JP2005503762A - 低分子量デキストラン硫酸を使用するハイブリダイゼーション緩衝液およびそれらの使用方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、とりわけ自動化試験環境における、ポリヌクレオチドプローブとそれらの標的ポリヌクレオチドとの間のインシトゥハイブリダイゼーション(in situ hybridization)を高めるための容量排除剤(volume exclusion agent)の使用方法に関する。一局面において、本発明はとりわけ、DNAおよびRNA配列、とりわけヒトパピローマウイルス(HPV)、エプスタイン−バーウイルス(EBV)、ヒト免疫グロブリン転鎖mRNA(κおよびλ配列)、Her−2/neu遺伝子、マウスPS2 mRNAならびにDNAマイクロアレイオリゴヌクレオチドの検出のためのアッセイおよび診断手順を助長するための、容量排除剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリダイゼーションは、デオキシリボ核酸(以下、「DNA」)分子、リボ核酸(以下、「RNA」)分子、ならびにDNAおよびRNAの組合せの相補鎖を一本鎖に分離し、そしてその後、塩基対形成された二重らせんに復元もしくは再アニーリングさせる、一般的技術である。少なくとも3つの主要な分類のハイブリダイゼーション、すなわち、ハイブリダイゼーションに先立ち個々の細胞を破壊しかつ内的核酸を溶液中に抽出する液体ハイブリダイゼーション;抽出されたDNA(もしくはRNA)フラグメントを、放射活性DNA(もしくはRNA)とのその後のハイブリダイゼーション、およびその後ラジオオートグラフィーもしくはフルオログラフィーによるハイブリダイゼーションの検出のため、アガロースゲルからニトロセルロースもしくはナイロンのようなフィルターもしくはブロッターに転写する、フィルターもしくはブロットハイブリダイゼーション;ならびに、細胞からの核酸の抽出が望ましくない、構造的に無傷の細胞もしくは細胞成分内の特定の核酸もしくはポリヌクレオチド配列の検出および位置推定を直接可能にするインシトゥハイブリダイゼーション(「ISH」)、が、慣習的に既知かつ使用されている。これらのそれぞれのハイブリダイゼーション技術のそれぞれは、しばしば共通に細胞、組織およびある種の試薬を使用するとは言え、各技術は、当該技術分野内で相互に異なりかつ完全に識別可能と一般にみられかつ受け入れられている。
【0003】
インシトゥハイブリダイゼーションは、無傷の個々の細胞および細胞部分についての分子的および形態学的双方の情報を生じる技術である。異種細胞集団からDNAおよび/もしくはRNAを苦労して抽出することを研究者に要求するよりむしろ、該技術は、細胞の組織内でDNAおよびRNAのその場所での検出を可能にし、かつ、研究者が、目的の特定のDNAもしくはRNA配列を含有する特定の細胞もしくは細胞部分を同定することを可能にする。この技術はまた、これらの細胞の生化学的および/もしくは形態学的特徴を同時に決定することも可能にする。この理由から、インシトゥハイブリダイゼーションの方法論は、発生生物学、細胞生物学、遺伝学、臨床診断および病理学的評価を包含する生物医学および臨床研究の多くの領域への直接の応用を有する。
【0004】
分子分析技術としてのインシトゥハイブリダイゼーションの潜在能力にもかかわらず、効果的なプロトコールおよび手順の開発は、主として偶然かつ一貫性を欠いていた。非特許文献1;非特許文献2により1969年に最初に記述されて以来、インシトゥハイブリダイゼーションのアプローチは、2つの異なる形態学的状況、すなわち、細胞の細胞質中の目的の特定の核酸配列の位置推定;ならびに細胞の核および/もしくは染色体内の特定の核酸の同定に向けられてきた。
【0005】
アッセイおよび診断の目的上の、標的とプローブのポリヌクレオチドとの間のハイブリダイゼーションに関する研究の多くは、ハイブリダイゼーションの速度を至適化することに向けられてきた。インシトゥハイブリダイゼーションは、それらの標的ポリヌクレオチドが位置する核もしくは細胞質中にプローブが容易に進入することの不可能性により、とりわけ問題がある。この問題を解決するために、研究者らは、とりわけ、細胞質もしくは核へのプローブの進入を助長するようにプローブの大きさを減少させかつ細胞固定手順を変えることを試みた。一般に、非特許文献3および非特許文献4。非特許文献5を参照されたい。最も普遍的に使用される排除剤、デキストラン硫酸の効果が、プローブが250ヌクレオチドを越えた混合相ハイブリダイゼーションで最も顕著であったことが報告されている。さらに、プローブの大きさが減少するにつれ、ハイブリダイゼーションの速度に対するデキストラン硫酸の促進効果も減少することができ、14塩基のオリゴヌクレオチドについて効果が観察されなかったことが報告されている。非特許文献6、268にて。インシトゥハイブリダイゼーションを高めるための容量排除の使用もまた報告されている。400ヌクレオチドの平均長さが、デキストラン硫酸の存在下のインシトゥでのハイブリダイゼーションに最適であることが報告された。非特許文献4、205にて。
【0006】
容量排除剤としてのデキストラン硫酸の使用を開示する初期の参考文献は、非特許文献7;および非特許文献8を包含する。
【0007】
デキストラン硫酸の存在下で長いビオチニル化プローブを使用するHPVのDNAのインシトゥの位置推定もまた、非特許文献9;非特許文献10;および非特許文献11によっても報告されている。
【0008】
特許文献1は、ISHのための、ホルムアミド(脱イオン化);デキストラン硫酸(10%);ヒトDNAもしくはサケ精子DNA(100μg/ml);ヒトtRNA(100μg/ml);および硫酸バナジル(10μM)を含有するデキストラン硫酸ハイブリダイゼーション緩衝液の使用を立証する。デキストラン硫酸の分子量は開示されず、そして、500,000の平均分子量が得られたことが推定される。
【0009】
特許文献2は、ISHを実施するためのハイブリダイゼーション溶液を開示し、該溶液は、本質的に、8〜12%のデキストラン硫酸、10〜30%のホルムアミドおよび塩よりなる。デキストラン硫酸の供給源もしくは分子量は明記されない。
【0010】
特許文献3は、ハイブリダイゼーション反応を加速するための有用な容量排除剤として陰イオン性ヘテロ多糖(例えばコンドロイチンA硫酸)を含有するハイブリダイゼーション緩衝液を開示する。コンドロイチンA硫酸ハイブリダイゼーション緩衝液は低粘度のものであり、それは、キャピラリーギャップスライドガラス(capillary gap slides)、およびインシトゥハイブリダイゼーション反応の自動化処理におけるそれらの使用に有用な特性であった。Brigattiは、この緩衝液の低粘度は陰イオン性のヘテロ多糖構造を有する容量排除剤によることを教示し;これはデキストラン硫酸のような陰イオン性多糖に匹敵した。Brigattiは、さらに、デキストラン硫酸ポリマーのような陰イオン性のホモ多糖が、それらの単量体の構造に基づいて実質的により大きい粘性の緩衝液を生じさせることを開示する。この高粘度は、こうしたハイブリダイゼーション緩衝液をキャピラリーギャップ技術について非理想的にする。高粘度は、標的中におよび標的からプローブが拡散すること、ならびに洗浄段階の間に過剰のプローブを洗い流すことの双方を阻害するからである。Brigattiはさらに、デキストラン硫酸の濃度を増大させることもまた粘度を増大させ、そして従ってハイブリダイゼーション過程を阻害することを教示する。
