が光学的インタフェースのところで生じる条件下において、フラッド照明が容易になる。かかる損傷により、ポンプビームのディストーション及び隣の光学的領域の破壊が生じる場合がある。さらに、非線形材料に屈折率整合されたガラスを選択することにより、必要ならばチャネル相互間のクロストークが助けられると共にポンプビームのディストーションが阻止され又は軽減される。というのは、非線形材料の層と介在ガラス層との境界部がこの場合実質的に光学的に透明だからである。
【0035】
図3は、各層1〜3がそれぞれ対応関係にある付形入射ビーム71〜73により個々に照明される図1のデバイスの別の使用例を示している。フラッド照明を使用するにせよ個々の照明を使用するにせよいずれにせよ、3つの層から出たビーム12は、それ自体公知の手段により一般に組み合わせられる(互いに異なる層が互いに異なる幾何学的形状の格子を有している場合、個々のビームを組み合わせ又は別々に処理する)。この別の使用例は、図2のデバイスにも明らかに用いることができる。
【0036】
図1のデバイスを作製する際、格子層1〜3が、適当に差し向けられた非線形光学材料のウェーハによって提供され、これらウェーハは、交互の分極反転方向の領域の形態をした光学格子及び分極反転していないストリップ6を生じさせるよう電気的に分極反転されている。次に、ウェーハ、即ち今や格子層1〜3を、任意の標準方法を用いてガラス転移温度Tgが低いガラス4で被覆する。好ましくは、この被覆方法は、付着中、正確な厚さ制御を行うと共に(或いは)被膜の厚さを被膜の一部の除去により後で調節することができる。適当な方法の例としては、スパッタリング、フラッシュ蒸発、スピンコーティング、溶剤蒸発が挙げられる。非線形光学材料の湿潤を向上させるためには、所要厚さの約半分、例えば25ミクロンのガラス転移温度Tgの低いガラスを各ウェーハの一方の表面にのみ被着させるのではなく、両面に被着させると有利である。
【0037】
次に、格子層を互いに異なる層の格子を互いに平行にした状態で正確な向きに上下に配置することによりスタックを組み立てる。過度の粒状物が層相互間に入り込むのを阻止するよう注意する必要がある。しかしながら、ガラス層の厚さよりも小さな直径の小さな粒子は、望ましくはないが、層が結合するのを阻止することはないであろう。というのは、ガラスは最終的に、加熱時に層の周りに流れてこれらを巻き込むからである。これらの光損失特性があまり高くないとすれば、これら層は、高いレーザフリューエンスでスタックの性能を甚だしくは損なわないであろう。これと同様に、加工により生じる欠陥、例えば粗さ又は掻き傷を許容できる。
【0038】
次に、ウェーハのスタックをオーブン内に配置し、ガラスの軟化点まで加熱する。オーブン内の雰囲気を制御して例えば空気を除去するのがよく、もしそうしなければ、空気は完成構造内に取り込まれるようになる。この構造は高温であるが、圧力を加えて残りの空気を押し出し、ガラスが流れて隣り合う層が結合するようにする。温度及び圧力は、オーブンを最終的に冷却する前に適当な期間の間維持する。次に、完成した構造をオーブンから取り出して、光伝搬方向がこのように形成された縞の2次元アレイに平行な状態でそのまま用いることができ、或いは反射防止膜を端部に被着させてデバイスの効率を向上させることができる。
【0039】
この特定の方法は、スタックの格子層の全ての同時結合を採用するので最も好ましいが、少なくとも幾つかの格子層を別々に別個の結合プロセスに加え、又は任意の中間バリエーションを用いても等しく可能である。
任意的に、スタックの入射側端部及び出射側端部のうち一方又は各々は、ガラス被膜を更に備え、このガラス被膜は次に、「モスアイ(moth-eye)」反射防止パターンでエンボス加工し又はエッチングする。このガラス被膜を、スタックの組み立ての前又は後、好ましくは後に被着させるのがよく、スタックの組み立て後にパターンがこのガラス被膜に形成される。しかしながら、変形例では、個々の格子層の各々に、スタックの組み立ての前又は後で「モスアイ」反射防止パターンを設けてもよい。別の変形例では、スタックの入射側端部及び出射側端部のうち一方又は各々に光学的保護材料の層を付け足し、この場合、外方に向いた「モスアイ」ガラス被膜反射防止パターン又は他の反射防止層を設けてもよく、そうでなくてもよい。
【0040】
ガラスは、反射損失を最小限に抑えるようウェーハ材料の屈折率にほぼ等しい屈折率を有するよう選択される。ガラスは又、意図した動作波長で良好な光伝送性を備えなければならない。
可視光帯、近赤外帯及び中間赤外帯における非線形変換に関し、ウェーハは、屈折率がn=2.2の周期的に分極反転したニオブ酸リチウム(PPLN)、周期的に分極反転したKTP(PPKTP)又は周期的に分極反転したRTA(PPRTA)のものであるのがよい。三硫化砒素As2S3は、屈折率n=2.4であり、軟化温度が約210℃の適当な低ガラス転移温度Tgガラスである。三硫化砒素ガラスの最大動作温度は、約150℃であり、この温度は、光屈折による損傷と関連した問題を無くすよう結合状態のスタックの加熱を可能にするほど十分高い温度である。
【0041】
中間赤外波長帯における使用に関し、例えばGaAs、ZnSe又はZnGeP2スタックでは、カルコゲナイドガラスは、所要の特性を有している。GaAsについての屈折率整合条件を満足するGe−As−Se−Te(GAST)系統のガラスが識別され、ガラスのサンプルを調製した。
【0042】
本発明で用いられる好ましいガラスの選択(その熱的性質及び相対屈折率を含む)について図1〜図3を参照して更に説明するが、図1〜図3は、3つの互いに異なるカルコゲナイドGASTガラスについての示差熱分析法によるプロット図である。
ガラス相からメルト相又は結晶相への変化に対応したガラス失透温度Tcに加え、多くのガラスは、ガラス相が維持されるが、幾分異なる性質を備える少なくとも1つのガラス転移温度Tgを有する。特に、ガラスを温度Tgで加熱して高温のガラス相を得ることにより(読者は、相変化が他の条件を必要とする場合があり、特に、相変化に相当長い時間がかかる場合があるということを理解しよう)、かなり軟らかく又は易動性の高い相を提供することができる。
【0043】
ガラス相転移を示差熱分析法で検出することができ、この場合、熱が制御された速度でサンプルに供給され、サンプルの温度が時間の経過につれてプロットされる。示差熱分析法の実施中、温度は最初に全体として直線的なプロットを辿り、相転移は、直線性からの偏差によって示唆される。特に、ガラス転移温度Tgを一般に屈折点の形態をしたプロット中の不連続部によって識別できる。別の転移点を高温で識別することができ、これらのうち少なくとも1つは、失透温度に相当する場合がある。失透温度を識別できる理由は、サンプルを冷却することにより逆測定を行う際、対応の屈折点が存在しておらず又は少なくとも同一温度で生じないからである。
【0044】
図4は、次のサイクルを利用して材料Ge15As15Se29Te41についての示差熱分析法によるプロットを示している。
1.20.00℃で1.0分間保持する。
2.10.00℃/分で20.00℃から450.00℃に加熱する。
3.450.00℃で10.0分間保持する。
4.10.00℃/分で450.00℃から20.00℃に冷却する。
120℃及び240℃での曲線の上昇部分上の2つの変曲点は、それぞれ第1及び第2のガラス(ガラス/ガラス)転移温度Tg1,Tg2である。290℃及び380℃におけるより急な移行部Tc1,Tc2は、結晶相と関連した移行部であり、これら温度のうち低いほう、即ちTc1は、失透温度である。というのは、この点において、材料がガラス相状態になって終わるからである。図4では、冷却の際この曲線を再び辿ることはなく、この曲線は、Tg1,Tg2に相当するガラス/ガラス転移点がない(逆である)ことを示しており、開始点には戻らないことが観察されよう。かくして、この材料の熱処理は、材料の性質の著しい変化と関連する可能性が多分にあり、これら変化は、多くの要因(例えば、時間、温度、加熱速度、雰囲気)に依存する場合があるので変化は信頼性を持って再現するのが困難である。本明細書で用いる「第1のガラス転移温度」という用語は、周囲温度よりも高いガラス転移温度のうちで最も低い温度を意味している。
