JP2005501050A - 方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の方法は、創傷を治療する際に用いられる医薬品の製造において、5−アミノレブリン酸(5−ALA)、5−ALA誘導体および製薬上許容されるそれらの塩から選ばれた光増感剤の使用に関する。本発明に従って治療される創傷の例としては、非生理的過程、例えば、外科処置または身体の傷害から生じる創傷、擦り傷、裂傷、および熱傷から生じる創傷(例えば、火傷または任意の低温処置から生じる創傷)が挙げられる。潰瘍、例えば足の潰瘍、静脈性潰瘍および胃潰瘍もまた、本発明の方法に従って治療に成功する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、創傷の治療に関し、特に創傷治癒を早める方法における5−アミノレブリン酸(5−ALA)および5−ALA誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、健康な哺乳類の創傷治癒は、速やかに、かつ、比較的問題なく進行する。しかしながら、治癒過程の速度は、いくつかの要因に依存する。その要因としては、創傷の性状(すなわち、創傷の原因および大きさ)、治癒領域への血液の供給、微生物の存在およびその性質、ならびに患者の一般状態(すなわち、年齢、健康状態、および通常の治癒過程を損なわせたり、または、抑制させたりする他の薬剤への依存性)が挙げられる。したがって、場合によっては、創傷治癒が遅れたり、または、損なわれたりして、結果的に治癒までに数ヶ月かかるような慢性もしくは準慢性の創傷となってしまう。重症の場合には、完全に治癒しないかもしれない。慢性創傷は、しばしば合併症および患者にとって深刻な医学的問題を生じる。
【0003】
問題となる創傷(すなわち、慢性もしくは準慢性とみなされる創傷)の典型例としては、熱傷(火傷および凍結治療もしくは低温処置(freezing or cryo-based treatment)から生じる創傷を含む)、足の潰瘍(糖尿病性潰瘍、例えば、糖尿病性神経障害による足の潰瘍(neuropathic diabetic foot ulcers)を含む)および他の慢性もしくは準慢性の潰瘍(例えば静脈性潰瘍)から生じる創傷が挙げられる。治癒中に問題を生じる他の種類の潰瘍は、胃腸消化器系に見出される潰瘍、例えば胃潰瘍である。
【0004】
慢性もしくは準慢性の創傷に関係する最も深刻な問題の一つは、細菌感染、特にグラム陰性嫌気性生物から生じる感染の可能性である。このような創傷における感染は、例えば黄色ブドウ球菌、シュードモナス(Pseudomonas)種およびプロテウス(Proteus)種によって引き起こされる。これらの感染は、特にバクテリアが従来の抗生物質に耐性がある場合には、治療することが非常に困難となることがある。
【0005】
従来、創傷は以下の異なる様式:包帯、湿布(compressions)および他の創傷を手当てする用品、局所消毒薬、食塩水ドレッシング(saline dressings)、抗菌性スルホンアミドの銀塩、局所系および全身系抗生物質、ベンゾイルパーオキシド、亜鉛塩、血管拡張剤および皮膚移植のいずれかの組み合わせを用いて治療され得るのである。創傷/潰瘍の治療についての最近の総説については、以下の例を参照されたい。例えば、S.Watanabe et al. in J.Gastroenterol. (2000) 35 Suppl. 12: 65-8、
A.S. Rosemurgy et al. in Obes. Surg. (1991) 1: 145-149、
I. Brook et al. in Pediatr. Neurosurg. (2000) 32: 20-23、
C.E. Hallett et al. in J. Adv. Nurs. (2000) 31: 783-93、
S.A. Kudravi et al. in In Vivo (2000) 14: 83-92、
T.T. Phan et al. in Ann. Acad. Med. Singapore (2000) 29: 27-36、
K. Takanagi et al. in Clin. Perform. Qual. Health Care (1999) 7: 70-73、
A. Sheffet et al. in Ostomy Wound Manage (1999) 46: 28-33, 36-40, 42-44、
S. Cerovac et al. in Burns (2000) 26: 251-259、
H.J. Klasen in Burns (2000) 26: 207-22、
A.K. Deodhar et al. in J. Postgrad. Med. (1997) 43: 52-56、
C. Hernandez-Cueto et al. in Am. J. Forensic Med. Pathol. (2000) 21: 21-31、
T.B. Burns et al. in Am. Fam. Physician (2000) 61: 1383-8、
B.C. Ohanaka et al. in East Afr. Med. J. (1999) 76, 687-9、
L. Staiano-Cioco et al. in Ostomy Wound Manage (2000) 46 (1A Suppl), 85S-95S、
