JP2005502537A - ブレーキサーボモータにより提供される増幅を決定するための方法 - Google Patents
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- B60T13/46—Vacuum systems
- B60T13/52—Vacuum systems indirect, i.e. vacuum booster units
Abstract
本発明は、自動車用ブレーキ装置内の空気支援サーボモータ(14)によって提供される増幅の瞬間値を求めるための方法及び装置に関しており、サーボモータの負圧チャンバ(24)内の相対真空レベルの瞬間値と、マスターシリンダ(16)からの出口の液圧の瞬間値が、センサ(28及び30)を使って測定され、前記センサ(28及び30)により提供される出力信号は、データ処理手段(32)により処理され、サーボモータによって提供される瞬間増幅に比例する差圧(ΔP)と、必要に応じて、サーボモータの作動チャンバ(26)内の圧力(Prc)の瞬間値とが計算される。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車用の、ブレーキ装置内の空気支援サーボモータによって提供される増幅の瞬間値を決定するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野では周知のように、空気支援サーボモータは、例えば内燃機関の吸気マニホルドのような負圧源に接続されている負圧チャンバと、大気圧の空気が選択的に供給される作動チャンバとを備えており、両チャンバは、軸方向ピストンを備えた可動隔壁によって分離されている。
【0003】
車両の運転者が操作するブレーキペダルは、制御ロッドを介してサーボモータの軸方向ピストンに接続されており、ピストンは、ブレーキ装置の液圧マスターシリンダの作動ロッドに接続されている。非作動時、サーボモータの作動チャンバは、負圧チャンバに接続され、周囲の大気から分離されている。運転者がブレーキペダルを踏み込むと、作動チャンバは、負圧チャンバから分離され、次いで大気圧の周囲の空気に接続されるので、作動チャンバ内の圧力は、大気圧と等しくなるまで徐々に高くなる。運転者がブレーキペダルに掛けるブレーキ力は、サーボモータによって、サーボモータの両チャンバ間の差圧に比例して増幅され、この増幅は、作動チャンバ内の圧力が大気圧と等しくなったときに最大値に達し、最大値に達したということは、サーボモータが飽和状態にあることを意味している。
【0004】
サーボモータのチャンバ内の圧力又は真空レベルの値が分かると、サーボモータの状態を検査できるだけでなく、サーボモータが提供する増幅度を求めることができ、且つ監視することができるが、そのためには、サーボモータの両チャンバ内に圧力センサを取り付けねばならず、センサを作動チャンバ内に配置し、データ処理手段に接続するのは幾分難しく、かなり不都合である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の目的は、特に、そのような不都合を避けることにある。
この目的のために、本発明は、サーボモータの作動チャンバの内側に圧力センサを配置する必要も、前記チャンバ内の圧力を直接測定する必要もなく、サーボモータによって提供される増幅度を求めることのできる方法及び装置に取り組んでいる。
【0006】
従って、本発明は、自動車用ブレーキ装置内の空気支援サーボモータによって提供される増幅の瞬間値を求めるための方法を提供しており、サーボモータは、負圧チャンバと、作動チャンバとを備えており、両者は、ブレーキ装置の液圧マスターシリンダを作動させるためのピストンを備えた可動隔壁によって分離されており、前記増幅は、サーボモータの両チャンバ間の差圧に比例しており、前記方法は、サーボモータ内の空気圧の測定と、マスターシリンダからの出口における液圧の測定とを含んでおり、前記方法は、
作動チャンバ内の圧力が大気圧と等しくなる全ての作動点で構成され、Pfcをサーボモータの負圧チャンバ内の相対真空レベルとし、Pmcをマスターシリンダからの出口における液圧とした、Pfc、Pmcを両軸とする直交図内の線分で表されている、サーボモータの飽和特性曲線を利用する段階と、
マスターシリンダからの出口における液圧の瞬間値Pmciと、サーボモータの負圧チャンバ内の相対真空レベルの瞬間値Pfciとを測定する段階と、
ブレーキ作動途上で、前記真空レベルの測定瞬間値が軸Pfc上の座標となる、前記飽和曲線上の点Psを求める段階と、
点Psの軸Pmc上の座標Pmcsを求める段階と、
測定瞬間値Pmciが点Psの座標Pmcsより低い場合は、差圧(ΔP)として、マスターシリンダからの出口における圧力の測定瞬間値Pmciに定数を掛けたものか、又は、前記飽和曲線上の、軸Pmc上の座標がPmciとなる点の、軸Pfc上の座標を取る段階と、
測定瞬間値Pmciが点Psの座標Pmcs以上である場合は、差圧ΔPとして、サーボモータの負圧チャンバ内の相対真空レベルの測定値Pfciを取る段階と、から成ることを特徴としている。
【0007】
従って、本発明では、例えばサーボモータの負圧チャンバの固定壁上に装着されており、圧力、具体的には負圧チャンバ内の相対的な真空レベルの測定瞬間値を出力する空気圧センサが1つ必要なだけであり、この測定値は、マスターシリンダからの出口における液圧の測定値と組み合わせられ、サーボモータの両チャンバ間の差圧、即ちサーボモータが提供する増幅の瞬間値を計算するのに用いられる。
