JP2005503895A - アンプルの識別 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、その各々がアンプル1における少なくとも2つの所定の位置の1つに配置することができる少なくとも2つの認識要素2を備え、該少なくとも2つの所定の位置がアンプル上にて非対称に配置された注射装置又は注入装置用のアンプルに関し、及びアンプルに結合可能であって、所定の位置にて少なくとも2つの認識要素2の配置を認識し得るよう所定の位置に配置することができる少なくとも2つのセンサ3を備える投与装置に関し、及びアンプルに結合可能であって、挿入したアンプル1に沿って、好ましくはアンプル1の周りで動くことのできる少なくとも1つのセンサを備える投与装置に関する。
Description
【0001】
本発明は、注射装置又は注入装置用の好ましくは、製品流体を保持するアンプルに関し、及びアンプル認識部を有するかかる注射装置又は注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アンプルから製品流体を投与する装置は、例えば、インシュリン治療のため使用される持運び型注射装置又は注入装置の形態にて既知である。投与すべき物質が充填されたアンプルは、投与装置を介してアンプル内に保持された物質を患者に分与するペンと称されることもしばしばである、投与装置に結合されている。例えば、糖尿病用のインシュリン、成長不良用の成長ホルモン(hGH:ヒト成長ホルモン)、腎不全又は全身の赤血球減少症用のエリスロポイエチン(Epo)、例えば、肝炎又は癌治療用のα−インターフェロン、又は増強剤を備える製剤の如き、このようにして投与される多数の物質がある。諸元的に同一であることがしばしばであるアンプルは、色々な物質又は投与すべき物質の異なる濃縮物にて充填されることがしばしばである。
【0003】
異なる物質を備える容器を取り違える危険性を少なくするため、それぞれ相応する容器をその内部に挿入することのできる色々に形成された投与装置が既知である。
多数の異なる色のフィールドから成るカラーコードを取り付けることができ、容器又はその中身の性質は、光学センサシステムによって認識することができる容器が国際出願WO98/00187号から既知である。
【0004】
物質を投与する容器及び装置は、認識要素が容器に割り当てられる、当該出願人に属する国際出願第01/56635A1号から既知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、色々な型式のアンプルを自動的に認識し且つ、投与装置毎に判別することができ、不正確なすなわち誤った認識が殆ど排除されるようにした、アンプル及び投与装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。独立請求項から有利な実施の形態が得られる。
「アンプル」という語は、物質を受け入れるのに適した容器を意味する。容器及び(又は)アンプルは、例えば、プラスチック、ガラス、金属のような硬い又は剛性な材料で形成することができ、又は、例えば、プラスチック又は別の材料で出来た膜のような、可撓性又は弾性的である材料で形成することができる。カニューレは、例えば、回転対称、円筒状、平行六面体又は嚢状とし且つ、例えば、0.1から1000mlの特定的で且つ、可変の容積がカニューレ内で利用可能である限り、全体として、任意の諸元を示すことができる。
【0007】
ほぼ円筒状であり且つ、注射装置又は注入装置にて使用するのに適しており、また、投与すべき物質、特に、自己投与用の製品流体を受け入れ得ることが好ましい、本発明によるアンプルは、アンプル上に配置され又は、アンプルに固定状態に接続された、本発明による少なくとも2つの認識要素を備えている。少なくとも2つの認識要素の各々は、少なくとも2つ、好ましくは、3つ、4つ以上、例えば、5つから100のアンプルにおける所定の位置の1つに配置し又は取り付けることができ、ここで、本発明による少なくとも2つの所定の位置は、アンプル上に又はアンプルの頂部に非対称に配置される。換言すれば、第一の認識要素を例えば、4つの所定の位置の内、第一の位置に取り付けることができ、また、第二の認識要素をその後に残る3つの位置の1つに取り付けることができる。このように、本発明に従って、少なくとも2つの認識要素に対し多数の所定の位置を提供することにより、第一の濃度の第一の物質にて充填されたアンプルに対して認識要素を所定の位置の内、2つの特定の位置に取り付け、また、投与すべき異なる物質又は、例えば、異なる濃度の同一の物質を有する異なるアンプルに対し、2つの認識要素をアンプル上の所定の位置の内、異なる位置に取り付けることにより、特定型式のアンプルを明瞭に識別することができる。