P.D. Thomson in Ostomy Wound Manage (2000) 46 (1A Suppl) 77S-84S、
M. Benbow in Community Nurse (1999) 5: 47-8 & 50、および
M. Kiernan in Community Nurse (1999) 5: 59-60である。
【0006】
これまで、創傷の治癒速度を増大するための方法が、いくつか提案されている。このような方法として、公知の光増感剤を用いた光線力学的治療(PDT)が挙げられる。しかしながら、このような方法は、これまでのところ限られた成功しか収めていない。
【0007】
光線力学的治療(PDT)は比較的新しい技術であり、皮膚または他の上皮系器官もしくは粘膜の様々な異常または障害、特にガンまたは前ガン病変のほか、一部の非悪性障害、例えば乾癬などの治療にも用いられる。PDTは、光増感剤の投与に続いて、光増感剤を活性化し、これらを細胞毒性形態に変換するために光活性化光線に曝すことを含み、これにより細胞を破壊し、疾患が治療される。いくつかの光増感剤、例えば、種々のポルフィリン類、ソラレン類、クロリン類、フタロシアニン類および5−アミノレブリン酸(5−ALA)誘導体が知られており、文献に記載されている。
【0008】
PDTは、ガンおよび前ガン段階の治療に集中して用いられているが、PDTおよび創傷治癒に関する報告もいくつかある。例えば、US-A-5,913,884(The General Hospital Corporation)には、哺乳類の創傷の治癒を調節する方法として、ターゲット部分への結合によって、マクロファージを標的にした光増感剤の有効量を投与する方法が記載されている。光増感剤に結合させたターゲット部分は、タン白質、ポリペプチドおよび微粒子から選ばれてもよい。ポリ−l−リジン クロリン−e6(ce6)複合体は、PDT後のマウスにおいて創傷を直す力を増強することが知られている。しかしながら、他の光増感剤については何の結果も与えられていない。
【0009】
他の人々によって行われた最近の研究では、PDTにおいてポリ−l−リジン クロリン−e6(ce6)複合体を用いたときに見られた創傷治癒効果が、他の光増感剤を用いたときには観察されなかったことが明白に示されている。
【0010】
例えば、Parekhらは、ラットの創傷治癒に対する2種のポルフィリン系光線力学的活性剤BDP−MAおよびCASPの効果を研究している(Laser Surg. Med. (1999) 24: 375-81)。その結果は、PDTはラットモデルにおいて、皮膚創傷の治癒に何ら影響を与えないというものであった。この知見は、他の人々によっても確かめられている。例えば、A. Kublerらによって行われた研究は、ポルフィリンを用いるPDTは、創傷治癒が遅れるという結果を示している(Laser Surg. Med. (1996) 18: 397-405)。M.J. Berlmont
らもまた、PDTを用いると創傷治癒が遅れることを報告している(Laryngoscope (1999) 109: 886-90)。
【0011】
より最近では、R. Haddad らは、マウスの結腸吻合の治癒(colon anastomic healing)において、正常な線維芽細胞への5−ALAを用いた光線力学的治療の効果を報告した(J. Gastroenterology (1999) 3: 602-6)。PDTは、ヒトの正常な線維芽細胞の生存性に対し、効果を何ら有しておらず、結腸吻合の治癒において、何の重大な障害を有しないという結論であった。
【0012】
それゆえ、現時点では、著名な光増感剤は、光線力学的な創傷の治癒に対して、わずかな効果しかない、または効果がないと一般に認識されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
創傷、特に慢性もしくは準慢性の創傷の治癒速度を高める代替方法に対する必要性は、依然として存在する。公知の光増感剤を用いた創傷治癒に関係する文献の否定的な結果にもかかわらず、我々は驚くべきことに、5−ALAおよび5−ALA誘導体を光線力学的な創傷治癒において臨床的に用いることができることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、一つの観点から見ると、本発明は、創傷、例えば慢性もしくは準慢性の創傷を治療する際に用いられる、特に創傷の治癒を速める方法に用いられる医薬品の製造における、5−ALAもしくはその誘導体または製薬上許容されるそれらの塩の使用方法を提供する。
【0015】
さらなる観点において、本発明は、創傷治癒を早めるためのヒトの体またはヒト以外の動物の体を治療する方法であって、その体の創傷部位に、5−ALA、5−ALA誘導体および製薬上許容されるそれらの塩から選ばれた光増感剤を投与すること、および該創傷部位での光増感剤を光活性化することを含むことを特徴とする方法を提供する。
【0016】
特に、本発明は、創傷治癒を早めるためのヒトの体またはヒト以外の動物の体を治療する方法であって、以下の工程:
(a)その体の創傷部位に、5−ALA、5−ALA誘導体および製薬上許容されるそれらの塩から選ばれた光増感剤を投与する工程;
(b)必要なら、光増感剤がその創傷部位において有効な組織濃度を達成するために必要な時間待機する工程;および
