JP4446841B2 - オイルリング - Google Patents

オイルリング Download PDF

Info

Publication number
JP4446841B2
JP4446841B2 JP2004252790A JP2004252790A JP4446841B2 JP 4446841 B2 JP4446841 B2 JP 4446841B2 JP 2004252790 A JP2004252790 A JP 2004252790A JP 2004252790 A JP2004252790 A JP 2004252790A JP 4446841 B2 JP4446841 B2 JP 4446841B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
oil ring
oil
ring
tension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004252790A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006070947A (ja
Inventor
孝男 鈴木
伸行 松嶋
親子 笹生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Piston Ring Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Nippon Piston Ring Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Piston Ring Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Nippon Piston Ring Co Ltd
Priority to JP2004252790A priority Critical patent/JP4446841B2/ja
Publication of JP2006070947A publication Critical patent/JP2006070947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4446841B2 publication Critical patent/JP4446841B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Description

本発明は、内燃機関のピストンのピストンリング溝に装着されるオイルリングに関する。
内燃機関は、シリンダ内で吸入空気と燃料とを混合させた混合気を燃焼させ、このときの爆発力をピストンを介して取り出している。ピストンは、シリンダ内で往復運動する。図4に示されるように、このピストン101には、シリンダとピストン101とによって形成される燃焼室の気密性を保持するためや、シリンダ内周面に適切な潤滑油膜を形成してシリンダ内周面とピストンリングの摩耗を少なくすると共に、余分な潤滑油を掻き落とす等の機能を有するピストンリング102〜104が装着されている。
ピストンリング102〜104は、通常、一つのピストン101に三つ取り付けられる。102、103は、コンプレッションリング(圧力リング)と呼ばれ最も上方のピストンリングはトップリング102と呼ばれ、その下方に位置するリングはセカンドリング103と呼ばれる。これらコンプレッションリングは、主として気密性を確保するためのものである。セカンドリングは潤滑油のコントロール機能も有している。これに対して、最も下方のオイルリング104は、ピストン101の下降時にシリンダ内面の余分なオイルを掻き取り、適切な潤滑油膜を形成し燃焼室でオイルが燃えて消費されてしまうのを抑止する役割を主としている。
オイルリングの形態にはいくつかあるが、図4に挙げたものは、いわゆる2ピースタイプのものである。この2ピースタイプのオイルリングの一部拡大斜視図を図5に示す。このタイプのオイルリングでは、主として上下レール104aの背面側に配置されたコイルスプリング104bの復元力でリング張力を発生させて、上下レール104aをシリンダ内面に押しつけている。上下レール104aは、その上下にオイルを掻き取る突起104cが全周にわたって形成されている。また、一対の突起104cの間にはオイル戻し用の孔104dが、周方向に一定間隔毎に形成されている。
特開2004−3574号公報
このような、内燃機関の中でもピストンリングにおいては、シリンダライナ(ボア)との摺動におけるフリクションの低減による燃費の向上が求められている。具体的に、フリクションを低減させるためには、ピストンリング張力を下げることが有効である。オイルリングの対応としては、張力の低下に伴いシリンダ内周面に接するピストンリングの接触面積を小さくする薄幅化が進んでいる。オイルリングは圧力リングに比べオイル掻き落とし機能を持たせるため、さらに接触幅を小さくすることで、接触面積を小さくし面圧を上げ、シール性、オイル掻き取り性を向上させている。
但し、張力を下げすぎるとピストンリングのシール性が十分にできなく、オイルシール性が悪くなってしまう。特許文献1には、フリクション低減手段としてエンジンの低負荷状態では低張力になるようにし、高負荷状態すなわち、エンジンの回転数が高くなり温度が上昇した際、高張力としてオイルコントロール性を維持するようにした、二重のコイルエキスパンダを有するピストンリングについての開示がある。
