JP2005502175A - 四重極イオントラップ装置を使用してイオンを解離する方法 - Google Patents

四重極イオントラップ装置を使用してイオンを解離する方法 Download PDF

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Abstract

四重極イオントラップ装置を使用してイオンをトラップする方法であって、トラップしたプレカーサーイオンに四重極励起を適用することにより、それらをリング電極内に駆動し、そこで、それらが表面誘起解離を経験する段階を有しており、次いで、この結果生成されたプロダクトイオンをトラップ装置内においてトラップする。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、四重極質量分析に関し、更に詳しくは、高周波四重極イオントラップ装置におけるイオン解離法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンデム質量分析即ち、MS/MSは、選択したプレカーサーイオン(前駆イオン)を解離した後に、この結果生成されるプロダクトイオンを質量分析する方法である。MS/MSを使用すれば、プレカーサーイオンを識別し、その構造を判定することができる。これは、一般に、ペプチド、蛋白質、及びオリゴペプチドを含む様々な化合物の構造解析に使用されている。
【0003】
実際には、タンデム質量分析装置は、プレカーサーイオンを選択する手段と、選択したプレカーサーイオンを解離する手段と、この結果生成されたプロダクトイオンを更に質量分析する手段と、を含んでいる。これを実現するには、いくつかの異なる設計法を採用可能である。三連四重極(TQ)、磁気セクタ、又は飛行時間(ToF)に基づくものなど、設計の中には、MS/MSプロセスのそれぞれの連続する段階において、個々の機能を実行する専用の別個の手段を必要とするものが存在している。しかしながら、タンデム質量分析用の最も魅力的な設計は、四重極高周波イオントラップ(QIT)に基づくものである。QITを使用すれば、プレカーサーイオンを選択し、この選択したイオンを、定義した空間容積内に閉じ込め、解離並びにプロダクトイオン分析の1つ又は複数の段階を実行することが可能になる。従来のイオントラップ装置におけるプレカーサーイオンの解離には、衝突誘起解離(CID)や光解離(PD)などの方法が使用されている。表面誘起解離(SID)は、表面とイオンの衝突によって解離を実現する別の解離法であり、この技法は、比較的高い解離効率(通常、最大50%)を有している。
【0004】
イオントラップ装置においてイオン運動を励起するための従来の方法によれば、軸方向においてのみイオン雲を励起している。このような励起は、通常、イオン雲を加熱してCIDを促進するための方法として使用されている。イオンと中性分子の衝突によって放出可能な最大エネルギーは、2つの粒子の質量の関数である。バッファガス速度のマクスウェル分布において平均すると、このエネルギー<Ecoll>は、次のように表すことができる。
【0005】
<Ecoll>=3kT/2+(Mb/Mi)<Ki> (1)
【0006】
ここで、Tは、バッファガスの温度であり、MbとMiは、それぞれバッファガス分子及びイオンの質量であり、<Ki>は、イオンの平均運動エネルギーである。イオントラップ装置内においては、イオンの運動エネルギーは制限されている。従って、式(1)から、重いイオンの場合には、CIDプロセスが有効ではないことがわかる。一方、これとは対照的に、イオンが電極表面と衝突する場合には、イオンの運動エネルギーのすべてを内部自由度に変換可能である。従って、このような衝突を利用するSIDプロセスは、その有効性がプレカーサーイオンの質量によって制約されないという利点を有している。
【0007】
しかしながら、SIDを使用する場合には、衝突が発生することになるエンドキャップ電極にプロセスの有効性を低下させる入口及び出口孔が具備されているため、軸方向におけるイオン雲の励起は不適当である。従って、リング電極において衝突を誘起することが好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
1991年の「Journal of The American Society for Mass Spectrometry」(第2巻、487〜491頁)のS.A.ラマート(Lammert S. A.)他による「四重極イオントラップ質量分析計における分子イオンの表面誘起解離(Surface−induced Dissociation of Molecular Ions in a Quadrupole Ion Trap Mass Spectrometer)」に記述されているように、従来は、短いDCパルスによる励起法を使用し、イオントラップ装置のリング電極においてSIDを実現している。即ち、印加したDCパルスにより、短時間の間、プレカーサーイオンの運動を不安定化させることにより、イオンがトラッピングフィールドからエネルギーを受け取ってリング電極と衝突することを可能にしているのである。この実験は、原理的に、イオントラップ装置においてSIDを実現可能であることを示すものではあるが、実現された効率は全体として高いものではない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による方法においては、四重極励起によるイオン雲の半径方向の励起を使用している。この結果、リング電極における衝突により、四重極イオントラップ装置においてSIDを実現できるようになっている。そして、解離とフラグメント収集プロセスの全体効率は、前述の短いDCパルスによる励起法によって実現されるものと比べ、格段に高いことが判明している。
【0010】