【0045】
図5は、次のサイクルを用いて材料Ge15As15Se17Te53についての示差熱分析法によるプロットを示している。
1.20.00℃で1.0分間保持する。
2.10.00℃/分で20.00℃から440.00℃に加熱する。
3.10.00℃/分で440.00℃から80.00℃に冷却する。
4.80.00℃で20.0分間保持する。
5.10.00℃/分で80.00℃から440.00℃に加熱する。
6.10.00℃/分で440.00℃から80.00℃に冷却する。
7.80.00℃で20.0分間保持する。
8.10.00℃/分で80.00℃から440.00℃に加熱する。
9.10.00℃/分で440.00℃から20.00℃に冷却する。
10.20.00℃で60.0分間保持する。
【0046】
図4と比較すると、このプロットは、145℃及び260℃のところに第1及び第2のガラス(ガラス/ガラス)転移温度Tg1,Tg2並びに330℃のところに単一の失透温度Tc1を含む比較的単純な曲線である。冷却の際、曲線を再び辿らないが、逆ガラス転移点275℃及び160℃のところでの逆ガラス転移点Tg1,Tg2が示されている。曲線は、330℃まで加熱する3つのサイクルでの測定により立証されているように繰返し可能である。
【0047】
図6は、以下のサイクルを用いる材料Ge19As11Se17Te53についての示差熱分析法によるプロットを示している。
1.20.00℃で1.0分間保持する。
2.10.00℃/分で20.00℃から500.00℃に加熱する。
3.500.00℃で10.0分間保持する。
4.10.00℃/分で500.00℃から20.00℃に冷却する。
5.20.00℃で60.0分間保持する。
このプロットは、図5のプロットよりも更に簡単であり、170℃における単一のガラス/ガラス転移温度Tgを示しているが、470℃を超える温度まで失透点は示していない。Tgと検討中の最も高い温度との間には広い温度間隔がある。
【0048】
上記説明はGASTガラスについてのものであるが、読者は、同様な検討事項が他のガラスに当てはまることは理解されよう。
結合が行われる条件(かかる条件としては、Tb及び結合ガラス材料の選択が含まれる)は好ましくは、例えば非線形光学部品又はこれらの表面を破壊し又は歪曲させ、或いはこの中の不可逆相変化を生じさせることにより互いに結合される非線形光学部品のいずれかにおける望ましくない変化が生じないよう選択される。大抵の場合、理想は、非線形光学部品が結合プロセスにより実質的に全体が影響を受けず、又は少なくとも結合プロセスに続き、もし或る形態の変化がその間に生じても非線形光学部品が実質的に開始部品に相当することである。しかしながら、変更されているが望ましい性質を生じさせるよう非線形光学部品のうち一方又は両方の材料中に所望の変化、例えば不可逆相変化を生じさせるようTbを選択する場合があることが計画される。
【0049】
結合が行われる条件は好ましくは、結合された表面相互間でガラスが実質的に押し出されないようにすると共に(或いは)薄い1又は複数の層の厚さが実質的に一定のままであるように選択される。
結合ガラスが周囲温度よりも高い複数のガラス転移温度を示す場合、Tbは好ましくは、第1のガラス転移温度と第2のガラス転移温度との間にあるように選択される。
ガラスは好ましくは、無機ガラス、例えばカルコゲナイドガラスである。
【0050】
結合ガラスは、Ge、As、Se及びTeから成るのがよく、好ましいガラスの一範囲は、一般式Ge(x-a)As(a)Se(100-x-b)Te(b)を有し、この一般式において、25<x<=40、10<=a<=25、40<b<=70及び(100−x−b)>0である。図1〜図3のガラスは、この公式に適合している。
好ましくは、結合ガラスは、これが結合サイクルを可逆的に受けるよう選択され、従ってサイクルの終わりにおけるその性質がサイクルの開始時における性質に実質的に一致するようになる。図4のガラスは、この基準に適合しておらず、従って好ましい材料ではない。図5及び図6のガラスは、この基準に一致する好ましい材料である。
【0051】
変形例として上述したように、結合ガラスは、非晶質三硫化砒素であるのがよい。
好ましくは、結合ガラスは、失透温度に達する前にたった1つのガラス転移温度を有し、図6のガラスを図5のガラスよりも一層好ましいものにする。
好ましくは、ガラス転移温度(第1のガラス転移温度)と任意他の転移温度(別のガラス転移温度であると失透温度であるとを問わない)との間に少なくとも50℃、より好ましくは少なくとも100℃、更により好ましくは少なくとも150℃の間隔がある。この基準では、図6のガラスはこの場合も又、図5のガラスよりも好ましい。ただし、両方とも広い基準に適合する。
【0052】
Ge−As−Se−Te系統の赤外伝送カルコゲナイドガラスは、n=3.00〜3.45の範囲の屈折率を持つよう調製され、これらガラスは、GaAs(n=3.28)及びZnGeP2(n=3.1)に厳密に屈折率整合されている。これらガラスは又、RFスパッタリング法を用いてGaAs基材上に首尾よく被着され、その厚さは0.1ミクロン〜3ミクロン以上である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】単一のガラス層による接合が行われ、フラッド照明に用いられる本発明のデバイスの第1の実施形態の略図である。
【図2】中間層を含むガラス層による接合が行われ、この場合も又、フラッド照明に用いられる本発明のデバイスの第2の実施形態の略図である。
【図3】別々の光ポンピングに用いられる図1の実施形態の略図である。
【図4】3つの互いに異なるカルコゲナイドガラスについての示差熱分析法によるプロット図である。
【図5】3つの互いに異なるカルコゲナイドガラスについての示差熱分析法によるプロット図である。
【図6】3つの互いに異なるカルコゲナイドガラスについての示差熱分析法によるプロット図である。
【0001】
本発明は、非線形光学材料の2以上の層のスタックを有する光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
非線形光学材料は、既存のレーザ波長の変換により新しい波長を作り出す際に有用である(例えば、M.フェジャー(Fejer)著,「Physics Today」,1994年5月)。非線形光学材料の一般的な用途としては、周波数二倍発振器及び光パラメトリック発振器が挙げられる。かかるデバイスでは、基本(入力)及び発生(出力)光波は、材料中を一緒に伝搬し、エネルギが基本波から発生波に伝達される(前方変換)。エネルギが発生波から基本波に伝達される逆のプロセスも又生じる場合がある。これは、後方変換と呼ばれている。
【0003】
非線形プロセスの方向及び効率は、種々の相互に作用する波相互間の位相関係により定まる。一般に、位相関係は、波が非線形光学材料中を伝搬しているときに変化し、その結果、前方変換と後方変換の部分が交互に生じる。材料の最大有効長さは、かかる一部分の長さであり、材料についての可干渉距離と呼ばれている。これは、相互に作用する波が前方変換について適当な位相関係を保持する距離である。波がこの距離を越えて伝搬すると、エネルギが発生波から基本波に戻される。一般に、可干渉距離は、もし位相整合と呼ばれる技術を利用することができなければ短すぎるので有用ではない。
【0004】