(c)創傷部位での光増感剤を光活性化する工程
を含むことを特徴とする方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
5−ALA(5−アミノ−4−オキソ−ペンタン酸、別名5−アミノレブリン酸)および5−ALA誘導体のPDTにおける使用は、科学文献および特許文献で公知である(例えば、J.C. Kennedy et al., J. Clin. Laser Med. Surg. (1996) 14: 289-304、US-A-5,079,262、US-A-5,211,938、US-A-5,234,940、US-A-5,422,093、US-A-6,034,267、WO91/01727およびWO96/28412を参照。これらの内容は参考文献として本明細書に組み込まれている)。これらの化合物および製薬上許容されるそれらの塩のすべては、本明細書に記載された方法に、好適に用いられる。
【0018】
本発明によれば、有用な5−ALA誘導体は、インビボでプロトポルフィリンIX(PpIX)または他の光増感剤(例えば、PpIX誘導体)を形成しうる5−ALAの誘導体または類似体のいずれでもよい。典型的には、このような誘導体は、ヘム生合成経路におけるPpIXの前駆体またはPpIX誘導体(例えば、PpIXエステル)の前駆体であり、それゆえ、投与後これらは、創傷部位でのPpIXの蓄積をインビボで誘発することができる。PpIXまたはPpIX誘導体の好適な前駆体としては、5−ALAプロドラッグが挙げられる。これは、PpIXの生合成における中間体として5−ALAをインビボで生成できてもよく、あるいは中間体として5−ALAを形成することなくポルフィリンに(例えば、酵素的に)変換されてもよい。本発明によれば、5−ALAおよび5−ALAエステルは創傷の治療にとり好ましい化合物である。
【0019】
5−アミノレブリン酸類およびそれらのN−置換誘導体のエステルは、本発明において好ましく用いられる。5−アミノ基が置換されていないこれらの化合物(すなわち、ALAエステル)が特に好ましい。このような化合物は一般に知られており、文献に記載されている(例えば、PhotoCure ASAによるWO96/28412およびWO02/10120を参照。これらの内容は、参考文献として本明細書に組み込まれている)。
【0020】
任意に置換されたアルカノールを有する5−アミノレブリン酸のエステル、すなわちアルキルエステルまたは置換アルキルエステルは、本発明において特に好ましく用いられる。このような化合物の例としては、一般式(I)の化合物:
2 2N-CH2COCH2-CH2CO-OR1 (I)
(式中、R1は任意に置換された直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基または環状アルキル基を表わし;かつ各R2は独立に水素原子または任意に置換されたアルキル基、例えば基R1を表す)および製薬上許容されたそれらの塩が挙げられる。
【0021】
本明細書で用いられる「アルキル」という用語は、特に他に明記しない限り、任意の長鎖もしくは短鎖の、環状、直鎖状または分岐状の脂肪族である飽和もしくは不飽和の炭化水素基を含む。不飽和アルキル基は、モノ不飽和でもポリ不飽和でもよく、アルケニル基およびアルキニル基の両者を含む。特に明記しない限り、このような基は最大40個の原子を含んでよい。しかしながら、最大30、このましくは最大10、特に好ましくは最大8、とりわけ好ましくは最大6個、具体的には4個までの炭素原子を含むアルキル基が好ましい。
【0022】
置換アルキル基のR1およびR2は、モノ置換でもポリ置換でもよい。好適な置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アリール基、ニトロ基、オキソ基、フルオロ基、−SR3基、−NR3 2基および
−PR3 2基から選ばれる置換基であり、各アルキル基は、任意に1以上の−O−基、−NR3−基、−S−基または−PR3−基によって中断されていてもよく、R3は水素原子またはC1-6アルキル基である)。
【0023】
本発明で特に好ましく用いられるのは、式(I)において、R1は非置換アルキル基(例えば、C1-6アルキル基)であるか、あるいはアリール基(例えば、フェニル基)で置換されたアルキル基(例えば、C1-2アルキル基)のいずれかを表わし、および/または各R2が水素原子を表わす化合物である。
【0024】
式(I)の特に好ましい化合物としては、1−メチルペンチルALAエステル、p−イソプロピルベンジルALAエステル、p−メチルベンジルALAエステル、ベンジルALAエステル、2−フェニルエチルALAエステル、2−フェニルエチルALAエステル、ヘキシルALAエステル、シクロヘキシルALAエステル、4−メチルペンチルALAエステル、p−[トリ−フルオロメチル]ベンジルALAエステル、p−[t−ブチル]ベンジルALAエステル、p−ニトロベンジルALAエステル、1−エチルブチルALAエステル、2−メチルペンチルALAエステル、4−フェニルブチルALAエステル、p−フルオロベンジルALAエステル、3,3−ジメチル−1−ブチルALAエステル、2−フルオロベンジルALAエステル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルALAエステル、4−クロロベンジルALAエステル、2−メトキシエチルALAエステル、3−ニトロベンジルALAエステル、3,4−[ジ−クロロ]ベンジルALAエステル、3,6−ジオキサ−1−オクチルALAエステル、3−フルオロベンジルALAエステル、3,6,9−トリオキサ−1−デシルALAエステル、3−ピリジニル−メチルALAエステル、4−ジフェニル−メチルALAエステル、4−メトキシ−ベンジルALAエステル、2−メチルベンジルALAエステル、ベンジル−5−[(1−アセチルオキシエトキシ)−カルボニル]アミノレブリネートおよび3−メチルベンジルALAエステルが挙げられる。
