JP2005349244A - 被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法と装置 - Google Patents
被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法と装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005349244A JP2005349244A JP2004169542A JP2004169542A JP2005349244A JP 2005349244 A JP2005349244 A JP 2005349244A JP 2004169542 A JP2004169542 A JP 2004169542A JP 2004169542 A JP2004169542 A JP 2004169542A JP 2005349244 A JP2005349244 A JP 2005349244A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ammonia
- water
- treated
- ions
- nitrogen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
- Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
- Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
- Physical Water Treatments (AREA)
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
Abstract
【課題】アルカリ金属イオン、及び/又はアルカリ土類金属イオンを高濃度で含み、同時にアンモニア性窒素を含有する被処理水からでも、アンモニア性窒素を選択的に除去できる被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法と装置を提供すること。
【解決手段】 アルカリ金属イオン、及び/又はアルカリ土類金属イオンが共存するアンモニア性窒素を含む被処理水から金属キレート樹脂を用いてアンモニア性窒素を除去する場合にpHを適切に選べば、アルカリ金属イオン、及び/又はアルカリ土類金属イオンは前記樹脂に吸着されず、アンモニアのみが選択的に吸着される。アンモニアのみが選択的に吸着された金属キレート樹脂を再生して再度被処理水のアンモニア性窒素除去に利用できる。金属キレート樹脂の再生に使用した回収再生液にアルカリ添加した後にスチームなどでストリッピングすることで回収再生液中に回収されたアンモニアを分離する。
【選択図】 図1
【解決手段】 アルカリ金属イオン、及び/又はアルカリ土類金属イオンが共存するアンモニア性窒素を含む被処理水から金属キレート樹脂を用いてアンモニア性窒素を除去する場合にpHを適切に選べば、アルカリ金属イオン、及び/又はアルカリ土類金属イオンは前記樹脂に吸着されず、アンモニアのみが選択的に吸着される。アンモニアのみが選択的に吸着された金属キレート樹脂を再生して再度被処理水のアンモニア性窒素除去に利用できる。金属キレート樹脂の再生に使用した回収再生液にアルカリ添加した後にスチームなどでストリッピングすることで回収再生液中に回収されたアンモニアを分離する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンと共存するアンモニア性窒素を含む被処理水からアンモニア性窒素を除去する方法と装置に関する。
アンモニアを含有する排水を処理する方法として、ゼオライト塔のイオン交換体を利用して、アンモニア含有排水をゼオライトと接触させて、アンモニアをゼオライトに捕捉した後に、ゼオライトの再生を行い、再生液中の高濃度のアンモニアをストリッピングによりガス化し処理する技術がある。
特開平9‐206745号公報
上記従来のイオン交換体を利用したアンモニア排水処理法において、排水中にカリウムやナトリウム等のアルカリ金属イオン及びマグネシウムなどアルカリ土類金属イオンが含まれる場合に、ゼオライトは、これらの金属イオンに対してアンモニアと同等の吸着力があり、上記金属イオンの含有量も考慮した上で使用ゼオライト量を計画する必要があり、多量のゼオライトが必要となるという問題があった。
このように、従来のイオン交換体を利用したアンモニア性窒素処理法ではアルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンを高濃度に共存する場合には実用的でない。
また、アンモニアを捕捉したゼオライトの再生時にNaOHなどの固体アルカリ物質を溶解したアルカリ水溶液を使用して、アンモニウムイオンをアンモニアとしてスチームや加熱空気でストリッピングする場合には固形物がミストとして飛散するため、ミストキャッチャーに負担がかかるなど、後流側に影響を与える問題点がある。
