JP2005502266A - 偏光度に基づく偏波モード分散補償器 - Google Patents
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Abstract
偏光計により光信号の偏光度が計測され、偏波モード分散補償器の適応光学系を調整するフィードバック信号を供給するために用いられる。偏光計の偏波特性は、キャリブレーションにより高い精度でその偏光計に一致するように決定され、フィードバック信号の生成に用いられる。
【選択図】図29
【選択図】図29
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送システムにおける偏波モード分散による信号歪みを解析して、偏波モード分散を緩和するために用いられる適応光学系を調整するためのフィードバック信号を供給する偏波モード分散補償器に関する。
【背景技術】
【0002】
光伝送システムのビットレートが高ければ高いほど、光ファイバの一定量の偏波モード分散が伝送される信号をより大きく歪ませる。
偏波モード分散により、いわゆるシングルモードファイバ内の2つのモードは異なる速度で伝搬する。初期パルスはそのエネルギーを2つのモードに分配する。それらの2つのモードには伝搬中に群遅延時間差が生じる。これは、ファイバの終端におけるパルスの広がりをもたらす。2つのモード間の群遅延時間差がビット持続時間のオーダになればなるほど、隣接するパルスはより大きく重複することになり、少なくともビット誤り率の増加をもたらし、あるいはパルスの識別を不可能にすることさえある。偏波モード分散は、内部複屈折(例えば、ファイバコア構造の不規則性)または外的要因により誘発された複屈折(例えば、曲げ、絞り等)によるものである。大規模なシングルモードファイバでは、ランダムに変化する場所において、例えば、温度のような環境変化によりランダムに変動する強度で偏波モード結合が発生するため、偏波モード分散そのものが時間とともに変化する。主偏波状態間の瞬時の群遅延時間差がマクスウェルの確率分布関数に従うことは周知である。マクスウェル分布する瞬時の群遅延時間差の平均値は、ファイバの平均群遅延時間差または偏波モード分散値(PMD)として知られている。強い偏波モード結合を持つ大規模なシングルモードファイバの偏波モード分散値は、ファイバ長の平方根に比例する。
【0003】
偏波モード分散による信号の歪みを緩和するために、ファイバに近い量の逆符号の群遅延時間差をもたらす光学素子をファイバの終端に設置してもよい。大規模な光ファイバにおける瞬時の群遅延時間差および主偏波状態のランダムな性質のため、偏波モード分散を補償するために用いられる光学素子を、一時的なファイバ状態に対して適応的に合わせなければならない。したがって、閉ループ設計の偏波モード分散補償器は、図1に示すように、
1.適応調整可能な光学素子(適応光学系)
2.歪みアナライザ
3.制御ロジック
からなる。
【0004】
図1において、歪みアナライザ12は、光ファイバの一時的な偏波モード分散状態に最も良く一致するように適応光学系11を適応的に調整するために、制御ロジック13に対して信号歪みの指標を提供する。
【0005】
例えば、スペクトルホールバーニング(SHB)、直接アイオープニング解析等のような方法に加えて、偏光度(DOP)を偏波モード分散による信号歪みの解析に用いることができる。当業者にとって、スペクトル幅に反比例するコヒーレンス長が群遅延時間差のオーダであれば、光ビームが劣化することは周知である。群遅延時間差がコヒーレンス長に比べて大きくなればなるほど、ビームはより大きく劣化し、その偏光度はより大きく減少する。このような周知の物理的効果はそのまま、偏波モード分散補償器の光学素子を適応的に制御するフィードバック信号として用いることができる。ファイバの異方性による光信号の偏波を信号スペクトル(帯域幅、形状)、群遅延時間差、および入力偏波状態の関数として導出する方法は、以下の文献に示されている。
"Degree of Polarization in Anisotropic Single-Mode Optical Fibers: Theory", Jun-ichi Sakai, Susumu Machida, Tatsuya Kimura, IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol.QE-18, No.4, pp.488-495, 1982
スペクトルホールバーニング、アイオープニングの直接計測、あるいはビット誤り率検出に比べて、偏光度を適応偏波モード分散補償器のフィードバック信号として用いる方法の利点は、次の通りである。
1.ビットレートに無関係
2.任意の変調方式に対して変更することなく適用可能
3.偏光度は偏波モード分散のみによる信号歪みの良好な指標を提供するという具合に、波長分散の影響を受けない
図2は、非ゼロ復帰(NRZ)方式にて48Gbit/sのビットレートで変調された伝送信号の偏光度およびQペナルティを、瞬時の群遅延時間差の関数として示している。ここで、Qペナルティは次のように定義される。
【0006】
【数1】
【0007】
図2では、参考のため、24GHz(ビットレートの半分)のスペクトル成分のパワーも瞬時の群遅延時間差の関数として示されている。ビットレートの半分のスペクトル成分は、瞬時の群時間差に対して最も強い依存性を示すことが判明している。
【0008】
瞬時の群遅延時間差がなくなったときに唯一の極大値を取る偏光度とは反対に、24GHzのスペクトル成分は周期的な振る舞いを示している。したがって、瞬時の群遅延時間差がビット持続時間を超えると予想される場合には、曖昧さを避けるために、少なくとももう1つのスペクトル成分、すなわち12GHz(ビットレートの4分の1)を付加的にテストしなければならない。
【0009】
小さな群遅延時間差の値に対する偏光度と、24GHz(ビットレートの半分)、12GHz(ビットレートの4分の1)、および6GHz(ビットレートの8分の1)のスペクトル成分のパワーの詳細を図3に示す。
【0010】
適応偏波モード分散補償器のフィードバック信号として偏光度を適用する方法において、偏光度を計測できる精度(特に、計測された偏光度の入力偏波状態に関する分散)が決定的に重要となる。
【0011】
図2から分かるように、例えば、Qペナルティが0.5dBを超えてはならない場合、偏光度のダイナミックレンジは±5%となる。したがって、偏光度計測時の不確定性は5%を超えてはならない。偏波モード分散補償器の適応制御アルゴリズムは、ランダムに変化する群遅延時間差および主偏波状態を追跡するための最適点の環境で偏光度をサンプリングする必要がある。光ファイバ内の偏波モード分散状態に対して光学素子をわずかにずらすことにより要求されたサンプリングを行うため、偏光度を計測できる要求精度はさらに厳しくなる。
【0012】
要求精度を実現するための一般的なアプローチは、歪みアナライザ内の偏光計の光学部品を機械的に高精度で所定の角度に揃えることである。しかしながら、これは非常に冗漫な、したがってコスト集中的な構築方法である。
【発明の開示】
【0013】
本発明の課題は、冗漫でコスト集中的な構築方法を必要としないような、偏光度に基づく偏波モード分散補償器を提供することである。
本発明による偏波モード分散補償器は、光学部、歪みアナライザ、および制御部を備える。光学部は入力光信号を受け取り、出力光信号を出力する。歪みアナライザは偏光計を含み、その偏光計の偏波特性を用いることで、出力光信号を解析して出力光信号の偏光度を表すフィードバック信号を生成する。この偏波特性は、偏光計から出力される複数の強度信号を用いたキャリブレーションにより決定される。制御部は、そのフィードバック信号に基づいて、光学部を調整する制御信号を生成する。
【0014】
光学部は適応光学系に対応し、1つ以上の光学素子を含む。制御部は、偏光度をフィードバック信号として用いて光学部を制御する制御ロジックに対応する。偏光計の偏波特性は、あらかじめ実際の偏光計に一致するようにキャリブレーションにより決定される。歪みアナライザは、光学部からの出力光信号を解析して、上記得られた偏波特性を用いることでフィードバック信号を生成し、それを制御部に出力する。偏光計が完全に組み立てられた後で偏波特性が計測されるため、機械的位置合わせ精度の要件は劇的に緩和される。冗漫で高精度の機械的位置合わせはもはや不要となり、劇的なコスト削減がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
光の物理的特性として、偏光度が、偏波モード分散補償器の適応光学系を調整するフィードバック信号を供給するために用いられる。
【0016】
偏光度を計測するために、入射光ビームを4つ以上のビームに分岐させ、各ビームが独立して配置された位相遅延および偏光光学系を通過するようにする。この種の偏光計測システムは、振幅分割型偏光計と呼ぶことができる。各ビームが進む経路の偏波特性が分かっている場合、その場合に限って、これらのビームの強度から偏波状態および偏光度を計算することができる。このような機器により偏波状態および偏光度を計測できる精度は、各経路の偏波特性、特に、例えば、偏光子の角度、経路の位相遅延等が分かる精度に強く依存する。以下では、各分岐ビームの偏波特性を高い精度で計測するための有利な解決方法を説明する。
【0017】
図4は、偏光度および/または偏波状態を計測する歪みアナライザの構成例を示している。偏光計21は、光ビームをいくつかのビームに分岐させ、それらのビームの強度信号を出力する。この強度信号は、増幅器22により増幅され、デジタル/アナログ(A/D)変換器23によりデジタル信号に変換される。中央処理装置(CPU)24は、そのデジタル信号の値を用いて偏光度および/または偏波状態を計算し、得られた結果をフィードバック信号として出力する。