【0011】
特許文献4は、ISHの容量排除剤としての使用のためのデキストラン硫酸ナトリウム塩の使用を記述する。平均分子量は記述されないが、しかし、供給源(シグマ ケミカル(Sigma Chemical)、プロダクツ フォー ライフ サイエンシーズ(Products for Life Sciences)、ミズーリ州セントルイス)への言及により、それは500,000の平均分子量を有する。Schwartzらはまた、デキストラン硫酸が、典型的には約5〜10%(w/v)の濃度で使用されることも開示する。
【0012】
特許文献5は、インビトロブロットハイブリダイゼーションに使用されるハイブリダイゼーション緩衝液のためのデキストラン硫酸ポリマーの使用を記述する。この特許において、しかしながら、好ましいハイブリダイゼーション緩衝液は、500,000MWのデキストラン硫酸を含有した。低分子量デキストラン硫酸を使用した実施例は提示されず、インシトゥ反応も提示もしくは特許請求されなかった。
【0013】
核酸ハイブリダイゼーションの分野において、核酸の正確かつ再現可能な検出のための迅速なアッセイ試験に対する必要性は、長年にわたる問題であった。典型的に複数時間の長さの過程を加速する傾向を立証するいかなる手順も、とりわけ臨床検査室により実施されるべきハイブリダイゼーションアッセイにとって価値あるものである。
【特許文献1】
米国特許第5,985,549号明細書(Singerら)
【特許文献2】
米国特許第5,750,340号明細書(Kim,I.ら)
【特許文献3】
米国特許第5,116,727号明細書(Brigatti)
【特許文献4】
米国特許第4,886,741号明細書(Schwartzら)
【特許文献5】
米国特許第4,302,204号明細書(Wahl,G.ら)
【非特許文献1】
Gallら、P.N.A.S.U.S.A.,63:378−383(1969)
【非特許文献2】
Methods in Enzymol.,38:370−380(1971)
【非特許文献3】
Singer,R.H.ら、“Optimization of In Situ Hybridization Using Isotopic and Non−Isotopic Detection Methods,”Biotechniques 4(3):230−250,1986
【非特許文献4】
Haase,A.,ら、“Detection of Viral Nucleic Acids by In Situ Hybridization,”Methods in Virology,Vol.VII,pp.189−226,(1984)
【非特許文献5】
Amasino,R.M.,“Acceleration of Nucleic Acid Rate by Polyethylene Glycol,”Anal.Biochem.,152:304−307(1986)
【非特許文献6】
Meinkoth J.とWahl J.,“Hybridization of Nucleic Acids Immobilized on Solid Supports”(総説)、Anal.Biochem.,138:267−284(1984)
【非特許文献7】
Wahl,G.M.ら、“Efficient transfer of large DNA fragments from agarose gels to diazobenzyloxymethyl−paper and rapid hybridization using dextran sulfate,”PNAS 76:3683(1979)
【非特許文献8】
Ledermann,L.L.ら、“The rate of nucleic acid annealing to cytological preparations is increased by the presence of dextran sulfate,”Anal.Biochem.,117(1):158−163(1981)
【非特許文献9】
Beckmann,P.M.ら;“Detection and Localization of Human Papillomavirus DNA in Human Genital Condylomas by In Situ Hybridization with Biotinylated Probes,”J.Med.Virol.,16:265−273(1985)
【非特許文献10】
Milde K.,Loning,T.,“Detection of Papillomavirus DNA in Oral Papillomas and Carcinomas:Application of In Situ Hybridization with Biotinylated HPV 16 probes,”J.Oral Pathol.,15:292−296(1986)
【非特許文献11】
McDougall,J.K.ら、“Methods for Diagnosing Papillomavirus Infection,”in Papillomavirus,ワイリー(Wiley)、チチェスター(チバ財団シンポジウム(CIBA Foundation Symposium)120)、pp.86−130(1986)
【発明の開示】
【0014】
本発明は、より低分子量のデキストラン硫酸がハイブリダイゼーション反応のための有効な容量排除剤でもあることを立証する。本発明のハイブリダイゼーション緩衝液はデキストラン硫酸のより小さいポリマーを利用し、そして従って、容量排除剤としてより高分子量のデキストラン硫酸ポリマーを使用する慣習的ハイブリダイゼーション緩衝液より低粘度のものである。これらの低分子量デキストラン硫酸ポリマー緩衝液のより低粘度は、それらを、分注、自動化流動およびスライドガラス上での混合におけるような自動化ハイブリダイゼーション過程に有用にする。
【0015】
本発明はまた、検査されるべき組織の切片もしくは細胞を調製すること;低分子量デキストラン硫酸の存在下で核酸プローブ組成物と組織切片もしくは細胞の調製物をハイブリダイズさせること(ここで、前記プローブ組成物は標的のコーディング領域に相補的な最低1配列を含有する);ハイブリダイズされないプローブを前記組織切片もしくは細胞の調製物から除去すること;およびハイブリダイズされたプローブ−標的の組合せを検出すること、の段階を含んで成る、標的への核酸プローブの自動的ハイブリダイズ方法にも向けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明者らは、およそ10,000MW(分子量)の低分子量デキストラン硫酸ポリマーが、DNA:DNA、DNA:RNAおよびRNA:RNAの間のハイブリダイゼーション反応のための有効な容量排除剤であることを本明細書で立証した。10,000MWの範囲内のデキストラン硫酸を含んで成る緩衝液は、ニックトランスレーションされた標識プローブ、オリゴヌクレオチドDNAプローブ、cDNAプローブおよびインビトロ転写された標識RNAプローブの双方に良好に機能した。核酸の標的の型は、染色体(間期細胞)、核RNA(EBER)、mRNA標的およびDNAマイクロアレイオリゴヌクレオチドであった。比色的ISHおよびFISH双方のプローブを、これらの緩衝液を用いて試験した。該緩衝液は、パラフィンに埋込まれたホルマリン固定された組織および細胞系、切片、サイトスピン(cytospin)細胞調製物、およびシンプレップ[ThinPrep](商標)(液体に基づく調製)細胞調製物で作用した。驚くべきことに、これらの緩衝液は、標準的な500,000MWのデキストラン硫酸ポリマーを使用して作成された匹敵する緩衝液と同じくらい良好にもしくはより良好に挙動した。
