JP2005501908A - 脱臭装置蒸留物の処理方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、さまざまな油類の脱臭工程中に得られる蒸留物を処理するための方法に関する。更に具体的には、本発明は、さまざまな油類の脱臭工程中に得られる蒸留物から、脂肪酸類、トコフェロール類、及びステロール類を回収するための方法に関する。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な油類の脱臭工程中に得られる蒸留物を処理するための方法に関する。より具体的には、本発明は、様々な油類の脱臭によって得られる蒸留物から、脂肪酸類、トコフェロール類、及びステロール類を回収するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物及び動物由来の油は、脂肪酸類、トコフェロール類、及びステロール類の貴重な源である。しかしながら、そのような油の精製工程中に、これらの成分、特にトコフェロール類及びステロール類のかなりの量が、選択した精製法に応じて、酸性ソープストック、脱臭装置蒸留物又は両方を含む様々な中間体副産物及び廃液流に失われる。従って、油及び脂肪製造時の高温蒸留工程(一般には脱臭と呼称)で副産物として得られる脱臭装置蒸留物を含む様々な精製中間体から脂肪酸類、トコフェロール類、及びステロール類を回収するために多くの方法が提案されてきている。
【0003】
脱臭は、通常、油及び脂肪を植物性及び動物性源から製造する際の最終工程である。大豆油などの植物油は、好ましくない臭気及び味を与える揮発性の不純物を含むのが典型的である。一般に、これらの揮発性化合物は、食用油を製造するために除去されなければならない。一般に脱臭には、低圧で、かつその運転圧力において好ましくない揮発性不純物を蒸発させるのに十分な温度で運転される蒸留装置内で、蒸気を油と接触させるスチームストリッピング工程が含まれる。一般に、真空蒸気脱臭として知られているこの方法では、油と好ましくない不純物の蒸発性の違いを利用して、相対的により揮発性である好ましくない不純物が、相対的に揮発性の低い油からストリッピングされる。典型的な真空蒸気脱臭工程では、通常、ストリッピングトレーと言われる、垂直に間隔をおいて配置された複数のトレーを持つ蒸留装置へ植物油を導入する。個々のストリッピングトレー内で、植物油に注入された蒸気が好ましくない揮発性不純物を同伴する。蒸気及び同伴した蒸留蒸気を合わせたものは、通常、収集、凝縮させて蒸留物を形成させ、処分するか又は価値のある物質を回収するために更に処理される。
【0004】
脱臭装置蒸留物の主要構成成分は、脂肪酸類、トコフェロール類、及びステロール類であり、それらは油源や油が脱臭以前に供される精製工程により様々な相対量で存在する。脱臭装置蒸留物自身、一定の商品価値を持っている。しかし、脱臭装置蒸留物が脂肪酸富化画分とステロール及びトコフェロール富化画分とに分けられれば、より高い価値が実現できる。
【0005】
脱臭装置蒸留物から単離された脂肪酸類は、いくつかの非食品用途で利用され、特に、レシチンの流動化剤として有用である。そのような脂肪酸類はまた、多種多様な分子合成スキームの前駆体として利用できる。脱臭装置蒸留物の脂肪酸部分は、飽和及び不飽和C10−C22脂肪酸を含んでいるのが典型的である。特に、大豆脱臭装置蒸留物は約50重量パーセントの脂肪酸類を含んでいる。
【0006】
脱臭装置蒸留物はステロール類も含んでおり、これらはホルモンの製造において価値ある前駆体である。スチグマステロールは黄体ホルモン及びコルチコイドの製造に使用される。シトステロールは、エストロゲン、避妊薬、利尿剤、及び男性ホルモンの製造に使用される。特に大豆脱臭装置蒸留物は約10〜約18重量%の全ステロールを含み、その約50%がシトステロール、約20%がスチグマステロール、約20%がカンペステロール、そして約10%が他の少量成分ステロールである。
【0007】
脱臭装置蒸留物の最後の主要成分はトコフェロールである。トコフェロール類は、酸化と腐敗を防止するのに役立つ貴重な天然酸化防止剤である。トコフェロール類はまた、ビタミンEの製造にも利用される。一般に、大豆油脱臭から得られる蒸留物は、α,β,γ,及びδトコフェロール異性体の約15:5:30:50の比率の混合物を含んでいる。アルファトコフェロールは、最も強力な生物学的ビタミンE活性を持っている。他のトコフェロール類は、より弱いビタミンE活性を有するが、より強い酸化防止活性を持っている。最大のビタミンE活性が要求される場合には、非アルファトコフェロール類をメチル化などのよく知られた方法でアルファ型に変換することができる。
【0008】
従来、脱臭装置蒸留物及び関連混合物からトコフェロール類及びステロール類を回収することは複雑かつ高価であることがわかっている。脂肪酸類、トコフェロール類、及び/又はステロール類が富化された1つ以上の蒸留物画分を脱臭装置蒸留物から単離することに伴う1つの難題は、ステロール類とトコフェロール類の沸点が大略同じ範囲にあることである。もう一つの難題は、ステロール類とトコフェロール類を蒸発する温度で長期間処理すると、脱臭装置蒸留物が熱分解を受ける可能性があることであり、このような温度条件は、脂肪酸を望ましくないtrans−異性体型に変換してしまう可能性がある。
【0009】
脱臭装置蒸留物を処理して1つ以上の成分を単離、回収するため、多くの方法が提起されてきた。これらの方法の多くにおいて、最初の必須プロセス工程が、脂肪酸をエステル化又は鹸化反応に供することを含んでいる。例えば、米国特許第3,153,055号では強酸性条件下で、モノヒドリックアルコールを用いて脂肪酸をエステル化することにより脱臭装置蒸留物からステロール類及びトコフェロール類を単離するための方法が教示されている。次いで、ステロール類及びトコフェロール類は、エステル化生成物混合物から、極性及び非極性溶媒の組み合わせを用いて分別抽出される。
【0010】
代替のエステル化方法では、米国特許第5,487,817号に、脂肪酸類でステロール類をエステル化し、次いで、得られた混合物を蒸留し、ステロールエステル類を含む残留液及びトコフェロール類を含む蒸留物を得ることが教示されている。次いで、ステロールエステル類を酸性条件下で開裂させることにより、ステロール類を残留物から単離する。
【0011】
米国特許第2,349,270号には、脱臭装置蒸留物をライムソープで処理して脂肪酸類を鹸化し、次いで、鹸化生成物を溶かさないアセトンを用いて非鹸化画分(トコフェロール類とステロール類)を抽出することが開示されている。次いで、抽出液を洗浄し、例えば溶媒蒸留により濃縮し、冷却してステロール類を結晶化させ、これをろ過により除去し、高純度トコフェロール画分を残す。この方法で生成した脂肪酸石鹸は酸性化され、遊離脂肪酸に変換できる。
【0012】
脱臭装置蒸留物を処理して1つ以上の成分を単離するのに、抽出単離方法もまた使用されてきた。例えば、米国特許第5,138,075号には、脱臭装置蒸留物を高温高圧加圧に液状の水と接触させ、相対的に高濃度のトコフェロール類を有するラフィネート相流及び相対的に高濃度の脂肪酸類を有する抽出相流を生成させることを含む、脱臭装置蒸留物からトコフェロール類を回収するための方法が開示されている。次いで、前記ラフィネート流と抽出物流を、それらの有機成分が液状の水との混和性を失う温度まで冷却し、同時に水を除去して、トコフェロール富化画分及び脂肪酸富化画分をそれぞれ生成させる。
【0013】
しかしながら、脱臭装置蒸留物から1つ以上の成分を単離するための上述した方法のいずれも、満足すべきものとは言えなかった。エステル化工程又は鹸化工程を使用する方法は、処理の複雑さを増し、それぞれのエステル又は石鹸を遊離ステロール類及び遊離脂肪酸に変換するため、しばしば強い鉱酸の使用を含む後処理工程を必要とする。鉱酸類は取り扱い上危険であり、蒸留物成分の着色その他の劣化を引き起こす可能性もある。抽出工程を必要とする方法は高価であり、また残留溶媒による汚染の潜在的可能性も生じる。