【0018】
次に、偏光度をフィードバック信号として適応偏波モード分散補償器に適用する様々な方法について説明する。以下に説明する方法は、偏光度計測精度に関して有利な偏光計の構築例を含んでいる。光学部品をいかに正確に揃えるかに関する厳しい要件を緩和するために、偏光計のいくつかの適切な構築例を含むキャリブレーション方法を説明する。
【0019】
上述したように、振幅分割型偏光計は、入射光ビームをいくつかのビームに分岐させる偏光計である。各ビームは、個別に偏光子(検光子)および位相遅延器のような光学部品を通して誘導される。計測された強度から偏波状態を計算することができる。
【0020】
振幅分割型偏光計は、図5に示すように変調することができる。
【0021】
はビームスプリッタ31により4つのビーム(4つより多くのビームでも可、4つのビームを選択したのは説明を明確にするため)に分岐される。各分岐ビームは位相遅延器32および偏光子33の組み合わせを通して伝搬し、それぞれのビームの強度I0、I1、I2、およびI3はフォトダイオード34により検出される。位相遅延器/偏光子の組み合わせは楕円偏光子を表し、方位角θ、楕円率ε、および消光比ERにより特徴付けられる。消光比は、可能なすべての入力偏波状態に対する最小伝送強度τminおよび最大伝送強度τmaxの間の関係である。各ビームが入力側からビームスプリッタ31を通って伝搬し、偏光子33に到達するまでの間に各ビームに影響を及ぼす偏波特性は、位相遅延器/偏光子のそれぞれの組み合わせによりこのモデルに組み入れられる。
【0022】
検出された強度I0、I1、I2、およびI3と、ビームスプリッタ31の入力側における光の偏波
【0023】
との間の関係は、次のように表される。
【0024】
【数2】
【0025】
【数3】
【0026】
角度θ0、θ1、θ2、θ3およびε0、ε1、ε2、ε3は、位相遅延器/偏光子の各組み合わせの楕円位相遅延特性を表している。係数τa0、τa1、τa2、τa3およびτd0、τd1、τd2、τd3は、次式により、可能なすべての入力偏波状態に対する最小伝送強度(伝送係数)τminおよび最大伝送強度τmaxに関係付けられる。
τa=(τmax+τmin)/2, (3)
τd=(τmax−τmin)/2 (4)
インスツルメント行列Zの各行は、ストークスベクトルと同様の方式で、方位角θおよび楕円率εにより偏波状態を記述していると考えることができる。結果として、各ビームが通過する位相遅延器/偏光子の組み合わせは、図6に示すようにポアンカレ球上の1つの点により表すことができる。各ビームに影響を及ぼす偏波特性のポアンカレ球における表現は、等価検光子偏波と呼ぶことができる。
【0027】
図示された等価検光子偏波A0、A1、A2、およびA3の例は、振幅分割型偏光計の状況を示しており、楕円位相遅延器(等価検光子)のパラメータは図7のようになる。
それぞれの等価検光子偏波および消光比が分かっている場合、振幅分割偏光計はその偏波特性に関して完全に特徴付けられる。インスツルメント行列Zは計算することができ、偏光計の入力側における
【0028】
は、フォトダイオード34で検出された強度I0、I1、I2、およびI3から計算することができる。
従来の手順では、最初に等価検光子偏波の値を選択し、次に光学部品の機械的位置合わせがあらかじめ選択されたインスツルメント行列に一致するように光学部品を組み立てる。要求精度に応じて、位置合わせは非常に正確でなければならない。このため、冗漫でコスト集中的な組み立て作業となる。
【0029】
別のアプローチでは、以下に概説するように、それぞれの等価検光子偏波および消光比を高い精度で計測する手順を提供する。したがって、光学部品は、位置合わせ精度に関する緩和された要件の下で組み立てられる。これにより、性能改善と同時に、組み立て作業のコスト削減がもたらされる。
【0030】
図8は、振幅分割型偏光計の自律キャリブレーションのための配置を示している。キャリブレーション手順は、複数の異なる入力偏波状態に対する一組の強度ベクトルI0、I1、I2、およびI3を計測することにより開始される。異なる入力偏波は、無視できる、または少なくとも非常に小さな偏差で、完全偏光(DOP=100%)を偏波変換器42に出射する狭帯域レーザ41により提供される。
【0031】
自走の、あるいは外部信号により制御された偏波変換器42は、ポアンカレ球が完全にカバーされるように、複数の偏波状態を較正対象の振幅分割偏光計43に出射する。
このようにして入力偏波状態が変調されている場合、4つの強度信号のうちの任意の2つのパラメトリックプロットは、図9に示すように、必ず楕円で囲まれた平面上の複数の点となる。楕円の左、右、下、および上の境界は、それぞれの検光子の最小伝送係数τminおよび最大伝送係数τmaxに一致する。
【0032】
図10に示すように、1辺の長さを1とする正方形内に楕円が納まるように強度信号をスケール変更すると、楕円率εは、ポアンカレ球表現において、パラメトリックプロットが描画されている2つの等価検光子の間の角度間隔ε01の半分となる。以下の文献には、全ファイバ光学インラインおよびオフライン偏波検光子が示されており、被試験デバイスをインライン偏光計とオフライン偏光計の間に置いてその偏波伝達関数を特徴付ける配置の応用について記述されている。計測可能なパラメータは、偏波依存性損失、位相遅延、群遅延時間差、および減偏光である。さらに、ファイバ光学パラメトリックセンサ、特に温度センサの応用も含まれている。とりわけ、振幅分割型偏光計の強度ベクトルの特性に関する数学については、46乃至51ページに記述されている。
"Selbstkalibrierender faseroptischer Polarisationsanalysator", Jens C. Rasmussen, Ph.D thesis, RWTH Aachen (Germany), Shaker Verlag, ISBN 3-8265-4450-1, 1998
等価検光子偏波間の相対角距離ε01、ε02、ε03、ε12、およびε13、が分かった後、絶対偏波は以下のように導出される。
【0033】
偏光度計測は、偏光度を計測するための基準座標系の回転(可能な両方向におけるポアンカレ球の回転)に対して不変である。偏光度計測そのものに対してさえ、光ファイバを通して光が伝搬する間には内部および外的誘導複屈折のために、基準座標系の回転は必ず発生する。したがって、ここでのように、光ファイバを通過した光の偏波を計測する場合には、基準座標系の絶対的な向きは重要ではない。
【0034】
したがって、第1の等価検光子偏波A0は、図11に示すように、ポアンカレ球上の任意の位置に置くことができる。ここでは、(方位角,楕円率)=(0,0)に固定している。
【0035】
第2の等価検光子偏波A1は、ポアンカレ球上で第1の等価検光子偏波A0から角距離ε01の位置に置かれる。したがって、候補場所は、第1の等価検光子偏波A0の周りの円となる。前述した回転不変性により、図12に示すように、候補場所の円とポアンカレ球の赤道との交点が選択される。
【0036】
第3の等価検光子偏波A2は、ポアンカレ球上で第1の等価検光子偏波A0から角距離ε02であり、かつ、第2の等価検光子偏波A1から角距離ε12の位置に置かれる。したがって、候補場所は、第1および第2の等価検光子偏波A0およびA1の周りの円の2つの交点となる。第3の等価検光子偏波A2に対するこれらの2つの候補場所から、図13に示すように、1つが選択される。
【0037】
第4の等価検光子偏波A3は、ポアンカレ球上で第1の等価検光子偏波A0から角距離ε03であり、第2の等価検光子偏波A1から角距離ε13であり、かつ、第3の等価検光子偏波A2から角距離ε23の位置に置かれる。したがって、候補場所は、第1、第2、および第3の等価検光子偏波A0、A1、およびA2の周りの円の2つの交点となる。第4の等価検光子偏波A3に対するこれらの2つの候補場所から1つが選択される。
【0038】
次に、キャリブレーション手順を導出するために用いられる数学について示す。振幅分割型偏光計の各検光子は、任意の共通基準平面に関して楕円偏光子により記述することができる。第nの検光子により検出される強度In(n=0,1,2,3)は、次のようになる。
In=τan+τdn(cos2θncos2εnS1+sin2θncos2εnS2
+sin2εnS3) (5)
基準平面内の偏波は、ストークスパラメータS0、S1、S2、およびS3により記述される。第nの検光子の等価検光子偏波は、方位角θnおよび楕円率εnにより特徴付けられる。因子τanおよびτdnは、伝送係数τmaxn=Imaxnおよびτminn=Iminnから計算できる。
τan=(τmaxn+τminn)/2, (6)
τdn=(τmaxn−τminn)/2 (7)
強度I0、I1、およびI2を検出する3つの検光子に注目すると、次式が得られる。
【0039】
【数4】
【0040】
【数5】
【0041】
【数6】
【0042】
一定偏光度p=(S1 2+S2 2+S3 2)1/2を仮定すると、
【0043】
により記述される各偏波状態は、次式を満たす。
【0044】
【数7】
【0045】
この式は、
【0046】
のベクトル成分を変数とする半径pの球を記述している。(8)式および(9)式を組み合わせると、次式が得られる。
【0047】
【数8】
【0048】