本発明の一態様によれば、一対のエンドキャップ電極と、リング電極と、を備える四重極イオントラップ装置を使用し、プレカーサーイオンを解離して、この結果生成されるプロダクトイオンをトラップする方法が提供され、この方法は、イオントラップ装置において四重極電界を生成しプレカーサーイオンをトラップする段階と、このトラップしたプレカーサーイオンに四重極励起を適用する段階と、を含み、これら四重極電界及び四重極励起は、トラップしたプレカーサーイオンが共鳴によってリング電極上に駆動され、そこで、それらが表面誘起解離を経験してプロダクトイオンが生成され、次いで、それらのイオンがイオントラップ装置においてトラップされるようになっている。
【0011】
本発明の別の態様によれば、プレカーサーイオンの解離によって形成されたプロダクトイオンをトラップする四重極イオントラップ装置が提供され、この装置は、一対のエンドキャップ電極と、リング電極と、イオントラップ装置のイオントラッピング容積内にプレカーサーイオンをトラップするのに有効な四重極電界を生成する駆動手段と、トラップしたプレカーサーイオンに四重極励起を適用し、これにより、トラップしたプレカーサーイオンが共鳴によってリング電極上に駆動され、そこで、それらが表面誘起解離を経験してプロダクトイオンが生成され、次いで、それらのイオンがイオントラッピング容積内にトラップされる励起手段と、を有している。
【0012】
トラップしたプレカーサーイオンの運動の半径方向の成分が四重極励起によって不安定化し、この結果、イオンのリング電極に向かう半径方向の偏位が、衝突が発生するところまで共鳴によって増大する。この状況において、イオントラップ装置内のイオン運動の安定性を表すa、qパラメータは、周知の(a−q)安定度図の共鳴帯域βr内に位置している。
【0013】
この四重極励起は、いくつかの異なる方法によって生成可能である。1つの方法は、例えば、駆動電圧のデューティサイクル、振幅、及び位相の中の1つ又は複数のものを周期的に変調することにより、イオントラップ装置に印加する基本駆動電圧を変化させて四重極電界を生成する方法である。この駆動電圧は、矩形又は調和振動波形を有していても良い。
【0014】
この代わりに、四重極励起は、追加の周期的なAC励起電圧をリング電極又はエンドキャップ電極に印加することにより、生成することも可能である。
【0015】
以下、一例として添付図面を参照し、本発明の実施例について説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、四重極イオントラップ装置においてSIDを使用可能にする技法に関するものである。説明対象の実施例においては、3D高周波イオントラップ装置をイオントラッピングに使用している。既知の技術を使用し、このイオントラップ装置内にプレカーサーイオンを注入(或いは、内部生成)し、イオン運動の衝突冷却のためにバッファガスを使用している。好適な実施例においては、解離プロセスの開始の前に、1つのプレカーサーイオンのみがイオントラップ装置内に残るように、望ましくないイオンを適切な質量選択性励起法又はスキャニング技術によって除去している。そして、四重極励起を適用した際にイオンの半径方向の偏位の共鳴が発生する選択地点に、プレカーサーイオンの作用点(即ち、(a−q)安定度図におけるqの値)を移動させる(或いは、四重極励起を適用している間に、スキャニング技術により、プレカーサーイオンの作用点をこの共鳴点に移動させる)。このようなパラメトリック共鳴により、イオンがリング電極と衝突し表面誘起解離が発生するところまで、プレカーサーイオンの半径方向の軌道が幾何級数的に拡大する。そして、この結果生成されたプロダクト(又は、フラグメント)イオンが、質量分析又は更なる解離段階ために、イオンオラップ装置内にトラップされる。
【0017】
四重極励起は、メイン駆動周波数の整数分の1の周波数によって基本駆動電圧の形状を周期的に変化させ、これにより、励起フィールドと共鳴状態にあるイオンの半径方向の運動の四重極励起を発生させることにより、生成可能である。この半径方向の運動のパラメトリック共鳴により、イオン軌道の半径方向のサイズが幾何級数的に拡大し、イオンがリング電極と衝突することになる。正に帯電したプレカーサーイオンの場合には、リング電極における電圧が正の場合に衝突が発生し、これは、結果的に生成されるプロダクトイオンをトラップするのに最適な瞬間である。駆動電圧の波形は、リング電極における電圧が半周期ごとに吸着から妨害に変化するようになっており、この結果、プロダクトイオンは、この駆動電位により、リング電極の表面から効果的に除去される。この結果、四重極イオントラップ装置において、高効率のSIDと改善されたプロダクトイオントラッピング効率が実現し、これによって、質量分析計の分析面での有用性が強化されることになる。好適な実施例においては、周期的な矩形波形(RWF)の駆動電圧を使用しており、この波形形状を変化させることにより、イオンの半径方向の運動を不安定化させている。即ち、RWFの形状に、4つのパルスごとに周期的に変更を加え、この結果、それぞれの2番目の正のパルス幅が広く、それぞれの4番目のパルスの幅が狭くなっている。この種の励起を「非対称第2周期変調(asymmetric second period modulation:A2M)」と呼ぶことにする。これにより、基本駆動電圧と四重極励起の両方を単一の波形を使用して実現することができる。
【0018】
別の実施例においては、エンドキャップ電極又はリング電極に、少なくとも1つのAC励起電圧(これは、周期的な時間変動電圧であればどのようなものであってもよい)を駆動電圧(これも、周期的な時間変動関数であればどのようなものであってもよい)と共に印加することができる。この追加のAC励起電圧により、イオントラップ装置のトラッピング容積内に、時間変動する四重極電界が生成され、特定のトラッピング条件下において、プレカーサーイオンの半径方向の運動のパラメトリック共鳴が発生する。そして、この結果、プレカーサーイオンがリング電極と衝突し、SIDが実現することになる。
【0019】