【0025】
本発明の方法に最も好適に用いられるのは、5−ALA、5−ALAメチルエステル、5−ALAヘキシルエステルおよび5−ALAベンジルエステルである。
【0026】
本発明の方法にしたがって用いられる化合物は、遊離アミンおよび/または遊離酸の形態でも、生理的に許容される塩の形態でもよい。このような塩は、好ましくは生理的に許容される有機酸もしくは無機酸を有する酸付加塩(acid addition salts)である。好適な酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸およびアスコルビン酸などが挙げられる。塩生成のための手順は、従来技術のとおりである。
【0027】
本発明の方法において、単一の光増感剤(すなわち、5−ALAまたは5−ALA誘導体)を、創傷を治療する際に単独で用いてもよい。代わりに2種以上、好ましくは2種の光増感剤の組み合わせでもよく、少なくとも1つの光増感剤が5−ALA、5−ALAの誘導体または製薬上許容されたそれらの塩となるような組み合わせで用いられる。
【0028】
本発明に基づき、5−ALAまたは5−ALA誘導体とともに処方された、あるいは一緒に投与される他の光増感剤としては:
ヘマトポルフィリン誘導体(HpD);
PhotofrinTM(Quadra Logic Technologies Inc., バンクーバー、カナダ)およびヘマトポルフィリンIX(HpIX)のようなヘマトポルフィリン;
フォトサンIII(Photosan III)(Seehof Laboratorium GmbH, Seehof, Wesselburenerkoog, ドイツ);
テトラ(m−ヒドロキシフェニル)クロリン(m−THPC)のようなクロリン類およびそのバクテリオクロリン(Scotia Pharmaceuticals Ltd, Surrey, 英国)、モノ−L−アスパルチルクロリンe6(NPe6)(Nippon Petrochemical Co., CA, 米国)、クロリンe6(Porphyrin Products Inc.)ベンゾポルフィリン類(Quadra Logic Technologies Inc., バンクーバー、カナダ)(例えば、benzoporphyrin derivative monoacid ring A, BPD-MA)およびプルプリン(PDT Pharmaceuticals Inc., CA, 米国)(例えば、スズ−エチルエチオプルプリン、SnET2);
フタロシアニン類(例えば、亜鉛フタロシアニン(Quadra Logic Technologies Inc., バンクーバー、カナダ)、アルミニウムフタロシアニンまたはシリコンフタロシアニン、これらはスルホン化されていてもよく、特にアルミニウムフタロシアニンジスルホネート(AlPcS2a)またはアルミニウムフタロシアニンテトラスルホネート(AlPcS4)などのスルホン化フタロシアニン類);
ポルフィセン類(porphycenes);
ヒポクレリン類(hypocrellins);
プロトポルフィリンIX(PpIX);
ヘマトポルフィリンジエーテル類;
ウロポルフィリン類(Uroporphyrins);
デューテロポルフィリン類;および
ポリヘマトポリフィリン(PHP)、およびその前駆体および誘導体が挙げられる。
【0029】
好ましくは、第2の光増感剤は、ヘマトポルフィリン(例えば、PhotofrinTM)、クロリン(特に、m−THPCまたはクロリンe6)またはスルホン化フタロシアニン(特に、アルミニウムフタロシアニンジスルホネートまたはアルミニウムフタロシアニンテトラスルホネート)である。
【0030】
したがって、別の観点において、本発明は、創傷、例えば、慢性もしくは準慢性の創傷を治療する際に用いられる、とりわけ創傷治癒を速める方法において用いられる医薬品の製造において、5−ALA、5−ALA誘導体および製薬上許容されるそれらの塩から選ばれた第1の光増感剤と、第2の光増感剤とを組み合わせた使用の方法を提供する。
【0031】
さらに別の観点において、本発明は、創傷を治療する方法において同時に、別々に、または連続的に用いられる医薬品の製造において、5−ALA、5−ALA誘導体および製薬上許容されるそれらの塩から選ばれた第1の光増感剤と、第2の光増感剤とを組み合わせた使用の方法を提供する。
【0032】
さらなる別の観点において、本発明は、創傷、例えば、慢性もしくは準慢性の創傷を治療する際に、同時に、別々に、または連続的に用いられる、5−ALA、5−ALA誘導体および製薬上許容されるそれらの塩から選ばれた第1の光増感剤と、第2の光増感剤とを別々に含有するキットまたはパックを提供する。
【0033】
