JP2005503320A - CpG−含有ポリヌクレオチドで自己免疫疾患を処置または防止する方法 - Google Patents

CpG−含有ポリヌクレオチドで自己免疫疾患を処置または防止する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は進行中の自己免疫疾患の防止および処置に有用なDNA予防接種に関する。本発明の組成物および方法は、好ましくは2つの5’プリンおよび2つの3’ピリミジンにより挟まれたモチーフ中のCpGオリゴヌクレオチドを特徴とする。ワクチンはさらに、特異的抗原をコードするDNAまたはペプチド抗原自体を含んで成ることができる。本発明はIDDMについて例示する。

Description

【0001】
(技術分野)
発明の分野
本発明は、自己免疫疾患、そして特にインスリン依存性糖尿病(IDDM)の防止または処置に関する方法、そしてより詳細にはワクチンがCpGモチーフを含むDNA分子を含むそのような方法に関する。
【0002】
発明の背景
DNAの予防接種は感染性病原体(Tascon et al,1996)およびガン(Stevenson et al,1999)に対する防御を誘導し、そして自己免疫プロセスをモジュレートする(Waisman et al,1996)ための効率的な取り組みである。裸(naked)の発現ベクターを筋肉内に注射した後、プラスミドDNAは筋肉細胞により取り込まれ、そしてエピソームで維持され、コードされた抗原の発現を可能とする(Wolff et al,1992)。すなわちDNAの単回または反復注射後、コードされたタンパク質に対する細胞性および/または体液性免疫応答が生成し、そして長寿(long−lived)記憶リンパ球が誘導される(Hassett et al,2000)。これらの記憶細胞は調節機能を有し、したがって自己免疫状態のモジュレーションの道具として役立つかもしれない。
【0003】
CpGオリゴデオキシヌクレオチド(CpG−ODN)は、主に細菌に存在する免疫刺激配列である(Lipford et al 1998;Krieg et al 1998;およびKrieg et al 1999)。細菌DNAは、2個の5’プリンおよび2個の3’ピリミジンにより挟まれた中央にある非メチル化CpGジヌクレオチドから成る免疫刺激モチーフを含む(Klinman et al,1997)。CpGモチーフは哺乳動物ゲノムではCpGサプレッションおよびCpGメチル化の組み合わせにより十分に表示されない(Klinman et al,1996)。このモチーフがTh1応答をインビボで刺激することが報告された(Klinman et al,1996)。この理由から、このモチーフを含む1本鎖DNAが体液性および細胞性免疫応答の両方の強力なアジュバントとして役立つことが示唆された(Lipford et al 1997、Krieg et al 1998)。CpGモチーフを含むホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチドの腫瘍内注射が、樹立された腫瘍の拒絶を誘導し、すなわちヒトのグリオーマにおける新規な免疫療法的取り組みを表し、これにより腫瘍抗原の選択および精製の必要性が克服される(Carpentier et al 2000)。
【0004】
国際公開第99/52547号明細書は、CD−1抗原または脂質抗原およびT−細胞刺激化合物を含んで成るワクチン組成物を開示する。特許請求された免疫アジュバントの1つはCpGモチーフを含有するアジュバントであるが、このモチーフが特異的抗原無しに効率的であることは示唆していない。ワクチン組成物は自己免疫疾患を含む障害に有用である。
【0005】
国際公開第00/014217号明細書は、免疫系に効果を有し、そして遺伝子療法で使用するG−モチーフオリゴヌクレオチドを開示する。この発明はまた、自己免疫疾患およびTh1−媒介疾患を含む障害を防止し、または処置するための医薬組成物を調製するためのクレームされたオリゴヌクレオチドの使用にも関する。
【0006】
国際公開第99/58118号明細書は、CpG−オリゴヌクレオチドを使用した造血を調節する方法を開示する。この発明は免疫系の障害を処置するためにCpGを含有するオリゴヌクレオチドを使用した造血を調節する方法に関する。特にこの発明は造血を調節することによる血小板産生および貧血を処置する方法に関する。この発明はまた、造血を制御するためにCpGオリゴヌクレオチドを投与することにより、免疫系リモデリングの調節法に関する。
【0007】
米国特許第5,856,462号明細書は、遺伝子発現およびアンチセンス療法の研究に有用な修飾化CpGジヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドを開示する。この発明は遺伝子発現を阻害し、そして通例のホスホロチオエートオリゴヌクレオチドよりも少ない副作用を生じる修飾されたオリゴヌクレオチドを提供する。この発明はさらに、異型の(aberrant)遺伝子発現により引き起こされる疾患の治療的処置にそのような使用を含む、遺伝子発現をインビボでモジュレートするためのそのようなオリゴヌクレオチドの使用法を提供する。
【0008】
DNA予防接種に加えて、自己免疫疾患の他の抗原特異的な処置も提案された。ペプチド療法は、IDDMを含め細胞性免疫応答により媒介される幾つかの自己免疫疾患に示唆された。ペプチド療法は進行中の免疫プロセスをモジュレートするための方法になり得ると考えられる。
【0009】
NODマウスは、膵臓のインスリン−生産β細胞の破壊を導く自己免疫プロセスの結果として自然にインスリン依存性糖尿病(IDDM)を発症する(Tisch et al,1996)。幾つかの抗原が糖尿病誘発性T−細胞の標的として同定され、それらにはインスリンのようなβ−細胞特異的タンパク質、GADのような非β−細胞制限(restricted)抗原、およびさらに熱ショックタンパク質60のような偏在する抗原を含む(Hsp60、Tisch et al,1996)。糖尿病の発症は、Hsp60およびp277と名付けられた完全な分子のアミノ酸437および460を含んで成るHsp60ペプチドに対するT細胞の反応性が上昇することにより進行することが示された(Elias et al,1991)。初期のT細胞反応性とは対照的に、Hsp60およびp277に対する抗体は、破壊的なプロセスが終了した時、臨床的な糖尿病の発症から数カ月後に、疾患の自然な経過において後期に検出できるだけである(Krause et al,1999)。NODマウスに投与した不完全フロインドアジュバント中のペプチドp277は、糖尿病の進行を阻止することができる(Elias et al,1995)。さらにp277処置は高血糖症の臨床的な発病の後でも、進行したインスリン炎の寛解を誘導することができる(Elias et al,1994)。成功裏の処置にはp277に対する自然発生T−細胞反応性のダウンレギュレーション、およびp277に対する抗体の誘導が関係し;これらの抗体はTh2関連アイソタイプを有するか(IgG1およびIgG2b)、そうでなければ若いNODマウスには見いだされない(Elias et al,1997;Ablamunits et al,1998)。
【0010】
細菌のDNAが自己免疫炎症に及ぼす効果は知られている。細菌のDNAは、2個の5’プリンおよび2個の3’ピリミジンにより挟まれた中央にある非メチル化CpGジヌクレオチドから成る免疫刺激モチーフを含む(Klinman et al,1997)。CpGモチーフは哺乳動物ゲノムではCpGサプレッションおよびCpGメチル化の組み合わせにより十分に表わされない(Klinman et al,1996)。しかし細菌DNAによる自己免疫状態のモジュレーションがすでに報告された。Gilkeson et al(1996)は、細菌DNAを用いた免疫感作が自己免疫NZB/NZWマウスにおける腎臓疾患をモジュレートすることができ、一方ウシ胸腺DNAは効果的でなかったことを示した(Gilkeson,1996)。さらに腎臓疾患における改善は、免疫感作直後の糸球抗原に対する抗体の誘導と関連した(Gilkeson et al,1996)。Boccacioおよび彼の共同研究者は、非−コードプラスミドDNAがインビボでIFNγを活性化するその能力によりEAEを阻害できると報告した(Boccacio et al,1999)。
【0011】
従来技術において、CpGモチーフを含むDNA分子が一般に、または特にIDDMにおいて自然に進行する、または自然発生的な自己免疫疾患の防止または処置にワクチンとして使用できることはどこにも教示または示唆されていない。
【0012】
発明の要約
本出願の目的は、CpGモチーフを含むDNA分子を含んで成るワクチンを提供することである。本発明の別の目的は、自己免疫疾患、特にインスリン−依存性糖尿病(IDDM)の防止または処置のための方法を提供することである。
【0013】