本発明の課題は、アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンを高濃度で含み、同時にアンモニア性窒素を含有する被処理水からでも、アンモニア性窒素を選択的に除去できる被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法と装置を提供することである。
本発明の上記課題は次の構成で達成される。
すなわち、請求項1記載の発明は、アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンと共存するアンモニア性窒素を含む被処理水から吸着層を用いてアンモニア性窒素を除去する被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法において、前記吸着層として樹脂キレート及びアンモニアとの生成定数が大きい金属イオン含有金属キレート樹脂を含む吸着層を少なくとも1つ備えた吸着層を用いて、アンモニア性窒素を選択的に除去する被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法である。
すなわち、請求項1記載の発明は、アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンと共存するアンモニア性窒素を含む被処理水から吸着層を用いてアンモニア性窒素を除去する被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法において、前記吸着層として樹脂キレート及びアンモニアとの生成定数が大きい金属イオン含有金属キレート樹脂を含む吸着層を少なくとも1つ備えた吸着層を用いて、アンモニア性窒素を選択的に除去する被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法である。
請求項2記載の発明は、被処理水のpHをアンモニウムイオン(NH4 +イオン)とアンモニア(NH3)の平衡がアンモニア(NH3)の方に片寄るように調整した後に前記金属キレート樹脂を含む吸着層に被処理水を通水する請求項1記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法である。
請求項3記載の発明は、被処理水にアルカリを添加することによりアルカリ土類金属イオンが沈殿する場合には、該沈殿物を除去した後に被処理水を前記金属キレート樹脂を含む吸着層に流す請求項1又は2記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法である。
請求項4記載の発明は、金属イオンとして、Ni2+、Zn2+、Co2+又はCu2+イオンを用いる請求項1ないし3のいずれかに記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法である。
請求項5記載の発明は、少なくとも1つの吸着層が飽和になると、該吸着層にアンモニウムイオン(NH4 +イオン)とアンモニア(NH3)の平衡がアンモニウムイオン(NH4 +イオン)の方に片寄るようにpHを調整した再生液を前記飽和状態の吸着層に流して吸着層を再生するとともに、吸着層から流出した再生液中のアンモニア性窒素を回収する請求項1ないし4のいずれかに記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法である。
請求項6記載の発明は、前記飽和吸着層から回収したアンモニア性窒素を含む再生液のpHをアンモニウムイオン(NH4 +イオン)とアンモニア(NH3)の平衡がアンモニア(NH3)の方に片寄るように回収再生液のpHを調整し、該pH調整後の回収再生液にスチーム及び/又は加熱空気を流して回収再生液からアンモニア(NH3)を放散し、該放散アンモニア(NH3)を触媒分解する請求項5記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法である。
請求項7記載の発明は、回収再生液に添加するアルカリとして、常温で液体のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドを使用する請求項6記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法である。
請求項8記載の発明は、アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンと共存するアンモニア性窒素を含む被処理水から吸着塔を用いてアンモニア性窒素を除去する被処理水中のアンモニア性窒素の除去装置において、樹脂キレート及びアンモニアとの生成定数が大きい金属イオン含有金属キレート樹脂を含む吸着層を備えた少なくとも1つの吸着塔を用いて、アンモニア性窒素を選択的に除去する被処理水中のアンモニア性窒素の除去装置である。
