JP2005354781A - 無停電電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】正常時は交流電源から負荷へ電力を供給し、停電や電源電圧低下時には、停電検出を行なわずに無瞬断で電力変換器による給電に切替可能とした高効率かつ小形、低コストの無停電電源装置を提供する。
【解決手段】交流電源1と負荷5との間に接続された第1の双方向スイッチ11と、交流電力を出力するインバータ3と負荷5との間に接続された第2の双方向スイッチ12と、交流電源の正常時における電圧極性の検出手段10と、検出した電圧極性に応じて第1及び第2の双方向スイッチ11,12をオンオフさせる手段と、を備え、各双方向スイッチ11,12は、入出力側の双方向に電流をそれぞれ独立して制御可能な少なくとも2個の半導体スイッチング素子を有すると共に、インバータ3の出力電圧を交流電源1の正常時の電圧よりも低く設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流電源の電圧低下や停電が発生した際にも負荷に電力を供給することができる無停電電源装置に関し、特に、交流電源の正常時には電源から負荷に電力を直接供給し、電源の異常発生時にはバッテリ等のエネルギー蓄積要素からインバータ等の電力変換器を介して負荷へ電力を供給する常時商用方式の無停電電源装置に関するものである。
図5は、従来の無停電電源装置の構成例を示しており、1は交流電源(商用電源)、2はPWM整流器、3はインバータ、4はバッテリ、5は負荷、6は直送スイッチ、7は切り離しスイッチである。
その動作を説明すると、電源1の正常時は切り離しスイッチ7をオンし、電源1から負荷5へPWM整流器2及びインバータ3を介して電力を供給する。なお、PWM整流器2の入力部、インバータ3の出力部には、PWM制御のキャリア周波数成分を除去するフィルタが挿入されている。
停電や電圧低下等の電源異常を、図示されていない停電検出手段により検出した場合、バッテリ4の直流電力を用いてインバータ3により負荷5に電力を供給する。
前記直送スイッチ6及び切り離しスイッチ7は、例えばサイリスタを逆並列に接続した双方向スイッチにより構成されており、PWM整流器2やインバータ3が故障した場合に直送スイッチ6をオンし、切り離しスイッチ7をオフすることにより、電源1から負荷5へ電力を直接供給するようになっている。
この種の無停電電源装置は、例えば後述する特許文献1に記載されている。
また、図6は、常時商用方式の無停電電源装置の従来技術を示しており、図5と同一の構成要素には同一の符号を付してある。
図6に示した常時商用方式では、正常時、直送スイッチ6をオンし、交流電源1から負荷5へ電力を直接供給する。停電や電源電圧低下を検出した場合には、直送スイッチ6をオフし、バッテリ4の直流電力が加えられているバックアップ用のインバータ3により負荷5へ電力を供給する。この種の無停電電源装置は、例えば下記の特許文献2に記載されている。
特開平5−260683号公報(段落[0003]〜[0007]、図4等) 特開2003−244868号公報(段落[0011]〜[0018]、図1等)
図5に示した無停電電源装置は、正常時にPWM整流器2及びインバータ3を介して負荷5に電力を供給しているため、これらの電力変換器による損失が効率低下の原因になると共に、PWM整流器2及びインバータ3が必要であるため、装置全体が大型化したりコスト高になるという問題がある。
図6に示した常時商用方式の無停電電源装置の場合、電源電圧低下や瞬時停電を検出してから直送スイッチ6をオフするため、停電検出用のフィルタ等の遅れ要素に起因して停電検出が遅れることがあり、インバータ3によるバックアップ動作が遅れて出力電圧が瞬断する場合がある。この瞬断を防止するために、停電検出用のフィルタの時定数を小さくすると、ノイズによる誤動作が発生するおそれがあり、信頼性の低下を招くという問題がある。