【0017】
一般に、容量排除剤は、相補DNAの再会合を加速するためにハイブリダイゼーション緩衝液に添加される。慣習的デキストラン硫酸ポリマー(500,000ないし2,000,000MW)と会合される再会合の動力学の増大は、この容量排除剤を欠く緩衝液に比較した場合に8ないし15倍の範囲にある(Wetmur,J.G.,1975,Biopolymers 14:2517−2524;WahlとStark,米国特許第4,302,204号明細書)。デキストラン硫酸ポリマー(500,000〜2,000,000MW)に好ましい濃度(重量対容量)は5%ないし10%の間である。容量排除としてデキストラン硫酸ポリマーの加速効果を記述するための重要な研究は、Wetmur,上記であった。開示されたデキストラン硫酸の相対的分子量は500,000および2,000,000MWであった。容量排除剤としてでの低分子量デキストラン硫酸ポリマーの有効性は試験されなかった。
【0018】
発明者らは、彼らが、これらの低粘度ISHハイブリダイゼーション緩衝液を開発することに着手した場合に:
−低分子量(8,000ないし15,000)範囲のポリマーデキストラン硫酸は、ハイブリダイゼーション緩衝液のための有効な容量排除剤であることができたかどうか;
−これらのより小さいポリマーを含む緩衝液が、ヴェンタナ メディカル システムズ インク(Ventana Medical Systems.Inc.)のカバーガラス(coverslip)技術を使用する自動化インシトゥハイブリダイゼーション反応で有効であることができたかどうか;
−より高粘度は、ハイブリダイゼーションに有効であるべきデキストラン硫酸緩衝液に必要な特性であったかどうか;
−これらのより低分子量のポリマーは、オリゴヌクレオチドプローブとともに機能することができたかどうか。Schwartz(米国特許第4886741号明細書)の実施例は高分子量デキストラン硫酸ポリマーを含む緩衝液のものであったからである。より小さいポリマーは有効でないかもしれないという推論;
−これらの緩衝液はスライドガラス上で他の溶液と混合して有効なハイブリダイゼーション溶液を形成したかどうか;
−容量排除剤のより小さな大きさおよびより大きな溶解性が、ハイブリダイゼーション後の洗浄の間のプローブおよびハイブリダイゼーション緩衝液の除去におけるすすぎ性能に影響を与え、これゆえにサンプル組織上での異常なシグナルを低下させるかどうか;ならびに
−緩衝液中のホルムアミドが不適合性であることができたかどうか
のような、いくつかの基礎的な問題を取り扱った。ハイブリダイゼーションの加速におけるホルムアミドの効果は十分に理解されていない。大部分の研究は、ホルムアミドは、25容量%より大きい濃度でハイブリダイゼーション反応を実際に低下させる(J.R.Hutton,“Renaturation kinetics and thermal stability of DNA in aqueous solutions of formamide and urea,”Nucleic Acid.Res.4(10):3537−3555、1997年10月)ことを示唆する。容量排除剤としてのより高分子量のデキストラン硫酸ポリマーの特性は、増大された粘度の特性によったのかもしれないか、または、そのより高分子量が、ホルムアミドもしくはアルジトールとの相乗的な結果であったかもしれない。Brigatti(米国特許第5116727号明細書、上記)により記述されるポリマーは、デキストラン硫酸500,000より10倍より小さかったとは言え、これらはデキストラン硫酸と異なることが教示された。それらはヘテロ多糖ポリマー(コンドロイチンA硫酸容量排除剤に独特の特性)であったからである。従って、より小さいデキストラン硫酸ポリマーが有効な容量排除剤であったかどうかは、これらの研究の開始時には定義も理解もされなかった。
【0019】
自動化過程のためには、低粘度のハイブリダイゼーション緩衝液がハイブリダイゼーション反応に望ましい。ヴェンタナ メディカル システムズ(Ventana Medical Systems)のディスカバリー[DISCOVERY](商標)、ネクセス[NexES](R)もしくはベンチマーク[BENCHMARK](商標)機器を使用する自動化インシトゥハイブリダイゼーションは、反応の間の試薬の蒸発の喪失を予防するためにリキッド カバースリップ[LIQUID COVERSLIP](商標)を利用する。ヴェンタナ(Ventana)の液体カバーガラス系との、低分子量デキストラン硫酸を含むハイブリダイゼーション緩衝液の適合性は未知であった。緩衝液、およびヴェンタナ(Ventana)のスライドガラス染色系上の広範なプローブ型の適合性は、これらの研究の前に未知のものであった。これらの緩衝液は、合成オリゴヌクレオチドプローブ、プラスミドもしくはコスミド起源からのニックトランスレーションされたDNAプローブ、およびインビトロ合成されたRNAで有用と見出されている。
【0020】
ヴェンタナ(Ventana)のディスカバリー[DISCOVERY](商標)自動化ISH染色装置上での自動化スライドガラス処理が、これらの緩衝液とともに使用された試験系であった。この染色系は、スライドガラス上の試薬の混合およびスライドガラスの表面全体の試薬の完全な分布を刺激するため、高速気流(air jets)でのリキッド カバースリップ(Liquid Coverslip)の対回転(counter−rotation)による混合に頼る。ヴェンタナ(Ventana)の方法は、試薬が水と類似のもしくはそれ未満の粘度のものである場合に、最良に働く。高粘度の試薬はディスカバリー(DISCOVERY)系に容易に適応されない。デキストラン硫酸の高分子量の陰イオン性ホモポリマーを使用する慣習的なハイブリダイゼーション緩衝液の多くが、この染色系に有効でない。
【0021】
発明者の知る限りでは、低分子量ポリマーの利用性は、核酸の再会合の駆動におけるそれらの有効性に関して、ハイブリダイゼーションの文献中で完全に探究されていない。核酸の再会合の駆動において有効と立証されたデキストラン硫酸のポリマーの大きさは、500,000ないし2,000,000MWの範囲にある。しかしながら、発明者らは、より低粘度を有するずっとより低いMWのデキストランを、低分子量の低粘度のデキストラン硫酸に基づくハイブリダイゼーション緩衝液を自動化機器の小容量環境で使用することができるという付加的な結果を伴い、使用することができることを見出した。これは、少なくともひとりの注釈者が、デキストラン硫酸のようなホモポリマーが容量排除剤として高い平均分子量で最も有効であることができることを観察していた(上記で論考されるBrigatti,米国特許第5,516,727号明細書を参照されたい)ため、驚くべき結果であった。溶液中の(所定の濃度の)いかなるポリマーの粘度および溶解性の特徴も、そのストローク半径、もしくは該ポリマーの分子容積の関数である。従って、より大きなポリマーはより小さい溶解性を有し、そして同一の単量体単位のいずれか2種のポリマーについて、より大きな粘度の溶液を誘導する。