請求項9記載の発明は、被処理水のpHをアンモニウムイオン(NH4 +イオン)とアンモニア(NH3)の平衡がアンモニア(NH3)の方に片寄るように調整するpH調整槽と、該pH調整槽で得られたpH調整後の被処理水を吸着塔に導入する流路を設けた請求項8記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去装置である。
請求項10記載の発明は、飽和した吸着塔を再生するための再生液である、アンモニウムイオン(NH4 +イオン)とアンモニア(NH3)の平衡がアンモニウムイオン(NH4 +イオン)の方に片寄るようにpHを調整した再生液を溜める再生液槽と、該再生液槽からの再生液を飽和した吸着塔に流して得られたアンモニア性窒素を含む回収再生液のpHをアンモニウムイオン(NH4 +イオン)とアンモニア(NH3)の平衡がアンモニア(NH3)の方に片寄るように得られたpH調整後の回収再生液にスチーム及び/又は加熱空気を流して回収再生液からアンモニア(NH3)を回収するストリッパと、該ストリッパで得られた放散アンモニア(NH3)を分解する触媒分解槽とを備えた請求項9記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去装置である。
(作用)
樹脂キレート及びアンモニアとの生成定数が大きい金属イオン含有金属キレート樹脂を用いるとアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンは金属キレート樹脂に吸着されない。アルカリ金属イオンとしてNa+イオンを、そしてアルカリ土類金属イオンとしてCa2+イオンを例にすれば、式(1)、(2)により、Na+イオンとCa2+イオンは金属キレート樹脂(RM)に吸着されない。
樹脂キレート及びアンモニアとの生成定数が大きい金属イオン含有金属キレート樹脂を用いるとアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンは金属キレート樹脂に吸着されない。アルカリ金属イオンとしてNa+イオンを、そしてアルカリ土類金属イオンとしてCa2+イオンを例にすれば、式(1)、(2)により、Na+イオンとCa2+イオンは金属キレート樹脂(RM)に吸着されない。
アンモニア(NH3)とアンモニウムイオン(NH4 +)の平衡がアンモニア(NH3)に偏るように被処理水のpHを選べば、式(3)にしたがって、平衡は右方向に移行する。その結果、アンモニアは式(4)にしたがって金属キレート樹脂(RM)に配位結合によって吸着される。この際、Ca2+イオンは式(5)にしたがって、一部加水分解され、沈殿として回収されるため、被処理水のpH調整は吸着塔の前段で行い、沈殿回収のための予備貯槽を設置する必要がある。
吸着塔内の金属キレート樹脂が飽和になった後、NH3をNH4 +イオンとなるように酸を加えてpHを下げた再生液を吸着層に流すと、金属キレート樹脂(RM)の平衡は式(6)にしたがって、金属キレート樹脂(RM)が再生されるとともに、アンモニア性窒素は再生液中に回収される。
これにより、アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンが共存するアンモニア性窒素を含む被処理水中からアンモニアのみを選択的に除去することができる。
RM + Na+ = RM + Na+ (1)
RM + Ca2+ = RM + Ca2+ (2)
NH4 + + OH- = NH3 +H2O (3)
RM + 2NH3 = RM(NH3)2 (4)
Ca2+ + 2OH- =Ca(OH)2 (5)
RM(NH3)2 +2H+ =RM + 2NH4 + (6)
ここで、R:キレート樹脂、M:樹脂キレート及びアンモニアとの生成定数が大きい金属イオン、RM:金属キレート樹脂である。
RM + Ca2+ = RM + Ca2+ (2)
NH4 + + OH- = NH3 +H2O (3)
RM + 2NH3 = RM(NH3)2 (4)
Ca2+ + 2OH- =Ca(OH)2 (5)
RM(NH3)2 +2H+ =RM + 2NH4 + (6)
ここで、R:キレート樹脂、M:樹脂キレート及びアンモニアとの生成定数が大きい金属イオン、RM:金属キレート樹脂である。
アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンは通常の被処理水のpHでは、いずれも陽イオンとして存在している。また、これらのイオンはキレート樹脂上の金属イオン(M)と樹脂キレートとの安定度定数に比較して、樹脂キレートとの安定度定数が低いため(十万分の一以下)、金属イオン(M)と置換せず、樹脂キレートとはキレート結合を形成せず、キレート樹脂に吸着されずに排水される。
一方、アンモニア性窒素はNH4 +とNH3の平衡がNH3に偏るpHを選択すれば金属キレート樹脂(RM)上に吸着される。アンモニア性窒素が破過した後、該吸着層の金属キレート樹脂(RM)がNH3で飽和するまで、被処理水をそのまま別の吸着層に通水し続ける。
前記吸着層が飽和した際、該吸着層への給水を切り替え、別の吸着層にのみ被処理水を通水し続ける。前記飽和した吸着層へは、pHをNH4 +イオンとNH3の平衡がNH4 +イオンの方に偏るように酸を添加してpHを調整した再生液を流して吸着層の金属キレート樹脂を再生させるとともに、アンモニア性窒素を回収する。
