JP2005503815A - 屠殺動物を対称面に沿って分割するための装置のための制御手段、方法、および装置 - Google Patents

屠殺動物を対称面に沿って分割するための装置のための制御手段、方法、および装置 Download PDF

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Abstract

屠殺動物を対称面に沿って分割するための装置のための制御手段(1)であって、この装置は、対称的な分割を行なうための鋸刃/分割ナイフまたは鋸(5)を含み、この制御手段(1)は、少なくとも2つの実質的に同一の制御要素、すなわち第1の制御要素(2)および第2の制御要素(3)を含み、第1の制御要素(2)および第2の制御要素(3)は互いに実質的に対向して配置され、各制御手段(2,3)は、第1の切断手段によって全体的にまたは部分的に遊離された棘突起(4)を含む脊柱(9)と係合するための面(20)を含む。これにより、棘突起は静止して、鋸刃がこれらの中心と係合して、棘突起のきれいな切断が行なわれ得る。

Description

【技術分野】
【0001】
この発明は、屠殺動物を対称面に沿って分割するための装置のための制御手段に関し、この装置は、対称的な分割を行なうための鋸刃/分割ナイフを含み、この制御手段は、少なくとも2つの実質的に同一の制御要素、すなわち第1の制御要素および第2の制御要素を含み、第1の制御要素および第2の制御要素は互いに実質的に対向して配置される。この発明は、方法および装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
屠殺動物の取扱いに関しては、通常、屠体の脊椎と筋肉との分離が行なわれる。このことはナイフによって行なわれる。これらのナイフにより、棘突起の各側面を切込み、それに沿って切断することによって棘突起の切離が行なわれ、それによって露出された骨が現われ、切込むことによって肉が骨から落ちる。したがって、V字型の開口部が形成され、このV字型の開口部内で、後の処理の場所において、露出された棘突起および脊椎を通った屠殺動物の切断(対称的な分割)が刃によって行なわれる。
【0003】
分割が行なわれる、後の処理に関する問題は、鋸による切断または対称的な分割が、脊椎の弾性のために均一にならないことであり、このことは、屠殺場において容認できない。
【0004】
たとえば、米国特許第4,109,347号から、屠殺動物を対称的に分割するための装置のための制御手段が公知である。この手段は、対称的な分割を行なうための分割ナイフまたは鋸を含む。この制御手段はピンを含み、部分的に貫通したスロットにより、分割ナイフが最も低い分割位置を取ったときに、分割ナイフを貫通させることができる。水平に分離された2枚の制御プレート上およびそれらの間に、部分的に旋回可能な態様でピンの端部が取付けられて、先端が制御プレートに対して約90°の角度をとる。また、米国特許第3,829,932号に記載された固定される態様で、このピンを取付けることもできるが、ピンが部分的に旋回可能であることから、ピンの動作中にピンがクランプされることを防止する。
【0005】
対称的な分割の間に、ピンは、そこを起点に脊髄内の空洞の中心部に下ろされ得る位置に配置される。ピンが脊髄の開口部内に下ろされると、骨の構造がピンに対して或る配向を生じ、それによって分割ナイフによって行なわれる切断を制御する。したがって、脊椎は、きれいな切断によって分割される。しかしながら、それと同時に、ピンを位置付けても棘突起をきれいに切断することができない。なぜなら、棘突起が屠体内の位置において弾性を有するためである。脊椎内にピンを配置しても棘突起を制御および/またはアライメントすることができないため、結果的に、これらの棘突起は様々に分割されてしまう。
【0006】
EP−A−508551から、この導入部で開示されたような制御装置および装置が公知である。しかしながら、脊柱の偏位を制御する制御手段は動物の皮膚の外側に配置されており、脊柱の、皮膚と組織で覆われた棘突起の周囲に極めて強く押付けられる。したがって、この制御手段が脊柱自体に直接接触しないために脊椎自体の決定的な制御が行なわれず、脊椎は、屠体の残りの処理中に弾性的に動く。したがって、鋸刃が背部側から切断を行なうときは、鋸により、この細い突起を通った切断を行なわなければならないが、このこと自体が非常に難しく、制御手段が間接的に接触することにより、骨の部分と皮膚との間に存在する脂肪および結合組織等によって生じる動きも皮膚と棘突起との間に生じる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の目的は、上述の問題を解決する制御手段を提供することであり、棘突起の制御が行なわれることにより、それらの位置付けが明らかに規定され、そして、後に鋸刃またはナイフが脊椎の中心部および棘突起の中心を通ってきれいな切断を行なうことができる。この鋸刃は、腹部側または背部側から適用することができる。