更に別の実施例においては、d<0.5のデューティサイクルを有する(即ち、正のパルスが負のパルスよりも短い)周期的な矩形波形駆動電圧により、半径方向のイオン運動を不安定化させている。即ち、この波形により、イオン運動の安定度図が変化すると共に、リング電極に負のDC電圧が誘起され、この結果、正のイオンの場合に、イオンの質量がプレカーサーイオンの質量以上であれば、イオン運動の半径方向の成分が不安定化することになる。そして、この結果、プレカーサーイオンのリング電極との衝突が発生し、SIDが実現される。即ち、この方法によれば、イオントラップ装置のトラッピング条件が、プロダクトイオンの特定の質量範囲(プレカーサーイオンよりも質量電荷比が小さいもの)に限定されることになる。
【0020】
図1(a)及び図1(b)は、本発明の実行に使用可能な2つの代替四重極イオントラップ装置を示している。いずれの装置も、一対のエンドキャップ電極1、2と、リング電極(3)と、エンドキャップ電極1、2に接続された補助電圧生成器4と、を有している。通常、それぞれのエンドキャップ電極は、イオントラップ装置内にイオンを注入(又は、排出)可能な開口部を有している。そして、補助電圧生成器4を使用し、イオンの排出や質量選択的スキャニングを含む様々な一連の動作機能を円滑に実行することができる。通常、この補助電圧生成器4は、エンドキャップ電極1、2にAC及び/又はDC電圧を供給するべく構成されており、これを使用し、単一の周波数(又は、更に複雑な周波数スペクトル)を有するAC双極子フィールドを生成することができる。
【0021】
図1(a)は、リング電極3に周期的な矩形波形駆動(又は、トラッピング)電圧を印加するのに使用する一般的なデジタル駆動構成を示している。このデジタル駆動構成は、デジタル制御ユニット6を有しており、これは、ハイ及びローレベルの電圧間において交互に切り換えてリング電極3に必要な矩形波形駆動電圧を生成するべく構成された一組のスイッチ5(図示されてはいない)のタイミングを制御している。この種のデジタル駆動構成の例については、国際公開第0129875号明細書に記述されている。本明細書において後程明らかになるように、このスイッチのタイミングを高精度(通常、0.1%よりも優れている)で制御し、一定の(又は、迅速に変化する)デューティサイクルを有する矩形波形駆動電圧を生成することができる。特に、この構成は、例えば、非対称N変調波形などの変調されたデューティサイクルを有する矩形波形駆動電圧を生成するのに非常に好適である。
【0022】
図1(b)は、リング電極3に調和振動波形のRF駆動電圧を印加するのに使用する代表的な駆動構成を示している。この場合には、この駆動構成は、LC共振回路に接続されたRF生成器8を有している。この駆動構成は、LC共振回路に接続されたRF生成器8を有している。又、この駆動構成は、追加のAC励起電圧の生成及び/又はRF駆動電圧の変調に使用可能な補助AC生成器7をも有している。
【0023】
尚、これら図1(a)及び図1(b)に示されている四重極イオントラップ装置は、当技術分野において既知の様々な四重極イオントラップ構成の一例を示すものに過ぎないことを理解されたい。例えば、イオントラップ装置は、3−D円筒型イオントラップ装置や3−D双曲面イオントラップ装置であってもよい。
【0024】
通常動作においては、RWF駆動電圧のデューティサイクルは一定である。これにより、イオントラップ装置内部に、対象とする既定のM/Z範囲の外部注入イオンをトラップするのに有効なトラッピングフィールドが提供される。DC電圧源を使用し、DCオフセット電圧をエンドキャップ電極とリング電極の両方に印加することができる。又、補助電圧生成器4、7が生成する補助AC電圧をキャップエンド電極とリング電極の両方に印加することも可能である。従って、リング電極への印加電圧は、駆動電圧(DCオフセット電圧とAC電圧)の合計であり、エンドキャップ電極への印加電圧も、DCオフセット電圧とAC電圧の合計となる。
【0025】
リング電極には、表面誘起解離を助長する表面処理を施すことができる。これは、金メッキ表面レイヤ、或いは有機分子膜の薄膜であってよい。
【0026】
(イオントラッピングと四重極励起)
イオントラップ装置の電極システムは、円筒型で対称である。リング電極を2つの部分に分割しない限り、半径方向に双極子電界を生成することは不可能である。イオントラップ装置内におけるイオン運動の安定性(又は、不安定性)は、(a,q)プレーンによる安定度図によって表すことができる。2001年の「Chinese Vac. Sci. and Techn.」(第11巻、176〜181頁)のL.ディング(Ding L.)他による「四重極質量分析計の矩形波四重極フィールドにおけるイオン運動とデジタル動作モード(Ion motion in the Rectangular Wave Qadrupole Field and Digital Operation Mode of a Quadrupole Mass Spectrometer)」に記述されているように、周期的な矩形波形駆動電圧におけるパラメータa及びqは、次の式によって与えられる。
【0027】
a=8ZiU/MiΩ2(0.5r0 2+z02 U=−dV1−(1−d)V2 (2)
q=4ZiV/MiΩ2(0.5r0 2+z0 2) V=2d(1−d)(V1−V2) (3)
【0028】
ここで、Ω=2π/Tは、駆動電圧の角周波数であり、V1及びV2は、RWFの正及び負パルスの振幅であり、dは、正の電圧V1の持続時間をTによって除算することによって定義されるデューティサイクルであり、MiとZiは、イオンの質量と電荷であり、r0は、リング電極の内接半径であり、2z0は、エンドキャップ電極間の距離である。イオントラッピングに最も適した形態は、トラッピング電圧のDC成分がゼロの(即ち、U=0であり、a=0である)RFのみの形態である。方形波の場合には、デューティサイクルは、d=0.5となり、従って、方形波電圧におけるRFのみの形態においては、V1=−V2であることが必要となる。イオントラップ装置におけるイオンの運動を表すのに最も重要なパラメータは、イオン振動の基本経年周波数である。四重極イオントラップにおいては、イオンは、半径方向の経年周波数ωr(これは、x及びy方向の運動において同一である)と軸方向の経年周波数ωzという2つの経年周波数を有している。これらの周波数は、いずれも(第1安定領域内において)駆動周波数Ωの2分の1未満である。イオントラップ装置内におけるイオン運動は、所謂安定度パラメータ(βz=2ωz/Ω及びβr=2ωr/Ω)によって特性を表すことができる。計算によれば、方形波形駆動電圧によって駆動するイオントラップ装置のRFのみの形態の場合には、安定度パラメータは、βzが0〜1.0、βrが0〜0.338の範囲で変化することが判明している。