【0008】
サーボモータが提供するそのような増幅値が分かると、具体的には、従来型のサーボモータを、従来型のサーボモータほど強力ではないがそれほどには嵩張らないもっと小型のサーボモータと取り替えることができ、この小型のサーボモータは、ブレーキペダルに加えられる力を飽和状態まで増幅し、その後、必要に応じて、増幅度を、ポンプ等により、最初にポンプにより提供される増幅度を調整することによって、サーボモータにより提供される最大増幅度まで更に高めるので、運転者は、ポンプ等がサーボモータにより提供される増幅度の補足を開始したときも、変化を全く感じることはない。
【0009】
本発明による方法は、更に、計算を使って、求められた両チャンバ間の差圧の値に基いてサーボモータの作動チャンバ内の圧力を求める段階と、サーボモータ内に起こり得る欠陥又は故障を検出するために前記圧力の変化を監視する段階と、を含んでいる。
【0010】
本発明は、上記方法を実行するための装置も提供しており、前記装置は、サーボモータの負圧チャンバ内の圧力を検出し測定する手段と、マスターシリンダからの出口における液圧を検出し測定する手段と、データ処理手段とを備えており、前記データ処理手段は、上記検出し測定する手段からの出力信号を受け取り、更に、ブレーキ作動途上で、サーボモータの飽和曲線上の点Psと、前記点の軸Pmc上の座標Pmcsとを求め、測定瞬間値Pmciを座標Pmcsと比較し、その比較の結果次第で、差圧ΔPとして、測定値Pmciに定数を掛けたものか、又は測定値Pfciの何れかを取るようにプログラムされており、前記サーボモータの作動チャンバには、圧力を検出し測定する手段が装着されていないことを特徴としている。
【0011】
好都合に、データ処理手段は、更に、両チャンバ間の差圧と、負圧チャンバ内の真空レベルの測定瞬間値Pfciとに基いて、計算により、サーボモータの作動チャンバ内の圧力の瞬間値を求めるようプログラムされている。
加えて、そして更に好都合に、これらのデータ処理手段は、サーボモータによって提供される最大増幅が十分でない場合、ブレーキ回路内の液圧を高めるための、ポンプ等の様な手段を制御するようプログラムされている。
【0012】
本発明の上記及びその他の特徴、特性及び利点は、例を挙げている以下の詳細な説明を添付図面と合わせて参照すれば明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に概略的に示す自動車用のブレーキ装置は、液圧マスターシリンダ16を制御するために制御ロッド12を介して空気支援サーボモータ14の軸方向ピストンに接続されているブレーキペダル10を備えており、マスターシリンダ16には液体タンク18からブレーキ液が供給され、マスターシリンダ16の出口パイプ20は車輪のブレーキ回路22に接続されている。
【0014】
従来のものと全く同様に、サーボモータ14は、車両の内燃機関の吸気マニホルドの様な負圧源に接続されている前方チャンバ即ち負圧チャンバ24と、選択的に負圧チャンバ24と相互接続されるか、又は大気圧の周囲の空気に接続される後方チャンバ即ち作動チャンバ26とを備えており、両チャンバは、可動隔壁によって気密状態に分離されており、可動隔壁の中間部分にはサーボモータ14の軸方向ピストンが支持され、このピストンは、反力手段(図示せず)を介してマスターシリンダ16の第1ピストンに作用するよう構成されている。
【0015】
何らかの適切な型式の圧力センサ28が、負圧チャンバ24の固定壁上に、前記チャンバ内の圧力を検出し測定するために装着されており、更に、何らかの適切な型式の液圧センサ30が、マスターシリンダ16の出口パイプ20上に、マスターシリンダの出力液圧を検出し測定するために設けられている。センサ28と30は、信号、即ちそれぞれPfcとPmcを出力し、両信号は、サーボモータ14のチャンバ24と26の間の差圧ΔPの値と、作動チャンバ26内の圧力Prcの値を提供するようプログラムされているデータ処理手段32の入力部に与えられる。
【0016】
好都合に、データ処理手段32は、更に、必要であれば、ブレーキ回路22内の液圧を高めるための手段を制御するようにプログラムされており、そのような手段は、例えばポンプ等であり、ABS又はESP型の回路の一部分を形成している。
作動時に、運転者がブレーキペダル10を踏み込むと、負圧チャンバ24と接続されていた作動チャンバ26は、負圧チャンバから分離され、次いで大気圧の周囲の空気に接続され、その結果、作動チャンバ26内で圧力が徐々に高まり、一方、チャンバ24内の圧力の値は、大気圧の値よりも低いままであり、例えば、車両の内燃機関の吸気マニホルド内の負圧に等しい。
【0017】
サーボモータ14のチャンバ24と26の間の差圧は、制御ロッド12に加えられた力を増幅し、その結果、マスターシリンダ16の第1ピストンに掛けられる力は、制御ロッド12に加えられる力に増幅係数を掛けたものと等しくなり、この増幅係数はサーボモータのチャンバ間の差圧ΔPと等しく、後者の値は定数が掛けられている。作動チャンバ26内の圧力が大気圧に達すると、サーボモータによる増幅は最大値となるので、サーボモータは飽和状態に達したことになる。
【0018】
