JP2005350613A - 1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物 - Google Patents

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正弘 松岡
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Abstract

【課題】 実用上問題のないレベルまで2官能成分含量が減った高純度の1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物を提供する。
【解決手段】 GPCにより得られるクロマトグラムにおいて、溶出開始点から溶出終了点までを結んだ直線をL、最大ピークの頂点のLからの高さをH、半値幅をΔM、全ピーク面積をAとしたときの下記関係式(1)を満たすことを特徴とする一般式(2)で示される1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物(A)である。
関係式
1.20≧A/(H×ΔM) (1)
一般式
RO−(AO)m/(EO)n−Q (2)
(式中、Rは炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基等;Aは炭素数3〜8のアルキレン基、Eはエチレン基;mは0又は1〜400の整数、nは0又は1〜400の整数であり、m+nは1〜400、Qは反応性基である。)
【選択図】 なし

Description

本発明は2官能成分含量が非常に少ない1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物に関するものである。
1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端水酸基を他の反応性基に変性した誘導体は、ポリマーに導入することにより、1価アルコールアルキレンオキシド付加物が持つ界面活性能、吸湿性、電気伝導性等の特性をポリマーに付与することができる。(例えば特許文献1)。
特開平1−236236号公報
しかしながら、従来の1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端水酸基を他の反応性基に変性した誘導体には、2官能成分等の多官能成分が多量に存在している。このためポリマーに導入する際に、架橋反応等が起こりゲル化等の不具合を生じてしまうという問題があった。このため2官能成分の含有量が少ない1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物が求められていた。そのためには、変性する前の1価アルコールアルキレンオキシド付加物においてジオール等の不純物が少ないものが必要である。
通常の1価アルコールアルキレンオキシド付加物は、1価アルコールにアルカリ触媒存在下、アルキレンオキシドを付加反応させることにより製造される。このとき反応系中に水のような1分子に水酸基を2個持つ物質が存在すると、水分子にアルキレンオキシドが付加してジオール成分が副生する。このため、反応系中の水分を管理した1価アルコールのアルキレンオキシド付加物の製造方法が提案されているが、反応系中の水分を管理してもジオール成分が副生し用途によっては問題が生じ実用上不十分であった。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明はGPCにより得られるクロマトグラムにおいて、溶出開始点から溶出終了点までを結んだ直線をL、最大ピークの頂点のLからの高さをH、半値幅をΔM、全ピーク面積をAとしたときの下記関係式(1)を満たすことを特徴とする一般式(2)で示される1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物(A)である。
関係式
1.20≧A/(H×ΔM) (1)
一般式
RO−(AO)m/(EO)n−Q (2)
(式中、Rは炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜24の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜30の芳香族炭化水素基;Aは炭素数3〜8のアルキレン基、Eはエチレン基であり、AOとEOはランダム結合でもブロック結合でもよい;mは0又は1〜400の整数、nは0又は1〜400の整数であり、m+nは1〜400、Qは反応性基である。)
本発明の1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物は2官能成分が少ない高純度のものであり、反応性モノマーとしてポリマーとした場合にも反応中にもゲル化等の不具合が生じない。
本発明の1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物(A)は、上記関係式(1)を満たすものである。好ましくは関係式(1‘)を満たすものであり、より好ましくは関係式(1‘’)を満たすものである。関係式(1)を満たさないとアルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物を使用して重合を行った際に2官能成分が架橋反応等の副反応を起こすため好ましくない。