【0014】
従来から知られている脱臭装置蒸留物から1つ以上の成分を単離するための方法は、一般に長く高価な処理工程を必要とした。その結果、脱臭装置蒸留物を処理するための方法のより一層の改良が模索されてきた。
【0015】
本発明は、これまでに開示された方法に対して有利な点を有する、改善された方法に関する。本発明の方法により、蒸発蒸留物から簡単に脂肪酸富化された蒸留物画分が直接生産される。また、本発明の方法により、ステロール類とトコフェロール類に富んだ蒸留物画分が生産され、その蒸留物画は様々な方法で更に処理することによりステロール画分とトコフェロール画分とに単離できる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
発明の概要
本発明の一側面は、様々な油の脱臭工程から得られる蒸発蒸留物から、1つ以上の成分を単離するための方法に関する。
本発明の他の一側面は、様々な油の脱臭から得られる蒸留物から、遊離脂肪酸が富化された混合物を製造するための方法に関する。
更にまた、本発明の他の一側面は、様々な油の脱臭から得られる蒸留物から、ステロール類及びトコフェロール類が富化された混合物を製造するための方法に関する。
【0017】
本発明の一実施態様は、ステロール類、トコフェロール類、及び脂肪酸類を含む蒸発蒸留物を、少なくとも2個の凝縮域を有し、かつ約10mmHg未満の圧力で運転される凝縮ユニットの第一凝縮域へ導入し、その第一凝縮域が約165.7から約232.4℃(約330から約450°F)の温度で運転される工程;その第一凝縮域で蒸発蒸留物の第一画分を凝縮して、ステロール類及びトコフェロール類に富む第一凝縮物を生成させ、蒸発蒸留物の残留画分を残す工程;蒸発蒸留物の残留画分を、凝縮ユニットの第二凝縮域へ導入し、その第二凝縮域が約37.8から約76.7℃(約100から約170°F)の温度で運転される工程;及び、蒸発蒸留物の残留画分の第二画分を、第二凝縮域で凝縮して、脂肪酸類に富む第二凝縮物を生成させ、廃蒸気を残す工程を含む、蒸発蒸留物から成分を単離するための方法である。
【0018】
本発明の他の実施態様は、ステロール類、トコフェロール類、及び脂肪酸類を含む蒸発蒸留物を、少なくとも2個の凝縮域を有し、かつ約10mmHg未満の圧力で運転される凝縮ユニットの第一凝縮域へ導入し、その第一凝縮域が約165.7から約232.4℃(約330から約450°F)の温度で運転される工程;その第一凝縮域で蒸発蒸留物の第一画分を凝縮して、ステロール類及びトコフェロール類に富む第一凝縮物を生成させ、蒸発蒸留物の残留画分を残す工程;蒸発蒸留物の残留画分を、凝縮ユニットの第二凝縮域へ導入し、その第二凝縮域が約37.8から約76.7℃(約100から約170°F)の温度で運転される工程;及び、蒸発蒸留物の残留画分の第二画分を、第二凝縮域で凝縮して、脂肪酸類に富む第二凝縮物を生成させ、廃蒸気を残す工程;前記第一凝縮物を回収する工程;及び、第二凝縮物を回収する工程を含む、蒸発蒸留物から成分を単離するための方法である。
【0019】
本発明のなおその他の実施態様は、ステロール類、トコフェロール類、及び脂肪酸類を含む蒸発蒸留物を、少なくとも2個の凝縮域を有し、かつ約10mmHg未満の圧力で運転される凝縮ユニットの第一凝縮域へ導入し、その第一凝縮域が約165.7から約232.4℃(約330から約450°F)の温度で運転される工程;蒸発蒸留物を第一充填物に通し、そこで蒸発蒸留物が約193.5℃(約380°F)の温度に維持されたリサイクルされた第一凝縮物と接触することにより、その第一凝縮域で蒸発蒸留物の第一画分を凝縮して、ステロール類及びトコフェロール類に富む第一凝縮物を生成させ、蒸発蒸留物の残留画分を残す工程;蒸発蒸留物の残留画分を、凝縮ユニットの第二凝縮域へ導入し、その第二凝縮域が約37.8から約76.7℃(約100から約170°F)の温度で運転される工程;及び、蒸発蒸留物の残留画分を第二充填物に通し、そこで蒸発蒸留物の残留画分と約57.3℃(約135°F)の温度に維持されたリサイクルされた第二凝縮物と接触することにより、蒸発蒸留物の残留画分の第二画分を、第二凝縮域で凝縮して、脂肪酸類に富む第二凝縮物を生成させ、廃蒸気を残す工程を含む、蒸発蒸留物から成分を単離するための方法である。
【0020】
本発明のなおその他の実施態様は、ステロール類、トコフェロール類、及び脂肪酸類を含む蒸発蒸留物を、少なくとも2個の凝縮域を有し、かつ約10mmHg未満の圧力で運転される凝縮ユニットの第一凝縮域へ導入し、その第一凝縮域が約165.7から約232.4℃(約330から約450°F)の温度で運転される工程;蒸発蒸留物を第一充填物に通し、そこで蒸発蒸留物が約193.5℃(約380°F)の温度に維持されたリサイクルされた第一凝縮物と接触することにより、その第一凝縮域で蒸発蒸留物の第一画分を凝縮して、ステロール類及びトコフェロール類に富む第一凝縮物を生成させ、蒸発蒸留物の残留画分を残す工程;蒸発蒸留物の残留画分を、凝縮ユニットの第二凝縮域へ導入し、その第二凝縮域が約37.8から約76.7℃(約100から約170°F)の温度で運転される工程;蒸発蒸留物の残留画分を第二充填物に通し、そこで蒸発蒸留物の残留画分と約57.3℃(約135°F)の温度に維持されたリサイクルされた第二凝縮物と接触することにより、蒸発蒸留物の残留画分の第二画分を、第二凝縮域で凝縮して、脂肪酸類に富む第二凝縮物を生成させ、廃蒸気を残す工程;前記第一凝縮物を回収する工程;及び、第二凝縮物を回収する工程を含む、蒸発蒸留物から成分を単離するための方法である。
本発明のこれらの側面は、以下の詳細な説明により明らかになるであろう。
【0021】
好ましい実施態様の説明
図1の参照数字10は、本発明の方法を実施するのに好適な凝縮ユニットを一般的に示す。図1で図示されるように、脱臭装置蒸発物から成分を単離するための本発明の改良された方法は、ステロール類、トコフェロール類、及び脂肪酸類を含む蒸発蒸留物20を、少なくとも2個の凝縮域を有し、かつ約10mmHg未満の圧力で運転される凝縮ユニット10の第一凝縮域30へ導入し、その第一凝縮域30が約165.7から約232.4℃(約330から約450°F)の温度で運転される工程;その第一凝縮域30で蒸発蒸留物20の第一画分を凝縮して、ステロール類及びトコフェロール類に富む第一凝縮物40を生成させ、蒸発蒸留物の残留画分50を残す工程;蒸発蒸留物の残留画分を、凝縮ユニット10の第二凝縮域60へ導入し、その第二凝縮域60が約37.8から約76.7℃(約100から約170°F)の温度で運転される工程;及び、蒸発蒸留物の残留画分50の第二画分を、第二凝縮域60で凝縮して、脂肪酸類に富む第二凝縮物70を生成させ、廃蒸気80を残す工程を一般に含む。この本発明の改良方法は、回分式、半連続式、又は連続式方法とすることができる。
【0022】
本発明の改善された方法は、様々な油の脱臭から得られる蒸発蒸留物の成分を単離するのに役立つ。多くのこのような蒸留物が本発明での使用に適しており、大豆油、コーン油、綿実油、パーム油、落花生油、菜種油(rapeseed oil)、ベニバナ油、ヒマワリ種オイル、ゴマ種オイル、米糠オイル、ココナッツ油、カノーラ油、及びそれらの混合物の脱臭から得られた蒸留物が含まれるが、これらに限定されるわけではない。特に好適な蒸留物は大豆脱臭装置蒸留物である。
【0023】
