JP2005352227A - 現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送スクリューの回転軸、及び同極のマグネット対を配置した剥離領域が現像スリーブの回転軸よりも上側にある場合においても、ゴースト、搬送スクリュー目に対応した濃度ムラが発生することのない現像装置を提供する。
【解決手段】現像スリーブに対して近距離側にある搬送スクリューの回転半径r、現像スリーブの回転半径R、及び、それぞれの回転軸間の距離dが
r+R≦d≦3r+R
の関係式を満たし、かつ、キャリアの形状係数SF値が110以下であり、表面にフッ素変性シリコーン樹脂またはフッ素変性アクリル樹脂がコーティングされた構成。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる現像装置に関するものである。
従来、一様に帯電した感光体の外周面である原稿画像部を光走査して静電潜像を形成し、これを、着色樹脂であるトナーによって可視化する電子写真方式の画像形成装置は、高速の画像形成が可能であることからディジタル方式のプリンタや複写機などに広く採用されている。
近年、特にカラー化に対する要求が高まり、電子写真方式の画像形成装置においても、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のトナー像よりなるフルカラー画像形成装置が実現しており、なかでも高速印字に有利であるタンデム方式を採用したものの普及が著しく、主流となりつつある。
このタンデム方式は4色の画像形成ユニットを並列に配置するため装置が大型化するという欠点を有しているが、その欠点に対しては、現像剤がトナーのみである非磁性一成分現像方式を用いたシステムにおいて、感光体ドラムの配列ピッチを短くして装置の小型化を実現する構成が特許文献1に示されている。この構成では、感光体ドラムの周面にトナーを付着させ静電潜像の現像を行う現像ローラを、隣接上流の感光体ドラムのクリーニング部材の上方に配置させて感光体ドラム間のピッチを短くすることにより、狭ピッチ画像形成システムを実現している。
一方、現像方式としては、非磁性一成分現像方式の他に、磁性キャリアとトナーとから成る現像剤を用いた二成分現像方式も広く採用されており、高画質、低ランニングコストを実現できるという特長を有している。この方式では、現像剤を担持する現像スリーブの内部にマグネットを備えた現像ローラにより、現像剤を磁気ブラシの形で感光体ドラム表面に摺擦してトナーのみを感光体ドラム表面に移行させ、静電潜像の現像が行われる。
近年ますます高まる小型化、高画質化、低ランニングコスト化の要求に対して、これらの要求をすべて満足するために、発明者らは狭ピッチ画像形成システムに二成分現像方式を搭載した画像形成装置を開発した。
二成分現像方式においては、現像後に現像スリーブ表面に付着している現像剤の剥離を行う工程が重要であり、この現像後の現像剤剥離が不十分であると、トナーが消費された箇所と消費されていない箇所で現像剤のトナー濃度が異なる為、いわゆるゴースト(またはメモリー)と呼ばれる濃度ムラが発生してしまう。通常、この現像剤の剥離は現像スリーブ内のマグネットを奇数個とし、現像スリーブの回転軸よりも下側の位置に同極のマグネット対を設けて磁力が殆どゼロとなる剥離領域を作り、その領域で重力を用いて現像後の現像剤を自然落下させることにより剥離を行っている。その後、剥離された現像剤は剥離領域付近に設置された搬送スクリューにより搬送され、現像装置内を循環することにより所定のトナー濃度に再調整される。しかしながら、現像スリーブを隣接上流の感光体ドラムのクリーニング部材の上方に配置した狭ピッチ画像形成システムにおいては、現像スリーブ下方の領域には、隣接上流の感光体ドラムのクリーニング部材が近接しているため、自ずと同極のマグネット対を配置した現像剤の剥離領域も現像スリーブの回転軸より上側となってしまうため、重力を用いた剥離を行うことができず、ゴーストなどの濃度ムラが発生してしまう。この課題に対し、例えば特許文献2には、内部にマグネットを有した汲上ロールを現像スリーブ上の剥離領域付近に配置し、その磁力をもって現像後の現像剤の剥離を行う構成が記載されている。剥離された現像剤は、さらにもう1本の汲上ロールによって汲み上げられた後、スクリューを有した現像剤攪拌室に搬送され、トナー濃度の再調整とトナーの帯電が行われる構成となっている。
特開2001−356545号公報 特開平11−65247号公報
しかしながら、同極のマグネット対を配置した現像剤の剥離領域が現像スリーブの回転軸より上側にある構成において、特許文献2のように、現像後の現像剤を内部に磁極を有した汲上ローラにより現像剤の剥離を行う場合、他に現像剤の攪拌を行う現像剤攪拌室等を設ける必要があり、現像装置が複雑化、大型化してしまうという課題がある。また、汲上ローラの内部にマグネットを必要とするため高コストとなり、装置重量も大きくなってしまう。
本発明は、以上の課題を解決するためのものであり、二成分現像方式を採用した狭ピッチ画像形成システムなどのような同極マグネット対を配置した剥離領域が現像スリーブの回転軸よりも上側にある構成においても、マグネットを有した汲上ローラ等を用いることなく、簡素な構成で現像剤の剥離が行うことができる高画質、小型、軽量、低コストの現像装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、請求項1記載の発明は、表面に静電潜像を形成する潜像担持体と、トナーとキャリアからなる現像剤を前記潜像担持体に供給する現像スリーブと、前記現像スリーブの内部に設けられる、少なくとも1組の同極のマグネット対とを有し、前記マグネット対の同極同士を結ぶ前記現像スリーブ上の中点が現像装置内であって前記現像スリーブの回転軸よりも高い位置にある現像剤担持体と、前記現像剤担持体と平行に配置された2個の現像剤搬送路のうち一方の第一現像剤搬送路と、前記第一現像剤搬送路に設置され、前記現像剤を第一の方向に搬送する第一現像剤搬送手段と、前記現像担持体に対し、前記第一現像剤搬送路よりも近距離側に位置する他方の第二現像剤搬送路と、前記第二現像剤搬送路に設置され、回転軸が前記現像スリーブの回転軸よりも高い位置にあり、回転しながら前記現像剤を前記第一の方向とは逆の第二の方向に搬送するとともに、前記現像剤担持体に対して前記現像剤の供給及び剥離を行う第二現像剤搬送手段と、を備え、前記第二現像剤搬送手段の回転半径r、前記現像スリーブの回転半径R、及び、それぞれの回転軸間の距離dが下記の(数1)の関係式を満たし、かつ、前記キャリアは、その形状係数SF値が100以上110以下であり、表面にフッ素変性シリコーン樹脂またはフッ素変性アクリル樹脂がコーティングされている、ことを特徴とする現像装置を提供するものである。。