本明細書で用いられる「創傷」という用語は、ヒトの体またはヒト以外の動物の体で、内部または外部の体表面における正常組織の連続性が壊されるか、または失われるすべてのことを含み、例えば、外科処置または身体の傷害のような非生理的過程から生じる。本明細書に記載された創傷の治療は、体内の異常細胞、例えば腫瘍の集積の直接的な治療を包含することを意図したものではない。
【0034】
ヒトまたはヒト以外の哺乳類、例えばヒトにおける任意の創傷、特に慢性もしくは準慢性の創傷といった問題となる創傷は、本発明にしたがって治療される。このような創傷は、外科処置または身体の傷害から生じてくるものであるか、あるいは特定の疾患状態(例えば、潰瘍)に関係している。創傷は、体の外表面または内表面のいずれに存在してもよく、穿通性でも非穿通性でもよい。本発明によって治療される体の内表面および外表面としては、皮膚、口腔の内膜(lining)、咽頭、食道、ならびに胃および腸の内膜が挙げられる。本明細書に記載された方法は、皮膚表面の問題となる創傷を治療する際に特に有益である。本発明の方法にしたがって治療される創傷の例としては、表面および非表面の創傷の両方、例えば、擦り傷、裂傷、熱傷から生じる創傷(例えば、火傷および低温処置から生じる創傷)、および外科処置から生じるすべての創傷が挙げられる。
【0035】
本明細書に記載した方法にしたがって治療される創傷は、好ましくは非感染の創傷であるか、または本質的に清潔な創傷であり、そこに存在するかもしれない微生物、例えばバクテリアが、創傷の治癒を妨げない。このような創傷は、一般に、病原性微生物を実質的に含まない。とくに、これらは、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌などの細菌由来の感染が実質的にないことが期待される。一般的にいえば、このような創傷は日和見感染症がない。
【0036】
足の潰瘍、静脈性潰瘍または胃腸管に存在する潰瘍、例えば胃潰瘍などの潰瘍もまた、本明細書に記載された方法を用いて治療することができる。このような方法は、糖尿病性神経障害による足の潰瘍(neuropathic diabetic foot ulcers)の治療に特に好適であることが見出された。
【0037】
本発明に基づいて用いられる化合物は、当該分野における公知技術に従い、1以上の生理的に許容される担体または賦形剤とともに、従来の方法で処方することができる。
【0038】
組成物は、創傷部位または創傷部位付近に局所的に投与(例えば、局所的投与または注射による投与)しても、全身的に投与(例えば、経口的投与または非経口的投与)してもよい。投与経路は、治療される創傷の大きさおよび性状、創傷の位置および用いられる光増感剤(または光増感剤の組み合わせ)に依存する。創傷の大きさ、性状および位置が、製剤の局所投与を可能にする場合には、(体の内表面または外表面のいずれかへの)局所投与が好ましい。好ましい製剤としては、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤(ointments)、スプレー剤、ローション剤、ロウ軟膏剤(salves)、粘着剤、石鹸剤、散剤、膣坐剤、エアゾル剤、滴剤、液剤および当該技術分野における従来の製薬形態が挙げられる。
【0039】
軟膏剤(ointments)、ゲル剤およびクリーム剤は、例えば、水性基剤または油性基剤を用いて、好適な濃縮剤および/またはゲル化剤を添加して処方することができる。ローション剤は、水性基剤または油性基剤を用いて処方することができ、また、一般的に1種以上の乳化剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤または着色剤を含有する。散剤は、好適な粉末基剤を用いて製剤することができる。滴剤および液剤は、1以上の分散剤、可溶化剤または懸濁化剤も含む水性または非水性基剤を用いて処方することができる。エアゾルスプレー剤は、好適な噴射剤を用いて、加圧包装から放出させるのが都合がよい。
【0040】
前記組成物は、さらに潤滑剤、保湿剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、甘味剤、香味剤、吸収促進剤、例えば、後述するような表面浸透助剤などをさらに含んでいてもよい。本発明の方法に用いられる組成物は、当該技術分野で公知の手順を採用することによって、患者への投与後に、活性成分の素早い放出、継続した放出または遅れた放出を与えるように処方することができる。また、可溶化剤および/または安定化剤、たとえばシクロデキストリン(CD)α、β、γおよびHP-βシクロデキストリンを用いてもよい。組成物は適当な投与形態、たとえば乳濁液として、またはリポソーム、ニオソーム(niosomes)、マイクロスフェア、ナノパーティクルなどの形態でもよい。次いで、本発明に用いられる化合物は、これらの形態に吸収され、取り込まれ、または結合させてもよい。
【0041】
PDTによる創傷治癒のための組成物は、典型的にはクリーム剤(例えば、5−ALAメチルエステルを20%(w/w)で含有するMetvixTMクリーム剤)または2成分系(例えば、2種の光増感剤を含有する)からなるキットなど、即使用が可能な製剤の形態にある。
【0042】
最終的な製剤におけるpHは、2.5〜7.4の範囲であることが好ましい。製剤は即使用が可能な製剤であれば、酸性pH、例えばpH5が好ましい。
【0043】