上記処理により回収した再生液は、そのpHを上げて再生液中のNH4 +イオンをNH3としてストリッピングする際、アルカリとして液体のアルカリを使用すると固形物が後流側に飛散せず、ミストキャッチャーに負荷がかからず、後流側に悪い影響を与えない。上記アルカリとしてはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、特にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、または、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを含有する被処理水が使用できる。この場合、式(7)、(8)、(9)にしたがって、NH4 +イオンはNH3としてストリッピングされる。
また、TMAHは式(10)にしたがって、水蒸気と反応してNH3とメタノールに変換されるため、得られたNH3は触媒分解され、メタノールも燃焼触媒分解される。
(CH3)4NOH =(CH3)4N++OH- (7)
NH4 ++OH-=NH3(L)+H2O (8)
NH3(L)=NH3(G) (9)
(CH3)4NOH+3H2O=4CH3OH+NH3 (10)
以上により、アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンが共存するアンモニア性窒素を含む被処理水を金属キレート樹脂を用いて、該窒素を選択的に除去できる。
NH4 ++OH-=NH3(L)+H2O (8)
NH3(L)=NH3(G) (9)
(CH3)4NOH+3H2O=4CH3OH+NH3 (10)
以上により、アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンが共存するアンモニア性窒素を含む被処理水を金属キレート樹脂を用いて、該窒素を選択的に除去できる。
さらに、該金属キレート樹脂を用いて回収液中に回収したNH3をストリッピングするためのアルカリとして、液体のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、特にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド含有被処理水を使用すると、ストリッパから固形物が飛散しないため、ミストキャッチャーに負荷がかからず、ストリッパの後流側に悪い影響を与えない。
請求項1、8記載の発明によれば、被処理水からアンモニア性窒素を除去する際、アンモニアとの生成定数が大きい金属イオン含有キレート樹脂を用いると、アルカリ金属イオンとアルカリ土類金属イオンが共存しても、アンモニア性窒素を選択的に除去することができる。
請求項2、9記載の発明によれば、請求項1 、8記載の発明の効果に加えて、被処理水のpHをNH4 +イオン、NH3の平衡がNH3の方に片寄るようにアルカリを添加することにより調整した後に前記金属キレート樹脂を含む吸着層に被処理水を通水して被処理水中のアンモニア性窒素を吸着層に吸着させることができるので、アンモニア性窒素を被処理水から容易に除去できる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、被処理水にアルカリを添加することによりアルカリ土類金属イオンが沈殿する場合には、該沈殿物を除去した後に被処理水を前記金属キレート樹脂を含む吸着層に流すことで、被処理水中のアンモニア性窒素を除去することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、金属イオンとして、Ni2+、Zn2+、Co2+又はCu2+イオンを用いるので、樹脂キレート及びアンモニアとの生成定数が大きく、アンモニア吸着性が良好である。
請求項5、10記載の発明によれば、請求項1ないし4のいずれか又は請求項9記載の発明の効果に加えて、少なくとも1つの吸着層が飽和になると、該吸着層にアンモニウムイオン(NH4 +イオン)とアンモニア(NH3)の平衡がアンモニウムイオン(NH4 +イオン)の方に片寄るように酸を添加してpHを調整した再生液を前記飽和状態の吸着層に流して吸着層を再生するとともに、吸着層から流出した再生液中のアンモニア性窒素を回収することができ、被処理水中のアンモニア性窒素の連続除去処理ができる。
請求項6、10記載の発明によれば、請求項5、9記載の発明の効果に加えて、前記飽和吸着層から回収したアンモニア性窒素を含む再生液のpHを調整し、該pH調整後の回収再生液にスチーム及び/又は加熱空気を流して回収再生液からアンモニア(NH3)を放散し、該放散アンモニア(NH3)を触媒分解することで、被処理水中のアンモニア性窒素を無害化できる。