【0029】
(変調共鳴の場合の共鳴条件)
リング電極又は両方のエンドキャップ電極に電圧を印加することにより、四重極フィールドが生成される。周期的な時間変動波形であれば、どのようなものでもイオンをトラップするための駆動電圧として使用することができる。この駆動電圧と同時に、補助AC励起電圧を印加することができる。この補助電圧は、駆動電圧の基本周波数とは異なる周波数を有することができる。実際には、前述のように、基本駆動電圧のなんらかの種類の変調(例:振幅、位相、又はデューティサイクルの変調)によってパラメトリック共鳴を実現可能であるため、四重極励起は、補助AC電圧の印加を必要としてはいない。通常の四重極励起によるイオン運動の共鳴により、イオン運動のパラメトリック共鳴が不安定化する。四重極共鳴により、安定度パラメータβの特定の値において、イオン運動が不安定になる(これが、図3の(a−q)安定度図の影なしで示されている共鳴帯域によって表されている)。2000年の「Journal of The American Society for Mass Spectrometry」(第11巻、11〜18頁)のM.スダコフ(Sudakov M.)他による「四重極励起によって四重極フィールド内に閉じ込められたイオンの励起周波数(Excitation Frequencies of Ions Confined in a Quadrupole Field with Quadrupole Excitation)」に記述されているように、通常、四重極励起が基本駆動電圧のN倍の周期を有している場合に、イオン運動は、値βr,z=k/N(ここで、k=1,2...N−1)を有する共鳴帯域内において不安定となる。
【0030】
前述のように、四重極励起は、矩形波形駆動電圧のパルス幅(即ち、デューティサイクル)変調によって簡便に実現することができる。この方法の利点は、追加の電圧の印加を必要としないことである(即ち、必要とされるのは矩形波形駆動電圧のみである)。メイン駆動RWFのデューティサイクルを変調することにより、いくつかの種類の励起体系を実現することができる。半径方向のイオン運動を励起するために最も有用な体系は、それぞれの連続的なN番目の正の(又は、この代わりに、負の)パルスを交互に増加又は減少させるN番目のパルスごとの「非対称」変調である。以下においては、この種の変調波形を「非対称N変調波形(ANM)」と呼ぶことにする。この形態の励起の利点の1つは、変調波形が平均DC電圧を有していない点にある。図2の左側には、A2M波形(即ち、N=2)が示されている。この波形は、無変調の方形波と、それぞれの第2周期に位置する正と負の短いパルスの周期的なシーケンスの合計として表すことができる(図2の右側を参照されたい)。この短いパルスのシーケンスにより、基本矩形波駆動電圧の正確に4倍の周期を有する四重極励起が生成される。
【0031】
2001年の「Journal of the American Society for Mass Spectrometry」のD.J.ダグラス(D. J. Douglas)他による「四重極質量分析における安定度図を算出するための行列法(Matrix Methods for the Calculation of Stability Diagrams in Quadrupole Mass Spectrometry)」に記述されているように、イオン運動の(a−q)安定度図の演算は、行列法によって実行可能である。図3(a)及び図3(b)は、その内部においてイオン運動の半径方向及び軸方向成分がそれぞれ不安定な特定のβr及びβz値に位置する共鳴帯域(影なしで示されているもの)を有する(a−q)安定度図を示している。これらの図から、ANM波形を使用し、半径方向において、軸方向の共鳴とは無関係に、イオン運動を励起可能であることがわかる。具体的には、A2M波形の場合には(図3a)、βr=0.25における共鳴帯域は、q=0.5386において、RFのみのライン(a=0)と交差しており、これは、βz=0.25及びβz=0.75における最も近い軸方向の共鳴帯域から十分に離隔している。q=0.500においてRFのみのラインと交差するβz=0.5における軸方向の2次共鳴は、存在していない。従って、qの値を適切に設定することにより、リング電極に到達するプレカーサーイオンの数を減少させるイオン運動の軸方向成分の共鳴を励起することなしに、イオン運動の半径方向成分の共鳴を励起可能であることがわかる。一方、A4M波形の場合には(図3b)、βr=−0.125における半径方向の1次共鳴帯域は、q=0.274においてRFのみのラインと交差しており、この場合にも、これは、最も近い軸方向の共鳴帯域βz=0.125及び0.375から十分に離隔している。そして、q=0.269においてRFのみのラインと交差するβz=0.25における軸方向の2次共鳴は存在していない。
【0032】
以上のことから、ANM波形は、特に、軸方向の共鳴とは無関係に、半径方向のパラメトリック共鳴を励起するのに有用であることが理解されよう。これは、半径方向の経年周波数に比べ、軸方向の経年周波数が2倍大きいという特性を使用しているものである。ANM波形を使用することによって得られる更なる重要な利点は、この波形が平均DC成分を誘起しないことである。表1には、いくつかの異なるANM波形におけるq軸に沿った共鳴点の位置が示されている。
【0033】