脱臭装置蒸留物の組成は、油のタイプと前脱臭精製履歴に依存して変化するであろう。アルカリ精製された大豆油の脱臭から得られる蒸留物は、一般に約50重量%の脂肪酸類、約15重量%のトコフェロール類、及び約18重量%のステロール類を含んでいる。物理的に精製された大豆油の脱臭から得られる蒸留物は、通常、約70重量%の脂肪酸類、約9重量%のトコフェロール類、及び約11重量%のステロール類を含んでいる。米国特許第6,172,248号(参照により本明細書の記載の一部とする)に開示されているような、有機酸精製プロセスを経て精製される大豆油の脱臭から得られる蒸留物は、典型的には、約55重量%の脂肪酸類、約12重量%のトコフェロール類、及び約14重量%のステロール類を含んでいる。これらの脱臭装置蒸留物、そのような蒸留物を濃縮したもののいずれも、又はそれらの混合物も、本発明での使用に適している。このような蒸留物は、蒸留物を冷却して凝縮物とし、次いで、さらなる処理のために再加熱する時に起こり得る熱劣化のリスクを最小化するために、蒸発形態で供給されるのが最善である。一般に、脱臭装置から出て来る蒸留物は、約149℃(約300°F)の温度と約2〜6mmHgの圧力を有している。
【0024】
蒸発蒸留物20は、少なくとも2個の凝縮域を持ち、かつ約10mmHg未満の圧力で運転されている凝縮ユニット10の第一凝縮域30に導入される。凝縮ユニット10は、減圧及び高温において運転ができ、かつ少なくとも2つの凝縮域を有する、任意の機器とすることができる。好ましくは、凝縮ユニット10は、少なくとも2つの凝縮ゾーンを含むように製造されているか、又は改造されたスクラバーである。減圧は任意の都合の良い真空源を用いて発生可能である。普通はスチームジェットエジェクター系が使用される。最も好ましいのは、Nash−Kinema三段階真空系又は二段階真空系プラス真空ポンプである。三段階エジェクター系を用いる場合、凝縮ユニット中で発生する通常の真空は、約4〜約6mmHgとなるであろう。前記凝縮ユニット10は約6mmHg未満の圧力で運転されることが好ましい。前記凝縮ユニット10は約4mmHg未満で運転されることが最も好ましい。
【0025】
第一凝縮域30は、トコフェロール類やステロール類の運転圧力での沸点より低いが、脂肪酸類の運転圧力での沸点より高い温度で運転される。表1は、いくつかの減圧下でのトコフェロール類及びステロール類の沸点を示すものである。
表1でリストした圧力のそれぞれで、脂肪酸類の沸点は200゜F以下である。一般には、第一凝縮域30は、約165.7〜約232.4℃(約330〜約450゜F)の温度で運転される。好ましくは、第一凝縮域30は、約179.6〜約207.4℃(約355〜405゜F)の温度で運転される。最も好ましくは、第一凝縮域30は、約187.9〜約199.0℃(約370〜390゜F)の温度で運転される。
【0026】
第一凝縮域30内で蒸発蒸留物20の第一画分が凝縮され、ステロール類及びトコフェロール類に富む第一凝縮物40が生成されるが、これは、回収、販売して利益を上げるか、更に加工することができる。残留未凝縮蒸発蒸留物(本明細書では蒸発蒸留物の残留画分50と呼ぶ)は第二凝縮域60に流入し、更に処理される。一般に、第一凝縮物40は蒸発蒸留物20の約50重量%の量で得られる。第一凝縮物40は、一般に、約5重量%の脂肪酸類、約25重量%のトコフェロール類、及び約30重量%のステロール類を含んでいる。任意選択的に、第一凝縮域30の底部にあるレベルコントローラーが第一凝縮物40の一定容量を系内に保ち、過剰分は抜出されて貯蔵器又は次の処理工程へ送られる。
【0027】
一般に、第一凝縮物40の少なくとも一部は、スプレーノズル90を通って、蒸発蒸留物20の流れ方向に対して向流のミスト又はスプレーとして、第一凝縮域30中へ再循環され、上方へ向かう蒸発蒸留物20との接触に際しそれを直接冷却する。任意選択的に、第一凝縮域30での蒸発蒸留物20の一部の凝縮は、蒸発蒸留物20を第一充填物100に通し、そこで熱交換器120を循環して約193.5℃(約380°F)の温度に保持されたリサイクルされた第一凝縮物110と接触することにより起こる。
【0028】
充填物を使用すると、リサイクルされた第一凝縮物と蒸発蒸留物とが相互作用し得る表面積が実質的に増加する。また、充填物自体も、リサイクルされた第一凝縮物の温度を奪う傾向があるので、付加的な冷却源となる。充填物のタイプは、機械的強度、耐腐食性、コスト、容量、及び効率を含む、当業者にはよく知られた要因に基づいて選択される。充填物はステンレススチールグリッド又はメッシュ、磁器又はセラミックリング又はサドル、又は他の適当な不活性材料の形態をとることができる。好ましくは、第一充填物100は、狭い間隔を置いて配置され、複数の孔のあいた、鋸歯状のプロフィールの複数のステンレススチールプレートを含む。使用される第一充填物100の量は、第一凝縮域30の断面積、最大所望圧損、蒸発蒸留物20の流速、及び蒸発蒸留物の第一凝縮物への所望の変換百分率による。一般に、42インチ直径円形断面積を持つ第一凝縮域30では、約15垂直インチの第一充填物100が使用され、その第一充填物100は、実質上、第一凝縮域30の全断面積の全体に広がっている。
【0029】
第一凝縮域30を出る蒸発蒸留物50の残留画分は、凝縮ユニット10の第二凝縮域60に入り、そこで、蒸発蒸留物50の残留画分の第二画分は脂肪酸類に富む第二凝縮物70へと凝縮され、廃蒸気80を残す。第二凝縮域60は、脂肪酸類の運転圧力における沸点未満の温度で運転される。一般には、第二凝縮域60は約37.8〜約76.7℃(約100〜約170°F)の温度で運転される。好ましくは、第二凝縮域60は約51.7〜約62.8℃(約125〜約145°F)で運転される。最も好ましくは、第二凝縮域60は約54.5〜約60.0℃(約130〜約140°F)で運転される。
【0030】
第二凝縮域60中で、蒸発蒸留物50の残留画分の第二画分は凝縮され、脂肪酸類に富んだ第二凝縮物70を生成するが、これは回収、販売して利益を上げることができる。残留廃蒸気80は、真空系へと流れる。一般には、第二凝縮物70は、もともとの蒸発蒸留物20の約50重量%量で得られる。第二凝縮物70は、一般に約90重量%の脂肪酸類及び痕跡量にすぎないステロール類とトコフェロール類とを含んでいる。任意選択的に、前記第二凝縮域60底部のレベルコントローラーが、過剰分を抜出し、貯蔵器へ送ることにより、系内の第二凝縮物70を一定容量に維持する。
【0031】
一般に、第二凝縮物70の少なくとも一部は、スプレーノズル130を通って、蒸発蒸留物の残留画分50の流れ方向に対して向流のミスト又はスプレーとして、第二凝縮域60へ再循環され、上方へ通過する蒸発蒸留物の残留画分50との接触によりそれを直接冷却する。任意選択的には、第二凝縮域60中の蒸発蒸留物50の残留画分の凝縮は、蒸発蒸留物50の残留画分を第二充填物140を通過させ、そこで、熱交換機器160中を循環させることにより約57.3℃(135°F)に保たれリサイクルされた第二凝縮物150と接触させることによって起こる。第二充填物140は、第一充填物100と同じ形状であってもよく、また異なっていても良い。好ましくは、第二充填物140は第一充填物100と同じ材料であり、同じ構造を有する。
【0032】
生成後、第二縮合液70は種々の公知方法により更に処理し、ステロール及び/又はトコフェロール画分を単離することができる。例えば、トコフェロール類はメタノールなどの低級脂肪族アルコールに非常に溶解性である一方、ステロール類は冷時にはこのようなアルコール類に実質上不溶性であるので、第二凝縮物をメタノールで洗浄し、次いで濾過することで、ステロール類を含む不溶性画分とトコフェロール類を含むろ液を生成させることができ、またこのろ液は蒸留によりメタノールを除去できる。その代わりに、第二凝縮物を吸着溶媒と一緒にしてから、塩基性アニオン交換樹脂に通し、そこでトコフェロール類を樹脂上に選択的に吸着させ、ステロール類を通過させることもできる。吸着されたトコフェロール類は、次いで、酢酸などの溶出液を樹脂に通すことで、樹脂から溶出できる。
【0033】
以上又は以下に引用される全ての文書、例えば、特許、雑誌論文、及び教科書は、参照によりそれらの全体を本明細書の記載の一部とする。