請求項7記載の発明によれば、請求項6記載の発明の効果に加えて、回収再生液に添加するアルカリとして、常温で液体のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、とりわけテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを含有水を使用すると、ストリッパから固形物が飛散しないため、後流の触媒分解装置に悪影響を与えないため、高価な触媒装置が長持ちしてコスト低減につながる。
図1に本発明の代表的なシステムの一実施例の構成図を示す。
すなわち、被処理水はライン1からポンプ21により、アルカリ調整槽22に供給され、その後ライン2を経てポンプ23により金属キレート樹脂を充填した吸着塔40に供給される。該吸着塔40を出た被処理水はライン3を経て排水槽25に供給される。該排水槽25内の被処理水には酸が供給され、規制値未満のNH4 +濃度、pHになるようにしてライン10より排出される。
すなわち、被処理水はライン1からポンプ21により、アルカリ調整槽22に供給され、その後ライン2を経てポンプ23により金属キレート樹脂を充填した吸着塔40に供給される。該吸着塔40を出た被処理水はライン3を経て排水槽25に供給される。該排水槽25内の被処理水には酸が供給され、規制値未満のNH4 +濃度、pHになるようにしてライン10より排出される。
排水槽25出口の排水のNH4 +濃度が規制値を超えた場合は、被処理水はポンプ26を用いてライン4を経由してアルカリ調整槽22に戻される。
また、吸着塔40の金属キレート樹脂でNH4 +が破過する前にライン3のバルブ3aを閉じ、吸着塔40からの被処理水をライン5からポンプ27により金属キレート樹脂を充填した吸着塔41へ供給する。該吸着塔41でアンモニアが吸着された被処理水はライン6から排水槽25に供給され、NH4 +濃度とpHを規制値内にしてライン10より排出する。
なお、排水槽25内には図示していないが、NH4 +濃度計とpH計を配置して被処理水中のNH4 +濃度とpH値を常時測定している。
吸着塔40から流出したアンモニア含有再生液はライン9からストリッパ貯槽46に供給される。該ストリッパ貯槽46内の被処理水(アンモニア含有再生液)のpHとNH4 +濃度を測定し、ライン11からポンプ43によってアンモニア含有再生液をストリッパ42に供給する。
その後、ストリッパ42の下部のライン32からスチームあるいは空気をストリッパ42に導入し、アンモニアをストリッパ42の上部のライン33から放出する。該ライン33上には加熱部34を設置し、加熱部34の後流にアンモニア分解触媒層35を設置する。
なお、前記触媒塔35内に充填されるアンモニア分解触媒は特開2002−52379号公報記載のアンモニア分解触媒であり、具体的には、窒素酸化物のNH3による還元活性を有する第1成分(チタン(Ti)の酸化物およびタングステン(W)、バナジウム(V)もしくはモリブデン(Mo)から選ばれた1種以上の元素との酸化物からなる)とNH3を酸化して窒素酸化物(NOx)を生成させる活性を有する第2成分(白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)およびパラジウム(Pd)から選ばれた1種以上の貴金属)を担持したシリカ、ゼオライトおよび/またはアルミナからなる。
ストリッパ42でのガスと液の接触温度は60〜80℃とする。アンモニア分解触媒温度は350〜400℃に保ち、ガス中のアンモニアを分解するとクリーンな排ガスがライン36から排出される。またストリッパ42の下部のライン37からスラッジを排出する。
吸着塔40が飽和に達した場合、ライン2のバルブ2aとライン5のバルブ5aを閉じ、バルブ7aを開き、被処理水はライン7から吸着塔41へ供給される。その間、再生液槽45からNH4 +イオンとNH3の平衡がNH4 +イオンの方に片寄るように酸を添加してpHを調整したアンモニア含有再生液をライン8を経てポンプ28により吸着塔40に供給し、前記飽和状態の吸着塔40内の金属キレート樹脂の吸着層を再生させる。なお、吸着塔40出口にはNH4 +計を設けているので、吸着塔40内の吸着層の再生度を確認できる。
吸着塔40出口のNH4 +計で吸着塔40内の吸着層の再生度が確認された後、ライン9のバルブ9aを閉じてライン2を開け、ポンプ23により吸着塔40に供液し、ライン3に付属するバルブ3aを開けて、排水槽25に給液する。吸着塔41が飽和になった場合は、前記と同様の操作を実施する。
本実施例によれば、アルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンと共存下でアンモニア性窒素を選択的に除去できる方法において、アンモニアとの生成定数が大きい金属イオンを含むキレート樹脂を用いて、アンモニア性窒素を選択的に除去できる。すなわち、アンモニウムイオンではpHを10前後に維持すれば、アンモニアの平衡化学種が存在するために、アンモニアのみが吸着塔40、41内の金属キレート樹脂上に吸着される。その後、アンモニアをアンモニウムイオンになるようにpHを下げて平衡をずらすことにより、吸着塔40、41内のアンモニアで飽和した金属キレート樹脂が再生されるとともに、アンモニアはアンモニウムイオンとして再生液中に回収される。