位相整合の最も一般的な形態では、複屈折結晶である非線形光学材料が必要になる。種々の波の伝搬及び偏光方向は、前方変換について適当な位相関係が結晶全体を通じて維持され、可干渉距離が結晶よりも長いものであるように選択される。しかしながら、位相整合上の制約は、伝搬方向を定め、この伝搬方向は、非線形相互作用が最も強い方向ではない場合がある。また、種々のビームは、「ウォークオフ(walk-off)」する場合があり、結晶内で空間的に分離されるようになる。結晶が透明である全ての波長において位相整合条件を満足させることが常に可能であるわけではない。さらに、これまた複屈折である赤外スペクトルの部分に用いるのに適した非線形材料の数は、かなり制限される。
【0005】
位相整合の別の形態は、凝似位相整合と呼ばれている。この技術では、非線形光学材料を長さが正確に一可干渉距離(又は、可干渉距離の奇数倍)の部分に分割する。かかる分割を行うのに、条線入り結晶を成長中に生じさせ、或いは結晶の適当な分極反転又はポーリングを行い、或いは互いに異なる結晶方位のある多数の層を組み合わせる。各部分内では、有用な非線形光学相互作用が、波が徐々に位相ずれすると生じる場合がある。材料軸を次の部分内で逆にすると、相互作用が続行可能となる。このように軸を連続した部分内で逆にすることにより、恣意的な相互作用距離を達成できる(J.マクマレン(McMullen)著,「J Appl Phys, vol 46 no 7」,p3076−3081)。凝似位相整合により、複屈折を用いては位相整合できない非線形光学材料を用いることができる。これは、利用できる良好な複屈折非線形光学材料が少ししかない光学的波長帯では特に重要である。
【0006】
条線入り結晶及び分極反転結晶は、これらの製造方法に鑑みて小アパーチュアデバイスにしか有用でない傾向がある。しかしながら、この組立法は、高出力用途で有用な大アパーチュアデバイスを提供する可能性を秘めており、かかる高出力用途では、デバイスに対する光学的損傷のおそれを最小限に抑えることが必要である。ただし、種々の部分をスタック構造の状態に組み立てる際の大きな問題が、有用であるのに十分な品質の凝似位相整合構造を作製の際に存在する。隣り合う部分相互間に高品質の光学的接合部を作る際と部分の長さ及び部分相互間の距離の正確な制御を生じさせ又は維持する際に大きな問題があり、かかる問題は、典型的には数10〜100以上の非線形層から成るこの種の組立体では深刻な場合がある。非線形光学材料の部分の組立体は一般に、本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123740.3号明細書に記載されており、この英国特許出願は、一般に、非線形光学材料の少なくとも2つの層のスタックを有する非線形光デバイスに関し、隣り合う非線形層は、ガラス層により互いに接合されている。その実施形態では、意図した光伝搬方向又はその少なくとも一成分は、層に対して横断方向の積み重ね方向に沿っている。
【0007】
かかる組立体は、非線形光学材料のブロックから形成された周期的に分極反転した結晶に酷似しており、このブロックは、一連の互いに平行な層状領域に効果的に分割されており、交互に配置された領域は、互いに異なる分極反転方向を有し、意図した光伝搬方向又はその少なくとも一成分は、層状領域の平面に対して横断方向である。交互分極反転パターンは一般に、格子と呼ばれており、交互パターンに遭遇する方向に沿っている。かくして、層状領域は、1次元格子を提供するが、明らかに、交互パターンに2又は3次元に沿って遭遇する2又は3次元格子構造を設けることが可能である。
【0008】
例えば、米国特許第6,064,512号明細書(発明者:バイヤー(Byer))に記載されているように、現時点においては、必要な磁界が絶縁破壊値に急に近づくので最も一般的な非線形光学材料の1つであるニオブ酸リチウムの厚い層中に有用な分極反転パターンを生じさせることは不可能であり、たとえ分極反転が首尾よくいっても、ドメインパターンの忠実度は、厚いプレート中では劣化する。
後者の問題は、条線入り結晶の製造の際にも生じ、この場合、ドメインパターンを結晶表面中に生じさせ、次にこれをエッチングし、次に生じる結晶表面上での結晶の成長がパターンを伝える。条線入り結晶の製造も又、費用が高くつき、しかも時間がかかる。
分極反転であれ条線入り結晶成長であれ、単一の結晶プレート又は層中に3次元ドメインパターンを生じさせる可能性をもたらさない。
【0009】
米国特許第6,064,512号明細書(発明者:バイヤー(Byer))において示唆されたこれら問題の解決策としては、とりわけ、2次元パターン付けされたプレートのスタックの拡散接合が挙げられる。個々のプレートのパターン付け及びこれらの相対的な位置合わせに応じて、1次元、2次元又は3次元格子パターンを備えた厚手の構造を製造できる。M.J.ミッセイ(Missey)他著「Optics Letters, vol 23, No 9」,1998年5月1日,p664−666は又、周期的に分極反転したニオブ酸リチウム(PPLN)のスタックの拡散接合を用いることを記載している。かかる特許文献と非特許文献の両方に開示された方法では、シートのドメイン格子を位置合わせし、シートの厚さ方向に延長したアパーチュア寸法を備える構造を生じさせる。
【0010】
通常の非線形材料の光学的損傷閾値は低いので、比較的大きなアパーチュアでポンピングできることは、向上した出力取扱い機能をもたらすはずである。しかしながら、1次元格子構造、特に意図した光伝搬方向に対し著しく横断方向に延びる構造を用いた光パラメトリック発振器及び発生器に関する最近の研究の示すところによれば、これらをその完全(フル)アパーチュアでポンピングすると、生じた光ビームは、ビーム発散レベルが大きくしかもスペクトルが広がるという欠点がある。例えば、特に格子が互いに異なる周期をもつ構造を記載しているM.ミッセイ(Missey)他著,「Optics Letters 25, No 4 」,2000年2月,p248に説明されているように、この効果は、もし材料が1次元において複数の別々の格子を備えている場合著しく減少する場合があり、各格子は、分極反転していない材料の薄い領域によって分離され、即ち、薄い結晶層が複数の互いに間隔を置いた(平行な)格子から成っている。
【0011】
ポンプビームによりフラッド照明される場合、各格子は、非線形変換をもたらすゲインの別々の(比較的小アパーチュア)チャネルとして考えることができる。個々のゲインチャネルを用いると、軸外しビームが分極反転した/分極反転していない境界部を横切って伝搬するときのこれらビーム中のゲインが著しく減少するので軸外しビームの発生が阻止される。軸外しビームが存在すると、通常その結果として、高次数モードが生じると共に単一の格子の分極反転サンプルからのビーム品質が貧弱になる。また、格子が同一の周期をもっている場合、隣り合うチャネル相互間で光結合が生じる場合があり、それにより発生したビームが可干渉性であるようになる。つぎに、生じた多数のビームを種々の技術で可干渉的に結合させると、単一の格子分極反転サンプルから達成できる発散度よりも低い発散度の単一のビームを形成することができる。
【0012】
多数の格子を備えた単一のシートを比較的容易に形成することができる。恐らくは、かかる構造を薄い結晶層中に形成する最も簡単な方法は、分極反転による方法であり、非格子材料は、分極反転していない材料の領域によって構成されるが、例えば結晶成長法又は互いに間隔を置いた格子のシートと側方に介在した結合ガラス層の組合せを用いる他の方法(本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123731.2号明細書に記載されている方法)は、本発明の実施において利用できないことはない。
【0013】
単一シート構造の一方向におけるアパーチュアは、シートの厚さによって決定される。PPLNの場合、単一シートの厚さは、1mmに制限されている。大きな有効アパーチュアがこの方向に必要な場合、この場合も又、この寸法をチャネルに細分割して軸外しビームの発生を相当な程度まで回避し、周期の等しい格子の場合、チャネル相互間の有用な光結合の追加の利点をもたらすことが必要であろう。
