JP2005353658A - トランス、および、その端子付きコイルボビン - Google Patents

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孝一 野嶋
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Abstract

【課題】簡単でコスト増とならない方法によって、必要な沿面距離を確保しながらトランスの高さを低減する。
【解決手段】一次巻線M11,M12と二次巻線M2の一方が重絶縁電線からなり、端子付きコイルボビンが、巻線部11と複数の端子Tとを隔てるつば部13を有する。このつば部13は、複数の端子Tが設けられている底面13Cに対し斜めに傾斜している傾斜面13Bを有している。重絶縁電線からなる二次巻線M2の両端の引き出し線部分の各々が、つば部13の巻線部側の上面13Aから傾斜面13Bに沿って底面13Cに達している。そして、この二次巻線M2の底面13C側で絶縁被膜が除去されている電線部分が端子Tに絡げられ、半田付けされている。
【選択図】図3

Description

本発明は、巻線部に巻かれている一次巻線と二次巻線の一方または双方の両端の引き出し線部分を、他の巻線との沿面距離を確保する目的でつば部によって迂回させ、その先端部を端子に絡げて半田付けしているトランスと、このトランスに好適な端子付きコイルボビンとに関するものである。
スイッチング電源等に用いられるトランスは、一般に、一次巻線と二次巻線をコイルボビンの巻線部の径方向に重ねて巻きつけたものである。
このとき一次巻線と二次巻線とを十分に絶縁する必要があり、その絶縁の方法には、絶縁テープを用いる第1の方法と、一方の巻線を絶縁性能が高い重絶縁電線により形成する第2の方法がある。
第1の方法は、一次巻線と二次巻線の双方に単層の絶縁被膜を有する軽絶縁電線を用いる場合に適用される。
より詳細には、それぞれが軽絶縁電線である一次巻線と二次巻線が巻線部の周囲に積層して同芯形に巻かれたもの(以下、積層巻線体という)の各層間に絶縁テープを介在させている。また、この層間の絶縁テープの両端部では、異なる層の巻線間の絶縁強度が弱くなることから、絶縁テープの端部から一定距離には巻線を配置しないようにし、あるいは、積層巻線体の軸芯方向の両端側にも絶縁テープのみを巻くようにしている。
第2の方法は、一方の巻線を絶縁性能が高い重絶縁電線により形成することから、第1の方法で用いる絶縁テープが不要であり、その分、積層巻線体の軸心方向のサイズおよび太さを小さくでき、同じサイズならばコイルの巻き数を増やすことができる。また、第2の方法は、高価な重絶縁電線を用いる点ではコスト増となるが、絶縁テープを慎重に巻く工数が減り、製造がしやすい点でコスト低減が可能なことから第1の方法より優れている。
ところで、トランスの巻線間、とくに高い電圧が印加される一次巻線と二次巻線との間の絶縁性能は、安全規格に適した電気絶縁および空間、沿面距離を満足する必要がある。
このうち沿面距離とは、巻線の先端部の被覆を除去して端子に絡げて半田付けされている部分の被覆端から、この被覆に対し最も近い位置で接触している他の巻線までの距離をいう。沿面距離が極端に短いと、たとえば被覆表面に水分などが吸着する環境では容易に絶縁破壊が生じることから、沿面距離が安全規格として定められている。
ところでトランスの製造では、コイルボビンの底面に端子が設けられており、この端子に巻線の被覆をはがした先端部分を絡げ、その部分を半田処理する工程がある。半田処理の工程では、半田槽にコイルボビンごと垂直下方向におろし、半田によって端子と巻線の絡げ部を電気的、機械的に強固に接続する。