この技術では、低温時にはリングを拡径方向に押圧するマスターエキスパンダと、形状記憶合金からなり高温時にリングを拡径方向に押圧するサブエキスパンダにより張力を可変させている。このようなエキスパンダの内部にエキスパンダをセットした二重エキスパンダでは、張力を高める形状記憶合金に対しコイル線材を厚くし、更に巻き径を大きくしなければならず、ピストンリングの薄幅化に対しては対応ができない問題があった。
本発明では、コイルエキスパンダを二重にしない方法で、オイルリングの薄幅化に対応できるピストンリングを提供することである。
請求項1に記載のオイルリングは、内燃機関のシリンダ内周面と摺動する上下レールを有するオイルリング本体と、このオイルリング本体を背面からシリンダ内周面に向けて付勢する拡張リングとからなる。そして、拡張リングが、一つの第一コイルと、第一コイルを上下から挟み込むように配設された一対の第二コイルとからなり、各第二コイルの巻き径が第一コイルの巻き径よりも小さい。また、前記第一コイルと前記第二コイルとが互いに変態温度の異なる形状記憶合金によってそれぞれ形成されており、前記第一コイルの方が変態温度が高い。なお、ここに言う背面とは、オイルリングの内周側の面を言う。また、ここに言う上下とは、オイルリング(コイル)の円によって規定される面の表裏に対応する。
また、請求項2に記載のオイルリングは、内燃機関のシリンダ内周面と摺動する上下レールを有するオイルリング本体と、このオイルリング本体を背面からシリンダ内周面に向けて付勢する拡張リングとからなる。そして、拡張リングが、一つの第一コイルと、上下レールを有するオイルリング本体の上下面に形成された溝内に収納された一対の第二コイルとからなり、各第二コイルの巻き径が第一コイルの巻き径よりも小さい。なお、ここに言う背面とは、オイルリングの内周側の面を言う。また、ここに言う上下面とは、オイルリング(コイル)の円によって規定される面の表裏に対応する。
請求項3に記載の発明は、請求項に記載のオイルリングにおいて、第一コイルと第二コイルとが互いに変態温度の異なる形状記憶合金によってそれぞれ形成されており、第一コイルの方が変態温度が高いことを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のオイルリングにおいて、第一コイルの張力が、一対の第二コイルの各張力を合わせた合成張力よりも小さいことを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のオイルリングにおいて、一対の第二コイルのうち、ピストンスカート側の第二コイルの張力の方が、ピストンクラウン側の第二コイルの張力よりも大きいことを特徴としている。
請求項1に記載のオイルリングによれば、第一コイルでオイルリング本体をシリンダ内面に押圧する。このとき、第一コイルの張力が上下レールに対して与える力はオイルリング本体の厚さ方向のほぼ中央付近となる。さらに、一対の第二コイルによって第一コイルの上方と下方からもオイルリング本体をシリンダ内面に対して押圧させる。このため、オイルリング本体は、その背面側から厚さ方向に均等に押圧され、オイルリングの倒れが有効に防止される。また、ここで、一対の第二コイルが第一コイルを上下から挟み込むことになるため、第一リングの位置ズレが防止され、また、同時に各第二コイルも第一コイルによってその位置ズレが防止され、より確実に(リング張力の変動を抑止して)上下レールをシリンダ内周面に押しつけることができる。一対の第二コイルで第一コイルを挟み込
むには、第二コイルの巻き径が大きいとオイルリングが大型化してピストンリング軸方向幅が増加する為ピストンの重量増加を招く。この点からも、第二コイルの径は第一コイルの径よりも小さくする必要がある。また、請求項1に記載のオイルリングによれば、変態温度の異なる形状記憶合金を用いて、内燃機関の低負荷(低回転:低温)時にはオイルリングのシリンダ内壁への押圧力を低めとし、高負荷(高回転:高温)時には押圧力を高くし、かつ、その過程における押圧力の変化を最適化することができる。この結果、低負荷(低回転:低温)時におけるシリンダ−ピストン間のフリクション低減による燃費向上と、高負荷(高回転:高温)時におけるシール性向上によるオイル消費抑制/ブローバイ抑制とを両立させることができる。ここでは、巻き径の大きな第一コイルの変態温度を高くしている。変態温度の高い形状記憶合金は巻き径を小さくすることが難しいため、このように構成することで、オイルリングの構築を容易にすることができる。
請求項2に記載のオイルリングによれば、第一コイルでオイルリング本体をシリンダ内面に押圧する。このとき、第一コイルの張力がオイルリング本体に対して与える力はオイルリング本体の厚さ方向のほぼ中央付近となる。さらに、上下レールを有するオイルリング本体の上下面に形成された溝内に収納された一対の第二コイルによって第一コイルの上方と下方からもオイルリング本体をシリンダ内周面に対して押圧させる。このため、オイルリング本体は、その背面側からピストンリング軸方向に均等に押圧され、オイルリングの倒れが有効に防止される。
