JP2005351460A - ピストンリング - Google Patents
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Abstract
【課題】リング溝の摩耗態様を好適に制御することのできるピストンリングを提供する。
【解決手段】ピストン外周のリング溝に装着されるピストンリング14を、各々熱膨張率の異なる材質で形成された上層17及び下層18を積層した二層構造に形成する。こうしたピストンリング14は、両層の熱膨張率の差違によって機関負荷の増大に伴う温度上昇に応じて断面湾曲状に熱変形することで、装着されたリング溝との接触状態を機関負荷に相関して自律的に調整する。
【選択図】 図3
【解決手段】ピストン外周のリング溝に装着されるピストンリング14を、各々熱膨張率の異なる材質で形成された上層17及び下層18を積層した二層構造に形成する。こうしたピストンリング14は、両層の熱膨張率の差違によって機関負荷の増大に伴う温度上昇に応じて断面湾曲状に熱変形することで、装着されたリング溝との接触状態を機関負荷に相関して自律的に調整する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ピストン外周のリング溝に装着されるピストンリングに関する。
内燃機関のピストンには、燃焼室の気密保持やオイルの燃焼室への侵入を防止するためのピストンリングが取り付けられている。ピストンリングは、ピストン外周に形成されたリング溝(リンググルーブ)に装着される。一般に内燃機関では、上記気密保持の役割を主として担うコンプレッションリングとシリンダ壁面の余剰したオイルを掻き落とす役割を主として担うオイルリングとの2種類のピストンリングが設けられている。
図10に、上記コンプレッションリングとして用いられるピストンリングの一例を示す。同図に示されるようにコンプレッションリング用のピストンリングは一般に、合口と云われる切れ目の設けられた円環平板形状とされている。こうしたピストンリングでは、その内周面と外周面(すべり面)との間の肉厚を「厚さ」といい、その上面と下面との間の肉厚を「幅」という。
機関運転中の高温高圧の環境下でピストンが動作されると、ピストンリングがリング溝に凝着してリング溝を摩耗させることがある。そこで従来、例えば特許文献1等に見られるようにピストンのリング溝周囲を硬化処理等により強化することで、リング溝の摩耗を抑制する技術が提案されている。
特開平5−306650号公報
ところでピストンリング、特に上記コンプレションリングには、内燃機関の膨張行程にその上面に高い燃焼圧が作用する。図11に示すように、このときのピストンリングの上面には、燃焼圧による荷重がその全面にほぼ均等に分布して作用する。そしてこの燃焼圧により、ピストンリングはリング溝の下方側面、すなわちリング溝のクランクケース側の側面に押し付けられる。
ところがピストンリングは、その外周部分がリング溝から突出された状態で装着されていることから、上記押し付け時にリング溝下方側面がピストンリングから受ける面圧は、同図に示すようにリング溝開口部付近で局所的に高くなる。このようなリング溝の面圧の不均等分布により、リング溝は、その開口部付近の溝幅が広がるように偏摩耗してしまう。こうしたリング溝の偏摩耗は、ピストンリングにがたつきを生じさせ、気密性の低下やピストンリングの凝着等の不具合を招く。
上記のような硬化処理では、リング溝の摩耗を全体的に低減できるものの、より高い面圧の作用する部位でより早く摩耗が進行することに変わりはなく、上記のような開口部付近の偏摩耗の効果的な抑制は困難となっている。またそうした硬化処理の実施は、ピストンの製造コストを増大させる要因となってしまう。
本発明の解決しようとする課題は、リング溝の摩耗態様を好適に制御することのできるピストンリングを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果を記載する。
請求項1に記載の発明は、ピストン外周のリング溝に装着されるピストンリングにおいて、当該ピストンリングの幅方向において、熱膨張率が変化するよう形成されたことをその要旨とする。
請求項1に記載の発明は、ピストン外周のリング溝に装着されるピストンリングにおいて、当該ピストンリングの幅方向において、熱膨張率が変化するよう形成されたことをその要旨とする。