当業者なら、本発明の精神と範囲を逸脱することなく本発明の変更が可能なことがわかるはずである。本発明は以下の例で更に説明されるが、それらは、本発明を、精神又は範囲において、そこに説明される具体的な操作又は組成物に限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0034】
例1
有機精製大豆油の脱臭から得られ、約149.0℃(約300°F)の温度を持つ蒸発蒸留物を、2個の凝縮域を持つように改造され、約4 mmHgの圧力で運転されているスクラバーの第一凝縮域へ、113400kg/時(250,000 ポンド/時)の速度で供給した。脱臭装置蒸留物は、約50重量%の脂肪酸類、約12重量%のトコフェロール類、約14重量%のステロール類、及び油を含む約24重量%の他成分を含んでいた。
このスクラバーは、高さ14フィート、直径42インチの円筒状塔で構成されていた。その第一凝縮域は高さが約4フィートで、15垂直インチの充填物を有していた。第一凝縮域の充填物は、狭い間隔を置いて配置され、複数の孔があけられた複数の鋸歯プロフィールのステンレススチールプレートを含んでいた。一個のスプレーノズルが充填物上方の第一凝縮域中へ伸びていた。真空はスクラバーにNash‐Kinema三段真空系又は真空ポンプによって供給されていた。
【0035】
第一凝縮域に入ってくる蒸発蒸留物の約50重量%を含む第一画分は凝縮され、約5重量%の脂肪酸類、約25重量%のトコフェロール類、及び約30重量%のステロール類を含む第一凝縮物を形成した。第一凝縮域に入ってくる蒸発蒸留物は、上方に通過し、充填部と蒸発蒸留物の流れ方向とは向流でスプレーノズルから出てくるリサイクルされた第一凝縮物とに接触した。また、リサイクルされた第一凝縮物はそれを熱交換器に通すことにより、約193.5℃(約380°F)の温度に保持された。リサイクルに使用されなかった第一凝縮物の部分は、連続的に抜出され、貯蔵器に送られた。
【0036】
本明細書中で蒸発蒸留物の残留画分と称される、第一凝縮域で凝縮されなかった凝縮物の部分は、上方に通過して第二凝縮域に入った。第二凝縮域は第一凝縮域と比較して、寸法及び構造が同じであった。もともとの蒸発蒸留物の約50重量%を含む第二画分は、第二凝縮域で凝縮され、約90重量%の脂肪酸類、約4重量%のトコフェロール類、及び約6重量%のステロール類を含む第二凝縮物を形成した。第二凝縮域へ入ってくる蒸気は、上方へ通過し、充填部と蒸発蒸留物の流れ方向とは向流でスプレーノズルから出てくるリサイクルされた第二凝縮物とに接触した。リサイクルされた第二凝縮物はそれを熱交換器に通すことで、約57.3℃(約135°F)に保持された。リサイクルに使用されなかった第二凝縮物の部分は、連続的に抜出され、貯蔵器に送られた。
この第二凝縮物中の脂肪酸類の鎖長分布は以下のようになっていた:
%C16:0 15 − 26
%C18:0 13 − 22
%C18:1 20 − 29
%C18:2 28 − 38
%C18:3 2 − 8
【0037】
例2
慣用の精製大豆油の脱臭から得られ、約149.0℃(約300°F)の温度を持つ蒸発蒸留物を、2個の凝縮域を持つように改造され、約2.5mmHgの圧力で運転されているスクラバーの第一凝縮域へ、113400kg/時(250,000ポンド/時)の速度で供給した。脱臭装置蒸留物は、約45重量%の脂肪酸類、約15重量%のトコフェロール類、約20重量%のステロール類、及び油を含む約20重量%の他成分を含んでいた。
このスクラバーは、高さ18フィート、直径60インチの円筒状塔で構成されていた。その第一凝縮域は高さが約5フィートで、24垂直インチの充填物を有していた。第一凝縮域の充填物は、狭い間隔を置いて配置され、複数の孔があけられた複数の鋸歯プロフィールのステンレススチールプレートを含んでいた。一個のスプレーノズルが充填物上方の第一凝縮域中へ伸びていた。真空はスクラバーにNash‐Kinema三段真空系又は真空ポンプによって供給されていた。
【0038】
第一凝縮域に入ってくる蒸発蒸留物の約55重量%を含む第一画分は凝縮され、約3重量%の脂肪酸類、約30重量%のトコフェロール類、及び約35重量%のステロール類を含む第一凝縮物を形成した。第一凝縮域に入ってくる蒸発蒸留物は、上方に通過し、充填部と蒸発蒸留物の流れ方向とは向流でスプレーノズルから出てくるリサイクルされた第一凝縮物とに接触した。また、リサイクルされた第一凝縮物はそれを熱交換器に通すことにより、約193.5℃(約380°F)の温度に保持された。リサイクルに使用されなかった第一凝縮物の部分は、連続的に抜出され、貯蔵器に送られた。
【0039】
本明細書中で蒸発蒸留物の残留画分と称される、第一凝縮域で凝縮されなかった凝縮物の部分は、上方に通過して第二凝縮物に入った。第二凝縮域は第一凝縮域と比較して、寸法及び構造が同じであった。もともとの蒸発蒸留物の約45重量%を含む第二画分は、第二凝縮域で凝縮され、約95重量%の脂肪酸類、約2重量%のトコフェロール類、及び約3重量%のステロール類を含む第二凝縮物を形成した。第二凝縮域へ入ってくる蒸気は、上方へ通過し、充填部と蒸発蒸留物の流れ方向とは向流でスプレーノズルから出てくるリサイクルされた第二凝縮物とに接触した。リサイクルされた第二凝縮物はそれを熱交換器に通すことで、約57.3℃(約135°F)保持された。リサイクルに使用されなかった第二凝縮物の部分は、連続的に抜出され、貯蔵器に送られた。
この第二凝縮物中の脂肪酸類の鎖長分布は以下のようになっていた:
%C16:0 15 − 26
%C18:0 13 − 22
%C18:1 20 − 29
%C18:2 28 − 38
%C18:3 2 − 8
【0040】
発明及びそれを作り、使用する仕方と方法を、本発明が関する技術分野の当業者なら誰もが作り、使用できるように、完全、明確、簡潔かつ正確な用語で説明してある。上述したことは本発明の好ましい実施態様を説明したものであるが、請求項で述べられる本発明の精神又は範囲を逸脱することなく、変更が可能である。発明とみなされる主題を特定的に指摘し、また明確に請求するため、以下の請求項がこの明細書を結論づける。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明の方法を実施するのに適したスクラバーの側面図であり、そこで使用され及び/又は製造される種々の蒸気流及び凝縮物流のフロー経路を説明するものである。
【0001】
本発明は、様々な油類の脱臭工程中に得られる蒸留物を処理するための方法に関する。より具体的には、本発明は、様々な油類の脱臭によって得られる蒸留物から、脂肪酸類、トコフェロール類、及びステロール類を回収するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物及び動物由来の油は、脂肪酸類、トコフェロール類、及びステロール類の貴重な源である。しかしながら、そのような油の精製工程中に、これらの成分、特にトコフェロール類及びステロール類のかなりの量が、選択した精製法に応じて、酸性ソープストック、脱臭装置蒸留物又は両方を含む様々な中間体副産物及び廃液流に失われる。従って、油及び脂肪製造時の高温蒸留工程(一般には脱臭と呼称)で副産物として得られる脱臭装置蒸留物を含む様々な精製中間体から脂肪酸類、トコフェロール類、及びステロール類を回収するために多くの方法が提案されてきている。
【0003】