得られた式は、3次元のベクトルの成分を変数とする2次平面を記述している。さらなる分類も可能である。対称行列Z′・E・Z′Tのすべての固有値は正の実数である。p2(det(Z′))2の項も常に正である。したがって、(13)式は、行列Z′の正則性とそのすべての列ベクトルが線形独立であるという仮定の下で、楕円体を記述している。物理的な意味は、すべての検光子が偏光子(τdn>0)であり、等価検光子偏波同士は同等ではないということである。
【0049】
の成分を正規化すると、次のベクトルは、すべての辺の長さが1に等しい立方体に内接する楕円体を記述している。
【0050】
【数9】
【0051】
今度は、
【0052】
の各成分の値の候補が−0.5<In″<0.5に限定される。基準平面内の偏波が等価検光子偏波に等しければ、第1の検光子は最大強度I0″=0.5を検出する。第1の検光子に対する検出強度I0″は、次のようになる。
【0053】
【数10】
【0054】
第2の検光子は、第1の検光子が最大強度を検出するのと同じ偏波において、次式の強度I1″を検出する。
2I1″(I0″=0.5)=cos2θ0cos2ε0cos2θ1cos2ε1
+sin2θ0cos2ε0sin2θ1cos2ε1
+sin2ε0sin2ε1 (16)
次式より、(16)式の右辺は、第1および第2の検光子の
【0055】
の余弦に等しい。
【0056】
【数11】
【0057】
【0058】
からなる楕円体の座標平面I0″、I1″上への直交射影は、楕円形状の平面となる。その楕円形状平面の主軸aおよびbの長さと楕円率ε、および値I1″(I0″max)に対して、以下の関係が当てはまる。
【0059】
【数12】
【0060】
これより、
【0061】
間の角度と楕円率εの関係を導出することができる。(18)−(20)式より、次式が得られる。
【0062】
【数13】
【0063】
(16)、(17)、および(19)式から、2つの
【0064】
と楕円率εnmの関係は、次のように計算される。
【0065】
【数14】
【0066】
この関係は、検光子の可能な各組に対して当てはまる。
次に、偏光度の原理的な計測精度に関して、振幅分割型偏光計の3つの構成と可能な変形例について説明する。これらの構成は、“直交”、“正方”、および“ダイアモンド”と命名される。これらは、使用される光学部品の数と配置において異なっている。“直交”スキームは、以下の文献で用いられている。
"A study for wavelength dependency of Polarization Analysis Module", T. Miyakoshi, S. Shikii, Y. Hotta, S. Boku, Institute of Electronics, Information and Communication Engineers, sougou taikai B-10-95, p.528, 2001
この文献では、3つのビームスプリッタ、4つの偏光子、1つの1/4波長位相遅延器、4つのフォトダイオード、およびデータ取得電子機器からなる振幅分割型偏光計が記述されている。
【0067】
“正方”は、複雑さと実現可能な精度の間の妥協案である。“ダイアモンド”は、DOP精度およびノイズ感度に関して理想的な構成であるが、最も複雑な配置を必要とする。
特定の配置の主要性能を比較するために、計測された光強度とストークスベクトルの間の関係を記述する4×4インスツルメント行列の条件数を用いることができる。“直交”、“正方”、および“ダイアモンド”のスキームの条件数(Hadamardに従って計算される)は、それぞれ、2.0、1.5、および1.3である。
【0068】
主DOP精度の角度不整合に対する依存性を数値的に評価するために、実際の偏光子の角度と想定された偏光子の角度の差は、0°、0.1°、0.5°、1°の値を通して2°まで変化させた。それらの値は選択的に4つの偏光子の角度と加算および減算されたが、これは近似的に最悪の場合と考えることができる。
【0069】
ノイズをさらに考慮するため、フォトダイオード電流のA/D変換による数量化ノイズを主要な発生源と仮定する。A/D変換の分解能は、8、10、12、14ビットの値を通して16ビットまで変化させた。
【0070】
フォトダイオードの暗電流および増幅器によるオフセットはゼロと仮定する。信号はA/D変換のダイナミックレンジを完全にカバーするものと仮定する。偏光子の消光比は恣意的に高く仮定する。統合された位相遅延は固定されているものと仮定する。
【0071】
振幅分割型偏光計の“直交”型構成を図14に示す。この偏光計の基本構成は、3つのビームスプリッタ51、52、および53と、4つの偏光子54、55、56、および57と、波長の4分の1の位相遅延を有する1つの位相遅延器58とを含む。偏光子54および57の角度は0°であり、偏光子55および56の角度はそれぞれ45°および−45°である。図15に示すように、等価検光子偏波(A0,A1,A2,A3)がポアンカレ球上で相互に直交するように部品が配置される。主DOP精度[%]のノイズ(A/D分解能[bit])および角度不確定性[°]に対する依存性は、具体的な値について図16に示されている。
【0072】
“直交”型偏光計の変形例の構成を図17に示す。この偏光計は、3つのビームスプリッタ61、62、および63と、4つの偏光子64、65、66、および67と、波長の4分の1の位相遅延を有する1つの位相遅延器68とを含む。偏光子64および65の角度は0°であり、偏光子66および67の角度はそれぞれ45°および−45°である。
【0073】
振幅分割型偏光計の“正方”型構成を図18に示す。この偏光計の基本構成は、3つのビームスプリッタ71、72、および73と、4つの偏光子74、75、76、および77と、波長の4分の1の位相遅延を有する1つの位相遅延器78とを含む。偏光子74および77の角度は0°であり、偏光子75および76の角度はそれぞれ60°および−60°である。図19に示すように、ポアンカレ球上の等価検光子偏波(A0,A1,A2,A3)の角度間隔が120°となるように部品が配置される。A3は、他のすべての等価検光子偏波に対して直交している。主DOP精度のノイズおよび角度不確定性に対する依存性は、具体的な値について図20に示されている。
【0074】
“正方”型偏光計の変形例の構成を図21に示す。この偏光計は、3つのビームスプリッタ81、82、および83と、4つの偏光子84、85、86、および87と、波長の4分の1の位相遅延を有する1つの位相遅延器88とを含む。偏光子84および85の角度は0°であり、偏光子86および87の角度はそれぞれ60°および−60°である。
【0075】
振幅分割型偏光計の“ダイアモンド”型構成を図22に示す。この偏光計の基本構成は、3つのビームスプリッタ91、92、および93と、4つの偏光子94、95、96、および97と、4つの位相遅延器98、99、100、および101とを含む。偏光子94および97の角度は0°であり、偏光子95および96の角度はそれぞれ60°および−60°である。位相遅延器98、99、および100の位相遅延は波長の18.48分の1であり、位相遅延器101のそれは波長の4分の1である。図23に示すように、等価検光子偏波(A0,A1,A2,A3)がポアンカレ球上でダイアモンドの複数の原子のような構造を形成するように部品が配置される。主DOP精度のノイズおよび角度不確定性に対する依存性は、具体的な値について図24に示されている。
【0076】
“ダイアモンド”型偏光計の変形例の構成を図25に示す。この偏光計は、3つのビームスプリッタ111、112、および113と、4つの偏光子114、115、116、および117と、4つの位相遅延器118、119、120、および121とを含む。偏光子114および115の角度は0°であり、偏光子116および117の角度はそれぞれ60°および−60°である。位相遅延器118の位相遅延は波長の4分の1であり、位相遅延器119、120、および121のそれは波長の18.48分の1である。
【0077】
図26は、“ダイアモンド”型偏光計の別の変形例の構成を示している。この偏光計は、3つのビームスプリッタ131、132、および133と、4つの偏光子134、135、136、および137と、2つの位相遅延器138および139とを含む。偏光子134および135の角度は0°であり、偏光子136および137の角度はそれぞれ60°および−60°である。位相遅延器138の位相遅延は波長の4分の1から18.48分の1を差し引いた値であり、位相遅延器139のそれは波長の18.48分の1である。
【0078】
上述した構成において、偏光子の角度および位相遅延器の位相遅延はそれぞれの理論値自身に限定されるわけではなく、その値に対する所与の許容誤差範囲(例えば、±5%)内にとることができる。
【0079】
自律キャリブレーション手順は、実現が容易な偏光度一定の光源に加えて、一定の入力パワーを必要とする。これは、結晶ベースまたはファイバベースの装置のような、偏波に対する挿入損失の依存性が低い偏波変調のための偏波変換器を用いることで実現される。多段の可変複屈折波長板または集積光学部品のように、偏波に対する挿入損失の依存性が許容できないほど高い偏波変換器を用いた場合、キャリブレーション対象の偏光計の強度と同時に光波のパワーを計測しなければならない。
【0080】
同時パワー計測は1×2カプラにより実現でき、一方のアームはパワーモニタリング用に用いられ、もう一方はキャリブレーション対象の偏光計用に用いられる。
もう1つの選択肢は、図27に示すように、3つの偏光子のみを用い、4つの光ビームのうちの1つをパワーモニタリング用に用いた振幅分割型偏光計を実現することである。図27の構成は、図17の構成から偏光子67を除くことにより得られる。