以上の例は、(a,q)安定度図におけるa=U=0のRFのみの形態に基づいたものであるが、この代わりに、有限なaの値において(即ち、印加する矩形波形駆動電圧のデューティサイクルがd=0.5ではなく、且つ/或いは、駆動電圧の正及び負パルスの振幅V1、V2が等しくないケースにおいて)、デューティサイクル変調(例:ANM)を使用してイオン運動の半径方向の成分のパラメトリック共鳴を励起し、リング電極においてSIDを実現することも可能である。
【0034】
これらの方法の実行可能性を試験するべく、イオン運動のコンピュータシミュレーションを実施した。
【0035】
(半径方向のパラメトリック共鳴のシミュレーション)
四重極イオントラップ装置内におけるイオン運動の直接シミュレーションは、Simion 7.0ソフトウェアを使用して実施可能である。イオン質量Mi=3500Da及び電荷Zi=2eにより、このシミュレーションを実行した。このシミュレーションにおいて使用したイオントラップ装置のパラメータには、リング電極の内接半径r0=10mmと、エンドキャップ電極間の距離の半分z0=7.71mm(引き伸ばした形状)が含まれている。シミュレーションにおいて使用した駆動電圧は、等しい振幅(1000V)の正及び負パルスを有するA2M矩形波形電圧である。実際には、バッファガス分子とのランダムな衝突をイオンが経験することになることから、このシミュレーションソフトウェアは、3D剛体球モデルを使用し、これらの衝突を考慮して開発されている。このシミュレーションにおいては、15mmのイオン平均自由行程(圧力1mTorrの特性)を有する温度300Kのバッファガス(Mb=4Da)としてHeを使用した。
【0036】
イオン運動のシミュレーションは、半径方向の共鳴点βr=0.25(3.2μs<T<3.3μs)の近くにおいて実施した。変調レベルイオンのデューティサイクルが小さい場合には(即ち、m<0.2%)、励起フィールドから得られるエネルギーがバッファガスの分子との衝突によって失われるエネルギーと相殺されるため、イオン運動は安定する。次いで、イオン運動は、イオントラップ装置のトラッピング容積内の領域に閉じ込められる。更に高い励起レベルを使用すると、励起フィールドから得られるエネルギーがバッファガスのために失われるエネルギーよりも大きくなる。すると、半径方向におけるイオン運動が不安定になり、この結果、リング電極との衝突が発生することになる。変調レベルが増大するに伴い、リング電極との衝突時点におけるイオンのエネルギーと共に、パラメトリック共鳴帯域の幅も増大する。
【0037】
(イオンとリング電極の衝突シミュレーション)
前述のSIDは、トラップされたプレカーサーイオンの運動の半径方向成分が不安定化した結果発生するものである。このイオンのリング電極との衝突に関する情報をシミュレーションから導出することができる。実施したシミュレーションにおけるイオンの初期条件は、イオン雲の平衡空間速度分布に対応したものである。この分布は、事前に、前述の3D衝突ソフトウェアを使用して計算したものである。それぞれのイオンの運動シミュレーションは、A2M変調を使用して生成したトラッピング電位における初期ランダム平衡状態から開始した。イオンは、励起フィールドからエネルギーを取得し、この結果、その軌道が半径方向に幾何級数的に拡大する。このシミュレーションは、イオンがリング電極と衝突した時点で終了し、イオンエネルギーと飛行時間を記録した。このシミュレーションを何回も反復し、イオン衝突エネルギー(即ち、衝突時点におけるイオンの運動エネルギー)及び衝突時点における駆動電圧の位相の関数としてのイオン分布と、衝突の平均数と、を評価した。図4は、様々なデューティサイクル変調値mにおける代表的なイオン分布をイオン衝突エネルギーの関数として示している(ここで、mは、矩形波形駆動電圧の総サイクル幅の割合として表されている)。この図における作用点qは、T=3.26μsを必要とする0.538に設定されている。この図4からわかるように、mのそれぞれの値において、イオンは、最大エネルギーEmaxまで、イオン衝突エネルギーの関数として略均一に分布している。1997年の「Analytical Chemistry」(第69巻、2496〜2503頁)のW.チョン(W. Zhong)他による「自己組織化フッ素化アルカンチオレート分子膜表面上におけるベンゼンモノマーと二量体イオンのSIDのタンデムフーリエ変換質量分析の研究(Tandem Fourier Transform Mass Spectrometry Studies of SID of Benzene Monomer and Dimer Ions on a Self−Assembled Fluorinated Alkanethiolate Monolayer Surface)」に記述されているように、SIDプロセスは、通常、10〜100eVの範囲のイオンエネルギーを必要としており、従って、図4から、この変調励起は、イオントラップ装置内においてSIDを実現するのに十分なエネルギーを提供可能であることがわかる。
【0038】
図5は、プレカーサーイオンのいくつかの初期作用点(即ち、q値)について、デューティサイクル変調値mの関数として最大イオン衝突エネルギー(Emax)を示している。この図5から、デューティサイクル変調値が、イオンのバッファガスとの衝突によって決定されるしきい値mtを上回ると、半径方向のイオン運動の共鳴が発生することがわかる。この発見は、2000年の「J. Am. Soc. Mass Spectrom」(第11巻、1016〜1022頁)のB.A.コリングス(Collings B. A.)他による「線形イオントラップにおける高次の四重極励起周波数の観察(Observation of Higher Order Quadrupole Excitation Frequencies in a Linear Ion Trap)」に記述されている線形イオントラップにおけるパラメトリック共鳴励起に関する一般的な実験データと一致する。このしきい値の上においては、最大イオン衝突エネルギEmaxは、変調値mと共に略線形で増大する。