糖尿病のDNAに基づく治療の可能性を調査するために、本発明者は熱ショックタンパク質−60(Hsp60)をコードするDNA構築物を用いた免疫感作が自己免疫をモジュレートし、そして疾患の発症を防止できるかどうかを調査することを計画した。驚くべきことには、Hsp60含有構築物だけでなく、空ベクター(pcDNA3)も糖尿病の発症を下げることができた。実際、構築物中に存在するCpGオリゴヌクレオチドモチーフはそれ自体で、NOD糖尿病の発症を抑制するために使用することができた。Hsp60の不存在にもかかわらず、効果的処置はHsp60自己反応性に及ぼす特異的免疫効果:Hsp60およびそのペプチド同族体p277(Val−Val11)に対する自然発生T−細胞増殖のダウンレギュレーション、およびこれらの分子に対する特異的抗体の誘導に関連した。
【0014】
したがって本発明は、CpGモチーフを含む分子であるDNAワクチンを投与することによる自己免疫疾患の処置または防止法に関する。CpGモチーフは好ましくは、5’側で2つのプリンにより、そして3’側で2つのピリミジンにより挟まれたジヌクレオチドCGであり、そしてもっとも好ましくはAACGGTである。
【0015】
本発明はさらに、自己免疫疾患、特にIDDMに関連するペプチドまたはポリペプチド抗原をコードするDNA配列を含んで成るDNAワクチンに関する。
【0016】
これらのワクチンはさらに、Hsp60、p277、p277(Val−Val11)およびp12、ならびに例えば米国特許第5,780,034号、同第6,096,314号、同第6,180,103号および同第6,110,746号明細書および国際公開第96/19236号および同第97/01959明細書(これらの全内容は引用により本明細書に編入する)に開示された他の抗原を含む糖尿病の処置に使用されて来た抗原をコードするDNAを含むこともできるが、そのような抗原をコードするDNAよりはワクチンはペプチドまたはポリペプチド抗原自体を含んでもよい。これらのペプチドまたはポリペプチド抗原は、DNAワクチンと同時に、または独立して投与することができる。そのようなDNAワクチン単独またはそのようなDNAまたはペプチド分子を一緒に投与することを含んで成る自己免疫疾患の防止および処置法は、本発明の範囲内である。
【0017】
CpGモチーフを含んで成るDNA分子を、進行中の自己免疫疾患、特にIDDMの処置または防止のためのワクチンの調製に使用することは、本発明の別の観点を表す。
【0018】
発明の詳細な説明
本出願の目的は、CpGモチーフを含むDNA分子を含んで成るワクチンを提供することである。本発明の別の目的は、自己免疫疾患、特にインスリン−依存性糖尿病(IDDM)の防止または処置のための方法を提供することである。
【0019】
本発明は、NOD糖尿病に特異的な免疫療法としてHsp60を含むDNA予防接種の効力を試験するための調査過程で見いだされた。BALB/cマウスにおけるHsp60プラスミドの特異的免疫原性(図1Aおよび1B)が最初に確認された。しかしDNA処置をNODマウスで使用した時に3つの予期せぬ考察がなされた。
【0020】
最初に、Hsp60をコードするいかなる配列も含まないpcDNA3プラスミドが、pHsp60プラスミドのように糖尿病発症の抑制に効果的であった(図2および3)。第2に、pcDNA3プラスミドはHsp60の不存在にもかかわらず、NODの糖尿病誘発性プロセスに本質的なHsp60に対する自己免疫に特異的な効果(T−細胞増殖のダウンレギュレーションおよび全Hsp60およびそのペプチド同族体p277(Val−Val11)に対するIgG2b抗体の誘導)を及ぼすことができた。NOD糖尿病に深く関係する他の抗原、GADおよびインスリンに対する応答は、検出されなかった(図4A、4B、5A、5B、7Aおよび7B)。第3に、CpGオリゴヌクレオチドはそれ自体が、Hsp60自己免疫および糖尿病に及ぼすpcDNA3プラスミドの効果を本質的に再生することができた(5A、5B、6、7Aおよび7B)。
【0021】
CpGオリゴヌクレオチドは主に細菌に存在する免疫刺激配列であり(Lipford et al,1998;Krieg et al,1998;およびKrieg,1999)、そしてCpGを使用したこの結果は、細菌の感染がNODマウスにおける糖尿病の発症を抑制することができるメカニズムを説明しているのかもしれない(Atkinson et al,1999);細菌の感染はCpG刺激を供給することができる。
【0022】
Hsp60およびペプチドp277(Val−Val11)に対する抗体がIgG2bアイソタイプであったことは注目に値する(図7Aおよび7B)。IgG2b抗体の生産に必要なサイトカインはTGFαであり、その抑制効果が知られている(McIntyre et al,1993およびSnapper et al,1993)。TGFαはTh2−関連サイトカインであり、これはNODマウスを糖尿病から保護することが示された(King et al,1998)。DNA予防接種はHsp60およびペプチドp277(Val−Val11)に特異的な、IFNγに依存的であると考えられているIgG2aサブクラスの抗体も誘導したが、これらの抗体の量はIgG2b抗体の量よりは有意に少なかった。すなわちサイトカインのバランスはTh2応答に重きがおかれ、DNAの治療的効果がTh2−様T細胞の活性化に関連するかもしれないことを示唆していた。Th2−様T細胞の活性化はまた、Hsp60に由来するペプチドp12またはp277の投与により、NODの自然発生糖尿病が防止された時にも説明された(Elias et al,1997 およびBockova et al,1997)。そのようなT細胞は、β−細胞への傷害に関与すると考えられるTh1細胞を抑制するかもしれない(Bockova et al,1997)。
【0023】
pcDNA3により、またはCpGオリゴヌクレオチドを用いた処置により、あるいはCpGオリゴヌクレオチドにより誘導された、糖尿病から保護されたマウスにおけるHsp60およびp277(Val−Val11)に対する抗体の源は(図5A)、種に特異的である。BALB/cマウスはpcDNA3を注射した時にこれらの抗体を生産しなかった(図1A)。NODマウスはHsp60およびp277(Val−Val11)に対して自然発生自己免疫応答を現すようであり、これは図4Aおよび4Bに表す。Hsp60およびp277に対する免疫は、疾患の発症前にT細胞の反応性のピークとして現れる(Elias et al,1999およびBirk et al,1996)。明白な糖尿病の発病から数カ月後、Hsp60およびp277に対する抗体を検出することができる(Krause et al,1999)。DNA処置後、T細胞増殖応答は縮小し、そして抗体、ほとんどIgG2bの生産に置き換わる。これは事前に存在する自己免疫応答(NODマウスに自然に生じる)が、細菌のDNAまたはCpGモチーフにより活性化された後にその表現型を変え、Th−2様のIgG2b抗体の誘導を導くことを示唆している。同様に、モノクローナル抗体を用いた狼瘡のイディオタイプ的誘導によるNOD糖尿病の防止も、Hsp60およびp277に対する特異的抗体の誘導が関連した(Krause et al,1999)。このようにたとえHsp60およびp277に対する抗体の誘導が特異的な免疫感作から生じない時でも、そのような抗体の出現は糖尿病誘発プロセス阻止の指標として役立つと思われる。
【0024】
CpGモチーフはインビボでTh1応答を刺激する(Klinman et al,1996)。従来はTh1表現型に関連していたこのモチーフが今、Th2が媒介すると知られている糖尿病の抑制に予期せずに効果的であると開示する。このパラドックスは自然発生糖尿病の動物モデルで観察された。Poly−I:C、IFNγ、IL−2、TNFαおよびIL−18(これらは全てTh1応答の周知のインデューサーまたはメディエータである)はインスリン炎を減少させ、そして糖尿病を防止することが示された(Campbell et al,1991;Nicoletti et al,1998;Rothe et al,1999;Serreze et al,1989;Sobel et al,1998;およびYang et al、1994)。さらにIL−18の場合は、防御は小島に浸潤する細胞のTh2表現型へのシフトと一緒に、Th1型免疫の全身的活性化が関連した(Rothe et al,1999)。したがってNOD免疫系の非特異的刺激は、たとえTh1インデューサーによっても、小島の抗原に対する進行中の免疫応答を戻すことができ、そして糖尿病誘発プロセスを阻止することができる。
【0025】
NOD脾臓細胞に対するCpGオリゴヌクレオチドの効果をインビトロで分析する時、これは用量依存的様式でIFNγおよびIL−10を明らかに誘導した(図8Aおよび8B)。しかしCpGにより生産されるサイトカインの量をConA刺激により誘起される量と比較する時、CpGモチーフの効果はIL−10の放出を優先したことが明らかであった。おそらく糖尿病誘発プロセスのモジュレーティングにおいては、IL−10の突出(prominence)が重要なのだろう。
【0026】