【0081】
別の実現可能性は図28に示されており、光ビームが5つのビームに分岐される。図28の構成は、図26の構成に追加のビームスプリッタ140を挿入することにより得られる。それらのビームのうち4つは上述したように光学系を通して伝送され、ビームスプリッタ140からの5番目のビームは、パワーモニタリング用に用いられる。
【0082】
歪みモニタとしての振幅分割型偏光計の偏波モード分散補償器への応用においては、説明した変形例の1つを用いることができ、偏光度計測に対する要求精度は、説明したキャリブレーション手順(インスツルメント行列Zの計測)が適用された後で実現される。偏波モード分散補償器の適応光学系を調整する基本アルゴリズムは、最大偏光度を保証する勾配探索アルゴリズムにより実現される。
【0083】
偏波モード分散補償器の適応光学系を制御可能な速度を改善するため、および/または、偏光度と偏波モード分散による信号歪みの間における訂正の曖昧さを避けるために、以下では他の変形例について説明する。
【0084】
最大偏光度を追跡することにより偏波モード分散補償器を適応的に制御することが可能であるが、計測された偏波状態を含めることで、主要な実現可能追跡速度を改善することができると思われる。一般に、計測された偏波状態は、光ファイバの偏波伝達関数の変化に対して非常に敏感であるが、偏光度は、計測精度がたとえ1%またはそれより良くても、制限された計測精度でカバーできる中程度の感度を示すのみである。
【0085】
図29に示すように、偏光度に加えて偏波状態をモニタすることにより、比較的高度なアルゴリズムの可能性が生じる。図29の偏波モード分散補償器は、適応光学系141、歪みアナライザ142、および制御ロジック143を含んでいる。歪みアナライザ142は、信号歪みの指標としての偏光度に加えて偏波状態をフィードバック信号として制御ロジック143に供給する。制御ロジック143は、そのフィードバック信号を受け取り、受け取った信号に基づいて適応光学系141のための制御信号を生成する。
【0086】
偏波状態が小さな変化しか示さない限り、光伝送システムの偏波モード分散特性もまたわずかに変化するだけであり、この間は適応光学系141の再調整は不要である。このアイドル期間は、偏波変換器の部品をその主要動作点に再調整する、または巻き戻すというような他の動作を行うために、有利に用いることができる。
【0087】
偏波状態が変化する場合には、光伝送システムの偏波モード分散特性が変化してしまい、適応光学系141の再調整が必要となる。偏波状態が変化した際の角度変化および速度は、適応光学系141の状態をどれだけ大きく再調整しなければならないかの指標として用いることができる。
【0088】
曖昧さ、つまり最大偏光度が最小信号歪みに対応しない場合を避けるためには、図30に示すように、高速フィードバック信号としての偏光度と、例えば、前方誤り訂正の電子機器により供給されるビット誤り率の組み合わせを、信号歪みの最終的な指標として用いることができる。図30の偏波モード分散補償器は、図29の構成に類似した構成を有する。歪みアナライザ142は、偏光度のみ、または偏光度と偏波状態の組み合わせを制御ロジック143に供給する。受信機144は、前方誤り訂正の電子機器を含んでおり、ビット誤り率をフィードバック信号として出力する。制御ロジック143は、歪みアナライザ142および受信機144からフィードバック信号を受け取り、受け取った信号に基づいて適応光学系141のための制御信号を生成する。
【0089】
光伝送システムの偏波モード分散特性の高速な変化に対して、偏光度計測により供給されるような高速フィードバック信号が必要となる一方で、微調整の目的には、受信機144における前方誤り訂正の電子機器により供給されるようなビット誤り率が用いられる。
【0090】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、偏光計が組み立てられた後に偏波特性が計測されるので、偏光計に対する機械的位置合わせ精度の要件が劇的に緩和される。したがって、冗漫でコスト集中的な機械的位置合わせは不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】従来の偏波モのード分散補償器の構成を示す図である。
【図2】瞬時の群遅延時間差の関数としての偏光度、Qペナルティ、およびスペクトル成分を示す図である。
【図3】瞬時の群遅延時間差の関数としての偏光度、Qペナルティ、およびスペクトル成分の詳細を示す図である。
【図4】歪みアナライザの構成を示す図である。
【図5】振幅分割型偏光計のモデルを示す図である。
【図6】ポアンカレ球における振幅分割型偏光計の偏波特性表現を示す図である。
【図7】楕円位相遅延器のパラメータを示す図である。
【図8】振幅分割型偏光計のキャリブレーションのための配置を示す図である。
【図9】2つの強度信号のパラメトリックプロットを示す図である。
【図10】2つの強度信号のスケール変更されたパラメトリックプロットを示す図である。
【図11】ポアンカレ球上の第1の等価検光子偏波の場所を示す図である。
【図12】ポアンカレ球上の第2の等価検光子偏波の候補場所を表す円を示す図である。
【図13】ポアンカレ球上の第3の等価検光子偏波の候補場所を表す円の交点を示す図である。
【図14】振幅分割型偏光計の直交型構成を示す図である。
【図15】ポアンカレ球上の直交型構成の等価検光子偏波を示す図である。
【図16】直交型構成におけるDOP精度のノイズおよび角度不確定性に対する依存性を示す図である。
【図17】直交型偏光計の変形例の構成を示す図である。
【図18】振幅分割型偏光計の正方型構成を示す図である。
【図19】ポアンカレ球上の正方型構成の等価検光子偏波を示す図である。
【図20】正方型構成におけるDOP精度のノイズおよび角度不確定性に対する依存性を示す図である。
【図21】正方型偏光計の変形例の構成を示す図である。
【図22】振幅分割型偏光計のダイアモンド型構成を示す図である。
【図23】ポアンカレ球上のダイアモンド型構成の等価検光子偏波を示す図である。
【図24】ダイアモンド型構成におけるDOP精度のノイズおよび角度不確定性に対する依存性を示す図である。
【図25】ダイアモンド型偏光計の変形例の構成を示す図である。
【図26】ダイアモンド型偏光計の別の変形例の構成を示す図である。
【図27】自律キャリブレーションのための振幅分割型偏光計の変形例の構成を示す図である。
【図28】自律キャリブレーションのための振幅分割型偏光計の別の変形例の構成を示す図である。
【図29】偏光度および偏波状態をフィードバック信号として用いた偏波モード分散補償器を示す図である。
【図30】偏光度および/または偏波状態とビット誤り率をフィードバック信号として用いた偏波モード分散補償器を示す図である。
【0001】
本発明は、光伝送システムにおける偏波モード分散による信号歪みを解析して、偏波モード分散を緩和するために用いられる適応光学系を調整するためのフィードバック信号を供給する偏波モード分散補償器に関する。
【背景技術】
【0002】
光伝送システムのビットレートが高ければ高いほど、光ファイバの一定量の偏波モード分散が伝送される信号をより大きく歪ませる。
偏波モード分散により、いわゆるシングルモードファイバ内の2つのモードは異なる速度で伝搬する。初期パルスはそのエネルギーを2つのモードに分配する。それらの2つのモードには伝搬中に群遅延時間差が生じる。これは、ファイバの終端におけるパルスの広がりをもたらす。2つのモード間の群遅延時間差がビット持続時間のオーダになればなるほど、隣接するパルスはより大きく重複することになり、少なくともビット誤り率の増加をもたらし、あるいはパルスの識別を不可能にすることさえある。偏波モード分散は、内部複屈折(例えば、ファイバコア構造の不規則性)または外的要因により誘発された複屈折(例えば、曲げ、絞り等)によるものである。大規模なシングルモードファイバでは、ランダムに変化する場所において、例えば、温度のような環境変化によりランダムに変動する強度で偏波モード結合が発生するため、偏波モード分散そのものが時間とともに変化する。主偏波状態間の瞬時の群遅延時間差がマクスウェルの確率分布関数に従うことは周知である。マクスウェル分布する瞬時の群遅延時間差の平均値は、ファイバの平均群遅延時間差または偏波モード分散値(PMD)として知られている。強い偏波モード結合を持つ大規模なシングルモードファイバの偏波モード分散値は、ファイバ長の平方根に比例する。
【0003】
偏波モード分散による信号の歪みを緩和するために、ファイバに近い量の逆符号の群遅延時間差をもたらす光学素子をファイバの終端に設置してもよい。大規模な光ファイバにおける瞬時の群遅延時間差および主偏波状態のランダムな性質のため、偏波モード分散を補償するために用いられる光学素子を、一時的なファイバ状態に対して適応的に合わせなければならない。したがって、閉ループ設計の偏波モード分散補償器は、図1に示すように、
1.適応調整可能な光学素子(適応光学系)
2.歪みアナライザ
3.制御ロジック
からなる。
【0004】
図1において、歪みアナライザ12は、光ファイバの一時的な偏波モード分散状態に最も良く一致するように適応光学系11を適応的に調整するために、制御ロジック13に対して信号歪みの指標を提供する。
【0005】