関係式
1.17≧A/(H×ΔM) (1‘)
関係式
1.14≧A/(H×ΔM) (1‘’)
上記一般式(2)において、Rは炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜
24の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜30の芳香族炭化水素基を表す。炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基としては直鎖状でも分岐状でもよく、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ラウリル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ノナデシル、2−エチルヘキシル、2−エチルオクチル基等のアルキル基;オクテニル、デセニル、ドデセニル、トリデセニル、ペンタデセニル、オレイル、ガドレイル基等のアルケニル基が挙げられる。炭素数3〜24の脂環式炭化水素基としては、エチルシクロヘキシル、プロピルシクロヘキシル、オクチルシクロヘキシル基等が挙げられる。炭素数6〜30の芳香族炭化水素基としてはフェノール、炭素数1〜18のアルキルフェノール(ノニルフェノール等)等が挙げられる。これらの中で好ましくは炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基である。
Aは炭素数3〜8のアルキレン基であり、具体的には、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基、1,4−ブチレン基、1−フェニル−1,2−エチレン基であり、好ましくは1,2−プロピレン基である。Eはエチレン基である。AOとEOはランダム結合でもブロック結合でもよい。好ましくはランダム結合である。
mは0又は1〜400の整数であり、好ましくは1〜300であり、より好ましくは
1〜200である。mが400を超えると粘度が高くなり、取り扱い難くなる。nは0又は1〜400の整数であり、好ましくは5〜300であり、より好ましくは10〜200である。nが400を超えると粘度が高くなり、取り扱い難くなる。
m+nは1〜400であり、好ましくは10〜420であり、より好ましくは20〜200である。m+nが400を超えると粘度が高くなり、取り扱い難くなる。
数平均分子量は好ましくは132〜24,000であり、より好ましくは308〜18,000である。
nとmの比であるn/(m+n)は好ましくは0.95以下であり、より好ましくは0.90以下である。n/(m+n)が0.95以下であると、1価アルコールアルキレンオキシド付加物誘導体の低温での取り扱いが容易となる。
Qの反応性基としては、グリシジル基(a)、ビニル含有アルキル基(b)、ビニル含有アシル基(c)から選ばれるものが挙げられる。
ビニル含有アルキル基(b)としては1分子中にビニル基を1個有する炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、具体的にはアリル基、メタリル基等が挙げられる。
ビニル含有アシル基(c)としては1分子中にビニル基を1個有する炭素数1〜12のアシル基が挙げられ、具体的にはアクリロイ基、メタアクリロイ基等が挙げられる。
これらの内で、好ましいのはアクリロイ基、メタアクリロイ基であり、特に好ましいのはグリシジル基である。
1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物(A)は、1価アルコールアルキレンオキシド付加物(B)の末端水酸基を反応により反応性基に変性する。
まず、1価アルコールアルキレンオキシド付加物(B)は、アルカリ触媒存在下、1価のアルコールにアルキレンオキシドを付加反応させることによって製造される。
1価アルコールとしては、ROHとして表現することができ、Rは前記一般式(2)におけるRと同じものが挙げられる。好ましいものも同じである。
アルキレンオキシドを付加する反応は下記関係式(3)を満たす中で行われるのが好ましい。
関係式
20,000≧[1.5×P+0.06×S×X/W+0.017×C
+0.056×D]×M (3)
[式中、Pは1価アルコール中の過酸化物価(meq/kg)、Sは反応容器の1価アルコール仕込み後の空間容量(リットル:L)、Xは常温常圧下での反応系中の酸素濃度(ppm)、Wは1価アルコールの仕込量(g)、Cは1価アルコールのアルデヒド含量(ppm)、Dは反応系中の水分(ppm)、Mは1価アルコールの分子量]
上記関係式(3)の右辺は反応系中に生成する水分子のモル濃度の大きさを表す。関係式の左辺は20,000であり、好ましくは15,000であり、より好ましくは13,000以下である。関係式(3)の左辺が20,000以下であると反応系中で水を生成しにくく、目的物とは異なる高分子量成分が副生しにくくなる。
(過酸化物価の測定法)
