JP2005348026A - 弾性表面波素子および弾性表面波素子複合装置 - Google Patents

弾性表面波素子および弾性表面波素子複合装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体装置と複合化することができくし歯電極と基板の間の絶縁とくし歯電極と圧電薄膜の間の絶縁を確保しながら容易に形成することができる弾性表面波素子および弾性表面波素子複合装置を提供すること。
【解決手段】基板40と、基板40に設けられたくし歯電極30と圧電薄膜83とを有する弾性表面波素子20であって、くし歯電極30と基板40の間に設けられた第1絶縁膜51と、くし歯電極30と圧電薄膜83の間に設けられた第2絶縁膜82とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)を利用した弾性表面波素子および弾性表面波素子複合装置に関する。
近年、電子部品の集積化が進み、また実装スペースの縮小化が進んでいる。このような中で、半導体装置と弾性表面波素子の複合化が検討されてきており、実装分野ではフリップチップボンディング法が用いられるようになっている。
半導体装置と弾性表面波素子を複合した複合装置が提案されている(特許文献1)。
特開平5−308163号公報(第2頁、図1)
特許文献1に開示されている半導体弾性表面波複合装置は、シリコン基板と水晶基板(圧電基板)を有している。シリコン基板の上には酸化膜が形成されている。水晶基板の一方の面には第1配線層が形成されていて、この水晶基板の第1配線層はシリコン基板の酸化膜上に配置される。水晶基板の他方の面には第2配線層が形成されていて、この第2配線層にはSAWパターンエッチングによりSAW電極歯が形成される。
この水晶基板の一方の面側の第1配線層は、シリコン基板の酸化膜側に対して対面するように水晶基板の一方の面と他方の面をひっくり返してシリコン基板の酸化膜と水晶基板の第1配線層を接合した後に、水晶基板の第2配線層側にSAWパターンを形成するという複雑な工程が必要になり、電気的な接続も難しい。
そこで本発明は上記課題を解消して、半導体装置と複合化することができ、くし歯電極と基板の間の絶縁とくし歯電極と圧電薄膜の間の絶縁を確保しながら容易に形成することができる弾性表面波素子および弾性表面波素子複合装置を提供することを目的とする。
上記目的は、第1の発明にあっては、基板と、前記基板に設けられたくし歯電極と圧電薄膜とを有する弾性表面波素子であって、前記くし歯電極と前記基板の間に設けられた第1絶縁膜と、前記くし歯電極と前記圧電薄膜の間に設けられた第2絶縁膜と、を備えることを特徴とする弾性表面波素子により、達成される。
第1の発明の構成によれば、弾性表面波素子は、基板と、この基板に設けられたくし歯電極と圧電薄膜を有している。第1絶縁膜は、このくし歯電極と基板の間に設けられて、くし歯電極と基板の電気絶縁を行う。第2絶縁膜は、くし歯電極と圧電薄膜の間に設けられてくし歯電極と圧電薄膜の電気絶縁を行う。
これにより、第1絶縁膜はくし歯電極と基板の間の電気的絶縁を確実に得るとともに、第2絶縁膜はくし歯電極と圧電薄膜の間の電気的絶縁を確実に得ることができる。
そして、圧電薄膜を形成する際には、この圧電薄膜は第2絶縁膜に対して形成すれば良い。このことから、仮に第1絶縁膜とその第1絶縁膜の上に形成されているくし歯電極という2つの異なる材質に対して直接圧電薄膜を形成する場合に比べて、圧電薄膜は第2絶縁膜という同一材質に対してだけ形成するだけですむので、圧電薄膜はより均一に成膜できる。
弾性表面波素子は、基板を用いて半導体装置と複合化することができ、くし歯電極と基板の間の絶縁とくし歯電極と圧電薄膜の間の絶縁を確保しながら容易に形成することができる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記圧電薄膜に接する前記第2絶縁膜の部分が平坦化されていることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、圧電薄膜に接する第2絶縁膜の部分が平坦化されている。