ところが、このときコイルボビンの底面がほぼ溶融半田に浸されることから、たとえ三層絶縁電線であっても半田槽に浸かった部分およびその近傍が熱劣化し、絶縁性が低下する。
その結果、とくに一次巻線と二次巻線との沿面距離の確保ができなくなる可能性がある。
そのための対策としては、図7に示すように、コイルボビンに巻線部と端子間を隔てる大きなつば部130を設け、その外側に巻線(この場合、二次巻線M2)を迂回させるにより沿面距離Dを確保することが一般に行われている。この沿面距離Dは、一次巻線と二次巻線とに印加される電圧が高くなればなるだけ大きくする必要がある。
トランスの小型化要求があり、占有面積によってつば部130の外形寸法がこれ以上大きくできないことがある。
このような場合に図7(B)に示す高電圧用トランスでは、図7(A)に示す低電圧用トランスに比べて、つば部130の厚さを極端に大きくして必要な沿面距離Dを確保している。現在では、このような方法しかないのが現状である。
しかしながら、つば部130を厚くするとトランスの高さが増大してしまうことから、とくに収容スペースに高さ制限がある場合に、この高さを犠牲とする方法で必要な沿面距離を確保することは困難である。
本発明が解決しようとする課題は、簡単でコスト増とならない方法によって必要な沿面距離を確保しながら高さを低減し、あるいは、沿面距離を大きくしているトランスと、そのトランスに好適な形状の端子付きコイルボビンを提供することである。
本発明にかかるトランスは、一次巻線と二次巻線が互いに絶縁されて巻かれている端子付きコイルボビンを有するトランスであって、一次巻線と二次巻線の一方が、電線の表面を複数層の絶縁被膜で被覆して形成されている重絶縁電線からなり、前記端子付きコイルボビンが、一次巻線と二次巻線が巻かれている巻線部と、一次巻線および二次巻線の両端部の引き出し線部分が各々絡げられている複数の端子と、当該複数の端子と前記巻線部とを隔て、かつ巻線部より外側に突出するつば部とを有し、当該つば部が、前記複数の端子が設けられている底面に対し斜めに傾斜している傾斜面を有し、前記一次巻線と二次巻線のうち前記重絶縁電線からなる巻線の両端の引き出し線部分の各々が、つば部の巻線部側の面から前記傾斜面に沿ってつば部の底面に達し、当該底面側で絶縁被膜が除去され、当該絶縁被膜が除去されている電線部分が端子に絡げられ、半田付けされている。
本発明にかかる他のトランスは、一次巻線と二次巻線が互いに絶縁されて巻かれている端子付きコイルボビンを有するトランスであって、前記端子付きコイルボビンが、一次巻線と二次巻線が巻かれている巻線部と、一次巻線および二次巻線の両端部の引き出し線部分が各々絡げられている複数の端子と、当該複数の端子と前記巻線部とを隔て、かつ巻線部より外側に突出するつば部とを有し、当該つば部が、前記複数の端子が設けられている底面に対し斜めに傾斜している傾斜面を有し、前記一次巻線と二次巻線の両端の引き出し線部分の各々が、つば部の巻線部側の面から前記傾斜面に沿ってつば部の底面に達して先端部分が端子に絡げられ、半田付けされている。
本発明にかかる端子付きコイルボビンは、一次巻線と二次巻線が互いに絶縁されて巻かれる端子付きコイルボビンであって、一次巻線と二次巻線が巻かれる巻線部と、一次巻線および二次巻線の両端部の引き出し線部分が各々絡げられる複数の端子と、当該複数の端子と前記巻線部とを隔て、かつ巻線部より外側に突出するつば部とを有し、当該つば部が、前記複数の端子が設けられている底面と、当該底面の端子の近傍から外側に向かって形成され、かつ底面に対して斜めに傾斜している傾斜面とを備える。
このような構成のトランスおよび端子付きコイルボビンでは、ある端子に着目すると、その端子に接続されている一次巻線または二次巻線は、巻線部からつば部の上面、傾斜面を通ってつば部の底面に達し、その部分の被覆が除去されて端子に絡げられ、かつ半田付けされている。