過酸化物価とは試料にヨウ化カリウムを作用させたときに遊離するヨウ素を試料1g当たりのミリ当量で表したものである。過酸化物価は、試料をクロロホルムと氷酢酸の混合液に溶解し、ヨウ化カリウムと反応させ、でんぷん指示薬を用い、過酸化物と反応して生成するヨウ素を規定度既知のチオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定する方法で分析され、チオ硫酸ナトリウムの滴定量からヨウ素のミリ当量に換算して算出される。
(アルデヒド含量の測定法)
蓋付きのガラス瓶にサンプルを精秤する。サンプリング量は、予想アルデヒド含量が100ppm未満のときは50g、100以上300ppm未満のときは30g、300ppm以上のときは、20g又はそれ以下である。アルデヒド含量が不明な時は、まず、サンプリング量20gで測定し、測定値が300ppm未満の場合は、上記のサンプル量で再測定する。サンプリング後、塩酸ヒドロキシルアミン溶液(塩酸ヒドロキシルアミン50gを、純水150mlに溶かし、イソプロパノールを加えて1Lとしたもの。)50ml(25℃)をホールピペットで加え、よく混合して、密栓して60℃で30分間放置する。室温まで冷却した後メタノール50mLを滴定直前に加え、N/10メタノール性KOH標準溶液にて電位差滴定を行う。同時に空試験も行う。
アルデヒド含量(ppm)=(K−B)×Y×2900/Z
K:本試験に要したN/10メタノール性KOH標準溶液の滴定ml数
B:空試験に要したN/10メタノール性KOH標準溶液の滴定ml数
Y:N/10メタノール性KOH標準溶液の力価
Z:試料採取量(g)
炭素数3〜8のアルキレンオキシドとしては、1,2−プロピレンオキシド(PO)、1,2−又は2,3−ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド等が挙げられる。これらのうち好ましくはPOである。POと炭素数2のアルキレンオキシド(エチレンオキシド;EO)の付加形式はブロックでもランダムでも良い。好ましくはランダム付加である。
炭素数3〜8のアルキレンオキシドやEOの付加モル数は前記一般式(1)におけるm、nと同じである。好ましいものも同じである。
アルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、金属ナトリウム、金属カリウム、これらの化合物ROHのアルコキシド、又はこれらの化合物ROHの溶液等を挙げることができる。アルキレンオキシド付加物の製造には通常上述のアルカリ触媒の他に、三フッ化硼素や四塩化錫等のルイス酸触媒が用いられているが、酸触媒を用いる1,4−ジオキサン等の環状モノマーや、環状ポリエーテルが副生し、目的の純度の化合物を得ることが困難となるため、好ましくない。
反応系を乾燥させ、アルカリ触媒を投入し、系中を脱水したのち、アルキレンオキシドを連続的に好ましくは80〜200℃、より好ましくは100〜180℃で反応させることができる。
通常原料として上記1価アルコールの10倍以上の分子量の1価アルコールアルキレンオキシド付加物(B)は1度アルキレンオキシド付加反応を行った(B)を取り出し、再度アルキレンオキシド付加することによって製造することができる。通常の1価アルコールのアルキレンオキシド付加反応では、反応容器の最低撹拌容量等が限定されるために、1価アルコールの仕込み量は限定され、1度の反応で付加することのできるアルキレンオキシドの量は限定される。従って、原料アルコールとして、1価アルコールには前記のアルコールの他に本発明の(B)もまた原料アルコールとして用いてもよい。すなわち、上記(B)は1段階反応でもよいし、2段階以上の多段階反応で行ってもよい。各段階における前記関係式(3)の右辺の値の合計値が20,000以下である条件下でアルキレンオキシドの付加反応を行うのが好ましい。
次に上記の1価アルコールアルキレンオキシド付加物(B)の末端水酸基を反応により反応性基に変性する。反応性基としてはグリシジル基(a)、ビニル含有アルキル基(b)、ビニル含有アシル基(c)でありこれらを導入する方法を以下に記載する。
まず、グリシジル基(a)は、固型アルカリ金属水酸化物の存在下、(B)にエピクロルヒドリンを反応させることによって導入することが出来る。
エピクロルヒドリンの量はアルコールの水酸基1当量に対して好ましくは1.2〜2.5当量であり、より好ましくは1.5〜2.0当量である。1.2当量以上であると反応時間が長くならず、生成したグリシジルエーテルとエピクロルヒドリンとの副反応が起こりにくい。2.5当量以下であると反応バッチ当たりの収率が低下せず、生産効率が良好である。
反応には炭化水素系溶剤を加えて行っても良い。該炭化水素系溶剤としては沸点60℃以上のものが挙げられ、具体的にはn−ヘキサン(沸点:約69℃)、シクロヘキサン(沸点:約81℃)、n−ヘプタン(沸点:約98℃)、n−オクタン(沸点126℃)等の脂肪族若しくは脂環式炭化水素、トルエン(沸点111℃)、キシレン(沸点約140℃)等の芳香族炭化水素が挙げられ、好ましくはn−ヘキサンであり、より好ましくはシクロヘキサンである。炭化水素系溶剤の量は通常エピクロルヒドリンに対して3重量%以上である。炭化水素系溶剤の量がエピクロルヒドリンに対して3重量%未満であるとエピクロルヒドリンの自己縮合物が多く生成する。