上記のように構成されたピストンリングは、温度が変化すると、その幅方向での熱膨張率の違いにより変形するようになる。こうしてピストンリングが変形すれば、ピストンリングとリング溝との接触状態が変化する。そしてその結果、燃焼圧作用時のリング溝下方側面の面圧分布が変化するようになる。
一方、内燃機関の負荷が大きくなれば、燃焼圧が高まるとともに、燃焼により発生する熱量も大きくなってピストンリングの温度が上昇する。そのため、上記構成のピストンリングでは、当該ピストンリングに作用する燃焼圧と相関して、燃焼圧作用時のリング溝下方側面の面圧分布が自律的に調整されるようになる。したがって上記構成によれば、ピストンリングの装着されるリング溝の摩耗態様を好適に制御することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のピストンリングにおいて、当該ピストンリングの上面及び下面のいずれか一方の側から他方の側に向かうにつれ、熱膨張率が順次小さくなるように形成されたことをその要旨とする。
上記のように構成されたピストンリングは、温度の変化に応じて断面円弧状に変形し、リング溝下方側面に当接されるピストンリング下面が湾曲面となる。こうした熱変形によるピストンリング下面の湾曲度合は、内燃機関の負荷の変化に伴うピストンリングの温度変化に応じて変化する。そしてその結果、燃焼圧作用時のリング溝下方側面の面圧分布が燃焼圧に相関して自律的に調整されるようになる。なおこうした湾曲状に熱変形するピストンリングでは、温度変化に伴うピストンリングの変形態様、及びそれに伴う燃焼圧作用時のリング溝との面圧分布の変化態様の予測が容易であるため、リング溝の摩耗態様の制御がより容易でもある。
請求項3に記載の発明は、ピストン外周のリング溝に装着されるピストンリングであって、熱膨張率のそれぞれ異なる複数の層が当該ピストンリングの幅方向に積層された多層構造とされたことをその要旨とする。
上記のような多層構造とされたピストンリングは、燃焼圧の増大に伴う温度上昇に応じて、層間の熱膨張率の違いにより熱変形する。そしてその熱変形に応じて燃焼圧作用時のリング溝下方側面の面圧分布が変化されるようになる。したがって、上記ピストンリングによれば、燃焼圧作用時の面圧分布を燃焼圧に相関して自律的に調整し、ピストンリングの装着されるリング溝の摩耗態様を好適に制御することができる。なお上記のような多層構造とすれば、幅方向で熱膨張率の変化したピストンリングを容易に製造することができるようにもなる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のピストンリングにおいて、当該ピストンリングの上面及び下面のいずれか一方側の層から他方側の層に向かうにつれ、熱膨張率が順次小さくなるように形成されたことをその要旨とする。
上記のような積層構造とすれば、ピストンリングの断面は、その温度変化に応じて湾曲状に熱変形されるようになり、温度状態の変化によるその湾曲度合の変化を通じてリング溝の摩耗態様を好適に制御することができる。
請求項5に記載の発明は、ピストン外周のリング溝に装着されるピストンリングであって、ピストンリング上面及び下面のいずれか一方の面を構成する熱膨張率のより大きい層と、他方の面を構成する熱膨張率のより小さい層とを積層した二層構造とされたことをその要旨とする。
上記の如くピストンリングを構成すれば、内燃機関の負荷に応じてリング溝下方側面との面圧分布を好適に変化させ、リング溝の摩耗態様を好適に制御可能なピストンリングを容易に製造することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のピストンリングにおいて、当該ピストンリングは、機関冷間時には略平板状となり、機関温間時には断面円弧状となるように熱変形することをその要旨とする。
上記構成では、機関停止中や機関始動直後のような機関温間時には、ピストンリングは略平板状となっている。一方、燃焼室内の燃焼による熱を受けてピストンリングの温度が上昇する機関温間時には、ピストンリングはその断面が円弧状に熱変形し、リング溝下方側面と当接されるピストンリング下面が湾曲面となる。そしてそのピストンリング下面の湾曲度合は、ピストンリングの温度が上昇するにつれて大きくなる。このようにピストンリングを熱変形させることで、燃焼圧作用時にリング溝下方側面が受ける面圧の不均等分布の抑制を図り、偏摩耗を効果的に抑制することができる。