【0008】
このことは、プリアンブルに開示した種類の制御手段によって達成され、また、各制御要素は、第1の切断手段によって全体的にまたは部分的に遊離された棘突起を含む動物の脊椎との接触面を含む。
【0009】
この制御手段は、鋸刃による切断を行なうために以下の公知の原理が用いられる装置上に取付けられる。したがって、制御手段は、たとえばデンマーク特許第172769号に開示された切離ナイフによって行なわれる脊柱の切離が行なわれた後に、その機能を果たす。棘突起への正確な切込みが行なわれる、この切離の後に、棘突起が露出される。切離および遊離によって皮膚が除去されることにより、制御手段が内部組織、すなわち骨および/または腱/筋肉と直接接触することを理解されたい。後に、制御手段は、棘突起の一部または上述の突起付近に存在する腱および筋肉組織に対する制御要素の接触面と接触する。
【0010】
それと同時に、公知の原理に実質的に従ってその他の態様で構成されたキャリッジが、腹部側から脊椎に接触して移動する。なぜなら、腹部の切断が既に行なわれているためである。上で述べたように制御手段が係合点を有する背部側から、キャリッジの形を取った補助的な対向止め要素もまた存在し、このキャリッジは、この場合、互いに対向して配置されて回転可能であって、かつ、その周辺に回転可能なローラも取付けられている、同一の2つの車輪を含む。この補助的な対向止め要素により、屠体自体の動きに対するさらに別の制御が生じ得る。なぜなら、補助的な対向止め要素の車輪が回転可能であることにより、それ自体が第1の形の移動を生じる一方で、動物の皮膚とのローラの摩擦が第2の形の制御をもたらすためである。
【0011】
次に、下方向への移動が生じる。なぜなら、動物が、好ましくはその後脚で懸架されており、好ましくは鋸刃の形をとった切断手段が腹部側から後に挿入されることにより、脊柱を通った切断を行なうことが想定されるためである。ここで、腹部側を介した切断の利点は、鋸刃が、それによって脊柱の最も太い部分と係合することであるが、鋸による切断を背部側から行なうことが好ましい場合には、その係合点が、先に述べた棘突起に存在する。しかしながら、厳密には、棘突起または隣接する組織と直接接触する制御手段を用いた結果として脊柱を極めて正確に制御するため、このことが行なわれ得る。
【0012】
次に、鋸、キャリッジ、補助的な対向止め要素、および制御手段を備えた装置の全体が、動物の頭部に向けて下方に移動する。鋸刃は、好ましくは頭部の領域で動作が停止され、動物の頭部を通った切断は行なわれない。このことは、汚染を最小限にするという利点を有する。この処理が完了すると動物は分割されるが、依然として頚部の領域では繋がっており、頚部は、便利だと思われるときに、後で切断することができる。
【0013】
この発明に従い、請求項2に開示された制御手段を提供することにより、制御手段の妥当な係合が得られる。
【0014】
より高い程度まで棘突起の偏位を防止するために、第1の制御要素および第2の制御要素は、請求項3に開示された位置をとることができる。
【0015】
この発明に従い、請求項4に開示された制御手段を提供することにより、結果として2つの制御要素が遊動することのできるクリアランスが得られ、それによって2つの制御要素は締付けられず、切離ナイフ間の距離よりも長い距離により、脊柱または周囲組織との係合が確実に堅固なものとなる。
【0016】
この発明に従い、請求項5にさらに開示された制御手段を提供することにより、制御要素の移動に対する好都合の構成が得られる。
【0017】
この発明に従い、請求項6にさらに開示された制御手段を提供することにより、制御手段に対する対向止めが得られ、部分的には脊椎が真っ直ぐに伸ばされ、部分的には鋸刃による棘突起を通った切断中に脊椎が固定される。
【0018】
この発明に従い、請求項7にさらに開示された制御手段を提供することにより、対向止め要素の効果および可動性が、1つの同じ構成において便利にも確立される。
【0019】