使用される該固型アルカリ金属水酸化物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムの固形物が挙げられ、好ましくは水酸化カリウムであり、より好ましくは水酸化ナトリウムである。
これらの固型アルカリ金属水酸化物は単独でも、2種類以上の混合物であっても良い。これらの固型アルカリ金属水酸化物の形状は、粒状、フレーク状、粉状の何れでも良い。大きさは、粒状物は好ましくは直径1〜5mm、フレーク状物は好ましくは0.5〜3cm角、粉状物は好ましくは30〜100μmであるが、本発明はこれに限定されない。作業従事者の取り扱い上、粒状が好ましい。
使用される固型アルカリ金属水酸化物の量は、アルコールの水酸基1当量に対して好ましくは1.1〜2.5当量であり、より好ましくは1.3〜1.9当量である。1.1当量以上であると固型アルカリ表面に生成塩が付着せず、アルカリ表面の活性が低下しないため反応が効率的に進行する。2.5当量以下であると生成物への着色がない。
反応温度は通常40℃以下であり、好ましくは10〜40℃であり、より好ましくは20〜30℃である。40℃を超えると生成したグリシジルエーテルとエピクロルヒドリンとの副反応が起こりやすい。
反応時間は好ましくは10〜30時間で、より好ましくは12〜20時間である。反応時間が10時間以上であると反応率が低くならず、30時間以下であると生成したグリシジルエーテルとエピクロルヒドリンとの副反応が起こりにくい。
反応は、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下(酸素濃度:好ましくは1,000ppm以下)で行われ、固型アルカリ金属水酸化物を投入する際には、反応容器に直結した密閉容器中に固型アルカリ水酸化物を入れ、不活性ガス雰囲気下にしてから反応容器に徐々に投入していくのが好ましい。アルコール類、エピクロルヒドリン、固型アルカリ金属水酸化物、炭化水素系溶剤の混合投入の順序は、アルコール類、炭化水素系溶剤を混合し、固型アルカリ金属水酸化物とエピクロルヒドリンを同時に混合投入しても良く、アルコール類に炭化水素系溶剤とエピクロの混合物と固型アルカリ金属水酸化物を同時に混合投入しても良いが、好ましくはアルコール類、エピクロルヒドリン、炭化水素系溶剤を混合し、最後に固型アルカリ金属水酸化物を混合投入する方法である。最後に固型アルカリ金属水酸化物を混合投入すると着色が起りにくく好ましい。
反応は固型アルカリ金属水酸化物の存在下で行うが、その固形物は新鮮な粉砕物を使用するのが好ましい。固型アルカリ金属水酸化物を粉砕する粉砕機器としては、粉砕機、混合機及びホモジナイザー等の装置を使用することが出来る。粉砕機、混合機の例としては、コーンミル、ロールクラッシャー、スクリュー中砕機、エッジランナー、リングロールミル、ロッドミル、ボールミル、衝撃微粉砕機、ジェット粉砕機、塔式摩砕機、コロイドミル、スクリュー混合機等が挙げられる。ホモジナイザーの例としては、ポッターエルビイエムホモジナイザー、アッターワークマンホモジナイザー、ワーリングブレンダー等が挙げられる。この際の粉砕方法としては反応容器の外に粉砕機器を設置し、反応容器から反応混合物を粉砕機器を通して循環する方法;反応容器中に粉砕機器を設置し、反応混合物を粉砕する方法;複数の粉砕機器を設置し、反応混合物を連続に粉砕する方法等が挙げられるが、好ましくは複数の粉砕機器を設置し、反応混合物を連続に粉砕する方法である。湿式粉砕機の例としては、例えば市販の小松デイスインテグレーター(小松ゼノア社製)が使用できる。
粉砕機器により粉砕された粉砕物の形状は粉状であり、大きさは好ましくは数μm〜20μmである。
反応後の反応混合物に通常40℃以下の水、好ましくは10〜40℃の水を投入し、過剰のアルカリ金属水酸化物と生成塩を溶解させ分液する。分液後、有機層にアルカリ吸着剤を投入し、好ましくは70〜120℃、減圧下(好ましくは−85KPaG以下)でエピクロルヒドリン、炭化水素系溶剤、水及びアルコール類を共に留去した後、ろ過することにより、高純度脂肪族グリシジルエーテルを得ることができる。
反応混合物に水を投入して過剰のアルカリ金属水酸化物と生成塩を溶解させる際水の温度が40℃以下であるとグリシジルエーテルの自己縮合物が生成しにくくなる。分液後の有機層に投入する該アルカリ吸着剤は、例えば合成珪酸マグネシウム(例えば、「キョーワード600」:協和化学工業社製)、合成珪酸アルミニウム(例えば、「キョーワード700」:同上)、ハイドロタルサイト類(例えば、「キョーワード2000」:同上)、活性白土(例えば、「ガレオンアース」:同上))等が挙げられ、好ましくは合成珪酸マグネシウムである。これらの吸着剤と共に、ケイソウ土ろ過助剤(例えば、「ラヂオライト」:同上)を使用しても良い。アルカリ吸着剤の添加量は、分液後の有機層に対して好ましくは0.1〜2.0重量%である。エピクロルヒドリン、炭化水素系溶剤、水及びアルコール類を留出する温度は好ましくは70〜120℃であり、より好ましくは90〜115℃である。留出温度が70℃以上であると実用的な留出速度が得られ、120℃以下であると反応系中に生成したエピクロの自己縮合物の留出を抑制できるためリサイクル使用が可能となる。圧力は好ましくは−85KPaG以下であり、より好ましくは−95KPaG以下である。−85KPaG以下であると実用的な留出速度が得られる。