創傷治療のための最終的な製剤における上述した5−ALA化合物の濃度は、化合物の化学的性質、化学組成、投与様式および治療される創傷の性状を含むいくつかの要因に依存して変化する。一般的には、0.01〜30%(w/w)の濃度範囲が好適である。局所投与で創傷治癒するための最も好ましい濃度は、0.02〜25%(w/w)の範囲、例えば約20%(w/w)である。
【0044】
到達し難い部位への局所投与は、当業界で公知の技術、たとえばカテーテルまたは他の適当な薬物送達システムの使用によって達成できる。
【0045】
光増感剤を含む医薬製剤の投与後、創傷部位を光に曝して所望の光増感効果が得られる。投与に引き続き露光が行われる時間の長さは、組成物の性質、治療条件および投与の形態に依存する。一般に光増感剤は、光活性化の前に、創傷部位における組織有効濃度に到達していることが必要である。これには通常1〜24時間かかる。
【0046】
好ましい治療手順では、光増感剤(類)を創傷に適用しておよそ3時間後に照射が行われる。必要に応じて、この手順は最大14日の間隔(例えば、7〜14日)で、例えば、さらに3回繰り返してもよい。この手順によっても創傷が完治しない場合、別途の治療を数ヶ月後に行ってもよい。
【0047】
照射は、一般に40〜200ジュール/cm2、たとえば100ジュール/cm2の線量レベルで適用される。
【0048】
照射に用いられる光の波長を選択することによって、より有効な光増感効果を達成することができる。最も効果的な光は、300〜800nm、典型的には400〜700nmの波長領域の光である。
【0049】
したがって、本発明のさらなる観点は、哺乳類(例えば、ヒト)の創傷を治療する方法であって、創傷部位に上記に定義した組成物を投与すること、および該表面を光、好ましくは300〜800nm、例えば400〜700nmの波長領域の光に曝すことを含む治療方法を提供する。
【0050】
身体の異なる領域を、例えばランプまたはレーザーによって照射する方法は、公知の技術である(例えば、Van den Bergh, Chemistry in Britain, May 1986 p. 430-439を参照)。到達し難い領域については、これは光ファイバーを用いて都合よく達成できる。
【0051】
前述したように、本発明の方法に用いられる化合物は、他の光増感剤、例えば5−ALAもしくは他の5−ALA誘導体、またはPhotofrinTMのようなポルフィリン誘導体とともに、処方および/または投与することができる。あるいは、これらは光増感効果を増大し、したがって創傷治癒を高めることができる他の活性成分とともに処方および/または投与することができる。例えば、Ppの蓄積を高めるためにキレート化剤は、有益に含有させることができ、および/または同時に投与することができる;キレート化剤による鉄のキレート化は、酵素フェロケラターゼの作用によりヘムを形成するためのPpへの鉄の取り込みを妨げ、これによりPpが蓄積される。このようにして光増感効果が高められる。
【0052】
好適なキレート化剤には、アミノポリカルボン酸が含まれ、金属の解毒化または磁気共鳴造影コントラスト剤中の常磁性金属イオンのキレート化に関する文献に記載されている任意のキレート化剤も挙げられる。特に、EDTA、CDTA(シクロヘキサンジアミン四酢酸)、DTPAおよびDOTA、ならびにそれらの公知の誘導体/類似体を挙げることができる。EDTAおよびDTPAが特に好ましい。鉄キレート化効果を得るために、デスフェリオキサミン(desferrioxamine)および他の鉄担体(sideropores)を、例えば、EDTAのようなアミノポリカルボン酸キレート化剤とともに用いてもよい。
【0053】
キレート化剤は、0.05〜20%、例えば0.1〜10%(w/w)の濃度で用いることが都合がよい。
【0054】
透過増強剤もまた、本発明に用いられる化合物の光増感効果を高める際に有益な効果をもたらすかもしれない。それゆえ、表面浸透助剤、特にジメチルスルホキシド(DMSO)のようなジアルキルスルホキシドもまた、本発明に用いられる組成物に含有および/または同時に投与させてもよい。表面浸透助剤は、製薬の文献に記載されている任意の皮膚浸透助剤、例えば、キレート化剤(例:EDTA)、界面活性剤(例:ドデシル硫酸ナトリウム)、非界面活性剤、胆汁塩(例:デオキシコール酸ナトリウム)および脂肪酸(例:オレイン酸)でよい。適当な表面浸透助剤の例としては、HPE−101(Hisamitsuより入手可能)、DMSOおよび他のジアルキルスルホキシド、特にn−デシルメチルスルホキシド(NDMS)、ジメチルスルフアセトアミド、ジメチルホルムアミド(DMFA)、ジメチルアセトアミド、グリコール、種々のピロリドン誘導体(Woodford et al., J. Toxicol. Cut. & Ocular Toxicology, 1986, 5: 167-177)、およびAzoneTM(Stoughton et al., Drug Dpv. Ind. Pharm. 1983, 9: 725-744)、またはそれらの混合物が挙げられる。しかしながら、DMSOは、その抗ヒスタミン活性および抗炎症活性を有するために、さらには酵素ALAシンターゼおよびALAデヒドロゲナーゼ(それぞれ、ALAを形成する酵素およびALAをポルホビリノーゲンに縮合させる酵素)に対する活性促進作用を有し、これにより活性形態、Ppの生成を高めるために好ましい。
【0055】
上記表面浸透剤は、0.2〜50%(w/w)の濃度範囲、たとえば約10%(w/w)で与えることが都合がよい。
【0056】
したがって、さらなる観点から見ると、本発明は、創傷、特に慢性もしくは準慢性の創傷の治療に用いられる医薬品(類)の製造において、5−ALA、5−ALA誘導体または製薬上許容されるそれらの塩と、少なくとも1種の表面浸透助剤と、必要に応じて1以上のキレート化剤とを組み合わせた使用を提供する。
【0057】
本発明で用いられる化合物は、さらに他の非光増感剤と組み合わせて使用することにより、創傷治癒を改善してもよい。そうした薬剤として、消毒薬および抗生物質、例えばバシトラシンが挙げられる。これらは製剤の一部として存在してもよいが、典型的には、これらは同時に、別々にまたは連続的に投与される別個の処置薬として用いられる。任意の補助薬剤の投与は、これらの薬剤を用いる公知の方法にしたがって、経路、濃度および組成の観点から行われるべきである。これらの添加剤は、それらの機能によってPDTの前、間または後に投与することができる。
【0058】
したがって、さらなる観点から見ると、本発明は、
(a)5−ALA、5−ALA誘導体または製薬上許容されるそれらの塩を含む第1の容器;および
(b)消毒薬または抗生物質を含む第2の容器
を含む、創傷を治療する方法に用いられる製品またはキットを提供する。
【0059】
本キットの付加的な構成要素は、本明細書に記載した第2の光増感剤、表面浸透剤またはキレート化剤などとして与えられる。
【0060】
治療される創傷の性状、および任意の付加的な活性剤または本発明の方法に用いられる薬剤の性状に応じて、これは、例えば単一の組成物においては、5−ALA/5−ALA誘導体とともに同時に添加してもよく、あるいは連続的にまたは別々に投与してもよい。表面浸透助剤が用いられる場合、典型的には、表面浸透助剤は本発明で用いられる化合物の投与の前に、別個の工程で投与される。表面浸透助剤が前処理で用いられる場合、これは高濃度、例えば最大100%(w/w)で用いることができる。このような前処理工程を採用すれば、光増感剤を、前処理後最大数時間、例えば前処理後5〜60分の間隔で連続的に投与してもよい。
【0061】
本発明を、限定と解するべきでない以下の実施例によって、より詳細に説明する。
〔実施例〕
頭部/頭蓋に光線性角化症(AL)(日光で傷害された皮膚)を有する78歳の老人が、(異常細胞を凍結し死滅させるために)液体窒素を用いた低温治療後に、糜爛(erosions)および創傷(サイズ、約15×10cm)を患った。標準的な創傷治療(ワセリン湿布(vaseline compress)、生理食塩水湿布(saline compress))では、創傷の治療に成功しなかった。
【0062】
治癒することなく3ヶ月経過後、創傷部分に20% 5−ALAメチルエステルクリーム剤(MetvixTM、PhotoCure ASA製、オスロ)を塗って覆った。3時間後その部分に5J/cm2線量レベルで光(420nm)を照射した。1回のみのPDT処置後、4週間以内で、該部分の正常な再生上皮化が観察された(ただし、10×20mm程度の小領域は除く)。
【0063】
残る領域に、MetvixTMをさらに塗布した後、第2のPDT処置を施した(塗布後、赤色光(570〜670nm)および50J/cm2で3時間照射)。これにより、さらに4週間以内に残存していた創傷領域の治癒が完了した。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、上記に概説した処置後の創傷治癒過程を表す図である。

Claims (21)

  1. 創傷を治療する際に用いられる医薬品の製造において、5−アミノレブリン酸(5−ALA)および5−ALA誘導体、ならびに製薬上許容されるそれらの塩から選ばれた光増感剤の使用。
  2. 創傷を治療する際に用いられる医薬品の製造において、表面浸透助剤および/またはキレート化剤と組み合わせた請求項1に規定する光増感剤の使用。
  3. 前記光増感剤が、プロトポルフィリンIXまたはプロトポルフィリンIX誘導体をインビボで形成しうる5−ALAの誘導体または類似体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の使用。
  4. 前記光増感剤が、5−ALAのエステルまたはそのN−置換誘導体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
  5. 前記光増感剤が、一般式(I)の化合物;
    2 2N-CH2COCH2-CH2CO-OR1 (I)
    (式中、R1は任意に置換された直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基または環状アルキル基を表わし;各R2は独立に水素原子または任意に置換されたアルキル基、例えば基R1を表す。)または製薬上許容されるそれらの塩であることを特徴とする請求項4に記載の使用。
  6. 式(I)中、R1は非置換アルキル基(例えば、C1-6アルキル基)であるか、あるいはアリール基(例えば、フェニル基)によって置換されたアルキル基(例えば、C1-2アルキル基)のいずれかを表わし、および/または各R2は水素原子を表わすことを特徴とする請求項5に記載の使用。