また、再生液中に回収されたアンモニウムイオンをアンモニアとしてストリッピングするためには再生液にアルカリを加えてアンモニアとアンモニウムイオンの平衡をアンモニアの方に偏らせる必要があるが、ストリッパ42に充填材を装着すれば、pHが9.6以上でストリッピングされる。また、ストリッパ貯槽46内の再生液に加える前記アルカリとして液体のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、特にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、またはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、またはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド含有被処理水を使用すると、ストリッパ42から固形物が飛散しないため、後流の触媒分解装置に悪影響を与えない。
吸着塔40、41に流す被処理水の浄化温度は特に選ばない。また、吸着塔40、41内の金属キレート樹脂の再生温度も特に選ばない。一方、ストリッパ(脱離塔)42の温度は60〜80℃で十分な速度が得られる。
本実施例でアンモニアを含む被処理水は、再生液槽45内の再生液中のNH4 +イオンの濃度が2000〜10000ppmであることが処理可能な濃度である。
上記実施例のプラントの模式的な実験装置で次の実験を行った。
まず、金属キレート樹脂(金属イオンとしてCu2+イオン、キレート樹脂としてアンバーライトIRC748を用いてキレート樹脂にCu2+イオンを捕捉したものを金属キレート樹脂として使用)0.023Lを充填したカラムにNa+イオン1000ppm、NH4イオン50ppmを含む被処理水をpH10、温度27℃、SV13h-1で通水したところ、Na+イオンは流出し、NH3は流出しなかった。排出水中に初期濃度の5%のNa+イオンが流出するまでの時間は200minであった。前記流出水中に初期濃度の95%のNa+イオンが流出するまでの時間は250minであった。
まず、金属キレート樹脂(金属イオンとしてCu2+イオン、キレート樹脂としてアンバーライトIRC748を用いてキレート樹脂にCu2+イオンを捕捉したものを金属キレート樹脂として使用)0.023Lを充填したカラムにNa+イオン1000ppm、NH4イオン50ppmを含む被処理水をpH10、温度27℃、SV13h-1で通水したところ、Na+イオンは流出し、NH3は流出しなかった。排出水中に初期濃度の5%のNa+イオンが流出するまでの時間は200minであった。前記流出水中に初期濃度の95%のNa+イオンが流出するまでの時間は250minであった。
次に前記95%のNa+イオンが流出した金属キレート樹脂充填カラムに、pH8の塩化ナトリウム水溶液濃度0.5mol/Lからなる再生液をSV13-1で流したところ、3.8時間でNH4 +イオンは99.8%が流出した。
上記NH4 +イオンがほとんど流出した後に、このNH4 +イオン含有液にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を添加してpHを12とした後、液量を1Lとして、孔径B1のバブラーに空気1L/minを通気したところ、液の温度が60℃では5時間でアンモニアが99.8%以上、液から脱離した。
前記95%のNa+イオンが流出した金属キレート樹脂充填カラムに、温度60℃、NaCl濃度3mol/Lからなる再生液をSV13-1で流したところ、3時間でNH4 +イオンが99.8%流出した。
本発明はアルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンと共存するアンモニア性窒素を含む被処理水からアンモニア性窒素を効果的に除去できるので、アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンと共存するアンモニア性窒素を含む各種廃液を浄化することができる。
1〜12、32、33、36、37 ライン
21、23、26〜28、43 ポンプ
3a、5a、9a バルブ
22 アルカリ調整槽 25 排水槽
34 加熱部 35 アンモニア分解触媒層
40、41 吸着塔 42 ストリッパ
45 再生液槽 46 ストリッパ貯槽
21、23、26〜28、43 ポンプ
3a、5a、9a バルブ
22 アルカリ調整槽 25 排水槽
34 加熱部 35 アンモニア分解触媒層
40、41 吸着塔 42 ストリッパ
45 再生液槽 46 ストリッパ貯槽
Claims (10)
- アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンと共存するアンモニア性窒素を含む被処理水から吸着層を用いてアンモニア性窒素を除去する被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法において、