さらに自然発生NOD−糖尿病の自然な経過に及ぼすCpGの効果には、2つのメカニズムが関与することが分かった:a.APC機能に及ぼす非特異的効果。b.糖尿病に関係する抗原に対するT−細胞応答に及ぼす特異的効果。本明細書に記載するように、脾臓細胞のCpG刺激はHsp60のアップレギュレーションおよび分泌、およびHsp60−特異的T−細胞の活性化を導く。さらに外因性ペプチドの添加を通したHsp60−特異的T−細胞の活性化と比較して、CpG刺激は活性化T−細胞の表現型をTh2へとシフトさせる。p12およびp277(Val−Val11)エピトープに向けられたHsp60 T−細胞は、自然発生NOD−糖尿病の進行を調節することが示され、CpGの活性化抗−p277(Val−Val11)および抗−p12 Th2免疫に及ぼす効果は、糖尿病に及ぼすその調節効果(modulatory effect)を説明するかもしれない。
【0027】
さらに、CpGは恐らくIL−10が媒介するメカニズムを通してNODマウスのAPC機能に影響する。このAPC機能における変化は、糖尿病に関係する抗原に向けられた自己−反応性の、病原性Th1表現型から防御的Th2応答ヘのダウンレギュレーションおよびシフトを導く。
【0028】
特定のメカニズムに拘束されずに、NOD−自然発生糖尿病のCpGによる防止には、Hsp60 T−細胞媒介自己反応性の特異的調節、ならびに他の糖尿病関連抗原へのTh2シフトの広がりを導くAPC機能における変化が関与すると推論される。
【0029】
したがって本発明は、すべての自己免疫疾患の防止および特にインスリン依存性糖尿病(IDDM)の防止のための方法を対象とする。この方法には、CpGモチーフを含む効果的な量のDNAワクチンで個体を予防接種することを含む。この同じ予防接種法を自己免疫疾患の処置、および特にIDDMの処置に使用することができる。
【0030】
CpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドは、好ましくは5’側で2つのプリンにより、そして3’側で2つのピリミジンにより挟まれたジヌクレオチドCGを含んで成るものである。ヌクレオチドAおよびGはプリンであり、そしてヌクレオチドCおよびTはピリミジンである。正確なプリンおよびピリミジンは変動できるが、モチーフは好ましくはAACGTTである。この6個のヌクレオチドモチーフがワクチンに使用できる最小のサイズであるが、ワクチンに使用する構築物の全長は、このモチーフを含むpcDNA3空ベクターの効率により明示されるので、限定されない。当業者は種々の実験について技術文献中で使用されたCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドを知っており、そしてこれらの任意のオリゴヌクレオチドを本発明の目的に使用できる。配列番号2のオリゴヌクレオチドは、そのようなオリゴヌクレオチドの非限定的例の1つである。配列番号2は、CpGモチーフを持つ2単位を含むことに注目されたい。より多くのCpGモチーフを持つ構築物も作成でき、そして本発明の一部と考える。
【0031】
Pur−Pur−C−G−Pyr−PyrモチーフはCpGモチーフの最も一般的なモチーフであるが、当業者はCpGモチーフが他の形態もとることが知られていたと考えるするだろう。1つのそのようなこれまでに開示されたモチーフは、Pur−Pur−C−G−Pyr−Pur−C−G−Pyr−Pyrである。技術文献で使用され、そして本発明でも使用することができるCpR−ODNの幾つかの非限定的例には:TCCATGACGTTCCTGACGTT(Brazolot Millan et al,1998)、TCTCCCAGCGTGCGCCAT(Weiner et al,1997)、GAGAACGCTCGACCTTCGAT(Weiner et al,1997)、TCTCCCAGCGTGCGCCAT(Wooldridge et al,Blood,89、2994−2998(1997)、TCGCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT(Hartmann et al,PNAS 96:9305−9310(1999)、TCGCGTTCCCCCCCCCCCC(Hartmann et al,(1999)を含む。
【0032】
好ましくはオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート修飾骨格を用いて合成して、それらのヌクレアーゼ耐性を向上させる。
【0033】
DNA予防接種の分野は十分に確立され、そして当業者はそのような予防接種に関して通常使用される量および技術について知っている。DNAワクチンは純粋なプラスミド(すなわち裸)DNAの筋肉内注射により投与することができるが、DNAは皮内注射により、または表皮の細胞に遺伝子銃でバイオリスティカリー(biolistically)に導入する金粒子上に顕微鏡下でコートして与えることもでき、これらはすべて当該技術分野では周知である。CpGモチーフはメチル化されるとワクチンとしての活性を失うので、CpGモチーフは好ましくはメチル化されない。遺伝子銃投与の取り組みは、抗原に対して比較的強いTh2応答を伴うと報告されたので好ましく、一方DNAワクチンのi.m.注射はTh1応答を伴う(Raz et al 1996)。DNA予防接種の技術は知られているように、初期投与後の適当な時期、例えば初期注射から18日後、またはそれ以上の12週のような実質的期間の後に、追加免疫(postimmunization)を必要とするかもしれない。
【0034】
ワクチンに使用するDNAの量も当業者には周知であり、そして経験的観察により容易に至適化することができる。その量は好ましくは約1μg〜約500μgであるが、この範囲外の量も適切な状況下で使用してよい。
【0035】
本発明を以下の非限定的な実施例により例示する。
【0036】
【実施例】
実施例
方法
マウス
メスのマウスNOD/LtJ種は、ジャクソン研究所のE.Leiter博士の好意により供給されたブリーダーから、ワイズマン研究所の動物育種センターで病原体無しの条件下で生育し、そして管理した。これらのマウスは約1カ月齢で始まるインスリン炎を現し、これは約3カ月齢で始まる明らかな高血糖症へと進行する。IDDMの累積的発病率は6カ月齢までに85%以上にのぼる。メスのBALB/cマウハもワイズマン研究所で成長させた。
DNA ワクチンの構築
DNAワクチンは、pcDNA3ベクター(インビトロゲン(Invitrogen)、NV、リーク、オランダ)を使用して構築した。これは周知の一般的な目的のクローニングおよび発現ベクターであり、CMV−前初期プロモーター、ポリリンカーおよびウシ成長ホルモンポリアデニレーション部位を含む。このベクターはまた真核細胞中でネオマイシン耐性も発現する。その制限地図およびヌクレオチド配列は公開された。この配列は本明細書で配列番号1として説明する。
【0037】
ヒトhsp60遺伝子の完全長cDNAを、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターの制御下にpcDNA3ベクターにクローン化した。簡単に説明すると、pGEM中のhsp60cDNAは、酵素BamHIまたはHindIIIの制限部位を含む特異的オリゴヌクレオチドを使用することにより増幅した。アンプリコンおよびpcDNA3ベクターを精製し、そしてBamHI/HindIIIで消化した。Hsp60をコードする消化したPCR産物および直線化pcDNA3ベクターを、製造元により与えられた標準的なプロトコールに従いT4 DNAリガーゼを使用して連結した。連結したプラスミドを大腸菌(Escherichia coli)中で形質転換させ、後に配列を決定してcDNAの正しい挿入を確認した(データは示さず)。
プラスミド調製および注射
大規模なプラスミドDNA調製は、Qiagen Plasmid Mega Prep(キアジェン、サンタ クラリア、カリフォルニア州、米国)を使用してアルカリ溶解法により調製した。DNAはエタノール沈殿し、そして滅菌PBS中に再懸濁した。分光光度的分析では、260/280nm比1.80であった。DNA調製物の純度は、1%アガロースゲルで確認した。エンドトキシンレベルはLimulus Amoebocyte Lysateにより検査し、そして常にインビボ使用について許容されるレベル未満であることが分かった(0.02EU/μg DNA未満)。
【0038】
8週齢のNODまたはBALB/cのメスは、針の貫通を2mmに制限するためのプラスチック製カラーをつけた27Gの滅菌シリンジを使用して前脛骨筋中に100μlの10mM カルジオトキシン(シグマ(Sigma)、レホボット、イスラエル)を注射した。5、12および19日後、マウスに100μlの1μg/μlの所望するDNAワクチンまたは対照としてPBSを注射した。
【0039】
ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドは、ワイズマン科学研究所のオリゴヌクレオチド合成ユニットで合成した。100マイクロリットル(1μg/μl)の各調製物を同じタイムスケジュールで上記のように注射した。このオリゴヌクレオチドCpGは2つの9merのセグメントを含み、これらはpcDNA3アンピシリン耐性遺伝子中に存在する。対照オリゴヌクレオチドGpCは逆モチーフの同じヌクレオチドを表す。