【0014】
2次元チャネリング方式の格子構造は、S.M.ラッセル(Russel)他著,「IEE J Quantum Electronics, vol 37 no 7」,2001年7月,p877−887に詳細に記載されている。しかしながら、実際にかかる構造を製造するには問題が残っている。
【0015】
本発明は、第1の特徴において、非線形光学材料の格子層のスタックを有する非線形光デバイスであって、各格子層が少なくとも1つの格子を有し、隣り合う格子層が互いに間隔を置いた関係で結合されていることを特徴とする光デバイスを提供する。
単一のスタックがちょうど2つの格子層から成るが、好ましくは、少なくとも3つのかかる層、より好ましくは少なくとも5つ、更により好ましくは少なくとも10のかかる層が設けられる。
本発明の光デバイスでは、種々の格子層相互間の長距離(ロングレンジ)光結合を確実に生じさせるためには、主としてフレネル反射に起因する種々の光学インタフェースのところの光損失を望ましくは最小に保つ。
【0016】
米国特許第6,064,512号明細書(発明者:バイヤー(Byer))に記載された構造では、結合は、光学セメント、直接的な光学的接触又は拡散結合(ミッセイの非特許文献にも記載されている)により行われる。しかしながら、公知のように、光学接触状態にあるべきフェース相互間にギャップ又は空間が存在することは、接合されるべき表面の欠陥としてかかる源から生じる場合があり、或いは表面のところの汚染、特に粒子汚染の存在が原因となってとりわけ、反射(屈折率不整合に起因する)及び散乱に起因する光学損失が生じる。
【0017】
直接的にインタフェースを取るには、コンポーネントの表面の非常に正確な物理的前処理及び極めて高い清浄さの基準が必要である。この理由で、この技術は実際に用いられているが、実施困難であり、可能ならば回避することが最善である。
拡散結合方式は、実用上の多くの問題により実現するのが困難である。個々の層は、研磨度が高く且つ光学的にフラットでなければならず、層の表面は、粒子による汚染がないものでなければならない。1μmという小さな粒子であっても、結果的に層相互間に直径が1mmのボイドが生じる場合があるということが観察された(D.ボールマン(Bollmann)他著,「Jpn J Appl Phys, vol 35 」,p3807−3809)。かかるボイドは、光学的損失の源であり、これらは、多くの層のスタック上に相当蓄積する場合がある。層を拡散結合するのに必要な温度及び圧力も又、材料の光学的性質を劣化させる場合がある(D.ゼーン(Zheng )他著,「J Electrochem Soc, vol 144, no 4」,p1439−1441)。
【0018】
例えば接着剤のような材料の中間層によるコンポーネントの結合は、光の損失を減少又は無くし、従ってデバイス効率を向上させるのに役立つ場合がある。例えば、長年にわたり顕微鏡スライダを取り付けたりレンズコンポーネントを接合するために接着剤としてカナダバルサム(Canada Balsam )が用いられたが、かかるカナダバルサムは、従来型のシリカを主成分とする光学ガラスの屈折率に非常に類似した屈折率を有している。多くの最新式の光学コンポーネントは、従来型ガラス、例えば半導体電気光学デバイス及びレンズよりも非常に大きな屈折率を備えた材料で作られており、これは一般に、例えば赤外領域で用いられるコンポーネントで生じる。従来型接着剤成分の屈折率は、これら非常に増大した屈折率とマッチしておらず、従ってインタフェースのところの反射が再び増大し、直接的にインタフェースを取る手段に頼ることが必要な場合が多い。接着剤又は他の結合材料の各中間層は、2つのインタフェースを生じさせ、もし接合部が不良であると見なすのに十分であれば、光学的性能は2つの直接結合されたコンポーネントの光学的性能を超えて劣化するおそれさえある。
【0019】
本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123731.2号明細書は一般に、2つの光学部品の対向した表面を接合する方法に関し、この方法は、ガラス失透温度Tc1よりも実質的に低いガラス転移温度Tgを有する結合ガラスの薄い層を備えた前記表面のうち少なくとも一方を用意する工程と、前記表面相互間に1又は複数の被膜だけを設けた状態で前記表面を合わせて組立体を形成する工程と、TgとTc1との間にあり、ガラスを軟化させ、光部品を互いに結合するほど十分高い温度Tbまで組立体を加圧下で加熱する工程とを有する。好ましくは、結合される両方の表面は、結合ガラスで被覆される。結合ガラスは好ましくは、これが接合する層に実質的に屈折率整合されている。この方法を本発明の非線形光デバイスの製造に用いることができる。
【0020】
本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123740.3号明細書は一般に、非線形光学材料の少なくとも2つの層のスタックを有する非線形光デバイスに関し、隣り合う前記非線形光学材料層は、ガラス層で接合されている。非線形光学材料の層を適当に配置することにより、格子を作製することができる。
【0021】
好ましくは、本発明のデバイスでは、隣り合う格子層は、少なくとも1つのガラス層によって結合される。結合を行うには、薄いガラス被膜を接合されるべき表面のうち一方又は両方に被着させ、表面相互間に1又は複数の被膜を配置した状態で表面を互いに結合して熱及び圧力を加えるのがよい。
場合により、特に層相互間に比較的大きな間隔が必要な場合、結合されるべき格子層相互間に光学的に不活性な中間層、例えば分極反転していない非線形材料の層を設け、ガラス層により隣の各層に結合する。この場合も又、中間層の表面と隣の格子層の表面との間の結合は、熱及び圧力を用いる前に一方又は両方の表面を薄いガラス被膜で被覆することによって達成できる。
【0022】
互いに異なる格子層相互間の光結合を容易にするため、ガラスは好ましくは、非線形光学材料の屈折率にほぼ等しい屈折率を有している。光結合は伝搬方向に対し横方向なので、屈折率整合要件は、伝搬方向に沿って延びるスタックを結合する要件と比較して幾分緩和される。ガラスの屈折率は好ましくは、非線形光学材料の屈折率の30%以内、より好ましくは10%以内、更により好ましくは5%以内であり、理想的にはこれに実質的に等しい。屈折率が互いに異なる非線形材料相互間の結合を行う場合、ガラスの屈折率は理想的には、2つの屈折率の積の平方根に等しい値を取るべきであり、又すぐ前に述べたが、この平方根の値に対して測定された好ましい範囲を有するべきである。
好ましくは、各格子層は、好ましくは1次元の複数の格子を有する。好ましくは、個々の格子層に属する格子は、実質的に同一である。好ましくは、これら格子は、互いに平行な格子方向を有している。
【0023】
例えば単一の波長出力を発生させる好ましい一実施形態では、全格子層中の格子は、実質的に同一であり、好ましくはこれら格子は層毎に実質的に平行である。説明している実施形態では、光伝搬方向は、全ての1次元格子方向の方向に平行である。したがって、その効果は、入力光ビームを横切って2次元に分布され、入射光方向に延びる小アパーチュア格子のアレイを提供することにより全体的な構造のアパーチュアを増大させることである。しかしながら、当業者であれば、周期性が互いに異なる格子を有する格子層を提供することにより同一の効果を達成できることは理解されよう。ただし、入射光方向に対するこれら格子層の傾きが、光伝搬方向における格子の周期性が各格子について同一であるようなものであることを条件とする。
【0024】