請求項3に記載のオイルリングによれば、変態温度の異なる形状記憶合金を用いて、内燃機関の低負荷(低回転:低温)時にはオイルリングのシリンダ内壁への押圧力を低めとし、高負荷(高回転:高温)時には押圧力を高くし、かつ、その過程における押圧力の変化を最適化することができる。この結果、低負荷(低回転:低温)時におけるシリンダ−ピストン間のフリクション低減による燃費向上と、高負荷(高回転:高温)時におけるシール性向上によるオイル消費抑制/ブローバイ抑制とを両立させることができる。ここでは、巻き径の大きな第一コイルの変態温度を高くしている。変態温度の高い形状記憶合金は巻き径を小さくすることが難しいため、このように構成することで、オイルリングの構築を容易にすることができる。
請求項4に記載のオイルリングによれば、第一コイルの張力を一対の第二コイルの各張力を合わせた合成張力よりも小さくしている。即ち、第二コイルによる押圧が主、第一コイルによる押圧を従とし、第二コイルによるサイドレールの姿勢維持をより確実に行うようにできる。特に、請求項3の構成を備えている場合、変態温度の高い形状記憶合金は巻き径を小さくしにくいだけでなく高い張力を得ることが難しいため、このように構成することで、オイルリングの構築を容易にすることができる。
請求項5に記載のオイルリングによれば、一対の第二コイルのうち、ピストンスカート側の第二コイルの張力の方が、ピストンクラウン側の第二コイルの張力よりも大きくされているため、ピストン下降時にレールの下側をより強くシリンダ内面に押圧させてより確実にエンジンオイルの掻き取りを行うことができる。この結果、オイル消費を低減することができる。
第一発明のオイルリングの実施形態(第一実施形態)について以下に説明する。図1に、第一実施形態のオイルリング1aの断面図を示す。第一実施形態のオイルリング1aは、上述した図4及び図5に記載の2ピースタイプのオイルリングに準じるものであり、オイルリング本体2と拡張リング(第一コイル3及び一対の第二コイル4)とからなる。なお、図示されていないが、オイルリング本体2や拡張リング3,4に合い口があるのは通常のオイルリングと同様である。
オイルリング本体2は、従来のものと変わりなく、その外周側の上下にオイルを掻き取るレール部2aが全周にわたって形成されていると共に、内周側には拡張リング3,4を収納する溝が全周にわたって形成されている。また、一対のレール部2aの間には、外周側から内周側にかけてオイル戻し用のオイルリング窓2bが、周方向に一定間隔毎に貫通形成されている。
本実施形態の拡張リング3,4は、変態温度の異なる形状記憶合金で形成されている。ここでは、第一コイル3の方が巻き径が大きく、巻き径の小さい一対の第二コイル4が第一コイル3を上下から挟み込んでいる。第一コイル3と第二コイル4との巻きピッチはほぼ一致するようになされており、図1に示されるように、第一コイル3と第二コイル4とは、互いに相手側にその一部を入り込ませている。このため、第一コイル3と第二コイル4とは一体的に周方向に移動する。この結果、第一コイル3及び第二コイル4が一体的に周方向に移動するため、これらと接触するオイルリング本体2も周方向に回転しやすくなる。オイルリング本体2が周方向に回転することで、オイルリング1aとシリンダ内面との接触位置が常に変化し、オイルリング1aとシリンダ内面との摩耗が均一化され、気密性やオイル掻き取り性能が向上する。
また、主として、拡張リング3,4の弾性復元力によってオイルリング1aのリング張力が生じる(オイルリング本体2によっても一部張力は発生する)が、第一コイル3及び第二コイル4は形状記憶合金で構成されるため変態温度の前後でリング張力が変化する。第一コイル3による張力と、一対の第二コイル4の合成張力と、これらのすべてを合わせた合成張力との関係を図2に示す。なお、最終的なリング張力は、この合成張力とオイルリング本体2自体によってもたらされる張力との和となる。
図2に示されるように、第一コイル3を構成する形状記憶合金の変態温度の方が第二コイル4を構成する形状記憶合金の変態温度よりも高くされている。また、二つの第二コイル4による合成張力の方が第一コイル3による張力よりも大きくなっている。拡張リング3,4の張力のレベルは、線径、巻き径、巻きピッチなどによって決まる。さらに、変態温度の前後で巻き径や巻きピッチなどの形状が変わるので張力が変わる。
一般に、変態温度の前後で形状を変える形状記憶合金としては、既に公知の2元系合金(Ni−Ti系)のものと3元系合金(Mn−Cu−Ni系、Mn−Cu−Cr系、Fe−Ni−Cr系)のものとがある。3元系の方が変態温度が高いが、硬くて脆いという特性を有している。このため、コイル状にするときに巻き径を小さくすることが技術的に難しい。そこで、本実施形態では、第一コイル3を比較的高温での変態温度を有する3元系の形状記憶合金とし、一対の第二コイル4を比較的低温での変態温度を有する2元系の形状記憶合金としている。このようにすれば、第一コイル3を無理なく形成することができる。
また、本実施形態では、オイルリング本体2の上下、即ち、実際にオイルの掻き取りやシリンダ内面(=ボア面)との間の気密性を確保するレール部2aをオイルリング本体2の背面から確実にシリンダ内面側に押しつけることで、オイル掻き取り性能と気密性能を確実に得ることができる。また、オイルリング本体2の上下を押圧することでオイルリング本体2の倒れを起こさせにくくでき(=ボア面への追従性を向上させ)、倒れによるオイル掻き取り性能/気密性能の悪化を抑止することもできる。
一般に、2元系の形状記憶合金の方が3元系の形状記憶合金よりも横弾性係数が大きく、張力を大きくすることができるが、本実施形態では、この一対の第二コイル4が2元系の形状記憶合金で構成されるため、上述したオイルリング本体2上下部分のシリンダ内面への押圧や倒れ防止の観点から都合がよい。このように、第一コイル3の張力を一対の第二コイル4の合成張力よりも小さくすることで、第二コイル4による押圧が主、第一コイル3による押圧を従とし、第二コイル4によるサイドレールの姿勢維持をより確実に行うようにしている。