本発明によれば、所定の位置は、アンプル上に非対称に配置される、すなわち、例えば、回転対称でなく配置され、又は、例えば、4つの異なる位置が認識要素を取り付けるため円上で予め設定されたとき、任意の2つの位置間の角度距離は、任意の他の2つの位置間の角度距離と同一でないことが好ましい。このように、アンプルを明確に識別することができ、ここで、認識誤りに対する更なる防護機能が向上し、それは、非対称のため、例えば、アンプルを回転させることにより、認識要素を配置することでコード化したアンプルの中身を不正確に判断することはあり得ないからである。例えば、認識要素の1つが不良であり又は、アンプルから流れ出したため誤りが生じ、又は、例えば、第三の認識要素として機能する欠陥がアンプル上に存在するならば、かかる誤りは、本発明によりアンプルを認識することにより摘出し且つ、修正することさえも可能である。「非対称」という用語は、例えば、2つの認識要素を備えるアンプルを4つの可能な所定の位置の内、2つの特定の位置にて変位させ且つ(又は)回転させることにより、4つの可能な所定の位置の内、任意の他の2つの位置に対し少なくとも2つの認識要素をアンプル上に配置することに相応する状態であって、少なくとも2つの認識要素をアンプル上に配置する形態は得られない状態、を意味するものと本発明の説明にて理解される。
【0008】
取り付けるべき認識要素に対する所定の可能な位置が非対称に配置される、すなわち、例えば回転対称でなく配置されるならば、その場合、例えば、アンプルが不正確に回転することによる不正確な信号を読取るのを防止することが可能である。
【0009】
好ましくは、使用される認識要素よりも多数の位置が予め決定され、ここで、同一数、例えば、2つの認識要素がそれぞれ異なる位置又は位置の組み合わせに対し常に使用され、一組みの異なるアンプルの特徴を決定するようにする。
【0010】
好ましくは、アンプルの一端に、例えば、アンプルが注射装置又は注入装置内に摺動するときに通るアンプルの正面側に、少なくとも2つの所定の位置又は認識要素が設けられるようにする。所定の位置又は認識要素は、実質的に円に沿って配置され、その円がアンプルの対称軸線の中心軸線に対し同心状であるようにすることが特に好ましい。
【0011】
好ましくは、少なくとも3つの所定の位置がアンプルにて予め決定され、その位置にて少なくとも2つの認識要素を取り付けることができるようにする。少なくとも2つの認識要素を取り付ける4つ、5つから50又はそれ以上の位置を都合良く設けることもできる。
【0012】
相応する多数の異なる型式のアンプル又はアンプル充填物を識別し且つ、誤りに対する防護機能又は許容度を可能な限り大きくし得るように、アンプルに2つ以上の認識要素、例えば、3つから50又はより多数の認識要素を設けることも可能である。
【0013】
特に好ましくは、少なくとも2つの認識要素の少なくとも1つが特定の所定の位置に常に固定状態に配置される、すなわち、この固定の位置には、1つの基準認識要素として作用可能である認識要素が常に存在するようにする。このように、少なくとも1つの他方の認識要素をこの基準認識要素に対して配置することを使用して、アンプル及び(又は)その中身を明確に識別することができる。
【0014】
各々が少なくとも2つ、好ましくは、3つ又は4つの所定の位置の1つを有する少なくとも2つの認識要素を上述したように配置することに加えて、少なくとも2つ、好ましくは、3つ又は4つのその他の基準認識要素を提供し、例えば、好ましくは、ほぼ同一の角度距離にて円の上に配置することもできる。この円は、少なくとも2つの認識要素に対して上述した所定の位置が位置する円に対して同心状であることが好ましい。基準認識要素は、上述した認識要素の上記円の内側又は外側に配置することができる。本発明のかかる1つの実施の形態は、例えば、アンプルが注射装置又は注入装置にねじ込まれたとき、例えば、円に沿って等しい角度距離に配置されることが好ましい基準認識要素を検出することにより、アンプルの回転動作を認識することができ、また、この認識された回転動作に基づいて、所定の位置の何れかに少なくとも2つの認識要素がアンプル内に又はアンプル上に配置されているのかを検出することができる。このように、アンプルを例えば、手で注射装置内にねじ込むとき、不均一なねじ込み動作にも拘らず、少なくとも2つの認識要素の配置状態を検出することができる。例えば、4つの基準認識要素が90°の角度距離にて配置され、従って、1/4回転毎に1つの信号を発生させるならば、例えば、認識要素が2つの対向する所定の位置にあるか、又は鋭角な角度にて隔てられた2つの所定の位置にあるかどうかを確認することが可能である。