この半田付け時に、半田槽に浸されるつば部の底面側の巻線の絶縁被膜部分は絶縁性が劣化しており、沿面距離に殆ど寄与しない。また、つば部の上面は、つば部の巻線部からの張り出し量で決まることから、その量を一定とすれば沿面距離に関係するのは、つば部の側面の距離である。従来のつば部の側面は底面とほぼ垂直な面であることから、つば部の厚さと対応する。
本発明では、つば部の底面に対し傾斜面を有し、この傾斜面の巻線の配線方向の距離は、つば部の厚みよりも大きい。したがって、同じ沿面距離を確保する場合、その差だけつば部の厚みが小さくなり、逆につば部の厚みが同じならば、その差だけ沿面距離が長くなる。
本発明のトランスおよび端子付きコイルボビンによれば、つば部に傾斜面を有することから一次または二次巻線の沿面距離が増大し、あるいは、沿面距離が同じならばトランスまたはコイルボビンの高さを、より低くできるという利点がある。
このような傾斜面の形成は、たとえば端子付きコイルボビンの成形金型等に修正を加えるだけででき、トランス製造工程に特別な部材を必要としない、また工程の増大がない。
本発明によって、簡単でコスト増とならない方法を用いて必要な沿面距離を確保しながら高さを低減し、あるいは、沿面距離を大きくしているトランスと、そのトランスに好適な形状の端子付きコイルボビンを提供することが可能となる。
以下、2本の一次巻線と1本の二次巻線を電磁結合し、EIコアとともに磁気回路を構成するトランスを例として、本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図1に、トランスの等価回路を示す。
本例のトランスは、コアの一次側に2本の一次巻線M11とM12を配し、コアの二次側に1本の二次巻線M2を配して構成される。各巻線の両端は端子Tに接続され、各巻線の両端子T間に電圧が印加可能となっている。
本例では、これらの巻き線を巻きつけるコイルボビンが、底面に端子を埋め込んで成形されている端子つきコイルボビンとなっている。
図2に、端子付きコイルボビンおよびEIコア(EコアとIコア)の組み付け時の斜視図を示す。
この端子付きコイルボビン1は、一次巻線M11とM12、さらには二次巻線M2が重ねて巻き付けられる巻線部11と、巻線部11の上端に連接し巻線部11の外形(胴体部)より一回り外側に突出した上つば部12と、巻線部11の下端に連接し上つば部12よりさらに大きな外形のつば部13と、つば部13の底面13Cから下方に立設した複数の端子Tとを有する。
これら巻線部11、上つば部12およびつば部13は樹脂などから一体成形したものであり、その成形時に端子を底面13Cの所定の位置に埋め込んで樹脂で固めることにより形成される。
巻線部11は中が空洞の四角枠形状を有し、上つば部12が、巻線部11の端部開口面とほぼ同じ開口面を有している。また、とくに図には現れていないが、つば部13もほぼ同じ形状の開口面を有している。その結果、上つば部12の上方からつば部13の下方に貫いて中空部11Cが形成されている。さらに、つば部13の下側にはIコア3が丁度はまり込む形状の長溝15が形成してある。
中空部11Cに対し上方からEコア2が差し込まれ、つば部13の長溝15にはめられたIコア3と当接することにより、当該端子付きコイルボビン1とEIコアの組み付けが可能である。なお、手順としては、このコアの組み付けは巻き線を行った後となる。
巻線部の外側の4つの面のうち、面11Aと11Bが互いに対向する方向が一次巻線および二次巻線の引き出し方向となる。この方向を、以下、「巻線引き出し方向」と称する。
つば部13は、その上面13Aがほぼ平坦となっている。