図2において、曲線Cはサーボモータ14の飽和特性曲線であり、PfcとPmcを両軸とする直交図内の、サーボモータの全ての飽和点で構成され、ここに、Pfcは、負圧チャンバ24内の圧力、より正確には相対的な真空レベルであり、この真空レベルはチャンバ24内の圧力が大気圧に等しいときはゼロであり、またPmcは、マスターシリンダ16からの出口における液圧である。
【0019】
このPfc、Pmcの図によれば、サーボモータ14の飽和曲線Cは、式Pmc=α・Pfcに対応する線分であることは明らかである。
【0020】
図2のグラフにおいて、曲線Fは通常のブレーキ曲線であり、曲線Cの下に位置する領域Aは、サーボモータ14が増幅を実行する領域であり、曲線Cの上に位置する領域Sは、サーボモータ14が飽和状態で作動する領域であり、点線の垂直な線Lの右手の領域Dは、サーボモータに関する故障領域であり、曲線FDは、サーボモータのチャンバ24と26の間に漏れが生じている場合のブレーキ曲線である。
【0021】
さて、通常のブレーキ曲線F上の点Mを考えると、この点Mは、飽和曲線Cの下で、且つ増幅領域A内に位置している。前記点Mの座標は、Pfci、Pmciであり、両者はセンサ28と30によって出力される。
【0022】
チャンバ24と26の間の差圧ΔPを求めるには、ブレーキペダルに掛けられる同じ入力に対して、問題の点が飽和曲線C上に位置している場合を考えると、飽和曲線上のこの様な点は、作動チャンバ26内の圧力が大気圧に等しく、従って相対値がゼロの場合には飽和状態に達することから、前記点の軸Pfc上の横座標に等しい差圧ΔPに対応する。
【0023】
同じ入力に対して、マスターシリンダの同じ出力液圧Pmcが得られるので、曲線C上に見い出されることになる点は、ブレーキ曲線上の点Mと同じ座標Pmciを有する点Msである。前記点Msの横座標Pfcsは、点Mにおけるチャンバ24と26の間の差圧ΔPを示している。
【0024】
点Mにおけるこの差圧ΔPは、Pmci/αと表すこともできる。
ブレーキ曲線F上で考慮されている点が、M’、即ち飽和曲線Cの上方にある場合、増幅は点が飽和曲線C上にある場合と同じなので、両チャンバ間の差圧ΔPは、点M’の横座標Pfcと等しい。
【0025】
ブレーキ曲線F上の点が、飽和曲線Cより下にあるか、上にあるかを検査するために、問題の点Mに対して測定されたのと同じ横座標Pfciを有する点Psを考えると、その様な点の、α・Pfciに対応する縦座標Pmcsが求められ、点Mの測定された縦座標PmciがPmcsより高いか低いかを検査して確認される。
例えば、チャンバ24と26の間の漏れの様にサーボモータ14内に故障が発生した場合、ブレーキペダル10を踏み込んだ結果であるブレーキ曲線は、ブレーキ操作中にチャンバ24内の相対圧力がゼロに向かう傾向にあることを明白に示す曲線FDとなる。故障領域Dは、図2のグラフで、軸Pmcに平行な線Lの右側に位置している。
【0026】
図3は、マスターシリンダ16の出力液圧Pmcの変化を、ブレーキペダル10に加えられる入力Feに対してプロットしたものである。曲線Pmc=f(Fe)ということが分かっており、ブレーキ装置の諸元から求められる。この様な曲線は、ジャンプ相に相当する第1部分1と、サーボモータによる増幅を示す第2部分2と、サーボモータ14が飽和状態にあるときの動作に相当する第3部分3とで構成されている。曲線のこの第3部分3に関して、入力Feの増幅はマスターシリンダ16によるものであり、これは、実際には1とは異なる断面比に対応している。
【0027】
飽和状態では、サーボモータの両チャンバ間の差圧ΔPは、負圧チャンバ24内の相対圧力に等しいことから、この差圧ΔPの値と、この相対圧力Pfcの値は、それらが縦座標軸Pmcに平行な2つの垂直軸に沿って、曲線Pmcの第3部分3の延長として描かれている点線を使って、プロットされている図3に明確に示されている。
【0028】
3つの平行な曲線部分3a、3b及び3cは、3つの異なるΔP値、即ち、結果的に3つの異なるPfc値、例えば、それぞれ100、300及び600mbars(10、30、60kPa)として得られる。
【0029】
Pmcに沿って、部分2の傾斜は分かっており、これは、曲線の部分1と2の間の遷移点の座標にも当てはまる。そのような点では、ΔPはゼロに等しいことも分かっている。曲線の部分2上の点Mの合計増幅は、サーボモータによって提供される増幅とマスターシリンダによって提供される増幅の積に等しい。この合計増幅は、式
K(M)=a・Pmci/(Pmci−P1+a・F1)
を使って、点Mの測定座標Pmciから計算することができ、ここに、P1とF1は図3の曲線Pmcの部分1と2の間の遷移点の座標であり、aは曲線の部分2の傾斜である。
【0030】
上記式は、曲線の部分2に対して有効であり、これは、サーボモータが飽和点に達しているかどうかについて、事前に検査しなければならないことを意味している。この検査は、Pmci−Pmcs>0の関係のみに基いて行えばよく、この関係が偽である場合はゼロが割り当てられ、この関係が真である場合は1であり、時間との関係では、図4に示すように、階段状又は四角形の曲線になる。前記曲線の上昇縁部f0の検出は、ブレーキ操作の間に飽和状態に達したことに相当しており、降下縁部fdの検出は、ブレーキペダルが緩められときに、飽和点に交わることに対応している。
【0031】