例えば、スペクトルホールバーニング(SHB)、直接アイオープニング解析等のような方法に加えて、偏光度(DOP)を偏波モード分散による信号歪みの解析に用いることができる。当業者にとって、スペクトル幅に反比例するコヒーレンス長が群遅延時間差のオーダであれば、光ビームが劣化することは周知である。群遅延時間差がコヒーレンス長に比べて大きくなればなるほど、ビームはより大きく劣化し、その偏光度はより大きく減少する。このような周知の物理的効果はそのまま、偏波モード分散補償器の光学素子を適応的に制御するフィードバック信号として用いることができる。ファイバの異方性による光信号の偏波を信号スペクトル(帯域幅、形状)、群遅延時間差、および入力偏波状態の関数として導出する方法は、以下の文献に示されている。
"Degree of Polarization in Anisotropic Single-Mode Optical Fibers: Theory", Jun-ichi Sakai, Susumu Machida, Tatsuya Kimura, IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol.QE-18, No.4, pp.488-495, 1982
スペクトルホールバーニング、アイオープニングの直接計測、あるいはビット誤り率検出に比べて、偏光度を適応偏波モード分散補償器のフィードバック信号として用いる方法の利点は、次の通りである。
1.ビットレートに無関係
2.任意の変調方式に対して変更することなく適用可能
3.偏光度は偏波モード分散のみによる信号歪みの良好な指標を提供するという具合に、波長分散の影響を受けない
図2は、非ゼロ復帰(NRZ)方式にて48Gbit/sのビットレートで変調された伝送信号の偏光度およびQペナルティを、瞬時の群遅延時間差の関数として示している。ここで、Qペナルティは次のように定義される。
【0006】
【数1】
【0007】
図2では、参考のため、24GHz(ビットレートの半分)のスペクトル成分のパワーも瞬時の群遅延時間差の関数として示されている。ビットレートの半分のスペクトル成分は、瞬時の群時間差に対して最も強い依存性を示すことが判明している。
【0008】
瞬時の群遅延時間差がなくなったときに唯一の極大値を取る偏光度とは反対に、24GHzのスペクトル成分は周期的な振る舞いを示している。したがって、瞬時の群遅延時間差がビット持続時間を超えると予想される場合には、曖昧さを避けるために、少なくとももう1つのスペクトル成分、すなわち12GHz(ビットレートの4分の1)を付加的にテストしなければならない。
【0009】
小さな群遅延時間差の値に対する偏光度と、24GHz(ビットレートの半分)、12GHz(ビットレートの4分の1)、および6GHz(ビットレートの8分の1)のスペクトル成分のパワーの詳細を図3に示す。
【0010】
適応偏波モード分散補償器のフィードバック信号として偏光度を適用する方法において、偏光度を計測できる精度(特に、計測された偏光度の入力偏波状態に関する分散)が決定的に重要となる。
【0011】
図2から分かるように、例えば、Qペナルティが0.5dBを超えてはならない場合、偏光度のダイナミックレンジは±5%となる。したがって、偏光度計測時の不確定性は5%を超えてはならない。偏波モード分散補償器の適応制御アルゴリズムは、ランダムに変化する群遅延時間差および主偏波状態を追跡するための最適点の環境で偏光度をサンプリングする必要がある。光ファイバ内の偏波モード分散状態に対して光学素子をわずかにずらすことにより要求されたサンプリングを行うため、偏光度を計測できる要求精度はさらに厳しくなる。
【0012】
要求精度を実現するための一般的なアプローチは、歪みアナライザ内の偏光計の光学部品を機械的に高精度で所定の角度に揃えることである。しかしながら、これは非常に冗漫な、したがってコスト集中的な構築方法である。
【発明の開示】
【0013】
本発明の課題は、冗漫でコスト集中的な構築方法を必要としないような、偏光度に基づく偏波モード分散補償器を提供することである。
本発明による偏波モード分散補償器は、光学部、歪みアナライザ、および制御部を備える。光学部は入力光信号を受け取り、出力光信号を出力する。歪みアナライザは偏光計を含み、その偏光計の偏波特性を用いることで、出力光信号を解析して出力光信号の偏光度を表すフィードバック信号を生成する。この偏波特性は、偏光計から出力される複数の強度信号を用いたキャリブレーションにより決定される。制御部は、そのフィードバック信号に基づいて、光学部を調整する制御信号を生成する。
【0014】
光学部は適応光学系に対応し、1つ以上の光学素子を含む。制御部は、偏光度をフィードバック信号として用いて光学部を制御する制御ロジックに対応する。偏光計の偏波特性は、あらかじめ実際の偏光計に一致するようにキャリブレーションにより決定される。歪みアナライザは、光学部からの出力光信号を解析して、上記得られた偏波特性を用いることでフィードバック信号を生成し、それを制御部に出力する。偏光計が完全に組み立てられた後で偏波特性が計測されるため、機械的位置合わせ精度の要件は劇的に緩和される。冗漫で高精度の機械的位置合わせはもはや不要となり、劇的なコスト削減がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
光の物理的特性として、偏光度が、偏波モード分散補償器の適応光学系を調整するフィードバック信号を供給するために用いられる。
【0016】
偏光度を計測するために、入射光ビームを4つ以上のビームに分岐させ、各ビームが独立して配置された位相遅延および偏光光学系を通過するようにする。この種の偏光計測システムは、振幅分割型偏光計と呼ぶことができる。各ビームが進む経路の偏波特性が分かっている場合、その場合に限って、これらのビームの強度から偏波状態および偏光度を計算することができる。このような機器により偏波状態および偏光度を計測できる精度は、各経路の偏波特性、特に、例えば、偏光子の角度、経路の位相遅延等が分かる精度に強く依存する。以下では、各分岐ビームの偏波特性を高い精度で計測するための有利な解決方法を説明する。
【0017】
図4は、偏光度および/または偏波状態を計測する歪みアナライザの構成例を示している。偏光計21は、光ビームをいくつかのビームに分岐させ、それらのビームの強度信号を出力する。この強度信号は、増幅器22により増幅され、デジタル/アナログ(A/D)変換器23によりデジタル信号に変換される。中央処理装置(CPU)24は、そのデジタル信号の値を用いて偏光度および/または偏波状態を計算し、得られた結果をフィードバック信号として出力する。
【0018】
次に、偏光度をフィードバック信号として適応偏波モード分散補償器に適用する様々な方法について説明する。以下に説明する方法は、偏光度計測精度に関して有利な偏光計の構築例を含んでいる。光学部品をいかに正確に揃えるかに関する厳しい要件を緩和するために、偏光計のいくつかの適切な構築例を含むキャリブレーション方法を説明する。
【0019】
上述したように、振幅分割型偏光計は、入射光ビームをいくつかのビームに分岐させる偏光計である。各ビームは、個別に偏光子(検光子)および位相遅延器のような光学部品を通して誘導される。計測された強度から偏波状態を計算することができる。
【0020】
振幅分割型偏光計は、図5に示すように変調することができる。
【0021】
はビームスプリッタ31により4つのビーム(4つより多くのビームでも可、4つのビームを選択したのは説明を明確にするため)に分岐される。各分岐ビームは位相遅延器32および偏光子33の組み合わせを通して伝搬し、それぞれのビームの強度I0、I1、I2、およびI3はフォトダイオード34により検出される。位相遅延器/偏光子の組み合わせは楕円偏光子を表し、方位角θ、楕円率ε、および消光比ERにより特徴付けられる。消光比は、可能なすべての入力偏波状態に対する最小伝送強度τminおよび最大伝送強度τmaxの間の関係である。各ビームが入力側からビームスプリッタ31を通って伝搬し、偏光子33に到達するまでの間に各ビームに影響を及ぼす偏波特性は、位相遅延器/偏光子のそれぞれの組み合わせによりこのモデルに組み入れられる。
【0022】
検出された強度I0、I1、I2、およびI3と、ビームスプリッタ31の入力側における光の偏波
【0023】
との間の関係は、次のように表される。
【0024】
【数2】
【0025】
【数3】
【0026】
角度θ0、θ1、θ2、θ3およびε0、ε1、ε2、ε3は、位相遅延器/偏光子の各組み合わせの楕円位相遅延特性を表している。係数τa0、τa1、τa2、τa3およびτd0、τd1、τd2、τd3は、次式により、可能なすべての入力偏波状態に対する最小伝送強度(伝送係数)τminおよび最大伝送強度τmaxに関係付けられる。
τa=(τmax+τmin)/2, (3)
τd=(τmax−τmin)/2 (4)
インスツルメント行列Zの各行は、ストークスベクトルと同様の方式で、方位角θおよび楕円率εにより偏波状態を記述していると考えることができる。結果として、各ビームが通過する位相遅延器/偏光子の組み合わせは、図6に示すようにポアンカレ球上の1つの点により表すことができる。各ビームに影響を及ぼす偏波特性のポアンカレ球における表現は、等価検光子偏波と呼ぶことができる。
【0027】
図示された等価検光子偏波A0、A1、A2、およびA3の例は、振幅分割型偏光計の状況を示しており、楕円位相遅延器(等価検光子)のパラメータは図7のようになる。
それぞれの等価検光子偏波および消光比が分かっている場合、振幅分割偏光計はその偏波特性に関して完全に特徴付けられる。インスツルメント行列Zは計算することができ、偏光計の入力側における
【0028】
は、フォトダイオード34で検出された強度I0、I1、I2、およびI3から計算することができる。
