JP2005503516A - 密閉型圧縮機の弁装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は密閉型圧縮機の弁装置に関する。本発明において、吐出弁30が弁座26をたたく打撃力を減らし、吐出弁30の開放を円滑にするために、弾性リード40が吐出弁30に一体に形成される。弾性リード40は、吐出弁30の中間部を切除することにより形成され、弾性リードの自由端部は吐出弁30の自由端部36または固定部32へ向けて折り曲げられる。前記弾性リード40の自由端部36は、弁板20の凹溝27の底面に支持され、こうして、弾性リード40は吐出弁30の開弁方向に吐出弁30に弾性力を発生する。このように構成された本発明により、吐出弁30の作動時に発生する騒音が最小化され、吐出弁30の開閉動作が円滑に実施される。
【選択図】図2

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉型圧縮機に関し、より詳しくは、圧縮機のシリンダーの内外部への作動流体の出入りを制御する弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
密閉型圧縮機においては、シリンダーブロックの内部に設けられたシリンダーにてピストンが直線往復運動しながら作動流体を圧縮している。この作動流体は、弁装置の制御によってシリンダーの内外部に出入りされる。
【0003】
一般に、前記弁装置は、前記シリンダーブロックの先端に設けられ、前記シリンダーの内部を遮蔽する弁板を備えている。前記弁板には、前記シリンダーと外部(吸入チャンバー及び吐出チャンバー)を連通する流路が形成され、この流路は、吸入弁や吐出弁によって開閉される。前記吸入弁や吐出弁の開閉は、前記ピストンの往復運動による前記シリンダー内と外部との間の圧力差によって行われる。
【0004】
このような吸入弁や吐出弁は、圧縮機の動作中に極めて速い速度で前記流路を開閉している。ここで、前記吸入弁や吐出弁は、自由端部であるその先端によって前記弁板の流路を開閉しているが、これらの吸入弁や吐出弁の先端部が前記弁板の弁座に押し付けられると、前記流路が閉塞され、前記弁の先端部が弁座から離れられると、前記流路が開放される。
【0005】
しかし、前述のように、弁の先端が前記流路の開閉を繰り返すことにより、圧縮機の動作中に前記弁の先端が前記弁座をたたいて騒音が多く発生することになる。
【0006】
一方、圧縮機の効率は、前記弁装置と大きく関連している。圧縮機におけるエネルギーの損失は、前記弁板に形成された流路を開閉する前記吸入弁や吐出弁の動作に影響される。
【0007】
前記弁装置においては、圧縮機の効率に影響を与えているのは、前記吸入弁や吐出弁の開放遅延現象である。このような弁の開放遅延現象の最も重要な要因の1つは、弁の形状や重さなどによる慣性(inertia)である。前記慣性は、弁が元の運動状態を維持しようとする傾向を言うもので、特に、弁が前記流路を閉塞した状態で、作動流体の圧力差によって開放される初期に流路を閉塞した状態を維持しようとして弁の開放を遅延している。
【0008】
その他にも、前記弁と弁板の弁座との間に介在する粘性オイルによる粘着力が前記弁の開放を遅延させ、前記弁板に形成された流路と弁座の不適当な形状が、弁の開放遅延現象を引き起こしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、圧縮機の動作中に弁装置から生じる騒音を最小化するための密閉型圧縮機の弁装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、圧縮機の効率を最大化するための密閉型圧縮機の弁装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明による密閉型圧縮機の弁装置は、シリンダーの先端に設けられ、シリンダーの内外部を連通させ、作動流体が流動するようにする流路が貫通して設けられた弁板と、前記弁板上に取り付けられ、一端部が固定され、自由端部が前記作動流体の圧力によって前記流路を選択的に開閉する弁と、前記弁に一体に設けられ、前記弁の開弁方向に付勢する弾性リードとを備えることを特徴する。
【0012】
前記弁上に設けられ、弁の開度を制御し、前記弁の開放時に前記弁を閉じる方向に付勢する弁ばねをさらに備えることを特徴とする。
【0013】
前記弾性リードは、前記弁の一部を切除し、その先端部が前記弁板に支持されるように、傾斜して折り曲げて形成されている。
【0014】