以下、本発明のピストンリングを具体化した一実施形態を、図1〜図7を参照して詳細に説明する。
図1に、本発明の適用されたピストンリングの装着されたピストン10の断面構造を示す。なお図1(b)は、同図(a)の二点鎖線円Bで示された、ピストン10のリング溝付近の拡大断面構造を示している。
図1に、本発明の適用されたピストンリングの装着されたピストン10の断面構造を示す。なお図1(b)は、同図(a)の二点鎖線円Bで示された、ピストン10のリング溝付近の拡大断面構造を示している。
ピストン10の上部外周には、3つのリング溝11〜13が形成されている。これらリング溝11〜13にはそれぞれピストンリング14〜16が装着される。これらピストンリングのうち、上部2つのリング溝11,12に装着されるピストンリング14,15は、主として燃焼室の気密保持の役割を担う第1及び第2のコンプレッションリングとなっている。また最下部のリング溝13に装着されるピストンリング16は、主としてシリンダ壁面の余剰オイルの掻き落としの役割を担うオイルリングとなっている。
内燃機関の燃焼圧は、これら3つのピストンリングのうち、最上部の第1コンプレッションリングであるピストンリング14には、最も大きく作用する。ここではそうしたピストンリング14に本発明を適用した場合を例に説明する。
図2に、本発明の適用されたピストンリング14の平面構造及び側面構造を示す。ピストンリング14の外形形状は、燃焼ガスの熱の影響を受けていない低温条件では、図10に例示した一般的なコンプレッションリングと同様の、合口の形成された円環平板形状となっている。
図3に、ピストンリング14の断面構造を示す。同図に示すようにピストンリング14は、その幅方向において熱膨張率の異なる2枚の金属平板を積層して形成された2層構造をなす、いわゆるバイメタル構造とされている。ピストンリング14の上面側、すなわち装着時の燃焼室側を構成する上層17は、同ピストンリング14の下面側、すなわち装着時のクランクケース側を構成する下層18に比して熱膨張率の大きい金属材料によって形成されている。
以上のように構成されたピストンリング14は、その温度が上昇すると熱膨張による変形が生じる。このときのピストンリング14では、熱膨張率のより大きい下層18が上層17よりも大きく熱膨張する。そのため、図4に示すようにピストンリング14の断面が円弧状に変形し、ピストンリング14の下面が、下方側に凸となった湾曲面となる。
図5に、低負荷運転時の上記ピストンリング14の挙動を示す。なお同図左方には、燃焼圧の作用の無いとき(例えば該当気筒の圧縮行程)のピストンリング14の状態が、同図右方には、燃焼圧の作用を受けているとき(該当気筒の膨張行程)のピストンリング14の状態がそれぞれ示されている。
ピストンリング14の温度が機関運転中の燃焼室の熱によって上昇すると、上記のような上層17、下層18の熱膨張率の違いのため、ピストンリング14は断面円弧状に熱変形する。そしてリング溝11下方側面(クランクケース側の側面)に当接されるピストンリング14下面は、下方側に凸となった湾曲面となる。こうして湾曲変形されたピストンリング14下面は、燃焼圧の作用の無い状態においては、同図左方に示すように、リング溝11下方側面に対してその開口部よりも内側の点Pのみで当接するようになる。すなわち、このときのピストンリング14下面は、リング溝11開口部付近では、リング溝11下方側面に対して離間するようになる。
該当気筒の膨張行程には、同図右方に示すようにピストンリング14上面に燃焼圧が作用して、ピストンリング14下面はリング溝11下方側面に押し付けられる。このときのリング溝11開口部付近では、燃焼圧の作用前の状態でピストンリング14下面とリング溝11下方側面とが離間しているため、上記押し付けに対してピストンリング14が弾性変形する。この弾性変形によって燃焼圧による荷重が吸収され、開口部付近でのリング溝11下方側面がピストンリング14から受ける面圧は低減されるようになる。そのため、このピストンリング14では、上述したような従来のピストンリングが採用された場合のような開口部付近のリング溝11下方側面の局所的な面圧増大が抑えられる。すなわち、燃焼圧作用時のリング溝11下方側面の面圧分布がより均等化されるようになる。