Figure 2005352227
そして、請求項2記載の発明は、前記マグネット対の同極同士を結ぶ前記現像スリーブ上の中点における前記現像剤の搬送量が1g/cm/s以上であることを特徴とするものである。
そして、請求項3記載の発明は、2kV/cmの電界における体積抵抗が1×1010Ω・cm以下であるキャリアを用いることを特徴とするものである。
そして、請求項4記載の発明は、熱硬化性樹脂をバインダーとし内部に磁性体を分散した樹脂キャリアを用いることを特徴とするものである。
そして、請求項5記載の発明は、トナー表面形状係数SF値が100乃至140であることを特徴とするものである。
そして、請求項6記載の発明は、トナー中に滑剤としてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムの金属石けんを少なくとも一つ以上トナー中に含むことを特徴とするものである。
本発明によると、二成分現像方式を採用した,狭ピッチ画像形成システム(複数の現像装置を有し、現像装置の間隔が狭く配置された画像形成システム)のような同極のマグネット対を配置した剥離領域が現像スリーブの回転軸よりも上側にある場合でも、内部にマグネットを有した汲上ローラなどを用いることなく簡素な現像装置構成で現像後の現像剤の十分な剥離を行い、ゴーストの発生を防止することができる。
また、搬送スクリューと現像スリーブ間の距離が短くなっても、搬送スクリューの回転によって生じる現像剤の圧力ムラが低減され、搬送スクリューの目による画像濃度ムラの発生を防止することができる。
以下、請求項1記載の発明による効果を詳細に説明する。
通常の重力による現像剤の剥離が行える構成では、搬送スクリューを現像スリーブに近づける必要はなく、むしろ、スクリュー目による濃度ムラを発生させないという観点から、搬送スクリューと現像スリーブの距離はできるだけ長く設定している。
これに対し、発明者らは、逆に、第二搬送スクリューと現像スリーブの距離を前述の範囲にしてスクリューへの現像剤の取り込みを確実に行い、除去搬送効果を高めて現像スリーブからの剥離性を向上させるというアプローチをとった。そして、新たに発生するであろうスクリュー目状の濃度ムラに対しては、以下に説明するようなキャリアの高流動性を利用することにより回避した。
一般的に、現像剤の流動性が悪い状態では、現像剤の滞留や凝集が発生しやすく、搬送スクリューのような搬送圧を加える物体の形状などの影響により現像剤の圧力が場所により不均一(圧力ムラ)となってしまう。搬送スクリューと現像スリーブの距離が短い場合は、現像スリーブとその圧力ムラが現像スリーブ上に伝わって現像剤の層厚ムラとなり、搬送スクリューの形状に対応した画像濃度ムラとして現れる。ただし、現像剤の流動性が悪い場合でも、搬送スクリューと現像スリーブの距離が十分に離れている場合は、圧力ムラが現像スリーブに到達する前に緩和され濃度ムラは発生しにくい。
ところが、低表面エネルギーで低摩擦係数を特長とするフッ素変性シリコーン樹脂またはフッ素変性アクリル樹脂をキャリア表面にコーティングした場合、キャリアの形状係数SF値が110を切るあたりから、急激に流動性が向上して流体としての特性を持つようになる。流体としての特性が強くなると、いわゆるパスカルの原理により、均一な現像剤の圧力の伝播が可能となり、搬送スクリューと現像スリーブの距離が近い場合でも搬送スクリューの形状による圧力ムラが発生することなく、均一な画像を得ることができる。
また、このようなキャリアを用いることにより、現像剤の流動性と離型性が向上し、キャリアの現像スリーブからの剥離性そのものも向上する。
以上に説明したようなゴーストの改善とスクリュー目による濃度ムラの回避は、搬送スクリューと現像スリーブの近距離化、および高流動性、高離型性キャリアそれぞれ単独の作用ではなく、双方の相乗効果によって初めて達成されるものである。
また、請求項2記載の発明によれば、現像剤の強い流れを剥離領域付近に形成することができ、剥離領域付近に現像剤が滞留することなく良好な現像剤の循環を行うことができるため、剥離領域で一旦剥離された現像後の現像剤が現像スリーブに再付着するのを防止することができる。さらに、剥離領域付近の現像スリーブに対する磁気的拘束力が低下した現像剤を上記の現像剤の流れに取り込むことによって、除去搬送効果が向上し、強い現像剤の剥離性を得ることができる。
請求項3記載の発明によれば、トナーとの摩擦帯電時に発生した電荷がキャリアに蓄積するのを防止することができ、その結果、現像スリーブへのキャリアの鏡像力が低減され、さらに良好な剥離性を得ることができる。また、搬送スクリューや現像装置内壁などの現像スリーブ以外の現像装置内各部材に対するキャリアの鏡像力も低減することができ、各部材付近での現像剤の滞留が防止できるので、スムーズな現像剤の循環を行うことができる。また、現像剤としての流動性が向上するため、第二搬送スクリューによる現像剤の圧力ムラもさらに低減される。
請求項4記載の発明によれば、キャリアの真球度と表面の平滑度が向上して流動性と離型性がさらに良好となり、現像スリーブに対する付着力が低減され良好な剥離性を得ることができる。また、流動性が向上することにより、第二搬送スクリューによる現像剤の圧力ムラもさらに低減される。