従来の手順では、最初に等価検光子偏波の値を選択し、次に光学部品の機械的位置合わせがあらかじめ選択されたインスツルメント行列に一致するように光学部品を組み立てる。要求精度に応じて、位置合わせは非常に正確でなければならない。このため、冗漫でコスト集中的な組み立て作業となる。
【0029】
別のアプローチでは、以下に概説するように、それぞれの等価検光子偏波および消光比を高い精度で計測する手順を提供する。したがって、光学部品は、位置合わせ精度に関する緩和された要件の下で組み立てられる。これにより、性能改善と同時に、組み立て作業のコスト削減がもたらされる。
【0030】
図8は、振幅分割型偏光計の自律キャリブレーションのための配置を示している。キャリブレーション手順は、複数の異なる入力偏波状態に対する一組の強度ベクトルI0、I1、I2、およびI3を計測することにより開始される。異なる入力偏波は、無視できる、または少なくとも非常に小さな偏差で、完全偏光(DOP=100%)を偏波変換器42に出射する狭帯域レーザ41により提供される。
【0031】
自走の、あるいは外部信号により制御された偏波変換器42は、ポアンカレ球が完全にカバーされるように、複数の偏波状態を較正対象の振幅分割偏光計43に出射する。
このようにして入力偏波状態が変調されている場合、4つの強度信号のうちの任意の2つのパラメトリックプロットは、図9に示すように、必ず楕円で囲まれた平面上の複数の点となる。楕円の左、右、下、および上の境界は、それぞれの検光子の最小伝送係数τminおよび最大伝送係数τmaxに一致する。
【0032】
図10に示すように、1辺の長さを1とする正方形内に楕円が納まるように強度信号をスケール変更すると、楕円率εは、ポアンカレ球表現において、パラメトリックプロットが描画されている2つの等価検光子の間の角度間隔ε01の半分となる。以下の文献には、全ファイバ光学インラインおよびオフライン偏波検光子が示されており、被試験デバイスをインライン偏光計とオフライン偏光計の間に置いてその偏波伝達関数を特徴付ける配置の応用について記述されている。計測可能なパラメータは、偏波依存性損失、位相遅延、群遅延時間差、および減偏光である。さらに、ファイバ光学パラメトリックセンサ、特に温度センサの応用も含まれている。とりわけ、振幅分割型偏光計の強度ベクトルの特性に関する数学については、46乃至51ページに記述されている。
"Selbstkalibrierender faseroptischer Polarisationsanalysator", Jens C. Rasmussen, Ph.D thesis, RWTH Aachen (Germany), Shaker Verlag, ISBN 3-8265-4450-1, 1998
等価検光子偏波間の相対角距離ε01、ε02、ε03、ε12、およびε13、が分かった後、絶対偏波は以下のように導出される。
【0033】
偏光度計測は、偏光度を計測するための基準座標系の回転(可能な両方向におけるポアンカレ球の回転)に対して不変である。偏光度計測そのものに対してさえ、光ファイバを通して光が伝搬する間には内部および外的誘導複屈折のために、基準座標系の回転は必ず発生する。したがって、ここでのように、光ファイバを通過した光の偏波を計測する場合には、基準座標系の絶対的な向きは重要ではない。
【0034】
したがって、第1の等価検光子偏波A0は、図11に示すように、ポアンカレ球上の任意の位置に置くことができる。ここでは、(方位角,楕円率)=(0,0)に固定している。
【0035】
第2の等価検光子偏波A1は、ポアンカレ球上で第1の等価検光子偏波A0から角距離ε01の位置に置かれる。したがって、候補場所は、第1の等価検光子偏波A0の周りの円となる。前述した回転不変性により、図12に示すように、候補場所の円とポアンカレ球の赤道との交点が選択される。
【0036】
第3の等価検光子偏波A2は、ポアンカレ球上で第1の等価検光子偏波A0から角距離ε02であり、かつ、第2の等価検光子偏波A1から角距離ε12の位置に置かれる。したがって、候補場所は、第1および第2の等価検光子偏波A0およびA1の周りの円の2つの交点となる。第3の等価検光子偏波A2に対するこれらの2つの候補場所から、図13に示すように、1つが選択される。
【0037】
第4の等価検光子偏波A3は、ポアンカレ球上で第1の等価検光子偏波A0から角距離ε03であり、第2の等価検光子偏波A1から角距離ε13であり、かつ、第3の等価検光子偏波A2から角距離ε23の位置に置かれる。したがって、候補場所は、第1、第2、および第3の等価検光子偏波A0、A1、およびA2の周りの円の2つの交点となる。第4の等価検光子偏波A3に対するこれらの2つの候補場所から1つが選択される。
【0038】
次に、キャリブレーション手順を導出するために用いられる数学について示す。振幅分割型偏光計の各検光子は、任意の共通基準平面に関して楕円偏光子により記述することができる。第nの検光子により検出される強度In(n=0,1,2,3)は、次のようになる。
In=τan+τdn(cos2θncos2εnS1+sin2θncos2εnS2
+sin2εnS3) (5)
基準平面内の偏波は、ストークスパラメータS0、S1、S2、およびS3により記述される。第nの検光子の等価検光子偏波は、方位角θnおよび楕円率εnにより特徴付けられる。因子τanおよびτdnは、伝送係数τmaxn=Imaxnおよびτminn=Iminnから計算できる。
τan=(τmaxn+τminn)/2, (6)
τdn=(τmaxn−τminn)/2 (7)
強度I0、I1、およびI2を検出する3つの検光子に注目すると、次式が得られる。
【0039】
【数4】
【0040】
【数5】
【0041】
【数6】
【0042】
一定偏光度p=(S1 2+S2 2+S3 2)1/2を仮定すると、
【0043】
により記述される各偏波状態は、次式を満たす。
【0044】
【数7】
【0045】
この式は、
【0046】
のベクトル成分を変数とする半径pの球を記述している。(8)式および(9)式を組み合わせると、次式が得られる。
【0047】
【数8】
【0048】
得られた式は、3次元のベクトルの成分を変数とする2次平面を記述している。さらなる分類も可能である。対称行列Z′・E・Z′Tのすべての固有値は正の実数である。p2(det(Z′))2の項も常に正である。したがって、(13)式は、行列Z′の正則性とそのすべての列ベクトルが線形独立であるという仮定の下で、楕円体を記述している。物理的な意味は、すべての検光子が偏光子(τdn>0)であり、等価検光子偏波同士は同等ではないということである。
【0049】
の成分を正規化すると、次のベクトルは、すべての辺の長さが1に等しい立方体に内接する楕円体を記述している。
【0050】
【数9】
【0051】
今度は、
【0052】
の各成分の値の候補が−0.5<In″<0.5に限定される。基準平面内の偏波が等価検光子偏波に等しければ、第1の検光子は最大強度I0″=0.5を検出する。第1の検光子に対する検出強度I0″は、次のようになる。
【0053】
【数10】
【0054】
第2の検光子は、第1の検光子が最大強度を検出するのと同じ偏波において、次式の強度I1″を検出する。
2I1″(I0″=0.5)=cos2θ0cos2ε0cos2θ1cos2ε1
+sin2θ0cos2ε0sin2θ1cos2ε1
+sin2ε0sin2ε1 (16)
次式より、(16)式の右辺は、第1および第2の検光子の
【0055】
の余弦に等しい。
【0056】
【数11】
【0057】
【0058】
からなる楕円体の座標平面I0″、I1″上への直交射影は、楕円形状の平面となる。その楕円形状平面の主軸aおよびbの長さと楕円率ε、および値I1″(I0″max)に対して、以下の関係が当てはまる。
【0059】
【数12】
【0060】
これより、
【0061】
間の角度と楕円率εの関係を導出することができる。(18)−(20)式より、次式が得られる。
【0062】
【数13】
【0063】
(16)、(17)、および(19)式から、2つの
【0064】
と楕円率εnmの関係は、次のように計算される。
【0065】
【数14】
【0066】
この関係は、検光子の可能な各組に対して当てはまる。
次に、偏光度の原理的な計測精度に関して、振幅分割型偏光計の3つの構成と可能な変形例について説明する。これらの構成は、“直交”、“正方”、および“ダイアモンド”と命名される。これらは、使用される光学部品の数と配置において異なっている。“直交”スキームは、以下の文献で用いられている。
"A study for wavelength dependency of Polarization Analysis Module", T. Miyakoshi, S. Shikii, Y. Hotta, S. Boku, Institute of Electronics, Information and Communication Engineers, sougou taikai B-10-95, p.528, 2001
この文献では、3つのビームスプリッタ、4つの偏光子、1つの1/4波長位相遅延器、4つのフォトダイオード、およびデータ取得電子機器からなる振幅分割型偏光計が記述されている。
【0067】
“正方”は、複雑さと実現可能な精度の間の妥協案である。“ダイアモンド”は、DOP精度およびノイズ感度に関して理想的な構成であるが、最も複雑な配置を必要とする。
特定の配置の主要性能を比較するために、計測された光強度とストークスベクトルの間の関係を記述する4×4インスツルメント行列の条件数を用いることができる。“直交”、“正方”、および“ダイアモンド”のスキームの条件数(Hadamardに従って計算される)は、それぞれ、2.0、1.5、および1.3である。