これにより、圧電薄膜を形成しようとする第2絶縁膜の部分が平坦化されているので、第2絶縁膜の部分の上に形成された圧電薄膜には段差が生じることなく、圧電薄膜は平坦で均一に成膜することができる。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明の構成において、前記圧電薄膜の上には、電極膜が形成されていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、圧電薄膜の上には電極膜が形成されている。
これにより、弾性表面波素子の電気機械結合係数を向上させて、周波数の広帯域化を図ってQ値を向上させることができる。
第4の発明は、第3の発明の構成において、前記基板は、半導体基板であることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、基板は半導体基板である。
これにより、第1絶縁膜は、半導体基板とくし歯電極の間を電気的に確実に絶縁することができる。
第5の発明は、第4の発明の構成において、前記第1絶縁膜または前記第2絶縁膜は、水分不透過膜を有していることを特徴とする。
第5の発明の構成によれば、第1絶縁膜または第2絶縁膜は、水分不透過膜を有している。
これにより、第1絶縁膜または第2絶縁膜において水分が透過するのを防ぐことができる。この水分不透過膜としては、たとえばSiN(窒化シリコン)を採用することができる。
上記目的は、第6の発明にあっては、基板と前記基板に設けられたくし歯電極と圧電薄膜とを有する弾性表面波素子と、前記基板に設けられた半導体装置と、を備える弾性表面波素子複合装置であって、前記弾性表面波素子は、前記くし歯電極と前記基板の間に設けられた第1絶縁膜と、前記くし歯電極と前記圧電薄膜の間に設けられた第2絶縁膜と、を備えることを特徴とする弾性表面波素子複合装置により、達成される。
第6の発明の構成によれば、弾性表面波素子は、半導体装置を配置するための基板に対して設けられたくし歯電極と圧電薄膜を有している。第1絶縁膜は、このくし歯電極と基板の間に設けられて、くし歯電極と基板の電気絶縁を行う。第2絶縁膜は、くし歯電極と圧電薄膜の間に設けられてくし歯電極と圧電薄膜の電気絶縁を行う。
これにより、第1絶縁膜はくし歯電極と基板の間の電気的絶縁を確実に得るとともに、第2絶縁膜はくし歯電極と圧電薄膜の間の電気的絶縁を確実に得ることができる。
そして、圧電薄膜を形成する際には、この圧電薄膜は第2絶縁膜に対して形成すれば良い。このことから、仮に第1絶縁膜とその第1絶縁膜の上に形成されているくし歯電極という2つの異なる材質に対して直接圧電薄膜を形成する場合に比べて、圧電薄膜は第2絶縁膜という同一材質に対してだけ形成するだけですむので、圧電薄膜はより均一に成膜できる。
弾性表面波素子は、基板を用いて半導体装置と複合化することができ、くし歯電極と基板の間の絶縁とくし歯電極と圧電薄膜の間の絶縁を確保しながら容易に形成することができる。
第7の発明は、第6の発明の構成において、前記弾性表面波素子の前記くし歯電極と、前記半導体装置の配線が、同一層に形成されていることを特徴とする。
第7の発明の構成によれば、弾性表面波素子のくし歯電極と半導体装置の配線が、同一層に形成されている。
これにより、くし歯電極と半導体装置の配線は、製造時に同時に形成することができる。
第8の発明は、第7の発明の構成において、前記圧電薄膜に接する前記第2絶縁膜の部分が平坦化されていることを特徴とする。
第8の発明の構成によれば、圧電薄膜に接する第2絶縁膜の部分が平坦化されている。
これにより、圧電薄膜を形成しようとする第2絶縁膜の部分が平坦化されているので、第2絶縁膜の部分の上に形成された圧電薄膜には段差が生じることなく、圧電薄膜は平坦で均一に成膜することができる。
第9の発明は、第8の発明の構成において、前記圧電薄膜の上には、電極膜が形成されていることを特徴とする。
第9の発明の構成によれば、圧電薄膜の上には電極膜が形成されている。
これにより、弾性表面波素子の電気機械結合係数を向上させて、周波数の広帯域化を図ってQ値を向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の弾性表面波素子複合装置の好ましい実施形態を示す平面図である。