前記吸着層として樹脂キレート及びアンモニアとの生成定数が大きい金属イオン含有金属キレート樹脂を含む吸着層を少なくとも1つ備えた吸着層を用いて、アンモニア性窒素を選択的に除去することを特徴とする被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法。 - 被処理水のpHをアンモニウムイオン(NH4 +イオン)とアンモニア(NH3)の平衡がアンモニア(NH3)の方に片寄るように調整した後に前記金属キレート樹脂を含む吸着層に被処理水を通水することを特徴とする請求項1記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法。
- 被処理水にアルカリを添加することによりアルカリ土類金属イオンが沈殿する場合には、該沈殿物を除去した後に被処理水を前記金属キレート樹脂を含む吸着層に流すことを特徴とする請求項1又は2記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法。
- 金属イオンとして、Ni2+、Zn2+、Co2+又はCu2+イオンを用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法。
- 少なくとも1つの吸着層が飽和になると、該吸着層にアンモニウムイオン(NH4 +イオン)とアンモニア(NH3)の平衡がアンモニウムイオン(NH4 +イオン)の方に片寄るようにpHを調整した再生液を前記飽和状態の吸着層に流して吸着層を再生するとともに、吸着層から流出した再生液中のアンモニア性窒素を回収することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法。
- 前記飽和吸着層から回収したアンモニア性窒素を含む再生液のpHをアンモニウムイオン(NH4 +イオン)とアンモニア(NH3)の平衡がアンモニア(NH3)の方に片寄るように回収再生液のpHを調整し、該pH調整後の回収再生液にスチーム及び/又は加熱空気を流して回収再生液からアンモニア(NH3)を放散し、該放散アンモニア(NH3)を触媒分解することを特徴とする請求項5記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法。
- 回収再生液に添加するアルカリとして、常温で液体のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドを使用することを特徴とする請求項6記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法。
- アルカリ金属イオン及び/又はアルカリ土類金属イオンと共存するアンモニア性窒素を含む被処理水から吸着塔を用いてアンモニア性窒素を除去する被処理水中のアンモニア性窒素の除去装置において、
樹脂キレート及びアンモニアとの生成定数が大きい金属イオン含有金属キレート樹脂を含む少なくとも1つの吸着層を備えた吸着塔を用いて、アンモニア性窒素を選択的に除去することを特徴とする被処理水中のアンモニア性窒素の除去装置。 - 被処理水のpHをアンモニウムイオン(NH4 +イオン)とアンモニア(NH3)の平衡がアンモニア(NH3)の方に片寄るように調整するpH調整槽と、該pH調整槽で得られたpH調整後の被処理水を吸着塔に導入する流路を設けたことを特徴とする請求項8記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去装置。
- 飽和した吸着塔を再生するための再生液である、アンモニウムイオン(NH4 +イオン)とアンモニア(NH3)の平衡がアンモニウムイオン(NH4 +イオン)の方に片寄るようにpHを調整した再生液を溜める再生液槽と、
該再生液槽からの再生液を飽和した吸着塔に流して得られたアンモニア性窒素を含む回収再生液のpHをアンモニウムイオン(NH4 +イオン)とアンモニア(NH3)の平衡がアンモニア(NH3)の方に片寄るように得られたpH調整後の回収再生液にスチーム及び/又は加熱空気を流して回収再生液からアンモニア(NH3)を回収するストリッパと、
該ストリッパで得られた放散アンモニア(NH3)を分解する触媒分解槽と
を備えたことを特徴とする請求項9記載の被処理水中のアンモニア性窒素の除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004169542A JP2005349244A (ja) | 2004-06-08 | 2004-06-08 | 被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法と装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004169542A JP2005349244A (ja) | 2004-06-08 | 2004-06-08 | 被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法と装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005349244A true JP2005349244A (ja) | 2005-12-22 |