リング電極に近づくと、イオンは、ランダムな数の衝突を経験する。これらの衝突の平均数は、イオンの飛行時間に比例している。飛行時間と衝突の平均数は、いずれも変調の増大と共に減少する。イオンの飛行時間の分布は、滑らかな関数のように見えるが、実際には離散関数である。これは、駆動電圧の特定の位相において、イオンがリング電極と衝突するためである。衝突時点における方形波形駆動電圧の位相は、イオンの飛行時間から整数部分の周期を除くことにより、導出することができる。図6は、様々なデューティサイクル変調値について、衝突時点におけるRWF位相の関数としてイオンの代表的な分布を示している。この図6から、正に帯電したイオンは、それぞれの正のパルス(或いは、負に帯電したイオンの場合には、それぞれの負のパルス)の中間地点の直前においてリング電極と衝突することがわかる。この特定の位相は、プロダクトイオンのトラッピングに最適であることが知られている。従って、SIDの結果生成されるプロダクトイオンを最高の効率でトラップすることができる。
【0039】
C.D.マーチン(Martin C. D.)他による「表面誘起解離を使用する分子構造解析のための質量分析計(Mass spectrometer for molecular structural analysis using surface induced dissociation)」という名称の国際公開第0077824号明細書に記述されているように、SIDの効率を改善するべく、衝突から1ミリ秒以内に反発電圧を印加することが知られている。即ち、それぞれの半周期(通常、1ミリ秒以下)経過後に、方形波駆動電圧の符号を変化させるのである。この結果、反発によって、プロダクトイオンがリング電極の表面から除去される。これは、イオントラップ装置において、SIDとの関連で方形波形駆動電圧を使用する更なる利点である。
【0040】
A4M及びA8M波形を使用し、類似の結果を得ることができた。低周波数の四重極励起の場合には、安定領域内に、いくつかの追加の共鳴ラインが生じており、これは、プロダクトイオンの望ましくない排出を引き起こす可能性がある。A2M波形の場合には、イオントラップ装置は、イオン運動が安定しプロダクトイオンのトラップが可能な相当の質量範囲を有することになり、この質量範囲の下限及び上限は、それぞれβz=0.25及びβz=0.75における軸方向の共鳴帯域によって定義されている。これらの共鳴帯域は、比較的弱いものであり、特定のしきい値条件が満足された場合には、実際に共鳴が発生しなくなる可能性があることをシミュレーションは示している。このような状況においては、すべての質量範囲が、プロダクトイオンをトラップするために利用可能となる。
【0041】
(境界不安定性によるイオン運動の半径方向の不安定性)
1992年の「Org. Mass Spectrom.」(第27巻、251〜254頁)のC.パラディシ(C. Paradisi)他による「四重極イオントラップにおける境界効果と衝突の活性化(Boundary Effects and Collisional Activation in a Quadrupole Ion Trap)」に記述されているように、従来、CID用には、半径方向におけるイオン運動を不安定化させる別の方法が採用されている。この方法は、追加のDC電圧の印加を必要とするものである。この場合には、パラメータaが非ゼロであるため、イオントラップ装置は、もはや純粋なRFの形態においては動作しない。そして、この場合には、安定したイオン運動の質量範囲は、安定性の境界によって高質量側に限定されることになり、DC電圧により、大きな質量のカットオフ値が決定される。
【0042】
矩形波形駆動電圧を使用し、d<0.5のデューティサイクルを使用することにより、追加電圧を印加することなしに、このような条件を実現することができる。この場合には、正のパルスの幅が負のパルスよりも小さくなり、この結果、リング電極の平均電圧が負になる。矩形波駆動電圧の正及び負の振幅が等しい場合には(即ち、V1=−V2=VRF)、前述の式2及び式3から、すべてのイオンについてa及びqパラメータは、次のように同一の「スキャンライン」上に位置することがわかる。
【0043】
a/q=2U/V=(1−2d)/2d(1−d) (4)
【0044】
図7a〜図7cには、d<0.5の様々なdの値を有する矩形波形駆動電圧の安定度図の算出結果が示されている。スキャンラインの位置(破線で示されているもの)は、デューティサイクルによって左右される。イオン運動の半径方向の成分を不安定にするこの方法は、イオントラップにおけるSIDに使用することができる。以前と同様に、すべての望ましくないイオンをイオントラップから除去し、プレカーサーイオンを方形波形駆動電圧によってトラップする。安定度図におけるプレカーサーイオンの位置は、その質量によって決定され、トラッピング周波数の変化によって簡単にシフトさせることができる。例えば、地点q=0.1を開始点として使用可能である。当初、デューティサイクルは、値0.5を有しており、従って、プレカーサーイオンは、安定な半径方向のイオン運動領域内の(a,q)安定度図のRFのみのライン上の一地点に位置している。次いで、正のプレカーサーイオンの場合には、デューティサイクルを0.5未満の値に迅速に変化させ、イオンのa及びqパラメータを、イオン運動の半径方向の成分が不安定な領域内の個々のスキャンライン上にシフトさせ、これにより、プレカーサーイオンをリング電極と衝突させる。一方、負のプレカーサーイオンの場合には、デューティサイクルを増大させることにより、同一の効果を実現することができる。これらの条件下においては、プロダクトイオンがプレカーサーイオンを下回る質量電荷比を有している場合に、イオン運動が安定しプロダクトイオンのトラップが可能な質量範囲が存在することになる。
【0045】
尚、デューティサイクルは、0.5を初期値とする必要はなく、且つ電圧V1、V2も等しくする必要はないことを理解されたい。通常、デューティサイクルは、プレカーサーイオンが安定な半径方向のイオン運動領域内に位置するいずれかの第1値から、プレカーサーイオンが不安定な半径方向のイオン運動領域内に位置する第2値に変化させることができる。