また、つば部13の底面13Cは、上面13Aとほぼ平行な平坦面であるが、長溝15の幅方向両側に2つ存在し、それぞれが長溝15に沿って位置している。底面13Cには、端子Tが間隔をおいて設けられている。
さらに、端子Tが設けられている底面13Cの近傍から外側に傾斜面13Bが形成されている。この傾斜面13Bは、底面13Cに対して所定角度で傾斜した面であり、「巻線引き出し方向」の両側に2つ設けられている。
一方の傾斜面13Bには、その表面に複数の浅い配線溝(以下、表面ガイド溝という)14aが形成されている。これに対し、他方の傾斜面13Bには、その傾斜面13Bと上面14Aを上下に貫く複数の深い配線溝(以下、貫通ガイド溝という)14bが形成されている。
図3に、巻き線を行って半田付けまで行った後の「巻線引き出し方向」の断面を示す。
一次巻線M11とM12は、たとえばエナメルコーティング電線のような、電線の表面に単層の絶縁膜をコーティングした軽絶縁電線を用いる。
また、二次巻線M2は、電線の表面を複数層の絶縁被膜で被覆して形成されている重絶縁電線からなる。重絶縁電線は二層、三層またはそれ以上の絶縁被膜を有するが、たとえば三層絶縁電線の場合、下2層に変性ポリエステル、上1層にポリアミドの各被覆を電線の表面に施すことにより形成される。
一次巻線M11とM12および二次巻線M2を巻きつける手順は任意であるが、通常は、二次巻線Mを間に挟んで一次巻線M11とM12が離れるようにする。図3の例では、一次巻線M11、二次巻線M2、一次巻線M12の順で巻かれている。
以下、図3に示す構造とするためのトランスの組み立て手順を説明する。
最初に、図2に示す「巻線引き出し方向」の手前側、すなわち貫通ガイド溝14bが形成されている側から、一次巻線M11の一端側に所定長さの引き出し線部を残して、一次巻線M11を巻線部11に巻き始める。このとき、引き出し線部をあらかじめ所定の貫通ガイド溝14bに落とし込んでおく。そして、ほぼ巻き終わると、他端側に所定長さ以上の引き出し線部を残して一次巻線M11を巻き線引き出し方向の手前側に引き出して、他の貫通ガイド溝14bに落とし込み、つば部13の底面側で2つの引き出し線部を仮止めする。
つぎに、「巻線引き出し方向」の奥側、すなわち表面ガイド溝14aが形成されている側から、二次巻線M2の一端側に所定長さの引き出し線部を残して、二次巻線M2を巻線部11の一次巻線M11に重ねて巻き始める。そして、ほぼ巻き終わると、他端側に所定長さ以上の引き出し線部を残して二次巻線M2を巻き線引き出し方向の奥側に引き出して、2つの引き出し線部を仮止めする。
最後に、一次巻線M12を巻くのであるが、これは最初の一次巻線M11と同様に手前から巻き始めて、巻線部11の二次巻線M2に重ねて巻き、ほぼ巻き終わると手前側に引き出して、それぞれ所定の貫通ガイド溝14bに落とし込んで、2つの引き出し線部を仮止めする。
その後、図2に示すように、端子付きコイルボビンの長溝15に下からIコア3をはめ込んだ状態で、Eコア2を上からコイルボビン1の中空部11Cに差し込む。これにより、3つの巻線がEコア2に挟まれて巻きが緩まなくなる。
この状態で、一次巻線M11,M12の各々2つの引き出し線部の先端部分の単層絶縁被膜を除去して、対応する端子Tにしっかりと絡げる。また、二次巻線M2の2つの引き出し線部を図3に示すように、上面13Aから、対応する表面ガイド溝14aに沿って傾斜面13Bに這わせる。そして、2つの引き出し線部の先端部分の単層絶縁被膜を除去して、対応する端子Tにしっかりと絡げる。
その後、半田ディップ槽につば部13の底面13Cを浸すと、図3に示すように各端子Tの絡げ部4に半田5が電気的かつ機械的に固着し、当該トランスの組み立てが完了する。
図3に示す組立て後のトランスにおいては、重絶縁電線からなる二次巻線M2がつば部13の外側面(上面13Aおよび傾斜面13B)を経由して底面13Cに達している。