そこで本発明の解決課題は、正常時は交流電源から負荷へ電力を供給しながら、停電や電源電圧低下時には、停電検出を行うことなく無瞬断で電力変換器による負荷への給電に自動的に切り替えるようにした、高効率かつ小形、低コストの無停電電源装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、交流電源と負荷との間に接続された第1の双方向スイッチと、交流電力を出力するバックアップ用の電力変換器と負荷との間に接続された第2の双方向スイッチと、交流電源電圧の正常時における極性を検出する電圧極性検出手段と、この電圧極性検出手段により検出した極性に応じて第1及び第2の双方向スイッチをオンオフさせる手段と、を備え、
第1及び第2の双方向スイッチは、入出力側の双方向に電流をそれぞれ独立して制御可能な少なくとも2個の半導体スイッチング素子を有すると共に、
前記電力変換器の出力電圧を交流電源の正常時の電圧よりも低く設定するものである。
請求項2に記載した発明は、請求項1において、交流電源電圧の極性に応じて負荷電流を流す方向の各双方向スイッチ内の半導体スイッチング素子をオンさせるものである。
請求項3に記載した発明は、交流電源と負荷との間に接続された第1の双方向スイッチと、交流電力を出力するバックアップ用の電力変換器と負荷との間に接続された第2の双方向スイッチと、負荷電流の極性を検出する電流極性検出手段と、この電流極性検出手段により検出した極性に応じて第1及び第2の双方向スイッチをオンオフさせる手段と、を備え、
第1及び第2の双方向スイッチは、入出力側の双方向に電流をそれぞれ独立して制御可能な少なくとも2個の半導体スイッチング素子を有すると共に、前記電力変換器の出力電圧を交流電源の正常時の電圧よりも低く設定するものである。
請求項4に記載した発明は、請求項3において、負荷電流の極性に応じて負荷電流を流す方向の各双方向スイッチ内の半導体スイッチング素子をオンさせるものである。
本発明によれば、交流電源と負荷との間、及び、インバータ等の電力変換器と負荷との間に第1及び第2の双方向スイッチをそれぞれ接続し、これらの双方向スイッチを、電源電圧極性または負荷電流極性に応じてオンオフ制御するため、フィルタ等を用いて停電を検出することなく、自動的に無瞬断で電力変換器によるバックアップモードに移行させることができ、耐ノイズ性に優れて信頼性が高い無停電電源装置を提供することができる。
また、交流電源の正常時には電力変換器を介さずに給電する常時商用方式であるため、高効率化が可能である。
更に、回路構成としては、従来の常時商用方式の無停電電源装置に極性検出手段、双方向スイッチ及びその制御手段を付加するだけでよいから、装置全体が大形化するおそれも少なく、小形化、低コスト化に寄与する。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、図1は請求項1,2に対応する本発明の第1実施形態を示す構成図であり、図5,図6と同一の構成要素には同一の符号を付してある。この実施形態は、基本的には図6に示したような常時商用方式の回路構成であり、電流方向を双方向に独立して制御可能な第1,第2の双方向スイッチを用いる点を特徴としている。
すなわち、図1において、11,12は第1,第2の双方向スイッチであり、これらの双方向スイッチ11,12は、例えばIGBT等の自己消弧形半導体スイッチング素子を2個、逆並列に接続して構成されている。スイッチング素子11p,11nによって構成された双方向スイッチ11は、交流電源1と負荷5との間に接続されている。また、スイッチング素子12p,12nによって構成された双方向スイッチ12は、バッテリ4が接続されたバックアップ用のインバータ3の交流側と負荷5との間に接続されている。
なお、図1ではスイッチング素子11p,11n,12p,12nに逆阻止IGBTを使用した例を想定しているが、スイッチング素子に逆耐圧がない場合には、素子にダイオードを直列接続してもよく、また、双方向スイッチをサイリスタを用いて構成し、所望の電流方向のサイリスタのゲートを繰り返し点弧するように構成してもよい。
更に図1において、交流電源1には電源電圧極性検出手段10が接続されており、その極性検出信号に応じて、図示しない制御手段が双方向スイッチ11,12内の各スイッチング素子11p,11n,12p,12nのオンオフを制御するように構成されている。
ここで、上記制御手段10は、交流電源1の電圧が正の時には負荷5に向かって電流が流れる方向のスイッチング素子11p,12pをオンさせ、交流電源1の電圧が負の時には交流電源1に向かって電流が流れる方向のスイッチング素子11n,12nをオンさせるものである。