脱臭は、通常、油及び脂肪を植物性及び動物性源から製造する際の最終工程である。大豆油などの植物油は、好ましくない臭気及び味を与える揮発性の不純物を含むのが典型的である。一般に、これらの揮発性化合物は、食用油を製造するために除去されなければならない。一般に脱臭には、低圧で、かつその運転圧力において好ましくない揮発性不純物を蒸発させるのに十分な温度で運転される蒸留装置内で、蒸気を油と接触させるスチームストリッピング工程が含まれる。一般に、真空蒸気脱臭として知られているこの方法では、油と好ましくない不純物の蒸発性の違いを利用して、相対的により揮発性である好ましくない不純物が、相対的に揮発性の低い油からストリッピングされる。典型的な真空蒸気脱臭工程では、通常、ストリッピングトレーと言われる、垂直に間隔をおいて配置された複数のトレーを持つ蒸留装置へ植物油を導入する。個々のストリッピングトレー内で、植物油に注入された蒸気が好ましくない揮発性不純物を同伴する。蒸気及び同伴した蒸留蒸気を合わせたものは、通常、収集、凝縮させて蒸留物を形成させ、処分するか又は価値のある物質を回収するために更に処理される。
【0004】
脱臭装置蒸留物の主要構成成分は、脂肪酸類、トコフェロール類、及びステロール類であり、それらは油源や油が脱臭以前に供される精製工程により様々な相対量で存在する。脱臭装置蒸留物自身、一定の商品価値を持っている。しかし、脱臭装置蒸留物が脂肪酸富化画分とステロール及びトコフェロール富化画分とに分けられれば、より高い価値が実現できる。
【0005】
脱臭装置蒸留物から単離された脂肪酸類は、いくつかの非食品用途で利用され、特に、レシチンの流動化剤として有用である。そのような脂肪酸類はまた、多種多様な分子合成スキームの前駆体として利用できる。脱臭装置蒸留物の脂肪酸部分は、飽和及び不飽和C10−C22脂肪酸を含んでいるのが典型的である。特に、大豆脱臭装置蒸留物は約50重量パーセントの脂肪酸類を含んでいる。
【0006】
脱臭装置蒸留物はステロール類も含んでおり、これらはホルモンの製造において価値ある前駆体である。スチグマステロールは黄体ホルモン及びコルチコイドの製造に使用される。シトステロールは、エストロゲン、避妊薬、利尿剤、及び男性ホルモンの製造に使用される。特に大豆脱臭装置蒸留物は約10〜約18重量%の全ステロールを含み、その約50%がシトステロール、約20%がスチグマステロール、約20%がカンペステロール、そして約10%が他の少量成分ステロールである。
【0007】
脱臭装置蒸留物の最後の主要成分はトコフェロールである。トコフェロール類は、酸化と腐敗を防止するのに役立つ貴重な天然酸化防止剤である。トコフェロール類はまた、ビタミンEの製造にも利用される。一般に、大豆油脱臭から得られる蒸留物は、α,β,γ,及びδトコフェロール異性体の約15:5:30:50の比率の混合物を含んでいる。アルファトコフェロールは、最も強力な生物学的ビタミンE活性を持っている。他のトコフェロール類は、より弱いビタミンE活性を有するが、より強い酸化防止活性を持っている。最大のビタミンE活性が要求される場合には、非アルファトコフェロール類をメチル化などのよく知られた方法でアルファ型に変換することができる。
【0008】
従来、脱臭装置蒸留物及び関連混合物からトコフェロール類及びステロール類を回収することは複雑かつ高価であることがわかっている。脂肪酸類、トコフェロール類、及び/又はステロール類が富化された1つ以上の蒸留物画分を脱臭装置蒸留物から単離することに伴う1つの難題は、ステロール類とトコフェロール類の沸点が大略同じ範囲にあることである。もう一つの難題は、ステロール類とトコフェロール類を蒸発する温度で長期間処理すると、脱臭装置蒸留物が熱分解を受ける可能性があることであり、このような温度条件は、脂肪酸を望ましくないtrans−異性体型に変換してしまう可能性がある。
【0009】
脱臭装置蒸留物を処理して1つ以上の成分を単離、回収するため、多くの方法が提起されてきた。これらの方法の多くにおいて、最初の必須プロセス工程が、脂肪酸をエステル化又は鹸化反応に供することを含んでいる。例えば、米国特許第3,153,055号では強酸性条件下で、モノヒドリックアルコールを用いて脂肪酸をエステル化することにより脱臭装置蒸留物からステロール類及びトコフェロール類を単離するための方法が教示されている。次いで、ステロール類及びトコフェロール類は、エステル化生成物混合物から、極性及び非極性溶媒の組み合わせを用いて分別抽出される。
【0010】
代替のエステル化方法では、米国特許第5,487,817号に、脂肪酸類でステロール類をエステル化し、次いで、得られた混合物を蒸留し、ステロールエステル類を含む残留液及びトコフェロール類を含む蒸留物を得ることが教示されている。次いで、ステロールエステル類を酸性条件下で開裂させることにより、ステロール類を残留物から単離する。
【0011】
米国特許第2,349,270号には、脱臭装置蒸留物をライムソープで処理して脂肪酸類を鹸化し、次いで、鹸化生成物を溶かさないアセトンを用いて非鹸化画分(トコフェロール類とステロール類)を抽出することが開示されている。次いで、抽出液を洗浄し、例えば溶媒蒸留により濃縮し、冷却してステロール類を結晶化させ、これをろ過により除去し、高純度トコフェロール画分を残す。この方法で生成した脂肪酸石鹸は酸性化され、遊離脂肪酸に変換できる。
【0012】
脱臭装置蒸留物を処理して1つ以上の成分を単離するのに、抽出単離方法もまた使用されてきた。例えば、米国特許第5,138,075号には、脱臭装置蒸留物を高温高圧加圧に液状の水と接触させ、相対的に高濃度のトコフェロール類を有するラフィネート相流及び相対的に高濃度の脂肪酸類を有する抽出相流を生成させることを含む、脱臭装置蒸留物からトコフェロール類を回収するための方法が開示されている。次いで、前記ラフィネート流と抽出物流を、それらの有機成分が液状の水との混和性を失う温度まで冷却し、同時に水を除去して、トコフェロール富化画分及び脂肪酸富化画分をそれぞれ生成させる。
【0013】
しかしながら、脱臭装置蒸留物から1つ以上の成分を単離するための上述した方法のいずれも、満足すべきものとは言えなかった。エステル化工程又は鹸化工程を使用する方法は、処理の複雑さを増し、それぞれのエステル又は石鹸を遊離ステロール類及び遊離脂肪酸に変換するため、しばしば強い鉱酸の使用を含む後処理工程を必要とする。鉱酸類は取り扱い上危険であり、蒸留物成分の着色その他の劣化を引き起こす可能性もある。抽出工程を必要とする方法は高価であり、また残留溶媒による汚染の潜在的可能性も生じる。
【0014】
従来から知られている脱臭装置蒸留物から1つ以上の成分を単離するための方法は、一般に長く高価な処理工程を必要とした。その結果、脱臭装置蒸留物を処理するための方法のより一層の改良が模索されてきた。
【0015】
本発明は、これまでに開示された方法に対して有利な点を有する、改善された方法に関する。本発明の方法により、蒸発蒸留物から簡単に脂肪酸富化された蒸留物画分が直接生産される。また、本発明の方法により、ステロール類とトコフェロール類に富んだ蒸留物画分が生産され、その蒸留物画は様々な方法で更に処理することによりステロール画分とトコフェロール画分とに単離できる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0016】
発明の概要
本発明の一側面は、様々な油の脱臭工程から得られる蒸発蒸留物から、1つ以上の成分を単離するための方法に関する。
本発明の他の一側面は、様々な油の脱臭から得られる蒸留物から、遊離脂肪酸が富化された混合物を製造するための方法に関する。
更にまた、本発明の他の一側面は、様々な油の脱臭から得られる蒸留物から、ステロール類及びトコフェロール類が富化された混合物を製造するための方法に関する。
【0017】
本発明の一実施態様は、ステロール類、トコフェロール類、及び脂肪酸類を含む蒸発蒸留物を、少なくとも2個の凝縮域を有し、かつ約10mmHg未満の圧力で運転される凝縮ユニットの第一凝縮域へ導入し、その第一凝縮域が約165.7から約232.4℃(約330から約450°F)の温度で運転される工程;その第一凝縮域で蒸発蒸留物の第一画分を凝縮して、ステロール類及びトコフェロール類に富む第一凝縮物を生成させ、蒸発蒸留物の残留画分を残す工程;蒸発蒸留物の残留画分を、凝縮ユニットの第二凝縮域へ導入し、その第二凝縮域が約37.8から約76.7℃(約100から約170°F)の温度で運転される工程;及び、蒸発蒸留物の残留画分の第二画分を、第二凝縮域で凝縮して、脂肪酸類に富む第二凝縮物を生成させ、廃蒸気を残す工程を含む、蒸発蒸留物から成分を単離するための方法である。