エピクロルヒドリンとの反応には必要により公知の相間移動触媒を使用してもよい。相間移動触媒としては好ましくは第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、第4級アルソニウム塩等が挙げられ、より好ましくは第4級アンモニウム塩である。第4級アンモニウム塩には、例えばテトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムハイドロサルフェート、トリオクチルアンモニウムクロライド、n−ラウリルピリジニウムクロライド等が含まれる。第4級ホスホニウム塩には、例えばテトラエチルホスホニウムクロライド、ジメチルジシクロヘキシルホスホニウムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニウムヨーダイドが含まれる。第4級アルソニウム塩には、例えばテトラメチルアルソニウムクロライド、テトラエチルアルソニウムブロマイド、テトラエチルアルソニウムヒドロオキサイドが含まれる。これら相間移動触媒を本発明の反応系に添加する場合の添加量は、アルコールに対して、好ましくは0.5重量%以下であり、より好ましくは0.2重量%以下であり、特に好ましくは0.1重量%以下である。0.5重量%以下の使用すると、エピクロルヒドリンの自己縮合物を抑制し、かつ実用的な反応速度が得られる。混合する方法、時期には特に限定はないが、反応前に添加を行うのが好ましい。
次に、ビニル含有アルキル基(b)は、固型アルカリ金属触媒の存在下、(B)にビニル含有アルキルのハロゲン化物(bb)を反応させることによって導入することが出来る。ビニル含有アルキル(炭素数3〜12)のハロゲン化物(クロライド、ブロマイド等)(bb)としてはアリルクロライド、メタリルクロライド等が挙げられる。
ビニル含有アルキルのハロゲン化物とのエーテル化の反応条件は特に限定されず、一般のエーテル化反応の条件で合成できる。例えば、アルカリ、好ましくは無機のアルカリ(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)をハロゲン化物に対し0.9〜2.0当量を加え、好ましくは50〜100℃、より好ましくは70〜90℃で6〜24時間で合成することができる。(B)に対する(bb)の当量比は好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下である。2.0以下であると未反応の(cc)が多量に残らずトッピング等の処理が簡単となる。また。反応には必要により、トルエン、ベンゼン等の溶剤を使用することができる。エーテル化反応は、常圧、加圧のいずれでも行うことができる。エーテル化反応の進行状況は、反応系のアルカリ価、粘度、反応系の数平均分子量等で判断できる。
ビニル含有アシル基(c)は、アルキレンオキシド付加物にビニル含有カルボン酸(炭素数3〜12)若しくはそのアルキル(炭素数1〜18)エステル若しくは酸ハロゲン化物(酸クロライド、酸ブロマイド等)(cc)を反応させることによって導入することが出来る。(cc)としてはアクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等のカルボン酸エステル、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸ハロゲン化物が挙げられる。好ましくはカルボン酸であり、より好ましくはメタクリル酸である。
(cc)とのエステル化の反応条件は特に限定されず、一般のエステル化反応の条件で行うことが出来る。例えば、1段階合成法の場合、重合防止剤、酸触媒の存在下に、好ましくは50〜200℃、より好ましくは70〜180℃で8〜20時間で合成することができる。重合禁止剤としてはMEHQ(ハイドロキノンモノメチルエーテル)、HQ(ハイドロキノン)、HO−TEMPO(4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−N−オキシル)等が挙げられる。酸触媒としてはp-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、あるいは、メタンスルホン酸等の有機酸や硫酸、塩酸等の鉱酸が挙げられる。(B)に対する(cc)の当量比は好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下である。2.0以下であると未反応の(aa)が多量に残らずトッピング等の処理が簡単となる。また反応には必要により、トルエン、ベンゼン等の溶剤を使用することができる。エステル化反応は、常圧、減圧、加圧のいずれでも行うことができるが、減圧下の方が反応時間が短くなるため好ましい。減圧度は、反応の最終段階で、好ましくは30mmHg以下、特に好ましくは10mmHg以下である。エステル化反応の進行状況は、反応系から留出する水、低級アルコールの量、反応系の酸価、粘度、反応系の数平均分子量等で判断できる。
このようにして得られる本発明の1価アルコールアルキレンオキサイド付加物の末端変性物は、高純度であり、ジオール成分の含量が少ないため、反応に供した場合において架橋反応のような副反応等を抑制できる。