【0068】
主DOP精度の角度不整合に対する依存性を数値的に評価するために、実際の偏光子の角度と想定された偏光子の角度の差は、0°、0.1°、0.5°、1°の値を通して2°まで変化させた。それらの値は選択的に4つの偏光子の角度と加算および減算されたが、これは近似的に最悪の場合と考えることができる。
【0069】
ノイズをさらに考慮するため、フォトダイオード電流のA/D変換による数量化ノイズを主要な発生源と仮定する。A/D変換の分解能は、8、10、12、14ビットの値を通して16ビットまで変化させた。
【0070】
フォトダイオードの暗電流および増幅器によるオフセットはゼロと仮定する。信号はA/D変換のダイナミックレンジを完全にカバーするものと仮定する。偏光子の消光比は恣意的に高く仮定する。統合された位相遅延は固定されているものと仮定する。
【0071】
振幅分割型偏光計の“直交”型構成を図14に示す。この偏光計の基本構成は、3つのビームスプリッタ51、52、および53と、4つの偏光子54、55、56、および57と、波長の4分の1の位相遅延を有する1つの位相遅延器58とを含む。偏光子54および57の角度は0°であり、偏光子55および56の角度はそれぞれ45°および−45°である。図15に示すように、等価検光子偏波(A0,A1,A2,A3)がポアンカレ球上で相互に直交するように部品が配置される。主DOP精度[%]のノイズ(A/D分解能[bit])および角度不確定性[°]に対する依存性は、具体的な値について図16に示されている。
【0072】
“直交”型偏光計の変形例の構成を図17に示す。この偏光計は、3つのビームスプリッタ61、62、および63と、4つの偏光子64、65、66、および67と、波長の4分の1の位相遅延を有する1つの位相遅延器68とを含む。偏光子64および65の角度は0°であり、偏光子66および67の角度はそれぞれ45°および−45°である。
【0073】
振幅分割型偏光計の“正方”型構成を図18に示す。この偏光計の基本構成は、3つのビームスプリッタ71、72、および73と、4つの偏光子74、75、76、および77と、波長の4分の1の位相遅延を有する1つの位相遅延器78とを含む。偏光子74および77の角度は0°であり、偏光子75および76の角度はそれぞれ60°および−60°である。図19に示すように、ポアンカレ球上の等価検光子偏波(A0,A1,A2,A3)の角度間隔が120°となるように部品が配置される。A3は、他のすべての等価検光子偏波に対して直交している。主DOP精度のノイズおよび角度不確定性に対する依存性は、具体的な値について図20に示されている。
【0074】
“正方”型偏光計の変形例の構成を図21に示す。この偏光計は、3つのビームスプリッタ81、82、および83と、4つの偏光子84、85、86、および87と、波長の4分の1の位相遅延を有する1つの位相遅延器88とを含む。偏光子84および85の角度は0°であり、偏光子86および87の角度はそれぞれ60°および−60°である。
【0075】
振幅分割型偏光計の“ダイアモンド”型構成を図22に示す。この偏光計の基本構成は、3つのビームスプリッタ91、92、および93と、4つの偏光子94、95、96、および97と、4つの位相遅延器98、99、100、および101とを含む。偏光子94および97の角度は0°であり、偏光子95および96の角度はそれぞれ60°および−60°である。位相遅延器98、99、および100の位相遅延は波長の18.48分の1であり、位相遅延器101のそれは波長の4分の1である。図23に示すように、等価検光子偏波(A0,A1,A2,A3)がポアンカレ球上でダイアモンドの複数の原子のような構造を形成するように部品が配置される。主DOP精度のノイズおよび角度不確定性に対する依存性は、具体的な値について図24に示されている。
【0076】
“ダイアモンド”型偏光計の変形例の構成を図25に示す。この偏光計は、3つのビームスプリッタ111、112、および113と、4つの偏光子114、115、116、および117と、4つの位相遅延器118、119、120、および121とを含む。偏光子114および115の角度は0°であり、偏光子116および117の角度はそれぞれ60°および−60°である。位相遅延器118の位相遅延は波長の4分の1であり、位相遅延器119、120、および121のそれは波長の18.48分の1である。
【0077】
図26は、“ダイアモンド”型偏光計の別の変形例の構成を示している。この偏光計は、3つのビームスプリッタ131、132、および133と、4つの偏光子134、135、136、および137と、2つの位相遅延器138および139とを含む。偏光子134および135の角度は0°であり、偏光子136および137の角度はそれぞれ60°および−60°である。位相遅延器138の位相遅延は波長の4分の1から18.48分の1を差し引いた値であり、位相遅延器139のそれは波長の18.48分の1である。
【0078】
上述した構成において、偏光子の角度および位相遅延器の位相遅延はそれぞれの理論値自身に限定されるわけではなく、その値に対する所与の許容誤差範囲(例えば、±5%)内にとることができる。
【0079】
自律キャリブレーション手順は、実現が容易な偏光度一定の光源に加えて、一定の入力パワーを必要とする。これは、結晶ベースまたはファイバベースの装置のような、偏波に対する挿入損失の依存性が低い偏波変調のための偏波変換器を用いることで実現される。多段の可変複屈折波長板または集積光学部品のように、偏波に対する挿入損失の依存性が許容できないほど高い偏波変換器を用いた場合、キャリブレーション対象の偏光計の強度と同時に光波のパワーを計測しなければならない。
【0080】
同時パワー計測は1×2カプラにより実現でき、一方のアームはパワーモニタリング用に用いられ、もう一方はキャリブレーション対象の偏光計用に用いられる。
もう1つの選択肢は、図27に示すように、3つの偏光子のみを用い、4つの光ビームのうちの1つをパワーモニタリング用に用いた振幅分割型偏光計を実現することである。図27の構成は、図17の構成から偏光子67を除くことにより得られる。
【0081】
別の実現可能性は図28に示されており、光ビームが5つのビームに分岐される。図28の構成は、図26の構成に追加のビームスプリッタ140を挿入することにより得られる。それらのビームのうち4つは上述したように光学系を通して伝送され、ビームスプリッタ140からの5番目のビームは、パワーモニタリング用に用いられる。
【0082】
歪みモニタとしての振幅分割型偏光計の偏波モード分散補償器への応用においては、説明した変形例の1つを用いることができ、偏光度計測に対する要求精度は、説明したキャリブレーション手順(インスツルメント行列Zの計測)が適用された後で実現される。偏波モード分散補償器の適応光学系を調整する基本アルゴリズムは、最大偏光度を保証する勾配探索アルゴリズムにより実現される。
【0083】
偏波モード分散補償器の適応光学系を制御可能な速度を改善するため、および/または、偏光度と偏波モード分散による信号歪みの間における訂正の曖昧さを避けるために、以下では他の変形例について説明する。
【0084】
最大偏光度を追跡することにより偏波モード分散補償器を適応的に制御することが可能であるが、計測された偏波状態を含めることで、主要な実現可能追跡速度を改善することができると思われる。一般に、計測された偏波状態は、光ファイバの偏波伝達関数の変化に対して非常に敏感であるが、偏光度は、計測精度がたとえ1%またはそれより良くても、制限された計測精度でカバーできる中程度の感度を示すのみである。
【0085】
図29に示すように、偏光度に加えて偏波状態をモニタすることにより、比較的高度なアルゴリズムの可能性が生じる。図29の偏波モード分散補償器は、適応光学系141、歪みアナライザ142、および制御ロジック143を含んでいる。歪みアナライザ142は、信号歪みの指標としての偏光度に加えて偏波状態をフィードバック信号として制御ロジック143に供給する。制御ロジック143は、そのフィードバック信号を受け取り、受け取った信号に基づいて適応光学系141のための制御信号を生成する。
【0086】
偏波状態が小さな変化しか示さない限り、光伝送システムの偏波モード分散特性もまたわずかに変化するだけであり、この間は適応光学系141の再調整は不要である。このアイドル期間は、偏波変換器の部品をその主要動作点に再調整する、または巻き戻すというような他の動作を行うために、有利に用いることができる。
【0087】
偏波状態が変化する場合には、光伝送システムの偏波モード分散特性が変化してしまい、適応光学系141の再調整が必要となる。偏波状態が変化した際の角度変化および速度は、適応光学系141の状態をどれだけ大きく再調整しなければならないかの指標として用いることができる。
【0088】
曖昧さ、つまり最大偏光度が最小信号歪みに対応しない場合を避けるためには、図30に示すように、高速フィードバック信号としての偏光度と、例えば、前方誤り訂正の電子機器により供給されるビット誤り率の組み合わせを、信号歪みの最終的な指標として用いることができる。図30の偏波モード分散補償器は、図29の構成に類似した構成を有する。歪みアナライザ142は、偏光度のみ、または偏光度と偏波状態の組み合わせを制御ロジック143に供給する。受信機144は、前方誤り訂正の電子機器を含んでおり、ビット誤り率をフィードバック信号として出力する。制御ロジック143は、歪みアナライザ142および受信機144からフィードバック信号を受け取り、受け取った信号に基づいて適応光学系141のための制御信号を生成する。