【0018】
本発明の他の実施態様は、ステロール類、トコフェロール類、及び脂肪酸類を含む蒸発蒸留物を、少なくとも2個の凝縮域を有し、かつ約10mmHg未満の圧力で運転される凝縮ユニットの第一凝縮域へ導入し、その第一凝縮域が約165.7から約232.4℃(約330から約450°F)の温度で運転される工程;その第一凝縮域で蒸発蒸留物の第一画分を凝縮して、ステロール類及びトコフェロール類に富む第一凝縮物を生成させ、蒸発蒸留物の残留画分を残す工程;蒸発蒸留物の残留画分を、凝縮ユニットの第二凝縮域へ導入し、その第二凝縮域が約37.8から約76.7℃(約100から約170°F)の温度で運転される工程;及び、蒸発蒸留物の残留画分の第二画分を、第二凝縮域で凝縮して、脂肪酸類に富む第二凝縮物を生成させ、廃蒸気を残す工程;前記第一凝縮物を回収する工程;及び、第二凝縮物を回収する工程を含む、蒸発蒸留物から成分を単離するための方法である。
【0019】
本発明のなおその他の実施態様は、ステロール類、トコフェロール類、及び脂肪酸類を含む蒸発蒸留物を、少なくとも2個の凝縮域を有し、かつ約10mmHg未満の圧力で運転される凝縮ユニットの第一凝縮域へ導入し、その第一凝縮域が約165.7から約232.4℃(約330から約450°F)の温度で運転される工程;蒸発蒸留物を第一充填物に通し、そこで蒸発蒸留物が約193.5℃(約380°F)の温度に維持されたリサイクルされた第一凝縮物と接触することにより、その第一凝縮域で蒸発蒸留物の第一画分を凝縮して、ステロール類及びトコフェロール類に富む第一凝縮物を生成させ、蒸発蒸留物の残留画分を残す工程;蒸発蒸留物の残留画分を、凝縮ユニットの第二凝縮域へ導入し、その第二凝縮域が約37.8から約76.7℃(約100から約170°F)の温度で運転される工程;及び、蒸発蒸留物の残留画分を第二充填物に通し、そこで蒸発蒸留物の残留画分と約57.3℃(約135°F)の温度に維持されたリサイクルされた第二凝縮物と接触することにより、蒸発蒸留物の残留画分の第二画分を、第二凝縮域で凝縮して、脂肪酸類に富む第二凝縮物を生成させ、廃蒸気を残す工程を含む、蒸発蒸留物から成分を単離するための方法である。
【0020】
本発明のなおその他の実施態様は、ステロール類、トコフェロール類、及び脂肪酸類を含む蒸発蒸留物を、少なくとも2個の凝縮域を有し、かつ約10mmHg未満の圧力で運転される凝縮ユニットの第一凝縮域へ導入し、その第一凝縮域が約165.7から約232.4℃(約330から約450°F)の温度で運転される工程;蒸発蒸留物を第一充填物に通し、そこで蒸発蒸留物が約193.5℃(約380°F)の温度に維持されたリサイクルされた第一凝縮物と接触することにより、その第一凝縮域で蒸発蒸留物の第一画分を凝縮して、ステロール類及びトコフェロール類に富む第一凝縮物を生成させ、蒸発蒸留物の残留画分を残す工程;蒸発蒸留物の残留画分を、凝縮ユニットの第二凝縮域へ導入し、その第二凝縮域が約37.8から約76.7℃(約100から約170°F)の温度で運転される工程;蒸発蒸留物の残留画分を第二充填物に通し、そこで蒸発蒸留物の残留画分と約57.3℃(約135°F)の温度に維持されたリサイクルされた第二凝縮物と接触することにより、蒸発蒸留物の残留画分の第二画分を、第二凝縮域で凝縮して、脂肪酸類に富む第二凝縮物を生成させ、廃蒸気を残す工程;前記第一凝縮物を回収する工程;及び、第二凝縮物を回収する工程を含む、蒸発蒸留物から成分を単離するための方法である。
本発明のこれらの側面は、以下の詳細な説明により明らかになるであろう。
【0021】
好ましい実施態様の説明
図1の参照数字10は、本発明の方法を実施するのに好適な凝縮ユニットを一般的に示す。図1で図示されるように、脱臭装置蒸発物から成分を単離するための本発明の改良された方法は、ステロール類、トコフェロール類、及び脂肪酸類を含む蒸発蒸留物20を、少なくとも2個の凝縮域を有し、かつ約10mmHg未満の圧力で運転される凝縮ユニット10の第一凝縮域30へ導入し、その第一凝縮域30が約165.7から約232.4℃(約330から約450°F)の温度で運転される工程;その第一凝縮域30で蒸発蒸留物20の第一画分を凝縮して、ステロール類及びトコフェロール類に富む第一凝縮物40を生成させ、蒸発蒸留物の残留画分50を残す工程;蒸発蒸留物の残留画分を、凝縮ユニット10の第二凝縮域60へ導入し、その第二凝縮域60が約37.8から約76.7℃(約100から約170°F)の温度で運転される工程;及び、蒸発蒸留物の残留画分50の第二画分を、第二凝縮域60で凝縮して、脂肪酸類に富む第二凝縮物70を生成させ、廃蒸気80を残す工程を一般に含む。この本発明の改良方法は、回分式、半連続式、又は連続式方法とすることができる。
【0022】
本発明の改善された方法は、様々な油の脱臭から得られる蒸発蒸留物の成分を単離するのに役立つ。多くのこのような蒸留物が本発明での使用に適しており、大豆油、コーン油、綿実油、パーム油、落花生油、菜種油(rapeseed oil)、ベニバナ油、ヒマワリ種オイル、ゴマ種オイル、米糠オイル、ココナッツ油、カノーラ油、及びそれらの混合物の脱臭から得られた蒸留物が含まれるが、これらに限定されるわけではない。特に好適な蒸留物は大豆脱臭装置蒸留物である。
【0023】
脱臭装置蒸留物の組成は、油のタイプと前脱臭精製履歴に依存して変化するであろう。アルカリ精製された大豆油の脱臭から得られる蒸留物は、一般に約50重量%の脂肪酸類、約15重量%のトコフェロール類、及び約18重量%のステロール類を含んでいる。物理的に精製された大豆油の脱臭から得られる蒸留物は、通常、約70重量%の脂肪酸類、約9重量%のトコフェロール類、及び約11重量%のステロール類を含んでいる。米国特許第6,172,248号(参照により本明細書の記載の一部とする)に開示されているような、有機酸精製プロセスを経て精製される大豆油の脱臭から得られる蒸留物は、典型的には、約55重量%の脂肪酸類、約12重量%のトコフェロール類、及び約14重量%のステロール類を含んでいる。これらの脱臭装置蒸留物、そのような蒸留物を濃縮したもののいずれも、又はそれらの混合物も、本発明での使用に適している。このような蒸留物は、蒸留物を冷却して凝縮物とし、次いで、さらなる処理のために再加熱する時に起こり得る熱劣化のリスクを最小化するために、蒸発形態で供給されるのが最善である。一般に、脱臭装置から出て来る蒸留物は、約149℃(約300°F)の温度と約2〜6mmHgの圧力を有している。
【0024】
蒸発蒸留物20は、少なくとも2個の凝縮域を持ち、かつ約10mmHg未満の圧力で運転されている凝縮ユニット10の第一凝縮域30に導入される。凝縮ユニット10は、減圧及び高温において運転ができ、かつ少なくとも2つの凝縮域を有する、任意の機器とすることができる。好ましくは、凝縮ユニット10は、少なくとも2つの凝縮ゾーンを含むように製造されているか、又は改造されたスクラバーである。減圧は任意の都合の良い真空源を用いて発生可能である。普通はスチームジェットエジェクター系が使用される。最も好ましいのは、Nash−Kinema三段階真空系又は二段階真空系プラス真空ポンプである。三段階エジェクター系を用いる場合、凝縮ユニット中で発生する通常の真空は、約4〜約6mmHgとなるであろう。前記凝縮ユニット10は約6mmHg未満の圧力で運転されることが好ましい。前記凝縮ユニット10は約4mmHg未満で運転されることが最も好ましい。
【0025】