【0022】
より小さい平均分子量のデキストラン硫酸ポリマーのより大きな溶解性は、5%から80%までの範囲にわたるホルムアミド濃度の存在下に、10%に等しいかもしくはそれより大きい濃度のデキストラン硫酸ポリマーを含むハイブリダイゼーション緩衝液の処方を可能にする。これは、溶液が2×ストック溶液で処方されることを可能にする。2×ストック溶液からの混合ハイブリダイゼーション緩衝液は、水性溶液とスライドガラス上で混合して、全部の構成要素について至適の濃度をもつハイブリダイゼーション緩衝液を作成することができる。
低分子量デキストラン硫酸ポリマーを含むハイブリダイゼーション緩衝液の組成
緩衝液A:
20% wt/volの、10Kの平均分子量のデキストラン硫酸
50% vol/volのホルムアミド
10mMトリス(15:85のトリス−HCl:トリス−OH)
5mM EDTA
300mM NaCl
30mMクエン酸三ナトリウム(Na3C6H5O7)
0.05%ブリッジ(Brij)−35
pH=7.3
緩衝液Aは、ISHのための人的に適用されるプロトコールを使用して、自動化された形式でさらなる希釈を伴わずに直接使用することができる。この溶液はまた、およそ2倍濃縮された溶液として自動化されたプロトコールを介しても使用することができ、それは、大部分の自動化過程について、等しい容量の2×SSC−トリトン(Triton)X100に分注される。1×SSCは0.15M NaCl;0.015Mクエン酸三ナトリウムを含んで成る。結果として生じるスライドガラス上の(on−slide)ハイブリダイゼーション溶液は、同一のまま留まるNaClおよびクエン酸三ナトリウムの濃度を除いて、緩衝液Aの濃度の50%である。
【0023】
pHの濃度は6から8の範囲にわたることができるが、しかしながら7.3が最も好ましい。
【0024】
基礎の低分子量緩衝液に対する改変は、特定の応用、例えばmRNAへのDNAもしくはRNAプローブのハイブリダイゼーションにおいて有用である(緩衝液B):
20% wt/volの、10Kの平均分子量のデキストラン硫酸
80% vol/volのホルムアミド
2×SSPE
0.05%ブリッジ(Brij)−35
1×SSPEは、水中に以下、すなわち150mM NaCl、8mM Na2HPO4、2mM NaH2PO4、1mM EDTAを含んで成るストック溶液である。緩衝液Bは、およそ2倍の濃度の溶液として自動化されたプロトコールを介して使用することができ、それは、大部分の自動化過程について、等しい容量の2×SSPE、0.025%トリトン(Triton)−X100および0.025%ブリッジ(Brij)−35に分注される。結果として生じるハイブリダイゼーション溶液は:10% wt/volの、10K平均分子量のデキストラン硫酸、40% vol/volのホルムアミド、2×SSPEおよび0.025%ブリッジ(Brij)−35であることができる。ホルムアミドの濃度の好ましい範囲は約20%から約80%までであり、より好ましい濃度は約40%から80%までであり、そして最も好ましい濃度は80%である(スライドガラス上で40%)。SSPEの濃度の好ましい範囲は約2〜4×である一方、最も好ましい濃度は2×SSPEである。
【0025】
緩衝液Aの低分子量デキストラン硫酸ハイブリダイゼーション緩衝液の別の変形は、インサイト(Incyte)およびクロンテック(ClonTech)のような会社により典型的に販売される、ガラス製顕微鏡スライドガラス上に構築された自動的にハイブリダイズする「DNAチップ」に好ましく使用される。該緩衝液(緩衝液C)の組成は:6×SSPE、20%デキストラン硫酸(10K MW)および10%ホルムアミドである。緩衝液Cは、典型的には、2×SSPE、0.0125%トリトン(Triton)−X100および0.025%ブリッジ(Brij)−35との1:1希釈物中で機器上で流される。緩衝液Cの大きな利点の1つは、それがスライドガラスの表面上での緩衝液の拡大可能性を最大化して、従って利用可能なプローブアレイの全部を覆うよう処方されることである。SSPEの好ましい濃度は2から8×の範囲にわたる一方、3〜7×がより好ましく、そして6×が最も好ましい。ホルムアミドの好ましい濃度範囲は0〜20%であり、5から15%がより好ましく、そして10%が最も好ましい。
【0026】
本明細書で使用される低分子量デキストラン硫酸は、シグマ ケミカル(Sigma Chemical)から入手した。それはおよそ10,000の平均分子量を有するとしてシグマ(Sigma)により販売される。しかしながら、3ロットのシグマ(Sigma)製品のデキストラン硫酸(カタログ番号D−6924)についての平均分子量(デキストラン硫酸ポリマーの総集団の最低75%の分子量の分析による)は、ロット番号49H0530、100K1379、および070K0848について、それぞれ12,750MW、13,360MWおよび13,360MWであった。この物質についての分子量の範囲は2標準偏差(8,000ないし16,000MW)内にある。そのために、「低分子量デキストラン硫酸」という用語は、それに関連する若干の変動性を有する。それはその平均の大きさに関して十分に制御されないポリマーであるからである。
【0027】
本発明はまた、検査されるべき組織の切片もしくは細胞を調製すること;低分子量デキストラン硫酸の存在下で、組織切片もしくは細胞の調製物を核酸プローブ組成物とハイブリダイズさせること(ここで、前記プローブ組成物は標的のコーディング領域に相補的な最低1配列を含有する);ハイブリダイズされないプローブを前記組織切片もしくは細胞の調製物から除去すること;およびハイブリダイズされたプローブ−標的の組合せを検出すること、の段階を含んで成る、標的への核酸プローブの自動的ハイブリダイズ方法にも向けられる。
【0028】
自動ハイブリダイゼーションは、ヴェンタナ メディカル システムズ(Ventana Medical Systems)により販売されるもののような自動化機器による標的へのプローブのハイブリダイゼーションを記述するのに使用される用語である。これらは、モデルES(R)、ネクセス[NexES](R)、ディスカバリー[DISCOVERY](商標)およびベンチマーク[BENCHMARK](商標)を包含する。組織もしくは細胞サンプルの調製は、系上へのスライドガラスの負荷がそうであるように、人的である。ハイブリダイゼーション過程は、自動化染色装置での使用にとりわけ適応されている、プログラムされたプロトコールを使用する機器により実施する。当業者は、機器の詳細について訓練されれば、自動化染色機器を操作して自動化ハイブリダイゼーション反応を実施することが完全に可能である。同様に、核酸プローブ組成物は当該技術分野で公知であり、そして、ヴェンタナ(Ventana)、ノボカストラ(Novocastra)、ザイメッド(Zymed)、ヴァイシス(Vysis)およびエンゾ(Enzo)を包含する多数の供給源から商業的に入手可能である。ハイブリダイズされないプローブのサンプルからの除去は、プロトコールの一部である予めプログラムされた洗浄機能により、自動化染色装置機器により実施する。検出機能は同様にプロトコールの一部である。その機器のプラットフォーム上での使用のためヴェンタナ(Ventana)により販売されるところの標準的検出試薬を使用する。ハイブリダイズされたプローブを検出するのに使用される標識の範疇は、蛍光発色団(fluorophore)、ハプテンおよび発色剤(chromogen)を包含する。当業者は、特定の標識、ならびに特定の検出の設定におけるそれらの強みおよび弱みを知っている。プローブを直接標識し、そしてフルオレセインもしくはテキサスレッド(モレキュラー プローブス(Molecular Probes)、オレゴン州ユージーンから入手可能)のような蛍光発色団で可視化する一次検出スキームを使用してよいか、または、抗体に媒介される二次検出スキームを使用してよい。