図5は、本発明による方法の主なステップを概略的に示すフローチャートである。
サーボモータの飽和曲線Cは分かっているので、センサ28と30を使って瞬間値Pfci及びPmciが測定されると、関係α・Pfciによって点Psの座標Pmcsが求められ、PmciがPmcsより低いかどうか検査が行われる。PmciがPmcsより低い場合、両チャンバ間の差圧ΔPは、ΔP=Pmci/α(又はΔP=Pfcs)の関係によって得られ、一方、PmciがPmcs以上の場合、ΔPは、ΔP=Pfciの関係を使って得られる。
【0032】
ΔP及びPfciはこれまでに分かっているので、サーボモータの作動チャンバ26内の圧力は、Prci=Pfci−ΔPの関係を使って計算できる。
作動チャンバ26内の圧力が分かると、サーボモータ14の状態を検査することができ、且つその性能を監視することができる。ブレーキ作動途上で、負圧チャンバ24内の真空レベルの測定瞬間値が、図2の線Lの横座標で定義されている値を越える場合、サーボモータの両チャンバ間の漏れも、Pfciから直接検出することができる。
【0033】
サーボモータ14内に故障が検出されると、そのような機能不全に運転者の注意を引き付けるために警告信号が出力され、及び/又は、バックアップ/緊急システムが始動され、及び/又は、補助増幅手段が起動される。
サーボモータ14によって提供される瞬間増幅又は合計瞬間増幅(サーボモータによって提供される瞬間増幅とマスターシリンダ16によって提供される増幅の積)が分かると、ブレーキ作動時にサーボモータの飽和曲線Cに達したときに、曲線C上で得られている値からこの増幅を続行することができ、つまり、ブレーキ回路内の圧力を高めるための手段、例えばABS回路内の液圧ポンプなどが始動、調整される。この様に、ブレーキペダルに加えられる力の増幅が中断することはなく、或る増幅手段から別の増幅手段への切り換えも、運転者が気付くことはない。
【0034】
上記の設計によって、従来の嵩張るサーボモータを、小型化したサーボモータに替えることができるので、ブレーキ装置全体の空間要件が小さくなる。例えば、40バール(4MPa)に飽和点を有する小型のサーボモータ14を用いることができるが、これに対し、従来型のサーボモータは、例えば、80−90バール(8−9MPa)付近で飽和点を示す、という具合である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による装置を備えたブレーキ装置の部分概略図である。
【図2】空気支援サーボモータの飽和特性曲線と、ブレーキ曲線とを示すグラフである。
【図3】マスターシリンダの出力液圧の変化をペダルに加えられる力に対してプロットしたグラフである。
【図4】サーボモータの飽和に対応する2進値の変化を時間の関数として示している。
【図5】本発明による方法の主な段階のフローチャートである。
【0001】
本発明は、特に自動車用の、ブレーキ装置内の空気支援サーボモータによって提供される増幅の瞬間値を決定するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野では周知のように、空気支援サーボモータは、例えば内燃機関の吸気マニホルドのような負圧源に接続されている負圧チャンバと、大気圧の空気が選択的に供給される作動チャンバとを備えており、両チャンバは、軸方向ピストンを備えた可動隔壁によって分離されている。
【0003】
車両の運転者が操作するブレーキペダルは、制御ロッドを介してサーボモータの軸方向ピストンに接続されており、ピストンは、ブレーキ装置の液圧マスターシリンダの作動ロッドに接続されている。非作動時、サーボモータの作動チャンバは、負圧チャンバに接続され、周囲の大気から分離されている。運転者がブレーキペダルを踏み込むと、作動チャンバは、負圧チャンバから分離され、次いで大気圧の周囲の空気に接続されるので、作動チャンバ内の圧力は、大気圧と等しくなるまで徐々に高くなる。運転者がブレーキペダルに掛けるブレーキ力は、サーボモータによって、サーボモータの両チャンバ間の差圧に比例して増幅され、この増幅は、作動チャンバ内の圧力が大気圧と等しくなったときに最大値に達し、最大値に達したということは、サーボモータが飽和状態にあることを意味している。
【0004】
サーボモータのチャンバ内の圧力又は真空レベルの値が分かると、サーボモータの状態を検査できるだけでなく、サーボモータが提供する増幅度を求めることができ、且つ監視することができるが、そのためには、サーボモータの両チャンバ内に圧力センサを取り付けねばならず、センサを作動チャンバ内に配置し、データ処理手段に接続するのは幾分難しく、かなり不都合である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の目的は、特に、そのような不都合を避けることにある。
この目的のために、本発明は、サーボモータの作動チャンバの内側に圧力センサを配置する必要も、前記チャンバ内の圧力を直接測定する必要もなく、サーボモータによって提供される増幅度を求めることのできる方法及び装置に取り組んでいる。
【0006】
従って、本発明は、自動車用ブレーキ装置内の空気支援サーボモータによって提供される増幅の瞬間値を求めるための方法を提供しており、サーボモータは、負圧チャンバと、作動チャンバとを備えており、両者は、ブレーキ装置の液圧マスターシリンダを作動させるためのピストンを備えた可動隔壁によって分離されており、前記増幅は、サーボモータの両チャンバ間の差圧に比例しており、前記方法は、サーボモータ内の空気圧の測定と、マスターシリンダからの出口における液圧の測定とを含んでおり、前記方法は、