第一凝縮域30は、トコフェロール類やステロール類の運転圧力での沸点より低いが、脂肪酸類の運転圧力での沸点より高い温度で運転される。表1は、いくつかの減圧下でのトコフェロール類及びステロール類の沸点を示すものである。
表1でリストした圧力のそれぞれで、脂肪酸類の沸点は200゜F以下である。一般には、第一凝縮域30は、約165.7〜約232.4℃(約330〜約450゜F)の温度で運転される。好ましくは、第一凝縮域30は、約179.6〜約207.4℃(約355〜405゜F)の温度で運転される。最も好ましくは、第一凝縮域30は、約187.9〜約199.0℃(約370〜390゜F)の温度で運転される。
【0026】
第一凝縮域30内で蒸発蒸留物20の第一画分が凝縮され、ステロール類及びトコフェロール類に富む第一凝縮物40が生成されるが、これは、回収、販売して利益を上げるか、更に加工することができる。残留未凝縮蒸発蒸留物(本明細書では蒸発蒸留物の残留画分50と呼ぶ)は第二凝縮域60に流入し、更に処理される。一般に、第一凝縮物40は蒸発蒸留物20の約50重量%の量で得られる。第一凝縮物40は、一般に、約5重量%の脂肪酸類、約25重量%のトコフェロール類、及び約30重量%のステロール類を含んでいる。任意選択的に、第一凝縮域30の底部にあるレベルコントローラーが第一凝縮物40の一定容量を系内に保ち、過剰分は抜出されて貯蔵器又は次の処理工程へ送られる。
【0027】
一般に、第一凝縮物40の少なくとも一部は、スプレーノズル90を通って、蒸発蒸留物20の流れ方向に対して向流のミスト又はスプレーとして、第一凝縮域30中へ再循環され、上方へ向かう蒸発蒸留物20との接触に際しそれを直接冷却する。任意選択的に、第一凝縮域30での蒸発蒸留物20の一部の凝縮は、蒸発蒸留物20を第一充填物100に通し、そこで熱交換器120を循環して約193.5℃(約380°F)の温度に保持されたリサイクルされた第一凝縮物110と接触することにより起こる。
【0028】
充填物を使用すると、リサイクルされた第一凝縮物と蒸発蒸留物とが相互作用し得る表面積が実質的に増加する。また、充填物自体も、リサイクルされた第一凝縮物の温度を奪う傾向があるので、付加的な冷却源となる。充填物のタイプは、機械的強度、耐腐食性、コスト、容量、及び効率を含む、当業者にはよく知られた要因に基づいて選択される。充填物はステンレススチールグリッド又はメッシュ、磁器又はセラミックリング又はサドル、又は他の適当な不活性材料の形態をとることができる。好ましくは、第一充填物100は、狭い間隔を置いて配置され、複数の孔のあいた、鋸歯状のプロフィールの複数のステンレススチールプレートを含む。使用される第一充填物100の量は、第一凝縮域30の断面積、最大所望圧損、蒸発蒸留物20の流速、及び蒸発蒸留物の第一凝縮物への所望の変換百分率による。一般に、42インチ直径円形断面積を持つ第一凝縮域30では、約15垂直インチの第一充填物100が使用され、その第一充填物100は、実質上、第一凝縮域30の全断面積の全体に広がっている。
【0029】
第一凝縮域30を出る蒸発蒸留物50の残留画分は、凝縮ユニット10の第二凝縮域60に入り、そこで、蒸発蒸留物50の残留画分の第二画分は脂肪酸類に富む第二凝縮物70へと凝縮され、廃蒸気80を残す。第二凝縮域60は、脂肪酸類の運転圧力における沸点未満の温度で運転される。一般には、第二凝縮域60は約37.8〜約76.7℃(約100〜約170°F)の温度で運転される。好ましくは、第二凝縮域60は約51.7〜約62.8℃(約125〜約145°F)で運転される。最も好ましくは、第二凝縮域60は約54.5〜約60.0℃(約130〜約140°F)で運転される。
【0030】
第二凝縮域60中で、蒸発蒸留物50の残留画分の第二画分は凝縮され、脂肪酸類に富んだ第二凝縮物70を生成するが、これは回収、販売して利益を上げることができる。残留廃蒸気80は、真空系へと流れる。一般には、第二凝縮物70は、もともとの蒸発蒸留物20の約50重量%量で得られる。第二凝縮物70は、一般に約90重量%の脂肪酸類及び痕跡量にすぎないステロール類とトコフェロール類とを含んでいる。任意選択的に、前記第二凝縮域60底部のレベルコントローラーが、過剰分を抜出し、貯蔵器へ送ることにより、系内の第二凝縮物70を一定容量に維持する。
【0031】
一般に、第二凝縮物70の少なくとも一部は、スプレーノズル130を通って、蒸発蒸留物の残留画分50の流れ方向に対して向流のミスト又はスプレーとして、第二凝縮域60へ再循環され、上方へ通過する蒸発蒸留物の残留画分50との接触によりそれを直接冷却する。任意選択的には、第二凝縮域60中の蒸発蒸留物50の残留画分の凝縮は、蒸発蒸留物50の残留画分を第二充填物140を通過させ、そこで、熱交換機器160中を循環させることにより約57.3℃(135°F)に保たれリサイクルされた第二凝縮物150と接触させることによって起こる。第二充填物140は、第一充填物100と同じ形状であってもよく、また異なっていても良い。好ましくは、第二充填物140は第一充填物100と同じ材料であり、同じ構造を有する。
【0032】
生成後、第二縮合液70は種々の公知方法により更に処理し、ステロール及び/又はトコフェロール画分を単離することができる。例えば、トコフェロール類はメタノールなどの低級脂肪族アルコールに非常に溶解性である一方、ステロール類は冷時にはこのようなアルコール類に実質上不溶性であるので、第二凝縮物をメタノールで洗浄し、次いで濾過することで、ステロール類を含む不溶性画分とトコフェロール類を含むろ液を生成させることができ、またこのろ液は蒸留によりメタノールを除去できる。その代わりに、第二凝縮物を吸着溶媒と一緒にしてから、塩基性アニオン交換樹脂に通し、そこでトコフェロール類を樹脂上に選択的に吸着させ、ステロール類を通過させることもできる。吸着されたトコフェロール類は、次いで、酢酸などの溶出液を樹脂に通すことで、樹脂から溶出できる。
【0033】
以上又は以下に引用される全ての文書、例えば、特許、雑誌論文、及び教科書は、参照によりそれらの全体を本明細書の記載の一部とする。
当業者なら、本発明の精神と範囲を逸脱することなく本発明の変更が可能なことがわかるはずである。本発明は以下の例で更に説明されるが、それらは、本発明を、精神又は範囲において、そこに説明される具体的な操作又は組成物に限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0034】
例1
有機精製大豆油の脱臭から得られ、約149.0℃(約300°F)の温度を持つ蒸発蒸留物を、2個の凝縮域を持つように改造され、約4 mmHgの圧力で運転されているスクラバーの第一凝縮域へ、113400kg/時(250,000 ポンド/時)の速度で供給した。脱臭装置蒸留物は、約50重量%の脂肪酸類、約12重量%のトコフェロール類、約14重量%のステロール類、及び油を含む約24重量%の他成分を含んでいた。
このスクラバーは、高さ14フィート、直径42インチの円筒状塔で構成されていた。その第一凝縮域は高さが約4フィートで、15垂直インチの充填物を有していた。第一凝縮域の充填物は、狭い間隔を置いて配置され、複数の孔があけられた複数の鋸歯プロフィールのステンレススチールプレートを含んでいた。一個のスプレーノズルが充填物上方の第一凝縮域中へ伸びていた。真空はスクラバーにNash‐Kinema三段真空系又は真空ポンプによって供給されていた。
【0035】
第一凝縮域に入ってくる蒸発蒸留物の約50重量%を含む第一画分は凝縮され、約5重量%の脂肪酸類、約25重量%のトコフェロール類、及び約30重量%のステロール類を含む第一凝縮物を形成した。第一凝縮域に入ってくる蒸発蒸留物は、上方に通過し、充填部と蒸発蒸留物の流れ方向とは向流でスプレーノズルから出てくるリサイクルされた第一凝縮物とに接触した。また、リサイクルされた第一凝縮物はそれを熱交換器に通すことにより、約193.5℃(約380°F)の温度に保持された。リサイクルに使用されなかった第一凝縮物の部分は、連続的に抜出され、貯蔵器に送られた。