【0029】
本発明は、ミクロトームを使用してパラフィンに埋込まれた組織ブロックから切片にされた組織サンプルのような組織サンプル調製物、もしくは、サイティック インク(Cytyc,Inc.)、マサチューセッツ州ボックスボロから入手可能なシン プレップ[Thin Prep](商標)のような液体に基づく調製物(prep)から作成される細胞組成物のいずれかとともに使用してよい。液体に基づく調製物は、単純に、その表面上に均一に広げられた細胞の単層を有する顕微鏡スライドガラスである。細胞を収集バイアルに収集し、そして後の分析のためそれらを保存する媒体に懸濁する。懸濁物のアリコートを、フィルターを通して濾過し、そしてその後、該フィルターをスライドガラス上に刻印づけ(imprinted)、細胞の薄層をスライドガラスのガラス表面に接着させる。
【0030】
ブロッキングDNAは、染色体DNAをプロービングしている場合はいつでも、固有のバックグラウンドシグナルを低下させるために核酸プローブとともに使用してよい。米国特許第5,5447,841号明細書(Gray,J.ら)は該方法を一般的に記述し、これにより引用することにより組み込まれる。
【0031】
本発明のハイブリダイゼーション緩衝液の好ましい態様は、以下の実施例に言及することにより最良に理解される。後に続く実施例は本発明の特定の態様およびそれらの多様な用途を具体的に説明する。それらは説明の目的上のみ示され、そして本発明を制限するとして解釈されるべきでない。
実施例
A.一般的方法
ISH分析のためのサンプルを、ホルマリン固定されかつパラフィンに埋込まれた細胞もしくは組織サンプルを4μm切片に切断すること、および該切片を標準的な顕微鏡スライドガラス上に置くことにより調製した。サンプルのその後の処理およびISHを、共通に譲渡されかつ同時係属中の米国特許出願第60/076,198号および同第09/259,240号明細書(双方は引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述される、ディスカバリー[DISCOVERY](商標)自動化ISH/IHC染色装置(ヴェンタナ メディカル システムズ インク(Ventana Medical Systems,Inc.)、アリゾナ州トゥーソン)のような自動化装置で実施した。サンプルからパラフィンを除去するために、スライドガラスを水性溶液中に浸積し、およそ20分間加熱し、そしてその後すすいだ。自動化脱パラフィン手順は米国特許出願第60/099,018号および同第09/259,240号明細書(双方は引用することにより本明細書に組み込まれる)に、より完全に記述される。その後、サンプルをプロテアーゼ1で処理し、そしてスライドガラスを85℃(RNA標的遺伝子へのハイブリダイゼーションのため)もしくは90〜95℃(DNA標的遺伝子へのハイブリダイゼーションのため)に4ないし10分間加熱した。
【0032】
ハイブリダイゼーション反応は、典型的には、1:1の比の2×SSC−トリトン(Triton)−X100、および25ないし125ng/mLの間の各個々のプローブ分子中へ、緩衝液Aの希釈物よりなるハイブリダイゼーション緩衝液中で実施した。ISH反応は、37℃ないし54℃の間で実施した。2000年9月15日出願の米国仮出願第60/233,177号明細書(引用することにより本明細書に組み込まれる)に記述されるとおりオリゴヌクレオチドプローブを使用するISHについて、ハイブリダイゼーション反応は47℃で1時間実施した(ポリd(T)プローブを除く、ここではハイブリダイゼーション反応は37℃で1時間至適に実施した)。
【0033】
サンプル中の特定の標的遺伝子へのフルオレセイン標識プローブのハイブリダイゼーションを、連続的な一連の結合タンパク質を使用することにより検出した(すなわち二次抗体検出)。しかしながら、結合されたプローブを可視化する場合は直接検出を使用することが等しく可能である。二次検出において、最初に、プローブ分子に結合されたフルオレセインハプテンに対し向けられた抗フルオレセインマウスモノクローナル抗体を、サンプルに添加した。次に、マウス抗体に対し向けられたビオチン標識ポリクローナルヤギ抗体をサンプルに添加した。最後に、ハイブリダイゼーション反応を、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート/ニトロブルーテトラゾリウム(BCIP/NBP)基質を使用して比色的に検出した。「二次抗体検出」と命名されるこの技術は当業者に慣例である。一次および二次抗体は、ヴェンタナ メディカル システムズ(Ventana Medical Systems)、アリゾナ州トゥーソンを包含する多数の供給元から入手可能であり、それらはヴェンタナ(Ventana)の自動染色系(ES(R)、ネクセス[NexES](R)、ディスカバリー[DISCOVERY](商標)およびベンチマーク[BENCHMARK](商標))での使用に至適化されている。
B.実施例
実施例1.標準的デキストラン硫酸緩衝液と比較した、緩衝液Aを使用するインシトゥハイブリダイゼーション。
【0034】
Aluヒト反復配列に相補的な2種のプローブのカクテルを使用して、ハイブリダイゼーション反応のための実現可能な容量排除剤としてのより低分子量のデキストラン硫酸の有効性を評価した。低分子量デキストラン硫酸を含有するハイブリダイゼーション緩衝液を比較するための実験に使用された2種のAluプローブは、2種のオリゴヌクレオチドのカクテルであり、それぞれはプローブあたり3個のフルオレセインハプテンが結合された。これらのプローブを500ng/mLの組み合わせられた濃度で溶解した。2種のハイブリダイゼーション緩衝液は、緩衝液A、および、7.3の最終pHの10%(wt/vol)デキストラン硫酸、50%(vol/vol)ホルムアミド、2×SSCおよび0.05%ブリッジ(Brij)−35の標準的デキストラン硫酸緩衝液(500,000分子量)の緩衝液である。
【0035】