これに比べ、軽絶縁電線からなる一次巻線M11とM12は貫通ガイド溝14bを通ることによって、つば部13の厚み方向にほぼ真っ直ぐに落とされて底面13Cに達している。ただし、一次巻線M11とM12では、巻き始めおよび巻き終わり位置が異なることから、一次巻線M11が内側の経路Aを通り、一次巻線M12が外側の経路Bを通って、対応する端子Tに接続されている。
このような構造のトランスでは、電線間の高い絶縁性を確保する必要があり、巻き状態で隣接する電線間の電気絶縁性、被覆が除去された端子部分と異なる電線との間の空間距離および沿面距離が、安全規格で決められている。
図3の場合、巻線部11において、絶縁性が高い三層絶縁被膜を有する二次巻線M2を間に挟んで一次巻線M11とM12が位置することから、一次巻線M11と二次巻線M2間、二次巻線M2と一次巻線M12間の絶縁性は、この三層絶縁被膜の絶縁性能で決まり、このため隣接電極線間の電気絶縁性が高く保たれている。
また、一次巻線M11とM12とは互いに接触していないので沿面距離の代わりに空間距離D1が規定される。ここで「空間距離」とは、一方の電線の被覆が除去された部分から他方の被覆された電線の最短の空間的な距離であり、図3の場合、端子Tに絡げられた一次巻線M11の電線部分から最も近い一次巻線M12までの距離D1が「一次巻線M11の一次巻線M12に対する空間距離」となる。なお、「一次巻線M11の二次巻線M2に対する空間距離」の定義も可能であるが、二次巻線M2は三層絶縁被膜に絶縁被膜されていることから問題とならない。
一方、二次巻線Mの引き出し線部側では、「二次巻線M2の一次巻線M12に対する沿面距離」D2が問題となる。一般に一次巻線と二次巻線間には高い電圧がかかり、この沿面距離D2としては、ある程度長い距離が要求される。この一次巻線と二次巻線間の沿面距離は、両者にかかる電圧に依存し、電圧が高ければ高いほど長い沿面距離が要求される。たとえば、商用電源電圧が低い日本では、この沿面距離は2.8〜3.0mm程度であるが、より商用電源電圧が高い欧州などでは、たとえば6.0mmと長い沿面距離が要求される。
本実施の形態では、つば部13の高さを低くしながら沿面距離を確保するために、つば部13に傾斜面13Bを備える点に大きな特徴がある。
二次巻線M2の沿面距離D2は、通常、半田ディップされるつば部13の底面13Cの端を基点に、二次巻線M2の被覆部の外側面に沿って最も基点に近い他の軽絶縁電線、ここでは一次巻線M12の接触点までの距離として規定される。ここで底面13Cの端を基点とするのは、たとえ底面13C側で二次巻線M2が絶縁被膜されていても、その部分は高温の半田処理によって絶縁性能が劣化しており、沿面距離Dの増大に寄与できないからである。
図4は、従来例と本発明が適用された場合とを比較する図であり、同図(A)に従来例、同図(B)に本発明が適用された実施の形態を示す。
端子Tを通る垂直軸からつば部13の張り出し量を図4(A)と図4(B)で同じとした場合、上面13Aの沿面距離D2に寄与する度合いは同じであり、また、上述した理由から底面13Cは沿面距離D2に寄与できない。
したがって、図4(A)の従来の場合に沿面距離D2を大きくするには、つば部130の厚さW0を厚くして、沿面距離に寄与する側面の縦方向の距離D10を長くするほかない。
これに対し、図4(B)に示す本実施の形態の場合、傾斜面13Bを設けていることから、つば部13の厚さW1を図4(A)の場合の厚さW0より小さくしても、傾斜部13Bの沿面距離に寄与する距離D11を図4(A)の場合と等しくすることができる。したがって、その分、トランスの高さを低くする余裕が生まれる。