【0036】
本明細書中で蒸発蒸留物の残留画分と称される、第一凝縮域で凝縮されなかった凝縮物の部分は、上方に通過して第二凝縮域に入った。第二凝縮域は第一凝縮域と比較して、寸法及び構造が同じであった。もともとの蒸発蒸留物の約50重量%を含む第二画分は、第二凝縮域で凝縮され、約90重量%の脂肪酸類、約4重量%のトコフェロール類、及び約6重量%のステロール類を含む第二凝縮物を形成した。第二凝縮域へ入ってくる蒸気は、上方へ通過し、充填部と蒸発蒸留物の流れ方向とは向流でスプレーノズルから出てくるリサイクルされた第二凝縮物とに接触した。リサイクルされた第二凝縮物はそれを熱交換器に通すことで、約57.3℃(約135°F)に保持された。リサイクルに使用されなかった第二凝縮物の部分は、連続的に抜出され、貯蔵器に送られた。
この第二凝縮物中の脂肪酸類の鎖長分布は以下のようになっていた:
%C16:0 15 − 26
%C18:0 13 − 22
%C18:1 20 − 29
%C18:2 28 − 38
%C18:3 2 − 8
【0037】
例2
慣用の精製大豆油の脱臭から得られ、約149.0℃(約300°F)の温度を持つ蒸発蒸留物を、2個の凝縮域を持つように改造され、約2.5mmHgの圧力で運転されているスクラバーの第一凝縮域へ、113400kg/時(250,000ポンド/時)の速度で供給した。脱臭装置蒸留物は、約45重量%の脂肪酸類、約15重量%のトコフェロール類、約20重量%のステロール類、及び油を含む約20重量%の他成分を含んでいた。
このスクラバーは、高さ18フィート、直径60インチの円筒状塔で構成されていた。その第一凝縮域は高さが約5フィートで、24垂直インチの充填物を有していた。第一凝縮域の充填物は、狭い間隔を置いて配置され、複数の孔があけられた複数の鋸歯プロフィールのステンレススチールプレートを含んでいた。一個のスプレーノズルが充填物上方の第一凝縮域中へ伸びていた。真空はスクラバーにNash‐Kinema三段真空系又は真空ポンプによって供給されていた。
【0038】
第一凝縮域に入ってくる蒸発蒸留物の約55重量%を含む第一画分は凝縮され、約3重量%の脂肪酸類、約30重量%のトコフェロール類、及び約35重量%のステロール類を含む第一凝縮物を形成した。第一凝縮域に入ってくる蒸発蒸留物は、上方に通過し、充填部と蒸発蒸留物の流れ方向とは向流でスプレーノズルから出てくるリサイクルされた第一凝縮物とに接触した。また、リサイクルされた第一凝縮物はそれを熱交換器に通すことにより、約193.5℃(約380°F)の温度に保持された。リサイクルに使用されなかった第一凝縮物の部分は、連続的に抜出され、貯蔵器に送られた。
【0039】
本明細書中で蒸発蒸留物の残留画分と称される、第一凝縮域で凝縮されなかった凝縮物の部分は、上方に通過して第二凝縮物に入った。第二凝縮域は第一凝縮域と比較して、寸法及び構造が同じであった。もともとの蒸発蒸留物の約45重量%を含む第二画分は、第二凝縮域で凝縮され、約95重量%の脂肪酸類、約2重量%のトコフェロール類、及び約3重量%のステロール類を含む第二凝縮物を形成した。第二凝縮域へ入ってくる蒸気は、上方へ通過し、充填部と蒸発蒸留物の流れ方向とは向流でスプレーノズルから出てくるリサイクルされた第二凝縮物とに接触した。リサイクルされた第二凝縮物はそれを熱交換器に通すことで、約57.3℃(約135°F)保持された。リサイクルに使用されなかった第二凝縮物の部分は、連続的に抜出され、貯蔵器に送られた。
この第二凝縮物中の脂肪酸類の鎖長分布は以下のようになっていた:
%C16:0 15 − 26
%C18:0 13 − 22
%C18:1 20 − 29
%C18:2 28 − 38
%C18:3 2 − 8
【0040】
発明及びそれを作り、使用する仕方と方法を、本発明が関する技術分野の当業者なら誰もが作り、使用できるように、完全、明確、簡潔かつ正確な用語で説明してある。上述したことは本発明の好ましい実施態様を説明したものであるが、請求項で述べられる本発明の精神又は範囲を逸脱することなく、変更が可能である。発明とみなされる主題を特定的に指摘し、また明確に請求するため、以下の請求項がこの明細書を結論づける。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明の方法を実施するのに適したスクラバーの側面図であり、そこで使用され及び/又は製造される種々の蒸気流及び凝縮物流のフロー経路を説明するものである。
Claims (17)
- (a) ステロール類、トコフェロール類、及び脂肪酸類を含む蒸発蒸留物を、少なくとも2個の凝縮域を有し、かつ約10mmHg未満の圧力で運転される凝縮ユニットの第一凝縮域へ導入し、その第一凝縮域が約165.7から約232.4℃(約330から約450°F)の温度で運転される工程;
(b) その第一凝縮域で蒸発蒸留物の第一画分を凝縮して、ステロール類及びトコフェロール類に富む第一凝縮物を生成させ、蒸発蒸留物の残留画分を残す工程;
(c) 蒸発蒸留物の残留画分を、凝縮ユニットの第二凝縮域へ導入し、その第二凝縮域が約37.8から約76.7℃(約100から約170°F)の温度で運転される工程;及び、
(d) 蒸発蒸留物の残留画分の第二画分を、第二凝縮域で凝縮して、脂肪酸類に富む第二凝縮物を生成させ、廃蒸気を残す工程
を含む、蒸発蒸留物から成分を単離するための方法。 - 前記第一凝縮域が約168.5から約207.4℃(約335から約405°F)で運転される、請求項1に記載の方法。
- 前記第一凝縮域が約187.9から約199.0℃(約370から約390°F)で運転される、請求項1に記載の方法。
- 前記第二凝縮域が約51.7から約62.8℃(約125から約145°F)で運転される、請求項1に記載の方法。
- 前記第二凝縮域が約54.5から約60.0℃(約130から約140°F)で運転される、請求項1に記載の方法。
- 前記第一凝縮物を回収する工程(e)を更に含む、請求項1に記載の方法。
- 前記第二凝縮物を回収する工程(e)を更に含む、請求項1に記載の方法。
- 前記第二凝縮物を回収する工程(f)を更に含む、請求項7に記載の方法。
- 工程(b)の凝縮が、蒸発蒸留物を第一充填物に通し、そこで蒸発蒸留物が約193.5℃(約380°F)の温度に維持されたリサイクルされた第一凝縮物と接触することにより起こる、請求項1に記載の方法。
- 前記第一充填物が、狭い間隔を置いて配置され、複数の孔のあいた複数のステンレススチールプレートを含む、請求項9に記載の方法。
- 工程(d)の凝縮が、蒸発蒸留物の残留画分を第二充填物に通し、そこで蒸発蒸留物の残留画分と約57.3℃(約135°F)の温度に維持されたリサイクルされた第二凝縮物と接触することにより起こる、請求項1に記載の方法。
- 前記第二充填物が、狭い間隔を置いて配置され、複数の孔のあいた複数のステンレススチールプレートを含む、請求項11に記載の方法。
- 工程(d)の凝縮が、蒸発蒸留物の残留画分を第二充填物に通し、そこで蒸発蒸留物の残留画分と約57.3℃(約135°F)の温度に維持されたリサイクルされた第二凝縮物と接触することにより起こる、請求項9に記載の方法。
- 第一充填物が、狭い間隔を置いて配置され、複数の孔のあいた複数のステンレススチールプレートを含む、請求項13に記載の方法。
- 第二充填物が、狭い間隔を置いて配置され、複数の孔のあいた複数のステンレススチールプレートを含む、請求項13に記載の方法。
- 第二充填物が、狭い間隔を置いて配置され、複数の孔のあいた複数のステンレススチールプレートを含む、請求項14に記載の方法。
- 前記凝縮ユニットがスクラバーである、請求項1に記載の方法。
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