図1に示す弾性表面波素子複合装置10は、弾性表面波素子20と駆動IC(集積回路)21を有している。弾性表面波素子複合装置10は、図1の例では平面で見てたとえば矩形状を有しており、長さLと幅Wを有している。弾性表面波素子複合装置10は、駆動ICの領域Aと弾性表面波素子の領域Bを有している。領域Aは領域Bの横に形成されていて、駆動ICの領域Aには駆動IC21が設けられている。この駆動IC21は、弾性表面波素子20とともに共通の基板上に設けられる半導体装置の一例である。
図1に示す弾性表面波素子20は、弾性表面波素子の領域Bに配置されていて、くし歯電極30と2つの反射器31,32を有している。くし歯電極30は、すだれ状電極ともいい、IDT(Interdigital Transducer)ともいう。くし歯電極30と2つの反射器31,32は、たとえばアルミニウム、またはアルミニウムを成分とする合金、あるいはTiN/Al合金/TiN構造、あるいはCu,Ta,W,Cr,Auあるいはその合金などにより作られている。
くし歯電極30は、反射器31,32の間に配置されていて、反射器31、くし歯電極30、反射器32の順に長さL方向に沿って直列に並ぶようにして配列されている。くし歯電極30は、たとえば駆動IC21側からの駆動電圧の供給により弾性表面波を励振して、所定の周波数の振動を出力する機能を有している。反射器31,32は、くし歯電極30を挟むようにして形成されているが、これらの反射器31,32はくし歯電極30が励振した弾性表面波を反射して、反射器31,32内に弾性表面波を閉じ込めるようになっている。
このように弾性表面波素子20は、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換するために圧電材料の表面を伝播する波を利用した振動デバイスである。
図2は、図1の弾性表面波素子複合装置10のX−X線における断面構造例を示している。
図2に示す弾性表面波素子複合装置10の断面構造では、駆動ICの領域Aと弾性表面波素子の領域Bを示している。弾性表面波素子複合装置10は、駆動IC21と弾性表面波素子20を有している。
図2の駆動IC21と弾性表面波素子20は、共通の基板40の上に一体的に形成されている。基板40はたとえば半導体基板である。この基板40は、シリコン、GaAs,SiGe,SOI(Silicon On Insulator)のいずれかにより作られた平板状の基板である。このSOIは、絶縁膜上に形成した単結晶シリコン基板である。
この共通の基板40の上には、駆動IC21と弾性表面波素子20が並べて形成されている。
基板40の形成面41の上には、層間絶縁膜42が形成されている。この層間絶縁膜42は、駆動IC21と弾性表面波素子20に対して共通の電気絶縁膜である。層間絶縁膜42は、たとえばSiOにより作ることができる。層間絶縁膜42は、たとえば2つの層42Aと42Bから構成されている。
図2に示す駆動IC21は、弾性表面波20に対して駆動電圧を供給するための装置である。駆動IC21は、たとえばトランジスタのような素子44が複数個設けられている。これらの素子44は、基板40の形成面41に形成されている。形成面41の上には幾つかの金属配線45が所定のパターンで形成されている。この金属配線45は、基板40の形成面41と層42Aの間に形成されている。もう1つの層42Bには別の金属配線47が形成されている。金属配線47は、素子44に対してコンタクトプラグ46を通じて電気的に接続され、コンタクトプラグ46Aを通じて金属配線45に接続されている。
図2に示す層間絶縁膜42の層42Bの面49の上には、第1絶縁膜51が形成されている。この第1絶縁膜51は、領域Aと領域Bのそれぞれに同時に同一層あるいは同一面上に形成されている。
図2に示す第1絶縁膜51は、上述したように層42Bの面49の上において、領域Aおよび領域Bにおいてそれぞれ同一面において形成されている。
第1絶縁膜51は、好ましくは第1層51Aと第2層51Bの2層構造になっている。第2層51Bは第1層51Aの上に積層して形成されている。第1層51Aは、たとえばSiOにより形成されている。この第1層51Aの面60は、好ましくは化学的機械研磨(CMP)により平坦化処理されている。したがって面60が平坦面になっている。
第2層51Bは、たとえばSiNにより作られている。この第2層51Bは平坦面である面60の上に対して平坦になるように形成することができる。この第2層51Bは、水分を透過させない水分不透過膜の役割を果たす。このような第1層51Aと第2層51Bは、領域Bのみならず領域Aにおいても形成されている。
第1層51Aの中であって、層42Bの面49の上には、金属配線61が形成されている。この金属配線61は、たとえば金属配線47に対して金属のコンタクトプラグ62により電気的に接続されている。
図2に示す上述した層間絶縁膜42および第1絶縁膜51は、SiOの単層構造,SiO+SiNの積層体の他に、PSG(Phospho Silicate Glass),BPSG(Boro−Phospho Silicate Glass),SOG(Spin−On−Glass)のいずれかを採用しても勿論構わない。層間絶縁膜42と第1絶縁膜51の厚さの最適値についてはたとえば、100nmから20000nm程度まで通常用いられるが、特に限定されるものではない。
第1絶縁膜51の第1層51Aが、SiOで作られる時には、化学的機械研磨(CMP)により面60を平坦化することができる。しかし第1層51AがSOGで作られる場合には、SOGを形成するだけで第1層51Aの平坦化が可能である。
このように第1層51Aの面60を平坦化することにより、この後第2層51Bと、第2層51Bの上に形成される圧電薄膜70およびくし歯電極30などの形成の際にそれぞれの平坦度を確保することができる。なお、本発明の第1絶縁膜の概念としては、図2の層間絶縁膜42を含むようにしてもよい。いずれにしても、第1絶縁膜は基板40とくし歯電極30の間の電気的絶縁を図るものである。
図2に示す第1絶縁膜51の第2層51Bの上には、さらに圧電薄膜70が形成されている。この圧電薄膜70は、領域Aと領域Bにそれぞれ同時に同じ厚みで形成されている。圧電薄膜70の厚みは、たとえば100nmないし5000nm(1000オングストロームないし50000オングストローム)の範囲で形成されるが、一例としてたとえば500nmの厚みを採用することができる。
しかし、この圧電薄膜70の厚みは弾性表面波素子に求められる周波数および帯域などによって決まるために、一概に良好な厚さを指定することはできず、この範囲に限るものではない。通常は圧電薄膜の厚みは、Kh比(2πh/λ)により規定することができる。このλは波長であり、hは圧電薄膜の厚みである。
図2の領域Bの弾性表面波素子20では、この圧電薄膜70の上にさらにくし歯電極30が形成されている。図2では図面の簡単化のためにくし歯電極30のみが形成されているが、図1に示す反射器31,32も同様にして形成されている。図2では図面の簡単化のためにくし歯電極30が代表して例示されている。この点については、図示している本発明の他の実施形態でも同じである。
くし歯電極30の厚みeは、たとえば40nmないし500nm(400オングストロームないし5000オングストローム)の範囲で形成することができる。くし歯電極30は、電気接続部77を介して駆動IC21側の金属配線61に対して電気的に接続されている。これによって、駆動IC21はくし歯電極30側に対して駆動電圧を供給することができる。
弾性表面波素子20のくし歯電極30の上には、さらに第2絶縁膜82と圧電薄膜83、そして電極膜84が順次積層して形成されている。
第2絶縁膜82は、たとえばSiOにより作られている。第2絶縁膜82は、これに限らず第1絶縁膜51あるいは層間絶縁膜42と同様な材質により作ることも可能である。
第2絶縁膜82の厚みは、たとえば5.0nmないし200nm(50オングストロームないし2000オングストローム)の厚さで形成する。第2絶縁膜82の厚みtは、できる限り小さいほうが望ましい。このように厚みtを小さく設定するのは、くし歯電極30が振動を生じた時に、くし歯電極30と圧電薄膜83の間の振動の伝播を確保するためである。
圧電薄膜83は、第2絶縁膜82の上にさらに形成されている。圧電薄膜83の上にはさらに電極膜84が形成されている。このように電極膜84が圧電薄膜83の上に形成されることにより、電気機械結合係数(k)の向上を図り、振動周波数の広帯域化およびQ値の向上を図ることができる。
第2絶縁膜82がくし歯電極30を覆うようにして圧電薄膜70の上に形成されるのは、圧電薄膜83が第2絶縁膜82を用いてくし歯電極30と圧電薄膜70の上において均一に形成できるようにするためである。
図3は、図2の本発明の実施形態に対する比較例を示している。図3の例では、圧電薄膜830がくし歯30を覆うようにして絶縁膜800の上に形成されている。
この圧電薄膜830がくし歯30および絶縁膜800に対して直接形成されてしまうと、圧電薄膜830はアルミニウム製のくし歯30とSiOの絶縁膜800に対して直接形成されることになる。このために、圧電薄膜830はAl部分850と絶縁膜800の絶縁部分860の2つの異なる部分に対して形成されてしまう。しかし、圧電薄膜830は異種材料に対して形成することが難しく、しかも圧電薄膜830は凹凸形状になってしまう。このような比較例のような構造を採用してしまうと、圧電薄膜830の膜厚が均一にならず、振動の波の伝播損失が大きくなってしまう。
これに対して、図2の実施形態では、第2絶縁膜82が予めアルミニウム製のくし歯電極30と圧電薄膜70の異種材料の上に形成されている。この第2絶縁膜82の上に対して圧電薄膜83が形成できる。つまり圧電薄膜83は、同一種類の材料である第2絶縁膜82に対して均一に形成することができる。このことから圧電薄膜83は異種材料の上に直接形成する必要が無くなり、圧電薄膜83における振動の波の伝播損失を小さくすることができる。
この場合に、第2絶縁膜82の面90は、やはりたとえば化学的機械研磨(CMP)により平坦面にすることにより、圧電薄膜83は平坦で均一な面を形成することができる。また、第2絶縁膜82としてSOGを用いることにより平坦化することもできる。
図2における圧電薄膜70,83は圧電膜ともいい材質としては、ZnO(酸化亜鉛)に限らず、たとえばAlN(窒化アルミニウム),PZT(チタン酸ジルコン酸鉛),KNbO3(ニオブ酸カリウム)のいずれかを用いることもできる。
図2における第1絶縁膜51は、半導体基板である基板40とくし歯電極30の間に設けられて電気絶縁を確保する。第2絶縁膜82は、くし歯電極30と圧電薄膜83の間に設けられて、くし歯電極30と圧電薄膜83の電気絶縁を確保する。
次に、本発明の別の実施形態について説明する。
図4は、本発明の弾性表面波素子複合装置の別の実施形態を示している。
図4に示す弾性表面波素子複合装置10の構造は、図2に示す弾性表面波素子複合装置10の構造とほとんど同じであるので、図4の構成要素が、図2の対応する構成要素と同じである場合には、同じ符号を記してその説明を用いる。そして図4における構成要素は、対応する図2における構成要素の作用効果を同じように生じるものである。
図4における実施形態が図2における実施形態と異なるのは次の点である。すなわち、くし歯電極30は、駆動IC21の金属配線47に対して電気配線部177を通じて電気的に接続されている。この電気配線部177は、弾性表面波素子20の中に形成されており、電気配線部177は、圧電薄膜70、第1絶縁膜51および層間絶縁膜42の層42Bを通っている。その他に駆動IC21には電極端子(パッド)178を有している。
図5は、本発明のさらに別の実施形態を示している。
図5の本発明の実施形態では、基板40の形成面41の上に第1絶縁膜51が直接形成されている。この第1絶縁膜51は、第1層51Aと第2層51Bの積層構造体である。第1絶縁膜51は、たとえばSiOにより作られている。この第1絶縁膜51は、駆動IC21と弾性表面波素子20に共通して面41の上に形成される絶縁膜である。駆動IC21の素子44は、基板40と第1層51Aの間に形成されている。金属配線45は、第1層51Aに形成されている。金属配線47は第2層51Bに形成されている。金属配線61は第2絶縁膜82の中に形成されている。コンタクトプラグ62は金属配線61と47を接続している。コンタクトプラグ46は、素子44と金属配線47を電気的に接続しており、コンタクトプラグ46Aは金属配線45と金属配線47を接続している。
くし歯電極30は、第1絶縁膜51の第2層51Bの面100の上に形成されている。この面100の上には、第2絶縁膜82が形成されている。第2絶縁膜82は、第1層82Aと第2層82Bの積層体である。第1層82AはたとえばSiOであり、第2層82BはたとえばSiNである。第2層82Bは既に述べたように水分を通さない水分不透過膜の役割を果たしている。
第2絶縁膜82がくし歯電極30と第1絶縁膜51の第2層51Bの上に形成された後に、圧電薄膜83が第2絶縁膜82の上に形成されている。このために、圧電薄膜83が直接くし歯電極30と第2層51Bに対して形成される場合すなわち圧電薄膜83が異種材料の上に直接形成される場合に比べて、圧電薄膜83を第2絶縁膜82の同一材質の上に形成できるので、圧電薄膜83の厚みを均一化できる。これによって、圧電薄膜83は、振動の波の伝播損失を小さくすることができる。
電極膜84が圧電薄膜83の上に形成されていることから、既に述べたように電気機械結合係数の向上を図り、振動周波数の広帯域化が行え、そしてQ値の向上を図ることができる。
図2、図4および図5の各実施例において、弾性表面波素子20ではくし歯電極30の図示をしているが、実際には図1に示すくし歯電極30、反射器31および反射器32も同一面100上に形成されている。
図5の実施形態においては、くし歯電極30が、駆動IC21の金属配線61とともに、同一面100に形成されている。すなわちくし歯電極30と金属配線61は、第1絶縁膜51の第2層51Bの同一面100上に形成されている。このことから、くし歯電極30と金属配線61は同時に同一面100に対して製造過程において同時に形成することができる。このようにくし歯電極30と金属配線61を同一面100上に形成することにより、信号の遅延を少なくし、導通抵抗を下げることができる。
図6は、本発明のさらに別の実施形態を示している。図6の実施形態は図2の実施形態とほぼ同じであり同一の箇所には同じ符号を記してその説明を用いている。
図6の実施形態が図2の実施形態と異なるのは、第2絶縁膜82、圧電薄膜83および電極膜84の形状である。第2絶縁膜82が、第1絶縁膜51に比べてかなり薄く形成されているのは上述の各実施形態と同じである。第2絶縁膜82は、くし歯電極30の凹凸に応じて凹凸形状を有している。これに対応して圧電薄膜83および電極膜84も多少凹凸形状になっている。
このような第2絶縁膜82、圧電薄膜83および電極膜84の形状は、図6の実施形態に限らず図4の実施形態および図5の実施形態についても適用することができる。
しかし、図6の第2絶縁膜82、圧電薄膜83および電極膜84のように、凹凸形状を有しているものではなく、図2、図4、図5に示すように第2絶縁膜82と圧電薄膜83および電極膜84が平坦化されている方が、振動の波の伝播損失を小さくする上で好ましい。
本発明の実施形態では、第1絶縁膜はくし歯電極と基板の間の電気的絶縁を図るとともに、第2絶縁膜はくし歯電極と圧電薄膜の間の電気絶縁を確実に得ることができる。そして圧電薄膜を形成する際に、この圧電薄膜は第2絶縁膜に対して形成すれば良い。このことから、たとえば第1絶縁膜とその第1絶縁膜の上に形成されているくし歯電極の2つの異なる材質に対して直接圧電薄膜を形成する場合に比べて、圧電薄膜は第2絶縁膜という同一材質のものに対してだけ形成するので、圧電薄膜は均一に成膜できる。
弾性表面波素子は、半導体装置と複合化することができ、弾性表面波素子複合装置は、くし歯電極と基板の間の絶縁とくし歯電極と圧電薄膜の間の絶縁を確保しながら容易に形成することができる。
本発明の実施形態では、圧電薄膜を形成しようとする第2絶縁膜の部分が平坦化されることにより、第2絶縁膜の部分の上に形成された圧電薄膜には段差が生じることなく圧電薄膜は平坦で均一に成膜することができる。弾性表面波素子の電気機械結合係数を向上させて、広帯域化してQ値を向上させることができる。
本発明の実施形態では、弾性表面波はレイリー波のみでなく、セザワ波およびその高次モード、あるいはリーキー波、横波なども使用可能である。
本発明の実施形態では、くし歯電極と基板の間に第1絶縁膜を設けることにより、くし歯電極と基板、特に半導体基板との電気的絶縁が可能である。
本発明の実施形態では、第2絶縁膜をくし歯電極と圧電薄膜の間に積極的に設けることにより、圧電薄膜は同一材質である第2絶縁膜に対して形成すれば良いので、圧電薄膜の成膜時の均一化が図れる。これによって圧電薄膜は、振動の波の伝播損失を少なくすることができる。
第2絶縁膜を平坦化して形成することにより、圧電薄膜には段差が生じなくなり、平坦で均一に成膜することができる。これによって圧電薄膜の波の伝播損失をさらに小さくすることができる。
本発明の弾性表面波素子複合装置は、半導体弾性表面波素子複合装置とも呼ぶことができる。この弾性表面波素子複合装置は、基準クロックを発生させる機能のみでなく、センサーあるいはアクチュエーターとしても適用することができる。
なお、絶縁膜のSiO膜は、たとえばスパッタやCVD(化学的蒸着法)により形成でき、SiN膜はCVDやスパッタにより形成できる。また、ZnOはスパッタやCVDにより形成できる。基板は、半導体基板の他に、ガラス基板や水晶基板であってもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
本発明の弾性表面波素子複合装置の形状例を示す平面図。 図1の弾性表面波素子複合装置のX−X線における断面構造例を示す図。 本発明の実施形態に対する比較例を示す図。 本発明の弾性表面波素子複合装置の別の実施形態を示す断面図。 本発明の弾性表面波素子複合装置のさらに別の実施形態を示す断面図。 本発明の弾性表面波素子複合装置のさらに別の実施形態を示す断面図。
符号の説明
10・・・弾性表面波素子複合装置、20・・・弾性表面波素子、21・・・駆動IC(半導体装置の一例)、30・・・くし歯電極、31,32・・・反射器、40・・・基板、51・・・第1絶縁膜、82・・・第2絶縁膜、83・・・圧電薄膜、84・・・電極膜

Claims (9)

  1. 基板と、前記基板に設けられたくし歯電極と圧電薄膜とを有する弾性表面波素子であって、
    前記くし歯電極と前記基板の間に設けられた第1絶縁膜と、
    前記くし歯電極と前記圧電薄膜の間に設けられた第2絶縁膜と、
    を備えることを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 前記圧電薄膜に接する前記第2絶縁膜の部分が平坦化されていることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波素子。
  3. 前記圧電薄膜の上には、電極膜が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の弾性表面波素子。
  4. 前記基板は、半導体基板であることを特徴とする請求項3に記載の弾性表面波素子。
  5. 前記第1絶縁膜または前記第2絶縁膜は、水分不透過膜を有していることを特徴とする請求項4に記載の弾性表面波素子。
  6. 基板と前記基板に設けられたくし歯電極と圧電薄膜とを有する弾性表面波素子と、前記基板に設けられた半導体装置と、を備える弾性表面波素子複合装置であって、
    前記弾性表面波素子は、
    前記くし歯電極と前記基板の間に設けられた第1絶縁膜と、
    前記くし歯電極と前記圧電薄膜の間に設けられた第2絶縁膜と、
    を備えることを特徴とする弾性表面波素子複合装置。
  7. 前記弾性表面波素子の前記くし歯電極と、前記半導体装置の配線が、同一層に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の弾性表面波素子複合装置。
  8. 前記圧電薄膜に接する前記第2絶縁膜の部分が平坦化されていることを特徴とする請求項7に記載の弾性表面波素子複合装置。
  9. 前記圧電薄膜の上には、電極膜が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の弾性表面波素子複合装置。
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