作動チャンバ内の圧力が大気圧と等しくなる全ての作動点で構成され、Pfcをサーボモータの負圧チャンバ内の相対真空レベルとし、Pmcをマスターシリンダからの出口における液圧とした、Pfc、Pmcを両軸とする直交図内の線分で表されている、サーボモータの飽和特性曲線を利用する段階と、
マスターシリンダからの出口における液圧の瞬間値Pmciと、サーボモータの負圧チャンバ内の相対真空レベルの瞬間値Pfciとを測定する段階と、
ブレーキ作動途上で、前記真空レベルの測定瞬間値が軸Pfc上の座標となる、前記飽和曲線上の点Psを求める段階と、
点Psの軸Pmc上の座標Pmcsを求める段階と、
測定瞬間値Pmciが点Psの座標Pmcsより低い場合は、差圧(ΔP)として、マスターシリンダからの出口における圧力の測定瞬間値Pmciに定数を掛けたものか、又は、前記飽和曲線上の、軸Pmc上の座標がPmciとなる点の、軸Pfc上の座標を取る段階と、
測定瞬間値Pmciが点Psの座標Pmcs以上である場合は、差圧ΔPとして、サーボモータの負圧チャンバ内の相対真空レベルの測定値Pfciを取る段階と、から成ることを特徴としている。
【0007】
従って、本発明では、例えばサーボモータの負圧チャンバの固定壁上に装着されており、圧力、具体的には負圧チャンバ内の相対的な真空レベルの測定瞬間値を出力する空気圧センサが1つ必要なだけであり、この測定値は、マスターシリンダからの出口における液圧の測定値と組み合わせられ、サーボモータの両チャンバ間の差圧、即ちサーボモータが提供する増幅の瞬間値を計算するのに用いられる。
【0008】
サーボモータが提供するそのような増幅値が分かると、具体的には、従来型のサーボモータを、従来型のサーボモータほど強力ではないがそれほどには嵩張らないもっと小型のサーボモータと取り替えることができ、この小型のサーボモータは、ブレーキペダルに加えられる力を飽和状態まで増幅し、その後、必要に応じて、増幅度を、ポンプ等により、最初にポンプにより提供される増幅度を調整することによって、サーボモータにより提供される最大増幅度まで更に高めるので、運転者は、ポンプ等がサーボモータにより提供される増幅度の補足を開始したときも、変化を全く感じることはない。
【0009】
本発明による方法は、更に、計算を使って、求められた両チャンバ間の差圧の値に基いてサーボモータの作動チャンバ内の圧力を求める段階と、サーボモータ内に起こり得る欠陥又は故障を検出するために前記圧力の変化を監視する段階と、を含んでいる。
【0010】
本発明は、上記方法を実行するための装置も提供しており、前記装置は、サーボモータの負圧チャンバ内の圧力を検出し測定する手段と、マスターシリンダからの出口における液圧を検出し測定する手段と、データ処理手段とを備えており、前記データ処理手段は、上記検出し測定する手段からの出力信号を受け取り、更に、ブレーキ作動途上で、サーボモータの飽和曲線上の点Psと、前記点の軸Pmc上の座標Pmcsとを求め、測定瞬間値Pmciを座標Pmcsと比較し、その比較の結果次第で、差圧ΔPとして、測定値Pmciに定数を掛けたものか、又は測定値Pfciの何れかを取るようにプログラムされており、前記サーボモータの作動チャンバには、圧力を検出し測定する手段が装着されていないことを特徴としている。
【0011】
好都合に、データ処理手段は、更に、両チャンバ間の差圧と、負圧チャンバ内の真空レベルの測定瞬間値Pfciとに基いて、計算により、サーボモータの作動チャンバ内の圧力の瞬間値を求めるようプログラムされている。
加えて、そして更に好都合に、これらのデータ処理手段は、サーボモータによって提供される最大増幅が十分でない場合、ブレーキ回路内の液圧を高めるための、ポンプ等の様な手段を制御するようプログラムされている。
【0012】
本発明の上記及びその他の特徴、特性及び利点は、例を挙げている以下の詳細な説明を添付図面と合わせて参照すれば明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に概略的に示す自動車用のブレーキ装置は、液圧マスターシリンダ16を制御するために制御ロッド12を介して空気支援サーボモータ14の軸方向ピストンに接続されているブレーキペダル10を備えており、マスターシリンダ16には液体タンク18からブレーキ液が供給され、マスターシリンダ16の出口パイプ20は車輪のブレーキ回路22に接続されている。
【0014】
従来のものと全く同様に、サーボモータ14は、車両の内燃機関の吸気マニホルドの様な負圧源に接続されている前方チャンバ即ち負圧チャンバ24と、選択的に負圧チャンバ24と相互接続されるか、又は大気圧の周囲の空気に接続される後方チャンバ即ち作動チャンバ26とを備えており、両チャンバは、可動隔壁によって気密状態に分離されており、可動隔壁の中間部分にはサーボモータ14の軸方向ピストンが支持され、このピストンは、反力手段(図示せず)を介してマスターシリンダ16の第1ピストンに作用するよう構成されている。
【0015】