以下、実施例により、本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されない。以下において、部は重量部を示す。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCと略記)による分子量の測定条件は次の通り。
《GPCの測定条件》
機種 :HLC−8120(東ソー株式会社製)
カラム TSK gel SuperH4000
TSK gel SuperH3000
TSK gel SuperH2000
(いずれも東ソー株式会社製)
カラム温度 :40℃
検出器 :RI
溶媒 :テトラヒドロフラン
流速 :0.6ml/分
試料濃度 :0.25%
注入量 :10μl
標準 :ポリオキシエチレングリコール
(東ソー株式会社製;TSK STANDARD
POLYETHYLENE OXIDE)
データ処理装置:SC−8020(東ソー株式会社製)
製造例1
事前に150℃恒温槽で8時間乾燥した撹拌及び温度調節機能の付いた2リットルのステンレス製オートクレーブに、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチルジグリコール、日本乳化剤社製)162部、45%水酸化カリウム水溶液4.0部を投入し、混合系内を窒素で置換した。このときの酸素濃度は50ppmであった。その後、減圧下(1〜5mmHg)、100℃にて2時間脱水を行った。このときの水分は200ppmであり、使用したジエチレングリコールモノブチルエーテルの過酸化物価は20meq/kg,アルデヒド含量は840ppmであった。次いでエチレンオキシド(以下EOと省略)1496部、プロピレンオキシド(以下POと省略)290部をゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるようにランダム付加するように導入し、1価アルコールアルキレンオキシド付加物(B−1)を得た。反応条件から求められる関係式(3)の右辺は8993であった。
製造例2
製造例1と同様のステンレス製オートクレーブに、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(商品名:HEDG、日本乳化剤社製)202部、45%水酸化カリウム水溶液4.0部を投入し、混合系内を窒素で置換した。このときの酸素濃度は60ppmであった。その後、減圧下(1〜5mmHg)、100℃にて2時間脱水を行った。このときの水分は160ppmであり、使用したジエチレングリコールモノヘキシルエーテルの過酸化物価は24meq/kg,アルデヒド含量は200ppmであった。次いでPO1508部をゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるように導入し、1価アルコールアルキレンオキシド付加物(B−2)を得た。反応条件から求められる関係式(3)の右辺は9775であった。
比較製造例1
製造例1と同様のステンレス製オートクレーブに、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチルジグリコール、日本乳化剤社製)162部、45%水酸化カリウム水溶液4.0部を投入し、混合系内を窒素で置換した。このときの酸素濃度は60ppmであった。その後、減圧下(1〜5mmHg)、100℃にて2時間脱水を行った。このときの水分は220ppmであり、使用したジエチレングリコールモノブチルエーテルの過酸化物価は65meq/kg,アルデヒド含量は1000ppmであった。次いでEO1496部、PO290部をゲージ圧が1〜3kgf/cm2となるようにランダム付加するように導入し、アルコールのアルキレンオキシド付加物(B−3)を得た。反応条件から求められる関係式(3)の右辺は20551であった。
実施例1
撹拌装置、温度制御措置、湿式粉砕機(反応槽の外側に付属)を設置した反応槽に、(B−1)1948部、エピクロルヒドリン 186部、トルエン500部を仕込み、反応槽内を窒素雰囲気下(酸素濃度:730ppm)とし、19℃の窒素雰囲気下にある粒状水酸化ナトリウム 76部を19〜29℃で9.5時間かけて断続滴下し、この間反応槽内の水酸化ナトリウムは湿式粉砕機を使用して粉砕させる。その後25〜29℃で5時間反応熟成し、(B−1)をグリシジルエーテル化した。なお、湿式粉砕機は水酸化ナトリウムの滴下開始から反応熟成終了まで連続運転した。槽内を16℃に冷却後、23℃の水350部を20〜28℃の範囲で投入して0.5時間攪拌、17℃で0.5時間分液静置後下層(水層)を取り出し、残った上層(有機層)に「キョーワード600」(協和化学工業社製;アルカリ吸着剤)20部を投入し、減圧下昇温して120℃、−98.0KPaGまでエピクロルヒドリンとトルエン混合物の留出を行い、残存物を「ラヂオライト#700」(協和化学工業社製;ケイソウ土ろ過助剤)を用いて濾過循環を施し、グリシジルエーテル(A−1)を得た。(A−1)のGPC法による分子量測定チャートから求められる関係式(1)の右辺は1.127であった。
実施例2