一方、高負荷運転時には、膨張行程のピストンリング14上面にはより大きい燃焼圧が作用するようになる。このときのピストンリング14の挙動を図6に示す。なお同図においてもその左方には燃焼圧の作用の無いときの状態が、その右方には燃焼圧の作用を受けているときの状態がそれぞれ示されている。また同図左方には、低負荷運転における燃焼圧非作用時のピストンリング14の状態が点線で併せ示されている。
高負荷運転時には、燃焼圧とともに燃焼により発生する熱量も増大して、ピストンリング14の温度は更に上昇するようになる。同図左方に示すように、このときの熱変形によるピストンリング14断面の湾曲度合は低負荷運転時よりも大きくなり、またピストンリング14下面の曲率はより小さくなる。そのため、高負荷運転時には、リング溝11開口部付近のピストンリング14下面は、燃焼圧の作用前の状態でリング溝11下方側面に対し、低負荷運転時よりも更に大きく離間するようになる。
ここで膨張行程にその上面に燃焼圧が作用されると、ピストンリング14はやはり、リング溝11下方側面に押し付けられることになる。そして燃焼圧の作用前の状態でリング溝11下方側面に対して離間されたピストンリング14のリング溝11開口部付近では、その押圧に対する弾性反発力が発生する。このとき発生する弾性反発力は、上記離間量がより大きいことから、低負荷運転時よりも更に大きくなる。そのため、このピストンリング14では、上記のような熱変形によるリング溝11開口部付近の面圧低減効果が、燃焼圧の高まりに応じて大きくなる。
図7に、こうしたピストンリング14の装着されたリング溝11の摩耗形態を示す。なお同図には、図10、11に例示した従来のピストンリングを装着した場合のリング溝11の摩耗形態を二点鎖線で併せ示している。
以上説明したように本実施形態のピストンリング14では、その上層17、下層18間の熱膨張率の差違による自身の熱変形によって、リング溝11下方側面の面圧分布を燃焼圧に相関して自律的に調整することができる。そのため、開口部付近の局所的な面圧の増大が抑制され、同図に示すように開口部付近のリング溝11下方側面の偏摩耗が効果的に抑制されるようになる。
以上説明した本発明の実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
(変形例)
温度上昇に応じてピストンリングが、上記実施形態のピストンリング14とは上下逆に、上方側に凸となるよう湾曲変形するように構成するようにしても良い。この場合にも、上記実施形態と同様に、開口部付近のリング溝11下方側面の偏摩耗を抑制することができる。
(変形例)
温度上昇に応じてピストンリングが、上記実施形態のピストンリング14とは上下逆に、上方側に凸となるよう湾曲変形するように構成するようにしても良い。この場合にも、上記実施形態と同様に、開口部付近のリング溝11下方側面の偏摩耗を抑制することができる。
例えば図8に示すピストンリング20は、上記実施形態のピストンリング14と同様に、上層21及び下層22の二層構造とされている。ただしこのピストンリング20では、上記ピストンリング14とは上下逆に、その下層22の熱膨張率が上層21の熱膨張率よりも大きくなるように構成されている。こうしたピストンリング20は、機関停止中のような低温条件では平板状となっているが、機関運転中の高温条件では、上記熱膨張率の差のため、上方(燃焼室側)が凸となるようにその断面が湾曲した状態に熱変形する。
このように上方凸に湾曲変形したピストンリング20は、燃焼圧の非作用時にリング溝11下方側面に対して、図9左方に示すように内周側の点Pのみで当接し、開口部付近では離間するようになる。そのため、リング溝11開口部付近では、同図右方に示すように燃焼圧によりピストンリング20が押し付けられた際に、リング溝11下方側面の受ける面圧がピストンリング20の弾性反発力によって低減されるようになる。したがって、こうしたピストンリング20によっても、リング溝11開口部付近の面圧の局所的な増大を抑え、偏摩耗を抑制することができる。
(その他の変形例)