何らかの適切な型式の圧力センサ28が、負圧チャンバ24の固定壁上に、前記チャンバ内の圧力を検出し測定するために装着されており、更に、何らかの適切な型式の液圧センサ30が、マスターシリンダ16の出口パイプ20上に、マスターシリンダの出力液圧を検出し測定するために設けられている。センサ28と30は、信号、即ちそれぞれPfcとPmcを出力し、両信号は、サーボモータ14のチャンバ24と26の間の差圧ΔPの値と、作動チャンバ26内の圧力Prcの値を提供するようプログラムされているデータ処理手段32の入力部に与えられる。
【0016】
好都合に、データ処理手段32は、更に、必要であれば、ブレーキ回路22内の液圧を高めるための手段を制御するようにプログラムされており、そのような手段は、例えばポンプ等であり、ABS又はESP型の回路の一部分を形成している。
作動時に、運転者がブレーキペダル10を踏み込むと、負圧チャンバ24と接続されていた作動チャンバ26は、負圧チャンバから分離され、次いで大気圧の周囲の空気に接続され、その結果、作動チャンバ26内で圧力が徐々に高まり、一方、チャンバ24内の圧力の値は、大気圧の値よりも低いままであり、例えば、車両の内燃機関の吸気マニホルド内の負圧に等しい。
【0017】
サーボモータ14のチャンバ24と26の間の差圧は、制御ロッド12に加えられた力を増幅し、その結果、マスターシリンダ16の第1ピストンに掛けられる力は、制御ロッド12に加えられる力に増幅係数を掛けたものと等しくなり、この増幅係数はサーボモータのチャンバ間の差圧ΔPと等しく、後者の値は定数が掛けられている。作動チャンバ26内の圧力が大気圧に達すると、サーボモータによる増幅は最大値となるので、サーボモータは飽和状態に達したことになる。
【0018】
図2において、曲線Cはサーボモータ14の飽和特性曲線であり、PfcとPmcを両軸とする直交図内の、サーボモータの全ての飽和点で構成され、ここに、Pfcは、負圧チャンバ24内の圧力、より正確には相対的な真空レベルであり、この真空レベルはチャンバ24内の圧力が大気圧に等しいときはゼロであり、またPmcは、マスターシリンダ16からの出口における液圧である。
【0019】
このPfc、Pmcの図によれば、サーボモータ14の飽和曲線Cは、式Pmc=α・Pfcに対応する線分であることは明らかである。
【0020】
図2のグラフにおいて、曲線Fは通常のブレーキ曲線であり、曲線Cの下に位置する領域Aは、サーボモータ14が増幅を実行する領域であり、曲線Cの上に位置する領域Sは、サーボモータ14が飽和状態で作動する領域であり、点線の垂直な線Lの右手の領域Dは、サーボモータに関する故障領域であり、曲線FDは、サーボモータのチャンバ24と26の間に漏れが生じている場合のブレーキ曲線である。
【0021】
さて、通常のブレーキ曲線F上の点Mを考えると、この点Mは、飽和曲線Cの下で、且つ増幅領域A内に位置している。前記点Mの座標は、Pfci、Pmciであり、両者はセンサ28と30によって出力される。
【0022】
チャンバ24と26の間の差圧ΔPを求めるには、ブレーキペダルに掛けられる同じ入力に対して、問題の点が飽和曲線C上に位置している場合を考えると、飽和曲線上のこの様な点は、作動チャンバ26内の圧力が大気圧に等しく、従って相対値がゼロの場合には飽和状態に達することから、前記点の軸Pfc上の横座標に等しい差圧ΔPに対応する。
【0023】
同じ入力に対して、マスターシリンダの同じ出力液圧Pmcが得られるので、曲線C上に見い出されることになる点は、ブレーキ曲線上の点Mと同じ座標Pmciを有する点Msである。前記点Msの横座標Pfcsは、点Mにおけるチャンバ24と26の間の差圧ΔPを示している。
【0024】
点Mにおけるこの差圧ΔPは、Pmci/αと表すこともできる。
ブレーキ曲線F上で考慮されている点が、M’、即ち飽和曲線Cの上方にある場合、増幅は点が飽和曲線C上にある場合と同じなので、両チャンバ間の差圧ΔPは、点M’の横座標Pfcと等しい。
【0025】
ブレーキ曲線F上の点が、飽和曲線Cより下にあるか、上にあるかを検査するために、問題の点Mに対して測定されたのと同じ横座標Pfciを有する点Psを考えると、その様な点の、α・Pfciに対応する縦座標Pmcsが求められ、点Mの測定された縦座標PmciがPmcsより高いか低いかを検査して確認される。
例えば、チャンバ24と26の間の漏れの様にサーボモータ14内に故障が発生した場合、ブレーキペダル10を踏み込んだ結果であるブレーキ曲線は、ブレーキ操作中にチャンバ24内の相対圧力がゼロに向かう傾向にあることを明白に示す曲線FDとなる。故障領域Dは、図2のグラフで、軸Pmcに平行な線Lの右側に位置している。
【0026】
図3は、マスターシリンダ16の出力液圧Pmcの変化を、ブレーキペダル10に加えられる入力Feに対してプロットしたものである。曲線Pmc=f(Fe)ということが分かっており、ブレーキ装置の諸元から求められる。この様な曲線は、ジャンプ相に相当する第1部分1と、サーボモータによる増幅を示す第2部分2と、サーボモータ14が飽和状態にあるときの動作に相当する第3部分3とで構成されている。曲線のこの第3部分3に関して、入力Feの増幅はマスターシリンダ16によるものであり、これは、実際には1とは異なる断面比に対応している。
【0027】
飽和状態では、サーボモータの両チャンバ間の差圧ΔPは、負圧チャンバ24内の相対圧力に等しいことから、この差圧ΔPの値と、この相対圧力Pfcの値は、それらが縦座標軸Pmcに平行な2つの垂直軸に沿って、曲線Pmcの第3部分3の延長として描かれている点線を使って、プロットされている図3に明確に示されている。
【0028】
3つの平行な曲線部分3a、3b及び3cは、3つの異なるΔP値、即ち、結果的に3つの異なるPfc値、例えば、それぞれ100、300及び600mbars(10、30、60kPa)として得られる。
【0029】
Pmcに沿って、部分2の傾斜は分かっており、これは、曲線の部分1と2の間の遷移点の座標にも当てはまる。そのような点では、ΔPはゼロに等しいことも分かっている。曲線の部分2上の点Mの合計増幅は、サーボモータによって提供される増幅とマスターシリンダによって提供される増幅の積に等しい。この合計増幅は、式
K(M)=a・Pmci/(Pmci−P1+a・F1)
を使って、点Mの測定座標Pmciから計算することができ、ここに、P1とF1は図3の曲線Pmcの部分1と2の間の遷移点の座標であり、aは曲線の部分2の傾斜である。
【0030】
上記式は、曲線の部分2に対して有効であり、これは、サーボモータが飽和点に達しているかどうかについて、事前に検査しなければならないことを意味している。この検査は、Pmci−Pmcs>0の関係のみに基いて行えばよく、この関係が偽である場合はゼロが割り当てられ、この関係が真である場合は1であり、時間との関係では、図4に示すように、階段状又は四角形の曲線になる。前記曲線の上昇縁部f0の検出は、ブレーキ操作の間に飽和状態に達したことに相当しており、降下縁部fdの検出は、ブレーキペダルが緩められときに、飽和点に交わることに対応している。
【0031】
図5は、本発明による方法の主なステップを概略的に示すフローチャートである。
サーボモータの飽和曲線Cは分かっているので、センサ28と30を使って瞬間値Pfci及びPmciが測定されると、関係α・Pfciによって点Psの座標Pmcsが求められ、PmciがPmcsより低いかどうか検査が行われる。PmciがPmcsより低い場合、両チャンバ間の差圧ΔPは、ΔP=Pmci/α(又はΔP=Pfcs)の関係によって得られ、一方、PmciがPmcs以上の場合、ΔPは、ΔP=Pfciの関係を使って得られる。
【0032】
ΔP及びPfciはこれまでに分かっているので、サーボモータの作動チャンバ26内の圧力は、Prci=Pfci−ΔPの関係を使って計算できる。
作動チャンバ26内の圧力が分かると、サーボモータ14の状態を検査することができ、且つその性能を監視することができる。ブレーキ作動途上で、負圧チャンバ24内の真空レベルの測定瞬間値が、図2の線Lの横座標で定義されている値を越える場合、サーボモータの両チャンバ間の漏れも、Pfciから直接検出することができる。
【0033】
サーボモータ14内に故障が検出されると、そのような機能不全に運転者の注意を引き付けるために警告信号が出力され、及び/又は、バックアップ/緊急システムが始動され、及び/又は、補助増幅手段が起動される。
サーボモータ14によって提供される瞬間増幅又は合計瞬間増幅(サーボモータによって提供される瞬間増幅とマスターシリンダ16によって提供される増幅の積)が分かると、ブレーキ作動時にサーボモータの飽和曲線Cに達したときに、曲線C上で得られている値からこの増幅を続行することができ、つまり、ブレーキ回路内の圧力を高めるための手段、例えばABS回路内の液圧ポンプなどが始動、調整される。この様に、ブレーキペダルに加えられる力の増幅が中断することはなく、或る増幅手段から別の増幅手段への切り換えも、運転者が気付くことはない。
【0034】
上記の設計によって、従来の嵩張るサーボモータを、小型化したサーボモータに替えることができるので、ブレーキ装置全体の空間要件が小さくなる。例えば、40バール(4MPa)に飽和点を有する小型のサーボモータ14を用いることができるが、これに対し、従来型のサーボモータは、例えば、80−90バール(8−9MPa)付近で飽和点を示す、という具合である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による装置を備えたブレーキ装置の部分概略図である。
【図2】空気支援サーボモータの飽和特性曲線と、ブレーキ曲線とを示すグラフである。
【図3】マスターシリンダの出力液圧の変化をペダルに加えられる力に対してプロットしたグラフである。
【図4】サーボモータの飽和に対応する2進値の変化を時間の関数として示している。
【図5】本発明による方法の主な段階のフローチャートである。
Claims (10)
- 自動車用ブレーキ装置内の空気支援サーボモータによって提供される増幅の瞬間値を求めるための方法であって、前記サーボモータ(14)は、負圧チャンバ(24)と、作動チャンバ(26)とを備えており、両者は、前記ブレーキ装置の液圧マスターシリンダ(16)を作動させるためのピストンを備えた可動隔壁によって分離されており、前記瞬間増幅は、前記サーボモータの両チャンバ間の差圧(ΔP)に比例しており、前記サーボモータ内の空気圧の測定と、前記マスターシリンダ(16)からの出口における液圧の測定とを含んでいる前記方法において、
前記作動チャンバ(26)内の圧力が大気圧と等しくなる全ての作動点で構成され、Pfcを前記サーボモータの負圧チャンバ(24)内の相対真空レベルとし、Pmcを前記マスターシリンダ(16)からの出口における液圧として、(Pfc、Pmc)を両軸とする直交図内の線分で表されている、前記サーボモータ(14)の飽和特性曲線(C)を利用する段階と、
