JP2005348923A - 洗濯機 - Google Patents

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健浩 中西
Takeshi Murao
剛 村尾
Tomoyuki Yamazaki
智之 山崎
Giichi Baba
義一 馬場
Shinichi Akiyama
真一 秋山
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Abstract

【課題】 非力な高齢者等でも長い移動ストロークを有するスライド式の上蓋の開放操作を楽に行えるようにする。
【解決手段】 外箱の上面に形成された洗濯物投入口を開閉する上蓋2が閉塞位置にあるときには、蓋体20の裏面に立設された係合ピン23が外箱側に張設されたばね31に接触してこれを前方に引張る。そのため、蓋体20はばね31の付勢力で後向きに力を付与されており、使用者が蓋開ボタンを押しラッチ/ロック機構による上蓋2のラッチが外れると上蓋2は自発的にスライドし始める。そして、或る程度、上蓋2が開いてばね31の付勢力が減じてくると、蓋体20内部の2箇所に分けて設けた重錘21、22が共に下垂範囲Lに入るため、重錘21、22に作用する重力によって上蓋2はさらに後向きにスライドして円滑に開放する。
【選択図】 図7

Description

本発明は洗濯機に関し、更に詳しくは、洗濯物を出し入れするために外箱の上面に設けられた開口を開閉する上蓋の構造に関する。
一般の多くの渦巻き式洗濯機では、外箱の上面に使用者が洗濯槽内に洗濯物を出し入れするための開口が形成されており、その開口を開閉する上蓋が水平軸を中心に回動自在に設けられている。一方、ドラム式洗濯機では、従来、外箱の前面に横開き式のドアが設置された構造が主流であったが、近年、渦巻き式洗濯機と同様に、洗濯物投入用の開口を外箱の上面に設けたものが開発・商品化されている(特許文献1、非特許文献1、2など)。こうした蓋構造を持つドラム式洗濯機は、外箱前面にドアを設けた従来のドラム式洗濯機と区別するために、例えばトップオープン方式のドラム式洗濯機と呼ばれる。
こうしたドラム式洗濯機では、上蓋の開閉構造として大別して、二つ折り自在の上蓋を起立・倒伏可能とした回動式のもの(例えば特許文献1など参照)と、開放時に上蓋が外箱の内部に隠れるように移動可能なスライド式のもの(例えば非特許文献1、2など参照)とがある。後者のスライド式蓋構造は前者の回動式蓋構造よりも構造が複雑であるためコストが高くなることは避けられないが、上蓋の開放時に上蓋が使用者の作業の邪魔にならず手前に倒れ込んでくるおそれがない、開放した上蓋が水道栓(水道蛇口)に接触するおそれがなく洗濯機の設置場所の自由度が大きい、上蓋の開閉時の操作感が優れている、意匠性が高い、といった利点がある。
さらにスライド式蓋構造においては、1枚の蓋体を後方にスライド移動させるものと、非特許文献2に記載のように前後方向に2枚に分割されたうちの前方側の蓋体を前方に、後方側の蓋体を後方にスライド移動させるものとがある。後者の構造では2枚の蓋体を連動して開閉させる機構が必要になるため、前者よりもその構造が複雑になり、その分だけ故障が発生し易くなる。これに対し、前者は構造がスライド式としては比較的簡単であって、高い信頼性を確保することができる。また、ドラムの手前側にスライドして来た上蓋が存在しないので、洗濯物投入開口の手前側が広くなり、洗濯物の出し入れが容易であるという利点もある。
しかしながら、こうした1枚の蓋体をスライド移動させる上蓋構造では、上蓋をスライド移動させるためのストローク(動作距離)が必然的に長くなる。そのため、スライド式の上蓋を開放する際に、上部手前に設けられた把手を使用者が把持し力を加えて奥まで押す必要があり、例えば使用者が洗濯物を両手に抱えているような場合には上蓋を開けにくいという問題があった。また、高齢者などの比較的非力な使用者には、上蓋を開ける操作が負担である場合もあった。
特開2003−230795号公報([0030]及び図2) "ドラム式洗濯乾燥機 AWD-B860Z(S)"、[online]、三洋電機株式会社、[平成16年4月30日検索]、インターネット、<URL : http://www.e-life-sanyo.com/detail.php?dai=05&chu=01&sho=01&data=000000045&order=0&kan=0&page=1&sort> "東芝ホームランドリー(家庭用)取扱説明書 型名TW-80TA"、「スライドドア・内ふたの開閉について」、[online]、株式会社東芝、[平成16年4月30日検索]、インターネット、<URL : http://www.toshiba-living.jp/pdf/m/008039.pdf>
本発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、その主な目的は、特に上述したように開閉操作のストロークが長いスライド式の上蓋について、開閉操作を容易に行うことができる使い勝手の良好な洗濯機を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明は、外箱の上面に形成された洗濯物投入用の開口を開閉するために、屈曲自在の蓋体の一縁端が下垂され、その下垂縁端が上下方向に移動するに伴い該蓋体が前記開口を閉塞する位置と開放する位置との間でスライド移動する構造の上蓋を具備する洗濯機において、
前記蓋体が前記開口を閉塞した状態を保持するための保持手段と、
該保持手段による蓋体の保持が解除されたときに、該蓋体のスライド移動の始動を行う又は始動を補助するべく該蓋体を開放方向に付勢する弾性手段と、
を備えることを特徴としている。
ここで弾性手段としては、伸張コイルばね、圧縮コイルばね、板ばね等のばねが最も一般的であるが、ゴム、スポンジ等の弾性力を利用するものでもよい。
本発明に係る洗濯機では、上蓋の蓋体が洗濯物投入用開口を閉塞する位置にあるときに該蓋体は弾性手段により開放方向に付勢力が付与されているが、保持手段の保持力によって蓋体は上記付勢力に抗して閉塞状態を維持する。そして例えば使用者のボタン操作等によって保持手段による保持動作が解除されると、弾性手段による付勢力によって又はその付勢力の補助を受けて蓋体はスライド移動し始める。
或る程度、上蓋が開放するとその分だけ蓋体の下垂範囲が長くなるから、それ以降は、蓋体自体の重量や或いは後述するように付加された重錘の重量によって開放方向へのスライド移動は促進される。そのため、このようなときに弾性手段による付勢力が作用し続けると、蓋体のスライド移動速度が速くなり過ぎて全開時の衝撃が大きくなり過ぎるおそれがある。また、上蓋を閉鎖する際の操作を手動で行うことを考えると、閉鎖時に蓋体の重量のみならず弾性手段の付勢力にも抗する力を要することになる。そこで、上記弾性手段による付勢力は開放動作の途中まで作用するようにし、蓋体が或る程度移動した以降は、上記付勢力が作用しないようにすることが好ましい。すなわち、上蓋の開放動作の前半には上記弾性手段による付勢力が必ず作用するようにし、上蓋の開放動作の後半にはその付勢力が作用しないようにして蓋体の重量等によってのみ開放動作を行うようにする。
これにより、上蓋閉鎖時に摩擦力等によって蓋体が自発的には動き始めにくい場合でも、蓋体を円滑に開放させ始めることができる。また、上蓋の開閉のストロークが長い場合であっても、円滑に上蓋を開放させることができる。さらにまた、弾性手段による付勢力を開放動作の前半にのみ作用させることよって、蓋体の移動速度が過剰に大きくなることを防止することができるとともに、上蓋を手動で閉鎖する際の使用者の負荷を軽減することができる。
本発明に係る洗濯機において、前記弾性手段及び該弾性手段により上蓋に付勢力を付与する部分の構造としては各種のものが考えられるが、一態様として、前記弾性手段は上蓋の開閉方向に直交又は斜交するように張設されたコイルばねであり、前記上蓋は少なくとも閉塞状態では前記コイルばねに接触してこれを引張る突部を有する構成とすることができる。
この構成では、上蓋が全開した状態では突部はコイルばねに接触せず、該ばねによる付勢力は作用していない。そして、上蓋を或る程度以上に閉じた状態になると、突部がコイルばねに引っ掛かってこれを引張ることで、ばねが収縮しようとする付勢力を受ける。これによれば、構成が簡単でありながら、上蓋が閉塞状態であるときに確実に開放方向に付勢力を与えることができる。また、或る程度以上、上蓋が開放したときに付勢力が作用しない状態とすることも容易に実現できる。
また、本発明に係る洗濯機では、前記上蓋が開放する過程で全開状態となる前に、該上蓋の一部に接触する衝撃緩和手段を備える構成とすることが好ましい。この衝撃緩和手段としては、例えばエアダンパやばね式ダンパなどを用いることができる。また、こうしたダンパに接触する上蓋の一部としては、蓋体の裏面に突設したリブとすることができる。
この構成によれば、上蓋が開放する際に或る程度勢いが付いても、全開状態となる前に衝撃緩和手段に接触してその勢いが殺がれるので、上蓋の開放時のストッパとして機能する例えば把手が外箱の一部である外装板等に当接する衝撃を和らげ、大きな衝撃音を発することを防止することができる。
また、本発明に係る洗濯機において、前記上蓋は、前記蓋体にあって開閉方向に離れた2箇所以上の位置に重錘を有する構成とすることができる。
この構成では、上記弾性手段による付勢力によって上蓋が開放方向に移動し始めた後に、或る程度、上蓋が開放すると、その付勢力が無くなっても重錘の自重によって上蓋の開放が促進される。それによって、開放し始めた上蓋はそのまま全開位置まで円滑に開放し続ける。
またこの構成では、好ましくは、複数の重錘の全てではない少なくとも1個は、前記上蓋が開口を閉塞した状態にあるときに下垂した範囲内に設置された構成とするとよい。
これによって、弾性部材による付勢力の作用によって蓋体がスライド移動し始めた初期段階から、重錘による自重を一部利用して円滑に上蓋を開放させることができ、弾性手段の弾性力を過剰に大きくする必要がない。
逆に、蓋体が開放し始める際の弾性手段の弾性力が過剰に大きすぎると、また重錘の重量が大き過ぎると、蓋体の開放速度が速すぎるおそれがある。そこで、本発明に係る洗濯機において、前記複数の重錘の少なくとも1個は、前記上蓋が前記開口を閉塞した状態にあるときに下垂していない範囲内に設置された構成とするとよい。
上蓋が閉塞状態にあるときに蓋体の下垂していない範囲内に設置された重錘は、蓋体のスライド移動の始動時には蓋体に対して開放方向に殆ど又は何ら力を及ぼさず、蓋体が或る程度移動して上記重錘が下垂範囲に入ると蓋体を開放させる方向に大きな力を及ぼすようになる。したがって、この構成によれば、上蓋が開き始めるときには複数の重錘のうちの一部が弾性手段による付勢力と併せて開放方向に作用し、或る程度、上蓋が開いた後には複数の重錘の全てが開放方向に作用する。
それによって、上蓋が開き始めるときの開放速度を適度に抑えるととともに、上蓋が或る程度開いて弾性手段による付勢力が無くなったときにも、そのまま円滑に上蓋を開くようにすることができる。また、逆に上蓋を閉鎖する際には、弾性手段による付勢力が作用する程度まで上蓋を閉じると、その後、弾性手段による付勢力に抗して上蓋を閉める際には重錘による開放方向への作用力は減じるので、使用者が上蓋を閉める操作力も小さくて済む。
上蓋の開放速度は、弾性手段の弾性力、重錘の重量や取り付け位置、上蓋の開閉時の摩擦力などに依存するが、弾性手段の弾性力や上蓋の開閉時の摩擦力などの諸条件が決まった下では、複数設けた重錘の取り付け位置によって開放速度を適度に調整することができる。したがって、本発明に係る洗濯機では、前記弾性手段による付勢力によって上蓋が開放し始めてからその移動が停止するまでの期間中において、その開放速度の変化が小さくなるように前記複数の重錘の取り付け位置が決められている構成とすることが好ましい。
使用者にとっての操作感の点では、最良なのは開放速度が略一定であることであるが、それが達成できない場合でも、上蓋が自発的に開放する際の開放速度の変化をできるだけ小さくすることにより、使用上での操作感を良好にすることができる。また、蓋体の開放に伴う加速を抑えることによって、上述したように全開状態になる際の衝撃も小さくて済む。
また、本発明に係る洗濯機の他の態様として、前記弾性手段は前記上蓋の下垂した縁端部を略鉛直下方に引張るばねである構成とすることができる。
具体的には例えば、上蓋の下垂した縁端部と外箱の一部を成す脚台との間にコイルばねを含む付勢部材を取り付けることで上蓋を略鉛直下方に引張るようにし、例えば使用者のボタン操作等によって保持手段による保持動作が解除されたときに、上記付勢部材の引張力によって上蓋が開放方向にスライド移動し始めるようにすることができる。この構成では、上蓋が開放し始める時点で引張力は最大であり、上蓋が開放するに伴いコイルばねが収縮して引張力が減じてくる。上述したように、或る程度上蓋が開放するとその分だけ蓋体の下垂範囲が長くなって蓋体自体の重量等による開放方向への付勢力が生じるから、ばねによる引張力は上蓋が或る程度まで開放した状態となるまで作用し続けるように定めておけばよい。例えばばねと上蓋とをワイヤで連結する構成とすれば、そのワイヤの長さを適宜調整することにより、ばねの引張力が作用しなくなって上蓋の自重で上蓋が開放する位置を調整することができ、それによって上蓋の開放速度を調節することができる。
また、上記他の態様の構成において、好ましくは、前記ばねの周囲を取り囲んで、前記上蓋が開放して該ばねの引張力が失われたときにその倒伏を防止する姿勢保持部を設けた構成とするとよい。この構成によれば、ばねが倒れ込まないので、ばねに近接して設けられた他の部位にばねが接触することを防止でき、動作の不具合や破損などによる故障を避けることができる。
また、上記ばねにあって姿勢保持部で保持されていない部分は伸縮に伴って屈曲したり移動したりするし、当然、姿勢保持部には接触する。そこで、前記姿勢保持部及び前記ばねに近接する外箱の立壁内面であって該ばねの伸縮に伴って該ばねが接触し得る範囲に、シート状の緩衝部材を設けた構成とするとよい。この緩衝部材が在ることによって、ばねが姿勢保持部や外箱の立壁内面に接触しても大きな接触音や摩擦音が発生せず、高い静粛性を達成することができる。
さらにまた上記他の態様の構成において、前記上蓋は、屈曲自在である蓋本体部と、該蓋本体部の上面を被覆するように設けられた化粧シート部材とを含み、前記ばねはその化粧シート部材の下垂端を引張る構成とするとよい。化粧シート部材を引張ることによって化粧シート部材に張力が与えられるので、上蓋のスライド開閉時に化粧シート部材の波立つような動きが抑制され、開閉に要する力が軽減される。その結果、上蓋のスライド開閉がスムーズに行える。また、一般に、蓋本体部は屈曲性を高めるために軟質性の樹脂から形成され、こうした樹脂は耐熱温度が低い。そのため、引張力が掛かった状態で例えば乾燥運転時などに温度上昇が生じると、熱変形を起こす可能性がある。それに対し、化粧シート部材はより高い耐熱温度を有する樹脂から形成することができるので、ばねによる引張力が加わった状態で温度が上昇しても、熱変形のおそれがないという利点がある。
本発明に係る洗濯機によれば、例えば操作ボタンを押す等の簡単な操作で以て上蓋が自発的に開放するので、使用者が洗濯物等を持っている場合や使用者が高齢者等の非力な者であっても無理なく上蓋を開けることができ、操作性が非常に高い。特に、上蓋の開閉操作のストロークが長い場合においても、使用者に無用な負担を掛けることなく上蓋を開放させることができる。
以下、本発明に係る洗濯機の一実施例(第1実施例)であるドラム式洗濯機について図1〜図12を参照して説明する。
図1は第1実施例のドラム式洗濯機の外観正面図、図2は第1実施例のドラム式洗濯機の外観右側面図、図3は第1実施例のドラム式洗濯機の上部の外観斜視図である。
このドラム式洗濯機において、外箱1は上面板1a、前面板1b、両側の側面板1c、後面板1dなどから構成され、上面板1aは前下がり湾曲形状に形成されており、この上面板1aに大きな洗濯物投入口4が形成されている。この洗濯物投入口4を開閉するための上蓋2は、後述するように前後方向にスライド移動自在である。図示しないものの、外箱1の内部には洗濯時に水を貯留するための外槽がダンパ及びばねにより揺動自在に配設されており、さらにその外槽の内側には周面円筒形状のドラム10が左右方向に略水平に延伸する軸を中心に回転自在に設けられている。この外槽及びドラム10はそれぞれ洗濯物投入口4に対応した位置に開口を有し、それら開口を閉鎖するために内蓋12及びドラム蓋がそれぞれ設けられている。図2は上蓋2を全開にして、さらに内蓋12を全開にした状態を示している。
外箱1の上面にあって上蓋2の右側には、前後方向に延伸して複数の操作キーや表示器が設けられた操作パネル5が配置されている。なお、比較的使用頻度の低い操作キーの一部は、後方側に起立自在の上蓋で覆われている。上蓋2を挟んで操作パネル5と反対側の左方後方には、横開き式の蓋体で覆われた洗剤容器6が設けられている。さらに、洗濯物投入口4後方の上面板1aの上に装着される上面後部カバー1eにあっては、外部の給水栓等にホースを介して接続される水道水給水口7が洗剤容器6の後方に設けられ、別のホースを介して風呂の浴槽内等に接続される風呂水給水口8が操作パネル5の後方に設けられている。
本実施例のドラム式洗濯機は、スライド式である上蓋2の開閉構造に大きな特徴を有している。以下、その特徴的な上蓋の構造について、図1〜図3に加えて図4〜図12を参照して詳述する。
図4は本実施例のドラム式洗濯機において上面後部カバー1eや上蓋2などを取り外した状態の要部の上面図、図5及び図6は閉鎖時及び開放時の上蓋2の状態を示す要部の斜視図、図7及び図8は同じく閉鎖時及び開放時の上蓋の状態を示す要部の側面断面図、図9は上蓋2の前縁端部の外観斜視図、図10〜図12は上蓋2の開放を阻止するラッチ/ロック機構の内部構成とその動作を示す斜視図である。
図5〜図8に示すように、上蓋2の主要な構成部材である蓋体20は左右方向に細長い短冊状でプラスチック製のスラットを多数連結させた構成を有し、そのスラットの連結方向に屈曲自在となっている。この上蓋2は、上面板1aにあって洗濯物投入口4の左右両縁部に形成された緩やかな湾曲形状の案内レール34と、その後方にあって両側から延設された湾曲形状の下垂ガイド35とに沿って、図5及び図7に示すように洗濯物投入口4を完全に閉塞する位置(以下、閉塞位置という)と、図6及び図8に示すように洗濯物投入口4を完全に開放し且つ蓋体20の後縁端が所定高さまで下垂したような位置(以下、全開位置という)との間で移動可能となっている。下垂した蓋体20は外槽後面と上記後面板1dとの間の間隙に収容される。
この上蓋2が閉塞位置から全開位置に至るまでの開放動作を自動で行うために、大別して2つの手段、すなわち本発明における弾性手段と重錘とが利用されている。重錘は第1及び第2なる2個の重錘21、22であり、いずれも鉄製でスラットの幅サイズとほぼ同一長さの細長い棒状体である。蓋体20を構成する各スラットは中空形状であるが、上記重錘はその中空部に挿入可能な径となっており、また全てのスラットは上記重錘が挿入されたときに該重錘を保持可能な保持部を有している。それによって、任意の位置のスラットの内部に重錘を取り付けることが可能であり、重錘の位置や数を適宜に調整可能である。ここでは、蓋体20の最後端のスラットの内部に第1重錘21を設け、それよりも所定距離前方に離れた位置のスラットの内部に第2重錘22を設けている。なお、スラットとは別体の重錘を取り付けるのではなく、例えばスラット自体の材料を変更することによってスラットの重量を変え、所定位置のスラットを重くして重錘を装着したのと同様の効果を持たせてもよい。
図7に明らかなように、上蓋2が閉塞位置にあるときでも蓋体20の最後端から3乃至4枚のスラットは下垂範囲Lに含まれており、第1重錘21に作用する重力は上蓋2を開放させる方向に作用している。一方、このときに第2重錘22は下垂範囲Lには入っておらず、第2重錘22に作用する重力は上蓋2を開放する力としては殆ど寄与していない。また、上蓋2を構成するスラットのうちの半分程度は前下がりの範囲に位置しており、これらスラット自体の重量に作用する重力はそれほど大きなものではないものの上蓋2を前に移動させるように作用し、さらにまた、上蓋2と案内レール34等との接触部分の摩擦もある。そのため、上蓋2が閉塞位置にあるときには、蓋体20、重錘21、22を含めた上蓋2の自重によっては上蓋2は自発的には開放方向に移動しない。
そこで、上蓋2が閉塞位置から開き始める(始動の)際の、いわば起動力を付与するために弾性手段が機能する。すなわち、図4に示すように、上面板1aの上であって上面後部カバー1eに被覆され且つ上蓋2の下方となる位置には、左右一対に設けられたばね固定部30の間にコイルばね31が張設されている。一方、蓋体20の裏面の所定位置、つまり全体としては後部側で左右方向には略中央に係合ピン23が立設されている。上蓋2が全開位置にあるときには係合ピン23は下垂範囲Lに存在するため、コイルばね31は係合ピン23から何ら力を受けず、図4中に符号31Aで示すように左右方向に略一直線状になっている。
この状態から蓋体20が前方にスライド移動して洗濯物投入口4の大半が閉塞された状態に至ると、係合ピン23は後方からコイルばね31に接触し、蓋体20がさらに前方にスライド移動されると、係合ピン23はコイルばね31の略中央を手前に引張りながらコイルばね31を屈曲させる。そして、上蓋2が閉塞位置に達したとき、コイルばね31の形状は図4中に符号31Bで示すように略二等片三角形状となる。この状態ではコイルばね31が収縮しようとする付勢力が係合ピン23を介して蓋体20に作用し、蓋体20は後方側つまり開放方向にスライド移動するように力を受ける。このときの付勢力は、上述したような重錘21、22を含めた上蓋2の自重や摩擦力によって上蓋2がその位置(閉塞位置)にとどまろうとする力よりも大きい。したがって、上蓋2が閉塞位置に在って後述するラッチ/ロック機構による上蓋2のラッチが解除されたときには、コイルばね31の付勢力によって上蓋2は自ら開放方向にスライド移動し始めることになる。
上記のようにコイルばね31の付勢力によって、或る程度、上蓋2が開放すると係合ピン23はコイルばね31から離れるためコイルばね31による付勢力は無くなるが、それ以前に付与された付勢力によって上蓋2はさらに開放方向に移動し得る。さらに、上蓋2が上述のようにコイルばね31による付勢力が無くなる位置近傍まで来ると、ちょうど第2重錘22が下垂範囲Lに達する。そのため、第1重錘21に加えて第2重錘22に作用する重力も上蓋2を開放させる方向に働くので、ばね31による付勢力が無くなっても今度は重錘21、22を含む上蓋2の自重によって上蓋2は円滑に開放し続ける。
上記説明から明らかなように、上蓋2が開放し始める時点では主としてコイルばね31による付勢力と第1重錘21を含めた下垂範囲Lの自重とが上蓋2を開放する力として作用し、上蓋2が或る程度開放した後は第1及び第2重錘21、22を含めた下垂範囲Lの自重が上蓋2を開放する力として作用する。したがって、コイルばね31の付勢力の大きさ、その付勢力が作用し得る上蓋2の移動範囲、第2重錘22の位置及び重量、第1、第2重錘21、22以外の上蓋2の自重、案内レール34や下垂ガイド35と蓋体20との摩擦、など各種の要素を総合的に考慮することによって、上蓋2が開放する際の加速度を適度に調節し、スライド移動のほぼ全範囲に亘って開放速度の変化を小さく抑えることができる。
上蓋2の全開位置は上蓋2の前縁端上部に設けられた把手3が上面後部カバー1eの前縁部に当接する位置であるが、上記のように或る程度勢いを以て上蓋2が開放すると把手3が上面後部カバー1eの前縁部に勢いよく当たって大きな衝撃音を発してしまう。そこで、こうしたことを防止するために、図4に示すように、洗濯物投入口4の後方の左側にエアダンパ32を、右側にばね式ダンパ33をそれぞれ本発明における衝撃緩和手段として設置するとともに、蓋体20の裏面前縁端で上記エアダンパ32及びばね式ダンパ33に対応する位置に左右一対の当接リブ24を突設している。
上蓋2が自発的に開放する際、把手3が上面後部カバー1eの前縁部に当接する少し手前で、両当接リブ24はエアダンパ32及びばね式ダンパ33にそれぞれ接触し、それによって上蓋2の開放速度は急速に低下する。そのように速度が大きく低下した状態で把手3は上面後部カバー1eの前縁部に当接するから、大きな衝撃音が発生することはなく、使用時の静粛性を高めることができる。
なお、一般にエアダンパ32のほうがばね式ダンパ33よりも衝撃緩和効果は高いが、その反面、コストが高くサイズが大きいために広い設置スペースを要する。本実施例ではこうした利点と欠点とを考慮してエアダンパ32とばね式ダンパ33とを併用しているが、衝撃緩和効果を重視すれば両方をエアダンパとしてもよく、コストやスペース性を重視すれば両方をばねとしてもよい。また、可能であれば複数設けずに1個のエアダンパ又はばね式ダンパとしてもよい。
さて、上述したように本実施例のドラム式洗濯機では、上蓋2が閉塞位置にあるときに蓋体20にコイルばね31による付勢力が作用しているから、上蓋2を閉鎖状態に保つにはこの付勢力に抗する何らかの手段が必要となる。これが本発明における保持手段であり、本実施例のドラム式洗濯機では、外箱1の内部、詳しくは上面板1aの右前部内側に設置したラッチ/ロック機構40と上蓋2に設けたフック25との係合によってこのラッチ動作を達成している。
図9に示すように、蓋体20の前縁右端には前方に突出してコの字状のフック25が取り付けられており、一方、図4に示すように、上面板1aの縁部1a1には上蓋2が閉塞位置にあるときに上記フック25が当設する位置に係合穴1a2が形成され、係合穴1a2にはラッチ/ロック機構40の当接片50cが覗いている。
ラッチ/ロック機構40は、操作パネル5の最も手前に設けられた蓋開ボタン41と、蓋開ボタン41の押圧に連動して手前上方に所定量だけ回動するレバー板42と、軸44aを中心に回転自在である回転カム44と、レバー板42に一端が固定され、他端が回転カム44の平坦面に立設された第1ピン44bに固定されたワイヤ43と、左右方向に進退可能な作動棒45aを有する電磁ソレノイド45と、ばね47との協働により作動棒45aの進出(又は後退)動作毎に左右方向に2つの位置をとり得るハートカム46と、回転カム44の周縁部に立設された第2ピン44cに係合して左右方向に移動可能なスライドカム48と、図示しないケースにより右端面の位置が規制され、スライドカム48を左方向に付勢する第1ばね49と、回転軸50aを中心に回転自在であって当接片50cと係合片50bとを有するラッチ部材50と、ラッチ部材50を右方から見たときに時計回り方向に付勢する第2ばね51と、を含んで構成されている。
上蓋2が開放した状態であるときには、図10に示すように、ラッチ部材50は第2ばね51の付勢力によって時計回り方向(右側面から見た状態)に最大に回転した位置にあり、スライドカム48は第1ばね49の付勢力によってその左端面がラッチ部材50に当接して押し付けられている。回転カム44は第1ピン44bを介して反時計回り方向(正面から見た状態)に最大に回転した位置にあり、第1ピン44bは相対的に上に位置しているためワイヤ43は緩んだ状態にある。また、ハートカム46は第1ピン44bと干渉しない、第1ピン44bよりも左方に位置している。このような状態では、上述したようにラッチ部材50の当接片50cが係合穴1a2を通して覗ける位置にある。
上記状態から使用者が上蓋2を閉めようとして上蓋2を閉塞位置まで押し下げると、上蓋2のフック25が係合穴1a2に挿入され、フック25の前端がラッチ部材50の当接片50cに当たってこれを押し下げる。ラッチ部材50は第2ばね51の付勢力に抗して反時計回り方向に回動するから、スライドカム48に対する制止が解除されるため、第1ばね49の付勢力によってスライドカム48は左方向に移動する。ラッチ部材50が反時計回り方向に最大限回動した状態では係合片50bがフック25の内側開口に挿入され、しかも当接片50cの上部にスライドカム48の左端部48aが進出してラッチ部材50の時計回り方向の戻り回動も阻止される。回転カム44は第1ピン44bを介して時計回り方向に最大に回転した位置にあり、第1ピン44bは相対的に下の位置にあってワイヤ43は張った状態にある。
このときの状態が図11に示す状態であり、本明細書で言うところの、上蓋2がラッチされた状態である。この状態ではラッチ部材50の係合片50bによってフック25が係合穴1a2から抜けないため、使用者が例えば把手3を摘んで上蓋2を強制的に開けようとしても開放は阻止される。
上蓋2を開けたい場合には、使用者は蓋開ボタン41を押す。すると、この押圧に応じてレバー板42は上昇し、ワイヤ43を上方に牽引する。これによって回転カム44は反時計回り方向に回転し、第2ピン44cを介してスライドカム48を右方向に移動させる。これによってスライドカム48の左端部48aは当接片50cの上から後退するため、使用者が上蓋2を閉鎖するように強制的な力を加えていない状態であれば、ラッチ部材50は第2ばね51の付勢力によって時計回り方向に回転し係合片50bがフック25から外れる。これによって上蓋2を閉塞位置に保持する力が解除されるため、上述したようにばね31の付勢力によって上蓋2は自発的に、つまり使用者が把手3を摘んで引き上げたりすることなく適度な速度で開放する。
洗濯及び乾燥運転の実行中でない場合、すなわち洗濯開始前、洗濯終了後、及び一時停止時等には、上述したように蓋開ボタン41を押すと速やかに上蓋2が開くことになるが、例えば洗濯運転中に蓋開ボタン41が押されてすぐに上蓋2が開いてしまうと安全性の点で問題がある。そこで、洗濯運転中などには、上述したように上蓋2をラッチするのみならず、仮に蓋開ボタン41が押されても上蓋2が開かないように施錠を行う、つまりロックを掛ける。
すなわち、図11に示したように上蓋2が閉塞位置にあってラッチされた状態において、洗濯運転が開始されたり一時停止状態が解除されて運転が再開されたりすると、図示しない制御回路より電磁ソレノイド45に通電が行われ、この通電によって作動棒45aが進出(又は後退)する。上述したようにハートカム46は電磁ソレノイド45の作動毎に左方位置と右方位置との間を往動又は復動するから、このときにはハートカム46は左方位置から右方方向にスライド移動し、ちょうど第1ピン44bの上方に来る。このときの状態が図12に示す状態である。