前記弾性リードは、その先端部が前記弁の先端部方向に形成される。
【0015】
前記弾性リードは、その先端部が前記弁の先端部の反対方向に形成される。
【0016】
前記弾性リードは、前記弁の中間部分に設けられる。
【0017】
前記弾性リードの先端部には、接触部が前記弁板に設けられた凹溝の表面に密着するように折り曲げて形成される。
【0018】
また、本発明による密閉型圧縮機の弁装置は、シリンダーの先端に設けられ、シリンダーの内外部を連通させ、作動流体が流動するようにする流路が貫通して形成された弁板と、前記弁板上に取り付けられ、一端部が固定され、自由端部が前記作動流体の圧力によって前記流路を選択的に開閉する弁と、前記弁に関して前記弁板の反対側に当たる弁の一面に固定され、その先端部が前記弁の中央部を貫通して前記弁と弁板との間で前記開弁方向に付勢する開放ばねとを備えることを特徴とする。
【0019】
前記弁上に設けられ、前記弁の開度を制御し、前記弁の開放時に前記弁を閉じる方向に付勢する弁ばねをさらに備えている。
【0020】
前記弁の中間部には、前記開放ばねが貫通され、前記弁の下面と弁板との間で弁の先端部に向けた切除部が設けられている。
【0021】
前記弁ばねは、その一端部が前記弁の一面に取り付けられ、弁と共に固定され、自由端部が前記弁板と弁との間で前記弁の他面に密着するように設けられ、前記弁の切除部を貫通する部分によって分けられた二つの部分が段差を形成する。
【0022】
前記弁と弁ばねが固定される部分の前記弁板には、前記弁板の流路の周りに位置する弁座よりも高い段差部が設けられる。
【0023】
前記開放ばねの先端に対応する前記弁板上には凹溝が設けられる。
【0024】
このような構成となる本発明に係る密閉型圧縮機の弁装置によれば、圧縮機の駆動中に発生する騒音が最小に抑えられ、圧縮機の効率が高くなるという利点を有する。
【発明の効果】
【0025】
このような本発明による密閉型圧縮機の弁装置によれば、開弁方向に付勢する弾性リードや開放ばねを備えて、弁の開閉動作を円滑にし、弁による弁座の打撃音を最小化しているため、圧縮機の効率が向上すると共に、動作騒音を最小化するという効果を有する。
【0026】
また、本発明によれば、弁の開弁方向に付勢する弾性リードが弁に一体に設けられており、それにより、弁装置の構成が単純化する。選択的に、弁と別に設けられた開放ばねも前記弁と仮組立て状態で組立てラインに呈され、組立て作業の作業性が向上する効果も有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面に基づいて詳しく説明する。
【0028】
図1に示すように、シリンダーブロック10の内部には、作動流体の圧縮が行われる圧縮室12が形成される。前記圧縮室12の内部には、ピストン14が往復運動可能に設けられている。前記ピストンは、密閉型圧縮機を構成するモーター部の駆動力によって前記圧縮室12内で直線往復運動を行う。
【0029】
前記シリンダーブロック10の先端には、弁板20が設けられている。前記弁板20は、前記シリンダーブロック10の前面との間にガスケット22を介在した状態でシリンダーブロック10に取り付けられる。前記弁板20を貫通して流路24が形成されるが、この流路24は、前記圧縮室12と後述する吐出チャンバー72を連通させる役割を担う。前記流路24は、前記弁板20の一面に設けられた弁チャンバー25内へ貫通される。前記弁チャンバー25は、前記弁板20の一面に凹み状に設けられた部分で、前記流路24を介する作動流体の流動を制御するための部品を備えている。
【0030】
前記弁チャンバー25に開放する前記流路24の縁部に沿って弁座26が設けられている。前記弁座26は、その周辺部より相対的に高く設けられ、後述する吐出弁30が流路24の閉塞時に当接する部分である。
【0031】
一方、前記弁チャンバー25の一側には、凹溝27が設けられている。前記凹溝27内には、後述する弾性リード40の自由端部が位置し、弾性リード40の先端部が凹溝27の底面に当接している。また、前記弁チャンバー25の一側には、他の部分よりも相対的に高く突出された段差部28が備えられている。前記段差部28は、前記弁座26と同じ高さで突設されるのが好ましい。前記段差部28には、吐出弁30の固定部32が位置している。
【0032】