この発明は、また、請求項8〜13に開示されたもの等の、棘突起を制御するための方法にも関し、請求項8は以下のとおりである。
【0020】
制御手段が用いられる、屠殺動物を対称面に沿って分割するための方法であって、上述の制御手段は、少なくとも2つの実質的に同一の制御要素、すなわち第1の制御要素および第2の制御要素を含み、上述の制御要素は、開口部/通路を設けるために互いが実質的に対向して配置されており、動物の皮膚およびその下にある組織の部分が、脊柱に対向する少なくとも背部の領域で第1の切断手段によって除去され、そして第1および第2の制御要素のそれぞれは、背部側から切離される棘突起の各側で動物の脊柱と直接係合されて、制御要素の面の部分が脊柱または隣接する組織に接して静止する。
【0021】
この発明は、また、屠殺動物を対称的に分割するための装置にも関し、この装置は、対称的な分割を行なうための鋸刃/分割ナイフまたは鋸を含み、さらに、対称的な分割の間に用いるための制御手段を含む。上述の制御手段は、少なくとも2つの実質的に同一の制御要素、すなわち第1の制御要素および第2の制御要素を含み、上述の第1の制御要素および上述の第2の制御要素は、互いに実質的に対向して配置されて、各制御要素は、第1の制御手段によって全体的にまたは部分的に遊離された棘突起を含む動物の脊柱との係合面を含む。
【0022】
請求項15〜21は、この装置に対する適切な構成の詳細を開示する。
【0023】
最後に、この発明は、装置および制御手段の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、図面を参照して、この発明をより詳細に説明する。
【0025】
図1は、脊柱9を通った断面と、切断に用いられる装置8とを示す。脊柱9上に棘突起4と装置8とが見られ、この装置8は、第1の制御要素2および第2の制御要素3を含み、これらの要素は棘突起4の各側面と接触して基部と係合するため、棘突起4は位置が変化しない。各制御要素2および3は、接触面20を有し、この接触面20は、脊椎全体の動きを部分的に支持して部分的に動きを可能にする表面を提供するために、垂直方向に湾曲されて、かつ、水平方向にその面が丸くされ得る。
【0026】
棘突起4に対する制御手段1が、鋸刃5の前方に、同じ装置8の上に取付けられる。鋸刃5は、以下の公知の原理に従って形成される。鋸刃5は、その機能が、棘突起4のための制御手段1に従うように取付けられる。棘突起の制御は、鋸刃のちょうど前方で行なわれる。
【0027】
第1の制御要素2と第2の制御要素3との間の距離は、好ましくは約7mmであり、これは、棘突起4の幅に、約1mmの移動という一定の可能性を加えたものに相当する。この距離は、脊椎9に沿った移動の全体に渡って維持されるため、第1の制御要素2および第2の制御要素3は、機能の範囲と呼ばれるそれらの実行の全体にわたって隔てられ、それによって2つの要素間に開口部/通路21が生じる。
【0028】
刃の厚さは、約2〜3mm、好ましくは約2.6mmであり、このことは、棘突起の位置が厳密に規定され得ることが極めて重要であることを意味する。なぜなら、棘突起が、極めて多様な、或る部分では約4mmの厚さを有するためである。この理由により、この技術の当業者には、制御が特に重要であることが明らかであろう。言及された寸法は、食用ブタに対して適用されるものである。
【0029】
第2の制御要素3と同一である第1の制御要素2の形状は、たとえば米国特許第4,109,347号に開示されたピンと同様であり得るが、上述のスリットは含まず、または、分割することで公知のナイフとしてであり得るが、制御手段1が切断を行なわないために、それは切れ刃によって構成されているのではなく、鋭利ではない制御手段1として構成される。脊椎9に対する制御手段1の位置付けは、異なる方法で行なわれ得、たとえば、直角に、または図面に示すように、棘突起4の偏位をさらに防止するための特定の傾斜をつけて行なわれ得る。
【0030】
したがって、第1および第2の制御要素が適切に規定されて位置付けられるために、脊椎に対して一定の範囲の接触面を有し、それと同時に、水平レベルの範囲を最小限に維持して、脊椎に対して適切に規定された接触を確保することが重要である。したがって、接触面の構成が、垂直方向には湾曲されて、かつ、水平方向には狭く直線的に/平坦な形状にされることが好都合である。
【0031】