請求項5記載の発明によれば、トナーの真球度が高まることによって、トナーの流動性が向上し、キャリアの高流動性と相まって、現像剤としての流動性がさらに良好なものとなる。その結果、現像スリーブからの剥離性がさらに良好となる。また、第二搬送スクリューによる現像剤の圧力ムラもさらに低減される。加えて、トナーの高流動性によって、キャリアの表面コート剤の磨耗を防止し、現像剤の高い流動性を長期にわたって維持することができる。
請求項6記載の発明によれば、トナーが潤滑剤としての機能を発揮して、現像剤の流動性がさらに良好となり、現像スリーブからの剥離性がさらに向上する。また、第二搬送スクリューによる濃度ムラも低減される。加えて、潤滑剤の性質によりキャリアに対する柔らかな接触を実現できるためキャリアの表面コート剤の磨耗を防止し、現像剤の高い流動性を長期にわたって維持することができる。
以上より、高画質、小型、軽量、低コストの現像装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態1における画像形成装置の概略を示す要部断面図であり、図2は画像形成ユニットの概略を示す要部断面図であり、図3は現像装置の概略を示す斜視図であり、図4は、図3の現像装置を矢印A方向から示した要部断面図である。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における画像形成装置は、図1に示すように感光体ドラム1Y、1Mの間に、支持具2Yによって保持され上流側の感光体ドラム1Yの周面に接触して感光体ドラム1Y表面に残存するトナーの除去を行うクリーニングブレード3Yを配置し、隣接下流の感光体ドラム1Mの周面にトナーを付着させる現像ローラ4Mを、その軸芯が支持具2Yの上方であって隣接上流の感光体ドラム1Yの軸芯から支持具2Y側に傾斜する線分上に位置するように配置しており、他色の部材についても同様に配置している。このよう配置とすることにより、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K間のピッチを短くして、装置の小型化を実現している。
以下、マゼンタの現像装置8Mを用いて、その構成について説明するが、他の色の現像装置8Y、8C、8Kについても同様であるので、それらの説明は省略する。感光体ドラム1Mは外径24mmの積層型有機感光体で、周速度100mm/sで回転している。感光体ドラム1Mには、感光体ドラム1Mに従動回転しながら感光体ドラム1Mの帯電を行う帯電ローラ5M、及び、感光体ドラム1Mに形成されたトナー像を中間転写ベルト11に転写する為の第一転写ローラ6Mが配置されている。帯電ローラ5Mは外径10mmで金属シャフトにエピクロルヒドリンゴムを形成したもの、第一転写ローラ6Mは外径12mmで金属シャフトに導電性ウレタンスポンジを形成したものを使用している。中間転写ベルト11は電気抵抗が1×10Ω・cmのポリカーボネートシートを使用した。
帯電ローラ5Mにより一様に帯電された感光体ドラム1M表面に、画像情報に応じてレーザー光(図示せず)を照射して静電潜像が形成された後、現像ローラ4Mによって現像域(現像ローラ4Mと感光体ドラム1Mとの間)に搬送された現像剤の磁気ブラシが静電潜像に摺擦され、トナーのみが感光体ドラム1Mの表面に移行しトナー像が形成される。レーザーパワーは280μWで、帯電ローラ5Mには1.2kVのDC電圧が印加されており、感光体ドラム1Mの帯電電位V0と露光後電位VLを測定したところ、それぞれ−650Vと−100Vであった。現像ローラ4Mには、−500VのDC電圧に、周波数3kHzでピーク・トゥ・ピーク電圧が1.5kVの矩形波のAC電圧を重畳したバイアス電圧を印加している。
感光体ドラム上1Mに形成されたトナー像は、+600Vの電圧が印加された第一転写ローラ6Mにより、中間転写ベルト11表面に転写される。以上の動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの現像装置8Y、8M、8C、8Kと感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kからなる画像形成ユニットについて行い、中間転写ベルト11上に4色の合成トナー像を形成する。その後合成トナー像は記録紙トレイ9から搬送されてきた記録紙10上に第二転写ローラ7により一括転写され、記録紙10の排出経路上に設けられている定着器12により、熱、圧力等の公知の手段により、記録紙10表面に定着される。一方、トナー像の転写が終了した後のそれぞれの感光体ドラム1Mの表面は、ウレタンゴムをシート状に成形したクリーニングブレード3Mにより感光体ドラム1M表面に残存するトナーが除去され、これにより、画像形成の1サイクルが完了する。
以下、図2乃至図4を用いて、本発明の実施の形態1における現像装置について、現像装置8Mを用いてさらに詳細に説明する。以下の内容は、他の色の現像装置8Y、8C、8Kについても同様である。
トナーは、ポリエステル樹脂86重量%に各色の顔料を5重量%、離型剤カルナウバワックス6重量%、および、サルチル酸系亜鉛からなる電荷制御剤3重量%を予備混合、溶融混練し、粗粉砕後に微粉砕、分級し、体積平均粒径が7.1μmの非磁性のトナー母体粒子を得た。このトナー母体粒子98.5重量%に外添剤として疎水性シリカ1.0重量%と疎水性のチタニア0.5重量%を外添(混合)処理したものである。後述の(数2)にて算出されるトナーの形状係数SF値は148であった。
キャリアに関しては、実験結果も含めて後に詳細に説明する。