図2は、第1実施形態の原理図を示すものであり、図1における交流電源1の電圧が、ある正の値であるときの交流電源1を直流電源1Aにより模擬し、バッテリ4を電源とするインバータ3を可変直流電源3Aにより模擬し、双方向スイッチ11,12をダイオード11A,12Aにより模擬している。
このとき、交流電源1(直流電源1A)の電圧がインバータ3(可変直流電源3A)の出力電圧より大きいと、ダイオード11Aは順バイアスされてオンし、ダイオード12Aは逆バイアスされるためオフする。一方、停電や電源電圧低下により交流電源1(直流電源1A)の電圧がインバータ3(可変直流電源3A)の出力電圧より小さくなると、ダイオード11Aは逆バイアスされてオフし、ダイオード12Aは順バイアスされてオンする。
すなわち、ダイオード11A,12Aは交流電源1(直流電源1A)の電圧とインバータ3(可変直流電源3A)の出力電圧との大小関係によって導通または非導通が自動的に決まり、大きい方の電圧が負荷5に供給されることになる。
本発明では、上記原理を用いて常時商用方式の無停電電源装置を実現するものである。
図3は、第1実施形態の動作説明図である。
交流電源1の電圧極性を電源電圧極性検出手段10により検出し、その検出信号を用いて、制御手段が、電源電圧極性と同方向の電流を流せる双方向スイッチ11,12内のスイッチング素子11pまたは11n、及び、12pまたは12nをオンする。上記スイッチング素子11p,11n,12p,12nは、ゲートをオンしてもコレクタ電位がエミッタ電位より高い状態、すなわち順バイアス状態にならないと導通しない。
いま、図3に示すように、インバータ3の出力電圧が常に交流電源1の電圧より低くなるように設定しておく。
この場合、電源電圧の正常時(図3の期間T1)には、双方向スイッチ12のスイッチング素子12p,12nは常に逆バイアスされるため導通せず、インバータ3が動作していても負荷5に電力を供給することはない。つまり、インバータ3に負荷電流が流れることはない。
一方、双方向スイッチ11のスイッチング素子11p,11nについては、電源電圧の極性が正の時に順バイアス状態のスイッチング素子11pがオンし、電源電圧の極性が負の時に順バイアス状態のスイッチング素子11nがオンすることにより、負荷5に交流電圧が印加され、商用給電が実現される。
この結果、電源電圧の正常時には双方向スイッチ11を介して交流電源1から負荷5に電力が供給される一方で、インバータ3は動作しているが負荷5に電力を供給することはない。すなわち、期間T1ではインバータ3を介して電力供給を行わないため、効率の低下は生じない。
また、交流電源1の停電や電圧低下により、電源電圧がインバータ3の出力電圧より小さくなる異常時(図3の期間T2)には、双方向スイッチ11のスイッチング素子11p,11nは常に逆バイアスされ、双方向スイッチ12のスイッチング素子12p,12nはインバータ3の出力電圧の正負に応じてそれぞれ順バイアスまたは逆バイアスとなる。
この期間T2では、インバータ3の出力電圧の極性が期間T21では正、期間T22では負であり、電源電圧の正常時(期間T1)における検出極性と同じタイミングで双方向スイッチ12のスイッチング素子12p,12nのオンオフを制御すれば、インバータ3の出力電圧を双方向スイッチ12を介して負荷5に印加することができる。
すなわち、交流電源1の停電時には電源電圧の極性検出が不可能になるが、期間T2のような異常時でも、正常時(期間T1)に検出した電源電圧の極性に応じたタイミングでスイッチング素子11p,11n,12p,12nをオンオフすればよい。ちなみに、図3の期間T2における期間T21では、負荷電流を負荷方向(正方向)に流すスイッチング素子12pをオンさせ、期間T22では、負荷電流を電源方向(負方向)に流すスイッチング素子12nをオンさせることになる。
なお、この間、双方向スイッチ11についても、正常時(期間T1)と同じタイミングでスイッチング素子11p,11nをオンオフさせて構わない。但し、前述したようにスイッチング素子11p,11nはこの間、常に逆バイアス状態であるため、非導通である。