言い換えると、図4(A)の場合、つば部130の厚さW0と側面距離D10とが等しい。これに対して、図4(B)の場合、つば部13の厚さW1は傾斜面距離D11より小さい。この傾斜面距離D11が側面距離D10と等しいとした場合、図4(B)の場合は図4(A)に比べて、その差(=D11−W1)だけトランスの高さを小さくできる。
たとえば、底面13Cに対する傾斜面13Bの角度が45°の場合、D0=D10=D11とすると、本実施の形態におけるつば部13の幅W1が、従来例におけるつば部130の幅W0の約1/1.414=0.7倍となり、その結果、トランスの高さを小さくできる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、一次巻線と二次巻線の一方を重絶縁電線としたが、本第2の実施の形態は、両方とも軽絶縁電線とし両者の絶縁性を絶縁テープで補強しているトランスに関する。
図5に、図3と同様な「巻線引き出し方向」の断面を示す。
このトランスでは、一次巻線M11と二次巻線M2、二次巻線M2と一次巻線M12の間に層間絶縁テープ6を介在させている。
また、この積層巻線体の上端部側に上絶縁テープ7を何重にも巻いて端面での絶縁性を高め、同様に、積層巻線体の下端部側に下絶縁テープ8を何重にも巻いて端面での絶縁性を高めている。
図5の左側では、一次巻線M11を引き出して端子Tに接続している。このとき他の巻線と非接触とするために、本例では一次巻線M11を、下絶縁テープ8内を通して引き出している。そして、一次巻き線M11は、つば部13の上面13Aと傾斜面13Bを経由して底面13Cに達し、その先端部の電線が端子Tに絡げられ、半田付けされている。
なお、層間絶縁テープ6、上絶縁テープ7および下絶縁テープ8として、たとえばポリエステルフィルムを用いることができる。
図5の右側では、二次巻線M2を引き出して端子Tに接続している。この場合も、他の巻線と非接触とするために、二次巻線M2を、下絶縁テープ8内を通して引き出している。そして、一次巻き線M11は、つば部13の上面13Aと傾斜面13Bを経由して底面13Cに達し、その先端部の電線が端子Tに絡げられ、半田付けされている。
本例のように全ての巻線が軽絶縁電線の場合、表面絶縁被膜の絶縁性能が低いことから、一般に、軽絶縁電線の沿面距離を、第1の実施の形態における重絶縁電線の沿面距離D2に比べ長くする必要がある。
本例の場合の「一次巻線M11の一次巻線M12または二次巻線M2に対する沿面距離D11」と、「二次巻線M2の一次巻線M12に対する沿面距離D12」とは、図5に示すように、下絶縁テープの表面を含む如くに規定できる。
その際、必要な沿面距離を確保しながら、少しでもつば部13の高さを小さくするために、本例では、「巻線引き出し方向」の両側に傾斜面13Bを設ける構成となっている。
図6に、本実施の形態における端子付きコイルボビン1の斜視図が示されている。
この端子付きコイルボビン1のつば部13は、「巻線引き出し方向」の両側に傾斜面13Bと表面ガイド溝14aが設けられ、これによって図5に示す断面構成を可能としている。
その他の構成は第1の実施の形態と同じであることから、ここでの説明を省略する。
以上のように、本発明の第1および第2の実施の形態によれば、必要な沿面距離を確保しながらつば部の厚さを小さくし、その分、高さを低減したトランスを提供できる。
これにより、様々な電子機器に内蔵される小型のスイッチング電源部、とくに高さ制限がある薄型のスイッチング電源部を実現できるといる利点が得られる。
本発明の実施の形態にかかるトランスの等価回路である。 本発明の第1の実施の形態における、端子付きコイルボビンおよびEIコアの組み付け時の斜視図である。 第1の実施の形態にかかるトランスの「巻線引き出し方向」の断面を示す図である。 つば部の厚さと沿面距離との関係を従来例と本発明が適用された実施の形態とで比較して示す図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるトランスの「巻線引き出し方向」の断面を示す図である。 第2の実施の形態における、端子付きコイルボビンおよびEIコアの組み付け時の斜視図である。 従来のトランスの断面構造を、低電圧用と高電圧用で比較して示す図である。
符号の説明
1…端子付きコイルボビン、2…Eコア、3…Iコア、4…絡げ部、5…半田、6…層間絶縁テープ、7…上部絶縁テープ、8…下部絶縁テープ、11…巻線部、11C…中空部、12…上つば部、13…つば部、13A…上面、13B…傾斜面、13C…底面、14a…表面ガイド溝、14b…貫通ガイド溝、M11,M12…一次巻線、M2…二次巻線、T…端子、D1…空間距離、D2…沿面距離、D10…側面距離、D11…傾斜面距離

Claims (5)

  1. 一次巻線と二次巻線が互いに絶縁されて巻かれている端子付きコイルボビンを有するトランスであって、
    一次巻線と二次巻線の一方が、電線の表面を複数層の絶縁被膜で被覆して形成されている重絶縁電線からなり、
    前記端子付きコイルボビンが、
    一次巻線と二次巻線が巻かれている巻線部と、
    一次巻線および二次巻線の両端部の引き出し線部分が各々絡げられている複数の端子と、
    当該複数の端子と前記巻線部とを隔て、かつ巻線部より外側に突出するつば部とを有し、
    当該つば部が、前記複数の端子が設けられている底面に対し斜めに傾斜している傾斜面を有し、
    前記一次巻線と二次巻線のうち前記重絶縁電線からなる巻線の両端の引き出し線部分の各々が、つば部の巻線部側の面から前記傾斜面に沿ってつば部の底面に達し、当該底面側で絶縁被膜が除去され、当該絶縁被膜が除去されている電線部分が端子に絡げられ、半田付けされている
    トランス。
  2. 前記つば部において前記傾斜面の底面側の辺が、前記重絶縁電線からなる巻線の電線部分が絡げられている端子の近傍に位置している
    請求項1に記載のトランス。
  3. 一次巻線と二次巻線が互いに絶縁されて巻かれている端子付きコイルボビンを有するトランスであって、
    前記端子付きコイルボビンが、
    一次巻線と二次巻線が巻かれている巻線部と、
    一次巻線および二次巻線の両端部の引き出し線部分が各々絡げられている複数の端子と、
    当該複数の端子と前記巻線部とを隔て、かつ巻線部より外側に突出するつば部とを有し、
    当該つば部が、前記複数の端子が設けられている底面に対し斜めに傾斜している傾斜面を有し、
    前記一次巻線と二次巻線の両端の引き出し線部分の各々が、つば部の巻線部側の面から前記傾斜面に沿ってつば部の底面に達して先端部分が端子に絡げられ、半田付けされている
    トランス。
  4. 前記つば部において前記傾斜面の底面側の辺が、前記一次巻線または二次巻線の先端部分が絡げられている端子の近傍に位置している
    請求項3に記載のトランス。
  5. 一次巻線と二次巻線が互いに絶縁されて巻かれる端子付きコイルボビンであって、
    一次巻線と二次巻線が巻かれる巻線部と、
    一次巻線および二次巻線の両端部の引き出し線部分が各々絡げられる複数の端子と、
    当該複数の端子と前記巻線部とを隔て、かつ巻線部より外側に突出するつば部とを有し、
    当該つば部が、前記複数の端子が設けられている底面と、当該底面の端子の近傍から外側に向かって形成され、かつ底面に対して斜めに傾斜している傾斜面とを備える
    端子付きコイルボビン。
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