特に多数の種々の光波長を同時に処理することが望ましい場合、光伝搬方向に対する周期性が互いに異なる格子(例えば、絶対周期性の異なる格子及び(又は)伝搬方向に対する傾きが互いに異なる格子、又はこれらの組合せ)を用いることも知られている。かくして、本発明は、例えば互いに異なる周期性をもたせることにより各層及び(又は)隣の層中の格子が同一ではない構造及び(又は)格子が層毎に実質的に平行ではない構造を含む。
好ましくは、各格子層は、非線形光学材料の単一の薄い層を適当に電気的に分極反転させることにより形成される。しかしながら、格子層を作製する別の方法を例えば条線入り結晶成長法を改造することにより、又は個々の格子及び中間領域の側方結合により、或いはこれらの組合せにより採用することができる。上述した本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123740.3号明細書に記載された方法で個々の格子を作製することが可能である。
【0025】
それにもかかわらず、分極反転は、特に通常関与する相対寸法及び絶対寸法を考慮して、単一の格子層を製造する現時点において最も容易で最も実用的な方法であり、必要な幅及び長さの個々の格子層を形成する際の問題が比較的少ないのが通例である。問題に直面した場合、本発明の第1の特徴に従って複数のデバイスを組み立てて所要長さ及び(又は)幅をもたらすことが可能である。かかる組立ては好ましくは、好ましくは個々のスタックの層を接合するために用いられているのと同一の材料の光学ガラス層を好ましくは用いて隣り合うスタックを互いに結合する工程を含む。一般に、スタックを互いに接合する好ましい方法は、上述したように個々のスタックの互いに異なる層を互いに接合する好ましい方法と類似しており、光学的に不活性な材料の中間層、例えば分極反転していない非線形光学材料の層を介在させてもよく、或いはそうしなくてもよい。
【0026】
代表的には、本発明で用いられる非線形材料は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3又はLN)、チタン酸燐酸カリウム(KTiOPO4又はKTP)、チタン酸砒酸ルビジウム(RbTiOAsO4又はRTA)、ガリウム砒素GaAs、セレン化亜鉛ZnSe及び燐化ゲルマニウム亜鉛ZnGeP2である。
これら材料のうち最初の3つは、可視光波長、近赤外波長及び中央赤外(mid infrared)波長に用いるのに適しており、屈折率が比較的小さい。かかる材料に関し、適当な結合ガラスは、屈折率n=2.4、軟化温度約210℃の三硫化砒素である。
他の3つの材料は、中央〜遠赤外領域でより多く用いられ、屈折率が比較的高い。かかる材料に関し、適当な結合ガラスは、カルコゲナイドガラスであり、Ge−As−Se−Te(GAST)系統の赤外透過ガラスが、n=3.00〜3.45の範囲の屈折率を持つように調製された。好ましいガラスの一範囲は、一般式Ge(x-a)As(a)Se(100-x-b)Te(b)を有し、この一般式において、25<x≦55(好ましくは25<x≦40)、10≦a≦25、40<b≦70及び(100−x−b)>0である(本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123743.7号明細書を参照)。有用な組成物Ge15As25Se14Te46、Ge20As20Se14Te46及びGe15As15Se5Te65及び図4〜図6のガラスも又、この一般式に合致している。より好ましくは、特に例えば基材がGaAs又はシリコンのものである場合、30<=x<=40及び50<b<=70である。これら範囲内では、良好〜非常に良好な熱特性を持つガラスが存在し、屈折率はGaAs及びZnGeP2の屈折率にほぼ一致している。
【0027】
本発明のデバイスのスタックのいずれか一方の端部又は両端部に保護層を追加するのがよい。光学結晶の光学的損傷閾値特性を向上させる方法についての説明がなされている。これについては、1997年10月にデマリア等に付与された米国特許第5,680,412号明細書(発明の名称:Apparatus for improving the optical intensity induceddamage limit of optical quality crystals)を参照されたい。これら方法では、光学結晶の端面への光学的に透明な材料の厚い小片(数mm)の取り付けが行われる。通常、光学的損傷及び熱特性がバルク光学結晶よりも向上している材料が選択され、場合によっては、かかる材料は、次に行う誘電体被膜のための改良された表面仕上げを提供する。
材料についての主な要件は、材料/結晶インタフェースのところでの反射損失を最小限に抑えるためにバルク非線形光学結晶の屈折率とほぼ同じ屈折率を有することである。かかる選択の一例は、中間赤外領域における改良された非線形光学結晶を生じさせるためにGaAs(n=3.3)をZnGeP2結晶(n=3.1)に取り付けることである。現在までに実証された取り付け法は、直接的な光学的接触を利用している。これには、バルク結晶と端面材料の両方の注意深い表面前処理が必要であり、これはそれ自体困難な場合がある。
【0028】
好ましくは、本発明のデバイスは、ガラス層によりスタックの光学的入力及び(又は)出力フェースに結合された保護窓を有する。ガラス層を非線形光学層の結合を説明する際に上述した判断基準に従って選択して設けるのがよい。取り付けられた材料は、平らな層、例えば円板又はAR被膜を不要にするブルースターのカットプリズムの形態を取ることができる。
変形例として又は追加例として、スタックの光学入力及び(又は)出力(保護層の有無は問わない)が誘電体又は反射防止膜を備えるのがよい。これは従来の誘電体被膜であってよく、或いは、これはガラス被膜で作られたものであってもよく(好ましくは、非線形光学層を互いに結合するために用いられたのと同一の材料で作られたものであってよいが、必ずしもそうである必要はない)、かかるガラス被膜中に、例えば特に本出願人の同時係属英国特許出願第GB0123744.5号明細書に記載されているようにエンボス加工又はエッチングにより「モスアイ(moth-eye)」構造が形成される。本明細書において説明するように、ガラス被膜は、或る特定の基材上への従来型誘電体反射防止膜の付着と関連した問題、更に或る材料の光学表面の作製上の課題と関連した問題を解決する。というのは、ガラス被膜は、表面欠陥及び汚染を包囲することができ、必要ならば、それ自体比較的容易に研磨できるからである。この場合も又、ガラス層を、非線形層の結合を説明する際に上述した基準に従って選択して設けるのがよい。
【0029】
スタックの頂部及び(又は)底部にガラス層により追加の層を更に結合するのがよい。スタックをポンピングする場合、ポンプビーム直径が、最も外側の層のエッジのクリッピングを回避するよう層厚さ方向において十分に小さいものであるようにすることが必要である。というのは、多数回の反射(全反射)が、軸外しモードを支えるのに十分なゲインを与える場合があり、これによりビーム品質が貧弱になり、スペクトルが広がることになるからである。追加の層が例えば同一材料であるが、分極反転していない格子層の非線形材料の屈折率に近い屈折率を有している場合、スタックのアパーチュアは、幾分効果的に増大する。ただし、ゲイン領域の寸法は変更されない。すると、今述べた有害な結果のおそれなく、僅かに大きなポンプビームを用いることができる。
【0030】
変形例として又は追加例として、追加の層は、ヒートシンク機能又は熱伝達機能を発揮する材料又は形態のものであってよく、例えば、大きなシンクに又はオーブンから熱を伝達するダイヤモンドの層である(実際には、PPLNデバイスを高温で動作させる必要がある)。
【0031】
本発明のデバイスは、赤外スペクトルの一部を透過させることができる。しかしながら、本発明は、スペクトルの可視光部分及び(又は)UV部分で用いられるデバイスまで及ぶ。本発明のデバイスは、多くの非線形装置に利用され、かかる非線形装置としては、周波数変換器、パラメトリック増幅器及びパラメトリック混合器が挙げられる。