・ピストンリングを、熱膨張率の異なる3つ以上の層をその幅方向に積層した構成とするようにしても良い。こうした場合にも、リング溝下方側面が受ける面圧の分布を、ピストンリングに作用する燃焼圧の大きさに相関して自律的に調整することはできる。
・ピストンリングを、熱膨張率の異なる3つ以上の層をその幅方向に積層した構成とするようにしても良い。こうした場合にも、リング溝下方側面が受ける面圧の分布を、ピストンリングに作用する燃焼圧の大きさに相関して自律的に調整することはできる。
なお3層以上の多層構造とする場合にも、上面及び下面のいずれか一方側の層から他方側の層に向かうにつれ、各層の熱膨張率が順次小さくなるようにピストンリングを形成すれば、上記実施形態と同様に、温度上昇とともにピストンリングを断面円弧状に熱変形させることができる。
・積層構造とする以外にも、幅方向において熱膨張率が変化するようにピストンリングが構成されていれば、機関負荷の増大に伴う温度上昇に応じてリング溝下方側面に対するピストンリング下面の接触状態が変化するようになる。そのため、そうした場合にも、同様にピストンリングの熱変形を通じてリング溝下方側面の摩耗態様を適宜制御することができる。この場合にも、上面及び下面のいずれか一方の側から他方の側に向かうにつれ、熱膨張率が順次小さくなるようにピストンリングを形成すれば、上記実施形態と同様、温度上昇とともにピストンリングを断面円弧状に熱変形させることができる。
・上記実施形態及びその変形例では、リング溝下方側面の開口部付近の偏摩耗を抑制するようにピストンリングを熱変形させる場合を説明したが、同様にしてリング溝下方側面のそれ以外の部分での偏摩耗を抑制することもできる。そうした場合、リング溝下方側面に対して、摩耗抑制の必要な部位では離間し、それ以外の部位で当接するように、ピストンリング下面が温度上昇に応じて熱変形するようにその幅方向での熱膨張率を変化させることで、所望とする部位の効果的な摩耗の抑制が可能となる。
・上記実施形態及びその変形例のピストンリングは、機関停止中のような低温条件では平板状となっており、機関運転中の高温条件で断面円弧状に熱変形するように構成されていたが、これ以外の態様で熱変形するようにピストンリングを構成して良い。例えば低温条件でピストンリングが既に断面円弧状となっており、温度上昇に応じてその曲率が小さく(或いは大きく)なるようにピストンリングを熱変形させるようにしても良い。またピストンリングの断面が、低温条件で下側凸(又は上側凸)の円弧状となり、高温条件で上側凸(下側凸)の円弧状となるようにピストンリングを熱変形させるようにしても良い。
・本発明のピストンリングは、第1コンプレッションリング以外のピストンリングにも同様に適用することができる。また本発明のピストンリングは、図1に例示した構成以外のピストンについても同様に適用することができる。
10…ピストン、11〜13…リング溝、14〜16,20…ピストンリング、17,21…上層、18,22…下層。
Claims (6)
- ピストン外周のリング溝に装着されるピストンリングにおいて、当該ピストンリングの幅方向において、熱膨張率が変化するよう形成されたことを特徴とするピストンリング。
- 当該ピストンリングの上面及び下面のいずれか一方の側から他方の側に向かうにつれ、熱膨張率が順次小さくなるように形成された請求項1に記載のピストンリング。
- ピストン外周のリング溝に装着されるピストンリングであって、熱膨張率のそれぞれ異なる複数の層が当該ピストンリングの幅方向に積層された多層構造とされたことを特徴とするピストンリング。
- 当該ピストンリングの上面及び下面のいずれか一方側の層から他方側の層に向かうにつれ、熱膨張率が順次小さくなるように形成された請求項3に記載のピストンリング。
- ピストン外周のリング溝に装着されるピストンリングであって、ピストンリング上面及び下面のいずれか一方の面を構成する熱膨張率のより大きい層と、他方の面を構成する熱膨張率のより小さい層とを積層した二層構造とされたことを特徴とするピストンリング。
- 当該ピストンリングは、機関冷間時には略平板状となり、機関温間時には断面円弧状となるように熱変形する請求項1〜5のいずれか1項に記載のピストンリング。
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