オリゴヌクレオチドCpG:5’−TCCATAACGTTGCA−AACGTTCTG−3’(配列番号2)
オリゴヌクレオチドGpC:5’−TCCATAAGCTTGCAAAGCTTCTG−3’(配列番号3)
血中グルコース
高血糖症は、ベックマンのグルコース分析機II(ベックマン インスツルメンツ(Beckman Instruments)、ブレア、カリフォルニア州、米国)を使用して試験して、13mMを越えるレベルの血中グルコースと定義した。
ペプチドおよび抗原
ペプチドは、記載されているように(Elias,et al,1994)、標準的なFmoc法により合成した。ペプチドは逆相HPLCにより精製し、そしてそれらの組成をアミノ酸分析により確認した。p277(Val−Val11)と命名したこの実験で使用するHsp60ペプチド同族体は、以下のアミノ酸配列を有する:
VLGGGVALLRVIPALDSLTPANED(配列番号4)。このHsp60の同族体は、米国特許第6,180,103号明細書に開示された。本明細書でp12と命名した別のHsp60同族体は配列:EEIAQVATISANGDKEIGNI(配列番号5)を有する。この同族体は米国特許第6,110,746号明細書に開示された。インスリンおよびグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)は、シグマ(シグマ(Sigma)、レホーボット、イスラエル)から購入した。組換えHsp60は(Elias,et al,1991)に記載されているように調製した。コンカナバリンAはシグマから購入した。
T細胞増殖
8週齢のメスのNODマウス群は記載したように、3週間の、PBS、pcDNA3またはpHsp69の注射を受容した。最後の投与から4週間後、脾臓を摘出し、そしてT細胞マイトジェンであるConA、p277(Val−Val11)ペプチドまたはHsp60タンパク質に応答するT−細胞増殖応答をインビトロでアッセイした(Elias,et al,1999)。用量応答曲線は、最適用量を確立するために行った(示さず)。結果を具体的に説明するためにHsp60タンパク質について10μg/mlの濃度を選択し、p277(Val−Val11)について1μg/mlを選択し、そしてConAについて1.25μg/mlを選択したのは、これらの濃度が最適応答を生成するからであった。T細胞応答は72時間培養のうち最後の18時間、4連のカルチャーのウェルに加えた[メチル−H]チミジンの取り込みにより検出した。刺激指数(SI)は、いずれも含まずに培養した対照ウェルに対して、抗原−またはマイトジェン−を含有するウェルの平均c.p.m.の比率として計算した。平均c.p.m.からのSDは、常に<10%であった。抗原無しのバックグラウンドc.p.m.は、800〜1500c.p.m.であった。
サイトカインアッセイ
脾臓細胞は、10週齢のNODメスから調製した。脾臓細胞は3連で、培地単独、またはCpGもしくはGpCオリゴヌクレオチドの濃度を上げてインキューベーションした。上清を48時間で集めた。上清中のサイトカインは、ファルミンゲン(Pharmingen)の対合抗体(ファルミンゲン、サンディエゴ、カリフォルニア州)を使用して、ファルミンゲンのサイトカインELISAプルトコールに従ってELISAにより検出した。ファルミンゲンの組換えマウスのサイトカインは、カリブレーションカーブ用の標準として使用した。サイトカイン濃度は、標準として組換えサイトカインを使用したカリブレーションカーブから誘導した平均ng/mlとして示す。
ELISA アッセイ
マウス血清は、p277(Val−Val11)ペプチドに対する、またはHsp60に対する抗体の結合について記載されているように試験した(Elias,et al,1997)。簡単に説明すると、10μg/mlの種々の抗原をアッセイのマイクロプレート(Maxisorp:ヌンク(Nunc)、ロスキルデ、デンマーク)に適用し、そしてプレートを試験血清とインキューベーションした。抗体の結合はアルカリホスファターゼ−結合抗マウスIgGまたはアイソタイプ−特異的抗−マウスIgG1、IgG2aまたはIgG2b(ジャクソン イムノリサーチ(Jackson ImmunoResearch)を使用して検出した。有意な量の抗体は、0.25より高いOD405nmの読み取りとして定め、これは10匹の正常BALB/cマウスの血清を使用して得た平均ELISAの読み取りから3SD高い。
膵臓の組織学
各処置群からのマウスは、ほとんどすべての非−処置または対照−処置NODマウスが病気であった6カ月齢で殺した。膵臓は10%緩衝化ホルマリンに固定し、切片とし、そして標準的なヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色し、そしてインスリン炎の程度の平均を膵臓あたり20個を越える小島の採点について評価した。浸潤が検出されなかった時、小島は透明;周囲−インスリン炎または小島内の浸潤が小島の25%未満を占めることが検出された時は、軽度の浸潤;小島の25〜50%が小島内の炎症細胞により占められている時は、浸潤;そして小島の50%より多く占められている時は重度の浸潤と分類した。
統計的有意性
InStat 2.01プログラムを統計分析に使用した。スチューデントt検定およびχ−検定を行って実験と対照群との間の統計的有意性をアッセイした。
結果
Hsp60 DNAはBALB/cマウスを特異的に免疫感作する
ヒトHsp60を含有するpcDNA3(ここではpHsp60と呼ぶ)が特異的な免疫原性であるかどうかを試験するために、メスのBALB/cマウスに2回(5および23日)、100μgのpcDNA3またはpHsp60をi.m.注射し、そして血清抗体を周期的にアッセイした。
【0040】
図1Aは、pHsp60で免疫感作したBALB/cマウスが特異的な抗−Hsp60 IgG抗体を生じ、一方Hsp60タンパク質に対する抗体はpcDNA3で免疫感作したこれら動物では検出できなかったことを示す。8週例のメスBALB/cの5群をカルジオトキシンで前処置し(0日)、そして5および24日にpHsp60、pcDNA3またはPBSで免疫感作するか、あるいは未処置のままとした。矢印は注射時期を示す。血清サンプルはカルジオトキシンでの処置前および各注射から10日後に採取し、そしてHsp60(図1A)、およびGST(図1B)に対する抗体をELISAにより測定した。GSTに対する抗体は、最後の注射から10日後に表す。平均±SDを示す(1つのアスタリスクはpcDNA3処置マウスと比べてP<0.02を示し、2つのアスタリスクはpcDNA3処置マウスと比べてP<0.005を示し、プラス記号は最初のDNA投与後にpHsp60で処置したマウスと比べてP<0.05を示す)。
【0041】
抗−Hsp60特異的抗体は、1回のDNA注射から14日後に早くも検出された(pcDNA3予防接種対照に比べてp<0.02)。2回目のDNA注射から10日後の追加免疫効果は明らかであった(最初の投与後の同じ群と比べてp<0.05、pcDNA予防接種したマウスと比べてp<0.005)。pHsp60を用いた予防接種により誘導される免疫応答は特異的であった:pHsp60は図1Bで示すように、非−関連組換えタンパク質であるグルタチオン S−トランスフェラーゼ(GST)に対する抗体を誘導しなかった。これらの結果は、空のpcDNA3ベクターではなくpHsp60構築物が1回の予防接種で有意な量の特異的抗体をBALB/cマウスに誘導することができ、そして追加免疫後に力価を上昇させることを示している。
DNA注射はNOD糖尿病の発症を抑制する
pHsp60の免疫感作がNODマウスにおいて自然発生糖尿病の発症をモジュレートするのかどうかを試験するために、本発明者は8週齢のメスNODマウスを1週間の間隔で3回予防接種し、そしてそれらのグルコースレベルを追跡した。図2は糖尿病の累積的発病率を示す。メスのNODマウスは各群17〜18匹に配置し、そしてPBS、pcDNA3またはpHsp60で免疫感作した。対照群は未処置のままであった。pcDNA3およびHsp60を予防接種した群は、糖尿病の有意に低い発病率をもたらした(1つのアスタリスクはPBS処置マウスに比べてp<0.001を表し、2つのアスタリスクはPBS処置マウスに比べてp<0.002を表す)。
【0042】
未処置およびPBSで処置した動物の両方が、NODのメスに予想された糖尿病の発病率をもたらした:それらの約90%が6カ月までに病気になった。pHsp60を予防接種したマウス、および驚くべきことには空のpcDNA3構築物を予防接種したマウスは、糖尿病の発病率において有意な低下を示した。pHsp60で処置したマウスの約41%(p<0.002)およびpcDNA3で処置したマウスの38%(p<0.001)のみが6カ月齢で糖尿病であった。このようにDNA予防接種は、投与するベクター中のhsp60遺伝子の存在に関係しないメカニズムにより糖尿病の発症をモジュレートする。
【0043】
マウスが6カ月齢である観察期間の終わりに、組織学検査のために膵臓を得た。図3は非処理またはPBS処理マウスから得た小島の40〜50%が重度に浸潤され、そして5〜10%の小島にインスリン炎が無いだけであった。対照的にDNAで処置したマウスから得た小島の50〜70%にインスリン炎がなかった:非処置マウスまたはPBS処置マウスに比べて、pcDNA3注射マウスおよびpHsp60群の両方についてp<0.001。pHsp60およびpcDNA3で処置した群間の差異は、有意でなかった。
【0044】
8週齢のNODのメスに、PBS、pcDNA3またはpHsp60を図2の脚注に記載したように注射するか、または処理せず、そしてそれらの膵臓を6カ月齢で摘出した。インスリン炎の程度は、各膵臓中の少なくとも20個の小島を採点することにより決定した。小島は透明(中抜き棒)、周囲−インスリン炎または小島の25%未満を占める小島内浸潤(明るい灰色の棒)、小島の25〜50%を占める小島内浸潤(暗い灰色の棒)、および小島の50%より多くを占める小島内浸潤(黒色の棒)として表す。1つのアスタリスクはPBS処置マウスに比べてp<0.001を表す。
【0045】
したがって、ヒトHsp60をコードするベクター(pHsp60)、または空のベクター(pcDNA3)のいずれを用いたDNA予防接種も、NODのメスに自然発生糖尿病の発病を減少させた。この効果はインスリン炎の無い膵臓の小島の数の有意な上昇を伴った。
DNA予防接種したマウスにおいて、Hsp60およびp277(Vall6−Val11)に対するT細胞増殖の阻害
NODマウスの糖尿病発症を導くプロセスは、Hsp60タンパク質に由来するペプチドp277の投与により阻止することができる(Elias et al,1991)。ペプチドp277またはその同族体p277(Vall6−Val11)でのNODマウスの成功裏の処置には、Hsp60およびp277に対するT細胞増殖の低下と一緒に、p277に対する特異的抗体の誘導を関係する(Elias et al,1997)。したがって本発明者はDNAを予防接種した、またはPBSで処置したNODマウスから単離した膵臓細胞をアッセイして、それらのp277(Vall6−Val11)およびHsp60に対する増殖的応答を検査した。5群の8週齢のメスのNODマウスは、PBS、pcDNA3またはpHsp60の注射を3回、一週間の間隔で受容した。4週間後、それらの膵臓細胞を摘出し、そしてT−細胞の増殖的応答を、10μg/mlのヒトHsp60(図4A)または1μg/mlのp277(Vall6−Val11)(図4B)で刺激してから72時間後にアッセイした。結果は、培地単独でインキューベーションしたサンプル対と比較して、刺激指数(SI)±SDとして表す。(1つのアスタリスクはPBS処置マウスに比べてp<0.01を表し、プラス記号はPBS処置マウスに比べてp<0.05を表す)。
【0046】
図4Aおよび4Bに示すように、PBSで処置したNODマウスはHsp60(図4A)およびp277(Vall6−Val11)(図4B)に対する自然発生反応性を現した。対照的に、pcDNA3またはpHsp60を予防接種したマウスからの脾臓細胞は、p277(Vall6−Val11)(p<0.05)に対する、およびHsp60(p<0.01)に対する反応性の減少を示した。しかし両処置および非処置マウスからのT細胞はConAに対して同様な反応性を示し(示さず)、これはDNA予防接種による誘導されるT細胞反応性の一般的な阻害がなかったことを示す。これらの結果はプラスミドDNAでの処置が、NODマウスでの糖尿病誘発性プロセスに特徴的なHsp60およびp277(Vall6−Val11)に向けられた自然発的な増殖応答をダウンレギュレートしたことを示唆した。
DNA予防接種によるp277(Vall6−Val11)に対する、およびHsp60に対する抗体の誘導
p277またはその同族体での処置により糖尿病から保護されたNODマウスで観察されたHsp60およびそのペプチドp277または同族体p277(Vall6−Val11)に対するT細胞増殖の減少は、p277に対する抗体の誘導と関連する(Elias et al,1997)。DNA予防接種の防御的効果が、Hsp60およびp277(Vall6−Val11)に対する抗体の出現と関係するのかどうかを見るために、本発明者は最後のDNA注射から14日後に、14週齢でDNA予防接種をした動物の抗体応答を分析した。18NODマウス群を、PBS、pcDNA3、pHsp60またはCpGもしくはGpCオリゴヌクレオチドで処置する一方、1群は未処置のままにした。処置から2週間後、個々の血清を1:100の希釈で特異的抗体の存在について試験した。図5AはHsp60およびp277(Vall6−Val11)に対する血清抗体を示し、そして図5BはGAD、インスリンおよびGSTに対する血清抗体を示す。データは各群について平均±SDで表す(アスタリスクはPBS処置マウスに比べてp<0.001を表す)。
【0047】
図5Aは、p277(Vall6−Val11)に対する抗体が未処置またはPBS注射動物の血清では検出されなかったことを示す。p277(Vall6−Val11)およびHsp60に対する抗体の不存在は、この年齢のNODマウスでは予想される(Krause et al,1999)。pHsp60で免疫感作したBALB/cマウスにおけるp277(Vall6−Val11)に対する抗体は検出されず、一方抗−Hsp60抗体の出現が示された(図7およびデータは示さず)。しかしpHsp60またはpcDNA3を予防接種したNODマウスは、p277(Vall6−Val11)に対する有意なレベルの抗体を現した(p<0.001)。このようにpcDNA3またはpHsp60のいずれかを用いたDNA予防接種によるNODマウスにおける糖尿病の抑制は、たとえpcDNA3構築物がHsp60をコードする遺伝材料を含まなくても、Hsp60およびペプチドp277(Vall6−Val11)に対する抗体の誘導に関連する。
CpG注射はHsp60およびペプチドp277(Vall6−Val11)に対する抗体を誘導する
細菌のDNAは免疫系に危険なシグナルとして認識される免疫刺激配列を含み、先天性および適応免疫系の両方の細胞に一連の応答を誘起する(Lipford et al,1998;Krieg et al,19989;Krieg,1999)。pcDNA3ベクターはそのアンピシリン耐性遺伝子内に免疫刺激CpG配列を含む(Boccaccio et al,1999)。本発明者は2つのCpG配列を持つDNAオリゴヌクレオチドがpcDNA3での予防接種に続いてHsp60およびp277(Vall6−Val11)に対する特異的抗体の生産を誘導できるかどうかを試験した。対照として、CpGモチーフが逆のオリゴヌクレオチドGpCを使用した。
【0048】
8週齢のNODマウスをオリゴヌクレオチドCpGまたはGpCで処置し、そしてHsp60、p277(Vall6−Val11) 、GAD、インスリンおよびGSTに対する抗体をELISAにより14週齢でアッセイした。図5Aに示すようにCpGオリゴヌクレオチドでの処置は、Hsp60およびp277(Vall6−Val11)に対する有意なレベルの抗体を誘導した(p<0.002)。さらにCpGにより誘導される抗体の力価も、GpC処置マウスで見られるレベルと比べた時に有意であった(p<0.02)。GpCオリゴヌクレオチドはHsp60およびp277(Vall6−Val11)に対する特異的抗体を誘導できなかったので、これら特異的抗体のpcDNA3ベクターによる誘導は、CpGモチーフの存在と関連するかもしれない。すなわち免疫刺激配列単独でのNOD免疫系の刺激は、Hsp60およびそのペプチド同族体であるp277(Vall6−Val11)に対する特異的な自己抗体の生産を誘起することができる。
【0049】
p277(Vall6−Val11)およびHsp60抗原に対する抗体の出現は、IgG−分泌クローンのポリクローナル活性化をもたらすと考えられた。それゆえに、異なるマウス群に由来する血清を、インスリン、GADおよび細菌組換えタンパク質GSTについてアッセイした。図5Bはインスリン、GADまたはGSTに対する抗体のレベルが群間で本質的に同じであったことを示す。すなわちpHsp60、pcDNA3ベクターまたはCpGオリゴヌクレオチドの投与は、Hsp60およびp277(Vall6−Val11)に対する特異的抗体を誘導した。これはHsp60およびp277(Vall6−Val11)に対する特異的抗体の誘導がポリクローナル活性化の結果ではないことを示す。
CpG注射はNOD糖尿病を抑制する
CpGオリゴヌクレオチドの投与がpcDNA3ベクターと同様にNODマウスにおける自然発生糖尿病の発症をモジュレートするかどうかを試験するために、8週齢のメスのNODマウス群を1週間の間隔で3回、予防接種し、そしてそれらのグルコースレベルを追跡した。図6は糖尿病の累積的発病率を示す。メスのNODマウスは各群15〜18匹に配置し、そしてPBS、CpGまたはGpCで免疫感作した。対照群は未処置のままであった。CpG予防接種した群は、糖尿病の有意に低い発病率をもたらした(アスタリスクはGpC処置マウスに対してp<0.015を表す)。
【0050】
未処置およびPBSで処置した動物の両方が、メスのNODに予想された糖尿病の発症率をもたらした:それらの約85%が6カ月齢までに病気になった。さらに対照オリゴヌクレオチドGpCを予防接種したマウス群では糖尿病の発病率が影響を受けなかった。しかしCpGを予防接種したマウスは、糖尿病の発症率において有意な低下を示した。CpGで処置したマウスのわずか約40%(p<0.015)が6カ月齢で糖尿病であった。
【0051】
したがってpcDNA3を用いた免疫感作後に観察される防御効果は、CpGモチーフを含むDNAオリゴヌクレオチドで再現できた。対照オリゴヌクレオチドGpCは疾患の発病率に有意な効果がなかったので、関与するメカニズムは配列特異的である。
抗体アイソタイプ
特異的な血清抗体のアイソタイプは抗原に対する免疫応答の表現型を特徴つけるものであり;抗体のアイソタイプが免疫応答を調節するサイトカインの複雑なネットワークのインビボでの統合に反映する。IgG1およびIgG2bアイソタイプの抗体は、それらがそれぞれIL−4およびTGF−αに依存的であるので特異的なTh2応答を明示する(McIntyre et al,1993;Snapper et al,1993)。対照的に、IgG2aアイソタイプの抗体はIFN−γ依存的であり、そしてそれらはTh1応答の存在を明らかにする(McIntyre et al,1993;Snapper et al,1993)。したがって、最後の注射から14日後にDNA予防接種したマウスで検出される、p277(Vall6−Val11)およびHsp60に対する抗体のアイソタイプを研究した。pcDNA3、pHsp60またはCpGオリゴヌクレオチドで処置したNOD(黒い棒、n=18)またはBALB/c(白い棒、n=5)マウスに由来する、Hsp60(図7A)またはp277(Vall6−Val11)(図7B)に対する血清抗体のアイソタイプを、最後の予防接種から2週間後に測定した。抗体のアイソタイプは、個々の血清を1:1000に希釈して試験した。データは各群について平均±SDとして示す(アスタリスクは同じ群中のIgG2aレベルと比べてp<0.01を表す)。
【0052】
図7Aおよび7Bは、Hsp60およびp277(Vall6−Val11)に対して誘導された抗体が、主にIgG2bアイソタイプであったことを示す(IgG2aレベルと比べてp<0.01)。Hsp60およびp277(Vall6−Val11)に対するIgG1抗体のレベルにもわずかな上昇があったが、この誘導はCpGオリゴヌクレオチドで処置した群のIgG2a特異的抗体の量と比べる時のみ有意であった。さらにpHsp60、pcDNA3およびCpG処置NODマウス間に抗体のアイソタイプに差異は無かった。すなわちDNAプラスミドにより、またはCpGオリゴヌクレオチドにより誘導される糖尿病の抑制は、両方の場合でHsp60およびp277(Vall6−Val11)に対する、Th−2型応答の特徴であるIgG2bアイソタイプの抗体の誘導を伴う。
【0053】
興味深いことには、NODマウスに比べてBALB/cで誘導された抗体に顕著な差異があったことである。BALB/cマウスはpHsp60で予防接種した時にHsp60に対する抗体を生成したが、pcDNA3での免疫感作後には生成しなかった(図1A)。さらに誘導された抗体は主にIgG1サブクラスであり、そしてBALB/cマウスはp277(Vall6−Val11)に対する抗体を作成しなかった。これらの結果は、自己抗原Hsp60に対する抗体分泌を調節するサイトカインネットワークにおける種−特異的差異を示す。
CpGオリゴヌクレオチドによるIL−10およびIFNγ分泌の誘導
CpGのサイトカイン効果について洞察を深めるために、CpGオリゴヌクレオチドでインビトロ刺激した後のNOD脾臓細胞により分泌されるIL−10(Th2サイトカイン)、およびIFNγ(Th1サイトカイン)の量をアッセイした。様々なサイトカインが異なる生理学的量で分泌されるので、ConA(プロトタイプ型のT−細胞マイトジェン)とインキューベーションした脾臓細胞の対照群を含めた。NOD脾臓細胞はCpGまたはGpCオリゴヌクレオチドの濃度を上げながら3連で48時間インキューベーションし、そしてそれらの上清を、放出されたIFNγおよびIL−10サイトカインの量について試験した。対照脾臓細胞はConA(1,25μg/ml)とインキューベーションして、相対的な応答の規模を得た。図8AはIL−10生産を示し、そして図8BはIFNγ生産を示す。データは3連の平均±SDとして示す。3回の独立した実験では同様な結果を生じた。
【0054】
図8Aおよび8Bに示すように、CpGオリゴヌクレオチドはNOD脾臓細胞で用量−依存的様式でIL−10およびIFNγの両方の生産を誘導した。しかしConA刺激に対して放出されたサイトカインの量と比べた時、CpG処置の効果はIFNγの刺激よりもIL−10の刺激に相対的により効果的となるようであった。CpGは、ConAにより放出されるIFNγの約1/4の7ng/mlのIFNγの最大放出を誘起した。対照的に、CpGは、ConA刺激により誘導される量よりもほぼ10倍高い1.5ng/mlのIL−10の放出を誘導した。
CpGはインビトロで脾臓細胞を活性化する
CpG処置による自然発生NOD糖尿病の制御に関与する調節メカニズムを研究するために、我々は1または2つのCpGモチーフを含むオリゴヌクレオチドを使用した。オリゴはそれぞれDP(ダブルポジティブ)またはSP(シングルポジティブ)と呼んだ。対照として、我々はCpGモチーフが逆のオリゴ、したがって不活性になったものを使用した。これらの対照オリゴはDN(ダブルネガティブ)またはSN(シングルネガティブ)と呼んだ。脾臓細胞に対するCpGモチーフのインビトロ効果を調査するために、脾臓細胞を正常血糖値の3カ月齢のNODメスから調製し、そして96ウェルプレート中で72時間、種々の濃度の対照、またはCpGを含有するオリゴヌクレオチドとインキューベーションした。最後の16時間中に、標識したチミジンを培養基に加え、そしてインキューベーション期間の終わりに細胞を回収し、そして種々の刺激物に応答する増殖を定量した。CpGモチーフを含むオリゴヌクレオチド(DPおよびSP)は、用量依存的増殖を誘導することが分かった。さらに2つのCpGモチーフを含むオリゴ(DP)は、1つのCpGモチーフを含むオリゴ(SN)よりも強い増殖を誘導した。対照オリゴヌクレオチドは逆転により除去されたCpGモチーフであり(DNおよびSN)、有意な効果が無かった。CpGが誘導した応答はLPSが誘導する応答と同じくらい強い。脾臓細胞を3000Radsで照射すると(培養中のT−細胞系の刺激に、APCとしてそれらを使用するための標準的な手法)、CpGが誘導する増殖は排除された。
【0055】
同じ実験を、異なる年齢のNODのメスに由来する脾臓を用いて行った。CpG刺激に対する応答で誘導される増殖的応答についてはSPまたはDPでも差異が検出されなかった。さらにNOD脾臓を、年齢と性別が合った動物から取ったC57BL/6またはBALB/c脾臓と比較した時、有意な差異がなかった。したがって、CpGは脾臓細胞の増殖を誘導し、そしてこの増殖はガンマ照射により抑制されることが確認された。
CpGはHsp60発現をアップレギュレートする
ウエスタンブロット実験を行って、脾臓細胞についてCpG刺激がHsp60の発現をアップレギュレートするかどうかを調査した。NOD脾臓細胞は、正常血糖値のメスから単離し、そしてインビトロで48時間、異なる濃度のDPオリゴで刺激した。刺激した脾臓細胞は氷上で5分間溶解させ、そして14000rpmで10分間遠心した後、上清(細胞質画分を表す)はHsp60特異的ポリクローナル抗体を使用してウエスタンブロットにより分析した。CpGとのインキューベーションにより、用量依存的様式でHsp60の発現が誘導された。これゆえに糖尿病の抑制におけるCpGの効果にはCpGによるHsp60のアップレギュレーションが関与し得た。
CpGはHsp60の分泌を誘導する
CpGによる脾臓細胞の刺激後に、Hsp60の組織培養基への放出を研究した。NOD脾臓細胞をインビトロでCpG−ポジティブ(DPおよびSP)または対照(DNおよびSN)オリゴで48時間刺激した。捕捉Elisa法を使用して、刺激期間の終わりに組織培養上清に存在するHsp60を定量した。Hsp60は図9に与えるように実際に用量−依存的様式で、CPGで活性化した脾臓細胞の上清中に検出することができる。ConAまたはLPSで活性化した脾臓細胞はHsp60を放出せず、たとえそれらがパターン認識受容体(LPS/TLR−4)を介してシグナルを発信しても、Hsp60の放出はTまたはB細胞の活性化を導く他の経路とは共有しないCpG/TLR−9経路の特異的な性質であることを示唆する。
CpGはHsp60−特異的T−細胞系を活性化する
CpGを含むオリゴヌクレオチドはHsp60発現および細胞外培地への放出をアップレキュレートした;CpGがHsp60−特異的T−細胞系に及ぼす効果を、照射したAPCの存在下で試験した。NOD T−細胞系は哺乳動物Hsp60の2つの免疫優性エピトープ、p12およびp277に対して生じ、そして対照としてOVAに特異的なNOD T−細胞系を使用した。表1はCpGを含むオリゴがT−細胞増殖を誘導したことを示す。さらにDPオリゴがSPオリゴよりもより強い増殖を誘導したので、オリゴ中に存在するCpG配列数も増殖の強さに影響した。対照オリゴDNおよびSNに応答した有意な増殖は観察されなかった。OVA−特異的T−細胞系はCpGポジティブオリゴに応答して増殖しなかったが、すべての系がそれらの適切な抗原に応答して増殖した。LPSはAPCの存在下で有意な増殖を誘導せず、T−細胞系が非−T細胞を混入していないことを示す。これらのCpGが誘導する応答は、抗−MHC−クラスII抗体により抑制され、CpGが誘導する増殖がMHC−クラスII分子中のHsp60エピトープの提示に関与することを示した。したがってCpGはHsp60をアップレキュレートし、そしてHsp60エピトープであるp277およびp12の提示を誘導し、これが特異的なT−細胞に提示でき、そしてそれらが増殖することを刺激できると結論することができる。
【0056】
【表1】
Figure 2005503320
【0057】
p277(Val−Val11)、p12またはOVAに特異的なNOD T細胞系をインビトロで、CpGポジティブまたは対照オリゴ(10μg/ml)を用いて、またはそれらの対応する抗原(10μg/ml)を用いて刺激した。増殖は72時間後に測定し、そして刺激指数(SI)として表す。
CpGは活性化T−細胞のサイトカインを非−炎症プロフィールへシフトする
CpGを含むオリゴヌクレオチドを用いた刺激に応答したサイトカインの生産を研究した。表2に示すように、1または2個のCpGモチーフを含むオリゴでのインビトロ刺激は、IL−10およびIFNγの放出を誘導した。CpGで刺激したT−細胞系の上清中にIL−2またはIL−4は検出されなかった。ペプチドに特異的な刺激に応答して放出されるサイトカインの量と比較した時、CpGはより高いIL−10量およびより低いIFNγ量の分泌を誘導した。IL−10は免疫応答に対して抑制効果を有することが知られているので、IL−10分泌における相対的な上昇は、NOD糖尿病に及ぼすCpGのポジティブ効果を説明しているかもしれない(Akidis and Blaser,2001)。
【0058】
【表2】
Figure 2005503320
【0059】
P12に特異的なT−細胞を、APCの存在下で72時間、LPS(10μg/ml)、ConA(1.25μg/ml)、CpGポジティブおよび対照オリゴヌクレオチド(10μg/ml)またはp12(10μg/ml)で活性化した。上清を集め、そして分泌したサイトカインを捕捉ELISAで測定した。結果は分泌したサイトカインのpg/mlとして表す。NDは検出されず。
CpGはAPC機能をインビボでダウンレギュレートする
CpG処置がインビボのAPC機能に影響するかどうかを試験するために実験を行った。最近、LPSがNODマウスにおいてAPC機能をダウンレギュレートすることが報告された(Tian et al,2001)。3カ月齢のメスに100μg/マウスで1回、2つのCpGを含むオリゴヌクレオチド、または2つの不活性GpCモチーフを含む対照オリゴヌクレオチドを注射した。脾臓細胞はオリゴヌクレオチド−またはPBS−処理動物から調製し、そして次いでそれらをAPCとして使用するために3000Radで照射した。APCはHsp60のp12ペプチドに特異的なNOD T−細胞系とコーインキューベーションし、次いで系(異なるAPCの存在下で)をp12ペプチドまたはCpGまたは対照オリゴヌクレオチドのいずれかで刺激した。10μg/mlのp12およびCpGで処置したマウスから調製したAPCの存在下で活性化されたT−細胞は、PBSまたはGpC処置マウスから単離したAPCの存在下で活性化されたT−細胞(それぞれ298±24および275±18)よりも有意に低いSI(150±3)を示した。したがってCpG処置したマウスから調製したAPCはGpCまたはPBS処置マウスから取ったものよりも効率が低い。CpGを含むオリゴヌクレオチドにより誘導される増殖的応答において、有意差はなかった。
【0060】
この明らかなAPC機能のダウンレギュレーションの元にあるメカニズムをよりよく理解するために、我々は異なるAPC調製物の存在下、p12またはCpGを含むオリゴヌクレオチドを用いた刺激に応答して放出されるサイトカインを研究した。
【0061】
【表3】
Figure 2005503320
【0062】
APCはCpGモチーフを含むか、または含まないオリゴで処置した動物から単離し、そしてp12特異的T−細胞系を刺激するために使用した。刺激から72時間後、組織培養上清を集め、そして放出されたサイトカインを捕捉ELISAを使用して定量した。
【0063】
表3は、IFNγまたはIL−5のレベルには差は無かったが、p12系をCpG処置マウスから取ったAPCとインキューベーションした時に、周知のサプッサーサイトカインであるIL−10およびIL−4の用量依存的放出があったことを示す。したがってCpG処置はAPC機能に影響し、刺激特性が縮小したAPCの生成を導いた。この効果は、サプレッサーサイトカインである主にIL−10の分泌、およびまたIL−5およびIL−4により主に媒介されると思われる。
CpGは自然発生NOD自己免疫をダウンレギュレートする
インビトロでのCpGの効果の観点から、糖尿病に関連するNODマウスの特異的な自己免疫にCpGが及ぼすインビボ効果を明らかにする実験を計画した。CpGモチーフを含むオリゴを、2カ月齢のNODメスに1回注射した(100μg/マウス)。脾臓細胞はCpGまたは対照オリゴで処置してから1カ月後に調製し、そして糖尿病に関係する自己抗原(GAD、Hsp60およびインスリン)およびCpG含有オリゴに対する自然発生増殖応答を研究した。表4は、CpG含有オリゴで処置したマウスが、Hsp60、GADおよびインスリンに対する増殖の減少を示したが、オリゴ自体(表4)、またはConA、p12、p277(Val−Val11)、p34およびp35(データは示さず)に対する増殖的応答には差がないように見えた。すなわちCpG処置は、NODマウスにおいて特異的な糖尿病に関連する抗原に対する自然発生自己−反応性をダウンレギュレートする。
【0064】
【表4】
Figure 2005503320
【0065】
NOD脾臓細胞は、CpG、GpC含有オリゴまたはPBSで処理してから1カ月後に単離し、そしてそれらの自己抗原およびオリゴヌクレオチドに対する増殖的応答をインビトロで追跡した。結果は平均cpm±SDとして与える。
CpGは自然発生自己免疫のサイトカインプロフィールをシフトする
糖尿病に関連する自己抗原およびCpGに対する免疫応答の表現型を研究した。脾臓細胞はオリゴヌクレオチドまたはPBS処置したマウスから単離し、そしてインビトロ刺激に応答するサイトカインの放出を捕捉ELISAにより測定した。表5はCpG処置マウスがそれらの自己免疫応答をTh2表現型にシフトし、糖尿病に関連する抗原での再刺激に応答してIL−10の分泌が上昇し、そしてIFNγの分泌が低下したことを示す。対照ペプチドp35とのインキューベーションに応答したサイトカインの有意な放出は検出されなかった。すなわちCpGの処置は、NODマウスの自然発生自己免疫応答をTh1からTh2ヘシフトする。
【0066】
【表5】
Figure 2005503320
【0067】
NOD脾臓細胞は、CpG、GpC含有オリゴまたはPBSで処理してから1カ月後に単離して、異なる自己−抗原でのインビトロ刺激に応答するサイトカイン放出を追跡した。結果は平均pg/mlの分泌サイトカインとして与える。
IDDM患者のためのCpG予防接種
本発明によるIDDM患者用のCpG予防接種は、幾つかの実験で試験した。これらの実験の対象群は、新たに診断され、そして慢性化した(established)IDDM患者である。これらの患者では、CpG予防接種は残りの貯蔵ベータ細胞に破壊的な前−炎症性自己免疫攻撃をモジュレートし、それらの生存および機能の続行を可能とすることが期待される。ベータ細胞機能の維持は、改善された代謝制御、インスリン要求の低下および高血糖的攻撃の率の低下をもたらすはずである。改善された代謝制御は、疾患の後期に糖尿病が関係する健康上の合併症を下げるか、または遅らせることが示された。
【0068】
フェイズI−慢性化したIDDMを対象とした安全性試験;二重盲検、無作為のプラセボ−対照;CpGワクチンの3用量、2回投与;投薬スケジュール:0、6カ月+7週間の追跡。
【0069】
フェイズII−安全性&効力試験−慢性化したIDDM;二重盲検、無作為のプラセボ−対照;CpGワクチンの3用量、4回投与;投薬スケジュール:0、1、6および12カ月+6カ月の追跡。基準C−ペプチドレベルが0.1ピコモル/ml以上の患者を実験に含める。試験の終点:刺激したC−ペプチド、インスリン用量、HbA1C、CpGワクチンに対する免疫学的応答(Th2シフト)。
【0070】
フェイズII−安全性&効力試験−新たに診断されたIDDM成人;二重盲検、無作為のプラセボ−対照;CpGワクチンの1〜3用量、4回投与;投薬スケジュール:0、1、6および12カ月+6カ月の追跡。基準C−ペプチドレベルが0.1ピコモル/ml以上の患者を実験に含める。試験の終点:刺激したC−ペプチド、インスリン用量、HbA1C、CpGワクチンに対する免疫学的応答(Th2シフト)。
【0071】
フェイズII−安全性&効力試験−新たに診断されたIDDM幼児;二重盲検、無作為のプラセボ−対照;CpGワクチンの1〜3用量、4回投与;投薬スケジュール:0、1、6および12カ月+6カ月の追跡。基準C−ペプチドレベルが0.1ピコモル/ml以上の患者を実験に含める。試験の終点:刺激したC−ペプチド、インスリン用量、HbA1C、CpGワクチンに対する免疫学的応答(Th2シフト)。
【0072】
すべての臨床試験は、ワクチンに関する通例のスケジュールに従う時期に、限られた数の投与を必要とする、CpGワクチンがワクチンとして作用するという作業仮説に基づく。CpGワクチンは慢性的処置のために治療用ワクチンとしても投与することができ、そして疾患に特異的なTh1からTh2へのシフトを維持するために、より強い投薬スケジュールが必要である。
【0073】
IDDM患者の処置のためのDNAワクチンは、さらにHsp60、p277、p277(Val−Val11)およびp12から成る群から選択されるポリペプチドをコードするDNA配列を含んで成ることができる。さらなるワクチンおよび処置計画は、さらにHsp60、p277、p277(Val−Val11)およびp12から成る群から選択されるペプチドまたはポリペプチド分子の投与を含んで成ることができる。ペプチドまたはポリペプチド分子は、DNAワクチンと一緒に、またはDNAワクチンとは独立して、または別に投与してもよい。
【0074】
前述の具体的態様の記載は、本発明の一般的性質を完全に明らかにしているので、他者が現在の知識を応用することにより、実験を行うことなく、そして一般的概念から逸脱することなくそのような具体的態様を種々の応用に容易に修飾かつ/または適合でき、したがってそのような適合および修飾は開示した態様の均等物の意味および範囲内に包含されるべきであり、かつ包含することを意図する。本明細書で使用する語法および用語は、説明を目的とするものであり限定するものではない。種々の開示した機能を行うための手段、材料および工程は、本発明から逸脱することなく様々な代替的形態を取ることができる。すなわち上記明細書および/または特許請求の範囲に見いだされる、「〜するのための手段」および「〜のための手段」という表現、または任意の方法の工程の用語、続いて機能的叙述は、いかなる構造的、物理的、化学的または電気的要素または構造でも、あるいは述べた機能を行う現在、または将来存在し得るいかなる方法工程でも、上記の明細書に開示した態様(1つまたは複数)に厳密に等しくても、等しくなくても、すなわち同じ機能を行うために他の手段または工程を使用することができることを意図し、そして網羅し:そしてそのような表現にはそれらの最も広い解釈が与えられることを意図する。
【0075】
【表6】
Figure 2005503320
【0076】
【表7】
Figure 2005503320
【0077】
【表8】
Figure 2005503320
【0078】
【表9】
Figure 2005503320
【0079】
【表10】
Figure 2005503320

【図面の簡単な説明】
【図1】
図1Aおよび1Bは、プラスミドpHsp60で免疫感作したBALB/cマウス中のHsp60に対する抗体を表すグラフである。
【図2】
DNA予防接種によるNOD糖尿病の防止を示すグラフである。
【図3】
DNA予防接種によるインスリン炎の減少を示すグラフである。
【図4】
図4Aおよび4Bは、DNA予防接種したマウスにおけるHsp60およびp277(Val−Val11)に対する増殖的応答を示すグラフである。
【図5】
図5Aおよび5Bは、プラスミドまたはCpGオリゴヌクレオチドで予防接種することにより、Hsp60およびp277(Val−Val11)に対する抗体の誘導を示すグラフである。
【図6】
CpG注射によるNOD糖尿病の防止を示すグラフである。
【図7】
図7Aおよび7Bは、プラスミドまたはCpGオリゴヌクレオチドで予防接種することにより、Hsp60およびp277(Val−Val11)に対する抗体のアイソタイプを示すグラフである。
【図8】
図8Aおよび8Bは、NOD脾臓細胞カルチャー中のCpGオリゴヌクレオチドに応答するIL−10およびIFNγの生産を示すグラフである。
【図9】
CpGを用いた脾臓細胞の活性化がHsp60放出を導くことを示すグラフである。

Claims (27)

  1. CpGモチーフを含んで成る配列を持つDNA分子を含んで成る効果的な量のDNAワクチンで自己免疫疾患を有する患者に予防接種することを含んで成る、進行中の自己免疫疾患の処置法。
  2. 上記自己免疫疾患がインスリン−依存性糖尿病である、請求項1に記載の方法。
  3. 上記DNA分子が、5’側で2つのプリンにより、そして3’側で2つのピリミジンにより挟まれたジヌクレオチドCGを含んで成る配列を有する、請求項1に記載の方法。
  4. 上記配列がAACGTTを含んで成る、請求項3に記載の方法。
  5. 上記DNAワクチンが、Hsp60、p277、p277(Val−Val11)およびp12から成る群から選択されるペプチドまたはポリペプチドをコードするDNA配列をさらに含んで成る、請求項2に記載の方法。
  6. さらにHsp60、p277、p277(Val−Val11)およびp12から成る群から選択されるペプチドまたはポリペプチド分子を投与する工程を含んで成る、請求項2に記載の方法。
  7. ペプチドまたはポリペプチドがDNAワクチンと同時に投与される、請求項6に記載の方法。
  8. ペプチドまたはポリペプチドがDNAワクチンと別に投与される、請求項6に記載の方法。
  9. CpGモチーフを含んで成る配列を持つDNA分子を含んで成る効果的な量のDNAワクチンを用いて、自己免疫疾患の防止が必要な個体に予防接種することを含んで成る、自己免疫疾患の防止法。
  10. 上記自己免疫疾患がインスリン−依存性糖尿病である、請求項9に記載の方法。
  11. 上記DNAワクチンが、5’側で2つのプリンにより、そして3’側で2つのピリミジンにより挟まれたジヌクレオチドCGを含んで成る配列を有する、請求項9に記載の方法。
  12. 上記配列がAACGTTを含んで成る、請求項11に記載の方法。
  13. 上記DNAワクチンが、Hsp60、p277、p277(Val−Val11)およびp12から成る群から選択されるペプチドまたはポリペプチドをコードするDNA配列をさらに含んで成る、請求項9に記載の方法。
  14. さらにHsp60、p277、p277(Val−Val11)およびp12から成る群から選択されるペプチドまたはポリペプチド分子を投与する工程を含んで成る、請求項9に記載の方法。
  15. ペプチドまたはポリペプチドがDNAワクチンと同時に投与される、請求項14に記載の方法。
  16. ペプチドまたはポリペプチドがDNAワクチンと別に投与される、請求項14に記載の方法。
  17. 進行中の自己免疫疾患の処置または防止のためのワクチンを調製するためのCpGモチーフを含んで成るDNA分子の使用。
  18. 自己免疫疾患がインスリン−依存性糖尿病である、請求項17に記載の使用。
  19. 上記DNA分子が、5’側で2つのプリンにより、そして3’側で2つのピリミジンにより挟まれたジヌクレオチドCGを含んで成る配列を有する、請求項17に記載の使用。
  20. 上記配列がAACGTTを含んで成る、請求項19に記載の使用。
  21. 上記DNAワクチンが、Hsp60、p277、p277(Val−Val11)およびp12から成る群から選択されるペプチドまたはポリペプチドをコードするDNA配列をさらに含んで成る、請求項17に記載の使用。
  22. 上記ワクチンがHsp60、p277、p277(Val−Val11)およびp12から成る群から選択されるペプチドまたはポリペプチド分子をさらに含んで成る、請求項17に記載の使用。
  23. IDDMに関連するペプチドまたはポリペプチド抗原をコードするDNA配列を含んで成るDNAワクチン。
  24. 上記CpGモチーフが、Hsp60、p277、p277(Val−Val11)およびp12から成る群から選択されるペプチドまたはポリペプチドをコードするDNA配列をさらに含んで成る、請求項24に記載のDNAワクチン。
  25. CpGモチーフをさらに含んで成る、請求項23に記載のDNAワクチン。
  26. 上記CpGモチーフが、5’側で2つのプリンにより、そして3’側で2つのピリミジンにより挟まれたジヌクレオチドCGを含んで成る配列を有する、請求項24に記載のDNAワクチン。
  27. 上記CpGモチーフがAACGTTを含んで成る、請求項24に記載のDNAワクチン。
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