本発明の別の特徴及び利点は、読者に提供される特許請求の範囲の記載を読むと共に添付の図面を参照して行われる本発明の実施形態についての以下の詳細な説明を考慮すると明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1は、垂直方向に積み重ねられ、薄いガラス層4によって結合された3つの格子層1〜3を示している。図示のように、層1は、電気的分極反転により形成された3つの1次元格子5を有し、これら格子は、入射光の方向7において互いに並列に延びていて、分極反転していない材料のストリップ6の領域によって分離されている。格子5と領域6の両方は、層1の高さ全体にわたって延びている。層2,3は、層1と実質的に同一である。
格子層の数、各格子層中の格子の数及び各格子の構造(寸法、周期性)は、例示に過ぎず、公知の検討事項及び考慮中の用途によって決まることに注目することが重要である。しかしながら、代表的には、例えばニオブ酸リチウムの層1は、厚さが1mm、長さ(光方向における)が50mm、幅が10mmになろう。各格子は代表的には、幅が1mmであり、50ミクロンの分極反転していない材料により層中の隣の格子から分離される。ガラス層4の厚さは、代表的には50ミクロンであるが、例えば10〜100ミクロンであってもよい。
【0033】
また、図示のように、格子は垂直方向及び水平方向に位置合わせ状態にあるが、これは厳密に必要ではないことに注目することは重要である。どの格子であっても他の格子と位置合わせ状態にあってもよく、そうでなくてもよい。さらに、図示のように、格子は全て実質的に同一であるが、これは必ずしも必要ではなく、互いに異なる層の格子が波長範囲にわたり又は例えば複数の波長に用いられるよう互いに異なる幅及び(又は)周期性を有するデバイスを形成することが可能である。加うるに、格子は実質的に同一の厚さを持つものとして示されているが、これは厳密に必要であるというわけではなく、互いに異なる格子層が互いに異なる厚さを有してもよい。
【0034】
図2のデバイスは、図1のデバイスに酷似しているが、格子層は、連続して配置されたガラス層8、分極反転していない非線形光学材料9の中間層及び第2のガラス層10によって互いに結合されている。
図1及び図2は、入射照明光がスタックの端面11全体にわたり広く差し向けられるデバイスの使用例を示している。屈折率整合状態にあるガラス層4は、このように用いられると、デバイスの光学的効率を増大させるのに特に有用であると考えられる。層4中の小さな光損失により、損傷が光学的インタフェースのところで生じる条件下において、フラッド照明が容易になる。かかる損傷により、ポンプビームのディストーション及び隣の光学的領域の破壊が生じる場合がある。さらに、非線形材料に屈折率整合されたガラスを選択することにより、必要ならばチャネル相互間のクロストークが助けられると共にポンプビームのディストーションが阻止され又は軽減される。というのは、非線形材料の層と介在ガラス層との境界部がこの場合実質的に光学的に透明だからである。
【0035】
図3は、各層1〜3がそれぞれ対応関係にある付形入射ビーム71〜73により個々に照明される図1のデバイスの別の使用例を示している。フラッド照明を使用するにせよ個々の照明を使用するにせよいずれにせよ、3つの層から出たビーム12は、それ自体公知の手段により一般に組み合わせられる(互いに異なる層が互いに異なる幾何学的形状の格子を有している場合、個々のビームを組み合わせ又は別々に処理する)。この別の使用例は、図2のデバイスにも明らかに用いることができる。
【0036】
図1のデバイスを作製する際、格子層1〜3が、適当に差し向けられた非線形光学材料のウェーハによって提供され、これらウェーハは、交互の分極反転方向の領域の形態をした光学格子及び分極反転していないストリップ6を生じさせるよう電気的に分極反転されている。次に、ウェーハ、即ち今や格子層1〜3を、任意の標準方法を用いてガラス転移温度Tgが低いガラス4で被覆する。好ましくは、この被覆方法は、付着中、正確な厚さ制御を行うと共に(或いは)被膜の厚さを被膜の一部の除去により後で調節することができる。適当な方法の例としては、スパッタリング、フラッシュ蒸発、スピンコーティング、溶剤蒸発が挙げられる。非線形光学材料の湿潤を向上させるためには、所要厚さの約半分、例えば25ミクロンのガラス転移温度Tgの低いガラスを各ウェーハの一方の表面にのみ被着させるのではなく、両面に被着させると有利である。
【0037】
次に、格子層を互いに異なる層の格子を互いに平行にした状態で正確な向きに上下に配置することによりスタックを組み立てる。過度の粒状物が層相互間に入り込むのを阻止するよう注意する必要がある。しかしながら、ガラス層の厚さよりも小さな直径の小さな粒子は、望ましくはないが、層が結合するのを阻止することはないであろう。というのは、ガラスは最終的に、加熱時に層の周りに流れてこれらを巻き込むからである。これらの光損失特性があまり高くないとすれば、これら層は、高いレーザフリューエンスでスタックの性能を甚だしくは損なわないであろう。これと同様に、加工により生じる欠陥、例えば粗さ又は掻き傷を許容できる。
【0038】
次に、ウェーハのスタックをオーブン内に配置し、ガラスの軟化点まで加熱する。オーブン内の雰囲気を制御して例えば空気を除去するのがよく、もしそうしなければ、空気は完成構造内に取り込まれるようになる。この構造は高温であるが、圧力を加えて残りの空気を押し出し、ガラスが流れて隣り合う層が結合するようにする。温度及び圧力は、オーブンを最終的に冷却する前に適当な期間の間維持する。次に、完成した構造をオーブンから取り出して、光伝搬方向がこのように形成された縞の2次元アレイに平行な状態でそのまま用いることができ、或いは反射防止膜を端部に被着させてデバイスの効率を向上させることができる。
【0039】
この特定の方法は、スタックの格子層の全ての同時結合を採用するので最も好ましいが、少なくとも幾つかの格子層を別々に別個の結合プロセスに加え、又は任意の中間バリエーションを用いても等しく可能である。
任意的に、スタックの入射側端部及び出射側端部のうち一方又は各々は、ガラス被膜を更に備え、このガラス被膜は次に、「モスアイ(moth-eye)」反射防止パターンでエンボス加工し又はエッチングする。このガラス被膜を、スタックの組み立ての前又は後、好ましくは後に被着させるのがよく、スタックの組み立て後にパターンがこのガラス被膜に形成される。しかしながら、変形例では、個々の格子層の各々に、スタックの組み立ての前又は後で「モスアイ」反射防止パターンを設けてもよい。別の変形例では、スタックの入射側端部及び出射側端部のうち一方又は各々に光学的保護材料の層を付け足し、この場合、外方に向いた「モスアイ」ガラス被膜反射防止パターン又は他の反射防止層を設けてもよく、そうでなくてもよい。
【0040】
ガラスは、反射損失を最小限に抑えるようウェーハ材料の屈折率にほぼ等しい屈折率を有するよう選択される。ガラスは又、意図した動作波長で良好な光伝送性を備えなければならない。
可視光帯、近赤外帯及び中間赤外帯における非線形変換に関し、ウェーハは、屈折率がn=2.2の周期的に分極反転したニオブ酸リチウム(PPLN)、周期的に分極反転したKTP(PPKTP)又は周期的に分極反転したRTA(PPRTA)のものであるのがよい。三硫化砒素As2S3は、屈折率n=2.4であり、軟化温度が約210℃の適当な低ガラス転移温度Tgガラスである。三硫化砒素ガラスの最大動作温度は、約150℃であり、この温度は、光屈折による損傷と関連した問題を無くすよう結合状態のスタックの加熱を可能にするほど十分高い温度である。
【0041】
中間赤外波長帯における使用に関し、例えばGaAs、ZnSe又はZnGeP2スタックでは、カルコゲナイドガラスは、所要の特性を有している。GaAsについての屈折率整合条件を満足するGe−As−Se−Te(GAST)系統のガラスが識別され、ガラスのサンプルを調製した。