さらに、ここで、一対の第二コイル4のうち、図1に示す下面側(ピストンスカート側)の第二コイル4の張力を、ピストンクラウン側の第二コイル4の張力よりも大きくしても良い。このようにすれば、ピストン下降時にオイルリング本体2の下側をより強くシリンダ内面に押圧させることで、より確実にエンジンオイルの掻き取りを行ってオイル消費を低減することができる。
上述したように、オイルリングには、低負荷(低回転:低温)時におけるシリンダ−ピストン間のフリクション低減による燃費向上と、高負荷(高回転:高温)時におけるシール性向上によるオイル消費抑制/ブローバイ抑制との両立も要求される。このことを考えた場合、拡張リング3,4の合成張力として要求される特性は、図2中に点線で示したようになる。要求されるリング張力は、低温(低負荷:低回転)時には小さく、温度(負荷:回転)の上昇に伴って大きくなる。
本実施形態のように、変態温度の異なる二つの形状記憶合金を組み合わせて用いることで、図2に示されるように、拡張リング3,4の合成張力を要求特性にほぼ一致させている。これによって、低温時の燃費向上と高温時のオイル消費抑制やブローバイ抑制を両立させることができる。また、低温時にはリング張力が相対的に低下されることとなるが、これによって、上述した燃費向上の他に、冷間始動時におけるフリクション低減による始動性向上という利点も実現することができる。
第二発明のオイルリングの実施形態(第二実施形態)について以下に説明する。図3に、第二実施形態のオイルリング1bの断面図を示す。第二実施形態のオイルリング1bも、上述した2ピースタイプのオイルリングに準じるものであり、オイルリング本体2と拡張リング(第一コイル3及び一対の第二コイル4)とからなる。図示されていないが、オイルリング本体2や拡張リング3,4に合い口があるのも上述したものと同様である。以下、上述した第一実施形態と同一又は同等の構成部分には、同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
ただし、オイルリング本体2の上下面に沿って、全周にわたって第二コイル収納溝2cが形成されている(合い口部のみで途切れる)。その他の部分に関しては従来及び第一実施形態のサイドレールと大きく変わるところはない。本実施形態においても、拡張リング3,4は、変態温度の異なる形状記憶合金で形成されている。ここでも、第一コイル3の方が巻き径が大きく、一対の第二コイル4の方が巻き径が小さい。第一コイル3による張力と、一対の第二コイル4の合成張力と、これらのすべてを合わせた合成張力との関係は、ここでも図2のようになる。図2に示されるように、第一コイル3を構成する形状記憶合金の変態温度の方が第二コイル4を構成する形状記憶合金の変態温度よりも高くされている。また、第二コイル4による合成張力の方が二つの第一コイル3による張力よりも大きくなっている。
本実施形態でも、第一コイル3を比較的高温での変態温度を有する3元系の形状記憶合金とし、一対の第二コイル4を比較的低温での変態温度を有する2元系の形状記憶合金としており、第一コイル3を無理なく形成することができる。本実施形態では、各第二コイル収納溝2cに収納された一対の第二コイル4によって、レール部2aをオイルリング本体2の背面から確実にシリンダ内面側に押しつけることで、オイル掻き取り性能と気密性能を確実に得ることができる。また、サイドレールの上下を押圧することでオイルリング本体2の倒れを起こさせにくくでき、倒れによるオイル掻き取り性能/気密性能の悪化を抑止することもできる。
また、張力の大きな第二コイル4による押圧が主、第一コイル3による押圧を従とし、第二コイル4によるサイドレールの姿勢維持をより確実に行うようにしている。本実施形態においても、一対の第二コイル4のうち、ピストンスカート側の第二コイル4の張力を、ピストンクラウン側の第二コイル4の張力よりも大きくすれば、ピストン下降時にオイルリング本体2の下側をより強くシリンダ内面に押圧させることで、より確実にエンジンオイルの掻き取りを行ってオイル消費を低減することができる。
さらに、上述したように、本実施形態においても、第一コイル3と一対の第二コイル4とは、互いに異なる変態温度を持つ形状記憶合金でそれぞれ構成されている。これによって、低負荷(低回転:低温)時におけるシリンダ−ピストン間のフリクション低減による燃費向上と、高負荷(高回転:高温)時におけるシール性向上によるオイル消費抑制/ブローバイ抑制との両立も実現している。低温時にリング張力が相対的に低下されることで、上述した燃費向上の他に、冷間始動時におけるフリクション低減による始動性向上という利点を実現することができるのも上述した実施形態と同様である。
本発明(第一発明)のオイルリングの第一実施形態を示す断面図である。 各拡張リングのリング張力及びそれらの合成張力と温度との関係を示すグラフである。 本発明(第二発明)のオイルリングの第二実施形態を示す断面図である。 ピストンとピストンリングを示す断面図である。 従来の2ピースタイプのオイルリングの一例を示す斜視図である。
符号の説明
1a,1b…オイルリング、2…オイルリング本体、2a…レール部、2b…オイルリング窓、2c…第二コイル収納溝、3…第一コイル(拡張リング)、4…第二コイル(拡張リング)。