本実施の形態1にかかる現像装置は、図2に示すように、仕切り壁13Mにより2個の現像剤搬送路に区画されており、仕切り壁13Mによりも上側で現像ローラ4Mから遠距離側に位置する第一現像剤搬送路14Mと、仕切り壁13Mによりも下側で現像ローラ4Mから近距離側に位置する第二現像剤搬送路15Mを備えている。第二現像剤搬送路15Mには外側への張り出し部16Mが形成されており、この張り出し部16M内には、現像ローラ4Mが突出して設けられている。ここで、現像ローラ4Mは、表面粗さRzが5μmの回転自在なアルミ製の現像スリーブ26M内に、7個のマグネットを固定配置されたものから構成されている。これら7個のマグネットは、現像ローラ4Mと感光体ドラム1Mが近接する現像領域で磁力のピークが形成され、穂切り軸25M周辺では磁力の谷間が形成されるように配置されている。本実施の形態では、現像領域にN極を配置して主極磁力を95mTとし、穂切り軸25MをS極とN極で挟む構成とした。さらに第二現像剤搬送路15Mが近接する領域には、現像後の現像剤の剥離を効果的に行えるように、S極同士を隣接させて磁力が殆どゼロとなる領域を設けている。この領域の磁力をできるだけゼロに近づけるためには、同極のマグネット間の距離をできるだけ大きくとることが重要である。この剥離領域における磁力を測定し、5mT以下の低磁力となっていることを確認した。
現像ローラ4Mの外径は14mmで、現像スリーブ26Mは周速度114mm/sで感光体ドラム1Mの回転方向に対してウィズ方向に回転しており、感光体ドラム1Mに対して1.14の周速度比を持つ。現像ローラ4Mと感光体ドラム1Mは対面するように配置され、現像ローラ4Mと感光体ドラム1Mのギャップは現像ローラ4Mの両サイドに設けられたコロ18Mの径を変更することで調整できる。本発明の実施の形態1では現像領域での現像ローラ4Mと感光体ドラム1Mのギャップは0.4mmに調整されている。
図2乃至図4に示すように、現像装置8Mの下側に位置する第二現像剤搬送路15M内には、その軸方向に沿って延びる第二搬送スクリュー17Mが設けられている。
現像スリーブ26Mを隣接上流の感光体ドラム1Mのクリーニングブレード3Mの上方に配置した構成としているため、現像スリーブ26M下方の領域には、隣接上流の感光体ドラム1Mのクリーニングブレード3Mが近接しており、その位置には第二搬送スクリュー17Mを設置することができず、現像スリーブ26Mの回転軸よりも上側の配置となる。このことから、現像後の現像剤を現像スリーブ26Mから剥離させる為のS極のマグネット対を配置した剥離領域(S極同士を結ぶ中点P周辺)も、現像スリーブ26Mの回転軸よりも高い位置となる。
さらに、現像装置8Mの第一現像剤搬送路14M内には、やはり現像ローラ4Mの軸方向に沿って延びている第一搬送スクリュー19Mが設けられている。また、図4に示すように、第二現像剤搬送路15M内の第二搬送スクリュー17Mと、第一現像剤搬送路14M内の第一搬送スクリュー19Mとは、現像ローラ4Mの軸方向に沿って互いに反対方向に現像剤を搬送するように、その羽根或いは回転方向が設定されており、例えば第一搬送スクリュー19Mは、図4中の矢印Xの方向に現像剤の攪拌搬送を行い、第二搬送スクリュー17Mは、図4中の矢印Yの方向に現像剤の搬送を行うように設定されている。
また、図4に示すように、現像装置8Mの長手方向の両端部には、第一現像剤搬送路14Mと第二現像剤搬送路15Mを連通する連通口20M、21Mが形成されている。第一搬送スクリュー19Mの現像剤搬送方向(X方向)の先端部分に位置する連通口20Mにおいては、仕切り壁13Mに適切な大きさの開口が形成されており、この開口を介して、第一搬送スクリュー19Mによって攪拌搬送されてきた現像剤が重力により、第一現像剤搬送路14Mから第二現像剤搬送路15M内に落下するようになっている。本発明の実施の形態では、2組の搬送スクリューによるトナーの循環が良好に行われるように、第一搬送スクリュー19M、第二搬送スクリュー17Mとも、外径、軸径、スクリューピッチ、回転数を、それぞれ12mm、5mm、25mm、150rpmとしている。
一方、第二搬送スクリュー17Mの現像剤搬送方向(Y方向)の先端部分に位置する連通口21M上方には、前記第一搬送スクリュー19M端部に連結される形で磁石ローラ22Mが設置されている。この磁石ローラ22Mは、その軸が前記第一搬送スクリュー19Mの回転軸と同軸になるように連結されており、その外径を第一搬送スクリュー19Mの外径と略一致させている。そして、図4に示すように、磁石ローラ22Mを前記第一搬送スクリュー19Mの回転と共に同方向に回転し、第二現像剤搬送路15M内の現像剤を磁気ブラシの形で第一現像剤搬送路14M内に汲み上げている。なお、本実施の形態における磁石ローラ22Mは、フェライトや磁性粉含有プラスチックをローラ状に成形し、これにN極、S極をそれぞれ交互に(おおよそ90°毎に)2極ずつ着磁したゴム磁石を使用している。また、その両端面には、SUS400系などの磁性部材(図示せず)を貼り付けてあり、現像剤が磁石ローラ22Mの両端面に付着することと、それに伴う現像剤のつまりや滞留を防止している。
また、磁石ローラ22Mの回転方向に対し、磁石ローラ22Mと近接して分離板(図示せず)が、第一現像剤搬送路14Mと一体的に形成されている。更に、この分離板はその分離面を、第一搬送スクリュー19Mの回転軸方向に対し傾斜するように形成されている。これにより、分離面により磁石ローラ22M上から分離された現像剤は、スムーズに第一搬送スクリュー19M方向へ移動される。以上のような構成により、下側に位置する第二現像剤搬送路15Mと上側に位置する第一現像剤搬送路14Mとの間で現像剤の循環が行われる。
また、第一現像剤搬送路14M内には、現像剤の透磁率から現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度センサー23Mが配置されおり、印字によりトナー濃度が減少した場合はトナー補給口24Mよりトナーが補給されて、常に6%のトナー濃度となるようにコントローラされている。
第二現像剤搬送路15M内の現像剤は、現像ローラ4Mからの磁界によって、回転する現像スリーブ26M表面に付着して磁気ブラシを形成し、現像スリーブ26M表面を転がりながら外径5mmのアルミシャフトよりなる穂切り軸25Mが設置してある箇所まで搬送される。磁気ブラシは穂切り軸25Mを通過する際に、1mm程度の長さに調整された後に現像領域に到達し、感光体ドラム1Mに形成された静電潜像に応じて感光体ドラム1Mへトナーが移動し現像が行われる。なお、磁気ブラシの長さは、現像ローラ4Mと穂切り軸25Mとの軸間距離を調整することによって変更することができる。
現像によってトナーが消費されてトナー濃度が減少した現像剤は、現像スリーブ26Mの回転とともにS極同士のマグネット対を配置された剥離領域Pに搬送され、現像スリーブ26Mに対する磁気的な拘束力から開放されるとともに、第二搬送スクリュー17Mによって除去搬送された後、第一現像剤搬送路14M及び第二現像剤搬送路15M内を循環しながら6%のトナー濃度に再び調整される。
以上のような現像装置を用い、印字後の現像剤の剥離を行う為にマグネットを有した汲上ローラ等を用いることなく、剥離領域Pに近接させた第二搬送スクリュー17Mの除去搬送効果を利用するという考えのもと、第二搬送スクリュー17Mと現像スリーブ26M間の距離d、キャリアの形状係数SF値とコーティング材料をパラメータとして、ゴーストの評価を行った。また。第二搬送スクリュー17Mと現像スリーブ26M間の距離dを短くした場合に通常発生するスクリューの目による濃度ムラについても同時に評価を行った。
第二搬送スクリュー17Mの回転軸と現像スリーブ26Mの回転軸の距離dを可変とする構成とし、15、20、25、30、35mmと5水準変化させて実験を行った。また、キャリアについては体積平均粒径50μmのフェライトキャリアで、比重が5g/cc、2kV/cmの電界における体積抵抗が1×1014Ω・cm、79.58kA/mの磁場中における磁化が、65Am/kgという条件下で、形状係数SF値を102、110、120、130、140と5水準変化させてキャリアのコア粒子を作成し、それぞれにフッ素変性シリコーン樹脂、フッ素変性アクリル樹脂、ジメチルシリコーン樹脂、アクリル樹脂をコーティングした計20種類のキャリアサンプルを作成した。なお、形状係数SF値は、画像解析装置により、光学顕微鏡による各トナー粒子の投影面積(A)と最大長(ML)から、下記の(数2)により算出した。実際には500個を計測後に平均値を求めた。
Figure 2005352227
ゴーストの評価は、副走査方向の長さが現像スリーブ26Mの1周分に相当する14×3.14/1.14=39mmの100%dutyベタパッチを印字した直後の25%dutyハーフトーン画像の画像濃度と、何も印字しなかった場合の25%dutyハーフトーン画像の画像濃度の差で行った。上記の画像濃度差ΔIDが、マクベス社製反射濃度計RD914で0.03以下である場合、画像品質上問題とならないため、その値をゴースト評価の判定基準とした。スクリュー目状の濃度ムラについては、25%dutyハーフトーン画像を用紙全面に印字して、目視により合否判定を行った。各色トナーの特性の違いを考慮して、ゴースト、スクリュー目状の濃度ムラともシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの全色について評価を行った。
評価結果を(表1)乃至(表4)に示す。(表1)はキャリアのコート剤がフッ素変性シリコーン樹脂の場合、(表2)はフッ素変性アクリル樹脂コートの場合、(表3)はジメチルシリコーン樹脂コートの場合、(表4)はアクリル樹脂の場合を示しており、ゴーストの評価に用いた前述の画像濃度差ΔIDが0.03以下の場合は○、0.03よりも大きい場合は×で示してある。スクリュー目状の濃度ムラについては、目視評価でスクリュー目状の濃度ムラが確認されなかった場合は○、確認された場合は×で示してある。
Figure 2005352227
Figure 2005352227
Figure 2005352227
Figure 2005352227
以上の結果から、第二搬送スクリュー17Mの回転軸と現像スリーブ26Mの回転軸の距離dが25mm以内で、形状係数SF値が110以下でフッ素変性シリコーン樹脂またはフッ素変性アクリル樹脂をコーティングしたキャリアを用いれば、ゴーストが発生しない均一な画像が得られ、かつスクリュー目状の濃度ムラも発生しないことがわかった。
以上の結果は以下のようにして説明することができる。ゴーストの改善については、搬送スクリューを現像スリーブに近接させることにより、剥離領域付近での現像剤の除去搬送効果が向上したこと、及び、フッ素変性シリコーン樹脂またはフッ素変性アクリル樹脂のような低表面エネルギーで低摩擦係数の材料をキャリア表面にコーティングした場合、形状係数SF値が110以下になると急激に流動性が向上するが、これによってキャリア単体としての剥離性が向上したことの2点によるものであると考えられる。
スクリュー目状の濃度ムラの回避に関しても、形状係数SF値が110以下となり、現像剤の流動性が向上して流体としての特性が強くなると、現像剤の圧力が均一に伝播されるようになり、上述のように搬送スクリューと現像スリーブの距離を近づけても、搬送スクリューの形状による圧力ムラが発生しなかったと考えられる。
また、現像剤の流動性が悪い状態では、搬送スクリューの回転時に搬送スクリューの羽根の間に現像剤の詰まりが発生し、現像剤の搬送力が低下してしまうという現象があるが、上述のように現像剤の流動性が良好な状態では、このような現象は発生せず、安定した現像剤の搬送力、ひいては安定した現像剤の剥離性を実現することができる。実際に実験後の搬送スクリューの状態を観察した結果、キャリアの形状係数SF値が110以下で、フッ素変性シリコーン樹脂またはフッ素変性アクリル樹脂をコーティングしたキャリアを使用した場合は、スクリューの羽根間に付着した現像剤が極端に少ない状態であった。
第二搬送スクリュー17Mの回転軸と現像スリーブ26Mの回転軸の距離dに関しては、さらに実験を行ったところ、第二搬送スクリュー17Mと現像スリーブ26Mが最も近接する箇所の距離d−R−rと第二搬送スクリュー17Mの外径rの関係が現像剤の剥離性(ゴーストの発生)と関連していることがわかった。なお、Rは現像スリーブ26Mの回転半径である。
図5は第二搬送スクリュー17Mと現像スリーブ26Mが最も近接する箇所の距離d−R−rとゴースト(前述の画像濃度差ΔID)の関係を示した図である。このようにd−R−rが第二搬送スクリュー17Mの外径rの2倍以下(d−R−r≦2r)、即ち、第二搬送スクリュー17Mの回転軸と現像スリーブ26Mの回転軸の距離dが3r+R以下(d≦3r+R)となると、画像濃度差が0.03以下となり、ゴーストが改善されることがわかる。
以上の結果から、第二搬送スクリュー17Mの回転軸と現像スリーブ26Mの回転軸の距離dを25mm、キャリアについては、形状係数SF値を105とし、フッ素変性シリコーン樹脂を表面にコーティングした構成とした。
なお、本発明ではキャリア表面のコーティング剤をフッ素変性シリコーン樹脂としたが、発明者らの実験によれば、フッ素変性アクリル樹脂でも同等の効果が得られた。
また、4色の画像形成ユニットを並列に配置したタンデム方式(1パス)のカラー画像形成装置を例として取り上げたが、現像剤搬送スクリューの回転軸、及び同極のマグネット対を配置した剥離領域が現像スリーブの回転軸よりも上側にある構成の、1個の感光体に4色の現像装置を配置した4パスのカラー画像形成装置やモノクロ画像形成装置であっても構わない。
また、本発明においては、2組の現像剤搬送スクリューが上下に配置され、現像装置内で現像剤を縦方向に循環する構成としたが、2組の現像剤搬送スクリューが水平に配置されて、現像剤の循環が水平に行われる場合であってもよい。
また、本発明において負帯電極性を有する有機積層型感光体を用いたが、電荷輸送層と電荷発生層が同一層となっている単層型有機感光体やa−Si材料を用いた構成の感光体等でも構わず、感光体自身の帯電極性も負帯電や正帯電のいずれでも構わない。形状についてもドラム形状でなくベルト形状であってもよい。
また、本発明においてはエピクロルヒドリンゴムからなる帯電ローラにDC電圧を印加する方式を用いたが、正弦波または矩形波のAC電圧を印加した方式であっても構わない。帯電ローラとしてウレタンゴム、シリコーンゴム、NBRゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムなどを使用することができ、必要に応じて表面コート等の表面処理を行うことも可能である。また、従来から多く用いているワイヤー、グリッドを用いたスコロトロン方式や固体帯電素子を用いた方式でも構わない。
また、現像ローラに印加するバイアス電圧については、必要に応じて画像濃度等を調整しながらDC電圧を50〜650Vに設定することが望ましい。また、トナー移動の促進のために周波数1〜6kHz、振幅0.2〜10kV程度の矩形波や正弦波のAC電圧を印加することによって更にトナー移動が容易となる。AC電圧の印加によって、必要画像濃度の確保、非画像部へのトナー付着の防止、微小ドット再現性の向上が実現できる。
また、本発明では現像ローラ内部のマグネットの個数を7個としたが、それ以外の複数個であっても構わない。現像スリーブについても、アルミ製で表面粗さRzが5μmとしたが、他の非磁性材料を用いてもよい。表面粗さRzについては、画像の均一性と現像剤の搬送性の観点から、3〜10μmの範囲が望ましい。
また、本発明では、現像スリーブの回転方向を感光体ドラムの回転に対してウィズ方向としたが、カウンター方向の回転であってもよく、周速度比も1.14でなくても構わない。現像ローラ、第一搬送スクリュー、第二搬送スクリューの外径、及び各搬送スクリューのスクリューピッチ、回転数に関しても、記載の値に限定されるものではない。
キャリアの真比重についても、上記の値に限定されるものではないが、高い流動性を得るという観点から、できるだけ真比重が小さいものがよく、4g/cc以下であるのが望ましい。キャリアの体積平均粒径についても、上記の値である必要はなく、高画質化の観点から40μm以下が望ましい。キャリアの飽和磁化に関しても、現像スリーブからの良好な剥離性とソフトな磁気ブラシの実現という観点から、できるだけ小さい値が望ましいが、感光体ドラムへのキャリア飛びも考慮して決定しなければならない。
(実施の形態2)
図6はスクリューの回転軸からの距離と、現像剤の単位断面積、単位時間当りの搬送量の関係をスクリューの外側の範囲について示した図である。キャリアは形状係数SF値105で表面にフッ素シリコーン樹脂をコーティングしたものを用いた。図6からわかるように、現像剤の搬送量は搬送スクリューの回転軸から遠ざかるほど低下し、搬送スクリューの回転半径とも関連していることがわかる。
また、図7は剥離領域付近の現像剤搬送量とゴースト(前述の画像濃度差ΔID)の関係を示した図である。この結果から、剥離領域での現像剤の搬送量が1g/cm2/s以上になると、さらにゴーストが改善されることがわかる。これは、一旦剥離された現像剤が剥離領域下流のマグネットの磁力によって現像スリーブに再付着するのを完全に防止するためには、現像剤の流れが1g/cm2/s以上必要であることを意味している。
したがって、実施の形態1において、例えば第二搬送スクリュー17Mの回転軸と現像スリーブ26Mの回転軸の距離dを16mmと近距離にすることによって、さらにゴースト発生のない均一な画像を得ることができる。また、このように第二搬送スクリュー17Mの回転軸と現像スリーブ26Mの回転軸が近距離でも、高流動性のキャリアを使用しているため、スクリュー目状の濃度ムラも発生しない。
(実施の形態3)
実施の形態1のキャリアの2kV/cmの電界における体積抵抗抵抗値を、1×10、1×10、1×1010、1×1012、1×1014、1×1016Ω・cmと5水準変化させて、ゴーストの評価を行った結果を図8に示す。体積抵抗1×1010Ω・cm以下になると、さらに前述の画像濃度差ΔIDが小さくなり、反射濃度計の測定値においてもΔIDがほぼゼロとなり、均一な画像が得られることがわかった。また、スクリュー目状の濃度ムラの発生もなかった。