ハイブリダイゼーションは、プローブおよび全部の他の試薬について自動化された分注プロトコールを使用して、ディスカバリー[DISCOVERY](商標)機器を用いて実施した。サンプルは、ヴェンタナ メディカル システムズ インク(Ventana Medical Systems,Inc.)、アリゾナ州トゥーソンから入手可能な、パラフィンに埋込まれた細胞系、オンコール(Oncor)インフォーム[INFORM](商標)Her−2/neu対照スライドガラス、カタログ番号S8100、レベル1であった。全部のスライドガラスを、自動化水性脱パラフィン方法(同時係属中の国際特許出願第PCT/US99/20353号明細書(引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい)によりパラフィンを除去すること、次いで、ヴェンタナ(Ventana)のAPK緩衝液での1:2.7の希釈での50度Cで8分間のヴェンタナ(Ventana)プロテアーゼ1での処理により処理した。その後、サンプル細胞を2×SSC(ヴェンタナ(Ventana)の2×SSC)で平衡化し、その後すすいでスライドガラス上のおよそ100μLの残余の容量のほかは除去した。2倍濃度のプローブおよびハイブリダイゼーション緩衝液をスライドガラス上に分注し(100μl)、そして高速気流混合を使用して残余の容量の2×SSCと混合した。混合した後に、スライドガラスを10分の段階内で85Cに加熱し、その後、1時間のハイブリダイゼーション反応の間37Cに冷却した。ハイブリダイゼーションに次いで、過剰のプローブおよびDNAに非特異的に結合されたプローブを除去するため、標準的な2×SSCの37Cでの洗浄を行った。Alu配列へのハイブリダイズされたプローブの検出は、プローブに結合されたフルオレセインハプテンへの抗フルオレセインマウス抗体の結合を介する二次抗体検出、次いで、ヴェンタナ(Ventana)増強(Enhanced)アルカリホスファターゼブルー検出(ヴェンタナ(Ventana)カタログ番号760−061)化学により実施した。別の方法で示されない限り、全部の試薬はヴェンタナ メディカル システムズ インク(Ventana Medical Systems,Inc.)、アリゾナ州トゥーソンから得、また、スライドガラス上でのこれらの反応の全部は、処理の間の水の蒸発の喪失を予防するために、リキッド カバースリップ[LIQUID COVERSLIP](商標)の薄膜下で実施した。
【0036】
結果(比色的に観察された)は、低分子量の20%濃度のデキストラン硫酸を含有するハイブリダイゼーション緩衝液が、ヴェンタナ メディカル システムズ インク(Ventana Medical Systems,Inc.)染色自動制御においてより効果的かつより効率的であったことであった。低分子量デキストラン硫酸を含有する緩衝液に基づく反応は、組織切片全体の大部分の核について強い強度のシグナルを生じた(Aluサテライト配列に対するプローブの期待された結果)。500,000分子量のデキストラン硫酸を含むハイブリダイゼーション緩衝液を含有する反応は、同じような強いシグナルを生じず、また、強度は各細胞核について同一でなかった。これらの反応について、組織切片の領域が非常に乏しく染色した若干のスライドガラス、および全く染色しなかった他の領域が存在した。500,000mwのデキストラン硫酸緩衝液でハイブリダイズされた10枚のスライドガラスのうち、それらのスライドガラスの8枚が、弱い核シグナルを有した領域およびシグナルを全く有しなかった若干の領域を組織切片中に有した。逆に、本発明の低分子量デキストラン硫酸緩衝液を用いてハイブリダイズされた10枚のスライドガラスのなかで、それらのスライドガラスのただ1枚のみが、乏しい染色を表した組織切片の一領域を有した。乏しい染色のこの観察結果は、組織切片全体のハイブリダイゼーション緩衝液の不均一な広がりおよび/もしくは混合によると推定された。この実験について、その現象は、500,000mwのデキストラン硫酸緩衝液に基づく反応のあいだでより普遍的であった。
【0037】
低分子量デキストラン硫酸を用いて作成されたカクテルを用いるハイブリダイゼーション反応は、500,000mwのデキストラン硫酸緩衝液を用いる反応に比較して、Aluサテライト配列プローブと、より強度のシグナルを慣例に生じた。この観察結果は、(1)低分子量デキストラン硫酸がハイブリダイゼーション反応のための有効な容量排除剤であること、および(2)こうした緩衝液は、自動化ハイブリダイゼーションプロトコールのために、500,000mwのデキストラン硫酸を用いて作成された対応する緩衝液より効率的であること、を示唆する。
実施例2.ヒト脾サンプルでのISH。
【0038】
図1A−1Bは、EBV初期RNA転写物、EBER 1および2に相補的である標識オリゴヌクレオチドよりなるプローブ集合物を使用するヒト脾組織のISH分析について得られた結果を具体的に説明する。この実験は、10,000MWを使用するデキストラン硫酸ハイブリダイゼーション緩衝液が、DNAオリゴヌクレオチドプローブとRNA標的(この場合は核RNA)との間の特異的ハイブリダイゼーションを支援することを立証する。これら2種のウイルス転写物は核RNAである。標的特異性は、インシトゥハイブリダイゼーションに先立ちリボヌクレアーゼAで処理されない組織サンプル(A)に対する、ハイブリダイゼーションに先立ちRNアーゼで処理された組織(B)でのシグナルの喪失により立証される。(B)における検出可能なシグナルの減少は、このプローブがEBV RNA転写物、EBER 1およびEBER 2に特異的にハイブリダイズすることを示す。
実施例3.リンパ腫組織サンプルでのISH。
【0039】
図2および3は、それぞれ2種のヒト免疫グロブリンL鎖遺伝子κおよびλのmRNAにそれぞれ特異的な2種のプローブ集合物の比較により、低分子量デキストラン硫酸を含むハイブリダイゼーション緩衝液が、特異的ハイブリダイゼーション反応を支援することを具体的に説明する。使用された組織は、それぞれ一方もしくは他方のL鎖mRNAについて起源が単クローン性である形質球様細胞リンパ腫組織であった。図2Aにおいて、腫瘍は、異常に高頻度のκ発現細胞により示されるとおりκ単クローン性であった一方、図2B中の組織はλ遺伝子発現について単クローン性の組織であり、従って低レベルのκ発現細胞が見出された。逆は、図3中の組織で見出された。λプローブを使用し、この単クローン性が、図3Aおよび3Bで具体的に説明されるとおり識別された。図3A中の組織は、λL鎖mRNAを過剰発現している細胞の高頻度を示し;図3B中の組織はλ発現細胞の低頻度を有した。従って、関連遺伝子からのプローブについて、低分子量デキストラン硫酸緩衝液は特異的ハイブリダイゼーションを支援することができる。
実施例4.緩衝液Bを使用するISH。
【0040】
図4は、緩衝液Bで希釈されたマウスpS2アンチセンスリボプローブを使用するマウス胃中でのマウスpS2遺伝子発現のスライドガラスに基づくインシトゥハイブリダイゼーション像のカラー写真である。正常胃上皮で発現されることが見出された(Lefebvre,O.,Wolf,C.,Kedinger,M.,Chenard,M.P.,Tomasetto,C.,Chambon,P.,Rio,M.C.,“The mouse one P−Domain(pS2)and two P−Domain(mSP) genes exhibit distinct patterns of expression,”J.Cell Biol.,122:191−198(1993))マウスmPS2遺伝子を、緩衝液Bハイブリダイゼーション緩衝液の使用を研究するためのモデルとして使用した。mPS2 cDNAは、インビトロ転写に適しかつ直鎖状にされた、pBluescriptプラスミド(プロメガ(Promega)、マジソン)中にサブクローニングされて提供された。