  7. 前記化合物が、1−メチルペンチルALAエステル、p−イソプロピルベンジルALAエステル、p−メチルベンジルALAエステル、ベンジルALAエステル、2−フェニルエチルALAエステル、ヘキシルALAエステル、シクロヘキシルALAエステル、4−メチルペンチルALAエステル、p−[トリ−フルオロメチル]ベンジルALAエステル、p−[t−ブチル]ベンジルALAエステル、p−ニトロベンジルALAエステル、1−エチルブチルALAエステル、2−メチルペンチルALAエステル、4−フェニルブチルALAエステル、p−フルオロベンジルALAエステル、3,3−ジメチル−1−ブチルALAエステル、2−フルオロベンジルALAエステル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルALAエステル、4−クロロベンジルALAエステル、2−メトキシエチルALAエステル、3−ニトロベンジルALAエステル、3,4−[ジ−クロロ]ベンジルALAエステル、3,6−ジオキサ−1−オクチルALAエステル、3−フルオロベンジルALAエステル、3,6,9−トリオキサ−1−デシルALAエステル、3−ピリジニル−メチルALAエステル、4−ジフェニルメチルALAエステル、4−メトキシ−ベンジルALAエステル、2−メチルベンジルALAエステル、ベンジル−5−[(1−アセチルオキシエトキシ)−カルボニル]アミノレブリネート、3−メチルベンジルALAエステルおよび製薬上許容されるこれらの塩から選ばれることを特徴とする請求項5に記載の使用。
  8. 前記光増感剤が、5−ALA、5−ALAメチルエステル、5−ALAヘキシルエステル、5−ALAベンジルエステルおよび製薬上許容されるそれらの塩から選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
  9. 前記創傷が非生理的過程、例えば外科処置または身体の傷害から生じることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の使用。
  10. 擦り傷または裂傷である創傷、熱傷から生じる創傷(例えば、火傷または低温処置から生じる創傷)または外科処置から生じる創傷を治療するための請求項1〜9のいずれかに記載の使用。
  11. 前記創傷が、何らかの病原性微生物、例えばバクテリアを実質的に含まないことを特徴とする任意の先行する請求項に記載の使用。
  12. 潰瘍、例えば足の潰瘍、静脈性潰瘍または胃潰瘍を治療するための請求項1〜9のいずれかに記載の使用。
  13. 創傷治癒を早めるためのヒトの体またはヒト以外の動物の体を治療する方法であって、その体の創傷部位に、請求項1および請求項3〜8のいずれかに規定されている光増感剤を、必要に応じて表面浸透助剤および/またはキレート化剤とを組み合わせて投与すること、ならびに該創傷部位の光増感剤を光活性化することを含むことを特徴とする方法。
  14. 創傷治癒を早めるためのヒトの体またはヒト以外の動物の体を治療する方法であって、以下の工程:
    (a)その体の創傷部位に、請求項1および請求項3〜8のいずれかに規定されている光増感剤を、必要に応じて表面浸透助剤および/またはキレート化剤とを組み合わせて投与する工程;
    (b)必要なら、光増感剤が創傷部位における有効な組織濃度を達成するために必要な時間待機する工程;および
    (c)創傷部位の光増感剤を光活性化する工程
    を含むことを特徴とする方法。
  15. 光増感剤を光活性化する工程が、前記創傷部位を300〜800nmの波長領域の光に曝すことによって達成されることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の方法。
  16. 創傷、例えば慢性もしくは準慢性の創傷を治療する際に用いられる医薬品の製造において、第2の光増感剤と組み合わせた、請求項1および請求項3〜8のいずれかに規定されている第1の光増感剤の使用。
  17. 創傷、例えば慢性もしくは準慢性の創傷を治療する方法において、同時に、別々にまたは連続的に用いられる医薬品の製造において、第2の光増感剤と組み合わせた、請求項1および請求項3〜8のいずれかに規定されている第1の光増感剤の使用。
  18. 創傷、例えば慢性もしくは準慢性の創傷を治療する際に、同時に、別々に、または連続的に用いられる、請求項1および請求項3〜8のいずれかに規定されている第1の光増感剤と、第2の光増感剤とを別々に含むキットまたはパック。
  19. 前記第2の光増感剤が、ヘマトポルフィリン(例えば、PhotofrinTM)、クロリン(例えば、m−THPCまたはクロリンe6)またはスルホン化フタロシアニン(例えば、アルミニウムフタロシアニンジスルホネートまたはアルミニウムフタロシアニンテトラスルホネート)であることを特徴とする請求項16〜18のいずれかに記載の使用、キットまたはパック。
  20. (a)請求項1および3〜8のいずれかに規定される光増感剤を含む第1の容器;および(b)消毒薬または抗生物質を含む第2の容器
    を含み、創傷を治療する方法に用いられる製品またはキット。
  21. 第2の光増感剤、表面浸透助剤およびキレート化剤から選ばれた1つ以上の成分をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の製品またはキット。
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