【0042】
本発明で用いられる好ましいガラスの選択(その熱的性質及び相対屈折率を含む)について図1〜図3を参照して更に説明するが、図1〜図3は、3つの互いに異なるカルコゲナイドGASTガラスについての示差熱分析法によるプロット図である。
ガラス相からメルト相又は結晶相への変化に対応したガラス失透温度Tcに加え、多くのガラスは、ガラス相が維持されるが、幾分異なる性質を備える少なくとも1つのガラス転移温度Tgを有する。特に、ガラスを温度Tgで加熱して高温のガラス相を得ることにより(読者は、相変化が他の条件を必要とする場合があり、特に、相変化に相当長い時間がかかる場合があるということを理解しよう)、かなり軟らかく又は易動性の高い相を提供することができる。
【0043】
ガラス相転移を示差熱分析法で検出することができ、この場合、熱が制御された速度でサンプルに供給され、サンプルの温度が時間の経過につれてプロットされる。示差熱分析法の実施中、温度は最初に全体として直線的なプロットを辿り、相転移は、直線性からの偏差によって示唆される。特に、ガラス転移温度Tgを一般に屈折点の形態をしたプロット中の不連続部によって識別できる。別の転移点を高温で識別することができ、これらのうち少なくとも1つは、失透温度に相当する場合がある。失透温度を識別できる理由は、サンプルを冷却することにより逆測定を行う際、対応の屈折点が存在しておらず又は少なくとも同一温度で生じないからである。
【0044】
図4は、次のサイクルを利用して材料Ge15As15Se29Te41についての示差熱分析法によるプロットを示している。
1.20.00℃で1.0分間保持する。
2.10.00℃/分で20.00℃から450.00℃に加熱する。
3.450.00℃で10.0分間保持する。
4.10.00℃/分で450.00℃から20.00℃に冷却する。
120℃及び240℃での曲線の上昇部分上の2つの変曲点は、それぞれ第1及び第2のガラス(ガラス/ガラス)転移温度Tg1,Tg2である。290℃及び380℃におけるより急な移行部Tc1,Tc2は、結晶相と関連した移行部であり、これら温度のうち低いほう、即ちTc1は、失透温度である。というのは、この点において、材料がガラス相状態になって終わるからである。図4では、冷却の際この曲線を再び辿ることはなく、この曲線は、Tg1,Tg2に相当するガラス/ガラス転移点がない(逆である)ことを示しており、開始点には戻らないことが観察されよう。かくして、この材料の熱処理は、材料の性質の著しい変化と関連する可能性が多分にあり、これら変化は、多くの要因(例えば、時間、温度、加熱速度、雰囲気)に依存する場合があるので変化は信頼性を持って再現するのが困難である。本明細書で用いる「第1のガラス転移温度」という用語は、周囲温度よりも高いガラス転移温度のうちで最も低い温度を意味している。
【0045】
図5は、次のサイクルを用いて材料Ge15As15Se17Te53についての示差熱分析法によるプロットを示している。
1.20.00℃で1.0分間保持する。
2.10.00℃/分で20.00℃から440.00℃に加熱する。
3.10.00℃/分で440.00℃から80.00℃に冷却する。
4.80.00℃で20.0分間保持する。
5.10.00℃/分で80.00℃から440.00℃に加熱する。
6.10.00℃/分で440.00℃から80.00℃に冷却する。
7.80.00℃で20.0分間保持する。
8.10.00℃/分で80.00℃から440.00℃に加熱する。
9.10.00℃/分で440.00℃から20.00℃に冷却する。
10.20.00℃で60.0分間保持する。
【0046】
図4と比較すると、このプロットは、145℃及び260℃のところに第1及び第2のガラス(ガラス/ガラス)転移温度Tg1,Tg2並びに330℃のところに単一の失透温度Tc1を含む比較的単純な曲線である。冷却の際、曲線を再び辿らないが、逆ガラス転移点275℃及び160℃のところでの逆ガラス転移点Tg1,Tg2が示されている。曲線は、330℃まで加熱する3つのサイクルでの測定により立証されているように繰返し可能である。
【0047】
図6は、以下のサイクルを用いる材料Ge19As11Se17Te53についての示差熱分析法によるプロットを示している。
1.20.00℃で1.0分間保持する。
2.10.00℃/分で20.00℃から500.00℃に加熱する。
3.500.00℃で10.0分間保持する。
4.10.00℃/分で500.00℃から20.00℃に冷却する。
5.20.00℃で60.0分間保持する。
このプロットは、図5のプロットよりも更に簡単であり、170℃における単一のガラス/ガラス転移温度Tgを示しているが、470℃を超える温度まで失透点は示していない。Tgと検討中の最も高い温度との間には広い温度間隔がある。
【0048】
上記説明はGASTガラスについてのものであるが、読者は、同様な検討事項が他のガラスに当てはまることは理解されよう。
結合が行われる条件(かかる条件としては、Tb及び結合ガラス材料の選択が含まれる)は好ましくは、例えば非線形光学部品又はこれらの表面を破壊し又は歪曲させ、或いはこの中の不可逆相変化を生じさせることにより互いに結合される非線形光学部品のいずれかにおける望ましくない変化が生じないよう選択される。大抵の場合、理想は、非線形光学部品が結合プロセスにより実質的に全体が影響を受けず、又は少なくとも結合プロセスに続き、もし或る形態の変化がその間に生じても非線形光学部品が実質的に開始部品に相当することである。しかしながら、変更されているが望ましい性質を生じさせるよう非線形光学部品のうち一方又は両方の材料中に所望の変化、例えば不可逆相変化を生じさせるようTbを選択する場合があることが計画される。
【0049】
結合が行われる条件は好ましくは、結合された表面相互間でガラスが実質的に押し出されないようにすると共に(或いは)薄い1又は複数の層の厚さが実質的に一定のままであるように選択される。
結合ガラスが周囲温度よりも高い複数のガラス転移温度を示す場合、Tbは好ましくは、第1のガラス転移温度と第2のガラス転移温度との間にあるように選択される。
ガラスは好ましくは、無機ガラス、例えばカルコゲナイドガラスである。
【0050】
結合ガラスは、Ge、As、Se及びTeから成るのがよく、好ましいガラスの一範囲は、一般式Ge(x-a)As(a)Se(100-x-b)Te(b)を有し、この一般式において、25<x<=40、10<=a<=25、40<b<=70及び(100−x−b)>0である。図1〜図3のガラスは、この公式に適合している。
好ましくは、結合ガラスは、これが結合サイクルを可逆的に受けるよう選択され、従ってサイクルの終わりにおけるその性質がサイクルの開始時における性質に実質的に一致するようになる。図4のガラスは、この基準に適合しておらず、従って好ましい材料ではない。図5及び図6のガラスは、この基準に一致する好ましい材料である。
【0051】
変形例として上述したように、結合ガラスは、非晶質三硫化砒素であるのがよい。
好ましくは、結合ガラスは、失透温度に達する前にたった1つのガラス転移温度を有し、図6のガラスを図5のガラスよりも一層好ましいものにする。
好ましくは、ガラス転移温度(第1のガラス転移温度)と任意他の転移温度(別のガラス転移温度であると失透温度であるとを問わない)との間に少なくとも50℃、より好ましくは少なくとも100℃、更により好ましくは少なくとも150℃の間隔がある。この基準では、図6のガラスはこの場合も又、図5のガラスよりも好ましい。ただし、両方とも広い基準に適合する。
【0052】
Ge−As−Se−Te系統の赤外伝送カルコゲナイドガラスは、n=3.00〜3.45の範囲の屈折率を持つよう調製され、これらガラスは、GaAs(n=3.28)及びZnGeP2(n=3.1)に厳密に屈折率整合されている。これらガラスは又、RFスパッタリング法を用いてGaAs基材上に首尾よく被着され、その厚さは0.1ミクロン〜3ミクロン以上である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】単一のガラス層による接合が行われ、フラッド照明に用いられる本発明のデバイスの第1の実施形態の略図である。
【図2】中間層を含むガラス層による接合が行われ、この場合も又、フラッド照明に用いられる本発明のデバイスの第2の実施形態の略図である。
【図3】別々の光ポンピングに用いられる図1の実施形態の略図である。
【図4】3つの互いに異なるカルコゲナイドガラスについての示差熱分析法によるプロット図である。
【図5】3つの互いに異なるカルコゲナイドガラスについての示差熱分析法によるプロット図である。
【図6】3つの互いに異なるカルコゲナイドガラスについての示差熱分析法によるプロット図である。
Claims (39)
- 非線形光学材料の格子層のスタックを有する非線形光デバイスであって、各格子層は、少なくとも1つの格子を有し、隣り合う格子層は、互いに間隔を置いた関係で結合されていることを特徴とする光デバイス。
- スタックは、少なくとも3つの格子層を有することを特徴とする請求項1記載の光デバイス。
- 隣り合う格子層は、少なくとも1つのガラス層によって結合されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光デバイス。
- 隣り合う格子層は、単一のガラス層によって結合されていることを特徴とする請求項3記載の光デバイス。
- 隣り合う格子層は、各格子層にそれぞれ対応関係にあるガラス層により結合された中間層により互いに間隔を置いていることを特徴とする請求項3記載の光デバイス。
- 中間層は、非線形光学材料で作られていることを特徴とする請求項5記載の光デバイス。
- 前記ガラスの屈折率は、非線形光学材料の屈折率の30%以内であることを特徴とする請求項3〜6のうちいずれか一に記載の光デバイス。
- 前記ガラスは、無機ガラスであることを特徴とする請求項3〜7のうちいずれか一に記載の光デバイス。
- 前記ガラスは、カルコゲナイドガラスであることを特徴とする請求項8記載の光デバイス。
- 前記ガラスは、非晶質三硫化砒素であることを特徴とする請求項9記載の光デバイス。
- 前記ガラスは、Ge、As、Se及びTeを含むことを特徴とする請求項8記載の光デバイス。
- 前記ガラスは、Ge(x-a)As(a)Se(100-x-b)Te(b)の一般式を有し、この式において、25<x<=40、10<=a<=25、40<b<=70及び(100−x−b)>0であることを特徴とする請求項10記載の光デバイス。
- 各格子層は、複数の互いに間隔を置いた格子を有していることを特徴とする請求項1〜12のうちいずれか一に記載の光デバイス。
- 個々の格子層に属する格子は、実質的に同一であることを特徴とする請求項13記載の光デバイス。
- 個々の格子層に属する格子は、互いに平行な格子方向を有していることを特徴とする請求項13又は14記載の光デバイス。
- 全格子層中の格子は、互いに平行な格子方向を有していることを特徴とする請求項1〜15のうちいずれか一に記載の光デバイス。
- 全格子層中の格子は、実質的に同一であることを特徴とする請求項1〜16のうちいずれか一に記載の光デバイス。
- 少なくとも1つの格子は、別の格子とは異なる周期性をもっていることを特徴とする請求項13〜16のうちいずれか一に記載の光デバイス。
- 非線形光学材料は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸燐酸カリウム(KTiOPO4)又はチタン酸砒酸ルビジウム(RbTiOAsO4)から選択されていることを特徴とする請求項1〜18のうちいずれか一に記載の光デバイス。
- 非線形光学材料は、前記格子が得られるよう周期的に分極反転していることを特徴とする請求項1〜19のうちいずれか一に記載の光デバイス。
- 非線形光学材料は、ガリウム砒素GaAs、セレン化亜鉛ZnSe、燐化ゲルマニウム亜鉛ZnGeP2から選択されていることを特徴とする請求項1〜18のうちいずれか一に記載の光デバイス。
- 別の非格子層が、スタックの頂部及び(又は)底部に結合されており、前記非格子層は、前記格子層の非線形光学材料に効果的に屈折率整合されていることを特徴とする請求項1〜21のうちいずれか一に記載の光デバイス。
- ヒートシンク機能を発揮する別の層が、スタックの頂部及び(又は)底部に結合されていることを特徴とする請求項1〜22のうちいずれか一に記載の光デバイス。
- 実質的に添付図面の図1又は図2を参照して説明した光デバイス。
- 請求項1〜24のうちいずれか一に記載の光デバイス及び光を前記デバイス中に差し向ける照明手段を有する光学装置であって、前記照明手段は、前記スタックの一側部をフラッド照明するよう配置されていることを特徴とする光学装置。
- 請求項1〜24のうちいずれか一に記載の光デバイス及び光を前記デバイス中に差し向ける照明手段を有する光学装置であって、前記照明手段は、前記スタックの一側部から個々の前記格子層を照明するよう配置されていることを特徴とする光学装置。
- 全格子層中の格子は、互いに平行な格子方向を有し、光源が、光を格子の方向に平行な方向で前記デバイス中に差し向けるよう配置されていることを特徴とする請求項25又は26記載の光学装置。
- 請求項1〜24のうちいずれか一に記載の光デバイス又は請求項25〜27のうちいずれか一に記載の光学装置を有する光パラメトリック増幅器、パラメトリック混合器又は周波数変換器。
- 請求項1〜24のうちいずれか一に記載の光デバイスを少なくとも2つ有する光学組立体。
- 光デバイスの製造方法であって、非線形光学材料の複数の格子層を用意する工程と、各前記格子層中に格子構造を形成する工程と、前記格子層を含むスタック構造を形成する工程と、前記層を互いに間隔を置いた関係でスタック内に互いに結合する工程とを有することを特徴とする製造方法。
- 前記結合工程では、光学ガラスの層を隣り合う格子層の表面相互間に設けることを特徴とする請求項30記載の製造方法。
- 前記結合工程は、中間層を隣り合う格子層相互間に配置する工程と、前記中間層の各表面をこれと対応関係にある各前記格子層の表面にガラス層で結合する工程とを含むことを特徴とする請求項30記載の製造方法。
- 前記結合工程は、ガラス失透温度Tc1よりも実質的に低いガラス転移温度Tgを有する結合ガラスの薄い層に結合される表面の各対のうち少なくとも1つを用意する工程と、前記表面相互間に1又は複数の被膜だけを設けた状態で前記表面を合わせて組立体を形成する工程と、TgとTc1の間にあり、且つガラスを軟化させて構成要素を互いに結合させるのに十分に高い温度Tbまで前記組立体を加圧下で加熱する工程とから成ることを特徴とする請求項31又は32記載の製造方法。
- 結合されるべき両方の表面は、結合ガラスで被覆されていることを特徴とする請求項33記載の製造方法。
- 結合は、ガラスが結合された表面相互間から実質的に押し出されないような条件下において行われることを特徴とする請求項31〜34のうちいずれか一に記載の製造方法。
- 結合は、1又は複数のガラス被膜の厚さが実質的に一定のままであるような条件下において行われることを特徴とする請求項31〜34のうちいずれか一に記載の製造方法。
- スタックの前記非線形光学材料層は全て、単一の工程で互いに結合されることを特徴とする請求項30〜36のうちいずれか一に記載の製造方法。
- 前記格子構造は、電気的分極反転により形成されることを特徴とする請求項29〜37のうちいずれか一に記載の製造方法。
- 実質的に添付図面の図1及び図2を参照して説明した光デバイスの製造方法。
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