【0015】
認識要素は、電気的及び(又は)磁気的又は誘電的及び(又は)容量的及び(又は)機械的原理に基づくものであることが好ましい。例えば、硬い磁気材料すなわち永久磁石、柔らかい磁気又は磁化可能な材料、磁気プラスチック、又は磁気材料を含むプラスチックのような磁石を本発明に従って1つの認識要素として使用することができる。これと追加的に又は代替的に、認識要素は、例えば、導電性構造体、光学的構造体、表面構造体、発振回路又はチップとして形成することができる。全体として、特定の位置に認識要素が存在し又は存在しなことを検出することができるように認識要素を形成すべきである。例えば、異なる強度又は極性の電界及び(又は)磁界を発生させ、その界の方位又は極性及び(又は)強度によって特定の個別の認識要素又は特定の認識要素の群を明確に検出し且つ、これらの認識要素をその他のものから判別することもできるように、異なる認識要素を使用することが可能である。
【0016】
好ましくは、認識要素の極性は、変化させることができる、すなわち、例えば、磁化可能な材料の極性を磁化方向に向けて逆にし、アンプルの認識要素を適宜にプログラム化し、例えば、アンプルの中身に関する情報を認識要素に書き込むことができるようにする。
【0017】
本発明による投与装置、例えば、少なくとも2つの認識要素を備える上述したアンプルを挿入し、例えば、ねじ込むことのできる注入装置は、少なくとも1つのアンプルに結合することができ、また、所定の位置にて少なくとも2つのセンサ、好ましくは3つ、4つ、5つから50又はより多数のセンサを備え、センサの領域内、すなわち例えば、センサの正面に1つの認識要素が存在し又は存在しないことをこれらのセンサを使用して検出することができる。
【0018】
本発明の1つの代替的な側面によれば、投与装置は、例えば、モータによって投与装置内に挿入されたアンプルに沿って動かす、すなわち、例えば、アンプルの周りで又はアンプルに沿って動かし、これによりアンプルの少なくとも2つの認識要素の相対的位置を検出することができる少なくとも1つのセンサを備えている。
【0019】
アンプルが例えば、投与装置内にねじ込まれたならば、ねじ部は整合される、すなわち、ねじ部は、可能な限り密な許容公差を呈し、アンプルは、完全にねじ込まれたとき、特定の所定の位置関係を示す、すなわち例えば、完全にねじ込まれたとき、アンプルの正面側の特定の箇所が所定の位置にあり且つ(又は)、所望の位置に対して横方向に曲がる程度が可能な限り僅かであるようにすることが好ましい。
【0020】
好ましくは、例えば、突出部すなわちカムのような端部ストッパを提供し、アンプルは、摺動し又はねじ込まれたとき、この端部ストッパに対し休止し且つ、更に回転させることができず、アンプルの位置を確実に保持し得るようにすることができる。
【0021】
好ましくは、少なくとも1つの位置決め要素が投与装置に提供され、該位置決め要素を使用して、少なくとも1つのセンサ又は複数のセンサを個別に又は共に例えば、回路板上に適宜に配置することができる。この場合、センサは、アンプルが投与装置内に挿入されたとき、アンプルの少なくとも2つの認識要素に対して所定の位置と対向する位置に位置することが好ましい。この位置は、例えば、アンプルの正面側とし且つ(又は)、アンプルの側方領域とすることができる。
【0022】
本発明に従って、アンプルが挿入されたとき、それぞれの認識要素から特定の距離にセンサを提供し、例えば、磁界を偏向させる柔軟な磁気材料、物理的性質又は、それぞれの認識要素に特有の信号をそれぞれのセンサに伝導する光導体又は導電体のような適宜な伝送要素を設けることができる。
【0023】
センサは、例えば、ホールセンサ、光検出器、表面構造体を検出する機械的スイッチ、電気抵抗、容量、インダクタンス又は共振周波数を決定する電気スイッチ又は各場合にて使用される認識要素を検出するのに適したその他の適宜な検出器として形成することができる。
【0024】
本発明によれば、例えば、アンプルを摺動させ又は回転させるモータのような、アンプルを投与装置内に挿入するモータが提供される。例えば、モータが回転したとき、アンプルは、かかるモータによって既知の、好ましくは一定の速度にて回転され、次に、アンプルが投与装置内に挿入されると直ちに、例えば、投与装置内に固定状態に配置された単一のセンサによってアンプルに配置された少なくとも2つの認識要素の位置を検出し、これによりアンプルが投与装置内に挿入されると直ちに、使用されるアンプルの型式及び(又は)中身を識別することが可能となる。