【0046】
通常、この安定なイオン運動領域から不安定なイオン運動領域へのプレカーサーイオンのシフトは、矩形波形駆動電圧の形状(例:デューティサイクル)を変化させる(及び/又は、エンドキャップ電極又はリング電極に追加DC電圧を印加する)ことにより、四重極電界上にDC成分を印加することによって実現することができる。
【0047】
イオン衝突エネルギーは、安定性境界からのイオン作用点の距離によって左右され、これは、デューティサイクルによって左右されることを意味している。代表的なイオン衝突エネルギーは数十eVであることをシミュレーションは示しており、これは、SIDを妥当な効率によって実現するのに十分なものになっている。
【0048】
以上の内容は、四重極励起、デューティサイクル変調により、四重極イオントラップ装置において、SIDと高効率のプロダクトイオントラッピングを実現することが可能であることを実証している。
【0049】
【表1】
Figure 2005502175

【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1(a)】デジタル駆動構成を有する四重極イオントラップ装置を示している。
【図1(b)】調和振動RF駆動構成を有する四重極イオントラップ装置を示している。
【図2】非対称変調矩形波形電圧と、この種の変調のパルス四重極励起に対する等価性を示している。
【図3(a)】A2M矩形波形駆動電圧を有するイオントラップ装置におけるイオン運動の安定度を表す(a−q)図を示している。
【図3(b)】A4M矩形波形駆動電圧を有するイオントラップ装置におけるイオン運動の安定度を表す(a−q)図を示している。
【図4】リング電極との衝突時点におけるイオンエネルギーの分布を示している。
【図5】A2M波形におけるデューティサイクル変調値mの関数としてリング電極とイオンの衝突時点における最大イオンエネルギーを示しており、デューティサイクル変調値mは、矩形波形駆動電圧の総パルス幅における割合として表されている。
【図6】作用点q=0.538の場合の衝突時点におけるトラッピングフィールドの位相分布を示している。破線は、リング電極における方形波形駆動電圧を表している。
【図7(a)】0.49のデューティサイクルを有する矩形波形駆動電圧が供給されたイオントラップ装置におけるイオン運動の安定度図の上の部分(即ち、a≧0)を示している。実線は、安定な半径方向のイオン運動の境界を定義しており、破線はスキャンラインである。
【図7(b)】0.48のデューティサイクルを有する矩形波形駆動電圧が供給されたイオントラップ装置におけるイオン運動の安定度図の上の部分(即ち、a≧0)を示している。実線は、安定な半径方向のイオン運動の境界を定義しており、破線はスキャンラインである。
【図7(c)】0.47のデューティサイクルを有する矩形波形駆動電圧が供給されたイオントラップ装置におけるイオン運動の安定度図の上の部分(即ち、a≧0)を示している。実線は、安定な半径方向のイオン運動の境界を定義しており、破線はスキャンラインである。

Claims (38)

  1. 一対のエンドキャップ電極とリング電極とを有する四重極イオントラップ装置を使用して、プレカーサーイオンを解離しその結果のプロダクトイオンをトラップする方法であって、
    前記プレカーサーイオンをトラップするために前記イオントラップ装置内で四重極電界を生成する段階および前記トラップしたプレカーサーイオンに四重極励起を適用する段階を有し、
    前記四重極電界及び前記四重極励起は、前記トラップしたプレカーサーイオンを共鳴によって前記リング電極上に駆動し、そこで、該プレカーサーイオンが表面誘起解離を受けて前記プロダクトイオンを生成し、その後、該プロダクトイオンが前記イオントラップ装置内においてトラップされるものである、プレカーサーイオンを解離しその結果のプロダクトイオンをトラップする方法。
  2. 前記四重極電界を生成する段階は、周期的な矩形波形駆動電圧を前記イオントラップ装置に印加する段階を含む請求項1記載の方法。
  3. 前記矩形波形駆動電圧は、方形の駆動電圧である請求項2記載の方法。
  4. 前記矩形波形駆動電圧の駆動周波数を選択し、これにより、前記プレカーサーイオンを前記イオンオラップ装置内においてトラップする段階を含む請求項2又は請求項3記載の方法。
  5. 前記四重極励起の適用の前又は適用中に前記四重極電界を調節し、これにより、プレカーサーイオン運動の半径方向の成分が前記四重極励起に応答してパラメトリック共鳴を実現できるようにする段階を含む請求項1〜4の中のいずれか一項記載の方法。
  6. 前記四重極励起を前記プレカーサーイオンに適用する段階は、前記矩形波形駆動電圧の周期的なデューティサイクル変調によって実現される請求項2〜4の中のいずれか一項記載の方法。
  7. イオン運動の(a,q)安定度図におけるqパラメータの値が、a=0におけるラインが半径方向の共鳴帯域と交差する地点に位置するように、前記四重極励起の適用の前又は適用中に、前記四重極電界を調節する段階を含む請求項6記載の方法。
  8. 前記矩形波形駆動電圧の前記デューティサイクル変調は非対称変調であり、これにより、前記矩形波形駆動電圧の同一極性のそれぞれの連続したN番目のパルスの幅が交互に増加及び減少する(ここで、Nは1以上の整数である)請求項6又は7記載の方法。
  9. 前記非対称変調は、非対称2変調波形(A2M)である請求項8記載の方法。
  10. 前記矩形波形駆動電圧のすべてのN番目のパルスの幅が増加又は減少する(ここで、Nは1以上の整数である)請求項6記載の方法。