【0041】
アンチセンスおよびセンスDIG標識リボプローブは、ロシュ(Roche)RNA DIG標識キット(ロシュ モレキュラー(Roche Molecular)カタログ番号1 175 025)を使用して合成し、そして200μlのH2Oの最終容量に可溶化した(ストック溶液)。緩衝液B緩衝液へのmPS2リボプローブの1000倍希釈が作業希釈物を提供した。
【0042】
ホルマリン固定されたパラフィンに埋込まれたマウス胃切片(5μm)を、作業中の(on−line)脱パラフィンおよび消化段階後に、ディスカバリー(DISCOVERY)機器のプラットフォーム上でハイブリダイズさせた。プローブおよびスライドガラスを70℃で6分間共変性させ、そして60℃で3分間ハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションに次いで、0.1×SSCを65℃で使用するそれぞれ6分の3回のストリンジェンシー洗浄を行った。
【0043】
プローブは、ビオチニル化抗Dig抗体(シグマ(Sigma)、200倍)、次いでストレプトアビジン−アルカリホスファターゼおよびNBT/BCIP比色検出(ヴェンタナ(Ventana)増強青色検出キット)を使用する免疫組織化学により検出した。
【0044】
シグナルは、アンチセンスプローブを使用してヒト胃の上皮細胞中で見出された一方、シグナルはセンスプローブを使用して検出されなかった。シグナルの位置推定は、以前に発表された放射活性ISHの結果(Lefebvreら、1993)と比較することにより、適切であることが見出された。
実施例5.パラフィンに埋込まれた組織中でのHPV対照細胞系でのISH。
【0045】
HPVの高危険度もしくは低危険度系統(共通に譲渡された国際特許出願第PCT/US99/25109号明細書に記述される)のクローン化されたDNAのカクテルとしてHPVプローブを使用するISHのため、ハイブリダイゼーション反応を、パラフィンに埋込まれた組織のHPVの高危険度と低危険度の系統の間の識別を可能にしたストリンジェンシーで実施した。ハイブリダイゼーション反応は、57度Cで2時間実施し、次いで76℃で2×SSC洗浄した。ハイブリダイゼーション緩衝液の成分の最終濃度は、25%ホルムアミド(vol/vol)、2×SSC、5mMトリス、2.5mM EDTA、0.025%ブリッジ(Brij)−35、0.25% wt volの0.25%トリトン(Triton)X−100であった。サンプルは、(a)Caski(およそ500コピーのHPV 16)(図9)および(b)HPV 18を含むHeLa細胞(細胞あたり20ないし50の範囲内のコピー数)(図10)のパラフィンに埋込まれた細胞系であった。疾患に罹った組織は、HPVに感染したパラフィンに埋込まれた子宮頚部組織であった。
【0046】
結果は以下のとおりであった。図9は、Caskiのパラフィンに埋込まれた細胞系が、核で低いバックグラウンドないしバックグラウンドなしを伴い、期待された核パターンの十分なシグナルを有することを示す。図10は、HeLaの埋込まれた細胞が、低いバックグラウンドないしバックグラウンドなしを伴い、より低いコピー数から期待されるとおり、より小さい核シグナルスポットを有することを示す。
【0047】
占有のHer−2/neu遺伝子(c−erbB2)DNAプローブを、容量排除剤として緩衝液Aを使用して試験した。該プローブを、パラフィンに埋込まれた細胞系のスライドガラス(ヴェンタナ メディカル システムズ インク(Ventana Medical Systems,Inc.)カタログ番号S8100)および乳癌組織を使用して、この緩衝液中で試験した。埋込まれた細胞系キットは、異なるコピー数のHer−2/neu遺伝子を有する細胞系をそれぞれ有するスライドガラスよりなり、すなわち、レベル1スライドガラス(オンコール(Oncor)カタログ番号s8100−1)は正常コピー数のHer−2/neu遺伝子(3もしくはそれ未満)をもつ細胞を有し;レベル2スライドガラス(オンコール(Oncor)カタログ番号s8100−2)は低い増幅されたレベルのHer−2/neu遺伝子(4コピー)をもつ細胞を有し;レベル3スライドガラス(オンコール(Oncor)カタログ番号s8100−3)の細胞は高度に増幅された数のHer−2/neu遺伝子(10コピーもしくはそれ以上)を有する。スライドガラスをディスカバリー(DISCOVERY)機器上で処理した。スライドガラスを作業中に脱パラフィンし、90Cで洗剤溶液で前処理し、その後、ヴェンタナ(Ventana)プロテアーゼ1(カタログ番号760−2108)で、埋込まれた細胞について37℃で4分間、および埋込まれた組織について50℃で10分間、さらに処理した。変性は90℃で10分間実施し、そしてハイブリダイゼーションは50℃で12時間であった。ハイブリダイゼーション後の洗浄は、2×SSC中50℃で6分、次いで2×SSC中60℃で6分であった。ハイブリッドを、FITC標識抗ビオチン抗体、次いでFITC標識抗マウス抗体を結合することによる間接的蛍光検出により検出した。スライドガラスをヨウ化プロピジウムで対染色し、そして自動化処理の終了後にカバーガラスで覆った。
【0048】
結果は以下のとおりであった。図6〜8を参照すれば、埋込まれた細胞系は、核で低いバックグラウンドないしバックグラウンドなしを伴い、期待されたパターンの強いシグナルを有する。組織は、低レベルのバックグラウンドを伴い、腫瘍細胞上にシグナルを有する。従って、10,000MWの10%デキストラン硫酸を含むハイブリダイゼーション緩衝液は、対照細胞系および患者組織試料双方で、リキッド カバースリップ[LIQUID COVERSLIP](商標)下で実施される12時間のハイブリダイゼーションを使用して、Her−2/neuプローブを用いての制御されたハイブリダイゼーションのストリンジェンシーおよび良好な結果を可能にする。図6は、Her−2/neu遺伝子の高増幅(細胞あたり10コピー以上)についてからのシグナルを具体的に説明する。図7は、her−2/neu遺伝子の低増幅(細胞あたり4コピー)からのシグナルを具体的に説明する。図8は、二倍体コピー数のHer−2/neu遺伝子からのシグナルを具体的に説明する。
実施例6.緩衝液Cを使用するマイクロアレイハイブリダイゼーション
図5は、胎盤RNAからのCy3標識された増幅されたcDNAプローブ(アンビオン(Ambion)、テキサス州オースチン、カタログ番号7950)を使用してプロービングされたクロンテック(ClonTech)のヒトアトラス(Atlas)DNAマイクロアレイ(クロンテック インク(ClonTech,Inc.)、カリフォルニア州パロアルト)のカラー写真である。プローブは、Zhao,R.,Gish,K.,Murphy,M.,Yin,Y.,Notterman,D.,Hoffman,W.H.,Tom,E.,Mack,D.H.とLevine,A.J.,“Analysis of p53−regulated gene expression patterns using oligonucleotide arrays,”Genes & Development 14:981−983(2000)の方法に従って標識した。ハイブリダイゼーション緩衝液Cを使用して、標準的な機器のプロトコールを使用してDNAマイクロアレイオリゴヌクレオチドにプローブをハイブリダイズさせた。