【0025】
好ましくは、センサから評価論理装置まで伝送される信号数を減少させ得るように、使用されるセンサの少なくとも2つ、好ましくは、その全てに接続された少なくとも1つのマルチプレクサが提供されるようにする。例えば、4つのセンサが使用されるならば、センサから受け取った4つの信号を例えば、時間多重化法にてマルチプレクサを介して2つ又は1本の線に伝送することができ、このため、全体として単一の信号線のみがあればよく、このことは配線コストを削減することになる。
【0026】
好ましくは、ディスプレイが投与装置に取り付けられ、該ディスプレイを使用して、センサにより検出されたアンプルの型式又はアンプルの中身を表示し、例えば、ユーザが検出結果を確認し得るようにすることができる。
【0027】
本発明の別の側面によれば、上述したアンプルは、上述した投与装置と組み合わされて、投与システムを形成する。以下に、好ましい実施の形態に関し且つ、本発明の色々な個別の側面を参照しつつ、本発明を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1には、認識要素として機能するロッド形状磁石2がその内部に配置されたアンプル1が図示されている。アンプル1は、ペン6内に完全にねじ込まれ、アンプル1内に配置された2つの磁石2の各々は、回路板4の上に配置され且つ、ペン6に固定状態に接続された非対称に配置された4つのセンサ3の1つと対向する位置に位置している。センサ3がその上に配置された回路板4をペン6の上に正確に配置するため、回路板4の側方キャビティと係合し、これにより回路板4をペン6内で回転しないように固定された位置に配置する突出部(図示せず)が提供される。信号をセンサ3から評価論理装置まで伝送するため、多数の隣接する線を備える可撓性の線接続部5が回路板4に接続されている。ペン6は、電池(図示せず)を更に備えており、該電池により、センサ3及び評価論理装置(図示せず)に電力を供給することができる。例えば、中央開口部4aの上にて回路板4を貫通することのできるねじ付きロッドがその内部を案内される機構ホルダの上方には、ディスプレイ装置が配置されており、該ディスプレイ装置には、例えば、磁石2及びセンサ3によって検出されたアンプルの型式又はアンプルの中身を表示することができる。アンプル1と回路板4との間のばねは、ねじ込んだアンプルが安定状態に嵌まることを保証することができる。
【0029】
図2Aには、図1に示した回路板4の斜視図が図示されており、センサ3が該回路板上に配置され、回路板4は、図1に示した突出部10と共に、回路板4、従って回路板上に配置されたセンサ3を正確に配置する作用を果たす側方キャビティ4bを備えている。図2Bには、図2Aに示した回路板4の側面図が図示されている。
【0030】
図3には、本発明に従って4つのセンサ3を回路板4上に配置する一例としての実施の形態が図示されている。センサ3の中心点3mは、アンプルがペン6内にねじ込まれたとき、当接するアンプル1の中心軸線に対し同心状である円Kに沿って配置されている。センサ3aとセンサ3bとの間の角度は115°、センサ3bとセンサ3cとの間の角度は105°、センサ3cとセンサ3dとの間の角度は60°、センサ3dとセンサ3aとの間の角度は80°である。従って、4つのセンサ3aから3dは、非対称に配置され且つ、回転対称ではなく、センサの位置に相応する認識要素として機能する磁石2を受け入れる位置がアンプル内に提供されるとき、アンプルを認識し、誤りに対する防護機能を果たすことが可能である。例えば、センサ3aの位置に相応するアンプルにおける位置に常に磁石2が存在するならば、第一の型式のアンプルがセンサ3bに相応する位置にのみ磁石を備え、第二の型式のアンプルがセンサ3cに相応する位置に磁石2を備え、第三の型式のアンプルがセンサ3dに相応する位置に磁石2を備える場合、3つの異なる型式のアンプルを明確に識別することができる。
【0031】
例えば、磁石が損傷され又は失われたならば、センサ3aから3dの最大1つが信号を発生し、この信号から欠陥があることを確認することができる。基準磁石が望ましいように、センサ3aと対向する位置にないようにアンプルがねじ込まれるならば、図示するように、センサ3aから3dの非対称の配置のため、アンプル1の所定の位置に配置された2つの磁石2の各々がセンサ3に対向するような形態となることはできない。精々、アンプル1内で所定の位置に取り付けられた磁石2の1つのみがセンサ3aから3dの1つと対向するだけであろう。
【0032】
このようにして、認識要素2、及びセンサ3が本発明に従って非対称に配置されるならば、誤りに対して防護された状態にてアンプルの型式及び(又は)特定のアンプルの中身を検出することが可能となる。一般に、4つのセンサ3aから3dからの信号は、1つのデジタルコード語として解釈することができ、ここで、かかる1つのコード語を発生させるためには、センサ装置3は、図4に示すように、アンプル1上における認識要素2の配置に対向する位置にする。例えば、センサのような、個別のセンサ3が認識要素、すなわち磁石2によって対向されるならば、このことは、例えば、図5Aに一例として示すように、論理値「1」として解釈することができる一方、磁石がセンサの正面にないならば、図5Bに一例として示すように、論理値「0」が出力される。また、一例として示した磁石に代えて、相応するセンサ3と共に、その他の認識要素2を使用することもできる。
【0033】
例えば、4つのセンサ及び2つの認識要素が使用されるならば、その結果、次表に示すように、16のコード語が可能となる。
その他の全てのコード語は、論理値「1」を備える数が2つ以上又は2つ以下であるため、コード語3、5、6、9、10、12のみが有効なコード語である。上述したように、1つの認識要素が例えば、常に、アンプル1内に配置され、1つの特定のセンサ、図3の例において、例えば、センサ3aに対向するならば、有効なコード語の数は、3つに減少し、コード語は、数値9、10、12となり、この場合、位置aに常に「1」が存在する。かかる非対称のコードは、誤りの発生を認識する点にて優れた防護機能を提供する。
【0034】
本発明は、単に一例として且つ、単に説明の目的のためにのみ本明細書に掲げたコード以外のコードと共に使用することも可能であることは明らかである。
図6には、本発明によるセンサ3の配置による1つの好ましい実施の形態が図示されている。その配置が図3に示した配置に相応するセンサ3aから3dに加えて、図示した一例としての実施の形態にて別のセンサ3eが提供され、該センサ3eは、センサ3aから3dの中心点が位置する円Kの外側に位置している。例えば、多数の認識要素が投与装置内にねじ込まれるアンプル1内に配置され、これらの認識要素がその他のセンサ3eの中心点が配置される円R上にほぼ位置しているならば、例えば、アンプルがペン6内にねじ込まれたとき、例えば、円R上に90°の角度距離に配置された4つの磁石2によって、アンプル1の回転動作を認識することができ、また、上述したように、アンプル1内での磁石2の配置と併せて且つ、一例として示したセンサ3aから3dの配置と共に、センサ3aから3dに相応する位置に取り付けられた磁石2の位置は、アンプル1がねじ込まれたときでさえも認識することができる。
【0035】
図7から図9には、一例として、アンプル1内、特に、アンプル1の円周の正面領域における磁石又はその他の認識要素の可能な配置が示してあるが、磁石2に代えて、上述した認識要素の内、その他の認識要素を相応するように取り付けることも可能である。
【0036】
図7には、例えば、磁石2のような認識要素2をアンプル1の壁1aに取り付けるための3つの一例としての実施の形態が示されており、ここで、磁石2は、円筒状に形成され、また、円形の断面として示されている。図7Aに示した実施の形態において、磁石2は、その寸法の点にて特定の許容公差を示す円筒状の中空空間内に挿入することができ、ここで、磁石2は、相応する空間内に自由に取りリ付けるか、又は、適宜な接着剤を使用して固定することができる。図7B及び図7Cには、アンプル壁1aに固定することにより締結された磁石が示されている。この場合、アンプル壁1aは、例えば、適宜なプラスチックのような弾性材料から成るならば、有利なことである。
【0037】
図8には、磁石2をアンプル壁1aに締結する1つの代替的な実施の形態が示されており、ここで、磁石2は、平行六面体として形成され且つ、変形可能である。かかる平行六面体の磁石2がその縁部にて変形され且つ、アンプル壁1aの円筒状の中空空間内に挿入されたならば、磁石2は、その縁部によってアンプル壁1a内で横方向に支持することができ、このため、アンプル壁1a内で固定状態に保持することができる。
【0038】
図9には、磁石2をアンプル壁1aに形成する別の実施の形態が示されており、ここで、磁気又は磁化可能な材料を備えるプラスチックエマルジョンがアンプル壁1aの円筒状の中空空間1b内に挿入される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】ペン内に挿入された本発明によるアンプルの斜視図である。