これはトナーとの摩擦帯電により発生した電荷がキャリアに蓄積しないため、現像スリーブに対するキャリアの鏡像力が低減され、剥離性が良好となった結果である。また、搬送スクリューなどの現像装置内の各部材に対するキャリアの鏡像力も低減され、各部材周辺での現像剤の凝集や滞留が防止できるので、スムーズな現像剤の流れを作ることができ、剥離領域での現像剤の良好な除去搬送を行うことができる。また、搬送スクリューのよる圧力ムラも発生しにくくなる。
(実施の形態4)
実施の形態1の構成において、熱硬化性のフェノール樹脂12重量%をバインダーとして、平均粒径0.2μmのマグネタイト88重量%を分散させ、平均粒径を35μmとし、さらに、キャリア表面をフッ素変性シリコーン樹脂でコート処理を行った樹脂キャリアを用いて評価を行った。このキャリアの2kV/cmの電界における体積抵抗の測定を行ったところ、4×10Ω・cm、真比重は3.7g/cc、磁場79.58kA/mにおける磁化は60Am/kgであった。また、形状係数SF値を測定したところ、101と極めて真球に近い形状で、さらに電子顕微鏡によりキャリア表面の観察を行ったところ、極めて凹凸が少ない平滑な表面形状であることがわかった。
このキャリアを用いてゴーストの評価を行ったところ、前述の画像濃度差ΔIDが0.01以下とさらに小さくなり、画像濃度均一性が極めて良好な画像が得られた。また、スクリュー目状の濃度ムラも発生しなかった。
これは、キャリアのSF値が101と極めて真球に近く、また表面も極めて平滑な状態であるため、現像剤の流動性と離型性が良好となり、現像スリーブからの剥離性が極めて良好となることによる。また、現像剤の高流動性からスクリュー目状の濃度ムラも発生しない。
なお、樹脂キャリアの熱硬化性バインダーとしては、フェノール樹脂以外に尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が用いることができる。熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂に比べ、耐久性、耐衝撃性、耐熱性に優れているので、これらの利点を生かした磁性体と熱硬化性樹脂とからなる樹脂キャリアが望まれる。
また、本発明に用いる強磁性鉄化合物粒子粉末としては、マグネタイト、マグヘマイト等の強磁性酸化鉄粒子粉末、鉄以外の金属(Mn,Ni,Zn,Mg,Cu等)を一種又は二種以上含有するスピネルフェライト粒子粉末、バリウムフェライト等のマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末、表面に酸化被膜を有する鉄や鉄合金の微粒子粉末を用いることができる。好ましくはマグネタイト等の強磁性酸化鉄粒子粉末である。前記強磁性鉄化合物粒子の粒径は、0.02〜5μmであることが望ましい。その形状は、粒状、球状、針状のいずれであってもよい。さらに、熱硬化樹脂中の磁性体添加量は50〜90重量%が望ましい。90重量%を越えると樹脂中への分散が困難になり磁性体が離脱する。一方、50重量%に満たない場合、キャリアの磁気力が小さくなりトナー保持部材へキャリアが付着しやすくなる問題が発生する。
また、キャリア表面のコーティング剤については、フッ素変性アクリル樹脂を用いることもできる。
(実施の形態5)
実施の形態1において、トナーの形状係数SF値とゴーストとスクリュー目状の濃度ムラの関係を調べるために、粉砕、分級工程を経た後の形状係数SF値160のトナー母体を、サフュージング装置(日本ニューマチック製)を用いて350度、290度、230度、200度、処理無しの5条件で熱を利用して球形化処理を行った。それぞれの条件で球形化処理されたトナーの形状係数SF値は102、120、139、148、162となり、これらのトナーを用いて実験を行った。なお、キャリアはフッ素変性シリコーン樹脂を表面にコーティングしたものを用いている。図9はトナーの形状係数SF値とゴースト発生状況(前述の画像濃度差ΔID)の関係を示しており、形状係数SF値が140以下になると、ΔIDがほぼゼロとなり、さらに均一な画像が得られることがわかる。また、スクリュー目状の濃度ムラの発生もなかった。
また、形状係数SF値が120のトナーにおいて、実施の形態1の場合と同様に、第二搬送スクリュー17Mの回転軸と現像スリーブ26Mの回転軸の距離d、及びキャリアの形状係数SF値をパラメータとして、ゴーストとスクリュー目状の濃度ムラの評価を行ったところ、(表5)に示すようにゴーストとスクリュー目状の濃度ムラの裕度が広がる結果となった。
Figure 2005352227
以上はトナーの形状係数SF値を140以下とすることによって、トナーが真球に近づいて現像剤の流動性がさらに良好となり、現像スリーブからの剥離性が向上していることを示している。また、現像剤の高流動性により、搬送スクリューによる圧力ムラも低減され、スクリュー目状の濃度ムラの裕度も拡大している。
さらにゴーストの発生状況の経時特性を調べたところ、図10に示すようにトナーの形状係数SF値が148の場合は、60k枚印字後で画像濃度差ΔIDが0.04に達してゴーストがNGとなるのに対し、形状係数SF値が120の場合は80k枚までゴースト発生の無い均一な画像が得られた。
これは、現像剤の高流動性により搬送スクリューの羽根の間への現像剤の詰まりが発生しなくなったことにより、剥離領域での良好な除去搬送を維持できたことと、トナーの形状が真球に近い為、攪拌時のキャリアへのストレスが少なくキャリアのコート剤の剥がれが発生せず、コート剤の作用による高流動性、高離型性を維持できたことによるものである。実際に、80k枚印字後のキャリアの表面を電子顕微鏡により観察したところ、SF値が148の場合はコート剤の剥がれが顕著だったのに対して、SF値が120の場合はコート剤の剥がれがほとんど見られなかった。
なお、本発明においてトナーの真球度を高める方法として熱処理方法を用いたが、トナー母体を作成する方法として、懸濁重合法、乳化重合法等の化学重合法を用いても構わない。
(実施の形態6)