制御手段1上に、棘突起4の前端部においてまたは棘突起4に向かって対向する突起等のさらに別の技術的な特徴を取付けて、棘突起4の偏位をさらに防止することができる。また、制御要素1を完全に滑らかな態様で形成することもでき、それによって制御要素がより容易に脊椎に沿って移動することも想定することができる。これらの特徴はいずれも、図面には示されていない。
【0032】
さらに、装置8は、可能性として、いわゆるブレードガイドと呼ばれてプラスチックブロック等の形を取り得る、刃5に対する少なくとも1つの制御要素6も含む。図面において、2つの制御要素6が見られる。
【0033】
それらの一方側11において、制御要素6は、刃5に接触するか、または刃5から極めて短い距離をおいて位置付けられ、それによって刃の偏位がかなり減少する。それらの対向する側12において、制御要素は、それぞれ第1の制御要素2および第2の制御要素3と接触する。
【0034】
最後に、装置8は、機能を実行するためのモータ10を含む。油圧または空気圧のいずれかのシステム7により、装置8は水平方向の移動を行なうことができ、屠殺動物に対する位置が最適化される。この移動は、矢印によって示される。
【0035】
図2は、この発明に従った制御手段1を側面から見た例を示し、棘突起4を含む脊柱9を示す。
【0036】
装置8自体は、鋸刃5を含み、鋸刃5は、棘突起4のための制御手段1および制御要素6を含み、この図面では、第1の制御要素2または第2の制御要素3と、制御要素6の1つのみが見られる。
【0037】
制御手段1による切断のプロセスおよび制御は鋸刃5によって行なわれ、鋸刃5は腿である懸架物の上方から始まって時計回りに(矢印の方向を参照)回転する。その後、第1の制御要素2および第2の制御要素3は屠殺動物の最上部の第1および第2の棘突起4の間に進入し、ここで棘突起が切離されて、これらの要素が底部まで進んで、接合部の最も内側の底部に接触する。それにより、鋸刃5がその後進行して残りの部分を切断する際に、脊椎上に位置する棘突起4が右にも左にも偏位しないように、脊椎の位置が制御される。したがって、機能の範囲全体にわたって第1の制御要素2および第2の制御要素3のそれぞれが棘突起4の各側面上で制御を行なうことにより、鋸刃5が棘突起4の中心部に係合することが重要である。
【0038】
ここから、鋸刃5は、その幅全体において、第1の制御要素2および第2の制御要素3の移動に従い、屠殺動物の頭部の領域に向けて下降する移動の全体にわたって、これらの要素に従う(制御手段に対する矢印の方向参照)。鋸刃5は、通常の回転刃であり得るが、円形の前後往復運動として機能することもできる。
【0039】
図3は、屠殺動物を分割するために用いられている間の、この発明に従った装置8を示す。ここでは分割が腹部側から行なわれる。装置8は、第1の制御要素2および第2の制御要素3を含み、これらの制御要素の緩やかな丸みが、棘突起4の各側面において脊柱9に接して配置される。
【0040】
脊柱の反対側に対向止め要素15が配置され、これは、油圧または空気圧のシリンダ17を介して傾斜移動により前方に変位して、接触と移動の停止とを行なう。対向止め要素15は、好ましくは4つの車輪である車輪/ローラ16の形を取った移動手段を含み、ここでは2つの車輪が脊椎9の各側に存在する。この対向止め要素は、ボギーキャリッジとも呼ばれる。このボギーキャリッジは、上述の油圧および空気圧のシリンダ17による傾斜移動によって腹部内に配置される。この移動は、金属ランナとも呼ばれる第1および第2の制御要素に脊椎を押付けるように弾性的でなければならない。
【0041】
ボギーキャリッジおよび金属ランナの形をとった設備は互いに押付けられて、脊柱が鋸刃5によって切断される前に、脊柱を真っ直ぐに伸ばす。それらの設備は共に、屠体を鋸で切断する間に、鋸刃に対して対称に引き降ろされる。それにより、固定手段15、2および3と鋸刃5との間の距離が一定となる。
【0042】
金属ランナとも呼ばれる第1および第2の2つの制御要素は、切離される棘突起の各側面上を移動する。先に論じたように、これらの第1および第2の制御要素の幾何学的形状は、切離ナイフに例えることができる。油圧および空気圧のシリンダ17により、これらの第1および第2の制御要素は脊柱9に対して垂直方向に動かされた後、これらの要素は、頭部に向かって水平方向かつ下方に移動する。この移動中に、制御要素は、垂直方向の移動において制御される。
【0043】
鋸刃5自体は、第1の領域が鋸で切断されるまで屠体に向かって水平方向に送り込まれ、その後、頭部に向かって垂直方向かつ下方に移動して、そこで引抜かれる。脊椎9の固定は、屠体の重要な部分である領域2として公知の領域に関連する。さらに、刃がこの部分上でその移動方向を変更することによる、力の方向の変化が達成される。