前記弁チャンバー25の内部には、吐出弁30が設けられている。前記吐出弁30は、前記流路24を前記圧縮室12の内外部の作動流体の圧力差によって開閉するもので、図2に示すように、板状のばね鋼から幅が長さに比べて狭くなるように所定の長さで形成されている。前記吐出弁30の一端部である固定部32は、前記段差部28上に取り付けられている。前記固定部32の両端には、固定羽根34、34'が延設されている。前記吐出弁30の自由端部36は、前記流路24を開閉する部分であり、その面積は、少なくとも弁座26の周りまで覆うように設定しなければならない。
【0033】
前記吐出弁30の中間部には、弾性リード40が設けられている。前記弾性リード40は、前記吐出弁30に一体に設けられており、前記吐出弁30の内側を長手方向に所定の幅で切除し、前記吐出弁30の開弁方向に付勢することができるように折り曲げて形成されている。前記弾性リード40の先端部には、前記凹溝27の底面に密着する接触部42が設けられている。前記接触部42は、前記弾性リード40の先端部を折り曲げて形成しており、前記凹溝27の底面との接触面積を大きくして前記弾性リード40がより安定して付勢することができるようにしている。また、前記接触部42は、前記凹溝27や弾性リード40の磨耗を防止する役割も担う。このような構成において、前記弾性リード40の一側は前記吐出弁30に連結され、自由端部側は前記弁チャンバー25に吐出弁30が設けられた状態で前記接触部42が凹溝27の底面に当接するようになる。
【0034】
この弾性リード40は、前記吐出弁30を前記流路24が開放される方向に付勢し、前記吐出弁30が前記弁座26をたたく打撃力を減らし、吐出弁30の開閉動作をより円滑にする。かつ、前記弾性リード40は、前記凹溝27にその自由端部が接触することにより、普段に前記吐出弁30の自由端部36が前記弁座26から少し離れた状態を維持するようにしている。
【0035】
一方、前記吐出弁30上には、弁ばね50が位置している。前記弁ばね50は、前記吐出弁30と同じ材質からなり、所定の弾性力を有しており、前記吐出弁30の開度を規制し、吐出弁30を前記流路24が閉塞される方向に付勢し、吐出弁30の開閉動作を円滑にする。このような弁ばね50の自由端部は、前記吐出弁30の自由端部の先端から離れる方向に延長している。
【0036】
前記弁チャンバー25内に前記吐出弁30及び弁ばね50を固定するために、リテーナー60を使用している。前記リテーナー60は、前記弁チャンバー25の内部に押し込まれた状態で前記吐出弁30及び弁ばね50の固定部を押圧するように設置される。
【0037】
そして、前記弁板20には、ヘッドカバー70が設けられている。もちろん、前記弁板20とヘッドカバー70は、ボルト(図示せず)によって前記シリンダーブロック10に共に締結される。前記ヘッドカバー70は、前記弁板20との間に作動流体の漏れを防止するためのガスケット71を介在した状態で締結される。前記弁板20とヘッドカバー70との間には吐出チャンバー72が設けられる。もちろん、前記ヘッドカバー70と弁板20との間の一側には、吸入チャンバー(図示せず)が備えられている。前記吸入チャンバーは、図示しない吸入弁を介して前記圧縮室12の内部と選択的に連通される。
【0038】
一方、図3及び図4には、本発明の他の実施形態を示している。図示のように、前記吐出弁30に弾性リード40’が図2に示す実施例とは反対方向に設けられている。即ち、弾性リード40’の自由端部が前記吐出弁30の固定部32に対向して折り曲げられ、その先端の接触部42が前記凹溝27の底面に支持される。このような実施の形態においては、前記弾性リード40’は、前記吐出弁30が前記流路24を開放しようとする方向に動作するように吐出弁30に弾性力を発生する。
【0039】
以下、前述の構成となる実施の形態の動作について説明する。
【0040】
先ず、図1に示す実施の形態において、前記ピストン14が矢印A方向に移動すれば、前記圧縮室12の内部には負圧が発生し、吸入弁(図示せず)が開放され、吸入チャンバーの作動流体が前記圧縮室12に吸い込まれる。このとき、前記吐出弁30は、前記圧縮室12の内部の負圧によって前記弾性リード40の弾性力を克服し、前記弁座26に押し付けられる。よって、前記圧縮室12の内部に吸い込まれた作動流体は、吐出チャンバー72に吐出されない。
【0041】
前述のように、作動流体の吸入が終了すれば、前記ピストン14が矢印Aの反対方向に移動し始め、前記圧縮室12の内部の作動流体を圧縮することになる。このとき、吸入弁は、前記圧縮室12の内部の圧力によって閉塞される。また、作動流体が圧縮されると、前記圧縮室12の内部の圧力が高くなるにつれ、前記吐出弁30が開放される。このとき、前記吐出弁30の開放は、前記圧縮室12と吐出チャンバー72との内部の圧力差によって行われる。