Claims (5)

  1. 内燃機関のシリンダ内周面と摺動する上下レールを有するオイルリング本体と、該オイルリング本体を背面から前記シリンダ内周面に向けて付勢する拡張リングとからなるオイルリングにおいて、
    前記拡張リングが、一つの第一コイルと、該第一コイルを上下から挟み込むように配設された一対の第二コイルとからなり、
    各第二コイルの巻き径が前記第一コイルの巻き径よりも小さく、前記第一コイルと前記第二コイルとが互いに変態温度の異なる形状記憶合金によってそれぞれ形成されており、前記第一コイルの方が変態温度が高いことを特徴とするオイルリング。
  2. 内燃機関のシリンダ内周面と摺動する上下レールを有するオイルリング本体と、該オイルリング本体を背面から前記シリンダ内周面に向けて付勢する拡張リングとからなるオイルリングにおいて、
    前記拡張リングが、一つの第一コイルと、前記上下レールを有するオイルリング本体の上下面に形成された溝内に収納された一対の第二コイルとからなり、
    各第二コイルの巻き径が前記第一コイルの巻き径よりも小さいことを特徴とするオイルリング。
  3. 前記第一コイルと前記第二コイルとが互いに変態温度の異なる形状記憶合金によってそれぞれ形成されており、前記第一コイルの方が変態温度が高いことを特徴とする請求項に記載のオイルリング。
  4. 前記第一コイルの張力が、一対の前記第二コイルの各張力を合わせた合成張力よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のオイルリング。
  5. 一対の前記第二コイルのうち、ピストンスカート側の前記第二コイルの張力の方が、ピストンクラウン側の前記第二コイルの張力よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のオイルリング。
JP2004252790A 2004-08-31 2004-08-31 オイルリング Expired - Fee Related JP4446841B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004252790A JP4446841B2 (ja) 2004-08-31 2004-08-31 オイルリング