【0044】
上で述べたように、棘突起の制御は、外部の可動部および内部の可動部の両方によって行なわれ、この外部の部分は第1および第2の制御要素を含み、内部の部分は上で述べたボギーキャリッジを含む。
【0045】
図4は、切断が背部側から行なわれる、この発明に従った装置の一例を示す。この場合、鋸刃5は、領域1が鋸で切断されるまで屠体に対して水平方向に送り込まれ、その後、頭部に向かって垂直方向かつ下方に移動して、そこで引抜かれる。水平方向の移動は、屠体のできる限り上部で開始されなければならない。第1の領域を鋸で切断する際に、恥骨を固定することによって最上部の棘突起を定位置に保持し、それによって棘突起の鋸による正確な切断が可能になる。
【0046】
しかしながら、領域2を鋸で切断することに関しては、脊柱が切断される前に脊柱を真っ直ぐ伸ばすことが重要である。このことは、車輪16を備えて対向止めを形成する上述のボギーキャリッジ15を、対向する側の第1の制御要素2および第2の制御要素3に対して使用する間に行なわれる。上で述べたように、第1および第2の制御要素(金属ランナ)の構成は、切離ナイフの構成と同様であり得、垂直方向の移動中に、それらは水平方向に制御されなければならない。この場合も、ボギーキャリッジ15は、第1および第2の制御要素に脊柱を押付けるように弾性的な運動を行なわなければならない。鋸刃、ボギーキャリッジ、ならびに第1および第2の制御要素のすべては、領域2を鋸で切断している間、共に移動しなければならない。
【0047】
領域3を鋸で切断することに関しては、突起が頭部を固定する結果、頭部が正確に分割される。したがって、第1および第2の制御要素ならびにボギーキャリッジを含む制御手段が作動することが重要である位置が、第2の領域にあるように確保され得る。
【0048】
領域への分割は、屠殺動物の解剖学に基づいて行なわれる。この分割は、上述の解決策で用いるための一層均一な部分を機械的に得るために、行なわれる。なぜなら、領域1が尾椎および骨盤の椎骨を示すためである。動物の解剖学によると、この領域における外部の固定は不可能である。内部では、恥骨での据付け固定が比較的容易に行なわれ得る。
【0049】
領域2は、腰椎および胸椎を含む、長く直線的な中央の部分である。ここでは、動物の解剖学により、内部だけでなく外部の固定が可能になり、内部の固定はボギーキャリッジによって行なわれ、外部の固定は第1および第2の制御要素によって行なわれる。両方の固定を変えることができる。
【0050】
領域3は、頚椎および頭部を含む。頚椎は、外部の固定が可能であり、内部では行なえるものの難しい。頭部は、内部および外部の両方で固定することができる。
【0051】
鋸5は、中心部の処理だけでなく前端および除骨の処理を行なうが、中心部の固定および処理を第5および第6胸椎間の分割から開始して、第2および第3の骨盤の椎骨間の分割に至る。これに加え、鋸5は、前端の固定および処理を第5および第6胸椎間の分割から開始して、下に下がる。
【0052】
内部/外部の据付け固定が、多数の点で屠体を支持して分割中に動くことのない固定の形態であるのに対し、内部および外部の可動固定が、多数の点で屠体を支持して分割中に動く固定であることに、さらに言及しなければならない。これは、上で論じたボギーキャリッジならびに第1および第2の制御要素を含む。
【0053】
また、ボギーキャリッジの肩部が屠体を内部で支持し、そして第1および第2の制御要素が切離ナイフによって残された溝内において支持する固定により、脊柱が真っ直ぐ伸ばされて、固定されることにも注目されたい。このことは、脊椎上で良好な把持が得られるほど、より正確な切断が行なわれ得ることを意味する。
【0054】
腹部側に沿った切断を行なう利点の1つは、頭部を鋸で切断することなく、動物を頚部から吊り下げることによって、動物の懸架が行なえることである。また、棘突起の幅の広い側からの切断も可能になり、このことは、鋸による切断が腹部側から行なわれる際に、高さが10mmの棘突起に関する要望が、より容易に満たされることを意味する。
【0055】
図5は、好ましい実施例におけるこの発明に従った装置を示す。この場合は食用ブタである動物36は、後脚で懸架される。実際の分割処理の前に、たとえばデンマーク特許第172769号に構成されたもの等の切離ナイフにより、脊椎の棘突起の切離が行なわれる。2つの平行なナイフからなるこれらのナイフ間の距離、いわゆる第1の距離は、接触面と接触面との間の制御手段1の距離よりも小さいオーダである。
【0056】
脊柱9を通った切断は、棘突起の切離の後に行なわれる。この場合、開腹が行なわれるため、腹部側から切断が行なわれることが選択され、その後、鋸刃5が切断用の位置に配置される。
【0057】
これに関し、対向止め要素とも呼ばれる、いわゆるボギーキャリッジ15を含む多数の補助要素が存在し、これらは、腹部側で脊椎に沿って摺動する1対の回転ローラ16を含む。対向して、実質的に正反対の態様で接触して、動物の背部側には補助的な対向止め要素35が配置され、この要素35は、図6に関して別の態様でより詳細に説明される2つの円形の装置37、すなわち車輪を含む回転可能な円形の要素である。これらの2つの円形の装置の周辺に、同様に回転可能なローラが配置され、これらは時計回りおよび反時計回りの両方に回転することができる。それにより、動物の懸架および切断に関し、動物に対するよりよい安定性が得られる。2つの円形の要素の間に、この発明に従った制御手段1が配置され、この制御手段1は、ランナとも呼ばれる2つの同一の制御要素、すなわち第1の制御要素2および第2の制御要素3を含み、これらの制御要素は、上で論じた切離ナイフと実質的に同様に構成されるが、当然ながら、脊椎との接触面は、鋭いものではない。
【0058】
ランナの係合面は、補助の対向止め要素、すなわちそのローラ16の接触面の外側に配置される。
【0059】
その後、この装置の個々の部分の移動が生じ、すなわち、支持要素35および15が制御手段1と共に動物の頭部に向かって下方に移動し、それと同時に鋸による脊柱を通った切断が行なわれる。上で述べたように、制御手段が脊柱またはその周囲組織と直接接触しているため、脊柱は相対的に静止している。
【0060】
上で述べたように、図6は、図5に示される補助的な対向止め要素の線VI−VIに沿った断面を示し、この図は、したがって、軸38に取付けられた中心軸の周囲を回転することができて、時計回りおよび反時計回りの両方に回転可能で回転軸が軸38に対して90°傾斜しているローラ16をその周辺に含んだ、2つの円形装置37を含む。第1および第2の制御要素の形を取った制御手段1は、2つの円形装置37の間に取付けられて、これらの接触面39は、ローラの係合面35に対してはるかに前方に変位されるため、これらの面は自由になる。このことは当然ながら必要である。なぜなら、ローラが屠体の背部上の皮膚に接触している一方で、ランナの係合面20が、露出された棘突起の各側面で、脊柱、可能であれば骨の組織に接触しているためである。
【0061】
このシステムは、主に食用ブタの使用に関して想定されているが、他の屠殺動物に用いることもできる。
【0062】
したがって、鋸で切断する間に棘突起を制御している間、骨盤の椎骨および胸椎の固定、すなわち、いわゆるボギーキャリッジによる内部で可動な固定と、いわゆる補助の対向止め要素による外部で可動の固定とが行なわれる。
【0063】
さらに、ボギーキャリッジが、脊柱の各側上に配置された実質的に4つの車輪を含むことを認識されたい。ボギーキャリッジは、傾斜移動によって腹部内に配置され、その移動は、金属ランナおよび補助的な対向止め要素に脊椎を押付けるように弾性であるべきである。
【0064】
さらに、この処理自体が多数の要望を受けることを認識されたい。すなわち、屠体が中心線+/−5mmに沿って解体されること、胸部が切り開かれて、すべての接合部および胸骨が繋がっているべきであること、腿が分割されるべきであること、恥骨の軟骨部上が切断されるべきであって、両方の腿にちょうど同じだけ骨が存在するようにすること、小腸および内部器官が除去されるべきであること、頭部が切断されるべきではないこと、および、棘突起が全体的にまたは部分的に切離されるべきであること、である。
【0065】
したがって、対称的な分割は、屠体の脊椎を通って尾部の基部から鋸で切断しなければならない。このことは、後の頭部の切断により、頚部の骨の全体が分割されなければならないことを意味する。鋸による切断の後に、屠体の2つの半体は、一片の頚部の皮膚によって繋がっているはずである。経路の深さおよび棘突起の両方に関して生じた要望が残っている。なぜなら、屠体は、脊髄の経路の深さにおいて測定される、ほぼ中心面+/−3mmの精度で、脊椎を通って切断されるべきであるためである。実際に、このことは、屠体の半体の両方における経路の深さを測定して、互いから値を演繹することによって行なわれる。1つの椎骨の各々に対する棘突起の長さおよびそれに関連する棘突起に関する要望は、鋸による切断後の切断面の長さが、屠体の一方側で少なくとも20mmであるべきであり、他方側では同じ椎骨および棘突起の切断面の長さが少なくとも30mm以上であるべきである、というものである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】脊柱を通った断面と、この発明に従った制御手段を含む、分割用に用いられる装置とを示す図である。