  11. 前記四重極励起を前記トラップしたプレカーサーイオンに適用する段階は、前記矩形波形駆動電圧に、0.5を下回る(正に帯電したプレカーサーイオンの場合)或いは0.5を上回る(負に帯電したプレカーサーイオンの場合)既定のデューティサイクルを課し(ここで、デューティサイクルは、前記矩形波形駆動電圧のサイクル幅に対する前記矩形波形駆動電圧の正の偏位の幅の比率として定義されている)、これにより、イオン運動の(a,q)安定度図において、安定な半径方向のイオン運動の領域から不安定な半径方向のイオン運動の領域に前記プレカーサーイオンをシフトさせることによって実現される、請求項2記載の方法。
  12. 一組のスイッチを制御し、これらのスイッチをハイレベル電圧とローレベル電圧間において切り換えることにより、前記矩形波形駆動電圧を生成する請求項6〜11の中のいずれか一項記載の方法。
  13. 前記四重極励起を前記トラップしたプレカーサーイオンに適用する段階は、追加のAC励起電圧を前記四重極イオントラップ装置に適用する段階を含む請求項2記載の方法。
  14. 前記四重極電界を生成する段階は、正弦波形駆動電圧を前記イオントラップ装置に印加する段階を含み、前記四重極励起を前記トラップしたプレカーサーイオンに適用する段階は、追加の周期的なAC励起電圧を前記イオントラップ装置に印加する段階を含む請求項1記載の方法。
  15. 前記正弦波形駆動電圧の振幅を選択し、これにより、前記プレカーサーイオンを前記イオントラップ装置内においてトラップする段階を含む請求項14記載の方法。
  16. 前記追加の周期的なAC励起電圧を前記イオントラップ装置の前記リング電極に印加する段階を含む請求項13〜15の中のいずれか一項記載の方法。
  17. 前記追加の周期的なAC励起電圧を前記イオントラップ装置の前記エンドキャップ電極に印加する段階を含む請求項13〜15の中のいずれか一項記載の方法。
  18. 前記四重極電界を生成する段階は、正弦波形駆動電圧を前記イオントラップ装置に印加する段階を含む請求項1記載の方法。
  19. 前記四重極励起を前記トラップしたプレカーサーイオンに適用する段階は、前記正弦波形駆動電圧の周期的な振幅又は位相の変調によって実現される請求項18記載の方法。
  20. 前記四重極励起を前記トラップしたプレカーサーイオンに適用する段階は、DC成分を前記四重極電界に印加し、イオン運動の(a,q)安定度図において、安定な半径方向のイオン運動の領域から不安定な半径方向のイオン運動の領域に前記プレカーサーイオンをシフトさせる段階を含む請求項1記載の方法。
  21. 前記DC成分を印加する段階は、DC電圧を前記イオントラップ装置の前記リング電極に印加する段階を含む請求項20記載の方法。
  22. 前記DC成分を印加する段階は、DC電圧を前記イオントラップ装置の前記エンドキャップ電極に印加する段階を含む請求項20記載の方法。
  23. 前記プレカーサーイオンの表面誘起解離は、前記リング電極の表面処理によって助長される請求項1〜22の中のいずれか一項記載の方法。
  24. 前記プレカーサーイオンの表面誘起解離は、前記リング電極上への表面レイヤの提供によって助長される請求項1〜22の中のいずれか一項記載の方法。
  25. 前記表面レイヤは、金メッキされた表面レイヤ又は有機分子膜の薄膜である請求項24記載の方法。
  26. 前記トラップしたプロダクトイオンの表面誘起解離を実現する段階を含む請求項1〜25の中のいずれか一項記載の方法。
  27. プレカーサーイオンの解離によって形成されたプロダクトイオンをトラップする四重極イオントラップ装置であって、
    一対のエンドキャプ電極と、
    リング電極と、
    前記イオントラップ装置のイオントラッピング容積内において前記プレカーサーイオンをトラップするのに有効な四重極電界を生成する駆動手段と、
    前記トラップしたプレカーサーイオンに四重極励起を適用する励起手段であって、これにより、前記トラップしたプレカーサーイオンが、共鳴によって前記リング電極上に駆動され、そこで、該プレカーサーイオンが表面誘起解離を経験して前記プロダクトイオンが生成され、次いで、該プロダクトイオンが前記イオントラッピング容積内においてトラップされる励起手段と、を有する装置。
  28. 前記駆動手段は、周期的な矩形波形駆動電圧を1つ又は複数の前記電極に印加する手段を有し、前記励起手段は、前記矩形波形駆動電圧のデューティサイクル変調を生成するべく構成されている請求項27記載の装置。
  29. 前記デューティサイクル変調は、非対称デューティサイクル変調である請求項28記載の装置。
  30. 前記駆動手段及び前記励起手段は、一組のスイッチと、これらのスイッチを制御しこれらをハイレベル電圧とローレベル電圧間において切り換え、これにより、前記矩形波形駆動電圧と前記デューティサイクル変調を生成する手段と、を含む請求項28又は29記載の装置。
  31. 前記駆動手段は、矩形波形駆動電圧を1つ又は複数の前記電極に印加する手段を有し、前記励起手段は、追加の周期的なAC励起電圧を前記エンドキャップ電極又は前記リング電極に印加するべく構成されている請求項30記載の装置。
  32. 前記駆動手段は、正弦波形駆動電圧を1つ又は複数の前記電極に印加する手段を有し、前記励起手段は、追加の周期的なAC励起電圧を前記エンドキャップ電極又は前記リング電極に印加するべく構成されている請求項28記載の装置。
  33. 前記リング電極は、前記プレカーサーイオンの前記解離を助長するための表面レイヤを有している請求項28〜32の中のいずれか一項記載の装置。
  34. 前記リング電極は、金メッキされた表面レイヤを有している請求項33記載の装置。
  35. 前記リング電極は、有機分子膜の薄膜によって被覆されている請求項32記載の装置。
  36. 本明細書において実質的に開示されている請求項1記載の方法。
  37. 添付図面を参照して本明細書に実質的に開示されている請求項27記載の装置。
  38. 請求項27〜35の中のいずれか一項記載の四重極イオントラップ装置と、前記イオントラップ装置から排出されたプロダクトイオンを分析する手段と、を含むタンデム質量分析装置。
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