【0089】
光伝送システムの偏波モード分散特性の高速な変化に対して、偏光度計測により供給されるような高速フィードバック信号が必要となる一方で、微調整の目的には、受信機144における前方誤り訂正の電子機器により供給されるようなビット誤り率が用いられる。
【0090】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、偏光計が組み立てられた後に偏波特性が計測されるので、偏光計に対する機械的位置合わせ精度の要件が劇的に緩和される。したがって、冗漫でコスト集中的な機械的位置合わせは不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】従来の偏波モのード分散補償器の構成を示す図である。
【図2】瞬時の群遅延時間差の関数としての偏光度、Qペナルティ、およびスペクトル成分を示す図である。
【図3】瞬時の群遅延時間差の関数としての偏光度、Qペナルティ、およびスペクトル成分の詳細を示す図である。
【図4】歪みアナライザの構成を示す図である。
【図5】振幅分割型偏光計のモデルを示す図である。
【図6】ポアンカレ球における振幅分割型偏光計の偏波特性表現を示す図である。
【図7】楕円位相遅延器のパラメータを示す図である。
【図8】振幅分割型偏光計のキャリブレーションのための配置を示す図である。
【図9】2つの強度信号のパラメトリックプロットを示す図である。
【図10】2つの強度信号のスケール変更されたパラメトリックプロットを示す図である。
【図11】ポアンカレ球上の第1の等価検光子偏波の場所を示す図である。
【図12】ポアンカレ球上の第2の等価検光子偏波の候補場所を表す円を示す図である。
【図13】ポアンカレ球上の第3の等価検光子偏波の候補場所を表す円の交点を示す図である。
【図14】振幅分割型偏光計の直交型構成を示す図である。
【図15】ポアンカレ球上の直交型構成の等価検光子偏波を示す図である。
【図16】直交型構成におけるDOP精度のノイズおよび角度不確定性に対する依存性を示す図である。
【図17】直交型偏光計の変形例の構成を示す図である。
【図18】振幅分割型偏光計の正方型構成を示す図である。
【図19】ポアンカレ球上の正方型構成の等価検光子偏波を示す図である。
【図20】正方型構成におけるDOP精度のノイズおよび角度不確定性に対する依存性を示す図である。
【図21】正方型偏光計の変形例の構成を示す図である。
【図22】振幅分割型偏光計のダイアモンド型構成を示す図である。
【図23】ポアンカレ球上のダイアモンド型構成の等価検光子偏波を示す図である。
【図24】ダイアモンド型構成におけるDOP精度のノイズおよび角度不確定性に対する依存性を示す図である。
【図25】ダイアモンド型偏光計の変形例の構成を示す図である。
【図26】ダイアモンド型偏光計の別の変形例の構成を示す図である。
【図27】自律キャリブレーションのための振幅分割型偏光計の変形例の構成を示す図である。
【図28】自律キャリブレーションのための振幅分割型偏光計の別の変形例の構成を示す図である。
【図29】偏光度および偏波状態をフィードバック信号として用いた偏波モード分散補償器を示す図である。
【図30】偏光度および/または偏波状態とビット誤り率をフィードバック信号として用いた偏波モード分散補償器を示す図である。
Claims (14)
- 入力光信号を受け取り、出力光信号を出力する光学部と、
偏光計を含み、前記出力光信号を解析して、該偏光計から出力される複数の強度信号を用いたキャリブレーションにより決定された該偏光計の偏波特性を用いることで、該出力光信号の偏光度を表すフィードバック信号を生成する歪みアナライザと、
前記フィードバック信号に基づいて、前記光学部を調整する制御信号を生成する制御部と
を備えることを特徴とする偏波モード分散補償器。 - 前記偏光計は、前記複数の強度信号を生成する複数の光学部品を含み、前記歪みアナライザは、該偏光計のインスツルメント行列の情報を前記偏波特性として用いることで、前記フィードバック信号を生成し、該インスツルメント行列の情報は、ポアンカレ球を完全にカバーするような複数の異なる偏波状態の光を該偏光計に入力して該偏光計から出力される該複数の強度信号を計測することで得られることを特徴とする請求項1記載の偏波モード分散補償器。
- 前記インスツルメント行列の情報は、前記複数の強度信号のうちの2つを前記複数の異なる偏波状態に対して平面上にプロットし、プロットされた複数の点を囲む楕円の方位角および楕円率を決定することで得られることを特徴とする請求項2記載の偏波モード分散補償器。
- 前記複数の強度信号のうちの2つの各々について前記プロットされた複数の点の最大および最小強度がさらに決定され、前記方位角および楕円率とともに前記インスツルメント行列の情報として用いられることを特徴とする請求項3記載の偏波モード分散補償器。
- 前記偏光計は、4つの強度信号を生成する4つの検光子を形成する複数の光学部品を含み、該複数の光学部品は、該4つの検光子のうちの3つの等価検光子偏波がポアンカレ球上で120度の角度間隔を有し、該4つの検光子のうちのもう1つの等価検光子偏波が該ポアンカレ球上で該3つの検光子の等価検光子偏波と直交するように、配置されることを特徴とする請求項1記載の偏波モード分散補償器。
- 前記偏光計は、4つの強度信号を生成する4つの検光子を形成する複数の光学部品を含み、該複数の光学部品は、該4つの検光子の等価検光子偏波がポアンカレ球上でダイアモンドの複数の原子のような構造を形成するように、配置されることを特徴とする請求項1記載の偏波モード分散補償器。
- 前記歪みアナライザは、前記出力光信号の偏波状態を表すフィードバック信号を生成し、前記制御部は、前記偏光度を表すフィードバック信号と該偏波状態を表すフィードバック信号の両方に基づいて前記制御信号を生成することを特徴とする請求項1記載の偏波モード分散補償器。
- 前記制御部は、前記出力光信号のビット誤り率を表すフィードバック信号を受け取り、前記偏光度を表すフィードバック信号と該ビット誤り率を表すフィードバック信号の両方に基づいて前記制御信号を生成することを特徴とする請求項1記載の偏波モード分散補償器。
- 前記歪みアナライザは、前記出力光信号の偏波状態を表すフィードバック信号を生成し、前記制御部は、該出力光信号のビット誤り率を表すフィードバック信号を受け取り、前記偏光度を表すフィードバック信号、該偏波状態を表すフィードバック信号、および該ビット誤り率を表すフィードバック信号に基づいて前記制御信号を生成することを特徴とする請求項1記載の偏波モード分散補償器。
- 入力光信号から複数の強度信号を生成する複数の光学部品を含む偏光計と、
前記偏光計から出力される複数の強度信号を用いたキャリブレーションにより決定された該偏光計の偏波特性を用いることで、前記複数の強度信号から、前記入力光信号の偏光度を表す偏波モード分散補償のためのフィードバック信号を生成する処理部と
を備えることを特徴とする歪みアナライザ。 - 3つのビームスプリッタと、
零度に対して所与の許容誤差範囲内にある2つの偏光子と、
60度に対して所与の許容誤差範囲内にある1つの偏光子と、
−60度に対して所与の許容誤差範囲内にある1つの偏光子と、
波長の4分の1に対して所与の許容誤差範囲内にある1つの位相遅延器とを備え、
前記ビームスプリッタ、偏光子、および位相遅延器は、4つの強度信号を生成する4つの検光子を形成し、該4つの検光子のうちの3つの等価検光子偏波がポアンカレ球上で120度の角度間隔を有し、該4つの検光子のうちのもう1つの等価検光子偏波が該ポアンカレ球上で該3つの検光子の等価検光子偏波と直交するように、配置されることを特徴とする偏光計。 - 3つのビームスプリッタと、
零度に対して所与の許容誤差範囲内にある2つの偏光子と、
60度に対して所与の許容誤差範囲内にある1つの偏光子と、
−60度に対して所与の許容誤差範囲内にある1つの偏光子と、
波長の4分の1に対して所与の許容誤差範囲内にある1つの位相遅延器と、
波長の18.48分の1に対して所与の許容誤差範囲内にある3つの位相遅延器とを備え、
前記ビームスプリッタ、偏光子、および位相遅延器は、4つの強度信号を生成する4つの検光子を形成し、該4つの検光子の等価検光子偏波がポアンカレ球上でダイアモンドの複数の原子のような構造を形成するように、配置されることを特徴とする偏光計。 - 3つのビームスプリッタと、
零度に対して所与の許容誤差範囲内にある2つの偏光子と、
60度に対して所与の許容誤差範囲内にある1つの偏光子と、
−60度に対して所与の許容誤差範囲内にある1つの偏光子と、
波長の4分の1から18.48分の1を差し引いた値に対して所与の許容誤差範囲内にある1つの位相遅延器と、
波長の18.48分の1に対して所与の許容誤差範囲内にある1つの位相遅延器とを備え、
前記ビームスプリッタ、偏光子、および位相遅延器は、4つの強度信号を生成する4つの検光子を形成し、該4つの検光子の等価検光子偏波がポアンカレ球上でダイアモンドの複数の原子のような構造を形成するように、配置されることを特徴とする偏光計。 - 偏光計から出力される複数の強度信号を用いたキャリブレーションにより偏光計の偏波特性を決定し、
入力光信号から光学部を介して出力光信号を生成し、
前記出力光信号を解析して、前記偏光計の偏波特性を用いることで、該出力光信号の偏光度を表すフィードバック信号を生成し、
前記フィードバック信号に従って前記光学部を調整する
ことを特徴とする偏波モード分散補償方法。
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