上述したような動作の結果、本実施形態ではフィルタを用いて交流電源1の停電を検出したり電圧低下を検出しなくても、交流電源1の異常時には自動的にインバータ3によるバックアップモードに移行させることができ、フィルタに起因する停電検出の遅れ、及びこれによるバックアップ動作の遅れを生じることがない。従って、出力電圧の瞬断も発生しない。
また、図3に示すように、期間T1,T2の境界で負荷5への印加電圧が若干低下するが、バックアップモードに移行した際の電圧はインバータ3の出力電圧設定値であるから、従来の常時商用方式の無停電電源装置のように出力電圧が陥没するのを防止することができる。
なお、図3における期間T3は、電源電圧が復帰した期間である。
ここで、バッテリ4の充電時は、双方向スイッチ12のスイッチング素子12p,12nを何れも導通させてインバータ3によりバッテリ4にエネルギーを供給すればよい。
次に、図4は請求項3,4に対応する本発明の第2実施形態を示す構成図である。
この実施形態では、負荷5の電流を検出する電流検出手段31を設け、この検出手段31により検出した負荷電流を電流極性検出手段32に入力してその極性を検出する。そして、この負荷電流の極性に応じて、図示しない制御手段が、正の電流を流すときは双方向スイッチ11,12のスイッチング素子11p,12pをオンし、負の電流を流すときはスイッチング素子11n,12nをオンする。
この結果、負荷力率が1でない場合でも、インバータ3によるバックアップ動作が可能となる。
なお、上記各実施形態では単相無停電電源装置を例示して説明したが、本発明は三相無停電電源装置等の多相電源装置にも適用可能である。
本発明の第1実施形態を示す構成図である。 第1実施形態の原理説明図である。 第1実施形態の動作説明図である。 本発明の第2実施形態を示す構成図である。 従来の無停電電源装置を示す構成図である。 常時商用方式の従来の無停電電源装置を示す構成図である。
符号の説明
1:交流電源
1A:直流電源
3:インバータ
3A:可変直流電源
4:バッテリ
5:負荷
10:電源電圧極性検出手段
11,12:双方向スイッチ
11A,12A:ダイオード
11p,11n,12p,12n:半導体スイッチング素子
31:電流検出手段
32:電流極性検出手段

Claims (4)

  1. 交流電源と負荷との間に接続された第1の双方向スイッチと、
    交流電力を出力するバックアップ用の電力変換器と負荷との間に接続された第2の双方向スイッチと、
    交流電源電圧の正常時における極性を検出する電圧極性検出手段と、
    この電圧極性検出手段により検出した極性に応じて第1及び第2の双方向スイッチをオンオフさせる手段と、を備え、
    第1及び第2の双方向スイッチは、入出力側の双方向に電流をそれぞれ独立して制御可能な少なくとも2個の半導体スイッチング素子を有すると共に、
    前記電力変換器の出力電圧を交流電源の正常時の電圧よりも低く設定することを特徴とする無停電電源装置。
  2. 請求項1に記載した無停電電源装置において、
    交流電源電圧の極性に応じて負荷電流を流す方向の各双方向スイッチ内の半導体スイッチング素子をオンさせることを特徴とする無停電電源装置。
  3. 交流電源と負荷との間に接続された第1の双方向スイッチと、
    交流電力を出力するバックアップ用の電力変換器と負荷との間に接続された第2の双方向スイッチと、
    負荷電流の極性を検出する電流極性検出手段と、
    この電流極性検出手段により検出した極性に応じて第1及び第2の双方向スイッチをオンオフさせる手段と、を備え、
    第1及び第2の双方向スイッチは、入出力側の双方向に電流をそれぞれ独立して制御可能な少なくとも2個の半導体スイッチング素子を有すると共に、
    前記電力変換器の出力電圧を交流電源の正常時の電圧よりも低く設定することを特徴とする無停電電源装置。
  4. 請求項3に記載した無停電電源装置において、
    負荷電流の極性に応じて負荷電流を流す方向の各双方向スイッチ内の半導体スイッチング素子をオンさせることを特徴とする無停電電源装置。
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