【0049】
前述の開示は本発明のある種の特定の態様を強調すること、および、それに同等な全部の改変もしくは代替物は、以下の付属として付けられる請求の範囲に示されるところの本発明の技術思想および範囲内にあることが理解されるべきである。本明細書で引用される全部の特許、特許出願および参考文献は、引用することにより組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1A−1B】発明にかかる、EBV EBER 1および2の核RNAに対応する標的遺伝子特異的ドメインを所有するプローブよりなるDNAプローブ集合物とハイブリダイズされたヒト脾組織サンプルのカラー写真であり、ここで、組織サンプルはインシトゥハイブリダイゼーションに先立ちリボヌクレアーゼAで処理しなかった(A)か、もしくはインシトゥハイブリダイゼーションに先立ちリボヌクレアーゼAで処理した(B)。
【図2A−2B】発明にかかる、ヒト免疫グロブリンκL鎖mRNAに対応する標的遺伝子特異的ドメインを所有するプローブよりなるプローブ集合物を使用するリンパ腫組織のカラー写真である。図2A中のリンパ腫組織はκL鎖を過剰発現し、また、図2B中の組織はλL鎖を過剰発現する。
【図3A−3B】発明にかかる、ヒト免疫グロブリンλL鎖mRNAに対応する標的遺伝子特異的ドメインを所有するプローブよりなるプローブ集合物を使用するヒトリンパ腫組織のカラー写真である。図3A中の組織はλL鎖を過剰発現し、また、図3B中の組織はκL鎖を過剰発現する。
【図4】発明にかかる、緩衝液Bで希釈されたマウスpS2アンチセンスリボプローブを使用するマウス胃中でのマウスpS2遺伝子発現のスライドガラスに基づくインシトゥハイブリダイゼーション像のカラー写真である。
【図5】発明にかかる、胎盤RNAからのCy3標識された増幅されたcDNAプローブでプロービングされたクロンテック(ClonTech)のヒトアトラス(Atlas)DNAマイクロアレイの走査されたカラー写真である。
【図6】発明にかかる、Her−2/neu DNAプローブにハイブリダイズされた、Her−2/neu高増幅対照細胞系(ヴェンタナ(Ventana)カタログ番号S1003)を有するスライドガラスのカラー写真である。
【図7】発明にかかる、同一のHer−2/neu DNAプローブにハイブリダイズされた、Her−2/neu低増幅対照細胞系(ヴェンタナ(Ventana)カタログ番号S1002)を有するスライドガラスのカラー写真である。
【図8】発明にかかる、Her−2/neu DNAプローブにハイブリダイズされた、Her−2/neuが増幅されない対照細胞系(ヴェンタナ(Ventana)カタログ番号S1001)を有するスライドガラスのカラー写真である。
【図9】発明にかかる、細胞核に組込まれたおよそ500コピーのHPV 16を有するCaski細胞のパラフィンに埋込まれた細胞系のカラー写真である。
【図10】発明にかかる、細胞核に組込まれたおよそ20〜50コピーのHPV 18を有するHeLa細胞のパラフィンに埋込まれた対照細胞系のカラー写真である。
Claims (18)
- 低分子量デキストラン硫酸を含んで成る自動化インシトゥハイブリダイゼーションのためのポリヌクレオチドハイブリダイゼーション緩衝液。
- 前記デキストラン硫酸が約13,000の平均分子量を有する、請求項1記載のポリヌクレオチドハイブリダイゼーション緩衝液。
- 前記低分子量デキストラン硫酸が、約8,000から約16,000MWまでの範囲にわたる、請求項1記載のポリヌクレオチドハイブリダイゼーション緩衝液。
- 低分子量デキストラン硫酸の前記濃度が、wt./vol.で約5%から約25%までの範囲にわたる、請求項1記載のポリヌクレオチドハイブリダイゼーション緩衝液。
- 前記緩衝液が、wt./vol.で約5%から約80%までの濃度を有するホルムアミドを場合によっては含有する、請求項1記載のポリヌクレオチドハイブリダイゼーション緩衝液。
- 約pH7.3に調節された、
a)wt/volで約5%から約25%までのデキストラン硫酸(MW 13,000);
b)vol/volで約20%から約50%までのホルムアミド;
c)約5nMから約10mMまでのトリス(15:85のトリス−HCl:トリス−OH);
d)約1mMから約5mMまでのEDTA;
e)約300mMまでのNaCl;
f)約30mMのクエン酸三ナトリウム;
g)約0.025%から約0.05%までのブリッジ(Brij)−35
を含んで成る、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション緩衝液。 - a)wt/volで約10%から約20%までのデキストラン硫酸(MW 13,000);
b)vol/volで約40%から約80%までのホルムアミド;
c)約2×SSPE;および
d)約0.05%のブリッジ(Brij)−35
を含んで成る、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション緩衝液。 - a)wt/volで約10%から約20%までのデキストラン硫酸(MW 13,000);
b)約6×SSPE;および
c)約10%のホルムアミド
を含んで成る、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション緩衝液。 - a)検査されるべき組織の切片もしくは細胞を調製すること;
b)低分子量デキストラン硫酸の存在下で、組織切片もしくは細胞の調製物をポリヌクレオチドプローブ組成物とハイブリダイズさせること(ここで、前記プローブ組成物は、標的のコーディング領域に相補的な最低1配列を含有する);
c)ハイブリダイズされないプローブを、前記組織切片もしくは細胞の調製物から除去すること;および
d)ハイブリダイズされたプローブ−標的の組合せを検出すること
の段階を含んで成る、標的へのポリヌクレオチドプローブの自動的ハイブリダイズ方法。 - 前記ポリヌクレオチドプローブ組成物が、DNAプローブおよびRNAプローブよりなる群から選択される、請求項9記載の方法。
- 前記組織切片がパラフィンに埋込まれた組織切片である、請求項9記載の方法。
- 前記組織切片が新鮮凍結された組織切片である、請求項9記載の方法。
- 前記ポリヌクレオチドプローブ組成物が、検出可能な標識で標識される、請求項9記載の方法。
- 前記標識が、蛍光発色団、ハプテンおよび発色剤より本質的になる群から選択される、請求項9記載の方法。
- 検査されるべき組織の切片もしくは細胞を調製する段階が、液体に基づく調製段階を含んで成る、請求項9記載の方法。
- 検査されるべき組織の切片もしくは細胞を調製する段階が、バックグラウンドの交差反応性シグナルを抑制するためのブロッキングDNAと標的RNAもしくはDNAを接触させることを含んで成る、請求項9記載の方法。
- 前記ハイブリダイゼーション、除去および検出段階が自動化組織染色機器により実施される、請求項9記載の方法。
- 前記プローブ組成物が固体支持体上に整列される、請求項9記載の方法。
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