【図2】2Aは、センサが取り付けられた回路板の斜視図である。
2Bは、センサが取り付けられた回路板の側面図である。
【図3】センサの非対称の配置を説明するための図2Aに示した回路板の概略図である。
【図4】本発明による認識要素及びセンサの配置による1つの好ましい実施の形態を示す図である。
【図5】5Aは、磁気方向作用原理の概略説明図である。
5Bは、別の状態における磁気方向作用原理の概略説明図である。
【図6】基準認識要素を備える本発明の1つの実施の形態を示す図である。
【図7】磁石をアンプルに接続する一例としての方法を示す図である。
【図8】磁石をアンプルに接続する別の例としての方法を示す図である。
【図9】磁石をアンプルに接続する更に別の例としての方法を示す図である。
Claims (19)
- 注射装置又は注入装置用のアンプルにおいて、その各々が該アンプル(1)における少なくとも2つの所定の位置の1つに配置することができる、少なくとも2つの認識要素(2)を備え、前記少なくとも2つの所定の位置が、アンプル上で非対称に配置されるようにした、注射装置又は注入装置用のアンプル。
- 少なくとも2つの所定の位置又は認識要素(2)が、好ましくは、アンプル(1)の中心軸線に対して同心状である円の上でアンプル(1)の一端に配置されるようにした、請求項1に記載のアンプル。
- 3つ、4つ、5つから50又は50以上の所定の位置が提供され、少なくとも2つの認識要素(2)を該所定の位置に配置することができるようにした、請求項1又は2に記載のアンプル。
- 3つから50又は50以上の認識要素(2)が提供されるようにした、請求項1から3の何れか1つに記載のアンプル。
- 少なくとも2つの認識要素(2)の少なくとも1つが特定の所定の位置に配置されるようにした、請求項1から4の何れか1つに記載のアンプル。
- 少なくとも2つ、好ましくは、3つ、4つ、5つから50のその他の基準認識要素が、好ましくは、アンプル(1)の中心軸線に対して同心状である円(R)に沿って、アンプル(1)上に提供されるようにした、請求項1から5の何れか1つに記載のアンプル。
- 少なくとも2つの認識要素(2)が、電気及び(又は)磁気又は誘電性及び(又は)容量的及び(又は)機械的原理に基くものであり、好ましくは、磁石、導電性構造体、光学構造体又は表面構造体であるようにした、請求項1から6の何れか1つに記載のアンプル。
- 少なくとも2つの認識要素(2)が、異なる強度の電界及び(又は)磁界を発生させるようにした、請求項1から7の何れか1つに記載のアンプル。
- 認識要素が書き込み可能であるようにした、請求項1から8の何れか1つに記載のアンプル。
- 所定の位置にて少なくとも2つの認識要素(2)の配置を認識し得るように所定の位置に配置することができる少なくとも2つセンサ(3)を備える、請求項1から9の何れか1つに記載のアンプルに結合可能な投与装置。
- 挿入したアンプル(1)に沿って、好ましくはアンプル(1)の周りで動くことのできる少なくとも1つのセンサを備える、請求項1から9の何れか1つに記載のアンプルに結合可能な投与装置。
- アンプル(1)に対して整合されたねじ部と、及び(又は)挿入されたアンプル(1)の端部位置を画成する端部ストッパとを備える、請求項10又は11に記載の投与装置。
- センサ(3)を投与装置(6)内に配置する少なくとも1つの位置決め要素(10)を備える、請求項10から12の何れか1つに記載の投与装置。
- 信号を認識要素(2)とセンサ(3)との間で伝送する装置を備える、請求項10から13の何れか1つに記載の投与装置。
- センサが、ホールセンサ、光センサ、電気センサ及び(又は)機械的センサ、特に接触スイッチであるようにした、請求項10から14の何れか1つに記載の投与装置。
- 自動的に挿入し又はアンプル(1)内で回転させるモータを備える、請求項10から15の何れか1つに記載の投与装置。
- 少なくとも2つのセンサ(3)に接続された少なくとも1つのマルチプレクサを備える、請求項10から16の何れか1つに記載の投与装置。
- センサ(3)によって検出されたアンプルの型式を表示するディスプレイ装置(9)を備える、請求項10から17の何れか1つに記載の投与装置。
- 請求項1から9の何れか1つに記載のアンプルと、請求項10から18の何れか1つに記載の投与装置とを備えるシステム。
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