実施の形態1におけるトナーに外添剤として、ステアリン酸亜鉛を1.5重量%添加して、実施の形態1と同様にゴーストとスクリュー目状の濃度ムラの評価を行った。実施の形態1との比較を行う為に、キャリアはフッ素変性シリコーン樹脂を表面にコーティングしたものを用いており、トナーの形状係数SF値も148とした。結果を(表6)に示す。
Figure 2005352227
また、トナーにステアリン酸亜鉛を添加しない場合(実施の形態1)と、添加した場合(本実施の形態6)のゴーストの経時特性を図11に示す。ステアリン酸亜鉛を添加しなかった場合は、60k枚印字後で前述の画像濃度差ΔIDが0.04に達し、ゴーストがNGとなるのに対し、ステアリン酸亜鉛を添加した場合は、80k枚においてもΔIDが0.02で、ゴーストの無い均一な画像が得られた。
以上の結果は、トナーにステアリン酸亜鉛を添加することによって、トナーが潤滑剤としての機能を発揮して、トナーの形状係数SF値の場合と同様に現像剤の流動性が良好となり、現像スリーブからの剥離性が向上しているためと考えられる。また、現像剤の流動性が向上することにより、搬送スクリューによる圧力ムラも低減され、スクリュー目状の濃度ムラの裕度も拡大する。
現像剤の剥離性(耐ゴースト)の経時安定性は、現像剤の流動性向上により、搬送スクリューへの現像剤の詰まりを防止できたことと、トナーの潤滑剤としての機能によりキャリアのコート剤剥がれを防止できたことで現像剤の高い流動性を長期にわたって維持できたことによって達成されている。
なお、本発明においてトナーの潤滑剤としての機能を高める方法として、ステアリン酸亜鉛を添加したが、他に、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムの金属石けんを少なくとも一つ以上トナー中に含む構成としても構わない。
本発明の縦型循環現像装置は、複写機、ファクシミリ、レーザプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に適用が可能である。
本発明の実施の形態1における画像形成装置の概略を示す要部断面図 本発明の実施の形態1における画像形成ユニットの概略を示す要部断面図 本発明の実施の形態1における現像装置の概略を示す斜視図 図2の現像装置を矢印A方向から示した要部断面図 d−R−rと画像濃度差の関係を示す図 スクリュー回転軸からの距離と現像剤搬送量の関係を示す図 現像剤搬送量と画像濃度差の関係を示す図 本発明の実施の形態3におけるキャリア抵抗値と画像濃度差の関係を示す図 本発明の実施の形態5のおけるトナーの形状係数SF値と画像濃度差の関係を示す図 本発明の実施の形態5における画像濃度差の経時特性を示す図 本発明の実施の形態6における画像濃度差の経時特性を示す図
符号の説明
1M 感光体ドラム
4M 現像ローラ
8M 現像装置
13M 仕切り壁
14M 第一現像剤搬送路
15M 第二現像剤搬送路
16M 張り出し部
17M 第二搬送スクリュー
19M 第一搬送スクリュー
23M トナー濃度センサー
24M トナー補給口
25M 穂切り軸
26M 現像スリーブ

Claims (6)

  1. 表面に静電潜像を形成する潜像担持体と、
    トナーとキャリアからなる現像剤を前記潜像担持体に供給する現像スリーブと、前記現像スリーブの内部に設けられる、少なくとも1組の同極のマグネット対とを有し、前記マグネット対の同極同士を結ぶ前記現像スリーブ上の中点が現像装置内であって前記現像スリーブの回転軸よりも高い位置にある現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体と平行に配置された2個の現像剤搬送路のうち一方の第一現像剤搬送路と、
    前記第一現像剤搬送路に設置され、前記現像剤を第一の方向に搬送する第一現像剤搬送手段と、
    前記現像担持体に対し、前記第一現像剤搬送路よりも近距離側に位置する他方の第二現像剤搬送路と、
    前記第二現像剤搬送路に設置され、回転軸が前記現像スリーブの回転軸よりも高い位置にあり、回転しながら前記現像剤を前記第一の方向とは逆の第二の方向に搬送するとともに、前記現像剤担持体に対して前記現像剤の供給及び剥離を行う第二現像剤搬送手段と、
    を備え、
    前記第二現像剤搬送手段の回転半径r、前記現像スリーブの回転半径R、及び、それぞれの回転軸間の距離dが下記の(数1)の関係式を満たし、
    かつ、前記キャリアは、その形状係数SF値が100以上110以下であり、表面にフッ素変性シリコーン樹脂またはフッ素変性アクリル樹脂がコーティングされている、
    ことを特徴とする現像装置。
    Figure 2005352227
  2. マグネット対の同極同士を結ぶ現像スリーブ上の中点における現像剤の搬送量が1g/cm/s以上であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載の現像装置。
  3. 2kV/cmの電界における体積抵抗が1×1010Ω・cm以下であるキャリアを用いることを特徴とする、特許請求の範囲第1項または第2項記載の現像装置。
  4. 熱硬化性樹脂をバインダーとし内部に磁性体を分散した樹脂キャリアを用いることを特徴とする、特許請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載の現像装置。
  5. トナー表面形状係数SF値が100以上140以下であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項から第4項のいずれかに記載の現像装置。
  6. トナー中に滑剤としてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムの金属石けんを少なくとも一つ以上トナー中に含むことを特徴とする、特許請求の範囲第1項から第5項のいずれかに記載の現像装置。
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