【図2】この発明に従った制御手段の位置付けの一例を、側面から見た図である。
【図3】切断が腹部側から行なわれる、この発明に従った装置の例示的な一実施例を示す図である。
【図4】切断が背部側から行なわれる、この発明に従った装置の例示的な一実施例を示す図である。
【図5】鋸刃、制御手段、および対向止め要素を含み、食用ブタに用いられる、この発明に従った装置を示す図である。
【図6】図5に示された例示的な実施例で用いられる、補助的な対向止め要素を示す図である。

Claims (24)

  1. 屠殺動物を対称面に沿って分割するための装置のための制御手段(1)であって、前記装置は、対称的な分割を行なうための鋸刃/分割ナイフまたは鋸(5)を含み、前記制御手段(1)は、少なくとも2つの実質的に同一の制御要素、すなわち第1の制御要素(2)および第2の制御要素(3)を含み、前記第1の制御要素(2)および前記第2の制御要素(3)は互いに実質的に対向して配置され、各制御手段(2,3)が第1の切断手段によって全体的にまたは部分的に遊離された棘突起(4)を含む脊柱(9)に接触するための面(20)を含むことを特徴とする、制御手段(1)。
  2. 接触面(20)の間の距離は、前記第1の切断手段の2つの平行なナイフの間の距離、すなわち第1の距離よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の制御手段(1)。
  3. 前記鋸刃(5)に関し、前記第1の制御要素(2)および第2の制御要素(3)のそれぞれは、前記鋸刃(5)に平行な面の上に配置され、各々は、その1つの面が、屠殺動物の全体的にまたは部分的に遊離された棘突起(4)、および/または開口部/通路(21)の周辺の周囲組織に対向することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の制御手段。
  4. 前記2つの制御要素、すなわち前記第1の制御要素(2)と前記第2の制御要素(3)との間の距離は、約5〜10mm、好ましくは7mmであることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の制御手段(1)。
  5. 前記脊柱を対称的に分割する間に垂直方向において前記鋸刃まで実質的に一定の距離を有して前記制御要素の移動を生じるための変位手段、好ましくは油圧または空気圧の要素を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の制御手段。
  6. 前記棘突起に対する対向止め要素の移動のための手段を備えた少なくとも1つの対向止め要素を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の制御手段。
  7. 前記対向止め要素の手段は、車輪/ローラを含み、前記車輪/ローラは、動物の脊柱および/または背部側と接触することを特徴とする、請求項6に記載の制御手段。
  8. それによって制御手段(1)が用いられる、屠殺動物の対称面に沿った分割のための方法であって、前記制御手段(1)は、少なくとも2つの実質的に同一の制御要素、すなわち第1の制御要素(2)および第2の制御要素(3)を含み、前記制御要素は、開口部/経路の付近で互いに実質的に対向して配置され、動物の皮膚および下にある組織の部分が、前記脊柱に対向する少なくとも背部の領域で第1の切断手段によって除去され、そして、前記第1の制御要素(2)および前記第2の制御要素(3)のそれぞれが、背部側から完全にまたは部分的に切離される棘突起(4)の各側で動物の脊柱(9)と直接係合されて、前記制御要素の面(20)の部分が前記脊柱または隣接する組織に接して静止することを特徴とする、方法。
  9. 切断手段、好ましくは鋸刃(5)が切断位置に配置され、その切断面が前記脊柱と係合し、前記鋸刃が前記脊柱を通って切断することを特徴とする、請求項8に記載の、屠殺動物の対称面に沿った分割のための方法。