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004252790A JP4446841B2 (ja) 2004-08-31 2004-08-31 オイルリング

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006070947A JP2006070947A (ja) 2006-03-16
JP4446841B2 true JP4446841B2 (ja) 2010-04-07

Family

ID=36151800

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004252790A Expired - Fee Related JP4446841B2 (ja) 2004-08-31 2004-08-31 オイルリング

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4446841B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4775269B2 (ja) * 2007-01-10 2011-09-21 トヨタ自動車株式会社 2ピース型のピストンリング

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006070947A (ja) 2006-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4132815B2 (ja) サイドレール及び組合せオイルリング
US20100162987A1 (en) Piston device for internal combustion engines
US5450783A (en) Low emission piston ring
JP2005069289A (ja) スペーサエキスパンダ
JP4446841B2 (ja) オイルリング
JP2005273583A (ja) ピストンリング
JP2002130049A (ja) 4サイクル式内燃機関用ピストン
JP5550870B2 (ja) 内燃機関用組合せオイルリング及びその組付構造
KR102657058B1 (ko) 피스톤 링
JP4254634B2 (ja) 内燃機関用ピストン
JP2010222985A (ja) ピストンリング及び内燃機関
US3253836A (en) Combination oil and compression ring
JP4900222B2 (ja) 内燃機関のピストン
US20050028779A1 (en) Piston for an internal combustion engine
JP2010112324A (ja) 内燃機関のピストン
JPH0248737B2 (ja) Pisuton
JP2019190513A (ja) ピストンリング
JPH11325248A (ja) 内燃機関のピストン
JPS6346677Y2 (ja)
JP4934989B2 (ja) ピストンリング
JP5015681B2 (ja) バンドリング
JP2010138711A (ja) シリンダライナ構造
JP2004340075A (ja) オイルリング
JP2010133321A (ja) シリンダライナの潤滑構造
JP2593138Y2 (ja) 内燃機関用ピストン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070420

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090717

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100119

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130129

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130129

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140129

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees