JP2005351312A - 移動機構 - Google Patents

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勝美 佐々木
Tomoko Hirayama
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Abstract

【課題】気体を用いる移動機構において、広い移動範囲で高精度の微小移動を可能にすることである。
【解決手段】移動機構10は、負荷可動子12を案内部の軸方向に沿って図1に示す矢印方向に広い範囲で微小移動させる機能を有する機能を有する。案内部14に案内され負荷可動子12を駆動する駆動可動子16は、その底面部と案内部14の内面とで形成される気体室13への供給気体圧を制御することで、軸方向に所定の粗動を行うことができる。また、負荷可動子12の下面の気体受面22と駆動可動子16の上面の気体受面24との間の隙間には気体供給路18から気体が供給され、その気体圧を制御し、負荷可動子12の自重又は一定外力発生装置からの外力による押付力と釣り合わせつつ両気体受面22,24の間の隙間量を調整して負荷可動子12を駆動可動子16に対し微小移動させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は移動機構に係り、特に、気体を用い、粗動及び微小移動の組合せにより可動子を移動させる移動機構に関する。
流体圧を用いるアクチュエータとしては、ピストンとシリンダーの機構で代表されるようによく知られている。流体圧アクチュエータは、特許文献1に示されるように、流体圧サーボ機構を用い、流体圧を制御することで移動体を駆動することができる。特に、空気等の気体を用いる気体圧アクチュエータは、油圧を用いるものに比べてコンタミネーションの問題が少なく、扱いやすい位置決め装置として期待されている。ところで、一般的に用いられる気体圧アクチュエータは、応答性があまり良くなく、そのために位置決め精度に限度がある。それは、気体圧アクチュエータのバネ定数が、気体室の体積が大きいほど小さくなり、また使用気体の圧縮率が大きいほど小さくなる傾向にあるが、シリンダーにおける空気室の体積を小さくするには限度があるため、高速応答がしにくいためである。
特開昭57−51002号公報
近年、位置決め装置において、その精度、分解能の向上の要求が著しい。例えば、半導体装置の露光装置では、半導体デバイスの最小線幅が100nmを切る。したがって、半導体デバイスの寸法精度の要求は10nm以下となり、そのための位置決めアクチュエータの位置決め精度は1nm以下、つまりサブnmのものが要望される。この高精度要求の一方で、スループット向上等のため露光装置に適用される半導体ウエファは大口径化する。例えば8インチウエファを用いるときは、移動範囲が300mmにも及ぶ。すなわち、例えば100mmを超えるような広い移動範囲で、サブnmの位置決め精度といった高精度の微小移動が可能な移動装置が望まれる。
気体アクチュエータを用いる移動機構は、他の機構に較べ、上記のようにコンタミネーションが少ないほか、電磁的ノイズを発生せず、温度変化による影響、振動、騒音も少ない。そこで半導体装置等の位置決めアクチュエータの用途等に期待される。しかし、上記のように気体の性質から来る特性のため、要望される高精度、高速応答を達成するには高度かつ複雑な制御を用いても困難なことが多く、さらに、広い移動範囲で、高精度の微小移動を制御するのは、きわめて至難なこととなる。
本発明の目的は、気体を用いる移動機構において、広い移動範囲で高精度の微小移動を可能にする移動機構を提供することである。
本発明は、一般的な気体アクチュエータを粗動アクチュエータに用い、その気体アクチュエータにさらに微小移動する機構を搭載し、粗動と微小移動とを組合せ、広い移動範囲で高精度の微小移動を可能にしよう、とするものである。そして、気体軸受機構のバネ定数が高いことに着目し、気体軸受の隙間をそこに供給する気体圧の制御により変化させ、この隙間の変化を対象物の微小移動に用い、応答性がよく、高精度の位置決め精度を有する移動機構を実現しようというものである。
ここで気体軸受機構とは、一般的にステージ等の載荷をベースに対し、適当な気体圧で浮上させて支える軸受機構である。気体軸受機構は、流体の一般的性質により、載荷の変動によりその隙間が狭くなろうとするときに、それに抗する作用を有する。例えば、気体軸受の隙間を約10μmとして、これを1μm変化させるにはおよそ10Nの力を要する。すなわち、バネ定数=力/変位は、およそ10N/cmとなり、一般的なピストン・シリンダ型の気体圧アクチュエータに比べ、格段に大きな値となる。また、気体軸受の隙間と供給気体圧との関係は、単純な構造のため、圧縮性気体の流れの理論に乗ることが予想され、その場合には、制御圧力と微小移動の関係の再現性が良く、複雑な制御を要しない。このような気体軸受機構の気体圧制御により、およそ数10μm程度の範囲で、nmオーダーの精度により微小移動を行わせることが可能である。これらは、移動量の計測をフィードバックしなくても実現可能であるが、さらに移動量を計測してフィードバック制御することで、より高精度の微小移動をさせることも可能となる。
本発明に係る移動機構は、外形の一部に気体受面を有する負荷可動子を粗動及び微小移動の組合せにより移動させる移動機構であって、負荷可動子の気体受面に向かい合う気体受面を有し、案内部内を移動軸方向に粗動可能な駆動可動子と、負荷可動子の気体受面又は駆動可動子の気体受面に開口し、両気体受面の間の隙間に気体を供給する気体供給路と、駆動可動子の気体受面に向かって隙間の気体を圧縮しつつ負荷可動子を押し付ける押付力発生部と、気体供給路に供給する気体圧を制御し、押付力と釣り合わせつつ両気体受面の間の隙間量を調整して負荷可動子を駆動可動子に対し微小移動させる微小移動制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る移動機構は、外形の一部に気体受面を有する負荷可動子を粗動及び微小移動の組合せにより移動させる移動機構であって、移動軸方向の両端部にそれぞれ気体受面を有し、一方側の気体受面は負荷可動子の気体受面に向かい合い、案内部内を移動軸方向に可能な中間可動子と、中間可動子の他方側の気体受面に向かい合う気体受面を有し、案内部内を移動軸方向に粗動可能な駆動可動子と、少なくとも負荷可動子の気体受面又は駆動可動子の気体受面に開口し、負荷可動子の気体受面と中間可動子の一方側気体受面との間の隙間と、中間可動子の他方側気体受面と駆動可動子の気体受面との間の隙間とに気体を供給する気体供給路と、駆動可動子の気体受面に向かって各隙間の気体を圧縮しつつ負荷可動子と中間可動子とを押し付ける押付力発生部と、気体供給路に供給する気体圧を制御し、押付力と釣り合わせつつ各隙間の隙間量を調整して負荷可動子を駆動可動子に対し微小移動させる微小移動制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る移動機構において、駆動可動子の案内部に対する軸方向の変位を検出する変位センサと、変位センサの検出する変位データに基づいて駆動可動子の粗動の位置制御を行う粗動制御部と、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る移動機構において、駆動可動子の案内部に対する移動をロックするロック手段を備えることが好ましい。
また、ロック手段は、駆動可動子の外周壁部と案内部の内周壁部との間に設けられる複数の気体軸受と、各気体軸受に供給する気体圧をアンバランスに調節し、駆動可動子を移動軸に垂直な方向で案内部の内周壁部に押し付けて駆動可動子の移動をロックする気体圧調整部と、を有することが好ましい。
また、本発明に係る移動機構において、移動の軸方向は、互いに直交するX軸方向とY軸方向とを有し、負荷可動子であるステージは、X軸方向の両端部と、Y軸方向の両端部にそれぞれ気体受面を有し、駆動可動子は、負荷可動子の各気体受面に対応してそれぞれ設けられることが好ましい。
また、本発明に係る移動機構において、さらに、移動の軸方向は、X軸方向及びY軸方向に直交するZ軸方向を有し、負荷可動子であるステージは、Z軸方向の一端部に気体受面を有し、駆動可動子は、その気体受面に対応して設けられることが好ましい。
また、本発明に係る移動機構は、ベースと可動ステージとの間に6つの移動アクチュエータを所定の位置関係で接続し、各移動アクチュエータをそれぞれ粗動及び微小移動を組合せた制御により駆動することで可動ステージをベースに対し6自由度の運動を行わせる移動機構であって、各移動アクチュエータは、外形の一部に気体受面を有する負荷可動子と、負荷可動子の気体受面に向かい合う気体受面を有し、案内部内を移動軸方向に粗動可能な駆動可動子と、負荷可動子の気体受面又は駆動可動子の気体受面に開口し、両気体受面の間の隙間に気体を供給する気体供給路と、駆動可動子の気体受面に向かって隙間の気体を圧縮しつつ負荷可動子を押し付ける押付力発生部と、気体供給路に供給する気体圧を制御し、押付力と釣り合わせつつ両気体受面の間の隙間量を調整して負荷可動子を駆動可動子に対し微小移動させる微小移動制御部とを備えることを特徴とする。
また、気体供給路は、くぼみ状のポケット開口と、ポケット開口の上流側に設けられる絞り部とを有することが好ましい。
また、絞り部は、気体の流れ方向に沿い所定の間隔を有する平行隙間を含み、平行隙間の整流作用により絞り部に流れる気体を乱れなく形成する平行隙間絞りであることが好ましい。
また、絞り部は、多孔質材料を含み、多孔質の微小孔の整流作用により絞り部に流れる気体を乱れなく形成する多孔質材絞りであることが好ましい。
また、絞り部は、自成絞り又は表面絞り又はスリット絞り又は複合絞りの中のいずれか1つの絞りであることが好ましい。
また、案内部の内周壁と各可動子の外周壁との間にラジアル気体軸受が設けられることが好ましい。
上記構成により、粗動可能な駆動可動子の気体受面と、負荷可動子の気体受面とを向かい合わせ、その両気体受面の間の隙間に気体を供給し、駆動可動子に向かって負荷可動子を押し付け、押付力と釣り合わせつつ両気体受面の間の隙間量を調整して負荷可動子を駆動可動子に対し微小移動制御する。駆動可動子自体は粗動可能であるから、駆動可動子は、それ自身の粗動によって負荷可動子を広い範囲で移動させ、その移動量に加えて、さらに駆動可動子と負荷可動子との間の隙間の微小移動を行わせることができる。したがって、気体を用いて、広い移動範囲で高精度の微小移動を可能にする。
また、中間可動子を駆動可動子と負荷可動子との間に配置し、負荷可動子の気体受面と中間可動子の一方側気体受面とを向かい合わせ、また中間可動子の他方側気体受面と粗動可能な駆動可動子の気体受面とを向かい合わせ、それぞれの気体受面の間における隙間に気体を供給し、各隙間量を調整する。上記の例では、隙間が2つあるので、微小移動制御できる範囲が倍になる。中間可動子の数をさらに増やして、気体を供給して隙間を調整する箇所をさらに増やせば、微小移動の範囲をさらに拡大できる。
また、変位センサを用いる粗動制御部により、案内部と駆動可動子との間の粗動制御の精度を向上させることができる。例えば、駆動可動子と案内部との間に気体を供給し、変位センサの検出する変位データに応じて供給気体圧を制御する一般的な気体圧アクチュエータを粗動アクチュエータとして用いることができる。
また、ロック手段により、駆動可動子を案内部にロックする。これにより、粗動位置を固定でき、その固定された位置から微小移動を行わせることができ、移動量の制御精度が向上する。
また、ロック機構は、案内部と駆動可動子との間の軸周部に複数の気体軸受を配置し、その軸受気体圧をアンバランスにすることで、駆動可動子を案内部の軸に対し偏らせ、案内部の内周壁に駆動可動子の外周壁を押し付けてロックする。このように、気体を用いて駆動可動子の粗動をロックできるので、気体システムで全体をまとめることも可能となる。
また、負荷可動子のX軸両端部、Y軸両端部にそれぞれ駆動可動子を設けることで、いわゆるXY移動機構において、粗動と微小移動とを組合せ、広い移動範囲で高精度の微小移動を可能にする。また、負荷可動子のZ軸端にも駆動可動子を設けることで、いわゆるXYZ移動機構において、広い移動範囲で高精度の微小移動を可能にする。
また、移動アクチュエータを上記の粗動可能な駆動可動子と、駆動可動子に対し微小移動する負荷可動子とで構成されるものとし、6つの移動アクチュエータを用いて6自由度の運動を行わせることができる。これにより、いわゆる6自由度パラレルリンク機構において、広い移動範囲で高精度の微小移動を可能にする。
また、気体供給路は、くぼみ状のポケット開口と、ポケット開口の上流側に設けられる絞り部を有する。これにより、気体軸受への気体圧供給路の途中に絞り部を設けることで、気体回路を構成する流体抵抗を増加させ、安定した気体圧の供給を図ることができ、微小移動を安定して行わせることができる。
また、絞り部は、気体の流れ方向に沿い所定の間隔を有する平行隙間を含み、平行隙間の整流作用により絞り部に流れる気体を乱れなく形成する平行隙間絞りとする。また、絞り部は、多孔質材料を含み、多孔質の微小孔の整流作用により絞り部に流れる気体を乱れなく形成する多孔質材絞りとする。平行隙間や微小孔の整流作用により絞り部に流れる気体を乱れなく形成することができるので、例えば絞りの代表的なオリフィス絞り等により気体を絞る場合に生ずる、乱流や渦流等を抑制し、特に、高圧かつ高速の気体を扱うときにオリフィスのエッジ等から生ずる衝撃波を抑制する。したがって、気体圧制御において、このようなノイズの影響を少なくでき、微小移動の制御性の向上を図ることができる。
また、絞り部は、自成絞り又は表面絞り又はスリット絞り又は複合絞りの中のいずれか1つの絞りとする。より簡単な構成の絞り部により、微小移動の制御性の向上を図ることができる。
また、案内部の内周壁と各可動子の外周壁との間にラジアル気体軸受が設けられるので、各可動子の移動負荷を軽減することができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。
図1は、移動機構10の構成を示す図である。移動機構10は、負荷可動子12を案内部の軸方向に沿って図1に示す矢印方向に広い範囲で微小移動させる機能を有するもので、案内部14に案内され負荷可動子12を駆動する駆動可動子16と、気体供給路18によって負荷可動子12と駆動可動子16との向かい合う隙間に供給される気体圧と、駆動可動子の底面と案内部14の内面とで形成される気体室13に供給される気体圧を制御する制御部20を備える。
負荷可動子12は、案内部14に案内される可動体で、例えば案内部14の内周形状が筒状のときは、負荷可動子12を円柱形状とし、例えば、円柱形状の金属部材又はセラミック部材を用いることができる。負荷可動子12は、移動させたい対象物でもよく、移動対象物を搭載し、あるいは移動対象物に接続するテーブル等であってもよい。
駆動可動子16は、その底面部と案内部14の内面とで体積可変の気体室13を形成し、案内部14の周壁部に設けられる供給口15から供給される気体圧に応じて気体室13の体積が変わることで、案内部14の軸方向に沿って移動する機能を有する粗動可動子である。上記の例で案内部14の内周形状が筒状のときは、駆動可動子16も円柱形状とし、例えば、円柱形状の金属部材又はセラミック部材を用いることができる。
案内部14は、駆動可動子16及びその上の負荷可動子12を移動方向に沿って移動自在に支持する部材で、両可動子12,16の外形より若干大きめの案内穴を有する部材である。かかる案内部14は、金属製又はセラミック製の筒に底面部材をはめ込んで得ることができる。もちろん一体成形で製作することもできる。
駆動可動子16に設けられる気体供給路18は、案内部14の周壁部に設けられる供給口17から気体の供給を受け、駆動可動子16の上面に開口する気体通路で、駆動可動子16の上面と、これに向かい合う負荷可動子12の下面との間の隙間に気体を供給する機能を有する。供給される気体の圧力等は制御部20の制御の下に置かれる。また、開口の手前の上流側には絞り部26が設けられる。絞り部26の詳細については後述する。ここで、負荷可動子12の下面と駆動可動子16の下面とは、気体供給路18から供給される気体圧を受け止める気体受面22,24となる。気体受面22,24は平坦に加工されることが好ましい。
気体受面22,24の隙間に気体圧が供給されると、その隙間を広げるように働くが、一方で負荷可動子12はその自重、又は別に設けられた図示されていない一定外力発生装置からの外力により駆動可動子16を押し付けるように働く。したがって、気体圧と押付力との釣り合うところで、気体受面22,24の間の隙間が定まる。換言すれば、気体圧を制御することで、気体受面22,24の間の隙間を調整することができる。この原理を用い、気体供給路18に供給される気体圧を制御し、駆動可動子16の上面に対し負荷可動子12の下面を所望量だけ微小移動させることができる。
制御部20は、駆動可動子16の上面に対する負荷可動子12の下面の微小移動を制御する微小移動制御部30と、案内部14に対する駆動可動子16の粗動を制御する粗動制御部40とを含む。
微小移動制御部30は、図示されていない気体源からの気体の圧力を調整して気体供給路18に供給する機能を有するものである。具体的には、負荷可動子12の駆動可動子16に対する所望の微小移動量に対応する気体圧を気体供給路18に供給する。負荷可動子12の気体受面22と駆動可動子16の気体受面24との間に気体が供給されれば、供給された気体は、その圧力に応じて、負荷可動子12の自重である押し付け力又は図示されていない外力に抗して負荷可動子12を浮上させようとする。そのときの供給気体圧と浮上量すなわち隙間の関係は、実験の結果、圧縮性気体の流れ理論からの計算値とほぼ一致する。例えば、押し付け圧力を0.4Mpaとして、供給気体圧を0.25−0.60MPaに変化させると、隙間は、10−20μmに線形的に変化する。供給気体圧の変化が小さければ、(隙間変化量/気体圧変化量)はほぼ一定値になる。この例では、例えば、(10μm/0.35Mpa)あるいは、(10nm/0.35kpa)を用いることができる。
微小移動制御部30は、微小移動指令値31と、減算器32と、減算器32の出力を信号増幅するプリアンプ33と、プリアンプ33の出力を駆動電流のレベルに増幅する電流増幅器34と、電流増幅器34の出力に応じて図示されていない気体源からの気体の圧力を調整する気体圧弁35と、気体供給路18の実際の気体圧を検出し、減算器32へ戻す圧力センサ36とを含んで構成される。気体圧弁35は、一般的な電子制御のサーボ弁等を用いることができる。圧力センサ36は、電気信号を出力できる一般的な圧力検出素子や、電子圧力計等を用いることができる。また、圧力センサを用いないこともできる。例えば、サーボ弁に、電気信号に比例した圧力を出力できる精密圧力制御弁等を用いることで圧力センサを省略できる。
粗動制御部40は、粗動指令値41と、コントローラ42と、コントローラ42の出力に応じて図示されていない気体源からの気体の圧力を調整する気体圧弁43を含み、案内部14の底面に設けられ、駆動可動子16の軸方向の変位量を検出する変位センサ44を備え、変位センサ44の出力は、コントローラ42にフィードバックされる。したがって、コントローラは、粗動指令値41と変位センサ44の変位データとを比較して、目標変位になるように気体圧弁43を制御する。気体圧弁43は、気体圧弁35と同様に、一般的な電子制御のサーボ弁等を用いることができる。変位センサ44は、電気信号を出力できる一般的な光学変位センサ、うず電流式変位計、容量型変位センサ、差動変圧器、ディジタル変位計、レーザ干渉計等を用いることができる。
かかる構成の作用を説明する。最初は、初期定常状態、すなわち駆動可動子16は案内部14に対し標準的な高さ、すなわち変位センサ44の変位ゼロに相当する高さに位置し、負荷可動子12は、駆動可動子16の上面から標準的な浮上量となっている。すなわち、粗動制御部40では指令値41がゼロ変位とされ、これに対して変位センサ44の出力がコントローラ42に入力され、仮に変位センサ44の出力がゼロでないときは、その偏差に従い、気体圧弁43に気体圧の増減の指令が出される。例えば、変位センサ44の出力がプラスの変位データ、すなわち駆動可動子16が上方に偏移しているときは、気体圧を減ずるように指令が出され、逆にマイナスの変位データ、すなわち駆動可動子16が下方に偏移しているときは、気体圧を増加するように指令が出される。そして変位センサ44の出力がゼロになるまで、指令が出される。このようにして、粗動制御部40では、駆動可動子16の下面の変位量を指令値41、今の場合ゼロ変位に維持するように制御が行われる。
駆動可動子16に対し標準高さを維持する制御が行われた後、図示されていない適当なロック機構により駆動可動子16がロックされる。そして微小移動制御部30では、駆動可動子16の上面に対し負荷可動子12が標準的な浮上量になるように気体圧の指令値31が設定される。例えば、負荷可動子12の自重に相当する押し付け圧力を0.1Mpaとして、標準隙間を15μm、そのときの制御気体圧を0.4MPaとすると、指令値31は、P=0.4MPaに対応する値が出力される。指令値31はアナログ指令値でもディジタル指令値でもよい。指令値31は、プリアンプ33、電流増幅器34を経て気体圧弁35を駆動できる電流に換算、増幅され、気体圧弁35はそれに応じて動作し、図示されていない気体源からの気体の圧力を調整し、所定の0.4MPaにして出力する。
出力された0.4MPaは、供給口17を介し、気体供給路18の入口に導かれ、絞り部26を通り、気体受面24に設けられる開口から、負荷可動子12の気体受面22へ向かって噴き出される。そして、負荷可動子12は気体受面24から浮上する。その浮上隙間は、設定により15μmである。この浮上により隙間を形成して負荷可動子12を駆動可動子16の気体受面24に対して支持する作用は、いわゆる気体軸受機構として知られるものである。
供給された気体は、その浮上隙間を維持しつつ、その隙間を通って、筒状案内の内側のリング状溝を通り、排気口28から外部に排出される。排出される気体は、図示されていない気体源に再び戻すこともできる。気体供給路18に供給される気体圧は圧力センサ36により減算器32に戻され、外乱等でその気体圧が変動すると、それに応じ誤差をゼロにするようにフィードバックされる。
つぎに、一例として、負荷可動子12を上方に50mm+2μm移動させる指示が出されるときの様子を説明する。まずは駆動可動子16のロックが解かれ、このとき、粗動制御部40の指令値41は+50mmに設定される。そして、当初変位センサ44の出力はゼロ変位量であるので、コントローラ42は気体圧弁43に対し、気体圧を大幅に増加させる指示を出す。それにしたがって気体室13内の圧力が上昇し、駆動可動子16は案内部14の軸方向に沿い上方に移動する。移動量は変位センサ44で検出されてコントローラ42に戻される。検出される変位量と指令値+50mmとの差が少なくなれば、コントローラ42の気体圧弁43に対する気体圧の増加指示も緩やかになる。そして、検出される変位量と指令値+50mmとの偏差がゼロを維持するように粗動制御が継続し、偏差がゼロ近傍で停止した後、図示されていない適当なロック機構により固定される。
一方、微小移動制御部30では、指令値31が+2μmに相当する気体圧に設定される。このとき、上記の(隙間変化量/気体圧変化量)=(10μm/0.35Mpa)を用いると、+2μmに対応する0.07Mpaを元の0.4MPaに加えた0.47MPaが指令値31となり気体圧弁35に出力される。気体圧弁35は、その指令に対応して図示されていない気体源の気体の圧力を調整し、0.47MPaの気体圧を出力する。この気体圧が気体供給路18に供給され、絞り部26を経て気体受面22と気体受面24との間の隙間に噴き出す。そのときの浮上隙間量は、設定により先ほどの15μmから+2μmの17μmである。このようにして、負荷可動子12は、図1の矢印方向に、案内部14に案内され、駆動可動子16の上面の標準浮上量から+2μm上方に微小移動する。このとき、隙間変化量/気体圧変化量は厳密には線形ではないことがあるので、必要に応じ、予め測定又はシミュレーションされた値をもとに、所定の変位量が得られるように補正を行うことが好ましい。
すなわち、負荷可動子12の気体受面22と駆動可動子16の気体受面24との間に形成される気体軸受において、供給される気体圧を制御することで、負荷可動子12を駆動可動子16に対し微小移動させることができる。そして、その制御は、気体圧の制御で足り、位置制御や速度制御等の複雑な制御を要せず、μmオーダーの微小移動を実現できる。また、気体軸受のバネ定数は上記のように高いので、高速応答が可能である。
そして、駆動可動子16自体は、数10mmの変位量の指令値に対し、気体室13に供給される気体圧を変位センサ44の出力に応じて制御することで、案内部14に対し、広い範囲で粗動することができる。したがって、粗動制御と微小移動制御を組合せることで、例えば50mm+2μmといった、広い範囲での高精度移動を実現することができる。
ここで絞り部26について説明する。絞り部26は、気体軸受への気体圧供給路の途中に設けられる流体抵抗を増加させる機能を有する素子又は構造である。図2は、具体的な絞り部の構成の例で、ここではポケット開口48の中に設けられる平行隙間絞り50が示される。平行隙間絞り50は、ドーナツ状に中央穴を有する円環板52と、円環板52と外形が同じの円板54とが狭い平行隙間で配置され、その平行隙間の間を気体が流れる間に整流され、その流れが乱れなく形成されるものである。平行隙間は、例えば、気体供給路18に供給される気体圧を0.5Mpaとし、その流速を30m/secとして、これを絞りにより流速300m/secの流れとするときの場合で、数10μmが好ましい。そのときの円環板52と円板54との間の平行隙間の長さは、数10μmに対し、十分長いことが望ましい。例えば5〜10mm程度とすることができる。
このように平行隙間絞りの整流作用により絞り部に流れる気体を乱れなく形成することで、例えば絞りとして一般的に用いられる後述のオリフィス絞り等により気体を絞る場合に生ずる、乱流や渦流等を抑制できる。特に、高圧かつ高速の気体を扱うときにオリフィスのエッジ等から生ずる衝撃波を抑制することもできる。したがって、気体圧制御において、このようなノイズの影響を少なくでき、微小移動の制御性の向上を図ることができる。
図3は、絞り部の例として、多孔質材料56をポケット開口48の中に配置するものを示す図である。この場合も、多孔質の微小孔の整流作用により絞り部に流れる気体を乱れなく形成することができる。
図4は、その他の絞り部の例を示す図で、(a)はごく一般的なオリフィス絞り58である。(b)は、気体供給路18を細く絞るとともに、気体受面24にごく浅い溝を開口から外周側に向かって放射状に設ける複合絞り60である。ごく浅い溝の深さは、気体受面24と気体受面22との隙間より少なめが好ましく、例えば7−20μmとすることができる。(c)は、単純に細い開口を設ける自成絞り62である。(d)は、細いスロットを用いるスロット絞り64である。(e)は、複合絞り60において気体供給路18を細く絞らず、単純に気体受面24にごく浅い溝を開口から外周側に向かって放射状に設ける表面絞り66である。
これらの絞り部は、製作の容易性、整流性、絞り特性等がそれぞれ特徴がある。したがって、移動機構10に要求される応答性、耐ノイズ性、気体条件等を考慮し、コストと性能の兼ね合いで最も適する構成を選択することが好ましい。
上記において、気体供給路18は駆動可動子16に内蔵して設けられるものとして説明したが、負荷可動子12に内蔵して設けられるものとしてもよい。
微小移動機構は、μmオーダーの移動を行うことができるが、複数の微小移動機構を複数直列に接続することで、その微小移動範囲を拡大することができる。具体的には、微小移動の軸方向の両端部にそれぞれ気体受面を有する中間可動子を用いる。負荷可動子と駆動可動子との間に直列に中間可動子を挿入配置することで、向かい合う気体受面の間の隙間についてその総数を増やすことができる。微小移動制御部からの出力気体圧を、各隙間について同じように供給すれば、隙間の総数が増えるに応じて、微小移動量を増加させることができる。なお、以下の説明において、粗動制御は省略するが、勿論粗動制御と微小移動制御を組合せ、微小移動の範囲を拡大し、広い範囲で高精度の微小移動を行わせることができる。
図5は、駆動可動子16と負荷可動子12の間に2つの中間可動子72,74を挿入配置するアクチュエータ70の例を示す図である。図1と同様の要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。駆動可動子16の気体供給路18の開口に設けられる絞りには図4で説明した自成絞り又は表面絞りが用いられる。各中間可動子72,74は、駆動可動子16の気体供給路18の開口からの気体圧をそのまま次の中間可動子又は負荷可動子12に伝えるように貫通の気体通路76,78を有する。各中間可動子72,74は、その一端側から気体圧を受け、他端側で噴き出し、次の可動子の一端側における面との間で気体軸受機構を形成する。すなわち、これらの中間可動子72,74は、図4で説明した自成絞り又は表面絞りを有することになる。つまり、微小移動の軸方向の両端部にそれぞれ気体受面80,82及び84,86を有し、それぞれの界面で気体軸受機構を形成する。なお、Pcは粗動制御部からの供給気体圧、Pfは微小移動制御部からの供給気体圧、Exは排気を示す。
例えば、上記の例で、微小移動制御部30の指令値を+2μmに相当する気体圧0.47MPaとすると、この気体圧が、気体受面24,80の間の隙間、気体受面82,84の間の隙間、気体受面86,22の間の隙間のそれぞれに供給され、それぞれの隙間は、+2μm浮上する。したがって、駆動可動子16の上面に対し、負荷可動子12の下面は、3×(+2μm)=+6μm移動する。このように、中間可動子がないときの微小移動量は+2μmであるのに対し、中間可動子を2つ挿入配置することで2×(+2μm)=+4μm移動範囲が増加する。一般にn個の中間可動子を挿入配置することで、n×Δだけ微小移動範囲を拡大できる。ここでΔは、1つの隙間についての微小移動量である。
駆動可動子16を案内部14に対し、その軸方向に移動支持するために、案内部14の内周壁と駆動可動子16の外周壁との間に通常のラジアル気体軸受を設けることができる。図6、図7は、図1の構成に駆動可動子16と案内部14との間にラジアル気体軸受を設けるアクチュエータ90の例を示す図である。図6は側面断面図、図7はラジアル気体軸受を含む面における平面断面図である。図1、図5と共通の要素については同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
図6、図7に示すように、案内部14の軸方向に垂直の方向、すなわち駆動可動子16のラジアル方向に、案内部14の周壁部の供給口92,94,96,98からラジアル気体軸受用気体圧Pb1,Pb2,Pb3,Pb4が供給される。そして、図示されていない気体圧調整部により各供給口からの供給気体圧が等しくなるように調整される。そして、駆動可動子16は、気体軸受により案内部14の内周壁から隙間をあけて移動することができるので、移動負荷を軽減でき、移動精度を向上させることができる。
また、図示されていない気体圧調整部により、各供給口92,94,96,98への供給気体圧をアンバランスに設定することで、駆動可動子16を案内部14に対し固定、すなわち駆動可動子16の移動をロックすることができる。例えば、図7において、供給口92の気体圧Pb1を大きくし、供給口94の気体圧Pb2を小さくすることで、駆動可動子16は、図7の白抜き矢印の方向に偏移し、供給口94側の案内部14の内周壁に押し付けられる。アンバランスを適当にすることで、駆動可動子16の軸方向移動をなくすように固定することができる。このようにして、気体を用いて駆動可動子16の粗動を固定でき、微小移動をより効果的に実現できる。
負荷可動子の気体受面と駆動可動子の気体受面とを向かい合わせて1組とし、これらをX軸方向、Y軸方向のそれぞれの方向で動作するように配置することでXY移動機構を構成することができる。これにさらにZ軸方向で動作する組を加えることで、XYZ移動機構を構成することもできる。ここで、負荷可動子はXYテーブルあるいはXYZテーブルとなるので、案内部に案内される駆動可動子を、XYテーブルの側面あるいはさらにXYZテーブルの底面に配置することになる。ここで、案内部に案内される駆動可動子を、その移動方向を頭に付して「Xアクチュエータ」、「Yアクチュエータ」、「Zアクチュエータ」と呼ぶことにする。これらのアクチュエータは、粗動と微小移動とを組合せた制御を行うことができる。
図8、図9は、制御部を除いたXYZ移動機構120の構成を示す図で、図8は平面図、図9は2つのZアクチュエータを含む線で切断して示す側面断面図である。XY移動機構120は、矩形形状のステージ122と、ステージ122をXYZ方向に移動自在に支持する筐体124を含んで構成される。ステージ122と筐体124との間には、図8、図9に示すX軸方向の移動のためのXアクチュエータ126が4組、Y軸方向の移動のためのYアクチュエータ128が4組、Z軸方向の移動のためのZアクチュエータ130が4組配置される。それぞれのアクチュエータは、図6のラジアル気体軸受を有する案内部14と、駆動可動子16とを組合せたものを用いることができる。すなわち、ステージ122の面を気体受面とし、駆動可動子の上面の気体受面との間の隙間を形成するための気体が、ステージ122に向かって噴き出る。この場合、4組のXアクチュエータ126は、ステージ122を挟んでその両端側に向かい合うように配置される。したがって、向かい合うXアクチュエータ126の一方は、他方のXアクチュエータ126に対し押し付け力を与えていることになる。4組のYアクチュエータ128についても同様である。4組のZアクチュエータ130はステージ122の自重又は図示されていない外力により押し付けられる。この押付力に釣り合う隙間調整の仕組みについては図1に関連して説明したと同様であるので省略する。
図8、図9の構成によって、合計12のアクチュエータ126,128,130に供給される粗動制御用気体圧及び微小移動制御用気体圧をそれぞれ調整することで、ステージ122は、筐体124の案内の範囲で、任意のXYZの位置を取ることができる。その動作は、X軸方向の動作、Y軸方向の動作、Z軸方向の動作に分解することで容易に理解できる。例えばX軸方向の動作については、4組のXアクチュエータ126の動作のみを考えればよい。さらに単純にするには、この4組を左半分の2組と右半分の2組に分け、左半分の2組は共に同じ動作をし、右半分の2組は共に同じ動作をする場合を考えればよい。この場合の動作は、X軸方向の移動が制御できる。同様に、4組のYアクチュエータ128について上半分の2組と下半分の2組をそれぞれ同じ動作をするものとしてY軸方向の移動が制御でき、4組のZアクチュエータ130について全部が同じ動作をするものとしてZ軸方向の移動が制御できる。このように、XYZ移動機構を構成できる。
さらに、4組のXアクチュエータ126のうち、右上のものと左下のものとを組にし、右下のものと左上のものとを別の組にし、それぞれの組の移動量を異ならせることで、Z軸周りにステージ122を回転させることができる。4組のYアクチュエータ128を用いてもよい。同様にして、4組のZアクチュエータ130のうち、上半分の2組と下半分の2組との移動量を異ならせて、X軸周りのステージ122を回転させることができ、4組のZアクチュエータ130のうち、右半分の2組と左半分の2組との移動量を異ならせて、Y軸周りのステージ122を回転させることができる。このようにして、ステージ122を6自由度のもとで広い範囲で高精度に微小移動させることができる。
なお、これらのアクチュエータ126,128,130は、それぞれ4つずつである必要はなく、例えばそれぞれ又はいずれかを4つ以外の数で構成してもよい。また、左右対称に配置する必要もなく、ステージ122の形状、要求性能等に合わせ適当な配置をとることができる。また、例えば、X軸方向について左右それぞれ2つずつでなくて、一方側を1つ、他方側を2つというように、左右について配置数を異ならせてもよい。Y軸方向、Z軸周りの配置についても同様に配置数を非対称としてもよい。
駆動可動子の気体受面と負荷可動子の気体受面との間の隙間を気体圧で制御するには、駆動可動子の上面が負荷可動子の下面により押し付けられていることが必要である。上記の例では、負荷可動子の自重を利用し、あるいはステージを挟んで向かい合うアクチュエータにより相互に押し合う関係を利用している。これを一定外力発生装置により押し付け力を発生させるものとしてもよい。図10は、気体圧により負荷可動子12を駆動可動子16に押し付けるアクチュエータ160の例を示す図である。図1、図6と同様の要素については同一の符号を付し詳細な説明を省略する。図10において、負荷可動子12は段付き構造となっており、その段差のところに、押付圧のための気体圧Ppが供給される。
これにより、アクチュエータ160は、負荷可動子12の自重を用いることなく、負荷可動子12を駆動可動子16に対し押し付けることができ、設置の姿勢の選択自由度が増す。また、移動対象と切り離した独立のアクチュエータとして、広い範囲で高精度の移動機構に用いることができる。
なお、図10において、Pbはラジアル気体軸受用気体圧、VPは真空引きを示す。真空引きを設けると、各気体圧供給口から供給される気体が、排気口Exから回収されずに、案内部14の内壁と負荷可動子12の外周との間の隙間を通って外部に漏れることを防ぐ。したがって、アクチュエータ160を用いる移動機構を、真空雰囲気の中でも使用可能とすることができる。
図11は、図10に示す気体圧押し付け付きアクチュエータ160を6つ用いて6自由度パラレルリンク機構150を構成する例を示す図である。6自由度パラレルリンク機構150は、ベース152と、可動ステージ154との間を6つのアクチュエータ160を所定の角度配置で取り付けることで構成される。この構成は、一般的な6自由度パラレルリンクにおける構成の6つのアクチュエータを、広い範囲で高精度の微小移動を行うことができるアクチュエータ160に置き換えたもので、周知の制御法により、6つのアクチュエータ160の変位量をそれぞれ制御することで、可動ステージ154をベース152に対し、X,Y,Z,φ,θ,ψの6自由度で運動させることができる。
本発明に係る実施の形態における移動機構の構成図である。 本発明に係る実施の形態における移動機構の絞り部の例として平行隙間絞りを示す図である。 本発明に係る実施の形態における移動機構の絞り部の例として多孔質材料を示す図である。 本発明に係る実施の形態における移動機構の他の絞り部の例を示す図である。 他の実施の形態において、駆動可動子と負荷可動子の間に中間可動子を設ける例を示す図である。 他の実施の形態において、駆動可動子と案内部との間にラジアル気体軸受を設ける例を示す側面断面図である。 図6の例で、ラジアル気体軸受を含む面における平面断面図である。 他の実施の形態において、制御部を除いたXYZ移動機構の構成を示す平面図である。 図8の例で、2つのZアクチュエータを含む線で切断して示す側面断面図である。 他の実施の形態において、気体圧により負荷可動子を駆動可動子に押し付ける例を示す図である。 他の実施の形態において、気体圧押し付け付きアクチュエータを6つ用いて6自由度パラレルリンク機構150を構成する例を示す図である。
符号の説明
10,120 移動機構、12 負荷可動子、13 気体室、14 案内部、15,17,92,94,96,98 供給口、16 駆動可動子、18 気体供給路、20 制御部、22,24,80,82,84,86 気体受面、26 絞り部、28 排気口、30 微小移動制御部、31,41 指令値、32 減算器、33 プリアンプ、34 電流増幅器、35,43 気体圧弁、36 圧力センサ、40 粗動制御部、42 コントローラ、44 変位センサ、48 ポケット開口、52 円環板、54 円板、56 多孔質材料、70,90,126,128,130,160 アクチュエータ、72,74 中間可動子、76,78 気体通路、122 ステージ、124 筐体、150 6自由度パラレルリンク機構、152 ベース、154 可動ステージ。

Claims (13)