このとき回転カム44は時計回り方向に最大限回転した位置にあり、第1ピン44bは最も下方位置に存在するが、ハートカム46はその第1ピン44bの直上に進出するため、第1ピン44bが上方に移動するのを妨げ得る。すなわち、この状態では使用者が蓋開ボタン41を押し込み、それに応じてワイヤ43が第1ピン44bを引き上げるべく牽引しようとしても、第1ピン44bはハートカム46に妨害されて上昇せず、回転カム44は反時計回り方向には回転しない。そのためスライドカム48の左端部48aはラッチ部材50の当接片50cと干渉した状態を維持し、ラッチ部材50が回転しないために上蓋2は開かない。
本実施例のドラム式洗濯機では、機械式の機構により上蓋2を閉塞状態に保持しており、使用者が蓋開ボタン41を押すことによってラッチが解除されると、主として上述したコイルばね31の付勢力によって上蓋2は開き始め、この付勢力と2個の重錘21、22に作用する重力とのバランスによって、上蓋2は小さな速度変化で以て、つまり一定速度に近い速度で以て円滑に開放する。そして、全開状態の手前ではエアダンパ32とばね式ダンパ33とによって衝撃が緩和され、上蓋2は大きな衝撃音を発することなく全開位置で停止する。このようにして、大きな操作力を要することなく上蓋2を円滑に開放させることができる。
こうして全開位置にある上蓋2を閉鎖する際には、使用者は把手3に指を掛けて手前へ引く。こうした閉鎖操作の当初には、2個の重錘21、22をいずれも引き上げる必要があるため少し力を要するが、第2重錘22が下垂ガイド35を越えると該重錘22に作用する重力は操作力にとって大きな抗力ではなくなる。さらにコイルばね31の付勢力に抗して上蓋2を手前に引く必要がある時点では、下垂範囲Lに入っている蓋体20の長さはかなり短くなっているので、閉鎖のための操作力も小さくて済む。そして、使用者が上蓋2を閉塞位置まで引くと、ラッチ/ロック機構40により上蓋2が直ちにラッチされて、使用者が手を離しても上蓋2は閉塞位置に保持される。このようにして、使用者はそれほど大きな力を要することなく上蓋2を閉鎖することができる。
次に本発明の他の実施例(第2実施例)によるドラム式洗濯機について、図13〜図18を参照して説明する。なお、第1実施例と同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。図13は第2実施例のドラム式洗濯機において上蓋閉鎖時の状態を示す要部の側面断面図、図14は上蓋開放時の状態を示す要部の側面断面図、図15は第2実施例のドラム式洗濯機の外観正面図、図16は上蓋の後端部の側面図、図17は上蓋の後端部の背面図、図18は上蓋を開放方向に付勢するコイルばねの下端取付部付近の斜視図である。
上記第1実施例のドラム式洗濯機では、上蓋2が閉塞位置から全開位置に至るまでの開放動作を自動で行うために、主として、上面板1a上に左右方向に架設されたコイルばね31による付勢力と蓋体20に内蔵された2個の重錘21、22による自重とが利用されていた。これに対し、この第2実施例のドラム式洗濯機では、図13に示すように、外槽11の後面と外箱1の後面板1d内面との間の間隙に垂下する上蓋2の後端を略鉛直下方に引張るコイルばね70を本発明における弾性手段として設け、主としてこのコイルばね70の付勢力によって上蓋2の自動的な開放動作を達成している。
具体的な構成を説明する。上蓋2は、多数のスラットが連結された蓋体20と、前縁端が把手3に固着され、蓋体20の上面を被覆するように設けられた化粧シート27とを含む。蓋体20は円滑に屈曲するように可撓性を有する材料から形成する必要があり、ここでは軟質性塩化ビニル樹脂を材料とする成形品である。一方、化粧シート27は強靱性が要求されるため、ここではポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)が使用される。図13に示すように上蓋2が閉鎖された状態で上蓋2の後端は下垂しているが、図16に示す如く、その後端では蓋体20の最後端よりも化粧シート27が延出しており、その化粧シート27の縁端で左右方向の略中央には、ポリプロピレン樹脂製の取付板60が化粧シート27を前後から挟んだ状態で3個のリベット61により固定されている。
図16、図17に示すように、後面板1dに向いた取付板60には、略V字状に屈曲されたV字型ワイヤ64の両端に固着された丸型圧着端子62がそれぞれリベット63で固定されている。このV字型ワイヤ64には着脱容易なナスカン65を介して、ワイヤ67の一端に固着された丸型圧着端子66が固定されている。図18に示すように、ワイヤ67の他端に固着された丸型圧着端子68には、コイルばね70の一端のフックが掛着され、コイルばね70の他端のフックは頑強な脚台9に形成された取付片73に掛着されている。図13に示すように上蓋2が閉鎖位置に在るとき、化粧シート27はワイヤ67を介してコイルばね70を引き伸ばしており、コイルばね70はほぼ鉛直方向に起立して伸長され、ワイヤ67もほぼ鉛直方向に張っている。換言すれば、伸張したコイルばね70はワイヤ67を介して化粧シート27、つまりは上蓋2に開放方向に向かう付勢力を付与している。
また、脚台9上には後面板1dの内面との間でコイルばね70を取り囲むように、ポリプロピレン樹脂製のばね仕切壁71が本発明におけるばねの姿勢保持部として取り付けられている。また、ばね仕切壁71の内面全体からその上縁端を被覆して外面の一部まで折り返すように本発明における緩衝部材として不織布72が貼着されており、さらに後面板1dの内面にも、コイルばね70の横方向の移動範囲及び最大伸長時の高さをカバーするように同じ不織布72が貼着されている。ばね仕切壁71はコイルばね70が縮んだときにばね70が倒れ込まないように保持する機能を提供するものであり、不織布72はコイルばね70が後面板1dやばね仕切壁71に接触した際に衝突音や摩擦音が発生することを防止するためのものである。
本実施例のドラム式洗濯機における、上蓋2の開閉時の動作について説明する。図13に示すように上蓋2が閉塞位置にあるときには上述した如く上蓋2はラッチ/ロック機構40によりラッチされており、これによってコイルばね70による付勢力に抗して閉鎖位置に留まっている。このとき、コイルばね70による付勢力は化粧シート27の左右方向に略中央に固着された取付板60に加わるので、上蓋2の後方への引張りの左右のバランスがほぼ均等になる。それによって、上蓋2の前縁端の隙間がほぼ均一になり、見栄えが良好である。
使用者が蓋開ボタン41を押してラッチ/ロック機構40による上蓋2のラッチが解除されると、コイルばね70の付勢力によって上蓋2は自ら開放方向にスライド移動し始める。このとき、コイルばね70はワイヤ67を介して蓋体20ではなく化粧シート27の後端を引張るので化粧シート27に張力を与え、上蓋2のスライド移動時に化粧シート27が波打つことを防止して蓋体20上面に良好に密着する。上蓋2がスライド移動する際に化粧シート27が波打つと、案内レール34や下垂ガイド35などとの摩擦が大きくなって、開放動作に余分な力を必要とする。これに対し、上記構成のように化粧シート27を引張って波打ちを軽減することにより、開放時の力を約10%程度減らすことができる。それによって、上蓋2の開放がスムーズで、その開放速度も速くすることができる。
なお、蓋体20ではなく化粧シート27自体を引張るようにすることで別の利点もある。すなわち、上述したように蓋体20は軟質塩化ビニル樹脂から形成されており、この材料の耐熱温度は80℃程度と低い。上蓋2の閉鎖時には上蓋2には常にコイルばね70による引張力が掛かっており、乾燥運転時には上蓋2の温度もかなり上昇する。そのため、蓋体20自体を引張るようにすると、蓋体20に引張力が掛かった状態で温度が上昇し、特にワイヤ67で引張られる取付板60の付近で熱変形を生じるおそれがある。これに対し、PETから形成される化粧シート27の耐熱温度は150℃程度と蓋体20の耐熱温度よりもかなり高いため、引張力が掛かった状態で温度が上昇しても熱変形が生じる可能性は殆どない。
また、上述のように上蓋2の左右方向の略中央が後方に引張られるため、上蓋2が開放する際に左右一方向に傾きにくく、それによっても案内レール34や下垂ガイド35などとの摩擦が大きくなることを回避でき、開放動作をスムーズに行うことができる。
上記のようにコイルばね70の付勢力によって上蓋2が開放してゆくと、コイルばね70は縮んでいって付勢力が徐々に減じてゆく。そして、上蓋2が或る程度まで開放すると、コイルばね70は完全に縮んでその時点で上蓋2に与える付勢力は無くなる。但し、それ以前に付与された付勢力による勢いによって上蓋2はさらに開放方向に移動し得る。さらに、そのときには既に上蓋2のうちの半分以上の範囲が下垂範囲に入っており、それほど大きくはないものの上蓋2の自重に作用する重力も上蓋2を開放させる方向に働くため、ばね70による付勢力が無くなっても上蓋2は円滑に開放し続ける。そして、ばね70の付勢力に由来する上蓋2の開放方向への勢いが無くなると上蓋2は自重に作用する重力のみで開放し、その開放速度はそれ以前よりも遅くなる。但し、このときには既に上蓋2は殆ど全開の状態にあるため、全開状態に達した際に上蓋2をスムーズに停止させ、把手3が上面後部カバー1eの前縁部に当接する際に発生する衝撃音を抑制するには却って都合が良い。
上蓋2が全開したときには図14に示す状態となり、コイルばね70はばね仕切壁71にもたれかかった状態で起立保持されており、ワイヤ67は完全に緩んでばね仕切壁71内に収容されたりその外側に垂れ下がった状態にある。この状態から上蓋2を閉める際には、使用者は把手3に指を掛けて手前に引く。その閉鎖動作の当初はコイルばね70の付勢力は作用しないので、上蓋2は軽快に手前にスライド移動する。コイルばね70の付勢力が作用し始めると、この付勢力に抗する力で以て上蓋2を手前に引く必要があるため若干重くなるが、それ以前に上蓋2を手前に引いていた勢いを利用して無理なく最前部まで引いて、ラッチ/ロック機構40によるラッチを掛けることができる。このように上蓋2を閉鎖する手動操作の際にも、上記理由により、化粧シート27が波立ちにくく且つ上蓋2は左右に傾きにくいので、案内レール34や下垂ガイド35などに対する大きな摩擦が生じず、スムーズに上蓋2を閉鎖することができる。
上記のような上蓋2の開閉動作の際に、コイルばね70は傾いたり倒れ込んだりして後面板1dの内面やばね仕切壁71に接触するが、その接触部分には不織布72が貼られているため、大きな接触音を発生することがなく静粛性を損なうことがない。
また、上記構成では、取付板60にあって後方側、つまり後面板1dに向く側にV字型ワイヤ64、ナスカン65等を設けているが、これによって取付板60の前方側にそれらを設ける場合に比べて、ワイヤ67の上下の丸型圧着端子66、68とその前方の外槽11との距離を長く確保することができる。上蓋2が閉鎖状態であって洗濯運転の実行時には、外槽11が大きく振動することがあるが、上記構成により、振動した外槽11が丸型圧着端子66、68やナスカン65等に接触しにくくなり、接触音の発生を軽減することができる。
さらにまた、取付板60にあってV字型ワイヤ64の下端が化粧シート27の下縁端よりもはみ出さないようにすることで、ナスカン65が外槽11に近づく方向に移動することを防止している。それによって、ナスカン65が外槽11の補強リブ等に接触して接触音が発生することを防止するとともに、ナスカン65が外槽11の補強リブの凹凸に嵌り込んでしまって上蓋2の移動が途中で出来なくなるといった事態を回避することができる。
以上述べたように、第2実施例によるドラム式洗濯機によっても第1実施例によるドラム式洗濯機と同様に、使用者の負担を軽減して上蓋2をスムーズに開閉することができる。なお、上記構成では、コイルばね70で化粧シート27の左右方向の略中央の1箇所を引張るようにしていたが、引張力が化粧シート27の左右方向の略中央に加わりさえすれば、複数箇所を同時に引張るように構成してもよい。
また、上記実施例はいずれも本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行えることは明らかである。
例えば弾性手段は上記構成に限らず他のばね、又は他の弾性体などを利用した各種の構成に変更することができる。また、上蓋を閉塞位置に保持する保持手段の構成についても同様である。また、上記実施例は本発明をドラム式洗濯機に適用した例であるが、渦巻き式洗濯機に本発明を適用しても同様の効果を奏することは当然である。
本発明の一実施例(第1実施例)によるドラム式洗濯機の外観正面図。 第1実施例のドラム式洗濯機の外観右側面図。 第1実施例のドラム式洗濯機の上部の外観斜視図。 第1実施例のドラム式洗濯機において後部上面カバーや上蓋などを取り外した状態の要部の外観上面図。 第1実施例のドラム式洗濯機において上蓋閉鎖時の状態を示す要部の斜視図。 第1実施例のドラム式洗濯機において上蓋開放時の状態を示す要部の斜視図。 第1実施例のドラム式洗濯機において上蓋閉鎖時の状態を示す要部の側面断面図。 第1実施例のドラム式洗濯機において上蓋開放時の状態を示す要部の側面断面図。 第1実施例のドラム式洗濯機における上蓋の前縁端部の外観斜視図。 第1実施例のドラム式洗濯機において上蓋を閉鎖状態に保持するためのラッチ/ロック機構の内部構成を示す斜視図。 第1実施例のドラム式洗濯機において上蓋を閉鎖状態に保持するためのラッチ/ロック機構の内部構成を示す斜視図。 第1実施例のドラム式洗濯機において上蓋を閉鎖状態に保持するためのラッチ/ロック機構の内部構成を示す斜視図。 本発明の他の実施例(第2実施例)のドラム式洗濯機において上蓋閉鎖時の状態を示す要部の側面断面図。 第2実施例のドラム式洗濯機において上蓋開放時の状態を示す要部の側面断面図。 第2実施例のドラム式洗濯機の外観正面図。 第2実施例のドラム式洗濯機における上蓋の後端部の側面図。 第2実施例のドラム式洗濯機における上蓋の後端部の正面図。 第2実施例のドラム式洗濯機において上蓋を開放方向に付勢するコイルばねの下端取付部付近の斜視図。
符号の説明
1…外箱
1a…上面板
1a2…係合穴
1e…上面後部カバー
2…上蓋
20…蓋体
21…第1重錘
22…第2重錘
23…係合ピン
24…当接リブ
25…フック
27…化粧シート
3…把手
4…洗濯物投入口
9…脚台
10…ドラム
11…外槽
30…ばね固定部
31、31A、31B…ばね
32…エアダンパ
33…ばね式ダンパ
34…案内レール
35…下垂ガイド
40…ラッチ/ロック機構
41…蓋開ボタン
42…レバー板
43…ワイヤ
44…回転カム
44a…軸
44b…第1ピン
44c…第2ピン
45…電磁ソレノイド
45a…作動棒
46…ハートカム
47、49、51…ばね
48…スライドカム
48a…左端部
50…ラッチ部材
50a…回転軸
50b…係合片
50c…当接片
60…取付板
61、63…リベット
62、66、68…丸型圧着端子
64…V字型ワイヤ
65…ナスカン
67…ワイヤ
70…コイルばね
71…ばね仕切壁
72…不織布
73…取付片
L…下垂範囲

Claims (11)

  1. 外箱の上面に形成された洗濯物投入用の開口を開閉するために、屈曲自在の蓋体の一縁端が下垂され、その下垂縁端が上下方向に移動するのに伴い該蓋体が前記開口を閉塞する位置と開放する位置との間でスライド移動する構造の上蓋を具備する洗濯機において、
    前記蓋体が前記開口を閉塞した状態を保持するための保持手段と、
    該保持手段による蓋体の保持が解除されたときに、該蓋体のスライド移動の始動を行う又は始動を補助するべく該蓋体を開放方向に付勢する弾性手段と、
    を備えることを特徴とする洗濯機。
  2. 前記弾性手段は前記上蓋の開閉方向に直交又は斜交するように張設されたコイルばねであり、該上蓋は少なくとも閉塞状態では前記コイルばねに接触してこれを引張る突部を有することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
  3. 前記弾性手段は前記上蓋の下垂した縁端部を略鉛直下方に引張るばねであることを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
  4. 前記上蓋が開放する過程で全開状態となる前に、該上蓋の一部に接触する衝撃緩和手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯機。
  5. 前記上蓋は、前記蓋体にあって開閉方向に離れた2箇所以上の位置にそれぞれ重錘を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の洗濯機。
  6. 前記複数の重錘の全てではない少なくとも1個は、前記上蓋が前記開口を閉塞した状態にあるときに下垂した範囲内に設置されて成ることを特徴とする請求項5に記載の洗濯機。
  7. 前記複数の重錘の少なくとも1個は、前記上蓋が前記開口を閉塞した状態にあるときに下垂していない範囲内に設置されて成ることを特徴とする請求項6に記載の洗濯機。
  8. 前記弾性手段による付勢力によって上蓋が開放し始めてからその移動が停止するまでの期間中において、その開放速度の変化が小さくなるように前記複数の重錘の取り付け位置が決められていることを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
  9. 前記ばねの周囲を取り囲んで、前記上蓋が開放して該ばねの引張力が失われたときにその倒伏を防止する姿勢保持部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の洗濯機。
  10. 前記姿勢保持部及び前記ばねに近接する外箱の立壁内面であって該ばねの伸縮に伴って該ばねが接触し得る範囲に、シート状の緩衝部材を設けたことを特徴とする請求項10に記載の洗濯機。
  11. 前記上蓋は、屈曲自在である蓋本体部と、該蓋本体部の上面を被覆するように設けられた化粧シート部材とを含み、前記ばねはその化粧シート部材の下垂端を引張るようにしたことを特徴とする 請求項3、9又は10のいずれかに記載の洗濯機。
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