Family
ID=35584141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004169542A Pending JP2005349244A (ja) | 2004-06-08 | 2004-06-08 | 被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法と装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005349244A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2458670A (en) * | 2008-03-26 | 2009-09-30 | Oilplus Ltd | Method for removing ammonia from fluid streams |
JP2014083495A (ja) * | 2012-10-24 | 2014-05-12 | Hitachi Ltd | Co2回収システム |
CN105731702A (zh) * | 2014-12-10 | 2016-07-06 | 中国石油天然气股份有限公司 | 一种氧化脱氢催化剂制备废水氨氮回收的方法及装置 |
-
2004
- 2004-06-08 JP JP2004169542A patent/JP2005349244A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2458670A (en) * | 2008-03-26 | 2009-09-30 | Oilplus Ltd | Method for removing ammonia from fluid streams |
JP2014083495A (ja) * | 2012-10-24 | 2014-05-12 | Hitachi Ltd | Co2回収システム |
CN105731702A (zh) * | 2014-12-10 | 2016-07-06 | 中国石油天然气股份有限公司 | 一种氧化脱氢催化剂制备废水氨氮回收的方法及装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2573677C2 (ru) | Устройство и способ очистки потока газа | |
JP4001554B2 (ja) | コークス炉ガスの浄化法 | |
JP5157941B2 (ja) | ホウ素含有水の処理方法 | |
EA008803B1 (ru) | Низкоэнергетический способ очистки от so | |
US6872371B2 (en) | Method and apparatus for NOx and SO2 removal | |
JP5371172B2 (ja) | 排ガス処理装置及び方法 | |
JP2005349244A (ja) | 被処理水中のアンモニア性窒素の除去方法と装置 | |
JP6653626B2 (ja) | 水処理方法および装置、水処理装置の改造方法、並びに水処理装置改造用キット | |
JP5919894B2 (ja) | アニオン交換樹脂の再生方法およびアミン液の再生方法 | |
JP6211779B2 (ja) | ホウ素含有排水の処理方法 | |
KR101397068B1 (ko) | 농축수 재이용이 가능한 배기가스의 폐열회수 및 백연저감 장치 | |
JP5142462B2 (ja) | 水質浄化装置および水質浄化方法 | |
JPH0671130A (ja) | 水溶性有機物蒸気を含むガスの処理装置 | |
JPH02303593A (ja) | 二段式逆浸透膜装置 | |
JP4901193B2 (ja) | 熱分解ガスの精製方法および装置 | |
KR102089372B1 (ko) | 산성가스 흡수제 조성물 및 이를 이용한 산성가스 포집 방법 | |
JP2007007580A (ja) | 排ガス処理装置及び方法 | |
JP3912157B2 (ja) | フッ化アンモニウム含有排水の処理方法 | |
JPS60132695A (ja) | 硫黄化合物を含む排水の処理方法 | |
CN111701397B (zh) | 脱除有机胺脱硫溶液中硫酸根离子和氯离子及减少有机胺溶液损失的工艺 | |
JP2737610B2 (ja) | 排煙脱硫排水の処理方法 | |
JP4038873B2 (ja) | 揮発性化合物を含む廃水の処理方法 | |
JP2002172384A (ja) | アンモニアと過酸化水素を含む排水の処理方法 | |
JP4096891B2 (ja) | チオシアン酸イオンを吸着したアニオン交換樹脂の再生方法 | |
JP3861042B2 (ja) | 排気処理方法および排気処理装置 |