【0042】
前記吐出弁30は、前記圧力差及び前記弾性リード40の弾性力によってその自由端部36が前記弁座26から離れ、前記流路24を開放する。このように、流路24が開放されると、前記圧縮室12の内部の作動流体が前記吐出チャンバー72に吐出される。かつ、前記吐出弁30の弁の開度は、前記弁ばね50によって規制され、前記弁ばね50の弾性力により、前記吐出弁30は、迅速に次の行程のために前記流路24を閉塞することになる。ここで、前記吐出弁30の閉弁は、前記ピストン14が再び矢印A方向に移動することによって行われ、このようにして、作動流体を圧縮室12の内部に吸い込み、前述の過程を繰り返す。
【0043】
一方、前記吐出弁30は、前記弾性リード40によって常に前記流路24を開放する方向に付勢されている。従って、前記吐出弁30の自由端部36が前記流路24を閉じるように前記弁座26に接触するとき、前記吐出弁30が前記弁座26をたたく打撃力を前記弾性リード40によって減らしている。また、前記弾性リード40は、前記吐出弁30が前記流路24を開放するときにも付勢して、前記吐出弁30が前記弁座26からより円滑に離れられるようにする。
【0044】
図3に示す実施の形態の動作は、上述の図1の実施の形態と同様である。
【0045】
次に、図5には本発明のさらに他の実施形態が示されている。図示のように、シリンダーブロック110の内部には、作動流体の圧縮が行われる圧縮室112が設けられている。前記圧縮室112の内部には、ピストン114が往復運動可能に設けられている。前記ピストン114は、密閉型圧縮機を構成するモーター部の駆動力によって前記圧縮室112内で直線往復運動を行う。
【0046】
前記シリンダーブロック110の先端には、弁板120が設けられている。前記弁板120は、前記シリンダーブロック110の前面との間に、ガスケット122を介在した状態でシリンダーブロック110に取り付けられる。前記弁板120を貫通して流路124が形成されるが、この流路124は、前記圧縮室112と後述する吐出チャンバー172とを連通させている。前記流路125は、前記弁板120の一面に設けられた弁チャンバー125内へ貫通している。前記弁チャンバー125は、前記弁板120の一面に凹み状に形成された部分で、前記流路124を介する作動流体の流動を制御するための部品を備えている。
【0047】
前記弁チャンバー125に開放された前記流路124の縁部に沿って弁座126が設けられている。前記弁座126は、その周辺部分よりも相対的に高く形成され、後述する吐出弁130が流路124の閉塞時に当接する部分である。
【0048】
一方、前記弁チャンバー125の一側には凹溝127が設けられている。前記凹溝127には、後述する開放ばね140が弁板120と干渉しないように配置されている。また、前記弁チャンバー125の一側には他の部分よりも相対的に高く突出された段差部128が備えられている。前記段差部128は、前記弁座126よりも相対的に高く形成される。このとき、前記段差部128の高さは、前記弁座126に比べて後述する吐出弁130の厚さだけ差を有するのが好ましい。前記段差部128には吐出弁130の固定部132が位置している。
【0049】
前記弁チャンバー125の内部には、吐出弁130が設けられている。前記吐出弁130は、前記流路124を前記圧縮室112の内外部の作動流体の圧力差によって開閉するもので、図6に示すように、板状のばね鋼から幅が長さに比べて狭くなるように所定の長さで形成されている。前記吐出弁130の一端部である固定部132は、前記段差部128上に取り付けられる。前記固定部132の両端には、固定羽根134、134'が延設されている。前記吐出弁130の自由端部136は、前記流路124を開閉する部分であり、その面積は、少なくとも弁座126の周りまで覆うように設定しなければならない。
【0050】
前記吐出弁130の中間部には、切除部135が設けられている。前記切除部135は、前記吐出弁130の長手方向に直交する方向に吐出弁130の中間において切除したもので、その両端に互いに逆方向に折り曲げられるルーバー部136、136'が設けられる。前記ルーバー部136、136'は、図6bに示すように、前記吐出弁130の自由端部136と固定部132とに対向して互いに逆方向に延長される。
【0051】