  10. 前記第1の制御要素(2)および前記第2の制御要素(3)ならびに前記鋸刃(5)のそれぞれが変位手段とともに移動して、それによって第1および第2の制御要素と前記鋸刃との間の前記距離が一定であること特徴とする、請求項8または請求項9に記載の、屠殺動物の対称面に沿った分割のための方法。
  11. 前記鋸刃(5)は、懸架物の上部から開始して、その後、前記第1の制御要素(2)および前記第2の制御要素(3)の移動に従い、尾椎、骨盤の椎骨、腰椎、および胸椎を含む動物の脊柱を通ったそれらの移動全体に対し、前記尾椎からの開始位置でこれらの要素に従うことを特徴とする、請求項8〜請求項10のいずれかに記載の、屠殺動物の対称面に沿った分割のための方法。
  12. 前記鋸刃は、その切れ刃が、前記脊柱の腹部側と係合した状態で前記脊柱を通って切断することを特徴とする、請求項8〜請求項11のいずれかに記載の、屠殺動物の対称面に沿った分割のための方法。
  13. 対称的な分割の間に、前記脊柱の支持のための対向止め要素が腹部側に配置されて、補助的な対向止め要素が、前記動物の背部に接触して配置されることを特徴とする、請求項8〜請求項12のいずれかに記載の、屠殺動物の対称面に沿った分割のための方法。
  14. 屠殺動物の対称面に沿った分割のための装置であって、対称的な分割を行なうための鋸刃/分割ナイフまたは鋸を含み、前記対称的な分割の間に用いるための制御手段を含み、前記制御手段(1)は、少なくとも2つの実質的に同一の制御要素、すなわち第1の制御要素(2)および第2の制御要素(3)を含み、前記第1の制御要素(2)および前記第2の制御要素(3)は互いに実質的に対向して配置され、各制御要素が第1の切断手段によって全体的にまたは部分的に遊離された棘突起(4)を含む動物の脊柱(9)に係合するための面(20)を含むことを特徴とする、装置。
  15. 係合面(20)の間の距離は、前記第1の切断手段の2つの平行なナイフの間の距離、すなわち第1の距離よりも大きいことを特徴とする、請求項14に記載の装置。
  16. 前記鋸刃(5)に関し、前記第1の制御要素(2)および第2の制御要素(3)のそれぞれは、前記刃に平行な面の上に配置され、各々は、その1つの面が、動物の遊離された棘突起(4)、および/または開口/通路の周辺の周囲組織に対向することを特徴とする、請求項14または請求項15に記載の装置。
  17. 前記2つの制御要素、すなわち前記第1の制御要素(2)と前記第2の制御要素(3)との間の距離は、約5〜10mm、好ましくは7mmであることを特徴とする、請求項14〜請求項16のいずれかに記載の装置。
  18. これは、前記脊柱を対称的に分割する間に垂直方向において前記鋸刃まで実質的に一定の距離を備えて前記制御要素の移動を生じるための変位手段、好ましくは油圧または空気圧の要素を含むことを特徴とする、請求項14〜請求項17のいずれかに記載の装置。
  19. これは、前記棘突起に対する対向止め要素の移動のための手段を備えた少なくとも1つの対向止め要素を含むことを特徴とする、請求項14〜請求項18のいずれかに記載の装置。
  20. 前記対向止め要素は、ボギーキャリッジ(15)を含み、ボギーキャリッジ(15)は、その機能の間に、係合面(39)が動物に接するかまたは動物の腹部内にある状態で、かつ、対向する側において前記制御要素(2,3)のための係合面(20)がある状態で配置され、前記対向止め要素はさらに、前記動物の背部側に係合面がある状態で前記制御要素と同じ側に配置される補助的な対向止め要素(35)を含むことを特徴とする、請求項19に記載の装置。
  21. 前記係合面および前記対向止め要素(15,35)の移動の手段は、車輪/ローラ(16)を含むことを特徴とする、請求項19または請求項20に記載の装置。
  22. 請求項8〜請求項13のいずれかに記載の方法を実行するための、請求項14〜請求項21のいずれかに記載の装置の使用。
  23. 請求項8〜請求項13のいずれかに記載の方法を実行するための、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の制御手段の使用。
  24. 請求項14〜請求項21のいずれかに記載の装置において、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の制御手段の使用。
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