  1. 外形の一部に気体受面を有する負荷可動子を粗動及び微小移動の組合せにより移動させる移動機構であって、
    負荷可動子の気体受面に向かい合う気体受面を有し、案内部内を移動軸方向に粗動可能な駆動可動子と、
    負荷可動子の気体受面又は駆動可動子の気体受面に開口し、両気体受面の間の隙間に気体を供給する気体供給路と、
    駆動可動子の気体受面に向かって隙間の気体を圧縮しつつ負荷可動子を押し付ける押付力発生部と、
    気体供給路に供給する気体圧を制御し、押付力と釣り合わせつつ両気体受面の間の隙間量を調整して負荷可動子を駆動可動子に対し微小移動させる微小移動制御部と、
    を備えることを特徴とする移動機構。
  2. 外形の一部に気体受面を有する負荷可動子を粗動及び微小移動の組合せにより移動させる移動機構であって、
    移動軸方向の両端部にそれぞれ気体受面を有し、一方側の気体受面は負荷可動子の気体受面に向かい合い、案内部内を移動軸方向に可能な中間可動子と、
    中間可動子の他方側の気体受面に向かい合う気体受面を有し、案内部内を移動軸方向に粗動可能な駆動可動子と、
    少なくとも負荷可動子の気体受面又は駆動可動子の気体受面に開口し、負荷可動子の気体受面と中間可動子の一方側気体受面との間の隙間と、中間可動子の他方側気体受面と駆動可動子の気体受面との間の隙間とに気体を供給する気体供給路と、
    駆動可動子の気体受面に向かって各隙間の気体を圧縮しつつ負荷可動子と中間可動子とを押し付ける押付力発生部と、
    気体供給路に供給する気体圧を制御し、押付力と釣り合わせつつ各隙間の隙間量を調整して負荷可動子を駆動可動子に対し微小移動させる微小移動制御部と、
    を備えることを特徴とする移動機構。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の移動機構において、
    駆動可動子の案内部に対する軸方向の変位を検出する変位センサと、
    変位センサの検出する変位データに基づいて駆動可動子の粗動の位置制御を行う粗動制御部と、
    を備えることを特徴とする移動機構。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の移動機構において、
    駆動可動子の案内部に対する移動をロックするロック手段を備えることを特徴とする移動機構。
  5. 請求項4に記載の移動機構において、
    ロック手段は、
    駆動可動子の外周壁部と案内部の内周壁部との間に設けられる複数の気体軸受と、
    各気体軸受に供給する気体圧をアンバランスに調節し、駆動可動子を移動軸に垂直な方向で案内部の内周壁部に押し付けて駆動可動子の移動をロックする気体圧調整部と、
    を有することを特徴とする移動機構。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の移動機構において、
    移動の軸方向は、互いに直交するX軸方向とY軸方向とを有し、
    負荷可動子であるステージは、X軸方向の両端部と、Y軸方向の両端部にそれぞれ気体受面を有し、
    駆動可動子は、負荷可動子の各気体受面に対応してそれぞれ設けられることを特徴とする移動機構。
  7. 請求項6に記載の移動機構において、さらに、
    移動の軸方向は、X軸方向及びY軸方向に直交するZ軸方向を有し、
    負荷可動子であるステージは、Z軸方向の一端部に気体受面を有し、
    駆動可動子は、その気体受面に対応して設けられることを特徴とする移動機構。
  8. ベースと可動ステージとの間に6つの移動アクチュエータを所定の位置関係で接続し、各移動アクチュエータをそれぞれ粗動及び微小移動を組合せた制御により駆動することで可動ステージをベースに対し6自由度の運動を行わせる移動機構であって、
    各移動アクチュエータは、
    外形の一部に気体受面を有する負荷可動子と、
    負荷可動子の気体受面に向かい合う気体受面を有し、案内部内を移動軸方向に粗動可能な駆動可動子と、
    負荷可動子の気体受面又は駆動可動子の気体受面に開口し、両気体受面の間の隙間に気体を供給する気体供給路と、
    駆動可動子の気体受面に向かって隙間の気体を圧縮しつつ負荷可動子を押し付ける押付力発生部と、
    気体供給路に供給する気体圧を制御し、押付力と釣り合わせつつ両気体受面の間の隙間量を調整して負荷可動子を駆動可動子に対し微小移動させる微小移動制御部と、
    を備えることを特徴とする移動機構。
  9. 請求項1、請求項2、請求項6、請求項7又は請求項8の中のいずれか1に記載の移動機構において、
    気体供給路は、くぼみ状のポケット開口と、ポケット開口の上流側に設けられる絞り部とを有することを特徴とする移動機構。
  10. 請求項9に記載の移動機構において、
    絞り部は、気体の流れ方向に沿い所定の間隔を有する平行隙間を含み、平行隙間の整流作用により絞り部に流れる気体を乱れなく形成する平行隙間絞りであることを特徴とする移動機構。
  11. 請求項9に記載の移動機構において、
    絞り部は、多孔質材料を含み、多孔質の微小孔の整流作用により絞り部に流れる気体を乱れなく形成する多孔質材絞りであることを特徴とする移動機構。
  12. 請求項1、請求項2、請求項6、請求項7又は請求項8の中のいずれか1に記載の移動機構において、
    絞り部は、自成絞り又は表面絞り又はスリット絞り又は複合絞りの中のいずれか1つの絞りであることを特徴とする移動機構。
  13. 請求項1から請求項12の中のいずれか1に記載の移動機構において、
    案内部の内周壁と各可動子の外周壁との間にラジアル気体軸受が設けられることを特徴とする移動機構。
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