前記マスターシリンダ(16)からの出口における液圧の瞬間値(Pmci)と、前記サーボモータの負圧チャンバ内の相対真空レベル(Pfc)の瞬間値(Pfci)とを測定する段階と、
ブレーキ作動途上で、前記真空レベルの測定瞬間値(Pfci)が前記軸(Pfc)上の座標となる、前記飽和曲線(C)上の点(Ps)を求める段階と、
前記点(Ps)の前記軸(Pmc)上の座標(Pmcs)を求める段階と、
前記測定瞬間値(Pmci)が前記座標(Pmcs)より低い場合は、前記差圧(ΔP)として、前記飽和曲線(C)上の、前記軸(Pmc)上の他の座標が(Pmci)となる点の、前記軸(Pfc)上の座標を取るか、又は、前記差圧(ΔP)を、前記マスターシリンダからの出口における圧力の前記測定瞬間値(Pmci)に定数を掛けたものから求める段階と、
前記測定瞬間値(Pmci)が前記点(Ps)の座標(Pmcs)以上である場合は、前記差圧(ΔP)として、前記サーボモータ(14)の負圧チャンバ(24)内の相対真空レベルの前記測定値(Pfci)を取る段階と、
から成ることを特徴とする方法。 - 前記定数は、前記図(Pfc、Pmc)内の前記飽和曲線(C)の傾斜(α)の逆数に等しいことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 小型のサーボモータ(14)を利用する段階と、
ブレーキペダルに加えられる力(Fe)を、前記サーボモータ(14)によって、前記サーボモータが飽和状態に達するまで増幅する段階と、
次に、前記マスターシリンダからの出口における液圧を、ポンプ等の別の圧力増幅手段を使って更に増幅する段階と、
前記圧力増幅手段を、今は飽和状態になっている前記サーボモータ(14)によって提供されていた増幅と実質的に等しい元の増幅を提供するように始動し、調整する段階と、
を含んでいることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。 - 2進値を差(Pmci−Pmcs)に当てはめる段階であって、前記差が0より小さい場合は前記値が0となり、前記差が0より大きい場合は前記値が1となるように当てはめる段階と、
前記2進値の状態の変化を監視して、ブレーキ作動の間及びブレーキペダルが緩められているときに、前記サーボモータの飽和点を求める段階と、
を含んでいることを特徴とする、上記請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。 - 前記サーボモータの前記作動チャンバ(26)内の瞬間圧力(Prci)を、計算を使って、前記差圧(ΔP)の求められた値に基いて求める段階と、
前記圧力の変化を監視して、前記サーボモータに起こり得る故障を検出する段階と、を含んでいるとを特徴とする、上記請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。 - 前記サーボモータの前記作動チャンバ(26)内の圧力は、Prci=Pfci−ΔPの関係によって求められることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
- 前記サーボモータ(14)に起こり得る故障を、前記負圧チャンバ(24)内の測定瞬間圧力(Pfci)がブレーキ作動途上に所定の限界値を超える傾向から検出する段階を含んでいることを特徴とする、上記請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
- 上記請求項1〜7の何れか一項に記載の方法を実行するための装置において、
サーボモータ(14)の負圧チャンバ(24)内の圧力と、マスターシリンダ(16)からの出口における液圧とを検出し測定する手段(28、32)と、
データ処理手段(32)とを備えており、前記データ処理手段(32)は、前記検出し測定する手段(28、32)からの出力信号を受け取り、更に、ブレーキ作動途上で、前記サーボモータ(14)の飽和曲線(C)上の点(Ps)と、前記点の軸(Pmc)上の座標(Pmcs)とを求め、測定瞬間値(Pmci)を前記座標(Pmcs)と比較し、その比較の結果次第で、差圧ΔPを、前記測定値(Pmci)に定数を掛けたものを使って、又は前記負圧チャンバ(24)内の真空レベルの測定瞬間値(Pfci)を使って求めるようにプログラムされており、前記サーボモータの作動チャンバ(26)には、圧力を検出し測定する手段が装着されていないことを特徴とする装置。 - 前記データ処理手段(32)は、計算により、前記サーボモータの前記作動チャンバ(26)内の圧力(Prci)の瞬間値を求めるようプログラムされていることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
- 前記データ処理手段は、前記サーボモータ(14)によって提供される最大増幅が十分でない場合、ブレーキ回路(22)内の液圧を増幅するためのポンプ等の様な手段を制御するようプログラムされていることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
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