実施例1と同様の反応槽に、(B−2)1710部、エピクロルヒドリン186部、トルエン500部を仕込み、反応槽内を窒素雰囲気下(酸素濃度:730ppm)とし、19℃の窒素雰囲気下にある粒状水酸化ナトリウム76部を19〜29℃で9.5時間かけて断続滴下し、この間反応槽内の水酸化ナトリウムは湿式粉砕機を使用して粉砕させる。その後25〜29℃で5時間反応熟成し、(B−2)をグリシジルエーテル化した。なお、湿式粉砕機は水酸化ナトリウムの滴下開始から反応熟成終了まで連続運転した。槽内を16℃に冷却後、23℃の水350部を20〜28℃の範囲で投入して0.5時間攪拌、17℃で0.5時間分液静置後下層(水層)を取り出し、残った上層(有機層)に「キョーワード600」(協和化学工業社製;アルカリ吸着剤)20部を投入し、減圧下昇温して120℃、−98.0KPaGまでエピクロルヒドリンとトルエン混合物の留出を行い、残存物を「ラヂオライト#700」(協和化学工業社製;ケイソウ土ろ過助剤)を用いて濾過循環を施し、グリシジルエーテル(A−2)を得た。(A−2)のGPC法による分子量測定チャートから求められる関係式(1)の右辺は1.129であった。
実施例3
実施例1と同様の反応槽に、実施例1の(B−1)1948部、粒状水酸化ナトリウム76部、トルエン100部を仕込み、反応槽内を窒素雰囲気下(酸素濃度:730ppm)とし、アリルクロライド114部を30〜40℃で9.5時間かけて断続滴下した。その後35〜40℃で5時間反応熟成し、(B−1)をアリルエーテル化した。槽内を16℃に冷却後、23℃の水350部を20〜28℃の範囲で投入して0.5時間攪拌、17℃で0.5時間分液静置後下層(水層)を取り出し、残った上層(有機層)に「キョーワード600」(協和化学工業社製;アルカリ吸着剤)20部を投入し、減圧下昇温して90℃、−98.0KPaGまでアリルクロライドとトルエン混合物の留出を行い、残存物を「ラヂオライト#700」(協和化学工業社製;ケイソウ土ろ過助剤)を用いて濾過循環を施し、アリルエーテル(A−3)を得た。(A−3)のGPC法による分子量測定チャートから求められる関係式(1)の右辺は1.121であった。
実施例4
撹拌装置、温度制御措置を設置した反応槽に、実施例1の(B−1)1948部、トルエン300部、触媒としてパラトルエンスルホン酸6部、重合禁止剤としてMEHQ(ハイドロキノンモノメチルエーテル)1.5部、およびアクリル酸108部を、分水器つき冷却管及び空気吹き込み管を備えた反応容器に仕込み、200ml/分の流量で空気を反応液中に吹き込みながら、温度を90℃まで昇温し、90〜95℃の温度で系外に生成した水を除去し、理論生成水の85%に達するまで反応した。次いで過剰のアクリル酸を除去し、得られた反応液を20%水酸化ナトリウム水溶液100部を入れ、15分間攪拌し未反応のアクリル酸を中和後静置し、下層のアルカリ液を除去した。更に、20%食塩水100部を入れ、3分間攪拌後静置し、下層の食塩水を除去した。得られた反応液をエバポレーターに移し、減圧下でトルエンを除去し、アクリル酸エステル(A−4)を得た。(A−4)のGPC法による分子量測定チャートから求められる関係式(1)の右辺は1.122であった。
比較例1
実施例1と同様の反応槽に、(B−3)1883部、エピクロルヒドリン186部、トルエン500部を仕込み、反応槽内を窒素雰囲気下(酸素濃度:730ppm)とし、19℃の窒素雰囲気下にある粒状水酸化ナトリウム76部を19〜29℃で9.5時間かけて断続滴下し、この間反応槽内の水酸化ナトリウムは湿式粉砕機を使用して粉砕させる。その後25〜29℃で5時間反応熟成し、(B−3)をグリシジルエーテル化した。なお、湿式粉砕機は水酸化ナトリウムの滴下開始から反応熟成終了まで連続運転した。槽内を16℃に冷却後、23℃の水350部を20〜28℃の範囲で投入して0.5時間攪拌、17℃で0.5時間分液静置後下層(水層)を取り出し、残った上層(有機層)に「キョーワード600」(協和化学工業社製;アルカリ吸着剤)20部を投入し、減圧下昇温して120℃、−98.0KPaGまでエピクロルヒドリンとトルエン混合物の留出を行い、残存物を「ラヂオライト#700」(協和化学工業社製;ケイソウ土ろ過助剤)を用いて濾過循環を施し、グリシジルエーテル(A−5)を得た。(A−5)のGPC法による分子量測定チャートから求められる関係式(1)の右辺は1.219であった。
比較例2
撹拌装置、温度制御措置を設置した反応槽に、比較例1の(B−3)1883部、粒状水酸化ナトリウム 100部、トルエン 100部を仕込み、反応槽内を窒素雰囲気下(酸素濃度:730ppm)とし、アリルクロライド76部(2モル)を30〜40℃で9.5時間かけて断続滴下した。その後35〜40℃で5時間反応熟成し、(B−3)をアリルエーテル化した。槽内を16℃に冷却後、23℃の水 1000部を20〜28℃の範囲で投入して0.5時間攪拌、17℃で0.5時間分液静置後下層(水層)を取り出し、残った上層(有機層)に「キョーワード600」(協和化学工業社製;アルカリ吸着剤)20部を投入し、減圧下昇温して90℃、−98.0KPaGまでアリルクロライドとトルエン混合物の留出を行い、残存物を「ラヂオライト#700」(協和化学工業社製;ケイソウ土ろ過助剤)を用いて濾過循環を施し、アリルエーテル(A−6)を得た。(A−6)のGPC法による分子量測定チャートから求められる関係式(1)の右辺は1.206であった。
比較例3
撹拌装置、温度制御措置を設置した反応槽に、比較例1の(B−3)1883部、トルエン300部、触媒としてパラトルエンスルホン酸6部、重合禁止剤としてMEHQ(ハイドロキノンモノメチルエーテル)1.5部、及びアクリル酸108部を、分水器つき冷却管および空気吹き込み管を備えた反応容器に仕込み、200ml/分の流量で空気を反応液中に吹き込みながら、温度を90℃まで昇温し、90〜95℃の温度で系外に生成した水を除去し、理論生成水の85%に達するまで反応した。次いで過剰のアクリル酸を除去し、得られた反応液を20%水酸化ナトリウム水溶液100部を入れ、15分間攪拌し未反応のアクリル酸を中和後静置し、下層のアルカリ液を除去した。更に、20%食塩水100部を入れ、3分間攪拌後静置し、下層の食塩水を除去した。得られた反応液をエバポレーターに移し、減圧下でトルエンを除去し、アクリル酸エステル(A−7)を得た。(A−7)のGPC法による分子量測定チャートから求められる関係式(1)の右辺は1.209であった。
表1に以上の値を纏めて記載した。この表から明らかなように比較例1、2のアルコールアルキレンオキシド誘導体は2官能成分含量が多い。これに対して実施例1〜4の1価アルコールアルキレンオキシド付加物誘導体は高純度である。
試験例
<重合試験>
温度計、窒素導入管、攪拌機、分水器、還流冷却器を取り付けたフラスコにテレフタル酸ジメチル100部(0.51モル)とエチレングリコール62部(1モル)、酢酸カルシウム1水塩0.06部を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら加熱し、反応温度を220℃まで昇温してメタノール留去しながら4時間エステル交換反応を行った。その後、リン酸トリメチル0.1部、三酸化アンチモンを0.05部、(A−1)を50部加え、1mmHg以下の減圧下280℃で3時間重合を行い、得られた重合物の外観を観察した。
(A−2)、(A−5)も同様の操作を行った。
表2に重合試験の結果を記載した。この表から明らかなように本願発明の(A−1)、(A−2)を用いて反応を行うとゲル化を起こしていない。これに対して比較例の(A−5)を用いて反応を行うとジオール成分が多いため、重合中にゲル化を起こしている。
本発明のアルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物は高純度であり、反応性モノマーとして有用である。アクリル、ポリエステル、エポキシ樹脂等の反応原料に用いることができる。

Claims (4)

  1. GPCにより得られるクロマトグラムにおいて、溶出開始点から溶出終了点までを結んだ直線をL、最大ピークの頂点のLからの高さをH、半値幅をΔM、全ピーク面積をAとしたときの下記関係式(1)を満たすことを特徴とする一般式(2)で示される1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物(A)。
    関係式
    1.20≧A/(H×ΔM) (1)
    一般式
    RO−(AO)m/(EO)n−Q (2)
    (式中、Rは炭素数1〜24の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜24の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜30の芳香族炭化水素基;Aは炭素数3〜8のアルキレン基、Eはエチレン基であり、AOとEOはランダム結合でもブロック結合でもよい;mは0又は1〜400の整数、nは0又は1〜400の整数であり、m+nは1〜400、Qは反応性基である。)
  2. n/(m+n)が0.95以下であることを特徴とする請求項1記載の1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物(A)。
  3. Qがグリシジル基、ビニル含有アルキル基、ビニル含有アシル基からなる群から選ばれる請求項1又は2記載のアルキレンオキシド付加物の末端変性物(A)。
  4. 1価アルコールにアルキレンオキシドを付加した後末端水酸基を反応して1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物(A)を製造する方法において、1価アルコールにアルキレンオキシドを付加する段階で下記関係式(3)を満たす条件下で行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか記載の1価アルコールアルキレンオキシド付加物の末端変性物(A)。
    関係式
    20,000≧[1.5×P+0.06×S×X/W+0.017×C
    +0.056×D]×M (3)
    [式中、Pは1価アルコール中の過酸化物価(meq/kg)、Sは反応容器の1価アルコール仕込み後の空間容量(リットル:L)、Xは常温常圧下での反応系中の酸素濃度(ppm)、Wは1価アルコールの仕込量(g)、Cは1価アルコールのアルデヒド含量(ppm)、Dは反応系中の水分(ppm)、Mは1価アルコールの分子量]

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