前記吐出弁130の固定部132上には、開放ばね140が設けられている。前記開放ばね140は、図7a及び7bに示すように、前記吐出弁130の固定部132と対応する固定部142を備えている。前記固定部142にはその両端に固定羽根144、144'が延設されている。このような開放ばね140は、前記吐出弁130と同じ材質からなる。前記開放ばね140の前記固定部142の反対側は自由端部146であり、前記固定部142に対して前記吐出弁130の厚さに対応する段差sを有して形成されている。即ち、前記自由端部146が前記固定部142に比べて低く形成される。
【0052】
従って、前記開放ばね140は、前記固定部142が前記吐出弁130の固定部132上に位置しているが、前記開放ばねの前記自由端部146は、弁板120に対向する前記吐出弁130の一面に接触して配置される。このような開放ばね140は、前記吐出弁130を開弁方向に付勢して前記吐出弁130がより円滑に開放できるようにすると共に、前記吐出弁130が前記弁座120に接触するときの打撃音を減らす。
【0053】
一方、前記吐出弁130上には弁ばね150が位置している。前記弁ばね150は、前記吐出弁130と同じ材質からなり、所定の弾性力を有しており、前記吐出弁130の開度を規制し、吐出弁130が前記流路124を閉塞する方向に付勢して吐出弁130の開閉動作を円滑にする。このような弁ばね150の自由端部は、前記吐出弁130の自由端部136の先端から離れる方向に延びている。
【0054】
前記弁チャンバー125内に前記吐出弁130、開放ばね140及び弁ばね150を固定するためにリテーナー160が使用される。前記リテーナー160は、前記弁チャンバー125の内部に押し込まれた状態で前記吐出弁130、開放ばね140及び弁ばね150の固定部132、142を押圧するように設置される。
【0055】
また、前記弁板120にはヘッドカバー170が設けられている。もちろん、前記弁板120とヘッドカバー170とは、ボルト(図示せず)によって前記シリンダーブロック110に共に締結される。前記ヘッドカバー170は、前記弁板120との間に作動流体の漏れを防止するためのガスケット171を介在した状態で締結される。前記弁板120とヘッドカバー170との間には吐出チャンバー172が設けられている。もちろん、前記ヘッドカバー170と弁板120との間の一側には吸入チャンバー(図示せず)を備えている。前記吸入チャンバーは、吸入弁(図示せず)を介して前記圧縮室112の内部と選択的に連通される。
【0056】
以下、前述のような構成となる本実施形態の動作を説明する。図5において、前記ピストン114が矢印A方向に移動すれば、前記圧縮室112の内部には負圧が発生し、吸入弁(図示せず)が開放され、吸入チャンバーの作動流体が前記圧縮室112に吸い込まれる。このとき、前記吐出弁130は、前記圧縮室112の内部の負圧によって前記開放ばね140の弾性力を克服し、前記弁座126に押し付けられる。従って、前記圧縮室112の内部に吸い込まれた作動流体は、吐出チャンバー172に吐出されない。
【0057】
このようにして、作動流体の吸入が終了すれば、前記ピストン114が矢印Aの反対方向に移動し始め、前記圧縮室112の内部の作動流体を圧縮することになる。このとき、吸入弁は、前記圧縮室112の内部の圧力によって閉塞される。かつ、作動流体が圧縮されると、前記圧縮室112の内部の圧力が高くなるにつれ、前記吐出弁130が開放される。このとき、前記吐出弁130の開放は、前記圧縮室112と吐出チャンバー172の内部との圧力差によって行われる。
【0058】
前記吐出弁130は、前記圧力差や前記開放ばね140の弾性力によってその自由端部136が前記弁座126から離され、前記流路124を開放する。このように、流路124が開放されると、前記圧縮室112の内部の作動流体が前記吐出チャンバー172に吐出される。また、前記吐出弁130の開度は、前記弁ばね150によって規制され、前記弁ばね150の弾性力によって前記吐出弁130は、次の行程のために、迅速に前記流路124を閉塞するようになる。ここで、前記吐出弁130の閉弁は、前記ピストン114が再び矢印A方向に移動することによって行われ、このようにして、作動流体を圧縮室112の内部に吸い込み、上述の過程を繰り返す。
【0059】
一方、前記吐出弁130は、前記開放ばね140によって常に前記流路124の開放方向に付勢されている。従って、前記開放ばね140は、前記吐出弁130の自由端部136が前記流路124を閉じるように前記弁座126に接触するとき、前記吐出弁130が前記弁座126をたたく打撃力を減らしている。かつ、前記開放ばね140は、前記吐出弁130が前記流路124を開放するときにも前記吐出弁130を付勢して前記吐出弁130が前記弁座126からより円滑に離れるようにする。
【0060】
以上のように、本発明の好適な実施形態が説明されたが、本発明は、吐出弁に限定されるものでなく、このような本発明の基本的な技術的思想を逸脱しない範囲内で、当業界の通常の知識を有する者にとっては、例えば、吸入弁への適用も可能であろう。また、本発明は、添付の特許請求の範囲により解釈されるべきであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の好適な実施形態による密閉型圧縮機の弁装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す実施形態で使用される吐出弁を示す平面図である。
【図3】本発明のもう一つの好適な実施形態による弁装置の構成を示す断面図である。
【図4】図3に示す実施形態で使用される吐出弁を示す平面図である。
【図5】本発明のさらにもう一つの好適な実施形態による弁装置の構成を示す断面図である。
【図6a】図5に示す実施形態で使用される吐出弁を示す平面図である。
【図6b】図5に示す実施形態で使用される吐出弁を示す断面図である。
【図7a】図5に示す実施形態で使用される開放ばねを示す平面図である。
【図7b】図5に示す実施形態で使用される開放ばねを示す断面図である。

Claims (13)

  1. シリンダーの先端に取り付けられ、前記シリンダーの内外部を連通させて作動流体を流動させるようにする流路が貫通して設けられた弁板と、
    一端部が前記弁板上に固定されるように取り付けられ、自由端部が前記作動流体の圧力によって前記流路を選択的に開閉する弁と、
    前記弁に一体的に形成されて前記弁の開弁方向に前記弁に弾性力を発生する弾性リードとを具備する密閉型圧縮機の弁装置。
  2. 前記弁に取り付けられて前記弁の開度を制御し、前記弁を閉じる方向に前記弁に弾性力を発生する弁ばねをさらに具備する請求項1に記載の密閉型圧縮機の弁装置。
  3. 前記弾性リードは、前記弁の一部を切除することによって形成され、前記弾性リードの先端部が前記弁板に支持されるように、前記弁に対して傾斜して折り曲げられる請求項1または2に記載の密閉型圧縮機の弁装置。
  4. 前記弾性リードは、前記先端部が前記弁の前記自由端部へ向けられるように形成される請求項3に記載の密閉型圧縮機の弁装置。
  5. 前記弾性リードは、前記先端部が前記弁の前記一端部へ向けられるように形成される請求項3に記載の密閉型圧縮機の弁装置。
  6. 前記弾性リードは、前記弁の中間部分に形成される請求項4または5に記載の密閉型圧縮機の弁装置。
  7. 前記弾性リードの前記先端部は、前記弁板に形成された凹溝の表面に密着するように折り曲げられた接触部を有する請求項6に記載の密閉型圧縮機の弁装置。
  8. シリンダーの先端に取り付けられ、前記シリンダーの内外部を連通させて作動流体を流動させるようにする流路が貫通して設けられた弁板と、
    一端部が前記弁板上に固定されるように取り付けられ、自由端部が前記作動流体の圧力によって前記流路を選択的に開閉する弁と、
    前記弁に関して前記弁板の反対側に相当する前記弁の一面に固定され、その先端部が前記弁の中央部を貫通して前記弁と前記弁板との間に位置し、前記弁の開弁方向に前記弁に弾性力を発生する開放ばねとを具備する密閉型圧縮機の弁装置。
  9. 前記弁に取り付けられて前記弁の開度を制御し、前記弁を閉じる方向に前記弁に弾性力を発生する弁ばねをさらに具備する請求項8に記載の密閉型圧縮機の弁装置。
  10. 前記弁の中間部には切除部が形成され、前記開放ばねが前記切除部を貫通して前記弁の下面と前記弁板との間で前記弁の先端部へ向けられる請求項8または9に記載の密閉型圧縮機の弁装置。
  11. 前記弁ばねは、その一端部が前記弁の前記一面に取り付けられて前記弁と共に固定され、その自由端部が前記弁と前記弁板との間で前記弁の他面に密着するように取り付けられ、前記弁の前記切除部を貫通する部分によって分けられた二つの部分が段差を有して形成される請求項10に記載の密閉型圧縮機の弁装置。
  12. 前記弁と前記開放ばねが固定される前記弁板の部分には、前記弁板の前記流路の周りに位置する弁座よりも相対的に高い段差部が形成される請求項8または11に記載の密閉型圧縮機の弁装置。
  13. 前記弁ばねの先端に対応する前記弁板の部分には凹溝が形成される請求項12に記載の密閉型圧縮機の弁装置。
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